説明

情報共有システム及び情報共有方法

【課題】コミュニティ作成前の情報であっても、容易な操作によってコミュニティで共有できる情報共有システムを提供する。
【解決手段】情報共有システム100は、メッセージをコミュニケーション手段とし、コミュニティ単位で情報を共有する情報共有システムであって、受信したメッセージを記憶する記憶部と、受信したメッセージの宛先に基づいて、特定のコミュニティ宛のメッセージであるか否かを判定する判定部と、判定部により特定のコミュニティ宛でないと判定されたメッセージを対象として、このメッセージの内容及び予め定められたコミュニティの情報に基づいて、特定のコミュニティと関係があるか否かを推定する推定部と、推定部により特定のコミュニティと関係を有すると推定されたメッセージをこのコミュニティに属するユーザに提示する提示部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報共有システム及び情報共有方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ等の計算機を利用して、ユーザがコミュニティ単位で情
報を交換するための電子的なコミュニケーション手段として、電子メールやメーリングリ
スト、電子掲示板、ニュースグループなどのコミュニケーション手段がある。
【0003】
すなわち、共通の目的や興味を持って活動するユーザが、メーリングリストなどのコミ
ュニティを作成し、上述の電子的なコミュニケーション手段を用いて日常的に交換し合う
メールや記事などのメッセージを送りあい、議論を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−23960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、コミュニティ作成前の情報であっても、容易な操作
によってコミュニティで共有できる情報共有システム及び情報共有方法を提供することで
ある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報共有システムは、メッセージをコミュニケーション手段とし、コミュニ
ティ単位で情報を共有する情報共有システムであって、受信したメッセージを記憶する記
憶部と、受信したメッセージの宛先に基づいて、特定のコミュニティ宛のメッセージであ
るか否かを判定する判定部と、判定部により特定のコミュニティ宛でないと判定されたメ
ッセージを対象として、このメッセージの内容及び予め定められたコミュニティの情報に
基づいて、特定のコミュニティと関係があるか否かを推定する推定部と、推定部により特
定のコミュニティと関係を有すると推定されたメッセージをこのコミュニティに属するユ
ーザに提示する提示部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態における情報共有システムの全体構成を示す図。
【図2】実施形態におけるコミュニティメールテーブルの一例を示す図。
【図3】実施形態におけるプライベートメールテーブルの一例を示す図。
【図4】実施形態における関係コミュニティテーブルの一例を示す図。
【図5】実施形態におけるコミュニティ情報テーブルの一例を示す図。
【図6】実施形態におけるサーバのメール受信の際の動作の一例を示すフローチャート。
【図7】実施形態における関係コミュニティ推定部の動作の一例示すフローチャート。
【図8】実施形態におけるコミュニティ作成処理の一例を示すフローチャート。
【図9】実施形態における共有候補画面の一例を示す図。
【図10】実施形態におけるコミュニティ閲覧処理の一例を示すフローチャート。
【図11】実施形態におけるコミュニティ閲覧画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の情報共有システムについて図面を参照して説明する。
【0009】
図1は本実施形態における情報共有システム100の構成を示す図である。
【0010】
情報共有システム100は、ユーザ操作受付部1及びメール送信部2と、アクセス制御
部3を介して接続されている。情報共有システム100は、ユーザ操作受付部1、メール
送信部2、アクセス制御部3、メール受信部4、メール種別判定部5、メール閲覧部6、
関係コミュニティ推定部7、プライベートメール抽出部8、公開フラグ編集部9、コミュ
