説明

情報再生装置及び情報再生方法

【課題】 大容量のEPGデータを利便性良くユーザに提供する。
【解決手段】 可搬型のストレージメディア(EPG-DVD)に、例えば、全国版の1ヶ月分のEPGデータEDを記録してユーザに配布する。また、情報記録再送値RPに事前にユーザの視聴地域等が記述されたユーザ属性情報ファイルFを記録しておくと共に、このユーザ属性情報ファイルFを用いてEPG-DVDに記録されているEPGデータEDからユーザの所望する番組表に対応するデータ部分を抽出EPGデータED2として抽出して、当該抽出EPGデータED2を用いてユーザの所望する番組表のみを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送波を用いて放送される放送番組の番組表を表示装置に表示させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送帯域の空き領域(例えば、Vertical Blanking Interval)を用いてBML(Broadcast Markup Language)形式の言語にて記述されたEPG(Electric Program Guide)データと呼ばれる番組表を表示するためのデータを放送するシステムが各種提案されている。このシステムにおいては、BML形式のデータを解読、表示するためのアプリケーション(以下、「BLMブラウザ」という。)を搭載したDVDレコーダ等の情報記録再生装置により、放送されているEPGデータを受信し、当該EPGデータに対応する番組表を表示するようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の放送波を用いた番組の提供方法においては、放送帯域の空き領域を用いてEPGデータが放送されるため、EPGデータのデータ量を大きくすることが困難となり、ユーザにとっての利便性の向上が図れなかった。例えば、現状、実現されている地上アナログ放送によるEPGデータの放送の場合、1週間分の番組表に対応したEPGデータが放送されているに過ぎず、例えば、1ヶ月分等の長期間分の番組表に対応したEPGデータの放送は実現されていない。また、従来のEPGデータを放送する方法では専用の放送設備が必要となるため、当該施設の設置されていない地域にEPGデータを提供することは不可能となってしまっていた。
【0004】
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、その課題の一例としては大容量のEPGデータを、放送設備を必要とすることなくユーザに提供することが可能な情報再生装置、情報再生方法及び情報記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため本願の一つの観点において請求項1に記載の情報再生装置は、複数の放送チャネルにおける番組表を表示するための電子番組情報が記録された可搬型の情報記録媒体から前記電子番組情報を読み出して表示装置に表示させる情報再生装置であって、前記情報記録媒体から前記電子番組情報を読み出す読出手段と、ユーザの属性を示すユーザ属性情報が記録されるユーザ属性情報記録手段と、前記情報記録媒体から読み出された前記電子番組情報の中から前記ユーザ属性情報に合致する前記番組表に対応した選別番組データを抽出する抽出手段と、前記抽出された選別番組データに基づいて前記表示装置に前記番組表を表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本願の他の観点において請求項12に記載の情報再生方法は、複数の放送チャネルにおける番組表を表示するための電子番組情報が記録された可搬型の情報記録媒体から前記電子番組情報を読み出して表示装置に表示させる情報再生装置における情報再生方法であって、前記情報記録媒体から前記電子番組情報を読み出す第1ステップと、ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得する第2ステップと、前記情報記録媒体から読み出された前記電子番組情報の中から前記ユーザ属性情報に合致する前記番組表に対応した選別番組データを抽出する第3ステップと、前記抽出された選別番組データに基づいて前記表示装置に前記番組表を表示させる第4ステップとを備えることを特徴とする。
【0007】
更に、本願の他の観点において請求項13に記載の情報記録媒体は、コンピュータに読み取り可能な可搬型の情報記録媒体であって、前記コンピュータにおいて複数の放送チャネルにおける番組表を表示するための電子番組情報が記録され、当該電子番組情報は複数のデータユニットに分割されると共に、各データユニットには、前記コンピュータにおいてユーザの属性を示すユーザ属性情報に合致する番組表に対応した選別番組データを抽出可能なように、当該データユニットに対応した前記番組の属性を示す番組属性情報が含まれていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
[1]第1実施形態
[1.1]第1実施形態の構成
(1)情報記録再生装置について
以下、本願の第1実施形態にかかる情報記録再生装置RPの構成を示すブロック図である図1を参照しつつ本願の第1実施形態について説明することとする。なお、以下に説明する実施の形態はDVDドライブ13に装着されたDVDに対するデータの記録及び再生や、ハードディスクドライブ(以下、「HDD」という。)14に搭載されたハードディスクに対するデータの記録及び再生を行う機能を有する情報記録再生装置RPに対して本願の情報再生装置を適用した場合の実施の形態である。また、以下の説明において、「放送番組」とは放送波を介して各放送局から提供されるコンテンツを示し、放送波により変調されたコンテンツの内容を示すアナログ信号を「TV信号」、この「TV信号」をデジタル形式に変換して得られるデータ及び放送波によって放送されるデジタルデータを「コンテンツデータ」と呼ぶこととする。
【0009】
ここで、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいて実現される情報再生方法の概要について簡単に説明する。まず、上述したように放送波を用いてEPGデータを放送する場合、放送帯域の問題から、例えば、1ヶ月分の番組表といったような大容量のEPGデータED(図2参照)を放送することは困難であり、また、放送を実現するための専用設備が必要となってしまう。かかる観点から本実施形態においては可搬型のストレージメディア(本実施形態においてはDVD)にEPGデータEDを記録して(以下、このDVDを「EPG-DVD」という。)、このメディアに記録されたEPGデータEDを用いて情報記録再生装置RPのユーザに放送番組の番組表を提示する方法を採用することとした。
【0010】
