説明

情報処理システム、サーバ、端末、情報処理方法、および、コンピュータ・プログラム

【課題】不正使用の可能性が低い場合に使用者の利便性を損なうことなく、携帯可能な端末からの情報漏洩を防止することができる情報処理システムを提供すること。
【解決手段】第1の端末は、現在位置をサーバに送信し(S11)、サーバは、第1の端末の現在位置が使用許可条件を満たすか否かの信号を第1の端末に送信する(S14)。第1の端末は、現在位置が使用許可条件を満たさないと自装置をロックし、その後所定時間経過すると自装置内のデータ削除を開始する(S16)。また、サーバは、第1の端末の現在位置を第2の端末に送信し(S12)、第2の端末は、第1の端末に対する一時停止指示情報を取得すると(S19)一時停止信号をサーバを介して第1の端末に送信する(S20、21)。第1の端末は、一時停止信号を受信するとロック・削除処理を一時停止し、現在位置が使用許可条件を満たすと削除中のデータを回復する(S17)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯可能な端末のセキュリティに関する情報処理システム、サーバ、端末、情報処理方法、および、コンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯可能な端末は、使用者による紛失、置き忘れや盗難などにより不正に使用される可能性がある。また、携帯可能な端末内には、顧客情報や社外秘情報等といった機密情報や、個人情報が格納されている可能性がある。このため、携帯可能な端末のセキュリティに関する情報処理システムが知られている。
【0003】
このような情報処理システムとしては、例えば、自装置の現在位置を検出し、検出した現在位置が、あらかじめ記憶しておいた自装置の使用範囲を超えたと判別した場合に、自装置内に記憶されている情報を削除するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、他のこのような情報処理システムとしては、監視センタが、使用者のノートパソコン(携帯可能なノート型コンピュータ装置)と携帯端末装置との距離が所定距離以上離れたことを検知すると、携帯端末装置への報知を行うものがある。この情報処理システムにおける監視センタは、使用者のノートパソコンと携帯端末装置との距離が所定距離以上離れたことを検知すると、自動的に、または、携帯端末装置からの指示を受けたオペレータによる入力に基づき、ノートパソコンに対してデータの削除命令信号を送出する(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、他のこのような情報処理システムとしては、あらかじめ登録された電話番号からの着信を検出すると、自装置が動作しないようにロックするものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−18652号公報
【特許文献2】特開2007−36672号公報
【特許文献3】特開2007−135153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された情報処理システムでは、使用者による置き忘れや、使用者の移動経路がたまたま通常コースから外れた等のように、移動端末が不正に使用される可能性が低い場合にも、移動端末の現在位置が使用範囲を超える場合がある。このように、特許文献1に記載された情報処理システムは、移動端末が不正に使用される可能性が低い場合にも移動端末内の情報を削除してしまい、正規の使用者の利便性を損なうという課題があった。
【0008】
また、特許文献2に記載された情報処理システムでも、使用者による置き忘れや、たまたまノートパソコンを安全な室内においたまま携帯端末装置を携帯した使用者が外出した等のように、移動端末が不正に使用される可能性が低い場合でも、ノートパソコンと携帯端末装置との距離が所定距離以上離れる場合がある。このように、特許文献2に記載された情報処理システムも、移動端末が不正に使用される可能性が低い場合でもノートパソコン内の情報を削除してしまい、正規の使用者の利便性を損なうという課題があった。
【0009】
また、特許文献2に記載された情報処理システムの監視センタが、携帯端末装置からの指示を受けたオペレータによる入力に基づきノートパソコンに対してデータの削除命令信号を送出する場合は、移動端末が不正に使用される可能性が低い場合にノートパソコン内の情報を削除してしまうことがなく、正規の使用者の利便性を損なうことはない。その一方で、この場合、特許文献2に記載された情報処理システムは、盗難等により移動端末内のデータを迅速に削除する必要がある場合にも、データ削除を指示する入力操作を必要とするため、迅速に情報漏洩を防止できないという課題があった。
【0010】
また、特許文献3に記載された情報処理システムは、自装置を動作しないようロックするだけでは、情報漏洩を防止する性能が低いという課題があった。
【0011】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、不正使用の可能性が低い場合に使用者の利便性を損なうことなく、携帯可能な端末からの情報漏洩を防止することができる情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の端末は、情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末であって、現在位置を取得する現在位置取得部と、前記現在位置をサーバに送信する現在位置送信部と、前記現在位置があらかじめ定められた使用許可条件を満たすか否かを表す信号を前記サーバから受信する使用許可状況信号受信部と、前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号の受信に応じて、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックするロック処理部と、前記ロック処理後の経過時間を計時するロック後計時部と、前記ロック後計時部によって所定時間計時されると、前記第1の端末内に格納されたデータの少なくとも一部を削除する削除処理部と、前記ロック後計時部および前記削除処理部の処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記サーバから受信する一時停止信号受信部と、前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後計時部および前記削除処理部のいずれかの処理を一時停止する一時停止処理部と、前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号の受信に応じて、前記削除処理部によって削除中のデータを回復する回復処理部と、を備える。
【0013】
また、本発明のサーバは、情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末、および、携帯可能な第2の端末と通信するサーバであって、前記第1の端末の位置に関する使用許可条件を記憶する使用許可条件記憶部と、前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を記憶する端末情報記憶部と、前記第1の端末の現在位置を前記第1の端末から受信する現在位置受信部と、前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断する使用許可条件判断部と、前記使用許可条件判断部の判断結果を表す信号を、前記第1の端末に送信する使用許可状況信号送信部と、前記端末情報記憶部を参照することにより、前記現在位置受信部によって受信された前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信する現在位置送信部と、前記第1の端末におけるロック処理後の計時処理およびデータの削除処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記第2の端末から受信する一時停止信号受信部と、前記端末情報記憶部を参照することにより、前記一時停止信号受信部によって受信された前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信する一時停止信号送信部と、を備える。
【0014】
また、本発明の第2の端末は、情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末と通信可能なサーバと通信する携帯可能な第2の端末であって、前記第1の端末の現在位置を前記サーバから受信する現在位置受信部と、前記第1の端末の現在位置を提示する現在位置提示部と、前記第1の端末におけるロック処理後の計時処理およびデータの削除処理に対する一時停止の指示を表す情報を入力装置を介して取得する一時停止指示情報取得部と、前記一時停止の指示を表す情報の取得に応じて前記一時停止信号を前記サーバに送信する一時停止信号送信部と、を備える。
【0015】
また、本発明の情報処理システムは、情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末と、携帯可能な第2の端末と、サーバとを備えた情報処理システムであって、前記第1の端末は、現在位置を取得する現在位置取得部と、前記現在位置を前記サーバに送信する現在位置送信部と、前記現在位置があらかじめ定められた使用許可条件を満たすか否かを表す信号を前記サーバから受信する使用許可状況信号受信部と、前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号の受信に応じて、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックするロック処理部と、前記ロック処理後の経過時間を計時するロック後計時部と、前記ロック後計時部によって所定時間計時されると、前記第1の端末内の少なくとも一部のデータを削除する削除処理部と、前記ロック後計時部および前記削除処理部の処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記サーバから受信する一時停止信号受信部と、前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後計時部および前記削除処理部のいずれかの処理を一時停止する一時停止処理部と、前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号の受信に応じて、前記削除処理部によって削除中のデータを回復する回復処理部と、を有し、前記サーバは、前記第1の端末の位置に関する使用許可条件を記憶する使用許可条件記憶部と、前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を記憶する端末情報記憶部と、前記第1の端末から前記現在位置を受信する現在位置受信部と、前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断する使用許可条件判断部と、前記使用許可条件判断部の判断結果を表す信号を、前記第1の端末に送信する使用許可状況信号送信部と、前記端末情報記憶部を参照することにより、前記現在位置受信部によって受信された前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信する現在位置送信部と、前記一時停止信号を前記第2の端末から受信する一時停止信号受信部と、前記端末情報記憶部を参照することにより、前記一時停止信号受信部によって受信された前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信する一時停止信号送信部と、を有し、前記第2の端末は、前記第1の端末の現在位置を前記サーバから受信する現在位置受信部と、前記第1の端末の現在位置を提示する現在位置提示部と、前記ロック後計時処理部および前記削除処理部に対する一時停止の指示を表す情報を入力装置を介して取得する一時停止指示情報取得部と、前記一時停止の指示を表す情報の取得に応じて前記一時停止信号を前記サーバに送信する一時停止信号送信部と、を有する。
【0016】
