説明

情報入力装置、情報入力方法、およびコンピュータプログラム

【課題】限られた表示領域を有効に活用して、表示領域に所定の情報を表示しつつ、その後の情報入力を補助するための表示を行って、ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】以下の処理を行う。まず、入力された文字情報を表すための入力窓1012と、過去に入力された文字情報を入力されるべき文字情報の候補として表示させるための操作を示す履歴ボタン6012と、を並べて表示する。文字情報の候補が表示された後に、履歴ボタン6012をより狭い幅で、入力窓1012とともに並べて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示領域に所定の情報を表示しつつ、その後の情報入力を補助するための表示を行って、ユーザに情報の入力を行わせるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話などの小型のディスプレイを有する機器において、画面に表示された入力窓に情報を入力するための技術が存在する。たとえば、ある従来技術においては、文字入力にあたり予測変換を行う際に、変換候補となる文字類の文字数が多すぎて文字が見難くなる場合や、文字類の表示が不可能になる場合には、表示画面上の一部(または全て)の文字サイズを変更して、変換候補をユーザーらが見やすい形式に変更調整して表示を行う(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−60767号公報
【0004】
上記の技術においては、ユーザがキーを介して直接、文字入力を行っている際には、予測候補が表示されてはいない。しかし、ユーザが文字入力を行っている画面領域の下方に、文字列の1行分に相当するスペースを使用して、「予測」、「変換」という文字とともにアイコンが表示される。ユーザは、これらの文字表示およびアイコンによって示された操作を行うことにより、画面上に予測候補を表示させることができる。しかし、文字入力を行うための画面において、この候補を表示させるための文字表示およびアイコンが、常に一部を占有しているため、ユーザが入力した文字を表示するための領域や他の表示を行うための領域が、狭くなっている。
【0005】
このような問題は、携帯電話に限らず、限られた表示領域において、過去に入力した情報などの所定の情報を表示しつつ、その後の情報入力を補助するための表示をも行う場合に、広く存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願に係る発明は、上記の課題の少なくとも一部を取り扱うためのものであり、限られた表示領域を有効に活用して、表示領域に所定の情報を表示しつつ、その後の情報入力を補助するための表示を行って、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、その一態様として、以下のような情報入力装置において、所定の処理を行う。第1の態様の情報入力装置は、ユーザが操作して文字情報を入力するための入力部と、前記入力部を介して入力された文字情報を後に入力されるべき文字情報の候補として記憶する記憶部と、画像を表示する表示部と、前記表示部および前記記憶部を制御する制御部と、を備える。
【0008】
前記制御部は、前記入力部を介して入力された文字情報を表すための文字表示部と、前記入力されるべき文字情報の候補を表示させるための操作を示す操作表示部と、を並べて前記表示部に表示させる第1の機能と、前記操作が行われ前記文字情報の候補が表示された後に、前記操作表示部を前記第1の機能における幅よりも狭い幅で、前記文字表示部とともに並べて表示する第2の機能と、を備える。
【0009】
このような態様とすれば、いったんユーザが文字情報の候補を表示させた後において、より小さい大きさで操作表示部を表示することにより、操作表示部と並んで表示される文字表示部に関して、以下の効果が得られる。すなわち、操作表示部の大きさが一定である態様に比べて、操作表示部に邪魔されることなくより多くの文字を文字表示部に表示することができる。また、ユーザはすでに文字情報の候補を表示させているため、文字情報の候補を表示させるための操作を示す操作表示部の大きさが小さくなっても、その操作がユーザにわからなくなる可能性は低い。よって、上記の態様によれば、限られた表示領域を有効に活用して、表示領域に所定の情報を表示しつつ、その後の情報入力を補助するための表示を行って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0010】
第2の態様の情報入力装置は、第1の態様の情報入力装置であって、前記制御部の第2の機能が、前記文字情報の候補が表示され、前記候補の中から前記文字情報が選択されて前記情報入力装置に入力された場合に、前記操作表示部を前記第1の機能における幅よりも狭い幅で表示する機能である、情報入力装置である。
【0011】
このような態様においては、操作表示部の大きさが小さくなる前に、ユーザはすでに文字情報の候補を表示させ、その中から文字情報を選択して入力している。このため、その後、操作表示部の大きさが小さくなっても、文字情報の候補を表示させるための操作がユーザにわからなくなる可能性はより低い。よって、上記の態様によれば、文字情報の候補を表示させるための操作がユーザにわからなくなる可能性を低く抑えつつ、多くの文字を文字表示部に表示することができる。
【0012】
第3の態様の情報入力装置は、第1の態様の情報入力装置であって、前記制御部の第2の機能が、前記文字情報の候補が表示された場合に、前記候補からの選択の有無によらず、前記操作表示部を前記第1の機能における幅よりも狭い幅で表示する機能である、情報入力装置である。
【0013】
このような態様においては、ユーザが文字情報の候補を選択した後においてはじめて、より小さい大きさで操作表示部を表示する態様に比べて、より早い段階で、小さい大きさで操作表示部を表示する。このため、早い段階で、操作表示部に邪魔されることなくより多くの文字を文字表示部に表示することができる。
【0014】
前記制御部の第2の機能は、前記操作が行われ前記文字情報の候補が表示された後に、前記操作表示部を前記並びの方向について前記第1の機能における幅よりも狭い幅で、前記文字表示部とともに並べて表示する機能であることが好ましい。
また、前記文字表示部と前記操作表示部の前記並びの方向は、前記文字表示部において表示される前記文字情報の並びの方向とすることができる。
【0015】
そのような態様とすることで、操作表示部に邪魔されることなくより多くの文字を文字表示部に表示することができる。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様として、以下のような情報入力装置を採用することもできる。その情報入力装置は、
ユーザが操作して文字情報を入力するための入力部と、
前記入力部を介して入力された文字情報を記憶する記憶部と、
情報を表示する表示部と、
前記表示部および前記記憶部を制御する制御部と、を備える。
【0017】
前記制御部は、
前記入力部を介して入力された1組以上の文字情報を第1の方向に沿って表すための文字表示部と、前記情報入力装置に入力されるべき文字情報の候補としての1組以上の文字情報を表示させるための操作を示す操作表示部と、を前記第1の方向に並べて前記表示部に表示させ、
前記入力部を介して前記操作表示部に対応する操作が行われた場合には、前記候補としての1組以上の文字情報を前記表示部に表示させ、
前記入力部を介して前記候補としての文字情報のうちの一組を指定された場合には、前記指定された文字情報を入力される。
【0018】
このような態様においては、表示部内において文字表示部と操作表示部が第1の方向に並べて表示される。このため、表示部内の第1の方向に垂直な第2の方向に位置する領域には、他の表示を行うことができる。よって、表示部の限られた表示領域を有効に活用して、入力済みの文字情報を表す文字表示部や他の表示を表示しつつ、その後の情報入力を補助するための操作表示部を行って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0019】
なお、候補としての1組以上の文字情報が複数組、存在する場合には、各組の文字情報は、第1の方向と垂直な方向に並べて表示されることが好ましい。また、第1の方向に垂直な第2の方向は、表示をスクロールさせる方向であることも好ましい。
【0020】
また、本明細書において「文字」とは、言語を表記するためのいわゆる「文字」に限らず、(a)「1」,「2」,「5」,「I」,「II」,「V」などの数字、(b)「+」、「−」、「×」、「*」、「$」、「#」、「(」、「{」などの記号、(c)「○」、「△」、「◎」などの言語を表記するための文字とともに所定の方向に並べて表示される図形、を含む概念である。したがって、本明細書においては、たとえば、数式を表す情報も「文字情報」に含まれる。