この方法によれば、専用の放送設備を設けることなく、例えば、放送番組に関する各種情報を提供するTV情報誌の付録としてEPG-DVDを配布することにより全国津々浦々に大容量のEPGデータEDを提供することも可能となる。なお、このEPG-DVDに記録されるEPGデータEDのデータ形式についてはHTML(Hypertext Markup Language)形式、BML形式等、任意であるが、本実施形態においてはBML形式にて作成されているものとして説明する。
【0011】
一方、このようにDVDに大容量のEPGデータEDを記録する方法を採用する場合、当該データに対応した番組表の全内容をユーザに提示することは、徒にユーザの混乱を招く要因となりかねない。すなわち、このように大容量のEPGデータEDにより示される番組表の全てをユーザに提示した場合、ユーザは当該番組表の中から自己の所望する箇所を取捨選択しなければならず、ユーザの利便性を確保することが困難となる可能性があるのである。
【0012】
例えば、EPG-DVDに日本全国の各視聴地域における番組表に対応したEPGデータEDを記録した場合、ユーザは全国版の番組表の中から自己の視聴地域に対応した番組表を選択しなくてはならなくなってしまう。また、放送サービスの中には有料のサービスが存在しており、この有料放送サービスにユーザが加入していない場合や、或いは、一部の有料放送サービスにのみユーザが加入している場合もある。特に、このような有料放送サービスは、近年、多チャンネル化の一途をたどっており、現在、100ch近くの視聴が可能な有料放送サービスも存在している。このような現状の下ではユーザが自己の加入している有料放送サービスに対応する番組表を選択することは困難を極めてしまう。更に、以上のようにユーザの視聴地域や有料放送サービスの種別に合致した番組表を表示できた場合であっても、ユーザの更なる利便性確保の観点からは当該番組表の中からユーザの嗜好に合致したものを抽出して表示できることが望まれる。
【0013】
従って、DVD内に大容量のEPGデータEDを納めつつユーザの利便性を確保するためには、如何にしてユーザの望む番組表のみをユーザに提示するのかと言うことが問題となってくる。本実施形態においては、かかる観点から、例えば、ユーザの視聴地域を示す情報(以下、「視聴地域情報」という。)やユーザの加入している有料放送サービス種別を示す情報(以下、「有料放送サービス種別情報」という。)、或いは、ユーザの好きなジャンル等の嗜好を示す情報等(以下、「嗜好情報」という。)を情報記録再生装置RPに登録しておき(以下、特に特定する必要のない場合、まとめて、「ユーザ属性情報」という)、これらの情報に基づいてEPG-DVDに記録されているEPGデータEDから所定のデータ部分を抽出して、当該抽出されたデータに基づいて番組表を表示することでユーザの欲する番組表のみを提示する方法を採用することとした。なお、以下の説明においては、EPG-DVDに記録されているEPGデータEDから所定のデータ部分を抽出する機能を「EPGカスタマイズ機能」と呼び、同機能によりEPGデータEDから抽出されたデータを「抽出EPGデータED2(図2参照)」と呼ぶ。
【0014】
以下、かかる機能を実現するための本実施形態にかかる情報記録再生装置RPの具体的な構成について説明することとする。
【0015】
まず、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、図1に示すようにTV受信部11と、信号処理部12と、DVDドライブ13と、HDD14と、復号処理部15と、ユーザ属性情報記録部16と、システム制御部17と、操作部18と、記録制御部19と、再生制御部20と、OSD(On screen Display)部21と、ROM/RAM部22と、これら各要素を相互に接続するバス23を有している。
【0016】
これらの要素中、TV受信部11は、地上アナログ放送等のアナログ放送及び地上デジタル放送、CS(Communication Satellite)放送、BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送等のデジタル放送のチューナであり、アンテナATを介して各放送局から送信された放送波を受信する。そして、TV受信部11は、例えば、受信対象となる放送波がアナログ方式によるものの場合、当該放送波をIF(中間周波数)信号に変換し、このIF信号をTV用の映像信号および音声信号(すなわち、TV信号)に復調して信号処理部12に供給する。これに対して受信対象となる放送波がデジタル方式によるものの場合、TV受信部11は、当該受信した放送波をIF(中間周波数)信号に変換し、このIF信号に含まれるコンテンツデータを抽出して信号処理部12に供給する。
【0017】
信号処理部12は、記録制御部19による制御の下、TV受信部11から供給される信号に対して所定の信号処理を施す。例えば、TV受信部11からアナログ放送に対応したTV信号が供給された場合、信号処理部12は、当該TV信号に対して所定の形式の信号変換またはA/D変換などの予め定められた処理を施して、所定形式のデジタルデータ(すなわち、コンテンツデータ)に変換する。また、この際、信号処理部12は、当該変換して得られたデジタルデータを、例えば、MPEG(Moving Picture Coding Experts Group)形式に変換すると共に、当該変換後のコンテンツデータに基づいてプログラムストリームを生成し、この生成されたプログラムストリームをDVDドライブ13、HDD14、或いは、復号処理部15に供給する。一方、TV受信部11からデジタル放送に対応したコンテンツデータが供給された場合、信号処理部12は、例えば、トランスポートストリームとして供給されるコンテンツデータを、プログラムストリームに変換した後、DVDドライブ13、HDD14、或いは、復号処理部15に供給する。
【0018】
DVDドライブ13は、DVDを着脱可能な構成を有するとともに、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)などの規格に準拠したDVD用ドライブインターフェースを有し、装着されたDVDに対するデータの記録及び再生を行う。HDD14は、ATAPIなどの規格に準拠したハードディスク用ドライブインターフェースを有し、ハードディスクに対するデータの記録及び再生を行う。
【0019】
復号処理部15は、例えば、信号処理部12から供給され、DVDおよびハードディスクから読み出されたプログラムストリーム形式のコンテンツデータを音声データと映像データに分離すると共に、これらの各データをデコードする。そして、復号処理部15は、このようにしてデコードしたコンテンツデータをNTSC形式の信号に変換し、当該変換された映像信号及び音声信号を映像信号出力端子T1および音声信号出力端子T2を介してモニタに出力する。
【0020】
