説明

情報再生装置および情報再生方法

【課題】コンテンツ毎にコンテンツに応じた情報の再生を簡易に行う情報再生装置を得ること。
【解決手段】コンテンツを受信して再生する視聴装置1において、コンテンツの再生を行う音声再生部13、映像再生部14と、コンテンツの分類に関するコンテンツ分類情報を取得する解析部12と、コンテンツ分類情報に基づいて、コンテンツ毎にコンテンツの音再生および/または映像再生の再生特性パラメータの変更に関する変更設定情報を生成する設定部18と、変更設定情報に基づいたコンテンツ毎の再生特性パラメータの変更指示が変更指示情報としてユーザによって入力される指示入力部17と、変更指示情報に基づいて、音声再生部13、映像再生部14が再生するコンテンツの音再生および/または映像再生の再生特性パラメータの変更を制御する設定制御部15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を再生する情報再生装置および情報再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、マルチメディア技術の発展に伴い、画像、映像、音声等の様々な情報(コンテンツ)を取得して利用することが可能となっている。これらの情報を再生する情報再生装置は、画像のコントラスト、音の周波数等の設定を種々変更して再生させる機能を有している。例えば、テレビによって再生されるテレビ番組に対し、テレビのユーザはユーザの好みに応じて画像のコントラスト等を設定変更し、テレビ番組を視聴している。この画像のコントラストの設定等は、各ユーザがテレビ番組の種類等に応じてテレビ視聴の際に変更していた。すなわち、1台のテレビを複数のユーザが別々に利用する場合、各ユーザがテレビ視聴を行う度毎に各ユーザの好みに応じた設定を行う必要がある。また、1人のユーザのみが、1台のテレビを利用する場合であっても、テレビ番組の種類毎に、その属性に応じてユーザの好みに応じた設定を行う必要がある。
【0003】
特許文献1に記載の情報処理システムは、調節コマンドを受信した場合に、同コマンドをもとに表示モニタの輝度またはコントラストを制御する第1の制御手段を備えた表示装置と、表示装置に表示情報を送って表示モニタへの表示を行う情報処理機器であって、利用者毎の輝度およびコントラストの画面調節設定情報が登録される登録手段と、同機器全体を制御し、同機器の利用者の識別情報を入力した際には、その識別情報の示す利用者に固有の登録手段内の画面調節設定情報の指定する輝度およびコントラストに調節するための調節コマンド生成して表示装置の第1の制御手段へ送信する第2の制御手段とを備えた情報処理機器とを設け、情報処理機器の第2の制御手段から表示装置の第1の制御手段へ調節コマンドを送信することにより、同コマンドに従って表示モニタの輝度またはコントラストが制御されるようにしている。
【0004】
特許文献2に記載の自動取引装置は、操作誘導するための案内画面と指示入力するための入力操作画面を利用者の希望する配色で表示可能としている。更にその配色情報を利用者毎に登録可能にし、登録時以降の操作時から該登録情報に従った配色で表示している。登録に際しては案内画面において配色見本を表示して、その中から希望する表示色を選択、かつ、該表示色の微調整を可能としている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−035659号公報
【特許文献2】特開2003−058930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記前者および後者の従来技術では、コンテンツ毎にコンテンツに応じた情報の再生をユーザ毎に設定して再生することができないといった問題があった。本発明が解決しようとする課題には、上述した特許文献1の情報処理システムにおいて生じるユーザの好みやコンテンツに応じた情報の再生を行うことができないという問題が一例として挙げられる。また、上述した特許文献2の自動取引装置において生じるユーザの好みやコンテンツに応じた情報の再生を行うことができないという問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明はコンテンツを受信して再生する情報再生装置において、コンテンツの再生を行う再生部と、前記コンテンツの分類に関するコンテンツ分類情報を取得する情報取得部と、前記コンテンツ分類情報に基づいて、コンテンツ毎にコンテンツの音再生および/または映像再生の再生特性パラメータの変更に関する変更設定情報を生成する変更設定情報生成部と、前記変更設定情報に基づいた前記コンテンツ毎の前記再生特性パラメータの変更指示が変更指示情報としてユーザによって入力される指示情報入力部と、前記変更指示情報に基づいて、前記再生部が再生するコンテンツの音再生および/または映像再生の再生特性パラメータの変更を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項10に記載の発明は、コンテンツを受信して再生する情報再生方法において、前記コンテンツの分類に関するコンテンツ分類情報を取得する情報取得ステップと、前記コンテンツ分類情報に基づいて、コンテンツ毎にコンテンツの音再生および/または映像再生の再生特性パラメータの変更に関する変更設定情報を生成する変更設定情報生成ステップと、前記変更設定情報に基づいた前記コンテンツ毎の前記再生特性パラメータの変更指示を変更指示情報としてユーザが入力する指示情報入力ステップと、前記変更指示情報に基づいて、前記コンテンツの音再生および/または映像再生の再生特性パラメータを変更して再生する再生ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明に係る視聴装置(情報再生装置)および情報再生方法の実施の形態を説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。以下では、本発明の視聴装置および情報再生方法の概略と特徴を実施の形態として説明し、その後に視聴装置および情報再生方法に関する実施例を説明する。
【0010】
[実施の形態]
本実施の形態において、情報(コンテンツ)を再生する視聴装置は、複数種類のコンテンツの音再生や映像再生の再生特性パラメータを種々変更して再生させる機能を有している。これらの複数種類のコンテンツは、コンテンツ毎に複数種類の音再生や映像再生の再生特性パラメータを有しており、これらの複数種類のコンテンツを再生させる際に、全てのコンテンツに対して音再生や映像再生の再生特性パラメータを同じ設定にすると、コンテンツの視聴者(視聴装置のユーザ)の好みに応じた再生を行うことができない。
【0011】
