説明

情報処理システム、サーバ装置およびその制御方法、ならびに、クライアント端末およびその制御方法

【課題】クライアント端末から起動されるサーバ側のアプリケーションに対してクライアント装置側の起動制限情報を容易に適用可能にする。
【解決手段】クライアント端末30は、サーバ装置と接続すると、クライアント端末30が持つ個別機能に対して設定された機能制限情報を機能別設定テーブル106から読み出して、サーバ装置に送信する。サーバ装置は、受信された機能制限情報を、クライアント端末30が持つ個別機能とサーバ装置が持つアプリケーションとの対応関係を示す変換テーブルに基づき、サーバ装置が持つアプリケーションの機能制限情報に変換する。クライアント端末30からネットワークを介してサーバ装置が持つアプリケーションを起動すると、起動されたアプリケーションの機能が、変換テーブルに基づき変換された機能制限情報に基づき制限される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、サーバ装置およびその制御方法、ならびに、クライアント端末およびその制御方法に関し、特には、クライアント端末からサーバ装置のアプリケーションを起動可能な情報処理システム、サーバ装置およびその制御方法、ならびに、クライアント端末およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、表示画面をテレビジョン受像機に出力し、リモートコントロールコマンダ(以下、リモコンと略称する)や、有線または無線のコントローラで操作するセットトップボックス装置が一般家庭に普及している。このようなセットトップボックス装置の代表的な例として、家庭用ゲーム機が挙げられる。
【0003】
さらに近年では、このようなセットトップボックス装置の高機能化が進み、家庭用ゲーム機であっても、ゲームを実行する以外の多様な機能が搭載されている。例えば、家庭用ゲーム機の中には、映像コンテンツを格納したDVDを再生したり、インターネット接続機能と簡易ブラウザ機能とを有し、インターネット上のウェブサイトを簡易的にブラウズすることができる機種も存在する。
【0004】
このように多様な機能を有する装置を子供などに自由に使わせることは、教育上の観点からも、セキュリティの観点からも好ましくないと考えられている。そのため、子供などが使用するときに、機能に何らかの制限をかけることが望まれる。
【0005】
そこで、高機能な家庭用ゲーム機では、例えば、ゲームソフトに各種レーティングを設定しておき、本体の設定に、利用を許可するレーティングレベルを設定できるようになっている。また、市販の映像コンテンツの再生について、映像コンテンツに設定されたレーティングに応じて再生の許可および不許可を制御することができる機種や、インターネットに対するアクセスを禁止することができる機種もある。特許文献1および特許文献2には、レーティングに応じたアクセス規制に関する技術が記載されている。
【0006】
一方、ネットワークに接続した複数の情報機器を協調動作させる分散システム技術の一種である、リモートデスクトップ技術の普及が進んでいる。このリモートデスクトップ技術によれば、サーバ装置上で動作するアプリケーションの画面情報をサーバ装置からクライアント装置に送信し、クライアント装置は、受信した情報に基づきユーザインターフェイス画面を生成し表示することが可能となる。
【0007】
また、クライアント装置は、ユーザ操作入力に応じて画面情報に従った応答画面を作成して画面表示を更新すると共に、ユーザ操作入力に応じたユーザ操作イベントをサーバ装置に送信する。サーバ装置側では、受信したユーザ操作イベントが、サーバ装置上のアプリケーションにより解釈され処理される。特許文献3には、リモートデスクトップ技術に関して記載されている。
【0008】
さらに、このようなリモートデスクトップ技術を応用し、家庭用ゲーム機にリモートデスクトップのクライアント機能を導入した製品も出現している。このような家庭用ゲーム機の一例として、米国マイクロソフト社のXBOX360(登録商標)がある。
【0009】
このような、リモートデスクトップ技術が導入された家庭用ゲーム機において、ユーザは、例えば当該家庭用ゲーム機の操作用コントローラなどを操作して、サーバ装置としてのパーソナルコンピュータとネットワークを介して接続する。パーソナルコンピュータとの接続後、クライアント装置としての家庭用ゲーム機は、パーソナルコンピュータ上で実行されるサーバアプリケーションのユーザインターフェイス装置として動作することが可能となる。
【0010】
すなわち、家庭用ゲーム機のリモコンやコントローラの操作情報は、ネットワークを介してパーソナルコンピュータに送られ、当該パーソナルコンピュータ上のサーバアプリケーションに渡される。また、パーソナルコンピュータ上のサーバアプリケーションが生成する画面情報は、ネットワークを介して当該家庭用ゲーム機に送信される。当該家庭用ゲーム機は、受信した画面情報に基づいて表示画面を生成し、テレビジョン受像機に表示する。
【0011】
これにより、家庭用ゲーム機において、例えばサーバメニューから起動するアプリケーションを選択でき、リモートデスクトップ機能に対応したアプリケーションをサーバ装置であるパーソナルコンピュータ上で起動させることができる。そして、その操作画面をテレビジョン受像機に表示し、当該家庭用ゲーム機のリモコンやコントローラなどで、パーソナルコンピュータ上で動作するサーバアプリケーションを制御することができる。このように、リモートデスクトップ技術が導入された家庭用ゲーム機は、サーバ装置のリモート操作端末として利用することができる。
【0012】
【特許文献1】特開2002−63170号公報
【特許文献2】特開2005−115928号公報
【特許文献3】特開2007−11531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の技術による、リモートデスクトップ技術が導入された例えば家庭用ゲーム機といったクライアント装置は、サーバ装置のリモート操作端末として利用する場合に、下記のような問題点があった。
【0014】
クライアント装置をサーバ装置のリモート操作端末として用いて起動されたアプリケーションは、サーバ装置上で実行される。そのため、起動されたアプリケーションに対して、ローカルすなわちクライアント装置のアプリケーション用に設定された各種の規制情報や、アプリケーションの起動制限情報が反映されないという問題点があった。このような状態で、子供などがクライアント装置としての家庭用ゲーム機を使用することは、好ましくないと考えられる。
【0015】
また、クライアント装置に対するアプリケーションの起動制限や規制情報を、サーバ装置上に設定することは、従来においても可能である。ところが、例えばネットワークに複数台のサーバ装置が接続されるような場合、個々のサーバ装置の管理者がそれぞれ個別に設定を行う必要があり、手間がかるという問題点があった。さらに、従来では、ネットワークに複数台のクライアント装置が接続されているような場合に、クライアント装置毎に設定を変えることができないという問題点があった。
【0016】
したがって、本発明の目的は、クライアント装置から起動されるサーバ側のアプリケーションに対してクライアント装置側の起動制限情報を容易に適用可能な情報処理システム、サーバ装置およびその制御方法、ならびに、クライアント端末およびその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決するために、第1の発明は、サーバ装置のアプリケーションソフトウェアをクライアント端末からネットワークを介して起動可能な情報処理システムであって、クライアント端末は、サーバ装置で起動されるアプリケーションソフトウェアの機能を制限する機能制限情報が格納される機能制限情報格納手段と、サーバ装置と通信可能になったら、機能制限情報格納手段に格納される機能制限情報をネットワークを介してサーバ装置に送信する機能制限情報送信手段と、ユーザ操作を受け付ける操作受け付け手段と、操作受け付け手段に受け付けられたユーザ操作に応じて、アプリケーションソフトウェアの起動要求をネットワークを介してサーバ装置に送信する要求手段と、ネットワークを介してサーバ装置から送信された、サーバ装置で起動されたアプリケーションソフトウェアの出力を受信する受信手段とを有し、サーバ装置は、アプリケーションソフトウェアが登録されるアプリケーション登録手段と、機能制限情報を受信する機能制限情報受信手段と、アプリケーション登録手段に登録されるアプリケーションソフトウェアの起動要求を受信する要求受信手段と、要求受信手段で受信された起動要求に応じたアプリケーションソフトウェアの起動を、機能制限情報受信手段で受信された機能制限情報に基づき制御する起動制御手段と、起動制御手段で起動されたアプリケーションソフトウェアの出力を、ネットワークを介してクライアント端末に送信する出力送信手段とを有することを特徴とする情報処理システムである。
【0018】
また、第2の発明は、サーバ装置のアプリケーションソフトウェアをクライアント端末からネットワークを介して起動可能な情報処理システムであって、クライアント端末は、アプリケーション機能を提供する機能提供手段と、機能提供手段で提供されるアプリケーション機能を制限する機能制限情報が格納される機能制限情報格納手段と、サーバ装置と通信可能になったら、機能制限情報格納手段に格納される機能制限情報をネットワークを介してサーバ装置に送信する機能制限情報送信手段と、ユーザ操作を受け付ける操作受け付け手段と、操作受け付け手段に受け付けられたユーザ操作に応じて、アプリケーションソフトウェアの起動要求をネットワークを介してサーバ装置に送信する要求手段と、ネットワークを介してサーバ装置から送信された、サーバ装置で起動されたアプリケーションソフトウェアの出力を受信する受信手段とを有し、サーバ装置は、アプリケーションソフトウェアが登録されるアプリケーション登録手段と、アプリケーション機能とアプリケーションソフトウェアとの対応関係を示す情報が格納される変換テーブルと、機能制限情報を受信する機能制限情報受信手段と、変換テーブルに格納される情報に基づき、機能制限情報受信手段で受信された機能制限情報をアプリケーションソフトウェアの機能制限情報に変換する変換手段と、アプリケーション登録手段に登録されるアプリケーションソフトウェアの起動要求を受信する要求受信手段と、要求受信手段で受信された起動要求に応じたアプリケーションソフトウェアの起動を、変換手段で変換された機能制限情報に基づき制御する起動制御手段と、起動制御手段で起動されたアプリケーションソフトウェアの出力を、ネットワークを介してクライアント端末に送信する出力送信手段とを有することを特徴とする情報処理システムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、上述した構成を有するため、クライアント装置から起動されるサーバ側のアプリケーションに対してクライアント装置側の起動制限情報を容易に適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に適用可能な情報処理システムの一例を示す。この情報処理システムは、屋内にLAN環境を構築し、複数台のサーバ装置およびクライアント装置を互いに通信可能なようにLAN接続してなる。図1において、建物10は、複数の部屋11、12、13および14を有する。この図1の例では、部屋11が子供部屋、部屋12が書斎、部屋13がリビング、部屋14がキッチンであるものとする。部屋11は、子供が主に使用し、部屋12および14は、大人が主に使用する。また、部屋13は、不特定の人物が使用する。
