説明

情報処理システム、アカウント発行方法およびアカウント発行プログラム

【課題】管理者不在時でも、オペレータが情報処理装置にアクセスすること。
【解決手段】情報処理装置30は、ネットワーク40を介して利用者端末10a(10b,10c)からアカウントの発行要求を受信した場合に、利用者端末10aに対するアカウントの発行要求を、各管理者の携帯する端末装置1a〜1cに通知する。情報処理装置30は、管理者が管理者端末にログインしているか否かを示すログイン情報を全ての管理者端末20a〜20cから受信し、全ての管理者が管理者端末にログインしていない場合に、該当する利用者端末にアカウントを発行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、業務に関する情報や顧客からのクレーム等に関する各種の情報を管理する情報処理装置が利用されている。管理者権限を有しないオペレータは、かかる情報処理装置の保守・修理等の業務を行うべく、情報処理装置を操作する場合、管理者権限を有する管理者からアカウントを発行してもらう。そして、オペレータは、発行されたアカウントを利用して情報処理装置にアクセスし、各種の業務を実行する。ここでいうアカウントは、個人を識別するID(Identification)や、パスワード等を含む。
【0003】
なお、管理者不在の場合に、オペレータが情報処理装置を操作できないという事態を回避するため、規定数の管理者から承認を得たオペレータに管理者の操作権限を予め付与するという技術が知られている。また、期限付きで管理者の操作権限の一部をオペレータに委譲する技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−109172号公報
【特許文献2】特開2008−102614号公報
【特許文献3】特開2005−130338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、管理者不在時に、規定数の管理者から承認を得られていない場合には、オペレータは、情報処理装置を操作することが出来ず、業務に遅れが生じてしまうという問題があった。また、管理者から委譲された操作権限に含まれない処理を緊急に実行しなければならない場合に、かかる処理に対応することができないという問題があった。
【0006】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、管理者不在時でも、オペレータが情報処理装置を操作することができる情報処理システム、アカウント発行方法およびアカウント発行プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の開示する情報処理システムは、管理者権限を有する利用者アカウントである管理者アカウントと連絡先とを対応付けて記憶する管理者連絡先記憶部と、管理者権限を有さない任意の利用者アカウントからの管理者アカウントの発行要求を、前記管理者連絡先記憶部に記憶された全ての管理者アカウントの連絡先に通知する通知部と、ログインアカウント記憶部に記憶されたログイン中のアカウントに関する情報の中に、前記アカウントの発行要求の通知対象の管理者アカウントに関する情報がない場合に、前記管理者アカウントの発行要求を行ったアカウントに管理者アカウントを発行する発行部と、を有することを要件とする。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示する情報処理システムによれば、管理者不在時でも、オペレータが情報処理装置を操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本実施例1にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、本実施例2にかかる情報処理システムの構成を示す図である。
【図3】図3は、本実施例2にかかる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、管理者テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図5】図5は、在席状態管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図6】図6は、アカウント管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】図7は、在席状態管理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、アカウント要求処理部の処理手順を示すフローチャート(1)である。
【図9】図9は、アカウント要求処理部の処理手順を示すフローチャート(2)である。
【図10】図10は、情報処理プログラムを実行するコンピュータを示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する情報処理システム、アカウント発行方法およびアカウント発行プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