これは、コンテンツ毎に種々の再生特性パラメータを有しているとともに、コンテンツの内容、ジャンル等によって再生特性パラメータの強弱をつけて視聴したいコンテンツが視聴者毎に異なるためである。例えば、コンテンツの種類に応じて人の音声を強調したい場合、BGM(Back Ground Music)等の背景音を強調したい場合、低音帯域の音声を強調したい場合など、コンテンツの内容によって各視聴者が強弱をつけたい再生特性パラメータが異なる。視聴者が加齢者の場合4000〜8000Hzの音声が聞き取りづらくなる。また、視聴者が加齢者の場合映像のコントラストの認識や青色系統の色の認識を行いづらくなる。このため、視聴者が加齢者である場合、視聴者は高音帯域の音声を強調し、コントラスト、青色系統の色を強調してコンテンツ再生させることを好む。
【0012】
したがって、各視聴者はコンテンツを視聴する都度、コンテンツの種類に応じた自らの身体的特徴を考慮した自らの好みに応じた所定の再生特性パラメータを設定する必要が生じ、コンテンツ再生の設定に手間がかかることとなる。
【0013】
そこで、本実施の形態においては、コンテンツのジャンル等の分類に応じてコンテンツ毎にコンテンツの音再生や映像再生の再生特性パラメータを変更するための変更設定情報を作成しておき、この変更設定情報に基づいて各視聴者が自らの好みに応じた再生特性パラメータの変更指示を視聴装置に入力する。そして、視聴装置は入力された変更指示に基づいてコンテンツの音再生や映像再生の再生特性パラメータを変更してコンテンツを再生する。例えば、視聴装置は100〜3200Hzの人の声の音声信号レベルを、基準となる音声信号レベル(基準音圧レベル)よりも10dB大きくしてコンテンツを再生する。
【0014】
また、視聴装置は視聴者によって入力された変更指示を記憶しておき、以後同じ種類のコンテンツを再生する際には、記憶しておいた変更指示に基づいてコンテンツ再生を行う。また、複数の視聴者によって視聴装置を利用する場合は、視聴者を識別する情報を視聴装置に入力し、視聴者毎の変更指示情報に基づいてコンテンツ再生を行う。
【0015】
このように、実施の形態においては、視聴装置がコンテンツの分類、各視聴者の好みに応じてコンテンツの音再生や映像再生の再生特性パラメータを変更してコンテンツを再生することができる。したがって、各視聴者はコンテンツの分類毎に簡易な操作で自らの好みに応じたコンテンツを視聴することが可能となる。
【実施例】
【0016】
図1は、実施例に係る情報再生の概念を説明するための図である。本実施例においては、視聴装置1が複数の視聴者(ユーザ)8X〜8Zによって利用され、視聴装置1が複数のコンテンツ7A〜7Cを再生する。
【0017】
コンテンツ7A〜7Cは、音、画像、映像等を含んだ情報であり、例えば放送局から放送されるテレビ番組、ラジオ番組、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Video Disk)等の記録媒体に記録された音楽、映画等である。
【0018】
視聴装置1は、テレビ、ラジオ、携帯端末、CDプレーヤ、DVDプレーヤ等を含んで構成され、種々のコンテンツ7A〜7Cを再生する情報の再生装置である。視聴装置1は、テレビ番組やラジオ番組等を受信するアンテナ6、複数の電話等を接続する電話線3、インターネット等の通信網に接続するLAN(Local Area Network)4、視聴装置1に電源等を供給する電灯線5等を備えており、これらのアンテナ6、電話線3、LAN4、電灯線5を介して複数からなる種々のコンテンツ(コンテンツ7A〜7C)を取得して再生する。なお、視聴装置1がCDプレーヤ、DVDプレーヤ等を備えている場合には、CDやDVD等の記録媒体に記録されたコンテンツを再生する。
【0019】
視聴装置ユーザインタフェース2は、視聴装置1がコンテンツ7A〜7Cを再生する際の設定を行うためのインタフェースである。視聴装置ユーザインタフェース2は、リモートコントローラ、キーボード、マウス、情報の入力ボタン等を含んで構成されており、これらのリモートコントローラ、キーボード、マウス、情報の入力ボタン等を介して所定の情報を入力することによって視聴装置1によるコンテンツ7A〜7Cの再生の設定を行う。視聴装置ユーザインタフェース2は、複数の視聴者8X〜8Zによって使用され、各視聴者8X〜8Zの好みに応じたコンテンツ7A〜7Cの再生設定が行われる。
【0020】
例えば、コンテンツ7Aがテレビ番組である場合、視聴装置1はアンテナ6を介してコンテンツ7Aを受信し、コンテンツ7Aを視聴装置1のテレビモニタによって表示(再生)する。このとき、視聴者8X〜8Zは、視聴装置ユーザインタフェース2を介して自らの好みに応じたコンテンツ再生を行わせるための指示情報を視聴装置1に入力する。
【0021】
視聴装置1は、視聴者8X〜8Zからの指示情報に基づいて例えばコンテンツ7Aの再生を行う。例えば、視聴者8Xがコンテンツ7Aを再生する際に高音帯域(領域)の音声の周波数を大きくするよう視聴装置ユーザインタフェース2に指示情報を入力すると、視聴装置1は高音帯域の音声の周波数を大きくしてコンテンツ7Aを再生する。そして、視聴装置1はコンテンツ再生の履歴(コンテンツを利用した視聴者8Xの識別情報、コンテンツの内容やジャンル(分類)に関する情報)を後述する設定履歴情報200として記憶しておき、以後同一の視聴者(視聴者8X)が同一分類のコンテンツを利用する際には記憶しておいた設定履歴情報200に基づいてコンテンツを再生する。
【0022】
図2は、実施例に係る視聴装置の構成を示すブロック図である。視聴装置1は、受信部11、解析部12、音声再生部13、映像再生部14、設定制御部(制御部)15、設定情報記憶部16、指示入力部(指示情報入力部)17、設定部18からなる。
【0023】
なお、ここでの設定部18が特許請求の範囲に記載の変更設定情報生成部、記憶部に対応する。また、ここでの解析部12が特許請求の範囲に記載の情報取得部に対応し、設定制御部15が特許請求の範囲に記載の制御部に対応し、指示入力部17が特許請求の範囲に記載の指示情報入力部に対応する。
【0024】
受信部11は、図1において説明したアンテナ6、電話線3、LAN4、電灯線5等を介してコンテンツやコンテンツの内容に関する情報(後述するEPG(Electronic Program Guide))を受信する。
【0025】
解析部12は、受信部11が受信したEPG等に基づいてコンテンツの属するジャンル等の分類、コンテンツ(番組)の内容等を解析し、コンテンツのジャンルとコンテンツ内容の対応付けに関するコンテンツ情報(コンテンツ分類情報)を生成する。
【0026】
音声再生部13は、スピーカやヘッドホン等を備えて構成され、受信部11が受信したコンテンツに含まれる音(音声)を出力(再生)する。映像再生部14は、テレビモニタ等を備えて構成され、受信部11が受信したコンテンツに含まれる画像、映像等を出力する。
【0027】
指示入力部17には、音声再生部13、映像再生部14がコンテンツを出力する際の設定を指示する変更指示情報(以下、設定指示情報という)、視聴者に関する情報(識別情報)が入力される。ここでは、視聴装置ユーザインタフェース2を介して指示入力部17に設定指示情報が入力される。
【0028】