【0021】
建物10内において、部屋11〜14に屋内LAN20が導入されている。また、部屋11、12および13には、本第1の実施形態によるクライアント端末30、31および32、ならびに、テレビジョン受像機40、41および42がそれぞれ設置されている。テレビジョン受像機40、41および42は、それぞれクライアント端末30、31および32に接続され、クライアント端末30、31および32は、それぞれ屋内LAN20に接続されている。
【0022】
また、部屋11、12および14に、本第1の実施形態によるサーバ機能を有するコンピュータであるサーバ装置50、51および52が設置されている。サーバ装置50、51および52は、それぞれ屋内LAN20に接続される。屋内LAN20は、ゲートウェイ60を介して外部のネットワーク61に接続される。外部のネットワーク61は、例えばインターネットである。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施形態によるクライアント端末30の一例の構成を示す。なお、上述のクライアント端末30、31および32は、同一の構成とすることができる。以下では、特に記載のない限り、クライアント端末30を代表として説明する。制御部110は、例えばCPU、ROMおよびRAMを有し、ROMに格納されたプログラムに従い、RAMをワークメモリとして用いて動作し、クライアント端末30の全体を制御する。
【0024】
プログラムは、ROMに予め格納されるのに限らず、後述する通信インターフェイス105によりネットワーク61から取得してもよいし、図示されないドライブ部でDVDやCD−ROMといった記録媒体から読み出すことで取得してもよい。このように取得されたプログラムは、例えば図示されないハードディスクに記憶され、必要に応じてCPUに読み出される。
【0025】
制御部110は、主制御部100、機能提供部101およびRDPクライアント機能部102の3つのサブブロックをさらに有する。これらのサブブロックは、制御部110のCPU上でプログラムを動作させることによって構成してもよいし、それぞれハードウェアで構成することも可能である。主制御部100は、例えば上述のCPU、ROMおよびRAMからなり、機能提供部101およびRDPクライアント機能部102を制御する。
【0026】
機能提供手段としての機能提供部101は、このクライアント端末30がサーバ装置50、51および52に接続しない状態で動作するときのアプリケーション機能である各種個別機能を提供する。この図2の例では、機能提供部101は、簡易ブラウザ機能、ネットワークTV機能および動画再生機能を個別機能として提供する。個別機能は、これらに限らず、例えば音楽再生機能、ゲーム機能など他の機能を含むことができる。これらの個別機能は、例えば後述する通信インターフェイス105を用いてネットワーク61との間で通信を行うことで取得する情報に基づき、それぞれの表示などが行われる。
【0027】
RDPクライアント機能部102は、機能制限情報送信手段、要求手段および受信手段としての機能を持つ。RDPクライアント機能部102は、このクライアント端末30をサーバ装置に接続して、当該クライアント端末30をサーバの遠隔ユーザインターフェイスとして使用する場合のリモートデスクトッププロトコル(以下、RDPと略称する)を提供する。
【0028】
RDPは、TCP/IPの上位プロトコルで、Windows2000(登録商標)やその後継OSなどのターミナルサービスを用いてクライアント端末がサーバ装置に接続して処理を行う際に、クライアント端末とサーバ装置との間の通信に使われる。RDPは、主に、クライアント端末に対するユーザ入力をサーバ装置に伝えたり、サーバ装置がクライアント端末に画面情報を送信するために用いられる。
【0029】
制御部110に対して、表示インターフェイス(I/F)103、操作インターフェイス104、通信インターフェイス105およびUSBインターフェイス109が接続される。
【0030】
表示インターフェイス103は、制御部110が生成した画面イメージを、テレビジョン受像機に出力させるためのインターフェイスである。例えば、制御部110は、コマンドなどに応じて画面イメージを生成し、この画面イメージを表示させるための表示制御信号を出力する。この表示制御信号は、表示インターフェイス103に供給され、テレビジョン受像機などの実際の表示デバイスに表示を行うための表示信号に変換されて出力される。
【0031】
操作受け付け手段としての操作インターフェイス104は、ユーザ操作を受け付けるためのインターフェイスである。操作インターフェイス104は、例えばリモコン130からユーザ操作に応じて送信された赤外線信号を受信し、主制御部100に対するコマンドに変換して出力する。すなわち、リモコン130は、ユーザ操作に応じた制御信号を赤外線信号に変調して送信する。操作インターフェイス104は、この赤外線信号を受信して復調し、制御信号を抽出する。この制御信号が操作インターフェイス104から主制御部100に渡される。これに限らず、操作インターフェイス104は、有線で接続されたコントローラから、ユーザ操作に応じて送信されたコマンドを受信するようにしてもよい。
【0032】
通信インターフェイス105は、屋内LAN20に対するインターフェイスであって、屋内LAN20に接続されるサーバ装置50、51および52、ならびに、ゲートウェイ60およびゲートウェイ60を介してなされるネットワーク61との通信を制御する。USBインターフェイス109は、USBに対応する外部機器を接続するためのインターフェイスである。USBに対応する外部機器としては、例えばディジタルスチルカメラが挙げられる。外部機器とのインターフェイスは、USBに限らず、例えばIEEE1394によるインターフェイスを設けてもよい。
【0033】
制御部110に対して、サーバ情報格納部120および機能別設定テーブル106がさらに接続される。これらサーバ情報格納部120や機能別設定テーブル106は、実際には、このクライアント端末30に設けられた図示されないハードディスクや不揮発性メモリの所定領域である。サーバ情報格納部120は、このクライアント端末30を、サーバ装置50、51および52に接続して使用する際の、サーバ装置に関する情報を格納する。サーバ情報格納部120は、接続するサーバ装置50、51および52の情報を格納しておく接続先設定情報107と、サーバ装置50、51および52とのRDP認証情報108とが格納される。
【0034】
機能制限情報格納手段としての機能別設定テーブル106は、上述した機能提供部101により提供される個別機能それぞれの設定情報が格納される。機能別設定テーブル106に格納される設定情報の具体的な例については、後述する。
【0035】
図3は、本発明の第1の実施形態によるサーバ装置50の一例の構成を示す。なお、上述のサーバ装置50、51および52は、同一の構成とすることができる。以下では、特に記載のない限り、サーバ装置50を代表として説明する。RDPサーバ部200は、クライアント端末30、31および32にサーバ機能を提供する。
【0036】
機能制限情報受信手段、要求受信手段および出力送信手段としてのRDPサーバ部200に対して、通信インターフェイス201、RDP認証情報格納部202が接続される。通信インターフェイス201は、屋内LAN20に対するインターフェイスであって、屋内LAN20に接続されるクライアント端末30、31および32、ならびに、ゲートウェイ60およびゲートウェイ60を介してなされるネットワーク61との通信を制御する。RDP認証情報格納部202は、RDPによる接続要求があるクライアント端末を認証するための認証情報が格納される。
【0037】
アプリケーション登録手段としてのアプリケーション登録部203は、クライアント端末30、31および32からのメニュー操作により起動されるアプリケーションソフトウェアであるアプリケーション#1、#2、…、#nが登録される。以下では、アプリケーション登録部203に登録されるアプリケーションソフトウェアを、サーバアプリケーションと呼ぶ。RDPサーバ部200に対して、アプリケーション登録部203に登録される各アプリケーション#1、#2、…、#nの出力が供給される。各アプリケーション#1、#2、…、#nそれぞれの起動設定は、アプリケーション設定部204に設定#1、#2、…、#nとして保存されている。
【0038】
変換手段としての設定変換部205は、クライアント端末30、31および32から受信されRDPサーバ部200に入力される設定情報に基づき各アプリケーション#1、#2、…、#nに対する設定を生成する。生成された設定情報は、アプリケーション設定部204の対応する設定#1、#2、…、#nとして保存される。設定変換部205における設定情報の生成方法は、変換テーブル206に格納される。変換テーブル206に格納される具体的なデータの例は、後述する。
【0039】
接続クライアント情報一時格納部210は、クライアント端末30、31および32との接続時に、接続されたクライアント端末に関する情報を一時的に格納する。接続クライアント情報一時格納部210は、接続されたクライアント端末に関し、クライアント端末に関する接続クライアント情報207と、当該クライアント端末から取得する設定情報208とを一時的に格納する。