【0021】
なお、前記制御部は、前記表示部を制御して前記文字表示部と前記操作表示部を表示する際には、
まず、前記文字表示部を前記第1の方向について第1の幅で表示させ、前記操作表示部を前記第1の方向について第2の幅で表示させる、第1の処理を実行し、
その後、前記文字表示部を前記第1の方向について前記第1の幅よりも広い第3の幅で表示させ、前記操作表示部を前記第1の方向について前記第2の幅よりも狭い第4の幅で表示させる、第2の処理を実行することが好ましい。
【0022】
このような態様とすれば、まず、広い幅を使用して、操作表示部の機能をユーザに分かりやすく伝えられるように操作表示部を表示し、その後は、ユーザによって入力された文字情報を第1の処理よりも広い範囲を使用してより多く文字表示部内に示すことができる。
【0023】
また、前記制御部が、前記第1の処理を実行した後に前記入力部が操作されてから、所定の事象が起こったことをきかっけとして前記第2の処理を実行する態様とすることもできる。
【0024】
ユーザが入力部を操作した場合は、ユーザは、表示部に表示の機能をひととおり理解した可能性が高い。よって、上記のような態様とすれば、ユーザが、操作表示部の機能を理解したと推定できる状況下において、ユーザによって入力された文字情報を第1の処理よりも広い範囲を使用してより多く文字表示部内に示すことができる。
【0025】
なお、前記所定の事象は、前記入力部を介して前記候補としての文字情報のうちの一組を指定されたこととすることができる。
【0026】
ユーザが入力部を操作して実際に文字情報の候補を指定した場合は、ユーザは、表示部に表示の機能をひととおり理解した可能性がより高い。よって、上記のような態様とすれば、ユーザが、操作表示部の機能を理解したと推定できる状況下において、ユーザによって入力された文字情報を第1の処理よりも広い範囲を使用してより多く文字表示部内に示すことができる。
【0027】
なお、上記のような第1の処理の後に第2の処理を行う態様において、前記制御部は、
前記表示部を制御して前記第1の処理を実行する場合には、所定のマークと所定の文字列とを含む表示を、前記操作表示部として表示させ、
前記表示部を制御して前記第2の処理を実行する場合には、前記所定の文字列を含まず前記所定のマークを含む表示を、前記操作表示部として表示させることが好ましい。
【0028】
このような態様とすれば、まず、マークと文字列によって、操作表示部の機能をユーザに分かりやすく伝え、その後は、マークによって操作表示部の機能をユーザに思い出させつつ、ユーザによって入力された文字情報を第1の処理よりも広い範囲を使用して文字表示部内に示すことができる。
【0029】
なお、本明細書において、「マーク」とは、図形を含む概念として使用される。
【0030】
また、前記制御部は、
前記入力部を介して入力された文字情報を前記文字表示部内に示さない第1の場合に、前記表示部を制御して、前記文字表示部を前記第1の方向について第1の幅で表示させ、前記操作表示部を前記第1の方向について第2の幅で表示させる、第1の処理を実行し、
前記入力部を介して入力された文字情報を前記文字表示部内に示す第2の場合に、前記表示部を制御して、前記文字表示部を前記第1の方向について前記第1の幅よりも広い第3の幅で表示させ、前記操作表示部を、前記第1の方向について前記第2の幅よりも狭い第4の幅で表示させる、第2の処理を実行する、態様とすることも好ましい。
【0031】
このような態様とすれば、まだ文字情報が入力されていない状態(第1の場合)においては、広い幅を使用して、操作表示部の機能をユーザに分かりやすく伝えられるように操作表示部を表示することができる。そして、文字情報が入力された状態(第2の場合)においては、ユーザによって入力された文字情報を第1の処理よりも広い範囲を使用してより多く文字表示部内に示すことができる。
【0032】
また、前記制御部は、
前記入力部を介して入力された文字情報を前記文字表示部内に示すべき第1の場合に、前記表示部を制御して、前記文字表示部を前記第1の方向について第1の幅で表示させ、前記操作表示部を前記第1の方向について第2の幅で表示させる、第1の処理を実行し、
前記入力部を介して入力された文字情報であって、第1の場合よりも文字数が多い文字情報を前記文字表示部内に示すべき第2の場合に、前記表示部を制御して、前記文字表示部を前記第1の方向について前記第1の幅よりも広い第3の幅で表示させ、前記操作表示部を、前記第1の方向について前記第2の幅よりも狭い第4の幅で表示させる、第2の処理を実行する、ことも好ましい。
【0033】
このような態様においては、文字表示部内に表示すべき文字数が多い場合には、操作表示部を狭く表示して、文字表示部を広く表示する。このため、文字表示部の幅が変わらない態様に比べて、ユーザに対してより多くの文字情報を、状況に応じて文字表示部内に示すことができる。
【0034】
なお、前記第2の場合は、前記文字表示部を前記第1の方向について前記第1の幅で表示させた状態では、前記第1の場合と同じ文字の大きさで、前記第1の場合よりも文字数が多い文字情報を前記文字表示部内にすべて表示することができない場合とすることができる。
【0035】
このような態様においては、文字表示部の幅が変わらない態様に比べて、ユーザに対してより多くの文字情報を、操作表示部に妨げられずに文字表示部内に示すことができる。
【0036】
また、上記の条件に応じて第1と第2の処理を実行する態様において、前記制御部は、
前記表示部を制御して前記第1の処理を実行する場合には、所定のマークと所定の文字列とを含む表示を、前記操作表示部として表示させ、
前記表示部を制御して前記第2の処理を実行する場合には、前記所定の文字列を含まず前記所定のマークを含む表示を、前記操作表示部として表示させることが好ましい。
【0037】
このような態様とすれば、文字表示部を狭い幅で行っても差し支えない状況下では、マークと文字列によって、操作表示部の機能をユーザに分かりやすく伝えることができる。そして、文字表示部をより広い幅で行うことが望ましい状況下では、マークによって操作表示部の機能をユーザに暗示しつつ、ユーザによって入力された文字情報を第1の処理よりも広い範囲を使用して文字表示部内に示すことができる。なお、マークは、候補を表示することを示すようなものであることが好ましい。一方、マークは、操作表示部がなんらかの処理を行うためのものであることのみを示す形状であってもよい。
【0038】
前記候補としての1組以上の文字情報は、前記入力部を介して過去に入力された1組以上の文字情報を含む態様とすることができる。
【0039】
このような態様とすれば、ユーザは、過去に入力した文字情報と同じ文字情報を簡易な操作で情報入力装置に入力することができる。
【0040】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、情報入力装置、情報入力方法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
A.第1実施例:
図1は、本発明の第1実施例である経路探索システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施例の経路探索システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、時刻表サーバ170と、携帯電話200と、を含む。
【0042】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0043】
GPSユニット201は、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す現在位置情報を生成することができる。
【0044】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。本明細書においては、画像、音声、振動を出力する装置202〜204を、まとめて「出力部」と呼ぶことがある。
【0045】
通信部205は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100および地図サーバ150と通信を行い、情報を送受信することができる。コマンド入力部206は、テンキー206aとカーソルキー206bとを含む。ユーザは、テンキー206aとカーソルキー206bを介して携帯電話200に情報を入力する。
【0046】
テンキー206aは、数字、文字、記号を入力するためのキーである。なお、本明細書においては、テンキー206aには、いったん携帯電話200に入力された情報を削除する操作を行うための「削除」キーをも含むものとする。
【0047】
カーソルキー206bは、円形のキーである。カーソルキー206bの上側部分、下側部分、左側部分、右側部分、中央部分が押されることによって、それぞれ異なる指示が携帯電話200に入力されることができる。カーソルキー206bは、たとえば、表示パネル202の画面上で暫定的に行われている選択の対象(表示)を、上下左右に隣接する他の対象に変更するために使用される。
