説明

情報伝送システム、撮像装置、経路案内方法、及び、経路案内プログラム

【課題】利用者にとって理解しやすい経路案内を実現する。
【解決手段】 道路3〜6、9〜11、交差点7、8、案内板13の要所には、誘導案内に必要な所要の情報を光の点滅パターンで送信する発光ユニット14〜23が設けられている。ユーザ12は周りを見渡して道路6や交差点20などに設けられている最寄りの道標、すなわち、発光ユニット23、22、・・・・を見つけ出し、それらの発光ユニット23、22、・・・・の一つ又は複数をカメラの画角に収めるように、携帯端末26の向きを調整する。たとえば、道路6→交差点8→道路5→交差点7→道路4で発光ユニット23、22、20をカメラの撮影画角内に収めたときには、携帯端末26のディスプレイ28には「直進案内」が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に撮像装置を利用することにより目的地への経路を案内する情報伝送システム、撮像装置、経路案内方法、及び、経路案内プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物や限定された空間内において利用者に対して目的地の位置や場所を知らせる方法として、案内板を表示したり、音声案内を出力するシステムが知られている。
また、近年では、目的地の位置や場所を知らせる方法として、要所要所に、案内情報を無線発信するためのビーコンを設置し、このビーコンから発信される位置情報を利用者が所持する建物内案内誘導装置が受信し、この位置情報に基づいて表示出力、もしくは音声出力させることで、利用者に対し迷うことなく目的地まで誘導する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−110329(第5頁、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術において使用されるビーコンは、無線という指向性の弱い伝送媒体により位置情報を送信するものであるため、建物内案内誘導装置は、例えば、利用者の立っている向きや進行方向とは無関係にこのビーコンからの位置情報を受信し、案内を音声、若しくは表示出力するので、使い勝手の良い経路案内とは言い難いものであった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者にとって理解しやすい経路案内を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、経路案内に関連する情報を輝度変調する第1の輝度変調手段と、この第1の輝度変調手段によって輝度変調された光を発光する発光手段とを備えた発光装置と、この発光装置を画角に収めて撮像する撮像手段と、この撮像手段によって撮像された発光装置の発光により前記情報を復号する復号手段と、この復号手段によって復号された情報を出力する出力手段とを備えた撮像装置とからなる情報伝送システムにおいて、前記撮像装置は、目的地情報を設定する設定手段と、前記復号手段によって復号された情報が、前記設定手段によって設定された目的地情報までの経路案内に関連するものか否か判断する判断手段と、この判断手段により前記目的地情報までの経路案内に関連するものと判断されると、前記目的地情報と前記経路案内とに基づいて、目的地までの経路を出力するよう前記出力手段を制御する出力制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、上記請求項1において、前記撮像手段は、複数の発光装置を撮像画角に収めるとともに、前記復号手段は、前記撮像手段によって撮像された複数の発光装置の各々について前記経路案内に関する情報へ復号し、前記撮像手段により前記撮像画角に収められた複数の発光装置の位置と前記復号手段によって復号された経路案内に関する情報とにより、前記目的地までの誘導経路を生成する生成手段を更に備え、前記出力手段は表示手段を含み、前記生成手段によって生成された誘導経路を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、上記請求項2において、前記複数の発光装置は各々、前記目的地までの経路案内に関連する情報として、前記目的地までの経路順序を個別に記憶する記憶手段を更に備えるとともに、前記第1の輝度変調手段はこの記憶手段に記憶された経路順序を輝度変調し、前記生成手段は、前記復号手段が複数の発光装置から各々復号した経路順序と前記撮像画角に収められた複数の発光装置の位置とに基づいて、経路案内に関する情報を生成することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、上記請求項3において、前記複数の発光装置は各々、前記目的地までの経路案内に関連する情報として、前記目的地までの経路順序を個別に記憶する記憶手段を更に備えるとともに、前記第1の輝度変調手段はこの記憶手段に記憶された経路順序を輝度変調し、前記生成手段は、前記復号手段が複数の発光装置から各々復号した経路順序と前記撮像画角に収められた複数の発光装置の位置とに基づいて、経路案内に関する情報を生成することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、上記請求項2において、前記発光装置は複数の発光部を備えるとともに、前記第1の輝度変調手段は前記経路案内に関連する情報として、前記目的地までの経路方向を指し示すように前記複数の発光部各々の発光パターンを異ならせて発光させ、前記撮像手段は、複数の発光部を撮像画角に収めるとともに、前記復号手段は、前記撮像手段によって撮像された複数の発光部から、前記経路案内に関する情報として、前記目的地まで経路方向へ復号し、前記生成手段は、前記復号された経路方向と前記撮像画角に収められた発光装置の位置とに基づいて、経路案内に関する情報を生成することを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、上記請求項2乃至5の何れかの発明において、前記表示制御手段は、前記撮像手段によって撮像された画角の画像と、前記生成手段によって生成された前記目的地までの経路とを重畳させて表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、上記請求項1乃至6の何れかにおいて、前記発光装置は、目的地情報を輝度変調する第2の輝度変調手段と、この第2の輝度変調手段によって輝度変調された光を発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段とを更に備えるとともに、前記撮像装置は、この発光制御手段により制御されて発光する発光装置を画角に収めて撮像するよう前記撮像手段を制御する撮像制御手段と、この撮像制御手段によって撮像された発光装置より前記目的地情報に復号するよう前記復号手段を制御する復号制御手段とを更に備え、前記設定手段は、この復号制御手段によって復号された目的地情報を設定することを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、目的地情報を設定する設定手段と、経路案内に関連する情報が輝度変調されることにより発光する発光装置を画角に収めて撮像する撮像手段と、この撮像手段によって撮像された発光装置の発光により前記情報を復号する復号手段と、この復号手段によって復号された情報が、前記設定手段によって設定された目的地情報までの経路案内に関連するものか否か判断する判断手段と、この判断手段により前記目的地情報までの経路案内に関連するものと判断されると、前記目的地情報と前記経路案内とに基づいて、目的地までの経路を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、上記請求項8において、前記撮像手段は、複数の発光装置を撮像画角に収めるとともに、前記復号手段は、前記撮像手段によって撮像された複数の発光装置の各々について前記経路案内に関する情報へ復号し、前記撮像手段により前記撮像画角に収められた複数の発光装置の位置と前記復号手段によって復号された経路案内に関する情報とにより、前記目的地までの誘導経路を生成する生成手段を更に備え、前記出力手段は表示手段を含み、前記生成手段によって生成された誘導経路を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段を更に備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、上記請求項9において、前記復号手段は前記目的地までの経路案内に関連する情報として、複数の発光装置の各々に個別に設定された前記目的地までの経路順序を復号し、前記生成手段は、この復号手段によって復号された経路順序と前記撮像画角に収められた複数の発光装置の位置とに基づいて、経路案内に関する情報を生成することを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、上記請求項10において、前記生成手段は、前記撮像画角に収められた複数の発光部分と前記各々復号した経路順序とから誘導経路を複数生成し、前記生成手段によって生成された複数の誘導経路から最尤経路を選択する選択手段を更に備え、前記表示制御手段は、この選択手段によって選択された最尤経路を前記表示手段に表示させるよう制御することを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、上記請求項9乃至11の何れかにおいて、前記表示制御手段は、前記撮像手段によって撮像された画角の画像と、前記生成手段によって生成された前記目的地までの経路とを重畳させて表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする。
