情報伝達票を備えた包装体
【課題】被包装物品積層体の一の表面に貼付した情報伝達票により消費者への購買意欲の促進や双方向的な広告効果を備え、広く頒布されることが可能なうえ、包装資源と作業工数を削減し生産時のリードタイムを損なうことのない包装体に関する。
【解決手段】複数の被包装物品20を積層した被包装物品積層体と、被包装物品積層体の表面上に設けられた第1添着部に添着され、表面に外部から視認可能な情報表示部31を有した情報伝達票30と、少なくとも情報伝達票の全面を被覆し、被包装物品積層体を構成する全ての被包装物品を固定する透光性樹脂フィルム40と、を含み、情報伝達票は、情報伝達票に設けられた第2添着部32において剥離可能な弱粘着手段により第1添着部に添着された包装体1。
【解決手段】複数の被包装物品20を積層した被包装物品積層体と、被包装物品積層体の表面上に設けられた第1添着部に添着され、表面に外部から視認可能な情報表示部31を有した情報伝達票30と、少なくとも情報伝達票の全面を被覆し、被包装物品積層体を構成する全ての被包装物品を固定する透光性樹脂フィルム40と、を含み、情報伝達票は、情報伝達票に設けられた第2添着部32において剥離可能な弱粘着手段により第1添着部に添着された包装体1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の略直方体形状の被包装物品を重ね合わせて構成した被包装物品積層体の一の表面に、情報伝達媒体となる情報伝達票を外部から視認可能に包装した包装体に関し、より詳しくは情報伝達票により消費者への購買意欲の促進や双方向的な広告効果を備え、市場等において広く頒布されることが可能なうえ、包装資源と作業工数の増加を抑制して生産時のリードタイムをほとんど損なわずに連続かつ高速に生産することができる包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から被包装物品を雨水や埃などの汚れから保護する目的や、保管や運搬する際の利便性を向上する目的で、被包装物品を透光性の樹脂フィルム等を用いて包装した包装体が広く用いられている。これら包装体には、商品陳列時に消費者の購買意欲を促進する目的で広告や懸賞応募等に関する情報表示を付加することがある。
【0003】
上述の被包装物品がティシュペーパー等の衛生用紙入りカートンである場合には、包装体生産時のリードタイムを削減する目的で、衛生用紙入りカートンの生産の各工程において衛生用紙や衛生用紙入りカートン、衛生用紙入りカートンの包装体等を搬送路上で高速かつ連続的に移動させて処理するシステムが運用されている。衛生用紙入りカートンは従来、図9に示すように被包装物品20として複数の衛生用紙入りカートンが積み重ねられ、透光性樹脂フィルム40によって一体的に包装された包装体100の状態で市販されている。この包装体100の天面41付近には把手43が設けられていることもある。そして、その包装体100の側面に、内部を視認可能な保護シート101に収容または被覆した状態の情報伝達票30(懸賞応募はがき等)を接着剤等によって貼付することが行われていた。
【0004】
また、上述の包装物品として例えば、カードを添着した包装物として特許文献1に示されるような、箱の外面をフィルムで包んだ包装物の側面に、片面に弱粘着性の接着剤を塗布した弱粘着テープによりカードを添着してなるカードを添着した包装物が開示されている。
【0005】
更に近年、インターネット等の電気通信回線を通じた双方向回線網に見られる通信環境の社会基盤の向上や、バーコードやQRコード等の情報の読み取り機能を備えた携帯電話等、消費者との双方向通信可能な情報通信端末の普及が著しい。また更に上述のバーコードやQRコード等の光学的方法、磁気カード等の磁気的方法、ICカード等の電気的方法や非接触ICカード等、情報伝達手段の多様化によって消費者の購買意欲の促進や、消費動向をいち早く把握することのできる双方向性広告媒体の利用が活発化しており、その利用分野も拡大傾向にある。またこのような情報伝達手段は高速かつ大量に生産され、市場等において広く頒布または浸透してその効果を発揮するものが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平6−59258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に示すカードを添着した包装物においては、商品の運搬や陳列時において弱粘着性テープが剥がれやすいといった問題や、包装フィルムの他に弱粘着性テープを使う必要が生じ、カードを添着しない場合の包装物に比較して資材が必要で、作業工程も多くなるといった問題が生じていた。
【0008】
また同様に、図9に示すような従来の包装体100において、ティシュペーパー等の衛生用紙入りカートンが被包装物品20として複数積み重ねられ、透光性樹脂フィルム40によって一体的に包装された状態で、更にこの包装体100の側面に保護シート101に収容または被覆された懸賞応募はがき等の情報伝達票30を貼付した場合、透光性樹脂フィルム40とは別に、保護シート101と、保護シート101が充分に固定される分量の接着剤等の資材が必要となり、環境への負荷が増加する。また、保護シートを設けるための工数も増えて包装体生産時のリードタイムを増加させる要因となる。
【0009】
また、被包装物品がティシュペーパー等の衛生用紙入りカートンである場合に、衛生用紙入りカートン自体の表面に懸賞応募はがき等の情報伝達表示を印刷し加えると、その衛生用紙を使い切るまでの間、懸賞応募はがき等として利用することができない。特に、期間限定の応募はがきの場合などには不適当である。
【0010】
また、消費者の購買意欲を促進する目的や消費動向をいち早く把握することのできる双方向性広告媒体としての利用目的で、懸賞応募用はがき等の情報伝達票を店舗の精算所や陳列棚等に商品とは別個に設置する場合もある。ところが必ずしも消費者が興味を持って持ち帰るとは限らず、店舗の協力が必要なために、設置することもままならない場合も多く、その目的を果たすことが困難であるといった種々の問題が生じていた。
【0011】
また上述の双方向性広告媒体としての利用目的であっても、包装体内部に貼付される情報伝達手段として、懸賞応募はがき等の紙片を封入した場合、商品として陳列された状態で視認されやすい位置に添付される必要がある。ところが、運搬時や陳列時に包装体内部で懸賞応募はがきが落下したり、位置ずれが生じる場合もある。
【0012】
本発明は、上記した従来の課題に鑑みてなされたものであり、外部から視認可能な情報伝達媒体となる情報伝達票により消費者への購買意欲の促進や双方向的な広告効果を備え、市場等において広く頒布されることが可能なうえ、包装資源と作業工数の増加を抑制し生産時のリードタイムをほとんど損なわずに連続かつ高速に生産することができる包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、以下の構成を採用することにより上記課題を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は下記に示す通りである。
【0014】
[1]天面および底面を有した略直方体形状の複数の被包装物品を積層して構成された、天面および底面を有した略直方体形状の被包装物品積層体と、前記被包装物品積層体の1の表面上に設けられた第1添着部に添着され、少なくとも表面に外部から視認可能な情報表示部を有した情報伝達票と、少なくとも前記情報伝達票の全面を被覆し、前記被包装物品積層体を構成する全ての被包装物品を固定する透光性樹脂フィルムと、を含み、前記情報伝達票は、前記情報伝達票に設けられた第2添着部において剥離可能な弱粘着手段により前記第1添着部に添着された包装体。
【0015】
[2]前記被包装物品積層体は複数の前記被包装物品のそれぞれの前記天面と前記底面とを直列に重ね合わせて構成されており、前記第1添着部は前記被包装物品の天面及び側面のうちの少なくとも一つの表面に設けられた前記[1]に記載の包装体。
【0016】
[3]前記被包装物品が衛生用紙入りカートンである前記[1]または[2]に記載の包装体。
【0017】
[4]前記衛生用紙入りカートンは、天面に環状の取出口形成用切込線が形成されたものであり、前記第1添着部は前記取出口形成用切込線で包囲された取出口領域に設けられている前記[3]に記載の包装体。
【0018】
[5]前記衛生用紙入りカートンは、天面の前記取出口領域の両側縁領域に、前記取出口形成用切込線の二点を繋ぐ、一対の押し込み用切込線が形成されたものであり、前記第1添着部は前記取出口領域における少なくとも一の押し込み用切込線より中央側の領域に設けられ、前記情報伝達票は、当該一の押し込み用切込線と非重畳的に添着されている前記[4]に記載の包装体。
【0019】
[6]天面および底面を有した略直方体形状の複数の衛生用紙入りカートンのそれぞれの前記天面と前記底面とを直列に積層して構成された、天面および底面を有した略直方体形状のカートン積層体と、前記カートン積層体の天面に設けられた第1添着部に添着され、少なくとも表面に外部から視認可能な情報表示部を有した情報伝達票と、少なくとも前記情報伝達票の全面を被覆し、前記カートン積層体を構成する全ての衛生用紙入りカートンを固定する透光性樹脂フィルムと、を含み、前記衛生用紙入りカートンは、天面に環状の取出口形成用切込線が形成されたものであり、前記第1添着部は前記取出口形成用切込線で包囲された取出口領域に設けられ、前記情報伝達票は、前記情報伝達票に設けられた第2添着部において粘着手段により前記第1添着部に添着された包装体。
【0020】
[7]前記衛生用紙入りカートンは、天面の前記取出口領域の両側縁領域に、前記取出口形成用切込線の二点を繋ぐ、一対の押し込み用切込線が形成されたものであり、前記第1添着部は前記取出口領域における少なくとも一の押し込み用切込線より中央側の領域に設けられ、前記情報伝達票は、当該一の押し込み用切込線と非重畳的に添着されている前記[6]に記載の包装体。
【発明の効果】
【0021】
本発明の包装体によれば、複数の略直方体形状の被包装物品を重ね合わせて構成した被包装物品積層体の一の表面に、情報伝達媒体となる情報伝達票を外部から視認可能に包装した包装体を提供することができる。また、この情報伝達票により消費者への購買意欲の促進や双方向的な広告効果を備えながらも、包装資源と作業工数を抑制して生産時のリードタイムをほとんど損なわずに連続かつ高速に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の包装体の一実施形態を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態における被包装物品の一例を示す模式的斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態における被包装物品積層体の一例を説明する模式的説明図である。