なお、本実施形態において情報記録再生装置RPには、映像信号出力端子T1及び音声信号出力端子T2を介して、図示せぬモニタが外部装置として接続されており、復号処理部15から出力された映像信号及び音声信号は、このモニタによって拡声及び表示されることとなる。なおまた、このモニタにプログラムストリーム形式のデータを処理するデコーダ等が搭載されている場合には、信号処理部15においてデコード等を行うことなく、コンテンツデータをそのままモニタに出力するようにしても良い。
【0021】
ユーザ属性情報記録部16には、上述したEPGカスタマイズ機能を実現するため、例えば、視聴地域情報や有料放送サービス種別情報、或いは、嗜好情報といったユーザ属性情報が記述されたユーザ属性情報ファイルFが記録される。本実施形態においては、このユーザ属性情報ファイルFを用いてユーザの属性に合致した抽出EPGデータED2がEPG-DVDに記録されたEPGデータEDの中から抽出されることとなる。なお、ユーザ属性情報記録部16に記録するユーザ属性情報ファイルFのファイル数については任意であるが、本実施形態においては1つのユーザ属性情報ファイルFのみが記録されているものとし、複数のユーザ属性情報ファイルFをユーザ属性情報記録部16に記録する構成については後述するものとする。なおまた、ユーザ属性情報記録部16は、ハードウェア的にはHDD14に搭載されているハードディスク内に記録領域を確保することにより実現しても良く、ハードディスクとは別体の不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)を設けて実現するようにしても良い。
【0022】
システム制御部17は、主としてCPU(Central Processing Unit)により構成されると共に、キー入力ポート等の各種入出力ポートを含み、情報記録再生装置RPの全体的な機能を統括的に制御する。かかる制御に際して、システム制御部17は、ROM/RAM部22に記録されている制御情報やBMLブラウザ、更には、上記EPGカスタマイズ機能を実現するためのアプリケーション(以下、「カスタマイズアプリケーション」という)を利用すると共に、当該ROM/RAM部22をワークエリアとして利用する。
【0023】
例えば、このシステム制御部17は、ユーザが操作部18に行った入力操作に応じて、記録制御部19及び再生制御部20を制御し、DVD或いはハードディスクに記録されたデータの記録及び再生を行わせる。
【0024】
また、例えば、このシステム制御部17は、操作部18に対してユーザが行った入力操作に応じてユーザ属性情報ファイルFを生成し、当該生成したユーザ属性情報ファイルFをユーザ属性情報記録部16に記録させるようになっている。このようにしてユーザ属性情報ファイルFがユーザ属性情報記録部16に記録された状態においてEPG-DVDがDVDドライブ13に装着された場合、システム制御部17はEPG-DVDに記録されているEPGデータEDの中から抽出EPGデータED2を抽出し、当該抽出EPGデータED2をHDD14のハードディスクに転送して、ハードディスクに記録させる。そして、システム制御部17は、このハードディスクに記録された抽出EPGデータED2に基づいて表示処理を実行することにより、ユーザ属性情報に合致する番組表のみをモニタ上に表示させるようになっている。
【0025】
更に、このシステム制御部17は、ハードディスクに記録されている抽出EPGデータED2に基づく番組表の表示中においてユーザが行った入力操作に従い放送番組の録画予約を行うための処理を実行すると共に、当該予約された日時に記録制御部19を制御して、予約された放送chにおいて放送されている番組に対応したコンテンツデータをDVD或いはハードディスクに記録させる。
【0026】
操作部18は、選択ボタンおよび数字キー等の各種キーを有するリモートコントロール装置及び当該リモートコントロール装置から送信された信号を受光する受光部、または、各種キーを有する操作パネルにより構成され、ユーザの入力操作に対応した制御信号をバス23を介してシステム制御部17に出力する。
【0027】
記録制御部19は、システム制御部17による制御の下、DVD或いはハードディスクに対するコンテンツデータの記録を制御し、再生制御部20は、システム制御部17による制御の下、DVD或いはハードディスクに記録されたコンテンツデータの再生を制御する。
【0028】
OSD部21は、再生制御部20の制御の下、文字情報等の外部装置に出力される映像信号に対して重畳するための表示データを生成し、当該生成された文字情報などの表示データを復号処理部15に出力する。
【0029】
(2)EPG-DVDに記録されるデータのデータ構成例
次に、図2を参照しつつ、本実施形態にかかるEPG-DVDに記録されるデータのデータ構成例について説明する。なお、図2は、EPG-DVDに記録されるデータのデータ構成の一例を示す図である。
【0030】
同図に示すように、本実施形態においてEPG-DVDには、EPGデータEDと、複数のサンプル画像ファイルSF-i(i=1,2,・・・,n)が記録されている。これらのデータ中、EPGデータEDは、(a)番組表の内容や(b)番組録画のために必要な情報、(c)各番組のジャンル名、(d)主演俳優、等の情報をBML形式にて記述したデータであり、情報記録再生装置RPにおいて番組表を表示するために用いられる。
【0031】
また、このEPGデータEDは、複数のEPGデータユニットUD-j(j=1,2,・・・,m)に分割されており、各EPGデータユニットUD-jは、各々、異なる番組表に対応した内容を有するものとなっている。また、このEPGデータユニットUD-jは、EPGカスタマイズ機能によりユーザ属性情報に合致するEPGデータユニットUD-jを抽出する際の単位データとなっており、抽出EPGデータED2は、抽出されたEPGデータユニットUD-jを組み合わせることにより構成される。
【0032】
なお、EPGデータEDをEPGデータユニットUD-jに分割する方法は任意であり、例えば、EPGデータEDをタグにより分割するようにしても良く、各EPGデータユニットUD-j毎に別個のデータファイルとして構成するようにしても良い。また、各EPGデータユニットUD-jに対して振り分ける番組表についても任意であり、例えば、地上波アナログ放送のように視聴地域によって放送番組の番組表が異なる場合、各日付における各視聴地域に対応する番組表毎にEPGデータユニットUD-jを設けるようにしても良い。また、CS(Communication Satellite)放送のような有料放送サービスにおいて、サービス内容の違いにより受信可能なchが限定される場合、各日付における各サービス種別に対応した番組表毎にEPGデータユニットUD-jを設けるようにしても良い。但し、本実施形態においては説明の具体化のため、各日付における各放送局毎にEPGデータユニットUD-jを設けているものとして説明を行う。この結果、例えば、100ch、30日分の番組表を想定した場合、3000個のEPGデータユニットUD-jが存在することとなる。
【0033】