ニティ作成部10、コミュニティメール記憶部11、プライベートメール記憶部12、関
係コミュニティ記憶部13及びコミュニティ情報記憶部14を備える。
【0011】
ユーザは、ユーザ操作受付部1を用いて情報共有システム100の操作やメールの入力
を行なう。ユーザ操作受付部1は、例えばキーボードやマウスである。
【0012】
メール送信部2は、アクセス制御部3を介してユーザ操作受付部1から入力されたメー
ルを情報共有システム100に送信する。
【0013】
アクセス制御部3は、ユーザ操作受付部1及びメール送信部2と情報共有システム10
0との間のアクセスを制御する。
【0014】

情報共有システム100のメール受信部4は、ユーザ操作受付部1から入力されてメー
ル送信部2から送信されたメールを、アクセス制御部3を介して受信する。
【0015】
メール種別判定部5は、関係コミュニティ推定部7、コミュニティメール記憶部11、
プライベートメール記憶部12及びコミュニティ情報記憶部14と接続されており、メー
ル受信部4が受信したメールの送信先に基づいて、受信したメールが、特定のコミュニテ
ィ宛のメール(以下、コミュニティメールという)であるか否かを判定する。以下、コミ
ュニティメールでないと判定されたメールをプライベートメールと呼ぶ。
【0016】
メール種別判定部5は例えば、メールの宛先、cc宛先もしくはbcc宛先のいずれか
がコミュニティ宛であればコミュニティメールであると判定する。
【0017】
メール種別判定部5は、メール受信部4が受信したメールがコミュニティメールである
と判定すると、当該メールをコミュニティメール記憶部11に記憶する。一方、メール種
別判定部5は、メール受信部4が受信したメールがプライベートメールであると判定する
と、プライベートメール記憶部12に当該メールを記憶する。
【0018】
また、メール種別判定部5は、メール受信部4が受信したメールがプライベートメール
であると判定すると、コミュニティ情報記憶部14から登録済みのコミュニティの一覧を
取得する。メール種別判定部5は、取得したコミュニティの一覧を関係コミュニティ推定
部7に送信する。関係コミュニティ推定部7については後述する。
【0019】
メール閲覧部6は、プライベートメール抽出部8及びコミュニティメール記憶部11と
接続されている。ユーザがユーザ操作受付部1を用いて閲覧するコミュニティの情報を入
力した場合に、メール閲覧部6は、入力されたコミュニティ情報に基づいてコミュニティ
メール記憶部11からコミュニティメールを取得する。例えば、メール閲覧部6は、入力
されたコミュニティ宛のメール一覧をコミュニティメール記憶部11から取得する。
【0020】
また、メール閲覧部6は、入力されたコミュニティ情報に基づいて、プライベートメー
ル抽出部8がプライベートメール記憶部12から抽出したプライベートメールをユーザに
提示する。
【0021】
関係コミュニティ推定部7は、コミュニティ作成部10、プライベートメール記憶部1
2、関係コミュニティ記憶部13及びコミュニティ情報記憶部14と接続されている。関
係コミュニティ推定部7は、コミュニティ情報記憶部14に記憶されたコミュニティ情報
に基づいて、プライベートメール記憶部12に記憶されたプライベートメール毎に、関係
のあるコミュニティ(以下、関係コミュニティという)を推定する関係コミュニティ推定
処理を行う。
【0022】
プライベートメール抽出部8は、プライベートメール記憶部12及び関係コミュニティ
記憶部13に接続されている。プライベートメール抽出部8は、メール閲覧部6に閲覧対
象のコミュニティ情報が入力されると、このコミュニティ情報及び関係コミュニティ記憶
部13に格納されたコミュニティ情報に基づいてプライベートメール記憶部12からプラ
イベートメールを抽出する。
【0023】
公開フラグ編集部9は、後述する関係コミュニティ情報に含まれる、プライベートメー
ル抽出部8が抽出したプライベートメールをこのコミュニティに所属するメンバに公開す
るか否かを示す公開フラグを編集する。
【0024】
コミュニティ作成部10は、関係コミュニティ推定部7及びコミュニティ情報記憶部1
4と接続されており、ユーザ操作受付部1などからコミュニティを新規に作成するための
コミュニティ情報が入力された場合に、入力されたコミュニティ情報をコミュニティ情報
