情報伝達システムおよび情報伝達方法
【課題】グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる情報伝達システムおよび情報伝達方法を提供する。
【解決手段】ネットワークを介して接続された情報伝達システム1であって、特定の組織における構成員の個人データを強制的に保存管理しつつ、各構成員に個人識別コードを付与するデータ管理サーバ11と、構成員が伝達を希望する情報を入力可能な情報入力端末12と、入力された情報を構成員に出力可能な情報出力端末13と、コミュニティにログインした端末間の情報伝達を仲介するメインサーバ14とを備え、メインサーバ14は、情報入力端末12への入力内容および構成員の個人データに基づいて情報の伝達を許可する構成員を抽出し、抽出した構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末13に対して情報を伝達する。
【解決手段】ネットワークを介して接続された情報伝達システム1であって、特定の組織における構成員の個人データを強制的に保存管理しつつ、各構成員に個人識別コードを付与するデータ管理サーバ11と、構成員が伝達を希望する情報を入力可能な情報入力端末12と、入力された情報を構成員に出力可能な情報出力端末13と、コミュニティにログインした端末間の情報伝達を仲介するメインサーバ14とを備え、メインサーバ14は、情報入力端末12への入力内容および構成員の個人データに基づいて情報の伝達を許可する構成員を抽出し、抽出した構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末13に対して情報を伝達する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝達システムおよび情報伝達方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある組織内、グループ内のメンバー同士で連絡を取り合う場合の情報伝達手段として、WEBサービスを利用したメーリングリストや、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)によるコミュニケーション手段が知られている。メーリングリストとは、登録メンバーの電子メールアドレスのリスト及びメーリングリスト宛ての代表電子メールアドレスを用意して、代表アドレスに送信された電子メールをリストに登録されたメンバー全員のアドレスへ転送するものである。SNSとは、人と人とのつながりを促進、サポートするコミュニティ型の会員制サービスを提供するウェブサイトであって、利用者が自由に参加できる公開されたサイトと、既存の利用者(会員)からの紹介がないと参加できない非公開のサイトとがある。非公開のサイトは、会員からの紹介を入会条件とすることでメンバーの個人情報の保護を高めている。
【0003】
WEBサービスを利用した情報伝達システムに関する技術としては、回答情報連絡手段を備えた仲介管理装置が、特定の顧客の希望情報に対する回答情報を会員業者が所有する会員端末から受け付けて、この回答情報を特定の顧客の連絡先へ連絡することにより、個人情報の不必要な流出を防止できるようにした仲介システムが特許文献1に開示されている。また、その他本願発明と関連性があると考えられる技術が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−183492号公報
【特許文献2】特開2005−158021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら従来の情報伝達手段には、それぞれ次のような課題がある。メーリングリストを利用して情報を伝達する場合、複数の登録者の中から受信者として指定したい特定者以外の第三者にも情報が伝達されることになる。また、特定者以外の第三者からすれば自身に不要な情報を受け取ることになる。すなわち、メーリングリストは情報の受信対象がメンバー全員ではない場合の情報伝達手段として不適切である。これに対して、メーリングリスト登録者の個々のアドレスが特定できるように設定することや、電子メールアドレス自体を公開することが考えられるが、このような方法は個人情報保護の観点から適切とは言い難い。
一方、SNSサービスを利用した情報伝達の場合は、まず各メンバーが自発的にサービスに参加する必要がある。よって、実社会におけるコミュニティメンバーが互いにいつでも連絡を取り合うためには、全員がそのSNSサービスに自発的に参加していることが前提となり、そのような前提が問題となる。すなわち、コミュニティの規模が比較的小さいうちはお互いの勧誘等によってメンバーのコミュニティへの参加率をある程度高くすることが可能であるが、コミュニティの規模が大きくなるほどメンバーの参加率は低下することが考えられる。そのため、メンバーが自発的にサービスに参加する能動的参加型の情報伝達手段では、情報を適宜、適切なメンバーに伝達することが困難になる。
【0006】
本願発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる情報伝達システムおよび情報伝達方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明の情報伝達システムは、ネットワークを介して接続された情報伝達システムであって、特定の組織を構成する2人以上からなる構成員の個人データを強制的に保存管理しつつ、前記構成員ごとに個人識別コードを付与するデータ管理部と、前記構成員のいずれかが他の構成員に対して伝達を希望する情報を入力可能な情報入力端末と、前記情報入力端末へ入力された前記情報を前記構成員のいずれかに対して出力可能な1または複数の情報出力端末と、前記情報入力端末および前記情報出力端末に入力されたコードと前記個人識別コードとを照合して前記構成員の本人認証を行い、本人認証がとれた前記構成員の個人識別コードが入力された情報入力端末および情報出力端末の間の情報伝達を仲介する情報伝達仲介部と、を備え、前記情報伝達仲介部が、前記情報入力端末への入力内容および前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データに基づいて前記構成員のうち前記情報の伝達を許可する構成員を抽出し、抽出した構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末に対して前記情報を伝達することを特徴とする。
【0008】
上記の構成により、特定の組織を構成する構成員の全員を強制的にシステムに参加させること(受動的(強制的)参加型)により、ある構成員が特定の構成員に対して伝達を希望する情報を該当する構成員の全員に伝達することができる。また、データ管理部が構成員の個人データを保存管理し、情報伝達仲介部が入力情報の伝達を許可する構成員を抽出することで、構成員の個人情報を公開することなく情報を伝達することができる。よって、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【0009】
特に、本願発明の情報伝達システムは、前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データが電子メールアドレスを含み、前記情報伝達仲介部が、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員の電子メールアドレスに対して前記情報をメール送信する構成とすることができる。
【0010】
また、本願発明の情報伝達システムは、前記情報伝達仲介部が、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員の人数、ならびに条件検索の要否を前記情報入力端末に報告し、前記情報入力端末が、前記情報を入力した構成員に対して前記情報伝達仲介部からの前記報告を報知する構成とすることができる。
【0011】
上記の構成によって、情報の伝達を希望する構成員が、端末への入力内容および構成員の個人データに基づき抽出された構成員の人数を把握することができるために、情報を伝達する対象の構成員の人数が充分であるか否かを判断することができる。また、抽出された構成員の人数が報知されるのみで、構成員の個人情報が伝達・公開されるわけではないことから、高い機密性を維持することができる。よって、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【0012】
そして、本願発明の情報伝達システムは、前記情報伝達仲介部が、前記条件検索の要求があった場合に、前記情報を入力した構成員に対して抽出条件の入力を促す構成とすることができる。
【0013】
上記の構成によって、情報の伝達を希望する構成員に対して抽出条件の入力を促すことで、新たに入力された抽出条件に基づき情報の伝達を許可する構成員をより適切に抽出することができる。よって、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【0014】
更に、本願発明の情報伝達システムは、前記情報伝達仲介部が、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末への前記情報の伝達完了を前記情報入力端末に報告し、前記情報入力端末が、前記情報を入力した構成員に対して前記情報伝達仲介部からの前記報告を報知する構成とすることができる。
【0015】
上記の構成によって、情報入力端末に情報を入力した構成員が、該当する他の構成員に入力情報が伝達されたか否かを知ることができるために、入力情報が適切に伝達されなかった場合には再度情報の伝達を試みることができる。また、上記の構成では、該当する構成員への情報の伝達完了が報知されるのみで、構成員の個人情報が伝達・公開されるわけではないことから、高い機密性を維持することができる。よって、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【0016】
また、本願発明は、データ管理部、情報入力端末、情報出力端末、情報仲介部がネットワークを介して接続された情報伝達システムによる情報伝達方法であって、特定の組織を構成する2人以上からなる構成員の個人データを強制的に保存管理する前記データ管理部が、前記構成員ごとに個人識別コードを付与する付与ステップと、前記情報仲介部が、前記情報入力端末および前記情報出力端末に入力されたコードと前記付与ステップにて付与された前記個人識別コードとを照合し、前記構成員の本人認証を行う認証ステップと、前記情報仲介部が、前記認証ステップで認証された構成員の個人識別コードが入力された情報入力端末への入力内容を受信する受信ステップと、前記情報仲介部が、前記受信ステップにて受信した前記入力内容および前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データに基づいて、前記構成員のうち前記情報の伝達を許可する構成員を抽出する抽出ステップと、前記情報仲介部が、前記抽出ステップにて抽出された構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末に対して前記情報を伝達する情報伝達ステップと、前記抽出ステップにて抽出された構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末が、前記情報伝達ステップで伝達された前記情報を構成員に出力する情報出力ステップと、を備えることを特徴とする。
【0017】
上記の方法により、特定の組織を構成する構成員を強制的にシステムに参加させることで、ある構成員が特定の構成員に対して伝達を希望する情報を該当する構成員やその集団に伝達することができる。また、データ管理部が構成員の個人データを保存管理し、情報伝達仲介部が入力情報の伝達を許可する構成員を抽出することで、構成員の個人情報を公開することなく情報を伝達することができる。よって、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【発明の効果】
【0018】
本願発明の情報伝達システムおよび情報伝達方法によれば、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例の情報伝達システムの構成を示す概略図である。
【図2】実施例のデータ管理サーバが保存管理する個人データの一例を示している。
【図3】実施例のメインサーバの機能構成を示すブロック図である。
【図4】構成員へ個人識別用IDを付与する処理の例を示すシーケンス図である。
【図5】構成員の個人特定項目および条件検索項目の設定登録例を示している。
【図6】情報伝達システムが提供するコミュニティに構成員がログインする処理の例を示すシーケンス図である。
【図7】情報を伝達する対象の構成員を抽出する処理の例を示すシーケンス図である。
【図8】情報入力端末への入力内容例を示している。
【図9】情報入力端末の報知例を示している。
【図10】抽出した構成員に対して情報を伝達する処理の例を示すシーケンス図である。
【図11】伝達メッセージ作成画面の例を示している。
【図12】実施例のデータ管理サーバが保存管理する個人データの一例を示している。
【図13】実施例のデータ管理サーバが保存管理する個人データの一例を示している。
【図14】実施例のデータ管理サーバが保存管理する個人データの一例を示している。
