説明

情報入力表示装置及び制御プログラム

【課題】起動後、入力された認証情報によって認証される前に、認証情報とは異なる所定の情報を入力したり、閲覧可能に表示したりすることができる情報入力表示装置及び制御プログラムの提供。
【解決手段】情報を入力する入力部と情報を表示する表示部とを備え、起動後の認証処理によって認証された後に保護された情報へのアクセスが可能となる情報入力表示装置であって、前記入力部により入力された認証情報に基づいて認証処理を行う認証処理部と、起動後、かつ、認証処理によって認証される前に前記表示部に表示される画面において、前記認証情報とは異なる所定の情報の入力を受け付け、当該所定の情報を前記画面に表示させる入力表示制御部と、を少なくとも備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報入力表示装置及び制御プログラムに関し、特に、起動後に認証処理が実行される情報入力表示装置及び当該情報入力表示装置における情報の入力及び表示を制御する制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノート型のコンピュータ装置やタブレット端末等の表示部を備えた携帯型の装置(以下、情報入力表示装置と呼ぶ。)が普及している。このような情報入力表示装置では、セキュリティを確保するために、装置の起動時にユーザIDやパスワードなどの認証情報を入力する認証画面が表示され、認証情報によって認証された後に各種機能が使用できるようになっている。
【0003】
また、このような情報入力表示装置は、携帯していることが多いため、単に情報を表示するだけでなく、コメントやメッセージなどを入力したり、入力したコメントやメッセージを表示したりするメモ帳としての用途にも使用されるようになってきている。
【0004】
このようなコメントやメッセージの入力に関して、例えば、下記特許文献1には、事前にパスワード入力を行った後のデータ処理画面において、付箋などのコメント入力を促進させるための画面を出すことにより、決済処理を円滑に行うことを実現した電子決済処理装置が開示されている。また、下記特許文献2には、事前にパスワード入力を行った後のデータ処理画面において、上司からのコメント入力欄を用意して、処理を円滑に行うことを実現した業務進捗状況管理システムが開示されている。また、下記特許文献3には、事前にパスワード入力を行った後のデータ処理画面のデータ処理画面において、参加者IDは参加者コメント、指導者IDは指導者コメントを入力可能とし、保健指導を円滑に行うことを実現した保健指導システムが開示されている。また、下記特許文献4には、事前に登録されているユーザID/パスワード情報をサーバからメッセージとして受け取り、画面に表示することでユーザ情報の管理を行うことを実現したネットワーク中継機器が開示されている。また、下記特許文献5には、プリント注文端末上において、注文処理を行う際にデータとしてコメントを入力できるようにしたプリント生産システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−302613号公報
【特許文献2】特開2004−185160号公報
【特許文献3】特開2010−277476号公報
【特許文献4】特開2010−092185号公報
【特許文献5】特開2006−189542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、情報入力表示装置では、一般的に保護された情報へのアクセスを制限するために認証処理が行われるため、ユーザは、ユーザIDやパスワードなどの認証情報を入力して認証されるまでは、その情報入力表示装置の機能(特に、メモ帳としての機能)を使用することができない。
【0007】
そのため、認証される前にコメントやメッセージを入力することができず、利便性が悪いという問題があった。また、上記コメントやメッセージを記憶した情報入力表示装置を再度起動させた場合、認証される前にそのコメントやメッセージを表示させることができず、利便性が悪いという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、起動後、入力された認証情報によって認証される前に、認証情報とは異なる所定の情報を入力したり、閲覧可能に表示したりすることができる情報入力表示装置及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、情報を入力する入力部と情報を表示する表示部とを備え、起動後の認証処理によって認証された後に保護された情報へのアクセスが可能となる情報入力表示装置であって、前記入力部により入力された認証情報に基づいて認証処理を行う認証処理部と、起動後、かつ、認証処理によって認証される前に前記表示部に表示される画面において、前記認証情報とは異なる所定の情報の入力を受け付け、当該所定の情報を前記画面に表示させる入力表示制御部と、を少なくとも備えるものである。
【0010】
