説明

情報共有化システム

【課題】情報保護のためのセキュリティを確保しつつ、ユーザの利便性を向上させることが可能な情報共有化システムを提供する。
【解決手段】中継機器に対する情報処理装置の接続の検知が有ったかどうかを判断する(ステップS20)。情報処理装置の接続の検知が有った場合には、次に、中継機器に接続されている機器に関する機器管理テーブルを更新する(ステップS21)。次に、接続された情報処理装置に対してワークスペース接続初期画面の配信処理を実行する(ステップS22)。次に、ワークスペース接続初期画面の閲覧要求の指示が有ったかどうかを判断する(ステップS23)。閲覧要求の指示が有った場合には、他の情報処理装置に対して閲覧要求承認画面の配信処理を実行する(ステップS24)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報共有化システムに関し、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の情報処理装置等を中継機器に接続して、中継機器を介して情報を共有化するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ワークステーションやPC等の小型化、低価格化によって、一人一台のPCを自由に利用することが可能な環境が普及している。また、LAN(Local Area Network)等のネットワークの発達によって、PCが全てのネットワークに接続されて、PC間でデータ交換等することが可能である。
【0003】
このような環境において、PC間で1つの画面を共有するシステムや、画像や音声等を通信することにより、在席会議やTV会議等を実行することにより情報を共有化することが可能なシステムを構築することが行なわれている。
【0004】
特許文献1においては、情報を共有化するシステムであるネットワーク利用者情報管理装置が示されており、利用者情報・通信デバイス情報を容易に利用者に提示することが可能な方式が示されている。
【0005】
一方で、情報を共有化するシステムを利用する際、情報保護のために、利用者(ユーザ)を識別するためのIDや生体情報等、認証処理を実行する方式が一般的に採用されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−286843号公報
【特許文献2】特開2006−92366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、情報を共有化するシステムにおいて、利用者を識別するため認証処理を実行する場合には、認証装置を設けて、当該認証装置に予め認証情報を登録しておく必要がある。また、パスワードを利用する認証処理等の場合には、パスワードを記憶しておく必要があり、利用者にとっては煩雑となる。
【0007】
したがって、情報保護のためのセキュリティを確保しつつ、利用者の利便性を考慮したシステムが望ましい。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、情報を共有化することが可能なシステムにおいて、情報保護のためのセキュリティを確保しつつ、ユーザの利便性を向上させることが可能な情報共有化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る情報共有化システムは、表示手段および表示手段に表示される情報を操作するための操作手段を含む複数の情報処理装置と、複数の情報処理装置が接続された中継機器とを備える。中継機器は、接続される情報処理装置に対して情報を共有化するための共通の作業領域画面を送信する送信手段と、接続される情報処理装置を検知する検知手段と、検知手段において、新たな情報処理装置の接続を検知した場合に、既に接続されている情報処理装置の少なくとも1つに対して、新たな情報処理装置に対する作業領域画面の閲覧の可否を求める閲覧可否要求手段と、少なくとも1つの情報処理装置における閲覧の可否に応じて、新たに接続された情報処理装置に対する送信手段の作業領域画面の送信を許可する閲覧可否判断手段とを含む。
【0010】
好ましくは、中継機器と同一の構成であり、ネットワークで接続された別の中継機器と、別の中継機器と接続されている別の情報処理装置とを備える。中継機器および別の中継機器の各々は、互いにネットワークを介して情報の送受信が可能な通信手段をさらに含む。検知手段において、新たな情報処理装置の接続を検知した場合に、閲覧可否要求手段は、通信手段を介して、別の中継機器と接続されている情報処理装置に対して、新たな情報処理装置に対する作業領域画面の閲覧の可否を求める。
【0011】
好ましくは、閲覧可否要求手段は、既に接続されている所定の情報処理装置に対して、新たな情報処理装置に対する作業領域画面の閲覧の可否を求める。
【0012】
好ましくは、閲覧可否要求手段は、既に接続されている情報処理装置の少なくとも1つに対して、新たな情報処理装置に対する作業領域画面の閲覧の可否を求めるリクエスト画面を送信する。
【0013】
好ましくは、閲覧可否判断手段は、少なくとも1つの情報処理装置からの閲覧可の指示に従って、新たに接続された情報処理装置に対して送信手段からの作業領域画面の送信を許可する。
【0014】
好ましくは、閲覧可否判断手段は、少なくとも1つの情報処理装置からの閲覧不許可の指示に従って、新たに接続された情報処理装置に対して送信手段からの作業領域画面の送信を不許可とする。
【0015】
好ましくは、閲覧可否判断手段は、複数の情報処理装置からの閲覧の可否の指示があった場合、最後の情報処理装置からの閲覧の可否に応じて、新たな情報処理装置に対して送信手段からの作業領域画面の送信を許可する。
【0016】
好ましくは、閲覧可否判断手段は、所定期間内において、少なくとも1つの情報処理装置からの閲覧の可否の応答が無かった場合には、新たに接続された情報処理装置に対して送信手段からの作業領域画面の送信を許可する。
【0017】
好ましくは、閲覧可否判断手段は、少なくとも1つの情報処理装置からの閲覧可の指示に従って、新たに接続された情報処理装置に対して指定された時刻から送信手段からの作業領域画面の送信を許可する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る情報共有化システムは、新たな情報処理装置の接続を検知した場合に、既に接続されている情報処理装置の少なくとも1つに対して、新たな情報処理装置に対する作業領域画面の閲覧の可否を求める閲覧可否要求手段と、少なくとも1つの情報処理装置における閲覧の可否に応じて、新たに接続された情報処理装置に対する送信手段の作業領域画面の送信を許可する閲覧可否判断手段とを含む。
【0019】
新規の情報処理装置に対する作業領域画面の閲覧の可否を他の情報処理装置のユーザに求めることにより、情報保護のためのセキュリティを確保するとともに、ユーザ認証等を実行するための認証装置等の認証サーバを設ける必要が無く、また、パスワード等のデータを入力する必要が無いため手続が簡易でありユーザの利便性を向上させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態1に従う情報共有化システムについて説明する概略図である。