【図4】本発明の一実施形態における第1添着部および第2添着部と弱粘着手段との接着面を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の一実施形態における第1添着部および第2添着部と弱粘着手段との接着面の剥離性を説明する模式的説明図である。
【図6】図4中の領域Aを示す一部拡大断面図である。
【図7】本発明の一実施形態におけるフィルム包装工程を説明する模式的説明図である。
【図8】本発明の一実施形態における包装体の製造方法を説明する模式的説明図である。
【図9】従来の包装体の一例を示す模式的説明図である。
【図10A】本発明の包装体に用いられる被包装物品の一の例を示す模式的平面図である。
【図10B】本発明の包装体に用いられる被包装物品積層体の一の例を示す模式的平面図である。
【図10C】本発明の包装体に用いられる被包装物品積層体の別の例を示す模式的平面図である。
【図11】本発明の包装体を製造する際の情報伝達票を添着する方法の一の例を説明する模式的工程図である。
【図12】本発明の包装体を製造する際の情報伝達票を添着する方法の別の例を説明する模式的工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
【0024】
図1は、本発明の包装体の一実施形態を示す斜視図である。また略直方体形状の被包装物品20として、図2に示すような天面21および底面22を有し、天面21に取出口形成用切込線で包囲された、衛生用紙取出口となる取出口領域25が設けられた衛生用紙入りカートンを用いた場合で説明するが、本発明に言う「被包装物品」はこの衛生用紙入りカートンに限定されるものではない。
【0025】
複数個、例えば2〜6個(図3中においては3個)の被包装物品20を高さ方向に直列に積重して図3に示すような天面11および底面12を有した略直方体形状を積層して略直方体形状の被包装物品積層体10が構成される。
【0026】
また図3に示すように被包装物品積層体10は、その一表面に設けられた第1添着部13において、懸賞応募はがき等の図1に示されるような表面33に情報表示部31を備えた情報伝達票30が、図3に示すように情報伝達票30に設けられた第2添着部32とで弱粘着手段により添着されて、情報伝達票が添着された被包装物品積層体10とされる。なお、図3には、第2添着部32が情報伝達票30の裏面34に直接設けられた例を示したが、本発明の「第2添着部」は、このようなものには限られない。例えば、ステッカー、ラベル、シール等を用いて情報伝達票を被包装物品積層体の第1添着部に添着した場合には、情報伝達票の外縁からはみ出したステッカー等の粘着面が「第2添着部」に相当する。また図1に示すように、包装体1は、天面41付近に運搬時の利便性を図る目的で把手43を備えることができる。弱粘着手段は、第1添着部13と第2添着部32の両方、またはどちらか一方にのみ塗付または添着することができる。
【0027】
また、図3に示すように被包装物品積層体10の表面上に設けられた第1添着部13と、情報伝達票30に設けられた第2添着部32とが剥離可能な弱粘着手段により添着されている。このため、情報伝達票30を容易に剥がすことができ、情報伝達票30及び被包装物品20が破損するのを防ぐことができる。
【0028】
情報伝達票30を添着する第1添着部13の位置は、被包装物品20の天面及び側面のうちの少なくとも一つの表面であることが好ましい。
【0029】
被包装物品20の側面に第1添着部13を設ける場合には、被包装物品積層体10を構成する隣接した複数の被包装物品20のうち、一つの被包装物品20の側面に設けられていることが更に好ましい。これにより、少なくとも透光性樹脂フィルム40で全面を覆うようにして固定されるまでの間は情報伝達票30が充分な強度で被包装物品20に固定される。一つの被包装物品20にのみに第1添着部13が設けられるために、粘着剤により添着する工程を簡素化かつ高速化することに寄与し、この工程の装置の小型化も実現でき、生産時のリードタイムをほとんど増加させることがない。このとき、情報伝達票30を被包装物品積層体10に添着する工程の後、高速かつ連続して搬送される搬送路上において、複数の被包装物品20が振動や傾き、搬送スピードの誤差により間隔が離れたり、向きがばらついた場合であっても、情報伝達票30が貼付されていない被包装物品20とは接着されていないため、添着部での弱粘着手段が剥がれたり、情報伝達票30が破損することがない。
【0030】
また、図3に示すように、第1添着部13が、被包装物品積層体10を構成する隣接した複数の被包装物品20のうち、被包装物品積層体10の天面11を構成する一つの被包装物品20にのみに設けられることが特に好ましい。これにより、天面11を構成する被包装物品20に情報伝達票30が貼付されるため、商品陳列時に消費者の目に留まりやすく、情報表示部31の視認性を高めることができる。
【0031】
本発明の包装体の一実施形態において、図3に示すように第1添着部13は、被包装物品積層体10の天面11と平行に長手方向を有した帯状の領域に設けることが好ましい。第1添着部13が帯状の領域であることで、情報伝達票30が弱粘着手段によって、少なくとも透光性樹脂フィルムで全面を覆うようにして固定されるまでの間は充分な強度で固定されながら、情報伝達票30の使用時には双方の接着面を破損する事なく容易に剥離することが可能である。また、第1添着部13は、この帯状の領域の全面に連続的に弱粘着手段50で塗布されていても良く、この帯状の領域の両端の各1点を含む少なくとも2箇所以上の複数の箇所に間隔をおいて塗布されていても良い。
【0032】
また、図3に示すように第1添着部13と弱粘着手段で添着される第2添着部32は、被包装物品積層体10の天面11側を上とした場合の情報伝達票30の上辺に沿って帯状の領域に設けられることが好ましい。情報伝達票30は次の工程で透光性樹脂フィルム40によって保護されるため、弱粘着剤はごくわずかな量で済む。また、図9に示す従来の包装体100に要していた保護シート101等の特殊な部材を必要とせず、資材の低減による生産コストの削減やリサイクル性を高める。また、弱粘着性接着剤を使用するために、接着面が破損するのを防ぐことができる。また、弱粘着性接着剤を塗布する位置が情報伝達票30の一端に限定されるので、情報伝達票30を剥がしやすく、しかも情報伝達票30の貼付コストも少ない。商品陳列時に情報伝達票30の上辺で固定されるために、位置ずれが生じにくい。また、第2添着部32は、この帯状の領域の全面に連続的に弱粘着手段50で塗布されていても良く、この帯状の領域の両端の各1点を含む少なくとも2箇所以上の複数の箇所に間隔をおいて塗布されていても良い。
【0033】
被包装物品積層体の販売形態によっては、被包装物品積層体の天面が購買者の目に留まり易い場合もある。従って、図10Bに示すように、情報伝達票30Aを添着する第1添着部13Aの位置を被包装物品20Aの天面21Aとすることも好ましい。この場合の「天面」とは、被包装物品積層体10Aの天面11A、即ち、被包装物品積層体10Aの最上位に積層された被包装物品20Aの天面21Aを意味する。
【0034】
図10A及び図10Bに示すように、被包装物品20Aが衛生用紙入りカートンであり、その天面21Aに環状の取出口形成用切込線26が形成されたものである場合には、第1添着部13Aは被包装物品20Aの天面のうち、取出口形成用切込線26で包囲された取出口領域25Aに設けられていることが好ましい。
【0035】
このように、第1添着部13Aを取出口領域25Aに設けることで、衛生用紙入りカートンの開封時に情報伝達票30Aが取出口形成用切込線26の破断を妨げることがない。一方、第1添着部13Aを取出口領域25Aのみならず取出口領域25Aの外側の領域に至るまで設けてしまうと、情報伝達票30Aが取出口形成用切込線26の破断の妨げとなるおそれがある。
【0036】
なお、衛生用紙収納用のカートンとしては直方体状のものが多く用いられるため、その取出口形成用切込線26の形状はカートンの長手方向に沿った横長の環状とすることが好ましい。また、「環状」とは、取出口領域25Aを区画するように線が連続的又は断続的に結ばれた形状を意味し、円環状であることを要しない。例えば、略長円形状、略長楕円形状の他、略半楕円形状、半円形状、略長方形状、菱形状、又はその他の多角形状等の形状を挙げることができる。例えば、図10Aに示す被包装物品20A(衛生用紙入りカートン)は、取出口の外周形状と一致するように略長方形状の取出口形成用切込線26を形成した例である。
【0037】
また、衛生用紙入りカートンには、図10A及び図10Bに示すように、天面21Aの取出口領域25Aの両側縁領域に、取出口形成用切込線26の二点を繋ぐ、一対の押し込み用切込線28を形成する場合がある。押し込み用切込線28を形成することで、取出口領域25Aの両側縁領域に、取出口形成用切込線26と押し込み用切込線28で包囲された押し込み領域29が形成され、衛生用紙入りカートンの開封時に押し込み領域29をカートン内部に押し込んで取出口領域25Aを破断することができ、取出口領域25Aの引き剥がしが容易となる。図10A及び図10Bに示す被包装物品20Aでは、天面21Aの取出口領域25Aの両側縁領域に、略U字状の押し込み用切込線28を形成した例である。
【0038】
前記のように、取出口領域25の両側縁領域に、一対の押し込み用切込線28が形成されている場合、第1添着部13Aは、取出口領域25Aにおける少なくとも一の押し込み用切込線28aよりも中央側の領域に設けられ、情報伝達票30Aは、一対の押し込み用切込線28a,28bのうち、一の押し込み用切込線28aと非重畳的に添着されていることが好ましい。
【0039】
このように、少なくとも一の押し込み用切込線28aよりも中央側の領域に第1添着部13Aを設け、かつ、情報伝達票30Aをその一の押し込み用切込線28aと非重畳的に添着することによって、少なくとも一方の押し込み用切込線28aは粘着手段と接触せず、情報伝達票30Aに隠蔽されることもなくなる。従って、他の押し込み用切込線28bと重畳的に情報伝達票30Aが添着されていても、押し込み用切込線28aを利用して容易に開封を行うことができ、取出口を容易に形成することができる。