【0048】
時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0049】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU231、RAM232、ROM233を備えている。たとえば、主制御部210は、CPU231でアプリケーションソフトウェア212を実行することによって携帯電話200の各部を制御し、各種の機能を奏する。
【0050】
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。経路探索サーバ100は、インターネットINTを介して地図サーバ150、時刻表サーバ170および携帯電話200と通信を行うことができる。経路探索サーバ100は、携帯電話200から受け取った出発地、経由地、目的地などのデータに基づいて、経路の探索を行う。そして、探索された経路において使用される路線の列車の発車時刻、到着時刻を時刻表サーバ170に問い合わせる。それらの情報を時刻表サーバ170から得た後、経路探索サーバ100は、列車の発車時刻、到着時刻を含めた経路データを携帯電話200に送信する。
【0051】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。地図サーバ150は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100や携帯電話200と通信を行うことができる。地図サーバ150は、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて携帯電話200が要求する領域の地図を表す地図画像データを携帯電話200に送信する。
【0052】
時刻表サーバ170は、通信部172と、制御部174と、時刻表データベース176とを有している。時刻表サーバ170は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100と通信を行うことができる。時刻表サーバ170は、経路探索サーバ100から受け取ったデータに基づいて、特定の駅、特定の路線、かつ特定の時刻近傍の列車の発車時刻の情報、ならびにその列車の停車駅、およびその停車駅の停車時刻および発車時刻の情報を含むデータを作成し、経路探索サーバ100に送信する。
【0053】
図2は、テンキー206aとカーソルキー206bを介してユーザが携帯電話200に乗車駅、下車駅または経由駅の情報を入力する際の主制御部210の処理を示すフローチャートである。主制御部210は、まず、表示パネル202上に、入力窓と履歴ボタンとを含む各種の表示を行う(ステップS10)。
【0054】
図3は、ステップS10における表示パネル202上の表示を示す図である。表示パネル202上には、入力窓1012,1014,1016、2012,3012,3014が表示される。表示パネル202上には、また、ラジオボタン5012,5014,5016,5018も表示される。なお、本明細書においては、ラジオボタン5012,5014,5016,5018を、まとめてラジオボタン群5010と表記することがある。
【0055】
表示パネル202上には、さらに、履歴ボタン6012,6014,6016、第1の検索ボタン7012、および第2の検索ボタン8012が表示される。そして、表示パネル202の右端には、スケール9012が表示される。
【0056】
図3に示すように、入力窓1012と履歴ボタン6012、入力窓1014と履歴ボタン6014、入力窓1016と履歴ボタン6016は、それぞれ横方向Dhに沿って並べて表示される。一方、入力窓1012と履歴ボタン6012、入力窓1014と履歴ボタン6014、入力窓1016と履歴ボタン6016の各組は、縦方向Dvに沿って並べて表示される。
【0057】
また、入力窓2012、第1の検索ボタン7012、入力窓3012,3014、ラジオボタン群5010および第2の検索ボタン8012は、入力窓と履歴ボタンの組み合わせ(図3の1012,6012,1014,6014,1016,6016)に対して下方の位置に、縦方向Dvに沿ってその順に並べて表示される。
【0058】
入力窓1012,1014,1016,2012,3012,3014は、ユーザが入力する情報の種類を指定し、かつ、ユーザが入力した文字情報を表示するための表示である。
【0059】
入力窓1012が指定された状態でユーザによって入力される文字情報は、乗車駅の名前を指定する文字情報である。入力窓1012が指定された状態で入力された文字情報は、入力窓1012に表示される。
【0060】
なお、入力窓、履歴ボタンまたは検索ボタンが暫定的に指定されている状態においては、その入力窓、履歴ボタンまたは検索ボタンは、外輪郭が太く表示される。図3の例においては、入力窓1012が暫定的に指定されている。この状態においてコマンド入力部206を中央部が押されると、暫定的に指定されている入力窓やボタンが正式に指定される。なお、入力窓が正式に指定された場合には、別途の入力用の画面(図示せず)が表示される。
【0061】
同様に、入力窓1014が指定されている状態で入力される文字情報は、下車駅の名前を指定する文字情報である。入力窓1014が指定されている状態で入力された文字情報は、入力窓1014に表示される。さらに、入力窓1016は、経由駅の文字情報を入力し、表示するための表示である。入力窓1014,1016の機能は、入力窓1012と略同様である。
【0062】
入力窓2012は、検索する列車の発車時刻を指定するための表示である。より具体的には、ユーザは、入力窓2012を使用して、現在時刻から何分後に入力窓1012で指定した駅を発車する列車を検索するのかを指定する。図3の状態では、「0」が指定されている。入力窓2012には、ユーザが何も指定しない状態では、「0」が入力される。入力窓2012を使用して列車の発車時刻を指定する場合には、第1の検索ボタン7012が押される。
【0063】
入力窓3012,3014も、検索する列車に関する時刻を指定するための表示である。より具体的には、ユーザは、入力窓3012を使用して日を指定する。図3の状態では、「2008年2月14日」が指定されている。そして、ユーザは、入力窓3014を使用して、入力窓3012で指定した日の時刻を指定する。図3の状態では、「14時36分」が指定されている。なお、入力窓3012,3014には、ユーザが何も指定しない状態では、現在時刻が入力される。
【0064】
ラジオボタン群5010に含まれるラジオボタン5012,5014,5016,5018は、そのうちの一つがONとされたときには、他のラジオボタンはすべてOFFとされるように構成されている。ラジオボタン5012,5014は、入力窓3012,3014で指定した日時が、列車の出発時刻であるのか(ラジオボタン5012がON)、到着時刻であるのか(ラジオボタン5014がON)を指定するためのボタンである。
【0065】
ラジオボタン5016がONとされた場合には、入力窓3012で指定した日に、入力窓1012,1014,1016で指定した乗車駅、下車駅、経由駅を通る最終列車が検索される。そして、ラジオボタン5018がONとされた場合には、入力窓3012で指定した日に、それら乗車駅、下車駅、経由駅を通る始発列車が検索される。なお、具体的にそれらの列車の検索の処理を行うのは、経路探索サーバ100および時刻表サーバ170である。
【0066】
入力窓3012,3014、ラジオボタン5012,5014,5016,5018を使用して列車を検索する場合には、第2の検索ボタン8012が押される。
【0067】
なお、表示パネル202上に表示されている各種のボタンは、ユーザがカーソルキー206b(図1参照)の上下左右部分を押してそのボタンを指定し、カーソルキー206bの中央部分を押すことで、「ON」とされる。なお、本明細書では、表示パネル202上に表示されている各種のボタンが「ON」にされることを、「ボタンが押される」とも表記する。
【0068】
なお、カーソルキー206bの上側部分や下側部分が押されることによって、左右方向Dhに入力窓と履歴ボタンが並んで表示されている行部分(たとえば、図3において、入力窓1014と履歴ボタン6014が並んで表示されている行部分)にカーソルが移動した場合には、暫定的に入力窓が選択された状態となる。そして、その状態からカーソルキー206bの右側部分が押されることによって、履歴ボタンが暫定的に選択される。
【0069】
図3に示す履歴ボタン6012は、ユーザが乗車駅を指定する文字情報を入力する際に、過去に入力した文字情報を提示させるためのボタンである。図3の状態において、履歴ボタン6012は、「履歴」という文字表示6032と、右向きの黒い三角形のマーク6042とを含む。
【0070】