図1は、本実施例1にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、この情報処理システムは、利用者端末10a〜10cと、管理者端末20a〜20cと、情報処理装置30とを有する。また、複数の管理者は、端末装置1a〜1cをそれぞれ携帯しているものとする。
【0012】
利用者端末10a〜10cは、管理者端末20a〜20cからアカウントを取得し、取得したアカウントを用いて、情報処理装置30にアクセスする装置である。管理者端末20a〜20cは、利用者端末10a〜10cにアカウントを発行する装置である。
【0013】
情報処理装置30は、通知部30aと発行部30bを有する。通知部30aは、利用者端末10a〜10cに対するアカウントの発行要求を、管理者の携帯する端末装置1a〜1cに通知する処理部である。
【0014】
発行部30bは、アカウントの発行要求を行った管理者が管理者端末にログインしているか否かを示すログイン情報を全ての管理者端末20a〜20cから受信する。そして、発行部30bは、全ての管理者が管理者端末にログインしていない場合に、利用者端末10a〜10cにアカウントを発行する処理部である。
【0015】
このように、本実施例1にかかる情報処理システムは、情報処理装置30が、管理者端末20a〜20cから受信するログイン情報に基づいて、アカウントを利用者端末10a〜10cに発行する。このため、例えば災害等で、全ての管理者が管理者端末20a〜20cにログインしておらず、アカウントを発行できない状況下でも、オペレータが情報処理装置にアクセス(操作)することができる。
【0016】
ここでは説明の便宜上、利用者端末10と管理者端末20とを区別して説明したが、端末自体を区別する必要はない。管理者1が管理者アカウントでログインすれば、ログインされた端末は管理者端末となる。また、利用者が利用者アカウントでログインすれば、ログインされた端末は利用者端末となる。
【0017】
また、情報処理装置30は、他の情報処理装置や端末等とネットワークを介して相互に通信可能に接続されているものとする。情報処理装置30は、ネットワーク内で一意に識別可能なアカウントと情報処理装置30の操作権限とを対応付けて記憶しているものとする。操作権限が付与されたアカウントを有する利用者は、他の情報処理装置または端末にログインすることで、情報処理装置30にアクセスすることができる。
【0018】
なお、利用者端末10および管理者端末20の台数は一例であり、ない場合も含む。
【実施例2】
【0019】
次に、本実施例2にかかる情報処理システムについて説明する。図2は、本実施例2にかかる情報処理システムの構成を示す図である。図2に示すように、この情報処理システムは、オペレータ端末50a〜50c、管理者端末60a〜60c、情報処理装置100a,100bを有する。また、管理者は、端末装置2a〜2cを携帯している。
【0020】
図2では一例として、情報処理システムが冗長化されており、同一機能を有する情報処理装置100a,100bが含まれる。ここでは、情報処理装置100aを運用系の装置、情報処理装置100bを待機系の装置とする。情報処理装置100bは、情報処理装置100aのバックアップを定期的に行い、情報処理装置100aに障害が発生した場合には、情報処理装置100aの代わりに、情報処理装置100bが各種の処理を実行する。
【0021】
端末装置2(2a〜2c)は、基地局を介して、情報処理装置100とデータ通信を行う処理部である。例えば、端末装置2は、情報処理装置100から取得した情報をディスプレイに表示させる。例えば、端末装置2は、携帯電話、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)に対応する。
【0022】
オペレータ端末50(50a〜50c)は、アカウントを利用して、情報処理装置100aまたは100bにアクセスし、情報処理装置100a、100bの有する情報を取得する装置である。オペレータ端末50は、例えば、PC(Personal Computer)に対応する。アカウントには、オペレータのID(Identification)やパスワード等が含まれる。
【0023】
オペレータ端末50は、アカウントを取得する場合、アカウント要求を情報処理装置100a,100bに送信する。アカウント要求は、オペレータのID、アカウント要求を送信したオペレータ端末のIDを含む。以下の説明において、オペレータのIDをオペレータID、オペレータ端末のIDをオペレータ端末IDと表記する。
【0024】
管理者端末60(60a〜60c)は、アカウント要求を行ったオペレータ端末50にアカウントを発行する装置である。また、管理者端末60は、管理者が管理者端末60にログインした場合、ログイン情報を情報処理装置100a,100bに送信する。管理者端末60は、例えば、PCに対応する。ログイン情報は、管理者のID、ログイン情報を送信した管理者端末のIDを含む。以下、管理者のIDを管理者ID、管理者端末のIDを管理者端末IDと表記する。
【0025】
管理者端末60は、管理者が管理者端末60からログアウトした場合、ログアウト情報を情報処理装置100a,100bに送信する。ログアウト情報は、管理者ID、ログアウト情報を送信した管理者端末の管理者端末IDを含む。
【0026】