【0040】
図10Bに示す被包装物品積層体14Aは、取出口領域25Aのうち、一対の押し込み用切込線28a,28bの間の領域に、カートンの長手方向に沿うように、横長な長方形状の第1添着部13Aを形成し、一の押し込み用切込線28aと非重畳的に(即ち、押し込み用切込線28aを隠蔽しないように)、情報伝達票30Aを添着した例である。
【0041】
なお、前記のように、被包装物品20Aの天面21Aにおける取出口領域25Aに第1添着部13Aを設ける場合には、必ずしも粘着手段が弱粘着手段であることを要しない。即ち、取出口領域25Aは開封時に切り取られて破棄される部分であるため、衛生用紙入りカートンの側面とは異なり情報伝達票30Aを剥がす際に破損したり、また粘着剤が経時的に劣化して変色しても許容される部分である。従って、粘着手段として、弱粘着性ではない通常の粘着手段(説明の便宜上、「強粘着手段」と記す。)を用い、強固に固着させてもよい。
【0042】
前記のように粘着手段として強粘着手段を用いる場合にも、弱粘着手段を用いた図10Bに示す例と同様に、第1添着部が取出口領域における少なくとも一の押し込み用切込線より中央側の領域に設けられ、情報伝達票は、当該一の押し込み用切込線と非重畳的に添着されていることが好ましい。このように構成することで、情報伝達票と被包装物品とが強固に接着されていても、取出口の形成が妨げられることが少ない。
【0043】
なお、図10Bにおいては、情報伝達票30Aの裏面に第2添着部32Aを形成した例を示したが、同様の形態でステッカー、ラベル、シール等を用いて第2添着部を形成してもよい。例えば、図10Cに示す形態は、図10Bと同様の形態において情報伝達票30Aの外縁からはみ出すように、情報伝達票30Aに対してラベル27を貼付し、情報伝達票30Aの外縁からはみ出したラベル27の粘着面を第2添着部32Bとして、情報伝達票30Aを被包装物品積層体14Bの第1添着部13Bに添着した例である。
【0044】
図7に示すように、情報伝達票付き被包装物品積層体14は、透光性樹脂フィルム40により一体的に包装されて包装体1とされる。このとき、従来用いられてきた包装装置を流用することが可能なために新たな設備投資が不要であることに加え、生産時のリードタイムを増加させることがほとんどない。透光性樹脂フィルム40は被包装物品積層体10を構成する複数の被包装物品20全てを巻き付けるようにして固定し、情報伝達票30を汚損等から保護するだけでなく、透光性を有しているために内部の情報伝達票30を外部から視認可能な状態で覆っており、商品の陳列時に消費者が情報表示部31に記載された内容を読み取ることが可能である。
【0045】
このようにして、視認性が確保されているために、顧客への購買意欲を刺激することが可能な情報伝達票30は、懸賞応募はがきやアンケートカード等の他、磁気カード、ICカード、非接触カード等の多種多様な情報伝達手段に対応が可能である。また情報表示部の少なくとも一部に、機械読み取り可能な情報としてのバーコード情報、QRコード情報や、スクラッチ印刷を設けたり、少なくともその一部が割引券、引換券、回数券、優待券、会員証、入店証、アンケート用紙、広告チラシ、葉書、または懸賞応募用紙とすることで消費者の購買意欲を促進することもできる。
【0046】
図4は、被包装物品積層体10の第1添着部13と情報伝達票30の第2添着部32とが、弱粘着手段50で添着された状態を示す模式的断面図である。弱粘着手段50とは、一度添着した後に、剥がすと再接着力をほとんど持たず、接着剤を塗布した双方の表面素材を破壊することのない接着手段のことをいう。弱粘着手段50は、被包装物品積層体10が透光性樹脂フィルム40で包装されるとともに情報伝達票30が全面を覆われて固定されるまでの間にのみ単独で情報伝達票30を固定する接着力を備えていれば良く、剥離しても被接着物を破壊しないものを使用する。但し、弱粘着手段50の接着力が比較的強い場合であっても弱粘着手段50内部の凝集力が充分に弱いものであれば、剥離時に弱粘着手段50自身が破壊されて被接着物を破壊することがないため、被包装物品や情報伝達票30に弱粘着手段50の痕跡が残っていても目立たない程度の使用量であれば良い。また、弱粘着手段50は剥離時に接着面に残った場合であっても目立たないような無色透明のもの、または半透明のものが好ましい。
【0047】
弱粘着手段50の具体例としては、固形分濃度35〜45%の酢酸ビニル樹脂接着剤の他、アクリル樹脂系粘着剤等を挙げることができる。より具体的には、弱粘着再剥離用のホットメルト接着剤である、商品名「モレスコメルトLT−170」(松村石油研究所社製)等を用いることができる。
【0048】
本発明の包装体の一実施形態において、図4に示す第1添着部13と第2添着部32とが平滑面を有することで双方の表面を破損することなく剥離できる。またこのとき第1添着部13の平滑面と弱粘着手段50との接着力を、第2添着部32の平滑面と弱粘着手段50との接着力より大きくすることで、図5に示すように情報伝達票30の第2添着部32を有しない一端を掴みながら引張って剥離する際に情報伝達票30から先に弱粘着手段50が剥がれるため情報伝達票30に付着して残るのを防ぐことができる。このとき、弱粘着手段50を取り除く手間が省けるため、情報伝達票30を剥離してすぐに使用可能であり、利便性が高い。また、第1添着部13と第2添着部32との接着力の大小は用途に応じて逆にすることもできる。
【0049】
平滑面の具体例としては、第1添着部13と第2添着部32を構成する素材として塗工紙等を利用することが好ましい。塗工紙は当業者が通常使用しているものであれば良い。また、ポリエチレンラミネート、水系樹脂コート、フィルムタイプその他の剥離紙を使用することも可能である。また更に、情報伝達票30がICカードや磁気カード等、樹脂性である場合には所望の平滑面を得ることが容易に可能である。
【0050】
本発明の包装体の一実施形態において、第1添着部13および第2添着部32が弱粘着手段50の剥離性を高める平滑面を有していることに加え、図6に示す図4中の領域Aの拡大図に示すように、第1添着部13の平滑面の表面粗さが、前記第2添着部32の平滑面の表面粗さと異なることが各表面での接着力に差異を生じさせるため好ましい。
【0051】
図6に示すように、弱粘着手段50のぬれ性が充分に高い場合、平滑面上の微細な凹凸に弱粘着手段50が入り込み、投錨(アンカー)効果が現われて接着力を高めることができる。また、弱粘着手段50のぬれ性が低い場合には、平滑面上の微細な凹凸と弱粘着手段の間に隙間が生じて投錨効果が現われず、接着面も減少するため接着力を比較的小さくすることができる。このように、弱粘着手段50の種類や、第1添着部13および第2添着部32の表面粗さを選択することにより、弱粘着手段50が剥離時に第1添着部13と第2添着部32のどちら側に残るかをコントロールすることが可能である。
【0052】
本発明の包装体の一実施形態において、第1添着部13と、第2添着部32の可撓性が異なることが好ましい。例えば、弱粘着手段のぬれ性が充分に高くて投錨効果が期待でき、第1添着部13より第2添着部32の可撓性が高い(撓みやすく柔軟性が高い)場合には、図5に示すように情報伝達票30の第2添着部32を有しない一端を掴みながら引張って剥離する際に情報伝達票30から先に弱粘着手段50が剥がれることで情報伝達票30に付着して残るのを防ぐことができる。このとき、弱粘着手段50を取り除く手間が省けるため、情報伝達票30を剥離してすぐに使用可能であり、利便性が高い。
【0053】
また、情報伝達票30がICカード等の樹脂製カードであって、第1添着部13より第2添着部32の可撓性が低い(撓みにくく柔軟性が低い)場合には弱粘着手段50が第2添着部32側に残りやすい。このため、弱粘着手段50のぬれ性が充分に高く投錨効果が期待できるときは第1添着部13の平滑面の表面粗さを第2添着部32の平滑面の表面粗さより大きくし、第1添着部13−弱粘着手段50間の接着力51を第2添着部32−弱粘着手段50間の接着力52より強くして防ぐことが可能である。また、弱粘着手段50のぬれ性が低いときは逆に第1添着部13の平滑面の表面粗さを第2添着部32の平滑面の表面粗さより小さくすることで、同様に第1添着部13−弱粘着手段50間の接着力51を第2添着部32−弱粘着手段50間の接着力52より強くして防ぐことが可能である。
【0054】
図1に示すように、本発明の包装体1の天面41および底面42はキャラメル包装により封止されている。具体的には図7に示すように情報伝達票付き被包装物品積層体14の天面および底面に延出した透光性樹脂フィルム40のうち、図2の被包装物品20で示す短側面24側から延出した部分が、情報伝達票付き被包装物品積層体14の天面および底面に向かってそれぞれ折り込まれ、同様に透光性樹脂フィルム40の、図2の被包装物品20で示す長側面23側から延出した部分が、その上に折り込まれる。図1に示すように、この対向する2つの長側面23側に折り込まれた部分同士が互いに貼り合わされている。
【0055】
尚、キャラメル包装とは、タバコの包装袋のように、本体端面よりも外方に突出させるようにフィルムの余長部分を取り、この余長部分を順に折り畳んで封止する封止形態を言い、包装の分野で常用されているものであり、被包装物品20が、ティシュペーパー等の衛生用紙入りカートンの様な箱状体である場合に、最もその特性が生かされる。つまり、被包装物品20が柔軟性物品である場合には、溶着の際に被包装物品20にかかる圧力により被包装物品20が破損してしまう恐れがある為、この包装形態は適さないが、被包装物品20が所定以上の強度を有する箱状体(略直方体形状のもの)であれば、包装時の破損の懸念が無く、透光性樹脂フィルム40によって被包装物品20をその形状に沿ってぴったりと覆うことができる。
【0056】
本発明の包装体1を構成する透光性樹脂フィルム40の材質については情報伝達票30が判読可能な透光性を有しておれば良い。この透光性樹脂フィルム40の透光性を表す具体的な値としては、透明性の指標としてJISK7105に準拠して測定したヘイズ値が3〜5%の範囲にあることが特に好ましい。透光性樹脂フィルム40の材質についてはこのように情報伝達票30が判読可能な透光性を有している他は特に制限はなく、通常、包装袋に使用されるポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂を用いることができる。中でも、延伸性や強度の面で、ポリエチレンが好ましい。フィルムの厚さは、被包装物品20の種類や重量によっても異なるが、ティシュカートンを被包装物品20とする場合には、フィルムの厚さを20〜40μmとすることが好ましい。