また、本発明は、情報を入力する入力部と情報を表示する表示部とを備え、起動後の認証処理によって認証された後に保護された情報へのアクセスが可能となる情報入力表示装置で動作する制御プログラムであって、前記情報入力表示装置を、前記入力部により入力された認証情報に基づいて認証処理を行う認証処理部、起動後、かつ、認証処理によって認証される前に前記表示部に表示される画面において、前記認証情報とは異なる所定の情報の入力を受け付け、当該所定の情報を前記画面に表示させる入力表示制御部、として機能させるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の情報入力表示装置及び制御プログラムによれば、起動後、入力された認証情報によって認証される前に、認証情報とは異なる所定の情報を入力したり、閲覧可能に表示したりすることができる。
【0012】
その理由は、情報入力表示装置(制御プログラム)は、電源が投入されて装置が起動してから、ユーザが入力した認証情報によって認証されるまでの間に表示される画面において、認証情報とは異なる所定の情報を入力可能にし、入力された所定の情報を表示可能にする制御を行うからである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例に係る情報入力表示装置の外観を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る情報入力表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係る情報入力表示装置を用いたコメント入力動作の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係る情報入力表示装置を用いたコメント入力動作の他の例を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る情報入力表示装置の動作を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の一実施例に係る情報入力表示装置に表示される画面の遷移例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
背景技術で示したように、ノート型のコンピュータ装置やタブレット端末等の情報入力表示装置が普及しており、情報入力表示装置をメモ帳として機能させて、コメントやメッセージを書き留めたり、表示したりするといった使い方も行われている。この情報入力表示装置では、保護された情報へのアクセスを制限するために、起動後、ユーザIDやパスワードなどの認証情報を入力する認証画面を表示して、ユーザが入力した認証情報に基づいて認証処理を行うことが一般的であるため、認証されるまでの間は、情報入力表示装置をメモ帳として使用することができない。
【0015】
ここで、認証処理は、セキュリティを確保するために必要な処理であるが、情報入力表示装置で実行する処理の中には、個人が保存した秘密文書などの保護された情報を表示したり編集したりするといったセキュリティを考慮する必要がある処理もあれば、単にコメントやメッセージを入力したり表示したりするといったセキュリティを考慮する必要のない処理もある。
【0016】
しかしながら、従来の情報入力表示装置では、実行しようとする処理がセキュリティを考慮する必要があるか否かにかかわらず、認証された後でなければいずれの処理も実行することができないため、情報入力表示装置を、思い付いたコメントを書き留めたりメッセージを表示したりするメモ帳として使用することができず、ユーザの利便性が悪いという問題があった。
【0017】
そこで、本発明の一実施の形態では、電源が投入されて装置が起動してから、入力された認証情報によって認証されるまでの間に、認証情報とは異なる所定の情報を入力できるようにし、入力された所定の情報を表示できるようにする。例えば、認証情報を入力する認証画面が表示される時に、その認証画面に、認証情報を入力する領域に加えて、認証情報とは異なる所定の情報の入力及び表示を行う領域を設け、この領域で、所定の情報の入力や表示ができるようにする。
【0018】
このように、認証される前に、認証情報とは異なる所定の情報の入力や表示ができるようにすることにより、ログインしなくても、思い付いたコメントや用件を相手に伝えるメッセージを書き込むことができ、また、受け取った側は、ログインしなくても、メッセージを読んで用件を確認することができるため、ユーザの利便性を格段に向上させることができる。
【実施例】
【0019】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る情報入力表示装置及び制御プログラムについて、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本実施例の情報入力表示装置の外観を示す図であり、図2は、情報入力表示装置の構成を示すブロック図である。また、図3及び図4は、本実施例の情報入力表示装置を用いたコメント入力動作を示す図であり、図5は、本実施例の情報入力表示装置の動作を示すフローチャート図である。また、図6は、本実施例の情報入力表示装置に表示される画面の遷移例を示す図である。
【0020】
図1に示すように、本実施例の情報入力表示装置10は、ノート型のコンピュータ装置やタブレット端末などの表示部を備えた装置であり、保護された情報へのアクセスを制限するために入力された認証情報によって認証処理が行われる装置である。この情報入力表示装置10は、図2に示すように、制御部11、表示部12、入力部13、通信部14、電源部15などで構成される。
