説明

情報入出力装置、情報処理装置、情報入出力システム、印刷媒体および情報入出力方法

【課題】ドットパターンを用いたコンテンツデータの出力において、連続してコンテンツデータを出力することを目的とする。
【解決手段】本発明の情報処理方法は、ドットパターンが意味するドットコードまたはコンテンツデータが格納されているコンテンツデータファイルが、所望のコンテンツデータを出力した後に連続して出力する、他のコンテンツデータを示す指示情報としての機能を兼ねて記憶されていることにより、該コンテンツデータを連続して出力することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、ドットパターンが、文字、図形、記号および/または写真・イラストと重畳印刷された印刷媒体を読み取ることによりコンテンツデータを連続して出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物等に印刷されたバーコードを読み取り、音声・画像・動画等の情報を出力させる情報入出力方法が提案されている。たとえば、予め記憶手段に与えられたキー情報に一致する情報を記憶させておき、バーコードリーダで読み込まれたキーから検索して情報等を出力する方法が提案されている。また、多くの情報やプログラムを出力できるように、微細なドットを所定の法則で並べたドットパターンを生成し、印刷物等に印刷したドットパターンをカメラにより画像データとして取り込み、該ドットパターンを解析してドットコードに変換し、該ドットコードと関連付けてリンクテーブルに登録してある音声等のコンテンツデータを出力させる技術も提案されている。(特許文献1、2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2004/084125号公報
【特許文献2】WO2004/029871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、当該ドットパターンが意味する1つのドットコードと、1つのコンテンツデータを関連付けてリンクテーブルに登録しておくだけでは、ユーザーがドットパターンを読み取ったとしても、該コンテンツデータは対応する1つのコンテンツを出力・再生されるだけであり、連続している他のコンテンツデータを続けて出力することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本件発明者は、このような点に鑑みて、きわめて容易にコンテンツデータを連続して出力することができる情報入出力方法、情報入出力装置、情報処理装置、情報入出力システム及びドットパターンが形成された印刷媒体の本件発明を行った。
【0006】
本件発明の情報入出力装置は、媒体表面に形成されたドットパターンを読み取る光学読取手段と、該光学読取手段により読み取られたドットパターンの画像データからドットパターンを解析してコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換する処理手段と、コード値および/または座標値が定義されたドットコードとコンテンツデータを関係付けて登録するリンクテーブルおよびコンテンツデータを記憶する記憶手段と、該処理手段により変換されたドットコードと関係付けられた該コンテンツデータを該記憶手段から読み出して出力する出力手段と、該光学読取手段、該処理手段、および該出力手段による動作を制御する制御手段と、を備えた情報入出力装置であって、該記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、少なくとも2以上のコンテンツデータと該ドットコードが関係付けて登録されており、該制御手段は、該ドットコードで該リンクテーブルを参照して、該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示を行い、該出力手段は、該指示に従って、該ドットコードと関係付けられた該2以上のコンテンツデータを該記憶手段から読み出して、連続して出力することを特徴としている。
【0007】
上記構成によれば、リンクテーブルにはドットコードと関係付けて2以上のコンテンツデータが登録されているため、1のドットパターンを読み取って解析しドットコードに変換するだけで、当該ドットコードと関係付けられて登録されているコンテンツデータを連続して出力することが可能である。
【0008】
本件発明の情報入出力装置は、処理手段が、前記ドットパターンを解析して、最初に出力される所定のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値と併せて、少なくとも1以上の他のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換し、前記制御手段が、該ドットコードにより定義された2以上の該コード値および/または座標値で該リンクテーブルを参照して、該最初に出力される所定のコンテンツデータと該少なくとも1以上の他のコンテンツデータを連続して出力をする指示を行うこととしても良い。
【0009】
ただし、上記構成によってコンテンツデータを連続して出力する場合においては、記憶手段に記憶されているリンクテーブルにおいて、ドットコードと2以上のコンテンツデータが関係付けて登録されていることは必ずしも必要ではないため、当該ドットコードと関連付けて登録されているコンテンツデータは一つであっても良い。
【0010】
上記構成によれば、ドットコードが、所望のコンテンツデータを出力した後の出力する他のコンテンツデータを示す指示情報としての機能を持っているため、ユーザーが連続しているコンテンツデータを出力し始めるためには、当該連続しているコンテンツデータのうち、それらと関連付けられた一のドットパターンを読み取る作業だけ行えばよく、異なるドットパターンを次々と読み取っていくという作業を行うことが不要となるという効果を奏する。
【0011】
また、ドットコードが、それぞれの印刷領域に形成されたドットパターンを読み取ることによって出力されるコンテンツデータとリンクテーブルにおいて関係づけられているコード値および/または座標値のみならず、他のコンテンツデータ(例えば、現在出力されているコンテンツデータの後に出力されるべきコンテンツデータ、又は、すでにその前に出力されたコンテンツデータ)を示すコード値および/または座標値を有していることにより、所望のコンテンツデータを出力した後に出力する他のコンテンツデータのコード値を示す指示情報としている。これは、該指示情報が、単に次に連続して出力するコンテンツデータと関係づけられて登録されているコード値および/または座標値のみを指定するものであるため、該コード値とコンテンツデータのリンクテーブルにおける関連付けを変えるだけで、連続して出力するコンテンツデータの順番を自由に変えることができるというさらなる効果を有する。
【0012】
また、ドットコードに、出力しているコンテンツデータの前後のコンテンツデータのコード値および/または座標値が定義されていることにより、ユーザーが最初のコンテンツデータから出力を開始したくはない場合(例えば、ある小説の第3章までのコンテンツは既に聞き終えていて、次に聞きたいのは第4章のコンテンツからである場合)には、途中からコンテンツデータの出力を開始した場合であっても、第4章の冒頭に形成・定義されたドットコードを読み取ることにより連続してコンテンツデータを出力することができる。さらに、コンテンツデータの再生モードを変更することにより、容易に逆再生を行うこともできる。
【0013】
なお、ドットコードは、コンテンツデータと関連付けるためにリンクテーブルに登録されているものであり、異なる印刷領域ごとに固有のコード値および/または座標値を設けても良いし、印刷領域をある範囲で区切って当該範囲ごとに固有のコード値および/または座標値を設けることとしても良い。
【0014】
なお、ここにいうコンテンツデータには、録音した音声や、撮影・録画した動画、ウェブサイトのURL、右クリック・左クリック・音量の増減・赤外線通信による他機への指示命令などの実行命令等が含まれる。
【0015】
また、本件発明における情報入出力装置の処理手段は、最初に出力される所定のコンテンツデータとの関連付けを示すためのコード値および/または座標値に対しての差分値で示された前記ドットパターンを解析して、該最初に出力される所定のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値と併せて、少なくとも1以上の他のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換することが望ましい。
【0016】
上記のように、最初に出力する所定のコンテンツデータとの関連付けを示すためのコード値や座標値と、他のコンテンツデータとの関係付けを示すためのコード値や座標値が一つのドットコードによって定義されている場合において、当該他のコンテンツデータとの関係付けを示すためのコード値や座標値が、当該最初に出力する所定のコンテンツデータとの関連付けを示すためのコード値や座標値との差分値によって表わされていることにより、一のドットコードが有する情報量を節約して、所望のコンテンツデータを出力した後に出力する他のコンテンツデータのコード値を示す指示情報とすることができる。
【0017】
情報量を節約して、所望のコンテンツデータを出力した後に出力する他のコンテンツデータのコード値を示す指示情報とすることができるため、例えば、使用できるコード値の範囲を大きくできたり、高度なセキュリティや、XY座標値などをドットコードに定義することができる。
【0018】
本件発明における情報入出力装置は、前記記憶手段が、さらにドットコード同士を少なくとも1以上関係付けて登録するドットコード連結テーブルを記憶しており、前記制御手段が、処理手段により変換されたドットコードでリンクテーブルを参照して、該ドットコードと関係付けてリンクテーブルに登録されている該コンテンツデータを出力する指示を行うと共に、該ドットコード連結テーブルを参照して、該ドットコードと関係付けてドットコード連結テーブルに登録されている他のドットコードと関係付けてリンクテーブルに登録されている該コンテンツデータを連続して出力する指示を行うこととしても良い。
【0019】
上記構成のように、ドットコード連結テーブルが記憶手段に記憶されており、ドットコード同士が関連付けて登録されていれば、制御手段は該ドットコード連結テーブルおよびリンクテーブルを参照して、所望のコンテンツデータを出力した後に連続して次のコンテンツデータを出力することができる。また、ドットコード連結テーブルを参照してドットコードの連結を確認すればよいため、一のドットコードが有する情報量に限定されることなく連続して出力するコンテンツデータを読み出して出力することができる。
【0020】
なお、上記構成によってコンテンツデータを連続して出力する場合おいては、記憶手段に記憶されているリンクテーブルにおいて、ドットコードと2以上のコンテンツデータが関係付けて登録されていることは必ずしも必要ではないため、当該ドットコードと関連付けて登録されているコンテンツデータは一つであっても良いことは勿論である。
【0021】
また、本件発明において、前記記憶手段には、前記コンテンツデータに各々関連付けられているドットコードが、その連続して出力する順番に従い所定の方法で記憶されたドットコード連結テーブルを用いて、その順番に従って降順または昇順で、少なくとも一回以上、コンテンツデータが、連続して出力されることとしても良い。
【0022】
また、前記記憶手段には、前記コンテンツデータに各々関連付けられたドットコードによって定義されるコード値が、その降順または昇順で記憶されており、その順番に従って、コンテンツデータが、少なくとも一回以上、連続して出力されることとしても良い。
【0023】
また、本件発明において、連続して出力するドットコードの範囲を少なくとも1以上指定し、コンテンツデータは、当該範囲の中で音声および/または動画のコンテンツデータに関連付けられているドットコードのみの降順または昇順で、コンテンツデータが、少なくとも一回以上、連続して出力されることとしても良い。なお、当該範囲のいずれのドットコードを読み取っても、対応するコンテンツから降順または昇順で連続して出力されることは、勿論である。
【0024】
上記のように、コンテンツデータが、音声および/または動画のコンテンツデータに関連付けられているドットコードのみの降順または昇順で連続して出力されることとすれば、連続して出力する必要のない実行命令などのコンテンツデータ(例えば、音声を日本語から英語に変換しなさいという命令)を出力せずに、音声のコンテンツデータのみを繋げて連続して出力することや、動画のコンテンツデータのみを繋げて連続して出力することができる。
【0025】
本件発明に係る情報入出力装置の記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、連続して出力するコンテンツデータが昇順または降順となっているドットコードがそれぞれ関係付けて登録されており、該記憶手段には、さらに、ドットコードと関係付けられた該連続して出力するコンテンツデータの連続出力範囲が記憶されており、制御手段は、処理手段により変換されたドットコードで該連続出力範囲を参照して、該ドットコードが該連続出力範囲内であれば、該リンクテーブルを参照して、該ドットコードと関係付けてリンクテーブルに登録されている該コンテンツデータを最初に出力し、その後該連続出力範囲内の昇順または降順のドットコードと関係付けてリンクテーブルに登録されている該コンテンツデータを連続して出力する指示を行うこととしても良い。
【0026】
上記の構成によれば、ドットパターンを読み取ってドットコードに変換し、該ドットコードと関係付けられて登録されているコンテンツデータを出力すれば、その後は、該ドットコードがリンクテーブルにおいて並べて登録されている昇順または降順でドットコードを参照し、該ドットコードと関係付けられているコンテンツデータを連続して出力していけば良いため制御手段によって行われる制御が簡易なものとなる。さらに、コンテンツデータの内容等に応じて連続して出力するコンテンツデータ範囲を予め定めておくことができる。
【0027】
本件発明における情報入出力装置は、記憶手段にコンテンツデータがファイル名とともにコンテンツファイルを格納して記憶し、該コンテンツファイルが該コンテンツファイル固有のファイル名と併せて少なくとも1以上の他のコンテンツファイルを示すファイル名を格納し、制御手段が処理手段により変換されたドットコードで該リンクテーブルを参照して該ドットコードと関係付けてリンクテーブルに登録されているコンテンツデータを出力する指示を行うと共に、該コンテンツファイルに格納している他のコンテンファイルを示すファイル名を参照して該他のコンテンツファイルに格納しているコンテンツでデータを連続して出力する指示を行うこととしても良い。
【0028】
上記構成によれば、コンテンツデータを連続して出力する際には、ドットコードが定義するコード値やXY座標値にかかわらず、コンテンツファイルに格納されているコンテンツファイル名を読み取って、所望のコンテンツデータを出力した後に出力するコンテンツ情報の所在を示す指示情報とすることができる。
【0029】
なお、上記構成によってコンテンツデータを連続して出力する場合おいても、記憶手段に記憶されているリンクテーブルにおいてドットコードと関連付けて登録されているコンテンツデータは一つであっても良い。
【0030】
本件発明に係る情報入出力装置は、さらに、最初に、ドットコードが定義されているドットパターンを光学読取手段により読み取った始点を検知する始点検知手段と、次に、ドットコードが定義されているドットパターンを光学読取手段により読み取った終点を検知する終点検知手段を備えており、前記制御部は、該始点から該終点までのドットコードと関連付けて記憶部に記憶されているコンテンツデータのみを連続して出力する指示を行い、前記出力手段は、該指示に従って、コンテンツデータを出力することが望ましい。
【0031】
また、前記ドットコードには、少なくともXY座標値が定義されており、前記制御部は、前記始点検知手段および前記終点検知手段によって検知した始点と終点を結ぶ線を対角線とする所定の矩形領域に包含されるドットパターンによって定義されるドットコードが意味するコード値および/またはXY座標値と関連付けて記憶部に記憶されているコンテンツ情報のみを連続して出力する指示を行い、前記出力手段は、該指示に従って、コンテンツデータを出力することとしても良い。
【0032】
上述の構成によれば、ユーザーが出力したいコンテンツデータの範囲、すなわち連続して出力されるコンテンツデータの始点と終点とを自由に指定することができる。
【0033】