【図15】マスタIDシステムの概念の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本願発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
本願発明の実施例1について説明する。実施例1は、ある大学(以下、A大学という)の卒業生(OB・OG)メンバーで構成されたクローズド組織における情報伝達システム1について説明する。なお、クローズド組織における情報伝達とは、特定の組織(大学、サークル、会社等)の構成員間での情報伝達を容認し、組織外の者には情報を公開しないことをいう。
【0022】
図1は、実施例の情報伝達システム1の構成を示す概略図である。情報伝達システム1は、データ管理サーバ11、情報入力端末12、情報出力端末13、およびメインサーバ14を含んで構成される。データ管理サーバ11、情報入力端末12、情報出力端末13、メインサーバ14はそれぞれインターネットを介して接続されており、互いに情報(データ)の送信および受信が可能となっている。
【0023】
データ管理サーバ11は、構成員である卒業生メンバーが在籍していたA大学が所有するサーバである。A大学は、A大学に在籍した全ての卒業生の個人データを、卒業生の登録・不登録の意思に関わらず強制的(自動的,自主的)にデータ管理サーバ11に保存管理している。本実施例の情報伝達システム1は、不特定多数のメンバーがコミュニティサービスに自発的に参加する従来の「能動的参加型」ではなく、データ管理サーバ11に個人データが保存管理されているA大学OB・OGメンバー全員をコミュニティサービスに強制的に参加させる「受動的(強制的)参加型」を採用する。なお、データ管理サーバ11の機能構成は後述するメインサーバ14の機能構成と同様であるために、その詳細な説明は省略する。
【0024】
図2は、実施例のデータ管理サーバ11が保存管理する個人データの一例を示している。データ管理サーバ11は、A大学における各卒業生の氏名,住所,入学年度および卒業年度,学部,所属ゼミ,電子メールアドレスその他の個人情報を保存管理している。そして、データ管理サーバ11は卒業生ごとに個人識別コード(ID)を付与し、対応する個人データとともに保存管理している。データ管理サーバ11が構成員に付与した個人識別用IDは、情報伝達システム1が提供するコミュニティサービス(以下、コミュニティと略記する)へ各構成員がログインする際に用いるID(ログインID)と1対1に対応しており、構成員がコミュニティにログインする際の鍵情報として用いられる。この場合、ログインIDとしては個人識別用IDと同じものを適用してもよい。また、データ管理サーバ11が保存管理する個人データとしては上記に限られずに、各大学ごとに保存管理が必要と考える個人データを任意に採用することができる。なお、データ管理サーバ11が保存管理する個人データには、後述するメインサーバ14を介することでアクセス可能となっており、管理者側の設定によって情報伝達対象者の抽出条件となる個人データベースの各項目の公開、非公開を任意に設定することができる。この場合、A大学OB・OGメンバー(構成員)は、管理者が設定した公開項目の範囲内で、自身の個人データの公開、非公開をメインサーバ14を介して任意に設定することができる。そして、データ管理サーバ11への構成員の個人データの追加・更新はA大学の関係者(例えばデータ管理サーバ11の管理者)が実行するが、各構成員がメインサーバ14を介して自身の個人データの一部を修正することもできる。
【0025】
情報入力端末12および情報出力端末13は、各構成員が操作するパーソナルコンピュータ装置である。情報入力端末12および情報出力端末13は、周知のパーソナルコンピュータと同様にCPU等の制御部、RAMおよびHDD等の記憶部、キーボードおよびマウス等の入力部、ディスプレイ装置およびスピーカ等の出力部を有している。情報入力端末12および情報出力端末13には、メインサーバ14に対してデータ送信し、メインサーバ14からデータを受信して表示するブラウザ等の情報伝達サービスを実現するアプリケーションプログラムが記憶されており、このプログラムが制御部等によって動作する。情報入力端末12は、他のメンバーに情報を伝達することを希望する構成員(以下、構成員(a)とする)が、入力部を介して伝達を希望する情報、ログインIDその他の内容を入力することができる。情報出力端末13(b)〜(d)は、構成員(a)が情報入力端末12に入力した情報を伝達され得る他の構成員(以下、構成員(b)〜(d)とする)に、出力部を介して情報を出力することで報知することができる。情報出力端末13は、構成員の人数に応じて複数設けられてもよいし、1台の情報出力端末13が複数の構成員によってシェアされてもよい。また、端末を使用する構成員に応じて情報入力端末12を情報出力端末として機能させることができる。同様に、情報出力端末13を情報入力端末として機能させることができる。
【0026】
図3は、実施例のメインサーバ14の機能構成を示すブロック図である。メインサーバ14は、サーバ全体の動作を制御するCPU等の制御部141と、例えばサーバの運用担当者がメインサーバ14に対する操作、指示等を入力したり、メインサーバ14が運用担当者に対して種々の情報を出力したりする入出力部142と、サーバの動作に必要なプログラムおよびパラメータ等を記憶する記憶部143と、図1に示したネットワークとのインタフェースであるネットワーク接続部144と、を含んで構成される。入出力部142としては、例えば、入力のためのキーボードおよびマウス等が用いられ、出力のためにディスプレイ装置等が用いられる。他の装置から操作可能な構成においては入出力部142は必須構成ではない。メインサーバ14は、情報入力端末12と情報出力端末13との間で特定の情報を伝達することを仲介する情報伝達仲介部として機能する。
【0027】
続いて、本実施例の情報伝達システム1の動作について図4から図11を参照して説明する。図4は、構成員へ個人識別用IDを付与する処理の例を示すシーケンス図である。A大学の関係者(例えばデータ管理サーバ11の管理者)は、A大学の卒業生メンバー(構成員)の個人データを保存管理するために、データ管理サーバ11に構成員の個人データを逐次入力する。
まず、ステップS1で、データ管理サーバ11は、管理者から構成員の個人データの入力がされると構成員ごとに個人識別コード(ID)を付与しつつ、対応する構成員の個人データとともにデータベース登録して保存管理する(図2参照)。情報伝達システム1はステップS1の処理が終わると、次のステップS2へ進む。
【0028】
ステップS2で、データ管理サーバ11は、ステップS1で付与した個人識別用IDに対応づけられたログインIDをそれぞれ対応する構成員が有する電子メールアドレスにメール送信して報知する。各構成員は、データ管理サーバ11からメール送信されたログインIDを例えば自身の所有するパーソナルコンピュータ(情報入力端末12および情報出力端末13)で確認して認識する。この場合、構成員に対するログインIDの報知手段はデータ管理サーバ11からのメール等に限られない。例えば、より機密性(非公開性)を高めるためにA大学の職員等が各構成員に電話や書面の郵送等にてログインIDを報知してもよい。情報伝達システム1はステップS2の処理が終わると、次のステップS3へ進む。
【0029】
ステップS3で、データ管理サーバ11は、データベース登録した構成員の個人データの中から、管理者からの入力に基づき設定した個人特定項目および条件検索の項目をメインサーバ14に送信して登録させる。図5は、構成員の個人特定項目および条件検索項目の設定登録例を示している。管理者等は、データベース登録した構成員の個人データから構成員を識別する(特定する)ための項目を選択して登録する。本実施例では構成員の個人データのうち「個人ID」、「氏名」、「メールアドレス」を個人特定項目として選択する場合を示している(図5(a))。そして、個人ID、氏名、住所、入学および卒業年度、学部、所属ゼミ、メールアドレスその他の個人データのうち、条件検索の際に検索対象とする項目を管理者等が任意に選択し、検索方法とあわせて入力することで条件検索の項目を設定登録する。本実施例では「入学年度」、「卒業年度」、「学部」、「所属ゼミ」、「その他」を条件検索項目として選択する場合を示している(図5(b))。これにより、情報を伝達する対象の構成員を抽出する際の条件検索の項目を決定することができる。メインサーバ14は、データ管理サーバ11から送信された構成員の個人特定項目および条件検索の項目を記憶部143に記憶する(ステップS4)。
【0030】
図6は、情報伝達システム1が提供するコミュニティに構成員がログインする処理の例を示すシーケンス図である。なお、図6では構成員(a)が情報入力端末12を介してコミュニティにログインする処理を示しているが、構成員(b)〜(d)が情報出力端末13を介してコミュニティにログインする処理についても同様であるために、その説明を省略する。構成員(a)は、情報入力端末12から情報伝達システム1のブラウザにアクセスし、ステップS2で報知されたログインIDを指定の欄に入力することでコミュニティへのログインを試みる。この場合、コミュニティへのログインにはログインIDの入力とあわせてパスワード等の入力を要求してもよい。
ステップS5で、情報入力端末12は、構成員(a)のログイン要求操作に応じてメインサーバ14へログイン要求を送信する。このログイン要求には、ログインIDに対応する個人ID(個人識別用ID)が鍵情報として含まれている。情報伝達システム1はステップS5の処理が終わると、次のステップS6へ進む。
【0031】
ステップS6で、メインサーバ14は、ステップS5で送信されたログイン要求に含まれている個人識別用IDと、ステップS4で記憶部143に記憶した構成員の個人識別用IDとを照合し、構成員の本人認証を行う。ログイン要求に含まれている個人識別用IDと記憶部143に記憶した構成員の個人識別用IDとの照合に成功した場合(ステップS6/YES)、メインサーバ14は、ログイン要求者がA大学の卒業生(構成員)であると判断してコミュニティへのログインを許可しつつ、ログイン要求者が構成員(a)であると特定する(ステップS7)。ログイン要求に含まれている個人識別用IDと記憶部143に記憶した構成員の個人識別用IDとの照合に失敗した場合(ステップS6/NO)は、メインサーバ14は、ログイン要求者がA大学の卒業生(構成員)ではないと判断してコミュニティへのログインを不許可(禁止)とする(ステップS8)。
【0032】
図7は、情報を伝達する対象の構成員を抽出する処理の例を示すシーケンス図である。本実施例の構成員(a)は、2000年度にA大学の文学部に入学し、Hゼミに所属していた。なお、A大学文学部は、1学年の人数が200人を超えるものである。そして、構成員(a)は、A大学文学部Hゼミの2000年度および2001年度入学生(情報を伝達する対象の構成員)に対して、「○月△日にHゼミの同窓会を開催する」旨(伝達を希望する情報)を伝えたいと考えている。構成員(a)は、コミュニティにログイン後、情報入力端末12に抽出条件を入力することで情報を伝達する対象の構成員の抽出を試みる。
【0033】
ステップS9で、情報入力端末12は、入力部から構成員(a)が入力した内容(入力内容)をメインサーバ14へ送信する。情報入力端末12への入力内容とは、他の構成員に対して情報の伝達を希望する構成員が、情報を伝達する対象の構成員を抽出するための条件のことである。図8は、情報入力端末12への入力内容例を示している。入力内容の項目としては、ステップS3で設定登録した検索対象項目が採用される。構成員(a)は、情報入力端末12に表示された検索対象項目から任意の項目を選択し、選択した項目に情報を伝達する対象の構成員を抽出するための条件を入力する。例えば、構成員(a)は、検索対象項目として「入学年度」、「学部」、「所属ゼミ」を選択し、各々に「2000年度」〜「2001年度」、「文学部」、「Hゼミ」を入力する。情報伝達システム1はステップS9の処理が終わると、次のステップS10へ進む。
【0034】
ステップS10で、メインサーバ14は、データ管理サーバ11にアクセスし、データ管理サーバ11が保存管理する構成員の個人データを取得する。つづいて、ステップS11で、メインサーバ14は、ステップS9で送信された入力内容、およびステップS10で取得した構成員の個人データに基づいて、構成員の中から情報伝達を許可する構成員を抽出する。具体的には、データ管理サーバ11が保存管理する構成員の個人データから「入学年度」が「2000年度」〜「2001年度」、「学部」が「文学部」、かつ「所属ゼミ」が「Hゼミ」である構成員を抽出する。本実施例では、上記抽出処理にて構成員(b)および構成員(c)の2名が抽出されたものとする。情報伝達システム1はステップS11の処理が終わると、次のステップS12へ進む。
【0035】
ステップS12で、メインサーバ14は、ステップS11で抽出した構成員の人数、ならびに条件検索の要否を情報入力端末12に報告する。つづいて、ステップS13で、情報入力端末12は、ステップS12で報告された内容を出力部に出力して構成員(a)に対して報知する。図9は、情報入力端末12の報知例を示している。情報入力端末12は、メインサーバ14からの報告に基づき抽出された構成員の人数を表示しつつ、抽出処理を再度実行するか、次の処理へ進むかを構成員(a)に選択させる。これによって、構成員(a)が抽出された構成員の人数を把握し、情報を伝達する対象の構成員の人数が充分であるか否かを判断することができる。また、抽出された構成員の人数が報知されるのみで、構成員の個人情報が伝達・公開されるわけではないことから、高い機密性および非公開性を維持することができる。