また、本発明の情報処理方法は、情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末と、携帯可能な第2の端末と、サーバとを用いて、前記第1の端末は、現在位置を取得し、前記現在位置を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記第1の端末の位置に関する使用許可条件をあらかじめ記憶しておき、前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係をあらかじめ記憶しておき、前記第1の端末から前記現在位置を受信し、前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断し、前記現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを表す信号を、前記第1の端末に送信し、前記第1の端末は、前記現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを表す信号を前記サーバから受信し、前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号を受信した場合、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックし、前記ロック処理後の経過時間を計時し、前記ロック後に所定時間計時されると、前記第1の端末内の少なくとも一部のデータを削除し、前記サーバは、前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を参照することにより、受信した前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信し、前記第2の端末は、前記第1の端末の現在位置を前記サーバから受信し、前記第1の端末の現在位置を提示し、前記ロック処理後の計時処理および前記削除処理に対する一時停止の指示を表す情報を入力装置を介して取得し、前記一時停止の指示を表す情報の取得に応じて前記一時停止信号を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記一時停止信号を前記第2の端末から受信し、前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を参照することにより、受信した前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信し、前記第1の端末は、前記一時停止信号を前記サーバから受信し、前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後の計時処理および前記削除処理のいずれかを一時停止し、前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号を受信した場合、前記削除処理において削除中のデータを回復する。
【0017】
また、本発明のコンピュータ・プログラムは、情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末に、現在位置を取得する現在位置取得ステップと、前記現在位置をサーバに送信する現在位置送信ステップと、前記現在位置があらかじめ定められた使用許可条件を満たすか否かを表す信号を受信する使用許可状況信号受信ステップと、前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号の受信に応じて、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックするロック処理ステップと、前記ロック処理後の経過時間を計時するロック後計時ステップと、前記ロック後計時ステップにおいて所定時間計時されると、前記第1の端末内に格納されたデータの少なくとも一部を削除する削除処理ステップと、前記ロック後計時ステップおよび前記削除処理ステップの処理の一時停止を指示する一時停止信号を受信する一時停止信号受信ステップと、前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後計時ステップおよび前記削除処理ステップのいずれかにおける処理を一時停止する一時停止処理ステップと、前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号の受信に応じて、前記削除処理ステップにおいて削除中のデータを回復する回復処理ステップと、を実行させる。
【0018】
また、本発明のコンピュータ・プログラムは、情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末、および、携帯可能な第2の端末と通信するサーバに、前記第1の端末の位置に関する使用許可条件を記憶する使用許可条件記憶ステップと、前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を記憶する端末情報記憶ステップと、前記第1の端末から前記現在位置を受信する現在位置受信ステップと、前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断する使用許可条件判断ステップと、前記使用許可条件判断ステップにおける判断結果を表す信号を、前記第1の端末に送信する使用許可状況信号送信ステップと、前記第1の端末および前記第2の端末の前記対応関係を参照することにより、前記現在位置受信ステップにおいて受信された前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信する現在位置送信ステップと、前記第1の端末におけるロック処理後の計時処理およびデータの削除処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記第2の端末から受信する一時停止信号受信ステップと、前記第1の端末および前記第2の端末の前記対応関係を参照することにより、前記一時停止信号受信ステップにおいて受信された前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信する一時停止信号送信ステップと、を実行させる。
【0019】
また、本発明のコンピュータ・プログラムは、情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末と通信可能なサーバと通信する携帯可能な第2の端末に、前記第1の端末の現在位置を前記サーバから受信する現在位置受信ステップと、前記第1の端末の現在位置を提示する現在位置提示ステップと、前記第1の端末におけるロック処理後の計時処理およびデータの削除処理に対する一時停止の指示を表す情報を入力装置を介して取得する一時停止指示情報取得ステップと、前記一時停止の指示を表す情報の取得に応じて前記一時停止信号を前記サーバに送信する一時停止信号送信ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、不正使用の可能性が低い場合に使用者の利便性を損なうことなく、携帯可能な端末からの情報漏洩を防止することができる情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における第1の端末の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における現在位置を表す情報の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるサーバの機能ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における使用許可条件記憶部の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における端末情報記憶部の一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における第2の端末の機能ブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるサーバの使用許可条件記憶動作を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態としての情報処理システムの動作の概略を説明するシーケンス図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における第1の端末のロック・削除処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施の形態における第1の端末のロック解除・回復処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態としての情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における第1の端末の機能ブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるステータス情報の一例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における現在位置を表す情報の一例を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるサーバの機能ブロック図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態としての情報処理システムの動作の概略を説明するシーケンス図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における第1の端末のロック・削除処理を説明するフローチャートである。
【図19】図18に続くフローチャートである。
【図20】本発明の第2の実施の形態としての情報処理システムの第1の動作例を説明するシーケンス図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態としての情報処理システムの第2の動作例を説明するシーケンス図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態としての情報処理システムの第3の動作例を説明するシーケンス図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態としての情報処理システムの第4の動作例を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態としての情報処理システム1の構成を図1に示す。図1において、情報処理システム1は、第1の端末11と、サーバ12と、第2の端末13とを備えている。また、第1の端末11と、サーバ12と、第2の端末13とは、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線LAN、公衆回線網、移動体通信網、衛星通信網またはこれらの組合せ等によって構成されるネットワーク9によって互いに通信可能に接続されている。
【0024】
ここで、第1の端末11は、情報漏洩防止対象となる携帯可能な端末である。また、第2の端末13は、携帯可能な端末である。また、第2の端末13は、第1の端末11と同一の利用者によって利用される端末であることが望ましい。
【0025】
なお、図1には、第1の端末11および第2の端末13をそれぞれ1つずつ示しているが、本発明の情報処理システムが備える第1の端末および第2の端末の数を限定するものではない。
【0026】
次に、第1の端末11の構成について、図2を参照して説明する。
【0027】
図2において、第1の端末11は、現在位置取得部111と、現在位置送信部112と、使用許可状況信号受信部113と、ロック処理部114と、ロック後計時部115と、削除処理部116と、一時停止信号受信部117と、一時停止処理部118と、回復処理部119とを備えている。
【0028】
ここで、第1の端末11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)を含む制御部と、ハードディスク等の記憶装置と、マウスやキーボード等の入力装置と、液晶ディスプレイ等の表示装置と、無線通信モジュールとを少なくとも備えた携帯可能なノートパソコン(ノート型パーソナルコンピュータ)等のコンピュータ装置によって構成されている。制御部は、ROMまたは記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んでCPUが実行することにより、コンピュータ装置を本発明の第1の端末として動作させる。
【0029】
また、現在位置取得部111と、現在位置送信部112と、使用許可状況受信部113と、一時停止信号受信部117とは、制御部および無線通信モジュールによって構成されている。また、ロック処理部114と、ロック後計時部115と、削除処理部116と、回復処理部119とは、制御部によって構成されている。
【0030】
なお、第1の端末11の各機能ブロックは、利用者による第1の端末11に対する電源オンオフ操作に関わらず動作する。例えば、第1の端末11は、メインの電源に加えて、無線通信モジュールに常時電源を供給する無線通信モジュール専用電源を備えてもよい。この場合、第1の端末11は、無線通信モジュールによる外部からの信号の受信に応じて第1の端末11の各部を起動する電源供給制御回路を備えてもよい。あるいは、第1の端末11は、電源オフ時には第1の端末11の各部を定期的に起動する電源供給制御回路を備えてもよい。あるいは、第1の端末11は、電源オフ操作により省電力モードになるよう構成されていてもよい。
【0031】
なお、第1の端末11の各機能ブロックを構成するハードウェア構成は上述の構成に限定されない。
【0032】
現在位置取得部111は、第1の端末11の現在位置を取得する。例えば、現在位置取得部111は、第1の端末11の現在位置として、緯度および経度を表す情報を取得してもよい。
【0033】
また、例えば、第1の端末11を構成するコンピュータ装置が無線LANに接続可能な無線通信モジュールを備えている場合、現在位置取得部111は、無線通信モジュールによって接続しているアクセスポイントのセルに関する情報を利用して現在位置を算出してもよい。あるいは、コンピュータ装置がGPS(Global Positioning System)受信機を備える場合、現在位置取得部111は、GPSを用いて現在位置を取得してもよい。あるいは、コンピュータ装置が、移動体通信網に接続可能な無線通信モジュールを備える場合、現在位置取得部111は、移動体通信網の基地局情報を用いて現在位置を取得してもよい。
【0034】