「履歴」という文字表示6032と右向きの黒い三角形のマーク6042は、履歴ボタン6012の左隣に並んで表示されている入力窓1012が暫定的に選択されている状態から(図3参照)、カーソルキー206bの右側部分を押すことによって、ユーザが、履歴ボタン6012を暫定的に選択できることを示す。なお、履歴ボタン6012が暫定的に選択された状態からカーソルキー206bの中央部分を押されることによって、履歴ボタン6012が確定的に選択されたことになる。すなわち、履歴ボタン6012が「押された」ことになる。その結果、ユーザは、入力すべき文字情報の候補を提示させることができる。
【0071】
同様に、履歴ボタン6014は、ユーザが下車駅を指定する文字情報を入力する際に、過去に入力した文字情報を提示させるためのボタンである。履歴ボタン6016は、ユーザが経由駅を指定する文字情報を入力する際に、過去に入力した文字情報を提示させるためのボタンである。履歴ボタン6014,6016も、「履歴」という文字表示6034,6036と、右向きの黒い三角形のマーク6044,6046とを含む。履歴ボタン6014,6016の機能は、履歴ボタン6012と略同様である。これらの履歴ボタンを使用した処理については、後に詳しく説明する。
【0072】
本実施例においては、入力すべき文字情報の候補を提示させるための表示6012,6014,6016が、それぞれ左右方向Dhに入力窓1012,1014,1016と並んで表示される。すなわち、表示6012と入力窓1012、表示6014と入力窓1014、表示6016と入力窓1016は、それぞれ1行分のスペースで表示される。このため、文字情報の候補を提示させるための表示と入力窓の組み合わせが上下方向Dvに並んで表示され2行分のスペースを占有する態様に対して、表示に要する上下方向のスペースを半分にすることができる。よって、表示パネル202上の表示範囲内において、上下方向Dvに沿ってより多くの他の情報を提示することができる。
【0073】
スケール9012は、表示パネル202上の表示範囲を示すための表示である。図3の状態においては、スケール9012の白色部分が上端の位置にある。スケール9012のこの状態は、潜在的に表示パネル202上に表示することができるが図3の状態において表示されていない表示が、第2の検索ボタン8012の下方に存在することを表している。
【0074】
以上で説明した図2のステップS10の機能を奏する主制御部210の機能部を、ボタン表示制御部213として図1に示す。
【0075】
図3の状態において乗車駅、下車駅または経由駅の情報を入力する際に、いずれかの履歴ボタンが押されたか否かが判定される(図2のステップS20)。「履歴ボタンが押された」状態は、入力窓が暫定的に選択された状態から、ユーザによってカーソルキー206bの右側部分が押されて履歴ボタンが暫定的に選択され、さらに、カーソルキー206bの中央部分が押されることによって、実現される。ユーザは、図3の状態において表示されている履歴ボタンの「履歴」という文字表示と、右向きの黒い三角形のマークとを参考にして、上述の、カーソルキー206bの右側部分および中央部分を押す操作を行うことができる。
【0076】
履歴ボタンが押された場合、すなわち、履歴ボタンの表示(図3のマーク6042,6044,6046参照)に対応する操作が行われた場合には、処理はステップS30に進む。履歴ボタンが押されず、入力窓1012,1014,1016のいずれかが指定された状態でテンキー206aを介して文字情報が入力された場合には、処理はステップS50に進む。
【0077】
図4は、ステップS30における表示パネル202上の表示を示す図である。履歴ボタンが押されると(ステップS20においてYes)、図4に示すように、入力すべき文字情報の候補として、ユーザが過去に入力した複数組の文字情報が提示される。図4の状態は、履歴ボタン6012が押された状態である。表示パネル202の画面に、ユーザが過去に入力した文字情報CD1として「東京」、「有楽町」、「水道橋」、「御茶ノ水」が、縦方向Dvに沿って並べて表示されている。ユーザが過去に入力した文字情報は、主制御部210のRAM232内に記憶されている。
【0078】
以上で説明した図2のステップS30の機能を奏する主制御部210の機能部を、候補表示制御部214として図1に示す。
【0079】
ユーザは、図4の状態において、カーソルキー206b(図1参照)の上下部分を押すことにより、過去に入力した文字情報の中から一組の文字情報を選択することができる。図4の例では、暫定的に「有楽町」が選択されている。
【0080】
主制御部210は、ステップS30で文字情報の候補を表示した後、カーソルキー206bの左側部分が押されたか否かを判定する(ステップS35)。文字情報の候補が表示された後(図4参照)、カーソルキー206bの左側部分が押されると、処理はステップS10に戻る。そして、ステップS20で押された履歴ボタンおよびその履歴ボタンと並ぶ入力窓の表示は、図3の状態に戻る。このとき、履歴ボタン6012は、文字表示6032と、右向きの黒い三角形のマーク6042とを含む状態で表示される(図3参照)。
【0081】
すなわち、ユーザは、ステップS30において提示された候補中に(図4参照)、入力したい文字情報がない場合には、カーソルキー206bの左側部分を押すことによって、ステップS20で押された履歴ボタンおよびその履歴ボタンと並ぶ入力窓の表示をステップS10の状態(図3参照)に戻すことができる。
【0082】
この状態においては、ユーザは、提示された候補の中から入力すべき文字情報を選択する操作を行っていない。このため、ユーザは、履歴ボタンの操作方法および機能を十分理解していない可能性がある。よって、上記のような態様とすることで、文字情報の候補を利用せずに文字情報の候補を画面から消去した場合には、文字表示6032と右向きの黒い三角形のマーク6042とによって、ユーザに分かりやすく履歴ボタン6012の機能および操作方法を示すことができる。
【0083】
一方、図2のステップS40では、主制御部210は、文字情報の候補からのユーザによる選択を受け取る。具体的には、ユーザは、カーソルキー206bの上下の部分を操作して暫定的に文字情報の一つを選択した状態において(図4の「有楽町」参照)、カーソルキー206bの中央部分を押すことにより、選択した文字情報を携帯電話200に入力することができる。
【0084】
以上で説明した図2のステップS35,S40の機能を奏する主制御部210の機能部を、選択入力部215として図1に示す。
【0085】
入力された文字情報が主制御部210のRAM232内に記憶される(ステップS60b)。そして、ステップS40またはS50で携帯電話200に入力された文字情報が、入力窓に表示され、その入力窓と並んで表示されている履歴ボタンが、図形のみの表示で表示される(ステップS75)。
【0086】
図5は、携帯電話200に乗車駅の情報が入力された状態を示す図である。図5の例においては、乗車駅としてユーザによって文字情報「有楽町」が入力されている。入力窓1012に「有楽町」という文字情報CD2が横方向Dhに並んで表示されている。また、履歴ボタン6012は、文字表示6032(図3参照)を含まず、右向きの黒い三角形のマーク6042を含むボタンとして表示されている。
【0087】
図5の状態において、入力窓1012の横方向Dhの幅は、L12である。L12は、図3の状態における入力窓1012の横方向Dhの幅L11よりも大きい。そして、図5の状態において、履歴ボタン6012の横方向Dhの幅は、L22である。L22は、図3の状態における履歴ボタン6012の横方向Dhの幅L21よりも小さい。
【0088】
このような態様とすることで、まず、図3に示すように、文字表示6032と右向きの黒い三角形のマーク6042とによって、ユーザに分かりやすく履歴ボタン6012の機能および操作方法を示すことができる。そして、いったんそのような表示を行った後であって、ユーザが文字情報の候補を利用して文字情報を入力した後には、文字情報が入力される前の図3の状態と同じ右向きの黒い三角形のマーク6042が履歴ボタン6012内に示される。その結果、ユーザに履歴ボタン6012の操作方法を示しつつ、入力窓1012をより広い幅L12で表示することができる。このため、広い横幅を必要とする文字数の多い文字情報が入力されても、履歴ボタン6012によって、入力窓1012におけるその文字情報の表示が妨げられにくい。
【0089】
一方、図2のステップS20において、入力窓1012,1014,1016のいずれかにカーソルがある状態でテンキー206aを介して文字情報が入力された場合には、処理はステップS50に進む。主制御部210は、ユーザによってテンキー206aを介して入力された文字情報を受け取る(ステップS50)。
【0090】
なお、ステップS50では、文字情報の入力だけではなく、すでに入力された文字情報の削除の操作も行われうる。その場合には、ユーザは、たとえば、テンキー206aのうちの「削除」キーを操作して、すでに入力された文字情報を削除する。
【0091】