これに対して、サンプル画像ファイルSF-iは、例えば、番組予告や番組の要約、或いは、番組出演者のインタビュー等の映像及び音声に対応したデータファイルであり、各データファイルSF-iは、EPGデータED上に記述されたタグにより指定されている。このように、EPGデータEDとサンプル画像ファイルSF-iとの間にリンクが張られている結果、EPGデータEDに基づいて表示された番組表に従ってユーザが操作部18に所定の入力操作を行うことにより、当該操作に対応するサンプル画像ファイルSF-iが読み出され、番組予告等の各種映像及び音声が再生されることとなる。
【0034】
[1.2]第1実施形態の動作
次に、図3〜図6を参照しつつ本実施形態にかかる情報記録再生装置RPの動作について説明することとする。
【0035】
(1)ユーザ属性情報登録時の動作
まず、情報記録再生装置RPに対してユーザ属性情報を登録する際の動作について図3を参照しつつ説明する。ユーザ属性情報を登録しようとする場合、ユーザは、まず、操作部18に対して所定の入力操作を行うことが必要となる。このようにして、ユーザによって所定の入力操作が行われると、システム制御部17は、当該入力操作に基づいて上述したカスタマイズアプリケーションを実行し、メニュー画面に対応した画像データを生成して復号処理部15に供給する。この結果、当該画像データが、例えば、NTSC形式のデータに変換されてモニタに供給され、モニタには、例えば、図3に示すようなメニュー画面が表示されることとなる。
【0036】
かかるメニュー画面が表示されている状態においてユーザが、例えば、
(a)ユーザ自身の視聴地域(すなわち、視聴地域情報)、
(b)ユーザの加入している有料放送サービス(すなわち、有料放送サービス種別情報)、
(c)ユーザの好きな番組のジャンル(例えば、お笑い番組等)、俳優等のユーザの嗜好を示す情報(すなわち、嗜好情報)、
を入力し、操作部18に決定を行う旨の入力操作を行う。すると、システム制御部17は、この入力されたユーザ属性情報に基づいてユーザ属性情報ファイルFを生成し、当該生成したユーザ属性情報ファイルFをユーザ属性情報記録部16に記録させる。
【0037】
このようにして、ユーザ属性情報記録部16にユーザ属性情報ファイルFが格納された状態になると、情報記録再生装置RPは、EPGカスタマイズ機能を利用可能な状態に移行する。
【0038】
(2)抽出EPGデータED2を抽出する際の動作
次に、EPG-DVDに記録されたEPGデータEDの中から抽出EPGデータED2を抽出し、当該抽出EPGデータED2をハードディスクに記録するまでの処理について説明する。
【0039】
まず、抽出EPGデータED2の抽出を行おうとする場合、ユーザはDVDドライブ13に対してEPG-DVDを装着させることが必要となる。そして、ユーザがEPG-DVDをDVDドライブ13に装着させると、システム制御部17は、カスタマイズアプリケーションに基づいて図4に示す処理を実行する。なお、図4は、EPGカスタマイズ機能を実現する際に、システム制御部17が実行する処理を示すフローチャートである。
【0040】
同図に示すように、この処理においてシステム制御部17は、DVDドライブ13に装着されたDVDがEPG-DVDであるか否かを判定する状態となり(ステップSa1)、装着されたDVDがEPG-DVDではない場合には、この判定において「no」と判定し、図4に示す処理を終了させ、通常の再生処理或いは記録処理に移行する。
【0041】
これに対して、ステップSa1において「yes」と判定した場合、システム制御部17は、ユーザ属性情報記録部16に記録されているユーザ属性情報ファイルFを読み出し(ステップSa2)、当該ユーザ属性情報ファイルFに記述されているユーザ属性情報に合致するEPGデータユニットUD-jと必要なサンプル画像ファイルSF-iを抽出する(ステップSa3)。なお、この際の具体的な抽出方法については任意であり、例えば、次のような方法を採用することが可能である。
【0042】
方法1
ユーザ属性情報ファイルFに記述されている視聴地域情報や有料放送サービス種別情報に対応する放送局を特定するためのテーブルを設け、このテーブルに基づいて放送局を特定して、当該放送局に対応するデータユニットUD-jと、サンプル画像ファイルSF-iを抽出する。
【0043】
方法2
各EPGデータユニットUD-jに視聴地域及びサービス種別等の検索用の情報を記述するようにして、ユーザ属性情報ファイルFに記述されている視聴地域情報や有料放送サービス種別情報に基づいてEPG-DVDに記録されているEPGデータEDを検索し、(a)当該視聴地域に対応する番組表に対応するEPGデータユニットUD-jと、(b)有料放送サービス種別に対応する放送番組表に対応するEPGデータユニットUD-jを抽出すると共に、(c)各EPGデータユニットUD-jに対応するサンプル画像ファイルSF-iを抽出する。
【0044】
かかるステップSa3においてEPGデータユニットUD-j及びサンプル画像ファイルSF-iの抽出が完了すると、システム制御部17は、この抽出したEPGデータユニットUD-j等のデータをHDD14に転送し、ハードディスクに記録させ(ステップSa4)、処理を終了させる。この結果、情報記録再生装置RPは、抽出EPGデータED2に基づく番組表の表示及び録画予約等が可能な状態に移行する。
【0045】
(3)抽出EPGデータED2を用いて録画予約を行う際の処理
次に、ハードディスクに記録されている抽出EPGデータED2を用いて番組表を表示し、録画予約を行う際の処理について、図5及び図6を参照しつつ説明する。まず、ハードディスクに記録された抽出EPGデータED2に基づいて番組表を表示しようとする場合、ユーザは操作部18に対して所定の入力操作を行うことが必要となる。かかる入力操作が行われると、システム制御部17は、この入力操作をトリガとして図5に示す処理を実行する。
【0046】
この処理において、システム制御部17は、まず、例えば、「登録された嗜好情報に合致する番組表にカスタマイズした後に表示を行いますか。」等の文字列と共に、「はい」、「いいえ」なる2つのボタン(アイコン)を表示するための画像データを生成して、復号処理部15に出力する(ステップSb1)。そして、ユーザが「はい」、「いいえ」の何れかのボタンを選択する旨の入力操作を操作部18に対して行うと、システム制御部17は、当該選択されたボタンが「はい」ボタンであったか否かを判定する(ステップSb2)。この判定において「yes」と判定した場合、システム制御部17は、ハードディスクに記録されている抽出EPGデータED2の中から嗜好情報に対応するデータを抽出し、当該抽出したデータを並び替えて(ステップSb3)、番組表の表示を行う(ステップSb4)。この際、システム制御部17は、カスタマイズアプリケーション上においてBMLブラウザを実行し、BMLブラウザを利用して表示処理を行う。なお、この際におけるデータの抽出方法については任意であり、例えば、EPGデータユニットUD-jに記述されたジャンル名や主演俳優等の情報に基づいてデータの抽出を行うようにしても良い。