記憶部14に登録する。登録されるコミュニティ情報は、例えば識別子であるID、コミ
ュニティアドレス(宛先)、コミュニティ名、コミュニティに属するメンバ、などである

【0025】
ここで、各記憶部に格納されるデータテーブルについてそれぞれ図面を参照して説明す
る。
【0026】
図2は、コミュニティメール記憶部11に格納されたコミュニティメールテーブル11
0の一例である。
【0027】
図2に示すように、コミュニティメールテーブル110はコミュニティメール情報が格
納され、メッセージID111、コミュニティID112、コミュニティ名113、差出
人114、投稿日時115、メールタイトル116、メール本文117、及びメール返信
元メッセージID118の項目を有する。メッセージID111は、コミュニティメール
記憶部11にメールが登録される際に割り振られる一意の識別子である。コミュニティI
D112は、メールの送信先であるコミュニティの識別子である。返信元メッセージID
118は、初期値は空であり、メールに返信元のメッセージが設定されている場合に、返
信元のメールのメッセージID118を登録する。
【0028】
図3は、プライベートメール記憶部12に格納されたプライベートメールテーブル12
0の一例である。
【0029】
図3に示すように、プライベートメールテーブル120は、プライベートメール情報が
格納され、メッセージID121、メール宛先のアドレスであるTOアドレス122、メ
ールのcc欄に記入したアドレスであるccアドレス123、差出人124、投稿日時1
25、メールタイトル126、メール本文127、及び返信元メッセージID128の項
目を有する。メッセージID121は、コミュニティメールテーブル110と同様に、プ
ライベートメール記憶部12にメールが登録される際に割り振られる一意の識別子である
。124〜128の項目はコミュニティメールテーブルの114〜128の項目と同一で
ある。
【0030】
図4は、関係コミュニティ記憶部13に格納された関係コミュニティテーブル130の
一例である。
【0031】
図4に示すように、関係コミュニティテーブル130は、関係コミュニティ情報が格納
され、コミュニティID131、メッセージID132及び公開フラグ133の項目を有
する。
【0032】
メッセージID132は、後述する関係コミュニティ推定処理において、関係があると
推定されたプライベートメールのメッセージID121が格納される。コミュニティID
131は、関係があると推定されたコミュニティのコミュニティID112が格納される

【0033】
公開フラグ133は、対象のプライベートメールを関係があると推定されたコミュニテ
ィのメンバ内で共有するか否かを示す。公開フラグ133の初期値はfalse(共有し
ない)であり、公開フラグ編集部9によって編集される。なお、1つのプライベートメー
ルは、複数のコミュニティと関係を持つことができる。
【0034】
図5は、コミュニティ情報記憶部14に格納されたコミュニティ情報テーブル140の
一例である。
【0035】
図5に示すように、コミュニティ情報テーブル140は、コミュニティの識別子である
コミュニティID141、コミュニティアドレス412、コミュニティ名143、コミュ
ニティの概要144、メンバのメールアドレス145、プライベートメール検索条件14
6の項目を有する。
【0036】
ここで、情報共有システム100がアクセス制御部3を介してメールを受信する際の動
作の一例について、図6乃至図7を参照して説明する。
【0037】
まず、情報共有システム100のメール受信部4がメールを受信する(ステップS10
)と、メール種別判定部5は、受信したメールの宛先を解析する(ステップS11)。
【0038】
メール種別判定部5は、コミュニティ情報記憶部14に格納されたコミュニティ情報を
参照して、受信したメールの宛先のうちTO宛先もしくはCC宛先に既存のコミュニティ
アドレスが含まれているかを判定する(ステップS12)。すなわち、受信したメールの
宛先とコミュニティ情報記憶部14に格納されたコミュニティアドレス142とが一致す
るか否かを判定し、メールの種別がプライベートメールであるかコミュニティメールであ
るかを判定する。
【0039】
TO宛先もしくはCC宛先に特定のコミュニティのアドレスが含まれている場合(ステ