【0018】
請求項13記載の発明は、目的地情報を設定する設定ステップと、経路案内に関連する情報が輝度変調されることにより発光する発光装置を画角に収めて撮像する撮像ステップと、この撮像ステップにて撮像された発光装置の発光により前記情報を復号する復号ステップと、この復号ステップにて復号された情報が、前記設定ステップにて設定された目的地情報までの経路案内に関連するものか否か判断する判断ステップと、この判断ステップにて前記目的地情報までの経路案内に関連するものと判断されると、前記目的地情報と前記経路案内とに基づいて、目的地までの経路を出力する出力ステップとからなることを特徴とする。
【0019】
請求項14記載の発明は、コンピュータを、目的地情報を設定する設定手段、撮像部に対し、経路案内に関連する情報が輝度変調されることにより発光する発光装置を画角に収めて撮像させる撮像手段この撮像手段によって撮像された発光装置の発光により前記情報を復号する復号手段、この復号手段によって復号された情報が、前記設定ステップにて設定された目的地情報までの経路案内に関連するものか否か判断する判断手段、この判断手段によって前記目的地情報までの経路案内に関連するものと判断されると、前記目的地情報と前記経路案内とに基づいて、目的地までの経路を出力する出力手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1の情報伝送システムによれば、発光装置にて輝度変調された光を撮像装置にて撮像画角に納めると、その光に含まれる経路案内に関連する情報を復号する。そして、この情報が、設定された目的地情報までの経路案内に関連するものであるか否かが判定され、その判定結果に基づいて、設定された目的地までの経路が出力されるので、利用者は、所望する方向の光源からの情報を利用することができ、撮像装置の撮像画角外に位置する不要な光源の影響を受けることがない。したがって、無線ビーコンのような指向性の弱い伝送媒体によるものに比べて、使い勝手の良い経路案内を実現することができる。
【0021】
また、請求項2によれば、上記請求項1において、複数の発光装置を撮像画角に収め、この複数の発光装置の各々について前記経路案内に関する情報へ復号し、これらの情報が設定された目的地情報までの経路案内に関連するものであれば、設定された目的地までの誘導経路を生成して表示するようにしたので、利用者はさらに、所望する方向の複数の光源からの情報を複数利用することで、目的地までの誘導経路を知ることができる。したがって、使い勝手の良い経路案内を実現することができる。
【0022】
さらに、請求項3によれば、上記請求項2において、複数の発光装置は各々、前記目的地までの経路案内に関連する情報として前記目的地までの経路順序を個別に記憶し、撮像装置では、これら複数の発光装置から各々復号した経路順序と前記撮像画角に収められた複数の発光装置の位置とに基づいて、経路案内に関する情報を生成するようにしたので、利用者はさらに、所望する方向の複数の光源からの情報を複数利用することで、目的地までの経路順序を知ることができる。したがって、使い勝手の良い経路案内を実現することができる。
【0023】
さらにまた、請求項4によれば、上記請求項3において、撮像装置は、撮像画角に収められた複数の発光装置からの光と前記各々復号した経路順序とから誘導経路を複数生成し、この生成された複数の誘導経路から最尤経路を選択して表示するので、利用者はさらに、経路案内が複数存在する場合でも、最尤経路を知ることができる。したがって、使い勝手の良い経路案内を実現することができる。
【0024】
また、請求項5によれば、上記請求項2において、前記発光装置は目的地までの経路方向を指し示すように複数の発光部で発光し、撮像装置は、この複数の発光部を画角に納めることで、経路案内に関する情報を表示するので、画角に納められる発光装置が一つであっても、目的地までの経路を知ることができる。したがって、使い勝手の良い経路案内を実現することができる。
【0025】
さらに、請求項6によれば、上記請求校2乃至5の何れかにおいて、撮像された画角の画像と、生成された前記目的地までの経路とを重畳させて表示するようにしたので、利用者はより分かりやすい経路案内を知ることができる。
【0026】
さらにまた、請求項7によれば、上記請求校1乃至6の何れかにおいて、発光装置は、目的地情報を輝度変調して発光し、撮像装置は、この撮像された発光装置より目的地情報に復号して設定するようにしたので、利用者は、予め目的地等を設定する必要がない。したがって、使い勝手の良い経路案内を実現することができる。
【0027】
本発明の請求項8の撮像装置によれば、経路案内に関連する情報が輝度変調された発光装置からの光を画角に収めて撮像すると、その光に含まれる経路案内に関連する情報を復号する。そして、この情報が、設定された目的地情報までの経路案内に関連するものであるか否かが判定され、その判定結果に基づいて、設定された目的地までの経路が出力されるので、利用者は、所望する方向の光源からの情報を利用することができ、撮像装置の撮像画角外に位置する不要な光源の影響を受けることがない。したがって、無線ビーコンのような指向性の弱い伝送媒体によるものに比べて、使い勝手の良い経路案内を実現することができる。
【0028】
また、請求項9記載の発明によれば、上記請求項8において、撮像された複数の発光装置の各々について前記経路案内に関する情報へ復号し、これら複数の発光装置の位置と復号された経路案内に関する情報とにより、前記目的地までの誘導経路を生成するので、利用者はさらに、所望する方向の複数の光源からの情報を複数利用することで、目的地までの誘導経路を知ることができる。したがって、使い勝手の良い経路案内を実現することができる。
【0029】
さらに、請求項10記載の発明によれば、上記請求項9において、複数の発光装置の各々に個別に設定された前記目的地までの経路順序を復号して、経路順序と撮像画角に収められた複数の発光装置の位置とに基づいて、経路案内に関する情報を生成するので、利用者はさらに、所望する方向の複数の光源からの情報を複数利用することで、目的地までの経路順序を知ることができる。
【0030】
さらにまた、請求項11記載の発明によれば、上記請求項10において、撮像画角に収められた複数の発光装置からの光と前記各々復号した経路順序とから誘導経路を複数生成し、この生成された複数の誘導経路から最尤経路を選択して表示するので、利用者はさらに、経路案内が複数存在する場合でも、最尤経路を知ることができる。したがって、使い勝手の良い経路案内を実現することができる。
【0031】
また、請求項12記載の発明によれば、上記請求項9乃至11の何れかにおいて、撮像された画角の画像と、生成された前記目的地までの経路とを重畳させて表示するようにしたので、利用者はより分かりやすい経路案内を知ることができる。
【0032】
本発明の請求項13の経路案内方法によれば、経路案内に関連する情報が輝度変調された発光装置からの光を画角に収めて撮像すると、その光に含まれる経路案内に関連する情報を復号する。そして、この情報が、設定された目的地情報までの経路案内に関連するものであるか否かが判定され、その判定結果に基づいて、設定された目的地までの経路が出力されるので、利用者は、所望する方向の光源からの情報を利用することができ、撮像装置の撮像画角外に位置する不要な光源の影響を受けることがない。したがって、無線ビーコンのような指向性の弱い伝送媒体によるものに比べて、使い勝手の良い経路案内を実現することができる。
【0033】