設定部18は、解析部12によって生成されたコンテンツ情報に基づいて、コンテンツを再生する際の設定に関する情報(各コンテンツを再生する際の映像/音声設定に関する情報)を後述するコンテンツ設定情報(変更設定情報)100として作成し記憶する。設定部18は、コンテンツ設定情報100、指示入力部17から入力される視聴者の識別情報等に基づいて、コンテンツを再生する際の設定を行う。設定部18は、コンテンツ設定情報100や視聴者の識別情報に基づいて設定制御部15に指示情報を送信し、再生用のコンテンツのサンプル(再生の設定変更が行われたコンテンツ)を音声再生部13、映像再生部14に再生させ、視聴者が所望のコンテンツのサンプルを選択させる。
【0029】
設定情報記憶部16は、設定部18によって作成されたコンテンツ設定情報100やコンテンツ再生の設定履歴に関する情報(後述する設定履歴情報200)を記憶する。設定制御部15は、音声再生部13、映像再生部14がコンテンツを出力する際の設定を制御する。設定制御部15は、設定情報記憶部16が記憶する設定履歴情報200や設定部18が記憶するコンテンツ設定情報100に基づいて音声再生部13、映像再生部14を制御する。
【0030】
なお、視聴装置1がCDやDVD等の記録媒体に記録されたコンテンツを再生する際には、CDやDVDに予めコンテンツ情報を記憶させておき、解析部12がCDやDVDからコンテンツ情報を取得する。
【0031】
つぎに、コンテンツを再生する際の再生設定の手順について説明する。ここでは、視聴装置1やコンテンツの一例として、視聴装置1がテレビであり、コンテンツがテレビ番組である場合について説明する。また、視聴装置ユーザインタフェース2の一例として、視聴装置ユーザインタフェース2がリモートコントローラである場合について説明する。
【0032】
図3は、コンテンツ再生の設定手順を示すフローチャートである。ここでは、視聴者8Xが視聴装置1を利用する場合について説明する。視聴装置1の受信部11は、所定のタイミングで放送局等からEPGデータを受信し、受信したEPGデータを解析部12に送信する。解析部12は、受信部11が受信したEPG等に基づいてコンテンツの属するジャンル、コンテンツの内容等を解析し、コンテンツの内容とジャンルの対応付けに関するコンテンツ情報を生成する。
【0033】
視聴者8Xは、視聴装置ユーザインタフェース2から視聴開始を行うための指示情報(設定指示情報)を入力する。例えば、視聴装置ユーザインタフェース2が備える視聴開始を行うためのキー(視聴開始キー)が視聴者8Xによって押下される(ステップS100)。視聴装置ユーザインタフェース2に入力された指示情報は、視聴装置1に送信される。これにより、視聴装置1においてコンテンツの再生を行うことが可能な状態となる。
【0034】
また、視聴者8Xは視聴装置ユーザインタフェース2から視聴者8Xを識別するための識別情報を入力する。各視聴者を識別するための識別情報の入力は、ID番号等の入力であってもよいし、視聴者毎のキーを視聴装置ユーザインタフェース2に設定しておき、各視聴者に割り当てられた所定のキーの押下であってもよい。例えば、視聴装置ユーザインタフェース2が視聴者を識別するためのキーを3つ備えており、この3つのキーをそれぞれの視聴者8X〜8Zの識別情報に1つずつ割り当てておく。そして視聴装置ユーザインタフェース2が備える視聴者8Xに対応するキーが押下されることによって、視聴装置ユーザインタフェース2に視聴者8Xの識別情報が入力される。
【0035】
視聴装置ユーザインタフェース2は、視聴者8Xの識別情報を視聴装置1に送信する。視聴装置ユーザインタフェース2からの視聴者8Xの識別情報は視聴装置1の指示入力部17によって受信される。
【0036】
設定部18は、指示入力部17が受信した視聴者8Xの識別情報、設定情報記憶部16が記憶する設定履歴情報200に基づいて、視聴者8Xが既に登録されたユーザ(視聴設定登録済みのユーザ)であるか否かを判断する(ステップS110)。すなわち、設定部18は視聴装置ユーザインタフェース2に入力されたキーが視聴設定登録済みの視聴者に対応するか否かを判断する。具体的には、設定履歴情報200に視聴者8Xが視聴したコンテンツの履歴に関する情報が含まれているか否かによって、設定部18は視聴者8Xが既に登録されたユーザであるか否かを判断する。
【0037】
視聴装置ユーザインタフェース2に入力されたキーが視聴設定登録済みのユーザに対応し、設定部18が視聴者8Xは既に登録されたユーザであると判断すると(ステップS110、Yes)、視聴者8Xは視聴したいコンテンツを選択する(ステップS120)。このとき、設定部18は例えば設定情報記憶部16が記憶しているEPGに基づいて、視聴可能なコンテンツの一覧表等を映像再生部14に表示させる。そして、視聴者8Xは、視聴可能なコンテンツの一覧表から視聴したいコンテンツを指定するための情報を視聴装置ユーザインタフェース2に入力する。
【0038】
ここで、設定情報記憶部16が記憶しているEPGについて説明する。EPGは、新聞や雑誌などに掲載されているテレビ番組表(電子番組ガイド)等のデジタルデータである。EPGは、テレビ番組表を映像再生部14に画面に表示する際や、テレビ番組の録画予約を行う際に使用されるデータである。
【0039】
アナログ放送、地上デジタル放送やBS(Broadcasting Satellite)・CS(communications satellite)デジタル放送では、放送波の中に、EPGデータ等の番組情報データが含まれている。また、EPGにはインターネットを介して番組表データを取得するiEPGがある。例えば、EPGを地上デジタル放送の放送波に含めて送信する場合、EPGデータなどの番組情報、コンテンツの映像、コンテンツの音声は、デジタルデータ化されMPEG(Motion Picture Expert Group)−TS(Transport Stream)ストリームとして1つの信号にまとめられる。
【0040】
図4は、MPEG−TSストリームに含まれるデータ列の一例を示す図である。同図に示すように、MPEG−TSストリームには、例えば188byteからなる複数のTSパケットが含まれている。各TSパケットは、PSI(Program Specific Information
)、EPG、コンテンツのVideo(映像)データ、コンテンツのAudio(音声)データ等によって構成されている。
【0041】
TSパケット(PSI)はMPEG−TSストリームのプログラム仕様に関する情報であり、TSパケット(EPG)が番組情報である。EPGには、番組のチャンネル番号、チャンネル名、番組名、放送日時、番組のジャンル、番組内容等の情報が含まれている。
【0042】
視聴者8Xが、視聴可能なコンテンツの一覧表から視聴したいコンテンツを指定(選択)するための情報を視聴装置ユーザインタフェース2に入力すると、このコンテンツを指定する情報が視聴装置1に送信される。
【0043】
設定部18は、設定情報記憶部16が記憶する設定履歴情報200に基づいて、視聴者8Xが指定したコンテンツのジャンルが以前視聴者8Xによって選択されたコンテンツのジャンルに該当するか否かを判断する(ステップS130)。具体的には、設定部18が設定履歴情報200に視聴者8Xが指定したコンテンツのジャンルが含まれているか否かを判断する。