情報処理装置100(100a,100b)は、オペレータ端末50からアカウント要求を取得した場合に、全ての管理者の端末装置2a〜2cに対して、アカウントの発行要求を行う。そして、情報処理装置100は、アカウントの発行要求が所定回数を超えても、全ての管理者の内、何れかの管理者が管理者端末60にログインしない場合に、管理者端末60の代わりにアカウントをオペレータ端末50に発行する。
【0027】
次に、情報処理装置100aの構成について説明する。なお、情報処理装置100bの構成は、情報処理装置100aと同様であるため説明を省略する。図3は、本実施例2にかかる情報処理装置の構成を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理装置100aは、入力部110と、出力部120と、通信制御部130と、入出力制御部140と、記憶部150と、制御部160を有する。
【0028】
入力部110は、キーボードやマウス等の入力装置に接続される。入力部110は、入力装置から入力される各種の情報を、記憶部150、制御部160に出力する。出力部120は、ディスプレイ等の出力装置に接続される。出力部120は、制御部160から出力される情報を、ディスプレイに表示させる。
【0029】
通信制御部130は、ネットワーク70を介して、端末装置2a〜2c、オペレータ端末50a〜50c、管理者端末60a〜60cとの間におけるデータ通信を行う処理部である。通信制御部130は、例えば、アンテナを利用してデータの送受信を行うASIC(Application Specific Integrated Curcuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)等に対応する。入出力制御部140は、入力部110、出力部120、通信制御部130、記憶部150、制御部160との間におけるデータの入出力を制御する処理部である。入出力制御部140は、例えば、データの送受信を制御するASIC等に対応する。
【0030】
記憶部150は、各種の情報を記憶する記憶部である。記憶部150は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)などの半導体メモリ素子、またはハードディスク、光ディスクなどの記憶装置に対応する。図3に示すように、この記憶部150は、管理者テーブル150a、在席状態管理テーブル150b、アカウント管理テーブル150c、災害情報150dを記憶する。
【0031】
管理者テーブル150aは、管理者が管理者端末60に在席しているか否かの情報を記憶する。管理者が管理者端末60に在席していることは、管理者が管理者端末60にログインしていることである。また、管理者が管理者端末60に在席していないこと(不在)は、管理者が管理者端末60からログアウトしていることとである。
【0032】
図4は、管理者テーブル150aのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、管理者テーブル150aは、管理者ID、管理者メールアドレス、在席状態、管理者端末IDを有する。
【0033】
このうち、管理者メールアドレスは、管理者が携帯する各端末装置2a〜2cのアドレスである。在席状態は、管理者が管理者端末60に在席しているか否か、すなわち、ログイン状態であるかログアウト状態であるかを示す情報である。
【0034】
在席状態管理テーブル150bは、情報処理システムに含まれる各管理者端末の在席状態を管理するためのテーブルである。図5は、在席状態管理テーブル150bのデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、この在席状態管理テーブル150bは、在席者数、在席管理情報、ログイン催促回数を有する。
【0035】
在席者数は、全ての管理者端末60のうち、管理者が在席している管理者端末の数を示す。ログイン催促回数は、ログインの催促を行った回数を示す。在席管理情報は、各管理者端末60の在席状態を管理するための情報である。在席管理情報は、「在席」、「全員ログアウト」、「ログイン催促中」、「不在」のうちいずれか一つの情報を格納する。
【0036】
このうち、「在席」は、全ての管理者端末60のうち、いずれかの管理者端末60に管理者が在席している状態を示す。「全員ログアウト」は、全ての管理者端末60に管理者が在席しておらず、かつ、各管理者にログインの催促を行っていない状態を示す。
【0037】
「ログイン催促中」は、全ての管理者端末60に管理者が在席しておらず、かつ、各管理者にログインの催促を行っている状態を示す。ただし、ログインの催促を行った回数を規定回数未満とする。
【0038】
「不在」は、全ての管理者端末60に管理者が在席しておらず、かつ、各管理者にログインの催促を行った回数が規定回数以上となる状態を示す。
【0039】
アカウント管理テーブル150cは、オペレータ端末50に、アカウントを発行したか否かの情報を記憶する。図6は、アカウント管理テーブル150cのデータ構造の一例を示す図である。
【0040】
図6に示すように、このアカウント管理テーブル150cは、オペレータID、オペレータ端末ID、アカウント状態を有する。このうち、アカウント状態は、アカウントを発行したか否かを示す情報である。アカウントが発行されていれば(操作権限が付与されていれば)、アカウント状態は「有」となり、アカウントを発行していなければ(操作権限が付与されていなければ)、アカウント状態は「無」となる。
