説明

情報再生装置、および情報再生方法、並びにプログラム

【課題】再生速度を変更した場合においてもジャーキネスのない高品質な画像再生を実現する装置および方法を提供する。
【解決手段】最速再生画像であるn倍速画像をオリジナル画像とし、オリジナル画像に対して、表示部に対する画像信号出力停止期間を判別する停止期間識別信号を設定する。表示制御部は、停止期間識別信号により停止期間を判別して、停止期間においては表示部に対する画像信号出力を停止し、停止期間以外の有効期間のみ画像信号の出力を行う。停止期間の長さに応じた画像信号出力停止処理により、ジャーキネスのない0〜n倍速の画像表示が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報再生装置、および情報再生方法、並びにプログラムに関する。さらに、詳細には、高速再生や低速再生など様々な再生速度でのコンテンツ再生を行う情報再生装置、および情報再生方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクやDVD、BDなどのメディア(情報記録媒体)の記録コンテンツを再生する情報再生装置には再生速度を変更して再生する機能を備えたものがある。このような装置は、ユーザの指定によって例えば高速再生やスロー再生が可能となる。
【0003】
例えば、従来装置における再生速度変更処理においては以下のような処理が行われる。高速再生処理は、動画像コンテンツの構成フレームを所定間隔で間引き、間引き後のフレームを表示部に表示する。また、スロー再生処理は、同じフレームを複数回繰り返して重複表示するといった処理が行われる。
【0004】
しかし、このようなフレーム間引き処理、あるいはフレーム重複表示処理を行うとジャーキネスが発生する。例えば、ある速度で動く移動オブジェクトを表示すると、動きが不自然なものになる。いわゆる動きのガタツキとしてのジャーキネスが発生する。
【0005】
図1を参照して、ジャーキネスの発生メカニズムについて説明する。図1(a)に示す時間的に連続するフレーム1〜12について、高速再生を行なう場合について想定する。各フレーム1〜12には、移動オブジェクト11が含まれる。オブジェクト11は、フレームの進行に従って、下方向に移動している。図1(b)は、オブジェクト11を含む画像領域の縦ラインのみを抽出して、フレーム1〜12まで並べた図である。縦方向の升目は1画素(ピクセル)とする。移動オブジェクト11は各フレームについて1画素ずつ下方向に移動する。
【0006】
この画像データを高速再生する場合、フレームの間引きが実行される。ここでは、フレーム3,6,9,12を間引く処理を実行して再生するものとする。再生速度は、1.5倍速(3/2倍)になる。フレーム間引き結果を、図1(c)に示す。再生画像は、フレーム3,6,9,12が間引かれ、フレーム1,2,4,5,7,8,10,11の順に再生される。
【0007】
図1(c)から理解されるように、移動オブジェクト11は、再生フレーム1,2間では、1画素移動し、再生フレーム2,4間では、2画素移動する。高速再生では、フレーム1,2,4,5,7,8,10,11のフレーム順に時間的に等間隔で再生されることになる。この結果、視聴者はオブジェクト11の動きが早くなったり遅くなったりを繰り返す不自然な動きを観察することになる。この現象が、表示オブジェクトの動きがカクカクとする、いわゆるジャーキネスと呼ばれる現象である。このジャーキネスを発生させる要因は、再生フレームの間引き処理によるものである。
【0008】
本出願人は、このような再生速度の変更に伴うジャーキネス発生を解決する構成として、システムクロックのクロック速度である周波数を変更し、高速再生時にはクロック周波数を高く設定し、低速再生時にはクロック周波数を低下させる構成を提案した。これらの構成については、特許文献1(特開2007−74037号公報)、特許文献2(特開2007−74038号公報)に記載がある。
【0009】
これらの特許文献に記載の処理は、出力フレームレートを変更して高速再生や低速再生を実現するものであり、いわゆるフレームレートを可変としたコンピュータ機器の表示装置などに利用されるマルチスキャンモニタと類似する処理を行うものである。
【0010】
PCの表示装置などに利用されるマルチスキャンモニタは、例えば、NTSC圏の基準フレームレートである59.94Hzだけでなく、70Hz,80Hzといったフレーム周波数の動画像を入力することが可能であり、そのフレームレートで表示を行うことができる。再生速度を変更しても速度に応じたフレームレートで表示するとジャーキネスが発生しない。したがって、マルチスキャンモニタを用いれば、再生速度を変えても動き劣化を生じることなく表示することは可能である。
【0011】
しかし、再生速度を動的に変えようとするとマルチスキャンモニタでは問題が生じる。具体例としては、フレームレートを変える際に、画面の表示が行えなくなる期間、いわゆるタイムラグ(Time Lag)が生じてしまう。すなわち、コンテンツを再生しながら視聴速度を動的に変えようとした場合には表示が止まってしまう期間が生じてしまい、快適な視聴を継続するのが困難になる。
【0012】
例えば、図2に示すように、フレームレート[fa]で再生しているコンテンツを、ユーザが時間(t1)に再生速度変更指示を入力してフレームレート[fb]に変更とようとしても、時間(t1)から一定期間後の時間(t2)まで画像は停止状態となる。その後、時間(t2)からフレームレート[fb]で再生することが可能となる。この時間t1〜t2の期間がラグ(Time Lag)として発生する。
【0013】
このタイムラグ(Time Lag)は、ロックがはずれた期間とも表現される。マルチスキャンモニタは同期信号であるシンクと呼ばれるタイミング基準信号を元に入力画像のデータを読み取る。従って、再生速度変更時に新たな同期調整を行う必要が発生し、この期間、再生が停止ししてしまうタイムラグを生ずることになる。すなわち、フレームレートを変えるにはシンク信号のタイミングを変更する必要があり、それによって一時的にデータが読み取れなくなってしまう。たとえば、シンク信号からPLLのクロック信号を発生させて内部動作を行う装置の場合、PLLのロックがはずれるためデータ読み出しが不可能になる期間が生じてしまう。
【0014】
ジャーキネスを発生させずに再生速度を変更する方法としては、出力フレームレートの変更を行うことが有効な方法であるが、上述のように出力フレームレートの変更時に出力画像が停止するタイムラグが発生してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2007−74037号公報
【特許文献2】特開2007−74038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、例えば上述の問題点に鑑みてなされたものであり、高速再生や低速再生など再生速度を変更するコンテンツ再生処理において、ジャーキネスの発生を防止するとともに、スムーズな再生速度変更を可能とする情報再生装置、および情報再生方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の側面は、
表示部に対する画像信号出力を停止する停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成し、画像信号とともに出力する再生制御部と、
前記画像信号の表示部に対する出力制御を実行する表示制御部であり、前記停止期間識別信号により停止期間を判別し、停止期間においては表示部に対する画像信号出力を停止し、停止期間以外の有効期間のみ画像信号の出力を行う表示制御部と、
を有する情報再生装置にある。
【0018】
さらに、本発明の情報再生装置の一実施態様において、前記再生制御部は、最速再生画像であるn倍速画像をオリジナル画像として、該オリジナル画像に対して前記停止期間の設定処理を実行し、0〜n倍速の範囲内の任意再生速度での再生を可能とする停止期間識別信号を生成し、前記表示制御部は、停止期間が設定されていない画像は継続的な表示部に対する画像出力によりn倍速画像の表示を行い、停止期間の設定された画像は、停止期間識別信号によって判別される停止期間の長さに応じた画像信号出力停止処理により、0〜n倍速の画像表示を行う。
【0019】
さらに、本発明の情報再生装置の一実施態様において、前記再生制御部は、
(a)停止期間を画像フレームの間に設定するY方向集約型停止期間設定態様、
(b)停止期間を画像フレーム内に分散して設定するY方向分散型停止期間設定態様、
(c)停止期間を画像フレームを構成するラインの間に設定するX方向集約型停止期間設定態様、
(d)停止期間を画像フレームを構成するライン内に分散して設定するX方向分散型停止期間設定態様、
上記(a)〜(d)の停止期間設定態様のいずれかの態様、または複数の態様の組み合わせで設定し、設定した停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成する。
【0020】
さらに、本発明の情報再生装置の一実施態様において、前記再生制御部は、ユーザインタフェースを介して入力される再生速度指定情報に応じて、指定再生速度の設定に必要となる停止期間を決定し、決定した停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成する。
【0021】
さらに、本発明の情報再生装置の一実施態様において、前記再生制御部は、前記停止期間識別信号として、前記表示制御部の処理タイミングを制御するクロック信号の有効期間と無効期間を設定したイネーブル信号を生成し、前記停止期間を無効期間としたイネーブル信号の生成を行い、前記表示制御部は、前記イネーブル信号に応じて入力クロックの有効期間と無効期間を判別して有効期間は前記表示部に対する画像信号出力処理を実行し、無効期間においては前記表示部に対する画像信号出力処理を停止する。
【0022】
さらに、本発明の情報再生装置の一実施態様において、前記再生制御部は、前記停止期間識別信号として、画像信号に対する垂直同期信号または水平同期信号の少なくともいずれかの同期信号を調整した同期信号調整信号の生成を行い、前記表示制御部は、前記同期信号調整信号における同期信号区間のクロック数のカウント値と、予めメモリに保持した基準カウント値とを比較し、基準カウント値を超える同期信号区間を停止期間と判断し、前記表示部に対する画像信号出力を停止する。
【0023】
さらに、本発明の第2の側面は、
表示部に対する画像信号出力を停止する停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成し、画像信号とともに出力する再生制御部と、
前記画像信号の表示部に対する出力制御を実行する表示制御部であり、前記停止期間識別信号により判別される再生速度に応じてシステムクロックの周波数を調整した調整クロック信号を生成し、生成した調整クロック信号により表示デバイス駆動部を駆動させて再生速度の変更を実行する表示制御部と、