ステップS50の処理においては、ユーザによって「削除」キーが押されるごとに、携帯電話200にすでに入力された情報がRAM232において1文字分づつ除かれる処理が行われる。また、同時に、入力窓1012,1014,1016に表示されている文字情報が、順に1文字分づつ削除されて表示される。入力窓1012,1014,1016に、すでにユーザが入力した文字情報が表示されるため、ユーザは、それらの表示を目視で確認しつつ、入力する情報を加えたり、すでに入力した情報を削除したりすることが容易にできる。
【0092】
ステップS50で入力された文字情報が主制御部210のRAM232内に記憶される(ステップS60)。
【0093】
その後、主制御部210は、ステップS50で文字情報が入力された入力窓に対して、過去に履歴ボタンを利用して文字情報の入力が行われたか否か(図2のステップS30,S40参照)を判定する(ステップS63)。判定結果がYesである場合には、処理はステップS75に進む。判定結果がNoである場合には、処理はステップS70に進む。
【0094】
主制御部210は、表示パネル202上に、入力窓と操作表示部とを含む各種の表示を行う(ステップS70)。ステップS20で押された履歴ボタンおよびその履歴ボタンと並ぶ入力窓についてのステップS70における表示は、ステップS10における表示とほぼ同じである(図3参照)。ただし、入力窓には、ステップS50で入力された文字情報が表示される。ステップS70における表示においては、操作表示部6012,6014,6016は、文字表示と右向きの黒い三角形のマークとを含む(図3参照)。
【0095】
ユーザが文字情報の候補を表示させる操作を行わずに文字情報を入力した場合には(図8のステップS50参照)、ユーザは、入力すべき文字情報の候補を表示させるための操作方法を十分理解していない可能性がある。本実施例においては、ユーザが文字情報の候補を表示させる操作を行わずに文字情報を入力した場合には(ステップS20の判定結果:No)、ステップS70の処理によって、文字表示と右向きの黒い三角形のマークとにより、ユーザに分かりやすく入力すべき文字情報の候補を表示させるための操作方法を示すことができる。
【0096】
以上では、入力窓1012および履歴ボタン6012の例で説明したが、入力窓1014および履歴ボタン6014、ならびに入力窓1016および履歴ボタン6016についても同様の処理が行われる。
【0097】
以上で説明した図2のステップS20,S35,S70,S75の機能を奏する主制御部210の機能部は、ボタン表示制御部213である(図1参照)。
【0098】
その後、(a)駅名を入力する入力窓1012,1014,1016が指定され、もしくは履歴ボタン6012,6014,6016が押されたか、または(b)他の入力窓が指定され、もしくはラジオボタン、検索ボタンが押されたか、が判定される(図2のステップS80)。
【0099】
入力窓1012,1014,1016が指定され、もしくは履歴ボタン6012,6014,6016が押された場合には(上記(a)。S80の判定結果:No)、処理はステップS20に戻る。他の入力窓が指定され、もしくはラジオボタン、検索ボタンが押された場合には(上記(b)。S80の判定結果:Yes)、乗車駅、下車駅または経由駅の情報を入力するための処理は終了する。そして、指定された入力窓や押されたボタンに応じた処理が行われる。
【0100】
なお、以上では、ユーザが携帯電話200に乗車駅、下車駅または経由駅の情報を入力する際の主制御部210の処理を説明した。このため、他の処理を行うための操作については、一部、説明を省略している。他の処理を行うための操作に関する判定、およびそれに応じた処理の分岐は、ステップS80以外にも、図2のフローチャートの各ステップにおいて設けることができる。
【0101】
本実施例におけるコマンド入力部206と選択入力部215が、特許請求の範囲における「入力部」に相当する。RAM232が、特許請求の範囲における「記憶部」に相当する。表示パネル202が、特許請求の範囲における「表示部」に相当する。入力窓1012,1014,1016が、特許請求の範囲における「文字表示部」に相当する。履歴ボタン6012,6014,6016が、特許請求の範囲における「操作表示部」に相当する。主制御部210(ボタン表示制御部213)が、特許請求の範囲における「制御部」に相当する。
【0102】
本実施例のステップS10が、特許請求の範囲における「工程(a)」に相当する。ステップS75が、特許請求の範囲における「工程(b)」に相当する。ステップS10の処理が、特許請求の範囲における「第1の機能」に相当する。ステップS20,S35,S75の処理が特許請求の範囲における「第2の機能」に相当する。
【0103】
B.第2実施例:
第1実施例では、図2のステップS10で文字表示とマークとを含む履歴ボタンを表示し(図3の6032,6042,6034,6044,6036,6046参照)、ステップS40で文字情報を受け取った後は、自動的に、文字表示を含まずマークを含む履歴ボタンを表示する(図5の履歴ボタン6012参照)。しかし、第2実施例では、ステップS40で文字情報を受け取った後、所定の条件が満たされた場合には、文字表示とマークとを含む履歴ボタンを表示する。そして、その条件が満たされない場合には、文字表示を含まずマークを含む履歴ボタンを表示する。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0104】
図6は、第2実施例において、テンキー206aとカーソルキー206bを介してユーザが携帯電話200に乗車駅、下車駅または経由駅の情報を入力する際の主制御部210の処理を示すフローチャートである。図6に示す処理において、ステップS10〜S60,S60bおよびS63の処理、ステップS70およびS75の処理、ならびにS80以下の処理は、第1実施例における図2の処理と同じである。技術内容の理解を容易にするため、図6においては、ステップS60以前の処理の図示を省略する。
【0105】
ステップS60bの後、ステップS65においては、ステップS40またはS50で入力された文字情報が、文字表示とマークとを含む履歴ボタンとともに、横方向Dhに並べて、所定の大きさの文字で表示できるか否かが判定される。より具体的には、幅L11で表示される入力窓1012,1014または1016内に(図3参照)、その文字情報を所定の大きさの文字で表示することができるか否かが判定される。
【0106】
入力された文字情報が、文字表示とマークとを含む履歴ボタンとともに、横方向Dhに並べて表示できない場合には、処理はステップS75に進む。ステップS75における処理は、第1実施例のステップS75の処理と同じである。
【0107】
一方、ステップS65において、入力された文字情報が、文字表示とマークとを含む履歴ボタンとともに、横方向Dhに並べて表示できると判定された場合には、処理はステップS70に進む。ステップS70における処理は、第1実施例のステップS70の処理と同じである。
【0108】
ステップS65において、入力された文字情報が、文字表示とマークとを含む履歴ボタンとともに、横方向Dhに並べて表示できると判定される場合には、ステップS40,S50で入力された文字情報がもともと少ない場合のほか、以下のような場合も含まれる。すなわち、いったんステップS65で、入力された文字情報が、文字表示とマークとを含む履歴ボタンとともに、横方向Dhに並べて表示できない、と判定されステップS75の処理が行われた後に、ステップS80を経て、ステップS50(図2参照)で文字情報が削除され、その結果、再びステップS65の判定において横方向Dhに並べて表示できるようになったと判断された場合である。
【0109】
図7は、第2実施例において、携帯電話200に乗車駅および下車駅の情報が入力された状態を示す図である。図7の例においては、乗車駅としてユーザによって文字情報「有楽町」が入力されている。入力窓1012に「有楽町」という文字情報CD2が横方向Dhに並んで表示されている。また、履歴ボタン6012は、文字表示6032とマーク6042を含むボタンとして表示されている。
【0110】
図7の状態において、入力窓1012の横方向Dhの幅は、文字情報が入力される前の図3の状態と同じL11である。そして、履歴ボタン6012の横方向Dhの幅は、文字情報が入力される前の図3の状態と同じL21である。
【0111】
すなわち、図7の例においては、入力窓1012と履歴ボタン6012は、ステップS70の処理によって表示されている。これは、ステップS65において、入力された文字情報「有楽町」が、文字表示6032とマーク6042とを含む履歴ボタン6012とともに、横方向Dhに並べて表示できると判定されたためである。
【0112】
一方、図7の例においては、下車駅としてユーザによって文字情報「東京ディズニーランド・ステーション」が入力されている。入力窓1014には、「東京ディズニーランド・ステーション」という文字情報CD4が横方向Dhに並んで表示されている。なお、入力窓1014において文字情報CD4が表示されている文字の大きさは、入力窓1012において文字情報CD2が表示されている文字の大きさと同じである。履歴ボタン6014は、文字表示6034を含まずマーク6044を含むボタンとして表示されている。
