情報再生装置および情報再生方法
【課題】RLL変調されているデータ列に対しても有効な信頼度を算出する方法を得る。
【解決手段】
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力する最尤パス判定部と、前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力する競合パス判定部と、前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力する尤度演算部と、前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力する信号間距離演算部と、前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、を有することを特徴とする情報再生装置で解決できる。
【解決手段】
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力する最尤パス判定部と、前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力する競合パス判定部と、前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力する尤度演算部と、前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力する信号間距離演算部と、前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、を有することを特徴とする情報再生装置で解決できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体から情報を再生する、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、BD(Blu−ray Disc(商標))規格では1層25GBを2層、またBDXL(商標)規格では1層32GBを4層のように高密度化、多層化することにより光ディスクの容量を向上させている。
【0003】
今後の更なる高密度、大容量化においては、例えば特許文献1の0007段落に記載のように、「その有力方式として、SOVA(Soft−Output Viterbi Algorithm)がある。これは、硬判定出力型PRML検出部210において、最尤復号されたバイナリデータ(0,1)に加え、その信頼度(復号結果の確からしさに関する情報)を出力し、アナログ値としての復号結果を得る方式である。書き込み側で予め符号化(外符号化)しておけば、読み出し側では前記アナログ値を用いて、外符号を軟判定復号することができる。軟判定復号は、アナログ値を信頼度情報として利用できるため、硬判定復号に比べて誤り率特性が向上することが知られている。」などの技術が挙げられる。
【0004】
このSOVAにおける信頼度を得るには、例えば特許文献1の0018段落に記載のように、「軟判定出力型PRML検出器において、最尤復号系列と同時に2番目に確からしい系列(2nd系列)を求め、両系列に対する尤度の差を求め、これを更新する手段を設ける」ことで可能していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−355151公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、光ディスクなどにこの技術を適用する場合、RLL(Run Length Limited)変調されている点が問題となる。RLL変調されることによって、最尤復号系列と2nd系列の距離がデータ列のパターンによって変化することになり、特許文献1のように「両系列に対する尤度の差」を求めるだけの方法では、正しく尤度を求められなくなる。
【0007】
そこで本発明の目的は、RLL変調されているデータ列に対しても有効な信頼度を算出する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、例えば特許請求の範囲に記載の発明により解決される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、RLL変調されているデータ列に対しても有効な信頼度を算出することが可能となり、軟判定復号における訂正能力を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施例における光ディスク記録再生手段の構成図
【図2】PR(1,2,2,2,1)を用いたビタビアルゴリズムの状態遷移図
【図3】最尤波形、誤り波形、再生波形の例を表す図
【図4】最尤波形、誤り波形の例を表す図
【図5】最尤波形、誤り波形の例を表す図
【図6】パターン毎の尤度分布および合成した尤度分布を表す図
【図7】パターン毎の正規化尤度分布および合成した正規化尤度分布を表す図
【図8】本発明の第1の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図9】本発明の第1の実施例におけるメモリ構成図
【図10】本発明の第1の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【図11】本発明の第1の実施例における軟出力復号を説明する波形を表す図
【図12】本発明の第1の実施例における尤度更新手順を表すフローチャート
【図13】本発明の第2の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図14】本発明の第2の実施例におけるメモリ構成図
【図15】本発明の第2の実施例における尤度更新手順を表すフローチャート
【図16】本発明の第3の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図17】本発明の第3の実施例における尤度更新手順を表すフローチャート
【図18】パターン毎の尤度分布および合成した尤度分布を表す図
【図19】本発明の第4の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図20】本発明の第4の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【図21】本発明の第4の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【図22】PR(a,b;c,d)を用いたビタビアルゴリズムの状態遷移図
【図23】本発明の第5の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
本実施例は、光ディスク再生におけるPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式において、適切な信頼度を出力することを可能とする情報再生装置および方法を提供する。
【0013】
まず図1を用いて本実施例の記録再生装置および方法の概略について説明する。
【0014】
記録動作時には、ホスト101からユーザーデータを受信し、誤り訂正符号化部102でLDPC(Low Dinsity Parity Check)符号などにより誤り訂正符号化、変調部103で例えばBDで使用されているような(1、7)RLL変調方式に従い2ビットデータを3ビットデータへ変調する処理を実行する。(1、7)RLL変調方式とは、変調後のビットにおいて連続する0の数が、最小1つ、最大7個の範囲となるRLL(1,7)のランレングス制限に従った変調データとする変調方式である。LDD(Laser Diode Driver)で変調データをディスクに記録するために必要なレーザーの強度変調を行い、ピックアップ105においてレーザーを発光し、ディスク106に記録する。
【0015】
次に再生動作時には、ディスク106よりピックアップ105を介して記録データを読み出し、AFE(Analog Front End)108において振幅調整、フィルター処理を実行し、ADC(Analog−Digital Converter)109でデジタル化する。デジタル化された再生信号は波形等化部110において軟出力復号部111で使用するPR(1,2,2,2,1)などのPR特性となるように波形に等化し、軟出力復号部111において後述する方法により軟出力復号値を得る。軟値復調部112では軟出力復号部111である軟出力復号値のまま(1、7)RLL変調を復調し、誤り訂正部113においてSum−product復号などによるLDPC符号の誤り訂正を実施した後、ホスト101にデータを送信する。
【0016】
ここで、図2乃至図7を用いて軟出力復号部111の概念について説明する。
【0017】