を有する情報再生装置にある。
【0024】
さらに、本発明の第3の側面は、
情報再生装置において実行する情報再生方法であり、
再生制御部が、表示部に対する画像信号出力を停止する停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成し、画像信号とともに出力する再生制御ステップと、
表示制御部が、前記画像信号の表示部に対する出力制御を実行する表示制御部であり、前記停止期間識別信号により停止期間を判別し、停止期間においては表示部に対する画像信号出力を停止し、停止期間以外の有効期間のみ画像信号の出力を行う表示制御ステップと、
を有する情報再生方法にある。
【0025】
さらに、本発明の第4の側面は、
情報再生装置において情報再生処理を実行させるプログラムであり、
再生制御部に、表示部に対する画像信号出力を停止する停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成させて、画像信号とともに出力させる再生制御ステップと、
表示制御部に、前記画像信号の表示部に対する出力制御を実行させる表示制御部であり、前記停止期間識別信号により停止期間を判別し、停止期間においては表示部に対する画像信号出力を停止し、停止期間以外の有効期間のみ画像信号の出力を行わせる表示制御ステップと、
を有するプログラムにある。
【0026】
なお、本発明のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な画像処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、画像処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0027】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施例によれば、最速再生画像であるn倍速画像をオリジナル画像とし、オリジナル画像に対して、表示部に対する画像信号出力停止期間を判別する停止期間識別信号を設定する。表示制御部は、停止期間識別信号により停止期間を判別して、停止期間においては表示部に対する画像信号出力を停止し、停止期間以外の有効期間のみ画像信号の出力を行う。停止期間の長さに応じた画像信号出力停止処理により、ジャーキネスのない0〜n倍速の画像表示が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ジャーキネスの発生メカニズムについて説明する図である。
【図2】従来の再生装置における再生速度変更例について説明する図である。
【図3】本発明の一実施例に係る情報再生装置の構成について説明する図である。
【図4】本発明の情報再生装置における再生速度変更例について説明する図である。
【図5】本発明の一実施例に係る情報再生装置の構成について説明する図である。
【図6】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する停止期間の設定と停止期間を用いた再生処理例について説明する図である。
【図7】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する停止期間の設定と停止期間を用いた再生処理例について説明する図である。
【図8】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する停止期間の設定と停止期間を用いた再生処理例について説明する図である。
【図9】再生装置の実行するデータ出力シーケンスについて説明する図である。
【図10】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する停止期間を適用したデータ出力シーケンスについて説明する図である。
【図11】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する停止期間を適用したデータ出力シーケンスについて説明する図である。
【図12】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する停止期間を適用したデータ出力シーケンスについて説明する図である。
【図13】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する停止期間を適用したデータ出力シーケンスについて説明する図である。
【図14】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する停止期間を適用したデータ出力シーケンスについて説明する図である。
【図15】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する停止期間識別信号の設定例について説明する図である。
【図16】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する停止期間識別信号の設定例について説明する図である。
【図17】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する同期信号を用いた停止期間の設定および停止期間判別による再生処理例について説明する図である。
【図18】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する同期信号を用いた停止期間の設定および停止期間判別による再生処理例について説明する図である。
【図19】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する同期信号を用いた停止期間の設定および停止期間判別による再生処理例について説明する図である。
【図20】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する同期信号を用いた停止期間の設定および停止期間判別による再生処理例について説明する図である。
【図21】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する同期信号を用いた停止期間の設定判別によるデータ出力シーケンスについて説明する図である。
【図22】本発明の一実施例に係る情報再生装置の実行する同期信号を用いた停止期間の設定判別によるデータ出力シーケンスについて説明する図である。
【図23】本発明の一実施例に係る情報再生装置の表示制御部の構成について説明する図である。
【図24】本発明の一実施例に係る情報再生装置の表示制御部の構成について説明する図である。
【図25】本発明の一実施例に係る情報再生装置の表示制御部において生成する調整クロック信号の例について説明する図である。
【図26】本発明の一実施例に係る情報再生装置の表示制御部において生成する調整クロック信号の例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明の情報再生装置、および情報再生方法、並びにプログラムの詳細について説明する。説明は、以下の項目に従って行う。
1.本発明の情報再生装置の構成および処理例について(実施例1)
2.停止期間識別信号を省略し同期信号(Sync)の設定変更による停止期間識別を行う処理例(実施例2)
3.停止期間識別信号に応じて表示デバイスに対する供給クロックを変更する処理例(実施例3)
【0031】
[1.本発明の情報再生装置の構成および処理例について(実施例1)]
以下、図面を参照しながら本発明の情報再生装置、および情報再生方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。
【0032】
まず、図3以下を参照して本発明の一実施例に係る情報再生装置の構成について説明する。図3に示す情報再生装置100は、例えばDVD、ハードディスク等の情報記録媒体に格納されたコンテンツ、あるいは放送、ネットワークを介して入力するコンテンツの再生処理を実行する情報再生装置である。なお、情報再生装置100は、例えば従来の録画再生装置、例えば、VTRやHDDレコーダに代表される録画再生装置と同様の構成を有し、さらに、図3に示す本発明に従った処理を実行するための構成を付加した装置として構成可能である。図3は従来装置と異なる本発明に関連する部分を抽出して示した図である。
【0033】
本発明の情報再生装置100は動画コンテンツを、表示部130を介して表示する。入力コンテンツを再生し、かつ、再生速度を変えられるという特徴を有する。また、再生速度を変えても動き劣化であるジャーキネスを発生させず、かつ、再生速度変更時に画像停止期間をほとんど発生させないという特徴を持つ。
【0034】
図3に示すように、情報再生装置100は、再生制御部110、表示制御部120、表示部130、ユーザインタフェース(IF)140、システムクロック150を有する。
【0035】
再生制御部110は入力コンテンツに含まれる画像、音声、および付随データ(字幕など)を復号する。表示制御部120はデコードされたデータを再生制御部110から入力して表示部130に表示する処理を行う、なお、図3には、再生制御部110と、表示制御部120を一体化した装置として示しているが、これらの各構成部は個別の装置として例えばケーブルやネットワークによって接続された構成としてもよい。
【0036】
ユーザは表示部130に表示された画像を視聴する。なお、表示部130は、例えば液晶表示装置のようなホールド型の表示装置によって構成することが好ましい。
再生速度についてはユーザがユーザIF140を介して任意に指定できる。なお、再生速度の指定はユーザの人為的な指定を行うほかに、例えば初期的な再生速度としてはシステム内部で予め設定もしくは生成されるデフォルトの再生速度を利用する構成としてもよい。
【0037】
システムクロック150は、再生制御部110と表示制御部120に対してn倍速でのコンテンツ再生処理を可能とするように、n倍速以上のクロック周期のクロックを再生制御部110と表示制御部120に対して供給する。なお、n=2、あるいはn=4など固定されている構成でよい。システムクロック150は、一般的な再生装置において供給されるクロックより速いn倍周期のクロックを供給する。
【0038】
再生制御部110と表示制御部120は、このn倍速クロックに従った処理を行う。例えばn=2の場合、2倍速の再生速度での再生データが生成されることになる。n=4の場合、4倍速の再生速度での再生データが生成されることになる。なお、このような高速クロックを用いた再生処理については、本出願人の先の出願である特開2007−74037号公報、特開2007−74038号公報に記載されている。
【0039】