【0040】
なお、サーバ装置50は、実際には、一般的なコンピュータと同等の構成とされ、CPU、ROMおよびRAMを有すると共に、ハードディスクなどの記憶媒体と、記録媒体からのデータ読み出しを行うドライブ部とを有する(図示しない)。起動制御手段としてのCPUは、ROMやハードディスクからプログラムを読み出し、RAMをワークメモリとしてこのサーバ装置50を制御する。上述のRDPサーバ部200、アプリケーション登録部203、アプリケーション設定部204および設定変換部205は、それぞれCPU上で動作するプログラムにより構成することができる。
【0041】
プログラムは、ROMに予め格納してもよいし、通信インターフェイス201によりネットワーク61から取得することもできる。ドライブ部でDVDやCD−ROMといった記録媒体から読み出すことで取得してもよい。
【0042】
先ず、クライアント端末単独での動作について、概略的に説明する。一例として、ユーザがリビングである部屋13に設置されたテレビジョン受像機42およびクライアント端末32を起動させ、テレビジョン受像機42の入力を、クライアント端末32の出力を選択するように切り替えた場合について考える。クライアント端末32は、起動されると、制御部110においてメニュー画面を表示するための表示信号が生成される。この表示信号は、表示インターフェイス103から出力され、テレビジョン受像機42に供給される。テレビジョン受像機42の画面には、クライアント端末32によるメニュー画面が表示される。
【0043】
例えば、クライアント端末32のリモコン130に対して、メニュー画面からブラウザ起動を選択するような操作を行うと、操作に応じた制御信号が変調された赤外線信号がリモコン130から送信される。この赤外線信号は、操作インターフェイス104に受信されて復調され、制御信号が抽出される。制御信号は、操作インターフェイス104から主制御部100に渡される。主制御部100は、この制御信号に従い機能提供部101内の個別機能である簡易ブラウザ機能を起動する。起動された簡易ブラウザ機能は、機能別設定テーブル106からブラウザ用の設定を読み込み、この設定に従って動作を開始する。
【0044】
図4は、機能別設定テーブル106に格納される設定情報の例を示す。機能別設定テーブル106には、機能制限情報およびアクセス制限情報としての、クライアント端末30の各個別機能に対して設定される許可属性と、コンテンツの内容に応じた規制レベル(レーティング)の設定が格納される。
【0045】
図4(a)は、クライアント端末30の個別機能に対して設定される許可属性の例を示す。クライアント端末30に接続したディジタルカメラに対して、画像データのスライドショー表示機能を許可し、画像データの格納機能を不許可としている。また、ウェブサイトの簡易ブラウズ機能については、特定のURLに限り許可している。すなわち、URLにより指し示される、ウェブサイトなどのインターネット上のコンテンツに対するアクセスの制限がなされる。動画再生機能およびDVD再生機能については、コンテンツの内容によりそのコンテンツに対するアクセスを許可している。さらに、音楽再生機能については、許可している。ゲーム機能は、不許可としている。
【0046】
図4(b)は、コンテンツの内容に応じた規制レベルの例を示す。コンテンツに対して規制をすべきと考えられる表現のカテゴリ毎に、それぞれレーティングレベルが付与される。図4(b)の例では、「露出的描写」、「差別用語」および「暴力的描写」の3つのカテゴリ毎に、レーティングの低いレベル0から、レーティングレベルの高いレベル4まで5段階にレーティングが付与される。そして、各カテゴリ毎に、どのレーティングレベルまでのコンテンツの再生を許可するかを示すレベル値が設定される。レベル0の設定は、最も厳しい制限を示し、レベル4の設定は、最も緩い制限を示す。レーティングレベルにより全てのカテゴリについて許可されたコンテンツが利用許可される。
【0047】
図4(a)に示すような許可属性と、図4(b)に示すような規制レベルとを、クライアント端末30、31および32毎に設定して、設定情報としてそれぞれの機能別設定テーブル106に格納する。一例として、書斎である部屋12は、主に大人が利用すると考えられるため、設置するクライアント端末31の機能別設定テーブル106には、より緩い規制となるような設定情報を格納する。別の例として、リビングである部屋13は、利用者が不特定であると考えられるため、設置するクライアント端末32の機能別設定テーブル106には、最も強い規制となるような設定情報を格納する。
【0048】
次に、クライアント端末30における、RDPでのクライアント動作について説明する。ユーザは、高機能なブラウザのような、クライアント端末30単独では実行できないアプリケーションを使用する場合には、サーバ接続モードを利用する。サーバ接続モードでは、屋内LANを介してRDPを用いてサーバ装置50との通信を行い、サーバ装置50に搭載される高機能ブラウザをクライアント端末30側から起動させる。ユーザにより、クライアント端末30によるメニュー画面からサーバ装置50への接続が選択されると、RDPクライアント機能部102が起動され、サーバ接続処理が開始される。
【0049】
図5は、本発明の第1の実施形態によるサーバ接続時のクライアント端末30側の処理の例を示すフローチャートである。サーバ接続モードでは、クライアント端末30の主制御部100は、RDPクライアント機能部102を起動する。RDPクライアント機能部102は、サーバ情報格納部120内の接続先設定情報107を参照する。この例では、接続先設定情報107としてサーバ装置50、51および52の情報が登録されている。ステップS101で、RDPクライアント機能部102は、接続先設定情報107から、接続先として選択されるサーバ装置の情報を取得する。この情報は、サーバ装置のネットワーク(屋内LAN20)上のアドレス情報を含む。
【0050】
例えば、サーバ装置50、51および52の中からリモコン130に対するユーザ操作に応じて接続先のサーバ装置を選択するように構成できる。これに限らず、デフォルトの接続先としてのサーバ装置を予め設定しておいてもよい。ここでは、サーバ装置50がデフォルトの接続先として設定されているものとする。
【0051】
RDPクライアント機能部102は、ステップS101で取得したサーバ装置50のアドレスに対して、通信インターフェイス105を介して接続要求を送信し、サーバ装置50との接続処理を開始する(ステップS102)。この接続要求パケットに応じて、サーバ装置50からクライアント端末30に認証要求が送信される。この認証要求は、クライアント端末30に受信されてRDPクライアント機能部102に渡される。RDPクライアント機能部102は、この認証要求に応じて、サーバ情報格納部120内のRDP認証情報108を参照し、サーバ装置50に対する認証情報を取得する。そして、この認証情報をサーバ装置50に送信してサーバ装置50との間で認証処理を行う(ステップS103)。
【0052】
次のステップS104で、この認証情報に対するサーバ装置50の認証結果が判断される。若し、この認証情報に対してサーバ装置50から認証に失敗した旨の応答があれば、接続処理を中断し(ステップS105)、一連の接続処理を終了する。
【0053】
一方、サーバ装置50から認証に成功した旨の応答があれば、RDPクライアント機能部102は、サーバ装置50からの次の命令の受信が待機される(ステップS106)。サーバ装置50からの命令が受信されると、処理は次のステップS107に移行され、その命令が設定情報を要求する命令であるか否かが判断される。若し、設定情報を要求する命令であると判断されれば、処理はステップS108に移行される。ステップS108で、RDPクライアント機能部102は、機能別設定テーブル106に登録された設定情報を読み込み、読み込んだ設定情報をサーバ装置50に対して送信する。そして、処理はステップS106に戻され、サーバ装置50からの次の命令の受信が待機される。
【0054】
一方、ステップS107で、受信された命令が設定情報の要求命令ではないと判断されれば、処理はステップS109に移行する。ステップS109では、受信された命令がRDPモードを開始する命令であるか否かが判断される。若し、受信された命令がRDPモード開始命令ではないと判断されれば、処理はステップS106に戻され、サーバ装置50からの次の命令の受信が待機される。
【0055】
一方、ステップS109で、受信された命令がRDPモード開始命令であると判断されれば、処理はステップS110に移行され、RDPモードによる処理が開始される。RDPモードによる処理については、後述する。
【0056】
図6は、図5を用いて説明したサーバ接続時のクライアント端末30側の処理に対応する、サーバ装置50側の処理の例を示すフローチャートである。ステップS201で、図5のステップS102によりクライアント端末30から送信された接続要求パケットがRDPサーバ部200に受信される。次のステップS202で、RDPサーバ部200は、接続要求パケットを送信したクライアント端末30に対して認証要求パケットを送信し、認証フェーズを実行する。図5のステップS103によりクライアント端末30から送信された認証情報が受信されると、RDPサーバ部200は、RDP認証情報格納部202に格納される認証情報に従い認証処理を行う(ステップS203)。
【0057】
若し、ステップS203の認証処理によりクライアント端末30の認証に失敗したと判断されれば、処理はステップS204に移行される。ステップS204では、RDPサーバ部200は、認証失敗をクライアント端末30に通知すると共に、クライアント端末30によるこのサーバ装置50に対する接続を拒否する。
【0058】
一方、ステップS203の認証処理によりクライアント端末30の認証に成功したと判断されれば、処理はステップS205に移行される。ステップS205では、認証時に取得したクライアント端末30の情報を、接続クライアント情報207として接続クライアント情報一時格納部に対して格納する。
【0059】
処理は次のステップS206に移行され、RDPサーバ部200は、クライアント端末30に対して設定情報要求を送信する。そして、次のステップS207で、RDPサーバ部200は、送信した設定情報要求に応じたクライアント端末30からの設定情報の受信を待機する。
【0060】
