説明

情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法並びにプログラム。

【課題】複数の情報処理装置を連携させてジョブ処理を行なうシステムにおいて、情報の安全性を高めること。
【解決手段】 連携元情報処理装置102が、連携先情報処理装置101と連携してジョブを実行可能な情報処理システムにおいて、連携元情報処理装置102から連携先情報処理装置101に連携ジョブの実行を指示する。連携先情報処理装置101において、実行を指示された連携ジョブの状態を表示する場合に、連携元情報処理装置102に対して問い合わせ、連携元情報処理装置101からの応答に応じて、連携ジョブの状態について少なくとも一部の情報の表示を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数の情報処理装置が連携して処理を遂行する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の情報処理装置がネットワークにより接続され、連携して処理(ジョブ)を実行する技術が提案されている。
【0003】
例えば読取機能を有するがFAX機能を有さないシンプルな情報処理装置と、FAX機能を有するFAX付き情報処理装置とをLANで接続し、シンプルな情報処理装置で読取った文書を、FAX付き情報処理装置を用いてFAX送信することが知られている。これは、連携元情報処理装置で実行される読取ジョブと、連携元情報処理装置で実行されるFAX送信ジョブとを組み合わせて、連携ジョブとして実行させるものである。このように、複数の情報処理装置がネットワークを介して連携して連携ジョブを実行することにより、ユーザの利便性を向上させることができる(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平08−307627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、連携ジョブを行わせる場合、操作者は連携元情報処理装置の側に存在するため、連携先情報処理装置の側にいる他のユーザが誤って当該連携ジョブの中止等の操作をしてしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、複数の情報処理装置を連携させてジョブ処理を行うシステムにおいて、ジョブが意図せず操作されてしまうような不都合を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムは、
連携元情報処理装置が、連携先情報処理装置と連携してジョブを実行可能な情報処理システムにおいて、
前記連携元情報処理装置から前記連携先情報処理装置に連携ジョブの実行を指示する指示手段と、
前記連携先情報処理装置において、実行を指示された連携ジョブの操作を制限し、前記連携元情報処理装置からの指示に応じて当該連携ジョブの操作を許可する制限手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
連携元情報処理装置から指示を受けた連携ジョブを実行可能な情報処理装置において、
前記連携元情報処理装置から、連携ジョブの実行の指示を受信する受信手段と、
実行指示を受け付けたジョブを操作する操作手段と、
前記実行を指示された連携ジョブの前記操作手段による操作を制限し、前記連携元情報処理装置からの指示に応じて当該連携ジョブの操作を許可する制限手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
連携元情報処理装置が、連携先情報処理装置と連携してジョブを実行する情報処理方法において、
前記連携先情報処理装置において、前記連携元情報処理装置から連携ジョブの実行の指示を受信する受信工程と、
前記連携先情報処理装置において、実行指示を受け付けたジョブを、操作手段を用いて操作する操作工程と、
前記連携先情報処理装置において、実行を指示された連携ジョブの前記操作工程における操作を制限し、前記連携元情報処理装置からの指示に応じて当該連携ジョブの操作を許可する制限工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の情報処理装置を連携させてジョブ処理を行うシステムにおいて、ジョブが意図せず操作されてしまうことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
図1〜図22を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、情報処理装置として、MFP(Multi Function Periferal)を例に挙げて説明するが、本発明はそれに限定されるものではなく、ネットワークを介して他の装置と連携しつつ情報を処理するあらゆる装置に適用できる。