【0041】
制御部160は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Curcuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置、または、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。図3に示すように、制御部160は、在席状態管理部160a、アカウント要求処理部160b、アクセス要求受け付け部160c、情報収集部160d、バックアップ処理部160eを有する。
【0042】
在席状態管理部160aは、管理者端末60からログイン情報またはログアウト情報を受信した場合に、受信したログイン情報またはログアウト情報を基にして、管理者テーブル150aの在席状態を切り替える処理部である。
【0043】
在席状態管理部160aは、管理者端末60からログイン情報を受信した場合、該当する在席状態を「在席」に設定する。在席状態管理部160aは、管理者端末60からログアウト情報を受信した場合、該当する在席状態を「不在」に設定する。
【0044】
更に、在席状態管理部160aは、管理者テーブル150aの各在席状態に基づいて、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報を切り替える。具体的に、在席状態管理部160aは、管理者テーブル150aの在席状態が一つでも「在席」である場合、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報を「在席」に設定する。
【0045】
在席状態管理部160aは、管理者テーブル150aの在席状態が全て「不在」であり、かつ、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「在席」の場合、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報を「全員ログアウト」に設定する。
【0046】
アカウント要求処理部160bは、オペレータ端末50からアカウント要求を取得した場合に、在席状態管理テーブル150bに基づいて、アカウントの発行要求またはログインの催促を実行する処理部である。以下において、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「在席」、「不在」、「全員ログアウト」、「ログイン催促中」の場合に分けて、アカウント要求処理部160bの処理を具体的に説明する。
【0047】
まず、在席管理情報が「在席」の場合について説明する。アカウント要求処理部160bは、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「在席」の場合、管理者テーブル150aを参照し、在席状態が「在席」となる管理者端末IDを判定する。アカウント要求処理部160bは、在席状態が「在席」となる管理者端末IDの管理者端末60にアカウントの発行要求を送信する。
【0048】
アカウント要求処理部160aが送信するアカウントの発行要求は、オペレータ端末50から出力されたアカウント要求に含まれていたオペレータID、オペレータ端末IDを有している。
【0049】
続いて、在席管理情報が「不在」の場合について説明する。アカウント要求処理部160bは、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「不在」の場合、管理者端末60の代わりに、アカウントをオペレータ端末50に発行する。例えば、アカウント要求処理部160bは、オペレータ端末50に発行するアカウントの候補を携帯しておく。そして、アカウント要求処理部160bは、携帯している各アカウントの中から発行対象となるアカウントを選択し、選択したアカウントをオペレータ端末50に発行する。
【0050】
アカウント要求処理部160bは、アカウントをオペレータ端末50に発行した場合、アカウント管理テーブル150cの該当するアカウント状態を、有に設定する。例えば、アカウント要求処理部160bは、オペレータID「U0001」、オペレータ端末ID「R0001」のオペレータ端末50にアカウントを発行した場合、アカウント管理テーブル150cの1段目のアカウント状態を「有」に変更する。
【0051】
続いて、在席管理情報が「全員ログアウト」の場合について説明する。アカウント要求処理部160bは、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「全員ログアウト」の場合、管理者テーブル150aを参照し、全ての管理者メールアドレスを取得する。そして、アカウント要求処理部160bは、取得した各管理者メールアドレスを宛先として、端末装置2に、ログインを催促する旨の情報を送信し、在席管理情報を「ログイン催促中」に設定する。
【0052】
例えば、アカウント要求処理部160bは、ログインを催促する旨の情報をメールにて送信する。アカウント要求処理部160bは、メールを送信した後、在席状態管理テーブル150bのログイン催促回数に1を加算する。
【0053】