【0036】
ステップS13において構成員(a)が再度の抽出処理を選択した場合、抽出条件の入力処理へ進み、構成員(a)に対して抽出条件の入力を促す(ステップS14)。これにより、例えば、抽出された構成員の人数が適切でない(少ない)と構成員(a)が判断したときは、「入学年度」を「1999年度」〜「2002年度」に変更するなど、より緩やかな抽出条件に変更して再度の抽出処理を実行することができる。よって、構成員(a)が満足する充分な人数の構成員を抽出することができる。ステップS13において構成員(a)が次の処理へ進むことを選択した場合は、情報伝達システム1はステップS15へ進む。
【0037】
図10は、抽出した構成員に対して情報を伝達する処理の例を示すシーケンス図である。ステップS15で、メインサーバ14は、他の構成員に伝達を希望する情報(メッセージ)を作成する画面を情報入力端末12に表示させる。構成員(a)は、ステップS11で抽出された構成員(構成員(b)および(c))に伝達するメッセージを情報入力端末12を介して入力する。具体的には、構成員(a)はメッセージ作成画面において「○月△日にHゼミの同窓会を開催する」旨のメッセージ、および自己の連絡先等を入力する。
【0038】
図11は、伝達メッセージ作成画面の例を示している。伝達メッセージ作成画面は、伝達を希望するメッセージを入力する部分の他に、抽出条件変更の選択ボタンおよびメッセージ送信ボタン、発信者情報、受信者抽出条件、該当者等の表示情報を含んで構成される。ステップS15において構成員(a)が抽出条件の変更を選択した場合、抽出条件の入力処理へ進み、構成員(a)に対して抽出条件の入力を促す(ステップS16)。ステップS15において構成員(a)がメッセージの送信を選択した場合は、情報伝達システム1はステップS17へ進む。
【0039】
ステップS17で、情報入力端末12は、ステップS15で構成員(a)が入力したメッセージをメインサーバ14に送信する。つづいて、ステップS18で、メインサーバ14は、ステップS17で送信されたメッセージをステップS11で抽出した構成員に対応する個人識別用ID(ログインID)が入力された情報出力端末13に対して送信(伝達)する。具体的には、メインサーバ14は、構成員(b)および(c)の登録電子メールアドレスに対して「○月△日にHゼミの同窓会を開催する」旨のメッセージ、ならびに構成員(a)の連絡先等をメール送信する。更に、メインサーバ14は、コミュニティへのログイン時に構成員(b)および(c)に対応する個人識別用ID(ログインID)が入力された情報出力端末13(b)および(c)に対して「○月△日にHゼミの同窓会を開催する」旨のメッセージ、ならびに構成員(a)の連絡先等を伝達する。そして、ステップS19で、情報出力端末13(b)および(c)は、ステップS18で伝達されたメッセージをディスプレイ装置に表示して構成員(b)および(c)に伝達する。そして、メッセージを確認した構成員(b)および(c)は、構成員(a)からの伝達情報に賛同する(Hゼミの同窓会への参加を希望する)場合にのみ、受信メッセージに明記された発信者である構成員(a)の連絡先に連絡をする。これによって、構成員(b)および(c)の個人情報を公開することなく、構成員(a)が情報の伝達を希望する構成員(b)および(c)に適切に情報を伝達することができる。この場合、構成員(b)および(c)へのメッセージ伝達方法はディスプレイ装置への表示に限られず、スピーカからの音声出力によってメッセージを伝達する構成であってもよい。情報伝達システム1はステップS19の処理が終わると、次のステップS20へ進む。
【0040】
ステップS20で、メインサーバ14は、情報出力端末13(b)および(c)に対してメッセージを伝達した旨を情報入力端末12に報告する。つづいて、ステップS21で、情報入力端末12は、ステップS20で報告された内容をディスプレイ装置に表示してメッセージの送信者(構成員(a))に報知する。これによって、情報入力端末12に情報を入力した構成員(a)が、該当する他の構成員(構成員(b)および(c))に入力情報が伝達されたか否かを知ることができる。そのため、データベースに登録されている電子メールアドレス等の情報端末を介した連絡先変更により入力情報が適切に伝達されなかった場合には、構成員(a)は、別条件にて情報の伝達対象者を抽出することにより情報の伝達を再度試みることができる。また、該当する構成員への情報の伝達完了が報知されるのみで、構成員の個人情報が伝達・公開されるわけではないことから、高い機密性および非公開性を維持することができる。この場合、スピーカからの音声出力によって報告内容を報知する構成であってもよい。ステップS21の処理が終わると、情報伝達システム1は制御の処理を終了する。
【0041】
以上のように、本実施例の情報伝達システム1は、特定の組織や属性を構成する構成員を強制的にシステムに参加させることで、ある構成員が特定の構成員に対して伝達を希望する情報を該当する構成員に伝達することができる。また、データ管理サーバ11が構成員の個人データを保存管理し、メインサーバ14が入力情報の伝達を許可する構成員の連絡先以外の情報(対象者数や設定によっては名前等の情報)を抽出し、情報伝達を仲介することで、構成員の個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【0042】
そして、本実施例の情報伝達システム1は、情報の伝達を希望する構成員が、情報入力端末12への入力内容および構成員の個人データに基づき抽出された構成員の人数を把握することができるために、情報を伝達する対象の構成員の人数が充分であるか否かを判断することができる。加えて、情報の伝達を希望する構成員に対して抽出条件の入力を促すことで、新たに入力された抽出条件に基づき情報の伝達を許可する構成員をより適切に抽出することができる。更に、本実施例の情報伝達システム1は、情報入力端末12に情報を入力した構成員が、該当する他の構成員に入力情報が伝達されたか否かを知ることができるために、入力情報が適切に伝達されなかった場合には、抽出条件を変更することにより新たな伝達対象者を抽出し、再度情報の伝達を試みることができる。これらの情報伝達処理において、構成員の直接の連絡先等の個人情報が伝達・公開されるわけではないことから、高い機密性および非公開性を維持することができる。
【実施例2】
【0043】
つづいて、本願発明の実施例2について説明する。実施例2は、ある大学(以下、B大学という)の教員および在学生メンバーで構成されたクローズド組織における情報伝達システム2について説明する。
【0044】
情報伝達システム2は、データ管理サーバ21、情報入力端末22、情報出力端末23、およびメインサーバ24を含んで構成されている。データ管理サーバ21、情報入力端末22、情報出力端末23、メインサーバ24はそれぞれインターネットを介して接続されており、互いに情報(データ)の送信および受信が可能となっている。このように、情報伝達システム2は、実施例1の情報伝達システム1と同様の構成であるために図示を省略する。
【0045】
B大学は、B大学の全ての教員および在学生の個人データを、教員および在学生の登録・不登録の意思に関わらず強制的(自動的)にB大学が運営管理するデータ管理サーバ21に保存管理している。図12は、実施例のデータ管理サーバ21が保存管理する個人データの一例を示している。データ管理サーバ21は、B大学における各教員および在学生の氏名,住所,入学年度および卒業年度,学部,所属ゼミ,身分,語学,電子メールアドレス等の個人情報を保存管理している。そして、データ管理サーバ21は教員および在学生ごとに個人識別コード(ID)を付与し、対応する個人データとともに保存管理している。データ管理サーバ21が付与した個人識別用IDには、それぞれ対応するログインIDが付与される。そして、ログインIDはそれぞれ対応する教員および在学生に報知される。本実施例の場合、データ管理サーバ21が保存管理する個人データとして「身分」および「国籍」が採用されている点で実施例1と異なる。
【0046】
つづいて、本実施例の情報伝達システム2による情報伝達について説明する。なお、情報伝達システム2の動作については実施例1の情報伝達システム1と同様であるために図示を省略する。本実施例の構成員(e)は、B大学の教員である。そして、構成員(e)は、B大学の在学生(情報を伝達する対象の構成員)に対して、「中国語のネイティブチュータを公募する」旨(伝達を希望する情報)を伝えたいと考えている。なお、B大学の在学生は、1学年の人数が3000人を超えるものである。構成員(e)は、情報伝達システム2が提供するコミュニティにログイン後、情報入力端末22に抽出条件を入力することで情報を伝達する対象の構成員の抽出を試みる。具体的には、構成員(e)は、検索対象項目として「身分」、「国籍」を選択し、各々に「学生」、「中国」を入力することで、構成員の抽出を行う。本実施例では構成員(f)〜(j)の5名が抽出されたものとする。
【0047】
そして、構成員(e)は、抽出された構成員の人数(5名)が充分であると判断した場合、抽出された構成員(f)〜(j)に伝達するメッセージを情報入力端末22を介して入力および送信する。具体的には、構成員(e)はメッセージ作成画面において「中国語のネイティブチュータを公募する」旨のメッセージ、および自己の連絡先等を入力する。メインサーバ24は、構成員(f)〜(j)の登録電子メールアドレスに対して「中国語のネイティブチュータを公募する」旨のメッセージ、および構成員(e)の連絡先等をメール送信する。更に、メインサーバ24は、コミュニティへのログイン時に構成員(f)〜(j)に対応する個人識別用ID(ログインID)が入力された情報出力端末23(f)〜(j)に対して「中国語のネイティブチュータを公募する」旨のメッセージ、および構成員(e)の連絡先等を伝達する。そして、情報出力端末23(f)〜(j)を介してメッセージを確認した構成員(f)〜(j)は、構成員(e)からの伝達情報に賛同する(中国語のネイティブチュータへ応募する)場合にのみ、受信メッセージに明示された構成員(e)の連絡先に連絡をする。これによって、構成員(f)〜(j)の個人情報を公開することなく、構成員(e)が情報の伝達を希望する構成員(f)〜(j)に適切に情報を伝達することができる。本実施例によれば、個人情報保護の観点から、大学側の方針として、一般の教員に対し学生情報の公開や在籍確認が禁止されている場合であっても、情報を伝達する対象の構成員に対して適切に情報を伝達することができる。
【実施例3】
【0048】
つづいて、本願発明の実施例3について説明する。実施例3は、ある高校(以下、C高校という)のOB・OGメンバーで構成されたクローズド組織における情報伝達システム3について説明する。
【0049】
情報伝達システム3は、実施例1と同様に、データ管理サーバ31、情報入力端末32、情報出力端末33、およびメインサーバ34を含んで構成され、それぞれインターネットを介して接続されており、互いに情報(データ)の送信および受信が可能となっている。このように、情報伝達システム3は、実施例1の情報伝達システム1と同様の構成であるために図示を省略する。
【0050】
C高校は、C高校に在籍した全てのOB・OGメンバーの個人データを、OB・OGメンバーの登録・不登録の意思に関わらず強制的(自動的)にC高校が運営管理するデータ管理サーバ31に保存管理している。図13は、実施例のデータ管理サーバ31が保存管理する個人データの一例を示している。データ管理サーバ31は、C高校におけるOB・OGメンバーの氏名,住所,入学年度および卒業年度,クラス,部活,電子メールアドレスその他の個人情報を保存管理している。そして、データ管理サーバ31はOB・OGメンバーごとに個人識別コード(ID)を付与し、対応する個人データとともに保存管理している。データ管理サーバ31が付与した個人識別用IDには、それぞれ対応するログインIDが付与される。そして、ログインIDはそれぞれ対応するOB・OGメンバーに報知される。本実施例の場合、データ管理サーバ31が保存管理する個人データとして「クラス」、「部活」が採用されている点で実施例1と異なる。
【0051】
つづいて、本実施例の情報伝達システム3による情報伝達について説明する。なお、情報伝達システム3の動作については実施例1の情報伝達システム1と同様であるために図示を省略する。本実施例の構成員(k)は、C高校の野球部OBである。そして、構成員(k)は、C高校の野球部OBの1993年度および1999年度入学生(情報を伝達する対象の構成員)に対して、「△月○日に1996年度入学の野球部OBの○×△君の結婚式が開催される」旨(伝達を希望する情報)を伝えたいと考えている。なお、C高校の野球部OBは、1学年の人数が20人を超えるものである。構成員(k)は、情報伝達システム3が提供するコミュニティにログイン後、情報入力端末32に抽出条件を入力することで情報を伝達する対象の構成員の抽出を試みる。具体的には、構成員(k)は、検索対象項目として「入学年度」、「部活」を選択し、各々に「1993年度」〜「1999年度」、「野球部」を入力することで、構成員の抽出を行う。本実施例では152名の構成員が抽出されたものとする。
【0052】