現在位置送信部112は、現在位置取得部111によって取得された第1の端末11の現在位置を含む情報を、サーバ12に送信する。また、現在位置送信部112は、現在位置を含む情報を送信する処理を、あらかじめ定められたスケジュールにしたがって(例えば所定間隔で)実行するようにする。
【0035】
例えば、現在位置送信部112は、現在位置を含む情報として、図3に示すように、現在時刻、第1の端末11を識別する端末ID、ならびに、緯度および経度を送信してもよい。
【0036】
使用許可状況信号受信部113は、第1の端末11の現在位置があらかじめ定められた使用許可条件を満たすか否かを表す信号を受信する。あらかじめ定められた使用許可条件とは、例えば、第1の端末11の現在位置が所定の使用許可エリアに含まれることであってもよい。あるいは、使用許可条件とは、例えば、第1の端末11の現在位置が第2の端末13の位置から所定距離以内であることであってもよい。
【0037】
ロック処理部114は、現在位置が使用許可条件を満たさないことを表す信号の受信に応じて、第1の端末11を、少なくとも一部の機能が動作しないようロックする。例えば、ロック処理部114は、入力装置からの操作を受け付ける入力機能が動作しないよう第1の端末11をロックしてもよい。さらに、ロック処理部114は、表示装置の画面内容を特定のものに固定することにより表示機能をロックしてもよい。あるいは、ロック処理部114は、記憶装置内に格納された所定の情報に対するアクセス機能をロックしてもよい。
【0038】
ロック後計時部115は、ロック処理部114によるロック処理の開始からの経過時間を計時する。また、ロック後計時部115は、所定時間が経過したことを削除処理部116に通知する。この所定時間は、あらかじめ定められたものであり、ユーザによって設定されたものであってもよい。
【0039】
削除処理部116は、ロック後計時部115によって所定時間が経過したことを通知されると、第1の端末11内の記憶装置に格納された情報の少なくとも一部を削除する。このとき、削除処理部116は、記憶装置に格納された情報の全てを削除してもよい。あるいは、削除処理部116は、あらかじめ定められた所定のフォルダやファイルを削除するようにしてもよい。あるいは、削除処理部116は、あらかじめ定められた所定のフォルダやファイル以外の情報を削除するようにしてもよい。
【0040】
また、削除処理部116は、削除完了前までは、削除処理開始前の状態にロールバック可能に削除処理を実行するものとする。また、削除処理部116は、削除完了後は、削除処理開始前の状態にロールバック不可となるよう削除完了処理を行うことが望ましい。
【0041】
一時停止信号受信部117は、ロック後計時部115および削除処理部116の処理の一時停止の指示を表す一時停止信号を受信する。
【0042】
一時停止処理部118は、一時停止信号の受信に応じて、ロック後計時部115および削除処理部116のいずれかの処理を一時停止する。すなわち、一時停止処理部118は、一時停止信号の受信時に、ロック後計時部115によりロック処理後の経過時間の計時が行われている場合、ロック後計時部115の処理を一時停止させる。また、一時停止処理部118は、一時停止信号の受信時に、削除処理部116により削除処理が行われている場合、削除処理部116の処理を一時停止させる。
【0043】
回復処理部119は、現在位置が使用許可条件を満たすことを表す信号の受信に応じて、削除処理部116によって削除中のデータを回復する。すなわち、回復処理部119は、使用許可状況信号受信部113によって受信された信号が、現在位置が使用許可条件を満たすことを表す場合に、削除処理中またはその一時停止中であれば、削除処理開始前の状態にロールバックするよう回復処理を行う。
【0044】
また、回復処理部119は、使用許可状況信号受信部113によって受信された信号が、現在位置が使用許可条件を満たすことを表す場合に、ロック後計時中、削除処理中、またはこれらの処理の一時停止中であれば、ロックを解除してもよい。
【0045】
次に、サーバ12の構成について、図4を参照して説明する。
【0046】
図4において、サーバ12は、使用許可条件記憶部121と、端末情報記憶部122と、現在位置受信部123と、使用許可条件判断部124と、使用許可状況信号送信部125と、現在位置送信部126と、一時停止信号受信部127と、一時停止信号送信部128とを備えている。
【0047】
ここで、サーバ12は、CPU、RAMおよびROMを含む制御部と、ハードディスク等の記憶装置と、通信モジュールとを少なくとも備えたコンピュータ装置によって構成されている。制御部は、ROMまたは記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んでCPUが実行することにより、コンピュータ装置を本発明のサーバとして動作させる。
【0048】
また、使用許可条件記憶部121と、端末情報記憶部122とは、制御部および記憶装置によって構成される。また、現在位置受信部123と、使用許可状況信号送信部125と、現在位置送信部126と、一時停止信号受信部127とは、一時停止信号送信部128とは、制御部および通信モジュールによって構成されている。また、使用許可条件判断部124は、制御部によって構成されている。なお、サーバ12の各機能ブロックを構成するハードウェア構成は上述の構成に限定されない。
【0049】
使用許可条件記憶部121は、第1の端末11の位置に関する使用許可条件を記憶している。例えば、図5に示すように、使用許可条件記憶部121は、第1の端末11の使用許可エリアを表す情報を、第1の端末11の端末IDに対応付けて格納していてもよい。ここで、使用許可条件記憶部121は、入力装置からの入力内容に基づいて、第1の端末11の位置に関する使用許可条件を記憶するようにしてもよい。
【0050】
端末情報記憶部122は、図6に示すように、第1の端末11および第2の端末13の対応関係を格納している。例えば、端末情報記憶部122は、第1の端末11を識別する端末IDに対して、その利用者が利用する第2の端末13を識別する端末IDを対応付けて格納する。ここで、端末情報記憶部122は、入力装置からの入力内容に基づいて、第1の端末11に対応する第2の端末13を記憶するようにしてもよい。
【0051】
現在位置受信部123は、第1の端末11からその現在位置を含む情報を受信する。
【0052】
使用許可条件判断部124は、現在位置受信部123によって受信された第1の端末11の現在位置が、使用許可条件記憶部121に記憶された使用許可条件を満たすか否かを判断する。例えば、使用許可条件記憶部121に使用許可条件として第1の端末11の使用許可エリアを表す情報が記憶されている場合、使用許可条件判断部124は、第1の端末11の現在位置が、登録された使用許可エリアに含まれるか否かを判断する。
【0053】
使用許可状況信号送信部125は、使用許可条件判断部124の判断結果を表す信号を、第1の端末11に送信する。例えば、使用許可条件記憶部121に使用許可条件として第1の端末11の使用許可エリアを表す情報が記憶されている場合、使用許可条件判断部124は、現在位置が使用許可条件を満たすことを表すエリア内信号または使用許可条件を満たさないことを表すエリア外信号を、第1の端末11に対して送信する。
【0054】
現在位置送信部126は、端末情報記憶部122を参照することにより、現在位置受信部123によって受信された現在位置の送信元の第1の端末11に対応する第2の端末13を特定する。そして、現在位置送信部126は、特定した第2の端末13に対して、現在位置を送信する。
【0055】
一時停止信号受信部127は、第2の端末13から、一時停止信号を受信する。この一時停止信号は、第1の端末11のロック処理後の計時処理および削除処理の一時停止を指示する信号である。
【0056】
一時停止信号送信部128は、端末情報記憶部122を参照することにより、一時停止信号受信部127によって受信された一時停止信号の送信元の第2の端末13に対応する第1の端末11に、該一時停止信号を送信する。
【0057】
次に、第2の端末13の構成について、図7を参照して説明する。
【0058】
図7において、第2の端末13は、現在位置受信部131と、現在位置提示部132と、一時停止指示情報取得部133と、一時停止信号送信部134とを備えている。
【0059】
ここで、第2の端末13は、CPU、RAMおよびROMを含む制御部と、無線通信モジュールと、液晶ディスプレイ等の表示装置と、フラッシュメモリ等の記憶装置と、操作ボタン等の入力装置とを含んだPDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話等のコンピュータ装置によって構成されている。ここで、制御部は、ROMまたは記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んでCPUが実行することにより、コンピュータ装置を本発明の第2の端末として動作させる。
【0060】
また、現在位置受信部131と、一時停止信号送信部134とは、制御部および無線通信モジュールによって構成される。また、現在位置提示部132は、制御部、記憶装置および表示装置によって構成される。また、一時停止指示情報取得部133は、制御部、表示装置および入力装置によって構成される。なお、第2の端末13の各機能ブロックを構成するハードウェア構成は上述の構成に限定されない。
【0061】
現在位置受信部131は、第1の端末11の現在位置を含む情報を、サーバ12から受信する。
【0062】
現在位置提示部132は、第1の端末11の現在位置を提示する。このとき、現在位置提示部132は、第1の端末11に対するロック後計時処理および削除処理の一時停止の指示が必要か否かを利用者が判断することを支援可能な情報を、第1の端末11の現在位置と併せて提示することが望ましい。
【0063】
例えば、現在位置提示部132は、第2の端末13の記憶装置にあらかじめ記憶された地図情報に、受信した現在位置を重畳して表示してもよい。さらに、第1の端末11の使用許可条件として使用許可エリアが登録されている場合、現在位置提示部132は、地図情報に使用許可エリアを重畳表示してもよい。この場合、端末13の現在位置提示部132は、サーバ12の使用許可条件記憶部121に登録されている第1の端末11の使用許可エリアを表す情報と同一の情報をあらかじめ記憶しておいてもよい。あるいは、サーバ12の現在位置送信部126が、第1の端末11の使用許可エリアを現在位置と共に送信するようにしてもよい。
【0064】
また、例えば、現在位置提示部132は、第1の端末11の現在位置を提示する際に、現在位置が使用許可条件を満たすか否かを表す情報を併せて提示してもよい。例えば、第1の端末11の使用許可条件として使用許可エリアが登録されている場合、現在位置提示部132は、現在位置がエリア内であるかエリア外であるかを表す情報を提示してもよい。この場合、現在位置提示部132は、サーバ12の使用許可条件記憶部121に登録されている第1の端末11の使用許可条件と同一の情報をあらかじめ記憶しておいてもよい。これにより、現在位置提示部132は、現在位置受信部131によって受信された現在位置が使用許可条件を満たすか否かを判断し、判断結果を提示してもよい。あるいは、サーバ12の現在位置送信部126が、サーバ12の使用許可条件判断部124の判断結果を表す情報を現在位置と共に送信するようにしてもよい。
【0065】
一時停止指示情報取得部133は、第1の端末11内で実行されるロック後の計時処理および削除処理に対する一時停止の指示を表す情報を、入力装置を介して取得する。
【0066】
具体的には、例えば、一時停止指示情報取得部133は、第1の端末11内で行われるロック後計時処理および削除処理の一時停止指示のための操作ガイドを表示装置に表示してもよい。例えば、一時停止指示情報取得部133は、第2の端末13の操作ボタンのうち特定ボタンを押下することにより一時停止の指示を入力可能であることを表示してもよい。そして、一時停止指示情報取得部133は、一時停止指示を表す情報の入力を受け付ける状態で待機し、一時停止の指示を表す情報が入力されたか否かを判断するようにしてもよい。
【0067】
一時停止信号送信部134は、一時停止指示情報取得部133によって一時停止の指示を表す情報が取得された場合、一時停止信号をサーバ12に対して送信する。
【0068】
以上のように構成された情報処理システム1の動作について、図面を参照して説明する。
【0069】
まず、サーバ12による使用許可条件登録動作について、図8を参照して説明する。この動作は、図9〜図11を参照して後述する情報処理システム1の動作に先立ってあらかじめ実行される。
【0070】
ここでは、まず、使用許可条件記憶部121は、第1の端末11の端末IDと、第1の端末11の使用許可条件を表す情報を取得する(ステップS1)。
【0071】
例えば、上述のように、使用許可条件記憶部121は、第1の端末11の使用許可エリアを表す情報を取得してもよい。この場合、使用許可条件記憶部121は、あらかじめ地図情報を記憶しておき、提示した地図情報に対して入力される情報に基づいて使用許可エリアを表す情報を取得してもよい。また、使用許可条件記憶部121は、端末IDおよび使用許可条件を、入力装置を介して取得してもよいし、ネットワークを介して取得してもよい。
【0072】
次に、使用許可条件記憶部121は、取得した端末IDおよび使用許可条件を対応付けて記憶する(ステップS2)。
【0073】
