説明

情報伝達システム

【課題】電波や赤外線等、第三者に傍受される可能性がある通信手段を用いることなく2つの装置間にて一連の情報をやりとりする。
【解決手段】情報処理端末10にて携帯端末20の所有者を認証するために生成された乱数が光学的に読み取られることによって情報処理端末10から携帯端末20に伝達され、その後、携帯端末20において情報処理端末10から読み取られた乱数に応じたパスワードが生成され、このパスワードが光学的に読み取られることによって携帯端末20から情報処理端末10に伝達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの装置間にて情報を伝達する情報伝達システムに関し、特に、情報の傍受回避技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報システムの発展に伴い、複数の装置間にて情報のやりとりが行われることが一般的になっている。このような複数の装置間における情報のやりとりにおいては、有線や無線を介して情報が送受信されることになるが、無線を用いた場合、装置間を配線等を用いて接続する必要がないため、装置の設置場所に規制がある場合や、装置を持ち運ぶ必要がある場合に有効である。このように、無線を用いて情報を送受信する場合は、一般的に電波を用いて情報を送受信することになるが、電波を用いた場合、その電波が傍受されると、送受信される情報が漏洩してしまうことになる。また、近年においては、赤外線やRFIDを用いた情報のやりとりが行われているが、これらにおいても上記同様に傍受によって情報が漏洩してしまう虞れがある。
【0003】
ここで、サーバから送信された二次元コードをパーソナルコンピュータに表示し、その二次元コードを携帯端末にて画像読み取りすることにより認証を行うシステムが考えられており、特許文献1に開示されている。このように、パーソナルコンピュータに表示された情報を携帯端末にて画像読み取りする場合は、パーソナルコンピュータに表示された情報を携帯端末に対して電波を用いることなく伝達することができることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3889030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムにおいては、パーソナルコンピュータに表示された情報を携帯端末に対して電波を用いることなく伝達することができるものの、パーソナルコンピュータと携帯端末との間においての情報のやりとりが、パーソナルコンピュータから携帯端末への一方通行であるため、これら2つの装置間にて送受信される情報を用いた処理を行うためには、サーバからパーソナルコンピュータへの二次元コードの送信や、携帯端末にて画像読み取りした二次元コードによる情報のサーバへの送信が必要となり、これらの情報の送受信がインターネット等の通信網を介して行われていることにより、電波や赤外線等を用いて情報を送受信する場合と同様に、通信経路上における傍受によって情報が漏洩してしまう虞れがある。
【0006】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、電波や赤外線等、第三者に傍受される可能性がある通信手段を用いることなく2つの装置間にて一連の情報をやりとりすることができる情報伝達システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、
第1の装置と第2の装置との間にて情報を伝達する情報伝達システムであって、
前記第1の装置は、
前記第2の装置に伝達すべき第1の情報を表示する第1の表示手段と、
前記第2の装置にて表示された第2の情報を光学的に読み取る第1の読取手段とを有し、
前記第2の装置は、
前記第1の表示手段にて表示された前記第1の情報を光学的に読み取る第2の読取手段と、
前記第2の読取手段にて読み取られた前記第1の情報を用いて予め設定された情報生成処理を行うことにより当該第1の情報に応じた伝達用情報を生成する伝達用情報生成手段と、
前記伝達用情報生成手段にて生成された前記伝達用情報を前記第2の情報として表示する第2の表示手段とを有する。
【0008】
上記のように構成された本発明においては、第1の装置において第2の装置に伝達すべき第1の情報が第1の表示手段にて表示され、この第1の情報が第2の装置の第2の読取手段にて光学的に読み取られる。そして、第2の装置の伝達用情報生成手段において、第2の読取手段にて読み取られた第1の情報を用いて予め設定された情報生成処理が行われることにより第1の情報に応じた伝達用情報が生成される。その後、伝達用情報生成手段にて生成された伝達用情報が第2の装置の第2の表示手段にて第2の情報として表示され、この第2の情報が第1の装置の第1の読取手段にて光学的に読み取られる。
【0009】
このように、第1の装置から第2の装置に伝達すべき第1の情報が、光学的に読み取られることによって第1の装置から第2の装置に伝達され、その後、第2の装置において第1の装置から伝達された第1の情報に対して予め設定された情報生成処理が行われることにより伝達用情報が生成され、この伝達用情報が光学的に読み取られることによって第2の装置から第1の装置に伝達されるので、電波や赤外線等、第三者に傍受される可能性がある通信手段を用いることなく2つの装置間にて一連の情報がやりとりされることになる。