本発明の請求項14の経路案内プログラムによれば、コンピュータは、経路案内に関連する情報が輝度変調された発光装置からの光を画角に収めて撮像すると、その光に含まれる経路案内に関連する情報を復号する。そして、この情報が、設定された目的地情報までの経路案内に関連するものであるか否かが判定され、その判定結果に基づいて、設定された目的地までの経路が出力されるので、利用者は、所望する方向の光源からの情報を利用することができ、撮像装置の撮像画角外に位置する不要な光源の影響を受けることがない。したがって、無線ビーコンのような指向性の弱い伝送媒体によるものに比べて、使い勝手の良い経路案内を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0035】
図1は、実施形態の利用状態を示す図である。この図には、ビル1や目的地の店舗2、それらに至る道路3〜6、途中の交差点7、8、及び、交差点から枝分かれした道路9〜11などを模式化した町の様子と、ユーザ12の現在地に設置されている案内板13とが示されている。
【0036】
ここで、道路3〜6、9〜11や交差点7、8の要所には、発明の要旨に記載の「道標」として機能する発光ユニット14〜23が設けられており、また、案内板13の要所にも、発光ユニット24、25が設けられている。全ての発光ユニット14〜25は、誘導案内に必要な所要の情報を光の点滅パターン(輝度変調)で送信する。
【0037】
一方、ユーザ12が所持する携帯端末26は、後述するように、カメラとディスプレイを備えた携帯型のユニットであり、そのカメラの撮影画角に収められた任意の発光ユニット、たとえば、図示の例では、案内板13の破線27内に含まれる発光ユニット25の光の点滅パターンをカメラで撮像し、その撮像情報から当該発光ユニット25の送信情報を再生してディスプレイ28に表示する。
【0038】
本実施形態では、以下の説明からも明らかとなるが、たとえば、目的地の店舗2までの誘導案内を希望するユーザ12は、まず、最寄りの案内板13を見つけ、その案内板13の目的地マーク(図示の例では破線27内に描かれた店舗図形又は店舗名29)を、所持した携帯端末26で所定時間撮影する。所定時間の長さは、案内板13の破線27内に含まれる発光ユニット25から送信される情報の長さに依存する。
【0039】
次いで、ユーザ12は、携帯端末26のディスプレイ28に表示された目的地情報を確認し、間違いがなければ、その情報を誘導案内の目的地に設定する。
【0040】
誘導案内の開始は、携帯端末26のカメラ(後述のイメージセンサ50)で現在地付近の発光ユニットを撮影することからスタートする。つまり、ユーザ12は、周りを見渡して道路6や交差点20などに設けられている最寄りの道標、すなわち、発光ユニット23、22、・・・・を見つけ出し、それらの発光ユニット23、22、・・・・の一つ又は複数をカメラの画角に収めるように、携帯端末26の向きを調整する。
【0041】
後述するように、全ての発光ユニット14〜23には、例示の店舗2をはじめとするあらゆる目的地への案内情報が所定の形式で格納されており、所定の目的地を設定した携帯端末26で、それらの発光ユニット14〜23の一つ又は複数を撮影することにより、携帯端末26のディスプレイ28に、要所要所の進行方向が示されるようになっている。
【0042】
たとえば、図示の例では、ユーザ12の現在地から目的の店舗2までのルートは、道路6→交差点8→道路5→交差点7→道路4であるので、道路6から交差点7までの間に位置する発光ユニット23、22、20をカメラの撮影画角内に収めたときには、携帯端末26のディスプレイ28には「直進案内」が表示される。また、交差点7に位置する発光ユニット16を撮影画角内に収めたときには「右折案内」が表示され、道路4に位置する発光ユニット17を撮影画角内に収めたときには「直進案内」が表示され、さらに、店舗2の前に位置する発光ユニット18を撮影画角内に収めたときには「目的地到着案内」が表示される。
【0043】
したがって、ユーザ12は、携帯端末26のディスプレイ28に表示された案内を見るだけで、要所要所の進行方向を正しく把握することができ、現在地から目的地までのルートを間違いなく辿ることができる。
【0044】
なお、以上の説明では、各発光ユニット14〜23を道路や交差点に設置しているが、これに限定されない。たとえば、建物等の壁面、看板、信号機、電柱などに設けてもよい。あるいは、地下街や駅構内等の天井、若しくは、通路に設置された盲人用ブロックなどに設けてもよい。
【0045】
図2は、発光ユニット14〜23の構成図である。発光ユニット14〜23は、いずれも同一の構成を有しており、代表として発光ユニット14の構成を説明すると、この発光ユニット14は、道路や壁面等に埋設することが可能なボックス30と、このボックス30の開口部を密閉状態で閉鎖する強化ガラスで覆われた発光窓31と、ボックス31の内部に設けられた、送出データメモリ32、パターンデータメモリ33、タイミングジェネレータ34、CPU(Central Processing Unit)35及び発光部36などを備える。なお、図では、ボックス31の外に送出データメモリ32やパターンデータメモリ33、タイミングジェネレータ34及びCPU35が描かれているが、これは図示の都合である。なお、本実施の形態にあっては、予め送信データメモリ32やパターンデータメモリ33にデータが組み込まれた場合を想定しているが、外部、特にネットワークを通じてダウンロードできるようにしてもよい。
【0046】
タイミングジェネレータ34は、携帯端末26のCPU54で作られる画像キャプチャクロック信号と同期する所定周期の安定したクロック信号を発生する。
【0047】
CPU35は、タイミングジェネレータ34からのクロック信号に同期して送出データメモリ32に格納されている送信情報のi番目のビットを取り出し、そのビット値を判定して、論理信号1であればパターンデータメモリ33から第1パターン系列SAを取り出す一方、論理信号0であればパターンデータメモリ33から第2パターン系列SBを取り出し、それらの第1パターン系列SA又は第2パターン系列SBを発光部36に出力する動作を送信情報のビット数fだけ繰り返す。
【0048】
発光部36は、第1パターン系列SA又は第2パターン系列SBの論理信号1の区間で発光し、論理信号0の区間で消灯するという点滅動作を行い、発光窓31を介して時系列的な輝度変化パターンを持つ光Pを出力する。
【0049】
図3(a)は、送出データメモリ32に格納されている送信情報の一例のフォーマット図であり、図3(b)は、具体的なデータを格納した送信情報のフォーマット図である。この送信情報37は、コマンドコード部38、パラメータデータ部39及びサービス識別コード部40からなる。コマンドコード部38には、その送信情報の用途区分に関する情報、たとえば、その送信情報が目的地の「選択及び設定」に用いられるものであるのか、あるいは、目的地までの「誘導」に用いられるものであるのかを示すコードが格納される。また、パラメータデータ部39には、上記の「選択及び設定」又は「誘導」に対応した所要の情報、たとえば、その送信情報が目的地の「選択及び設定」に用いられるものである場合には、一つ乃至はいくつかの目的地の情報が格納され、あるいは、その送信情報が目的地の「誘導」に用いられるものである場合には、目的地毎のナンバリング情報が格納される。さらに、サービス識別コード部40には、設定された選択情報と、途中の経路情報と確実な対応を取るためのサービス識別コード情報が格納される。このサービス識別コード情報により、無関係な選択情報による誤ったまたは意味のない誘導を回避できるようにしている。
【0050】
ここで、ナンバリング情報とは、目的地に至る間の経路上に設置されている複数の発光ユニット14の各々において、目的地までの距離に対応して、値が変化するように設定されている経路順序に用いられる識別情報のことをいう。
【0051】
たとえば、図示の例においては、パラメータデータ部39に、“A−23”、“B−6”、“C−11”という便宜上の実データが格納されているが、これは、それぞれ、目的地Aのナンバリング情報=23、目的地Bのナンバリング情報=6、目的地Cのナンバリング情報=11を意味する。
【0052】
今、たとえば、ナンバリング情報の設定条件を「目的地に最も近い発光ユニット14のナンバリング情報を最小(例:0)とし」かつ「目的地から離れるにつれてナンバリング情報を大きくする」ことにする。この場合、上記の例示のナンバリング情報は、目的地A=23、目的地B=6、目的地C=11であるので、それぞれの目的地までの間に、さらにいくつかの発光ユニット14が存在することになる。そして、それらの発光ユニット14のナンバリング情報は、目的地Aに近づくにつれて当該目的地Aのナンバリング情報が小さくなり、又は、目的地Bに近づくにつれて当該目的地Bのナンバリング情報が小さくなり、あるいは、目的地Cに近づくにつれて当該目的地Cのナンバリング情報が小さくなり、最終的に、目的地Aの直前で当該目的地Aのナンバリング情報が0になり、目的地Bの直前で当該目的地Bのナンバリング情報が0になり、目的地Cの直前で当該目的地Cのナンバリング情報が0になる。