ップS12がYes)、メール種別判定部5は、当該メールをコミュニティメールと判定
し、コミュニティメール記憶部11にメールを格納する(ステップS16)。これにより
、メール種別判定部5は処理を終了する。
【0040】
TO宛先もしくはCC宛先に特定のコミュニティのアドレスが含まれていない場合(ス
テップS12がNo)、メール種別判定部5は、当該メールをプライベートメールと判定
し、プライベートメール記憶部12にメールを格納する(ステップS13)。
【0041】
なお、情報共有システム100において、ユーザ端末2からプライベートメールを送信
する際にBCC宛先にあらかじめ設定した情報共有システムアドレスを入力し、送信する
ようにしてもよい。この場合、メール種別判定部5において、BCC宛先に情報共有シス
テムのアドレスが含まれているかどうかによってメールの種別を判定できる。
【0042】
プライベートメール記憶部12にメールを格納すると、メール種別判定部5はコミュニ
ティ情報記憶部10に登録済みのコミュニティ情報を取得する(ステップS14)。具体
的には、メール種別判定部5はコミュニティ情報記憶部10を検索し、プライベートメー
ル記憶部12に格納したプライベートメール情報のTOアドレス122、CCアドレス1
23もしくは差出人124が、コミュニティ情報のメンバ115に含まれるコミュニティ
情報を取得する。
【0043】
関係コミュニティ推定部7は、メール種別判定部5によって取得されたコミュニティ情
報に基づいて、プライベートメール記憶部12に格納されたメールに関係のあるコミュニ
ティを推定する関係コミュニティ推定処理を行う(ステップS15)。すなわち、関係コ
ミュニティ推定部7は格納されたプライベートメールが特定のコミュニティと関係がある
か否かを推定する。関係コミュニティ推定処理終了後、情報共有システム100は動作を
終了する。
【0044】
ここで、図7を参照して、図6のステップS15における関係コミュニティ推定部7に
よる関係コミュニティ推定処理について説明する。
【0045】
まず、関係コミュニティ推定部7は、メール種別判定部5によって取得されたコミュニ
ティ情報を受信する(ステップS151)。受信したコミュニティ情報に含まれるプライ
ベートメール検索条件116において設定されたメールの検索期間に、プライベートメー
ル記憶部12に格納されたプライベートメールの投稿日時125が含まれている場合(ス
テップS152がYes)、関係コミュニティ推定部7は、このプライベートメールの内
容を解析し、特定のコミュニティと関係があるかを推定する。
【0046】
具体的には、関係コミュニティ推定部7は、プライベートメールのタイトル136及び
本文137に自然言語処理を行い分析する(ステップS153)。続いて、関係コミュニ
ティ推定部7は、抽出したコミュニティ情報に含まれるコミュニティ名113及び概要1
14に自然言語処理を行い分析する(ステップS154)。
【0047】
関係コミュニティ推定部7は、プライベートメールの分析結果とコミュニティ情報の分
析結果とに基づいて、プライベートメールとコミュニティの関連性の高さを推定する(ス
テップS155)。プライベートメールと関係があると推定された場合(ステップS15
6がYes)、プライベートメールのメッセージID121とコミュニティ情報のコミュ
ニティID111とを関係コミュニティテーブル130に格納し(ステップS157)、
関係コミュニティ推定処理を終了する。
【0048】
すなわち、ステップS153及びステップS154において、関係コミュニティ推定部
7は、メール本文やタイトルなどの内容に基づいたプライベートメールの話題の特徴と、
コミュニティ名113やコミュニティ概要114に基づいた各コミュニティの話題の特徴
とを分析する。関係コミュニティ推定部7は、分析結果に基づいてステップS155とス
テップS156において、プライベートメールとコミュニティの話題の特徴の類似性を判
定する。
【0049】
なお、話題とは、ある文章集合において代表的な単語の集合であり、本例では、プライ
ベートメール内、またはコミュニティに属する複数のコミュニティメール内での、代表的
な単語の集合である。話題の特徴とは代表的な単語の中でも特にその文章内で際立った頻
度で使われている単語の集合である。この場合、話題の特徴の類似性とは、これらの単語
の集合同士をベクトルとみなして内積を計算した値によって示される。