【0057】
尚、本発明の包装体1には、包装体1を開封して被包装物品20の一例であるティシュカートンを取り出すためのカット部及び切り離し用テープを設けてもよい。このようなカット部及び切り離し用テープを設けることにより、比較的簡便に、力を要することなく内容物であるティシュカートンおよび情報伝達票30を取り出すことができる。例えば、包装体1の長側面(被包装物品20の短側面24方向に対向する面積の広い長側面23のある側面)の片方に2本の縦ミシン目を設け、カット部上端部にツマミを形成することができる。このとき、情報伝達票30が取り出しやすい位置にこの切れ目を設けることで、情報伝達票30が懸賞応募はがき等の期限付きのものである場合に製品を使用する前に取り出して懸賞応募はがきとして使用することが可能である。
【0058】
本発明の包装体1は、従来公知の包装体製造の手法に準じて製造することができる。例えば、図1に示す包装体1の製造方法を被包装物品としてティシュペーパー等の衛生用紙入りカートンを例にして以下に説明する。図8に本発明の包装体の製造方法の説明図を示す。図8に示すように、搬送路を有した整列装置61の搬送路上に連続して高速で搬送される複数の被包装物品20を、支持部62により一定個数、図中においては3個重ね合わせて整列し、略直方体形状の被包装物品積層体10を構成する(整列工程)。次いで貼付装置63において被包装物品積層体10の一表面(図3中の第1添着部13)と、情報表示部31を有した情報伝達票30の添着部(図3中の第2添着部32)とを、剥離可能な弱粘着手段を用いて貼付する(貼付工程)。次に図7に示すように包装装置64において、少なくとも情報伝達票30の全面を覆うようにしながら情報伝達票付き被包装物品積層体14を、透光性樹脂フィルム40により胴巻きし、透光性樹脂フィルム40の互いに重畳する縁部を接着して胴接着部を形成し、包装体1本体の天面41および底面42をキャラメル包装により袋状に覆って固定し、包装体1を得る(フィルム包装工程)。
【0059】
また、図1に示すような本発明の包装体1の天面41に運搬時の把手43を形成することもできる。また、本発明の包装体1の製造時における透光性樹脂フィルム40の接着は、例えば、熱シール、超音波溶着、接着剤による接着等の従来公知の方法を用いることができるが、設備が簡便で確実に接着できることから、熱シールにて溶着することが好ましい。熱シールでの溶着条件としては、天面41及び底面42の封止並びに天面41への把手43の形成には、180〜210℃で1秒間、胴接着部の形成には、180〜220℃で3秒程度加熱することが好ましい。
【0060】
情報伝達票の添着工程について更に具体的に説明する。例えば図11に示すような装置70により実施することができる。図11に示す装置70はステッカー、シール、ラベル等により情報伝達票を添着するための装置である。
【0061】
この装置70では、ラベラー74から供給されるラベル76を非粘着面側から回転貼付ユニット78のアーム先端部に吸引固定する。これとともに、積層状態の情報伝達票72を徐々に押し出し、回転貼付ユニット78のアーム先端部に吸引固定されたラベル76の粘着面に対して情報伝達票72の一部を押圧してラベル76の粘着面の一部を情報伝達票72の一部に添着する。
【0062】
次いで、回転貼付ユニット78を駆動してそのアームを回転させることにより、ラベル76が添着された情報伝達票72を被包装物品80が複数積層された被包装物品積層体82の天面に対向する位置に供給する。更に、被包装物品積層体82の搬送動作により、ラベル76の粘着面のうち、情報伝達票72からはみ出している部分に対して被包装物品積層体82の天面を押圧する。これにより、ラベル76を介して情報伝達票72を被包装物品積層体82の天面に添着させる。この際、次に情報伝達票72を添着される被包装物品積層体84はストッパー86により保持されている。前段の被包装物品積層体82に情報伝達票72を添着した後は、回転貼付ユニット78のアーム先端部におけるラベル76の吸引状態を解放する。これにより情報伝達票72が添着された被包装物品積層体88が包装工程に供される。
【0063】
また、図12に示すような装置により実施してもよい。図12に示す装置110は予め弱粘着性の粘着剤が表面に塗工された情報伝達票を添着するための装置である。
【0064】
この装置110では、予め弱粘着性の粘着剤が表面に塗工された長尺情報伝達票112をロール状に巻回してなる情報伝達票ロール114から長尺情報伝達票112を徐々に供給する。供給された長尺情報伝達票112はカッター116により所定サイズの情報伝達票118として切り出される。情報伝達票118は、ストッパー120により保持されており、所定のタイミングで回転貼付ユニット122に供給され、その粘着剤非塗工面側から回転貼付ユニット122のアーム先端部に吸引固定される。
【0065】
次いで、回転貼付ユニット122を駆動してアームを回転させることにより、粘着剤が表面に塗工された情報伝達票118を被包装物品124が複数積層された被包装物品積層体126の天面に対向する位置に供給する。更に、被包装物品積層体126の搬送動作により、情報伝達票118の粘着剤塗工面に対して被包装物品積層体126の天面を押圧して情報伝達票118を被包装物品積層体126の天面に添着させる。この際、次に情報伝達票118を添着される被包装物品積層体128はストッパー130により保持されている。前段の被包装物品積層体126に情報伝達票118を添着した後は、回転貼付ユニット122のアーム先端部における情報伝達票118の吸引状態を解放する。これにより情報伝達票118が添着された被包装物品積層体132が包装工程に供される。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の包装体によれば、複数の略直方体形状の被包装物品を積層して構成した被包装物品積層体の一の表面に、情報伝達媒体となる情報伝達票を外部から視認可能に包装した包装体を提供することができ、この情報伝達票により消費者への購買意欲の促進や双方向的な広告効果を備え、市場等において広く頒布されることが可能なうえ、包装資源と作業工数の増加を抑制して生産時のリードタイムをほとんど損なわずに連続かつ高速に生産されるため、産業上の利用可能性は著しい。
【符号の説明】
【0067】
1:包装体、10,10A:被包装物品積層体、11,11A:(被包装物品積層体)天面、12:(被包装物品積層体)底面、13,13A,13B:第1添着部、14,14A,14B:情報伝達票付き被包装物品積層体、20,20A:被包装物品、21,21A:(被包装物品)天面、22:(被包装物品)底面、23:(被包装物品)長側面、24:(被包装物品)短側面、25,25A:取出口領域、26:取出口形成用切込線、27:ラベル、28,28a,28b:押し込み用切込線、30,30A:情報伝達票、31:情報表示部、32,32A,32B:第2添着部、33:(情報伝達票)表面、34:(情報伝達票)裏面、40:透光性樹脂フィルム、41:(被包装物品積層体)天面、42:(被包装物品積層体)底面、43:把手、50:弱粘着手段、51:第1添着部−弱粘着手段間の接着力、52:第2添着部−弱粘着手段間の接着力、61:整列装置、62:支持手段、63:貼付装置、64:フィルム包装装置、70:装置、72:情報伝達票、74:ラベラー、76:ラベル、78:回転貼付ユニット、80:被包装物品、82,84,88:被包装物品積層体、86:ストッパー、110:装置、112:長尺情報伝達票、114:情報伝達票ロール、116:カッター、118:情報伝達票、120:ストッパー、122:回転貼付ユニット、124:被包装物品、126,128,132:被包装物品積層体、130:ストッパー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の略直方体形状の被包装物品を重ね合わせて構成した被包装物品積層体の一の表面に、情報伝達媒体となる情報伝達票を外部から視認可能に包装した包装体に関し、より詳しくは情報伝達票により消費者への購買意欲の促進や双方向的な広告効果を備え、市場等において広く頒布されることが可能なうえ、包装資源と作業工数の増加を抑制して生産時のリードタイムをほとんど損なわずに連続かつ高速に生産することができる包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から被包装物品を雨水や埃などの汚れから保護する目的や、保管や運搬する際の利便性を向上する目的で、被包装物品を透光性の樹脂フィルム等を用いて包装した包装体が広く用いられている。これら包装体には、商品陳列時に消費者の購買意欲を促進する目的で広告や懸賞応募等に関する情報表示を付加することがある。
【0003】
上述の被包装物品がティシュペーパー等の衛生用紙入りカートンである場合には、包装体生産時のリードタイムを削減する目的で、衛生用紙入りカートンの生産の各工程において衛生用紙や衛生用紙入りカートン、衛生用紙入りカートンの包装体等を搬送路上で高速かつ連続的に移動させて処理するシステムが運用されている。衛生用紙入りカートンは従来、図9に示すように被包装物品20として複数の衛生用紙入りカートンが積み重ねられ、透光性樹脂フィルム40によって一体的に包装された包装体100の状態で市販されている。この包装体100の天面41付近には把手43が設けられていることもある。そして、その包装体100の側面に、内部を視認可能な保護シート101に収容または被覆した状態の情報伝達票30(懸賞応募はがき等)を接着剤等によって貼付することが行われていた。
【0004】
また、上述の包装物品として例えば、カードを添着した包装物として特許文献1に示されるような、箱の外面をフィルムで包んだ包装物の側面に、片面に弱粘着性の接着剤を塗布した弱粘着テープによりカードを添着してなるカードを添着した包装物が開示されている。
【0005】