【0010】
また、第1の装置が、第1の表示手段に表示される第1の情報を用いて情報生成処理を行うことにより第1の情報に応じた照合用情報を生成する照合用情報生成手段と、照合用情報生成手段にて生成された照合用情報と第1の読取手段にて読み取られた第2の情報とを照合する照合手段とを有する構成とすれば、第1の装置と第2の装置との間にて送受信される情報を用いて認証を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明においては、第1の装置から第2の装置に伝達すべき第1の情報が、光学的に読み取られることによって第1の装置から第2の装置に伝達され、その後、第2の装置において第1の装置から伝達された第1の情報に対して予め設定された情報生成処理が行われることにより伝達用情報が生成され、この伝達用情報が光学的に読み取られることによって第2の装置から第1の装置に伝達される構成としたため、電波や赤外線等、第三者に傍受される可能性がある通信手段を用いることなく2つの装置間にて一連の情報をやりとりすることができる。
【0012】
また、第1の装置が、第1の表示手段に表示される第1の情報を用いて情報生成処理を行うことにより第1の情報に応じた照合用情報を生成する照合用情報生成手段と、照合用情報生成手段にて生成された照合用情報と第1の読取手段にて読み取られた第2の情報とを照合する照合手段とを有する構成としたものにおいては、第1の装置と第2の装置との間にて送受信される情報を用いて認証を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の情報伝達システムの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は概略図、(b)は機能ブロック図である。
【図2】図1に示した情報伝達システムを用いた利用者認証方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示したデータベースの構造の一例を示す図である。
【図4】本発明の情報伝達システムの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は概略図、(b)は機能ブロック図である。
【図5】図4に示した情報伝達システムを用いたアンケート回収方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の情報伝達システムの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は概略図、(b)は機能ブロック図である。
【0016】
本形態は図1に示すように、第1の装置となる情報処理端末10と、第2の装置となる携帯端末20との間にて一連の情報がやりとりされるものである。
【0017】
情報処理端末10は、情報処理端末10本体となるサーバ14と、第1の表示手段となるディスプレイ11と、第1の読取手段となるバーコードリーダー13と、キーボード12とから構成されており、サーバ14には、照合用情報生成手段となる乱数/パスワード生成部15と照合部16とが設けられ、さらに、データベース17を有している。
【0018】
携帯端末20は、第2の表示手段となるディスプレイ21と、第2の読取手段となるカメラ23と、キー22と、伝達用情報生成手段となるパスワード生成部24とから構成されており、パスワード生成部24は、携帯端末20の所有者に予め与えられた利用者IDを記憶したメモリ25を有している。
【0019】
キーボード12は、情報を入力するためのものであって、利用者IDが入力される。
【0020】
乱数/パスワード生成部15は、キーボード12を介して利用者IDが入力されると、第1の情報である乱数を生成し、また、予め設定された情報処理となるアルゴリズムで利用者IDと乱数とから照合用情報であるパスワードを生成し、これら乱数とパスワードを利用者IDと対応づけてデータベース17に登録する。
【0021】
ディスプレイ11は、情報を表示するものであって、乱数/パスワード生成部15にて生成された乱数を二次元コードとして表示する。
【0022】
バーコードリーダー13は、バーコード情報を光学的に読み取るものであって、携帯端末20のディスプレイ21に表示された二次元コードを読み取る。
【0023】
照合部16は、バーコードリーダー13にて読み取られた二次元コードによるパスワードと、データベース17に登録されたパスワードとを照合する。
【0024】
キー22は、情報を入力するものである。
【0025】
カメラ23は、情報を光学的に読み取るものであって、情報処理端末10のディスプレイ11に表示された二次元コードを読み取る。
【0026】
パスワード生成部24は、カメラ23にて読み取られた二次元コードによる乱数とメモリ25に記憶された利用者IDとを用いて、情報処理端末10の乱数/パスワード生成部15と同じアルゴリズムでこれら乱数と利用者IDとから伝達用情報であるパスワードを生成する。
【0027】
ディスプレイ21は、情報を表示するものであって、パスワード生成部24にて生成されたパスワードを二次元コードとし、第2の情報として表示する。
【0028】
以下に、上記のように構成された情報伝達システムを用いた利用者認証方法について説明する。