【0047】
これに対して、ユーザが操作部18に対して「いいえ」ボタンを選択していた場合、システム制御部17はステップSb2において「no」と判定し、嗜好情報に基づく番組表のカスタマイズを行うことなく、ハードディスクに記録された抽出EPGデータED2に基づいて表示処理を行う(ステップSb4)。
【0048】
このようにして実行される表示処理(ステップSb4)によりモニタ上に表示される画像の一例を図6に示す。同図に示すように、この際、モニタ上には、例えば、番組表に対応した年月日や当該年月日における番組表、表示対象番組表の年月日を変更するためのボタン、番組表をスクロール表示させるためのスクロールバー等の情報が表示される。なお、この際、各番組のジャンルに合わせて番組表中の項目部分を色分けしたり或いは各項目部分に当該番組のジャンルを示すマークを表示するようにしても良く、表示形態に合わせてEPGデータユニットUD-jに記述する情報の内容を変更するようにしても良い。
【0049】
このようにして番組表の表示がなされると、システム制御部17は、ユーザが番組表中の番組名を選択したか否かを判定する状態となり(ステップSb5)、ユーザが操作部18に自身の所望する番組名を選択する旨の入力操作を行うと、例えば、「サンプル画像を再生」なるボタンと、「録画予約を行う」なるボタン(アイコン)を表示するための画像データを生成して復号処理部15に供給する(ステップSb6)。この時点でシステム制御部17は、ユーザによる入力操作を待機する状態となり(ステップSb7「no」)、ユーザが何れかのボタンを選択する旨の入力操作を行った時点でステップSb7における判定が「yes」に変化する。
【0050】
次いで、システム制御部17は、ユーザによって選択されたボタンが「サンプル画像を再生」なるボタンであるか否かを判定する状態となり(ステップSb8)、この判定において「no」と判定すると、ハードディスクに記録されているEPGデータユニットUD-jに基づいて録画予約のための処理を行って(ステップSb15)、処理を終了する。この際、システム制御部17は、当該指定された番組の放送ch及び放送日時をEPGデータユニットUD-jから抽出して、当該日時及び放送チャネルをROM/RAM部22に記録することにより放送番組の録画予約を行う。また、この際、システム制御部17は、録画先をDVDとするかハードディスクとするかをユーザに選択させるための画像に対応したデータを映像信号出力端子T1に接続されたモニタに表示させ、当該画像に従って、ユーザが行った入力操作に基づいて録画先を決定する。なお、この時点で、EPG-DVDがDVDドライブ13に装着されている場合、記録用のDVDへの差替をユーザに喚起するような画像を表示するようにしても良い。
【0051】
これに対して、ユーザが「サンプル画像を再生」なるボタンを選択していた場合、システム制御部17は、HDD14に制御信号を出力し、当該選択された放送番組に対応するサンプル画像ファイルSF-iを読み出させた後(ステップSb9)、このサンプル画像ファイルSF-iに基づいて表示処理を行う(ステップSb10)。この結果、番組予告等に対応した映像信号及び音声信号が復号処理部15からモニタに供給され、表示等が行われることとなる。
【0052】
その後、サンプル画像ファイルSF-iに基づくサンプル画像の表示が完了すると、システム制御部17は、例えば、「この番組の録画予約を行いますか」等の文字列と共に、「yes」、「no」なるボタン(アイコン)を表示するための画像データを生成して復号処理部15に供給した後(ステップSb11)、ユーザによる選択入力を待機する状態となる(ステップSb12「no」)。この状態において、ユーザが操作部18に対して入力操作を行うと、システム制御部17は、ステップSb12において「yes」と判定し、当該入力操作が「yes」ボタンを選択する旨の操作であったか否かを判定する状態となる(ステップSb13)。
【0053】
そして、この判定において「no」と判定した場合、システム制御部17は、再度、抽出EPGデータED2に基づいて番組表の再表示処理を実行し(ステップSb14)、処理をステップSb5にリターンさせる。これに対してステップSb13において「yes」と判定した場合、システム制御部17は、ハードディスクに記録されているEPGデータユニットUD-jに基づいて録画予約のための処理を行って(ステップSb15)、処理を終了する。
【0054】
かかる一連の処理を通じて録画予約が行われると、システム制御部17は、ROM/RAM部22に記録されている日時に、記録されているchにおいて放送される番組の録画を行うための処理を実行する。具体的には、当該日時になると、システム制御部17は、記録制御部19に対して録画chを示す制御信号を出力する。記録制御部19は、このようにして供給される制御信号に基づいてTV受信部11の受信帯域を予約されているchに同調するように変更すると共に、DVDドライブ13或いはHDD14におけるデータ記録を開始させる。この結果、TV受信部11によって受信された放送番組に対応するコンテンツデータがTV受信部11から直接、或いは、信号処理部12を介してDVDドライブ13或いはHDD14に供給され、順次、DVD或いはハードディスクに記録されていくこととなる。
【0055】
以上の処理が行われる結果、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいては、EPG-DVDから抽出された抽出EPGデータED2に基づく録画予約が行われ、当該日時において番組に対応したコンテンツデータの記録が行われることとなる。
【0056】
このようにして、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、複数の放送chにおける番組表を表示するためのEPGデータEDの記録されたEPG-DVDから、EPGデータEDを読み出して表示装置に表示させる情報記録再生装置RPであって、EPG-DVDからEPGデータEDを読み出すDVDドライブ13と、ユーザの属性を示すユーザ属性情報を要素とするユーザ属性情報ファイルFが記録されるユーザ属性情報記録部16と、EPG-DVDに記録されたEPGデータEDの中からユーザ属性情報に合致する番組表に対応したEPGデータユニットUD-jを抽出EPGデータED2として抽出し、当該抽出された抽出EPGデータED2に基づいて表示装置(例えばモニタ)に番組表を表示させるシステム制御部17とを備える構成を採用している。この構成により、EPG-DVDに記録されたEPGデータEDの中からユーザの属性に合致する番組表に対応したEPGデータユニットUD-jのみが抽出され、当該EPGデータユニットUD-jを組み合わせた抽出EPGデータED2に基づいて番組表が表示されることとなる。
【0057】