軟出力復号部111の基本はビタビ復号であり、例えばBDXLではPR(1,2,2,2,1)というPR特性を使用しており、図2に示すように(1、7)RLL変調を反映した状態遷移による復号を行う。ビタビ復号における最尤波形(図3のT)と波形等化部110出力波形(図3のW)のユークリッド距離(式1)と、誤り波形(図3のF)と波形等化部110出力波形のユークリッド距離(式2)との差分(式3)を尤度Δとする。tn、fn、wnは時刻nにおけるT、F、Wの振幅値を示す。
【0018】
また、誤り訂正部113におけるSum−product復号は対数領域の復号法であることから、軟出力復号部111出力である信頼度は対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ration)とする必要がある。このLLRは、尤度Δの確率密度関数が正規分布に近いとすれば式4で近似することが可能である。μは分布の平均値、σは標準偏差を示す。
【0019】
この信頼度算出の過程において、(1、7)RLL変調が施されたデータではT、Fの復号値は実際に存在し得るパターン、すなわち最短ランレングスは2Tであり1Tの存在を許容しないという点が問題となる。例えば図4においてTの復号値は[0000111]、Fの復号値は[0001111]であり誤りビット数は1であるが、図5においてTの復号値は[00011000]、Fの復号値は[00110000]であり誤りビット数は2となる。これはRLL変調の規則を満たすようにビタビアルゴリズムが動作するため、図5のTが誤る場合1Tシフトは許容されず2T部分がスリップすることに起因する。このためRLL変調されたデータにおいて、TとFのユークリッド距離(式5)は復号結果によって変化してしまう。
【0020】
この影響について図6を用いて説明する。図は横軸を尤度Δ、縦軸を発生頻度として、RLL変調されたデータ列に対して尤度Δをヒストグラム化したイメージを示す。図4のパターンの分布を第1分布、図5のパターンの分布を第2分布とした。それぞれの分布は正規分布に従うとすれば、分布の平均値μはW=Tとなる時であり式6で示される。
【0021】
この値はTとFのユークリッド距離がパターンによって異なることから、第1分布と第2分布で異なり、結果として合成した全体分布は正規分布から外れる。このため式4に示したLLR計算式を適用することが困難となる。
【0022】
そこでこの問題を解決するため、本実施例は式7に示すようにTとFのユークリッド距離で尤度Δを正規化することを特徴とする。
【0023】
図7に横軸を正規化尤度Δ’、縦軸は発生頻度として正規化尤度Δ’をヒストグラム化したイメージを示す。正規化尤度を使用することにより平均値が一致し、全体分布も正規分布に近くなることからLLRを正しく算出することが可能となる。
【0024】
以下にこの概念を用いた軟出力復号部111の詳細について、図8乃至図12を用いて説明する。まず図8に軟出力復号部111の構成を示す。なお、使用するPR特性をPR(1,2,2,2,1)として説明するがこれに限定するものではない。
【0025】
まずBM演算部801において、図2の基準値REF00000〜REF11111と軟出力復号部111入力である等化波形との差分の2乗であるブランチメトリックを計算する。その後、ACS演算部802において図2のステートS0000〜S1111毎のパスメトリックにブランチメトリックを加算し、図2のパスが合流している点で加算結果を比較し小さいパスを選択する。この合流した2つのパスの加算結果差分を尤度候補Δとして尤度候補メモリ803に格納する。また、ACS演算部802のパス選択結果をパスメモリ804に格納する。
【0026】
尤度を算出する際に最尤パスが不確かであればその尤度の信頼性も落ちることから、最尤パスを確定させた後、その結果を基点として尤度算出用の最尤パスと競合パスを確定させる。この最初の最尤パス判定を事前最尤パス判定部805で、その結果を基点とする最尤パス判定を最尤パス判定部806で、競合パス判定を競合パス判定部807で実施する。事前最尤パス判定のパスメモリ長をL1、最尤パス判定のパスメモリ長をL2とした時のパスメモリ804と尤度候補メモリ803の構成を図9に示す。横軸は時刻を示し、時刻nを基点としている。なお、図9には後述する最尤復号値メモリ808、競合復号値メモリ809、尤度メモリ813の例も示している。
【0027】
図10を用いてこのパス判定方法について時刻n周辺を例に説明する。図10のトレリス線図は図2の状態遷移図を展開したものである。まず、事前最尤パス判定部805において、パスメモリ804のパス選択結果を時刻n+L1から時刻nまでトレースバックすることにより最尤パスを確定する。この時刻nでのステートを基点ステートとする。次に最尤パス判定部806において、時刻nでの基点ステートを開始点として、時刻nから時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより最尤パスを確定する。また競合パス判定部807において、時刻nでの基点ステートを開始点として、時刻n−1への遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択、その後時刻n−1から時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより競合パスを確定する。但し、基点となるステートに接続されるパスが1本だけだった場合、基点ステートを時刻nから時刻n−1に移し、時刻n−2への遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択する。同様に基点となるステートに接続されるパスが1本でなくなるまで遡るものとする。最尤パス判定部806での最尤パスによる復号結果を最尤復号値メモリ808に、競合パス判定部807での最尤パスによる復号結果を競合復号値メモリ809に格納する。
【0028】
本実施例では前述のように最尤波形と競合波形のユークリッド距離で尤度を正規化する必要がある。図11に図10での最尤パスと競合パスに対応する最尤波形と競合波形を示す。信号間距離演算部810において最尤復号値と競合復号値にPR(1,2,2,2,1)といったPR特性を畳み込むなどして最尤波形と競合波形を生成し、波形間ユークリッド距離を算出する。
【0029】
この後の尤度算出方法について図12のフローチャートを用いて説明する。
【0030】
まず正規化尤度候補演算部811において、時刻nの尤度候補Δを尤度候補メモリ803から取得する(S1201)。この尤度候補Δを信号間距離演算部810出力である波形間ユークリッド距離で除算し正規化尤度候補Δ’を算出する(S1202)。尤度更新部812では、最尤復号値メモリ808からk番目(1≦k≦L2)の最尤復号値bmを取得(S1203)、競合復号値メモリ809からk番目(1≦k≦L2)の競合復号値bcを取得(S1204)し、最尤復号値bmと競合復号値bcを比較する(S1205)。S1205の比較結果が一致したら尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持し(S1206)、一致しなければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度Δkと正規化尤度候補Δ’を比較する(S1207)。S1207の比較結果、正規化尤度候補Δ’が小さければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度をΔ’に置き換え(S1208)(例えば図10のΔ5)、正規化尤度候補Δ’が大きければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持する(S1206)(例えば図10のΔ8)。これらS1203からS1208までの処理をk=1からL2まで実施し、その過程でS1207が実行されたかを確認する(S1209)。S1207が実行された場合は尤度メモリ813のL2番目の尤度ΔL2を尤度として出力し(S1210)、実行されなかった場合は尤度が一度も更新されなかったので尤度が1として出力する(S1211)。これは、正規化尤度を使用しているため図7に示す分布の平均値を与えていることに相当する。
【0031】
以上で算出した尤度をLLR演算部814において、式4のLLR計算式に従いLLRを算出する。なお、式4における平均値μ、標準偏差σは実測してもよいが、予め設定しておいた値を使用してもよい。最後に乗算部815において、最尤復号値メモリ808のL2番目の最尤復号値とLLRを乗算した結果を信頼度として軟値復調部112に出力する。
【0032】
以上の回路構成、処理手順によれば、RLL変調されているデータ列に対しても有効な信頼度を算出することが可能となり、軟判定復号における訂正能力を向上させることが可能となる。