【0053】
図4は、ナンバリング情報の連携模式図である。この図には、5つの発光ユニット41〜45が示されている。これらの発光ユニット41〜45は、先に説明した発光ユニット14と同じものである。矢印46をユーザ12の進行方向とすると、その進行方向直前に位置する発光ユニット41からは、“A−23”、“B−6”、“C−11”のコマンドコードを含む情報が光の点滅で送信されている。先に説明したように、このコマンドコード(“A−23”、“B−6”、“C−11”)は、目的地Aのナンバリング情報=23、目的地Bのナンバリング情報=6、目的地Cのナンバリング情報=11を意味する。
【0054】
さて、ユーザ12の進行方向先を目的地C、すぐ手前を右折すると目的地B、少し先を右折すると目的地Aとすると、図示の例では、ユーザ12の現在位置から目的地Cの間に位置する3つの発光ユニット41、43、44の各コマンドコードに目的地Cのナンバリング情報として“C−11”、“C−10”、“C−9”が設定されており、このナンバリング情報(“C−11”、“C−10”、“C−9”)は、目的地Cに近づくにつれて“11”→“10”→“9”と段々と小さくなっている。同様に、ユーザ12の現在位置から目的地Aの間に位置する4つの発光ユニット41、43、44、45の各コマンドコードに目的地Aのナンバリング情報として“A−23”、“A−22”、“A−21”、“A−20”が設定されており、このナンバリング情報(“A−23”、“A−22”、“A−21”、“A−20”)も、目的地Aに近づくにつれて“23”→“22”→“21”→“20”と段々と小さくなっている。また、ユーザ12の現在位置から目的地Bの間に位置する2つの発光ユニット41、42の各コマンドコードに目的地Bのナンバリング情報として“B−6”、“B−5”が設定されており、このナンバリング情報(“B−6”、“B−5”)も、目的地Bに近づくにつれて“6”→“5”と段々と小さくなっている。
【0055】
このように、複数の発光ユニットの各々に、所定のナンバリング順番を付与した目的地ごとのナンバリング情報を格納したので、それぞれの発光ユニットのナンバリング情報を検出し、そのナンバリング情報が段々と小さくなるように辿っていくことにより、最終的に目的地にたどりつくことができるようになる。
【0056】
なお、以上の説明では、ナンバリング情報の設定条件を「目的地に最も近い発光ユニット14のナンバリング情報を最小(例:0)とし」かつ「目的地から離れるにつれてナンバリング情報を大きくする」こととしたが、これに限定されない。たとえば、「目的地に最も近い発光ユニット14のナンバリング情報を最大とし」かつ「目的地から離れるにつれてナンバリング情報を小さくする」ようにしてもよい。あるいは、そのナンバリング情報の変化幅を1以外の値(たとえば、10や100ステップ等)にしてもよい。又し、数値以外のナンバリング情報、たとえば、A、B、C・・・・などの文字情報であってもよい。
【0057】
図5は、携帯端末26の構成図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は内部ブロック図である。これらの図において、携帯端末26は、携帯に適した形状のボディ47の前面に、液晶パネル等のディスプレイ28及び各種操作ボタン類(図ではそれらをひとまとめにした操作子48で示す。)を配置すると共に、その背面に撮影レンズ49を配置して構成されている。
【0058】
ボディ47の内部には、撮影レンズ49の画角α内の画像を撮影するCCDやCMOS等のイメージセンサ50と、そのイメージセンサ50で撮影された画像信号を複数フレーム保持するバッファ51と、バッファ51に保持されている複数フレームの画像信号から発光ユニットの発光信号を検出する信号領域検出手段52と、信号領域検出手段52によって検出された発光信号を復号して、発光ユニットの送信情報を復元する信号復号手段53と、バッファ51に保持されている画像及び信号復号手段53によって復元された発光ユニットの送信情報を取り込み、所要の処理を講じた後、その画像に進行方向を指示する情報(たとえば、矢印図形等)を重畳してディスプレイ28に出力するCPU54とが設けられているほか、このCPU54の処理に用いられる各種データを格納する検出データメモリ55及び選択データメモリ56などが設けられている。検出データメモリ55は、それぞれの発光ユニットの位置情報やその送信情報などを保持するものであり、選択データメモリ56は、目的地の情報やその他の情報(たとえば、ディスプレイ28に表示する言語の情報など)を保持するものである。
【0059】
図6及び図7は、目的地設定の様子を示す図である。これらの図において、××地下街案内板57には、現在地マーク58と、いくつかの目的地マーク(△△デパート59、××ビル60、△△駅61、○○駅62)と、それらの間を縦横に結ぶ通路63が描かれており、さらに、各々の目的地マークの近くに発光ユニット64〜67が併設されている。
【0060】
××地下街案内板57を目にしたユーザ12が、たとえば、○○駅までの誘導案内を必要とした場合、まず、携帯端末26を××地下街案内板57の所要部分、すなわち、○○駅62に向ければよい。
【0061】
このようにすると、図7(a)に示すように、携帯端末26のディスプレイ28に○○駅62の案内図形や発光ユニット67の輝点が映し出され、同時に、携帯端末26の内部でその発光ユニット67の発光信号の検出及び発光ユニット67の送信情報の復元が行われる結果、図示のように、携帯端末26のディスプレイ28に目的地設定の有無を訊ねる吹き出し付きメッセージ68が表示される。ユーザ12は、その目的地への経路誘導を望む場合、操作子(OKボタン)48を押す。
【0062】
なお、発光ユニット67からの送信情報は日本語だけでなく、英語や韓国語等の代表的な外国語を含んでいてもよい。選択データメモリ56に格納されているその他の情報のうちディスプレイ28に表示する言語の情報が「英語」になっている場合は、送信情報の英語をディスプレイ28に表示すればよい(図7(b)の吹き出し付き英語メッセージ69参照)。
【0063】
図8は、発光ユニット67からの送信情報のデータフォーマットを示す図である。
この送信情報37aのコマンドコード部38aには「選択及び設定」が格納されており、この送信情報37aが目的地を選択するものであることを明示している。パラメータデータ部39aには、目的地の選択に必要な各種の情報が格納されている。また、この例では、日本語だけでなく、英語等の多言語の情報も合わせて格納されており、上記のとおり、携帯端末でそれらの言語を切り替えて利用できるようになっている。
【0064】
図9は、経路案内途中のディスプレイ28の表示例を示す図である。この図に示すように、ディスプレイ28には、目的地Aに続く直線状の通路70と、その通路70から枝分かれして、それぞれ目的地B及びCに向かう2本の通路71、72が映し出されている。さらに、それぞれの通路70〜72の要所要所には発光ユニット73〜78が設けられており、ディスプレイ28には、これらの発光ユニット73〜78の輝点も映し出されている。
【0065】
ユーザ12の進行方向を矢印79としたとき、目的地Aへの経路は一点鎖線80であり、目的地Bへの経路は点線81であり、目的地Cへの経路は二点差線82であるから、ユーザ12の指定した目的地に応じて、一点鎖線80、点線81又は二点差線82に沿った経路案内をすればよい。
【0066】
図10は、経路案内の実際を示す図である。(a)に示すように、二人のユーザ12a、12bがそれぞれ目的地A又は目的地Bに向かっているものとする。(b)及び(c)はユーザ12aが所持する携帯端末26のディスプレイ画面の表示、(d)及び(e)はユーザ12bが所持する携帯端末26のディスプレイ画面の表示である。
【0067】
ユーザ12aが目的地Bに向かっている場合、ユーザ12aと目的地Bの間には複数の発光ユニット83、84、85が存在するため、それらの発光ユニット83、84、85を結ぶ適切な経路案内図形86を生成し、(b)に示すように、ユーザ12aが所持する携帯端末26のディスプレイ28に表示する。同様に、ユーザ12bが目的地Aに向かっている場合、ユーザ12bと目的地Aの間には複数の発光ユニット84、83、87が存在するため、それらの発光ユニット84、83、87を結ぶ適切な経路案内図形88を生成し、(d)に示すように、ユーザ12bが所持する携帯端末26のディスプレイ28に表示する。
【0068】
