説明

情報処理システム、情報処理端末、ホスト装置及びプログラム

【課題】情報処理端末10がホスト装置20に接続された状態であっても、その情報処理端末10側でユーザの操作に応じた処理を実行する。
【解決手段】情報処理端末10は、ホスト装置20に接続された状態において、接続モード,マスストレージモードを含む複数の動作モードのうちいずれかで動作する。マスストレージモードにおいて情報処理端末10は、ホスト装置20によってフラッシュROMがアクセスされて、ホスト装置20の操作部の操作により指示された処理がホスト装置20のCPUによって実行される。一方、接続モードにおいて情報処理端末10は、自端末のCPUが、自端末の操作部の操作により指示された処理をフラッシュROMに記憶されているデータを用いて実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理端末を複数の動作モードで動作させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
使い勝手のよいインターフェースとして、USB(Universal Serial Bus)規格が広く普及している。最近では、例えば音楽を再生する携帯音楽プレーヤや、画像を撮影し表示するデジタルカメラや、テキストデータ化した書籍を閲覧できる電子ブックなどにおいても、このUSB規格が用いられるようになった。このようなUSB規格を実装する端末(以下、USB端末という)は、ホスト装置に接続されることにより、そのホスト装置から新たなデータが追加されたり、格納しているデータをそのホスト装置に転送したりすることができる。特許文献1には、USB端末を紛失したときに悪意のあるユーザによってデータの改竄や不正コピーが行われないように、ホスト装置からUSB端末へのアクセスを制限するための技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3766429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このようなUSB端末は、ホスト装置に接続されているときには、いわゆるスレーブモードに遷移し、完全にホスト装置によって制御されるため、USB端末側ではユーザの操作に応じた処理を実行することができない。例えば、携帯音楽プレーヤであれば、ホスト装置に接続されている間は、ホスト装置から音楽データの追加や削除を行うことはできるが、携帯音楽プレーヤ側で音楽を再生することはできない。そのため、例えばホスト装置を用いて携帯音楽プレーヤに新たな音楽データを追加したときに、携帯音楽プレーヤをホスト装置に接続させたまま、その音楽データに基づいた音楽を携帯音楽プレーヤ側で再生するといったことができない。
つまり、USB端末が単体で動作する再生モード時は、USB端末が自装置内の記憶装置のファイルシステムを管理するのに対し、スレーブモードではUSB接続先のホスト装置がUSB端末内の記憶装置のファイルシステムを管理する。競合によるデータの不整合や破損を防ぐために、USB端末内の記憶装置のファイルシステムの管理は、USB端末側かホスト装置側のいずれかからしか行えない。従来のUSB端末は、この動作モードの切り替えをホスト装置との接続の有無を判断して行っていたため、ホスト装置に接続されているときには、USB端末側で処理を実行することができなかった。さらに、スレーブモードにおいては、ホスト装置とUSB端末とが接続されていても、USB端末をホスト装置から操作して、USB端末側で処理を実行させることは不可能であった。これは、ユーザにとっては使い勝手が悪く、不便であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、USB端末のような情報処理端末がホスト装置に接続された状態であっても、その情報処理端末においてユーザの操作に応じた処理を実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、USB(Universal Serial Bus)規格に従って命令を送信するホスト装置と、そのホスト装置から送信されてくる命令に対してUSB規格に従って応答する情報処理端末とを備える情報処理システムであって、前記情報処理端末は、データを記憶する記憶手段と、処理を指示する操作を受け付ける第1の操作手段と、前記ホスト装置からUSB規格に従って送信されてくる命令を受信する受信手段と、前記ホスト装置に接続された状態において、自端末の動作モードを切り替えることを命令する動作モード切替命令を前記受信手段が受信すると、前記動作モード切替命令に従って自端末の動作モードを第1の動作モード又は第2の動作モードに切り替える動作モード切替手段と、前記第1の動作モードにおいては、前記操作により指示された処理を前記記憶手段に記憶されているデータを用いて実行し、前記第2の動作モードにおいては、前記操作によって指示された処理を実行しない第1の処理手段と、前記第1の処理手段によって実行された処理の結果を出力する第1の出力手段とを備え、前記ホスト装置は、処理を指示する操作を受け付ける第2の操作手段と、前記第2の操作手段により受け付けられた操作によって前記情報処理端末の動作モードを切り替えるよう指示されると、指示された動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令をUSB規格に従って前記情報処理端末に送信する送信手段と、前記送信手段により送信された動作モード切替命令に従って前記情報処理端末の動作モードが前記第2の動作モードに切り替えられてから、前記第2の操作手段により受け付けられた操作によって前記情報処理端末の前記記憶手段に対する処理が指示されると、当該記憶手段に記憶されているデータを用いて当該処理を行う第2の処理手段と、前記第2の処理手段によって実行された処理の結果を出力する第2の出力手段とを備えることを特徴とする情報処理システムを提供する。
【0005】
本発明において、前記ホスト装置の前記送信手段は、前記第2の操作手段により受け付けられた操作によって、前記情報処理端末の動作モードを第3の動作モードに切り替えるよう指示されると、前記第3の動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令をUSB規格に従って前記情報処理端末に送信し、前記情報処理端末の前記動作モード切替手段は、前記ホスト装置に接続された状態において、自端末の動作モードを前記第3の動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令を前記受信手段が受信すると、前記動作モード切替命令に従って自端末の動作モードを第3の動作モードに切り替え、前記ホスト装置は、前記送信手段により送信された動作モード切替命令に従って前記情報処理端末の動作モードが前記第3の動作モードに切り替えられてから、前記第2の操作手段により受け付けられた操作によって前記情報処理端末による前記記憶手段に対する処理が指示されると、当該処理を実行するように前記情報処理端末に命令する命令手段を備え、前記情報処理端末の前記第1の処理手段は、前記命令手段によって命令された処理を前記記憶手段に記憶されているデータを用いて実行してもよい。
【0006】
本発明において、前記情報処理端末は、前記第1の処理手段によって実行された前記処理の結果又は前記処理の履歴を前記記憶手段に記憶させる前に一時的に記憶する第1の一次記憶手段を備え、前記ホスト装置は、前記第2の処理手段によって実行された前記処理の結果を前記記憶手段に記憶させる前に一時的に記憶する第2の一次記憶手段を備え、前記第1の処理手段は、前記第2の動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令が前記受信手段によって受信されると、前記第1の一次記憶手段に記憶されている前記処理の結果又は前記処理の履歴を前記記憶手段に記憶させ、前記動作モード切替手段は、前記第1の処理手段によって前記処理の結果又は前記処理の履歴が前記記憶手段に記憶されてから、自端末の動作モードを前記第2の動作モードに切り替え、前記第2の処理手段は、前記情報処理端末の動作モードを前記第2の動作モードから他の動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令が前記送信手段によって送信されると、前記第2の一次記憶手段に記憶されている処理の結果を、前記情報処理端末の前記記憶手段に記憶されているデータに反映させ、前記動作モード切替手段は、前記第2の処理手段によって前記処理の結果が前記情報処理端末の前記記憶手段に記憶されているデータに反映されてから、自端末の動作モードを前記第2の動作モードから他の動作モードに切り替えてもよい。