本件発明に係る情報処理装置は、媒体表面に形成されたドットパターンを読み取る光学読取手段、該光学読取手段により読み取られたドットパターンの画像データからドットパターンを解析してコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換する処理手段、および該ドットコードを情報処理装置に対して送信する送信手段を備えた情報入力装置から該ドットコードを受信する受信手段と、コード値および/または座標値が定義されたドットコードとコンテンツデータを関係付けて登録するリンクテーブルおよびコンテンツデータを記憶する記憶手段と、該処理手段により変換されたドットコードと関係付けられた該コンテンツデータを該記憶手段から読み出して出力する出力手段と、該光学読取手段、該処理手段、該送信手段、該受信手段、および該出力手段による動作を制御する制御手段と、を備えた情報処理装置であって、該記憶手段に記憶されているリンクテーブルには少なくとも2以上のコンテンツデータと該ドットコードが関係付けて登録されており、該制御手段は、該ドットコードで該リンクテーブルを参照して該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示を行い、該出力手段は、該指示に従って、該ドットコードと関係付けられた該2以上のコンテンツデータを該記憶手段から読み出して連続して出力することを特徴としている。
【0034】
上記構成のように、情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)自体に、光学読取手段や、ドットパターンの画像データを処理する処理手段が備わっていなくとも、これらを備えた情報入力装置(スキャナ、カメラ等)を有線または無線で接続することにより、ドットパターンを用いたコンテンツデータの連続出力を達成することができる。
【0035】
また、前記情報入力装置(スキャナ、カメラ等)が、前記処理手段を有さず、ドットパターンを撮像して、その画像データを情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)に送信する手段しか備えていない場合であっても、当該情報処理総理が、情報入力装置から送信だれた画像データを受信して、該画像データを解析し、コード値および/または座標値が定義されるドットコードに変換する手段を有していれば、上記の構成と同様に、コンテンツデータを連続して出力することができる。
【0036】
さらに、前記光学読取手段、前記処理手段および前記送信手段を備えた情報入力装置と、前記受信手段、前記記憶手段、前記出力手段および前記制御手段とを備えた情報処理装置とを備えてなる情報入出力システムであって、該情報処理装置の記憶手段に記憶されているリンクテーブルが、少なくとも2以上のコンテンツデータと該ドットコードを関係付けて登録しており、該情報処理装置の制御手段が、該ドットコードで該リンクテーブルを参照して該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示を行い、該情報処理装置の出力手段が、該指示に従って該ドットコードと関係付けられた該2以上のコンテンツデータを該記憶手段から読み出して連続して出力することを特徴とする情報入出力システムであっても、本件発明の課題を解決することができる。
【0037】
以上のような、本件発明に係る情報処理装置および情報処理システムは、前記処理手段が、ドットパターンを解析して最初に出力される所定のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値と併せて、少なくとも1以上の他のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換し、前記制御手段が、該ドットコードにより定義された2以上の該コード値および/または座標値で該リンクテーブルを参照して、該最初に出力される所定のコンテンツデータと該少なくとも1以上の他のコンテンツデータを連続して出力をする指示を行うことにより、該出力手段が、該指示に従ってコンテンツデータを少なくとも二回以上連続して出力することもできる。また、前記記憶手段には、さらに前記ドットコード連結テーブルを記憶させ、これに基づいてコンテンツデータを連続して出力することもできる。また、前記記憶手段には、該コンテンツデータがファイル名とともにコンテンツファイルに格納されて記憶されており、該コンテンツファイルには、該コンテンツファイル固有のファイル名と併せて、少なくとも1以上の他のコンテンツファイルを示すファイル名が格納されていることとし、これらに基づいて、コンテンツデータを連続して出力することもできる。なお、このような構成によってコンテンツデータを連続して出力する場合おいては、記憶手段に記憶されているリンクテーブルにおいてドットコードと関連付けて登録されているコンテンツデータは一つであっても良い。さらに、前記情報入力装置に、前記始点検知手段と前記終点検知手段を設け、これから検知された始点情報と終点情報を情報処理装置に送信させ、連続して出力するコンテンツデータの範囲をユーザーの任意によって指定させることもできる。
【0038】
本件発明に係る印刷媒体は、所定の規則に基づいてドットを配置しコード値および/または座標値を定義するドットパターンが、文字、図形、記号および/または写真(文字等)と重畳印刷され、そのようなドットパターンを情報入出力装置の光学読取手段により読み取らせて、該ドットパターンが意味するドットコードと関連付けて情報入出力装置の記憶手段に記憶されているコンテンツデータを、情報入出力装置の出力手段により出力させるために用いる印刷媒体であって、該印刷媒体は文字等が印刷された印刷領域を有し、該印刷領域にはそれぞれ異なるドットコードを意味するドットパターンが重畳印刷され、該ドットパターンは、情報入出力装置の処理手段により解析されるとコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換され、該ドットコードは、該情報処理装置の記憶手段に記憶されているリンクテーブルに、少なくとも2以上のコンテンツデータと関係付けて登録されており、該情報処理装置の制御手段により、該ドットコードで該リンクテーブルを参照して該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示をさせ、該情報処理手段の出力手段により、該ドットコードと関係付けられた該2以上のコンテンツデータを該記憶手段から読み出して連続して出力させるために用いられることを特徴としている。
【0039】
また、前記印刷媒体における、ドットパターンは、印刷媒体面上に、所定の規則にしたがって線状に連続して複数の基準ドットを配置し、該複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線を設け、該基準ドットおよび/または該第一の仮想基準線から所定の位置に定義される直線および/または曲線からなる第二の仮想基準線を設け、該第二の仮想基準線上の所定の位置に複数の仮想基準点を設け、該仮想基準点を始点としてベクトルにより表現した終点に、該仮想基準点からの距離と方向とで情報が定義される情報ドットを配置することにより文字等と重畳印刷することが望ましい。
【0040】
上記の構成によれば、従来のドットパターンにおける矩形領域の形状に依存せずに、曲線を含む線状や、印刷領域の文章の文字列に沿ってドットパターンを媒体面上に形成することができる。また、帯状に周回方向に連続してドットパターンを形成することにより、印刷媒体が地球儀や人体等の模型、各種製造物等のであっても、あらゆる曲面に対してレイアウトされた文字等に重畳印刷してドットパターンを形成することができる。
【0041】
さらに、前記ドットパターンは、前記所定の規則にしたがって線状に連続して配置される複数の基準ドットが、少なくとも前記媒体表面上に2列以上配置され、複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線が、該2列以上の基準ドットに対応して2以上設けられ、基準ドットおよび/または第一の仮想基準線から所定の位置に定義される第二の仮想基準線が、該2以上の第一の仮想基準線の間に定義されることにより、前記ドットパターンが文字等と重畳印刷されていることとしても良い。
【0042】
上記の構成によれば、複数の第一の仮想基準線から第二の仮想基準線を定義することができるため、より正確に仮想基準点および情報ドットの位置を捉える事ができ、ドットパターンの認識率を向上させることができる。
【0043】
また、本件発明に係る印刷媒体は、文字等が印刷された主読本のインデックスとして、少なくとも1以上の主読本の所定の部分の内容に対応する文字等および/またはアイコン化された文字等と前記ドットパターンが重畳印刷され、該ドットパターンが情報処理装置の光学読取手段により読み取られることにより、該ドットパターンが意味するドットコードと関連付けて情報処置装置の記憶手段に記憶されている該主読本の該所定の部分の内容に対応するコンテンツ情報が、情報処理装置の出力手段により出力される、該主読本に対しての副読本であることが望ましい。
【0044】
前記構成によれば、例えば、小説や絵本等の主読本に直接ドットパターンを形成することが困難な場合であっても、これらの副読本に該主読本の目次や項目などのインデックスを用意し、このインデックスに重畳してドットパターンを形成することにより、該主読本にはドットパターンを形成しなくとも、ドットパターンを用いて該主読本の内容に対応したコンテンツデータを出力することができ、かつ、これらのコンテンツデータを容易に連続して出力させることができる。
【0045】
なお、主読本とは、例えば、小説、絵本、雑誌、教科書、辞書、聖書、写真集など様々な印刷媒体のことをいい、副読本とは、例えば、小冊子や、カード、しおり、シール、折りたたみ式の印刷媒体など、その他主読本に付随させる用途を有する印刷媒体をいう。また、副読本は主読本に挟んだり、同梱したりすることができる形状・大きさにすれば、主読本の付録として付すことができる。
【0046】
前記副読本は、冊子、カード、しおり、シールまたは折りたたみ式の印刷媒体である
ことが望ましい。
【0047】
以上のような、本件発明に係る前記印刷媒体または副読本である印刷媒体は、前記処理手段が、ドットパターンを解析して最初に出力される所定のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値と併せて、少なくとも1以上の他のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換し、前記制御手段が、該ドットコードにより定義された2以上の該コード値および/または座標値で該リンクテーブルを参照して、該最初に出力される所定のコンテンツデータと該少なくとも1以上の他のコンテンツデータを連続して出力をする指示を行うことにより、該出力手段によって該指示に従ってコンテンツデータを少なくとも二回以上連続して出力させる際にも用いることができる。また、前記記憶手段には、さらに前記ドットコード連結テーブルを記憶させ、これに基づいてコンテンツデータを連続して出力させる際にも用いることができる。また、前記記憶手段には、該コンテンツデータがファイル名とともにコンテンツファイルに格納されて記憶されており、該コンテンツファイルには、該コンテンツファイル固有のファイル名と併せて、少なくとも1以上の他のコンテンツファイルを示すファイル名が格納されていることとし、これらに基づいて、コンテンツデータを連続して出力させる際にも用いることができる。なお、このような構成によってコンテンツデータを連続して出力する場合おいては、記憶手段に記憶されているリンクテーブルにおいてドットコードと関連付けて登録されているコンテンツデータは一つであっても良い。さらに、前記情報入力装置に、前記始点検知手段と前記終点検知手段を設け、これから検知された始点情報と終点情報を情報処理装置に送信させ、連続して出力するコンテンツデータの範囲をユーザーの任意によって指定させる際にも用いることができる。
【0048】
本件発明に係る情報入出力方法は、光学読取手段により媒体表面に形成されたドットパターンを読み取るステップと、処理手段により該光学読取手段によって読み取られたドットパターンの画像データからドットパターンを解析してコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換するステップと、出力手段により該処理手段によって変換されたドットコードと関係付けて記憶手段のリンクテーブルに登録されているコンテンツデータを該記憶手段から読み出して出力するステップとを備えた情報入出力方法であって、該記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、少なくとも2以上のコンテンツデータと該ドットコードが関係付けて登録されており、該情報入出力方法は、さらに制御手段により、該ドットコードで該リンクテーブルを参照して該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示を行うステップと、該出力手段により該ドットコードと関係付けられた該2以上のコンテンツデータを該記憶手段から読み出して、連続して出力するステップを備えることを特徴としている。
【0049】
以上のような、本件発明に係る情報入出力方法は、前記処理手段が、ドットパターンを解析して最初に出力される所定のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値と併せて、少なくとも1以上の他のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換するステップと、前記制御手段が、該ドットコードにより定義された2以上の該コード値および/または座標値で該リンクテーブルを参照して、該最初に出力される所定のコンテンツデータと該少なくとも1以上の他のコンテンツデータを連続して出力をする指示を行うステップと、該出力手段が、該指示に従ってコンテンツデータを少なくとも二回以上連続して出力するステップをさらに備えることとすることもできる。また、前記記憶手段には、さらに前記ドットコード連結テーブルを記憶させておき、これに基づいてコンテンツデータを連続して出力することもできる。また、前記記憶手段には、該コンテンツデータをファイル名とともにコンテンツファイルに格納して記憶させておき、該コンテンツファイルには、該コンテンツファイル固有のファイル名と併せて、少なくとも1以上の他のコンテンツファイルを示すファイル名が格納されていることとし、これらに基づいて、コンテンツデータを連続して出力することもできる。なお、このような工程によってコンテンツデータ連続して出力する場合おいては、記憶手段に記憶されているリンクテーブルにおいてドットコードと関連付けて登録されているコンテンツデータは一つであっても良い。さらに、前記情報入力装置に、前記始点検知手段により最初に光学読取手段がドットパターンを読み取った始点を検知するステップと、前記終点検知手段により次に光学読取手段がドットパターンを読み取った終点を検知するステップと設け、これからか検知された始点情報と終点情報を情報処理装置に送信させるステップをさらに備えることにより、連続して出力するコンテンツデータの範囲をユーザーの任意によって指定させることもできる。
【0050】
前記ドットパターンは、所定の規則にしたがって線状に連続して複数の基準ドットを配置する工程と、該複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線を設ける工程と、該基準ドットおよび/または該第一の仮想基準線から所定の位置に定義される、直線および/または曲線からなる少なくとも1以上の第二の仮想基準線を設ける工程と、該第二の仮想基準線上の所定の位置に複数の仮想基準点を設ける工程と、該仮想基準点を始点としてベクトルにより表現した終点に、該仮想基準点からの距離と方向とでXY座標値および/またはコード値が定義される情報ドットを配置する工程に従って配列した、ストリームドットパターンを1ラインまたは複数並べて形成されていてもよい。
【0051】
これによれば、基準点の間隔が一定のストリームドットパターンが複数並べて形成されることにより、XY座標値が媒体表面に隙間なく定義される。さらに、文字や五線譜、地図、図形などが媒体表面に印刷され、その線分上をスキャナーペンでなぞるかまたはタッチして操作する場合、その線分に沿ってのみストリームドットパターンを形成することにより、合理的にドットパターンを配置できる。また、XY座標が定義されたドットパターンを2次元コードとして形成される際(インデックスとして使用)の矩形領域の形状に制約されることなく、媒体表面上に可視的に形成された情報領域に合わせた自由な形状での一定情報のまとまりの繰り返しによるドットパターンを形成することが可能となる。