なお、(b)及び(e)は、ユーザ12a、12bの現在位置からそれぞれの右左折位置までの間に発光ユニットが存在しない場合の表示例である。これらの場合、(c)及び(e)に示すように、ユーザ12a、12bの現在位置に向かって逆向きの経路案内図形89、90が描かれる。逆向きのため若干の違和感はあるものの、それぞれの経路案内図形89、90は目的地A又はBへの正しい進行方向を指し示しているので実用上支障はない。
【0069】
以下、具体的な動作の説明を「情報光源のデータ設定規則および送出データの設定」、「目的地の設定」、「実利用例」の順に説明する。
【0070】
まず、本発明の情報光源(発光ユニット)の配置規則とそれが発光送信するデータ形式について述べる。
【0071】
<目的地に対するナンバリング規則>
誘導対象エリアには、経路誘導するための情報光源が適切なポイント(以下経路点)に設置される。本実施形態において、経路の誘導とは、エリア内のどこにいようと設定された目的地に向かう方向を指し示すこととする。情報光源は、夫々目的地に対して、経路の序列(=ナンバリング)が設置時に決定されている。
【0072】
さて、本実施形態で、各情報光源に目的地に対してごとに行うナンバリングの規則は以下のとおりである。
(規則1)目的地に最も近い経路点を選ぶナンバリングを0とする。
(規則2)最後にナンバリングした経路点(群)の隣の経路点(群)に+1したナンバリングとする。
・・分岐したら、分岐に従い枝分かれし、それぞれナンバリングする。
・・合流となり、すでにナンバリングされていたら何もしない(合流点はもっとも小さい値を優先してナンバリング)。
(規則3)誘導領域の全ての経路点にナンバリングされるまで、規則2に戻る。
(規則4)分岐誘導を望まない場合には、優先度を下げたい分岐側の経路点群を全て+2(または+2以上)する。
【0073】
図11及び図12は、目的地Aに対する各情報光源(発光ユニット)のナンバリング付与例を示す図である。この図において、各々の発光ユニットの横に示した数字は、その地点の目的地Aに対して付与されるナンバリング情報である。詳細なフローは後述するが、順番にカウントダウンするナンバリング情報の数字をトラッキングしていけば、特定の目的地に対する誘導経路を指し示すことができる。なお、規則4で+2しているのは、+1では隣接連結が誤って起きる場合があるからである。したがって、+2よりも大きな数字を加算してもよい(後述の合流パスを持ってパスの削除の発生の確率が減る)。
【0074】
これらの図において、図11(a)はもっとも単純にナンバリングが行われる例である。図11(b)は目的地(A)が中間点の場合の例である。また、経路外の地点(行き止まり等)に対してもナンバリングは行われる。これは、経路をたどりながら、ユーザの不注意で標準的な経路をはずしてしまった場合、または意図的にはずれた場合でも、当初の目的地への経路誘導が継続できるようにするためである。
【0075】
図12(a)は、分岐−合流があり、経路の優先順位が同じ場合の例である。これは、後述するフローだと、分岐点91の付近では、“P5”より“P2”まで直進する経路と、“P4”から曲がって“P3”を経由する経路の2つが示されることもある。
【0076】
図12(b)は、分岐はあるが、経路優先度が異なる場合の例である。先の規則に従ったナンバリングだと、分岐点92までのナンバ列が異なっているため、後述するフローに従うと、このケースでは、分岐点92の付近では、矢印で示す方向に、“P5”→“P4”→“P3”の経路だけが一意的に決定される。しかし、仮に“P6”がつけられたのほうの経路に入っても、目的地Aへの経路誘導は継続される。
【0077】
図12(c)は、誘導をわかりやすくするため、図12(b)のような重み付け同一の分岐になってしまった場合に分岐で表示される場合によるユーザの混乱をなくすために、前記ナンバリング規則4により、優先付けが異なるよう強制的に一方の経路の優先度を下げるナンバリングに変更した場合の例である。これにより、分岐の誘導は、後述するフローにより、一意的に決定される。
【0078】
もちろん、以上は、一つの実施形態であり本発明の本質は、局所的な複数の光源情報をとらえることができれば、特定の経路を誘導できるというものであるので、ほかの経路の定義、ほかのナンバリング規則も多種あるであろう。
【0079】
また、図11及び図12では、論理的な説明のための最小限の配置としたが、実際の光源(発光ユニット)敷設においては、常に複数の光源が自然にイメージセンサの画角に収まるように、特に、コーナー部においてきちんと案内ができるよう、適切な密度に配置されることは言うまでもない。密度が上がってもナンバリングの規則は同様である。
【0080】
また、以上の説明では平面的な例示にとどめたが、当然高さ方向の配置、たとえば、階段やエレベータ、さらにはエレベータの昇降ボタンなどにも情報光源を配置できるし、さらに、地下街のようなレベルの局所的案内から観光案内のような広範囲なエリア、たとえば、高台から見下ろした場合に視界に入る街灯などの連なりを使うことで全く違うスケールで成立するようにすることも可能であるし、変調が可能な照明を全て利用することができる。
【0081】
<送出データフォーマット>
さて、上述のようなナンバリングを、誘導対象エリアの全ての目的地について行い、特定情報光源の出力情報としてそれらを結合する。たとえば、図11(a)に示した誘導エリアで、目的地がA,B,C,Dの4つあるとき、それぞれの目的地B〜Dへのナンバリングは、次のようになる。
【0082】
図13は、目的地B〜Dへのナンバリング例を示す図である。(a)は目的地Bの例、(b)は目的地Cの例、(c)は目的地Dの例である。いずれの例も出発地から目的地の間のナンバリングは降順(P2→P1→P0)になっており、且つ、目的地直近のナンバリングがP0になっている。このようにして、誘導エリアでは、誘導すべき目的地の数だけ、その経路点(=情報光源)は、目的地に対するナンバリング属性をもつ。
【0083】
図14〜図16は、携帯端末の全体的な動作フローを示す図である。これらのフローでは、まず、イメージセンサ50で撮影され、バッファ51に格納されたフレーム画像系列から信号領域を捕捉し、該領域の光信号情報をデコードする(ステップS1)。そして、撮影レンズ49の画角αの中陰に最も近い情報光源を選択する(ステップS2)。
【0084】
次いで、コマンドコードを取り出し、そのコマンドコードが「誘導」であるか、「選択及び設定」であるかを判断する(ステップS3)。「誘導」の場合は、図15の誘導案内表示処理に進み、「選択及び設定」の場合には、以下の処理を実行する。
【0085】
すなわち、パラメータデータとサービス識別コードを取り出し(ステップS4)、それらのデータがすでに選択メモリ56に格納済みであるか否かを判定する(ステップS5)。格納済みであれば、所要のメッセージ(選択済みである旨を示すメッセージ)を表示し(ステップS6)、再び、ステップS1以降を繰り返す。
【0086】
一方、格納済みでなければ、表示用テキストを取り出して、そのテキストと設定確認メッセージをディスプレイ28に表示し(ステップS7)、OKボタンが押されるまで待機し(ステップS8)、OKボタンが押されたら、目的地データとサービス識別コードを選択データメモリ56に格納(ステップS9)した後、再び、ステップS1以降を繰り返す。
【0087】
誘導案内表示処理では、図15に示すように、まず、選択データメモリ56にサービス識別コードが一致しているデータが格納されているか否かを判定する(ステップS11)。そして、一致しているものがなければ、所要のメッセージ(たとえば、“この誘導領域に適した経路選択情報が設定されていません”)を表示(ステップS12)した後、図14のフローに戻り、一方、一致しているものがある場合には、以下の処理を実行する。
【0088】
すなわち、検出情報光源のオペレーションデータの中から自分の選択情報と合致する目的地データブロックを取り出し(ステップS13)、最小ナンバリングの検出座標周囲に丸印記号をオーバラップ表示する(ステップS14)。次いで、後述する「最小値経路点の最尤パスを求める処理」(図16)を実行し(ステップS15)、経路パスがあった場合(ステップS16)には、その最尤パスを折れ線矢印としてオーバラップ表示する(ステップS17)。そして、最後に、必要であれば、各検出領域のデータに付随する詳細情報などを適宜表示(ステップS18)した後、図14のフローに戻る。
【0089】
最小値経路点の最尤パスを求める処理では、図16に示すように、まず、検出した経路点で、検出画像座標上連続する番号間を連結して、これを仮のパスとする(ステップS19)。次いで、パスを作れたか否かを判定し(ステップS20)、作れなかった場合には最尤パス無しと判断(ステップS21)して、図15のフローに戻り、作れた場合には以下の処理を実行する。