これらの特開2007−74037号公報、特開2007−74038号公報に記載の構成では、様々なクロック周期に設定可能な構成とし、高速再生を行う場合は、クロック周期を高くし、低速再生を行う場合はクロック周期を低くする設定としていた。
【0040】
本発明では、図3に示すシステムクロック150はn倍速の高速再生コンテンツを生成するためのn倍速クロックを再生制御部110と表示制御部120に供給する。前述のようにn=2など固定値としてよい。再生制御部110は、n倍速クロックに従ってn倍速再生可能なコンテンツを生成する。ここまでの処理は、前述の特開2007−74037号公報、特開2007−74038号公報に記載された処理と同様の処理として実行する。
【0041】
本願発明の情報再生装置100は、このn倍速での再生可能なコンテンツを基にして、さらに0〜n倍速の任意速度での再生コンテンツを生成する。
図3に示すように、再生制御部110は、n倍速動画信号211を生成して表示制御部120に出力する。図に示すように、再生制御部110が表示制御部120に出力するn倍速動画信号211には、停止期間識別信号が含まれる。
【0042】
表示制御部120は、再生制御部110から入力するn倍速動画信号211と停止期間識別信号を用いて、0〜n倍速動画信号231を生成して表示部130に表示する。なお、ユーザはユーザIF140を介して0〜n倍の範囲で任意の再生速度を任意のタイミングで指定可能である。再生制御部110は、ユーザIF140を介して入力された再生速度指定信号に応じて停止期間識別信号を生成または更新する処理を行う。この処理によって、表示部130に表示される動画コンテンツの再生速度が0〜n倍速の範囲で即座に変更されることになる。
【0043】
本発明に従った情報再生装置100は、再生速度の変更処理を例えば図4に示すようなイメージで行うことができる。図4は、縦軸が再生速度(出力フレームレート)、横軸に時間(Time)を示している。ユーザは任意タイミングで0〜n倍速の範囲で再生速度変更指定をユーザIF140を介して行うことができる。再生制御部110と表示制御部120は、ユーザ指定に応じた処理を行い表示部130に表示されているコンテンツの再生速度をユーザの指定した速度に変更する。
【0044】
具体的には、停止期間の変更によりコンテンツの再生速度を変更する。なお、この処理についての詳細は後段で説明する。従来の装置では、再生速度変更時にいわゆるシンク(同期信号)の再設定を行うことが必要となり、この処理期間、出力画像が停止してしまうが、本発明の構成では、このようなシンク(同期信号)の再設定を行う必要がなく、停止期間の設定、変更処理によって再生速度を変更するものであるため、図4に示すような画像停止を伴わないスムーズな再生速度変更処理が実現される。
【0045】
図5は、本発明の情報再生装置100内の再生制御部110と表示制御部120の詳細構成例を示す図である。
再生制御部110は、デコード部111、出力情報生成部112、バッファメモリ113、出力部114を有する。
表示制御部120は、入力部121、駆動タイミング制御部122、表示デバイス駆動部123を有する。
【0046】
再生制御部110内のデコード部111は、入力コンテンツのデコード処理、例えばMPEGデコード処理などを行い、デコード結果を出力情報生成部112に提供する。出力情報生成部112は、デコード部111から入力するデコード結果をバッファメモリ113に一時的に格納する。出力情報生成部112は、さらに、ユーザIF140を介して指定されたコンテンツ再生速度に応じた停止期間を設定し、設定した停止期間に応じた停止期間識別信号情報(イネーブル信号)を生成する。
【0047】
出力情報生成部112は、バッファメモリ113に格納された画像信号と音声信号を含むコンテンツ、さらに停止期間識別信号(イネーブル信号)を出力部114を介して表示制御部120に出力する。なお、再生制御部110は、システムクロックからn倍速クロックを入力して動作しており、再生制御部110から表示制御部120に提供されるコンテンツは、このまま再生を行えばn倍速再生が実行されるコンテンツである。なお、コンテンツは動画信号と音声信号とによって構成されるが、音声信号は画像信号の再生速度に同期させた再生、あるいは高速再生の場合には音声信号をカットするといった処理が可能であり、以下では動画信号の処理を中心として説明する。
【0048】
図5に示すように、再生制御部110から表示制御部120に対してn倍速動画信号211が転送される。n倍速動画信号211には停止期間識別信号(イネーブル信号)が含まれる。
【0049】
表示制御部211の入力部121は、再生制御部110からの転送信号を入力して駆動タイミング制御部122に提供する。駆動タイミング制御部122は、n倍速動画を表示デバイス駆動部123を駆動させて表示部130に表示する。この処理に際して、駆動タイミング制御部122は、停止期間識別信号(イネーブル信号)によって示される停止期間の間は、n倍速動画信号の表示を停止させる処理を行う。
【0050】
すなわち、駆動タイミング制御部122は、停止期間識別信号(イネーブル信号)によって停止期間とされた期間は、表示デバイス駆動部123の駆動を停止し、停止期間識別信号(イネーブル信号)によって停止期間とされていない期間(有効期間)においてのみ表示デバイス駆動部123の駆動を実行してn倍速動画信号の表示を実行する。
【0051】
図5に示すように、駆動タイミング制御部122は、n倍速動画信号+間欠駆動信号221によって表示デバイス駆動部123を駆動する。この処理によって、表示部130には(0〜n)倍速動画信号231が表示される。
【0052】
停止期間識別信号(イネーブル信号)による停止期間が設定されていない場合、表示部130に表示される動画はn倍速となる。一方、停止期間識別信号(イネーブル信号)による停止期間が設定されている場合は、設定されている停止期間の量に応じて、再生コンテンツの再生速度が0〜n倍速の範囲に設定される。
【0053】
図6以下を参照して停止期間の設定と再生速度との対応例について説明する。図6には、
(a)n倍速システムクロックを適用した通常再生
(b1)n倍速システムクロックを適用し、かつ停止期間を設定した例(Y方向集約型停止期間設定例)
これらの図を示している。
なお、以下では、n=2として、2倍速システムクロックを利用した例について説明する。この場合、停止期間を設定せずに再生を行なった場合2倍速再生が実行される。
【0054】
図6(a)は、n=2の場合の停止期間を設定しない再生処理例であり、フレームf01〜f04・・の各フレームが2倍速で再生される。なお、各フレームはW×Hのサイズであるとする。フレームf01は時間t1〜t2の期間表示され、フレームf02は時間t2〜t3、フレームf03は時間t3〜t4、フレームf04は時間t4〜t5の期間表示される。
【0055】
一方図6(b1)は、停止期間を設定した例である。図6(b1)に示す停止期間設定例は、2倍速再生における1フレーム表示期間と同じ期間を停止期間として設定した例である。この場合、1倍速再生が実現される。
【0056】
停止期間は、各フレーム表示後に設定している。図6(b1)に示す例において、フレームf01は時間t1〜t2の期間表示され、その後、停止期間t2〜t3の間もフレームf01の表示が継続することになる。
【0057】
この停止期間t2〜t3では、図4に示す表示制御部120の駆動タイミング制御部122が、表示デバイス駆動部123に対して、フレームf02の表示信号の出力を停止する。図3、図5に示す表示部130は例えば液晶表示装置のようなホールド型の表示部であり、次の表示信号が入力されるまでは前の表示信号を継続して表示する。従って、図6(b1)に示す停止期間t2〜t3の間もフレームf01の表示が継続する。すなわち、フレームf01は、時間t1〜t3の間、表示部130に表示される。
【0058】
停止期間t2〜t3の後の時間t3〜t4は停止期間が解除された有効期間であり、表示デバイス駆動部123に対して、フレームf02の表示信号の出力が行われる。従って、フレームf02は時間t3〜t4の期間、表示される。その後、停止期間t4〜t5の間もフレームf02の表示が継続することになる。
【0059】
図6(b1)に示すような停止期間の設定により、n倍速コンテンツをn/2倍速コンテンツに再生速度を低下して再生することができる。図6の例では、n=2の例であり、2倍速コンテンツを1倍速コンテンツとして再生することができる。
【0060】
図6(b1)に示す例は停止期間を1フレーム表示期間と同じ期間に設定しているが、図6(b1)に「可変」として示しているように停止期間の幅は任意の値に設定できる。この停止期間を長く設定すれば、再生速度を低下させることが可能であり、短く設定すれば再生速度を高速にすることができる。すなわち、入力されるn倍速コンテンツに対する様々な停止期間の設定により0〜n倍速の任意の再生速度でコンテンツを再生することができる。
【0061】
なお、0〜n倍速再生を行う場合の再生フレームは、n倍速再生可能なオリジナルコンテンツに含まれる全フレームであり削除フレームは存在しない。従ってジャーキネスが発生しない品質の高い動画再生が可能となる。
【0062】
なお、図6に示す例では、n倍速の通常再生における1フレームの再生期間の後、次のフレームの再生が開始される前に停止期間をまとめて設定しているが、停止期間の設定は、このようなフレーム間に設定する例のみならず、1つのフレームの再生出力期間の内部に分散して設定することも可能である。
【0063】
フレーム方向(H方向)をY方向、フレームの走査方向(W方向)をX方向として、そのいずれの方向に沿って停止期間を設定するか、また、まとめて停止期間を設定する(集約型)か分散して停止期間を設定する(分散型)かに応じて、以下の4パータンの停止期間設定態様がある。
X方向集約型停止期間設定態様、
X方向分散型停止期間設定態様、
Y方向集約型停止期間設定態様、
Y方向分散型停止期間設定態様、
これらの4パータンの停止期間設定態様がある。図6(b1)に示す例はY方向集約型停止期間設定態様を示している。
【0064】
図7はY方向分散型停止期間設定例を示す図である。図7(b2)は、フレームf01のY方向に複数の停止期間を分散して設定している。例えば1ライン、あるいは複数ライン毎に停止期間と有効期間(白い部分)を設定する。フレームf02についても、同様にY方向に複数の停止期間を分散して設定している。図の例は、停止期間と有効期間(白い部分)が1:1であり、n/2倍速再生が行われる。n=2の場合は、1倍速再生となる。図7(b2)は、フレーム横方向の1ラインを単位として停止期間を設定しているが、例えば、図7(b3)に示すような1ラインの途中から停止期間を発生させる設定も可能である。なお、図7に示すような分散型の停止期間の設定の場合にも、各停止期間の長さや間隔の調整によって、再生速度を0〜n倍の範囲で調整することが可能である。