【0052】
前記ストリームドットは、第二の仮想基準線を定義するために、および/または前記ドットパターンの方向と1つのXY座標値および/またはコード値を定義するために、さらに基準となる基準ドットを所定の位置に設けたことを特徴としてもよい。
【0053】
これによれば、新たな基準点を設けることにより、ストリームドットパターンの向きと一定情報のまとまりを、情報ドットを使用せず簡易に定義することができ、余計な情報の低減を押さえられる。さらに、新たな基準点の配置により情報ドットの始点となる仮想基準点の位置を正確に示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】(a)はパーソナルコンピュータとスキャナの構成例を示すハードウェアブロック図であり、(b)は、印刷媒体におけるドットパターンが文字と重畳印刷された印刷領域を、スキャナにより撮像している状態を示す説明図である。
【図2】ドットパターンの一例であるGRID1を示す説明図である。
【図3】ドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す説明図である。
【図4】キードットを中心に配置した情報ドットを示す説明図である。
【図5】情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例を示す説明図である
【図6】情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例を示す説明図である。
【図7】ドットパターンの変形例を示す説明図である。
【図8】ドットパターンとコード値と識別子との関係を示した説明図である。
【図9】ドットパターンとコード値と識別子との関係を示した説明図である。
【図10】ドットパターンの一例であるストリームドットパターンを示す説明図である。
【図11】ドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す説明図である。
【図12】情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例を示す説明図である
【図13】情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例を示す説明図である。
【図14】ドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は領域内に情報ドットを12個配置したもの、(b)は情報ドットを16個配置したもの、(c)は情報ドットを24個配置したものである。
【図15】ストリームドットパターンを形成する工程の一例を示す説明図である。
【図16】ストリームドットパターンを形成する工程の一例を示す説明図である。
【図17】ドットコード、リンクテーブル、及びコンテンツファイルの例を示す説明図である。
【図18】ドットパターンおよびドットコードフォーマットの例を示す説明図である。
【図19】ドットコードフォーマットの例を示す説明図である。
【図20】コード値とコンテンツデータが関連付けて登録されているリンクテーブルの例を示す説明図である。
【図21】コード値とコンテンツデータが関連付けて登録されているリンクテーブルの例を示す説明図である。
【図22】コード値とコンテンツデータが関連付けて登録されているリンクテーブルの例を示す説明図である。
【図23】リンク手段によるコンテンツデータとドットコード(コード値)のリンクについての説明図である。
【図24】リンクテーブルを作成するためのパーソナルコンピュータ上において実行するアプリケーションについての説明図である。
【図25】リンクテーブルを作成するためのパーソナルコンピュータ上において実行するアプリケーションについての説明図である。
【図26】連続して出力するコンテンツデータの範囲の指定を行う方法についての説明図である。
【図27】連続して出力するコンテンツデータの範囲の指定を行う方法についての説明図である。
【図28】ドットパターンの一例であるGRID3を示す説明図である。
【図29】主読本と副読本の例を示す説明図である。
【図30】主読本と副読本の例を示す説明図である。
【図31】ストリームドットパターンを上下方向に並べた一例についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本件発明の実施形態の一例について説明する。
【0056】
図1(a)は、パーソナルコンピュータ(情報処理装置)とスキャナ(情報入力装置)の構成を示すハードウェアブロック図である。
【0057】
同図(a)に示すように、パーソナルコンピュータは、中央処理装置(CPU)を中心に、メインメモリ(MM)、バス(BUS)で接続されたハードディスク装置(HD)、出力手段としての表示装置(DISP)、入力手段としてのキーボード(KBD)を有している。
【0058】
そして、有線または無線のUSBインターフェース(USB I/F)を介して撮影手段としてのスキャナ(SCN)が接続されている。
【0059】
このスキャナ(SCN)の内部構成については図示を省略するが、赤外線照射手段(LED)とその反射光の所定波長成分をカットするフィルタ、および撮像する撮像素子(CCDやCMOS)が内蔵されており、媒体としてのIDタグ、ペーパーキーボード、ペーパーコントローラ等ドットパターンが印刷された様々な印刷媒体からの反射光を撮像して、その媒体面に印刷されたドットパターンを画像データとして処理できるようになっている。
【0060】
またこのスキャナ(SCN)は、ドットパターンの画像データを解析し、コード値や座標値を定義するドットコードに変換することができ、変換されたドットコードはUSBインターフェース(USB I/F)を介して中央処理装置(CPU)へ送信される。
【0061】
なお、中央処理装置(CPU)へ送信される情報量は増加するものの、画像データをドットコードへと変換せずにそのまま送信し、中央処理装置(CPU)の処理部を使ってドットパターンの画像データを解析し、ドットコードに変換することも可能である。
【0062】
そして、スキャナ(SCN)の側面には右クリックボタンと左クリックボタンとが設けられており、それぞれマウスの右クリック、左クリックの機能が実現可能となっている。なお、同図(a)では読み取り部を下にした状態で、右クリックボタンを上方、左クリックボタンを下方に配置しているが、配置はこれに限られない。
【0063】
なお図示を省略してあるが、ディスプレイ装置(DISP)の他に、出力装置として、プリンタ、スピーカ等が接続されていてもよい。
【0064】
また、バス(BUS)は、ネットワークインターフェース(NW I/F)を介してインターネット等のネットワーク(NW)に接続されており、電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報等の様々なコンテンツ、プログラム等が図示しないサーバよりダウンロード可能となっている。さらに、スキャナ(SCN)やユーザー等の認証も行える。
【0065】
ハードディスク(HD)内には、オペレーティングシステム(OS)とともに、ドットパターンの解析プログラム等の様々なプログラム、電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報等の様々なコンテンツや読み取ったドットコードでコンテンツ・プログラム・処理命令を関連付けているリンクテーブル等の各種テーブル等のデータが記憶されている。また、参照したリンクテーブルに読み取ったドットコードが無かった場合、ネットワークを介してサーバ上にあるリンクテーブルを参照してコンテンツ・プログラム・処理命令をダウンロードしてもよい。なお、リンクテーブルは情報処理装置には置かず、サーバ上にのみ置いてもよい。
【0066】
中央処理装置(CPU)は、スキャナ(SCN)からの媒体面上のドットパターンの撮影データを読み取りコード値または座標値に変換した入力信号を、USBインターフェースを介して受信すると、当該入力信号に対応した電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報等の様々なコンテンツデータやプログラム等をハードディスク(HD)から読み出してディスプレイ装置(DISP)または図示しないスピーカ等の出力装置から出力させるようになっている。
【0067】
ここで印刷媒体面上のドットパターンはカーボンインクで印刷されており、ドットパターン以外の画像や文字部分はノンカーボンインクで印刷されている。
【0068】
このカーボンインクは赤外光を吸収する特性を有しているため、前記光学撮像素子での撮像画像では、ドットの部分のみ黒く撮影されることになる。
【0069】
このように、微細なドット(0.05mm前後)で形成されるドットパターンのみがカーボンインクで印刷されているため、カーボンインクが墨色(カーボンブラック)であっても、他のノンカーボンインク(CMYK)で印刷された画像や文字に可視的に影響を与えることなく、ドットパターンを通常の印刷と重畳印刷することができる。
【0070】
なお、赤外光を吸収する特性を有するインクとしてカーボンインクを例示したが、ドットパターンの印刷は、特定波長に反応するインクであれば、カーボンインクに限定されない。赤外線を吸収する見えないインクを用いれば、画像や文字に可視的に全く影響を与えなくなる。
【0071】
このようにして読み取ったドットパターンの撮像画像は、一般的には、スキャナ内の中央処理装置(CPU)によって解析されて座標値またはコード値に変換されて、USBケーブルおよびUSBインターフェース(USB I/O)を介してパーソナルコンピュータに送信される。なお、USBインターフェース(USB I/O)は他のどのようなインターフェースであってもよい。
【0072】
パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、受信した座標値またはコード値を示すテーブルを参照して、これらに対応した電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報等のコンテンツデータがディスプレイ装置(DISP)や図示しないスピーカから出力されるようになっている。
【0073】
図1(b)は、印刷媒体5におけるドットパターンが文字と重畳印刷された印刷領域4を、スピーキングペン(情報入出力装置23)を用いて撮像している図である。
【0074】
このように、光学読取手段、中央処理装置(CPU)、ハードディスク装置(HD)、出力手段が同じハードウェア内に備わっていても良い。なお、ハードディスク装置(HD)は、他のどのような記憶装置でもよい。
【0075】
同図(b)のように、印刷物等の印刷媒体に形成したドットパターンを、スピーキングペンを用いてカメラ等の光学読取装置により画像データとして取り込んだ後、これらのドットパターンにおける所定の規則に則って形成されたドットを認識し、それをデジタル化して、復号化された情報ドットの数値(ドットコード)に基づいて、対応したコンテンツデータを出力させることもできる。
【0076】
<ドットパターンの説明 GRID1>
ここで、本発明で用いるドットパターンについて図2〜図7を用いて説明する。
【0077】
図2はドットパターンの一例であるGRID1を示す説明図である。
【0078】
なお、これらの図において、縦横方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。ドットパターン1を構成するキードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4等は撮像手段であるスキャナが赤外線照射手段を有している場合、当該赤外光を吸収するカーボンインクで印刷されていることが望ましい。
【0079】
図3はドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す拡大図である。図4(a)、(b)はキードットを中心に配置した情報ドットを示す説明図である。
【0080】
ドットパターンを用いて情報を入出力する方法は、ドットパターン1の生成と、そのドットパターン1の認識と、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力する手段とからなる。
【0081】
すなわち、ドットパターン1をカメラにより画像データとして取り込み、まず、基準格子点ドット4を抽出し、次に、本来、基準格子点ドット4がある位置にドットが打たれていないことによってキードット2を抽出し、次に情報ドット3を抽出することによりデジタル化して情報領域を抽出して情報の数値化を図り、その数値情報より、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力させる。たとえば、このドットパターン1から音声等の情報やプログラムを、情報出力装置、パーソナルコンピュータ、PDAまたは携帯電話等に出力させる。
【0082】
ドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、音声等の情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列する。
【0083】
図2に示すように、情報を表すドットパターン1のブロックは、キードット2を基準に5×5の基準格子点ドット4を配置し、4点の基準格子点ドット4に囲まれた中心の仮想格子点5の周囲に情報ドット3を配置する。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図2の図示例では、ドットパターン1のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン1は4ブロックに限定されないことはもちろんである。
【0084】
1つのブロックに1つの対応した情報およびプログラムを出力させ、または、複数のブロックに1つの対応した情報およびプログラムを出力させることができる。
【0085】
基準格子点ドット4は、カメラでこのドットパターン1を画像データとして取り込む際に、そのカメラのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを矯正することができる。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット4を元の正方形に変換する補正用の関数(X,Y)=f(Xn’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0086】
ドットパターン1に基準格子点ドット4を配置してあると、このドットパターン1をカメラで取り込んだ画像データは、カメラが原因する歪みを補正するので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のカメラでドットパターン1の画像データを取り込むときにも正確に認識することができる。また、ドットパターン1の面に対してカメラを傾けて読み取っても、そのドットパターン1を正確に認識することができる。
【0087】
キードット2は、図2に示すように、ブロックの四隅の角部にある4個の基準格子点ドット4を一定方向にずらして配置したドットである。このキードット2は、情報ドット3を表す1ブロック分のドットパターン1の代表点である。たとえば、ドットパターン1のブロックの四隅の角部にある基準格子点ドット4を上方に0.1mmずらしたものである。情報ドット3がX,Y座標値を表す場合に、キードット2を下方に0.1mmずらした位置が座標点となる。ただし、この数値はこれに限定されずに、ドットパターン1のブロックの大小に応じて可変し得るものである。
【0088】
情報ドット3は種々の情報を認識させるドットである。この情報ドット3は、キードット2を代表点にして、その周辺に配置すると共に、4点の基準格子点ドット4で囲まれた中心を仮想格子点5にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。
【0089】
たとえば、この情報ドット3は、基準格子点ドット4に囲まれ、図3(a)に示すように、その仮想格子点5から0.1mm離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットを表現する。したがって、1ブロックのドットパターン1で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0090】