【0013】
本実施形態に係るシステムでは、連携ジョブの処理に際し、連携元情報処理装置で認証処理を行い、連携先情報処理装置で認証処理を行っていない場合において、ジョブの参照や操作を連携元情報処理装置のみから可能となるよう制御する。
【0014】
<装置の構成>
図1は、本実施の形態における情報処理システムの構成を示す構成図である。この情報処理システムは情報処理装置であるMFP101及びMFP102がネットワーク103で接続されたものである。
【0015】
MFP101は、プリンタ機能やコピー機能に加え、更にFAX機能をも有するデジタル複合機である。これらの機能は他のMFPと連携せずMFP101単独で処理される単独ジョブ(非連携ジョブ)と、他のMFPのジョブと連携して処理される連携ジョブに利用可能である。単独ジョブとしては、MFP101単独でのプリント、ローカルコピー、自身のスキャナで読取った画像データのFAX送信などがある。MFP101は、他のMFPからの指示で連携ジョブを実行する連携先情報処理装置として機能する。なお、MFP101は認証管理を有していない、もしくはMFP102とは異なるユーザ群による認証管理を行う。
【0016】
MFP102は、プリンタ機能及びコピー機能のみを有し、FAX機能(FAX送受信機能)を有さないデジタル複合機である。これらの機能は他のMFPと連携せずMFP102単独で処理される単独ジョブと、他のMFPと連携して処理される連携ジョブに利用可能である。MFP102は、他のMFPに対して連携ジョブの実行を指示する連携元情報処理装置として機能する。MFP102は認証管理(予め決められたユーザを管理し、当該ユーザによる認証処理により装置の使用を許可する機能)を有しており、ユーザは認証を受けログインしないとMFP102を利用することができない。また、認証処理を行わなかった場合、利用可能な機能を制限して利用を認めるようにしてもよい。
【0017】
図2は、MFP101の構成を示すブロック図である。CPU201は、MFP101全体を制御するためのコントローラである。CPU201はROM202に格納されているブートプログラムによりOS(Operating System)を起動する。このOSの上でストレージ213に記憶されているコントローラプログラムや各種アプリケーションプログラムを実行させる。CPU201はデータバス203などのバスによって各部と接続されている。
【0018】
RAM204は、CPU201の主メモリやワークエリア等の一時記憶領域として動作するものである。また、画像データの変換処理時などの際には一時的なデータ保存領域としても利用される。
【0019】
プリンタ制御部205は、プリンタデバイス206を制御して画像データを紙などに印字させる。プリンタデバイス206は画像データを用紙上に画像として印字するものである。感光体ドラムや感光体ベルトなどを用いた電子写真印刷方式や、微小ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式などがあるがどの方式でもかまわない。
【0020】
スキャナ制御部207は、スキャナデバイス208を制御して画像データを取得する。スキャナデバイス208はCCDなどの光学読取装置を用いて紙などの原稿上の走査を行い、原稿の画像情報を電気信号データに変換する。
【0021】
ネットワーク制御部209は、NIC(Network Interface Card)210などのネットワークI/Fを制御して、LANなどのネットワークに対して、画像データをはじめとする様々なデータの送信あるいは受信を行う。またネットワーク制御部はモデム211を制御して、電話回線に対して画像の送信や受信を行い、FAX機能を提供する。
【0022】
ストレージ213はHDDなどの読み出しと書き込みが可能な不揮発メモリであり、ここにはシステム全体を制御するためのコントローラプログラムや各種アプリケーションプログラムやスキャンされた画像データなど様々なデータが保存される。ストレージ制御部212はストレージ213を制御するものである。
【0023】
入力制御部214は、タッチパネルやハードキーといった入力デバイス215からユーザの操作指示を入力する。表示制御部216はLCDやCRTなどの表示デバイス217を制御して、操作画面をユーザに対して表示させる。入力制御部214及び入力デバイス215、表示制御部216、表示デバイス217により操作部218が構成される。
【0024】
MFP102は、MFP101とほぼ同様の構成であるが、モデム211は具備していない。また、MFP102のストレージ213には、先に挙げた種種のデータに加えて、ユーザの認証情報であるユーザIDとパスワードが保存されている。
【0025】