【0007】
また、本発明は、ホスト装置から送信されてくる命令に対してUSB規格に従って応答する情報処理端末であって、データを記憶する記憶手段と、処理を指示する操作を受け付ける操作手段と、前記ホスト装置からUSB規格に従って送信されてくる命令を受信する受信手段と、前記ホスト装置に接続された状態において、自端末の動作モードを切り替えることを命令する動作モード切替命令を前記受信手段が受信すると、前記動作モード切替命令に従って自端末の動作モードを第1の動作モード又は第2の動作モードに切り替える動作モード切替手段と、前記第1の動作モードにおいては、前記操作により指示された処理を前記記憶手段に記憶されているデータを用いて実行し、前記第2の動作モードにおいては、前記操作によって指示された処理を実行しない処理手段と、前記処理手段によって実行された処理の結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする情報処理端末を提供する。
【0008】
また、本発明は、USB規格に従って命令を送信するホスト装置であって、処理を指示する操作を受け付ける操作手段と、前記操作手段により受け付けられた操作によって、情報処理端末の動作モードを切り替えるよう指示されると、指示された動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令をUSB規格に従って前記情報処理端末に送信する送信手段と、前記送信手段により送信された動作モード切替命令に従って、前記情報処理端末の動作モードが、当該端末における操作により指示された処理を実行しない第2の動作モードに切り替えられてから、前記操作手段により受け付けられた操作によって前記情報処理端末の記憶手段に対する処理が指示されると、当該記憶手段に記憶されているデータを用いて当該処理を行う処理手段と、前記処理手段によって実行された処理の結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とするホスト装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、ホスト装置から送信されてくる命令に対してUSB規格に従って応答するコンピュータを、データを記憶する記憶手段と、処理を指示する操作を受け付ける操作手段と、前記ホスト装置からUSB規格に従って送信されてくる命令を受信する受信手段と、前記ホスト装置に接続された状態において、自端末の動作モードを切り替えることを命令する動作モード切替命令を前記受信手段が受信すると、前記動作モード切替命令に従って自端末の動作モードを第1の動作モード又は第2の動作モードに切り替える動作モード切替手段と、前記第1の動作モードにおいては、前記操作により指示された処理を前記記憶手段に記憶されているデータを用いて実行し、前記第2の動作モードにおいては、前記操作によって指示された処理を実行しない処理手段と、前記処理手段によって実行された処理の結果を出力する出力手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【0010】
また、本発明は、USB規格に従って命令を送信するコンピュータを、処理を指示する操作を受け付ける操作手段と、前記操作手段により受け付けられた操作によって、情報処理端末の動作モードを切り替えるよう指示されると、指示された動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令をUSB規格に従って前記情報処理端末に送信する送信手段と、前記送信手段により送信された動作モード切替命令に従って、前記情報処理端末の動作モードが、当該端末における操作により指示された処理を実行しない第2の動作モードに切り替えられてから、前記操作手段により受け付けられた操作によって前記情報処理端末の記憶手段に対する処理が指示されると、当該記憶手段に記憶されているデータを用いて当該処理を行う処理手段と、前記処理手段によって実行された処理の結果を出力する出力手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[実施形態]
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す図である。同図に示すように、この情報処理システム1は、情報処理端末10と、ホスト装置20とを備えている。ホスト装置20は、例えばパーソナルコンピュータであり、情報処理端末10は、例えば電子ペーパーを備えた表示装置である。情報処理端末10は、ホスト装置20に対して着脱自在なインターフェースを有しており、このインターフェースがホスト装置20に接続されることにより、情報処理端末10とホスト装置20とは、相互に通信を行うことができる。ホスト装置20はUSBホストとして機能し、情報処理端末10はUSBデバイスとして機能する。USBホストとは、USB規格に従ってUSBデバイスに情報(各種の命令を含む)を送信する装置である。これに対し、USBデバイスとは、USBホストから送信されてくる情報に対して処理を実行するなどの、USB規格に従った何らかの応答処理を実行する装置である。USBの規格では、このUSBデバイスは、USBホスト過らの指示に応じて処理を行うものであり、USBデバイスからUSBホストに対して自発的に情報を送信するといった機能は規定されてない。
【0012】
図2は、情報処理端末10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この情報処理端末10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、フラッシュROM(Read Only Memory)13と、USB(Universal Serial Bus)コネクタ15と、USBコントローラ16と、操作部17と、表示部18とを備えている。CPU11は、フラッシュROM13に記憶されているソフトウェアを読み出して実行することにより、各種の処理を行う。RAM12は、CPU11のワークエリアである。このRAM12には、例えばCPU11によって実行された処理の結果が一時的に記憶される。フラッシュROM13は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。このフラッシュROM13には、情報処理端末10全体を管理するためのOS(Operating System)などのソフトウェアと、複数のコンテンツデータDとが記憶されている。このコンテンツデータDは、CPU11による処理において用いられるデータであり、例えば表示部18に文章を表示させるための文書データである。
【0013】
USBコネクタ15は、ホスト装置20に着脱自在なインターフェースである。USBコントローラ16は、CPU11による制御の下、USB規格に従ってホスト装置20と情報の送受信を行う。これにより、情報処理端末10とホスト装置20とはUSB規格によって通信可能に接続される。操作部17は、ペンデバイスやジョイスティックなどの操作デバイスを含んでおり、ユーザによる処理を指示する操作を受け付けて、その操作に応じた信号をCPU11に供給する。表示部18は、コレステリック液晶やマイクロカプセル型電気泳動素子などを利用した表示手段であり、CPU11による制御の下で各種の画像を表示する。この表示部18は、電力供給が停止しても画像を表示し続けることができるという記憶性を有している。この表示部18によってCPU11の処理結果が出力されることになる。
【0014】
図3は、ホスト装置20の構成を示すブロック図である。同図に示すように、このホスト装置20は、CPU21と、RAM22と、ROM23と、記憶部24と、USBポート25と、USBコントローラ26と、操作部27と、表示部28とを備えている。CPU21は、ROM23又は記憶部24に記憶されているソフトウェアを読み出して実行することにより、各種の処理を行う。RAM22は、CPU21のワークエリアである。このRAM22には、例えばCPU21によって実行された処理の結果が一時的に記憶される。ROM23は、読み出し専用の不揮発性メモリであり、このROM23には、ホスト装置20を起動させるためのプログラムが記憶されている。記憶部24は、例えばハードディスクであり、この記憶部24には、ホスト装置20全体を管理するためのOSと、情報処理端末10に処理を命令するための処理命令ソフトウェアとを含むソフトウェア群が記憶されている。