【0021】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリと、必要に応じてHDD(Hard Disk Drive)などで構成され、CPUは、メモリやHDDから読み出したプログラムを実行し、各部の動作を制御する。メモリやHDDは、CPUで動作する各種プログラム、情報入力表示装置10の動作を制御するための設定情報(例えば、認証情報)、各種データ(例えば、文書データ)などを記憶する。
【0022】
また、上記制御部11は、入力表示制御部11a、認証処理部11bなどとしても機能する。
【0023】
入力表示制御部11aは、入力部13の電源スイッチなどが操作されて起動した後、ユーザIDやパスワードなどの認証情報によって認証される前に表示部12に表示される画面に、認証情報とは異なる所定情報(以下、コメント情報と呼ぶ。)の入力や表示を行う領域(後述するコメント情報入力/表示領域)を表示させる。
【0024】
また、入力表示制御部11aは、上記画面において情報が入力された場合に、入力された情報がユーザIDやパスワードなどの認証情報であるか、コメント情報であるかを判断する。そして、入力された情報が認証情報の場合は、その認証情報を認証処理部11bに通知し、入力された情報がコメント情報の場合は、そのコメント情報を画面上に表示したり、メモリやHDDに保存させたりする。
【0025】
認証処理部11bは、ユーザIDやパスワードなどの認証情報が入力された場合に、入力された認証情報とメモリに予め記憶されている認証情報とを比較して認証処理を行い、認証情報が一致したら、情報入力表示装置10で実行可能な処理(特に、保護された情報へのアクセス)を許可する。
【0026】
なお、コメント情報の入力や表示を行う領域を備えた画面は、コメント情報の入力や表示のための専用の画面としてもよいし、装置の起動後かつ認証される前に表示される既存の画面(例えば、起動時の初期画面や認証情報を入力する認証画面など)に上記領域を追加した画面としてもよい。
【0027】
また、上記入力表示制御部11a及び認証処理部11bはハードウェアとして構成してもよいし、制御部11を、入力表示制御部11a及び認証処理部11bとして機能させる制御プログラムとして構成し、当該制御プログラムを制御部11上で動作させる構成としてもよい。
【0028】
表示部12は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(electroluminescence)表示装置等からなり、認証される前の画面(例えば、起動時の初期画面や認証画面など)や認証された後の画面(ログインすることにより実行可能となる機能の画面、例えば、文書の表示/編集/保存を行う画面など)を表示する。
【0029】
入力部13は、電源のON/OFFを切り替えるスイッチなどの各種スイッチと、表示部12の前面又は背面に、透明電極が格子状に配置された静電容量方式のタッチパネル等からなり、タッチパネルでは、指などで接触した部分に配置された透明電極から出力される信号を制御部11に出力する。そして、認証情報やコメント情報の入力を可能にする。
【0030】
通信部14は、NIC(Network Interface Card)やモデム等からなり、有線通信や無線通信、赤外線通信によってネットワークに接続されているサーバやコンピュータ装置との通信を可能にする。
【0031】
電源部15は、情報入力表示装置10の各部を駆動するための電源を供給する電池(例えば、二次電池など)などである。
【0032】
なお、図1及び図2は、本実施例の情報入力表示装置10の一例であり、起動後かつ認証前に、コメント情報の入力や表示が可能であれば、その構成は適宜変更可能である。例えば、図2では、情報入力表示装置10をネットワークに接続するための通信部14を設けているが、USB(Universal Serial Bus)メモリなどを用いて文書データを取得する場合は、通信部14を省略することが可能である。
【0033】
また、本実施例では、ユーザIDやパスワードなどの認証情報を入力する構成とするが、指紋パターンや静脈パターンなどの生体情報を用いて認証処理を行う場合は、生体情報を読み取るセンサやパターン認識処理部を設けてもよい。また、RFID(Radio Frequency Identification)タグに記憶された認証情報を用いて認証処理を行う場合は、RFIDタグとデータ通信を行うRFIDリーダを設けてもよい。
【0034】
次に、コメント情報の入力や表示を行う領域を備えた画面について、図3及び図4を参照して説明する。なお、コメント情報の入力や表示を行う領域を備えた画面は、ログイン前の画面であり、前述したように、起動時の初期画面や認証画面などがあるが、以下では、認証画面を例にして説明する。
【0035】
図3に示すように、本実施例のログイン前の画面としての認証画面20は、ユーザIDを入力するユーザID入力欄とパスワードを入力するパスワード入力欄とを備える認証情報入力領域21を有しており、ユーザは、ソフトウェアキーボード領域23に表示されるソフトウェアキーボードなどを用いて認証情報を打ち込んだり、手書き認識領域23に認証情報を手書きしたりすることにより、ユーザID入力欄とパスワード入力欄に認証情報を入力することができる。