【0033】
なお、本実施例では波形間距離を算出するのにユークリッド距離を利用したが、絶対値に読み替えて実施してもよい。また(1、7)RLLを例に説明したが、これに限定するものではなく、任意の変調方式においても適用可能である。これらのことは以降の実施例についても同様である。
【実施例2】
【0034】
本実施例が実施例1と異なるのは、尤度の更新には正規化しない尤度を使用する点である。図13に本実施例における軟出力復号部111の構成を示す。実施例1と相違するのは図8の尤度更新部812および尤度メモリ813であり、対応するのは図13の尤度更新部1301、比較用尤度メモリ1302、出力用尤度メモリ1303である。比較用尤度メモリ1302、出力用尤度メモリ1303の構成を図14に示す。
【0035】
ここで、図13における尤度更新部1301の動作について図15のフローチャートを用いて説明する。
【0036】
S1205までの動作は実施例1と同一であり、S1205の比較結果が一致したら比較用尤度メモリ1302、および出力用尤度メモリ1303に格納されているk番目の尤度はそのまま保持し(S1501)、一致しなければ比較用尤度メモリ1302に格納されているk番目の尤度Δkと尤度候補Δを比較する(S1502)。S1502の比較結果、尤度候補Δが小さければ比較用尤度メモリ1302に格納されているk番目の尤度を尤度候補Δに置き換え(S1503)、出力用尤度メモリ1303に格納されているk番目の尤度を正規化尤度候補Δ’に置き換える(S1504)。またS1502の比較結果、尤度候補Δが大きければ比較用尤度メモリ1302、および出力用尤度メモリ1303に格納されているk番目の尤度はそのまま保持する(S1501)。これらS1203からS1504までの処理をk=1からL2まで実施し、その過程でS1502が実行されたかを確認する(S1505)。S1502が実行された場合は出力用尤度メモリ1303のL2番目の尤度ΔL2’を尤度として出力し(S1506)、実行されなかった場合は尤度が一度も更新されなかったので尤度が1として出力する(S1507)。これは、正規化尤度を使用しているため図7に示す分布の平均値を与えていることに相当する。
【0037】
以上の回路構成、処理手順によれば、尤度更新の比較は正規化前、実際に出力するのは正規化後の尤度を使用することができ、軟判定復号における訂正能力を向上させることが可能となる。
【実施例3】
【0038】
本実施例が実施例1と異なるのは、尤度の更新および出力にも正規化しない尤度を使用する点である。図16に本実施例における軟出力復号部111の構成を示す。実施例1と相違するのは図8の尤度更新部812であり、対応するのは図16の尤度更新部1601である。なお、図8の信号間距離演算部810、正規化尤度候補演算部811は必要ない。
【0039】
ここで、図16における尤度更新部1601の動作について図17のフローチャートを用いて説明する。
【0040】
S1205までの動作は実施例1と同一であり、S1205の比較結果が一致したら尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持し(S1701)、一致しなければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度Δkと尤度候補Δを比較する(S1702)。S1702の比較結果、尤度候補Δが小さければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度を尤度候補Δに置き換え(S1703)、尤度候補Δが大きければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持する(S1701)。これらS1203からS1703までの処理をk=1からL2まで実施し、その過程でS1702が実行されたかを確認する(S1704)。S1702が実行された場合は尤度メモリ813のL2番目の尤度ΔL2を尤度として出力し(S1705)、実行されなかった場合は尤度が一度も更新されなかったので、最尤波形と競合波形の波形間ユークリッド距離が最小となるものを尤度として出力する(S1706)。これは、正規化しない場合、尤度は図18のような分布をとるため、その分布の中で最も誤り易いパスの分布の平均値(図18ではμ2)を与えていることに相当する。また、S1706で出力する尤度としては、図18における全体分布の平均値(μall)を使用しても良い。
【0041】
以上の回路構成、処理手順によれば、正規化しない尤度を用いる場合においても適切な尤度を出力させることができ、軟判定復号における訂正能力を向上させることが可能となる。
【実施例4】
【0042】
本実施例が実施例1と異なるのは、競合パス判定の動作である。実施例1では事前最尤パス判定を実施した後、最尤パス、競合パスを判定していたのに対し、本実施例では事前最尤パス判定しないことを特徴とする。
【0043】
図19に本実施例における軟出力復号部111の構成を示す。実施例1と相違するのは図8の最尤パス判定部806、競合パス判定部807であり、対応するのは図19の最尤パス判定部1901、競合パス判定部1902である。なお、図8の尤度候補メモリ803、事前最尤パス判定部805は必要ない。
【0044】
図20を用いてこのパス判定方法について時刻n周辺を例に説明する。図20のトレリス線図は図2の状態遷移図を展開したものである。まず、時刻nでのパスメトリックが最小のステートを基点ステートとする。次に最尤パス判定部1901において、時刻nでの基点ステートを開始点として、時刻nから時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより最尤パスを確定する。また競合パス判定部1902において、時刻nでの基点ステートを開始点として、時刻n−1への遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択、その後時刻n−1から時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより競合パスを確定する。
【0045】
もしくは、競合パスの判定に以下の方法を採用してもよい。
【0046】
図21を用いてこのパス判定方法について時刻n周辺を例に説明する。図21のトレリス線図は図2の状態遷移図を展開したものである。最尤パス判定部1901において、時刻nでの最小パスメトリックとなるステートを開始点として、時刻nから時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより最尤パスを確定する。また競合パス判定部1902において、時刻nでのパスメトリックが二番目に小さい次点パスメトリックとなるステートを開始点として、時刻nから時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより競合パスを確定する。なお、この場合の尤度候補Δは図21に示すように最小パスメトリックと次点パスメトリックの差分とする。
【0047】
以上の回路構成、処理手順によれば、RLL変調されているデータ列に対しても有効な信頼度を算出することが可能となり、さらにメモリ量を削減することが可能である。
【0048】
また、本実施例は実施例1に対して説明したが、他の実施例についても同様に適用可能である。
【実施例5】
【0049】
以上の実施例では1次元について説明したが、本実施例では2次元の例について説明する。実施例1と異なるのは尤度候補Δの算出方法などである。
【0050】
図22、図23を用いて尤度候補Δの算出方法についてn番目ピクセル周辺を例に説明する。図22に式8に示すような2×2行列の2次元PR特性の状態遷移図を示す。a,b,c,dは任意の実数である。なお、使用する2次元PR特性はこれに限定するものではなく任意の行列を用いても同様に拡張できる。
【0051】
まずBM演算部801において、図22の基準値REF[00;00]〜REF[11;11]と軟出力復号部505入力である等化波形との差分の2乗であるブランチメトリックを計算する。その後、ACS演算部802において図22のステートS[0;0]〜S[1;1]毎のパスメトリックにブランチメトリックを加算し、図22のパスが合流している点で加算結果を比較するのだが、図のように4本のパスが合流していることから、この4本のうち加算結果が最も小さくなるパスを選択する。
【0052】
図23のトレリス線図は図22の状態遷移図を展開したものであり、n番目ピクセルのS[0;0]でのパスの合流を例に考える。ACS演算部802において、選択したパスとその他のパスの加算結果差分(図23のΔ1、Δ2、Δ3)を算出し、これらΔ1、Δ2、Δ3のうち最小となるものを最も誤り易いパスと判断し、尤度候補Δとして尤度候補メモリ803に格納する。図23ではΔ1が最小としている。