【0015】
USBポート25は、情報処理端末10のUSBコネクタ15が接続される接続口である。USBコントローラ26は、CPU21による制御の下、USB規格に従って情報処理端末10と通信を行う。操作部27は、例えばキーボードとマウスであり、処理を指示するユーザの操作を受け付けて、その操作に応じた信号をCPU21に供給する。表示部28は、例えば液晶ディスプレイであり、CPU21による制御の下で各種の画像を表示する。
【0016】
ここで、情報処理端末10の動作モードについて説明する。
情報処理端末10は、ホスト装置20に接続された状態において、接続モード(第1の動作モード)、マスストレージモード(第2の動作モード)と、外部操作モード(第3の動作モード)という3種類の動作モードのうち、いずれか1つの動作モードで動作する。接続モードは、ホスト装置20からのフラッシュROM13に対する処理を受け入れない動作モードであり、マスストレージモードは、ホスト装置20からのフラッシュROM13に対する処理を受け入れる動作モードであり、外部操作モードは、ホスト装置20からのフラッシュROM13に対する処理命令を受け入れる動作モードである。より具体的には以下のとおりである。
【0017】
接続モードは、ホスト装置20からのフラッシュROM13に対する処理を受け入れない一方、ユーザが情報処理端末10の操作部17を用いて指示した処理を実行する動作モードである。ただし、この接続モードであっても、ホスト装置20から他の動作モードへの切り替えを指示するコマンド(命令)が送信されてくると、そのコマンドについては受け入れて、コマンドの指示どおりに動作モード切替処理を実行する。つまり、接続モードの情報処理端末10は、USBケーブルを介してホスト装置20と接続された状態において、ホスト装置20から送信されてくる他の動作モードへの切り替えを指示するコマンドに従って動作モード切替処理を実行する。ただし、その動作モード切替処理のとき以外においては、情報処理端末10は、自身が単体で動作するときと同等の処理を行う。
【0018】
次に、マスストレージモードは、ホスト装置20が情報処理端末10のフラッシュROM13に直接的にアクセスして処理を実行する動作モードである。このマスストレージモードにおいては、情報処理端末10がホスト装置20によって制御されるため、ユーザにより情報処理端末10の操作部17が操作されても、その操作により指示された処理は実行されない。このように、マスストレージモードの情報処理端末10は、ホスト装置20に対して通常のリムーバブルディスクドライブなどの記憶媒体と同様のマスストレージとしての処理を行う。ただし、マスストレージモードにおいて、ホスト装置20から他の動作モードへの切り替えを指示するコマンドが送信されてくると、情報処理端末10は、そのコマンドに従って動作モード切替処理を行う。
【0019】
そして、外部操作モードは、情報処理端末10が、ホスト装置20(つまり情報処理端末20にとっての外部装置)におけるユーザ操作によって指示された処理を実行する動作モードである。この外部操作モードにおいては、情報処理端末10側の操作とホスト装置20側の操作との競合を防ぐために、ユーザにより情報処理端末10の操作部17が操作されても、その操作により指示された処理は実行されない。つまり、ホスト装置20側の操作が優先されるわけである。この外部操作モードと上記のマスストレージモードとの違いは、外部操作モードでは、ホスト装置20が情報処理端末10に処理を命令すると、情報処理端末10がその命令に応じて自身のリソース(RAM12など)を用いて処理を実行し、その処理結果をホスト装置20に提供する、あるいは自身の表示部18に表示を行うのに対し、マスストレージモードでは、ホスト装置20自身がフラッシュROM13にアクセスし、そのホスト装置20のリソース(RAM22など)を用いて処理を実行する、という点である。
【0020】
図4は、各々の動作モードにおける情報処理端末10の動作の違いを纏めた図である。図中の「USBコネクタ接続」は、情報処理端末10のUSBコネクタ15とホスト装置20のUSBポート25とが接続されているか否かを表す項目であり、「○」が接続されていることを表し、「×」が接続されていないことを表している。「動作モード切替命令」は、情報処理端末10が、ホスト装置20から送信されてくる他の動作モードへの切り替えを指示するコマンドに従って動作モード切替処理を実行するか否かを表す項目であり、「○」が実行することを表し、「×」が実行しないことを表している。「ファイルシステム外部管理」は、情報処理端末10が、ホスト装置20によるフラッシュROM13への処理命令を受け入れる動作、すなわちマスストレージクラスの動作を行うか否かを表す項目であり、「○」がマスストレージクラスの動作を行うことを表し、「×」がマスストレージクラスの動作を行わないことを表している。「ファイルシステム内部管理」は、情報処理端末10のCPU11が、フラッシュROM13のファイルシステムの管理を行うか否かを表す項目であり、「○」がファイルシステムの管理を行うことを表し、「×」がファイルシステムの管理を行わないことを表している。「本体操作」は、情報処理端末10が、自端末の操作部17が受け付けた操作に従って処理を実行するか否かを表す項目であり、「○」が実行することを表し、「×」が実行しないことを表している。「外部操作による処理命令」は、情報処理端末10が、ホスト装置20の操作部27が受け付けた操作によって指示された処理命令に従って処理を実行するか否かを表す項目であり、「○」が実行することを表し、「×」が実行しないことを表している。
【0021】
情報処理端末10は、USBコネクタ15がホスト装置20のUSBポート25に接続されていない場合には「未接続モード」で動作する。図に示すように、「未接続モード」においては、「USBコネクタ接続」が「×」、「動作モード切替命令」が「×」、「ファイルシステム外部管理」が「×」、「ファイルシステム内部管理」が「○」、「本体操作」が「○」、「外部操作による処理命令」が「×」になっている。即ち、「未接続モード」における情報処理端末10の振る舞いは、次のようになる。まず、未接続モードにおいては、情報処理端末10のUSBコネクタ15とホスト装置20のUSBポート25とが接続されていない。そのため、未接続モード時の情報処理端末10においては、ホスト装置20から送信されてくる他の動作モードへの切り替えを指示するコマンドに従った動作モード切替処理、マスストレージクラスでの動作、ホスト装置20の操作部27の操作によって指示された処理命令に従った処理は、いずれも行われない。この未接続モード時の情報処理端末10においては、OSに従って動作するCPU11によってフラッシュROM13のファイルシステムが管理されており、操作部17の操作によって指示された処理が実行される。要するに、情報処理端末10は、スタンドアロンで動作するわけである。
【0022】
図5は、未接続モード時に情報処理端末10において実行される処理を説明する図である。図に示す各処理は、情報処理端末10のCPU11が、未接続モードにおいて実行されるべきソフトウェア群をフラッシュROM13から読み出して、実行することにより実現される。また、図の斜線部は、未接続モード時においては実行されない処理を表している。
前述したように未接続モードにおいて、情報処理端末10はスタンドアロンで動作するが、このモードで仮に情報処理端末10のUSBコネクタ15とホスト装置20のUSBポート25とが接続されたとすると、CPU11がその電気的な接続状態を検知することによって、未接続モードが他の動作モードへと切り替えられるようになっている。また、この未接続モードにおいては、CPU11によってフラッシュROM13のファイルシステムの管理が行われており、ファイルシステムの外部管理、すなわちマスストレージクラスでの動作は行われない。また、未接続モードにおいては、操作部17の操作によって指示された処理が実行され、これにより、例えば表示部18に画像を表示させる処理などが行われる。
【0023】