図3(b)は、図2のドットパターンにおいて、1個の格子毎に2ビットを有する情報ドット3の定義の方法であり、+方向および×方向にドットをずらして各2ビットの情報を定義している。これにより、本来48ビットの情報を定義できるが、用途によって分割して32ビット毎にデータを与えることができる。+方向および×方向の組み合わせによって最大216(約65000)通りのドットパターンフォーマットが実現できる。
【0091】
なお、図示例では8方向に配置して3ビットを表現しているが、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、種々変更できることはもちろんである。
【0092】
キードット2、情報ドット3または基準格子点ドット4のドットの径は、見栄えと、紙質に対する印刷の精度、カメラの解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.05mm程度が望ましい。
【0093】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット2,3,4の誤認を考慮して基準格子点ドット4の間隔は縦・横0.5mm前後が望ましい。基準格子点ドット4および情報ドット3との誤認を考慮して、キードット2のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0094】
この情報ドット3と、4点の基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点5との間隔は、隣接する仮想格子点5間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれの仮想格子点5を中心にしてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0095】
たとえば,情報ドット3は、図4(a)に示すように、ブロック中心から時計回りでIからI16を配置する格子間隔は0.5mmであり、2mm×2mmで3ビット×16=48ビットを表現する。
【0096】
なお、ブロック内に個々に独立した情報内容を有し、かつ他の情報内容に影響されないサブブロックをさらに設けることができる。図4(b)はこれを図示したものであり、4つの情報ドット3で構成されるサブブロック[I、I、I、I]、[I、I、I、I]、[I、I10、I11、I12]、[I13、I14、I15、I16]は各々独立したデータ(3ビット×4=12ビット)が情報ドット3に展開されるようになっている。このようにサブブロックを設けることにより、エラーチェックをサブブロック単位で容易に行うことができる。
【0097】
情報ドット3のベクトル方向(回転方向)は、30度〜90度毎に均等に定めるのが望ましい。
【0098】
図5は情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【0099】
また、情報ドット3について基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点5から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを表現することができる。このとき、長い方が隣接する仮想格子点5間の距離の25〜30%程度、短い方は15〜20%程度が望ましい。ただし、長・短の情報ドット3の中心間隔は、これらのドットの径より長くなることが望ましい。
【0100】
4点の基準格子点ドット4で囲まれた情報ドット3は、見栄えを考慮し、1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当て情報ドット3を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向のベクトルでは、4点の格子ドット4に囲まれた情報ドット3で2の情報を表現でき、1ブロックの情報ドット16個で2128となる。
【0101】
図6は情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものを示すものである。
【0102】
図7はドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【0103】
図2と図4に示すドットパターン1は、1ブロックに16(4×4)の情報ドット3を配置した例を示している。しかし、この情報ドット3は1ブロックに16個配置することに限定されずに、種々変更することができる。たとえば、必要とする情報量の大小またはカメラの解像度に応じて、情報ドット3を1ブロックに6個(2×3)配置したもの(a)、情報ドット3を1ブロックに9個(3×3)配置したもの(b)、情報ドット3を1ブロックに12個(3×4)配置したもの(c)、または情報ドット3を1ブロックに36個配置したもの(d)がある。
【0104】
図8、図9は、ドットパターンとコード値と識別子との関係を示した説明図である。
【0105】
ドットパターンは、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、このブロック内でC1−0〜C31−30に区画されている。各領域のドットコードフォーマットを示したものが図9である。
【0106】
図9(a)は、ドットパターンをコード値のみで構成した場合であり、C〜C27には図8で示したそれぞれの領域のドットパターンのドット毎のコード値が登録される。そして、C28〜C30にはパリティが登録されるようになっている。
【0107】
また、図9(b)は、コード値とともにXY座標が登録されるようになっている。すなわち、図8において、C〜CにはX座標、C〜C15にはY座標、C16〜C27にはコード値がそれぞれ登録されるようになっている。
【0108】
このように、本実施形態では、ドットパターン内にコード値とともにXY座標を登録しておくことができる。
【0109】
さらに、図9(c)は、XY座標とともに座標インデックスを登録したフォーマットである。座標インデックスとは、媒体である紙のページ番号等を登録する領域であり、ドットパターンとしてXY座標が登録された媒体自体を識別する識別子やページ番号を登録することができる。
【0110】
このように、本発明のドットパターンは、コード値のみを登録する場合、コード値とXY座標を登録する場合、座標インデックスとともにXY座標を登録する場合のように、柔軟性に富んだフォーマットが可能である。
【0111】
<ドットパターンの説明 GRID3>
図28はドットパターンの一例を示す説明図である。同図(a)は、説明のために後述の基準格子点16や格子線17を実線で表したものであり、同図(b)はこれらの実線のない実際のドットパターンを拡大したものを示している。
【0112】
このドットパターンを用いて情報の入出力を行うためには、ドットパターン1をカメラにより画像データとして取り込んだ後、まず、基準格子点ドット14を抽出し、これを仮想基準格子点15の位置であると判定し、これらの仮想基準格子点15を結ぶ直線を基準格子線16とする。そして、この基準格子線16上で、本来基準格子点ドット14があるべき仮想基準格子点15の位置にドットが配置されていない場合、この仮想基準格子点15の周辺のドットを抽出し、これをキードット2(ブロックの四隅の角部)とする。そして、次に前記仮想基準格子点15同士を結ぶ縦横の格子線17a、17bを設定し、その格子線17a、17b同士の交点を仮想格子点18とする。そして、この仮想格子点18の周囲のドットを探索し、その仮想格子点18からの距離と方向とで定義される情報ドット3を抽出する。次に、キードット2の仮想基準格子点15または仮想格子点18からの方向によって当該ブロックの向きが決定される。たとえば、キードット2が仮想格子点18から+y方向にずれていた場合には縦方向を正位としてブロック内の情報ドット3を認識すればよい。
【0113】
<ドットパターンの説明 ストリームドットパターン>
次に、本件発明で用いるドットパターンの別の形態について説明する。
【0114】
図10は本発明のドットパターンの一例を示す説明図、図11はドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す拡大図である。
【0115】
本発明のドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン1の認識と、このドットパターン1から情報を出力、およびプログラムを実行する手段とからなる。
【0116】
すなわち、情報を与えたい領域(例えば媒体上に形成された実在線や文字列)に形成されるドットパターン1を光学読取手段により画像データとして取り込み、まず基準ドット4を抽出し、これらの基準ドット4を結ぶ線を第一の仮想基準線6とする。そして、この第一の仮想基準線6上で、本来基準ドット4があるべき位置にドットが配置されていない場合、この基準ドット4が配置されるべき位置周辺のドットを抽出し、これをキードット2(一定情報のまとまりの両端部)とする。そして、次にキードット2のずれの正負の延長線上に配置されたサイドドット10を抽出し、サイドドット10とキードット2を通る、第一の仮想基準線6と垂直な直線を第三の仮想基準線8とする。
【0117】
そして、基準ドット4を通り、第一の仮想基準線6に対して垂直方向に第二の仮想基準線7と、サイドドット10を通り、第一の仮想基準線6と平行な第四の仮想基準線9を設定し、その仮想基準線同士の交点を仮想基準点5とする。そして、この仮想基準点5の周囲のドットを探索し、その仮想基準点5からの距離と方向とで情報が定義される情報ドット3を抽出する。
【0118】
この際、基準ドット4の配置間隔と、第一の仮想基準線6からサイドドット10までの距離の比が1対1であることから、第一の仮想基準点6上に、基準ドット4を頂点とする縦横の長さの比が1対1である正方形を設定して、仮想基準点5の位置を補完して導き出すことができる。なお、縦横の長さの比は任意に定めることが可能である。
【0119】
次に、キードット2の第一の仮想基準線6からの方向によって当該一定情報のまとまりの向き、すなわちドットパターン1の方向が決定される。例えば、キードット2が第一の仮想基準線6から+Y方向にずれていた場合には、当該方向を正位として一定情報のまとまり内の情報ドット3を認識すればよい。
【0120】
また、キードット2が第一の仮想基準線6から−Y方向にすれていれば、当該一定情報のまとまりを、中心を軸に180度回転させた方向を正位として一定情報のまとまり内の情報ドット3を認識すればよい。
【0121】
この際、サイドドット10とキードット2との距離によってもドットパターン1の方向を定義することが可能である。例えば、キードット2が、−Y方向に配置されているサイドドット10との距離よりも、+Y方向に配置されているサイドドット10との距離のほうが短い場合には、当該方向を正位として一定情報のまとまり内の情報ドット3を認識すればよい。
【0122】
また、キードット2が、+Y方向に配置されているサイドドット10との距離よりも、−Y方向に配置されているサイドドット10との距離のほうが短いときには、当該一定情報のまとまりを、中心を軸に180度回転させた方向を正位として一定情報のまとまり内の情報ドット3を認識すればよい。
【0123】
光学読取手段で読み取られたドットパターン1の画像がフレームバッファに蓄積されると、当該光学読取手段の中央処理装置(CPU)は、フレームバッファのドットを解析して、各情報ドット3の仮想基準点5からの距離と方向によって情報ドット3毎に定義された数値(図11、図12、図13参照)を復号する。そしてこれらの数値はXYZ座標またはコード値として光学読取手段またはパーソナルコンピュータのメモリに格納された情報と照合されて、前記XYZ座標またはコード値に対応する音声、画像、動画、文字、プログラム等が読み出されて、表示手段、音声・画像出力手段から出力される。
【0124】
本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、音声等の情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準ドット4、サイドドット10を所定の規則(例えば線状に連続して基準となるドットを配置して、その配置された複数の基準ドットから多角形を構成する仮想基準線を設け、該多角形の頂点に仮想基準点を設け、この仮想基準点を始点にしたベクトルの終点に情報を定義するドットを設けることなどが挙げられる。なお、この多角形の形状によってドットパターンの方向を定義することが可能である。)に則って配列する。
【0125】
図10(a)に示すように、線状に配置された基準ドット4(本図示例では直線状)に沿って形成されるドットパターン1の一定情報のまとまりを構成する横方向の直線を第一の仮想基準線6として媒体上に設ける。
【0126】
次に基準ドット4(本図示例ではキードット2として配置されている基準ドット)を通る第一の仮想基準線6に対し垂直な第三の仮想基準線8上にサイドドット10を設ける。そして、基準ドット4を通る第三の仮想基準線8に対して平行な直線を第二の仮想基準線7とし、サイドドット10を通る第一の仮想基準線6に対して平行な直線を第四の仮想基準線9とする。さらに、媒体上の所定位置(本図示例では第三の仮想基準線8上)に配置されているキードット2の第一の仮想基準線6からのずれ方向、サイドドット10からの距離によりドットパターンの方向を定義し、前記サイドドット10および/またはキードット2の配置間隔からドットパターン1の一定情報のまとまりを定義する。
【0127】
なお、本ドットパターン1は媒体表面上に可視的に形成された実在線に沿って形成することが可能であり、ここでいう実在線とは仮想線に対する概念で、実際に存在している線の全てを含むものである。
【0128】
例えば、実線、破線、点線、直線や曲線などが挙げられ、本発明においては、線が形成される媒体(例えば映像表示装置のディスプレイ)や、線を構成する物質(例えばインク)の如何を問わない。なお、ドットパターンは、印刷やディスプレイ表示、さらに金属やプラスチック上での穴や溝等の凸凹であってもよい。
【0129】
そして、第二の仮想基準線7と第四の仮想基準線9との交点を仮想基準点5とする。
【0130】
このように設定された仮想基準点5を基準に距離と方向を有する1または複数の情報ドット3をそれぞれ配置してドットパターン1を生成する。
【0131】
光学読取手段でこのドットパターン1を画像データとして取り込む際に、その光学読取手段のレンズ等の歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを前記基準ドット4によって矯正することができる。具体的には歪んだ複数の仮想基準点5を元の多角形(本図示例では正方形)に変換する補正用の関数(X,Y)=f(X’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0132】
ドットパターン1に基準ドット4が配置してあると、このドットパターン1を光学読取手段で取り込んだ画像データは、光学読取手段が原因する歪みおよび/または斜めからの撮像による歪みを補正するので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のカメラによる斜めからの撮像であっても、ドットパターン1の画像データを取り込むときにも正確に認識することができる。また、ドットパターン1の面に対して光学読取手段を傾けて読み取っても、所定のアルゴリズムによりそのドットパターン1を正確に認識することができる。
【0133】
キードット2は、図10(a)に示すように、一定情報のまとまりの両端に配置されたドットである。このキードット2は、ひとまとまりの情報ドット群を表す1領域分のドットパターン1の代表点である。なお、代表点は、ひとまとまりの情報ドット群のどこに配置してもよい。たとえば、隣り合う基準ドット間隔が0.5mmとすると、ドットパターン1の領域の端部の基準ドット4が本来配置されるべき位置から上方に0.1mmずれた位置に配置されているものである。したがって、情報ドット3が基準ドット4からのX、Y座標値で定義される場合には、キードット2から下方に0.1mmの距離の位置が座標点となる。ただし、この数値(0.1mm)はこれに限定されずに、ドットパターン1の領域の大小に応じて可変し得るものである。
【0134】
情報ドット3は種々の情報を認識させるドットである。この情報ドット3は、仮想基準点5を始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット3は、図11に示すように、その仮想基準点5から0.1mm離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットを表現している。
【0135】
この図によれば、一の一定情報のまとまりで3ビット×8個=24ビットを表現することができる。
【0136】