【0029】
図2は、図1に示した情報伝達システムを用いた利用者認証方法を説明するためのフローチャートである。
【0030】
携帯端末20の所有者が、予め与えられている利用者IDを情報処理端末10にキーボード12を介して入力すると(ステップS1)、まず、情報処理端末10にて予め設定されているアプリケーションが起動し、乱数/パスワード生成部15において乱数が生成される(ステップS2)。
【0031】
また、乱数/パスワード生成部15において、そのアプリケーションによるアルゴリズムによって、キーボード12を介して入力された利用者IDと、生成された乱数とからパスワードが生成される(ステップS3)。
【0032】
そして、乱数/パスワード生成部15にて生成された乱数とパスワードが、利用者IDに対応づけられてデータベース17に登録される(ステップS4)。
【0033】
図3は、図1に示したデータベース17の構造の一例を示す図である。
【0034】
図3に示すように、データベース17には、この情報伝達システムを利用する利用者の住所や氏名等の利用者情報が、その利用者に予め与えられた利用者IDに対応づけて登録されており、乱数/パスワード生成部15にて乱数とパスワードが生成されると、これら乱数とパスワードが、ステップS1にてキーボード12を介して入力された利用者IDと対応づけて登録されることになる。
【0035】
また、乱数/パスワード生成部15にて乱数が生成されると、生成された乱数が二次元コードとしてディスプレイ11に表示される(ステップS5)。
【0036】
乱数/パスワード生成部15にて生成された乱数が二次元コードとしてディスプレイ11に表示された状態において、携帯端末20の所有者が、ディスプレイ11に二次元コードとして表示された乱数をカメラ23によって光学的に読み取ると(ステップS6)、携帯端末20において情報処理端末10と同じアプリケーションが起動し、パスワード生成部24において、カメラ23によって読み取られた二次元コードによる乱数が認識され、起動したアプリケーションによるアルゴリズムによって、認識された乱数とメモリ25に登録された利用者IDとからパスワードが生成される(ステップS7)。すなわち、パスワード生成部24においては、カメラ23にて読み取られた乱数を用いて、情報処理端末10の乱数/パスワード生成部15にてパスワードが生成されたアルゴリズムによる処理が行われることによって、カメラ23にて読み取られた乱数に応じたパスワードが生成されることになる。なお、パスワード生成部24においては、上述したように、携帯端末20の所有者の利用者IDがメモリ25に記憶されているため、カメラ23にて読み取られた乱数と携帯端末20の所有者の利用者IDとからパスワードを生成することができる。
【0037】
パスワード生成部24にて生成されたパスワードは、二次元コードとしてディスプレイ21に表示される(ステップS8)。
【0038】
その後、携帯端末20の所有者が、ディスプレイ21に二次元コードとして表示されたパスワードを情報処理端末10のバーコードリーダー13に読み取らせると(ステップS9)、照合部16において、バーコードリーダー13によって読み取られた二次元コードによるパスワードが認識され、バーコードリーダー13にて読み取られた二次元コードによるパスワードが、データベース17に登録されたパスワードのうち、ステップS1にてキーボード12を介して入力された利用者IDに対応づけて登録されたパスワードと照合される(ステップS10)。
【0039】
ここで、データベース17に利用者IDと対応づけて登録されたパスワードは、情報処理端末10にて予め設定されているアプリケーションによるアルゴリズムによって、キーボード12を介して入力された携帯端末20の所有者の利用者IDと、この利用者IDが入力された際に生成された乱数とから生成されたものであり、また、携帯端末20のディスプレイ21にて二次元コードとして表示されたパスワードは、携帯端末20において、情報処理端末10と同じアプリケーションによるアルゴリズムによって、情報処理端末10にて上記のように生成されて携帯端末20のカメラ23にて読み取られた乱数と、メモリ25に記憶された携帯端末20の所有者の利用者IDとから生成されたものであるため、携帯端末20の所有者が、その所有者の利用者IDをキーボード12を介して情報処理端末10に入力した場合は、これら2つのパスワードは一致するものとなる。そのため、照合部16における照合結果を用いて利用者を認証することができる。
【0040】
このように本形態においては、情報処理端末10にて携帯端末20の所有者を認証するために生成された乱数が光学的に読み取られることによって情報処理端末10から携帯端末20に伝達され、その後、携帯端末20において情報処理端末10から読み取られた乱数に応じたパスワードが生成され、このパスワードが光学的に読み取られることによって携帯端末20から情報処理端末10に伝達される構成としたため、情報処理端末10にて生成された乱数や、携帯端末20にてその乱数に応じて生成されたパスワードを、電波や赤外線等、第三者に傍受される可能性がある通信手段を用いることなく情報処理端末10と携帯端末20との間にてやりとりすることができる。
【0041】