そして、構成員(k)は、抽出された構成員の人数(152名)が多すぎると判断した場合、更に抽出条件を設定して条件検索を実行する。具体的には、検索対象項目として「住所」を追加して選択し、「東京」、「神奈川」、「千葉」を入力することで、構成員の再抽出を行う。住所検索は、例えばプルダウンボックスで都道府県を複数回選択するか、フリーボックスでキーワードをAND検索することで達成することもできる。本実施例では構成員(l)〜(s)の8名が抽出されたものとする。ワード構成員(k)は、抽出された構成員の人数(8名)が適切であると判断した場合、抽出された構成員(l)〜(s)に伝達するメッセージを情報入力端末32を介して入力および送信する。具体的には、構成員(k)はメッセージ作成画面において「△月○日に1996年度入学の野球部OBの○×△君の結婚式が開催される」旨のメッセージ、および自己の連絡先等を入力する。メインサーバ34は、構成員(l)〜(s)の登録電子メールアドレスに対して「△月○日に1996年度入学の野球部OBの○×△君の結婚式が開催される」旨のメッセージ、および構成員(k)の連絡先等をメール送信する。更に、メインサーバ34は、コミュニティへのログイン時に構成員(l)〜(s)に対応する個人識別用ID(ログインID)が入力された情報出力端末33(l)〜(s)に対して「△月○日に1996年度入学の野球部OBの○×△君の結婚式が開催される」旨のメッセージ、および構成員(k)の連絡先等を伝達する。そして、情報出力端末33(l)〜(s)を介してメッセージを確認した構成員(l)〜(s)は、構成員(k)からの伝達情報に賛同する(○×△君の結婚式に参加する)場合にのみ、受信メッセージに明示された構成員(k)の連絡先に連絡をする。このように、構成員(l)〜(s)の個人情報を公開することなく、構成員(k)が情報の伝達を希望する構成員(l)〜(s)に適切に情報を伝達することができる。
【実施例4】
【0053】
つづいて、本願発明の実施例4について説明する。実施例4は、ある企業(以下、D会社という)に勤務する従業員メンバーで構成されたクローズド組織における情報伝達システム4について説明する。
【0054】
情報伝達システム4は、実施例1と同様に、データ管理サーバ41、情報入力端末42、情報出力端末43、およびメインサーバ44を含んで構成され、それぞれインターネットを介して接続されており、互いに情報(データ)の送信および受信が可能となっている。このように、情報伝達システム4は、実施例1の情報伝達システム1と同様の構成であるために図示を省略する。なお、情報伝達システム4における情報出力端末43の一部は日本国外に設置されている。
【0055】
D会社は、D会社に勤務する全ての従業員メンバーの個人データを、従業員メンバーの登録・不登録の意思に関わらず強制的(自動的)にD会社が運営管理するデータ管理サーバ41に保存管理している。図14は、実施例のデータ管理サーバ41が保存管理する個人データの一例を示している。データ管理サーバ41は、D会社に勤務する従業員メンバーの氏名,住所,入社年度,支部,室課,担当業務,電子メールアドレスその他の個人情報を保存管理している。そして、データ管理サーバ41は従業員メンバーごとに個人識別コード(ID)を付与し、対応する個人データとともに保存管理している。データ管理サーバ41が付与した個人識別用IDには、それぞれ対応するログインIDが付与される。そして、ログインIDはそれぞれ対応する従業員メンバーに報知される。本実施例の場合、データ管理サーバ41が保存管理する個人データとして「支部」、「室課」および「担当業務」が採用されている点で実施例1と異なる。
【0056】
つづいて、本実施例の情報伝達システム4による情報伝達について説明する。なお、情報伝達システム4の動作については実施例1の情報伝達システム1と同様であるために図示を省略する。本実施例の構成員(t)は、D会社の大阪支部営業課に勤務する従業員である。そして、構成員(t)は、D会社のアメリカ支部営業課の販売促進(販促)担当者(情報を伝達する対象の構成員)に対して、「日本とアメリカにおける販売促進戦略についての情報交換を行いたい」旨(伝達を希望する情報)を伝えたいと考えている。なお、D会社の従業員は、連結会社を含めて10万人を超えるものである。構成員(t)は、情報伝達システム4が提供するコミュニティにログイン後、情報入力端末42に抽出条件を入力することで情報を伝達する対象の構成員の抽出を試みる。具体的には、構成員(t)は、検索対象項目として「支部」、「室課」および「担当業務」を選択し、各々に「アメリカ支部」、「営業室課」および「販促担当」を入力することで、構成員の抽出を行う。本実施例では構成員(u)〜(z)の6名が抽出されたものとする。
【0057】
そして、構成員(t)は、抽出された構成員の人数(6名)が適切であると判断した場合、抽出された構成員(u)〜(z)に伝達するメッセージを情報入力端末42を介して入力および送信する。具体的には、構成員(t)はメッセージ作成画面において「日本とアメリカにおける販売促進戦略についての情報交換を行いたい」旨のメッセージ、および自己の連絡先等を入力する。メインサーバ44は、構成員(u)〜(z)の登録電子メールアドレスに対して「日本とアメリカにおける販売促進戦略についての情報交換を行いたい」旨のメッセージ、および構成員(t)の連絡先等をメール送信する。更に、メインサーバ44は、コミュニティへのログイン時に構成員(u)〜(z)に対応する個人識別用ID(ログインID)が入力された情報出力端末43(u)〜(z)に対して「日本とアメリカにおける販売促進戦略についての情報交換を行いたい」旨のメッセージおよび構成員(t)の連絡先等を伝達する。そして、情報出力端末43(u)〜(z)を介してメッセージを確認した構成員(u)〜(z)は、構成員(t)からの伝達情報に賛同する(日本とアメリカにおける販売促進戦略についての情報交換を行う)場合にのみ、受信メッセージに明示された構成員(t)の連絡先に連絡をする。このように、企業における人事担当者の手を煩わせることなく、構成員(t)が情報の伝達を希望する構成員(u)〜(z)に適切に情報を伝達することができる。また、本実施例の情報伝達システム4は、情報出力端末43(u)〜(z)が日本国外(米国)に設置されており、国外に在住する構成員に対しても適切に情報を伝達することができる。この場合、各国のブランチの人事担当が、同じ言語、フォーマット等でデータベースを構築し、システムに登録することで、本社の人事担当者が独自集計をすることなく従業員同士が情報の伝達、抽出をすることができる。
【実施例5】
【0058】
つづいて、本願発明の実施例5について説明する。実施例5は、クローズド組織における情報伝達システムの構成員が有する複数のログインIDを統括するマスタIDシステムについて説明する。
【0059】
これまで説明したように、本願発明は様々なクローズド組織における情報伝達システムとして有効に機能しうる。一方、昨今の社会構成は複雑化しており多様な組織が存在しているために、ある個人が複数の組織に在籍する場合がある。例えば、実施例1における構成員(a)が、高校時代にC高校の野球部に所属しており、A大学の文学部を卒業後、D会社大阪支部の販促担当として勤務している場合、構成員(a)は「C高校OB」、「A大学OB」、および「D会社従業員」の3つの組織からそれぞれコミュニティへのログインIDが付与される。構成員(a)が更に多くの組織に在籍している場合、各組織から付与されるログインIDの数が膨大になり、これらログインIDを管理する際の負担が増大する。
【0060】
そこで、クローズド組織における1の構成員が所有する複数のログインIDを一括管理するマスタIDを提供することで、情報伝達システム用IDを容易に管理することができる。図15は、マスタIDシステムの概念の一例を示した図である。マスタIDは、個別のコミュニティにログインするためのログインIDと関連づけられた統括IDであって、システム管理者から構成員に付与される。各クローズド組織におけるデータ管理サーバ11,31および41からログインIDを付与された構成員(a)は、マスタIDシステム管理者に対して統括IDの付与を要求する。マスタIDシステム管理者は、構成員(a)が在籍する組織および付与されたログインIDを抽出し、各ログインIDに対応した管理IDを設定しつつ、各組織のコミュニティに一括でログイン可能な統括IDを構成員(a)に付与する。すなわち、構成員(a)は、統括IDでマスタIDシステムにログインすることで、各クローズド組織におけるコミュニティに一括でログインすることができる。このようなマスタIDシステムを採用することで、複数の組織から付与されるコミュニティへのログインIDを統括的に管理することができる。
【0061】
また、ログインIDの管理にかかる負担を軽減する方法としては、上記のマスタIDシステムに限られない。例えば、構成員が専用ページにログインすると、構成員の所属している各組織のコミュニティに対応するログインIDやパスワード等を自動的に入力するように構築されたシステムを総括的に管理するツールによっても実現することができる。
【0062】
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0063】
例えば、実施例4の情報伝達システム4のように、データ管理サーバ41、情報入力端末42、情報出力端末43、およびメインサーバ44のいずれかが国外に設置されていてもよい。すなわち、データ管理サーバ、情報入力端末、情報出力端末、およびメインサーバのいずれかが日本国内に設置されていればよい。
【0064】
また、クローズド組織における構成員の個人データを保存管理するデータ管理サーバとしては、教育機関や企業が運営管理するものに限られずに、特定の団体または個人で運営管理するものであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 情報伝達システム
11 データ管理サーバ
12 情報入力端末
13 情報出力端末
14 メインサーバ(情報伝達仲介部)
141 制御部
143 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝達システムおよび情報伝達方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある組織内、グループ内のメンバー同士で連絡を取り合う場合の情報伝達手段として、WEBサービスを利用したメーリングリストや、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)によるコミュニケーション手段が知られている。メーリングリストとは、登録メンバーの電子メールアドレスのリスト及びメーリングリスト宛ての代表電子メールアドレスを用意して、代表アドレスに送信された電子メールをリストに登録されたメンバー全員のアドレスへ転送するものである。SNSとは、人と人とのつながりを促進、サポートするコミュニティ型の会員制サービスを提供するウェブサイトであって、利用者が自由に参加できる公開されたサイトと、既存の利用者(会員)からの紹介がないと参加できない非公開のサイトとがある。非公開のサイトは、会員からの紹介を入会条件とすることでメンバーの個人情報の保護を高めている。
【0003】
WEBサービスを利用した情報伝達システムに関する技術としては、回答情報連絡手段を備えた仲介管理装置が、特定の顧客の希望情報に対する回答情報を会員業者が所有する会員端末から受け付けて、この回答情報を特定の顧客の連絡先へ連絡することにより、個人情報の不必要な流出を防止できるようにした仲介システムが特許文献1に開示されている。また、その他本願発明と関連性があると考えられる技術が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−183492号公報
【特許文献2】特開2005−158021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら従来の情報伝達手段には、それぞれ次のような課題がある。メーリングリストを利用して情報を伝達する場合、複数の登録者の中から受信者として指定したい特定者以外の第三者にも情報が伝達されることになる。また、特定者以外の第三者からすれば自身に不要な情報を受け取ることになる。すなわち、メーリングリストは情報の受信対象がメンバー全員ではない場合の情報伝達手段として不適切である。これに対して、メーリングリスト登録者の個々のアドレスが特定できるように設定することや、電子メールアドレス自体を公開することが考えられるが、このような方法は個人情報保護の観点から適切とは言い難い。
一方、SNSサービスを利用した情報伝達の場合は、まず各メンバーが自発的にサービスに参加する必要がある。よって、実社会におけるコミュニティメンバーが互いにいつでも連絡を取り合うためには、全員がそのSNSサービスに自発的に参加していることが前提となり、そのような前提が問題となる。すなわち、コミュニティの規模が比較的小さいうちはお互いの勧誘等によってメンバーのコミュニティへの参加率をある程度高くすることが可能であるが、コミュニティの規模が大きくなるほどメンバーの参加率は低下することが考えられる。そのため、メンバーが自発的にサービスに参加する能動的参加型の情報伝達手段では、情報を適宜、適切なメンバーに伝達することが困難になる。
【0006】