【0044】
設定部18が、視聴者8Xによって指定されたコンテンツのジャンルは以前視聴者8Xによって選択されたコンテンツのジャンルに該当すると判断すると(ステップS130、Yes)、設定部18は以前視聴者8Xによって選択されたジャンルのコンテンツと同様の設定によって、設定制御部15に今回指定されたコンテンツの再生を行わせる。すなわち、設定部18が設定制御部15に以前視聴者8Xによって選択されたジャンルのコンテンツと同様の設定によってコンテンツを再生するよう指示情報を送信し、設定制御部15が以前視聴者8Xによって選択されたジャンルのコンテンツと同様の設定によってコンテンツが再生されるよう音声再生部13、映像再生部14の設定を制御する。具体的には、設定制御部15が、音声の周波数や映像のコントラスト等を変更してコンテンツを再生するよう音声再生部13、映像再生部14の設定を制御する(ステップS140)。
【0045】
一方、視聴装置ユーザインタフェース2に入力されたキーが視聴設定登録されていないユーザに対応し、設定部18が視聴者8Xは登録されていないユーザであると判断すると(ステップS110、No)、視聴者8Xは視聴したいコンテンツを選択する(ステップS150)。ここでは、設定部18は例えば設定情報記憶部16が記憶しているEPGに基づいて、視聴可能なコンテンツの一覧表等を映像再生部14に表示させる。そして、視聴者8Xは、視聴可能なコンテンツの一覧表から視聴したいコンテンツを指定するための情報を視聴装置ユーザインタフェース2に入力する。
【0046】
また、設定部18は視聴者8Xに対して視聴者の登録を行わせるため、映像再生部14に視聴者の登録要求を示すメッセージと登録要求を行うための画像等を表示させる。視聴者8Xは、映像再生部14に表示された情報に従って、自らの視聴者情報を視聴装置ユーザインタフェース2に入力する。例えば、視聴装置ユーザインタフェース2が視聴者を識別するためのキーを3つ備えており、この3つのキーをそれぞれの視聴者8X〜8Zの識別情報に1つずつ割り当てられている場合、視聴者8Xは視聴者として未登録のキーを押下する。
【0047】
この視聴者8Xによって押下されたキーの情報は、視聴装置ユーザインタフェース2から視聴装置1の指示入力部17に送信される。指示入力部17は視聴者8Xによって押下されたキーの情報を設定部18に送信し、設定部18が視聴者8Xの識別情報を取得する(ステップS160)。すなわち、設定部18は視聴者8Xによって押下されたキーが未登録であるため、視聴者8Xが新たな視聴者であることを認識する。
【0048】
設定部18は、視聴者8Xが新たな視聴者であることを認識した場合(ステップS160)や、視聴者8Xによって指定されたコンテンツのジャンルは以前視聴者8Xによって選択されたコンテンツのジャンルに該当しないと判断した場合(ステップS130、No)、視聴者8Xによって指定されたコンテンツに応じた映像/音声の設定動作を行う(ステップS170)。ここでの設定部18は、視聴者8Xが指定したコンテンツのジャンルに応じて音声再生部13、映像再生部14を制御し、コンテンツのサンプルを再生させる。すなわち、設定部18は視聴者8Xが指定したコンテンツに対応するコンテンツのジャンルをコンテンツ情報に基づいて抽出し、このコンテンツのジャンルに応じたコンテンツ再生の設定を行う。具体的には、設定制御部15が、音声の周波数や映像のコントラスト等を変更してコンテンツを再生するよう音声再生部13、映像再生部14の設定を制御する。
【0049】
設定部18は、解析部12が生成したコンテンツ情報に基づいて、コンテンツ毎の映像/音声設定に関するコンテンツ設定情報100を作成するとともに、視聴者8Xによって指定されたコンテンツに応じた映像/音声の設定動作を行う。
【0050】
ここで、コンテンツ設定情報100の構成について説明する。従来の視聴装置においては、視聴者の音声等の認識力に関わらず、聞き取りたい周波数の音が視聴者にとって聞きやすくなるまで全ての周波数帯域の音声信号レベルを一律に大きくしていた。例えば、ナレーションや台詞が視聴者によって聞き取れるようになるまで音量を大きくすると、BGMや背景音の音量も同じだけ大きくなる。そこで、本実施例においては、ナレーション、台詞、歌唱等の所定の音の種類を選択して強調し、BGMや背景音等の所定の音に対しては音量を維持または弱めるよう制御する。
【0051】
図5−1は音声設定を行うためのコンテンツ設定情報の構成の一例を示す図であり、図5−2は映像設定を行うためのコンテンツ設定情報の構成の一例を示す図である。図5−1および図5−2に示すように、音声設定を行うためのコンテンツ設定情報100は、コンテンツのジャンル分類に関する情報、番組内容(コンテンツ内容)に関する情報、音声設定に関する情報からなる。
【0052】
コンテンツのジャンル分類は、コンテンツのジャンルを分類する情報であって、競馬や公営競技等の「スポーツ」、芸能情報等の「情報/ワイドショー」、国内ドラマや海外ドラマ等の「ドラマ」、歌謡曲や演歌等の「音楽」、落語や演芸等の「劇場/公演」、国内映画や海外映画等の「映画」等に分類される。
【0053】
番組内容は、コンテンツのジャンル分類が「スポーツ」の場合「中央競馬」等があり、
「情報/ワイドショー」の場合「昼のワイドショー」等があり、「ドラマ」の場合「アクションドラマ」等があり、「音楽」の場合「ソロ/グループ単独歌唱」等があり、「劇場/公演」の場合「落語」等があり、「映画」の場合「SFX(Special effects)」等がある。
【0054】
図5−1に示すように、音声設定を行うためのコンテンツ設定情報100は、例えば、コンテンツが「中央競馬」等の「スポーツ」の場合、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを0〜10dBの範囲で大きくするよう変更することを示す。また、コンテンツが「中央競馬」等の「スポーツ」の場合、3200〜8000Hzの音の周波数に対してBGM/背景音の基準音圧レベルを0〜5dBの範囲で小さくするよう変更することを示す。
【0055】
また、コンテンツが「昼のワイドショー」等の「情報/ワイドショー」の場合、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを0〜10dBの範囲で大きくするよう変更することを示す。
【0056】
また、コンテンツが「アクションドラマ」等の「ドラマ」の場合、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを0〜10dBの範囲で大きくするよう変更し、3200〜8000Hzの音の周波数に対してBGM/背景音の基準音圧レベルを0〜5dBの範囲で小さくするよう変更することを示す。
【0057】