なお、本形態においては、乱数/パスワード生成部15において、乱数を生成した直後に、この乱数と利用者IDとを用いてパスワードを生成しているが、パスワードの生成を、携帯端末20のディスプレイ21に表示されたパスワードがバーコードリーダー13にて読み取られた際に行うような構成とすることも考えられる。
【0042】
また、携帯端末20において、パスワード生成部24にて生成されたパスワードを暗号化してディスプレイ21に表示し、情報処理端末10のバーコードリーダー13にてそのパスワードを読み取った後に復号化し、復号化したパスワードとデータベース17に登録されたパスワードとを照合部16にて照合する構成とすることも考えられる。この場合、携帯端末20にてパスワードを暗号化するためのアルゴリズムと、情報処理端末10にて読み取ったパスワードを復号化するためのアルゴリズムとは一対となるものであって、パスワードを暗号化するためのアルゴリズムは携帯端末20に、また、暗号化されたパスワードを復号化するためのアルゴリズムは情報処理端末10にそれぞれ予め設定されている。
【0043】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の情報伝達システムの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は概略図、(b)は機能ブロック図である。
【0044】
本形態は図4に示すように、第1の装置となる情報処理端末110と、第2の装置となる携帯端末120との間にて一連の情報がやりとりされるものである。
【0045】
情報処理端末110は、情報処理端末110本体となるサーバ114と、第1の表示手段となるディスプレイ111と、第1の読取手段となる画像読取器113と、キーボード112とから構成されており、サーバ114には、質問内容生成部115と回答回収部116とが設けられ、さらに、データベース117を有している。
【0046】
携帯端末120は、第2の表示手段となるディスプレイ121と、第2の読取手段となるカメラ123と、キー122と、伝達用情報生成手段となる回答集計部124とから構成されている。
【0047】
キーボード112は、情報を入力するためのものであって、利用者IDが入力される。
【0048】
質問内容生成部115は、データベース117に登録されたアンケート内容のうち、キーボード112を介して入力された利用者IDに応じたアンケート内容を抽出し、第1の情報である質問内容を生成する。
【0049】
ディスプレイ111は、情報を表示するものであって、質問内容生成部115にて生成された質問内容を表示する。
【0050】
画像読取器113は、情報を光学的に読み取るものであって、携帯端末120のディスプレイ121に表示された情報を読み取る。
【0051】
回答回収部116は、画像読取器113にて読み取られた情報によって、アンケートの回答を回収し、データベース117に登録する。
【0052】
キー122は、情報を入力するものであって、情報処理端末110から伝達されたアンケートに対する回答が入力される。
【0053】
カメラ123は、情報を光学的に読み取るものであって、情報処理端末110のディスプレイ111に表示された質問内容を読み取る。
【0054】
回答集計部124は、カメラ123にて読み取られた質問内容について、キー122を介して入力された回答を集計する。
【0055】
ディスプレイ121は、情報を表示するものであって、回答集計部124にて集計されたアンケートの回答を第2の情報として表示する。
【0056】
以下に、上記のように構成された情報伝達システムを用いたアンケート回収方法について説明する。
【0057】
図5は、図4に示した情報伝達システムを用いたアンケート回収方法を説明するためのフローチャートである。
【0058】
携帯端末120の所有者が、予め与えられている利用者IDを情報処理端末110にキーボード112を介して入力すると(ステップS101)、まず、情報処理端末110にて予め設定されているアプリケーションが起動し、質問内容生成部115において、データベース117に登録されたアンケート内容のうち、キーボード112を介して入力された利用者IDに応じたアンケート内容が抽出され、質問内容が生成される(ステップS102)。ここで、データベース117においては、アンケートのための質問事項が登録されているとともに、この情報伝達システムを利用する利用者の住所や氏名等の利用者情報が、その利用者に予め与えられた利用者IDに対応づけて登録されており、さらに、質問事項のそれぞれについて、その質問の対象者の年齢や住んでいる地域等が設定されており、この設定に基づいてキーボード112を介して入力された利用者IDに応じたアンケート内容が抽出されることになる。
【0059】
質問内容生成部115にて生成された質問内容は、例えば、二次元コードとしてディスプレイ111に表示される(ステップS103)。なお、質問内容生成部115にて生成された質問内容の量が多い場合は、質問内容生成部115にて生成された質問内容をいくつかに分けてそれぞれ二次元コードとして表示したり、質問内容生成部115にて生成された質問内容をそのまま表示したりすればよいが、ディスプレイ111に表示された質問内容を携帯端末120のカメラ123にて読み取ることができるような形態で表示する必要がある。
【0060】