更に近年、インターネット等の電気通信回線を通じた双方向回線網に見られる通信環境の社会基盤の向上や、バーコードやQRコード等の情報の読み取り機能を備えた携帯電話等、消費者との双方向通信可能な情報通信端末の普及が著しい。また更に上述のバーコードやQRコード等の光学的方法、磁気カード等の磁気的方法、ICカード等の電気的方法や非接触ICカード等、情報伝達手段の多様化によって消費者の購買意欲の促進や、消費動向をいち早く把握することのできる双方向性広告媒体の利用が活発化しており、その利用分野も拡大傾向にある。またこのような情報伝達手段は高速かつ大量に生産され、市場等において広く頒布または浸透してその効果を発揮するものが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平6−59258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に示すカードを添着した包装物においては、商品の運搬や陳列時において弱粘着性テープが剥がれやすいといった問題や、包装フィルムの他に弱粘着性テープを使う必要が生じ、カードを添着しない場合の包装物に比較して資材が必要で、作業工程も多くなるといった問題が生じていた。
【0008】
また同様に、図9に示すような従来の包装体100において、ティシュペーパー等の衛生用紙入りカートンが被包装物品20として複数積み重ねられ、透光性樹脂フィルム40によって一体的に包装された状態で、更にこの包装体100の側面に保護シート101に収容または被覆された懸賞応募はがき等の情報伝達票30を貼付した場合、透光性樹脂フィルム40とは別に、保護シート101と、保護シート101が充分に固定される分量の接着剤等の資材が必要となり、環境への負荷が増加する。また、保護シートを設けるための工数も増えて包装体生産時のリードタイムを増加させる要因となる。
【0009】
また、被包装物品がティシュペーパー等の衛生用紙入りカートンである場合に、衛生用紙入りカートン自体の表面に懸賞応募はがき等の情報伝達表示を印刷し加えると、その衛生用紙を使い切るまでの間、懸賞応募はがき等として利用することができない。特に、期間限定の応募はがきの場合などには不適当である。
【0010】
また、消費者の購買意欲を促進する目的や消費動向をいち早く把握することのできる双方向性広告媒体としての利用目的で、懸賞応募用はがき等の情報伝達票を店舗の精算所や陳列棚等に商品とは別個に設置する場合もある。ところが必ずしも消費者が興味を持って持ち帰るとは限らず、店舗の協力が必要なために、設置することもままならない場合も多く、その目的を果たすことが困難であるといった種々の問題が生じていた。
【0011】
また上述の双方向性広告媒体としての利用目的であっても、包装体内部に貼付される情報伝達手段として、懸賞応募はがき等の紙片を封入した場合、商品として陳列された状態で視認されやすい位置に添付される必要がある。ところが、運搬時や陳列時に包装体内部で懸賞応募はがきが落下したり、位置ずれが生じる場合もある。
【0012】
本発明は、上記した従来の課題に鑑みてなされたものであり、外部から視認可能な情報伝達媒体となる情報伝達票により消費者への購買意欲の促進や双方向的な広告効果を備え、市場等において広く頒布されることが可能なうえ、包装資源と作業工数の増加を抑制し生産時のリードタイムをほとんど損なわずに連続かつ高速に生産することができる包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、以下の構成を採用することにより上記課題を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は下記に示す通りである。
【0014】
[1]天面および底面を有した略直方体形状の複数の被包装物品を積層して構成された、天面および底面を有した略直方体形状の被包装物品積層体と、前記被包装物品積層体の1の表面上に設けられた第1添着部に添着され、少なくとも表面に外部から視認可能な情報表示部を有した情報伝達票と、少なくとも前記情報伝達票の全面を被覆し、前記被包装物品積層体を構成する全ての被包装物品を固定する透光性樹脂フィルムと、を含み、前記情報伝達票は、前記情報伝達票に設けられた第2添着部において剥離可能な弱粘着手段により前記第1添着部に添着された包装体。
【0015】
[2]前記被包装物品積層体は複数の前記被包装物品のそれぞれの前記天面と前記底面とを直列に重ね合わせて構成されており、前記第1添着部は前記被包装物品の天面及び側面のうちの少なくとも一つの表面に設けられた前記[1]に記載の包装体。
【0016】
[3]前記被包装物品が衛生用紙入りカートンである前記[1]または[2]に記載の包装体。
【0017】
[4]前記衛生用紙入りカートンは、天面に環状の取出口形成用切込線が形成されたものであり、前記第1添着部は前記取出口形成用切込線で包囲された取出口領域に設けられている前記[3]に記載の包装体。
【0018】
[5]前記衛生用紙入りカートンは、天面の前記取出口領域の両側縁領域に、前記取出口形成用切込線の二点を繋ぐ、一対の押し込み用切込線が形成されたものであり、前記第1添着部は前記取出口領域における少なくとも一の押し込み用切込線より中央側の領域に設けられ、前記情報伝達票は、当該一の押し込み用切込線と非重畳的に添着されている前記[4]に記載の包装体。
【0019】
[6]天面および底面を有した略直方体形状の複数の衛生用紙入りカートンのそれぞれの前記天面と前記底面とを直列に積層して構成された、天面および底面を有した略直方体形状のカートン積層体と、前記カートン積層体の天面に設けられた第1添着部に添着され、少なくとも表面に外部から視認可能な情報表示部を有した情報伝達票と、少なくとも前記情報伝達票の全面を被覆し、前記カートン積層体を構成する全ての衛生用紙入りカートンを固定する透光性樹脂フィルムと、を含み、前記衛生用紙入りカートンは、天面に環状の取出口形成用切込線が形成されたものであり、前記第1添着部は前記取出口形成用切込線で包囲された取出口領域に設けられ、前記情報伝達票は、前記情報伝達票に設けられた第2添着部において粘着手段により前記第1添着部に添着された包装体。
【0020】
[7]前記衛生用紙入りカートンは、天面の前記取出口領域の両側縁領域に、前記取出口形成用切込線の二点を繋ぐ、一対の押し込み用切込線が形成されたものであり、前記第1添着部は前記取出口領域における少なくとも一の押し込み用切込線より中央側の領域に設けられ、前記情報伝達票は、当該一の押し込み用切込線と非重畳的に添着されている前記[6]に記載の包装体。
【発明の効果】
【0021】
本発明の包装体によれば、複数の略直方体形状の被包装物品を重ね合わせて構成した被包装物品積層体の一の表面に、情報伝達媒体となる情報伝達票を外部から視認可能に包装した包装体を提供することができる。また、この情報伝達票により消費者への購買意欲の促進や双方向的な広告効果を備えながらも、包装資源と作業工数を抑制して生産時のリードタイムをほとんど損なわずに連続かつ高速に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の包装体の一実施形態を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態における被包装物品の一例を示す模式的斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態における被包装物品積層体の一例を説明する模式的説明図である。
【図4】本発明の一実施形態における第1添着部および第2添着部と弱粘着手段との接着面を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の一実施形態における第1添着部および第2添着部と弱粘着手段との接着面の剥離性を説明する模式的説明図である。
【図6】図4中の領域Aを示す一部拡大断面図である。
【図7】本発明の一実施形態におけるフィルム包装工程を説明する模式的説明図である。
【図8】本発明の一実施形態における包装体の製造方法を説明する模式的説明図である。
【図9】従来の包装体の一例を示す模式的説明図である。
【図10A】本発明の包装体に用いられる被包装物品の一の例を示す模式的平面図である。
【図10B】本発明の包装体に用いられる被包装物品積層体の一の例を示す模式的平面図である。
【図10C】本発明の包装体に用いられる被包装物品積層体の別の例を示す模式的平面図である。
【図11】本発明の包装体を製造する際の情報伝達票を添着する方法の一の例を説明する模式的工程図である。
【図12】本発明の包装体を製造する際の情報伝達票を添着する方法の別の例を説明する模式的工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
【0024】
図1は、本発明の包装体の一実施形態を示す斜視図である。また略直方体形状の被包装物品20として、図2に示すような天面21および底面22を有し、天面21に取出口形成用切込線で包囲された、衛生用紙取出口となる取出口領域25が設けられた衛生用紙入りカートンを用いた場合で説明するが、本発明に言う「被包装物品」はこの衛生用紙入りカートンに限定されるものではない。
【0025】
複数個、例えば2〜6個(図3中においては3個)の被包装物品20を高さ方向に直列に積重して図3に示すような天面11および底面12を有した略直方体形状を積層して略直方体形状の被包装物品積層体10が構成される。
【0026】
また図3に示すように被包装物品積層体10は、その一表面に設けられた第1添着部13において、懸賞応募はがき等の図1に示されるような表面33に情報表示部31を備えた情報伝達票30が、図3に示すように情報伝達票30に設けられた第2添着部32とで弱粘着手段により添着されて、情報伝達票が添着された被包装物品積層体10とされる。なお、図3には、第2添着部32が情報伝達票30の裏面34に直接設けられた例を示したが、本発明の「第2添着部」は、このようなものには限られない。例えば、ステッカー、ラベル、シール等を用いて情報伝達票を被包装物品積層体の第1添着部に添着した場合には、情報伝達票の外縁からはみ出したステッカー等の粘着面が「第2添着部」に相当する。また図1に示すように、包装体1は、天面41付近に運搬時の利便性を図る目的で把手43を備えることができる。弱粘着手段は、第1添着部13と第2添着部32の両方、またはどちらか一方にのみ塗付または添着することができる。
【0027】
また、図3に示すように被包装物品積層体10の表面上に設けられた第1添着部13と、情報伝達票30に設けられた第2添着部32とが剥離可能な弱粘着手段により添着されている。このため、情報伝達票30を容易に剥がすことができ、情報伝達票30及び被包装物品20が破損するのを防ぐことができる。
【0028】
情報伝達票30を添着する第1添着部13の位置は、被包装物品20の天面及び側面のうちの少なくとも一つの表面であることが好ましい。
【0029】