【0050】
具体的には、ステップS153において関係コミュニティ推定部7は、コミュニティ代
表的な単語の集合を取得する。すなわち、関係コミュニティ推定部7は、各コミュニティ
のコミュニティ名113、コミュニティ概要114、コミュニティメールの本文117、
これまでに記憶されたプライベートメールのタイトル136や本文137などを対象に形
態素解析を行い、名詞や動詞、未知語などの語句を抽出する。なお、メールの本文につい
ては、全体ではなく、内容の要約が書かれる前半部分のみを対象にしてもよい。
【0051】
関係コミュニティ推定部7は、抽出した語句対して、各コミュニティのタイトル、概要
、解析時点から一定期間または一定数のコミュニティメールを特徴付ける単語の集合X_
nを、TFIDF法(term frequency-inverse documen
t frequency法)によって求める。
【0052】
また、解析対象のプライベートメールのタイトル及び本文を特徴付ける単語の特徴Yを
、同じくTFIDF法によって求める。
【0053】
さらに、各X_nとYの内積値を類似度として算出し、一定以上の値を持つX_nを決
定する。最後に、該当するX_nに対応するコミュニティを、解析対象のプライベートメ
ールと類似性が高いコミュニティ、すなわち関係コミュニティとみなす。
【0054】
なお、抽出結果のコミュニティ情報に含まれるプライベートメール検索条件116にお
いて設定されたメールの検索期間がプライベートメールの投稿日時125に含まれない場
合(ステップS152がNo)、もしくは、ステップS155において、プライベートメ
ールと関係があると推定されるコミュニティが存在しない場合(ステップS156がNo
)、関係コミュニティ推定部7は処理を終了する。
【0055】
また、本実施形態では、1通のプライベートメールについてコミュニティとの関係を判
定する場合を例に挙げているが、例えば、複数回のメールのやり取りなどに基づいて、メ
ールとコミュニティとの関係を判定することで、関係付けるコミュニティをさらに絞り込
むことが可能である。
【0056】
複数回のメールのやり取りなどに基づくプライベートメールとコミュニティとの関係の
判定は、例えば、プライベートメール情報に含まれ、どのメールに対する返信かを示す返
信元メッセージID118を用いて行われる。もしくは、どのメールを参照しているかを
示す参照情報(図示しない)を用いても良い。
【0057】
これによって、より精度が高い、コミュニティとプライベートメールとの関係付けを可
能とする。
【0058】
図8のフローチャートを参照して、情報共有システム100において、ユーザ操作受付
部1から新規のコミュニティ情報が入力される場合、すなわち、情報共有システム100
に新規のコミュニティが作成される場合の動作の一例について説明する。
【0059】
まず、コミュニティ作成部10がコミュニティ情報を受信する(ステップS20)。コ
ミュニティ作成部10は、受信したコミュニティ情報をコミュニティ情報記憶部14に格
納する(ステップS21)。
【0060】
コミュニティ情報記憶部14にコミュニティ情報が格納されると、関係コミュニティ推
定部7が、プライベートメール記憶部12に格納されたプライベートメールを取得する(
ステップS22)。関係コミュニティ推定部7は、図6のステップS15及び図7と同様
に、ステップS22で取得したプライベートメールがコミュニティ情報記憶部14に格納
されたコミュニティと関係があるか否かを推定する関係コミュニティ推定処理を行う(ス
テップS23)。
【0061】
続いて、メール閲覧部6が、ステップS22で取得したプライベートメールの中に、コ
ミュニティを作成するユーザがTOアドレス122、CCアドレス123もしくは差出人
124に含まれるプライベートメールがあるかどうかを判定する(ステップS24)。な
お、コミュニティを閲覧するユーザがプライベートメールのTOアドレス122、CCア
ドレス123もしくは差出人124に含まれる場合、このユーザをプライベートメールの
関係ユーザという。
【0062】
コミュニティを作成するユーザが、関係ユーザであるプライベートメールがある場合(
ステップS24がYes)、メール閲覧部6は、これらのプライベートメールを表示する
共有候補画面170をユーザに提示する(ステップS25)。共有候補画面170の一例