次に、端末情報記憶部122は、ステップS1で取得した第1の端末11の使用者が利用する第2の端末13の端末IDを取得する(ステップS3)。
【0074】
このとき、端末情報記憶部122は、第2の端末13の端末IDを、入力装置を介して取得してもよいし、ネットワークを介して取得してもよい。
【0075】
次に、端末情報記憶部122は、ステップS1で取得した第1の端末11の端末IDおよびステップS3で取得した第2の端末13の端末IDを対応付けて記憶する(ステップS4)。
【0076】
以上で、サーバ12は、使用許可条件登録動作を終了する。
【0077】
次に、情報処理システム1が第1の端末11からの情報漏洩を防止する動作について、図9〜図11を参照して説明する。
【0078】
まず、情報処理システム1の情報漏洩防止動作の概略を図9に示す。
【0079】
ここでは、まず、第1の端末11の現在位置取得部111は、自装置の現在位置を取得する。そして、現在位置送信部112は、取得した現在位置をサーバ12に送信する(ステップS11)。
【0080】
なお、第1の端末11は、ステップS11の処理を所定のスケジュールに従って繰り返し実行し、以降の処理は、ステップS11が実行される度に繰り返し実行される。
【0081】
次に、第1の端末11の現在位置を受信したサーバ12では、現在位置送信部126は、受信した現在位置の送信元の第1の端末11に対応付けられた第2の端末13に対して、該現在位置を送信する(ステップS12)。
【0082】
次に、サーバ12の使用許可条件判断部124は、第1の端末11の現在位置が使用許可条件を満たすか否かを判断する(ステップS13)。
【0083】
次に、サーバ12の使用許可状況信号送信部125は、ステップS13における判断結果に基づいて、第1の端末11の現在位置が使用許可条件を満たすか否かを表す信号を第1の端末11に送信する(ステップS14)。
【0084】
なお、サーバ12は、ステップS12の処理と、ステップS13およびステップS14の処理とを並列に実行してもよい。あるいは、サーバ12は、ステップS12の処理と、ステップS13およびステップS14の処理との実行順序を入れ替えてもよい。
【0085】
次に、第1の端末11は、現在位置が使用許可条件を満たすことを表す信号を受信したか、使用許可条件を満たさないことを表す信号を受信したかを判断する(ステップS15)。
【0086】
ステップS15において、現在位置が使用許可条件を満たさないことを表す信号を受信したと判断した場合、第1の端末11は、ロック・削除処理を実行する(ステップS16)。このとき、ロック・削除処理中に後述のステップS21による一時停止信号を受信した場合、第1の端末11は、ロック・削除処理を一時停止する。ステップS16におけるロック・削除処理およびその一時停止処理の詳細については後述する。
【0087】
一方、ステップS15において、現在位置が使用許可条件を満たすことを表す信号を受信したと判断した場合、第1の端末11は、ロック解除・回復処理を実行する(ステップS17)。ステップS17におけるロック解除・回復処理の詳細については後述する。
【0088】
次に、ステップS12により第1の端末11の現在位置を受信した第2の端末13では、現在位置提示部132は、受信した現在位置を提示する(ステップS18)。
【0089】
このとき、上述のように、現在位置提示部132は、地図情報に現在位置を重畳して表示してもよいし、現在位置が使用許可条件を満たすか否かを表す情報を併せて提示してもよい。
【0090】
次に、第2の端末13の一時停止指示情報取得部133は、一時停止を指示する情報が入力装置から入力されたか否かを判断する(ステップS19)。
【0091】
ここで、一時停止を指示する情報が入力装置から入力されたと判断した場合、第2の端末13の一時停止信号送信部134は、一時停止信号をサーバ12に対して送信する(ステップS20)。
【0092】
一時停止信号を受信したサーバ12では、一時停止信号送信部128は、一時停止信号の送信元の端末13に対応する第1の端末11に対して、該一時停止信号を送信する(ステップS21)。
【0093】
以上で、情報処理システム1の情報漏洩防止動作の概略の説明を終了する。
【0094】
次に、ステップS16における第1の端末11のロック・削除処理について、図10を参照して説明する。この処理は、第1の端末11の現在位置が使用許可条件を満たさないことを表す信号の受信に応じて実行される。
【0095】
なお、第1の端末11は、既にロック処理中、削除処理中、削除完了後、またはロック・削除処理の一時停止中であるか否かを判断し、いずれでもない場合(ステップS30でNo)に、以降の処理を実行する。
【0096】
ここでは、まず、ロック処理部114は、第1の端末11の少なくとも一部の機能が動作しないようロックする(ステップS31)。
【0097】
例えば、上述のように、ロック処理部114は、入力機能が動作しないよう第1の端末11をロックしてもよいし、さらに、表示装置の画面内容を特定のものに固定することにより表示機能をロックしてもよい。あるいは、上述のように、ロック処理部114は、所定のフォルダやファイルに対するアクセス機能をロックしてもよい。
【0098】
次に、ロック後計時部115は、ステップS31実行後からの経過時間の計時を開始する(ステップS32)。
【0099】
次に、ロック後計時部115は、一時停止信号受信部117によって一時停止信号が受信されたか否かを判断する(ステップS33)。
【0100】
ここで、一時停止信号が受信されていないと判断された場合、ロック後計時部115は、ステップS31実行後から所定時間経過したか否かを判断する(ステップS34)。
【0101】
ここで、ステップS31実行後から所定時間経過していないと判断された場合、第1の端末11の処理はステップS33に戻る。
【0102】
一方、ステップS33で、一時停止信号が受信されたと判断された場合、一時停止処理部118は、ロック後計時部115の計時処理を一時停止させる(ステップS35)。
【0103】
また、ステップS34で、ステップS31実行後から所定時間経過したと判断された場合、削除処理部116は、第1の端末11内の記憶装置に格納された情報の少なくとも一部の削除処理を開始する(ステップS36)。
【0104】
このとき、上述のように、例えば、削除処理部116は、記憶装置に格納された情報の全ての削除処理を開始してもよいし、所定の一部の情報の削除処理を開始してもよい。
【0105】
次に、削除処理部116は、一時停止信号受信部117によって一時停止信号が受信されたか否かを判断する(ステップS37)。
【0106】
ここで、一時停止信号が受信されていないと判断された場合、削除処理部116は、削除処理が完了したか否かを判断する(ステップS38)。
【0107】
ここで、削除処理が完了していないと判断された場合、第1の端末11の処理はステップS37に戻る。
【0108】
一方、ステップS37で、一時停止信号が受信されたと判断された場合、一時停止処理部118は、削除処理部116の処理を一時停止させる(ステップS39)。
【0109】
また、ステップS38で削除処理が完了したと判断された場合、情報処理システム1はロック・削除処理を終了する。
【0110】
以上で、ステップS16における第1の端末11のロック・削除処理の説明を終了する。
【0111】
次に、ステップS17における第1の端末11のロック解除・回復処理について、図11を参照して説明する。この処理は、第1の端末11の現在位置が使用許可条件を満たすことを表す信号の受信に応じて実行される。
【0112】
ここでは、まず、回復処理部119は、ロック後計時中またはその一時停止中であるか否かを判断する(ステップS41)。
【0113】
ここで、ロック後計時中またはその一時停止中であると判断された場合、回復処理部119は、ロックを解除する処理を行う(ステップS42)。
【0114】
一方、ステップS41において、ロック後計時中ではなく、その一時停止中でもないと判断された場合、回復処理部119は、削除処理中またはその一時停止中であるか否かを判断する(ステップS43)。
【0115】
ここで、削除処理中またはその一時停止中であると判断された場合、回復処理部119は、削除処理開始前の状態にロールバックするよう回復処理を行う(ステップS44)。そして、回復処理部119は、ステップS42を実行し、ロックの解除を行う。
【0116】
一方、ステップS43において、削除処理中ではなく、その一時停止中でもないと判断された場合、第1の端末11は、ロック解除・回復処理を終了する。
【0117】
以上で、ステップS17における第1の端末11のロック解除・回復処理の説明を終了する。
【0118】
以上の説明したように、第1の端末11は、図9のステップS21による一時停止信号のサーバからの受信によって、ステップS16を実行しロック・削除処理を一時停止する。そして、第1の端末11は、第1の端末11の現在位置が使用許可条件を満たすことを表す信号を受信したとき、ステップS17でのロック解除・回復処理を実行し、ロックを解除し、情報を回復する。
【0119】
これにより、次のような課題が解決される。
【0120】
関連技術では、使用者による置き忘れや、使用者の移動経路がたまたま通常コースから外れた等のように、移動端末が不正に使用される可能性が低い場合にも、移動端末の現在位置が使用範囲を超える場合がある。しかし、第1の端末11は、図10のステップS34での所定時間内に図9のステップS21において一時停止信号をサーバから受信することによって、ロック・削除処理を一時停止する。したがって、移動端末が不正に使用される可能性が低い場合にも移動端末内の情報を削除されることが防止される。
【0121】
また、その後、第1の端末11の現在位置が使用許可条件を満たす位置に戻るとき、第1の端末11は、ステップS17でのロック解除・回復処理を実行し、ロックを解除し、情報を回復する。すなわち、第1の端末11は、元の状態に復帰する。
【0122】
次に、本発明の第1の実施の形態の効果について述べる。
【0123】
本発明の第1の実施の形態としての情報処理システムは、不正使用の可能性が低い場合に使用者の利便性を損なうことなく、携帯可能な第1の端末からの情報漏洩を防止することができる。
【0124】
その理由は、サーバの使用許可条件記憶部が、第1の端末の位置に関する使用許可条件をあらかじめ記憶しておき、サーバの使用許可条件判断部が、第1の端末の位置がその使用許可条件を満たさないと判断すると、第1の端末の削除処理部が、ロック処理後所定時間経過後に、第1の端末内の情報の削除処理を開始するからである。これにより、本発明の第1の実施の形態としての情報処理システムは、第1の端末の位置が使用許可条件を満たさなくなってから削除処理が開始されるまでに猶予期間を設けることができる。このため、不正使用の可能性が低い場合には、第1の端末に対応付けて登録された第2の端末が、削除処理の一時停止を指示する一時停止信号を送信することにより、削除処理を一時停止することができるからである。また、削除処理開始までの猶予期間中は、第1の端末のロック処理部が自装置の動作をロックするため、削除処理までの猶予期間中にも第1の端末からの情報漏洩を防止することができるからである。
【0125】
なお、第1の端末11および第2の端末13がサーバ12を介さずに通信可能な場合、第2の端末13の一時停止信号送信部134は、一時停止信号を第1の端末11に直接送信し、第1の端末11の一時停止信号受信部117は、一時停止信号を第2の端末13から直接受信するようにしてもよい。
【0126】
ここで、第1の端末11および第2の端末13がサーバ12を介さず通信する技術としては、例えば、赤外線通信や、移動体通信網の利用等が挙げられる。赤外線通信の場合、近距離通信に限られるが、例えば、利用者によって第1の端末11および第2の端末13が携帯されているにも関わらず、たまたま現在位置が使用許可エリアから出た場合等に、第2の端末13から第1の端末11に直接一時停止信号を送信することにより、第1の端末11に迅速に一時停止処理を実行させることが可能となる。
【0127】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明において参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同一の構成および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0128】
本発明の第2の実施の形態としての情報処理システム2の構成を図12に示す。図12において、情報処理システム2は、情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末21と、サーバ22と、携帯可能な第2の端末23とを備える。ここで、第1の端末21、サーバ22および第2の端末23は、ネットワーク9によって互いに通信可能に接続されている。
【0129】
まず、第1の端末21の構成を図13に示す。図13において、第1の端末21は、本発明の第1の実施の形態における第1の端末11に対して、一時停止処理部118に替えて一時停止処理部218を備え、一時停止後計時部2101と、ステータス情報送信部2102とをさらに備える点が異なる。
【0130】
ここで、第1の端末21は、本発明の第1の実施の形態における第1の端末11と同様なハードウェア構成を含むノートパソコン等のコンピュータ装置によって構成される。また、一時停止後計時部2101は、制御部によって構成される。また、ステータス情報送信部2102は、制御部および無線通信モジュールによって構成される。
【0131】