本願発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる情報伝達システムおよび情報伝達方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明の情報伝達システムは、ネットワークを介して接続された情報伝達システムであって、特定の組織を構成する2人以上からなる構成員の個人データを強制的に保存管理しつつ、前記構成員ごとに個人識別コードを付与するデータ管理部と、前記構成員のいずれかが他の構成員に対して伝達を希望する情報を入力可能な情報入力端末と、前記情報入力端末へ入力された前記情報を前記構成員のいずれかに対して出力可能な1または複数の情報出力端末と、前記情報入力端末および前記情報出力端末に入力されたコードと前記個人識別コードとを照合して前記構成員の本人認証を行い、本人認証がとれた前記構成員の個人識別コードが入力された情報入力端末および情報出力端末の間の情報伝達を仲介する情報伝達仲介部と、を備え、前記情報伝達仲介部が、前記情報入力端末への入力内容および前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データに基づいて前記構成員のうち前記情報の伝達を許可する構成員を抽出し、抽出した構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末に対して前記情報を伝達することを特徴とする。
【0008】
上記の構成により、特定の組織を構成する構成員の全員を強制的にシステムに参加させること(受動的(強制的)参加型)により、ある構成員が特定の構成員に対して伝達を希望する情報を該当する構成員の全員に伝達することができる。また、データ管理部が構成員の個人データを保存管理し、情報伝達仲介部が入力情報の伝達を許可する構成員を抽出することで、構成員の個人情報を公開することなく情報を伝達することができる。よって、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【0009】
特に、本願発明の情報伝達システムは、前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データが電子メールアドレスを含み、前記情報伝達仲介部が、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員の電子メールアドレスに対して前記情報をメール送信する構成とすることができる。
【0010】
また、本願発明の情報伝達システムは、前記情報伝達仲介部が、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員の人数、ならびに条件検索の要否を前記情報入力端末に報告し、前記情報入力端末が、前記情報を入力した構成員に対して前記情報伝達仲介部からの前記報告を報知する構成とすることができる。
【0011】
上記の構成によって、情報の伝達を希望する構成員が、端末への入力内容および構成員の個人データに基づき抽出された構成員の人数を把握することができるために、情報を伝達する対象の構成員の人数が充分であるか否かを判断することができる。また、抽出された構成員の人数が報知されるのみで、構成員の個人情報が伝達・公開されるわけではないことから、高い機密性を維持することができる。よって、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【0012】
そして、本願発明の情報伝達システムは、前記情報伝達仲介部が、前記条件検索の要求があった場合に、前記情報を入力した構成員に対して抽出条件の入力を促す構成とすることができる。
【0013】
上記の構成によって、情報の伝達を希望する構成員に対して抽出条件の入力を促すことで、新たに入力された抽出条件に基づき情報の伝達を許可する構成員をより適切に抽出することができる。よって、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【0014】
更に、本願発明の情報伝達システムは、前記情報伝達仲介部が、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末への前記情報の伝達完了を前記情報入力端末に報告し、前記情報入力端末が、前記情報を入力した構成員に対して前記情報伝達仲介部からの前記報告を報知する構成とすることができる。
【0015】
上記の構成によって、情報入力端末に情報を入力した構成員が、該当する他の構成員に入力情報が伝達されたか否かを知ることができるために、入力情報が適切に伝達されなかった場合には再度情報の伝達を試みることができる。また、上記の構成では、該当する構成員への情報の伝達完了が報知されるのみで、構成員の個人情報が伝達・公開されるわけではないことから、高い機密性を維持することができる。よって、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【0016】
また、本願発明は、データ管理部、情報入力端末、情報出力端末、情報仲介部がネットワークを介して接続された情報伝達システムによる情報伝達方法であって、特定の組織を構成する2人以上からなる構成員の個人データを強制的に保存管理する前記データ管理部が、前記構成員ごとに個人識別コードを付与する付与ステップと、前記情報仲介部が、前記情報入力端末および前記情報出力端末に入力されたコードと前記付与ステップにて付与された前記個人識別コードとを照合し、前記構成員の本人認証を行う認証ステップと、前記情報仲介部が、前記認証ステップで認証された構成員の個人識別コードが入力された情報入力端末への入力内容を受信する受信ステップと、前記情報仲介部が、前記受信ステップにて受信した前記入力内容および前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データに基づいて、前記構成員のうち前記情報の伝達を許可する構成員を抽出する抽出ステップと、前記情報仲介部が、前記抽出ステップにて抽出された構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末に対して前記情報を伝達する情報伝達ステップと、前記抽出ステップにて抽出された構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末が、前記情報伝達ステップで伝達された前記情報を構成員に出力する情報出力ステップと、を備えることを特徴とする。
【0017】
上記の方法により、特定の組織を構成する構成員を強制的にシステムに参加させることで、ある構成員が特定の構成員に対して伝達を希望する情報を該当する構成員やその集団に伝達することができる。また、データ管理部が構成員の個人データを保存管理し、情報伝達仲介部が入力情報の伝達を許可する構成員を抽出することで、構成員の個人情報を公開することなく情報を伝達することができる。よって、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【発明の効果】
【0018】
本願発明の情報伝達システムおよび情報伝達方法によれば、グループ内のメンバーの個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例の情報伝達システムの構成を示す概略図である。
【図2】実施例のデータ管理サーバが保存管理する個人データの一例を示している。
【図3】実施例のメインサーバの機能構成を示すブロック図である。
【図4】構成員へ個人識別用IDを付与する処理の例を示すシーケンス図である。
【図5】構成員の個人特定項目および条件検索項目の設定登録例を示している。
【図6】情報伝達システムが提供するコミュニティに構成員がログインする処理の例を示すシーケンス図である。
【図7】情報を伝達する対象の構成員を抽出する処理の例を示すシーケンス図である。
【図8】情報入力端末への入力内容例を示している。
【図9】情報入力端末の報知例を示している。
【図10】抽出した構成員に対して情報を伝達する処理の例を示すシーケンス図である。
【図11】伝達メッセージ作成画面の例を示している。
【図12】実施例のデータ管理サーバが保存管理する個人データの一例を示している。
【図13】実施例のデータ管理サーバが保存管理する個人データの一例を示している。
【図14】実施例のデータ管理サーバが保存管理する個人データの一例を示している。
【図15】マスタIDシステムの概念の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本願発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
本願発明の実施例1について説明する。実施例1は、ある大学(以下、A大学という)の卒業生(OB・OG)メンバーで構成されたクローズド組織における情報伝達システム1について説明する。なお、クローズド組織における情報伝達とは、特定の組織(大学、サークル、会社等)の構成員間での情報伝達を容認し、組織外の者には情報を公開しないことをいう。
【0022】
図1は、実施例の情報伝達システム1の構成を示す概略図である。情報伝達システム1は、データ管理サーバ11、情報入力端末12、情報出力端末13、およびメインサーバ14を含んで構成される。データ管理サーバ11、情報入力端末12、情報出力端末13、メインサーバ14はそれぞれインターネットを介して接続されており、互いに情報(データ)の送信および受信が可能となっている。
【0023】
データ管理サーバ11は、構成員である卒業生メンバーが在籍していたA大学が所有するサーバである。A大学は、A大学に在籍した全ての卒業生の個人データを、卒業生の登録・不登録の意思に関わらず強制的(自動的,自主的)にデータ管理サーバ11に保存管理している。本実施例の情報伝達システム1は、不特定多数のメンバーがコミュニティサービスに自発的に参加する従来の「能動的参加型」ではなく、データ管理サーバ11に個人データが保存管理されているA大学OB・OGメンバー全員をコミュニティサービスに強制的に参加させる「受動的(強制的)参加型」を採用する。なお、データ管理サーバ11の機能構成は後述するメインサーバ14の機能構成と同様であるために、その詳細な説明は省略する。
【0024】
図2は、実施例のデータ管理サーバ11が保存管理する個人データの一例を示している。データ管理サーバ11は、A大学における各卒業生の氏名,住所,入学年度および卒業年度,学部,所属ゼミ,電子メールアドレスその他の個人情報を保存管理している。そして、データ管理サーバ11は卒業生ごとに個人識別コード(ID)を付与し、対応する個人データとともに保存管理している。データ管理サーバ11が構成員に付与した個人識別用IDは、情報伝達システム1が提供するコミュニティサービス(以下、コミュニティと略記する)へ各構成員がログインする際に用いるID(ログインID)と1対1に対応しており、構成員がコミュニティにログインする際の鍵情報として用いられる。この場合、ログインIDとしては個人識別用IDと同じものを適用してもよい。また、データ管理サーバ11が保存管理する個人データとしては上記に限られずに、各大学ごとに保存管理が必要と考える個人データを任意に採用することができる。なお、データ管理サーバ11が保存管理する個人データには、後述するメインサーバ14を介することでアクセス可能となっており、管理者側の設定によって情報伝達対象者の抽出条件となる個人データベースの各項目の公開、非公開を任意に設定することができる。この場合、A大学OB・OGメンバー(構成員)は、管理者が設定した公開項目の範囲内で、自身の個人データの公開、非公開をメインサーバ14を介して任意に設定することができる。そして、データ管理サーバ11への構成員の個人データの追加・更新はA大学の関係者(例えばデータ管理サーバ11の管理者)が実行するが、各構成員がメインサーバ14を介して自身の個人データの一部を修正することもできる。
【0025】
情報入力端末12および情報出力端末13は、各構成員が操作するパーソナルコンピュータ装置である。情報入力端末12および情報出力端末13は、周知のパーソナルコンピュータと同様にCPU等の制御部、RAMおよびHDD等の記憶部、キーボードおよびマウス等の入力部、ディスプレイ装置およびスピーカ等の出力部を有している。情報入力端末12および情報出力端末13には、メインサーバ14に対してデータ送信し、メインサーバ14からデータを受信して表示するブラウザ等の情報伝達サービスを実現するアプリケーションプログラムが記憶されており、このプログラムが制御部等によって動作する。情報入力端末12は、他のメンバーに情報を伝達することを希望する構成員(以下、構成員(a)とする)が、入力部を介して伝達を希望する情報、ログインIDその他の内容を入力することができる。情報出力端末13(b)〜(d)は、構成員(a)が情報入力端末12に入力した情報を伝達され得る他の構成員(以下、構成員(b)〜(d)とする)に、出力部を介して情報を出力することで報知することができる。情報出力端末13は、構成員の人数に応じて複数設けられてもよいし、1台の情報出力端末13が複数の構成員によってシェアされてもよい。また、端末を使用する構成員に応じて情報入力端末12を情報出力端末として機能させることができる。同様に、情報出力端末13を情報入力端末として機能させることができる。
【0026】
図3は、実施例のメインサーバ14の機能構成を示すブロック図である。メインサーバ14は、サーバ全体の動作を制御するCPU等の制御部141と、例えばサーバの運用担当者がメインサーバ14に対する操作、指示等を入力したり、メインサーバ14が運用担当者に対して種々の情報を出力したりする入出力部142と、サーバの動作に必要なプログラムおよびパラメータ等を記憶する記憶部143と、図1に示したネットワークとのインタフェースであるネットワーク接続部144と、を含んで構成される。入出力部142としては、例えば、入力のためのキーボードおよびマウス等が用いられ、出力のためにディスプレイ装置等が用いられる。他の装置から操作可能な構成においては入出力部142は必須構成ではない。メインサーバ14は、情報入力端末12と情報出力端末13との間で特定の情報を伝達することを仲介する情報伝達仲介部として機能する。