【0065】
図8は、X方向停止期間設定例を示している。図8(c1)がX方向集約型停止期間、(c2)がX方向分散型停止期間の設定例である。
図8(c1)の例は、フレームを構成する各ラインの描画終了後に1ラインの描画期間と同じ期間の停止期間を設けている。すなわち1ラインの描画処理期間と同じ期間の有効期間と停止期間を交互に設定している例である。このような停止期間を設定した場合、n/2倍速のコンテンツ再生が可能となる。
【0066】
図8(c1)に「可変」として示しているように停止期間の幅は任意の値に設定できる。この停止期間を長く設定すれば、再生速度を低下させることが可能であり、短く設定すれば再生速度を高速にすることができる。すなわち、入力されるn倍速コンテンツに対する様々な停止期間の設定により0〜n倍速の任意の再生速度でコンテンツを再生することができる。
【0067】
図8(c2)に示す例は、X方向分散型の停止期間設定例を示している。フレームの1つのラインの中に複数の停止期間を分散して設定した例である。図8(c2)に示すような分散型の停止期間の設定の場合にも、各停止期間の長さや間隔の調整によって、再生速度を0〜n倍の範囲で調整することが可能である。
【0068】
なお、図8(c1)X方向集約型停止期間、(c2)X方向分散型停止期間の設定のいずれの場合も停止期間は各ライン単位で異なる期間とすることが可能である。ライン単位で異なる停止期間とした例が、図8の下段に示す図である。それぞれ、
(c1b)X方向集約型停止期間、
(c2b)X方向分散型停止期間、
これらについてライン単位で異なる停止期間とした例を示している。
【0069】
次に、図9以下を参照して停止期間を利用した表示部に対する画像出力処理シーケンスについて説明する。以下では、n=2として、図3、図5に示す再生制御部110において、まず2倍速のコンテンツを生成した場合の処理例について説明する。
【0070】
図9は、
(1)1倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
(2)2倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
これらを示している。
(1)の1倍速再生は、入力コンテンツをそのまま再生する場合の処理例を参考として示している。(2)の2倍速再生は、n=2のシステムクロックの生成するクロックを入力して処理を行い、停止期間を設けずに表示部に出力する場合の例を示している。(1),(2)とも横軸が時間、縦軸が、スキャンラインのフレームの垂直方向の位置(0〜H)を示している。
【0071】
図9(1)に示す1倍速再生時の描画処理(スキャン動作)では、時間t1〜t3の期間においてフレームf01の描画処理が実行され、次の時間t3〜t5でフレームf02、時間t5〜t7においてフレームf03の描画処理が行われる。各フレームの描画間隔は[Tv/1]である。Tvは1倍速再生における1フレームの表示期間に相当する。
【0072】
これに対して、図9(2)は、図3、図5に示す本発明に従った情報再生装置において、n=2のシステムクロックの生成するクロックを入力して処理を行い、停止期間を設けずに表示部に出力する場合の描画処理例である。まず、時間t1〜t2の期間においてフレームf01の描画処理が実行され、次の時間t2〜t3でフレームf02、時間t3〜t4においてフレームf03の描画処理が行われる。各フレームの描画間隔は[Tv/2]である。Tvは1倍速再生における1フレームの表示期間に相当する。このように、図9(2)の描画処理は、図9(1)に示す描画処理の半分の期間で各フレームの描画処理が実行される。結果として2倍速再生が行われることになる。
【0073】
本発明の情報再生装置100の再生制御部110の出力情報生成部112は、まず、図9(2)の態様、すなわちn倍速再生を可能としたコンテンツを生成する。その後、出力情報生成部112は、ユーザ指定の再生速度に応じた停止期間を設定する。
【0074】
n=2として、バッファメモリ113に格納したコンテンツが2倍速再生コンテンツである場合に、ユーザから1.5倍速再生の指定が行われた場合の停止期間の設定例について図10以下を参照して説明する。
【0075】
図10には、
(2)2倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
(3a)1.5倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
これらを示している。
図10(2)は図9(2)に示す描画処理と同様の処理であり、時間t1〜t2の期間においてフレームf01の描画処理が実行され、次の時間t2〜t3でフレームf02、時間t3〜t4においてフレームf03の描画処理が行われる。
【0076】
図10(3a)に示す描画処理は、各フレームの描画処理の後に停止期間を設定した例である。この停止期間設定例は、先に図6(b1)を参照して説明したY方向集約型停止期間の設定例に対応する。
【0077】
図10(3a)に示す描画処理は、時間t1〜t2の期間においてフレームf01の描画処理が実行され、次の時間t2〜taが停止期間である。この停止期間は、図5に示す出力情報生成部112が、ユーザ指定の再生速度情報に応じて設定した停止期間である。
【0078】
この停止期間情報は、n倍速のコンテンツとともに表示制御部120に提供され、駆動タイミング制御部122において表示デバイス駆動部123の駆動タイミングを設定するために利用される。すなわち、停止期間の間は、駆動タイミング制御部122の制御によって、表示デバイス駆動部123の描画処理が停止される。
【0079】
図10(3a)に示す例では、時間t1〜t2は停止期間でない有効期間であり、2倍速コンテンツのフレームf01の描画処理が実行される。しかし、その後の時間t2〜taは停止期間として設定されている。この停止期間は、駆動タイミング制御部122の制御によって、表示デバイス駆動部123の描画処理が停止される。時間ta以後は停止期間が解除され、有効期間となり次のフレームf02の描画が行われる。以下同様に各フレームの描画処理と停止期間が交互に繰り返される。
【0080】
この例では、例えばフレームf01は、表示部130にt1〜taまでの期間、表示が行われる。フレームf02への切り替えは時間ta以降となる。図10(3a)に示す例は1.5倍速再生の停止期間設定例であり、
t1〜t2:t1〜ta=1:1.5である。
すなわち、図10(3a)に示す描画シーケンスでは、図10(2)に示す2倍速再生におけるフレームf01の表示期間[t1〜t2]の1.5倍の期間である[t1〜ta]の期間、フレームf01が表示される。その後のフレームについても同様に、図10(2)に示す2倍速再生におけるフレーム表示期間の1.5倍の期間、各フレームの表示が行われる。図に示すように各フレームの描画間隔は[Tv/1.5]である。Tvは1倍速再生における1フレームの表示期間に相当する。
【0081】
この停止期間を長く設定すれば再生速度が低下し、短く設定すれば再生速度が高速となる。図5に示す再生制御部110の出力情報生成部112は、例えばユーザの指定した再生速度に応じて停止期間を設定して表示制御部120に出力する。
【0082】
表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、出力情報生成部112の生成した停止期間情報に応じて、例えば図10(3a)に示すように表示デバイス駆動部123を間欠駆動する。この処理によって、0〜n倍速のコンテンツ再生が実現される。
【0083】
前述のように図10(3a)に示す停止期間設定例は、図6(b1)に示すY方向集約型の停止期間設定例に対応する。
図7(b2)に示すY方向分散型の停止期間設定例に対応する描画シーケンスを図11(3b)に示す。
図11には、
(2)2倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
(3b)1.5倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
これらを示している。
図11(2)は図9(2)に示す描画処理と同様の処理であり、時間t1〜t2の期間においてフレームf01の描画処理が実行され、次の時間t2〜t3でフレームf02、時間t3〜t4においてフレームf03の描画処理が行われる。
【0084】
図11(3b)に示す描画処理は、各フレームの描画処理の中間と最後に停止期間を分散して設定した例である。この停止期間設定例は、先に図7(b2)を参照して説明したY方向分散型停止期間の設定例に対応する。
【0085】
図11(3b)に示す例では、時間t1〜taは停止期間でない有効期間であり、2倍速コンテンツのフレームf01の前半部分の描画処理が実行される。しかし、その後の時間ta〜tbは停止期間として設定されている。この停止期間は、駆動タイミング制御部122の制御によって、表示デバイス駆動部123の描画処理が停止される。時間tb以後は停止期間が解除され、有効期間となりフレームf01の後半部の描画が行われる。フレームf01の後半部の描画終了後の時間tcから時間tdまで、停止期間となる。時間td以後に有効期間となり、次のフレームf02の描画が開始される。以下同様に各フレームの描画処理に対して2回の停止期間が設定された処理が繰り返される。
【0086】
この例では、例えばフレームf01は、表示部130にt1〜tdまでの期間、表示が行われる。フレームf02への切り替えは時間td以降となる。図11(3b)に示す例は1.5倍速再生の停止期間設定例であり、
t1〜t2:t1〜td=1:1.5である。
すなわち、図11(3b)に示す描画シーケンスでは、図11(2)に示す2倍速再生におけるフレームf01の表示期間[t1〜t2]の1.5倍の期間である[t1〜td]の期間、フレームf01が表示される。その後のフレームについても同様に、図11(2)に示す2倍速再生におけるフレーム表示期間の1.5倍の期間、各フレームの表示が行われる。図に示すように各フレームの描画間隔は[Tv/1.5]である。Tvは1倍速再生における1フレームの表示期間に相当する。
【0087】
なお、本例においても各停止期間を長く設定する処理や、1フレーム内にさらに多くの停止期間を設定することで再生速度を低下させることができる。また各停止期間を短く設定する処理や、1フレーム内に設定する停止期間の数を少なくすれば再生速度が高速となる。図5に示す再生制御部110の出力情報生成部112は、例えばユーザの指定した再生速度に応じて停止期間を設定して表示制御部120に出力する。
【0088】
図9〜図11を参照してY方向集約型の停止期間設定例と、Y方向分散型の停止期間設定例における描画シーケンスについて説明した。
次に、図12〜図14を参照してX方向集約型の停止期間設定例と、X方向分散型の停止期間設定例における描画シーケンスについて説明する。