被包装物品20の側面に第1添着部13を設ける場合には、被包装物品積層体10を構成する隣接した複数の被包装物品20のうち、一つの被包装物品20の側面に設けられていることが更に好ましい。これにより、少なくとも透光性樹脂フィルム40で全面を覆うようにして固定されるまでの間は情報伝達票30が充分な強度で被包装物品20に固定される。一つの被包装物品20にのみに第1添着部13が設けられるために、粘着剤により添着する工程を簡素化かつ高速化することに寄与し、この工程の装置の小型化も実現でき、生産時のリードタイムをほとんど増加させることがない。このとき、情報伝達票30を被包装物品積層体10に添着する工程の後、高速かつ連続して搬送される搬送路上において、複数の被包装物品20が振動や傾き、搬送スピードの誤差により間隔が離れたり、向きがばらついた場合であっても、情報伝達票30が貼付されていない被包装物品20とは接着されていないため、添着部での弱粘着手段が剥がれたり、情報伝達票30が破損することがない。
【0030】
また、図3に示すように、第1添着部13が、被包装物品積層体10を構成する隣接した複数の被包装物品20のうち、被包装物品積層体10の天面11を構成する一つの被包装物品20にのみに設けられることが特に好ましい。これにより、天面11を構成する被包装物品20に情報伝達票30が貼付されるため、商品陳列時に消費者の目に留まりやすく、情報表示部31の視認性を高めることができる。
【0031】
本発明の包装体の一実施形態において、図3に示すように第1添着部13は、被包装物品積層体10の天面11と平行に長手方向を有した帯状の領域に設けることが好ましい。第1添着部13が帯状の領域であることで、情報伝達票30が弱粘着手段によって、少なくとも透光性樹脂フィルムで全面を覆うようにして固定されるまでの間は充分な強度で固定されながら、情報伝達票30の使用時には双方の接着面を破損する事なく容易に剥離することが可能である。また、第1添着部13は、この帯状の領域の全面に連続的に弱粘着手段50で塗布されていても良く、この帯状の領域の両端の各1点を含む少なくとも2箇所以上の複数の箇所に間隔をおいて塗布されていても良い。
【0032】
また、図3に示すように第1添着部13と弱粘着手段で添着される第2添着部32は、被包装物品積層体10の天面11側を上とした場合の情報伝達票30の上辺に沿って帯状の領域に設けられることが好ましい。情報伝達票30は次の工程で透光性樹脂フィルム40によって保護されるため、弱粘着剤はごくわずかな量で済む。また、図9に示す従来の包装体100に要していた保護シート101等の特殊な部材を必要とせず、資材の低減による生産コストの削減やリサイクル性を高める。また、弱粘着性接着剤を使用するために、接着面が破損するのを防ぐことができる。また、弱粘着性接着剤を塗布する位置が情報伝達票30の一端に限定されるので、情報伝達票30を剥がしやすく、しかも情報伝達票30の貼付コストも少ない。商品陳列時に情報伝達票30の上辺で固定されるために、位置ずれが生じにくい。また、第2添着部32は、この帯状の領域の全面に連続的に弱粘着手段50で塗布されていても良く、この帯状の領域の両端の各1点を含む少なくとも2箇所以上の複数の箇所に間隔をおいて塗布されていても良い。
【0033】
被包装物品積層体の販売形態によっては、被包装物品積層体の天面が購買者の目に留まり易い場合もある。従って、図10Bに示すように、情報伝達票30Aを添着する第1添着部13Aの位置を被包装物品20Aの天面21Aとすることも好ましい。この場合の「天面」とは、被包装物品積層体10Aの天面11A、即ち、被包装物品積層体10Aの最上位に積層された被包装物品20Aの天面21Aを意味する。
【0034】
図10A及び図10Bに示すように、被包装物品20Aが衛生用紙入りカートンであり、その天面21Aに環状の取出口形成用切込線26が形成されたものである場合には、第1添着部13Aは被包装物品20Aの天面のうち、取出口形成用切込線26で包囲された取出口領域25Aに設けられていることが好ましい。
【0035】
このように、第1添着部13Aを取出口領域25Aに設けることで、衛生用紙入りカートンの開封時に情報伝達票30Aが取出口形成用切込線26の破断を妨げることがない。一方、第1添着部13Aを取出口領域25Aのみならず取出口領域25Aの外側の領域に至るまで設けてしまうと、情報伝達票30Aが取出口形成用切込線26の破断の妨げとなるおそれがある。
【0036】
なお、衛生用紙収納用のカートンとしては直方体状のものが多く用いられるため、その取出口形成用切込線26の形状はカートンの長手方向に沿った横長の環状とすることが好ましい。また、「環状」とは、取出口領域25Aを区画するように線が連続的又は断続的に結ばれた形状を意味し、円環状であることを要しない。例えば、略長円形状、略長楕円形状の他、略半楕円形状、半円形状、略長方形状、菱形状、又はその他の多角形状等の形状を挙げることができる。例えば、図10Aに示す被包装物品20A(衛生用紙入りカートン)は、取出口の外周形状と一致するように略長方形状の取出口形成用切込線26を形成した例である。
【0037】
また、衛生用紙入りカートンには、図10A及び図10Bに示すように、天面21Aの取出口領域25Aの両側縁領域に、取出口形成用切込線26の二点を繋ぐ、一対の押し込み用切込線28を形成する場合がある。押し込み用切込線28を形成することで、取出口領域25Aの両側縁領域に、取出口形成用切込線26と押し込み用切込線28で包囲された押し込み領域29が形成され、衛生用紙入りカートンの開封時に押し込み領域29をカートン内部に押し込んで取出口領域25Aを破断することができ、取出口領域25Aの引き剥がしが容易となる。図10A及び図10Bに示す被包装物品20Aでは、天面21Aの取出口領域25Aの両側縁領域に、略U字状の押し込み用切込線28を形成した例である。
【0038】
前記のように、取出口領域25の両側縁領域に、一対の押し込み用切込線28が形成されている場合、第1添着部13Aは、取出口領域25Aにおける少なくとも一の押し込み用切込線28aよりも中央側の領域に設けられ、情報伝達票30Aは、一対の押し込み用切込線28a,28bのうち、一の押し込み用切込線28aと非重畳的に添着されていることが好ましい。
【0039】
このように、少なくとも一の押し込み用切込線28aよりも中央側の領域に第1添着部13Aを設け、かつ、情報伝達票30Aをその一の押し込み用切込線28aと非重畳的に添着することによって、少なくとも一方の押し込み用切込線28aは粘着手段と接触せず、情報伝達票30Aに隠蔽されることもなくなる。従って、他の押し込み用切込線28bと重畳的に情報伝達票30Aが添着されていても、押し込み用切込線28aを利用して容易に開封を行うことができ、取出口を容易に形成することができる。
【0040】
図10Bに示す被包装物品積層体14Aは、取出口領域25Aのうち、一対の押し込み用切込線28a,28bの間の領域に、カートンの長手方向に沿うように、横長な長方形状の第1添着部13Aを形成し、一の押し込み用切込線28aと非重畳的に(即ち、押し込み用切込線28aを隠蔽しないように)、情報伝達票30Aを添着した例である。
【0041】
なお、前記のように、被包装物品20Aの天面21Aにおける取出口領域25Aに第1添着部13Aを設ける場合には、必ずしも粘着手段が弱粘着手段であることを要しない。即ち、取出口領域25Aは開封時に切り取られて破棄される部分であるため、衛生用紙入りカートンの側面とは異なり情報伝達票30Aを剥がす際に破損したり、また粘着剤が経時的に劣化して変色しても許容される部分である。従って、粘着手段として、弱粘着性ではない通常の粘着手段(説明の便宜上、「強粘着手段」と記す。)を用い、強固に固着させてもよい。
【0042】
前記のように粘着手段として強粘着手段を用いる場合にも、弱粘着手段を用いた図10Bに示す例と同様に、第1添着部が取出口領域における少なくとも一の押し込み用切込線より中央側の領域に設けられ、情報伝達票は、当該一の押し込み用切込線と非重畳的に添着されていることが好ましい。このように構成することで、情報伝達票と被包装物品とが強固に接着されていても、取出口の形成が妨げられることが少ない。
【0043】
なお、図10Bにおいては、情報伝達票30Aの裏面に第2添着部32Aを形成した例を示したが、同様の形態でステッカー、ラベル、シール等を用いて第2添着部を形成してもよい。例えば、図10Cに示す形態は、図10Bと同様の形態において情報伝達票30Aの外縁からはみ出すように、情報伝達票30Aに対してラベル27を貼付し、情報伝達票30Aの外縁からはみ出したラベル27の粘着面を第2添着部32Bとして、情報伝達票30Aを被包装物品積層体14Bの第1添着部13Bに添着した例である。
【0044】
図7に示すように、情報伝達票付き被包装物品積層体14は、透光性樹脂フィルム40により一体的に包装されて包装体1とされる。このとき、従来用いられてきた包装装置を流用することが可能なために新たな設備投資が不要であることに加え、生産時のリードタイムを増加させることがほとんどない。透光性樹脂フィルム40は被包装物品積層体10を構成する複数の被包装物品20全てを巻き付けるようにして固定し、情報伝達票30を汚損等から保護するだけでなく、透光性を有しているために内部の情報伝達票30を外部から視認可能な状態で覆っており、商品の陳列時に消費者が情報表示部31に記載された内容を読み取ることが可能である。
【0045】
このようにして、視認性が確保されているために、顧客への購買意欲を刺激することが可能な情報伝達票30は、懸賞応募はがきやアンケートカード等の他、磁気カード、ICカード、非接触カード等の多種多様な情報伝達手段に対応が可能である。また情報表示部の少なくとも一部に、機械読み取り可能な情報としてのバーコード情報、QRコード情報や、スクラッチ印刷を設けたり、少なくともその一部が割引券、引換券、回数券、優待券、会員証、入店証、アンケート用紙、広告チラシ、葉書、または懸賞応募用紙とすることで消費者の購買意欲を促進することもできる。
【0046】