一時停止後計時部2101は、一時停止処理部218による一時停止処理の開始からの経過時間を計時する。また、一時停止後計時部2101は、所定時間が経過したことを一時停止処理部218に通知する。この所定時間は、あらかじめ定められたものであり、ユーザによって設定されたものであってもよい。
【0132】
一時停止処理部218は、本発明の第1の実施の形態における一時停止処理部118と同様に構成されるのに加えて、一時停止後計時部2101によって所定時間が経過したことを通知されると、一時停止していたロック後計時部115または削除処理部116の処理を再開させる。
【0133】
また、一時停止処理部218は、ロック後計時部115に対する一時停止処理を行うとき、その時点でのロック処理後の経過時間を、ロック後計時部115に一時記憶させておく。これにより、一時停止処理部218は、ロック後計時部115の処理を再開させるとき、一時記憶させておいた経過時間を用いて計時を再開させる。
【0134】
ステータス情報送信部2102は、自装置における処理状況を表すステータス情報を、サーバ12に対して送信する。
【0135】
ここで、ステータス情報とは、例えば、削除処理部116による削除処理の完了、一時停止処理部218による一時停止中、回復処理部119による回復処理の完了等を表す情報である。
【0136】
ステータス情報の一例を図14に示す。図14は、端末ID「PC0001」の端末が、日時「2010/xx/xx/xx:xx:xx」に「削除完了」したことを示すものである。
【0137】
次に、サーバ22の構成を図15に示す。図15において、サーバ22は、本発明の第1の実施の形態におけるサーバ12に対して、ステータス情報受信部2201と、ステータス情報送信部2202とをさらに備える点が異なる。
【0138】
ここで、サーバ22は、本発明の第1の実施の形態におけるサーバ12と同様なハードウェア構成を含むコンピュータ装置によって構成される。また、ステータス情報受信部2201およびステータス情報送信部2202は、制御部および通信モジュールによって構成される。
【0139】
ステータス情報受信部2201は、第1の端末21からステータス情報を受信する。
【0140】
ステータス情報送信部2202は、端末情報記憶部122を参照することにより、ステータス情報受信部2201によって受信されたステータス情報の送信元の第1の端末21に対応する第2の端末23を特定する。そして、ステータス情報送信部2202は、特定した第2の端末23にステータス情報を送信する。
【0141】
次に、第2の端末23の構成を図16に示す。図16において、第2の端末23は、本発明の第1の実施の形態における第2の端末13に対して、ステータス情報受信部2301と、ステータス情報提示部2302とをさらに備える点が異なる。
【0142】
ここで、第2の端末23は、本発明の第1の実施の形態における第2の端末23と同様なハードウェア構成を含むPDAや携帯電話等のコンピュータ装置によって構成される。また、ステータス情報受信部2301は、制御部および無線通信モジュールによって構成される。また、ステータス情報提示部2302は、制御部および表示装置によって構成される。
【0143】
ステータス情報受信部2301は、サーバ12からステータス情報を受信する。
【0144】
ステータス情報提示部2302は、受信されたステータス情報を表示装置等に提示する。
【0145】
以上のように構成された情報処理システム2の動作について、図17〜図19を参照して説明する。
【0146】
まず、情報処理システム2の情報漏洩防止動作の概略を図17に示す。
【0147】
図17において、情報処理システム2は、ステップS11〜S15、および、ステップS18〜S21まで本発明の第1の実施の形態としての情報処理システム1と同様に動作する。
【0148】
次に、第1の端末21は、現在位置が使用許可条件を満たさないことを表す信号を受信したと判断した場合(ステップS15でNo)、ロック・削除処理を実行する(ステップS51)。このロック・削除処理は、本発明の第1の実施の形態におけるステップS16のロック・削除処理に対して詳細が異なる。ステップS51のロック・削除処理の詳細については後述する。
【0149】
一方、第1の端末21は、現在位置が使用許可条件を満たすことを表す信号を受信したと判断した場合(ステップS15でYes)、本発明の第1の実施の形態と同様に、ロック解除・回復処理を実行する(ステップS17)。
【0150】
次に、第1の端末21のステータス情報送信部2102は、ステップS51またはステップS17の処理状況を表すステータス情報をサーバ12に対して送信する(ステップS52)。
【0151】
次に、ステータス情報を受信したサーバ12では、ステータス情報送信部2202は、第1の端末21に対応する第2の端末23に対して、ステータス情報を送信する(ステップS53)。
【0152】
次に、ステータス情報を受信した第2の端末23では、ステータス情報提示部2302は、ステータス情報を提示する(ステップS54)。
【0153】
以上で、情報処理システム2の情報漏洩防止動作の概略の説明を終了する。
【0154】
次に、ステップS51における第1の端末21のロック・削除処理について、図18および図19を参照して説明する。
【0155】
図18において、第1の端末21は、本発明の第1の実施の形態における第1の端末11と同様にステップS30〜S39まで実行した後、さらに次の動作を実行する。
【0156】
ステータス情報送信部2102は、ステップS35またはステップS39でロック後計時処理または削除処理を一時停止した後、ロック後計時処理または削除処理を一時停止したことを表すステータス情報をサーバ12に送信する(ステップS61)。
【0157】
ステップS61の実行に続いて、第1の端末21は、さらに図19に示す動作を実行する。
【0158】
図19において、一時停止後計時部2101は、一時停止処理後の経過時間の計時を開始する(ステップS71)。
【0159】
次に、一時停止後計時部2101は、使用許可状況信号受信部113によって、現在位置が使用許可条件を満たすことを表す信号が受信されたか否かを判断する(ステップS72)。
【0160】
ここで、現在位置が使用許可条件を満たすことを表す信号が受信されたと判断した場合、第1の端末21は、ロック・削除処理を終了する。
【0161】
一方、ステップS72において、現在位置が使用許可条件を満たすことを表す信号が受信されていないと判断した場合、一時停止後計時部2101は、一時停止処理後から所定時間経過したか否かを判断する(ステップS73)。
【0162】
ここで、所定時間経過していないと判断された場合、第1の端末21の処理はステップS72に戻る。
【0163】
ステップS73において、所定時間経過したと判断されると、一時停止処理部218は、ロック後計時処理を一時停止中であるか否かを判断する(ステップS74)。
【0164】
ここで、ロック後計時処理を一時停止中であると判断されると、一時停止処理部218は、ロック後計時部115に計時処理を再開させる(ステップS75)。
【0165】
次に、ステータス情報送信部2102は、ロック後の計時処理を再開したことを表すステータス情報をサーバ12に送信する(ステップS76)。
【0166】
計時処理の再開後、第1の端末21の処理は、図18のステップS33に戻る。
【0167】
一方、ステップS74において、ロック後計時処理を一時停止中でないと判断されると、一時停止処理部218は、削除処理を一時停止中であるか否かを判断する(ステップS77)。
【0168】
ここで、削除処理を一時停止中であると判断されると、一時停止処理部218は、削除処理部116に削除処理を再開させる(ステップS78)。
【0169】
次に、ステータス情報送信部2102は、削除処理を再開したことを表すステータス情報をサーバ12に送信する(ステップS79)。
【0170】
削除処理の再開後、第1の端末21の処理は、図18のステップS37に戻る。
【0171】
一方、ステップS77において、削除処理を一時停止中でないと判断された場合、第1の端末21は、ロック・削除処理を終了する。
【0172】
以上で、ステップS51におけるロック・削除処理の説明を終了する。
【0173】
次に、情報処理システム2の動作例として、第1の端末21の現在位置が使用許可条件を満たさなくなった4つのケースについて説明する。なお、以下の例では、サーバ22の使用許可条件記憶部121は、使用許可条件として使用許可エリアを記憶しているものとする。
【0174】
ケース1は、第1の端末21が盗難等により使用許可エリア外にあるケースである。この場合、第1の端末21は不正に使用される可能性が高い。ケース1における情報処理システム2の動作シーケンスを図20に示す。
【0175】
図20において、第1の端末21は、現在位置をサーバ22に送信する(ステップS11)。
【0176】
次に、現在位置を受信したサーバ22は、現在位置を第2の端末23に送信する(ステップS12)。
【0177】
次に、サーバ22は、現在位置が使用許可条件を満たさないと判断し(ステップS13)、使用許可条件を満たさないことを表す信号を第1の端末21に送信する(ステップS14)。
【0178】
次に、第1の端末21は、使用許可条件を満たさないことを表す信号を受信したと判断し(ステップS15)、ロック・削除処理を実行する(ステップS51)。
【0179】
また、現在位置を受信した第2の端末23は、現在位置を提示する(ステップS18)。このとき、現在位置の提示を確認した利用者によって、不正使用の可能性があると判断され、一時停止を指示する情報が入力されない。
【0180】
したがって、ステップS51におけるロック・削除処理は、一時停止信号を受信することなく、削除処理を完了する。
【0181】
次に、第1の端末21は、削除処理が完了したことを表すステータス情報をサーバ12に送信し(ステップS52)、サーバ12がこれを第2の端末23に送信する(ステップS53)。
【0182】
第2の端末23は、削除処理が完了したことを表すステータス情報を提示する(ステップS54)。
【0183】
以上で、ケース1における情報処理システム2の動作シーケンスの説明を終了する。
【0184】
このように、情報処理システム2は、使用許可条件を満たさなくなった時点で迅速に第1の端末21をロックし、その後所定時間経過後に第1の端末21内のデータの削除処理を行う。このため、盗難などにより不正に使用される可能性が高いケース1の場合には、第1の端末21からの情報漏洩を迅速に防止することができる。
【0185】
次に、ケース2について説明する。
【0186】
ケース2は、第1の端末21が置き忘れ等により使用許可エリア外にあるケースである。この場合、第1の端末21が不正に使用されるまでに時間的猶予があると考えることができる。ケース2における情報処理システム2の動作シーケンスを図21に示す。
【0187】
図21において、第1の端末21は、現在位置をサーバ22に送信する(ステップS11)。
【0188】
次に、現在位置を受信したサーバ22は、現在位置を第2の端末23に送信する(ステップS12)。
【0189】
次に、サーバ22は、現在位置が使用許可条件を満たさないと判断し(ステップS13)、使用許可条件を満たさないことを表す信号を第1の端末21に送信する(ステップS14)。
【0190】
次に、第1の端末21は、使用許可条件を満たさないことを表す信号を受信したと判断し(ステップS15)、ロック・削除処理を実行する(ステップS51)。
【0191】
また、現在位置を受信した第2の端末23は、現在位置を提示する(ステップS18)。このとき、現在位置の提示を確認した使用者によって、置き忘れであると判断され、一時停止を指示する情報が入力される。そして、第2の端末23は、一時停止を指示する情報を取得する(ステップS19)。
【0192】
次に、第2の端末23は、一時停止信号をサーバ22に送信する(ステップS20)。
【0193】
次に、一時停止信号を受信したサーバ22は、送信元の第2の端末23に対応する第1の端末21に対して、一時停止信号を送信する(ステップS21)。
【0194】
一時停止信号を受信した第1の端末21は、ステップS51におけるロック・削除処理を一時停止する。
【0195】
次に、第1の端末21は、ロック・削除処理の一時停止中であることを表すステータス情報をサーバ12に送信し(ステップS61)、サーバ12がこれを第2の端末23に送信する(ステップS53)。
【0196】
第2の端末23は、ロック・削除処理の一時停止中であることを表すステータス情報を提示する(ステップS54)。
【0197】
このように、情報処理システム2は、第1の端末21の現在位置が使用許可条件を満たさなくなった時点ではまず第1の端末21にロックをかけ、第1の端末21内の削除処理を開始するまでに猶予期間を設ける。そして、情報処理システム2は、一時停止信号の受信に応じて、第1の端末21のロック処理および削除処理を一時停止する。すなわち、情報処理システム2は、第1の端末21からの情報削除まで猶予期間の計時を一時停止することができるとともに、削除処理開始後にも削除処理を一時停止することができる。このため、置き忘れなどにより第1の端末21が不正に使用される可能性が低いケース2の場合には、情報処理システム2は、ロック・削除処理を一時停止して情報が削除されないようにすることができ、セキュリティの高さと引き替えに利用者の利便性を損なうことがない。
【0198】
次に、ケース3について説明する。
【0199】