なお、図示例では8方向に配置して3ビットを表現しているが、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、任意の方向に任意の長さに配置できることはもちろんである。
【0137】
さらに、図10(a)では全ての仮想基準点5において、この仮想基準点5を始点としてその終点位置に情報ドット3を配置したが、これに限定されることなく、仮想基準点上にドットが配置されているか否かで情報を定義するようにしてもよい。たとえば仮想基準点上にドットが配置されていれば「1」、配置されていなければ「0」というように情報を定義することができる。
【0138】
キードット2、情報ドット3、基準ドット4、サイドドット10のドットの径は、見栄えと、紙質に対する印刷の精度、光学読取手段の解像度および最適な計算速度などを考慮して、0.03〜0.05mm程度が望ましい。ただし、技術が進歩し印刷の精度、光学読取手段の解像度および最適な計算速度が向上すれば、ドットの径は限りなく0に近づくことは言うまでもない。
【0139】
この結果、媒体表面上の任意の位置を撮影するだけではなく、媒体表面全体を撮影して全ての情報を一度に認識できるようになる。現状でも高精度スキャナを利用すれば、媒体表面全体に定義された情報を一度に認識できることは言うまでもない。他方、巨大な媒体面に印刷し遠方より撮影する場合は、光学読取手段の解像度および最適な計算速度に基づきドットの径および配置間隔を適切に定めればよい。
【0140】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット2,3,4,12の誤認を考慮して基準点ドット4の間隔は0.3〜0.5mm前後が望ましい。この間隔も、技術が進歩し印刷の精度、光学読取手段の解像度および最適な計算速度が向上すれば限りなく0に近づくことは言うまでもない。基準ドット4および情報ドット3との誤認を考慮して、キードット2のずれは基準ドット4の間隔の20%前後が望ましい。
【0141】
この情報ドット3と、仮想基準点5との間隔は、隣接する仮想基準点5間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット3と仮想基準点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想基準点5間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれかの仮想基準点5を中心にしてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0142】
本発明に係るドットパターンの読取りは光学読取手段(例えばカメラやスキャナ)により行い、媒体表面上に接触または離反させて所定位置、所定領域または全領域のドットパターンを読み取るか、線状に形成されたドットパターンをなぞって読み取ることにより行われる。
【0143】
すなわち、媒体表面上から光学読取手段で媒体表面の所定位置または所定領域を撮影して、そこに定義された情報を読み取るか、媒体表面から所定の距離において高解像度カメラで媒体全面を撮影するか、高解像度スキャナで媒体全面に定義された情報を読み取ることにより行われる。
【0144】
また、十分な長さのドットパターンに情報を定義すれば膨大な情報を定義することが可能となり、この場合には媒体表面上のドットパターンが形成された領域をなぞって情報の読取りを行う。
【0145】
すなわち、媒体表面上に可視的に形成された図面や図形を描くラインに沿ってなぞり、情報を読み取ったり、写真や画像の枠や、写真や画像内の対象物の輪郭に沿ってなぞり、情報を読み取る。また、媒体表面上の文字列に沿ってなぞり、情報を読み取ることも可能である。
【0146】
図12は情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【0147】
また、情報ドット3について基準ドット4から導き出された仮想基準点5から短(図12の上段)・長(図12の下段)の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを表現することができる。このとき、長い方が隣接する仮想基準点5間の距離の25〜30%程度、短い方は15〜20%程度が望ましい。ただし、長・短の情報ドット3の中心間隔は、これらのドットの径より長くなることが望ましい。
【0148】
情報ドット3は、その見栄えを考慮し、1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当てて情報ドット3を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向のベクトルでは、基準ドット4から定義された情報ドット3で2の情報を表現でき、1の一定情報のまとまりの情報ドット8個で264となる。
【0149】
図13は情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものを示すものである。
【0150】
図14はドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は領域内に情報ドット3を12個配置したもの、(b)は情報ドット3を16個配置したもの、(c)は情報ドット3を24個配置したものである。
【0151】
前述の図10(a)に示すドットパターン1は、一定情報のまとまりに8個の情報ドット3を配置した例を示している。しかし、この情報ドット3は一定情報のまとまりに8個配置することに限定されず、種々変更することができる。たとえば、必要とする情報量の大小または光学読取手段の解像度に応じて、情報ドット3を一定情報のまとまりに12個配置したもの(図14(a))、情報ドット3を一定情報のまとまりに16個配置したもの(図14(b))、情報ドット3を一定情報のまとまりに24個配置したもの(図14(c))がある。
【0152】
図31は、ストリームドットパターンを上下方向に並べた状態の一例について示す図である。
【0153】
同図では、基準ドット、情報ドットの他に、キードットおよびサイドドットを配置している。キードットは、一定情報のまとまりの両端に配置されたドットである。このキードットは、ひとまとまりの情報ドット群を表す1領域分のドットパターン1の代表点である。サイドドットは、キードット2のずれの正負の延長線上に配置されたドットである。
【0154】
同図(b)は、基準ドットおよびストリームドットパターンを等間隔に並べている。このように、基準点の間隔が一定のストリームドットパターンが複数並べて形成されることにより、XY座標値が書き込み領域に隙間なく定義され軌跡情報を生成することができ手書き入力が可能となる。しかし、本発明に係るストリームドットパターンはこれに限らず、同図(a)に示すように、ドットパターン同士の間隔を任意に設定してよい。また、基準ドット同士の間隔も、任意に設定することができる。
【0155】
これにより、XY座標が定義されたドットパターンを2次元コードとして形成される際(インデックスとして使用)の矩形領域の形状に制約されることなく、媒体表面上に可視的に形成された情報領域に合わせた自由な形状での一定情報のまとまりの繰り返しによるドットパターンを形成することが可能となる。
【0156】
〈ストリームドットパターン形成方法〉
次に、図15を参照しながらドットパターンの形成方法について説明する。
【0157】
図15は、ストリームドットパターンを形成する工程の一例を順に示すものである。
【0158】
本発明に係るドットパターンは、従来のドットパターンとは異なり、まず工程1として媒体表面上の可視的な情報に対応して、情報を入出力させたい箇所に基準ドット4を線状に連続して複数個配置する。
【0159】
図15(a)では基準ドット4を曲線状に配置しているが、基準ドット4の配置はこれに限定されるものではなく、直線と曲線を織り交ぜたり、複数の線分により構成される折れ線状にするなど、情報を入出力させる領域にあわせた形状にドットパターンを形成するための種々の変更が可能である。
【0160】
また、媒体表面上に可視的に形成された実在線上に基準ドット4を配置してもよいし、実在線に沿って所定の規則により基準ドット4を配置してもよい。
【0161】
なお、基準ドットは読取り精度向上の観点から、等間隔に配置することが望ましいが、これに限定されるものではなく、複数の間隔を混在させてドットパターンの一定情報のまとまりを定義したり、一定情報のまとまり内における3つの異なる基準ドットの配置間隔によりドットパターンの一定情報のまとまりとドットパターンの方向の両方を定義することも可能である。
【0162】
次に、工程2として、線状に配置された基準ドット4を結ぶ、第一の仮想基準線6を設ける。図15(b)では第一の仮想基準線6を曲線により設けているが、第一の仮想基準線6はこれに限定されるものではなく、曲線状に配置された基準ドット4に対して直線の第一の仮想基準線6を設けてもよいし、直線状に配置された基準ドット4に対して曲線の第一の仮想基準線6を設けてもよい。すなわち、後述する工程3〜工程5における第二の仮想基準線7、仮想基準点5、情報ドット3をどの位置に配置するかによって、基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線6を自由に定義することが可能である。
【0163】
なお、図16に例を示すように、曲線である場合の第一の仮想基準線6は、ベジェ曲線によることが望ましい。
【0164】
すなわち、まず、第一の仮想基準線上にある基準ドットをP0、P3とし、P1、P2を与えられた制御点とする。次に、制御点を順に結んで得られる3つの線分・P0―P1、P1―P2、P2―P3・をそれぞれ1対1の比率で分割する点P4、P5、P6を求める。そして、これらの点を順に結んで得られる2つの線分・P4―P5、P5―P6・を、それぞれ1対1の比率で分割する点P7、P8を求める。
【0165】
最後に、この2点を結ぶ線分・P7―P8・をさらに1対1の比率で分割する点P9を求め、この点がベジェ曲線上の点となる。
【0166】
この手順を繰り返し行うことで、P0、P1、P2、P3を制御点とするベジェ曲線が得られる。
【0167】
なお、ベジェ曲線に限らず、スプライン関数を利用して求められるスプライン曲線、n次多項式、楕円弧など、種々のアルゴリズムを用いて第一の仮想基準線6を設けてもよい。
【0168】
また、後述する第二の仮想基準線や第四の仮想基準線においても、第一の仮想基準線と同様に当該方法を用いて曲線を定義することが可能である。
【0169】
次に、工程3として、線状に配置された基準ドット4および/または第一の仮想基準線6から所定の位置に定義される第二の仮想基準線7を設ける。図15(c)では第二の仮想基準線7を、隣り合う基準ドット4の中間点における第一の仮想基準線6の接線に対して垂直線上の所定位置に向かって、隣り合う基準ドット4から任意の角度をもって設けているが、第二の仮想基準線7はこれに限定されるものではなく、後に示すようにドットパターンにより情報を入出力させたい領域に合わせて仮想基準点を設けるために、種々の方法により定義することが可能である。
【0170】
また、第一の仮想基準線6に対して片側のみに第二の仮想基準線7を設けてドットパターンの方向を定義してもよいし、情報量を増やすために両側各々に設けてもよい。
【0171】
次に、工程4として、第二の仮想基準線7上の所定の位置に複数の仮想基準点5を設ける。図15(d)では仮想基準点5を、第二の仮想基準線7の交点、すなわち隣り合う基準ドット4を結んだ直線を底辺とし、第二の仮想基準線7を対辺とする二等辺三角形の頂点に設けているが、仮想基準点5の位置はこれに限定されるものではなく、第二の仮想基準線7の中点に設けたり、第二の仮想基準線7上に代えて基準ドット4上に設けるなど、種々の変更が可能である。
【0172】
そして、工程5として、仮想基準点5を始点としてベクトルにより表現した終点に情報ドット3を配置する。図16(e)では情報ドット3を、仮想基準点5からのベクトル方向を8方向、仮想基準点5からの距離が等距離となるよう、一個の仮想基準点5に対し1個配置しているが、情報ドット3の配置はこれに限定されるものではなく、仮想基準点5上に配置したり、ベクトル方向を16方向として配置したり、一個の仮想基準点5に対し2個配置するなど、任意の方向に任意の長さに、複数配置することが可能である。
【0173】
このように、本発明に係るストリームドットパターンは、本発明者が提唱している従来のドットパターンでは2次元的に格子状に形成される基準ドットとは異なり、曲線を含む線状に連続して配置された基準ドットに基づいて形成される。
【0174】
これにより、ドットパターンが2次元コードとして形成される矩形領域の形状に制約されることなく、媒体表面上に可視的に形成された情報領域に合わせた自由な形状の一定情報のまとまりによるドットパターンを形成することが可能となる。
【0175】
なお、本発明に係る仮想基準線及び仮想基準点は、実際に媒体表面上に印刷形成されるわけではなく、あくまでコンピュータの画像メモリ上に、ドットパターンの配置の際、またはドットパターンの読み取りの際に仮想的に設定されるものである。
【0176】
また、図10(b)(c)において例示するドットパターンのように、2以上の第一の仮想基準線の間に第二の仮想基準線を定義し、情報ドットを配置することによってドットパターンを形成しても良い。
【0177】
このように、2以上の第一の仮想基準線の間に仮想基準点を設ける場合において、同図(b)において例示するように、仮想基準点が設けられる位置はその中間点に限定されないが、相対する基準ドットの位置から仮想基準点の位置を簡単に、より正確に特定し、認識率を高め、計算速度を早くするためにその中間点に設けることが望ましい。
(コンテンツを連続して出力する方法)
次に、ドットコードが意味するコード値やXY座標値と関連付けてリンクテーブルに登録されているコンテンツデータを連続して出力する方法について説明する。
【0178】
まず、図17を参照して、第一の方法について説明する。
【0179】
図17は、ドットパターンを解析して変換されたドットコード、当該ドットコードと出力するコンテンツデータが関係付けられているリンクテーブル、及び当該コンテンツデータが格納されているコンテンツファイルの例を示している。
【0180】
まず、ドットパターンは処理手段により解析されると、デジタル化され同図(a)に示すようなドットコードへと変換される。同図(a)においては、当該変換されたドットコードがコード値(560)を定義しているドットコードフォーマットを示している。なお、ドットコードが定義する値は、コード値に限られず、座標値を定義することも可能である。
【0181】
そして制御部は、当該ドットコードが定義しているコード値(560)で、リンクテーブルを参照し、当該リンクテーブルにおいて該コード値と関係付けられているコンテンツデータを出力するよう出力手段に対して指示をおこなう。
【0182】
コンテンツデータを出力する際には、リンクテーブルにコード値と関係付けて登録されている、コンテンツファイルのファイル名またはコンテンツファイルのアドレスを確認し、記憶手段から読み出して、出力手段により出力する。
【0183】
当該コンテンツデータは、コンテンツファイルに、そのファイル名とともに格納されており、当該コンテンツファイルは、記憶手段に記憶されている。
【0184】
また、同図(b)において示すように、当該リンクテーブルにおいて、1つのコード値に対して複数のコンテンツファイルのファイル名またはアドレスを関係付けて登録することも可能である。
【0185】
この場合に、まず、1のコード値と関係付けられている複数のコンテンツデータのうち、最上位にあるものを出力手段によって出力する。その後、1のコード値と関係付けられている複数のコンテンツデータのうち、次に上位となっているものを連続して出力する。この作業を繰り返し行って、1のコード値と関係付けられている全てのコンテンツデータを出力しおえたときに、コンテンツデータの連続出力を終了する。
【0186】
なお、リンクテーブルに登録されているコンテンツデータの並びは、例えば、音声のコンテンツデータであればその録音を行った日時の順であっても良いし、ファイル名順であてても良い。また後述する方法によって、リンクテーブルに登録した後であってもその並びを変更することもできる。
【0187】
次に、図18を参照して、コンテンツデータを連続して出力する第二の方法について説明する。
【0188】
図18(a)は、印刷領域に形成されているドットパターンを示す拡大図である。
【0189】
なお、同図(a)のドットパターンにおいては、基準ドット4同士を結ぶ格子線が実線で表されているが、これは便宜のために表したものであり、本来のドットパターンは、同図(b)において示すドットパターンのように、このような実線は存在しない。