また、コンテンツが「ソロ/グループ単独歌唱」等の「音楽」の場合、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを0〜10dBの範囲で大きくするよう変更し、3200〜8000Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを0〜10dBの範囲で小さくするよう変更し、8000Hz以上の音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを0〜10dBの範囲で小さくするよう変更することを示す。
【0058】
また、コンテンツが「落語」等の「劇場/公演」の場合、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを0〜10dBの範囲で大きくするよう変更することを示す。
【0059】
また、コンテンツが「SFX」等の「映画」の場合、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを0〜10dBの範囲で大きくするよう変更し、3200〜8000Hzの音の周波数に対してBGM/背景音の基準音圧レベルを0〜5dBの範囲で小さくするよう変更し、8000Hz以上の音の周波数に対してBGM/背景音の基準音圧レベルを0〜5dBの範囲で小さくするよう変更することを示す。なお、ここでは100Hz未満の音の周波数に対しては人の声の基準音圧レベルとBGM/背景音の基準音圧レベルを変更しない場合を示している。
【0060】
図5−2に示すように、映像設定を行うためのコンテンツ設定情報100は、全てのコンテンツに対して映像(画像)の基準コントラスト、基準となる黄色〜青色の出力レベル(基準出力レベル)を0〜10dBの範囲で大きくするよう変更することを示す。
【0061】
なお、ここでの基準音圧レベルは例えば平均的な聴力を有する25歳の視聴者を基準として予め所定の基準音圧レベルを設定しておく。また、ここでの基準コントラスト、基準となる黄色〜青色は例えば平均的な視力等を有する25歳の視聴者を基準として予め基準コントラスト、基準となる黄色〜青色を設定しておく。
【0062】
設定部18は、コンテンツ設定情報100に基づいて、コンテンツに応じた映像/音声の設定動作を行う。このとき、設定部18は例えば後述する対話型のコンテンツ再生の設定動作等によってコンテンツに応じた映像/音声の設定動作を行う。
【0063】
設定部18は、コンテンツ設定情報100に示される音圧レベルの変更条件に基づいてコンテンツ再生の設定を行う。例えば、コンテンツ設定情報100において音の周波数が0〜10dBの範囲で大きくするよう変更することが示されている場合、設定部18は音の周波数を0〜10dBの範囲内で複数段階変化(例えば2dB毎に大きくする)させたコンテンツ再生の設定条件を視聴者8Xに提示する。
【0064】
設定部18は、例えばコンテンツが「中央競馬」等の「スポーツ」の場合、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の音圧レベルを変更しない場合のコンテンツ再生、2dB大きくした場合のコンテンツ再生、4dB大きくした場合のコンテンツ再生、6dB大きくした場合のコンテンツ再生、8dB大きくした場合のコンテンツ再生、10dB大きくした場合のコンテンツ再生を順番に行う。そして、設定部18はこれらのコンテンツ再生の中から視聴者8Xに自らの好みに対応するコンテンツ再生を選択させる。視聴者8Xは、視聴装置ユーザインタフェース2から所定の情報(設定指示情報)を送信することによって、所望のコンテンツ再生設定を選択する。
【0065】
設定部18は、視聴者8Xによって選択されたコンテンツ再生を行うための音声再生部13、映像再生部14の制御設定(映像/音声特性の設定)に関する情報を設定履歴情報200として作成する。この設定履歴情報200は、設定情報記憶部16によって記憶される(ステップS180)。
【0066】
ここで、設定履歴情報200の構成について説明する。図6−1〜図6−4は、設定履歴情報の構成を示す図である。ここでは、中年齢層(例えば30歳)の視聴者の設定履歴情報200の一例と高年齢層(例えば60歳)の視聴者の設定履歴情報の一例について説明する。
【0067】
図6−1は、中年齢層の視聴者による音声設定の設定履歴情報の一例を示す図であり、図6−2は、高年齢層の視聴者による音声設定の設定履歴情報の一例を示す図である。また、図6−3は、中年齢層の視聴者による映像設定の設定履歴情報の一例を示す図であり、図6−4は、高年齢層の視聴者による映像設定の設定履歴情報の一例を示す図である。
【0068】
図6−1に示す設定履歴情報200は、中年齢層の視聴者が「中央競馬」等の「スポーツ」において、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを2dB大きくするよう変更した条件を選択してコンテンツ再生を行ったことを示している。
【0069】
また、図6−1に示す設定履歴情報200は中年齢層の視聴者が「昼のワイドショー」等の「情報/ワイドショー」、「アクションドラマ」等の「ドラマ」、「落語」等の「劇場/公演」、「SFX」等の「映画」において、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを2dB大きくするよう変更した条件を選択してコンテンツ再生を行ったことを示している。
【0070】
また、図6−1に示す設定履歴情報200は中年齢層の視聴者が「ソロ/グループ単独歌唱」等の「音楽」において、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを2dB大きくするよう変更し、3200〜8000Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを2dB大きくするよう変更し、8000Hz以上の音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを4dB大きくするよう変更した条件を選択してコンテンツ再生を行ったことを示している。
【0071】
図6−2に示す設定履歴情報200は、高年齢層の視聴者が「中央競馬」等の「スポーツ」において、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを10dB大きくするよう変更し、3200〜8000Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを5dB小さくするよう変更し、8000Hz以上の音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを5dB小さくするよう変更した条件を選択してコンテンツ再生を行ったことを示している。
【0072】
また、図6−2に示す設定履歴情報200は高年齢層の視聴者が「昼のワイドショー」等の「情報/ワイドショー」、「落語」等の「劇場/公演」において、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを10dB大きくするよう変更した条件を選択してコンテンツ再生を行ったことを示している。