を図9に示す。
【0063】
図9に示すように、共有候補メール画面170は、コミュニティ名171、コミュニテ
ィに属するメンバ172、メール表示領域173、及び決定ボタン179を表示する。
【0064】
メール表示領域173は、ステップS24でコミュニティを作成するユーザが、関係ユ
ーザであると判定されたプライベートメール毎に、メールのタイトル174、差出人17
5、宛先人176、投稿日時177及び、チェックボックス178が表示される。チェッ
クボックス178は、メール毎に表示され、初期状態ではoff状態である。ユーザは表
示されたプライベートメールのうち、作成したコミュニティ内で共有するメールのチェッ
クボックス178をチェックしon状態にする。
【0065】
ユーザは、共有候補画面170に提示されたプライベートメールのチェックボックス1
78を編集し、各プライベートメールを作成されたコミュニティに属するメンバで共有す
るか否かを決定する(ステップS26)。具体的には、ユーザがユーザ操作受付部1を用
いて、表示された共有候補画面170のチェックボックス178をクリックし、チェック
マークをonもしくはoffに変更する。編集対象のすべてのメールについてチェックボ
ックス178の変更を行ったら、ユーザはユーザ操作受付部1を用いて決定ボタン179
をクリックする。
【0066】
決定ボタン179がクリックされると、公開フラグ編集部9は、共有候補画面170の
チェックボックス178に基づいて関係コミュニティテーブル130の公開フラグ133
を更新する(ステップS27)。これにより、新規のコミュニティが作成される場合の処
理が終了する。
【0067】
コミュニティを作成するユーザが、関係ユーザであるプライベートメールがない場合(
ステップS24がYes)も、新規のコミュニティが作成される場合の処理が終了する。
【0068】
図10を参照して、ユーザが既に作成されたコミュニティ宛のメールを閲覧する際の情
報共有システム100の動作の一例について説明する。
【0069】
まず、ユーザが、ユーザ操作受付部1を操作して閲覧対象のコミュニティ情報をメール
閲覧部6に入力する(ステップS30)。例えば、ユーザがコミュニティアドレスを入力
したとする。
【0070】
なお、ユーザが入力するのはコミュニティアドレスに限らず、コミュニティIDやコミ
ュニティ名など、閲覧したいコミュニティを識別可能な情報であればよい。
【0071】
メール閲覧部6は、入力されたコミュニティアドレスに基づいて、コミュニティメール
テーブル110からコミュニティメールを抽出する(ステップS31)。
【0072】
続いて、メール閲覧部6は、入力されたコミュニティアドレスに基づいて、コミュニテ
ィ情報テーブル140からコミュニティID141を抽出する(ステップS32)。
【0073】
プライベートメール抽出部8が、メール閲覧部6によって抽出されたコミュニティID
141に基づいて関係コミュニティ記憶部13から関係コミュニティ情報を抽出する(ス
テップS33)。プライベートメール抽出部8は、抽出した関係コミュニティ情報に含ま
れるメッセージID132に基づいて、プライベートメールテーブル120からプライベ
ートメールを抽出する(ステップS34)。
【0074】
プライベートメール抽出部8は、抽出されたプライベートメールの中に、情報コミュニ
ティを閲覧するユーザがTOアドレス122、CCアドレス123もしくは差出人124
に含まれるプライベートメールがあるかどうかを判定する(ステップS35)。
【0075】
抽出されたプライベートメール情報のTOアドレス122、CCアドレス123及び差
出人124のいずれかに、ステップS30で入力されたユーザのメールアドレスが含まれ
る場合(ステップS35がYes)、すなわち、プライベートメール抽出部8がコミュニ
ティを閲覧するユーザが関係ユーザであると判定した場合に、メール閲覧部6は、図8の
ステップS25と同様に、プライベートメール抽出部8によって抽出されたプライベート
メールの一覧を表示する共有候補画面170をユーザに提示する(ステップS36)。こ
のとき、チェックボックス178のチェックのon/offは、関係コミュニティテーブ
ル130の公開フラグ133に基づいて表示される。
【0076】
ユーザは、共有候補画面170を介して各メールをコミュニティ内で共有するか否かを