続いて、図4に示すように、「接続モード」においては、「USBコネクタ接続」が「○」、「動作モード切替命令」が「○」、「ファイルシステム外部管理」が「×」、「ファイルシステム内部管理」が「○」、「本体操作」が「○」、「外部操作による処理命令」が「×」になっている。即ち、「接続モード」における情報処理端末10の振る舞いは、次のようになる。まず、接続モードにおいては、情報処理端末10のUSBコネクタ15とホスト装置20のUSBポート25とが接続されており、接続モード時の情報処理端末10においては、ホスト装置20から送信される他の動作モードへの切り替えを指示するコマンド従って動作モード切替処理が実行される。また、接続モード時の情報処理端末10においては、上述した未接続モードの場合と同様に、マスストレージクラスでの動作は行わないようになっており、OSに従って動作するCPU11によってフラッシュROM13のファイルシステムが管理されている。そして、この情報処理端末10においては、操作部17の操作によって指示された処理は実行されるが、ホスト装置20の操作部27の操作によって命令された処理については実行されない。
【0024】
図6は、接続モード時に情報処理端末10において実行される処理を説明する図である。図に示す各処理は、情報処理端末10のCPU11が、接続モードにおいて実行されるべきソフトウェア群をフラッシュROM13から読み出して、実行することにより実現される。また、図の斜線部は、接続モード時においては実行されない処理を表している。
図に示すように、接続モードにおいては、ホスト装置20から送信されてくる他の動作モードへの切り替えを指示するコマンドである動作モード切替命令に従って動作モード切替処理が実行される。また、この接続モードにおいては、情報処理端末10のCPU11が、フラッシュROM13のファイルシステムの管理を行っており、ファイルシステムの外部管理、すなわちマスストレージクラスでの動作は行われない。この“ファイルシステムの外部管理を行わない”というのは、具体的には、情報処理端末10は、ホスト装置20からの問い合わせに対して、自端末のデバイス種別をリムーバブルディスクとして応答し、さらに、リムーバブルディスクにメディアなどの記憶媒体が存在していないことを通知することである。これにより、ホスト装置20に接続されたリムーバブルディスクには記憶媒体が存在していないかのように見せかけることができる。ホスト装置20は、記憶媒体が存在していないリムーバブルディスクに対してはアクセスしないようになっているため、情報処理端末10は、ホスト装置20によるフラッシュROM13への処理命令を受け付けないようにすることができるのである。また、この接続モードにおいては、上述した未接続モードの場合と同様に、操作部17の操作によって指示された処理が実行され、これにより、例えば表示部18に画像を表示させる処理などが行われる。
【0025】
続いて、図4に示すように、「マスストレージモード」においては、「USBコネクタ接続」が「○」、「動作モード切替命令」が「○」、「ファイルシステム外部管理」が「○」、「ファイルシステム内部管理」が「×」、「本体操作」が「×」、「外部操作による処理命令」が「×」になっている。即ち、「マスストレージモード」における情報処理端末10の振る舞いは、次のようになる。まず、マスストレージモードにおいては、上述した接続モードの場合と同様に、情報処理端末10のUSBコネクタ15とホスト装置20のUSBポート25とが接続されており、マスストレージモード時の情報処理端末10においては、ホスト装置20から送信されてくる他の動作モードへの切り替えを指示するコマンド従って動作モード切替処理が実行される。このマスストレージモードにおいては、ファイルシステムの外部管理、すなわちマスストレージクラスでの動作を受け付けるようになっており、CPU11によるフラッシュROM13のファイルシステムの管理は行われない。さらに、マスストレージモードにおいては、操作部17の操作に従った処理、及び、ホスト装置20の操作部27の操作によって命令された処理は実行されない。
【0026】
図7は、マスストレージモード時に情報処理端末10において実行される処理を示す図である。図に示す各処理は、情報処理端末10のCPU11が、マスストレージモードにおいて実行されるべきソフトウェア群をフラッシュROM13から読み出して、実行することにより実現される。また、図の斜線部は、マスストレージモード時においては実行されない処理を表している。
図に示すように、マスストレージモードにおいては、上述した接続モードの場合と同様に、動作モード切替命令に従って動作モード切替処理が実行される。また、このマスストレージモードにおいては、ファイルシステムの外部管理、すなわちマスストレージクラスでの動作が行われ、CPU11によるフラッシュROM13のファイルシステムの管理は行われない。また、マスストレージモードにおいては、操作部17の操作によって指示された処理、及び、ホスト装置20の操作部27の操作によって命令された処理は実行されない。例えば、操作部17が受け付けた操作によって、表示部18にある画像を表示させる処理が指示されても、CPU11は、その処理を実行しない。
【0027】
続いて、図4に示すように、「外部操作モード」においては、「USBコネクタ接続」が「○」、「動作モード切替命令」が「○」、「ファイルシステム外部管理」が「×」、「ファイルシステム内部管理」が「○」、「本体操作」が「×」、「外部操作による処理命令」が「○」になっている。即ち、「外部操作モード」における情報処理端末10の振る舞いは、次のようになる。外部操作モードにおいては、上述した接続モードの場合と同様に、情報処理端末10のUSBコネクタ15とホスト装置20のUSBポート25とが接続されており、外部操作モード時の情報処理端末10においては、ホスト装置20から他の動作モードへの切り替えを指示するコマンドに従った動作モード切替処理が実行される。また、外部操作モード時の情報処理端末10においては、上述した接続モードの場合と同様に、ファイルシステムの外部管理、すなわちマスストレージクラスでの動作を行わないようになっており、OSに従って動作するCPU11がフラッシュROM13のファイルシステムを管理している。ここまでは、接続モードの場合の動作と同様であるが、この外部操作モードにおいては、操作部17が受け付けた操作によって指示された処理については実行されず、ホスト装置20の操作部27が受け付けた操作によって命令された処理が実行される。
【0028】
図8は、外部操作モード時に情報処理端末10において実行される処理を示す図である。図に示す各処理は、情報処理端末10のCPU11が、外部操作モードにおいて実行されるべきソフトウェア群をフラッシュROM13から読み出して、実行することにより実現される。また、図の斜線部は、外部操作モード時においては実行されない処理を表している。
図に示すように、外部操作モードにおいては、上述した接続モードの場合と同様に、ホスト装置20から送信されてくる動作モード切替命令に従って動作モード切替処理が実行される。また、この外部操作モードにおいては、上述した接続モードの場合と同様に、情報処理端末10のCPU11がフラッシュROM13のファイルシステムの管理を行っており、ファイルシステムの外部管理、すなわちマスストレージクラスでの動作は行われない。すなわち、動作モード切替処理及びファイルシステムの管理については、上述した接続モードと同様に行われる。しかしながら、この外部操作モードにおいては、操作部17が受け付けた操作によって指示された処理については実行されず、ホスト装置20の操作部27が受け付けた操作によって命令された処理命令に従った処理が行われる。ホスト装置20のCPU21は、記憶部24に記憶されている処理命令ソフトウェアに従って、操作部27が受け付けた操作によって指示された処理を、情報処理端末10に命令するようになっている。ホスト装置20からは、例えば、情報処理端末10の表示部18にフラッシュROM13に記憶されているファイルを表示させる、あるいは、表示部18に表示されているコンテンツのページをめくるといった処理が命令される。この外部操作モードにおいて、ホスト装置20は、情報処理端末10のフラッシュROM13に直接アクセスすることができないため、情報処理端末10に対して、フラッシュROM13に格納されているファイルのリストの送信を要求し、情報処理端末10がその要求に応じて、ホスト装置20にファイルのリストを送信することによって、ホスト装置20から処理の命令が行われることになる。
【0029】
上記の接続モード、マスストレージモード及び外部操作モードは、ユーザによる操作に応じて相互に切り替え可能である。ただし、処理に不都合が生じないように、動作モード間の遷移を制限してもよい。
【0030】
次に、本実施形態の動作について説明する。
まず、図9に示すシーケンス図を参照して、接続モードでの動作について説明する。情報処理端末10のUSBコネクタ15がホスト装置20のUSBポート25に接続されると、情報処理端末10のCPU11は、その接続によりUSBポート25から供給される電圧を検出する。CPU11は、この電圧を検出することにより、自端末がホスト装置20に接続されたことを認識し(ステップSA110)、自端末の動作モードを接続モードに切り替える(ステップSA120)。