【0073】
また、図6−2に示す設定履歴情報200は高年齢層の視聴者が「アクションドラマ」等の「ドラマ」、「SFX」等の「映画」において、100〜3200Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを10dB大きくするよう変更し、3200〜8000Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを5dB小さくするよう変更し、8000Hzの音の周波数に対して人の声の基準音圧レベルを5dB小さくするよう変更した条件を選択してコンテンツ再生を行ったことを示している。
【0074】
また、図6−2に示す設定履歴情報200は高年齢層の視聴者が「ソロ/グループ単独歌唱」等の「音楽」において、100〜3200Hzの音の周波数、3200〜8000Hzの音の周波数、8000Hz以上の音の周波数のそれぞれに対して人の声の基準音圧レベルを10dB大きくするよう変更した条件を選択してコンテンツ再生を行ったことを示している。
【0075】
図6−3に示す設定履歴情報200は、中年齢層の視聴者が「SFX」等の「映画」において、映像のコントラストの基準出力レベルを3dB小さくするよう変更した条件を選択してコンテンツ再生を行ったことを示している。
【0076】
図6−4に示す設定履歴情報200は、高中年齢層の視聴者が「中央競馬」等の「スポーツ」、「昼のワイドショー」等の「情報/ワイドショー」、「アクションドラマ」等の「ドラマ」、「落語」等の「劇場/公演」において、映像のコントラストおよび黄色〜青色の映像の基準出力レベルをそれぞれ3dB小さくするよう変更し、「SFX」等の「映画」において映像のコントラストの基準出力レベルを3dB小さくするよう変更した条件を選択してコンテンツ再生を行ったことを示している。
【0077】
設定部18は、視聴者8Xが未登録のユーザである場合、視聴者8Xによって押下された新たなキーと視聴者8Xの識別情報を対応付けるとともに、この対応付けに関する情報を記憶する(ステップS190)。これにより、以後、視聴者8Xの識別情報に対応付けられた視聴装置ユーザインタフェース2が備えるキーが押下されると視聴装置1は視聴者8Xを認識することが可能となる。
【0078】
ステップS140の処理またはステップS190の処理の後、視聴装置1は設定制御部15からの設定指示に基づいてコンテンツの再生を行う。すなわち、設定制御部15は
以前視聴者8Xによって選択されたジャンルのコンテンツと同様の設定履歴情報200に基づく設定、または視聴者8Xによって新たに指定されて新たに設定履歴情報200として記憶された設定履歴情報200に基づく設定によってコンテンツの再生を行う(ステップS200)。
【0079】
設定制御部15は、音声特性を変更してコンテンツ再生を行う場合、図示しない音の分別機能等によって音の帯域や波長に基づいて人の声とBGM/背景音を分離する。そして、設定制御部15は音声再生部13にコンテンツを再生させる際、分離させた人の声とBGM/背景音の音圧レベルを必要に応じて変更させる。
【0080】
つぎに、コンテンツの再生設定の一例である対話型のコンテンツ再生の設定手順について説明する。図7は、対話型のコンテンツ再生の設定手順を示すフローチャートである。コンテンツのジャンルや視聴者毎の設定履歴情報200に基づいた映像/音声特性の設定を開始すると、音声再生部13、映像再生部14は視聴者毎に現在設定されている映像/音声特性の設定に基づいたコンテンツの再生を行う(ステップS310)。設定部18は、現在再生中のコンテンツの映像特性の設定を選択するか否か(変更するか)を確認するためのメッセージ等を映像再生部14に表示させる(ステップS320)。
【0081】
視聴者8Xは、映像再生部14によって再生されるコンテンツの映像特性の設定を変更するか否かを選択する(ステップS330)。具体的には、視聴者8Xが視聴装置ユーザインタフェース2に現在再生中のコンテンツの映像特性の設定を選択する指示情報(変更指示情報)又は設定を変更する指示情報(設定変更指示情報)を入力する。そして、視聴装置ユーザインタフェース2が入力された指示情報を視聴装置1の設定部18に送信する。
【0082】
視聴者8Xによって、コンテンツの映像特性の設定を変更することが選択された場合(ステップS330、No)、視聴装置1はコンテンツの映像特性の設定を変更して映像/音声の再生を行う(ステップS340)。このとき、設定部18は視聴者8Xが指定したコンテンツのジャンル、コンテンツ設定情報100、設定履歴情報200に基づいて映像特性の設定を変更するよう映像再生部14を制御し、コンテンツのサンプルを再生させる。
【0083】
設定部18は、現在再生中コンテンツのサンプルの映像特性の設定を選択するか否かを確認するためのメッセージ等を映像再生部14に表示させる(ステップS320)。視聴者8Xは、映像再生部14によって再生されるコンテンツの映像特性の設定を変更するか否かを選択する(ステップS330)。視聴者8Xによって、現在再生中のコンテンツ(サンプル)の映像特性の設定が選択された場合(ステップS330、Yes)、視聴装置1はコンテンツの音声特性の設定処理を行う。
【0084】
ここでのステップS340およびステップS320の処理は、ステップS330の処理において、視聴者8Xが現在再生中のコンテンツの映像特性の設定を選択するまで繰り返し行われる。このとき、視聴装置1はコンテンツの映像特性の設定を順番に変更してコンテンツのサンプルの再生を行う。例えば、コンテンツ設定情報100においてコントラストの基準出力レベルを0〜10dBの範囲で大きくするよう変更することが示されている場合、設定部18はコントラストの基準出力レベルを0〜10dBの範囲内で複数段階変化させたコンテンツ再生の設定条件でコンテンツのサンプル再生を行っていく。視聴者によってコンテンツの所定のサンプル再生が選択されるまで、例えばコントラストの基準出力レベルを2dBずつ大きく変更してコンテンツのサンプルの再生を行う。
【0085】
設定部18は、現在再生中コンテンツのサンプルの音声特性の設定を選択するか否かを確認するためのメッセージ等を映像再生部14に表示させる(ステップS350)。視聴者8Xは、音声再生部13によって再生されるコンテンツの音声特性の設定を変更するか否かを選択する(ステップS360)。具体的には、視聴者8Xが視聴装置ユーザインタフェース2に現在再生中のコンテンツの音声特性の設定を選択するか又は設定を変更するかの指示情報を入力する。そして、視聴装置ユーザインタフェース2が入力された指示情報を視聴装置1の設定部18に送信する。
【0086】
視聴者8Xによって、コンテンツの音声特性の設定を変更することが選択された場合(ステップS360、No)、視聴装置1はコンテンツの音声特性の設定を変更して映像/音声の再生を行う(ステップS370)。このとき、設定部18は視聴者8Xが指定したコンテンツのジャンル、コンテンツ設定情報100、設定履歴情報200に基づいて音声特性の設定を変更するよう音声再生部13を制御し、コンテンツのサンプルを再生させる。