【0036】
また、本実施例では、上記認証画面20に、コメント情報を入力したり、入力したコメント情報を表示したりするコメント情報入力/表示領域22を設けており、ユーザは、コメント情報入力/表示領域22に直接、コメント情報を入力したり、ソフトウェアキーボード領域23に表示されるソフトウェアキーボードなどを用いてコメント情報を打ち込んだり、手書き認識領域23にコメント情報を手書きしたりすることにより、コメント情報を入力することができ、入力されたコメント情報をコメント情報入力/表示領域22に表示することができる。
【0037】
なお、図3は例示であり、その構成は適宜変更可能である。例えば、図3では、ソフトウェアキーボード領域(手書き認識領域)23を設けているが、入力部13としてハードウェアのキーボードを備えている場合は、ソフトウェアキーボード領域23は省略することができる。
【0038】
また、図3では、認証情報入力領域21にユーザID入力欄とパスワード入力欄とを設けているが、ユーザID入力欄を省略してパスワード入力欄のみを設け、パスワードのみで認証処理を行う構成としてもよい。また、図3では、ユーザID入力欄やパスワード入力欄を認証画面20上に明示しているが、ユーザIDやパスワードなどの認証情報を表示させる必要がない場合は、ユーザID入力欄やパスワード入力欄は認証画面20上に明示しなくてもよい。
【0039】
また、図3では、認証情報入力領域21とコメント情報入力/表示領域22を分離して配置しているが、認証情報入力領域21とコメント情報入力/表示領域22はオーバーラップさせることも可能である。この場合、図4に示すように、手書きで入力した場合は、コメント情報入力/表示領域22が最前面(左側の画面)になり、ソフトウェアキーボードを用いて入力した場合は、認証情報入力領域21が最前面(右側の画面)になるようにすればよく、この制御は、入力表示制御部11aが自動的に表示を切り替えることによって実現することができる。
【0040】
また、認証画面20の全ての領域をコメント情報入力/表示領域22にすることも可能である。この場合、手書きで入力した場合は、自動的にコメント情報入力/表示画面に移行し、ソフトウェアキーボードや他の認証デバイス(例えば、生体情報を読み取るセンサやRFIDタグの認証情報を読み取るRFIDリーダなど)を操作した場合は、自動的に認証情報入力画面に移行するようにすればよく、この制御は、入力表示制御部11aが自動的に画面を切り替えることによって実現することができる。
【0041】
上記の場合において、ユーザID入力欄やパスワード入力欄にコメント情報が手書きされた場合は、パスワード設定時に、手書きされたコメント情報を画面上から一時的に消去することも可能である。
【0042】
以下、本実施例の情報入力表示装置10の動作について、図5のフローチャート図を参照して説明する。なお、以下では、図3の認証画面20が表示されている状態でコメント情報の入力/表示を行う場合について説明する。
【0043】
まず、ユーザが入力部13を操作して(電源スイッチをONにして)、情報入力表示装置10を起動すると、情報入力表示装置10の制御部11(入力表示制御部11a)は、表示部12に図3に示すような認証画面20を表示させる。ここで、従来の認証画面は、ユーザIDやパスワードなどの認証情報しか入力することができないが、本実施例では、認証画面20にコメント情報入力/表示領域22を設けているため、認証情報とは異なるコメント情報を入力することができる。
【0044】
そして、制御部11(入力表示制御部11a)は、コメント情報が入力されたかを判断し(S101)、コメント情報が入力された場合は、入力されたコメント情報を認証画面20上のコメント情報入力/表示領域22に表示し(S102)、必要に応じて、入力されたコメント情報に任意のファイル名(例えば、入力した日時やコメント情報から抜き出した文字からなるファイル名)を付与して、メモリ(好ましくは不揮発性のメモリ)に保存する。
【0045】
次に、入力表示制御部11aは、ユーザIDやパスワードなどの認証情報が入力されたかを判断し(S103)、認証情報の入力がなければ、S101に戻って同様の処理を繰り返す。一方、認証情報の入力があった場合、従来は認証されるまでの間、他の処理を実行することができないが、本実施例では、認証されるまでの間もコメント情報入力/表示領域22にコメント情報を入力することができる。
【0046】
そして、入力表示制御部11aは、コメント情報が入力されたかを判断し(S104)、コメント情報が入力された場合は、入力されたコメント情報を認証画面20上のコメント情報入力/表示領域22に表示し(S105)、必要に応じて、入力されたコメント情報に任意のファイル名(例えば、入力した日時やコメント情報から抜き出した文字からなるファイル名)を付与して、メモリ(好ましくは不揮発性のメモリ)などに保存する。
【0047】
次に、制御部11(認証処理部11b)は、入力された認証情報とメモリに予め記憶された認証情報とを比較して、認証情報が正しいかを判断し(S106)、認証情報が正しくなければ、S101に戻って同様の処理を繰り返す。一方、認証情報が正しい場合は、許可された画面(例えば、文書の初期画面など)を表示する(S107)。そして、ユーザは、上記画面で各種処理を行った後、電源をOFFにして情報入力表示装置10を立ち下げる。