【0031】
一方、ホスト装置20のCPU21は、情報処理端末10が接続されると、その情報処理端末10をリムーバブルディスクとして認識し、さらに、そのリムーバブルディスクにメディアなどの記憶媒体が挿入されているか否かを問い合わせるコマンドを情報処理端末10に送信する(ステップSA130)。情報処理端末10のCPU11は、自端末を仮想的に記憶媒体が挿入されていないリムーバブルディスクに見せかけるために、ホスト装置20から送信されてくるこのコマンドに対して、記憶媒体が挿入されていない旨を応答するコマンドをホスト装置20に送信する(ステップSA140)。
【0032】
情報処理端末10から、記憶媒体が挿入されていない旨を応答するコマンドが送信されてくると、ホスト装置20のCPU21は、情報処理端末10に記憶媒体が挿入されていないことを認識する(ステップSA150)。OSによって、ホスト装置20のCPU21は、記憶媒体が挿入されていないリムーバブルディスクに対してはアクセスを要求しないようになっている。そのため、情報処理端末10は、このような応答を行うことによって、ホスト装置20のCPU21によるフラッシュROM13へのアクセスを受け入れないようにすることができる。
【0033】
情報処理端末10がこの接続モードである場合に、例えばユーザによりホスト装置20の操作部27が操作されて、情報処理端末10のフラッシュROM13へのアクセスが指示されても、ホスト装置20のCPU21は、そのアクセス要求を行わない。図10は、このときにホスト装置20の表示部28に表示される画面を示す図である。情報処理端末10が接続モードである場合に、ユーザによって情報処理端末10のフラッシュROM13へのアクセスが指示されると、ホスト装置20のCPU21は、図に示すように、「リムーバブルディスクの準備ができていません」というメッセージを表示部28に表示させて、フラッシュROM13へのアクセスができないことをユーザに通知する。
【0034】
これに対し、ユーザによって情報処理端末10の操作部17が操作された場合には、この情報処理端末10は、上述したようにユーザの操作によって指示された処理を実行する。例えば、あるコンテンツデータDを表示部18に表示させる処理を指示する操作が行われると、情報処理端末10のCPU11は、ユーザの操作による処理の指示を受け付ける(図9のステップSA160)。そして、このCPU11は、ユーザの操作により指示された処理、すなわちそのコンテンツデータDをフラッシュROM13から読み出して表示部18に表示させる処理を実行する(ステップSA170)。これにより、表示部18には、ユーザによって指定されたコンテンツデータDが表示される。
【0035】
続いて、図11に示すシーケンス図を参照して、外部操作モードでの動作について説明する。外部操作モードへの切り替えを指示するためには、SCSIコマンドが用いられる。SCSIの仕様では、製造者が独自に利用できるコマンドの領域が設けられているため、製造者は、このコマンド領域を用いて、外部操作モードへの切り替えを指示するコマンドを定義することができる。このようにして定義されたコマンドを動作モード切替命令として用いることによって、外部操作モードへの切り替えを指示することができるのである。
【0036】
情報処理端末10が接続された状態で、ユーザによってホスト装置20の操作部27が用いられて、外部操作モードへの切り替えを指示するための操作が行われると、ホスト装置20のCPU21は、その操作による外部操作モードへの切り替え指示を受け付ける(ステップSB110)。そして、このCPU21は、外部操作モードへの切り替えを指示するコマンドを情報処理端末10に送信する(ステップSB120)。情報処理端末10のCPU11は、ホスト装置20から外部操作モードへの切り替えを指示するコマンドが送信されてくると、USBコントローラ16を用いてそのコマンドを受信し、自端末の動作モードを外部操作モードに切り替える(ステップSB130)。
【0037】
ホスト装置20によって行われる処理の命令には、上述と同様にして、製造者によって定義されたSCSIコマンドが用いられる。例えば、情報処理端末10の表示部18に次のページのコンテンツデータDを表示させるページめくり処理を命令するSCSIコマンドが製造者によって定義されていれば、それを処理の命令に用いることでページめくりを行うことが可能となる。すなわち、製造者は、SCSIコマンドを定義することによって、任意の処理をホスト装置20から命令して、情報処理端末10に実行させることができる。
【0038】
上述したように、外部操作モードにおいて情報処理端末10は、ホスト装置20によって命令された処理を実行する。例えば、この外部操作モードにおいて、ユーザによりホスト装置20の操作部27が用いられて、ページめくり処理を指示する操作が行われると、ホスト装置20のCPU21は、ユーザの操作による処理の指示を受け付ける(ステップSB140)。そして、このCPU21は、その操作により指示されたページめくり処理を命令するコマンドを情報処理端末10に送信する(ステップSB150)。情報処理端末10のCPU11は、ホスト装置20から処理を命令するコマンドが送信されてくると、そのコマンドによって命令されたページめくり処理を実行する(ステップSB160)。
【0039】
図12は、情報処理端末10に対して処理を指示するための操作を受け付ける画面を示す図である。この画面は、ホスト装置20のCPU21が、処理命令ソフトウェアを実行することによって、そのホスト装置20の表示部28に表示されるものである。例えば、情報処理端末10の表示部18に、或るコンテンツデータDが表示される場合には、CPU21は、そのコンテンツデータDの内容を表すプレビュー画像を、この画面内の領域A1に表示させて、そのコンテンツデータDを用いた処理を指示するための操作を受け付ける。この画面において、ユーザによりホスト装置20の操作部27が操作されて、ページめくり処理が指示されると、ホスト装置20のCPU21は、上述したように、ページめくり処理を命令するコマンドを情報処理端末10に送信する。情報処理端末10のCPU11は、ホスト装置20から処理を命令するコマンドが送信されてくると、そのコマンドの命令に従って、次のページのコンテンツデータDを表示部18に表示させる。これにより、情報処理端末10の表示部18には、次のページのコンテンツデータDが表示される。
【0040】
続いて、図13に示すシーケンス図を参照して、マスストレージモードでの動作について説明する。ユーザによりホスト装置20の操作部27が用いられて、マスストレージモード以外の動作モード(接続モード又は外部操作モード)からマスストレージモードへの切り替えを指示する操作が行われると、ホスト装置20のCPU21は、その操作によるマスストレージモードへの切り替え指示を受け付ける(ステップSC100)。そして、このCPU21は、マスストレージモードへの切り替えを指示するコマンドを動作モード切替命令として情報処理端末10に送信する(ステップSC110)。
【0041】
情報処理端末10のCPU11は、ホスト装置20からマスストレージモードへの切り替えを指示するコマンドが送信されてくると、USBコントローラ16を用いてそのコマンドを受信し、まずRAM12に記憶されているキャッシュデータをフラッシュROM13に書き込む(ステップSC120)。このRAM12には、CPU11によって実行された処理の結果であるキャッシュデータが一時的に記憶されており、RAM12に記憶されているキャッシュデータは、所定のタイミングでフラッシュROM13に書き込まれるようになっている。例えば、CPU11によって、あるコンテンツデータDに付箋を表す付箋情報を追加する処理が実行される場合には、そのコンテンツデータDがRAM12に呼び出されて、RAM12において付箋情報が追加される。そのため、このRAM12には、キャッシュデータとして付箋情報が追加されたコンテンツデータDが記憶されることになる。このようにしてRAM12に記憶されたコンテンツデータDには付箋情報が追加されているが、その状態がフラッシュROM13に反映されるまでの時間差が存在するので、或る期間においては、フラッシュROM13に記憶されているコンテンツデータDにはこの付箋情報が追加されていない状態となる。
【0042】