【0022】
図1を参照して、ローカルなエリアにおいて構成される情報共有化ユニット1,2とが設けられ、情報共有化ユニット1,2は、ネットワーク35で互いに接続されている。本例においては、情報共有化ユニット1,2のみがネットワーク35で互いに接続されている場合について説明するが、特にこれに限られず、さらに複数個の情報共有化ユニットがネットワークと接続するシステムとすることも可能であるし、また、1つの情報共有化ユニットのみの構成とすることも可能である。なお、ネットワーク35は、LAN(Local Area Network)であってもよいし、公衆回線等を用いたWAN(Wide Area Network)であってもよい。
【0023】
本発明の実施の形態1に従う情報共有化ユニット1は、情報処理装置の一種であるPC5,10(Personal Computer)と、TV会議システム15と、中継機器20とを備える。
【0024】
また、情報共有化ユニット2は、情報処理装置の一種であるPC6,11(Personal Computer)と、TV会議システム16と、中継機器25とを備える。
【0025】
また、中継機器20,25は、ネットワーク35と接続されているものとする。
ここで、TV会議システム15,16には、カメラが設けられており、当該カメラで撮像された映像がTVで表示されるものとする。
【0026】
図2は、中継機器20の構成を説明する概略図である。
図2を参照して、中継機器20には、本例においては、一例としてコネクタ端子41〜44が設けられ、コネクタ端子41を介して、PC5と接続され、コネクタ端子42を介してPC10と接続されている場合が示されている。また、コネクタ端子44を介してTV会議システム15と接続されている場合が示されている。また、図示しないがネットワーク35と接続されるコネクタ端子が設けられているものとする。なお、後述するが、PC7とコネクタ端子43とが新たに接続されるものとする。
【0027】
なお、コネクタ端子の個数については、限定されない。なお、本例においては、中継機器20の構成について説明したが、中継機器25の構成についても同様である。
【0028】
図3は、本発明の実施の形態1に従う中継機器20の構成を説明する概略ブロック図である。
【0029】
図3を参照して、本発明の実施の形態1に従う中継機器20は、ワークスペース制御処理部22と、接続機器識別処理部24と、ワークスペース閲覧可否要求部26と、ワークスペース閲覧可否判断部28と、通信部29と、機器管理処理部30と、情報処理装置操作検知部32と、情報処理装置表示送受信部34と、コネクタ部36と、DHCPサービス40と、内部バス38とを含む。
【0030】
コネクタ部36は、図示しないネットワーク35と接続されるコネクタ端子およびコネクタ端子41〜44を含み、コネクタ端子41〜44を介して情報処理装置あるいは情報機器等と接続する。
【0031】
ワークスペース制御処理部22は、後述する情報を共有化するための共通の作業領域画面に対する処理を実行する。なお、ワークスペース制御処理部22には、共通の作業領域画面に対する処理を実行するための図示しない記憶領域が設けられているものとする。また、ワークスペースの各種の動作を制御するためのソフトウェアも当該記憶領域に格納されているものとする。なお、記憶領域は、ワークスペース制御処理部22内に設けられてもよいし、別の領域に設けることも可能であるし、特に限定されない。
【0032】
接続機器識別処理部24は、コネクタ部36に設けられたコネクタ端子41〜44を介してそれぞれ接続された機器種別・属性を識別する。具体的には、接続機器識別処理部24は、後述するDHCPサービス40によりIPアドレスが割り当てられた機器と、MIB(Management Information Base)等の汎用プロトコルを用いて通信を行ない、機器の種別や属性を取得する。また、上述したように中継機器20は、ネットワーク35と接続されたコネクタ端子を有しているため、ネットワーク35を介して接続されている別の中継機器(本例においては中継機器25)についても、DHCPサービス40によりIPアドレスが割り当てられており、当該中継機器25においても接続機器識別処理部24により認識されているものとする。
【0033】
DHCPサービス40は、コネクタ部36に設けられたコネクタ端子と接続された機器にIPアドレスを自動的に割り当てて記憶する。
【0034】
ワークスペース閲覧可否要求部26は、新規にPCが接続された場合に、ワークスペースを当該新規に接続されたPCに閲覧させても良いかどうかの判断を既にワークスペースが配信されている他のPCに対して問い合わせるための閲覧要求承認画面を他のPCに出力する。
【0035】
ワークスペース閲覧可否判断部28は、ワークスペース閲覧可否要求部26から出力された閲覧要求承認画面に対するPCの応答に従って、新規に接続されたPCに対してワークスペースの配信を許可するか否かを判断する。
【0036】
機器管理処理部30は、接続機器識別処理部24が取得したコネクタ端子に対応するポート番号と、DHCPサービス40により割り当てられたIPアドレスと、機器種別・属性の関連を記憶するとともに、ワークスペースの閲覧が可能であるか否かの情報を管理する。具体的には、機器管理テーブルを有しており、コネクタ端子に対応するポート番号、IPアドレス、機器種別・属性およびワークスペースの閲覧許可フラグを機器管理テーブルに格納する。また、接続機器識別処理部24で認識された別の中継機器のIPアドレス等についても管理する。
【0037】
情報処理装置操作検知部32は、PC5,10等の共通の作業領域画面に対する操作処理を検知する。
【0038】
情報処理装置表示送受信部34は、機器管理テーブルに格納されている閲覧許可フラグに応じてワークスペース制御処理部22で処理された共通の作業領域画面をPC5,10等の表示部に送信する。また、外部のネットワークを介して配信された共通の作業領域画面を受信して、機器管理テーブルに格納されている閲覧許可フラグに応じてPC5,10等の表示部に送信する。また、外部のネットワークを介して、他の中継機器に共通の作業領域画面を送信する。
【0039】
通信部29は、ネットワーク35を介して接続された外部の例えば別の中継機器との間でデータの送受信を実行する。
【0040】
各部は、内部バス38と接続され、各部は、内部バス38を介して互いにデータの授受が可能であるものとする。
【0041】
なお、図示していないが中継機器20には、時刻情報を取得することが可能なクロックが設けられており、各部は、内部バス38を介して接続されているクロックから必要に応じて時刻情報を取得可能であるものとする。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態1に従う中継機器20の機器管理処理部30において管理している機器管理テーブルを説明する図である。
【0043】
図4を参照して、ポート番号として、コネクタ端子41〜44にそれぞれ対応してポート1〜4が設けられており、上述したようにDHCPサービス40を用いてIPアドレスとして、IPアドレスAD1,AD2,AD4が割り当てられた場合が示されている。
【0044】