【0190】
ここで、ドットパターン1の情報ドットは、4方向に配置することができ、一つの情報ドットを含む点線で表した円の領域が有する情報量は2ビットである。
【0191】
このドットパターン1が、スキャナによって読み取られると、中央処理装置によって解析され、C0からC31までのドットコード12に変換される。
【0192】
同図(c)(d)(e)(f)は、これらの情報ドットの集合を構成する1ブロック分のドットパターン1のドットコードフォーマットを示すものである。
【0193】
同図(c)におけるドットコードには、パリティチェック及びコード値が定義されている。なお、当該ドットコードが、該コード値に代えて、XY座標値を定義することとしてもよいし、該コード値と併せてXY座標値を定義することとしても良いことは勿論である。
【0194】
同図(c)における、ドットコードは、ドットパターンが形成されている印刷領域をスキャナにより読み取った後に、最初に出力されるコンテンツデータと関係付けられているコード値(572)と、併せて、他のコンテンツデータと関係付けられているコード値(583・560)を定義している。
【0195】
このドットコードを解析した中央処理装置は、リンクテーブルを参照して、まずコード値572と関係付けられているコンテンツデータを出力するよう命令を行う。
【0196】
そして、次に、同じドットコードにおいて定義されている他のコード値583と関係付けられているコンテンツデータを連続して出力するよう命令を行う。
【0197】
さらに、同じドットコードに他のコード値583が残っているため、該コード値583と関係付けられているコンテンツデータを続けて連続して出力するよう命令を行う。
【0198】
なお、ここでは一例として、コード値572、583、560の順に、これらと関係付けられているコンテンツデータを出力することとしているが、たとえばコード値560、572、583の順に関係付けられているコンテンツデータを出力することとしても良いし、また、1のドットコードが定義するコード値の数を、2つまたは4つ以上とし、連続して出力するコンテンツデータの数を適宜増減することとしても良い。
【0199】
また、リンクテーブルにおいて、1のコード値と関係付けられているコンテンツデータを複数としても良い。この場合には、1つのコード値と関係付けられているコンテンツデータの全てを出力した後に、次のコード値と関係付けられているコンテンツデータを出力するように制御を行う。
【0200】
なお、コンテンツデータを連続して出力するようにするか、所定のコード値との関連付けを持つコンテンツデータのみを出力するようにするかを、出力のモードによって切り換えることができるようにしても良い。
【0201】
また、例えば、いくつかのドットパターンが重畳印刷されている写真が乖離して印刷されている印刷媒体において、当該写真ごとに異なる固有のコード値を持つドットパターンを形成しても良いし、全面にドットパターンが重畳印刷されている印刷媒体において、所定の領域で範囲を区切り、当該範囲ごとに異なる固有のコード値を持つドットパターンを形成するようにしても良い。
【0202】
同図(d)における、ドットコードは、所定のコンテンツデータとの関連付けを示すためのコード値(572)を示すものと、併せて、他のコンテンツデータとの関係付けを示すためのコード値(556・583)を定義している。
【0203】
これら3種のコード値とは、それぞれ、現時点で出力するコンテンツデータと関連付けられているコード値(572)、次に出力するコンテンツデータと関連付けられているコード値(583)と、現時点で出力されているコンテンツデータの前に出力されるコンテンツデータと関連付けられているコード値(556)である。
【0204】
スキャナによってドットパターンが撮影された場合、中央処理装置は、当該ドットパターンを解析し、ドットコードに変換した後に、前記リンクテーブルを参照し、前記ドットコード固有のコード値(572)と関連づけられているコンテンツデータを、ハードディスク等の記憶手段から読み出し、出力手段により出力するよう命令を行う。
【0205】
また、中央処理装置は、前記コンテンツデータを出力する命令と、併せて、ドットコードフォーマットを参照して、次に出力するコンテンツデータと関連付けられているコード値(583)を確認し、現時点で出力しているコンテンツデータを出力し終えた後に、当該次のコード値(583)と関連付けられているコンテンツデータを出力するように命令を行う。
【0206】
また、図18(c)、当該固有のコード値と次のコード値の他に、前のコード値をドットコードによって定義することにより、再生モードを切り替えて、コンテンツデータの順番を逆にして再生を行うことが容易となる。
【0207】
このような逆再生モードにおいて、コンテンツデータの順番を逆にして再生するときには、前述した、通常のコンテンツデータを連続して出力する方法と同じように、固有のコード値と関連付けられているコンテンツデータを出力する命令と併せて、前のコード値を確認し、前のコードと関係付けられているコンテンツデータを出力すれば良い。
【0208】
図18(d)において示すように、最初に出力されるコンテンツデータの次に出力されるコンテンツデータと関連付けられているコード値は、ドットコードフォーマット上において、最初に出力されるコンテンツデータと関係付けられているコード値に対しての差分値によっても表すことができる。
【0209】
すなわち、図18(e)において示すように、最初に出力されるコンテンツデータと関係付けられているコード値が572であり、該次のコード値が583であった場合において、該次のコード値である583を、最初に出力されるコンテンツデータと関係付けられているコード値である572の+11として表すことができる。同様に、前記次の次のコード値である560を、−4と表すことができる。差分で連続出力するコード値を定義することにより、コード値の範囲を多くすることができ数多くのコンテンツデータを扱える。
また、増えた領域に座標等を定義して同時に扱うことができる。
【0210】
次にコンテンツデータを出力する第3の方法について説明する。
【0211】
図19はドットコードフォーマットと、ドットコード連結テーブルの例について示している説明図である。
【0212】
図19(a)において例示するドットコードのように、1のドットコードに、コンテンツファイルと関連付を示すためのコード値が一つしかない場合であっても、図19(b)に示すようなドットコード連結テーブルを設けることにより、コンテンツデータを連続して出力することが可能である。
【0213】
すなわち、中央処理装置は、ドットパターンを解析してドットコードに変換した後、まず、リンクテーブルを参照して、該ドットコードと関係付けられているコンテンツファイルをハードディスク等の記憶媒体から読み出して出力するように命令を行う。
【0214】
次に、ドットコード連結テーブルを参照して、該ドットコードと関係付けてドットコード連結テーブルに登録されているドットコードを確認し、該ドットコードと関係付けられているコンテンツデータを連続して出力するように命令を行うこととすることが可能である。上記の手順において、まずドットコード連結テーブルを参照してから、連続出力するドットコードを記憶し、その順に次に、ドットコード連結テーブルを参照して、該ドットコードと関係付けられているコンテンツデータを連続して出力するように命令を指示してもよい。
【0215】
以上のように、ドットコードの連結に基づいてコンテンツデータを連続して出力する場合においては、ドットコードが定義するコード値やXY座標値とコンテンツデータのリンクテーブルにおける関係付けおよびドットコード連結テーブルを変更することにより、連続して出力するコンテンツデータの順番を容易に変更することができる。
【0216】
次に、ドットコードと関連付けて登録されているコンテンツデータを連続して出力するための、第四の方法について説明する。
【0217】
図20(a)は、コード値とコンテンツファイルのファイル名が関係付けて登録されているリンクテーブル、および当該ファイル名とコンテンツデータが格納されているコンテンツファイルの例を示している図である。コンテンツデータは、当該コンテンツファイルに格納されており、当該リンクテーブルにおいては、コード値と、コンテンツファイル名が関係付けられていることにより、出力するコンテンツデータの所在を明らかにしている。
【0218】
図20(a)において、各コンテンツファイルには、前に出力するコンテンツファイル名および次に出力するコンテンツファイル名も併せて格納している。
【0219】
このように、ファイル同士を結びつけ、現時点で出力しているコンテンツデータの次に出力するコンテンツデータを示すための指示情報とすることにより、コンテンツデータの出力を終えた後に、連続して次のコンテンツデータを出力することが可能である。
【0220】
また、現時点で出力しているコンテンツデータの前に出力するコンテンツデータが格納されているコンテンツファイル名を、併せてコンテンツファイルに格納しておくこともでき、これにより、逆再生モードでコンテンツデータを連続して出力することが容易になる。
【0221】
また、図20(b)において例示するように、インデックステーブルにおいて、各コンテンツファイルに番号(インデックス)を設けることにより、前記他のコンテンツ情報のファイル名を番号で登録することもできる。
【0222】
次に、ドットコードと関連付けられているコンテンツデータを連続して出力するための、第五の方法について説明する。
【0223】
図21(a)は、リンクテーブルにおいてコード値が昇順に並んでおり、コンテンツファイルのファイル名がこれに関連付けられて登録されている。
【0224】
また記憶部には、コンテンツデータを連続して出力する範囲(連続出力範囲)が予め決められて記憶されている。なおこの図においては、当該連続出力範囲は、コード値200〜203となっている。
【0225】
この場合において、ドットコードの昇順に従って、これと関係付けられているコンテンツデータを出力していくことにより、連続して出力していくことができる。
【0226】
当該連続出力範囲内において、最初に読み取られたドットコードのコード値と関係付けられているコンテンツデータから、所定の指示に従ってコード値の昇順または降順に当該連続出力範囲内のコード値と関係付けられているコンテンツデータを連続出力すれば良い。
【0227】
また、このようにドットコードが昇順に並んでいる場合において、コンテンツデータを逆再生するときには、ドットコードの降順で出力すればよい。なお、所定の指示に従って降順でコード値が並んでいる場合に、コンテンツデータの通常再生を行ってもよいし、昇順でコード値が並んでいる場合に、コンテンツデータの逆再生を行うようにしても良い。
【0228】
予め定められた連続出力範囲内のコンテンツデータを出力し終えたときに、コンテンツデータの連続出力を終了する。
【0229】
また、1のコード値に複数のファイル名が関係付けて登録されている場合には、当該1のコード値に関係付けられてコンテンツデータをすべて出力し終えた後に、次のコード値と関係付けられているコンテンツデータを出力するようにすれば良い。
【0230】
図22は、昇順に並べられたコード値が、音声コンテンツや、URLコンテンツ、動画コンテンツ等の種々のコンテンツデータと関連付けられている図を示している。
【0231】
この場合に、コード値の昇順に従って、コンテンツデータを連続して出力することとすると、音声コンテンツを出力した後に、ウェブサイトのURLを表示したり、その後に音量を上げたりと質の異なるコンテンツデータが連続して出力されることとなる。そこで、所定の指示に従って同質のコンテンツ(音声コンテンツ同士や、動画コンテンツ同士)だけを抽出して、連続して出力するようにしても良い。
【0232】
次に、コンテンツデータとドットコードのリンクについて説明する。
【0233】
図23は、コンテンツデータとファイル名が格納されているコンテンツファイルと、ドットコードによって定義されるコード値と当該コンテンツファイル名が関係付けて登録されるリンクテーブルを示している。
【0234】
同図(a)における、当該リンクテーブルにおいては、コンテンツファイル名またはアドレスが登録されるべきスペースが登録スペースとなっている。
【0235】
当該登録スペースに、記憶手段において記憶されているコンテンツデータが格納されたコンテンツファイルのファイル名またはアドレスを登録していくことにより、コンテンツデータとドットコードをリンクさせていくことができる。
【0236】
また同図(b)において示すように、すでにコード値とコンテンツファイルのファイル名またはアドレスが関係付けて登録されている場合であっても、該1のコード値に対して複数のコンテンツファイルのファイル名またはアドレスを関係付けて登録することとしても良い。
【0237】
図24、図25は上記のリンクテーブルを作成するための、パーソナルコンピュータ上において実行するアプリケーションを説明する。図24はアプリケーションを実行中の様子を示す図であり、図25はアプリケーションの実行により作成されたリンクテーブルを示す図である。
【0238】
図24に示すように、リンクテーブル作成用のアプリケーションを起動すると、表示装置上の画面左側にはコンピュータに予め記憶された各コンテンツデータを表示するアイコンが表示され、画面右側にはコード値が表示され、画面中央にはリンクテーブルが表示される。ユーザーは図示しないマウスによる操作により、表示されたコンテンツデータないしコード値を画面中央のリンクテーブルへとドラッグ&ドロップにより挿入する。
【0239】
なお、コード値欄にコード値を挿入する際には、最も値の小さいコード値を先頭に挿入した際には、そのコード値と昇順で、他のコード値も自動的に挿入されることとしても良い。
【0240】
すると、図25に示すように、画面中央のリンクテーブルには新たなコンテンツとドットコードの対応付けが登録され、コード値欄にはドットコードが表示され、コンテンツ欄にはコンテンツのファイル名が表示される。
【0241】
このように、リンクテーブルは専用のアプリケーションを用いてパーソナルコンピュータ上でも作成することができる。
【0242】
(出力するコンテンツの範囲指定)
図26は、連続して出力するコンテンツデータの範囲の指定を行う方法を説明するための図である。
【0243】
同図においては、印刷媒体21のうちの、印刷領域22に形成されたドットパターンが意味するドットコードは、コード値を定義しており、該コード値に関連付けられて登録されているコンテンツデータは、前述したいずれかの方法により連続して出力される。
【0244】
ここでは、前述した、ドットコードが、所定のコンテンツデータとの関連付けを示すためのコード値と併せて、他のコンテンツデータとの関係付けを示すためのコード値を定義していることによって、コンテンツデータが連続して出力される場合において説明する。この場合において、ドットコードにはコード値が4つ定義されており、コンテンツデータである「Good morning」、「How are you」、「I’m fine.Thank you.」、「And you?」の順で連続して出力するための指示情報となっている。
【0245】
同図おいて示す「Good morning」という文字とドットパターンが重畳印刷されている領域を最初に光学読取装置によって撮像したとすると、始点検知手段は、該撮像点を始点と認める。なお、ドットパターンが形成されていない領域を最初に撮像したとしても始点であるとは認めない。また、ドットパターンが形成されていた場合であっても、当該ドットパターンが意味するドットコードが、コンテンツデータと関係付けられていない場合も、当該撮像点を始点としては認めない。
【0246】
次に、同図において示す「I’m fine.Thank you.」を光学読取手段によって撮像したとすると、終点検知手段は該撮像点を終点と認める。
【0247】
終点を検知する方法には以下の2通りがある。
【0248】
まず光学読取手段によってドットパターンを撮像し、始点検知手段によって、始点を検知した後に、一度、印刷媒体から光学読取手段を離し、その後再び光学読取手段によってドットパターンを撮像した場合に、二回目にドットパターンを撮像した点を終点として検知する方法がある。
【0249】
また、光学読取手段によってドットパターンを撮像し、始点検知手段によって、始点を検知した後、印刷媒体から光学読取手段を離さずにドットパターンを撮像し続け、終点としたい点まで、光学読取手段をスライドさせて、印刷媒体から光学読取手段を離す。そして、光学読取手段によって最後にドットパターンを撮像した点を終点として検知する方法がある。
【0250】