【0089】
図12は、X方向、すなわちフレームを構成する1つのラインの描画処理シーケンスを示している。
(4)1倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
(5)2倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
これらの描画シーケンスを示している。
(4)の1倍速再生は、入力コンテンツをそのまま再生する場合の処理例を参考として示している。(5)の2倍速再生は、n=2のシステムクロックの生成するクロックを入力して処理を行い、停止期間を設けずに表示部に出力する場合の例を示している。(4),(5)とも横軸が時間、縦軸が、フレームを構成するスキャンラインの1ラインの位置(0〜W)を示している。
【0090】
図12(4)に示す1倍速再生時の描画処理(スキャン動作)では、時間t1〜t3の期間においてフレームf01の第1ラインであるL01の描画処理が実行され、次の時間t3〜t5で第2ラインL02、時間t5〜t7において第3ラインL03の描画処理が行われる。各ラインの描画間隔は[Th/1]である。Thは1倍速再生における1ラインの描画期間に相当する。
【0091】
これに対して、図12(5)は、図3、図5に示す本発明に従った情報再生装置において、n=2のシステムクロックの生成するクロックを入力して処理を行い、停止期間を設けずに表示部に出力する場合の描画処理例である。まず、時間t1〜t2の期間においてフレームf01の第1ラインであるL01の描画処理が実行され、次の時間t2〜t3でラインL02、時間t3〜t4においてラインL03の描画処理が行われる。各ラインの描画間隔は[Th/2]である。Thは1倍速再生における1ラインの描画期間に相当する。このように、図12(2)の描画処理は、図12(1)に示す描画処理の半分の期間で各ラインの描画処理が実行される。結果として2倍速再生が行われることになる。
【0092】
本発明の情報再生装置100の再生制御部110の出力情報生成部112は、先にも説明したように、まず図12(5)の態様、すなわちn倍速再生を可能としたコンテンツをバッファメモリ113に格納する。その後、出力情報生成部112は、ユーザ指定の再生速度に応じた停止期間を設定する。
【0093】
n=2として、バッファメモリ113に格納したコンテンツが2倍速再生コンテンツである場合に、ユーザから1.5倍速再生の指定が行われた場合の停止期間の設定処理例について図13以下を参照して説明する。
【0094】
図13には、
(5)2倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
(6a)1.5倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
これらを示している。
図13(5)は図12(5)に示す描画処理と同様の処理であり、時間t1〜t2の期間においてフレームf01のラインL01の描画処理が実行され、次の時間t2〜t3でラインL02、時間t3〜t4においてラインL03の描画処理が行われる。
【0095】
図13(6a)に示す描画処理は、各ラインの描画処理の後に停止期間を設定した例である。この停止期間設定例は、先に図8(c1)を参照して説明したX方向集約型停止期間の設定例に対応する。
【0096】
図13(6a)に示す描画処理は、時間t1〜t2の期間においてラインL01の描画処理が実行され、次の時間t2〜taが停止期間である。この停止期間は、図5に示す出力情報生成部112が、ユーザ指定の再生速度情報に応じて設定した停止期間である。
【0097】
この停止期間情報は、n倍速のコンテンツとともに表示制御部120に提供され、駆動タイミング制御部122において表示デバイス駆動部123の駆動タイミングを設定するために利用される。すなわち、停止期間の間は、駆動タイミング制御部122の制御によって、表示デバイス駆動部123の描画処理が停止される。
【0098】
図13(6a)に示す例では、時間t1〜t2は停止期間でない有効期間であり、2倍速コンテンツのラインL01の描画処理が実行される。しかし、その後の時間t2〜taは停止期間として設定されている。この停止期間は、駆動タイミング制御部122の制御によって、表示デバイス駆動部123の描画処理が停止される。時間ta以後は停止期間が解除され、有効期間となり次のラインL02の描画が行われる。以下同様に各ラインの描画処理と停止期間が交互に繰り返される。
【0099】
図13(6a)に示す例は1.5倍速再生の停止期間設定例であり、
t1〜t2:t1〜ta=1:1.5である。
すなわち、図13(6a)に示す描画シーケンスでは、図13(2)に示す2倍速再生における1ラインの描画時間の1.5倍の時間毎に1ラインの描画が順次行われる。図に示すように各ラインの描画間隔は[Th/1.5]である。Thは1倍速再生における1ラインの描画期間に相当する。
【0100】
この停止期間を長く設定すれば再生速度が低下し、短く設定すれば再生速度が高速となる。図5に示す再生制御部110の出力情報生成部112は、例えばユーザの指定した再生速度に応じて停止期間を設定して表示制御部120に出力する。
【0101】
表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、出力情報生成部112の生成した停止期間情報に応じて、例えば図13(6a)に示すように表示デバイス駆動部123を間欠駆動する。この処理によって、0〜n倍速のコンテンツ再生が実現される。
【0102】
先に図9(c2)を参照して説明したX方向分散型の停止期間設定例に対応する描画シーケンスを図14(6b)に示す。
図14には、
(5)2倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
(6b)1.5倍速再生時の描画処理(スキャン動作)、
これらを示している。
図14(5)は図12(5)に示す描画処理と同様の処理であり、時間t1〜t2の期間においてラインL01の描画処理が実行され、次の時間t2〜t3でラインL02、時間t3〜t4においてラインL03の描画処理が行われる。
【0103】
図14(6b)に示す描画処理は、各ラインの描画処理の中間と最後に停止期間を分散して設定した例である。この停止期間設定例は、先に図8(c2)を参照して説明したX方向分散型停止期間の設定例に対応する。
【0104】
図14(6b)に示す例では、時間t1〜taは停止期間でない有効期間であり、2倍速コンテンツのフレームを構成する第1ラインL01の前半部分の描画処理が実行される。しかし、その後の時間ta〜tbは停止期間として設定されている。この停止期間は、駆動タイミング制御部122の制御によって、表示デバイス駆動部123の描画処理が停止される。時間tb以後は停止期間が解除され、有効期間となりラインL01の後半部の描画が行われる。ラインL01の後半部の描画終了後の時間tcから時間tdまで、停止期間となる。時間td以後に有効期間となり、次のラインL02の描画が開始される。以下同様に各ラインの描画処理に対して2回の停止期間が設定された処理が繰り返される。
【0105】
図14(6b)に示す例は1.5倍速再生の停止期間設定例であり、
t1〜t2:t1〜td=1:1.5である。
すなわち、図14(6b)に示す描画シーケンスでは、図14(2)に示す2倍速再生における1ラインの描画時間の1.5倍の時間毎に1ラインの描画が順次行われる。図に示すように各ラインの描画間隔は[Th/1.5]である。Thは1倍速再生における1ラインの描画期間に相当する。
【0106】
なお、本例においても各停止期間を長く設定する処理や、1ライン内にさらに多くの停止期間を設定することで再生速度を低下させることができる。また各停止期間を短く設定する処理や、1ライン内に設定する停止期間の数を少なくすれば再生速度が高速となる。図5に示す再生制御部110の出力情報生成部112は、例えばユーザの指定した再生速度に応じて停止期間を設定して表示制御部120に出力する。
【0107】
次に、図15以下を参照して、クロックと停止期間との対応例について説明する。前述したように、停止期間は、例えばユーザの指定する再生速度情報をユーザIF140から入力して、再生制御部110の出力情報生成部112が設定する。
【0108】
出力情報設定部112の設定する停止期間は、例えば、図15に示すような停止期間識別信号(イネーブル信号)として設定される。図15には、システムクロック150の供給するクロック信号と、出力情報生成部112の生成する停止期間識別信号(イネーブル信号)の例を示している。
【0109】
再生制御部110の出力情報生成部112は、例えばユーザインタフェース140を介して入力される再生速度指定情報に応じて、指定再生速度の設定に必要となる停止期間を決定し、決定した停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成する。
【0110】
出力情報生成部112の生成する停止期間識別信号の一例を示すのが図15に示す停止期間識別信号(イネーブル信号)である。すなわち、表示制御部120の処理タイミングを制御するクロック信号の有効期間と無効期間を設定した停止期間識別信号(イネーブル信号)である。出力情報生成部112は停止期間を無効期間とした停止期間識別信号(イネーブル信号)を生成する。
【0111】
表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、停止期間識別信号(イネーブル信号)に応じて入力クロックの有効期間と無効期間を判別して有効期間は表示部130に対する画像信号出力処理を実行し、無効期間においては表示部130に対する画像信号出力処理を停止するという処理を行う。
【0112】
図15に示す例は、Y方向集約型の停止期間設定例に対応する停止期間識別信号(イネーブル信号)の例である。すなわち、図6(b1)、図10(3a)を参照して説明したY方向集約型の停止期間設定例に対応する停止期間識別信号(イネーブル信号)の例である。図15に示す例は、n/2倍速再生を行う場合の信号例を示している。
【0113】
時間t1〜t2が有効期間、時間t2〜t3が停止期間である。停止期間識別信号(イネーブル信号)は、例えば時間t1〜t2の有効期間において[1]、時間t2〜t3の停止期間において[0]を示す信号として設定される。図に示す例は、n/2倍速再生の場合であり、
時間t1〜t2=時間t2〜t3として、停止期間識別信号(イネーブル信号)が設定される。この例は図6(b1)に示す図と対応する。
【0114】
例えば、時間t1〜t2の有効期間において、フレームf01の描画処理が実行され、フレームf01の描画処理終了後、時間t2〜t3の期間が停止期間となり、フレームf01が継続して表示部130に表示される。その後、時間t3以降が有効期間であり、フレームf02の表示が開始される。その後は、同様に、停止期間、有効期間が繰り返される。