ケース3は、利用者が第1の端末21を携帯しながら使用許可エリア外に出たが、その後使用許可エリア内に戻るケースである。ケース3における情報処理システム2の動作シーケンスを図22に示す。
【0200】
図22において、第1の端末21は、現在位置をサーバ22に送信する(ステップS11)。
【0201】
次に、現在位置を受信したサーバ22は、現在位置を第2の端末23に送信する(ステップS12)。
【0202】
次に、サーバ22は、現在位置が使用許可条件を満たさないと判断し(ステップS13)、使用許可条件を満たさないことを表す信号を第1の端末21に送信する(ステップS14)。
【0203】
次に、第1の端末21は、使用許可条件を満たさないことを表す信号を受信したと判断し(ステップS15)、ロック・削除処理を開始する(ステップS51)。
【0204】
一方、現在位置を受信した第2の端末23は、現在位置を提示する(ステップS18)。このとき、現在位置の提示を確認した利用者が使用許可エリアを出たことに気づき、第1の端末21と共に使用許可エリア内に戻ったと想定する。
【0205】
次に、第1の端末21は、現在位置をサーバ22に送信する(ステップS11)。
【0206】
次に、現在位置を受信したサーバ22は、現在位置を第2の端末23に送信する(ステップS12)。
【0207】
次に、サーバ22は、現在位置が使用許可条件を満たすと判断し(ステップS13)、使用許可条件を満すことを表す信号を第1の端末21に送信する(ステップS14)。
【0208】
次に、第1の端末21は、使用許可条件を満たすことを表す信号を受信したと判断し(ステップS15)、ロック解除・回復処理を実行する(ステップS17)。
【0209】
次に、第1の端末21は、回復処理が完了したことを表すステータス情報をサーバ12に送信し(ステップS52)、サーバ12がこれを第2の端末23に送信する(ステップS53)。
【0210】
第2の端末23は、回復処理が完了したことを表すステータス情報を提示する(ステップS54)。
【0211】
このように、情報処理システム2は、第1の端末21の現在位置が使用許可条件を満たさなくなった時点で、ロック・削除処理を実行するが、ロック・削除処理の実行中に第1の端末21の現在位置が使用許可条件を満たすようになれば、ロック解除・回復処理を実行する。このため、第1の端末21を携帯したまま使用者が使用許可エリアを出てしまいすぐに使用許可エリア内に戻るようなケース3の場合に、情報処理システム2は、第1の端末21から情報が削除されることがないようにすることができる。このため、情報処理システム2は、セキュリティの高さと引き替えに利用者の利便性を損なうことがない。
【0212】
次に、ケース4について説明する。
【0213】
ケース4は、ケース2で第1の端末21のロック・削除処理を一時停止させた後、所定時間が経過するまでに第1の端末21を使用許可エリア内に戻せなかった場合である。例えば、第1の端末21が、置き忘れなどにより一旦は不正に使用される可能性が低いとされたものの、その後盗難等により、不正に使用される可能性が高くなった場合等がケース4に相当する。ケース4における情報処理システム2の動作シーケンスを図23に示す。
【0214】
図23において、第1の端末21は、ステップS11〜S15、S31、S32、S35、S18〜S21まで、ケース2と同様に動作することにより、ロック処理後の計時処理を一時停止する。
【0215】
次に、第1の端末21は、ロック処理の一時停止後の計時を開始する(ステップS71)。
【0216】
そして、第1の端末21は、一時停止後所定時間経過するまでに、使用許可条件を満たすことを表す信号を受信できなかったので、ロック処理後の計時を再開する(ステップS75)。
【0217】
そして、第1の端末21は、ロック後の計時を再開したことを表すステータス情報を、サーバ12を介して第2の端末23に送信する(ステップS76、S53)。
サーバ12に対して送信する(ステップS76)。
【0218】
そして、第2の端末23は、計時を再開したことを表すステータス情報を提示する(ステップS54)。
【0219】
そして、第1の端末21は、ロック処理後所定時間経過するまでに再度一時停止信号を受信できなかったので、削除処理を開始し(ステップS36)、完了する(ステップS38)。
【0220】
第1の端末21は、削除完了を表すステータス情報を、サーバ12を介して第2の端末23に送信する(ステップS52、S53)。
【0221】
そして、第2の端末23は、削除完了を表すステータス情報を提示する(ステップS54)。
【0222】
このように、情報処理システム2は、ロック処理または削除処理の一時停止後に所定時間経過すると、一時停止した処理を再開する。このため、使用許可エリア外にある第1の端末21におけるロック・削除処理を一時停止した後、不正に使用される可能性が高くなった場合にも、第1の端末21からの情報漏洩を防止することができる。
【0223】
次に、本発明の第2の実施の形態の効果について述べる。
【0224】
本発明の第2の実施の形態としての情報処理システムは、不正使用の可能性が低い場合に使用者の利便性を損なうことなく、携帯可能な第1の端末からの情報漏洩の防止性能をさらに向上させることができる。
【0225】
その理由は、第1の端末の一時停止後計時部が、一時停止処理後の経過時間を計時し、所定時間経過後に、ロック・削除処理を再開するからである。このため、本発明の第2の実施の形態としての情報処理システムは、不正使用の可能性が低い場合には利用者の利便性を損なわないようにしながらも、不正使用の可能性が高くなった場合には、ロック・削除処理を再開して、携帯可能な第1の端末からの情報漏洩を防止することが可能だからである。
【0226】
また、本発明の第2の実施の形態としての情報処理システムは、携帯可能な第1の端末からの情報漏洩を防止する際の、利用者の利便性をさらに向上させることができる。
【0227】
その理由は、第1の端末における処理状況を表すステータス情報を、第1の端末からサーバを介して第2の端末に送信するからである。これにより、第2の端末は、第1の端末における各種処理状況を利用者に提示することができるので、利用者の利便性をさらに向上させることができる。
【0228】
なお、上述した本発明の各実施の形態において、本発明の第1の端末をノートパソコンにより構成し、第2の端末をPDAや携帯電話により構成した例について説明したが、本発明における第1および第2の端末は、携帯可能な端末であればよい。例えば、情報漏洩防止対象とする本発明の第1の端末が、PDAや携帯電話によって構成されてもよい。また、本発明の第2の端末としてノートパソコンを適用してもよい。これらの場合にも、各実施の形態は同様に説明される。
【0229】
また、上述した本発明の各実施の形態において、各フローチャートおよびシーケンス図を参照して説明したサーバ、第1の端末および第2の端末の動作を、本発明のコンピュータ・プログラムとして各装置の記憶装置(記憶媒体)に格納しておき、係るコンピュータ・プログラムを当該CPUが読み出して実行するようにしてもよい。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムのコード或いは記憶媒体によって構成される。
【0230】
また、上述した各実施の形態は、適宜組み合わせて実施されることが可能である。
【0231】
また、本発明は、上述した各実施の形態に限定されず、様々な態様で実施されることが可能である。
【0232】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末であって、
現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記現在位置をサーバに送信する現在位置送信部と、
前記現在位置があらかじめ定められた使用許可条件を満たすか否かを表す信号を前記サーバから受信する使用許可状況信号受信部と、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号の受信に応じて、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックするロック処理部と、
前記ロック処理後の経過時間を計時するロック後計時部と、
前記ロック後計時部によって所定時間計時されると、前記第1の端末内に格納されたデータの少なくとも一部を削除する削除処理部と、
前記ロック後計時部および前記削除処理部の処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記サーバから受信する一時停止信号受信部と、
前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後計時部および前記削除処理部のいずれかの処理を一時停止する一時停止処理部と、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号の受信に応じて、前記削除処理部によって削除中のデータを回復する回復処理部と、
を備えた第1の端末。
(付記2)
前記一時停止処理部による一時停止処理後からの経過時間を計時する一時停止後計時部をさらに備え、
前記一時停止処理部は、前記一時停止後計時部によって所定時間計時されると、一時停止中の処理を再開させることを特徴とする付記1に記載の第1の端末。
(付記3)
前記第1の端末が、前記サーバから前記第1の端末の現在位置を受信する第2の端末と前記サーバを介さずに通信可能な場合、
前記一時停止信号受信部は、前記一時停止信号を前記第2の端末から受信することを特徴とする付記1または付記2に記載の第1の端末。
(付記4)
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末、および、携帯可能な第2の端末と通信するサーバであって、
前記第1の端末の位置に関する使用許可条件を記憶する使用許可条件記憶部と、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を記憶する端末情報記憶部と、
前記第1の端末の現在位置を前記第1の端末から受信する現在位置受信部と、
前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断する使用許可条件判断部と、
前記使用許可条件判断部の判断結果を表す信号を、前記第1の端末に送信する使用許可状況信号送信部と、
前記端末情報記憶部を参照することにより、前記現在位置受信部によって受信された前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信する現在位置送信部と、
前記第1の端末におけるロック処理後の計時処理およびデータの削除処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記第2の端末から受信する一時停止信号受信部と、
前記端末情報記憶部を参照することにより、前記一時停止信号受信部によって受信された前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信する一時停止信号送信部と、
を備えたサーバ。
(付記5)
前記使用許可条件記憶部は、前記第1の端末の使用が許可される位置の範囲を表す使用許可エリアを前記使用許可条件として記憶し、
前記使用許可条件判断部は、前記現在位置が前記使用許可エリアに含まれるか否かを判断することを特徴とする付記4に記載のサーバ。
(付記6)
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末と通信可能なサーバと通信する携帯可能な第2の端末であって、
前記第1の端末の現在位置を前記サーバから受信する現在位置受信部と、
前記第1の端末の現在位置を提示する現在位置提示部と、
前記第1の端末におけるロック処理後の計時処理およびデータの削除処理に対する一時停止の指示を表す情報を入力装置を介して取得する一時停止指示情報取得部と、
前記一時停止の指示を表す情報の取得に応じて一時停止信号を前記サーバに送信する一時停止信号送信部と、
を備えた第2の端末。
(付記7)
前記第1の端末および前記第2の端末が前記サーバを介さずに通信可能な場合、
前記一時停止信号送信部は、前記一時停止信号を前記第1の端末に送信することを特徴とする付記6に記載の第2の端末。
(付記8)
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末と、携帯可能な第2の端末と、サーバと、を備えた情報処理システムであって、
前記第1の端末は、
現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記現在位置を前記サーバに送信する現在位置送信部と、
前記現在位置があらかじめ定められた使用許可条件を満たすか否かを表す信号を前記サーバから受信する使用許可状況信号受信部と、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号の受信に応じて、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックするロック処理部と、
前記ロック処理後の経過時間を計時するロック後計時部と、
前記ロック後計時部によって所定時間計時されると、前記第1の端末内の少なくとも一部のデータを削除する削除処理部と、
前記ロック後計時部および前記削除処理部の処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記サーバから受信する一時停止信号受信部と、