クライアント端末30は、ステップS206でサーバ装置50から送信された設定情報要求を受信したら、図5のステップS108で説明したように、機能別設定テーブル106に登録された設定情報を読み込み、サーバ装置50に対して送信する。RDPサーバ部200は、クライアント端末30から送信されたこの設定情報を受信したら、処理をステップS208に移行させる。ステップS208で、RDPサーバ部200は、受信した設定情報を、接続クライアント情報一時格納部210内の設定情報208として登録する。
【0061】
次のステップS209で、設定変換部205は、変換テーブル206に従い、登録された設定情報208に基づきアプリケーション登録部203に登録された各アプリケーション#1、#2、…、#nそれぞれの設定情報を生成する。そして、生成した各アプリケーション#1、#2、…、#nそれぞれの設定情報を、アプリケーション設定部204の対応する設定部#1、#2、…、#nに対し、クライアント端末30と対応付けて設定する。
【0062】
次のステップS210で、RDPサーバ部200は、各アプリケーション#1、#2、…、#nをクライアント端末30側から選択および起動させるためのサーバメニュー画面情報を作成する。そして、サーバメニュー画面情報を、通信インターフェイス201を介してクライアント端末30に対して送信する。その後、RDPサーバ部200は、クライアント端末30からの、ユーザ操作に応じた命令を受け付ける、メニューモードに移行する。
【0063】
なお、上述のステップS207で、クライアント端末30から設定情報を、例えば所定時間以内に受信できないときは、処理はステップS210に移行される。
【0064】
図7は、変換テーブル206の一例の構成を示す。変換テーブル206は、図7に例示するように、クライアント端末30にローカルの個別機能と、サーバ装置50に搭載されるサーバアプリケーション#1、#2、…、#nとの対応関係が格納される。
【0065】
図7の例では、それぞれクライアント端末30の個別機能の一つであるカメラ画像スライドショー機能とカメラ画像ストレージ機能とが、サーバ装置50の高機能アルバムソフトウェアに対応付けられている。また、クライアント端末30の個別機能の一つであるウェブブラウズ機能が、サーバ装置50の高機能ブラウザソフトウェアに対応付けられている。さらに、それぞれクライアント端末30の個別機能の一つである動画再生機能と音楽再生機能とが、サーバ装置50の高機能メディアプレーヤソフトウェアに対応付けられている。さらにまた、クライアント端末30の個別機能の一つであるDVD再生機能が、サーバ装置50のDVDプレーヤソフトウェアに対応付けられている。また、クライアント端末30の個別機能の一つであるゲーム機能が、サーバ装置50のゲーム機能ソフトウェアに対応付けられている。
【0066】
なお、図7の例では、サーバ装置50に搭載されるサーバアプリケーションのうちテレビ録画ソフトウェアおよび音楽ダウンロードソフトウェアは、クライアント端末30、31および32に対応する機能が無いものとする。
【0067】
上述したステップS209では、この変換テーブル206に格納される情報に基づき、クライアント端末30にローカルな個別機能に対する規制設定を、対応するサーバアプリケーションの規制設定に反映させる。
【0068】
図8は、ステップS209で生成されたサーバアプリケーションの設定の例を示す。サーバアプリケーションの一つである高機能アルバムソフトについては、カメラ画像スライドショー機能は許可されるが、画像ストレージ機能は不許可に設定される。また、コンテンツ編集やネットワーク61へのアップロードについては、クライアント端末30側の対応するローカル機能の設定が無いために、未設定状態となっている。
【0069】
このように、クライアント端末30において機能別設定テーブル106から読み込まれ送信された設定情報と、サーバ装置50が持つ変換テーブル206とに基づき、サーバアプリケーション毎に、起動を許可するか否かが設定される。サーバ装置50は、サーバ装置50に接続状態になっているクライアント端末毎に、サーバアプリケーション#1、#2、…、#nそれぞれについてこのサーバアプリケーション設定を生成し、アプリケーション設定部204に登録する。なお、未設定となっている機能については、各サーバアプリケーション#1、#2、…、#nが有するデフォルトの規制設定値を用いることができる。
【0070】
上述したようにしてクライアント端末30およびサーバ装置50による処理が完了すると、クライアント端末30から、サーバ51に搭載されるサーバアプリケーション#1、#2、…、#nの起動および操作が行える状態となる。
【0071】
図9は、サーバメニュー画面に従いクライアント端末30からサーバ装置50に対してサーバアプリケーション#1、#2、…、#nの起動が命令された際の、サーバ装置50側の処理の例を示すフローチャートである。
【0072】
この図9のフローチャートの処理に先んじて、サーバ装置50とクライアント端末30との間でRDPによる接続が行われ、サーバ装置50が生成したサーバメニュー画面がクライアント端末30に送信されテレビジョン受像機40に表示される。サーバメニュー画面は、例えばクライアント端末30から起動可能なサーバアプリケーション#1、#2、…、#nのリストが表示される。
【0073】
ユーザは、このサーバメニュー画面に従いリモコン130を操作して、起動させたいサーバアプリケーションを選択する。RDPクライアント機能部102は、ユーザ操作により選択されたサーバアプリケーションの起動要求を、サーバ装置50に送信する。
【0074】
ステップS301で、サーバ装置50のRDPサーバ部200は、クライアント端末30から送信される、サーバアプリケーション#1、#2、…、#nの起動要求、または、サーバ装置50との接続を切断する切断要求を待機する。若し、切断要求が受信された場合には、処理はステップS313に移行される。
【0075】
上述のステップS301で、サーバアプリケーション#1、#2、…、#nの起動要求が受信されたら、処理はステップS302に移行される。ステップS302では、起動要求に基づきサーバアプリケーション#1、#2、…、#nのうち何れを起動するかを判断する。ここでは、簡単のため、サーバアプリケーションが高機能アルバムソフトウェア、高機能ブラウザソフトウェアおよび高機能メディアプレーヤの3種類であるとして説明する。
【0076】
起動要求により高機能アルバムソフトウェアの起動が要求されていると判断したら、RDPサーバ部200は、アプリケーション設定部204から、高機能アルバムソフトウェアのクライアント端末30に対応する設定情報を読み込む(ステップS303)。そして、読み込んだ設定情報に基づき、クライアント端末30に対して当該高機能アルバムソフトウェアの起動が許可されているか否かを判断する(ステップS304)。
【0077】
若し、起動が許可されていないと判断されれば、処理はステップS301に戻される。このとき、起動が許可されていない旨をユーザに通知する画面を表示させる表示信号を生成し、クライアント端末30に送信することができる。
【0078】
一方、ステップS303で高機能アルバムソフトウェアの起動が許可されていると判断されれば、処理はステップS305に移行される。ステップS305では、RDPサーバ部200は、起動要求に従い、アプリケーション登録部203にサーバアプリケーションとして登録される高機能アルバムソフトウェアを起動する。
【0079】
RDPサーバ部200は、起動された高機能アルバムソフトウェアにより出力された画面イメージを、通信インターフェイス201を介してクライアント端末30に送信する。クライアント端末30は、通信インターフェイス105でこの画面イメージを受信する。受信された画面イメージは、制御部110に渡され、表示制御信号とされて表示インターフェイス103に供給される。表示インターフェイス103は、この表示制御信号を表示信号に変換し、例えばテレビジョン受像機40に供給する。
【0080】
なお、図8に例示したサーバアプリケーションの設定によれば、高機能アルバムソフトウェアの機能のうち、クライアント端末30に対して、カメラ画像スライドショー機能の起動が許可され、カメラ画像ストレージ機能が不許可となっている。したがって、起動された高機能アルバムソフトウェアの機能のうち、カメラ画像ストレージ機能の使用が許可されておらず、カメラ画像データを、例えばサーバ装置50やネットワーク61に対してアップロードする機能は使用できない。
【0081】
また、ステップS302で高機能ブラウザソフトウェアの起動が要求されていると判断したら、処理はステップS306に移行される。ステップS306では、RDPサーバ部200は、アプリケーション設定部204から、高機能ブラウザソフトウェアのクライアント端末30に対応する設定情報を読み込む。そして、読み込んだ設定情報に基づき、クライアント端末30に対して当該高機能ブラウザソフトウェアの起動が許可されているか否かを判断する(ステップS307)。起動が許可されていなければ、処理はステップS301に戻される。
【0082】
一方、高機能ブラウザソフトウェアの起動が許可されていると判断されれば、処理はステップS308に移行される。ステップS308では、RDPサーバ部200は、起動要求に従い、アプリケーション登録部203にサーバアプリケーションとして登録される高機能ブラウザソフトウェアを起動する。
【0083】
RDPサーバ部200は、起動された高機能ブラウザソフトウェアにより出力された画面イメージを、通信インターフェイス201を介してクライアント端末30に送信する。クライアント端末30は、通信インターフェイス105でこの画面イメージを受信し、例えばテレビジョン受像機40に表示させる。
【0084】
なお、図8に例示したサーバアプリケーションの設定によれば、高機能ブラウザソフトウェアの機能のうち、クライアント端末30に対して、特定のURLへの接続のみが許可されている。例えば、サーバ装置50が搭載する高機能ブラウザソフトウェアの「お気に入り」や「ブックマーク」に対し、当該特定のURLを予め登録しておき、この「お気に入り」や「ブックマーク」に登録されているURLのみに接続できるようにすることが考えられる。
【0085】