また、接続機器識別処理部24により、ポート1に接続された機器種別としては、PC(5)であることが認識されている。また、ポート2に接続された機器種別としては、PC(10)であることが認識されている。また、ポート4に接続された機器種別としては、TV会議システム(15)であることが認識されている。
【0045】
また、ワークスペースの閲覧許可フラグに関して、ポート1に接続されたPC(5)およびポート2に接続されたPC(10)に対してワークスペースの閲覧が許可されているものとする。
【0046】
図5は、PC5,10の表示部に表示される共通の作業領域画面を説明する図である。
図5を参照して、ここでは、表示部のデスクトップ画面に共通の作業領域画面であるワークスペース50が表示されている場合が示されている。そして、上覧には、ワークスペースの種々の機能を実行することが可能な「メニュー」ボタン52が表示されている。
【0047】
なお、当該ワークスペースに対する操作処理は、マウス等のポインティングデバイスを用いて操作することが可能であるものとする。なお、ここでは、ワークスペース50外の領域に文書ファイル等の「ファイルA」および「ファイルB」のオブジェクトが表示されている場合が示されている。
【0048】
例えば、一例として、マウス等のポインティングデバイスを用いてカーソルを「ファイルA」あるいは「ファイルB」に合わせて、いわゆる、ドラッグアンドドロップにより、ワークスペース内に「ファイルA」あるいは「ファイルB」に移動させることが可能である。また、ポインティングデバイスの操作によってワークスペースに手書き入力を行うことも可能である。
【0049】
図6は、本発明の実施の形態1に従う中継機器20のワークスペースの起動処理を説明するフロー図である。
【0050】
図6を参照して、まず、中継機器20に電源が投入されたかどうかを判断する(ステップS1)。電源が投入された場合には、ワークスペース起動処理を実行する(ステップS2)。
【0051】
具体的には、中継機器20の図示しない記憶領域に格納されている、ワークスペースの各種の動作を制御するためのソフトウェアがロードされて、中継機器20において各部におけるワークスペースに関する処理が可能となるものとする。
【0052】
次に、機器の接続を確認する(ステップS3)。具体的には、接続機器識別処理部24により、コネクタ端子41〜44に接続されている機器種別を認識する。
【0053】
そして、次に、機器管理処理部30は、上述したように識別した機器種別に従って、機器管理テーブルに接続されている機器に関するデータを登録する(ステップS4)。なお、機器管理処理部30は、本例において、ワークスペースを起動した際に、既に中継機器20のコネクタ端子に接続されている情報処理装置については、ワークスペースの閲覧許可フラグをワークスペースの閲覧が許可されているものとして設定する。
【0054】
次に、ワークスペース配信処理を実行する(ステップS5)。そして、処理を終了する(エンド)。
【0055】
図7は、本発明の実施の形態1に従うワークスペース配信処理を説明するフロー図である。
【0056】
図7を参照して、まず、ローカルの情報処理装置にワークスペース配信処理を実行する(ステップS10)。具体的には、ワークスペース制御処理部22は、ワークスペースの起動処理に従ってワークスペースの初期画面に対する表示処理を実行する。そして、情報処理装置表示送受信部34は、ワークスペース制御処理部22により処理されたワークスペースの初期画面を機器管理処理部30の機器管理テーブルに登録されており、閲覧許可フラグが許可となっている情報処理装置に対して送信する。なお、上述したように、ワークスペースを起動した際に、既に中継機器20のコネクタ端子に接続されている情報処理装置については、ワークスペースの閲覧許可フラグは許可に設定されている。
【0057】
そして、次に他の中継機器にワークスペース配信処理を実行する(ステップS11)。そして、処理を終了する(エンド)。
【0058】
具体的には、情報処理装置表示送受信部34は、通信部29を介して、ワークスペースの初期画面をネットワーク35を介して外部の中継機器に送信する。
【0059】
本例においては、例えば、外部の中継機器として中継機器25に送信する場合について説明する。
【0060】
図8は、本発明の実施の形態1に従うワークスペース受信処理を説明するフロー図である。
【0061】
図8を参照して、まず、ワークスペースを受信したかどうかを判断する(ステップS12)。
【0062】
本例においては、中継機器25においてワークスペースを受信するものとする。
具体的には、中継機器25の通信部29を介して、中継機器25の情報処理装置表示送受信部34はワークスペースを受信したかどうかを判断する。
【0063】
中継機器25の情報処理装置表示送受信部34において、ワークスペースを受信した場合には、ローカルの情報処理装置にワークスペースの配信処理を実行する(ステップS13)。具体的には、中継機器25の情報処理装置表示送受信部34は、同様の方式に従ってワークスペースをPCに対して送信する。すなわち、中継機器25の機器管理処理部30の機器管理テーブルに登録されており、閲覧許可フラグが許可となっているPC6,11の表示部に対して送信する。
【0064】
当該処理により、PC5,10に表示されているワークスペース50と同様のワークスペースがPC6,11の表示部に表示されることになる。すなわち、情報を共有化するための共通の作業領域画面であるワークスペースがPC6,11に配信される。
【0065】
なお、図7および図8で説明したワークスペース配信処理およびワークスペース受信処理は、ワークスペースに対する処理毎に実行される。
【0066】
図9は、ワークスペースにオブジェクトであるファイルを移動した場合について説明する図である。
【0067】
図9に示されるように、ここでは、図5で示されたPC5の表示部のデスクトップ画面に表示されていたワークスペース50外に表示されていたファイルA,Bのオブジェクトがワークスペース50内に移動した場合の画面が示されている。
【0068】
本例においては、一例として、PC5において、表示部に表示されていたファイルA,Bのオブジェクトをワークスペース50内に移動させたものとする。
【0069】
具体的には、PC5において、上述したようにマウス等のポインティングデバイスを用いてドラッグアンドドロップにより、ワークスペース50内に「ファイルA」および「ファイルB」を移動させるものとする。
【0070】
中継機器20において、情報処理装置操作検知部32は、PC5において、ワークスペース50内への「ファイルA」のオブジェクト60および「ファイルB」のオブジェクト70のファイル入力を検知して、ワークスペース制御処理部22に出力する。また、マウス等のポインティングデバイスに従う当該オブジェクトが配置されるワークスペース内の座標位置を検知して、ワークスペース制御処理部22に出力する。
【0071】
ワークスペース制御処理部22は、情報処理装置操作検知部32からの検知結果に基づいて、情報を共有化するための共通の作業領域画面(ワークスペース)に対する表示処理を実行する。そして、情報処理装置表示送受信部34は、ワークスペース制御処理部22で処理されたワークスペースをPC5,10の表示部に送信する(ワークスペース配信処理)。