前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後計時部および前記削除処理部のいずれかの処理を一時停止する一時停止処理部と、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号の受信に応じて、前記削除処理部によって削除中のデータを回復する回復処理部と、
を有し、
前記サーバは、
前記第1の端末の位置に関する使用許可条件を記憶する使用許可条件記憶部と、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を記憶する端末情報記憶部と、
前記第1の端末から前記現在位置を受信する現在位置受信部と、
前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断する使用許可条件判断部と、
前記使用許可条件判断部の判断結果を表す信号を、前記第1の端末に送信する使用許可状況信号送信部と、
前記端末情報記憶部を参照することにより、前記現在位置受信部によって受信された前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信する現在位置送信部と、
前記一時停止信号を前記第2の端末から受信する一時停止信号受信部と、
前記端末情報記憶部を参照することにより、前記一時停止信号受信部によって受信された前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信する一時停止信号送信部と、
を有し、
前記第2の端末は、
前記第1の端末の現在位置を前記サーバから受信する現在位置受信部と、
前記第1の端末の現在位置を提示する現在位置提示部と、
前記ロック後計時処理部および前記削除処理部に対する一時停止の指示を表す情報を入力装置を介して取得する一時停止指示情報取得部と、
前記一時停止の指示を表す情報の取得に応じて前記一時停止信号を前記サーバに送信する一時停止信号送信部と、
を有する情報処理システム。
(付記9)
前記サーバの前記使用許可条件記憶部は、前記第1の端末の使用が許可される位置の範囲を表す使用許可エリアを前記使用許可条件として記憶し、
前記使用許可条件判断部は、前記現在位置が前記使用許可エリアに含まれるか否かを判断することを特徴とする付記8に記載の情報処理システム。
(付記10)
前記第1の端末は、
前記一時停止処理部による一時停止処理後からの経過時間を計時する一時停止後計時部をさらに有し、
前記一時停止処理部は、前記一時停止後計時部によって所定時間計時されると、一時停止中の処理を再開させることを特徴とする付記8または付記9に記載の情報処理システム。
(付記11)
前記第1の端末および前記第2の端末が前記サーバを介さずに通信可能な場合、
前記第2の端末の一時停止信号送信部は、前記一時停止信号を前記第1の端末に送信し、
前記第1の端末の一時停止信号受信部は、前記一時停止信号を前記第2の端末から受信することを特徴とする付記8から付記10のいずれかに記載の情報処理システム。
(付記12)
前記第1の端末は、
自装置における処理状況を表すステータス情報を前記サーバに送信するステータス情報送信部をさらに有し、
前記サーバは、
前記第1の端末から前記ステータス情報を受信するステータス情報受信部と、
前記端末情報記憶部を参照することにより、前記ステータス情報受信部によって受信された前記ステータス情報の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、前記ステータス情報を送信するステータス情報送信部と、
をさらに有し、
前記第2の端末は、
前記サーバから前記ステータス情報を受信するステータス情報受信部と、
前記ステータス情報を提示するステータス情報提示部と、
をさらに有することを特徴とする付記8から付記11のいずれかに記載の情報処理システム。
(付記13)
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末と、携帯可能な第2の端末と、サーバとを用いて、
前記第1の端末は、
現在位置を取得し、
前記現在位置を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記第1の端末の位置に関する使用許可条件をあらかじめ記憶しておき、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係をあらかじめ記憶しておき、
前記第1の端末から前記現在位置を受信し、
前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断し、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを表す信号を、前記第1の端末に送信し、
前記第1の端末は、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを表す信号を前記サーバから受信し、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号を受信した場合、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックし、
前記ロック処理後の経過時間を計時し、
前記ロック後に所定時間計時されると、前記第1の端末内の少なくとも一部のデータを削除し、
前記サーバは、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を参照することにより、受信した前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信し、
前記第2の端末は、
前記第1の端末の現在位置を前記サーバから受信し、
前記第1の端末の現在位置を提示し、
前記ロック処理後の計時処理および前記削除処理に対する一時停止の指示を表す情報を入力装置を介して取得し、
前記一時停止の指示を表す情報の取得に応じて一時停止信号を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記一時停止信号を前記第2の端末から受信し、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を参照することにより、受信した前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信し、
前記第1の端末は、
前記一時停止信号を前記サーバから受信し、
前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後の計時処理および前記削除処理のいずれかを一時停止し、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号を受信した場合、前記削除処理において削除中のデータを回復する、情報処理方法。
(付記14)
前記サーバは、前記第1の端末の使用が許可される位置の範囲を表す使用許可エリアを前記使用許可条件として記憶しておき、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断する際に、前記現在位置が前記使用許可エリアに含まれるか否かを判断することを特徴とする付記13に記載の情報処理方法。
(付記15)
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末に、
現在位置を取得する現在位置取得ステップと、
前記現在位置をサーバに送信する現在位置送信ステップと、
前記現在位置があらかじめ定められた使用許可条件を満たすか否かを表す信号を受信する使用許可状況信号受信ステップと、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号の受信に応じて、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックするロック処理ステップと、
前記ロック処理後の経過時間を計時するロック後計時ステップと、
前記ロック後計時ステップにおいて所定時間計時されると、前記第1の端末内に格納されたデータの少なくとも一部を削除する削除処理ステップと、
前記ロック後計時ステップおよび前記削除処理ステップの処理の一時停止を指示する一時停止信号を受信する一時停止信号受信ステップと、
前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後計時ステップおよび前記削除処理ステップのいずれかにおける処理を一時停止する一時停止処理ステップと、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号の受信に応じて、前記削除処理ステップにおいて削除中のデータを回復する回復処理ステップと、
を実行させるコンピュータ・プログラム。
(付記16)
前記一時停止処理ステップにおける一時停止処理後からの経過時間を計時する一時停止後計時ステップをさらに前記第1の端末に実行させ、
前記一時停止後計時ステップにおいて所定時間計時されると、一時停止中の処理を再開させることを特徴とする付記15に記載のコンピュータ・プログラム。
(付記17)
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末、および、携帯可能な第2の端末と通信するサーバに、
前記第1の端末の位置に関する使用許可条件を記憶する使用許可条件記憶ステップと、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を記憶する端末情報記憶ステップと、
前記第1の端末から前記現在位置を受信する現在位置受信ステップと、
前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断する使用許可条件判断ステップと、
前記使用許可条件判断ステップにおける判断結果を表す信号を、前記第1の端末に送信する使用許可状況信号送信ステップと、
前記第1の端末および前記第2の端末の前記対応関係を参照することにより、前記現在位置受信ステップにおいて受信された前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信する現在位置送信ステップと、
前記第1の端末におけるロック処理後の計時処理およびデータの削除処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記第2の端末から受信する一時停止信号受信ステップと、
前記第1の端末および前記第2の端末の前記対応関係を参照することにより、前記一時停止信号受信ステップにおいて受信された前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信する一時停止信号送信ステップと、
を実行させるコンピュータ・プログラム。
(付記18)
前記使用許可条件記憶ステップにおいて、前記第1の端末の使用が許可される位置の範囲を表す使用許可エリアを前記使用許可条件として記憶し、
前記使用許可条件判断ステップにおいて、前記現在位置が前記使用許可エリアに含まれるか否かを判断することを特徴とする付記17に記載のコンピュータ・プログラム。
(付記19)
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末と通信可能なサーバと通信する携帯可能な第2の端末に、
前記第1の端末の現在位置を前記サーバから受信する現在位置受信ステップと、
前記第1の端末の現在位置を提示する現在位置提示ステップと、
前記第1の端末におけるロック処理後の計時処理およびデータの削除処理に対する一時停止の指示を表す情報を入力装置を介して取得する一時停止指示情報取得ステップと、
前記一時停止の指示を表す情報の取得に応じて前記一時停止信号を前記サーバに送信する一時停止信号送信ステップと、
を実行させるコンピュータ・プログラム。
【符号の説明】
【0233】
1、2 情報処理システム
9 ネットワーク
11、21 第1の端末
12、22 サーバ
13、23 第2の端末
111 現在位置取得部
112 現在位置送信部
113 使用許可状況受信部
113 使用許可状況信号受信部
114 ロック処理部
115 ロック後計時部
116 削除処理部
117 一時停止信号受信部
118、218 一時停止処理部
119 回復処理部
121 使用許可条件記憶部
122 端末情報記憶部
123 現在位置受信部
124 使用許可条件判断部
125 使用許可状況信号送信部
126 現在位置送信部
127 一時停止信号受信部
128 一時停止信号送信部
131 現在位置受信部
132 現在位置提示部
133 一時停止指示情報取得部
134 一時停止信号送信部
2101 一時停止後計時部
2102 ステータス情報送信部
2201 ステータス情報受信部
2202 ステータス情報送信部
2301 ステータス情報受信部
2302 ステータス情報提示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末であって、
現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記現在位置をサーバに送信する現在位置送信部と、
前記現在位置があらかじめ定められた使用許可条件を満たすか否かを表す信号を前記サーバから受信する使用許可状況信号受信部と、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号の受信に応じて、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックするロック処理部と、