【0027】
続いて、本実施例の情報伝達システム1の動作について図4から図11を参照して説明する。図4は、構成員へ個人識別用IDを付与する処理の例を示すシーケンス図である。A大学の関係者(例えばデータ管理サーバ11の管理者)は、A大学の卒業生メンバー(構成員)の個人データを保存管理するために、データ管理サーバ11に構成員の個人データを逐次入力する。
まず、ステップS1で、データ管理サーバ11は、管理者から構成員の個人データの入力がされると構成員ごとに個人識別コード(ID)を付与しつつ、対応する構成員の個人データとともにデータベース登録して保存管理する(図2参照)。情報伝達システム1はステップS1の処理が終わると、次のステップS2へ進む。
【0028】
ステップS2で、データ管理サーバ11は、ステップS1で付与した個人識別用IDに対応づけられたログインIDをそれぞれ対応する構成員が有する電子メールアドレスにメール送信して報知する。各構成員は、データ管理サーバ11からメール送信されたログインIDを例えば自身の所有するパーソナルコンピュータ(情報入力端末12および情報出力端末13)で確認して認識する。この場合、構成員に対するログインIDの報知手段はデータ管理サーバ11からのメール等に限られない。例えば、より機密性(非公開性)を高めるためにA大学の職員等が各構成員に電話や書面の郵送等にてログインIDを報知してもよい。情報伝達システム1はステップS2の処理が終わると、次のステップS3へ進む。
【0029】
ステップS3で、データ管理サーバ11は、データベース登録した構成員の個人データの中から、管理者からの入力に基づき設定した個人特定項目および条件検索の項目をメインサーバ14に送信して登録させる。図5は、構成員の個人特定項目および条件検索項目の設定登録例を示している。管理者等は、データベース登録した構成員の個人データから構成員を識別する(特定する)ための項目を選択して登録する。本実施例では構成員の個人データのうち「個人ID」、「氏名」、「メールアドレス」を個人特定項目として選択する場合を示している(図5(a))。そして、個人ID、氏名、住所、入学および卒業年度、学部、所属ゼミ、メールアドレスその他の個人データのうち、条件検索の際に検索対象とする項目を管理者等が任意に選択し、検索方法とあわせて入力することで条件検索の項目を設定登録する。本実施例では「入学年度」、「卒業年度」、「学部」、「所属ゼミ」、「その他」を条件検索項目として選択する場合を示している(図5(b))。これにより、情報を伝達する対象の構成員を抽出する際の条件検索の項目を決定することができる。メインサーバ14は、データ管理サーバ11から送信された構成員の個人特定項目および条件検索の項目を記憶部143に記憶する(ステップS4)。
【0030】
図6は、情報伝達システム1が提供するコミュニティに構成員がログインする処理の例を示すシーケンス図である。なお、図6では構成員(a)が情報入力端末12を介してコミュニティにログインする処理を示しているが、構成員(b)〜(d)が情報出力端末13を介してコミュニティにログインする処理についても同様であるために、その説明を省略する。構成員(a)は、情報入力端末12から情報伝達システム1のブラウザにアクセスし、ステップS2で報知されたログインIDを指定の欄に入力することでコミュニティへのログインを試みる。この場合、コミュニティへのログインにはログインIDの入力とあわせてパスワード等の入力を要求してもよい。
ステップS5で、情報入力端末12は、構成員(a)のログイン要求操作に応じてメインサーバ14へログイン要求を送信する。このログイン要求には、ログインIDに対応する個人ID(個人識別用ID)が鍵情報として含まれている。情報伝達システム1はステップS5の処理が終わると、次のステップS6へ進む。
【0031】
ステップS6で、メインサーバ14は、ステップS5で送信されたログイン要求に含まれている個人識別用IDと、ステップS4で記憶部143に記憶した構成員の個人識別用IDとを照合し、構成員の本人認証を行う。ログイン要求に含まれている個人識別用IDと記憶部143に記憶した構成員の個人識別用IDとの照合に成功した場合(ステップS6/YES)、メインサーバ14は、ログイン要求者がA大学の卒業生(構成員)であると判断してコミュニティへのログインを許可しつつ、ログイン要求者が構成員(a)であると特定する(ステップS7)。ログイン要求に含まれている個人識別用IDと記憶部143に記憶した構成員の個人識別用IDとの照合に失敗した場合(ステップS6/NO)は、メインサーバ14は、ログイン要求者がA大学の卒業生(構成員)ではないと判断してコミュニティへのログインを不許可(禁止)とする(ステップS8)。
【0032】
図7は、情報を伝達する対象の構成員を抽出する処理の例を示すシーケンス図である。本実施例の構成員(a)は、2000年度にA大学の文学部に入学し、Hゼミに所属していた。なお、A大学文学部は、1学年の人数が200人を超えるものである。そして、構成員(a)は、A大学文学部Hゼミの2000年度および2001年度入学生(情報を伝達する対象の構成員)に対して、「○月△日にHゼミの同窓会を開催する」旨(伝達を希望する情報)を伝えたいと考えている。構成員(a)は、コミュニティにログイン後、情報入力端末12に抽出条件を入力することで情報を伝達する対象の構成員の抽出を試みる。
【0033】
ステップS9で、情報入力端末12は、入力部から構成員(a)が入力した内容(入力内容)をメインサーバ14へ送信する。情報入力端末12への入力内容とは、他の構成員に対して情報の伝達を希望する構成員が、情報を伝達する対象の構成員を抽出するための条件のことである。図8は、情報入力端末12への入力内容例を示している。入力内容の項目としては、ステップS3で設定登録した検索対象項目が採用される。構成員(a)は、情報入力端末12に表示された検索対象項目から任意の項目を選択し、選択した項目に情報を伝達する対象の構成員を抽出するための条件を入力する。例えば、構成員(a)は、検索対象項目として「入学年度」、「学部」、「所属ゼミ」を選択し、各々に「2000年度」〜「2001年度」、「文学部」、「Hゼミ」を入力する。情報伝達システム1はステップS9の処理が終わると、次のステップS10へ進む。
【0034】
ステップS10で、メインサーバ14は、データ管理サーバ11にアクセスし、データ管理サーバ11が保存管理する構成員の個人データを取得する。つづいて、ステップS11で、メインサーバ14は、ステップS9で送信された入力内容、およびステップS10で取得した構成員の個人データに基づいて、構成員の中から情報伝達を許可する構成員を抽出する。具体的には、データ管理サーバ11が保存管理する構成員の個人データから「入学年度」が「2000年度」〜「2001年度」、「学部」が「文学部」、かつ「所属ゼミ」が「Hゼミ」である構成員を抽出する。本実施例では、上記抽出処理にて構成員(b)および構成員(c)の2名が抽出されたものとする。情報伝達システム1はステップS11の処理が終わると、次のステップS12へ進む。
【0035】
ステップS12で、メインサーバ14は、ステップS11で抽出した構成員の人数、ならびに条件検索の要否を情報入力端末12に報告する。つづいて、ステップS13で、情報入力端末12は、ステップS12で報告された内容を出力部に出力して構成員(a)に対して報知する。図9は、情報入力端末12の報知例を示している。情報入力端末12は、メインサーバ14からの報告に基づき抽出された構成員の人数を表示しつつ、抽出処理を再度実行するか、次の処理へ進むかを構成員(a)に選択させる。これによって、構成員(a)が抽出された構成員の人数を把握し、情報を伝達する対象の構成員の人数が充分であるか否かを判断することができる。また、抽出された構成員の人数が報知されるのみで、構成員の個人情報が伝達・公開されるわけではないことから、高い機密性および非公開性を維持することができる。
【0036】
ステップS13において構成員(a)が再度の抽出処理を選択した場合、抽出条件の入力処理へ進み、構成員(a)に対して抽出条件の入力を促す(ステップS14)。これにより、例えば、抽出された構成員の人数が適切でない(少ない)と構成員(a)が判断したときは、「入学年度」を「1999年度」〜「2002年度」に変更するなど、より緩やかな抽出条件に変更して再度の抽出処理を実行することができる。よって、構成員(a)が満足する充分な人数の構成員を抽出することができる。ステップS13において構成員(a)が次の処理へ進むことを選択した場合は、情報伝達システム1はステップS15へ進む。
【0037】
図10は、抽出した構成員に対して情報を伝達する処理の例を示すシーケンス図である。ステップS15で、メインサーバ14は、他の構成員に伝達を希望する情報(メッセージ)を作成する画面を情報入力端末12に表示させる。構成員(a)は、ステップS11で抽出された構成員(構成員(b)および(c))に伝達するメッセージを情報入力端末12を介して入力する。具体的には、構成員(a)はメッセージ作成画面において「○月△日にHゼミの同窓会を開催する」旨のメッセージ、および自己の連絡先等を入力する。
【0038】
図11は、伝達メッセージ作成画面の例を示している。伝達メッセージ作成画面は、伝達を希望するメッセージを入力する部分の他に、抽出条件変更の選択ボタンおよびメッセージ送信ボタン、発信者情報、受信者抽出条件、該当者等の表示情報を含んで構成される。ステップS15において構成員(a)が抽出条件の変更を選択した場合、抽出条件の入力処理へ進み、構成員(a)に対して抽出条件の入力を促す(ステップS16)。ステップS15において構成員(a)がメッセージの送信を選択した場合は、情報伝達システム1はステップS17へ進む。
【0039】
ステップS17で、情報入力端末12は、ステップS15で構成員(a)が入力したメッセージをメインサーバ14に送信する。つづいて、ステップS18で、メインサーバ14は、ステップS17で送信されたメッセージをステップS11で抽出した構成員に対応する個人識別用ID(ログインID)が入力された情報出力端末13に対して送信(伝達)する。具体的には、メインサーバ14は、構成員(b)および(c)の登録電子メールアドレスに対して「○月△日にHゼミの同窓会を開催する」旨のメッセージ、ならびに構成員(a)の連絡先等をメール送信する。更に、メインサーバ14は、コミュニティへのログイン時に構成員(b)および(c)に対応する個人識別用ID(ログインID)が入力された情報出力端末13(b)および(c)に対して「○月△日にHゼミの同窓会を開催する」旨のメッセージ、ならびに構成員(a)の連絡先等を伝達する。そして、ステップS19で、情報出力端末13(b)および(c)は、ステップS18で伝達されたメッセージをディスプレイ装置に表示して構成員(b)および(c)に伝達する。そして、メッセージを確認した構成員(b)および(c)は、構成員(a)からの伝達情報に賛同する(Hゼミの同窓会への参加を希望する)場合にのみ、受信メッセージに明記された発信者である構成員(a)の連絡先に連絡をする。これによって、構成員(b)および(c)の個人情報を公開することなく、構成員(a)が情報の伝達を希望する構成員(b)および(c)に適切に情報を伝達することができる。この場合、構成員(b)および(c)へのメッセージ伝達方法はディスプレイ装置への表示に限られず、スピーカからの音声出力によってメッセージを伝達する構成であってもよい。情報伝達システム1はステップS19の処理が終わると、次のステップS20へ進む。
【0040】
ステップS20で、メインサーバ14は、情報出力端末13(b)および(c)に対してメッセージを伝達した旨を情報入力端末12に報告する。つづいて、ステップS21で、情報入力端末12は、ステップS20で報告された内容をディスプレイ装置に表示してメッセージの送信者(構成員(a))に報知する。これによって、情報入力端末12に情報を入力した構成員(a)が、該当する他の構成員(構成員(b)および(c))に入力情報が伝達されたか否かを知ることができる。そのため、データベースに登録されている電子メールアドレス等の情報端末を介した連絡先変更により入力情報が適切に伝達されなかった場合には、構成員(a)は、別条件にて情報の伝達対象者を抽出することにより情報の伝達を再度試みることができる。また、該当する構成員への情報の伝達完了が報知されるのみで、構成員の個人情報が伝達・公開されるわけではないことから、高い機密性および非公開性を維持することができる。この場合、スピーカからの音声出力によって報告内容を報知する構成であってもよい。ステップS21の処理が終わると、情報伝達システム1は制御の処理を終了する。
【0041】
以上のように、本実施例の情報伝達システム1は、特定の組織や属性を構成する構成員を強制的にシステムに参加させることで、ある構成員が特定の構成員に対して伝達を希望する情報を該当する構成員に伝達することができる。また、データ管理サーバ11が構成員の個人データを保存管理し、メインサーバ14が入力情報の伝達を許可する構成員の連絡先以外の情報(対象者数や設定によっては名前等の情報)を抽出し、情報伝達を仲介することで、構成員の個人情報を保護しつつ、特定の属性を持ったメンバーに適切に情報を伝達することができる。
【0042】