【0048】
その後、再度電源をONにして情報入力表示装置10を起動した場合、最初に表示される画面のコメント情報入力/表示領域には、何も表示せずに新たなコメント情報の入力ができるようにすることもできるし、不揮発性のメモリに保存したコメント情報を読み出して表示することもできる。
【0049】
このように、装置の起動後、入力された認証情報によって認証される前のどのような段階であっても、コメント情報を入力することができるため、思い付いたコメントや相手に伝えるメッセージを簡単に書き込むことができる。そして、メッセージを書き込んだ情報入力表示装置10を受け取ったユーザは、ログインしなくてもメッセージを確認することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、コメント情報を不揮発性のメモリに保存する構成では、情報入力表示装置10の電源をOFFにした場合でも、再起動後の画面にコメント情報を表示することができるため、更に、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0050】
なお、上記フローでは、認証画面20が表示されている状態で、コメント情報の入力/表示を行う構成としたが、入力された認証情報によって認証される前(つまり、許可画面の表示に移行する前)であれば、どのような画面が表示されている状態であってもコメント情報の入力/表示を行うことができる。以下、許可画面に移行する前に複数の画面が表示される場合を例にして説明する。
【0051】
図6は、情報入力表示装置10の表示部12に表示される画面の遷移例を示している。OS(Operating System)としてWindows(登録商標)がインストールされている場合、情報入力表示装置10の電源スイッチをONにすると、まず、(1)の起動初期画面(ロゴ表示画面)が表示される。この起動初期画面は、システムの立ち上げ時に表示される画面であり、システムの立ち上げ時には、システムを構成する主要なプログラムが実行されるが、その際、入力表示制御部11aとして機能する制御プログラムを先行して立ち上げることで、コメント情報の入力/表示が可能になる。また、表示に特化したデバイス(例えば、ブギーボード)を表示部12に重ねて配置することで、システムの立ち上がりに関係なく、コメント情報の入力/表示を行うことができる。
【0052】
次に、システムの起動が完了すると、(2)の認証画面が表示される。この認証画面が表示されている状態(認証情報の入力前や入力された認証情報によって認証される前)においても、コメント情報の入力/表示が可能になることは、図5のフローチャート図で説明した通りである。
【0053】
次に、入力された認証情報によって認証されると、(3)のメイン処理画面(任意のアプリケーションが動作可能な画面)が表示される。このメイン処理画面が表示されている状態では、従来通り、メモ帳などのアプリケーションを起動させることにより、コメント情報の入力/表示が可能になる。
【0054】
また、(2)の認証画面や(3)のメイン処理画面で入力部13を操作しない状態が所定時間継続すると、画面の焼き付きを防止するために、(4)のスクリーンセーバー画面が表示される場合がある。このスクリーンセーバー画面でAnyキーを押下したり、マウスを動かしたり、タッチパネルをタッチしたりすると、(2)の認証画面や(3)のメイン処理画面に移行し、再度、コメント情報の入力/表示が可能になる。
【0055】
また、(4)のスクリーンセーバー画面上で直接、コメント情報の入力/表示を行うことも可能である。その場合は、例えば、ShiftキーをAnyキーから除外し、Shiftキーが押下された時にコメント情報入力/表示領域22が表示されるようにしておけば、コメント情報の入力/表示が可能になる。また、スクリーンセーバーが、表示スクロールタイプの場合は、Shiftキーで一時的に表示をポーズさせて、コメント情報入力/表示を優先させることも可能である。
【0056】
なお、各画面で入力したコメント情報は、画面遷移後、元に戻った時に再度、表示することも可能である。例えば、(2)の認証画面で”AAA”という情報を入力した場合、その情報をメモリに保存しておくことにより、(4)のスクリーンセーバー画面に移行後、(2)の認証画面に戻った時に、メモリから情報を読み出すことにより、”AAA”という情報を表示することができる。更に、各画面で入力したコメント情報を不揮発性メモリに保存することにより、再度、(1)の起動初期画面や(2)の認証画面が表示される時に、記憶したコメント情報を表示することができる。
【0057】
このように、本実施例の情報入力表示装置10(制御プログラム)は、装置の起動後、かつ、入力された認証情報によって認証される前の任意の画面(起動初期画面や認証画面、スクリーンセーバー画面など)において、画面上にコメント情報入力/表示領域22を設け、入力された情報がコメント情報であればコメント情報入力/表示領域22に表示する制御を行うため、情報入力表示装置10をメモ帳として使用することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