【0090】
すなわち、仮のパスの中で最小値のナンバリング値を持つパスを一つ又は複数選択し(ステップS22)、それらの選択パスが合流を持つパスであるか否かを判定する(ステップS23)。そして、合流を持つパスである場合に、合流部分のパスを調整するために、最小経路パス以外及び屈曲角度総和の最小パス以外を削除する(ステップS24)。
【0091】
次いで、全ての最小値選択パスについて処理を終えたか否かを判定し(ステップS25)、処理を終えていない場合には、ステップS24を繰り返し、処理を終えている場合には、残ったパスの情報を最尤パス情報にして、図15のフローに戻る。
【0092】
以上の処理において、図14のステップS3で誘導コマンドを捕捉した場合には、図15の処理で、まず、サービスコードの一致を確認し、デコードした情報に基づいて、選択データメモリ56の格納データから目的地に合致する情報を取り出す処理を行い、ディスプレイ上の最終目的方向となる情報光源をマークする。
【0093】
これは、最小ナンバリング値を持つポイントではあるが、パス画像を生成できない孤立した検出となった状態でも、マーキング表示がされて、最低限の目的方向を提示するためである。
【0094】
本実施形態では、実際に検出した情報光源(経路点)は、検出画像座標上の、ナンバリング値−座標を持つ点群に対して、この点群から背景自然画像の処理などいっさいなしに、一意的に最適な経路パスを現すグラフィックを生じるためのパスを決定することができる。
【0095】
以下、特に経路の分かれ道などで、いくつか具体的で複雑な検出例に対して説明する。
図17(a)は、比較的単純な経路の分かれ道を示す図である。図示の例では、ディスプレイ28の画像中に“P1”,“P2”,“P3”,“P5”,“P6”のナンバリング値を持つポイントが検出されている。前記のステップS19の処理で、連続番号をパスで結んで、“P3→P2→P1”、“P6→P5”という仮のパスが作られるが、ステップS22で、検出ポイント中の最小値“P1”を持つ“P3→P2→P1”だけが選ばれる。
【0096】
図17(b)は、孤立点を示す図である。図示のような孤立点はパスを形成できないため、ステップS21を経てフローを抜ける。したがって、パスの表示処理は実行されず、孤立点へのマーキング処理(丸印付与)だけが行われる。
【0097】
図18(a)は、パス及び孤立点を含む図である。図示の例の場合、最小ナンバリング値は孤立しているが、パス“P6→P5”が最小パスになるので、孤立点のマーキング(丸印)と矢印が表示される。
【0098】
図18(b)は、優先度の高い経路との合流を示す図である。この場合、最終的に“P3→P2→P1”のパスが表示され、自分が進んできた道よりもさらに優先度の高い経路に合流したことを示すことができる。
【0099】
図18(c)は、優先度の低い分岐を示す図である。この例は、図12(c)のように、ナンバリングを操作して経路に優先度をつけたものの、連続番号を結ぶ処理だけでは、パスが部分的に分岐部分をもってしまうケースである。しかも、連続番号を結んだだけでは、物理的位置関係と違ったものになるため、それを排除しているケースでもある。最小値“P3”を終端して、“P5→P4→P3”、“P5´→P4→P3”、“P5´→P4´→P3”のパスの3つ存在してしまう。しかし、これは、ステップS23以降の処理で、合流を持つパスの評価にまわされ、この場合、尤度の最も高いパスは、ステップS24の合流部分パス削除処理により、直線に近い“P5→P4→P3”の実線パスだけが選ばれる。
【0100】
図19(a)〜(d)は、優先度が適宜判断されて表示される様子を示す図である。すなわち、図12(a)のような同じ優先度でナンバリングされた場合でも、センサの捉え方により優先度が適宜判断されて表示されることを表す図である。図19(a)も“P2”を終端とする分岐を持つパスとして、“P5→P4→P3→P2”と、“P5→P4→P3´→P2”が存在するが、“P5→P4→P3→P2”の方が直線であり、距離が短く、P2まで見えて見通しがよいのでそちらを示しているということになる。この場合は合流部分として点線で示すものがあるが、実線だけが示される。図19(b)は逆に同じ優先度の分岐を持つパスとして、“P5→P4→P3→P2”と、“P5→P4→P3´→P2”が存在するが、“P5→P4→P3→P2”のほうが、P2との距離が短いので、そちらを優先したパスを示している。図19(c)は、両者とも見通しが良い場合で、この場合、ステップS22で、直線方向のナンバリング値P2と右折方向のナンバリング値P2´とについて、2つの部分合流パスが選ばれる。図19(d)に示すこれらの部分合流パスは、図19(a)の“P5→P4→P3´→P2”や図19(b)の“P5→P4→P3´→P2”に示したように削除されて、図19(c)のような表示用パスが残る。ちなみに、合流パスは枝刈りされるが、同一ナンバリング値が複数になる分岐パスは枝刈りされない。
【0101】
もちろん、本実施形態ではこのように、表示をシンプルにするため、最小のナンバリング値を持つパスだけを表示としたが、要求によっては、単一パスだけを表示するのではなく、表示可能なパスをすべて表示するようにしてもよい。ただし、いずれにしろ、物理的な位置関係と矛盾する経路表示は抑制されなくてはならない。
【0102】
また、本実施形態では、画像上のパスグラフとして処理するだけで、現実の光源配置に一致するパスの算出を行っているが、なんらかの画像認識により、あり得ないパス表示を抑制・選択するようにしてもよい。
【0103】
なお、最後に、本発明ではすべて望ましい形態として、算出した方向指示を、自然画像(ディスプレイ28の画像)に重畳して表示しているが、たとえば、検出のカメラの解像度の関係や、表示デバイスの制限によっては、方向表示のみを表示する形でも、発明の本質は変わらない。
【0104】
以上のとおり構成したから、第1実施形態では以下の効果が得られる。
経路案内表示に関わる順序を示すポイント、すなわち経路順序を、予め選択および設定した目的地に基づいて決定するようにしたので、利用者は立っている方向にある発光ユニットを撮像するイメージセンサと、設定した目的地情報を記憶するメモリを備えた端末を用意するだけで、簡単に経路案内を受けることができる。
【0105】
また、実際のカメラモニタ上に画像とともに経路案内を表示させることができるので、地図を読み取ったりするわずらしさがなく、幼児、老人などにも使える万人向けの経路案内システムを実現できる。
【0106】
また、経路の処理において、分岐点(発光ユニット)が密集して画角に入る場合でも、前記規則1〜4に基づいて最尤パスを生成することにより異常な経路案内表示がでないという効果も奏する。
また、発光ユニットを1個しか補足できなくても誘導することができる。
また、複数の分岐に、優先度をつけた情報設定をすることができる。
【0107】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、さまざまな変形例や発展例を包含する。たとえば、以下のようにしても良い。
【0108】
図20は、発光ユニットを地下街や建築物等の天井に取り付けた場合の例である。この図において、携帯端末26のディスプレイ28には、天井91を含む周囲の画像と共に、その天井91に設置された複数の発光ユニット92〜95と、それらの発光ユニット92〜95からの情報を復元した目的地設定メッセージ96、97とが重畳表示されている。天井91に設置された発光ユニット92〜95は、前記の実施形態で用いたものと同じものであっても良いが、天井91の照明がLED等の応答性に優れたものである場合、その照明を発光ユニット92〜95として流用することができる。また、このように、発光ユニット92〜95を天井91に設置すれば、混雑した場所でもそれらの発光ユニット92〜95からの情報を支障無く受け取ることができるので好ましい。
【0109】
図21は、いつでも目的地設定・変更を可能にする例を示す図である。前記の実施形態では、目的地の設定と誘導がコマンドコードで分けられていたが、図示のように、経路データブロック98に、常に表示できるだけの参考情報を各目的地のナンバリング情報に付加する。このようにすれば、端末はコマンドコードなしで、データを検出するだけで、図20のような表示を行うことができる。このため、丸印などのマークでどういう位置に情報光源があるか、また、選択に入るよう促す操作を可能にすることができる。
選択画面モードに入ると、データで検出した各目的地のリストを出し、その選択で以後の案内をすればよい。選択画面への遷移操作は、ユーザが目的地を設定する前のした後も、常に可能とすることは容易なので、これは、経路案内中に別目的地を変えることも可能にできる。