図4は、被包装物品積層体10の第1添着部13と情報伝達票30の第2添着部32とが、弱粘着手段50で添着された状態を示す模式的断面図である。弱粘着手段50とは、一度添着した後に、剥がすと再接着力をほとんど持たず、接着剤を塗布した双方の表面素材を破壊することのない接着手段のことをいう。弱粘着手段50は、被包装物品積層体10が透光性樹脂フィルム40で包装されるとともに情報伝達票30が全面を覆われて固定されるまでの間にのみ単独で情報伝達票30を固定する接着力を備えていれば良く、剥離しても被接着物を破壊しないものを使用する。但し、弱粘着手段50の接着力が比較的強い場合であっても弱粘着手段50内部の凝集力が充分に弱いものであれば、剥離時に弱粘着手段50自身が破壊されて被接着物を破壊することがないため、被包装物品や情報伝達票30に弱粘着手段50の痕跡が残っていても目立たない程度の使用量であれば良い。また、弱粘着手段50は剥離時に接着面に残った場合であっても目立たないような無色透明のもの、または半透明のものが好ましい。
【0047】
弱粘着手段50の具体例としては、固形分濃度35〜45%の酢酸ビニル樹脂接着剤の他、アクリル樹脂系粘着剤等を挙げることができる。より具体的には、弱粘着再剥離用のホットメルト接着剤である、商品名「モレスコメルトLT−170」(松村石油研究所社製)等を用いることができる。
【0048】
本発明の包装体の一実施形態において、図4に示す第1添着部13と第2添着部32とが平滑面を有することで双方の表面を破損することなく剥離できる。またこのとき第1添着部13の平滑面と弱粘着手段50との接着力を、第2添着部32の平滑面と弱粘着手段50との接着力より大きくすることで、図5に示すように情報伝達票30の第2添着部32を有しない一端を掴みながら引張って剥離する際に情報伝達票30から先に弱粘着手段50が剥がれるため情報伝達票30に付着して残るのを防ぐことができる。このとき、弱粘着手段50を取り除く手間が省けるため、情報伝達票30を剥離してすぐに使用可能であり、利便性が高い。また、第1添着部13と第2添着部32との接着力の大小は用途に応じて逆にすることもできる。
【0049】
平滑面の具体例としては、第1添着部13と第2添着部32を構成する素材として塗工紙等を利用することが好ましい。塗工紙は当業者が通常使用しているものであれば良い。また、ポリエチレンラミネート、水系樹脂コート、フィルムタイプその他の剥離紙を使用することも可能である。また更に、情報伝達票30がICカードや磁気カード等、樹脂性である場合には所望の平滑面を得ることが容易に可能である。
【0050】
本発明の包装体の一実施形態において、第1添着部13および第2添着部32が弱粘着手段50の剥離性を高める平滑面を有していることに加え、図6に示す図4中の領域Aの拡大図に示すように、第1添着部13の平滑面の表面粗さが、前記第2添着部32の平滑面の表面粗さと異なることが各表面での接着力に差異を生じさせるため好ましい。
【0051】
図6に示すように、弱粘着手段50のぬれ性が充分に高い場合、平滑面上の微細な凹凸に弱粘着手段50が入り込み、投錨(アンカー)効果が現われて接着力を高めることができる。また、弱粘着手段50のぬれ性が低い場合には、平滑面上の微細な凹凸と弱粘着手段の間に隙間が生じて投錨効果が現われず、接着面も減少するため接着力を比較的小さくすることができる。このように、弱粘着手段50の種類や、第1添着部13および第2添着部32の表面粗さを選択することにより、弱粘着手段50が剥離時に第1添着部13と第2添着部32のどちら側に残るかをコントロールすることが可能である。
【0052】
本発明の包装体の一実施形態において、第1添着部13と、第2添着部32の可撓性が異なることが好ましい。例えば、弱粘着手段のぬれ性が充分に高くて投錨効果が期待でき、第1添着部13より第2添着部32の可撓性が高い(撓みやすく柔軟性が高い)場合には、図5に示すように情報伝達票30の第2添着部32を有しない一端を掴みながら引張って剥離する際に情報伝達票30から先に弱粘着手段50が剥がれることで情報伝達票30に付着して残るのを防ぐことができる。このとき、弱粘着手段50を取り除く手間が省けるため、情報伝達票30を剥離してすぐに使用可能であり、利便性が高い。
【0053】
また、情報伝達票30がICカード等の樹脂製カードであって、第1添着部13より第2添着部32の可撓性が低い(撓みにくく柔軟性が低い)場合には弱粘着手段50が第2添着部32側に残りやすい。このため、弱粘着手段50のぬれ性が充分に高く投錨効果が期待できるときは第1添着部13の平滑面の表面粗さを第2添着部32の平滑面の表面粗さより大きくし、第1添着部13−弱粘着手段50間の接着力51を第2添着部32−弱粘着手段50間の接着力52より強くして防ぐことが可能である。また、弱粘着手段50のぬれ性が低いときは逆に第1添着部13の平滑面の表面粗さを第2添着部32の平滑面の表面粗さより小さくすることで、同様に第1添着部13−弱粘着手段50間の接着力51を第2添着部32−弱粘着手段50間の接着力52より強くして防ぐことが可能である。
【0054】
図1に示すように、本発明の包装体1の天面41および底面42はキャラメル包装により封止されている。具体的には図7に示すように情報伝達票付き被包装物品積層体14の天面および底面に延出した透光性樹脂フィルム40のうち、図2の被包装物品20で示す短側面24側から延出した部分が、情報伝達票付き被包装物品積層体14の天面および底面に向かってそれぞれ折り込まれ、同様に透光性樹脂フィルム40の、図2の被包装物品20で示す長側面23側から延出した部分が、その上に折り込まれる。図1に示すように、この対向する2つの長側面23側に折り込まれた部分同士が互いに貼り合わされている。
【0055】
尚、キャラメル包装とは、タバコの包装袋のように、本体端面よりも外方に突出させるようにフィルムの余長部分を取り、この余長部分を順に折り畳んで封止する封止形態を言い、包装の分野で常用されているものであり、被包装物品20が、ティシュペーパー等の衛生用紙入りカートンの様な箱状体である場合に、最もその特性が生かされる。つまり、被包装物品20が柔軟性物品である場合には、溶着の際に被包装物品20にかかる圧力により被包装物品20が破損してしまう恐れがある為、この包装形態は適さないが、被包装物品20が所定以上の強度を有する箱状体(略直方体形状のもの)であれば、包装時の破損の懸念が無く、透光性樹脂フィルム40によって被包装物品20をその形状に沿ってぴったりと覆うことができる。
【0056】
本発明の包装体1を構成する透光性樹脂フィルム40の材質については情報伝達票30が判読可能な透光性を有しておれば良い。この透光性樹脂フィルム40の透光性を表す具体的な値としては、透明性の指標としてJISK7105に準拠して測定したヘイズ値が3〜5%の範囲にあることが特に好ましい。透光性樹脂フィルム40の材質についてはこのように情報伝達票30が判読可能な透光性を有している他は特に制限はなく、通常、包装袋に使用されるポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂を用いることができる。中でも、延伸性や強度の面で、ポリエチレンが好ましい。フィルムの厚さは、被包装物品20の種類や重量によっても異なるが、ティシュカートンを被包装物品20とする場合には、フィルムの厚さを20〜40μmとすることが好ましい。
【0057】
尚、本発明の包装体1には、包装体1を開封して被包装物品20の一例であるティシュカートンを取り出すためのカット部及び切り離し用テープを設けてもよい。このようなカット部及び切り離し用テープを設けることにより、比較的簡便に、力を要することなく内容物であるティシュカートンおよび情報伝達票30を取り出すことができる。例えば、包装体1の長側面(被包装物品20の短側面24方向に対向する面積の広い長側面23のある側面)の片方に2本の縦ミシン目を設け、カット部上端部にツマミを形成することができる。このとき、情報伝達票30が取り出しやすい位置にこの切れ目を設けることで、情報伝達票30が懸賞応募はがき等の期限付きのものである場合に製品を使用する前に取り出して懸賞応募はがきとして使用することが可能である。
【0058】
本発明の包装体1は、従来公知の包装体製造の手法に準じて製造することができる。例えば、図1に示す包装体1の製造方法を被包装物品としてティシュペーパー等の衛生用紙入りカートンを例にして以下に説明する。図8に本発明の包装体の製造方法の説明図を示す。図8に示すように、搬送路を有した整列装置61の搬送路上に連続して高速で搬送される複数の被包装物品20を、支持部62により一定個数、図中においては3個重ね合わせて整列し、略直方体形状の被包装物品積層体10を構成する(整列工程)。次いで貼付装置63において被包装物品積層体10の一表面(図3中の第1添着部13)と、情報表示部31を有した情報伝達票30の添着部(図3中の第2添着部32)とを、剥離可能な弱粘着手段を用いて貼付する(貼付工程)。次に図7に示すように包装装置64において、少なくとも情報伝達票30の全面を覆うようにしながら情報伝達票付き被包装物品積層体14を、透光性樹脂フィルム40により胴巻きし、透光性樹脂フィルム40の互いに重畳する縁部を接着して胴接着部を形成し、包装体1本体の天面41および底面42をキャラメル包装により袋状に覆って固定し、包装体1を得る(フィルム包装工程)。
【0059】
また、図1に示すような本発明の包装体1の天面41に運搬時の把手43を形成することもできる。また、本発明の包装体1の製造時における透光性樹脂フィルム40の接着は、例えば、熱シール、超音波溶着、接着剤による接着等の従来公知の方法を用いることができるが、設備が簡便で確実に接着できることから、熱シールにて溶着することが好ましい。熱シールでの溶着条件としては、天面41及び底面42の封止並びに天面41への把手43の形成には、180〜210℃で1秒間、胴接着部の形成には、180〜220℃で3秒程度加熱することが好ましい。
【0060】
情報伝達票の添着工程について更に具体的に説明する。例えば図11に示すような装置70により実施することができる。図11に示す装置70はステッカー、シール、ラベル等により情報伝達票を添着するための装置である。
【0061】
この装置70では、ラベラー74から供給されるラベル76を非粘着面側から回転貼付ユニット78のアーム先端部に吸引固定する。これとともに、積層状態の情報伝達票72を徐々に押し出し、回転貼付ユニット78のアーム先端部に吸引固定されたラベル76の粘着面に対して情報伝達票72の一部を押圧してラベル76の粘着面の一部を情報伝達票72の一部に添着する。
【0062】