【0072】
図10は、中継機器20から中継機器25にワークスペースを送信する際のデータ処理について説明する図である。
【0073】
図10を参照して、中継機器20から中継機器25に対して、ワークスペースを送信する際、表示部に表示する際のワークスペースの大きさであるワークスペースのサイズ送信が実行される。また、ワークスペース内にオブジェクトが配置される場合には、情報処理装置操作検知部32で検知したオブジェクトの入力に従って、当該オブジェクトのファイル転送が実行される。
【0074】
また、ワークスペース内にオブジェクトが配置される場合には、ワークスペースのサイズに基づく、情報処理装置操作検知部32で検知したワークスペース内におけるオブジェクトの座標が転送される。
【0075】
そして、中継機器25の情報処理装置表示送受信部34は、当該中継機器20から送信されたデータを受信する。ワークスペース制御処理部22は、情報処理装置表示送受信部34で受信したワークスペースに関するデータに従って、ワークスペースに対する表示処理を実行する。そして、中継機器25の情報処理装置表示送受信部34は、ワークスペース制御処理部22で処理されたワークスペースをローカルのPC6,11に送信される(ワークスペース配信処理)。
【0076】
これにより、ローカルのPC6,11の表示部において、PC5で表示されたワークスペースと同一のワークスペースが表示される。
【0077】
図11は、ワークスペース50内に配置されるオブジェクトに対する表示操作を実行した場合について説明する図である。
【0078】
図11を参照して、ここでは、図10で示されたワークスペース50内に配置されたファイルAの内容を表示するための表示操作を実行した場合の画面が示されている。
【0079】
具体的には、PC5において、上述したようにマウス等のポインティングデバイスを用いて、「ファイルA」のオブジェクトにポインティングデバイスを合わせてダブルクリック(オープン指示)することにより「ファイルA」の内容を画面表示する処理が実行されるものとする。
【0080】
図12は、図11で説明したオブジェクトに対する処理を実行した場合の各機器における処理の流れについて説明する図である。
【0081】
図12を参照して、本例においては、一例として、PC5において、「ファイルA」が配置されたオブジェクト座標をダブルクリック指示したものとする。
【0082】
中継機器20の情報処理装置操作検知部32は、PC5において、ワークスペース50内の「ファイルA」のオブジェクト座標の位置に対するダブルクリック指示を検知して、ワークスペース制御処理部22に出力する。
【0083】
ワークスペース制御処理部22は、情報処理装置操作検知部32からの検知結果に基づいて、情報を共有化するための共通の作業領域画面(ワークスペース)に対する表示処理を実行する。具体的には、「ファイルA」のオブジェクトにポインティングデバイスを合わせてダブルクリックすることにより「ファイルA」の内容を展開した表示処理を実行する。すなわち、ワークスペース制御処理部22において、ワークスペース内におけるオブジェクトの表示イメージが生成される。
【0084】
そして、中継機器20の情報処理装置表示送受信部34は、ワークスペース制御処理部22で処理されたワークスペースをPC5,10の表示部に送信する(オブジェクト表示イメージ配信)。
【0085】
そして、PC5,10の表示部において、情報処理装置表示送受信部34から送信されたワークスペースの表示処理を実行する。すなわち、中継機器20のワークスペース制御処理部22で生成されたオブジェクトの表示イメージがワークスペース内において更新表示される。
【0086】
また、中継機器20の情報処理装置表示送受信制御部34は、中継機器25に対して、中継機器20の情報処理装置操作検知部32で検知した検知結果を送信する。具体的には、ワークスペース50内の「ファイルA」のオブジェクト座標の位置に対するダブルクリック指示を中継機器25に送信する。
【0087】
中継機器25の情報処理装置表示送受信制御部34は、中継機器20から送信されたオブジェクト座標の位置に対するダブルクリック指示を受信して、ワークスペース制御処理部22に出力する。
【0088】
中継機器25のワークスペース制御処理部22は、情報処理装置表示送受信制御部34で受信した内容に基づいて、情報を共有化するための共通の作業領域画面(ワークスペース)に対する表示処理を実行する。具体的には、オブジェクト座標の位置に対するダブルクリック指示すなわち、「ファイルA」のオブジェクトにポインティングデバイスを合わせてダブルクリックしたものと判断して、「ファイルA」の内容を展開した表示処理を実行する。すなわち、中継機器25のワークスペース制御処理部22において、ワークスペース内におけるオブジェクトの表示イメージが生成される。
【0089】
そして、中継機器25の情報処理装置表示送受信部34は、ワークスペース制御処理部22で処理されたワークスペースをPC6,11の表示部に送信する(オブジェクト表示イメージ配信)。
【0090】
そして、PC6,11の表示部において、情報処理装置表示送受信部34から送信されたワークスペースの表示処理を実行する。すなわち、中継機器25のワークスペース制御処理部22で生成されたオブジェクトの表示イメージがワークスペース内において更新表示される。
【0091】
一方、逆に、PC5において、「ファイルA」の内容が画面表示されているワークスペースにおいて、マウス等のポインティングデバイスを用いて、「ファイルA」のオブジェクトにポインティングデバイスを合わせてダブルクリック(クローズ指示)することにより「ファイルA」の内容の表示処理を終了する処理が実行されるものとする。すなわち、オブジェクトに対する非表示操作を実行した場合にワークスペースは、再び図9の画面になり更新表示されるものとする。
【0092】
当該場合においても、上記と同様の方式により、PC10の表示部およびPC6,11の表示部に同一のワークスペースが表示されることになる。
【0093】
なお、本例においては、ワークスペースに表示されるオブジェクトの一例として文書ファイル等のファイルデータについて説明したが、特に文書ファイルに限られず、いわゆる手書きによる軌跡データや、Webカメラによる映像等であっても良い。
【0094】
次に、PC7が新たに中継機器20のコネクタ端子に装着された場合について説明する。
【0095】
図13は、本発明の実施の形態1に従うPC7が中継機器20に新たに装着された場合の処理を説明するフロー図である。
【0096】
図13を参照して、まず、情報処理装置の接続の検知が有ったかどうかを判断する(ステップS20)。
【0097】
具体的には、中継機器20の接続機器識別処理部24がコネクタ端子にPC7が接続されたか否かを検知する。
【0098】
情報処理装置の接続の検知が有った場合には、次に、機器管理テーブルを更新する(ステップS21)。
【0099】
具体的には、接続機器識別処理部24において、PC7が中継機器20のコネクタ端子に接続されたことを検知して、機器管理テーブルに新たに接続されたPC7のデータが更新登録される。
【0100】