【0113】
図7の状態において、入力窓1014の横方向Dhの幅は、L12である。L12は、図3の状態における入力窓1012の横方向Dhの幅L11よりも大きい。そして、図7の状態において、履歴ボタン6014の横方向Dhの幅は、L22である。L22は、図3の状態における履歴ボタン6012の横方向Dhの幅L21よりも小さい。
【0114】
すなわち、図7の例においては、入力窓1014と履歴ボタン6014は、ステップS75の処理によって表示されている。これは、ステップS65において、入力された文字情報「東京ディズニーランド・ステーション」が、文字表示6034とマーク6044とを含む履歴ボタン6014とともに、横方向Dhに並べて表示できないと判定されたためである。なお、図7において、文字表示6034とマーク6044とを含む態様の履歴ボタン6014の大きさを破線で示す。
【0115】
以上で説明した図2のステップS65,S70,S75の機能を奏する主制御部210の機能部は、ボタン表示制御部213である(図1参照)。
【0116】
図6のステップS70またはS75の後、ステップS80が実行される。以降の処理は、第1実施例の図2のフローチャートの処理と同じである。
【0117】
このような態様とすれば、入力された文字情報が、文字表示とマークとを含む履歴ボタンとともに横方向Dhに並べて表示できる場合には、履歴ボタンを文字表示と右向きの黒い三角形の図形によって表示することにより、ユーザに履歴ボタンの機能および操作方法を分かりやすく示すことができる(図7の入力窓1012および履歴ボタン6012参照)。
【0118】
そして、入力された文字情報が、文字表示とマークとを含む履歴ボタンとともに、横方向に並べて表示できない場合には、文字表示を含まずマークを含む履歴ボタンをより狭い幅で表示することにより(図7の入力窓1014および履歴ボタン6014参照)、以下のような効果が得られる。すなわち、文字情報が入力される前の図3の状態と同じマーク6042を履歴ボタン6014内に示すことによって、ユーザに履歴ボタン6012の機能および操作方法を想起させつつ、入力窓1012をより広い幅L12で表示することができる。このため、横に並んで表示される履歴ボタン6012によって、入力窓1012における文字情報の表示が妨げられない。
【0119】
以上では、入力窓1012および履歴ボタン6012、ならびに入力窓1014および履歴ボタン6014の例で説明した。しかし、入力窓1012および履歴ボタン6012、入力窓1014および履歴ボタン6014、ならびに入力窓1016および履歴ボタン6016を使用した情報入力については、いずれも同様の処理が行われる。
【0120】
C.第3実施例:
第1,第2実施例においては、過去に入力した文字情報を提示させるための表示6012,6014,6016(図3参照)は、カーソルキー206bの右側部分を押されて暫定的に選択され、その後、カーソルキー206bの中央部分を押されて確定的に選択される「ボタン」の機能を有する。
【0121】
しかし、第3実施例においては、過去に入力した文字情報を提示させるための表示6012,6014,6016は、カーソルキー206bの操作によって選択される「ボタン」ではなく、過去に入力した文字情報を提示させるための操作をユーザに示す単なる表示である。このため、第3実施例においては、第1実施例のステップS20に相当する処理が第1実施例とは異なる。また、第3実施例においては、表示された文字情報の候補の中から文字情報が選択されなかった場合のステップS35に相当する処理が、第1実施例とは異なる。
【0122】
さらに、第3実施例においては、過去に入力した文字情報を提示する際、およびそれらの文字情報を入力する際(図4、および図2のステップS30,S40参照)、そして、それらの文字情報の提示を終了する際の態様(同、ステップS35参照)が、第1実施例とは異なる。第3実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0123】
第3実施例においては、図3の表示6012,6014,6016(以下「操作表示部」と呼ぶ)の「履歴」という文字表示と右向きの黒い三角形のマークは、以下のことをユーザに示す表示である。すなわち、各操作表示部6012,6014,6016の左隣に並んで表示されている入力窓1012,1014,1016が暫定的に選択されている状態から、カーソルキー206bの右側部分を押すことによって、入力すべき文字情報の候補を提示させることができることを伝える表示である。それら文字情報の候補は、ユーザが過去に入力した複数組の文字情報である。
【0124】
図8は、図2のステップS10以降、ステップS80より前の第3実施例における処理を示すフローチャートである。第3実施例において、ステップS10,S50、ならびにステップS60,S60b以降の処理は第1実施例(図2参照)と同じである。ただし、図2において「履歴ボタン」と表記されていた部分は、図8においては「操作表示部」と表記されている。
【0125】
図8のステップS20bにおいては、カーソルキー206bの右側部分が押されたか否かが判定される。カーソルキー206bの右側部分が押された場合、すなわち、操作表示部6012,6014,6016の表示に対応する操作が行われた場合には、処理はステップS30bに進む。カーソルキー206bの右側部分が押されず、入力窓1012,1014,1016のいずれかが指定された状態でテンキー206aを介して文字情報が入力された場合には、処理はステップS50に進む。
【0126】
図9は、図8のステップS50における表示パネル202上の表示を示す図である。図9に示すように、図3の画面表示に代えて、ユーザによってテンキー206aを介して文字情報を入力するための画面が表示される(ステップS50)。そして、主制御部210は、ユーザによってテンキー206aを介して入力された文字情報を受け取る。たとえば、図9の例では、「赤坂見附」の文字情報CD5が暫定的に入力されている。「赤坂見附」の文字情報CD5の後ろには、カーソルCSが表示されている。この状態で、カーソルキー206bの中央部分が押されることで、「赤坂見附」の文字情報が携帯電話200に確定的に入力される。
【0127】
また、ユーザは、図9の状態においてテンキー206aの削除キーを押すことで、暫定的に入力された文字列を後ろから順に削除することができる。なお、第1実施例では説明を省略したが、第1実施例におけるステップS50(図2参照)においても、第3実施例のステップS50の処理と同じ処理が行われる。
【0128】
図8のステップS60,S70以下の処理は、表示パネル202に表示される操作表示部6012,6014,6016がボタンとしての機能を奏さない点以外は、図2のステップS60,S70以下の処理と略同様である。
【0129】
一方、図8のステップS20bにおいて、カーソルキー206bの右側部分が押された場合、すなわち、操作表示部6012,6014,6016に対応する操作が行われた場合には、処理はステップS30bに進む。
【0130】
図10は、図8のステップS30bにおける表示パネル202上の表示を示す図である。図10に示すように、図3の画面表示に代えて、入力すべき文字情報の候補として、ユーザが過去に入力した複数組の文字情報を含む画面が表示される(ステップS30b)。図10の例では、表示パネル202の画面に、ユーザが過去に入力した文字情報CD1bとして「東京」、「有楽町」、「水道橋」、「御茶ノ水」などが、横方向Dhおよび縦方向Dvに並べて表示されている。なお、図8のステップS30bの機能を奏する主制御部210の機能部は、候補表示制御部214(図1参照)である。
【0131】
ユーザは、図10の状態において、カーソルキー206b(図1参照)の上下左右の部分を押すことにより、過去に入力した文字情報の中から一組の文字情報を選択することができる。図10の例では、暫定的に「有楽町」が選択されている。
【0132】
図8のステップS35bでは、主制御部210は、ステップS30bで文字情報の候補を表示した後、テンキー206aのうちの削除キーが押されたか否かを判定する。文字情報の候補が表示された後(図10参照)、削除キーが押されると、処理はステップS75に進む。そうではない場合は、処理は、ステップS40bに進む。
【0133】
図8のステップS40bでは、主制御部210は、文字情報の候補からのユーザによる選択を受け取る。具体的には、ユーザは、カーソルキー206bの上下左右の部分を操作して暫定的に文字情報の一つを選択した状態において(図10の「有楽町」参照)、カーソルキー206bの中央部分を押すことにより、選択した文字情報を携帯電話200に入力することができる。
【0134】
ステップS60b,S75以下の処理は、表示パネル202に表示される操作表示部6012,6014,6016がボタンとしての機能を奏さない点以外は、図2のステップS60b,S75以下の処理と略同様である。