入力し、公開フラグ編集部9は、ユーザの入力に基づいて、各プライベートメールを作成
されたコミュニティに属するメンバで共有するか否かを示す公開フラグ133を編集する
(ステップS37)。
【0077】
メール閲覧部6は、ステップS31で抽出したコミュニティメールと、ステップS37
で共有すると決定したプライベートメールとを表示するコミュニティ閲覧画面160をユ
ーザに提示する(ステップS38)。
【0078】
なお、このとき図8のステップS27と同様に、公開フラグ編集部9は、共有候補画面
170のチェックボックス178に基づいて関係コミュニティテーブル130の公開フラ
グ133を更新してもよい。
【0079】
図11に、図10のステップS38でメール閲覧部6がユーザに提示するコミュニティ
閲覧画面160の一例を示す。
【0080】
図11に示したコミュニティ閲覧画面160は、コミュニティ名161、コミュニティ
のメンバ162、メール表示領域163を表示する。
【0081】
コミュニティ名161及びコミュニティのメンバは、図10のステップS33で抽出さ
れたコミュニティ情報に基づいて表示される。
【0082】
メール表示領域163には、コミュニティ閲覧処理において、プライベートメール抽出
部8によって抽出されたコミュニティメール及びプライベートメールが表示され、メール
のタイトル164、差出人165、及び投稿日時166の項目がある。
【0083】
図10の説明に戻る。抽出されたプライベートメールのTOアドレス122、CCアド
レス123及び差出人124のいずれもステップS30で入力されたユーザのメールアド
レスが含まれない場合(ステップS35がNo)、メール閲覧部6はプライベートメール
に対応した関係コミュニティテーブル130の公開フラグ133を取得する(ステップS
40)。
【0084】
取得された公開フラグ133のなかに「true」が存在する場合(ステップS39が
Yes)、メール閲覧部6は、ステップS31の抽出結果であるコミュニティメールと公
開フラグ133がtrueのプライベートメールとを表示するコミュニティ閲覧画面16
0をユーザに提示する(ステップS40)。
【0085】
取得された公開フラグ133のなかに「true」が存在しない場合(ステップS39
がNo)、メール閲覧部6は、ステップS31で抽出されたコミュニティメールを表示す
るコミュニティ閲覧画面160をユーザに提示する(ステップS41)。
【0086】
なお、ステップS38及びステップS40において、メール閲覧部6は、ユーザに提示
するプライベートメールに「Pマーク(プライベートマーク)」などの、マークをつけて
もよい。これにより、ユーザはコミュニティメンバ全員で共有されたメールと、コミュニ
ティに関係はしているが、まだメンバ全員で共有していないメールとを区別することが可
能である。すなわち、関係ユーザがコミュニティを閲覧する場合に、簡易な操作でコミュ
ニティにおける関係ユーザの間のみでプライベートメールを共有することができる。
【0087】
上述のように、本実施形態の情報共有システム100は、まだコミュニティに属してい
ないメールであるプライベートメールをシステムに保存する。これにより、将来的にコミ
ュニティで共有する可能性があるメールをシステムに保存することが可能である。
【0088】
したがって、適切なコミュニティが作成されていない場合に個人同士でやり取りされた
メッセージであっても、その後そのメッセージに関係するコミュニティが作成された場合
にコミュニティのメンバ間で共有することが可能となる。
【0089】
さらに、本実施形態の情報共有システム100によると、コミュニティメールを閲覧す
る際に、上述のように保存されたプライベートメールのうち、特定のコミュニティに関係
するメールを抽出してユーザに表示するため、インポータなどによる登録処理などの作業
なく、簡易な操作のみでコミュニティに登録されていない情報でも共有することができる
。したがって、情報共有の向上、及びユーザが登録作業を行うことによる作業効率の低下
を回避することが可能である。
【0090】
また、情報共有システム100は、コミュニティに関係する公開フラグ133を編集し
、コミュニティに関係するプライベートメールを共有するかしないかを設定することが可
能である。すなわち、本実施形態の情報共有システム100によると、コミュニティに関