ここで、中央処理装置は、始点として検出されたドットパターンを解析し、ドットコードに変換し、変換したドットコードの中から、前記所定のコンテンツデータとの関連付けを示すためのコード値を抽出し、リンクテーブルを参照して、該コード値と関連付けられているコンテンツデータ(「Good morning」)を出力するように命令を行う。
【0251】
また、前記ドットコードの中から、次に出力するコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値を抽出し、該次のコード値と関連付けて登録されているコンテンツデータ(「How are you?」)を、現時点で出力しているコンテンツデータの後に、出力するよう命令を行う。
【0252】
これを終点として認められたドットパターンと関連付けられているコンテンツデータ(「I’m fine.Thank you.」)を出力し終えるまで繰り返す。
【0253】
このような、始点にかかるコンテンツデータから出力し始め、終点にかかるコンテンツデータを出力し終えるまでコンテンツデータを連続して出力するという工程は、前述した、ドットコード同士がドットコード連結テーブルにおいて連結されコンテンツデータを連続して出力する場合、コンテンツファイル同士が連結しコンテンツデータを連続して出力する場合、および、ドットコードが定義するコード値の降順または昇順でコンテンツデータを連続して出力する場合であっても同様に可能である。
【0254】
図27は、印刷媒体面上の印刷領域22に形成されているドットパターンが意味するドットコードが、少なくともXY座標値を定義している場合において、該XY座標値と関連付けて登録されているコンテンツデータを連続して出力する範囲を指定する方法を説明するための図である。
【0255】
同図(a)(b)に示す、リンクテーブルには、例えば、印刷媒体面上のXY座標値と、印刷媒体面上のXY座標に対応する音声や静止画、動画、操作命令等のコンテンツデータが関連付けられている。
【0256】
まず、同図(b)において示す、印刷領域22を最初に光学読取手段により読み込んだ際、始点検知手段は、該撮像点を始点として認識する。また、次に印刷領域22を光学読取手段によりドットパターンを読み込んだ際に、終点検知手段は、該撮像点を終点として認識する。この終点を検知する方法には、前述した様に、2通りの方法がある。
【0257】
以上のようにして得られたXY座標値と関連付けられているコンテンツデータを連続して出力する範囲を指定する方法には以下の2通りがある。
【0258】
まず、第一の方法についてであるが、第一の方法においては、同図(a)において示すように、リンクテーブルにおいて、XY座標の代表点と、コンテンツデータが関係付けられている。たとえば、ドットパターンが重畳印刷されているものが文章であれば、印刷媒体面上における頭文字のXY座標を、その文章の代表点としてリンクテーブルに登録すれば良い。なお、所定の語句や文章の代表点は、文章の中央など頭文字以外の位置のXY座標でもよいが、頭文字であれば、連続出力をしないモードにおいて頭文字の近傍のドットパターンを読み取りドットコードに変換すると、読み取ったXY座標を中心に所定の半径内にあって、最も中心に近い代表点を有する文章のみを再生することができる。
【0259】
中央処理装置は、読み込まれた始点および終点部分の画像の解析処理(ドットパターンを認識し、コード情報、XY座標値に変換する処理を実行して座標情報(XY座標値)を得る。
【0260】
そして、中央処理装置は、当該XY座標値により同図(a)のリンクテーブルを参照し、まず始点部分の当該XY座標値に最も近いXY座標値と関係付けられているコンテンツデータを出力する。
【0261】
また中央処理装置は、求めた始点と終点のXY座標値から、該始点と終点を結ぶ直線を対角線として持つ矩形領域を求める。そして、その矩形領域に包含されるXY座標値を計算により求め、該XY座標値により同図(a)の座標情報リンクテーブルを参照し、該矩形領域に包含されるXY座標値と関連付けて登録されているコンテンツデータを順に連続して出力する。この際、横書きの文章や横方向に並べられたグラフィックでは、代表点が定義されているXY座標値の中で先ず最も始点に近いY座標値を有する代表点を選び、当該Y座標値を有する代表点が複数あれば、当該Y座標で矩形領域内の始点に最も近いX座標値から遠いX座標値を有する代表点と関連付けて登録されているコンテンツデータの順に連続して出力する。その後、矩形領域内で始点から次に近いY座標値を有する代表点を選び、同様な処理を順次行う。なお、縦書きでは、XとYを入れ替えて代表点を探しコンテンツデータを連続して出力すればよい。
【0262】
この他、コンテンツデータを連続して出力する順番は、リンクテーブルに登録されているXY座標の昇順・降順であっても良いし、XY座標値の他に、前記始点部分におけるコンテンツデータとの関連付けを示すためのコード値と他のコンテンツデータとの関係付けを示すためのコード値が、併せてドットコードによって定義されている場合には、該他のコンテンツデータとの関係付けを示すためのコード値を次に出力するコンテンツデータを示す指示情報として、これをもとに、出力するコンテンツデータを順番とすることができる。また、記憶手段にドットコード連結テーブルが記憶されている場合にはこれを参照しても良い。また、コンテンツデータが格納されたコンテンツファイルに他のコンテンツファイル名が登録されており、次に出力するコンテンツデータの所在を示す指示情報となっている場合には、これをもとに、出力するコンテンツデータの順番とすることができる。また、ドットコードによってXY座標の他にコード値が定義されている場合には、該コード値の降順・昇順をもとに、出力するコンテンツデータの順番とすることもできる。
【0263】
また、コンテンツデータが連続して出力されているのを終了させる手段としては、終点部分のXY座標値に最も近いXY座標値に関連付けて登録されているコンテンツデータを出力し終えたことをもってコンテンツデータの連続出力を終えることとしても良いし、前記矩形領域に包含されるXY座標値のうち、例えば、該矩形領域の右下のXY座標に最も近いXY座標値に関連付けて登録されているコンテンツデータを出力し終えたことをもってコンテンツデータの連続出力を終えることとしても良いし、前記矩形領域に包含されているXY座標値と関連付けて登録されているコンテンツデータを全て出力し終えたことをもってコンテンツデータの連続出力を終えることとしても良い。
【0264】
次に、XY座標値と関連付けられているコンテンツデータを連続して出力範囲を指定する第二の方法について説明する。
【0265】
リンクテーブルには、所定の語句や文章、グラフィックが、同図(e)のように、それを囲むように矩形を形成し矩形内のXY座標値の最小値Xminminと最大値Xmaxmaxで矩形を示して、その最小・最大値と関連付けてコンテンツデータ登録されている。光学読取手段により矩形内のドットパターンを読み取りXY座標値に変換されると、リンクテーブルを参照して変換されたXY座標値が最小・最大値からどの矩形内であるかを判定し、関連付けられているコンテンツデータを出力する。これにより、前述の始点と終点を結ぶ直線を対角線として持つ矩形領域の中に全て納まっている、最小・最大値で示される矩形に関連付けられているコンテンツデータを連続して出力する。なお、最小・最大値で示される矩形の一部が矩形領域の中に納まっている場合も、関連付けられているコンテンツデータを連続して出力してもよい。また、最小・最大値で示される矩形の代表点を任意に定めて、前述のように代表点の位置関係で連続して出力するコンテンツデータの順番を定めてもよいし、前述した他の方法でもよい。
【0266】
(印刷媒体・副読本ついて)
図1(b)は、ドットパターンが文字、図形、記号および/または写真・イラスト(文字等)と重畳印刷された印刷媒体を説明する図である。
【0267】
印刷領域22には、所定の規則に基づいてドットを配置しコード値および/または座標値を定義するドットパターン1が重畳して印刷されており、該ドットパターン1が情報入出力装置23の光学読取手段24よって読み取られると、情報入出力装置23が備える処理手段によりドットパターンが解析され、コード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換される。
【0268】
また当該情報入出力装置23の記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、当該ドットコードが2以上のコンテンツデータと関係付けて登録されており、当該情報入出力装置1の制御手段は、当該ドットコードで当該リンクテーブルを参照して、出力手段25に対して当該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示をする。
【0269】
そして出力手段により、該ドットコードと関係付けられた2以上のコンテンツデータが該記憶手段から読み出されて、コンテンツデータは連続して出力される。
【0270】
ここで、コンテンツデータを連続して出力する方法は、先述したいずれの方法を用いても良い。
【0271】
また、印刷媒体5の印刷領域に形成されるドットパターンは、先述した、GRID1,GRID3,ストリームドットパターンのいずれであっても良い。また、記述していないが他のどのようなドットパターンであってもよい。
【0272】
さらに、情報入出力装置23が、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に有線または無線で接続された場合には、コンテンツデータの出力が当該情報処理装置の出力手段からなされることとしても良い。
【0273】
図29は、本件発明に係る、主読本と副読本を説明するための図である。
【0274】
図29(a)は、主読本として、動物の絵が印刷され、ドットパターンは印刷されていない絵本を示している。主読本としての絵本を製作する際には、通常の絵本製作するようにすればよく、特別な作業は要さない。従って、既に出版された絵本であってもよい。
【0275】
同図(b)は、前記主読本に対してそのインデックス31が印刷され、該インデックス31と重畳してドットパターン1が印刷さている小冊子状の副読本を示している。また、同図(c)は、主読本に対する副読本として、一枚のシートを用いた場合を示している。
【0276】
このように、主読本とは、例えば、小説、絵本、雑誌、教科書、辞書、聖書、写真集など様々な印刷媒体のことをいい、副読本とは、例えば、小冊子や、カード、しおり、シール、折りたたみ式の印刷媒体など、その他主読本に付随させる用途を有する印刷媒体をいう。また、副読本は主読本に挟んだり、同梱したりすることができる形状・大きさにすれば、主読本の付録として付すことができる。なお、インターネットでドットパターンを含む印刷データを送付し、プリンターで出力してもよい。
【0277】
また、主読本をそのまま縮小した印刷媒体にドットパターンを付すことにより副読本とすることもできる。
【0278】
図29(b)(c)において副読本に印刷されているインデックスは動物の絵柄であり、主読本の内容と対応したインデックスとなっている。
【0279】
これらインデックスと重畳して印刷されたドットパターンを情報入出力装置23によって読み取ると、主読本の内容に対応したコンテンツデータが出力される。
【0280】
たとえば、副読本のサルの絵柄のインデックスを読み取ると、サルの鳴き声や、サルの生態についての説明が、音声により出力される。
【0281】
このようなコンテンツデータを上記いずれかの方法を用いて連続出力させることが可能である。なお、記述していないが、上記副読本の全面に座標を重畳印刷し、それぞれの目次のどの位置を読み取るかによって、その座標ごとに関係付けられているキャラクターや、文章の途中から連続出力することもできる。
【0282】
また、印刷媒体5の印刷領域に形成されるドットパターンは、先述した、GRID1,GRID3,ストリームドットパターンのいずれであっても良い。また、記述していないが他のどのようなドットパターンであってもよい。
【0283】
さらに、情報入出力装置23が、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に有線または無線で接続された場合には、コンテンツデータの出力が当該情報処理装置の出力手段からなされることとしても良い。 図30は、小説等の文章が記載された主読本(図(a))に対して、小冊子状(図(b))及びシート状の副読本(図(c))を示した図である。
【0284】
副読本のインデックス31上に形成されたドットパターン1を、情報入出力装置23を用いて読み取ることにより、主読本の内容に対応したコンテンツ情報が、先述したいずれかの方法を用いて連続して出力される。
【0285】
たとえば、同図(b)(c)において示している、副読本の「第一章」というインデックス上のドットパターンを読み取ると、主読本の「第一章」に記載された「第一節」から「第四節」までの内容に対応したコンテンツデータが連続して出力されることとしても良い。
【0286】
また、副読本の「第三節」とういインデックス上のドットパターンを読み取ると、主読本の「第三節」から「第四節」までの内容に対応したコンテンツデータが出力されることとしても良い。また、モードを切り替えることにより、主読本の「第三節」の内容に対応したコンテンツデータのみを出力し、「第四節」の内容までは連続して出力しないこととしても良い。なお、記述していないが、上記副読本の全面に座標を重畳印刷し、それぞれの目次のどの位置を読み取るかによって、その座標ごとに関係付けられている章や節の途中から連続出力することもできる。
【0287】
なお、情報入出力装置23が、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に有線または無線で接続された場合には、コンテンツデータの出力が当該情報処理装置の出力手段からなされることとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0288】
本件発明は、連続的に出力することが有効なコンテンツデータを有する印刷媒体、例えば、小説や英会話教材、または、これらの見出しが掲載されこれらの付録として挿入される小冊子・副読本などに形成されたドットパターンが有する情報を自在に出力する用途に用いることができる。また、語学学習や台本で任意の言葉を再生するだけでなく、その言葉に続く文章を再生することができる。さらに、録音機能により会議中録音した内容を、時間やテーマ、発言者ごとに区分してコンテンツファイルに記憶して、各種リンクテーブルに関係付けを登録し、連続出力をできるものとする。
【符号の説明】
【0289】
1 ドットパターン
2 キードット
3 情報ドット
4 基準ドット
5 仮想基準点
6 第一の仮想基準線
7 第二の仮想基準線
8 第三の仮想基準線
9 第四の仮想基準線
10 サイドドット
11 ドットコードフォーマット
12 ドットコード
13 コード値
14 基準格子点ドット
15 仮想基準格子点
16 基準格子線
17 格子線
18 仮想格子点
21 印刷媒体
22 印刷領域
23 情報入出力装置
24 光学読取手段
25 出力手段
26 録音ボタン
27 始点
28 終点
29 主読本
30 副読本
31 インデックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体表面に形成されたドットパターンを読み取る光学読取手段と、
該光学読取手段により読み取られたドットパターンの画像データからドットパターンを解析して、コード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換する処理手段と、
該ドットコードとコンテンツデータを関係付けて登録するリンクテーブルおよびコンテンツデータを記憶する記憶手段と、
該処理手段により変換された該ドットコードと関係付けられた該コンテンツデータを該記憶手段から読み出して出力する出力手段と、
該光学読取手段、該処理手段、および該出力手段による動作を制御する制御手段と、を備えた情報入出力装置であって、
該記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、
少なくとも2以上のコンテンツデータが該ドットコードと関係付けて登録されており、
該制御手段は、
該ドットコードで該リンクテーブルを参照して、該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示を行い、
該出力手段は、
該指示に従って、コンテンツデータを、少なくとも二回以上、連続して出力すること
を特徴とする情報入出力装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、