図14は、本発明の実施の形態1に従う中継機器20の機器管理処理部30において管理している更新された機器管理テーブルを説明する図である。
【0101】
図14を参照して、ここでは、図4と比較して、ポート3にPC7が接続された場合が示されており、IPアドレスAD3が割り当てられている。また、ワークスペースの閲覧許可フラグは、不許可に設定されている。その他の点については、図4で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0102】
再び、図13を参照して、次に、ワークスペース接続初期画面の配信処理を実行する(ステップS22)。
【0103】
具体的には、情報処理装置表示送受信部34は、機器管理テーブルに格納されているワークスペースの閲覧許可フラグに従って、閲覧許可フラグが不許可である場合には、ワークスペース接続初期画面をPC7に送信する。
【0104】
ワークスペース接続初期画面のデータについては、中継機器20内に設けられた図示しない記憶領域に格納されているものとし、情報処理装置表示送受信部34は、当該データを読み出して、PC7に送信する。あるいは、ワークスペース制御処理部22において、当該画面データが処理されて情報処理装置表示送受信部34により、PC7に送信されるようにすることも可能である。
【0105】
図15は、ワークスペース接続初期画面80を説明する図である。
図15を参照して、ワークスペース接続初期画面80においては、「閲覧要求」ボタン82、「終了」ボタン84が設けられており、例えば、「閲覧要求」ボタン82をマウス等のポインティングデバイスを用いて押下することにより、閲覧要求の指示が有ったと判断することができる。また、「終了」ボタン84を押下することにより、ワークスペースの閲覧の終了の指示が有ったと判断される。当該場合には、ワークスペース接続初期画面80が終了して、PC7の通常の画面が表示されるものとする。
【0106】
再び図13を参照して、次に、閲覧要求の指示が有ったかどうかを判断する(ステップS23)。
【0107】
具体的には、情報処理装置操作検知部32は、ワークスペース接続初期画面80における「閲覧要求」ボタン82の押下を検知したかどうかを判断する。
【0108】
次に、ワークスペース閲覧可否要求部26は、機器管理テーブルに格納されているワークスペースの閲覧許可フラグに従って、閲覧要求承認画面の配信処理を実行する(ステップS24)。そして、処理を終了する(エンド)。
【0109】
具体的には、情報処理装置操作検知部32において「閲覧要求」ボタン82の押下を検知した場合には、当該検知結果をワークスペース閲覧可否要求部26に通知する。ワークスペース閲覧可否要求部26は、中継機器20のコネクタ端子と接続されたPC7から送信されるユーザ情報および中継機器20で設定された設定情報に基づいて閲覧要求承認画面を生成して、情報処理装置表示送受信部34に出力する。
【0110】
図16は、本発明の実施の形態1に従う閲覧要求承認画面の配信処理を説明するフロー図である。
【0111】
図16を参照して、まず、ローカルの情報処理装置について閲覧要求承認画面の配信処理を実行する(ステップS30)。
【0112】
具体的には、ワークスペース閲覧可否要求部26は、閲覧要求承認画面を機器管理テーブルに格納されているワークスペースの閲覧許可フラグに従ってPC5,PC10に送信する。
【0113】
次に、他の中継機器に対して閲覧要求承認画面の配信処理を実行する(ステップS31)。
【0114】
具体的には、ワークスペース閲覧可否要求部26は、通信部29を介して他の中継機器に対して閲覧要求承認画面を送信する。本例においては、他の中継機器である中継機器25に対して閲覧要求承認画面を送信する。そして、図8で説明したのと同様の方式に従って、他の中継機器である中継機器25において、ワークスペース閲覧可否要求部26は、閲覧要求承認画面を受信して、当該閲覧要求承認画面をローカルの情報処理装置であるPC6,PC11に送信する。そして、処理を終了する(エンド)。
【0115】
図17は、本発明の実施の形態1に従う閲覧要求承認画面100を説明する図である。
図17を参照して、本発明の実施の形態1に従う閲覧要求承認画面100において、ここでは「以下のユーザからワークスペースの閲覧要求の問い合わせがありました。許可しますか?」のメッセージとともに、ユーザ情報および中継機器情報が表示されている場合が示されている。
【0116】
具体的には、ユーザ情報として、「問い合わせ時間」、「デバイス名称」、「ユーザ名」、「位置」に関する情報が示され、ここでは、一例として、「問い合わせ時間」が「2008/7/8 15:00」、「デバイス名称」が「YAMADA−1(種類PC)」、「ユーザ名」が「山田 一郎」、「位置」が「第5会議室」として表示されている。「問い合わせ時間」は、ワークスペースの閲覧を要求するユーザが「閲覧要求」ボタン82を押下した時刻を示すものとする。また、「デバイス名称」および「ユーザ名」については、接続機器処理部24において、PC7とコネクタ端子が接続された場合に、PC7から送信されるユーザ情報であり、PC7において予めユーザが設定した情報である。また、「位置」は、PC7が接続されたコネクタ端子を有する中継機器の位置情報であり、中継機器の設定情報が用いられる。
【0117】
また、中継機器情報として、中継機器の「名前」、「位置」に関する情報およびカメラ画像が示されている。なお、カメラ画像は、中継機器と接続されている情報機器のうちカメラ等の画像情報の入力がある機器と接続されていると判断した場合には、当該入力画像を表示するものとする。本例においては、TV会議システムと中継機器とが接続されているためTV会議システムに設けられたカメラからの入力画像が表示されているものとする。
【0118】
ここでは、一例として、「名前」が「企画部1号」、「位置」が「第5会議室」として表示されている。「名前」および「位置」については、中継機器の初期設定の際に登録された設定情報である。なお、ここでは、1ユーザからの閲覧要求があった場合の画面について説明したが、複数ユーザからの閲覧要求が同時にあった場合にはそれぞれの閲覧要求承認画面を1つに統合して表示することも可能である。
【0119】
そして、閲覧要求承認画面において、閲覧を許可する「許可」ボタン102と、閲覧を不許可とする「拒否」ボタン104とが設けられる。
【0120】
当該閲覧要求承認画面がPCに配信されることにより、ワークスペースを利用している他のユーザは、PC7のユーザが新たにワークスペースの閲覧を希望していることを認知することが可能となる。
【0121】
図18は、本発明の実施の形態1に従うワークスペースの閲覧の判断処理について説明するフロー図である。
【0122】
図18を参照して、まず、閲覧要求承認画面において、指示入力が有ったかどうかを判断する(ステップS40)。
【0123】
具体的には、情報処理装置操作検知部32において閲覧要求承認画面において、指示入力ボタンの押下があったかどうかを判断する。そして、指示入力ボタンの押下が有った場合には、当該指示入力をワークスペース閲覧可否判断部28に通知する。
【0124】
ステップS40において、閲覧要求承認画面において、指示入力が有った場合には、当該指示入力が許可指示入力か、拒否指示入力かを判断する(ステップS41)。