係するプライベートメールのうち共有したくないコミュニティ内で共有せず、関係ユーザ
(プライベートメールの差出人あるいは宛先人)のみで共有することが可能となる。
【0091】
また、情報共有システム100は、コミュニティに関係するプライベートメールを抽出
して、ユーザに表示し、ユーザは表示されたプライベートメールの公開フラグを編集する
。これにより、ユーザがプライベートメールをコミュニティで共有すべきか否かの判断が
容易になる。
【0092】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態はあくまでも例として提示したも
のであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他
の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省
略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨
に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
100…情報共有システム、2…メール送信部、3…アクセス制御部、4…メール受信部
、5…メール種別判定部、6…メール閲覧部、7…関係コミュニティ推定部、8…プライ
ベートメール抽出部、9…公開フラグ編集部、10…コミュニティ作成部、12…コミュ
ニティメール記憶部、12…プライベートメール記憶部、13…コミュニティ関係記憶部
、14…コミュニティ情報記憶部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージをコミュニケーション手段とし、コミュニティ単位で情報を共有する情報共
有システムであって、
受信したメッセージを記憶する記憶部と、
受信したメッセージの宛先に基づいて、特定のコミュニティ宛のメッセージであるか否
かを判定する判定部と、
前記判定部により特定のコミュニティ宛でないと判定されたメッセージを対象として、
このメッセージの内容及び予め定められたコミュニティの情報に基づいて、特定のコミュ
ニティと関係があるか否かを推定する推定部と、
前記推定部により特定のコミュニティと関係を有すると推定されたメッセージをこのコ
ミュニティに属するユーザに提示する提示部と、
を備える情報共有システム。
【請求項2】
前記推定部により特定のコミュニティと関係を有すると推定されたメッセージをこのコ
ミュニティに公開するか否かを決定するための決定部を備え、
前記決定部によりこのコミュニティに公開すると決定されたメッセージを当該コミュニ
ティに属するユーザに提示する提示部と、
を備える請求項1に記載の情報共有システム。
【請求項3】
前記推定部は、前記メッセージの送信元、他のメッセージとの関係、及びコミュニティ
に所属するメンバに基づいて、特定のコミュニティと関係があるか否かを推定する請求項
1及び請求項2に記載の情報共有システム。
【請求項4】
前記推定部は、前記判定部により特定のコミュニティ宛でないと判定されたメッセージ
の内容に基づいて、特定のコミュニティと関係があるか否かを推定する請求項1乃至請求
項3に記載の情報共有システム。
【請求項5】
メッセージをコミュニケーション手段とし、受信したメッセージを記憶する記憶部を備
え、コミュニティ単位で情報を共有する情報共有システムの情報共有方法であって、
受信したメッセージを記憶するステップと、
受信したメッセージの宛先に基づいて、特定のコミュニティ宛のメッセージであるか否
かを判定するステップと、
特定のコミュニティ宛でないと判定されたメッセージを対象として、このメッセージの
内容及び予め定められたコミュニティの情報に基づいて、特定のコミュニティと関係があ
るか否かを推定するステップと、
特定のコミュニティと関係を有すると推定されたメッセージをこのコミュニティに属す
るユーザに提示するステップと、
を備える情報共有方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−73408(P2013−73408A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211667(P2011−211667)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】