続いて、在席管理情報が「ログイン催促中」の場合について説明する。アカウント要求処理部160bは、在席管理情報が「ログイン催促中」の場合、管理者テーブル150aを参照し、全ての管理者メールアドレスを取得する。そして、アカウント要求処理部160bは、取得した各管理者メールアドレスを宛先として、端末装置2に、ログインを催促する旨の情報を送信し、ログイン催促回数に1を加算する。
【0054】
そして、アカウント要求処理部160bは、ログイン催促回数が規定回数以上か否かを判定する。アカウント要求処理部160bは、ログイン催促回数が規定回数以上の場合、在席管理情報を「不在」に設定する。そして、アカウント要求処理部160bは、管理者端末60の代わりに、アカウントを該当するオペレータ端末50に発行する。アカウント要求処理部160bは、アカウントをオペレータ端末50に発行した場合、アカウント管理テーブル150cの該当するアカウント状態を、有に設定する。
【0055】
一方、アカウント要求処理部160bは、ログイン催促回数が規定回数未満の場合、前回ログインを催促するメールを送信してから一定時間経過後、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報を参照する。
【0056】
在席管理情報が「在席」となっている場合、アカウント要求処理部160bは、管理者テーブル150aを参照し、在席状態が「在席」となる管理者端末IDを判定する。アカウント要求処理部160bは、在席状態が「在席」となる管理者端末IDの管理者端末60にアカウントの発行要求を送信する。
【0057】
在席管理情報が「ログイン催促中」のままの場合、アカウント要求処理部160bは、再度、上述した処理を繰り返し実行する。
【0058】
アクセス要求受け付け部160cは、オペレータ端末50aからのアクセス要求を受け付け、オペレータ端末50aから送信されるアカウントが適切なものであるか否かを判定する処理部である。例えば、アクセス要求受け付け部160cは、アカウントテーブルを携帯しておき、オペレータ端末50aから送信されるアカウントがアカウントテーブルに存在しているか否かを判定する。そして、アクセス要求受け付け部160cは、アカウントがアカウントテーブルに存在している場合に、かかるアカウントが適切なものであると判定する。
【0059】
情報収集部160dは、外部装置から送信される業務に関する情報や顧客からのクレーム等に関する情報を受信し、受信した情報を業務情報150dとして記憶部150に登録する処理部である。
【0060】
バックアップ処理部160eは、他の情報処理装置100bとデータ通信を実行し、業務情報150dのバックアップを行う処理部である。例えば、情報処理装置100aが運用系、情報処理装置100bが待機系の場合、情報処理装置100aに記憶された業務情報150dを、情報処理装置100bのバックアップ処理部160eが取得し、記憶部150に格納する。
【0061】
次に、在席状態管理部160aの処理手順について説明する。図7は、在席状態管理部160aの処理手順を示すフローチャートである。図7に示すように、在席状態管理部160aは、ログイン情報またはログアウト情報を受信したか否かを判定する(ステップS101)。在席状態管理部160aは、ログイン情報またはログアウト情報を受信していない場合(ステップS102,No)、ステップS101に移行する。
【0062】
一方、在席状態管理部160aは、ログイン情報またはログアウト情報を受信した場合(ステップS102,Yes)、ログイン情報であるかログアウト情報であるかを判定する(ステップS103)。
【0063】
在席状態管理部160aは、ログイン情報を受信した場合(ステップS104,Yes)、管理者テーブル150aの在席状態を「在席」に設定し(ステップS105)、在席状態管理テーブル150bの在席者数に1を加算する(ステップS106)。
【0064】
在席状態管理部160aは、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「在席」か否かを判定し(ステップS107)、在席管理情報が「在席」の場合(ステップS108,Yes)、処理を終了する。
【0065】
一方、在席状態管理部160aは、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「在席」ではない場合(ステップS108,No)、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報を「在席」に設定する(ステップS109)。
【0066】
ところで、ステップS104において、ログアウト情報の場合(ステップS104,No)、在席状態管理部160aは、管理者テーブル150aの在席状態を「不在」に設定する(ステップS110)。
【0067】
在席状態管理部160aは、在席状態管理テーブル150bの在席者数から1を減算し(ステップS111)、在席状態管理テーブル150bの在席者数が0であるか否かを判定する(ステップS112)。
【0068】
在席状態管理部160aは、在席者数が0ではない場合(ステップS113,No)、処理を終了する。一方、在席状態管理部160aは、在席者数が0の場合(ステップS113,Yes)、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報を「全員ログアウト」に設定する(ステップS114)。