そして、本実施例の情報伝達システム1は、情報の伝達を希望する構成員が、情報入力端末12への入力内容および構成員の個人データに基づき抽出された構成員の人数を把握することができるために、情報を伝達する対象の構成員の人数が充分であるか否かを判断することができる。加えて、情報の伝達を希望する構成員に対して抽出条件の入力を促すことで、新たに入力された抽出条件に基づき情報の伝達を許可する構成員をより適切に抽出することができる。更に、本実施例の情報伝達システム1は、情報入力端末12に情報を入力した構成員が、該当する他の構成員に入力情報が伝達されたか否かを知ることができるために、入力情報が適切に伝達されなかった場合には、抽出条件を変更することにより新たな伝達対象者を抽出し、再度情報の伝達を試みることができる。これらの情報伝達処理において、構成員の直接の連絡先等の個人情報が伝達・公開されるわけではないことから、高い機密性および非公開性を維持することができる。
【実施例2】
【0043】
つづいて、本願発明の実施例2について説明する。実施例2は、ある大学(以下、B大学という)の教員および在学生メンバーで構成されたクローズド組織における情報伝達システム2について説明する。
【0044】
情報伝達システム2は、データ管理サーバ21、情報入力端末22、情報出力端末23、およびメインサーバ24を含んで構成されている。データ管理サーバ21、情報入力端末22、情報出力端末23、メインサーバ24はそれぞれインターネットを介して接続されており、互いに情報(データ)の送信および受信が可能となっている。このように、情報伝達システム2は、実施例1の情報伝達システム1と同様の構成であるために図示を省略する。
【0045】
B大学は、B大学の全ての教員および在学生の個人データを、教員および在学生の登録・不登録の意思に関わらず強制的(自動的)にB大学が運営管理するデータ管理サーバ21に保存管理している。図12は、実施例のデータ管理サーバ21が保存管理する個人データの一例を示している。データ管理サーバ21は、B大学における各教員および在学生の氏名,住所,入学年度および卒業年度,学部,所属ゼミ,身分,語学,電子メールアドレス等の個人情報を保存管理している。そして、データ管理サーバ21は教員および在学生ごとに個人識別コード(ID)を付与し、対応する個人データとともに保存管理している。データ管理サーバ21が付与した個人識別用IDには、それぞれ対応するログインIDが付与される。そして、ログインIDはそれぞれ対応する教員および在学生に報知される。本実施例の場合、データ管理サーバ21が保存管理する個人データとして「身分」および「国籍」が採用されている点で実施例1と異なる。
【0046】
つづいて、本実施例の情報伝達システム2による情報伝達について説明する。なお、情報伝達システム2の動作については実施例1の情報伝達システム1と同様であるために図示を省略する。本実施例の構成員(e)は、B大学の教員である。そして、構成員(e)は、B大学の在学生(情報を伝達する対象の構成員)に対して、「中国語のネイティブチュータを公募する」旨(伝達を希望する情報)を伝えたいと考えている。なお、B大学の在学生は、1学年の人数が3000人を超えるものである。構成員(e)は、情報伝達システム2が提供するコミュニティにログイン後、情報入力端末22に抽出条件を入力することで情報を伝達する対象の構成員の抽出を試みる。具体的には、構成員(e)は、検索対象項目として「身分」、「国籍」を選択し、各々に「学生」、「中国」を入力することで、構成員の抽出を行う。本実施例では構成員(f)〜(j)の5名が抽出されたものとする。
【0047】
そして、構成員(e)は、抽出された構成員の人数(5名)が充分であると判断した場合、抽出された構成員(f)〜(j)に伝達するメッセージを情報入力端末22を介して入力および送信する。具体的には、構成員(e)はメッセージ作成画面において「中国語のネイティブチュータを公募する」旨のメッセージ、および自己の連絡先等を入力する。メインサーバ24は、構成員(f)〜(j)の登録電子メールアドレスに対して「中国語のネイティブチュータを公募する」旨のメッセージ、および構成員(e)の連絡先等をメール送信する。更に、メインサーバ24は、コミュニティへのログイン時に構成員(f)〜(j)に対応する個人識別用ID(ログインID)が入力された情報出力端末23(f)〜(j)に対して「中国語のネイティブチュータを公募する」旨のメッセージ、および構成員(e)の連絡先等を伝達する。そして、情報出力端末23(f)〜(j)を介してメッセージを確認した構成員(f)〜(j)は、構成員(e)からの伝達情報に賛同する(中国語のネイティブチュータへ応募する)場合にのみ、受信メッセージに明示された構成員(e)の連絡先に連絡をする。これによって、構成員(f)〜(j)の個人情報を公開することなく、構成員(e)が情報の伝達を希望する構成員(f)〜(j)に適切に情報を伝達することができる。本実施例によれば、個人情報保護の観点から、大学側の方針として、一般の教員に対し学生情報の公開や在籍確認が禁止されている場合であっても、情報を伝達する対象の構成員に対して適切に情報を伝達することができる。
【実施例3】
【0048】
つづいて、本願発明の実施例3について説明する。実施例3は、ある高校(以下、C高校という)のOB・OGメンバーで構成されたクローズド組織における情報伝達システム3について説明する。
【0049】
情報伝達システム3は、実施例1と同様に、データ管理サーバ31、情報入力端末32、情報出力端末33、およびメインサーバ34を含んで構成され、それぞれインターネットを介して接続されており、互いに情報(データ)の送信および受信が可能となっている。このように、情報伝達システム3は、実施例1の情報伝達システム1と同様の構成であるために図示を省略する。
【0050】
C高校は、C高校に在籍した全てのOB・OGメンバーの個人データを、OB・OGメンバーの登録・不登録の意思に関わらず強制的(自動的)にC高校が運営管理するデータ管理サーバ31に保存管理している。図13は、実施例のデータ管理サーバ31が保存管理する個人データの一例を示している。データ管理サーバ31は、C高校におけるOB・OGメンバーの氏名,住所,入学年度および卒業年度,クラス,部活,電子メールアドレスその他の個人情報を保存管理している。そして、データ管理サーバ31はOB・OGメンバーごとに個人識別コード(ID)を付与し、対応する個人データとともに保存管理している。データ管理サーバ31が付与した個人識別用IDには、それぞれ対応するログインIDが付与される。そして、ログインIDはそれぞれ対応するOB・OGメンバーに報知される。本実施例の場合、データ管理サーバ31が保存管理する個人データとして「クラス」、「部活」が採用されている点で実施例1と異なる。
【0051】
つづいて、本実施例の情報伝達システム3による情報伝達について説明する。なお、情報伝達システム3の動作については実施例1の情報伝達システム1と同様であるために図示を省略する。本実施例の構成員(k)は、C高校の野球部OBである。そして、構成員(k)は、C高校の野球部OBの1993年度および1999年度入学生(情報を伝達する対象の構成員)に対して、「△月○日に1996年度入学の野球部OBの○×△君の結婚式が開催される」旨(伝達を希望する情報)を伝えたいと考えている。なお、C高校の野球部OBは、1学年の人数が20人を超えるものである。構成員(k)は、情報伝達システム3が提供するコミュニティにログイン後、情報入力端末32に抽出条件を入力することで情報を伝達する対象の構成員の抽出を試みる。具体的には、構成員(k)は、検索対象項目として「入学年度」、「部活」を選択し、各々に「1993年度」〜「1999年度」、「野球部」を入力することで、構成員の抽出を行う。本実施例では152名の構成員が抽出されたものとする。
【0052】
そして、構成員(k)は、抽出された構成員の人数(152名)が多すぎると判断した場合、更に抽出条件を設定して条件検索を実行する。具体的には、検索対象項目として「住所」を追加して選択し、「東京」、「神奈川」、「千葉」を入力することで、構成員の再抽出を行う。住所検索は、例えばプルダウンボックスで都道府県を複数回選択するか、フリーボックスでキーワードをAND検索することで達成することもできる。本実施例では構成員(l)〜(s)の8名が抽出されたものとする。ワード構成員(k)は、抽出された構成員の人数(8名)が適切であると判断した場合、抽出された構成員(l)〜(s)に伝達するメッセージを情報入力端末32を介して入力および送信する。具体的には、構成員(k)はメッセージ作成画面において「△月○日に1996年度入学の野球部OBの○×△君の結婚式が開催される」旨のメッセージ、および自己の連絡先等を入力する。メインサーバ34は、構成員(l)〜(s)の登録電子メールアドレスに対して「△月○日に1996年度入学の野球部OBの○×△君の結婚式が開催される」旨のメッセージ、および構成員(k)の連絡先等をメール送信する。更に、メインサーバ34は、コミュニティへのログイン時に構成員(l)〜(s)に対応する個人識別用ID(ログインID)が入力された情報出力端末33(l)〜(s)に対して「△月○日に1996年度入学の野球部OBの○×△君の結婚式が開催される」旨のメッセージ、および構成員(k)の連絡先等を伝達する。そして、情報出力端末33(l)〜(s)を介してメッセージを確認した構成員(l)〜(s)は、構成員(k)からの伝達情報に賛同する(○×△君の結婚式に参加する)場合にのみ、受信メッセージに明示された構成員(k)の連絡先に連絡をする。このように、構成員(l)〜(s)の個人情報を公開することなく、構成員(k)が情報の伝達を希望する構成員(l)〜(s)に適切に情報を伝達することができる。
【実施例4】
【0053】
つづいて、本願発明の実施例4について説明する。実施例4は、ある企業(以下、D会社という)に勤務する従業員メンバーで構成されたクローズド組織における情報伝達システム4について説明する。
【0054】
情報伝達システム4は、実施例1と同様に、データ管理サーバ41、情報入力端末42、情報出力端末43、およびメインサーバ44を含んで構成され、それぞれインターネットを介して接続されており、互いに情報(データ)の送信および受信が可能となっている。このように、情報伝達システム4は、実施例1の情報伝達システム1と同様の構成であるために図示を省略する。なお、情報伝達システム4における情報出力端末43の一部は日本国外に設置されている。
【0055】
D会社は、D会社に勤務する全ての従業員メンバーの個人データを、従業員メンバーの登録・不登録の意思に関わらず強制的(自動的)にD会社が運営管理するデータ管理サーバ41に保存管理している。図14は、実施例のデータ管理サーバ41が保存管理する個人データの一例を示している。データ管理サーバ41は、D会社に勤務する従業員メンバーの氏名,住所,入社年度,支部,室課,担当業務,電子メールアドレスその他の個人情報を保存管理している。そして、データ管理サーバ41は従業員メンバーごとに個人識別コード(ID)を付与し、対応する個人データとともに保存管理している。データ管理サーバ41が付与した個人識別用IDには、それぞれ対応するログインIDが付与される。そして、ログインIDはそれぞれ対応する従業員メンバーに報知される。本実施例の場合、データ管理サーバ41が保存管理する個人データとして「支部」、「室課」および「担当業務」が採用されている点で実施例1と異なる。
【0056】
つづいて、本実施例の情報伝達システム4による情報伝達について説明する。なお、情報伝達システム4の動作については実施例1の情報伝達システム1と同様であるために図示を省略する。本実施例の構成員(t)は、D会社の大阪支部営業課に勤務する従業員である。そして、構成員(t)は、D会社のアメリカ支部営業課の販売促進(販促)担当者(情報を伝達する対象の構成員)に対して、「日本とアメリカにおける販売促進戦略についての情報交換を行いたい」旨(伝達を希望する情報)を伝えたいと考えている。なお、D会社の従業員は、連結会社を含めて10万人を超えるものである。構成員(t)は、情報伝達システム4が提供するコミュニティにログイン後、情報入力端末42に抽出条件を入力することで情報を伝達する対象の構成員の抽出を試みる。具体的には、構成員(t)は、検索対象項目として「支部」、「室課」および「担当業務」を選択し、各々に「アメリカ支部」、「営業室課」および「販促担当」を入力することで、構成員の抽出を行う。本実施例では構成員(u)〜(z)の6名が抽出されたものとする。
【0057】
そして、構成員(t)は、抽出された構成員の人数(6名)が適切であると判断した場合、抽出された構成員(u)〜(z)に伝達するメッセージを情報入力端末42を介して入力および送信する。具体的には、構成員(t)はメッセージ作成画面において「日本とアメリカにおける販売促進戦略についての情報交換を行いたい」旨のメッセージ、および自己の連絡先等を入力する。メインサーバ44は、構成員(u)〜(z)の登録電子メールアドレスに対して「日本とアメリカにおける販売促進戦略についての情報交換を行いたい」旨のメッセージ、および構成員(t)の連絡先等をメール送信する。更に、メインサーバ44は、コミュニティへのログイン時に構成員(u)〜(z)に対応する個人識別用ID(ログインID)が入力された情報出力端末43(u)〜(z)に対して「日本とアメリカにおける販売促進戦略についての情報交換を行いたい」旨のメッセージおよび構成員(t)の連絡先等を伝達する。そして、情報出力端末43(u)〜(z)を介してメッセージを確認した構成員(u)〜(z)は、構成員(t)からの伝達情報に賛同する(日本とアメリカにおける販売促進戦略についての情報交換を行う)場合にのみ、受信メッセージに明示された構成員(t)の連絡先に連絡をする。このように、企業における人事担当者の手を煩わせることなく、構成員(t)が情報の伝達を希望する構成員(u)〜(z)に適切に情報を伝達することができる。また、本実施例の情報伝達システム4は、情報出力端末43(u)〜(z)が日本国外(米国)に設置されており、国外に在住する構成員に対しても適切に情報を伝達することができる。この場合、各国のブランチの人事担当が、同じ言語、フォーマット等でデータベースを構築し、システムに登録することで、本社の人事担当者が独自集計をすることなく従業員同士が情報の伝達、抽出をすることができる。