【0053】
また、競合パス判定部807では、n番目ピクセルでの基点ステートを開始点として、n−1番目ピクセルへの遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択するが、この異なるパスとは尤度候補Δを算出した時に使用したパスとする。図23ではΔ1であったパスを競合パスとしている。
【0054】
さらに、尤度更新部812では、最尤復号値メモリ808からk番目(1≦k≦L2)の最尤復号値bmを取得(S1203)、競合復号値メモリ809からk番目(1≦k≦L2)の競合復号値bcを取得(S1204)するが、式8の例では図22のように2ビット同時に復号されるため、最尤復号値bmと競合復号値bcは2ビットの信号となる。よって、最尤復号値bmと競合復号値bcを比較する(S1205)際には0ビット目と1ビット目の夫々のビットで比較を実施する。以降、尤度の更新は0ビット目と1ビット目の夫々で実施する。
【0055】
以上の回路構成、処理手順によれば、2次元PR特性を用いた場合にも有効な信頼度を算出することが可能となり、軟判定復号を用いることにより訂正能力を向上させることが可能となる。
【0056】
また、本実施例は実施例1に対して説明したが、他の実施例についても同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
101・・・ホスト、102・・・誤り訂正符号化部、103・・・変調部、104・・・LDD、105・・・ピックアップ、106・・・ディスク、107・・・スピンドルモータ、108・・・AFE、109・・・ADC、110・・・波形等化部、111・・・軟出力復号部、112・・・軟値復調部、113・・・誤り訂正部、801・・・BM演算部、802・・・ACS演算部、803・・・尤度候補メモリ、804・・・パスメモリ部、805・・・事前最尤パス判定部、806・・・最尤パス判定部、807・・・競合パス判定部、808・・・最尤復号値メモリ、809・・・競合復号値メモリ、810・・・信号間距離演算部、811・・・正規化尤度候補演算部、812・・・尤度更新部、813・・・尤度メモリ、814・・・LLR演算部、815・・・乗算部、1301・・・尤度更新部、1302・・・比較用尤度メモリ、1303・・・出力用尤度メモリ、1601・・・尤度更新部、1901・・・最尤パス判定部、1902・・・競合パス判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体から情報を再生する、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、BD(Blu−ray Disc(商標))規格では1層25GBを2層、またBDXL(商標)規格では1層32GBを4層のように高密度化、多層化することにより光ディスクの容量を向上させている。
【0003】
今後の更なる高密度、大容量化においては、例えば特許文献1の0007段落に記載のように、「その有力方式として、SOVA(Soft−Output Viterbi Algorithm)がある。これは、硬判定出力型PRML検出部210において、最尤復号されたバイナリデータ(0,1)に加え、その信頼度(復号結果の確からしさに関する情報)を出力し、アナログ値としての復号結果を得る方式である。書き込み側で予め符号化(外符号化)しておけば、読み出し側では前記アナログ値を用いて、外符号を軟判定復号することができる。軟判定復号は、アナログ値を信頼度情報として利用できるため、硬判定復号に比べて誤り率特性が向上することが知られている。」などの技術が挙げられる。
【0004】
このSOVAにおける信頼度を得るには、例えば特許文献1の0018段落に記載のように、「軟判定出力型PRML検出器において、最尤復号系列と同時に2番目に確からしい系列(2nd系列)を求め、両系列に対する尤度の差を求め、これを更新する手段を設ける」ことで可能していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−355151公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、光ディスクなどにこの技術を適用する場合、RLL(Run Length Limited)変調されている点が問題となる。RLL変調されることによって、最尤復号系列と2nd系列の距離がデータ列のパターンによって変化することになり、特許文献1のように「両系列に対する尤度の差」を求めるだけの方法では、正しく尤度を求められなくなる。
【0007】
そこで本発明の目的は、RLL変調されているデータ列に対しても有効な信頼度を算出する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、例えば特許請求の範囲に記載の発明により解決される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、RLL変調されているデータ列に対しても有効な信頼度を算出することが可能となり、軟判定復号における訂正能力を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施例における光ディスク記録再生手段の構成図
【図2】PR(1,2,2,2,1)を用いたビタビアルゴリズムの状態遷移図
【図3】最尤波形、誤り波形、再生波形の例を表す図
【図4】最尤波形、誤り波形の例を表す図
【図5】最尤波形、誤り波形の例を表す図
【図6】パターン毎の尤度分布および合成した尤度分布を表す図
【図7】パターン毎の正規化尤度分布および合成した正規化尤度分布を表す図
【図8】本発明の第1の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図9】本発明の第1の実施例におけるメモリ構成図
【図10】本発明の第1の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【図11】本発明の第1の実施例における軟出力復号を説明する波形を表す図
【図12】本発明の第1の実施例における尤度更新手順を表すフローチャート
【図13】本発明の第2の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図14】本発明の第2の実施例におけるメモリ構成図
【図15】本発明の第2の実施例における尤度更新手順を表すフローチャート
【図16】本発明の第3の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図17】本発明の第3の実施例における尤度更新手順を表すフローチャート
【図18】パターン毎の尤度分布および合成した尤度分布を表す図
【図19】本発明の第4の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図20】本発明の第4の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【図21】本発明の第4の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【図22】PR(a,b;c,d)を用いたビタビアルゴリズムの状態遷移図
【図23】本発明の第5の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
本実施例は、光ディスク再生におけるPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式において、適切な信頼度を出力することを可能とする情報再生装置および方法を提供する。
【0013】
まず図1を用いて本実施例の記録再生装置および方法の概略について説明する。
【0014】
記録動作時には、ホスト101からユーザーデータを受信し、誤り訂正符号化部102でLDPC(Low Dinsity Parity Check)符号などにより誤り訂正符号化、変調部103で例えばBDで使用されているような(1、7)RLL変調方式に従い2ビットデータを3ビットデータへ変調する処理を実行する。(1、7)RLL変調方式とは、変調後のビットにおいて連続する0の数が、最小1つ、最大7個の範囲となるRLL(1,7)のランレングス制限に従った変調データとする変調方式である。LDD(Laser Diode Driver)で変調データをディスクに記録するために必要なレーザーの強度変調を行い、ピックアップ105においてレーザーを発光し、ディスク106に記録する。
【0015】