このため、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPによれば、放送設備を設けることなくEPG-DVDに大容量のEPGデータEDを記録してユーザに提供することが可能となると共に、EPG-DVD内に記録された大容量のEPGデータEDの中からユーザの所望する番組表に対応するEPGデータユニットUD-jのみを抽出して表示することが可能となり、もって、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0058】
また、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、システム制御部17によって抽出された抽出EPGデータED2をHDD14に搭載されたハードディスクに記録する構成を採用しているため、番組表の再表示等の処理を高速化し、ユーザの利便性を更に向上させることが可能となる。
【0059】
なお、本実施形態においては、EPGデータEDをDVDに記録した場合について説明したが、EPGデータEDを記録するストレージメディアは、これに限らず、例えば、ブルーレイディスクやCD(Compact Disk)等、大容量のデータを記録することができる可搬型メディアであれば何を用いても構わない。この場合、情報記録再生装置RPに、これらのメディアに対するデータの記録及び再生を行うためのドライブを搭載するようにすれば良い。
【0060】
また、本実施形態においては、DVDドライブ13及びHDD14の双方を搭載した情報記録再生装置RPを例に説明したが、HDD14を搭載しない情報記録再生装置RPについても、上記実施形態と同様の処理を実行することが可能である。但し、この場合、ハードディスクに抽出EPGデータED2を記録することができないため、抽出された抽出EPGデータED2に基づいて、そのまま、表示処理を実行することが必要となる。また、この場合、EPG-DVDが装着されたままの状態では、コンテンツデータを記録用のDVDに記録することができなくなってしまうため、録画予約を行った後にEPG-DVDを記録用のDVDに入れ替えることが必須となる。
【0061】
また更に、本実施形態においては、EPGデータEDをBML形式のデータとして構成した場合について説明したが、EPGデータEDは、これに限らず、他の形式のデータとして構成するようにしても良い。
【0062】
更に、上記実施形態においては、放送番組に対応したコンテンツデータの記録時にデータ記録用のDVDに入れ替える構成を採用していた。しかし、EPG-DVDをハイブリッドDVD、すなわち、ROM領域とRAM領域の双方を備えるDVDとして作成し、このROM領域にEPGデータEDを記録する構成を採用すれば、EPG-DVDのRAM領域にコンテンツデータを記録するようにすることも可能である。
【0063】
更にまた、このようにEPG-DVDとしてハイブリッドDVDを用いた場合、EPG-DVD内に抽出EPGデータED2を記録するようにし、当該抽出EPGデータED2を用いて番組表を表示することも可能である。
【0064】
また、上記実施形態においては、上記図5ステップSb1においてユーザに嗜好情報に基づくカスタマイズを行うか否かを選択させるための画像を表示し、当該画像に従ってユーザが行った入力操作に応じて嗜好情報に基づくカスタマイズを行うか否かを決定する構成が採用されていた。しかし、かかる処理を実行することなく、ユーザ属性情報に基づいて、表示する番組表を強制的にカスタマイズする構成としても良い。
【0065】
[1.3]第1実施形態の変形例
(1)変形例1-1
上記第1実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいては、EPG-DVDから読み出されたEPGデータEDに基づいて録画予約を行い、当該日時に放送番組の録画を行う構成となっていた。ここで、録画対象となる放送番組には、一回のみ放送される特別放送番組だけではなく、例えば、毎週決まった曜日の決まった時刻に放送されるシリーズもののドラマのような定期放送番組が存在する。かかる現状の下、ユーザの中には同一シリーズの定期放送番組を毎週欠かさず録画するようなユーザもおり、このようなユーザの利便性を確保する観点からは、例えば、HDD14のハードディスクに記録に記録されているコンテンツデータをシリーズ毎にDVDに書き換え可能とすることが望まれる。そこで、本変形例においては、一つのシリーズに対応する定期放送番組のコンテンツデータが所定タイトル数分だけハードディスクに記録された時点で当該コンテンツデータをまとめてDVDに書き換える機能を持たせることとした。なお、ここにいうタイトルとは所定の放送番組枠において放送される一回分の放送番組を意味している。
【0066】
かかる機能を実現するための具体的な方法については任意であるが、例えば、次のような方法を採用することにより、実現することが可能である。まず、各定期放送番組をシリーズ毎に特定するための識別情報を予め規定し、この識別情報をEPGデータED内に記述するようにする。そして、ハードディスクに対するコンテンツデータの記録時に当該コンテンツデータと、この識別情報を対応付けて記録し、同一の識別情報と対応付けて記録されているコンテンツデータが所定のタイトル数に達した時点で、自動的に当該ハードディスクに記録されているコンテンツデータをDVDに書き換える構成を採用することとした。
【0067】
なお、実際にハードディスクに記録されているデータをDVDに書き換える際の処理については任意であり、例えば、ユーザによる電源投入時に、システム制御部17がハードディスク内に記録されている識別情報を検索し、同一シリーズの放送番組に対応したコンテンツデータが所定タイトル数分以上が記録されている場合に、例えば、「ハードディスクに記録されている同一シリーズの番組が所定タイトルを越えました。DVDに焼きますか。」等の文字列をモニタに表示させるようにし、この表示に従って、ユーザが行った入力操作に応じてデータの書き換えを行うようにしても良い。
【0068】
また、DVDに対してコンテンツデータを書き換える際の方法についても任意であり、例えば、EPGデータED内に番組名や番組を示すロゴ、更には、メニュー画面を記述するようにし、この番組名等の情報をハードディスクに記録されているEPGデータユニットUD-jから抽出して、コンテンツデータと対応付けてDVDに記録するようにしても良い。
【0069】
このようにして、本変形例によれば、同一のシリーズに属する複数タイトルのコンテンツデータを1つのDVDにまとめて書き換えることが可能となるため、ユーザの利便性を更に向上させることが可能となる。
【0070】
(2)変形例1-2