【0125】
具体的には、ワークスペース閲覧可否判断部28は、情報処理装置操作検知部32において指示入力が許可指示入力か、拒否指示入力かを判断する。
【0126】
ステップS41において、閲覧の許可指示入力が有った場合には、ワークスペース配信処理を実行する(ステップS42)。
【0127】
具体的には、ワークスペース閲覧可否判断部28は、閲覧の許可指示入力が有った場合には、機器管理処理部30の機器管理テーブルに格納されている閲覧許可フラグを許可に設定する。これにより、情報処理装置表示送受信部34は、閲覧許可フラグの許可に従って、ワークスペースをPC7に配信する。そして、処理を終了する(エンド)。
【0128】
一方、ステップS41において、拒否指示入力が有った場合には、閲覧不許可メッセージの配信処理を実行する(ステップS43)。具体的には、ワークスペース閲覧可否判断部28は、閲覧の拒否指示入力が有った場合には、閲覧不許可メッセージをPC7に配信する。そして、処理を終了する(エンド)。なお、閲覧不許可メッセージは、一例として「ワークスペースの閲覧が許可されませんでした。」のメッセージとする。特にこれに限られず、閲覧が不許可であることをPC7のユーザに認知させることが可能であればどのような表示あるいは手段でも良い。また、閲覧が不許可であることに加えて、どの端末から不許可指示とされたか、他の詳細な情報を表示させることも可能である。
【0129】
図19は、本発明の実施の形態1に従うワークスペース配信処理の流れを説明する図である。
【0130】
図19を参照して、ここでは、PC7を中継機器20に接続するとともに、PC10において、閲覧可否の許可指示を実行した場合について説明する。
【0131】
まず、中継機器20の接続機器識別処理部24において、PC7の接続を検知したものとする。上述したように情報処理装置表示送受信部34は、ワークスペース接続初期画面の配信処理を実行し、PC7の表示部にワークスペース接続初期画面を表示する。
【0132】
そして、PC7の表示部において、ワークスペース接続初期画面が表示され、PC7において、「閲覧要求」ボタン82を押下したものとする。中継機器20の情報処理装置操作検知部32は、当該操作を検知して、ワークスペース閲覧可否要求部26に通知する。ワークスペース閲覧可否要求部26は、閲覧要求承認画面の配信処理を実行する。
【0133】
当該処理により、PC5,PC10に閲覧要求承認画面が配信されるとともに、中継機器25に対しても閲覧要求承認画面が配信される。中継機器25のワークスペース閲覧可否要求部26は、通信部29を介して受信した閲覧要求承認画面をPC6,PC11に転送する。
【0134】
これにより、PC5,PC10において、閲覧要求承認画面が表示されるとともに、PC6,PC11においても閲覧要求承認画面が表示される。
【0135】
本例においては、PC10に表示された閲覧要求承認画面において、「許可」ボタン102が押下されたものとする。
【0136】
中継機器20の情報処理装置操作検知部32は、PC10の表示部で表示された閲覧要求承認画面における「許可」ボタンの押下を検知して、ワークスペース閲覧可否判断部28に通知する。ワークスペース閲覧可否判断部28は、「許可」ボタンの入力指示に応答して、機器管理テーブルの閲覧許可フラグを許可に設定する。
【0137】
そして、情報処理装置表示送受信部34は、機器管理テーブルに格納されている閲覧許可フラグの許可に従ってワークスペースの配信処理をPC7に対して実行する。これにより、PC7には、ワークスペースが表示される。
【0138】
図20は、本発明の実施の形態1に従うワークスペース配信処理の流れを説明する別の図である。
【0139】
図20を参照して、ここでは、PC7を中継機器20に接続するとともに、PC6において、閲覧可否の拒否指示を実行した場合について説明する。
【0140】
まず、中継機器20の接続機器識別処理部24において、PC7の接続を検知したものとする。上述したように情報処理装置表示送受信部34は、ワークスペース接続初期画面の配信処理を実行し、PC7の表示部にワークスペース接続初期画面を表示する。
【0141】
そして、PC7の表示部において、ワークスペース接続初期画面が表示され、PC7において、「閲覧要求」ボタン82を押下したものとする。中継機器20の情報処理装置操作検知部32は、当該操作を検知して、ワークスペース閲覧可否要求部26に通知する。ワークスペース閲覧可否要求部26は、閲覧要求承認画面の配信処理を実行する。
【0142】
当該処理により、PC5,PC10に閲覧要求承認画面が配信されるとともに、中継機器25に対しても閲覧要求承認画面が配信される。中継機器25のワークスペース閲覧可否判断部28は、通信部29を介した受信した閲覧要求承認画面をPC6,PC11に転送する。
【0143】
本例においては、PC6において、閲覧要求承認画面において、「拒否」ボタン104が押下されたものとする。
【0144】
中継機器25の情報処理装置操作検知部32は、PC6の表示部で表示された閲覧要求承認画面における「拒否」ボタンの押下を検知して、当該拒否指示情報を通信部29を介して中継機器20に転送する。
【0145】
中継機器20のワークスペース閲覧可否判断部28は、中継機器25から転送された拒否指示情報を検知する。
【0146】
そして、ワークスペース閲覧可否判断部28は、PC6からの「拒否」ボタンの入力指示に応答して、閲覧不許可メッセージをPC7に配信する。
【0147】
これにより、PC7には、閲覧不許可メッセージが表示される。
上記の方式に従って、新規のユーザのPCが中継機器20に接続され、情報共有化システムのワークスペースの閲覧を要求する場合に、ワークスペースを利用している他のユーザが閲覧要求の可否を閲覧要求承認画面で指示することが可能である。
【0148】
したがって、本願方式においては、ワークスペースの閲覧の際に、ユーザ認証等を実行するための認証装置等の認証サーバを設ける必要が無く、また、新規のユーザは、閲覧要求ボタンを押下するのみで、パスワード等のデータを入力する必要が無い。したがって、手続が簡易でありユーザの利便性を向上させるとともに、不適切なユーザがアクセスした際には、他のユーザは、ワークスペースの閲覧を拒否することができるため、情報共有化システムの情報保護のためのセキュリティも確保することが可能である。
【0149】
(実施の形態2)
図21は、本発明の実施の形態2に従うワークスペースの閲覧の判断処理について説明するフロー図である。
【0150】
図21を参照して、本発明の実施の形態2に従うワークスペースの閲覧の判断処理は、図18のフローと比較して、ステップS44を追加した点が異なる。具体的には、ステップS40において、閲覧要求承認画面において、指示入力が有ったかどうかを判断(ステップS40)し、指示入力が無かった場合に、指示入力が無かった期間が一定時間経過したかどうかを判断する(ステップS44)。
【0151】
そして、ステップS44において、指示入力が無かった期間が一定時間経過した場合には、ワークスペース配信処理を実行する(ステップS42)。
【0152】