また、ステップS302で高機能メディアプレーヤの起動が要求されていると判断したら、処理はステップS309に移行される。ステップS309では、RDPサーバ部200は、アプリケーション設定部204から、高機能メディアプレーヤソフトウェアのクライアント端末30に対応する設定情報を読み込む。そして、読み込んだ設定情報に基づき、クライアント端末30に対して当該高機能メディアプレーヤソフトの起動が許可されているか否かを判断する(ステップS310)。起動が許可されていなければ、処理はステップS301に戻される。
【0086】
一方、高機能メディアプレーヤソフトウェアの起動が許可されていると判断されれば、処理はステップS311に移行される。ステップS311では、RDPサーバ部200は、起動要求に従い、アプリケーション登録部203にサーバアプリケーションとして登録される高機能メディアプレーヤソフトウェアを起動する。
【0087】
RDPサーバ部200は、起動された高機能メディアプレーヤソフトウェアにより出力された画面イメージを、通信インターフェイス201を介してクライアント端末30に送信する。クライアント端末30は、通信インターフェイス105でこの画面イメージを受信し、例えばテレビジョン受像機40に表示させる。
【0088】
なお、図8に例示したサーバアプリケーションの設定によれば、高機能メディアプレーヤソフトウェアによる音楽再生は、無条件に許可される。一方、動画再生については、コンテンツに付与されたレーティングに従い、再生を許可するか否かが判断される。
【0089】
ステップS305、ステップS308またはステップS311で起動されたサーバアプリケーションが終了されると(ステップS312)、処理はステップS301に戻される。サーバアプリケーションの終了は、例えばクライアント端末30のリモコン130に対する終了指示の操作に応じてなされる。
【0090】
なお、ステップS301およびステップS313で、サーバ装置50との接続を切断する切断要求が受信されたら、処理はステップS314に移行され、サーバ装置50に対するクライアント端末30の接続を切断する処理が行われる。クライアント端末30との接続が切断されると、処理はステップS315に移行され、接続クライアント情報一時格納部210内の設定情報208がクリアされる。そして、次のステップS316で接続クライアント情報一時格納部210内の接続クライアント情報207をクリアし、一連の処理を終了させる。
【0091】
このように、本発明の第1の実施形態によれば、クライアント端末側の各個別機能に対してそれぞれ設定された規制設定情報を、サーバ装置への接続時にサーバ装置に送信する。そして、サーバ装置は、受信した規制設定情報を当該サーバ装置に搭載されるサーバアプリケーションに対応するように変換し、起動要求のあったサーバアプリケーションに対して適用する。そのため、クライアント端末からサーバ装置に搭載されるサーバアプリケーションを起動させた場合でも、クライアント端末に対して設定された規制設定をサーバアプリケーションに反映させることができる。
【0092】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本第2の実施形態は、上述した第1の実施形態によるクライアント端末の個別機能に対する設定情報に対し、さらに汎用的なプロファイル情報を設定する。図10は、本第2の実施形態によるクライアント端末300の一例の構成を示す。本第2の実施形態によるクライアント端末300は、図2を用いて説明した第1の実施形態によるクライアント端末30に対して、プロファイル情報を格納するプロファイル格納部111が追加されている。なお、図10において、上述した図2の構成と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0093】
同様に、図11は、本第2の実施形態によるサーバ装置500の一例の構成を示す。本第2の実施形態によるサーバ装置500は、図3を用いて説明した第1の実施形態によるサーバ装置50の接続クライアント情報一時格納部210に対して、プロファイル情報209が追加されている。また、変換テーブル206内に、変換テーブル211が追加されている。なお、図11において、上述した図3の構成と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0094】
また、本第2の実施形態によるクライアント端末300は、上述した図1に示したシステムにおけるクライアント端末30、31および32に対して適宜、適用可能である。同様に、サーバ装置500は、サーバ装置50、51および52に対して適宜、適用可能である。
【0095】
図12は、クライアント端末300のプロファイル格納部111に格納されるプロファイル情報の例を示す。汎用的なプロファイル情報としては、年齢若しくは年齢に準ずる情報を用いることが考えられ、図12の例では、「大人」、「中学生および高校生」、「小学生」および「未就学児童」の4レベルを定義する。このプロファイル情報は、サーバ装置500において、起動するサーバアプリケーションの設定情報に対する補足情報として用いられる。
【0096】
一例として、クライアント端末を使用するユーザの年齢が想定される場合に、その年齢に対応するプロファイル情報を、当該クライアント端末に登録しておく。より具体的な例として、図1を参照し、クライアント端末300が子供部屋である部屋11に設置される場合、プロファイル情報として「小学生」または「高校生および中学生」を登録する。クライアント端末300が書斎である部屋12に設置される場合、プロファイル情報として「大人」を登録する。また、複数の年齢層のユーザが自由に出入りできるリビングである部屋13にクライアント端末300が設置される場合、プロファイル情報として「小学生」や「未就学児童」を登録する。
【0097】
図13は、本第2の実施形態による、サーバ接続時のクライアント端末300側の処理に対応する、サーバ装置500側の処理の例を示すフローチャートである。なお、クライアント端末300側の処理については、図5を用いて説明した第1の実施形態によるクライアント端末30における処理と何ら変わるところがないため、煩雑さを避けるために、ここでの説明を省略する。
【0098】
図13のフローチャートにおいて、ステップS401〜ステップS409までの処理は、図6を用いて説明した第1の実施形態による処理と何ら変わるところがないため、煩雑さを避けるため、ここでの説明を省略する。ステップS407でクライアント端末300からの設定情報の受信がないか、または、ステップS409でのサーバアプリケーションの設定情報の生成が行われたら、処理はステップS410に移行される。
【0099】
ステップS410では、サーバアプリケーションの設定情報において未設定項目があるか否かが判断される。若し、未設定項目がないと判断されれば、処理はステップS415に移行され、図6のステップS210と同様にしてサーバメニュー画面の生成が行われる。
【0100】
一方、ステップS410で未設定項目があると判断されれば、処理はステップS411に移行される。上述の図8の例では、高機能アルバムソフトウェアにおけるコンテンツ編集機能やネットワークへのアップロード機能、テレビジョン放送録画ソフトウェアおよび音楽ダウンロードソフトウェアの機能が未設定項目とされている。
【0101】
ステップS411では、クライアント端末300に対してプロファイル情報を要求する。クライアント端末300は、この要求を受信すると、プロファイル格納部111からプロファイル情報を読み出し、サーバ装置500に送信する。サーバ装置500は、クライアント端末300からのプロファイル情報を受信すると(ステップS412)、処理をステップS413に移行させる。なお、サーバ装置500は、例えば所定時間内にクライアント端末300からのプロファイル情報が受信できなかったら、処理をステップS415に移行させる。
【0102】
ステップS413で、サーバ装置500は、受信したプロファイル情報を、接続クライアント情報一時格納部210Aにプロファイル情報209として登録する。
【0103】
次のステップS414では、設定変換部205による未設定項目に対する設定が行われる。設定変換部205は、変換テーブル211に従い、登録されたプロファイル情報209に基づきアプリケーション登録部203に登録された各アプリケーション#1、#2、…、#nそれぞれの設定情報における未設定項目に対する設定を行う。
【0104】
図14(a)は、プロファイル情報209からサーバアプリケーションの設定情報を作成する変換テーブル211の一例の内容を示す。この変換テーブル211は、図14(a)に例示するように、サーバアプリケーションの設定情報における未設定項目の機能について、年齢または年齢に準ずる情報に応じて許可するか否かが対応付けられる。
【0105】
図14(a)の例では、未設定項目が存在するテレビジョン放送録画ソフトウェアおよび音楽ダウンロードソフトウェアに対して、プロファイル情報209に対応する設定がなされる。すなわち、これら未設定項目が存在するソフトウェアに対して、プロファイル情報209に対応して「大人」、「高校生および中学生」、「小学生」および「未就学児童」それぞれについて設定がなされる。例えば、プロファイル情報209が「小学生」だった場合は、テレビジョン放送録画ソフトウェア機能は、コンテンツの内容により許可される。また、音楽ダウンロードソフトウェア機能は許可されない。
【0106】
図14(b)は、コンテンツの内容に応じた規制レベルの例を示す。上述の図4(b)と同様に、コンテンツに対して規制をすべきと考えられる表現のカテゴリのそれぞれに対し、年齢または年齢に準ずる情報毎にレーティングレベルが設定される。図14(b)の例では、プロファイル情報209が「小学生」の場合は、「露出的表現」、「差別用語」および「暴力的表現」のレーティングレベルがそれぞれ「0」、「1」、「1」と設定され、強い規制がかけられている。プロファイル情報209が「大人」の場合は、レーティングレベルは全て「4」とされ、規制がかけられない。また、プロファイル情報209が「未就学児童」である場合には、レーティングレベルが全てのカテゴリにおいて「0」とされ、最も強い規制がかけられている
【0107】
このように、本発明の第2の実施形態によれば、クライアント端末を使用することが想定されるユーザに対するより汎用的な情報からなるプロファイル情報を用いて、設定情報が未設定のサーバアプリケーションの設定情報を生成する。そのため、クライアント端末からサーバ装置に搭載される、設定情報が未設定のサーバアプリケーションを起動させた場合でも、適切なレーティングでサーバアプリケーションの起動を規制することができる。
【0108】