次に再生動作時には、ディスク106よりピックアップ105を介して記録データを読み出し、AFE(Analog Front End)108において振幅調整、フィルター処理を実行し、ADC(Analog−Digital Converter)109でデジタル化する。デジタル化された再生信号は波形等化部110において軟出力復号部111で使用するPR(1,2,2,2,1)などのPR特性となるように波形に等化し、軟出力復号部111において後述する方法により軟出力復号値を得る。軟値復調部112では軟出力復号部111である軟出力復号値のまま(1、7)RLL変調を復調し、誤り訂正部113においてSum−product復号などによるLDPC符号の誤り訂正を実施した後、ホスト101にデータを送信する。
【0016】
ここで、図2乃至図7を用いて軟出力復号部111の概念について説明する。
【0017】
軟出力復号部111の基本はビタビ復号であり、例えばBDXLではPR(1,2,2,2,1)というPR特性を使用しており、図2に示すように(1、7)RLL変調を反映した状態遷移による復号を行う。ビタビ復号における最尤波形(図3のT)と波形等化部110出力波形(図3のW)のユークリッド距離(式1)と、誤り波形(図3のF)と波形等化部110出力波形のユークリッド距離(式2)との差分(式3)を尤度Δとする。tn、fn、wnは時刻nにおけるT、F、Wの振幅値を示す。
【0018】
また、誤り訂正部113におけるSum−product復号は対数領域の復号法であることから、軟出力復号部111出力である信頼度は対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ration)とする必要がある。このLLRは、尤度Δの確率密度関数が正規分布に近いとすれば式4で近似することが可能である。μは分布の平均値、σは標準偏差を示す。
【0019】
この信頼度算出の過程において、(1、7)RLL変調が施されたデータではT、Fの復号値は実際に存在し得るパターン、すなわち最短ランレングスは2Tであり1Tの存在を許容しないという点が問題となる。例えば図4においてTの復号値は[0000111]、Fの復号値は[0001111]であり誤りビット数は1であるが、図5においてTの復号値は[00011000]、Fの復号値は[00110000]であり誤りビット数は2となる。これはRLL変調の規則を満たすようにビタビアルゴリズムが動作するため、図5のTが誤る場合1Tシフトは許容されず2T部分がスリップすることに起因する。このためRLL変調されたデータにおいて、TとFのユークリッド距離(式5)は復号結果によって変化してしまう。
【0020】
この影響について図6を用いて説明する。図は横軸を尤度Δ、縦軸を発生頻度として、RLL変調されたデータ列に対して尤度Δをヒストグラム化したイメージを示す。図4のパターンの分布を第1分布、図5のパターンの分布を第2分布とした。それぞれの分布は正規分布に従うとすれば、分布の平均値μはW=Tとなる時であり式6で示される。
【0021】
この値はTとFのユークリッド距離がパターンによって異なることから、第1分布と第2分布で異なり、結果として合成した全体分布は正規分布から外れる。このため式4に示したLLR計算式を適用することが困難となる。
【0022】
そこでこの問題を解決するため、本実施例は式7に示すようにTとFのユークリッド距離で尤度Δを正規化することを特徴とする。
【0023】
図7に横軸を正規化尤度Δ’、縦軸は発生頻度として正規化尤度Δ’をヒストグラム化したイメージを示す。正規化尤度を使用することにより平均値が一致し、全体分布も正規分布に近くなることからLLRを正しく算出することが可能となる。
【0024】
以下にこの概念を用いた軟出力復号部111の詳細について、図8乃至図12を用いて説明する。まず図8に軟出力復号部111の構成を示す。なお、使用するPR特性をPR(1,2,2,2,1)として説明するがこれに限定するものではない。
【0025】
まずBM演算部801において、図2の基準値REF00000〜REF11111と軟出力復号部111入力である等化波形との差分の2乗であるブランチメトリックを計算する。その後、ACS演算部802において図2のステートS0000〜S1111毎のパスメトリックにブランチメトリックを加算し、図2のパスが合流している点で加算結果を比較し小さいパスを選択する。この合流した2つのパスの加算結果差分を尤度候補Δとして尤度候補メモリ803に格納する。また、ACS演算部802のパス選択結果をパスメモリ804に格納する。
【0026】
尤度を算出する際に最尤パスが不確かであればその尤度の信頼性も落ちることから、最尤パスを確定させた後、その結果を基点として尤度算出用の最尤パスと競合パスを確定させる。この最初の最尤パス判定を事前最尤パス判定部805で、その結果を基点とする最尤パス判定を最尤パス判定部806で、競合パス判定を競合パス判定部807で実施する。事前最尤パス判定のパスメモリ長をL1、最尤パス判定のパスメモリ長をL2とした時のパスメモリ804と尤度候補メモリ803の構成を図9に示す。横軸は時刻を示し、時刻nを基点としている。なお、図9には後述する最尤復号値メモリ808、競合復号値メモリ809、尤度メモリ813の例も示している。
【0027】
図10を用いてこのパス判定方法について時刻n周辺を例に説明する。図10のトレリス線図は図2の状態遷移図を展開したものである。まず、事前最尤パス判定部805において、パスメモリ804のパス選択結果を時刻n+L1から時刻nまでトレースバックすることにより最尤パスを確定する。この時刻nでのステートを基点ステートとする。次に最尤パス判定部806において、時刻nでの基点ステートを開始点として、時刻nから時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより最尤パスを確定する。また競合パス判定部807において、時刻nでの基点ステートを開始点として、時刻n−1への遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択、その後時刻n−1から時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより競合パスを確定する。但し、基点となるステートに接続されるパスが1本だけだった場合、基点ステートを時刻nから時刻n−1に移し、時刻n−2への遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択する。同様に基点となるステートに接続されるパスが1本でなくなるまで遡るものとする。最尤パス判定部806での最尤パスによる復号結果を最尤復号値メモリ808に、競合パス判定部807での最尤パスによる復号結果を競合復号値メモリ809に格納する。
【0028】
本実施例では前述のように最尤波形と競合波形のユークリッド距離で尤度を正規化する必要がある。図11に図10での最尤パスと競合パスに対応する最尤波形と競合波形を示す。信号間距離演算部810において最尤復号値と競合復号値にPR(1,2,2,2,1)といったPR特性を畳み込むなどして最尤波形と競合波形を生成し、波形間ユークリッド距離を算出する。
【0029】
この後の尤度算出方法について図12のフローチャートを用いて説明する。
【0030】
まず正規化尤度候補演算部811において、時刻nの尤度候補Δを尤度候補メモリ803から取得する(S1201)。この尤度候補Δを信号間距離演算部810出力である波形間ユークリッド距離で除算し正規化尤度候補Δ’を算出する(S1202)。尤度更新部812では、最尤復号値メモリ808からk番目(1≦k≦L2)の最尤復号値bmを取得(S1203)、競合復号値メモリ809からk番目(1≦k≦L2)の競合復号値bcを取得(S1204)し、最尤復号値bmと競合復号値bcを比較する(S1205)。S1205の比較結果が一致したら尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持し(S1206)、一致しなければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度Δkと正規化尤度候補Δ’を比較する(S1207)。S1207の比較結果、正規化尤度候補Δ’が小さければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度をΔ’に置き換え(S1208)(例えば図10のΔ5)、正規化尤度候補Δ’が大きければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持する(S1206)(例えば図10のΔ8)。これらS1203からS1208までの処理をk=1からL2まで実施し、その過程でS1207が実行されたかを確認する(S1209)。S1207が実行された場合は尤度メモリ813のL2番目の尤度ΔL2を尤度として出力し(S1210)、実行されなかった場合は尤度が一度も更新されなかったので尤度が1として出力する(S1211)。これは、正規化尤度を使用しているため図7に示す分布の平均値を与えていることに相当する。