上記第1実施形態においては、ユーザ属性情報ファイルFを1ファイル分だけ、ユーザ属性情報記録部16に記録した構成例について説明した。しかし、例えば、複数人の家族において情報記録再生装置RPを用いる場合のように、ユーザが複数存在するような場合も想定される。このような場合、各ユーザ毎にユーザ属性情報ファイルFを生成し、ユーザ属性情報記録部16に記録しておくことにより、各ユーザ毎に番組表をカスタマイズして表示するようにすることも可能である。この場合、EPG-DVDをDVDドライブ13に装着した際に、利用ユーザを指定させるようにし、当該ユーザに対応するユーザ属性情報ファイルFを用いて番組表をカスタマイズして表示するようにすれば良い。
【0071】
このように本変形例によれば、情報記録再生装置RPを利用するユーザが複数存在する場合であっても、各ユーザ毎に最適な番組表を提示することが可能となる。
【0072】
(3)変形例1-3
上記第1実施形態において視聴地域情報は、ユーザがメニュー画面(図3)上において入力する構成を採用していた。しかし、視聴地域情報については、自動的に取得するようにすることも可能である。この場合、例えば、受信可能chを自動的に検出すると共に、当該検出されたchの組合せに対応する視聴地域を特定するためのテーブルを事前に用意し、当該検出されたchに対応する視聴地域を特定するようにすれば良い。
【0073】
また、視聴地域情報は、視聴地域を選択する方法ではなく、例えば、郵便番号や電話番号を入力させて、視聴地域を特定する方法を採用しても良い。また更に、初期設定として郵便番号や電話番号を入力させ、これにより受信chを特定する機能を有する、装置の場合、この初期設定として入力された情報を視聴地域情報として流用するようにしても良い。
【0074】
更に、嗜好情報についても、ユーザに入力させることなく、過去における録画履歴に基づいてユーザの好きな番組ジャンルや主演俳優等を特定するようにすることも可能である。この場合、コンテンツデータの記録時に記録対象となるコンテンツデータに対応する放送番組のジャンル等の情報をEPGデータユニットUD-jから抽出して、当該コンテンツデータと対応付けて記録するようにし、当該ジャンル等の情報に基づいて録画履歴を管理するようにすれば良い。
【0075】
このようにして、本変形例によれば、ユーザに視聴地域情報や嗜好情報を入力させることなく、ユーザの視聴地域や嗜好を特定することが可能となるので、ユーザの利便性を更に向上させることが可能となる。
【0076】
[2.1]第2実施形態
図7に本実施形態にかかる情報記録再生装置RP2の構成を示す。なお、同図において上述した図1と同様の要素については同様の符号を付してある。
【0077】
ここで、上記第1実施形態にかかる情報記録再生装置RPには、HDD14のハードディスクに記録された抽出EPGデータED2を更新する機能は設けられていなかった。しかし、実際に一ヶ月分等の番組表に対応したEPGデータEDをEPG-DVDに記録する構成を採用する場合、EPG-DVDの発行当初には一ヶ月後の番組表が確定しておらず、時間帯によっては未定の状態にある場合もある。このような場合、EPGデータEDには当該予定に関する情報が記述されないこととなるため、ハードディスクに抽出EPGデータED2を記録した後に当該抽出EPGデータED2を更新することができれば、ユーザの利便性を更に向上させることが可能となる。そこで、本実施形態においては、上記EPGカスタマイズ機能と共に、ハードディスクに既に記録されている抽出EPGデータED2を更新する方法を採用することとした。
【0078】
かかる機能を実現するため、本実施形態にかかる情報記録再生装置RP2には、図示せぬネットワークを介したデータの授受を行うための通信部24が設けられており、システム制御部17は、この通信部24を用いてネットワーク上のサーバ(図示は省略)から必要なEPGデータユニットUD-jをダウンロードするようになっている。そして、システム制御部17は、このダウンロードしたEPGデータユニットUD-jを用いてハードディスクに記録されている抽出EPGデータED2を更新するのである。
【0079】
なお、EPGデータユニットUD-jのダウンロードタイミングは任意であり、例えば、更新すべき番組表の日時等をユーザに入力させ、当該入力がなされた場合にEPGデータユニットUD-jのダウンロードを実行するようにしても良い。また、情報記録再生装置RP2の電源投入時に自動的にネットワーク上のサーバにアクセスして、更新が必要なEPGデータユニットUD-jを検索し、必要に応じてダウンロードを行うようにしても良い。
【0080】
このようにして、本実施形態によれば、ハードディスクに記録された抽出EPGデータED2を更新することが可能となり、もって、ユーザの利便性の向上を図ることが可能となる。
【0081】
[2.2]第2実施形態の変形例
上記実施形態においては、更新用のEPGデータユニットUD-jをネットワーク上のサーバからダウンロードする構成を採用していた。しかし、新たなEPGデータの記録されたEPG-DVDを用いて、抽出EPGデータED2を更新するようにするようにしても良い。
【0082】
上述のようにEPG-DVDは、例えば、月刊雑誌の付録媒体として配布されるようになっており、一月毎に新たなEPGデータの記録されたEPG-DVDが配布されることとなる。このため、新たなEPG-DVDを用いて抽出EPGデータED2を更新することができれば、常に最新のEPGデータに基づいて番組表を表示することが可能となる。
【0083】
この方法を採用する場合に、如何にしてデータの更新を行うかについては任意であり、例えば、新たなEPG-DVDに記録されているデータをそのまま上書きするようにしても良いし、抽出EPGデータED2において番組が未定となっている部分についてのみデータの更新を行うようにしても良い。
【0084】
また、他の方法としては放送波により、更新用のEPGデータユニットUD-jを放送するようにし、この放送波により放送されているEPGデータユニットUD-jを用いて抽出EPGデータを更新するようにしても良い。
【0085】
なお、例えば、EPG-DVDとしてハイブリッドDVDを用い、当該EPG-DVD内に抽出EPGデータED2を記録する態様においては、当該EPG-DVD内に記録されている抽出EPGデータED2を更新用のEPG-DVDにより更新するようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】第1実施形態における情報記録再生装置RPの構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態におけるEPG-DVDに記録されたデータのデータ構成の一例と、抽出EPGデータED2の関係を示す図である。
【図3】同実施形態においてユーザ属性情報登録時に表示される画像の一例を示す図である。
【図4】同実施形態においてEPG-DVDからユーザ属性情報に合致するEPGデータを抽出する際に、システム制御部17が実行する処理を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態において番組表表示時にシステム制御部17が実行する処理を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態において表示される番組表の一例を示す図である。