なお、上述ではプロファイル情報の例として図12に例示されるように、年齢または年齢に準ずる情報を用いたが、プロファイル情報は、これに限定されるものではない。例えば、図15に例示されるように、性別と年齢とをプロファイル情報として設定することも可能である。
【0109】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本第3の実施形態は、サーバ装置に対してサーバアプリケーションを追加登録できるようにした例である。追加登録したサーバアプリケーションの設定情報は、機能が対応するクライアント端末側の個別機能の設定情報に基づき生成する。図16は、本第3の実施形態によるサーバ装置510の一例の構成を示す。このサーバ装置510は、図3に例示した第1の実施形態によるサーバ装置50に対して、新規登録部220が追加された構成となっている。
【0110】
なお、図16において、図3の構成と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、本第3の実施形態によるサーバ装置510は、上述した図1に示したシステムにおけるサーバ装置50、51および52に対して適宜、適用可能である。また、本第3の実施形態では、クライアント端末は、図2で示した第1の実施形態による構成をそのまま用いることができる。
【0111】
図17は、サーバ装置510に対してサーバアプリケーションを登録する際の一例の処理を示すフローチャートである。新規に登録するサーバアプリケーションは、サーバ装置510が有する図示されないドライブ装置により記録媒体から読み出して取得したり、ネットワーク61を介して取得したりすることができる。これに限らず、サーバ装置510に対し、一般のアプリケーションとして既に搭載されているものを、サーバアプリケーションとして登録することも考えられる。
【0112】
新規登録部220は、アプリケーション登録部203に対して新規アプリケーションをサーバアプリケーションとして登録する処理を行う。アプリケーション登録部203に対して新規アプリケーションが格納され、RDPサーバ部200により生成されるサーバメニューに対し、新規アプリケーションを起動するためのメニューが追加される(ステップS501)。
【0113】
次のステップS502で、アプリケーション登録部203は、デフォルト設定値をアプリケーション設定部204に登録する。このデフォルト値は、クライアント端末から設定情報208を取得できないときや、対応する設定値が無いときなど、クライアント端末毎の設定ができない場合に、全クライアント端末に共通な設定情報として使用される。
【0114】
ステップS503で、新規に追加されたサーバアプリケーションが、クライアント端末側の個別機能に対する設定情報に対応する変換テーブルを持っているか否かを判断する。例えば、新規登録部220は、新規に追加されたサーバアプリケーションが、当該サーバアプリケーションの機能とクライアント端末側の個別機能との対応関係を示す情報を持っているかどうかを調べる。若し、新規サーバアプリケーションが当該変換テーブルを持っていると判断されれば、当該変換テーブルを設定変換部205を介して変換テーブル206に追加登録し、一連の処理を終了する。一方、新規サーバアプリケーションが当該変換テーブルを持っていないと判断された場合には、そのまま一連の処理を終了する。
【0115】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。上述した第1〜第3の実施形態では、クライアント端末が個別機能を有しており、クライアント端末単独で個別機能を提供可能とされていたが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではない。例えば、クライアント端末がサーバ装置と接続して使用する機能しか持たないような構成であっても、本発明を適用することができる。この場合、サーバアプリケーションに対する設定情報をクライアント端末から設定し、サーバアプリケーションを起動させるサーバ装置と接続した際に、当該設定情報をサーバ装置に送信する。
【0116】
図18は、本発明の第4の実施形態によるクライアント端末320の一例の構成を示す。なお、図18において、上述の図2の構成と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、本第4の実施形態によるクライアント端末320は、上述した図1に示したシステムにおけるクライアント端末30、31および32に対して適宜、適用可能である。
【0117】
図18に例示するクライアント端末320は、図2に例示した第1の実施形態によるクライアント端末30に対して、機能提供部101が省かれていると共に、機能別設定テーブル106の代わりにサーバアプリケーション用設定テーブル140が設けられている。機能制限情報格納手段としてのサーバアプリケーション用設定テーブル140は、例えば上述の図8に例示したサーバアプリケーションに対する設定情報が格納される。
【0118】
図19は、本発明の第4の実施形態によるサーバ装置520の一例の構成を示す。なお、図19において、上述の図3の構成と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、本第4の実施形態によるサーバ装置520は、上述した図1に示したシステムにおけるサーバ装置50、51および52に対して適宜、適用可能である。
【0119】
図19に例示するサーバ装置520は、図3に例示した第1の実施形態によるサーバ装置50に対して、設定変換部205および変換テーブル206の代わりに設定部230が設けられている。また、接続クライアント情報一時格納部210に格納される情報として、設定情報208の代わりにサーバアプリケーション用設定情報231が格納される。
【0120】
このような構成において、クライアント端末320は、サーバ装置520との接続時に、サーバアプリケーション用設定テーブル140に格納された設定情報を、機能制限情報送信手段としての通信インターフェイス201からサーバ装置520に送信する。サーバ装置520は、この設定情報を受信すると、サーバアプリケーション用設定情報231として、受信された設定情報を接続クライアント情報一時格納部210に格納する。設定部230は、このサーバアプリケーション用設定情報231に基づき、アプリケーション設定部204に対して、クライアント端末320毎の設定情報を設定する。
【0121】
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、クライアント端末からサーバ装置に搭載されるサーバアプリケーションを起動する際の起動の許可/不許可や、クライアント端末から起動したサーバアプリケーションの機能の一部の制限を、サーバアプリケーション毎に設定していた。また、サーバアプリケーションが利用するコンテンツに設定されたレーティングによって、コンテンツの利用の制限を行うようにしていた。。
【0122】
本発明におけるサーバアプリケーションの起動制御は、上述の各実施形態に限られるものではない。例えば、機能の異なるサーバアプリケーションを複数用意しておき、許可された項目に従って起動するサーバアプリケーションを選択するようにしてもよい。一例として、画像の閲覧は許可するが編集は許可しないという設定の場合には、閲覧専用のサーバアプリケーションを起動し、編集も許可する場合には、編集機能付きのサーバアプリケーションを起動するという実施形態が考えられる。
【0123】
また、上述の各実施形態では、クライアント端末とサーバ装置との間の通信を、RDPにより行うように説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、クライアント端末とサーバ装置間の通信において、所定のコマンドのやりとりと、サーバ装置からクライアント端末に対する画面情報の送信が可能であれば、他の通信プロトコルを用いてもよい。
【0124】
上述の各実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、記憶媒体又は有線/無線通信によりコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
【0125】
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。
【0126】
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
【0127】
つまり、上述の各実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一つである。なお、ここでいうクライアントコンピュータは、上述の各実施形態におけるクライアント端末およびサーバ装置に該当する。
【0128】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを暗号化して格納した記憶媒体を配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを許可してもよい。鍵情報は、例えばインターネットを介してウェブサイトからダウンロードさせることによって供給することができる。
【0129】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、すでにコンピュータ上で稼働するOSの機能を利用するものであってもよい。
【0130】
さらに、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、その一部をコンピュータに装着される拡張ボード等のファームウェアで構成してもよいし、拡張ボード等が備えるCPUで実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明に適用可能なシステムの一例を示す略線図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるクライアント端末の一例の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態によるサーバ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による機能別設定テーブルに格納される設定情報の例を示す略線図である。
【図5】本発明の第1の実施形態によるサーバ接続時のクライアント端末側の処理の例を示すフローチャートである。