【0115】
出力情報生成部112は、例えばユーザIF140を介してn/2倍速の再生速度指定情報を入力した場合、図15に示すような停止期間識別信号(イネーブル信号)を生成する。生成した停止期間識別信号(イネーブル信号)はn倍速コンテンツとともに表示制御部120に出力される。
【0116】
表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、停止期間識別信号(イネーブル信号)の有効期間においてのみ、表示デバイス駆動部123を駆動し、停止期間は駆動を停止する。この処理によってn倍速コンテンツに基づいて0〜n倍速のコンテンツ再生が可能となる。
【0117】
次に、図16(2)に1.5倍速再生の場合の停止期間識別信号(イネーブル信号)例を示す。図16(2)に示す例において、時間ta〜tbが有効期間、時間tb〜tcが停止期間である。停止期間識別信号(イネーブル信号)は、例えば時間ta〜tbの有効期間において[1]、時間tb〜tcの停止期間において[0]を示す信号として設定される。図に示す例は、n=2とした場合、1.5倍速再生の場合である。
【0118】
この場合、出力情報生成部112は、
時間ta〜tb:時間ta〜tc=1:1.5
上記設定として、停止期間識別信号(イネーブル信号)を設定する。
なお、図16(2)に示す例も、図6(b1)、図10(3a)を参照して説明したY方向集約型の停止期間設定例に対応する停止期間識別信号(イネーブル信号)の例である。
【0119】
図16(3)に示す停止期間識別信号(イネーブル信号)の例は停止期間を設定しない場合の例である。ユーザがn倍速再生を望んだ場合、出力情報生成部112は、停止期間を設定することなく、全区間を有効期間とした停止期間識別信号(イネーブル信号)を表示制御部120に出力する。
【0120】
この場合、表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、クロック信号に応じて表示デバイス駆動部123を駆動して、n倍速コンテンツをそのまま表示部130に出力する。
【0121】
なお、図15、図16を参照して説明した停止期間識別信号(イネーブル信号)の例は、Y方向集約型の停止期間設定例に対応する。先に説明したように、停止期間の設定態様は、
X方向集約型停止期間設定態様、
X方向分散型停止期間設定態様、
Y方向集約型停止期間設定態様、
Y方向分散型停止期間設定態様、
これらの4パータンの停止期間設定態様がある。
【0122】
停止期間識別信号(イネーブル信号)は、これらの各設定態様に応じて、有効期間を[1]、停止期間を[0]とする設定で出力情報生成部112において生成される。
【0123】
なお、情報再生装置は、
X方向集約型停止期間設定態様、
X方向分散型停止期間設定態様、
Y方向集約型停止期間設定態様、
Y方向分散型停止期間設定態様、
これらの4パータンの停止期間設定態様の中の1つのみを利用する構成としてもよいし、複数を組み合わせて利用する構成としてもよい。
【0124】
[2.停止期間識別信号を省略し同期信号(Sync)の設定変更による停止期間識別を行う処理例(実施例2)]
上述した実施例では、図3、図5に示す情報再生装置100の再生制御部110における出力情報生成部112が、例えばユーザの指定した再生速度に応じて、図15や図16を参照して説明した停止期間識別信号(イネーブル信号)を生成して、画像を含むn倍速コンテンツとともに表示制御部120に提供していた。表示制御部120の駆動タイミング制御部122は停止期間識別信号(イネーブル信号)に従って、表示デバイス駆動部123の間欠駆動を行う。
【0125】
しかし、停止期間識別信号(イネーブル信号)は、これまでの従来型の再生装置では利用されていない信号であり、この新たな信号を利用する場合、この新たな信号を伝達する処理構成や、信号を識別するための新たな処理構成が必要となる。
以下の実施例では、この新たな信号を適用することなく、従来の画像表示装置において利用される同期信号(Hsync,Vsync)を利用して停止期間を判別する処理例について説明する。
【0126】
以下に説明する処理例では、図5に示す情報再生装置の再生制御部110内の出力情報生成部112が、例えばユーザの指定した再生速度に応じて同期信号の設定変更を行う。設定の変更された同期信号はn倍速コンテンツとともに表示制御部120に出力される。表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、同期信号の設定位置に応じて、停止期間を判別して表示デバイス駆動部123の間欠駆動を行う。
【0127】
図17以下を参照して、本実施例における具体的な処理例について説明する。
図17は、先の実施例における図6に対応するY方向集約型の停止期間設定例である。先の実施例では、例えば図17(b1)に示すような停止期間を設定する場合、図5に示す再生制御部110の出力情報生成部112において、たとえば図15を参照して説明した識別信号(イネーブル信号)を生成していた。
【0128】
これに対して、本実施例では、図17(b1)に示すような停止期間を設定する場合、出力情報生成部112は、図15を参照して説明した識別信号(イネーブル信号)を生成することなく、同期信号の設定を調整する処理を行う。図17(b2)に示す例では、垂直同期信号(Vsync)の設定位置を調整する。
【0129】
停止期間を設けない場合、図17(a)に示すようなn倍速再生が実行されるフレーム構成となるが、この場合の垂直同期信号(Vsync)は、フレーム切り替えタイミングの位置に設定される。図17(a)に示すように垂直同期信号(Vsync)は、時間t1,t2,t3,t4,t5のフレーム切り替え位置に設定される。
【0130】
これに対して、n/2倍速の設定である図17(b1)に示す停止期間設定を行う場合、図5に示す再生制御部110の出力情報生成部112は、図17(b1)に示すように、垂直同期信号(Vsync)を、時間t1,t3の位置に設定する。すなわち、時間t2,t4の位置には垂直同期信号(Vsync)を設定しない。
【0131】
出力情報生成部112は、このような垂直同期信号(Vsync)を設定してn倍速画像データとともに表示制御部120に出力する。
【0132】
表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、表示制御部120に入力されるクロック数のカウンタを用いて垂直同期信号(Vsync)の設定位置を計測する。なお、駆動タイミング制御部122は、オリジナルデータであるn倍速コンテンツの基本的な垂直同期信号(Vsync)の設定間隔(基準カウント値)を予めメモリに保持している。
【0133】
駆動タイミング制御部122は、再生制御部110から受領したデータの垂直同期信号(Vsync)の間隔に相当するカウント値が基準カウント値を超えた場合、停止期間が設定されていると判断する。例えば、図17(b1)に示す例では、時間t1の垂直同期信号(Vsync)からのクロック数のカウントを始め、時間t2の時点で計測カウントが基準カウント値を超えることになる。駆動タイミング制御部122は、基準カウント値を超えた地点から次の垂直同期信号(Vsync)の発生地点(t3)までを停止期間と判断する。
【0134】
駆動タイミング制御部122は、停止期間は表示デバイス駆動部123の駆動を停止する処理を行う。結果として、図17(b1)に示すように、時間t1〜t2においてフレームf01の表示処理がなされ、その後、停止期間t2〜t3において駆動タイミング制御部122は、表示デバイス駆動部123の駆動を停止する。表示部130にはフレームf01がそのまま表示される。その後、時間t3〜t4においてフレームf02の表示処理がなされ、その後、停止期間t4〜t5も、表示部130にはフレームf02がそのまま表示される。
【0135】
このように、本実施例においては、同期信号(Sync)を用いて停止期間の判別を行う構成であり、先の実施例のように新たな識別信号を追加する必要がない。
【0136】
図17を参照して説明した処理は、垂直同期信号(Vsync)を用いて停止期間判別を行った処理例であるが、次に、図18を参照して水平同期信号(HSync)を用いて停止期間の判定を行う処理例について説明する。
【0137】
図18は、先の実施例で図7を参照して説明したY方向分散型の停止期間の設定例と同様の停止期間の設定例を示している。
図18の左側に示すように、n倍速再生(n=2)の場合、フレームの各ラインの表示は、水平同期信号(Hsync)によって、各ラインデータの区切りを判別して表示処理が行われる。
【0138】
時間t1〜t2の水平同期信号(Hsync)区間において、ラインL1のデータ
表示処理が実行され、時間t2〜t3の水平同期信号(Hsync)区間において、ラインL2のデータ表示処理が実行される。この場表示処理は、停止期間が設定されないデータ表示であり、n倍速の再生が行われることになる。
【0139】
図18の右側に示す(b2)の例は、n/2倍速再生の例であり、停止期間を各ライン間に1ライン分設定した例である。この場合、図5に示す再生制御部110の出力情報生成部112は、図18(b2)に示すように、水平同期信号(Hsync)を、時間t1,t3の位置に設定する。すなわち、時間t2,t4の位置には水平同期信号(Hsync)を設定しない。
【0140】
出力情報生成部112は、このような水平同期信号(Hsync)を設定してn倍速画像データとともに表示制御部120に出力する。
【0141】
表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、表示制御部120に入力されるクロック数のカウンタを用いて水平同期信号(Hsync)の設定位置を計測する。なお、駆動タイミング制御部122は、オリジナルデータであるn倍速コンテンツの基本的な水平同期信号(Hsync)の設定間隔(基準カウント値)を予めメモリに保持している。
【0142】
駆動タイミング制御部122は、再生制御部110から受領したデータの水平同期信号(Hsync)の間隔に相当するカウント値が基準カウント値を超えた場合、停止期間が設定されていると判断する。例えば、図18(b2)に示す例では、時間t1の水平同期信号(Hsync)からのクロック数のカウントを始め、時間t2の時点で計測カウントが基準カウント値を超えることになる。駆動タイミング制御部122は、基準カウント値を超えた地点から次の水平同期信号(Hsync)の発生地点(t3)までを停止期間と判断する。
【0143】
駆動タイミング制御部122は、停止期間は表示デバイス駆動部123の駆動を停止する処理を行う。結果として、図18(b2)に示すように、時間t1〜t2においてラインL1の表示処理がなされ、その後、停止期間t2〜t3はライン表示を停止する。その後、時間t3〜t4においてラインL2の表示処理がなされ、その後、停止期間t4〜t5はライン表示処理を停止する。この処理の結果として、n/2倍速の再生データの表示処理が実行される。