前記ロック処理後の経過時間を計時するロック後計時部と、
前記ロック後計時部によって所定時間計時されると、前記第1の端末内に格納されたデータの少なくとも一部を削除する削除処理部と、
前記ロック後計時部および前記削除処理部の処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記サーバから受信する一時停止信号受信部と、
前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後計時部および前記削除処理部のいずれかの処理を一時停止する一時停止処理部と、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号の受信に応じて、前記削除処理部によって削除中のデータを回復する回復処理部と、
を備えた第1の端末。
【請求項2】
前記一時停止処理部による一時停止処理後からの経過時間を計時する一時停止後計時部をさらに備え、
前記一時停止処理部は、前記一時停止後計時部によって所定時間計時されると、一時停止中の処理を再開させることを特徴とする請求項1に記載の第1の端末。
【請求項3】
前記第1の端末が、前記サーバから前記第1の端末の現在位置を受信する第2の端末と前記サーバを介さずに通信可能な場合、
前記一時停止信号受信部は、前記一時停止信号を前記第2の端末から受信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の第1の端末。
【請求項4】
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末、および、携帯可能な第2の端末と通信するサーバであって、
前記第1の端末の位置に関する使用許可条件を記憶する使用許可条件記憶部と、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を記憶する端末情報記憶部と、
前記第1の端末の現在位置を前記第1の端末から受信する現在位置受信部と、
前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断する使用許可条件判断部と、
前記使用許可条件判断部の判断結果を表す信号を、前記第1の端末に送信する使用許可状況信号送信部と、
前記端末情報記憶部を参照することにより、前記現在位置受信部によって受信された前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信する現在位置送信部と、
前記第1の端末におけるロック処理後の計時処理およびデータの削除処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記第2の端末から受信する一時停止信号受信部と、
前記端末情報記憶部を参照することにより、前記一時停止信号受信部によって受信された前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信する一時停止信号送信部と、
を備えたサーバ。
【請求項5】
前記使用許可条件記憶部は、前記第1の端末の使用が許可される位置の範囲を表す使用許可エリアを前記使用許可条件として記憶し、
前記使用許可条件判断部は、前記現在位置が前記使用許可エリアに含まれるか否かを判断することを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末と通信可能なサーバと通信する携帯可能な第2の端末であって、
前記第1の端末の現在位置を前記サーバから受信する現在位置受信部と、
前記第1の端末の現在位置を提示する現在位置提示部と、
前記第1の端末におけるロック処理後の計時処理およびデータの削除処理に対する一時停止の指示を表す情報を入力装置を介して取得する一時停止指示情報取得部と、
前記一時停止の指示を表す情報の取得に応じて一時停止信号を前記サーバに送信する一時停止信号送信部と、
を備えた第2の端末。
【請求項7】
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末と、携帯可能な第2の端末と、サーバと、を備えた情報処理システムであって、
前記第1の端末は、
現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記現在位置を前記サーバに送信する現在位置送信部と、
前記現在位置があらかじめ定められた使用許可条件を満たすか否かを表す信号を前記サーバから受信する使用許可状況信号受信部と、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号の受信に応じて、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックするロック処理部と、
前記ロック処理後の経過時間を計時するロック後計時部と、
前記ロック後計時部によって所定時間計時されると、前記第1の端末内の少なくとも一部のデータを削除する削除処理部と、
前記ロック後計時部および前記削除処理部の処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記サーバから受信する一時停止信号受信部と、
前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後計時部および前記削除処理部のいずれかの処理を一時停止する一時停止処理部と、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号の受信に応じて、前記削除処理部によって削除中のデータを回復する回復処理部と、
を有し、
前記サーバは、
前記第1の端末の位置に関する使用許可条件を記憶する使用許可条件記憶部と、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を記憶する端末情報記憶部と、
前記第1の端末から前記現在位置を受信する現在位置受信部と、
前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断する使用許可条件判断部と、
前記使用許可条件判断部の判断結果を表す信号を、前記第1の端末に送信する使用許可状況信号送信部と、
前記端末情報記憶部を参照することにより、前記現在位置受信部によって受信された前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信する現在位置送信部と、
前記一時停止信号を前記第2の端末から受信する一時停止信号受信部と、
前記端末情報記憶部を参照することにより、前記一時停止信号受信部によって受信された前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信する一時停止信号送信部と、
を有し、
前記第2の端末は、
前記第1の端末の現在位置を前記サーバから受信する現在位置受信部と、
前記第1の端末の現在位置を提示する現在位置提示部と、
前記ロック後計時処理部および前記削除処理部に対する一時停止の指示を表す情報を入力装置を介して取得する一時停止指示情報取得部と、
前記一時停止の指示を表す情報の取得に応じて前記一時停止信号を前記サーバに送信する一時停止信号送信部と、
を有する情報処理システム。
【請求項8】
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末と、携帯可能な第2の端末と、サーバとを用いて、
前記第1の端末は、
現在位置を取得し、
前記現在位置を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記第1の端末の位置に関する使用許可条件をあらかじめ記憶しておき、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係をあらかじめ記憶しておき、
前記第1の端末から前記現在位置を受信し、
前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断し、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを表す信号を、前記第1の端末に送信し、
前記第1の端末は、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを表す信号を前記サーバから受信し、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号を受信した場合、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックし、
前記ロック処理後の経過時間を計時し、
前記ロック後に所定時間計時されると、前記第1の端末内の少なくとも一部のデータを削除し、
前記サーバは、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を参照することにより、受信した前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信し、
前記第2の端末は、
前記第1の端末の現在位置を前記サーバから受信し、
前記第1の端末の現在位置を提示し、
前記ロック処理後の計時処理および前記削除処理に対する一時停止の指示を表す情報を入力装置を介して取得し、
前記一時停止の指示を表す情報の取得に応じて一時停止信号を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記一時停止信号を前記第2の端末から受信し、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を参照することにより、受信した前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信し、
前記第1の端末は、
前記一時停止信号を前記サーバから受信し、
前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後の計時処理および前記削除処理のいずれかを一時停止し、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号を受信した場合、前記削除処理において削除中のデータを回復する、情報処理方法。
【請求項9】
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末に、
現在位置を取得する現在位置取得ステップと、
前記現在位置をサーバに送信する現在位置送信ステップと、
前記現在位置があらかじめ定められた使用許可条件を満たすか否かを表す信号を受信する使用許可状況信号受信ステップと、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たさないことを表す信号の受信に応じて、前記第1の端末の少なくとも一部の機能が動作しないようロックするロック処理ステップと、
前記ロック処理後の経過時間を計時するロック後計時ステップと、
前記ロック後計時ステップにおいて所定時間計時されると、前記第1の端末内に格納されたデータの少なくとも一部を削除する削除処理ステップと、
前記ロック後計時ステップおよび前記削除処理ステップの処理の一時停止を指示する一時停止信号を受信する一時停止信号受信ステップと、
前記一時停止信号の受信に応じて、前記ロック後計時ステップおよび前記削除処理ステップのいずれかにおける処理を一時停止する一時停止処理ステップと、
前記現在位置が前記使用許可条件を満たすことを表す信号の受信に応じて、前記削除処理ステップにおいて削除中のデータを回復する回復処理ステップと、
を実行させるコンピュータ・プログラム。
【請求項10】
情報漏洩防止対象となる携帯可能な第1の端末、および、携帯可能な第2の端末と通信するサーバに、
前記第1の端末の位置に関する使用許可条件を記憶する使用許可条件記憶ステップと、
前記第1の端末および前記第2の端末の対応関係を記憶する端末情報記憶ステップと、
前記第1の端末から前記現在位置を受信する現在位置受信ステップと、
前記第1の端末の現在位置が前記使用許可条件を満たすか否かを判断する使用許可条件判断ステップと、
前記使用許可条件判断ステップにおける判断結果を表す信号を、前記第1の端末に送信する使用許可状況信号送信ステップと、
前記第1の端末および前記第2の端末の前記対応関係を参照することにより、前記現在位置受信ステップにおいて受信された前記現在位置の送信元の第1の端末に対応する第2の端末に、該現在位置を送信する現在位置送信ステップと、
前記第1の端末におけるロック処理後の計時処理およびデータの削除処理の一時停止を指示する一時停止信号を前記第2の端末から受信する一時停止信号受信ステップと、
前記第1の端末および前記第2の端末の前記対応関係を参照することにより、前記一時停止信号受信ステップにおいて受信された前記一時停止信号の送信元の第2の端末に対応する第1の端末に、該一時停止信号を送信する一時停止信号送信ステップと、
を実行させるコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−105163(P2012−105163A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253362(P2010−253362)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】