【0069】
次に、アカウント要求処理部160aの処理手順について説明する。図8および図9は、アカウント要求処理部160aの処理手順を示すフローチャートである。図8に示すように、アカウント要求処理部160aは、オペレータ端末50からアカウント要求を受信し(ステップS201)、在席状態管理テーブルの在席管理情報が在席であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0070】
アカウント要求処理部160aは、在席管理情報が「在席」ではない場合(ステップS203,No)、図9のステップS206に移行する。一方、アカウント要求処理部160aは、在席管理情報が「在席」となっている場合(ステップS203,Yes)、在席状態が「在席」となっている管理者を判定する(ステップS204)。
【0071】
アカウント要求処理部160aは、在席状態が「在席」となっている管理者の管理者端末60にアカウントの発行要求を送信する(ステップS205)。
【0072】
図9の説明に移行する。アカウント要求処理部160aは、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「全員ログアウト」であるか否かを判定する(ステップS206)。アカウント要求処理部160aは、「全員ログアウト」の場合(ステップS207,Yes)、管理者全員にログイン催促情報を送信する(ステップS208)。
【0073】
アカウント要求処理部160aは、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報を「ログイン催促中」に設定し(ステップS209)、ログイン催促回数に1を加算する(ステップS210)。
【0074】
アカウント要求処理部160bは、ログイン催促回数が規定回数以上か否かを判定する(ステップS211)。アカウント要求処理部160bは、ログイン催促回数が規定回数以上の場合(ステップS212,Yes)、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報を「不在」に設定する(ステップS213)。アカウント要求処理部160bは、アカウント要求先のオペレータ端末50にアカウントを発行し(ステップS214)、処理を終了する。
【0075】
一方、アカウント要求処理部160bは、ログイン催促回数が規定回未満の場合(ステップS212,No)、所定時間経過後に、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「在席」であるか否かを判定する(ステップS215)。
【0076】
アカウント要求処理部160bは、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「在席」の場合(ステップS216,Yes)、図8のステップS204に移行する。一方、アカウント要求処理部160bは、在席管理情報が「在席」でない場合(ステップS216,No)、ステップS208に移行する。
【0077】
ところで、ステップS207において、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「全員ログアウト」ではない場合(ステップS207,No)、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「ログイン催促中」であるか否かを判定する(ステップS217)。
【0078】
アカウント要求処理部160bは、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「ログイン催促中」の場合(ステップS218,Yes)、オペレータ端末50にログイン催促中である旨の情報を送信する(ステップS219)。
【0079】
アカウント要求処理部160bは、在席状態管理テーブル150bの在席管理情報が「ログイン催促中」でない場合(ステップS218,No)、オペレータ端末50にアカウントを発行する(ステップS220)。
【0080】
上述してきたように、本実施例2にかかる情報処理装置100aは、オペレータ端末50からアカウント発行要求を受け付けた場合に、全ての管理者の端末装置2にアカウントの発行要求を送信する。そして、情報処理装置100aは、全ての管理者が管理者端末60にログインしない場合に、管理者端末60の代わりにアカウントをオペレータ端末50に発行するので、管理者不在時でも、オペレータが情報処理装置にアクセスすることができる。
【0081】
なお、本実施例では、オペレータ端末50がアカウント要求を情報処理装置100aに送信した場合に、管理者端末60、または、情報処理装置100a,100bがアカウントをオペレータ端末50に送信していたが、これに限定されるものではない。
【0082】
ここで、情報処理装置100aを運用系、情報処理装置100bを待機系として説明を行う。例えば、情報処理装置100bは、運用系の情報処理装置100aに障害が発生した場合に、ログインを催促する情報を、管理者端末2a〜2cに送信してもよい。そして、情報処理装置100aは、ログインを催促した回数が規定回数以上となった場合に、各オペレータ端末50にアカウントを発行してもよい。
【0083】