具体的には、ワークスペース閲覧可否判断部28は、閲覧要求承認画面を配信してから、一定期間、情報処理装置操作検知部32からの指示入力の通知が無いかどうかを判断し、一定期間、指示入力が無いと判断した場合には、機器管理テーブルのワークスペースの閲覧許可フラグを許可に設定する。これにより、情報処理装置表示送受信部34は、閲覧許可フラグに従ってワークスペースをPCに配信する。
【0153】
その他の点については、図18のフローで説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。なお、一定時間は、ユーザの利便性を考慮して自由に設定できるものとする。
【0154】
図22は、本発明の実施の形態2に従うワークスペース配信処理の流れを説明する図である。
【0155】
図22を参照して、ここでは、PC7を中継機器20に接続するとともに、閲覧要求承認画面が表示された後、指示入力がないまま一定時間が経過した場合について説明する。
【0156】
閲覧要求承認画面がPC5,PC6,PC10,PC11に表示されるまでの流れについては、図19で説明したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0157】
本例においては、閲覧要求承認画面において、一定時間いずれのPCからも指示入力が無いものとする。
【0158】
中継機器20のワークスペース閲覧可否判断部28は、閲覧要求承認画面を配信してから、一定期間、情報処理装置操作検知部32からの指示入力の通知が無いと判断する。そして、機器管理テーブルのワークスペースの閲覧許可フラグを許可に設定する。 そして、情報処理装置表示送受信部34は、閲覧許可フラグに従ってワークスペースをPC7に配信する。これにより、PC7には、ワークスペースが表示される。
【0159】
したがって、本実施の形態2に従う方式により、閲覧要求承認画面が他のユーザに配信された後、PC7を接続したユーザに対して、他のユーザからの指示入力が一定時間無かった場合には、閲覧許可の黙認があったと判断して、ワークスペースの閲覧を許可する。それゆえ、指示入力があるまで待機し続ける必要が無く、ユーザの利便性を向上させることが可能である。
【0160】
なお、上記の実施の形態2に従う方式においては、他のユーザからの指示入力が一定時間無かった場合には、閲覧許可の黙認があったと判断したが、より機密性の高いワークスペースを取り扱う場合を考慮すると、他のユーザからの指示入力が一定時間無かった場合に、例えば、図5の「メニュー」の項目ボタンを選択して、当該場合に閲覧を許可するか、閲覧を不許可とするかを設定できるようにしても良い。
【0161】
(実施の形態3)
図23は、本発明の実施の形態3に従う閲覧要求承認画面100#を説明する図である。
【0162】
図23を参照して、本発明の実施の形態3に従う閲覧要求承認画面100#において、図17で説明した実施の形態1に従う閲覧要求承認画面100と比較して、時刻指定のオプションが付加された点が異なる。
【0163】
具体的には、閲覧要求承認画面において、選択可能な「時刻指定有」、「時刻指定無」の選択項目110が設けられ、「時刻指定有」の項目をマウス等のポインティングデバイスおよびキーボード等を用いて選択することにより、閲覧を許可する時刻を指定可能であるものとする。具体的には、入力欄112に指定する時刻を入力可能であるものとする。すなわち、「時刻指定有」に設定して、時刻を指定することにより、当該指定した時刻から閲覧が可能となるように設定することが可能である。また、例えば図5の「メニュー」の項目等のボタンを選択して、後から当該指定した時刻を変更可能なように設定することも可能である。
【0164】
ワークスペース閲覧可否判断部28は、情報処理装置操作検知部32からの許可指示入力および時刻指定の情報入力を受けて、指定された時刻にワークスペースの閲覧許可フラグを許可に設定する。
【0165】
当該方式により、例えば、本発明の情報共有システムを利用した前の会議が長引く場合において、次の会議に参加するユーザに対して時刻指定で当該情報共有システムを利用した会議への参加を許可することにより、情報保護のセキュリティを確保するとともに、許可時刻を設定可能である点でユーザの利便性を向上させることが可能である。
【0166】
なお、上記の実施の形態においては、閲覧要求承認画面をワークスペースを利用している全てのユーザのPCの表示部に表示する場合について説明したが、特にこれに限られず、例えば、同一の中継機器と接続されているローカルのPCのみに対して閲覧要求承認画面を配信することも可能であるし、あるいは、ユーザの優先順位に従って、所定のPCのみに閲覧要求承認画面を配信するように制御することも可能である。具体的には、上述した機器管理テーブルに、さらに閲覧要求承認画面を配信するフラグ欄を設けて、当該フラグ欄のフラグを設定可能な機能を例えば、ワークスペースのメニュー項目の欄に設けることにより、フラグに従って配信処理を実行することも可能である。
【0167】
また、ワークスペース閲覧可否判断部28の可否判断として、複数のPCからの指示入力が有った場合には、最後の指示入力すなわち直近の指示入力を有効として、ワークスペースの閲覧の可否判断を実行するようにすることも可能である。あるいは、一定期間における指示入力の多数決を取って、最も多い指示入力を有効と判断して、ワークスペースの閲覧の可否判断を実行するようにしても良い。
【0168】
また、上記においては、ワークスペースの起動処理に関して、中継機器20に電源が投入された後、自動的にワークスペースを起動して中継機器20側から例えばローカルの情報処理装置に対してワークスペースの初期画面が配信される方式について説明したが、特にこれに限られず、ワークスペースを閲覧/編集等するための初期画面は、ローカルの情報処理装置で立ち上げ、例えば、図5の「メニュー」の項目ボタンを選択して、ワークスペースの起動を指示することにより、図7で説明した中継機器20側からのワークスペースの配信処理が実行されるように設定することも可能である。あるいは、中継機器20とローカルの情報処理装置とが接続されていなくても、ローカルの情報処理装置において、初期画面を立ち上げてワークスペースの起動が指示されている場合には、中継機器20とローカルの情報処理装置とが接続された際に、図7で説明したワークスペースの配信処理が実行されるように設定することも可能である。また、その際に、中継機器20の電源投入と組み合わせて、中継機器20の電源が投入された場合にワークスペースの配信処理を実行するようにすることも可能である。
【0169】
なお、本実施の形態においては、情報機器として、TV会議システムが中継機器に接続された場合について説明したが、特にTV会議システムに限られず、プロジェクタや、MFPや、スキャナや、プリンタ、カメラ、マイク、IP(Internet Protocol)電話機等であってもよい。
【0170】
なお、中継機器を制御する各部について、コンピュータを機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0171】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0172】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0173】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0174】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明の実施の形態1に従う情報共有化システムについて説明する概略図である。