【0135】
第3実施例においては、文字情報の候補が表示され、ユーザが文字情報の候補を選択する操作を行わなかった場合にも、文字表示を含まず、マークを含む操作表示が行われる(ステップS35b参照)。すなわち、ユーザが文字情報の候補を表示する操作を行って文字情報を入力した場合には(ステップS40b)、その後、文字情報の候補を選択したか否かによらず、ステップS75の処理によって、文字情報を表示せず(図3の6032参照)、右向きの黒い三角形のマークにより、文字情報の候補を提示させるための操作方法を示す。
【0136】
ユーザが文字情報の候補を表示する操作を行って文字情報を入力した場合には、ユーザは、文字情報の候補を提示させる操作方法および機能を十分理解している可能性が高い。本実施例によれば、そのような場合には、ユーザに文字情報の候補を提示させる操作方法、すなわち、カーソルキー206bの右側部分を押す操作を示しつつ、入力窓1012をより広い幅L12で表示することができる(図5参照)。このため、広い横幅を必要とする文字数の多い文字情報が入力されても、操作表示部6012によって、入力窓1012におけるその文字情報の表示が妨げられにくい。
【0137】
以上で説明したように、入力されるべき文字情報の候補を表示させるための操作を示す表示は、「ボタン」ではなく、単にユーザに操作を示唆するための表示とすることもできる(図3の操作表示部6012,6014,6016参照)。また、候補としての文字情報のうちの一組の指定は、第3実施例のような別画面による態様(図10参照)とすることもできる。
【0138】
なお、本実施例の操作表示部6012,6014,6016が、特許請求の範囲における「操作表示部」に相当する。ステップS20b,S35b,S75の処理が、特許請求の範囲における「第2の機能」に相当する。
【0139】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0140】
D1.変形例1:
上記実施例では、入力窓と並んで表示される履歴ボタンや操作表示部は、ユーザが過去に入力した文字情報を、入力すべき文字情報の候補として提示するための表示である。しかし、文字表示部としての入力窓と並んで表示される操作表示部は、他の機能を有する態様とすることもできる。たとえば、操作表示部は、文字表示部と対応づけられた候補であって、あらかじめ用意された候補を提示するための表示とすることもできる。
【0141】
たとえば、文字表示部としての入力窓が、県名を入力するための表示である場合には、操作表示部は、北海道から沖縄までの日本の全県名を候補として提示するための表示とすることができる。また、文字表示部としての入力窓が、他の入力窓で指定された県内の市町村の名前を入力するための表示である場合には、操作表示部は、その県内の全市町村名を候補として提示するための表示とすることができる。
【0142】
D2.変形例2:
上記実施例では、第1の処理として、文字表示とマークとを含む履歴ボタン(操作表示部)が表示され(図3参照)、第2の処理として、マークのみを含む履歴ボタン(操作表示部)が表示される(図5および図7参照)。しかし、第1の処理と第2の処理は、マークを使用する態様以外の他の態様とすることもできる。たとえば、第2の処理は、第1の処理において表示された文字表示の一部のみを表示する処理とすることもできる。たとえば、第1の処理においては「履歴表示」と示し、第2の処理においては「履歴」とのみ示す、等の態様である。このような態様においては、第1の処理は、操作表示部としてマークを含まない表示をすることができる。
【0143】
D3.変形例3:
上記実施例では、列車の経路探索を行う場合を例に本発明の説明をおこなった。そして、上記実施例では、ユーザが入力する情報は、乗車駅、下車駅、経由駅である。しかし、本発明を適用する情報入力の処理は、経路探索に限られるものではなく、たとえば、地名、住所、建物名や、レストラン、スポーツ施設、ガソリンスタンドなどの施設の分類や名称、その他のキーワードなど、任意の情報を入力する処理とすることができる。
【0144】
ただし、本発明を適用する情報入力の処理は、文字の情報や数式の情報など、所定の方向に並べて表示される情報であることが好ましい。その際の並びの方向は、縦(上下)方向であってもよいし、横(左右)方向であってもよい。
【0145】
また、上記実施例では、ユーザが入力する情報は、乗車駅、下車駅、経由駅であったことから、各入力窓に入力される文字情報は、「有楽町」、「東京ディズニーランド・ステーション」など、一組の文字情報である。しかし、本発明を適用する情報入力の処理は、「おいしい+ラーメン+有楽町」などの複数組の情報を入力するものとすることができる。
【0146】
そのような態様においては、たとえば、「おいしい」および「ラーメン」を入力窓に表示させつつ、さらに入力窓に並んで表示される候補を表示させるための操作を行って、候補の中から所定の文字情報を選択することになる。このため、そのような態様においては、入力窓を広い幅で表示させるより強い要請がある。よって、そのような態様に本発明を適用することはより好ましい。
【0147】
D4.変形例4:
上記第1実施例では、まず図2のステップS10で、履歴ボタンを幅L21で表示し、その後、ステップS75で、より狭い幅L22で履歴ボタンを表示する。また、第2実施例では、時間の前後によらず、入力窓内にすべての文字情報が表示できるか否かに応じて履歴ボタンを幅L21で表示するか、より狭い幅L22で表示するかを決定する(図6のステップS65参照)。そして、第3実施例では、文字情報の候補からの選択が行われたか否かによらず、文字情報の候補が表示された場合には、操作表示部が幅L22で表示される(図8のステップS35b,S40b,S75参照)。しかし、履歴ボタンや操作表示部をある幅で表示するか、より狭い幅で表示するかは、他の条件に応じて決定することもできる。
【0148】
たとえば、図6のステップS65の処理を、「所定のしきい値よりも表示すべき文字情報の文字数が多いか否か」を判定する処理とすることができる。そして、しきい値よりも文字数が多い場合には、ステップS75の処理を実行し、文字数がしきい値以下である場合には、ステップS70の処理を実行する態様とすることもできる。
【0149】
このような場合には、表示すべき文字数が少ない第1の場合では、文字表示部としての入力窓の表示を第1の幅で表示させ、操作表示部としての履歴ボタン(操作表示部)を第2の幅で表示させる。そして、第1の場合よりも文字数が多い文字情報を入力窓内に示すべき第2の場合に、入力窓を第1の幅よりも広い第3の幅で表示させ、履歴ボタン(操作表示部)を、第2の幅よりも狭い第4の幅で表示させることになる。
【0150】
このような態様においてしきい値を適切に定めれば、長さに関する判定を行う第2実施例に比べてより単純な処理で、第2実施例と同様の効果が得られる。すなわち、入力窓における文字情報の表示が妨げられないように、履歴ボタン(操作表示部)を表示することができる。ただし、表示に使用されるフォントが、文字によって幅が異なる不等幅フォントである場合には、第2実施例のステップS65のような、幅に基づく判定を行うことが好ましい。
【0151】
なお、上記の態様において、しきい値は、正の整数とすることができ、また、0とすることもできる。しきい値が0である場合には、処理は以下のようになる。すなわち、文字情報を文字表示部としての入力窓内に示さない第1の場合に、入力窓を第1の幅で表示させ、操作表示部としての履歴ボタン(操作表示部)を第2の幅で表示させる。そして、入力された文字情報を入力窓内に示す第2の場合に、入力窓を第1の幅よりも広い第3の幅で表示させ、履歴ボタン(操作表示部)を、第1の方向について第2の幅よりも狭い第4の幅で表示させる。
【0152】
さらに、文字表示部としての入力窓を第1の幅で表示させ、操作表示部としての履歴ボタン(操作表示部)を第2の幅で表示させた後、入力部としてのコマンド入力部206が操作されてから、所定の事象が起こったことをきかっけとして、入力窓を第1の幅よりも広い第3の幅で表示させ、履歴ボタン(操作表示部)を、第1の方向について第2の幅よりも狭い第4の幅で表示させることもできる。
【0153】
このような態様において、「所定の事象」は、たとえば、ハードウェアとしてのボタン、または表示部に表示されるソフトウェアとしてのボタンや入力窓に対して所定の操作が行われたこと、とすることができる。より具体的には、「所定の事象」は、たとえば、ボタンが所定回数以上操作されたこと、とすることもできる。また、「所定の事象」は、所定の時間が経過したこと、とすることもできる。さらに、「所定の事象」は、第2の実施例にように、所定の判定条件が満たされた、または満たされない、と判定されたこと、とすることもできる。
【0154】
このような態様としても、まずユーザに対して分かりやすい態様で操作表示部を表示し、ユーザが操作表示部によって示される操作を理解した後に、単純な態様で操作表示部を表示することができる。このため、文字表示部において示される入力済みの情報を、操作表示部の表示によって妨げる可能性が低い。