【0031】
以上で算出した尤度をLLR演算部814において、式4のLLR計算式に従いLLRを算出する。なお、式4における平均値μ、標準偏差σは実測してもよいが、予め設定しておいた値を使用してもよい。最後に乗算部815において、最尤復号値メモリ808のL2番目の最尤復号値とLLRを乗算した結果を信頼度として軟値復調部112に出力する。
【0032】
以上の回路構成、処理手順によれば、RLL変調されているデータ列に対しても有効な信頼度を算出することが可能となり、軟判定復号における訂正能力を向上させることが可能となる。
【0033】
なお、本実施例では波形間距離を算出するのにユークリッド距離を利用したが、絶対値に読み替えて実施してもよい。また(1、7)RLLを例に説明したが、これに限定するものではなく、任意の変調方式においても適用可能である。これらのことは以降の実施例についても同様である。
【実施例2】
【0034】
本実施例が実施例1と異なるのは、尤度の更新には正規化しない尤度を使用する点である。図13に本実施例における軟出力復号部111の構成を示す。実施例1と相違するのは図8の尤度更新部812および尤度メモリ813であり、対応するのは図13の尤度更新部1301、比較用尤度メモリ1302、出力用尤度メモリ1303である。比較用尤度メモリ1302、出力用尤度メモリ1303の構成を図14に示す。
【0035】
ここで、図13における尤度更新部1301の動作について図15のフローチャートを用いて説明する。
【0036】
S1205までの動作は実施例1と同一であり、S1205の比較結果が一致したら比較用尤度メモリ1302、および出力用尤度メモリ1303に格納されているk番目の尤度はそのまま保持し(S1501)、一致しなければ比較用尤度メモリ1302に格納されているk番目の尤度Δkと尤度候補Δを比較する(S1502)。S1502の比較結果、尤度候補Δが小さければ比較用尤度メモリ1302に格納されているk番目の尤度を尤度候補Δに置き換え(S1503)、出力用尤度メモリ1303に格納されているk番目の尤度を正規化尤度候補Δ’に置き換える(S1504)。またS1502の比較結果、尤度候補Δが大きければ比較用尤度メモリ1302、および出力用尤度メモリ1303に格納されているk番目の尤度はそのまま保持する(S1501)。これらS1203からS1504までの処理をk=1からL2まで実施し、その過程でS1502が実行されたかを確認する(S1505)。S1502が実行された場合は出力用尤度メモリ1303のL2番目の尤度ΔL2’を尤度として出力し(S1506)、実行されなかった場合は尤度が一度も更新されなかったので尤度が1として出力する(S1507)。これは、正規化尤度を使用しているため図7に示す分布の平均値を与えていることに相当する。
【0037】
以上の回路構成、処理手順によれば、尤度更新の比較は正規化前、実際に出力するのは正規化後の尤度を使用することができ、軟判定復号における訂正能力を向上させることが可能となる。
【実施例3】
【0038】
本実施例が実施例1と異なるのは、尤度の更新および出力にも正規化しない尤度を使用する点である。図16に本実施例における軟出力復号部111の構成を示す。実施例1と相違するのは図8の尤度更新部812であり、対応するのは図16の尤度更新部1601である。なお、図8の信号間距離演算部810、正規化尤度候補演算部811は必要ない。
【0039】
ここで、図16における尤度更新部1601の動作について図17のフローチャートを用いて説明する。
【0040】
S1205までの動作は実施例1と同一であり、S1205の比較結果が一致したら尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持し(S1701)、一致しなければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度Δkと尤度候補Δを比較する(S1702)。S1702の比較結果、尤度候補Δが小さければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度を尤度候補Δに置き換え(S1703)、尤度候補Δが大きければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持する(S1701)。これらS1203からS1703までの処理をk=1からL2まで実施し、その過程でS1702が実行されたかを確認する(S1704)。S1702が実行された場合は尤度メモリ813のL2番目の尤度ΔL2を尤度として出力し(S1705)、実行されなかった場合は尤度が一度も更新されなかったので、最尤波形と競合波形の波形間ユークリッド距離が最小となるものを尤度として出力する(S1706)。これは、正規化しない場合、尤度は図18のような分布をとるため、その分布の中で最も誤り易いパスの分布の平均値(図18ではμ2)を与えていることに相当する。また、S1706で出力する尤度としては、図18における全体分布の平均値(μall)を使用しても良い。
【0041】
以上の回路構成、処理手順によれば、正規化しない尤度を用いる場合においても適切な尤度を出力させることができ、軟判定復号における訂正能力を向上させることが可能となる。
【実施例4】
【0042】
本実施例が実施例1と異なるのは、競合パス判定の動作である。実施例1では事前最尤パス判定を実施した後、最尤パス、競合パスを判定していたのに対し、本実施例では事前最尤パス判定しないことを特徴とする。
【0043】
図19に本実施例における軟出力復号部111の構成を示す。実施例1と相違するのは図8の最尤パス判定部806、競合パス判定部807であり、対応するのは図19の最尤パス判定部1901、競合パス判定部1902である。なお、図8の尤度候補メモリ803、事前最尤パス判定部805は必要ない。
【0044】
図20を用いてこのパス判定方法について時刻n周辺を例に説明する。図20のトレリス線図は図2の状態遷移図を展開したものである。まず、時刻nでのパスメトリックが最小のステートを基点ステートとする。次に最尤パス判定部1901において、時刻nでの基点ステートを開始点として、時刻nから時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより最尤パスを確定する。また競合パス判定部1902において、時刻nでの基点ステートを開始点として、時刻n−1への遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択、その後時刻n−1から時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより競合パスを確定する。
【0045】
もしくは、競合パスの判定に以下の方法を採用してもよい。
【0046】
図21を用いてこのパス判定方法について時刻n周辺を例に説明する。図21のトレリス線図は図2の状態遷移図を展開したものである。最尤パス判定部1901において、時刻nでの最小パスメトリックとなるステートを開始点として、時刻nから時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより最尤パスを確定する。また競合パス判定部1902において、時刻nでのパスメトリックが二番目に小さい次点パスメトリックとなるステートを開始点として、時刻nから時刻n−L2まで通常通りトレースバックすることにより競合パスを確定する。なお、この場合の尤度候補Δは図21に示すように最小パスメトリックと次点パスメトリックの差分とする。
【0047】
以上の回路構成、処理手順によれば、RLL変調されているデータ列に対しても有効な信頼度を算出することが可能となり、さらにメモリ量を削減することが可能である。
【0048】
また、本実施例は実施例1に対して説明したが、他の実施例についても同様に適用可能である。
【実施例5】
【0049】
以上の実施例では1次元について説明したが、本実施例では2次元の例について説明する。実施例1と異なるのは尤度候補Δの算出方法などである。
【0050】
図22、図23を用いて尤度候補Δの算出方法についてn番目ピクセル周辺を例に説明する。図22に式8に示すような2×2行列の2次元PR特性の状態遷移図を示す。a,b,c,dは任意の実数である。なお、使用する2次元PR特性はこれに限定するものではなく任意の行列を用いても同様に拡張できる。
【0051】