質問内容生成部115にて生成された質問内容がディスプレイ111に表示された状態において、携帯端末120の所有者が、ディスプレイ111に表示された質問内容をカメラ123によって光学的に読み取ると(ステップS104)、携帯端末120において情報処理端末110と同じアプリケーションが起動し、回答集計部124において、カメラ123によって読み取られた質問内容が認識され、認識された質問内容がディスプレイ121に表示される(ステップS105)。この際、ディスプレイ111にて表示された質問内容が二次元コードによるものである場合は、カメラ123にて二次元コードとして読み取られた質問内容が、携帯端末120の利用者が認識可能な形態に変換されてディスプレイ121に表示されることになる。
【0061】
そして、携帯端末120の利用者が、ディスプレイ121に表示された質問内容に対する回答をキー122を介して入力すると(ステップS106)、回答集計部124において、起動したアプリケーションによるアルゴリズムによって、キー122を介して入力された回答が、情報処理端末110から読み取られた質問内容に付与される集計処理が行われ、回答が付与された質問内容が伝達用情報として生成される(ステップS107)。
【0062】
回答集計部124にて生成された、回答が付与された質問内容は、例えば、二次元コードとしてディスプレイ121に表示される(ステップS108)。なお、情報処理端末110のディスプレイ111における質問内容の表示と同様に、回答集計部124にて生成された、回答が付与された質問内容の量が多い場合は、それらをいくつかに分けてそれぞれ二次元コードとして表示したり、回答集計部124にて生成された、回答が付与された質問内容をそのまま表示したりすればよいが、ディスプレイ121に表示された、回答が付与された質問内容を情報処理末110の画像読取器113にて読み取ることができるような形態で表示する必要がある。
【0063】
その後、携帯端末120の所有者が、ディスプレイ121に表示された、回答が付与された質問内容を情報処理端末110の画像読取器113に読み取らせると(ステップS109)、回答回収部116において、画像読取器113にて読み取られた回答が認識され、認識された回答が、ステップS101にてキーボード112を介して入力された利用者IDに対応づけてデータベースに登録されることによって回収される(ステップS110)。
【0064】
このように本形態においては、携帯端末120の所有者に対するアンケートのための質問内容が光学的に読み取られることによって情報処理端末110から携帯端末120に伝達され、その後、携帯端末120において情報処理端末110から読み取られた質問内容に応じた回答が付与される処理が行われ、この回答が付与された質問内容が光学的に読み取られることによって携帯端末120から情報処理端末110に伝達される構成としたため、携帯端末120の所有者に対するアンケートのための質問内容や、それに対する回答を、電波や赤外線等、第三者に傍受される可能性がある通信手段を用いることなく情報処理端末110と携帯端末120との間にてやりとりすることができる。
【符号の説明】
【0065】
10,110 情報処理端末
11,21,111,121 ディスプレイ
12,112 キーボード
13 バーコードリーダー
14,114 サーバ
15 乱数/パスワード生成部
16 照合部
17,117 データベース
20,120 携帯端末
22,122 キー
23,123 カメラ
24 パスワード生成部
25 メモリ
113 画像読取器
115 質問内容生成部
116 回答回収部
124 回答集計部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置と第2の装置との間にて情報を伝達する情報伝達システムであって、
前記第1の装置は、
前記第2の装置に伝達すべき第1の情報を表示する第1の表示手段と、
前記第2の装置にて表示された第2の情報を光学的に読み取る第1の読取手段とを有し、
前記第2の装置は、
前記第1の表示手段にて表示された前記第1の情報を光学的に読み取る第2の読取手段と、
前記第2の読取手段にて読み取られた前記第1の情報を用いて予め設定された情報生成処理を行うことにより当該第1の情報に応じた伝達用情報を生成する伝達用情報生成手段と、
前記伝達用情報生成手段にて生成された前記伝達用情報を前記第2の情報として表示する第2の表示手段とを有する情報伝達システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報伝達システムにおいて、
前記第1の装置は、
前記第1の表示手段に表示される前記第1の情報を用いて前記情報生成処理を行うことにより当該第1の情報に応じた照合用情報を生成する照合用情報生成手段と、
前記照合用情報生成手段にて生成された前記照合用情報と、前記第1の読取手段にて読み取られた前記第2の情報とを照合する照合手段とを有する情報伝達システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−205220(P2011−205220A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68323(P2010−68323)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】