【0110】
また、このような、経路の動的な変更をある経路点を検出したら自動で行うような自動操作を設定しておくことも可能である。このようにすると、単純に固定的な目的地設定以外の複雑な経路指示も可能になる。
【0111】
なお、前記の実施形態では、一箇所の情報光源の検出だけでは、丸印などのマーキングしか提示することができなかった。そのため、良好な方向を示す矢印画像つきの案内表示とするには、複数の経路点の検出が必要なため、情報光源の配置間隔にある程度の限界があった。
【0112】
これに対して、たとえば、1箇所の経路点(発光ユニット)に複数、典型的には、最低2つの発光部を隣接して配置し、それらで輝度変調される情報信号を時系列的に撮像することにより、それらを復号して得られたビットデータの差分から、目的地への方向情報を生成するようにすれば、比較的発光ユニット同士の配置間隔が離れている場合であっても、目的地までの方向を表示することができる。
【0113】
ここで、隣接する2つの発光部で決定されるベクトルを主ベクトルと呼ぶ。それに対して、経路データにより指定される方向を指示するデータを指示ベクトル(または表示ベクトル)と呼ぶ。
【0114】
図22は、主ベクトルと複数の指示ベクトルを示す図である。この図において、主ベクトルは、隣接して配置された二つの発光部99、100を結ぶベクトルであり、その向きは100→99とする。例として示す4つの指示ベクトル、すなわち、F、B、L及びRは、それぞれ主ベクトルと同方向のフォワードベクトル、主ベクトルと逆方向のバックワードベクトル、主ベクトルと左向きで直交するレフトベクトル、主ベクトルと右向きで直交するライトベクトルである。なお、これ以外にも様々な角度の指示ベクトルが考えられるが、ここでは簡単化のために4つの指示ベクトルを例示する。
【0115】
図23は、複数の指示ベクトルに対応したデータフォーマットを示す図である。このデータフォーマット105ではデータ先頭に、2つの発光部のうち、起点となる発光部に関する情報が格納されている。また、経路情報としてナンバリング値はなく、そのポイントにおける指示ベクトルの方向、すなわち、F、B、L及びRのデータが格納されている。もちろん、ナンバリング値データ部を入れて前記の実施形態の経路点間の間のグラフィックを付加するようにしても構わない。
【0116】
図24(a)は、複数種の指示ベクトルの情報を送信する2つの発光部を備える発光ユニット106、107を歩道ブロックに設置した例を示す図である。第1の実施形態よりも間隔の開いた配置でありながら、(b)に示すように、指示ベクトルによるグラフィック108、109を表示できることがわかる。さらに、(c)に示すように、1つ発光ユニット107しか撮像できていない場合も、明確に指示ベクトルのグラフィック109を表示できることがわかる。
【0117】
図25は、複数の指示ベクトルの情報を受信する場合のフローチャートを示す図である。このフローチャートは、図14のステップS10(誘導案内表示処理)に相当する。2つの発光部を備える発光ユニット一つで指示ベクトルに基づく矢印の描画ができるので、前記の実施形態のようなパスの最適化処理は不要である。したがって、図示のとおり、非常に単純な処理で実現できることがわかる。
【0118】
図26は、道路案内板に適用した場合の図である。この例では、道路案内板110に一対の発光部111、112を設けている。一対の発光部111、112で形成される主ベクトルに基づいて、たとえば、目的地として○○市を設定していれば(b)に示すように、○○市に向かう直進案内表示113が表示され、目的地として××市を設定していれば(c)に示すように、××市に向かう右折案内表示114を表示できる。このように、通常の表示標識の設置を生かして、しかも、情報と本来の画像情報とを同時に生かすことができる。
【0119】
図27は、あらゆる方向への案内を可能にした変形例を示す図である。この図において、abは縦軸ベクトル、acは横軸ベクトルである。この変形例は、図26のような平板状の標識や看板等に設置するのではなく、全方向に対して、一箇所の経路点だけで方向を指示するための光源設置と方向指示の方法である。
【0120】
図28は、あらゆる方向への案内を可能にした変形例のデータフォーマットを示す図である。このデータフォーマット115では、経路点の指示を、目的地ごとに経路点の横軸ベクトルに対する方位角度で指定する。基準ベクトル平面とその横軸ベクトルがわかれば、表示に用いる方位矢印の合成は一意的に決定できる。
【0121】
図29は、方位矢印の合成概念図である。基準のベクトル平面がわかれば、この図に示すような3Dの矢印116として方向指示を行うことができる。したがって、前記の実施形態のように平面座標上の矢印だけである場合にくらべて、実画像との統合認識性はさらに高まる。また、標識や看板のように一方向ではなく、どの方向から端末を向けても、基準ベクトル平面をもとに適切な経路指示矢印を合成表示することができる。もちろん、この光源は、グラフィックの精度や処理軽減、光源のオクルージョンを防止するためより多点で構成してもよい。
【0122】
このようにすると、2点ペアに対応して案内矢印を出すことができるようになる。したがって、自然に遠い経路点は短い矢印、近い経路点は長い矢印となり、背景のモニタ自然画像と合成表示した矢印の統合認識性が高まる。
【0123】
3D案内の具体的な設置場所としては、たとえば、観光地の街灯などが考えられる。街路灯の本来の光源に加えて、基準ベクトルのための光源を付加すればよい。
【0124】
なお、方向によってはacベクトルが重なってしまい検出が困難になるケースがあり得る。この対策としては、最低4点でいずれかの2点が検出方向の関係で重なっても、他の3点で補完できるようにすればよい。このようにすると、横方向のみならず上下からに対しても対応できる経路点とすることができる。
【0125】
また、交通信号機に適用してもよい。一般的な信号機は、車両用と歩行者用で構成されているため、あと光源を1点追加すればよい。また、厳密に基準ベクトルを求める場合には、信号機の灯具の色ごとにコードを付加し、点灯している色により、基準ベクトルの長さ調整をいれればよい。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】実施形態の利用状態を示す図である。
【図2】発光ユニット14〜23の構成図である。
【図3】送出データメモリ32に格納されている送信情報の一例のフォーマット図及び具体的なデータを格納した送信情報のフォーマット図である。
【図4】ナンバリング情報の連携模式図である。
【図5】携帯端末26の構成図である。
【図6】目的地設定の様子を示す図である。
【図7】目的地設定の様子を示す図である。
【図8】発光ユニット67からの送信情報のデータフォーマットを示す図である。
【図9】経路案内途中のディスプレイ28の表示例を示す図である。
【図10】経路案内の実際を示す図である。
【図11】目的地Aに対する各情報光源(発光ユニット)のナンバリング付与例を示す図である。
【図12】目的地Aに対する各情報光源(発光ユニット)のナンバリング付与例を示す図である。
【図13】目的地B〜Dへのナンバリング例を示す図である。
【図14】携帯端末の全体的な動作フローを示す図である。
【図15】携帯端末の全体的な動作フローを示す図である。
【図16】携帯端末の全体的な動作フローを示す図である。
【図17】比較的単純な経路の分かれ道を示す図及び孤立点を示す図である。
【図18】パス及び孤立点を含む図、優先度の高い経路との合流を示す図、並びに、優先度の低い分岐を示す図である。
【図19】優先度が適宜判断されて表示される様子を示す図である。
【図20】発光ユニットを地下街や建築物等の天井に取り付けた場合の例である。
【図21】いつでも目的地設定・変更を可能にする例を示す図である。
【図22】主ベクトルと複数の指示ベクトルを示す図である。
【図23】複数の指示ベクトルに対応したデータフォーマットを示す図である。
【図24】複数の指示ベクトルの情報を送信する発光ユニットを歩道ブロックに設置した例を示す図である。
【図25】複数の指示ベクトルの情報を受信する場合のフローチャートを示す図である。
【図26】道路案内板に適用した場合の図である。
【図27】あらゆる方向への案内を可能にした変形例を示す図である。
【図28】あらゆる方向への案内を可能にした変形例のデータフォーマットを示す図である。
【図29】方位矢印の合成概念図である。
【符号の説明】
【0127】
14〜23 発光ユニット
26 携帯端末
32 送出データメモリ
35 CPU
36 発光部
47 ディスプレイ
50 イメージセンサ
52 信号領域検出手段
53 信号復号手段