つまり、CPU11がフラッシュROM13にデータを書き込む場合には、一般的にRAM12をキャッシュとして利用した遅延書き込みが行われる。これは、一般的にフラッシュROM13よりもRAM12の方がアクセススピードが速いため、頻繁に書き変わる内容は、RAM12上で変更乃至更新処理がなされ、その処理が終了した後に、RAM12から読み出されてフラッシュROM13へ書き込まれる。また、例えばフラッシュROM13に代えてハードディスクを用いる場合、このハードディスクは、1bitごとのアクセスができず、一定のブロックサイズごとに読み書きを行うブロックデバイスとなる。そのため、CPU11は、一定のブロックサイズになるまではデータをRAM12上に保管する必要がある。こうした事情からキャッシュとしてRAM12が利用される。ただし、RAM12にキャッシュされた内容をフラッシュROM13に書き込まないと、そのフラッシュROM13を管理するファイルシステムに不整合が生じてしまう。従来のUSB端末においては、USB端末とホスト装置との接続の有無に応じて、動作モードが切り替えられていた。そのため、ホスト装置からUSB端末を取り外す処理を行う際に、RAMに記憶されているキャッシュデータをフラッシュROMに書き込むという処理が行われていた。これに対し、本実施形態では、情報処理端末10のUSBコネクタ15をホスト装置20のUSBポート25から取り外すことなく動作モードを移行させて、フラッシュROM13におけるファイルシステムの管理主体を、情報処理端末10のCPU10又はホスト装置20のCPU21に変更することができる。そのため、マスストレージモードに移行する前に、RAM12に記憶されているキャッシュデータをフラッシュROM13のコンテンツデータDに反映させる処理が必要になるのである。
【0043】
続いて、情報処理端末10のCPU11は、RAM12に記憶されている作業データをフラッシュROM13に書き込む(ステップSC130)。この作業データは、情報処理端末10の動作モードがマスストレージモード以外の動作モードからマスストレージモードに切り替えられる直前の作業状態を表す情報であり、例えば作業データをフラッシュROM13に書き込もうとしたときに表示部18に表示されているコンテンツのファイル名やページ番号、あるいは操作部17の操作履歴である。つまり、作業データは、CPU11によって実行された処理の履歴である。このような作業データの保存処理を行うことで、情報処理端末10の動作モードがマスストレージモード以外の動作モードからマスストレージモードに切り替えられて、RAM12の記憶内容がホスト装置20によって書き換えられても、情報処理端末10の動作モードがマスストレージモードから他の動作モード(接続モード又は外部操作モード)に切り替えられたときに、マスストレージモードに切り替えられる直前の作業状態を復元させることができる。
【0044】
RAM12のデータをフラッシュROM13に書き込んだ後、情報処理端末10のCPU11は、自端末の動作モードをマスストレージモードに切り替える(ステップSC140)。上述したように、マスストレージモードにおいて情報処理端末10は、ホスト装置20によるフラッシュROM13へのアクセスを受け入れる。
ここで、図14は、ホスト装置20のCPU21が情報処理端末10のフラッシュROM13にアクセスするときに、ホスト装置20の表示部28に表示される画面の遷移を示す図である。図14(a)は、ホスト装置20に接続されている装置を管理するための画面を示す図である。この画面では、情報処理端末10が「リムーバブルディスク」として表示されている。この画面において、ユーザによりホスト装置20の操作部27が操作されて、情報処理端末10のフラッシュROM13へのアクセスが指示されると、図14(b)に示す画面が表示される。この画面には、情報処理端末10のフラッシュROM13に記憶されているコンテンツデータDのファイル名一覧が表示されている。この画面において、ユーザにより操作部27が操作されて、ファイル名「jkl.bmp」というコンテンツデータDの表示が指示されると、CPU21によってこのコンテンツデータDを表示するためのソフトウェアが実行されて、図14(c)に示す画面が表示される。この画面には、ファイル名「jkl.bmp」というコンテンツデータDを表す画像が表示されている。
【0045】
図14(b)に示した画面において、ユーザによりホスト装置20の操作部27が用いられて、例えば情報処理端末10のフラッシュROM13に「pqr.bmp」というコンテンツデータを追加する処理を指示する操作が行われると、ホスト装置20のCPU21は、ユーザの操作による処理の指示を受け付ける(図13のステップSC150)。そして、このCPU21は、情報処理端末10のフラッシュROM13にアクセスして、その操作により指示された「pqr.bmp」というコンテンツデータを追加する処理を実行する(ステップSC160)。図15は、このときにホスト装置20の表示部28及び情報処理端末10の表示部18に表示される画面を示す図である。ホスト装置20の表示部28には、コンテンツデータを送信している途中であることを表す「情報処理端末にデータ転送中です」というメッセージが表示されている。同様にして、情報処理端末10の表示部18には、ホスト装置20からコンテンツデータが送信されている途中であることを表す「PCと通信中です」というメッセージが表示されている。これにより、情報処理端末10のフラッシュROM13に、「pqr.bmp」というコンテンツデータが追加される。
【0046】
そして、情報処理端末10の動作モードがマスストレージモードである場合に、ユーザによりホスト装置20の操作部27が用いられて、マスストレージモードから他の動作モードへの切り替えを指示する操作が行われると、ホスト装置20のCPU21は、その操作による他の動作モードへの切り替え指示を受け付ける(図13のステップSC170)。ここでいう他の動作モードとは、接続モード又は外部操作モードである。次に、ホスト装置20のCPU21は、まずRAM22に一次的に記憶されているキャッシュデータをフラッシュROM13に書き込む(ステップSC180)。このRAM22には、上述と同様にして、CPU21によって実行された処理の結果であるキャッシュデータが記憶されている。例えば、CPU21によって、あるコンテンツデータDの内容を変更する処理が実行される場合には、フラッシュROM13へのアクセスにより取得されたそのコンテンツデータDがRAM22に呼び出されて、RAM22において内容が変更される。そのため、このRAM22には、処理の結果として内容が変更されたコンテンツデータDが記憶されることになる。このようにしてRAM22に記憶されたコンテンツデータDはその内容が変更されているが、その状態がフラッシュROM13に反映されるまでの時間差が存在するので、フラッシュROM13に記憶されているコンテンツデータDの内容は変更前のままとなることがある。そのため、RAM22に記憶されているキャッシュデータをフラッシュROM13のコンテンツデータDに反映させる処理が必要になるのである。
【0047】
RAM22のキャッシュデータをフラッシュROM13に書き込んだ後、ホスト装置20のCPU21は、他の動作モードへの切り替えを指示するコマンドを動作モード切替命令として情報処理端末10に送信する(ステップSC190)。情報処理端末10のCPU11は、ホスト装置20から他の動作モードへの切り替えを指示するコマンドが送信されてくると、USBコントローラ16を用いてそのコマンドを受信し、自端末の動作モードをマスストレージモードから他の動作モードに切り替える(ステップSC200)。
【0048】
そして、情報処理端末10のCPU11は、ステップSC130においてフラッシュROM13に書き込んだ作業データをRAM12に読み込む(ステップSC210)。これにより、マスストレージモードに切り替えられる前に表示部18に表示されていた表示内容、すなわち、ステップSC130においてフラッシュROM13に書き込まれたファイル名及びページ番号によって特定されるページ画像が再び表示部18に表示され、さらに、マスストレージモードに切り替えられる前に操作された操作履歴が復元される。
【0049】
例えば、ステップSC200において、自端末の動作モードがマスストレージモードから接続モードに切り替えられた場合、上述したように、情報処理端末10のCPU11は、情報処理端末10の操作部17が受け付けた操作によって指示された処理を実行する。そのため、例えばユーザが情報処理端末10の操作部17を操作して、フラッシュROM13に追加された「pqr.bmp」というコンテンツデータDを表示部18に表示する処理を指示すると、CPU11は、このコンテンツデータDを表示部18に表示させる。