【図6】サーバ接続時のクライアント端末側の処理に対応する、本発明の第1の実施形態によるサーバ装置側の処理の例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態による変換テーブルの一例の構成を示す略線図である。
【図8】本発明の第1の実施形態によるサーバアプリケーションの設定の例を示す略線図である。
【図9】クライアント端末からサーバ装置に対してサーバアプリケーションの起動が命令された際の、サーバ装置側の処理の例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態によるクライアント端末の一例の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態によるサーバ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図12】クライアント端末のプロファイル格納部に格納されるプロファイル情報の例を示す略線図である。
【図13】本発明の第2の実施形態による、サーバ接続時のクライアント端末側の処理に対応する、サーバ装置側の処理の例を示すフローチャートである。
【図14】プロファイル情報からサーバアプリケーションの設定情報を作成する変換テーブルと、変換テーブルに登録される、コンテンツの内容に応じた規制レベルの例を示す略線図である。
【図15】性別と年齢とをプロファイル情報として設定する例を説明するための略線図である。
【図16】本発明の第3の実施形態によるサーバ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図17】サーバ装置510に対してサーバアプリケーションを登録する際の、本発明の第3の実施形態による一例の処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第4の実施形態によるクライアント端末の一例の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第4の実施形態によるサーバ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0132】
20 屋内LAN
30,31,32 クライアント端末
50,51,52 サーバ装置
100 主制御部
101 機能提供部
102 RDPクライアント機能部
105 通信インターフェイス
106 機能別設定テーブル
107 接続先設定情報
108 RDP認証情報
120 サーバ情報格納部
200 RDPサーバ部
201 通信インターフェイス
202 RDP認証情報
203 アプリケーション登録部
204 アプリケーション設定部
205 設定変換部
206 変換テーブル
207 接続クライアント情報
208 設定情報
210 接続クライアント情報一時格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置のアプリケーションソフトウェアをクライアント端末からネットワークを介して起動可能な情報処理システムであって、
前記クライアント端末は、
前記サーバ装置で起動される前記アプリケーションソフトウェアの機能を制限する機能制限情報が格納される機能制限情報格納手段と、
前記サーバ装置と通信可能になったら、前記機能制限情報格納手段に格納される前記機能制限情報を前記ネットワークを介して該サーバ装置に送信する機能制限情報送信手段と、
ユーザ操作を受け付ける操作受け付け手段と、
前記操作受け付け手段に受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記アプリケーションソフトウェアの起動要求を前記ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する要求手段と、
前記ネットワークを介して前記サーバ装置から送信された、該サーバ装置で起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を受信する受信手段と
を有し、
前記サーバ装置は、
前記アプリケーションソフトウェアが登録されるアプリケーション登録手段と、
前記機能制限情報を受信する機能制限情報受信手段と、
前記アプリケーション登録手段に登録される前記アプリケーションソフトウェアの前記起動要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段で受信された前記起動要求に応じた前記アプリケーションソフトウェアの起動を、前記機能制限情報受信手段で受信された前記機能制限情報に基づき制御する起動制御手段と、
前記起動制御手段で起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を、前記ネットワークを介して前記クライアント端末に送信する出力送信手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記機能制限情報は、前記アプリケーションソフトウェアのコンテンツへのアクセスを制限するアクセス制限情報を含み、
前記起動制御手段は、前記起動要求に応じて起動するアプリケーションソフトウェアのコンテンツへのアクセスを前記機能制限情報に基づき制限する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
サーバ装置のアプリケーションソフトウェアをネットワークを介して起動可能なクライアント端末であって、
前記サーバ装置で起動される前記アプリケーションソフトウェアの機能を制限する機能制限情報が格納される機能制限情報格納手段と、
前記サーバ装置と通信可能になったら、前記機能制限情報格納手段に格納される前記機能制限情報を前記ネットワークを介して該サーバ装置に送信する送信手段と、
ユーザ操作を受け付ける操作受け付け手段と、
前記操作受け付け手段に受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記アプリケーションソフトウェアの起動要求を前記ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する要求手段と、
前記ネットワークを介して前記サーバ装置から送信された、該サーバ装置で起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を受信する受信手段と
を有する
ことを特徴とするクライアント端末。
【請求項4】
前記機能制限情報は、前記アプリケーションソフトウェアのコンテンツへのアクセスを制限するアクセス制限情報を含む
ことを特徴とする請求項3に記載のクライアント端末。
【請求項5】
サーバ装置のアプリケーションソフトウェアをネットワークを介して起動可能なクライアント端末の制御方法であって、
前記サーバ装置と通信可能になったら、該サーバ装置で起動される前記アプリケーションソフトウェアの機能を制限する機能制限情報を前記ネットワークを介して該サーバ装置に送信する送信ステップと、
ユーザ操作を受け付ける操作受け付けステップと、
前記操作受け付けステップにより受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記アプリケーションソフトウェアの起動要求を前記ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する要求ステップと、
前記ネットワークを介して前記サーバ装置から送信された、該サーバ装置で起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を受信する受信ステップと
を有する
ことを特徴とするクライアント端末の制御方法。
【請求項6】
アプリケーションソフトウェアをクライアント端末からネットワークを介して起動可能とされたサーバ装置であって、
前記クライアント端末から前記ネットワークを介して起動されるアプリケーションソフトウェアが登録されるアプリケーション登録手段と、
前記クライアント端末から送信された、前記アプリケーションソフトウェアの機能を制限する機能制限情報を、前記ネットワークを介して受信する機能制限情報受信手段と、
前記クライアント端末から送信された、前記アプリケーション登録手段に登録される前記アプリケーションソフトウェアの起動要求を、前記ネットワークを介して受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段で受信された前記起動要求に応じた前記アプリケーションソフトウェアの起動を、前記機能制限情報受信手段で受信された前記機能制限情報に基づき制御する起動制御手段と、
前記起動制御手段で起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を、前記ネットワークを介して前記クライアント端末に送信する出力送信手段と
を有する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
前記機能制限情報は、前記アプリケーションソフトウェアのコンテンツへのアクセスを制限するアクセス制限情報を含み、
前記起動制御手段は、前記起動要求に応じて起動するアプリケーションソフトウェアのコンテンツへのアクセスを前記機能制限情報に基づき制限する
ことを特徴とする請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
アプリケーションソフトウェアをクライアント端末からネットワークを介して起動可能とされたサーバ装置の制御方法であって、
前記クライアント端末から送信された、該クライアント端末から前記ネットワークを介して起動されるアプリケーションソフトウェアの機能を制限する機能制限情報を、該ネットワークを介して受信する機能制限情報受信ステップと、
前記クライアント端末から送信された、前記アプリケーションソフトウェアの起動要求を、前記ネットワークを介して受信する要求受信ステップと、
前記要求受信ステップにより受信された前記起動要求に応じた前記アプリケーションソフトウェアの起動を、前記機能制限情報受信ステップにより受信された前記機能制限情報に基づき制御する起動制御ステップと、
前記起動制御ステップで起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を、前記ネットワークを介して前記クライアント端末に送信するステップと