また、情報処理装置100aは、全ての管理者が管理者端末60にログインしてない状況で、所定のオペレータ端末50にアカウントを発行した場合、かかるオペレータ端末50を管理者端末として扱ってもよい。
【0084】
例えば、全ての管理者が管理者端末60にログインしていない状況で、オペレータ端末50aにアカウントを発行した場合、情報処理装置100aは、オペレータ端末50aを管理者端末として扱う。例えば、情報処理装置100aが、オペレータ端末50aにアカウントを発行した後、オペレータ端末50bから、アカウント要求を受信した場合、オペレータ端末50aにアカウントの発行要求を行ってもよい。
【0085】
また、情報処理装置100aは、管理者の端末装置2にログイン催促をメールにて行ったがこれに限定されるものではない。例えば、情報処理装置100aは、「ログインを行ってください」等の音声データを端末装置2に送信することで、管理者にログイン催促を行ってもよい。
【0086】
ところで、図2に示した本実施例にかかる情報処理装置100の構成は、要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができる。例えば、情報処理装置100の制御部160の機能をソフトウェアとして実装し、これをコンピュータで実行することにより、制御部160と同等の機能を実現することもできる。以下に、情報処理装置100の機能をソフトウェアとして実装した情報処理プログラムを実行するコンピュータの一例を示す。
【0087】
図10は、情報処理プログラムを実行するコンピュータを示す機能ブロック図である。このコンピュータ200は、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置201と、モニタ202と、各種の情報記憶するRAM(Random Access Memory)203、ROM(Read Only Memory)204と、他の装置との間における通信を制御する通信制御装置205を有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読取る媒体読取装置206と、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)207と、HDD(Hard Disk Drive)208とを有する。そして、各装置201〜208は、バス209に接続される。
【0088】
そして、HDD208には、図2に示した制御部160と同様の機能を有する情報処理プログラム208bと、図2の記憶部150に記憶される各種データ208aが記憶される。なお、各種データ208aを、適宜分散させ、ネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶させておくこともできる。
【0089】
CPU207が情報処理プログラム208bをHDD208から読み出すことで情報処理プログラム208bは、情報処理プロセス207aとして機能するようになる。そして、情報処理プロセス207aは、HDD208から読み出した各種データ208aを適宜RAM203a上の自身に割当てられた領域に展開し、この展開したデータ等に基づいてアカウントの発行処理を実行する。
【0090】
なお、上記の情報処理プログラム208bは、必ずしもHDD208に格納されている必要はなく、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されたプログラムを、コンピュータ200が読み出して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等にこのプログラムを記憶させておき、コンピュータ200がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0091】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0092】
(付記1)管理者権限を有する利用者アカウントである管理者アカウントと連絡先とを対応付けて記憶する管理者連絡先記憶部と、
管理者権限を有さない任意の利用者アカウントからの管理者アカウントの発行要求を、前記管理者連絡先記憶部に記憶された全ての管理者アカウントの連絡先に通知する通知部と、
ログインアカウント記憶部に記憶されたログイン中のアカウントに関する情報の中に、前記アカウントの発行要求の通知対象の管理者アカウントに関する情報がない場合に、前記管理者アカウントの発行要求を行ったアカウントに管理者アカウントを発行する発行部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【0093】
(付記2)前記通知部は、前記ログインアカウント記憶部に記憶されたログイン中のアカウントに関する情報の中に、前記アカウントの発行要求の通知対象の管理者アカウントに関する情報が存在する場合に、当該管理者アカウントの管理者がログインした端末にアカウントの発行要求を通知することを特徴とする付記1に記載の情報処理システム。
【0094】
(付記3)情報処理装置が、
管理者権限を有する利用者アカウントである管理者アカウントと連絡先とを対応付けて連絡先記憶装置に記憶する管理者連絡先記憶ステップと、
管理者権限を有さない任意の利用者アカウントからの管理者アカウントの発行要求を、前記連絡先記憶装置に記憶された全ての管理者アカウントの連絡先に通知する通知ステップと、