前記少なくとも2以上のコンテンツデータに代えて、少なくとも1以上のコンテンツデータと前記ドットコードが関係付けて登録されており、
前記処理手段は、
前記ドットパターンを解析して、最初に出力される所定のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値と併せて、少なくとも1以上の他のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換し、
前記制御手段は、
該ドットコードにより定義された該コード値および/または座標値で該リンクテーブルを参照して、該最初に出力される所定のコンテンツデータと該少なくとも1以上の他のコンテンツデータを連続して出力をする指示を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の情報入出力装置。
【請求項3】
前記処理手段は、
前記最初に出力される所定のコンテンツデータとの関連付けを示すためのコード値および/または座標値に対しての差分値で示された前記ドットパターンを解析して、
該最初に出力される所定のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値と併せて、少なくとも1以上の他のコンテンツデータと関連付けを示すためのコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換すること
を特徴とする請求項2記載の情報入出力装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、
前記少なくとも2以上のコンテンツデータに代えて、少なくとも1以上のコンテンツデータと前記ドットコードが関係付けて登録されており、
前記記憶手段は、
さらに、所定のドットコードと、少なくとも1以上の他のドットコードを関係付けて登録するドットコード連結テーブルを記憶しており、
前記制御手段は、
前記処理手段により変換された所定のドットコードで該リンクテーブルを参照して、該所定のドットコードと関係付けてリンクテーブルに登録されているコンテンツデータを出力する指示を行うと共に、該ドットコード連結テーブルを参照して、該ドットコード連結テーブルにおいて該所定のドットコードと関係付けて登録されている該他のドットコードと関係付けて該リンクテーブルに登録されているコンテンツデータを連続して出力する指示を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の情報入出力装置。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、
前記少なくとも2以上のコンテンツデータに代えて、少なくとも1以上のコンテンツデータと前記ドットコードが関係付けて登録され、連続して出力するコンテンツデータには昇順または降順のドットコードがそれぞれ関係付けて登録されており、
前記記憶手段は、
さらに、該連続して出力するコンテンツデータを関係付けるドットコードの連続出力範囲を記憶しており、
前記制御手段は、
前記処理手段により変換されたドットコードで該連続出力範囲を参照して、該ドットコードが該連続出力範囲内であれば、該リンクテーブルを参照して、該ドットコードと関係付けてリンクテーブルに登録されている該コンテンツデータを最初に、該連続出力範囲内の昇順または降順のドットコードと関係付けてリンクテーブルに登録されている該コンテンツデータを連続して出力する指示を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の情報入出力装置。
【請求項6】
前記記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、
前記少なくとも2以上のコンテンツデータに代えて、少なくとも1以上のコンテンツデータと前記ドットコードが関係付けて登録されており、
前記記憶手段には、
該コンテンツデータがファイル名とともにコンテンツファイルに格納されて記憶されており、
該コンテンツファイルには、
該コンテンツファイル固有のファイル名と併せて、少なくとも1以上の他のコンテンツファイルを示すファイル名が格納されており、
前記制御手段は、
前記処理手段により変換されたドットコードで該リンクテーブルを参照して、該ドットコードと関係付けてリンクテーブルに登録されているコンテンツデータを出力する指示を行うと共に、該コンテンツファイルに格納されている他のコンテンファイルを示すファイル名を参照して、該他のコンテンツファイルに格納されているコンテンツでデータを連続して出力する指示を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の情報入出力装置。
【請求項7】
前記情報入出力装置は、さらに、
最初に、光学読取手段によりドットコードが定義されているドットパターンを読み取った始点を検知する始点検知手段と、
次に、光学読取手段によりドットコードが定義されているドットパターンを読み取った終点を検知する終点検知手段を備えており、
前記制御部は、
該始点から該終点までのドットコードと関連付けてリンクテーブルに記憶されている前記コンテンツデータのみを連続して出力する指示を行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の情報入出力装置。
【請求項8】
前記ドットコードには、少なくともXY座標値が定義されており、
前記制御部は、
前記始点検知手段および前記終点検知手段によって検知した始点と終点を結ぶ線を対角線とする所定の矩形領域に包含されるドットパターンによって定義されるドットコードが意味するコード値および/またはXY座標値と関連付けてリンクテーブルに記憶されている前記コンテンツ情報のみを連続して出力する指示を行うこと
を特徴とする請求項7に記載の情報入出力装置。
【請求項9】
媒体表面に形成されたドットパターンを読み取る光学読取手段と、該光学読取手段により読み取られたドットパターンの画像データからドットパターンを解析してコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換する処理手段と、該ドットコードを情報処理装置に対して送信する送信手段とを備えた情報入力装置から、該ドットコードを受信する受信手段と、
該ドットコードとコンテンツデータを関係付けて登録するリンクテーブルおよびコンテンツデータを記憶する記憶手段と、
該処理手段により変換された該ドットコードと関係付けられた該コンテンツデータを該記憶手段から読み出して出力する出力手段と、
該光学読取手段、該処理手段、該送信手段、該受信手段、および該出力手段による動作を制御する制御手段と、を備えた情報処理装置であって、
該記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、
少なくとも2以上のコンテンツデータが該ドットコードと関係付けて登録されており、
該制御手段は、
該ドットコードで該リンクテーブルを参照して、該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示を行い、
該出力手段は、
該指示に従って、コンテンツデータを、少なくとも二回以上、連続して出力すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
媒体表面に形成されたドットパターンを読み取る光学読取手段と、該光学読取手段により読み取られたドットパターンの画像データを情報処理装置に対して送信する送信手段とを備えた情報入力装置から、該画像データを受信する受信手段と、
該情報入力装置から受信した画像データからドットパターンを解析して、コード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換する処理手段と、
該ドットコードとコンテンツデータを関係付けて登録するリンクテーブルおよびコンテンツデータを記憶する記憶手段と、
該処理手段により変換された該ドットコードと関係付けられた該コンテンツデータを該記憶手段から読み出して出力する出力手段と、
該光学読取手段、該送信手段、該受信手段、該処理手段、および該出力手段による動作を制御する制御手段と、を備えた情報処理装置であって、
該記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、
少なくとも2以上のコンテンツデータが該ドットコードと関係付けて登録されており、
該制御手段は、
該ドットコードで該リンクテーブルを参照して、該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示を行い、
該出力手段は、
該指示に従って、コンテンツデータを、少なくとも二回以上、連続して出力すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
媒体表面に形成されたドットパターンを読み取る光学読取手段と、該光学読取手段により読み取られたドットパターンの画像データからドットパターンを解析してコード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換する処理手段と、該ドットコードを情報処理装置に対して送信する送信手段とを備えた情報入力装置と、
該ドットコードを受信する受信手段と、該ドットコードとコンテンツデータを関係付けて登録するリンクテーブルおよびコンテンツデータを記憶する記憶手段と、該処理手段により変換された該ドットコードと関係付けられた該コンテンツデータを該記憶手段から読み出して出力する出力手段と、該光学読取手段、該処理手段、該送信手段、該受信手段、および該出力手段による動作を制御する制御手段とを備えた情報処理装置と、を備えてなる情報入出力システムであって、
該情報処理装置の記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、
少なくとも2以上のコンテンツデータが該ドットコードと関係付けて登録されており、
該情報処理装置の制御手段は、
該ドットコードで該リンクテーブルを参照して、該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示を行い、
該情報処理装置の出力手段は、
該指示に従って、コンテンツデータを、少なくとも二回以上、連続して出力すること
を特徴とする情報入出力システム。
【請求項12】
所定の規則に基づいてドットを配置しコード値および/または座標値を定義するドットパターンが、文字、図形、記号および/または写真(以下、文字等)と重畳印刷され、そのようなドットパターンを情報入出力装置の光学読取手段により読み取らせて、該ドットパターンが意味するドットコードと関連付けて情報入出力装置の記憶手段に記憶されているコンテンツデータを、情報入出力装置の出力手段により出力させるために用いる印刷媒体であって、
該印刷媒体は、文字等が印刷された印刷領域を有し、
該印刷領域には、それぞれ異なるドットコードを意味するドットパターンが重畳印刷され、
該ドットパターンは、
情報入出力装置の処理手段により解析されると、コード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換され、
該ドットコードは、
該情報処理装置の記憶手段に記憶されているリンクテーブルに、少なくとも2以上のコンテンツデータと関係付けて登録されており、
該情報処理装置の制御手段により、該ドットコードで該リンクテーブルを参照して、該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示をさせ、
該情報処理装置の出力手段により、該指示に従って、コンテンツデータを、少なくとも二回以上、連続して出力させるために用いられることを特徴とする印刷媒体。
【請求項13】
前記印刷媒体は、
印刷媒体面上に、所定の規則にしたがって線状に連続して複数の基準ドットを配置し、
該複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線を設け、
該基準ドットおよび/または該第一の仮想基準線から所定の位置に定義される、直線および/または曲線からなる第二の仮想基準線を設け、
該第二の仮想基準線上の所定の位置に複数の仮想基準点を設け、
該仮想基準点を始点としてベクトルにより表現した終点に、該仮想基準点からの距離と方向とで情報が定義される情報ドットを配置することにより
前記ドットパターンが文字等と重畳印刷されている
ことを特徴とする請求項12に記載の印刷媒体。
【請求項14】
前記所定の規則にしたがって線状に連続して配置される複数の基準ドットは、
少なくとも前記媒体表面上に2列以上配置され、
複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線は、
該2列以上の基準ドットに対応して2以上設けられ、
基準ドットおよび/または第一の仮想基準線から所定の位置に定義される第二の仮想基準線は、
該2以上の第一の仮想基準線の間に定義されることにより、
前記ドットパターンが文字等と重畳印刷されている
ことを特徴とする請求項13記載の印刷媒体。
【請求項15】
前記印刷媒体は、
文字等が印刷された主読本のインデックスとして、少なくとも1以上の主読本の所定の部分の内容に対応する文字等および/またはアイコン化された文字等と前記ドットパターンが重畳印刷され、該ドットパターンが情報処理装置の光学読取手段により読み取られることにより、該ドットパターンが意味するドットコードと関連付けて情報処置装置の記憶手段に記憶されている該主読本の該所定の部分の内容に対応するコンテンツ情報が、情報処理装置の出力手段により出力される、該主読本に対しての副読本であることを特徴とする請求項12から請求項14いずれかに記載の印刷媒体。
【請求項16】
前記副読本は、冊子、カード、しおり、シールまたは折りたたみ式の印刷媒体である
ことを特徴とする請求項15記載の印刷媒体。
【請求項17】
光学読取手段により、媒体表面に形成されたドットパターンを読み取るステップと、
処理手段により、該光学読取手段によって読み取られたドットパターンの画像データからドットパターンを解析して、コード値および/または座標値が定義されたドットコードに変換するステップと、
出力手段により、該処理手段によって変換された該ドットコードと関係付けて記憶手段のリンクテーブルに登録されているコンテンツデータを該記憶手段から読み出して出力するステップと、を備えた情報入出力方法であって、
該記憶手段に記憶されているリンクテーブルには、
少なくとも2以上のコンテンツデータと該ドットコードが関係付けて登録されており、
該情報入出力方法は、さらに、
制御手段により、該ドットコードで該リンクテーブルを参照して、該2以上のコンテンツデータを連続して出力する指示を行うステップと、
該出力手段により、該指示に従って、コンテンツデータを、少なくとも二回以上、連続して出力するステップを備えること
を特徴とする情報入出力方法。
【請求項18】
★ストリームドット
前記ドットパターンは、所定の規則にしたがって線状に連続して複数の基準ドットを配置する工程と、該複数の基準ドットを結ぶ、直線、折れ線および/または曲線からなる第一の仮想基準線を設ける工程と、該基準ドットおよび/または該第一の仮想基準線から所定の位置に定義される、直線および/または曲線からなる少なくとも1以上の第二の仮想基準線を設ける工程と、該第二の仮想基準線上の所定の位置に複数の仮想基準点を設ける工程と、該仮想基準点を始点としてベクトルにより表現した終点に、該仮想基準点からの距離と方向とでXY座標値および/またはコード値が定義される情報ドットを配置する工程に従って配列した、ストリームドットパターンを複数並べて形成される請求項1〜8のいずれかに記載の情報入出力装置、請求項9または10記載の情報処理装置、請求項11記載の情報入出力システム、請求項12〜16のいずれかに記載の印刷媒体または請求項17に記載の情報入出力方法。
【請求項19】
★さらに基準ドットを配置
前記ストリームドットは、
第二の仮想基準線を定義するために、および/または前記ドットパターンの方向と1つのXY座標値および/またはコード値を定義するために、さらに基準となる基準ドットを所定の位置に設けた
ことを特徴とする請求項18記載の情報入出力装置、情報処理装置、情報入出力システム、印刷媒体または情報入出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2011−76594(P2011−76594A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159109(P2010−159109)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】