まずBM演算部801において、図22の基準値REF[00;00]〜REF[11;11]と軟出力復号部505入力である等化波形との差分の2乗であるブランチメトリックを計算する。その後、ACS演算部802において図22のステートS[0;0]〜S[1;1]毎のパスメトリックにブランチメトリックを加算し、図22のパスが合流している点で加算結果を比較するのだが、図のように4本のパスが合流していることから、この4本のうち加算結果が最も小さくなるパスを選択する。
【0052】
図23のトレリス線図は図22の状態遷移図を展開したものであり、n番目ピクセルのS[0;0]でのパスの合流を例に考える。ACS演算部802において、選択したパスとその他のパスの加算結果差分(図23のΔ1、Δ2、Δ3)を算出し、これらΔ1、Δ2、Δ3のうち最小となるものを最も誤り易いパスと判断し、尤度候補Δとして尤度候補メモリ803に格納する。図23ではΔ1が最小としている。
【0053】
また、競合パス判定部807では、n番目ピクセルでの基点ステートを開始点として、n−1番目ピクセルへの遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択するが、この異なるパスとは尤度候補Δを算出した時に使用したパスとする。図23ではΔ1であったパスを競合パスとしている。
【0054】
さらに、尤度更新部812では、最尤復号値メモリ808からk番目(1≦k≦L2)の最尤復号値bmを取得(S1203)、競合復号値メモリ809からk番目(1≦k≦L2)の競合復号値bcを取得(S1204)するが、式8の例では図22のように2ビット同時に復号されるため、最尤復号値bmと競合復号値bcは2ビットの信号となる。よって、最尤復号値bmと競合復号値bcを比較する(S1205)際には0ビット目と1ビット目の夫々のビットで比較を実施する。以降、尤度の更新は0ビット目と1ビット目の夫々で実施する。
【0055】
以上の回路構成、処理手順によれば、2次元PR特性を用いた場合にも有効な信頼度を算出することが可能となり、軟判定復号を用いることにより訂正能力を向上させることが可能となる。
【0056】
また、本実施例は実施例1に対して説明したが、他の実施例についても同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
101・・・ホスト、102・・・誤り訂正符号化部、103・・・変調部、104・・・LDD、105・・・ピックアップ、106・・・ディスク、107・・・スピンドルモータ、108・・・AFE、109・・・ADC、110・・・波形等化部、111・・・軟出力復号部、112・・・軟値復調部、113・・・誤り訂正部、801・・・BM演算部、802・・・ACS演算部、803・・・尤度候補メモリ、804・・・パスメモリ部、805・・・事前最尤パス判定部、806・・・最尤パス判定部、807・・・競合パス判定部、808・・・最尤復号値メモリ、809・・・競合復号値メモリ、810・・・信号間距離演算部、811・・・正規化尤度候補演算部、812・・・尤度更新部、813・・・尤度メモリ、814・・・LLR演算部、815・・・乗算部、1301・・・尤度更新部、1302・・・比較用尤度メモリ、1303・・・出力用尤度メモリ、1601・・・尤度更新部、1901・・・最尤パス判定部、1902・・・競合パス判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報再生装置において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力する最尤パス判定部と、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力する競合パス判定部と、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力する尤度演算部と、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力する信号間距離演算部と、
前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、
を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度を出力する正規化尤度演算部と、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記正規化尤度を比較し、前記正規化尤度が小さい場合に前記正規化尤度を尤度候補とする尤度更新部と、
前記尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、
を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とする尤度更新部と、
前記尤度候補を前記信号間距離で正規化した正規化尤度候補を出力する正規化尤度候補演算部と、
前記正規化尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、
を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項4】
情報再生装置において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力する最尤パス判定部と、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力する競合パス判定部と、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力する尤度演算部と、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力する信号間距離演算部と、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とする尤度更新部と、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、
を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報再生装置において、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離の最小値に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報再生装置において、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離の平均値に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の情報再生装置において、
前記競合パスとは、前記最尤パスのある時刻のパス合流点において強制的に分岐させたパスとすることを特徴とする情報再生装置。
【請求項8】
情報再生方法において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力し、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力し、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力し、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力し、
前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報再生方法において、
前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度を出力し、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記正規化尤度を比較し、前記正規化尤度が小さい場合に前記正規化尤度を尤度候補とし、
前記尤度候補に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項10】
請求項8に記載の情報再生方法において、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とし、
前記尤度候補を前記信号間距離で正規化した正規化尤度候補を出力し、
前記正規化尤度候補に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項11】