【0087】
設定部18は、現在再生中コンテンツのサンプルの音声特性の設定を選択するか否かを確認するためのメッセージ等を映像再生部14に表示させる(ステップS350)。視聴者8Xは、音声再生部13によって再生されるコンテンツの音声特性の設定を変更するか否かを選択する(ステップS360)。視聴者8Xによって、現在再生中のコンテンツ(サンプル)の音声特性の設定が選択されると(ステップS360、Yes)、コンテンツのジャンルや視聴者毎の設定履歴情報200に基づいた映像/音声特性の設定を終了する。
【0088】
ここでのステップS370およびステップS350の処理は、ステップS340の処理において、視聴者8Xが現在再生中のコンテンツの音声特性の設定を選択するまで繰り返し行われる。このとき、視聴装置1はコンテンツの音声特性の設定を順番に変更してコンテンツのサンプルの再生を行う。例えば、コンテンツ設定情報100において音の周波数の基準音圧レベルを0〜10dBの範囲で大きくするよう変更することが示されている場合、設定部18は音の周波数の基準音圧レベルを0〜10dBの範囲内で複数段階変化させたコンテンツ再生の設定条件でコンテンツのサンプル再生を行っていく。視聴者によってコンテンツの所定のサンプル再生が選択されるまで、例えば、人の声の周波数の基準音圧レベルを2dBずつ大きく変更してコンテンツのサンプルの再生を行う。
【0089】
なお、本実施例においては、コンテンツのジャンル分類が「スポーツ」、「情報/ワイドショー」、「ドラマ」、「音楽」、「劇場/公演」、「映画」に分類した場合について説明したが、コンテンツのジャンル分類はこれらに限られずこれら以外の分類を加えてもよいし、これらの分類から不要な分類を除外してもよい。
【0090】
なお、本実施例においては、コンテンツのジャンル分類に応じてコンテンツ再生の設定を行うこととしたが、コンテンツのジャンル分類に限られず番組内容等のジャンル分類とは異なる分類に応じてコンテンツ再生の設定を行うこととしてもよい。
【0091】
なお、本実施例においては、全ての視聴者に対して同一のコンテンツのジャンル分類でコンテンツ再生の設定を行うこととしたが、視聴者毎にコンテンツのジャンル分類を設定し、視聴者毎のコンテンツのジャンル分類でコンテンツ再生の設定を行うこととしてもよい。
【0092】
なお、本実施例においては、図5−1に示すコンテンツ設定情報100において、音の周波数を100Hz以下、100〜3200Hz、3200〜8000Hz、8000Hz以上の範囲毎に区切り、この範囲毎に基準音圧レベルを変更することとしたが、音の周波数の区切りはこれらに限られるものではなく、他の範囲毎に区切ることとしてもよい。
【0093】
また、本実施例においては、図5−1に示すコンテンツ設定情報100において、基準音圧レベルを変更しない場合、0〜10dBの範囲で大きくする場合、0〜5dBの範囲で小さくする場合を一例として説明したが、基準音圧レベルの変更はこれらに限られるものではなく、他の範囲で基準音圧レベルを変更することとしてもよい。また、基準音圧レベルを変更する際は、1dB毎、2dB毎等、何れの間隔毎に基準音圧レベルを上下させてもよい。
【0094】
また、本実施例においては、図5−1に示すコンテンツ設定情報100において、人の声、BGM/背景音の基準音圧レベルを変更することとしたが、基準音圧レベルの変更はこれらに限られず、所定の楽器等の基準音圧レベルを変更することとしてもよい。
【0095】
なお、本実施例においては、図5−2に示すコンテンツ設定情報100において、映像のコントラスト、黄色〜青色の基準出力レベルを変更することとしたが、基準出力レベルの変更はこれらに限られず例えば赤色〜黄色の基準出力レベルを変更することとしてもよい。
【0096】
なお、本実施例においては、視聴者毎にコンテンツ再生の設定を行うこととしたが、複数人の視聴者によってコンテンツを視聴する際には、視聴者毎の設定履歴情報200に基づいて、所定の比率で基準音圧レベル、コントラスト等を変更してもよい。例えば、視聴者8X〜8Zの設定履歴情報200内の所定のコンテンツ分類の音声周波数の平均値に基づいて基準音圧レベルを変更する。
【0097】
なお、本実施例においては、視聴装置ユーザインタフェース2によって指示入力部17にコンテンツを出力する際の設定を指示する設定指示情報を入力することとしたが、視聴者の目の動きを検出することによって指示入力部17にコンテンツを出力する際の設定指示情報を入力することとしてもよい。この場合、視聴者の目の動きを検出するセンサーを備えたヘッドマウントを視聴者に装着させ、このヘッドマウントから指示入力部17にコンテンツを出力する際の設定指示情報を入力する。
【0098】
このように実施例によれば、視聴装置1がコンテンツの分類、各視聴者の好みに応じてコンテンツの音再生や映像再生の再生特性パラメータを変更してコンテンツを再生することができる。したがって、各視聴者はコンテンツの分類毎に簡易な操作で自らの好みに応じたコンテンツを視聴することが可能となる。
【0099】
また、設定部18によって作成されたコンテンツ設定情報100やコンテンツ再生の設定履歴に関する情報を設定履歴情報200として記憶しておくので、同じコンテンツ分類を有するコンテンツは新たに再生設定を行う必要がなく、設定履歴情報200に基づいてコンテンツ再生を行うことが可能となる。これにより、視聴者がコンテンツを視聴する際のコンテンツの再生設定の手間を簡略化することが可能となる。
【0100】
また、指示入力部17に視聴者を識別する識別情報を入力するので、視聴者の識別情報に基づいて視聴者毎に設定履歴情報200を記憶することが可能となる。したがって、視聴者毎に設定履歴情報200に基づいたコンテンツ再生を行うことが可能となる。
【0101】
また、複数人の視聴者によってコンテンツを視聴する場合であっても、複数種類からなる音声を音声の種類毎に分離し、分離した音声の種類毎に基準音圧レベル(音声信号レベル)を変更させるので、全ての種類の音の基準音圧レベルを変更する必要がなく音が大きすぎる又は小さすぎることによる不快感を低減させることが可能となる。
【0102】
また、複数人の視聴者によってコンテンツを視聴する場合であっても、音声を複数の周波数帯域に分離し、分離した音声の周波数帯域毎に基準音圧レベルを変更させるので、全ての種類の音の基準音圧レベルを変更する必要がなく音が大きすぎる又は小さすぎることによる不快感を低減させることが可能となる。
【0103】
また、複数人の視聴者によってコンテンツを視聴する場合であっても、映像のコントラストまたは映像の色等の要素毎に映像の基準出力レベルを変更させるので、全ての映像特性の要素(基準出力レベル)を変更する必要がなく映像の強弱による不快感を低減させることが可能となる。
【0104】
また、EPGに基づいてコンテンツ設定情報100を生成するので、コンテンツ設定情報100の取得を容易に行うことが可能となる。
【0105】