【0059】
例えば、上記実施例では、コメントやメッセージなどの文字情報を入力する場合について説明したが、入力する情報は文字情報に限定されず、図形や絵などの画像情報であってもよい。
【0060】
また、上記実施例では、装置の起動後、認証される前にコメント情報の入力/表示処理を可能にする構成について記載したが、可能となる処理はコメント情報の入力/表示処理に限定されず、保護された情報へのアクセスを必要としない任意の処理に対しても同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、保護された情報へのアクセスを制限するための認証処理を必要とする情報入力表示装置、及び、当該情報閲覧装置で動作する制御プログラムに利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 情報入力表示装置
11 制御部
11a 入力表示制御部
11b 認証処理部
12 表示部
13 操作部
14 通信部
15 電池
20 認証画面
21 認証情報入力領域
22 コメント情報入力/表示領域
23 ソフトウェアキーボード領域(手書き認識領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を入力する入力部と情報を表示する表示部とを備え、起動後の認証処理によって認証された後に保護された情報へのアクセスが可能となる情報入力表示装置であって、
前記入力部により入力された認証情報に基づいて認証処理を行う認証処理部と、
起動後、かつ、認証処理によって認証される前に前記表示部に表示される画面において、前記認証情報とは異なる所定の情報の入力を受け付け、当該所定の情報を前記画面に表示させる入力表示制御部と、を少なくとも備える、
ことを特徴とする情報入力表示装置。
【請求項2】
前記画面は、前記認証情報を入力する領域と、前記所定の情報を入力し表示する領域と、を有する認証画面である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報入力表示装置。
【請求項3】
前記画面は、前記認証情報を入力する領域を有する認証画面から遷移する画面である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報入力表示装置。
【請求項4】
前記入力表示制御部は、入力された前記所定の情報を記憶部に記憶し、前記画面を再度表示させた時に、前記所定の情報を前記記憶部から読み出して、前記画面に表示させる、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の情報入力表示装置。
【請求項5】
前記入力表示制御部は、入力された前記所定の情報を不揮発性の記憶部に記憶し、前記情報入力表示装置を再度起動させた時に、前記所定の情報を前記不揮発性の記憶部から読み出して、前記画面に表示させる、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の情報入力表示装置。
【請求項6】
情報を入力する入力部と情報を表示する表示部とを備え、起動後の認証処理によって認証された後に保護された情報へのアクセスが可能となる情報入力表示装置で動作する制御プログラムであって、
前記情報入力表示装置を、
前記入力部により入力された認証情報に基づいて認証処理を行う認証処理部、
起動後、かつ、認証処理によって認証される前に前記表示部に表示される画面において、前記認証情報とは異なる所定の情報の入力を受け付け、当該所定の情報を前記画面に表示させる入力表示制御部、として機能させる、
ことを特徴とする制御プログラム。
【請求項7】
前記画面は、前記認証情報を入力する領域と、前記所定の情報を入力し表示する領域と、を有する認証画面である、ことを特徴とする請求項6に記載の制御プログラム。
【請求項8】
前記画面は、前記認証情報を入力する領域を有する認証画面から遷移する画面である、ことを特徴とする請求項6に記載の制御プログラム。
【請求項9】
前記情報入力表示装置に記憶部を備え、
前記入力表示制御部は、入力された前記所定の情報を前記記憶部に記憶し、前記画面を再度表示させた時に、前記所定の情報を前記記憶部から読み出して、前記画面に表示させる、ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一に記載の制御プログラム。
【請求項10】
前記情報入力表示装置に不揮発性の記憶部を備え、
前記入力表示制御部は、入力された前記所定の情報を前記不揮発性の記憶部に記憶し、前記情報入力表示装置を再度起動させた時に、前記所定の情報を前記不揮発性の記憶部から読み出して、前記画面に表示させる、ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一に記載の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−3960(P2013−3960A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136306(P2011−136306)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】