【図2】中継機器20の構成を説明する概略図である。
【図3】本発明の実施の形態1に従う中継機器20の構成を説明する概略ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に従う中継機器20の機器管理処理部30において管理している機器管理テーブルを説明する図である。
【図5】PC5,10の表示部に表示される共通の作業領域画面を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態1に従う中継機器20のワークスペースの起動処理を説明するフロー図である。
【図7】本発明の実施の形態1に従うワークスペース配信処理を説明するフロー図である。
【図8】本発明の実施の形態1に従うワークスペース受信処理を説明するフロー図である。
【図9】ワークスペースにオブジェクトであるファイルを移動した場合について説明する図である。
【図10】中継機器20から中継機器25にワークスペースを送信する際のデータ処理について説明する図である。
【図11】ワークスペース50内に配置されるオブジェクトに対する表示操作を実行した場合について説明する図である。
【図12】図11で説明したオブジェクトに対する処理を実行した場合の各機器における処理の流れについて説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態1に従うPC7が中継機器20に新たに装着された場合の処理を説明するフロー図である。
【図14】本発明の実施の形態1に従う中継機器20の機器管理処理部30において管理している更新された機器管理テーブルを説明する図である。
【図15】ワークスペース接続初期画面80を説明する図である。
【図16】本発明の実施の形態1に従う閲覧要求承認画面の配信処理を説明するフロー図である。
【図17】本発明の実施の形態1に従う閲覧要求承認画面100を説明する図である。
【図18】本発明の実施の形態1に従うワークスペースの閲覧の判断処理について説明するフロー図である。
【図19】本発明の実施の形態1に従うワークスペース配信処理の流れを説明する図である。
【図20】本発明の実施の形態1に従うワークスペース配信処理の流れを説明する別の図である。
【図21】本発明の実施の形態2に従うワークスペースの閲覧の判断処理について説明するフロー図である。
【図22】本発明の実施の形態2に従うワークスペース配信処理の流れを説明する図である。
【図23】本発明の実施の形態3に従う閲覧要求承認画面100#を説明する図である。
【符号の説明】
【0176】
1,2 情報共有化ユニット、5,6,7,10,11 PC、15,16 TV会議システム、20,25 中継器、22 ワークスペース制御処理部、24 接続機器識別処理部、26 ワークスペース閲覧可否要求部、28 ワークスペース閲覧可否判断部、29 通信部、30 機器管理処理部、32 情報処理装置操作検知部、34 情報処理装置表示送受信部、35 ネットワーク、36 コネクタ部、38 内部バス、40 DHCPサービス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段および前記表示手段に表示される情報を操作するための操作手段を含む複数の情報処理装置と、
前記複数の情報処理装置が接続された中継機器とを備え、
前記中継機器は、
前記接続される情報処理装置に対して情報を共有化するための共通の作業領域画面を送信する送信手段と、
前記接続される情報処理装置を検知する検知手段と、
前記検知手段において、新たな情報処理装置の接続を検知した場合に、既に接続されている情報処理装置の少なくとも1つに対して、前記新たな情報処理装置に対する前記作業領域画面の閲覧の可否を求める閲覧可否要求手段と、
前記少なくとも1つの情報処理装置における前記閲覧の可否に応じて、前記新たに接続された情報処理装置に対する前記送信手段の前記作業領域画面の送信を許可する閲覧可否判断手段とを含む、情報共有化システム。
【請求項2】
前記中継機器と同一の構成であり、ネットワークで接続された別の中継機器と、
前記別の中継機器と接続されている別の情報処理装置とを備え、
前記中継機器および前記別の中継機器の各々は、互いに前記ネットワークを介して情報の送受信が可能な通信手段をさらに含み、
前記検知手段において、新たな情報処理装置の接続を検知した場合に、前記閲覧可否要求手段は、前記通信手段を介して、前記別の中継機器と接続されている情報処理装置に対して、前記新たな情報処理装置に対する前記作業領域画面の閲覧の可否を求める、請求項1記載の情報共有化システム。
【請求項3】
前記閲覧可否要求手段は、既に接続されている所定の情報処理装置に対して、前記新たな情報処理装置に対する前記作業領域画面の閲覧の可否を求める、請求項1記載の情報共有化システム。
【請求項4】
前記閲覧可否要求手段は、既に接続されている情報処理装置の少なくとも1つに対して、前記新たな情報処理装置に対する前記作業領域画面の閲覧の可否を求めるリクエスト画面を送信する、請求項1記載の情報共有化システム。
【請求項5】
前記閲覧可否判断手段は、前記少なくとも1つの情報処理装置からの前記閲覧可の指示に従って、前記新たに接続された情報処理装置に対して前記送信手段からの前記作業領域画面の送信を許可する、請求項1記載の情報共有化システム。
【請求項6】
前記閲覧可否判断手段は、前記少なくとも1つの情報処理装置からの前記閲覧不許可の指示に従って、前記新たに接続された情報処理装置に対して前記送信手段からの前記作業領域画面の送信を不許可とする、請求項1記載の情報共有化システム。
【請求項7】
前記閲覧可否判断手段は、複数の情報処理装置からの前記閲覧の可否の指示があった場合、最後の情報処理装置からの前記閲覧の可否に応じて、前記新たな情報処理装置に対して前記送信手段からの前記作業領域画面の送信を許可する、請求項1記載の情報共有化システム。
【請求項8】
前記閲覧可否判断手段は、所定期間内において、前記少なくとも1つの情報処理装置からの前記閲覧の可否の応答が無かった場合には、前記新たに接続された情報処理装置に対して前記送信手段からの前記作業領域画面の送信を許可する、請求項1記載の情報共有化システム。
【請求項9】
前記閲覧可否判断手段は、前記少なくとも1つの情報処理装置からの前記閲覧可の指示に従って、前記新たに接続された情報処理装置に対して指定された時刻から前記送信手段からの前記作業領域画面の送信を許可する、請求項1記載の情報共有化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−67189(P2010−67189A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235224(P2008−235224)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】