【0144】
次に、図19を参照してX方向集約型の停止期間設定例における同期信号の利用構成について説明する。
図19には、先の実施例で図8を参照して説明したX方向集約型の停止期間の設定例と同様の停止期間の設定例を示している。図19の左側に示すように、n倍速再生(n=2)の場合、フレームの各ラインの表示は、水平同期信号(Hsync)によって、各ラインデータの区切りを判別して表示処理が行われる。
【0145】
図19の右側に示す(c1)の例は、n/2倍速再生の例であり、停止期間を各ライン間に1ライン分設定した例である。この場合、図5に示す再生制御部110の出力情報生成部112は、図19(c1)に示すように、水平同期信号(Hsync)を、時間t1,t3の位置に設定する。すなわち、時間t2の位置には水平同期信号(Hsync)を設定しない。
【0146】
出力情報生成部112は、このような水平同期信号(Hsync)を設定してn倍速画像データとともに表示制御部120に出力する。
【0147】
表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、表示制御部120に入力されるクロック数のカウンタを用いて水平同期信号(Hsync)の設定位置を計測する。なお、駆動タイミング制御部122は、オリジナルデータであるn倍速コンテンツの基本的な水平同期信号(Hsync)の設定間隔(基準カウント値)を予めメモリに保持している。
【0148】
駆動タイミング制御部122は、再生制御部110から受領したデータの水平同期信号(Hsync)の間隔に相当するカウント値が基準カウント値を超えた場合、停止期間が設定されていると判断する。例えば、図19(c1)に示す例では、時間t1の水平同期信号(Hsync)からのクロック数のカウントを始め、時間t2の時点で計測カウントが基準カウント値を超えることになる。駆動タイミング制御部122は、基準カウント値を超えた地点から次の水平同期信号(Hsync)の発生地点(t3)までを停止期間と判断する。
【0149】
駆動タイミング制御部122は、停止期間は表示デバイス駆動部123の駆動を停止する処理を行う。結果として、図19(c1)に示すように、時間t1〜t2においてラインL1の表示処理がなされ、その後、停止期間t2〜t3はライン表示を停止する。その後、時間t3〜t4においてラインL2の表示処理がなされ、その後、停止期間t4〜t5はライン表示処理を停止する。この処理の結果として、n/2倍速の再生データの表示処理が実行される。
【0150】
このように、本実施例においては、同期信号(Sync)を用いて停止期間の判別を行う構成であり、先の実施例のように新たな識別信号を追加する必要がない。
【0151】
なお、先に、図8を参照して説明したように、X方向に停止期間を設定する場合、停止期間は各ライン単位で異なる設定とすることが可能である。ライン単位で異なる停止期間を設定した場合の水平同期信号(Hsync)の設定例を図20に示す。
【0152】
図20(c1b)は、図8(c1b)に対応する停止期間の設定例である。ライン単位で異なる停止期間を設定している。この場合、図5に示す再生制御部110の出力情報生成部112は、図20(c1b)に示すように、水平同期信号(Hsync)の期間t1〜t3を、各水平ライン単位に対して停止期間に応じて設定する。最初のラインの水平同期信号(Hsync)の期間はt1〜t3a、次のラインの水平同期信号(Hsync)の期間はt1〜t3b、次のラインの水平同期信号(Hsync)の期間はt1〜t3cのように設定する。時間t2の位置には水平同期信号(Hsync)を設定しない。ただし、停止期間を設定しないラインは時間t2の位置に水平同期信号(Hsync)を設定する。
【0153】
出力情報生成部112は、このような水平同期信号(Hsync)を設定してn倍速画像データとともに表示制御部120に出力する。
【0154】
表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、表示制御部120に入力されるクロック数のカウンタを用いて、各ライン単位で水平同期信号(Hsync)の設定位置を計測する。駆動タイミング制御部122は、再生制御部110から受領したデータの水平同期信号(Hsync)の間隔に相当するカウント値が基準カウント値を超えた場合、停止期間が設定されていると判断する。図20に示す例では、各ライン単位で異なる停止期間が設定される。
【0155】
次に、図21、図22を参照して、停止期間と同期信号との対応について説明する。
図21は、停止期間と垂直同期信号(Vsync)との対応関係、
図22は、停止期間と水平同期信号(Hsync)との対応関係、
これらの対応関係を示している。
【0156】
まず、図21を参照して停止期間と垂直同期信号(Vsync)との対応関係について説明する。図21(A)は停止期間を設定しない場合の処理、(B)は停止期間を設定した場合の処理を示している。
【0157】
図21(A),(B)それぞれには、横軸を時間(T)、縦軸をスキャンライン(垂直(V)方向)としたフレーム出力処理シーケンスを示すグラフと、垂直同期信号(Vsync)の設定タイミングを示している。
【0158】
停止期間を設定しない場合のn培速再生では、
時間t1〜t2の垂直同期信号(Vsync)間でフレームf01の出力処理、
時間t2〜t3の垂直同期信号(Vsync)間でフレームf02の出力処理、
時間t3〜t4の垂直同期信号(Vsync)間でフレームf03の出力処理、
以下同様に、各フレームの描画処理が連続して実行される。
なお、この例ではn=2とした2倍速再生の例であり、各垂直同期信号の間隔は、
1/120secとなる。ただし、1倍速再生のフレームレートを60フレーム/秒としている。
【0159】
これに対して、停止期間を設定した図21(B)に示す例では、
時間t1〜t2の間にフレームf01の出力処理の後、
時間t2〜taの間が停止期間とされる。
図5に示す表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、時間t2の時点で、次の垂直同期信号(Vsync)が検出されないため、時間t2以降を停止期間とする。その後、時間taにおいて垂直同期信号(Vsync)が検出されると、次のフレームの表示を開始する。
【0160】
図21(B)に示す停止期間設定例は、1.5倍速再生の場合であり、垂直同期信号(Vsync)の間隔が1/90secとなる。この間隔は、図5に示す再生制御部110の出力情報生成部112が設定した間隔である。
【0161】
表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、このように垂直同期信号(Vsync)の設定に従って停止期間を判別して様々な再生速度での再生処理を行う。
【0162】
次に、図22を参照して停止期間と水平同期信号(Hsync)との対応関係について説明する。図22(A)は停止期間を設定しない場合の処理、(B)は停止期間を設定した場合の処理を示している。
【0163】
図22(A),(B)それぞれには、横軸を時間(T)、縦軸をスキャンドット(水平(H)方向)としたライン出力処理シーケンスを示すグラフと、水平同期信号(Hsync)の設定タイミングを示している。
【0164】
停止期間を設定しない場合のn培速再生では、
時間t1〜t2の水平同期信号(Hsync)間でラインL01の出力処理、
時間t2〜t3の水平同期信号(Hsync)間でラインL02の出力処理、
時間t3〜t4の水平同期信号(Hsync)間でラインL03の出力処理、
以下同様に、各ラインの描画処理が連続して実行される。
なお、この例ではn=2とした2倍速再生の例であり、各水平同期信号の間隔は、
1/120/1125secとなる。ただし、1倍速再生のフレームレートを60フレーム/秒、1フレーム中のライン数を1125としている。
【0165】
これに対して、停止期間を設定した図22(B)に示す例では、
時間t1〜t2の間にラインL01の出力処理の後、
時間t2〜taの間が停止期間とされる。
図5に示す表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、時間t2の時点で、次の水平同期信号(Hsync)が検出されないため、時間t2以降を停止期間とする。その後、時間taにおいて水平同期信号(Hsync)が検出されると、次のラインの表示を開始する。
【0166】
図22(B)に示す停止期間設定例は、1.5倍速再生の場合であり、水平同期信号(Hsync)の間隔が1/90/1125secとなる。この間隔は、図5に示す再生制御部110の出力情報生成部112が設定した間隔である。
【0167】
表示制御部120の駆動タイミング制御部122は、このように水平同期信号(Hsync)の設定に従って停止期間を判別して様々な再生速度での再生処理を行う。
【0168】
本実施例における表示制御部120の構成例について、図23を参照して説明する。本実施例における表示制御部120は、先に図5を参照して説明した表示制御部の構成と同様、入力部121、駆動タイミング制御部122、表示デバイス駆動部123を有している。
【0169】
本実施例では、表示制御部120内の駆動タイミング制御部122の構成が先の実施例とは異なり、カウンタ301を有する。カウンタ301は、システムクロック150からクロックを入力して、入力部121を介して再生制御部110(図5参照)から入力するデータ中の同期信号の間隔に対応するクロック数をカウントする。カウント値は、駆動タイミング設定部302に入力される。
【0170】
メモリ303には、オリジナルデータの同期信号(Vsync,Hsync)の基準カウント値が格納されている。すなわち停止期間を設定していないn倍速再生コンテンツに対応する垂直同期信号(Vsync)の間隔に対応するクロック数と、水平同期信号(Hsync)の間隔に対応するクロック数である。
【0171】
駆動タイミング設定部302は、カウンタ301から入力するカウント値と、メモリ303に格納された基準カウント値を比較し、計測カウントが基準カウントを超えた時点から、次の同期信号が検出されるまでの期間を停止期間として判断し、この停止期間では、表示デバイス駆動部123の駆動を停止する処理を行う。
【0172】
このような処理によって、入力するn倍速コンテンツに対して、任意の停止期間を設定し0〜n倍速のコンテンツ再生を行う。
本実施例では、画像信号に付随する同期信号を停止期間識別信号として利用した構成であるので、新たな信号の伝送や処理構成を追加することなく再生速度変更を実現することができる。
【0173】
[3.停止期間識別信号に応じて表示デバイスに対する供給クロックを変更する処理例(実施例3)]