【図7】第2実施形態における情報記録再生装置RP2の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0087】
RP、RP2・・・情報記録再生装置
ED・・・EPGデータ
ED2・・・抽出EPGデータ
UD-j・・・EPGデータユニット
SF-i・・・サンプル画像ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の放送チャネルにおける番組表を表示するための電子番組情報が記録された可搬型の情報記録媒体から前記電子番組情報を読み出して表示装置に表示させる情報再生装置であって、
前記情報記録媒体から前記電子番組情報を読み出す読出手段と、
ユーザの属性を示すユーザ属性情報が記録されるユーザ属性情報記録手段と、
前記情報記録媒体から読み出された前記電子番組情報の中から前記ユーザ属性情報に合致する前記番組表に対応した選別番組データを抽出する抽出手段と、
前記抽出された選別番組データに基づいて前記表示装置に前記番組表を表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
前記選別番組データを記録する選別番組データ記録手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記選別番組データ記録手段に既に記録されている前記電子番組情報と内容の異なる電子番組情報が記録された情報記録媒体又は外部機器の少なくとも一方から前記電子番組情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された電子番組情報に基づいて、前記選別番組データ記録手段に記録されている選別番組データを変更する変更手段と
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の情報再生装置。
【請求項4】
ユーザの入力操作を受け付ける入力手段と、
前記表示装置に表示された番組表に従って、ユーザが行った入力操作に応じて、前記選別番組データから録画対象となる放送番組の放送チャネルと放送日時を特定する特定手段と、
前記特定された放送チャネル及び放送日時に放送される放送番組に対応したコンテンツデータの記録を予約する録画予約手段と、
前記予約された日時に、予約された放送チャネルにて放送される放送番組に対応したコンテンツデータを記録用情報記録媒体に記録させる記録制御手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記記録用情報記録媒体に記録されたコンテンツデータを当該他の記録用情報記録媒体に書き換える書き換え手段を更に有し、
前記記録制御手段は、記録対象となるコンテンツデータに対応する放送番組の種別を示す放送番組種別情報を当該コンテンツデータと対応付けて前記記録用情報記録媒体に記録させ、
前記書き換え手段は、同一の放送番組種別情報と対応付けて前記記録用情報記録媒体に記録された前記コンテンツデータが、予め定められた数量に至った場合に当該放送番組種別情報と対応付けて記録されたコンテンツデータを前記他の記録用情報記録媒体に書き換えることを特徴とする請求項4に記載の情報再生装置。
【請求項6】
前記ユーザ属性情報には、少なくともユーザの視聴地域を示す視聴地域情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項7】
前記視聴地域情報を放送波に基づいて取得する取得手段と、
前記取得された視聴地域情報を少なくとも含む前記ユーザ属性情報を生成する生成手段と、を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の情報再生装置。
【請求項8】
前記ユーザ属性情報には、少なくともユーザの加入している有料放送サービスを示すサービス種別情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項9】
前記ユーザ属性情報には、少なくともユーザの嗜好を示す嗜好情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項10】
前記放送番組の録画履歴に基づいて前記嗜好情報を取得する取得手段と、
前記取得された嗜好情報を少なくとも含む前記ユーザ属性情報を生成する生成手段と、を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の情報再生装置。
【請求項11】
前記ユーザ属性情報記録手段には、複数のユーザに対応したユーザ属性情報が記録され、
前記抽出手段は、ユーザによって指定された前記ユーザ属性情報に合致する前記番組表に対応した選別番組データを抽出することを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項12】
複数の放送チャネルにおける番組表を表示するための電子番組情報が記録された可搬型の情報記録媒体から前記電子番組情報を読み出して表示装置に表示させる情報再生装置における情報再生方法であって、
前記情報記録媒体から前記電子番組情報を読み出す第1ステップと、
ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得する第2ステップと、
前記情報記録媒体から読み出された前記電子番組情報の中から前記ユーザ属性情報に合致する前記番組表に対応した選別番組データを抽出する第3ステップと、
前記抽出された選別番組データに基づいて前記表示装置に前記番組表を表示させる第4ステップと
を備えることを特徴とする情報再生方法。
【請求項13】
コンピュータに読み取り可能な可搬型の情報記録媒体であって、
前記コンピュータにおいて複数の放送チャネルにおける番組表を表示するための電子番組情報が記録され、
当該電子番組情報は複数のデータユニットに分割されると共に、
各データユニットには、前記コンピュータにおいてユーザの属性を示すユーザ属性情報に合致する番組表に対応した選別番組データを抽出可能なように、当該データユニットに対応した前記番組の属性を示す番組属性情報が含まれている
ことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な情報記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−180135(P2006−180135A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370142(P2004−370142)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】