次いで、回転貼付ユニット78を駆動してそのアームを回転させることにより、ラベル76が添着された情報伝達票72を被包装物品80が複数積層された被包装物品積層体82の天面に対向する位置に供給する。更に、被包装物品積層体82の搬送動作により、ラベル76の粘着面のうち、情報伝達票72からはみ出している部分に対して被包装物品積層体82の天面を押圧する。これにより、ラベル76を介して情報伝達票72を被包装物品積層体82の天面に添着させる。この際、次に情報伝達票72を添着される被包装物品積層体84はストッパー86により保持されている。前段の被包装物品積層体82に情報伝達票72を添着した後は、回転貼付ユニット78のアーム先端部におけるラベル76の吸引状態を解放する。これにより情報伝達票72が添着された被包装物品積層体88が包装工程に供される。
【0063】
また、図12に示すような装置により実施してもよい。図12に示す装置110は予め弱粘着性の粘着剤が表面に塗工された情報伝達票を添着するための装置である。
【0064】
この装置110では、予め弱粘着性の粘着剤が表面に塗工された長尺情報伝達票112をロール状に巻回してなる情報伝達票ロール114から長尺情報伝達票112を徐々に供給する。供給された長尺情報伝達票112はカッター116により所定サイズの情報伝達票118として切り出される。情報伝達票118は、ストッパー120により保持されており、所定のタイミングで回転貼付ユニット122に供給され、その粘着剤非塗工面側から回転貼付ユニット122のアーム先端部に吸引固定される。
【0065】
次いで、回転貼付ユニット122を駆動してアームを回転させることにより、粘着剤が表面に塗工された情報伝達票118を被包装物品124が複数積層された被包装物品積層体126の天面に対向する位置に供給する。更に、被包装物品積層体126の搬送動作により、情報伝達票118の粘着剤塗工面に対して被包装物品積層体126の天面を押圧して情報伝達票118を被包装物品積層体126の天面に添着させる。この際、次に情報伝達票118を添着される被包装物品積層体128はストッパー130により保持されている。前段の被包装物品積層体126に情報伝達票118を添着した後は、回転貼付ユニット122のアーム先端部における情報伝達票118の吸引状態を解放する。これにより情報伝達票118が添着された被包装物品積層体132が包装工程に供される。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の包装体によれば、複数の略直方体形状の被包装物品を積層して構成した被包装物品積層体の一の表面に、情報伝達媒体となる情報伝達票を外部から視認可能に包装した包装体を提供することができ、この情報伝達票により消費者への購買意欲の促進や双方向的な広告効果を備え、市場等において広く頒布されることが可能なうえ、包装資源と作業工数の増加を抑制して生産時のリードタイムをほとんど損なわずに連続かつ高速に生産されるため、産業上の利用可能性は著しい。
【符号の説明】
【0067】
1:包装体、10,10A:被包装物品積層体、11,11A:(被包装物品積層体)天面、12:(被包装物品積層体)底面、13,13A,13B:第1添着部、14,14A,14B:情報伝達票付き被包装物品積層体、20,20A:被包装物品、21,21A:(被包装物品)天面、22:(被包装物品)底面、23:(被包装物品)長側面、24:(被包装物品)短側面、25,25A:取出口領域、26:取出口形成用切込線、27:ラベル、28,28a,28b:押し込み用切込線、30,30A:情報伝達票、31:情報表示部、32,32A,32B:第2添着部、33:(情報伝達票)表面、34:(情報伝達票)裏面、40:透光性樹脂フィルム、41:(被包装物品積層体)天面、42:(被包装物品積層体)底面、43:把手、50:弱粘着手段、51:第1添着部−弱粘着手段間の接着力、52:第2添着部−弱粘着手段間の接着力、61:整列装置、62:支持手段、63:貼付装置、64:フィルム包装装置、70:装置、72:情報伝達票、74:ラベラー、76:ラベル、78:回転貼付ユニット、80:被包装物品、82,84,88:被包装物品積層体、86:ストッパー、110:装置、112:長尺情報伝達票、114:情報伝達票ロール、116:カッター、118:情報伝達票、120:ストッパー、122:回転貼付ユニット、124:被包装物品、126,128,132:被包装物品積層体、130:ストッパー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面および底面を有した略直方体形状の複数の被包装物品を積層して構成された、天面および底面を有した略直方体形状の被包装物品積層体と、
前記被包装物品積層体の1の表面上に設けられた第1添着部に添着され、少なくとも表面に外部から視認可能な情報表示部を有した情報伝達票と、
少なくとも前記情報伝達票の全面を被覆し、前記被包装物品積層体を構成する全ての被包装物品を固定する透光性樹脂フィルムと、を含み、
前記情報伝達票は、前記情報伝達票に設けられた第2添着部において剥離可能な弱粘着手段により前記第1添着部に添着された包装体。
【請求項2】
前記被包装物品積層体は複数の前記被包装物品のそれぞれの前記天面と前記底面とを直列に重ね合わせて構成されており、
前記第1添着部は前記被包装物品の天面及び側面のうちの少なくとも一つの表面に設けられた請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記被包装物品が衛生用紙入りカートンである請求項1または2に記載の包装体。
【請求項4】
前記衛生用紙入りカートンは、天面に環状の取出口形成用切込線が形成されたものであり、
前記第1添着部は前記取出口形成用切込線で包囲された取出口領域に設けられている請求項3に記載の包装体。
【請求項5】
前記衛生用紙入りカートンは、天面の前記取出口領域の両側縁領域に、前記取出口形成用切込線の二点を繋ぐ、一対の押し込み用切込線が形成されたものであり、
前記第1添着部は前記取出口領域における少なくとも一の押し込み用切込線より中央側の領域に設けられ、
前記情報伝達票は、当該一の押し込み用切込線と非重畳的に添着されている請求項4に記載の包装体。
【請求項6】
天面および底面を有した略直方体形状の複数の衛生用紙入りカートンのそれぞれの前記天面と前記底面とを直列に積層して構成された、天面および底面を有した略直方体形状のカートン積層体と、
前記カートン積層体の天面に設けられた第1添着部に添着され、少なくとも表面に外部から視認可能な情報表示部を有した情報伝達票と、
少なくとも前記情報伝達票の全面を被覆し、前記カートン積層体を構成する全ての衛生用紙入りカートンを固定する透光性樹脂フィルムと、を含み、
前記衛生用紙入りカートンは、天面に扁平環状の取出口形成用切込線が形成されたものであり、
前記第1添着部は前記取出口形成用切込線で包囲された取出口領域に設けられ、
前記情報伝達票は、前記情報伝達票に設けられた第2添着部において粘着手段により前記第1添着部に添着された包装体。
【請求項7】
前記衛生用紙入りカートンは、天面の前記取出口領域の両側縁領域に、前記取出口形成用切込線の二点を繋ぐ、一対の押し込み用切込線が形成されたものであり、
前記第1添着部は前記取出口領域における少なくとも一の押し込み用切込線より中央側の領域に設けられ、
前記情報伝達票は、当該一の押し込み用切込線と非重畳的に添着されている請求項6に記載の包装体。
【請求項1】
天面および底面を有した略直方体形状の複数の被包装物品を積層して構成された、天面および底面を有した略直方体形状の被包装物品積層体と、
前記被包装物品積層体の1の表面上に設けられた第1添着部に添着され、少なくとも表面に外部から視認可能な情報表示部を有した情報伝達票と、
少なくとも前記情報伝達票の全面を被覆し、前記被包装物品積層体を構成する全ての被包装物品を固定する透光性樹脂フィルムと、を含み、
前記情報伝達票は、前記情報伝達票に設けられた第2添着部において剥離可能な弱粘着手段により前記第1添着部に添着された包装体。
【請求項2】
前記被包装物品積層体は複数の前記被包装物品のそれぞれの前記天面と前記底面とを直列に重ね合わせて構成されており、
前記第1添着部は前記被包装物品の天面及び側面のうちの少なくとも一つの表面に設けられた請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記被包装物品が衛生用紙入りカートンである請求項1または2に記載の包装体。
【請求項4】
前記衛生用紙入りカートンは、天面に環状の取出口形成用切込線が形成されたものであり、
前記第1添着部は前記取出口形成用切込線で包囲された取出口領域に設けられている請求項3に記載の包装体。
【請求項5】
前記衛生用紙入りカートンは、天面の前記取出口領域の両側縁領域に、前記取出口形成用切込線の二点を繋ぐ、一対の押し込み用切込線が形成されたものであり、
前記第1添着部は前記取出口領域における少なくとも一の押し込み用切込線より中央側の領域に設けられ、
前記情報伝達票は、当該一の押し込み用切込線と非重畳的に添着されている請求項4に記載の包装体。
【請求項6】
天面および底面を有した略直方体形状の複数の衛生用紙入りカートンのそれぞれの前記天面と前記底面とを直列に積層して構成された、天面および底面を有した略直方体形状のカートン積層体と、
前記カートン積層体の天面に設けられた第1添着部に添着され、少なくとも表面に外部から視認可能な情報表示部を有した情報伝達票と、
少なくとも前記情報伝達票の全面を被覆し、前記カートン積層体を構成する全ての衛生用紙入りカートンを固定する透光性樹脂フィルムと、を含み、
前記衛生用紙入りカートンは、天面に扁平環状の取出口形成用切込線が形成されたものであり、
前記第1添着部は前記取出口形成用切込線で包囲された取出口領域に設けられ、
前記情報伝達票は、前記情報伝達票に設けられた第2添着部において粘着手段により前記第1添着部に添着された包装体。
【請求項7】
前記衛生用紙入りカートンは、天面の前記取出口領域の両側縁領域に、前記取出口形成用切込線の二点を繋ぐ、一対の押し込み用切込線が形成されたものであり、
前記第1添着部は前記取出口領域における少なくとも一の押し込み用切込線より中央側の領域に設けられ、
前記情報伝達票は、当該一の押し込み用切込線と非重畳的に添着されている請求項6に記載の包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−254365(P2010−254365A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109437(P2009−109437)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】
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