上述した実施例では、システムクロック150の供給するn倍速クロックに基づいて再生制御部110、表示制御部120が動作し、n倍速再生画像を表示部130に対して出力/停止を間欠的に実行することで、再生速度を0〜n倍速の範囲で実行する構成として説明した。
【0174】
表示部130に対する再生速度の変更処理は、上記の処理に限らず、例えば表示制御部120の表示デバイス駆動部123の動作速度を規定するクロック周波数を変更することでも実現可能である。
【0175】
例えば、図24に示すように、表示制御部120の駆動タイミング制御部122に、停止期間解析部321と、クロック調整部322を設定する。停止期間解析部321は、先の実施例1で図15等を参照して説明した停止期間識別信号(イネーブル信号)、あるいは実施例2において説明した同期信号を解析して再生速度が0〜n倍速のどのスピードであるかを判別する。
【0176】
クロック調整部322は、停止期間解析部321の解析した再生速度情報に基づいて、表示デバイス駆動部123に対して供給する調整クロック信号を生成する。
【0177】
クロック調整部322の生成する調整クロック信号の例について図25を参照して説明する。図25には以下の調整クロック信号を示している。
(a)停止期間なし(2倍速再生)の場合の調整クロック信号
(b)停止期間あり(1.5倍速再生)の場合の調整クロック信号
(c)停止期間あり(1.0倍速再生)の場合の調整クロック信号
【0178】
(a)の停止期間がない場合は、システムクロック150の供給クロックを、そのまま表示デバイス駆動部123に対して供給する。表示デバイス駆動部123このクロックで動作することになり、2倍速の画像が表示部130に出力される。
【0179】
(b)の停止期間あり(1.5倍速再生)の場合は、クロック調整部322は、システムクロック150の供給クロックを変更する。システムクロック150の供給クロックの間隔を1.5倍に設定した調整クロック信号を生成して表示デバイス駆動部123に対して供給する。表示デバイス駆動部123このクロックで動作することになり、1.5倍速の画像が表示部130に出力される。
【0180】
(c)の停止期間あり(1.0倍速再生)の場合は、クロック調整部322は、システムクロック150の供給クロックを変更する。システムクロック150の供給クロックの間隔を2.0倍に設定した調整クロック信号を生成して表示デバイス駆動部123に対して供給する。表示デバイス駆動部123このクロックで動作することになり、1.0倍速の画像が表示部130に出力される。
【0181】
このように、表示制御部120の駆動タイミング制御部122が、表示デバイス駆動部123に対する供給クロックを変更する処理を行うことでさまざまな再生速度の再生処理が実現される。
【0182】
図25に示した調整クロック信号は、システムクロック150の供給クロックの間隔を1.5倍、2倍に設定し、クロック周期を変更する例であるが、例えば図26に示すように、クロック周期を変更せず、クロックのオン期間とクロックのオフ期間との比率を変更する設定としてもよい。図26に示す例は、
(a)停止期間なし(2倍速再生)の場合の調整クロック信号
(b)停止期間あり(1.5倍速再生)の場合の調整クロック信号
(c)停止期間あり(1.0倍速再生)の場合の調整クロック信号
これらのクロック信号を示している。
【0183】
なお、本実施例では、再生制御部110内で停止期間を設定するといつた処理を行なわなくても、表示制御部120の駆動タイミング制御部122がユーザインタフェース140からの再生速度指定情報を入力して、指定された再生速度に対応するクロック周波数を設定した調整クロック信号を生成して表示デバイス駆動部123に提供する構成としてもよい。
【0184】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0185】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0186】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0187】
以上、説明したように、本発明の一実施例構成によれば、最速再生画像であるn倍速画像をオリジナル画像とし、オリジナル画像に対して、表示部に対する画像信号出力停止期間を判別する停止期間識別信号を設定する。表示制御部は、停止期間識別信号により停止期間を判別して、停止期間においては表示部に対する画像信号出力を停止し、停止期間以外の有効期間のみ画像信号の出力を行う。停止期間の長さに応じた画像信号出力停止処理により、ジャーキネスのない0〜n倍速の画像表示が実現される。
【符号の説明】
【0188】
11 移動オブジェクト
100 情報再生装置
110 再生制御部
111 デコード部
112 出力情報生成部
113 バッファメモリ
114 出力部
120 表示制御部
121 入力部
122 駆動タイミング制御部
123 表示デバイス駆動部
130 表示部
140 ユーザIF
150 システムクロック
301 カウンタ
302 駆動タイミング設定部
303 メモリ
321 停止期間解析部
322 クロック調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に対する画像信号出力を停止する停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成し、画像信号とともに出力する再生制御部と、
前記画像信号の表示部に対する出力制御を実行する表示制御部であり、前記停止期間識別信号により停止期間を判別し、停止期間においては表示部に対する画像信号出力を停止し、停止期間以外の有効期間のみ画像信号の出力を行う表示制御部と、
を有する情報再生装置。
【請求項2】
前記再生制御部は、最速再生画像であるn倍速画像をオリジナル画像として、該オリジナル画像に対して前記停止期間の設定処理を実行し、0〜n倍速の範囲内の任意再生速度での再生を可能とする停止期間識別信号を生成し、
前記表示制御部は、停止期間が設定されていない画像は継続的な表示部に対する画像出力によりn倍速画像の表示を行い、
停止期間の設定された画像は、停止期間識別信号によって判別される停止期間の長さに応じた画像信号出力停止処理により、0〜n倍速の画像表示を行う請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記再生制御部は、
(a)停止期間を画像フレームの間に設定するY方向集約型停止期間設定態様、
(b)停止期間を画像フレーム内に分散して設定するY方向分散型停止期間設定態様、
(c)停止期間を画像フレームを構成するラインの間に設定するX方向集約型停止期間設定態様、
(d)停止期間を画像フレームを構成するライン内に分散して設定するX方向分散型停止期間設定態様、
上記(a)〜(d)の停止期間設定態様のいずれかの態様、または複数の態様の組み合わせで設定し、設定した停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成する請求項1または2に記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記再生制御部は、
ユーザインタフェースを介して入力される再生速度指定情報に応じて、指定再生速度の設定に必要となる停止期間を決定し、決定した停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成する請求項1または2に記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記再生制御部は、
前記停止期間識別信号として、前記表示制御部の処理タイミングを制御するクロック信号の有効期間と無効期間を設定したイネーブル信号を生成し、前記停止期間を無効期間としたイネーブル信号の生成を行い、
前記表示制御部は、
前記イネーブル信号に応じて入力クロックの有効期間と無効期間を判別して有効期間は前記表示部に対する画像信号出力処理を実行し、無効期間においては前記表示部に対する画像信号出力処理を停止する請求項1または2に記載の情報再生装置。
【請求項6】
前記再生制御部は、
前記停止期間識別信号として、画像信号に対する垂直同期信号または水平同期信号の少なくともいずれかの同期信号を調整した同期信号調整信号の生成を行い、
前記表示制御部は、
前記同期信号調整信号における同期信号区間のクロック数のカウント値と、予めメモリに保持した基準カウント値とを比較し、基準カウント値を超える同期信号区間を停止期間と判断し、前記表示部に対する画像信号出力を停止する請求項1または2に記載の情報再生装置。
【請求項7】
表示部に対する画像信号出力を停止する停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成し、画像信号とともに出力する再生制御部と、
前記画像信号の表示部に対する出力制御を実行する表示制御部であり、前記停止期間識別信号により判別される再生速度に応じてシステムクロックの周波数を調整した調整クロック信号を生成し、生成した調整クロック信号により表示デバイス駆動部を駆動させて再生速度の変更を実行する表示制御部と、
を有する情報再生装置。
【請求項8】
情報再生装置において実行する情報再生方法であり、
再生制御部が、表示部に対する画像信号出力を停止する停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成し、画像信号とともに出力する再生制御ステップと、
表示制御部が、前記画像信号の表示部に対する出力制御を実行する表示制御部であり、前記停止期間識別信号により停止期間を判別し、停止期間においては表示部に対する画像信号出力を停止し、停止期間以外の有効期間のみ画像信号の出力を行う表示制御ステップと、
を有する情報再生方法。
【請求項9】
情報再生装置において情報再生処理を実行させるプログラムであり、
再生制御部に、表示部に対する画像信号出力を停止する停止期間を判別可能とする停止期間識別信号を生成させて、画像信号とともに出力させる再生制御ステップと、
表示制御部に、前記画像信号の表示部に対する出力制御を実行させる表示制御部であり、前記停止期間識別信号により停止期間を判別し、停止期間においては表示部に対する画像信号出力を停止し、停止期間以外の有効期間のみ画像信号の出力を行わせる表示制御ステップと、
を有するプログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−4202(P2011−4202A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145986(P2009−145986)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】