ログインアカウント記憶装置に記憶されたログイン中のアカウントに関する情報の中に、前記アカウントの発行要求の通知対象の管理者アカウントに関する情報がない場合に、前記管理者アカウントの発行要求を行ったアカウントに管理者アカウントを発行する発行ステップと、
を実行することを特徴とするアカウント発行方法。
【0095】
(付記4)前記通知ステップは、前記ログインアカウント記憶装置に記憶されたログイン中のアカウントに関する情報の中に、前記アカウントの発行要求の通知対象の管理者アカウントに関する情報が存在する場合に、当該管理者アカウントの管理者がログインした端末にアカウントの発行要求を通知することを特徴とする付記3に記載のアカウント発行方法。
【0096】
(付記5)コンピュータに、
管理者権限を有する利用者アカウントである管理者アカウントと連絡先とを対応付けて連絡先記憶装置に記憶する管理者連絡先記憶手順と、
管理者権限を有さない任意の利用者アカウントからの管理者アカウントの発行要求を、前記連絡先記憶装置に記憶された全ての管理者アカウントの連絡先に通知する通知手順と、
ログインアカウント記憶装置に記憶されたログイン中のアカウントに関する情報の中に、前記アカウントの発行要求の通知対象の管理者アカウントに関する情報がない場合に、前記管理者アカウントの発行要求を行ったアカウントに管理者アカウントを発行する発行手順と、
を実行させることを特徴とするアカウント発行プログラム。
【0097】
(付記6)前記通知手順は、前記ログインアカウント記憶装置に記憶されたログイン中のアカウントに関する情報の中に、前記アカウントの発行要求の通知対象の管理者アカウントに関する情報が存在する場合に、当該管理者アカウントの管理者がログインした端末にアカウントの発行要求を通知することを特徴とする付記5に記載のアカウント発行プログラム。
【符号の説明】
【0098】
1a,1b,1c,2a,2b,2c 端末装置
10a,10b,10c 利用者端末
20a,20b,20c,60a,60b,60c 管理者端末
30 情報処理装置
30a 通知部
30b 発行部
40,70 ネットワーク
50a,50b,50c オペレータ端末
100a,100b 情報処理装置
110 入力部
120 出力部
130 通信制御部
140 入出力制御部
150 記憶部
150a 管理者テーブル
150b 在席状態管理テーブル
150c アカウント管理テーブル
150d 業務情報
160 制御部
160a 在席状態管理部
160b アカウント要求処理部
160c アクセス要求受け付け部
160d 情報収集部
160e バックアップ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者権限を有する利用者アカウントである管理者アカウントと連絡先とを対応付けて記憶する管理者連絡先記憶部と、
管理者権限を有さない任意の利用者アカウントからの管理者アカウントの発行要求を、前記管理者連絡先記憶部に記憶された全ての管理者アカウントの連絡先に通知する通知部と、
ログインアカウント記憶部に記憶されたログイン中のアカウントに関する情報の中に、前記アカウントの発行要求の通知対象の管理者アカウントに関する情報がない場合に、前記管理者アカウントの発行要求を行ったアカウントに管理者アカウントを発行する発行部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
情報処理装置が、
管理者権限を有する利用者アカウントである管理者アカウントと連絡先とを対応付けて連絡先記憶装置に記憶する管理者連絡先記憶ステップと、
管理者権限を有さない任意の利用者アカウントからの管理者アカウントの発行要求を、前記連絡先記憶装置に記憶された全ての管理者アカウントの連絡先に通知する通知ステップと、
ログインアカウント記憶装置に記憶されたログイン中のアカウントに関する情報の中に、前記アカウントの発行要求の通知対象の管理者アカウントに関する情報がない場合に、前記管理者アカウントの発行要求を行ったアカウントに管理者アカウントを発行する発行ステップと、
を実行することを特徴とするアカウント発行方法。
【請求項3】
コンピュータに、
管理者権限を有する利用者アカウントである管理者アカウントと連絡先とを対応付けて連絡先記憶装置に記憶する管理者連絡先記憶手順と、
管理者権限を有さない任意の利用者アカウントからの管理者アカウントの発行要求を、前記連絡先記憶装置に記憶された全ての管理者アカウントの連絡先に通知する通知手順と、
ログインアカウント記憶装置に記憶されたログイン中のアカウントに関する情報の中に、前記アカウントの発行要求の通知対象の管理者アカウントに関する情報がない場合に、前記管理者アカウントの発行要求を行ったアカウントに管理者アカウントを発行する発行手順と、
を実行させることを特徴とするアカウント発行プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−53903(P2011−53903A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202023(P2009−202023)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】