また、視聴装置1がコンテンツ設定情報100等に基づいたコンテンツ再生を行いながら、視聴装置1と視聴者との対話形式で視聴者がコンテンツの再生設定を行うので、視聴者は自らの好みに応じたコンテンツの再生設定を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】実施例に係る情報再生の概念を説明するための図である。
【図2】実施例に係る視聴装置の構成を示すブロック図である。
【図3】コンテンツ再生の設定手順を示すフローチャートである。
【図4】MPEG−TSストリームに含まれるデータ列の一例を示す図である。
【図5−1】音声設定を行うためのコンテンツ設定情報の構成の一例を示す図である。
【図5−2】映像設定を行うためのコンテンツ設定情報の構成の一例を示す図である。
【図6−1】設定履歴情報の構成を示す図(1)である。
【図6−2】設定履歴情報の構成を示す図(2)である。
【図6−3】設定履歴情報の構成を示す図(3)である。
【図6−4】設定履歴情報の構成を示す図(4)である。
【図7】対話型のコンテンツ再生の設定手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0107】
1 視聴装置
2 視聴装置ユーザインタフェース
3 電話線
4 LAN
5 電灯線
6 アンテナ
7A〜7C コンテンツ
8X〜8Z 視聴者
11 受信部
12 解析部
13 音声再生部
14 映像再生部
15 設定制御部
16 設定情報記憶部
17 指示入力部
18 設定部
100 コンテンツ設定情報
200 設定履歴情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを受信して再生する情報再生装置において、
コンテンツの再生を行う再生部と、
前記コンテンツの分類に関するコンテンツ分類情報を取得する情報取得部と、
前記コンテンツ分類情報に基づいて、コンテンツ毎にコンテンツの音再生および/または映像再生の再生特性パラメータの変更に関する変更設定情報を生成する変更設定情報生成部と、
前記変更設定情報に基づいた前記コンテンツ毎の前記再生特性パラメータの変更指示が変更指示情報としてユーザによって入力される指示情報入力部と、
前記変更指示情報に基づいて、前記再生部が再生するコンテンツの音再生および/または映像再生の再生特性パラメータの変更を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
前記指示情報入力部に入力された前記変更指示情報を前記コンテンツ分類情報毎に記憶しておく記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部が記憶する変更指示情報または前記指示情報入力部に入力された変更指示情報に基づいて前記再生部が再生するコンテンツの再生特性パラメータの変更を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記指示入力部には、前記コンテンツを再生させるユーザを識別するユーザ識別情報が入力され、
前記制御部は、前記ユーザ毎のユーザ識別情報および前記変更指示情報に基づいて、前記再生部が再生するコンテンツの再生特性パラメータの変更を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記コンテンツの音再生の再生特性パラメータは複数の音の種類を有するとともに、前記変更指示情報は前記複数の音の種類毎の変更指示を含み、
前記制御部は、前記変更指示情報に基づいて前記音を音の種類毎に分離し前記音の種類毎に音の音圧レベルの変更を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記コンテンツの音再生の再生特性パラメータは音の複数の周波数帯域を有するとともに、前記変更指示情報は前記周波数帯域毎の変更指示を含み、
前記制御部は、前記変更指示情報に基づいて前記周波数帯域毎の音圧レベルの変更を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の情報再生装置。
【請求項6】
前記コンテンツの映像再生の再生特性パラメータは、映像のコントラストまたは映像の色に関する要素の少なくとも1つを有するとともに、前記変更指示情報は前記映像のコントラストまたは映像の所定の色に関する要素の少なくとも1つの変更指示を含み、
前記制御部は、前記変更指示情報に基づいて前記映像のコントラストおよび/または前記映像の所定の色の出力レベルの変更を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の情報再生装置。
【請求項7】
前記コンテンツ分類情報は、前記コンテンツのジャンルに関する情報を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の情報再生装置。
【請求項8】
前記コンテンツはテレビ番組であって、前記コンテンツ分類情報は前記テレビ番組の番組表データを含む電子番組ガイドであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の情報再生装置。
【請求項9】
前記再生部が前記コンテンツの再生を開始する際、前記再生部が再生する前記コンテンツの再生特性パラメータとは異なる再生特性パラメータを選択する設定変更指示情報が前記ユーザによって前記指示情報入力部に入力されると、
前記変更設定部は、前記再生部が再生するコンテンツの再生特性パラメータが前記ユーザによって選択されて前記変更指示情報が前記指示情報入力部に入力されるまで前記変更設定情報に基づいて前記再生部が再生するコンテンツの前記再生特性パラメータを順番に変更していくことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の情報再生装置。
【請求項10】
コンテンツを受信して再生する情報再生方法において、
前記コンテンツの分類に関するコンテンツ分類情報を取得する情報取得ステップと、
前記コンテンツ分類情報に基づいて、コンテンツ毎にコンテンツの音再生および/または映像再生の再生特性パラメータの変更に関する変更設定情報を生成する変更設定情報生成ステップと、
前記変更設定情報に基づいた前記コンテンツ毎の前記再生特性パラメータの変更指示を変更指示情報としてユーザが入力する指示情報入力ステップと、
前記変更指示情報に基づいて、前記コンテンツの音再生および/または映像再生の再生特性パラメータを変更して再生する再生ステップと、
を含むことを特徴とする情報再生方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−186920(P2006−186920A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381087(P2004−381087)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】