【0050】
なお、情報処理端末10とホスト装置20との接続が切断されて、情報処理端末10のUSBコネクタ15がホスト装置20のUSBポート25から取り外されると、情報処理端末10とホスト装置20とは、各々単体で動作する。すなわち、ホスト装置20のCPU21は、操作部27が受け付けた操作によって指示された処理を実行し、情報処理端末10のCPU11は、操作部17が受け付けた操作によって指示された処理をフラッシュROM13に記憶されているコンテンツデータDを用いて実行する。
【0051】
以上説明した実施形態により、情報処理端末10が接続モードで動作することにより、情報処理端末10をホスト装置20に接続させた状態であっても、その情報処理端末10側でユーザの操作に応じた処理を実行することができる。
【0052】
[変形例]
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の各態様を適宜組み合わせてもよい。
【0053】
(1)上述した実施形態では、情報処理端末10とホスト装置20とはUSB規格によって接続されていたが、IEEE1394によって通信可能に接続されていてもよい。この場合、情報処理端末10には、ホスト装置20に着脱自在なIEEE1394に準拠したインターフェースと、IEEE1394に従ってホスト装置20と通信を行うコントローラとが設けられる。ホスト装置20には、情報処理端末10のインターフェースが接続される接続口と、IEEE1394に従って情報処理端末10と通信を行うコントローラとが設けられる。この構成でも、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0054】
(2)上述した実施形態において、情報処理端末10は、ホスト装置20に接続された状態において、接続モード、外部操作モード又はマスストレージモードのいずれかの動作モードで動作していた。これに対し、情報処理端末10は、ホスト装置20に接続された状態において、接続モード又はマスストレージモードのいずれかの動作モードで動作してもよい。
【0055】
(3)上述した実施形態では、外部操作モード,マスストレージモードへの切り替えは、ユーザによるホスト装置20の操作部27が受け付けた操作に基づいてホスト装置20から送信されてくるコマンドの指示に従って行われていた。これに対し、接続モード又は外部操作モードから他の動作モードへの切り替えは、ユーザによる情報処理端末10の操作部17の操作に基づいて行われてもよい。
【0056】
(4)上述した実施形態では、ホスト装置20がパーソナルコンピュータ、情報処理端末10が電子ペーパーと呼ばれる表示装置である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、上述した情報処理端末10が、携帯音楽プレーヤ又はデジタルカメラであってもよい。さらに、フラッシュROM13に記憶されているコンテンツデータDは、例えば情報処理端末10が携帯音楽プレーヤである場合には、音楽を再生するために用いられる音楽データであるとよいし、情報処理端末10がデジタルカメラである場合には、撮像した画像を表示するための画像データであるとよい。よって、情報処理端末10やホスト装置20が実行した処理の結果を出力する手段は、表示部18や表示部28のような表示手段に限らず、処理の結果を音として再生する再生手段や、その処理の結果を記録媒体に書き込む書き込み手段であってもよい。
【0057】
(5)上述した実施形態では、外部操作モードにおいては、操作部17が受け付けた操作に応じた処理は実行されなかった。これに対し、操作部17が受け付けた操作による処理が、ホスト装置20から送信されてきたコマンドによって命令された処理と競合せず、フラッシュROM13に記憶されているデータの不整合や破損を生じさせないものであれば、外部操作モード時の情報処理端末10のCPU11が、操作部17が受け付けた操作による処理を実行してもよい。
【0058】
(6)上述した実施形態では、ホスト装置20の操作部27が受け付けた操作によって命令された処理を実行する外部操作モードが設けられており、接続モードにおいては、ホスト装置20の操作部27が受け付けた操作によって命令された処理は実行されなかった。これに対し、接続モード時の情報処理端末10のCPU11が、ホスト装置20の操作部27が受け付けた操作によって命令された処理を実行してもよい。この場合、情報処理端末10は、ホスト装置20と接続されている状態においては、接続モードとマスストレージモードとの2つの動作モードで動作する。
【0059】
(7)上述した実施形態において、マスストレージモードと外部操作モードとの間については、動作モードの遷移に制限を加えてもよい。例えば、接続モードとマスストレージモードとの間、及び、接続モードと外部操作モードとの間については、動作モード間の遷移を行うことができるとし、マスストレージモードと外部操作モードとの間については、直接遷移を行うことができないものとする。これは動作モード間の遷移によっては、フラッシュROMの内容を書き換えてしまい、動作モード間遷移からの復帰後にデータの整合性が保てないことが起こり得るからである。
また、例えば、ユーザによってホスト装置20の操作部27が操作されて、マスストレージモードから、外部操作モードへの切り替えが指示された場合に、情報処理端末10が、自端末の動作モードをマスストレージモードから一端接続モードに切り替えてから、外部操作モードに切り替えてもよい。これにより、実際には、マスストレージモードから外部操作モードへは直接遷移していないが、ユーザには、マスストレージモードから外部操作モードに直接遷移したように見せることができる。
【0060】
(8)上述した実施形態において、情報処理端末10のCPU11又はホスト装置20のCPU21が実行するプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュROMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】情報処理システム1の構成を示す図である。
【図2】情報処理端末10の構成を示すブロック図である。
【図3】ホスト装置20の構成を示すブロック図である。
【図4】情報処理端末10の各々の動作モードの違いを纏めた図である。
【図5】未接続モード時に情報処理端末10にて行われる処理を説明する図である。
【図6】接続モード時に情報処理端末10にて行われる処理を説明する図である。
【図7】マスストレージモード時に情報処理端末10にて行われる処理を説明する図である。
【図8】外部操作モード時に情報処理端末10にて行われる処理を説明する図である。
【図9】接続モードでの動作を示すシーケンス図である。
【図10】フラッシュROM13へのアクセスが指示されたときの画面を示す図である。
【図11】外部操作モードでの動作を示すシーケンス図である。
【図12】処理を命令するための操作を受け付ける画面を示す図である。
【図13】マスストレージモードでの動作を示すシーケンス図である。
【図14】フラッシュROM13にアクセスするときの画面の遷移を示す図である。
【図15】コンテンツデータの送信中に表示される画面を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1…情報処理システム、10…情報処理端末、20…ホスト装置、11,21…CPU、12,22…RAM、13…フラッシュROM、D…コンテンツデータ、15…USBコネクタ、16,26…USBコントローラ、17,27…操作部、18,28…表示部、23…ROM、24…記憶部、25…USBポート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
USB(Universal Serial Bus)規格に従って命令を送信するホスト装置と、そのホスト装置から送信されてくる命令に対してUSB規格に従って応答する情報処理端末とを備える情報処理システムであって、
前記情報処理端末は、
データを記憶する記憶手段と、
処理を指示する操作を受け付ける第1の操作手段と、
前記ホスト装置からUSB規格に従って送信されてくる命令を受信する受信手段と、
前記ホスト装置に接続された状態において、自端末の動作モードを切り替えることを命令する動作モード切替命令を前記受信手段が受信すると、前記動作モード切替命令に従って自端末の動作モードを第1の動作モード又は第2の動作モードに切り替える動作モード切替手段と、