を備える
ことを特徴とするサーバ装置の制御方法。
【請求項9】
サーバ装置のアプリケーションソフトウェアをクライアント端末からネットワークを介して起動可能な情報処理システムであって、
前記クライアント端末は、
アプリケーション機能を提供する機能提供手段と、
前記機能提供手段で提供される前記アプリケーション機能を制限する機能制限情報が格納される機能制限情報格納手段と、
前記サーバ装置と通信可能になったら、前記機能制限情報格納手段に格納される前記機能制限情報を前記ネットワークを介して該サーバ装置に送信する機能制限情報送信手段と、
ユーザ操作を受け付ける操作受け付け手段と、
前記操作受け付け手段に受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記アプリケーションソフトウェアの起動要求を前記ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する要求手段と、
前記ネットワークを介して前記サーバ装置から送信された、該サーバ装置で起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を受信する受信手段と
を有し、
前記サーバ装置は、
前記アプリケーションソフトウェアが登録されるアプリケーション登録手段と、
前記アプリケーション機能と前記アプリケーションソフトウェアとの対応関係を示す情報が格納される変換テーブルと、
前記機能制限情報を受信する機能制限情報受信手段と、
前記変換テーブルに格納される前記情報に基づき、前記機能制限情報受信手段で受信された前記機能制限情報を前記アプリケーションソフトウェアの機能制限情報に変換する変換手段と、
前記アプリケーション登録手段に登録される前記アプリケーションソフトウェアの前記起動要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段で受信された前記起動要求に応じた前記アプリケーションソフトウェアの起動を、前記変換手段で変換された機能制限情報に基づき制御する起動制御手段と、
前記起動制御手段で起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を、前記ネットワークを介して前記クライアント端末に送信する出力送信手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
前記機能制限情報送信手段で送信される前記機能制限情報は、前記アプリケーション機能のコンテンツへのアクセスを制限するアクセス制限情報を含み、
前記起動制御手段は、前記起動要求に応じて起動するアプリケーションソフトウェアのコンテンツへのアクセスを、前記機能制限情報が前記変換手段で変換された機能制限情報に含まれる前記アクセス制限情報に基づき制限する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記サーバ装置は、
アプリケーションソフトウェアを前記アプリケーション登録手段に追加して登録する追加登録手段をさらに有し、
前記追加登録手段は、
前記追加して登録したアプリケーションソフトウェアの機能制限情報を、該アプリケーションソフトウェアに機能が対応する前記アプリケーション機能の前記機能制限情報と対応付けて前記変換テーブルに格納する
ことを特徴とする請求項9または請求項10の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
サーバ装置のアプリケーションソフトウェアをネットワークを介して起動可能なクライアント端末であって、
アプリケーション機能を提供する機能提供手段と、
前記機能提供手段で提供される前記アプリケーション機能を制限する機能制限情報が格納される機能制限情報格納手段と、
前記サーバ装置と通信可能になったら、前記機能制限情報格納手段に格納される前記機能制限情報を前記ネットワークを介して該サーバ装置に送信する機能制限情報送信手段と、
ユーザ操作を受け付ける操作受け付け手段と、
前記操作受け付け手段に受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記アプリケーションソフトウェアの起動要求を前記ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する要求手段と、
前記ネットワークを介して送信された、前記サーバ装置で起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を受信する受信手段と
を有する
ことを特徴とするクライアント端末。
【請求項13】
前記機能制限情報送信手段で送信される前記機能制限情報は、前記アプリケーション機能のコンテンツへのアクセスを制限するアクセス制限情報を含む
ことを特徴とする請求項12に記載のクライアント端末。
【請求項14】
サーバ装置のアプリケーションソフトウェアをネットワークを介して起動可能なクライアント端末の制御方法であって、
アプリケーション機能を提供する機能提供ステップと、
前記サーバ装置と通信可能になったら、前記機能提供ステップにより提供される前記アプリケーション機能を制限する機能制限情報を、前記ネットワークを介して該サーバ装置に送信する機能制限情報送信ステップと、
ユーザ操作を受け付ける操作受け付けステップと、
前記操作受け付けステップにより受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記アプリケーションソフトウェアの起動要求を前記ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する要求ステップと、
前記ネットワークを介して送信された、前記サーバ装置で起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を受信する受信ステップと
を有する
ことを特徴とするクライアント端末の制御方法。
【請求項15】
アプリケーションソフトウェアをクライアント端末からネットワークを介して起動可能とされたサーバ装置であって、
前記クライアント端末から前記ネットワークを介して起動される前記アプリケーションソフトウェアが登録されるアプリケーション登録手段と、
前記クライアント端末で機能するアプリケーション機能と、前記アプリケーションソフトウェアとの対応関係を示す情報が格納される変換テーブルと、
前記クライアント端末から送信された、前記アプリケーション機能を制限する機能制限情報を受信する機能制限情報受信手段と、
前記変換テーブルに格納される前記情報に基づき、前記機能制限情報受信手段で受信された前記機能制限情報を前記アプリケーションソフトウェアの機能制限情報に変換する変換手段と、
前記クライアント端末から送信された、前記アプリケーション登録手段に登録される前記アプリケーションソフトウェアの起動要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段で受信された前記起動要求に応じた前記アプリケーションソフトウェアの起動を、前記変換手段で変換された機能制限情報に基づき制御する起動制御手段と、
前記起動制御手段で起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を、前記ネットワークを介して前記クライアント端末に送信する出力送信手段と
を有する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項16】
前記機能制限情報受信手段で受信される前記機能制限情報は、前記アプリケーション機能のコンテンツへのアクセスを制限するアクセス制限情報を含み、
前記起動制御手段は、前記起動要求に応じて起動するアプリケーションソフトウェアのコンテンツへのアクセスを、前記機能制限情報が前記変換手段で変換された機能制限情報に含まれる前記アクセス制限情報に基づき制限する
ことを特徴とする請求項15に記載のサーバ装置。
【請求項17】
前記アプリケーションソフトウェアを前記アプリケーション登録手段に追加登録する追加登録手段をさらに有し、
前記追加登録手段は、
前記追加登録したアプリケーションソフトウェアの機能を制限する機能制限情報を、該アプリケーションソフトウェアに機能が対応する前記アプリケーション機能の前記機能制限情報と対応付けて前記変換テーブルに登録する
ことを特徴とする請求項15または請求項19に記載のサーバ装置。
【請求項18】
アプリケーションソフトウェアをクライアント端末からネットワークを介して起動可能とされたサーバ装置の制御方法であって、
前記クライアント端末から送信された、該クライアント端末で機能するアプリケーション機能を制限する機能制限情報を前記ネットワークを介して受信する機能制限情報受信ステップと、
変換テーブルに格納される、前記アプリケーション機能と前記クライアント端末から前記ネットワークを介して起動されるアプリケーションソフトウェアとの対応関係を示す情報に基づき、前記機能制限情報受信ステップで受信された前記機能制限情報を前記アプリケーションソフトウェアの機能制限情報に変換する変換ステップと、
前記クライアント端末から送信された、前記アプリケーションソフトウェアの起動要求を前記ネットワークを介して受信する要求受信ステップと、
前記要求受信ステップにより受信された前記起動要求に応じた前記アプリケーションソフトウェアの起動を、前記変換ステップにより変換された機能制限情報に基づき制御する起動制御ステップと、
前記起動制御ステップで起動された前記アプリケーションソフトウェアの出力を、前記ネットワークを介して前記クライアント端末に送信するステップと
を有する
ことを特徴とするサーバ装置の制御方法。
【請求項19】
コンピュータを請求項3、4、12または13の何れか1項に記載のクライアント端末として機能させるためのプログラム。
【請求項20】
コンピュータを請求項6、7、15、16または17の何れか1項に記載のサーバ装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−282862(P2009−282862A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136003(P2008−136003)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】