54 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路案内に関連する情報を輝度変調する第1の輝度変調手段と、この第1の輝度変調手段によって輝度変調された光を発光する発光手段とを備えた発光装置と、この発光装置を画角に収めて撮像する撮像手段と、この撮像手段によって撮像された発光装置の発光により前記情報を復号する復号手段と、この復号手段によって復号された情報を出力する出力手段とを備えた撮像装置とからなる情報伝送システムにおいて、
前記撮像装置は、
目的地情報を設定する設定手段と、
前記復号手段によって復号された情報が、前記設定手段によって設定された目的地情報までの経路案内に関連するものか否か判断する判断手段と、
この判断手段により前記目的地情報までの経路案内に関連するものと判断されると、前記目的地情報と前記経路案内とに基づいて、目的地までの経路を出力するよう前記出力手段を制御する出力制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報伝送システム。
【請求項2】
前記撮像手段は、複数の発光装置を撮像画角に収めるとともに、前記復号手段は、前記撮像手段によって撮像された複数の発光装置の各々について前記経路案内に関する情報へ復号し、
前記撮像手段により前記撮像画角に収められた複数の発光装置の位置と前記復号手段によって復号された経路案内に関する情報とにより、前記目的地までの誘導経路を生成する生成手段を更に備え、
前記出力手段は表示手段を含み、
前記生成手段によって生成された誘導経路を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報伝送システム。
【請求項3】
前記複数の発光装置は各々、前記目的地までの経路案内に関連する情報として、前記目的地までの経路順序を個別に記憶する記憶手段を更に備えるとともに、前記第1の輝度変調手段はこの記憶手段に記憶された経路順序を輝度変調し、
前記生成手段は、前記復号手段が複数の発光装置から各々復号した経路順序と前記撮像画角に収められた複数の発光装置の位置とに基づいて、経路案内に関する情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報伝送システム。
【請求項4】
前記生成手段は、前記撮像画角に収められた複数の発光部分と前記各々復号した経路順序とから誘導経路を複数生成し、
前記生成手段によって生成された複数の誘導経路から最尤経路を選択する選択手段を更に備え、
前記表示制御手段は、この選択手段によって選択された最尤経路を前記表示手段に表示させるよう制御することを特徴とする請求項3に記載の情報伝送システム。
【請求項5】
前記発光装置は複数の発光部を備えるとともに、前記第1の輝度変調手段は前記経路案内に関連する情報として、前記目的地までの経路方向を指し示すように前記複数の発光部各々の発光パターンを異ならせて発光させ、
前記撮像手段は、複数の発光部を撮像画角に収めるとともに、前記復号手段は、前記撮像手段によって撮像された複数の発光部から、前記経路案内に関する情報として、前記目的地まで経路方向へ復号し、
前記生成手段は、前記復号された経路方向と前記撮像画角に収められた発光装置の位置とに基づいて、経路案内に関する情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報伝送システム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記撮像手段によって撮像された画角の画像と、前記生成手段によって生成された前記目的地までの経路とを重畳させて表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の情報伝送システム。
【請求項7】
前記発光装置は、目的地情報を輝度変調する第2の輝度変調手段と、この第2の輝度変調手段によって輝度変調された光を発光するよう前記発光手段を制御する発光制御手段とを更に備えるとともに、
前記撮像装置は、この発光制御手段により制御されて発光する発光装置を画角に収めて撮像するよう前記撮像手段を制御する撮像制御手段と、
この撮像制御手段によって撮像された発光装置より前記目的地情報に復号するよう前記復号手段を制御する復号制御手段とを更に備え、
前記設定手段は、この復号制御手段によって復号された目的地情報を設定することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の情報伝送システム。
【請求項8】
目的地情報を設定する設定手段と、
経路案内に関連する情報が輝度変調されることにより発光する発光装置を画角に収めて撮像する撮像手段と、
この撮像手段によって撮像された発光装置の発光により前記情報を復号する復号手段と、
この復号手段によって復号された情報が、前記設定手段によって設定された目的地情報までの経路案内に関連するものか否か判断する判断手段と、
この判断手段により前記目的地情報までの経路案内に関連するものと判断されると、前記目的地情報と前記経路案内とに基づいて、目的地までの経路を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
前記撮像手段は、複数の発光装置を撮像画角に収めるとともに、前記復号手段は、前記撮像手段によって撮像された複数の発光装置の各々について前記経路案内に関する情報へ復号し、
前記撮像手段により前記撮像画角に収められた複数の発光装置の位置と前記復号手段によって復号された経路案内に関する情報とにより、前記目的地までの誘導経路を生成する生成手段を更に備え、
前記出力手段は表示手段を含み、
前記生成手段によって生成された誘導経路を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記復号手段は前記目的地までの経路案内に関連する情報として、複数の発光装置の各々に個別に設定された前記目的地までの経路順序を復号し、
前記生成手段は、この復号手段によって復号された経路順序と前記撮像画角に収められた複数の発光装置の位置とに基づいて、経路案内に関する情報を生成することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記生成手段は、前記撮像画角に収められた複数の発光部分と前記各々復号した経路順序とから誘導経路を複数生成し、
前記生成手段によって生成された複数の誘導経路から最尤経路を選択する選択手段を更に備え、
前記表示制御手段は、この選択手段によって選択された最尤経路を前記表示手段に表示させるよう制御することを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記撮像手段によって撮像された画角の画像と、前記生成手段によって生成された前記目的地までの経路とを重畳させて表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の撮像装置。
【請求項13】
目的地情報を設定する設定ステップと、
経路案内に関連する情報が輝度変調されることにより発光する発光装置を画角に収めて撮像する撮像ステップと、
この撮像ステップにて撮像された発光装置の発光により前記情報を復号する復号ステップと、
この復号ステップにて復号された情報が、前記設定ステップにて設定された目的地情報までの経路案内に関連するものか否か判断する判断ステップと、
この判断ステップにて前記目的地情報までの経路案内に関連するものと判断されると、前記目的地情報と前記経路案内とに基づいて、目的地までの経路を出力する出力ステップと
からなることを特徴とする経路案内方法。
【請求項14】
コンピュータを、
目的地情報を設定する設定手段、
撮像部に対し、経路案内に関連する情報が輝度変調されることにより発光する発光装置を画角に収めて撮像させる撮像手段、
この撮像手段によって撮像された発光装置の発光により前記情報を復号する復号手段、
この復号手段によって復号された情報が、前記設定ステップにて設定された目的地情報までの経路案内に関連するものか否か判断する判断手段、
この判断手段によって前記目的地情報までの経路案内に関連するものと判断されると、前記目的地情報と前記経路案内とに基づいて、目的地までの経路を出力する出力手段
として機能させるための経路案内プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2007−218813(P2007−218813A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41855(P2006−41855)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】