【0155】
D5.変形例5:
上記実施例において、入力されるべき文字情報の候補としての1組以上の文字情報を表示させるための操作を示す表示は、「履歴」という文字表示と、右向きの黒い三角形のマークである。しかし、入力されるべき文字情報の候補を表示させるための操作を示す表示は、他の態様とすることもできる。
【0156】
たとえば、候補を表示させるための操作を示す表示は、「履歴」という文字に代えて、「候補」や「単語」、「過去」という表示を含むことができる。
【0157】
また、たとえば、候補を表示させるための操作を示す表示は、操作されるべきカーソルキーの部分を、所定の向きの三角形に代えて、不等号「>」(カーソルキー右側部分を示す)や「<」(カーソルキー左側部分を示す)で示す態様とすることもできる。また、操作されるべきカーソルキーの部分を矢印で示す態様とすることもできる。また、携帯電話等の情報入力装置がマークが付されたボタンを有している場合には、候補を表示させるための操作を示す表示を、そのボタンと同じマークを含む表示とすることで、そのボタンを押すという操作を示すことができる。そして、それらの表示に対応する操作がされた場合に、入力されるべき文字情報の候補を表示する態様とすることができる。
【0158】
D6.変形例6:
上記実施例においては、入力されるべき文字情報の候補を画面から消す際の操作は、カーソルキーの左側部分や削除キーを押すことである(図2のS35,および図8のS35b参照)。しかし、入力されるべき文字情報の候補を画面から消す際の操作は、他のボタンによる操作や、複数の操作の組み合わせとすることもできる。ただし、入力されるべき文字情報の候補を選択する際の操作とは異なる操作とすることが好ましい。そして、入力されるべき文字情報の候補を画面から消す際の操作は、文字情報の候補を選択する際に押されるボタンとは異なるボタンを使用した1以上の操作から構成される操作であることが好ましい。
【0159】
D7.変形例7:
地図サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0160】
D8.変形例8:
上記実施例においては、情報入力装置はGPSユニットを備えた携帯電話200である。しかし、ユーザが情報を入力する情報入力装置は、GPSユニットや電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)やノート型のコンピュータ、デスクトップ型のコンピュータなどの他の機器とすることもできる。すなわち、情報入力装置は、ユーザが情報を入力するための機器であって、表示領域に所定の情報を表示しつつ(たとえば、図5および図7の文字情報CD2,CD4参照)、その後の情報入力を補助するための表示(たとえば、図5および図7の履歴ボタン(操作表示部)6012,6014,6016)を行うことができる任意の機器とすることができる。
【0161】
D9.変形例9:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア212(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0162】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0163】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0164】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明の第1実施例である経路探索システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】ユーザが携帯電話200に乗車駅、下車駅または経由駅の情報を入力する際の主制御部210の処理を示すフローチャート。
【図3】ステップS10における表示パネル202上の表示を示す図。
【図4】ステップS30における表示パネル202上の表示を示す図。
【図5】携帯電話200に乗車駅の情報が入力された状態を示す図。
【図6】第2実施例において、ユーザが携帯電話200に乗車駅、下車駅または経由駅の情報を入力する際の主制御部210の処理を示すフローチャート。
【図7】第2実施例において、携帯電話200に乗車駅および下車駅の情報が入力された状態を示す図。
【図8】図2のステップS10以降、ステップS80より前の第3実施例における処理を示すフローチャート。
【図9】図8のステップS50における表示パネル202上の表示を示す図。
【図10】ステップS30bにおける表示パネル202上の表示を示す図。
【符号の説明】
【0166】
100…経路探索サーバ
102…通信部
104…制御部
106…記憶部
150…地図サーバ
152…通信部
154…制御部
156…地図データベース
170…時刻表サーバ
172…通信部
174…制御部
176…時刻表データベース
200…携帯電話
201…GPSユニット
202…表示パネル
203…音声出力部
204…振動機構
205…通信部
206…コマンド入力部
206a…テンキー
206b…カーソルキー
209…時計部
210…主制御部
212…アプリケーションソフトウェア
213…ボタン表示制御部
214…候補表示制御部
215…選択入力部
220…通話制御部
231…CPU
232…RAM
233…ROM
1012,1014,1016,2012,3012,3014…入力窓
5012,5014,5016,5018…ラジオボタン
6012,6014,6016…履歴ボタン(操作表示部)
6032,6034,6036…履歴ボタン(操作表示部)の文字表示
6042,6044,6046…履歴ボタン(操作表示部)のマーク
7012…第1の検索ボタン
8012…第2の検索ボタン
9012…スケール
CD1…文字情報
CD2…文字情報
CD4…文字情報
INT…インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報入力装置であって、
ユーザが操作して文字情報を入力するための入力部と、
前記入力部を介して入力された文字情報を後に入力されるべき文字情報の候補として記憶する記憶部と、
画像を表示する表示部と、
前記表示部および前記記憶部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記入力部を介して入力された文字情報を表すための文字表示部と、前記入力されるべき文字情報の候補を表示させるための操作を示す操作表示部と、を並べて前記表示部に表示させる第1の機能と、
前記操作が行われ前記文字情報の候補が表示された後に、前記操作表示部を前記第1の機能における幅よりも狭い幅で、前記文字表示部とともに並べて表示する第2の機能と、を備える、情報入力装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報入力装置であって、
前記制御部の第2の機能は、前記文字情報の候補が表示され、前記候補の中から前記文字情報が選択されて前記情報入力装置に入力された場合に、前記操作表示部を前記第1の機能における幅よりも狭い幅で表示する機能である、情報入力装置。
【請求項3】
請求項1記載の情報入力装置であって、
前記制御部の第2の機能は、前記文字情報の候補が表示された場合に、前記候補からの選択の有無によらず、前記操作表示部を前記第1の機能における幅よりも狭い幅で表示する機能である、情報入力装置。
【請求項4】
情報入力方法であって、
(a)入力された文字情報を表すための文字表示部と、過去に入力された文字情報を入力されるべき文字情報の候補として表示させるための操作を示す操作表示部と、を並べて表示する工程と、
(b)前記操作が行われ前記文字情報の候補が表示された後に、前記操作表示部を前記工程(a)における幅よりも狭い幅で、前記文字表示部とともに並べて表示する工程と、を備える、情報入力方法。
【請求項5】
コンピュータにおいて実行されることにより所定の情報を受け取るコンピュータプログラムであって、
入力された文字情報を表すための文字表示部と、過去に入力された文字情報を入力されるべき文字情報の候補として表示させるための操作を示す操作表示部と、を並べて表示する第1の機能と、
前記操作が行われ前記文字情報の候補が表示された後に、前記操作表示部を前記第1の機能における幅よりも狭い幅で、前記文字表示部とともに並べて表示する第2の機能と、
を前記コンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−26973(P2010−26973A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−190669(P2008−190669)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】