情報再生方法において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力し、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力し、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力し、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力し、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とし、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項12】
請求項11に記載の情報再生方法において、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離の最小値に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項13】
請求項11に記載の情報再生方法において、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離の平均値に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項14】
請求項8乃至13に記載の情報再生方法において、
前記競合パスとは、前記最尤パスのある時刻のパス合流点において強制的に分岐させたパスとすることを特徴とする情報再生方法。
【請求項1】
情報再生装置において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力する最尤パス判定部と、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力する競合パス判定部と、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力する尤度演算部と、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力する信号間距離演算部と、
前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、
を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度を出力する正規化尤度演算部と、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記正規化尤度を比較し、前記正規化尤度が小さい場合に前記正規化尤度を尤度候補とする尤度更新部と、
前記尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、
を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とする尤度更新部と、
前記尤度候補を前記信号間距離で正規化した正規化尤度候補を出力する正規化尤度候補演算部と、
前記正規化尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、
を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項4】
情報再生装置において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力する最尤パス判定部と、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力する競合パス判定部と、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力する尤度演算部と、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力する信号間距離演算部と、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とする尤度更新部と、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、
を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報再生装置において、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離の最小値に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報再生装置において、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離の平均値に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部を有することを特徴とする情報再生装置。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の情報再生装置において、
前記競合パスとは、前記最尤パスのある時刻のパス合流点において強制的に分岐させたパスとすることを特徴とする情報再生装置。
【請求項8】
情報再生方法において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力し、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力し、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力し、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力し、
前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報再生方法において、
前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度を出力し、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記正規化尤度を比較し、前記正規化尤度が小さい場合に前記正規化尤度を尤度候補とし、
前記尤度候補に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項10】
請求項8に記載の情報再生方法において、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とし、
前記尤度候補を前記信号間距離で正規化した正規化尤度候補を出力し、
前記正規化尤度候補に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項11】
情報再生方法において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力し、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力し、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力し、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力し、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なる時刻の尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とし、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項12】
請求項11に記載の情報再生方法において、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離の最小値に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項13】
請求項11に記載の情報再生方法において、
前記比較動作が実施されなかった場合は前記信号間距離の平均値に基づいて信頼度を出力し、前記比較動作が実施された場合は前記尤度候補に基づいて信頼度を出力することを特徴とする情報再生方法。
【請求項14】
請求項8乃至13に記載の情報再生方法において、
前記競合パスとは、前記最尤パスのある時刻のパス合流点において強制的に分岐させたパスとすることを特徴とする情報再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−226788(P2012−226788A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90630(P2011−90630)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
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