【実施例5】
【0058】
つづいて、本願発明の実施例5について説明する。実施例5は、クローズド組織における情報伝達システムの構成員が有する複数のログインIDを統括するマスタIDシステムについて説明する。
【0059】
これまで説明したように、本願発明は様々なクローズド組織における情報伝達システムとして有効に機能しうる。一方、昨今の社会構成は複雑化しており多様な組織が存在しているために、ある個人が複数の組織に在籍する場合がある。例えば、実施例1における構成員(a)が、高校時代にC高校の野球部に所属しており、A大学の文学部を卒業後、D会社大阪支部の販促担当として勤務している場合、構成員(a)は「C高校OB」、「A大学OB」、および「D会社従業員」の3つの組織からそれぞれコミュニティへのログインIDが付与される。構成員(a)が更に多くの組織に在籍している場合、各組織から付与されるログインIDの数が膨大になり、これらログインIDを管理する際の負担が増大する。
【0060】
そこで、クローズド組織における1の構成員が所有する複数のログインIDを一括管理するマスタIDを提供することで、情報伝達システム用IDを容易に管理することができる。図15は、マスタIDシステムの概念の一例を示した図である。マスタIDは、個別のコミュニティにログインするためのログインIDと関連づけられた統括IDであって、システム管理者から構成員に付与される。各クローズド組織におけるデータ管理サーバ11,31および41からログインIDを付与された構成員(a)は、マスタIDシステム管理者に対して統括IDの付与を要求する。マスタIDシステム管理者は、構成員(a)が在籍する組織および付与されたログインIDを抽出し、各ログインIDに対応した管理IDを設定しつつ、各組織のコミュニティに一括でログイン可能な統括IDを構成員(a)に付与する。すなわち、構成員(a)は、統括IDでマスタIDシステムにログインすることで、各クローズド組織におけるコミュニティに一括でログインすることができる。このようなマスタIDシステムを採用することで、複数の組織から付与されるコミュニティへのログインIDを統括的に管理することができる。
【0061】
また、ログインIDの管理にかかる負担を軽減する方法としては、上記のマスタIDシステムに限られない。例えば、構成員が専用ページにログインすると、構成員の所属している各組織のコミュニティに対応するログインIDやパスワード等を自動的に入力するように構築されたシステムを総括的に管理するツールによっても実現することができる。
【0062】
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0063】
例えば、実施例4の情報伝達システム4のように、データ管理サーバ41、情報入力端末42、情報出力端末43、およびメインサーバ44のいずれかが国外に設置されていてもよい。すなわち、データ管理サーバ、情報入力端末、情報出力端末、およびメインサーバのいずれかが日本国内に設置されていればよい。
【0064】
また、クローズド組織における構成員の個人データを保存管理するデータ管理サーバとしては、教育機関や企業が運営管理するものに限られずに、特定の団体または個人で運営管理するものであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 情報伝達システム
11 データ管理サーバ
12 情報入力端末
13 情報出力端末
14 メインサーバ(情報伝達仲介部)
141 制御部
143 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された情報伝達システムであって、
特定の組織を構成する2人以上からなる構成員の個人データを強制的に保存管理しつつ、前記構成員ごとに個人識別コードを付与するデータ管理部と、
前記構成員のいずれかが他の構成員に対して伝達を希望する情報を入力可能な情報入力端末と、
前記情報入力端末へ入力された前記情報を前記構成員のいずれかに対して出力可能な1または複数の情報出力端末と、
前記情報入力端末および前記情報出力端末に入力されたコードと前記個人識別コードとを照合して前記構成員の本人認証を行い、本人認証がとれた前記構成員の個人識別コードが入力された情報入力端末および情報出力端末の間の情報伝達を仲介する情報伝達仲介部と、を備え、
前記情報伝達仲介部は、前記情報入力端末への入力内容および前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データに基づいて前記構成員のうち前記情報の伝達を許可する構成員を抽出し、抽出した構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末に対して前記情報を伝達することを特徴とする情報伝達システム。
【請求項2】
前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データは電子メールアドレスを含み、
前記情報伝達仲介部は、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員の電子メールアドレスに対して前記情報をメール送信することを特徴とする請求項1記載の情報伝達システム。
【請求項3】
前記情報伝達仲介部は、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員の人数、ならびに条件検索の要否を前記情報入力端末に報告し、
前記情報入力端末は、前記情報を入力した構成員に対して前記情報伝達仲介部からの前記報告を報知することを特徴とする請求項1または2記載の情報伝達システム。
【請求項4】
前記情報伝達仲介部は、前記条件検索の要求があった場合に、前記情報を入力した構成員に対して抽出条件の入力を促すことを特徴とする請求項3記載の情報伝達システム。
【請求項5】
前記情報伝達仲介部は、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末への前記情報の伝達完了を前記情報入力端末に報告し、
前記情報入力端末は、前記情報を入力した構成員に対して前記情報伝達仲介部からの前記報告を報知することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の情報伝達システム。
【請求項6】
データ管理部、情報入力端末、情報出力端末、情報仲介部がネットワークを介して接続された情報伝達システムによる情報伝達方法であって、
特定の組織を構成する2人以上からなる構成員の個人データを強制的に保存管理する前記データ管理部が、前記構成員ごとに個人識別コードを付与する付与ステップと、
前記情報仲介部が、前記情報入力端末および前記情報出力端末に入力されたコードと前記付与ステップにて付与された前記個人識別コードとを照合し、前記構成員の本人認証を行う認証ステップと、
前記情報仲介部が、前記認証ステップで認証された構成員の個人識別コードが入力された情報入力端末への入力内容を受信する受信ステップと、
前記情報仲介部が、前記受信ステップにて受信した前記入力内容および前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データに基づいて、前記構成員のうち前記情報の伝達を許可する構成員を抽出する抽出ステップと、
前記情報仲介部が、前記抽出ステップにて抽出された構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末に対して前記情報を伝達する情報伝達ステップと、
前記抽出ステップにて抽出された構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末が、前記情報伝達ステップで伝達された前記情報を構成員に出力する情報出力ステップと、
を備えることを特徴とする情報伝達方法。
【請求項1】
ネットワークを介して接続された情報伝達システムであって、
特定の組織を構成する2人以上からなる構成員の個人データを強制的に保存管理しつつ、前記構成員ごとに個人識別コードを付与するデータ管理部と、
前記構成員のいずれかが他の構成員に対して伝達を希望する情報を入力可能な情報入力端末と、
前記情報入力端末へ入力された前記情報を前記構成員のいずれかに対して出力可能な1または複数の情報出力端末と、
前記情報入力端末および前記情報出力端末に入力されたコードと前記個人識別コードとを照合して前記構成員の本人認証を行い、本人認証がとれた前記構成員の個人識別コードが入力された情報入力端末および情報出力端末の間の情報伝達を仲介する情報伝達仲介部と、を備え、
前記情報伝達仲介部は、前記情報入力端末への入力内容および前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データに基づいて前記構成員のうち前記情報の伝達を許可する構成員を抽出し、抽出した構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末に対して前記情報を伝達することを特徴とする情報伝達システム。
【請求項2】
前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データは電子メールアドレスを含み、
前記情報伝達仲介部は、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員の電子メールアドレスに対して前記情報をメール送信することを特徴とする請求項1記載の情報伝達システム。
【請求項3】
前記情報伝達仲介部は、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員の人数、ならびに条件検索の要否を前記情報入力端末に報告し、
前記情報入力端末は、前記情報を入力した構成員に対して前記情報伝達仲介部からの前記報告を報知することを特徴とする請求項1または2記載の情報伝達システム。
【請求項4】
前記情報伝達仲介部は、前記条件検索の要求があった場合に、前記情報を入力した構成員に対して抽出条件の入力を促すことを特徴とする請求項3記載の情報伝達システム。
【請求項5】
前記情報伝達仲介部は、前記入力内容および前記構成員の個人データに基づき抽出した構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末への前記情報の伝達完了を前記情報入力端末に報告し、
前記情報入力端末は、前記情報を入力した構成員に対して前記情報伝達仲介部からの前記報告を報知することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の情報伝達システム。
【請求項6】
データ管理部、情報入力端末、情報出力端末、情報仲介部がネットワークを介して接続された情報伝達システムによる情報伝達方法であって、
特定の組織を構成する2人以上からなる構成員の個人データを強制的に保存管理する前記データ管理部が、前記構成員ごとに個人識別コードを付与する付与ステップと、
前記情報仲介部が、前記情報入力端末および前記情報出力端末に入力されたコードと前記付与ステップにて付与された前記個人識別コードとを照合し、前記構成員の本人認証を行う認証ステップと、
前記情報仲介部が、前記認証ステップで認証された構成員の個人識別コードが入力された情報入力端末への入力内容を受信する受信ステップと、
前記情報仲介部が、前記受信ステップにて受信した前記入力内容および前記データ管理部が保存管理する前記構成員の個人データに基づいて、前記構成員のうち前記情報の伝達を許可する構成員を抽出する抽出ステップと、
前記情報仲介部が、前記抽出ステップにて抽出された構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末に対して前記情報を伝達する情報伝達ステップと、
前記抽出ステップにて抽出された構成員に対応する個人識別コードが入力された情報出力端末が、前記情報伝達ステップで伝達された前記情報を構成員に出力する情報出力ステップと、
を備えることを特徴とする情報伝達方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−50929(P2013−50929A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189842(P2011−189842)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(502350504)学校法人上智学院 (50)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(502350504)学校法人上智学院 (50)
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