前記第1の動作モードにおいては、前記操作により指示された処理を前記記憶手段に記憶されているデータを用いて実行し、前記第2の動作モードにおいては、前記操作によって指示された処理を実行しない第1の処理手段と、
前記第1の処理手段によって実行された処理の結果を出力する第1の出力手段とを備え、
前記ホスト装置は、
処理を指示する操作を受け付ける第2の操作手段と、
前記第2の操作手段により受け付けられた操作によって前記情報処理端末の動作モードを切り替えるよう指示されると、指示された動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令をUSB規格に従って前記情報処理端末に送信する送信手段と、
前記送信手段により送信された動作モード切替命令に従って前記情報処理端末の動作モードが前記第2の動作モードに切り替えられてから、前記第2の操作手段により受け付けられた操作によって前記情報処理端末の前記記憶手段に対する処理が指示されると、当該記憶手段に記憶されているデータを用いて当該処理を行う第2の処理手段と、
前記第2の処理手段によって実行された処理の結果を出力する第2の出力手段とを備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記ホスト装置の前記送信手段は、
前記第2の操作手段により受け付けられた操作によって、前記情報処理端末の動作モードを第3の動作モードに切り替えるよう指示されると、前記第3の動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令をUSB規格に従って前記情報処理端末に送信し、
前記情報処理端末の前記動作モード切替手段は、
前記ホスト装置に接続された状態において、自端末の動作モードを前記第3の動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令を前記受信手段が受信すると、前記動作モード切替命令に従って自端末の動作モードを第3の動作モードに切り替え、
前記ホスト装置は、前記送信手段により送信された動作モード切替命令に従って前記情報処理端末の動作モードが前記第3の動作モードに切り替えられてから、前記第2の操作手段により受け付けられた操作によって前記情報処理端末による前記記憶手段に対する処理が指示されると、当該処理を実行するように前記情報処理端末に命令する命令手段を備え、
前記情報処理端末の前記第1の処理手段は、前記命令手段によって命令された処理を前記記憶手段に記憶されているデータを用いて実行する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理端末は、前記第1の処理手段によって実行された前記処理の結果又は前記処理の履歴を前記記憶手段に記憶させる前に一時的に記憶する第1の一次記憶手段を備え、
前記ホスト装置は、前記第2の処理手段によって実行された前記処理の結果を前記記憶手段に記憶させる前に一時的に記憶する第2の一次記憶手段を備え、
前記第1の処理手段は、前記第2の動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令が前記受信手段によって受信されると、前記第1の一次記憶手段に記憶されている前記処理の結果又は前記処理の履歴を前記記憶手段に記憶させ、
前記動作モード切替手段は、前記第1の処理手段によって前記処理の結果又は前記処理の履歴が前記記憶手段に記憶されてから、自端末の動作モードを前記第2の動作モードに切り替え、
前記第2の処理手段は、前記情報処理端末の動作モードを前記第2の動作モードから他の動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令が前記送信手段によって送信されると、前記第2の一次記憶手段に記憶されている処理の結果を、前記情報処理端末の前記記憶手段に記憶されているデータに反映させ、
前記動作モード切替手段は、前記第2の処理手段によって前記処理の結果が前記情報処理端末の前記記憶手段に記憶されているデータに反映されてから、自端末の動作モードを前記第2の動作モードから他の動作モードに切り替える
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項4】
ホスト装置から送信されてくる命令に対してUSB規格に従って応答する情報処理端末であって、
データを記憶する記憶手段と、
処理を指示する操作を受け付ける操作手段と、
前記ホスト装置からUSB規格に従って送信されてくる命令を受信する受信手段と、
前記ホスト装置に接続された状態において、自端末の動作モードを切り替えることを命令する動作モード切替命令を前記受信手段が受信すると、前記動作モード切替命令に従って自端末の動作モードを第1の動作モード又は第2の動作モードに切り替える動作モード切替手段と、
前記第1の動作モードにおいては、前記操作により指示された処理を前記記憶手段に記憶されているデータを用いて実行し、前記第2の動作モードにおいては、前記操作によって指示された処理を実行しない処理手段と、
前記処理手段によって実行された処理の結果を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする情報処理端末。
【請求項5】
USB規格に従って命令を送信するホスト装置であって、
処理を指示する操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段により受け付けられた操作によって、情報処理端末の動作モードを切り替えるよう指示されると、指示された動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令をUSB規格に従って前記情報処理端末に送信する送信手段と、
前記送信手段により送信された動作モード切替命令に従って、前記情報処理端末の動作モードが、当該端末における操作により指示された処理を実行しない第2の動作モードに切り替えられてから、前記操作手段により受け付けられた操作によって前記情報処理端末の記憶手段に対する処理が指示されると、当該記憶手段に記憶されているデータを用いて当該処理を行う処理手段と、
前記処理手段によって実行された処理の結果を出力する出力手段と
を備えることを特徴とするホスト装置。
【請求項6】
ホスト装置から送信されてくる命令に対してUSB規格に従って応答するコンピュータを、
データを記憶する記憶手段と、
処理を指示する操作を受け付ける操作手段と、
前記ホスト装置からUSB規格に従って送信されてくる命令を受信する受信手段と、
前記ホスト装置に接続された状態において、自端末の動作モードを切り替えることを命令する動作モード切替命令を前記受信手段が受信すると、前記動作モード切替命令に従って自端末の動作モードを第1の動作モード又は第2の動作モードに切り替える動作モード切替手段と、
前記第1の動作モードにおいては、前記操作により指示された処理を前記記憶手段に記憶されているデータを用いて実行し、前記第2の動作モードにおいては、前記操作によって指示された処理を実行しない処理手段と、
前記処理手段によって実行された処理の結果を出力する出力手段と
して機能させるためのプログラム。
【請求項7】
USB規格に従って命令を送信するコンピュータを、
処理を指示する操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段により受け付けられた操作によって、情報処理端末の動作モードを切り替えるよう指示されると、指示された動作モードに切り替えることを命令する動作モード切替命令をUSB規格に従って前記情報処理端末に送信する送信手段と、
前記送信手段により送信された動作モード切替命令に従って、前記情報処理端末の動作モードが、当該端末における操作により指示された処理を実行しない第2の動作モードに切り替えられてから、前記操作手段により受け付けられた操作によって前記情報処理端末の記憶手段に対する処理が指示されると、当該記憶手段に記憶されているデータを用いて当該処理を行う処理手段と、
前記処理手段によって実行された処理の結果を出力する出力手段と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−276725(P2008−276725A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175369(P2007−175369)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】