図3は、MFP101のソフトウェアの構成の概略を示すブロック図である。ミドルウェア302はOS301上に構成されるものである。ミドルウェア302はプリンタ制御部を介してプリンタデバイスを操作するためのAPIなど、各制御部を介して各デバイスの操作を行うためのAPIを提供する。
【0026】
コピーアプリケーション303は、ミドルウェア302が提供するAPIを利用し、ユーザにコピー機能を提供するアプリケーションである。送受信アプリケーション304は、ミドルウェア302が提供するAPIを利用し、ユーザにFAXやe−mailなどの文書送受信機能を提供するアプリケーションである。
【0027】
図4は、MFP102のソフトウェア構成の概略を示すブロック図である。OS401やミドルウェア402、コピーアプリケーション403は、図3のOS301及びミドルウェア302、コピーアプリケーション303と同様の機能を有し同様の動作を行う。
【0028】
連携FAXアプリケーション404は、MFP101と連携してユーザにFAX送信機能を提供するアプリケーションである。MFP102自体はFAX送信機能を有していない。だが、MFP102のスキャナデバイス208による文書の読取り処理とMFP101のモデム211による文書の送信処理を組み合わせることにより、仮想的にFAX送信機能を有した情報処理装置のごとく振舞うものである。即ち、MFP102によるスキャンジョブと、MFP101によるFAX送信ジョブとを組み合わせた連携ジョブを実行させることによって、あたかも1台の装置でスキャンデータのFAX送信を行っているかのように振舞う。そして、MFP102は自身ではFAX送受信機能を有さないが、この連携FAXアプリケーション404によって他のMFPにFAX送信の依頼を行うための操作画面を表示可能である。
【0029】
認証アプリケーション405は、ユーザに認証機能を提供するアプリケーションである。認証アプリケーション405は、ミドルウェア302が提供するAPIを利用し、ストレージ213に記憶されている認証情報と、ユーザが入力デバイス215を使用して入力するユーザID及びパスワードとのマッチングを行う。これにより正当なユーザの認証処理を行う。
【0030】
<システム全体における処理手順>
次に、連携ジョブの表示や操作について処理の実行手順を説明する。図17は、MFP102からMFP101にFAXジョブを指示する処理の手順を示す処理フローチャートである。このフローチャートは各々のMFPのCPU201がROM202やストレージ213に格納されているプログラムをRAM204にロードし実行する制御の流れを示す。
【0031】
まず、MFP102において、操作部218の表示デバイス217に図5乃至図9の画面を順次表示し、ユーザのログイン操作を受け付け、認証を行い、画像の読取りパラメータを設定し、送信先(最終宛先)を指定する。
【0032】
図5は、ユーザID及びパスワードの入力を受け付け、ユーザの認証を行う画面501を示す図である。認証アプリケーション405がこの画面501を表示させる。画面501において、ユーザID入力フィールド502は、ユーザIDを入力する欄であり、このユーザID入力フィールド502が指示されると図6に示すソフトウェアキーボード601を表示する。ユーザはソフトウェアキーボード601のキー群を操作して、ユーザIDの入力を行う。入力内容は入力文字列表示ラベル602に表示される。OKボタン603を指示するとソフトウェアキーボードは閉じられ、ユーザID入力フィールド502に入力内容が反映される。
【0033】
パスワード入力フィールド503は、ユーザID入力フィールド502に入力したユーザIDに対するパスワードを入力するものである。パスワード入力フィールド503を指示すると、ユーザID入力フィールド502同様、ソフトウェアキーボード601が表示され、パスワードを入力することができる。ただし、パスワード入力フィールド503及び、これを指示した際に表示されるソフトウェアキーボード601上の入力文字列表示ラベル602には、入力した文字数に応じた"*"が表示され入力内容がマスクされる。
【0034】
OKボタン504が選択されると、ユーザID入力フィールド502及びパスワード入力フィールド503の入力を確定し、認証処理に移る。ユーザ認証が失敗した場合には、メッセージラベル505に「入力情報が間違っています。」などのエラーメッセージを表示する。
【0035】
一方、認証が成功すると、図7の画面701に遷移する。画面701は、タブ領域702及びアプリケーション領域703、ステータス表示領域704の3つの領域に分かれている。タブ領域702は、インストールされているアプリケーションを示すタブを表示する領域である。
【0036】
コピータブ705は、コピーアプリケーション403を選択するためのタブである。コピータブ705が選択されると、図7のように、そのコピータブ705を反転して表示し、コピーアプリケーション403が選択されている状態を表す。
【0037】
アプリケーション領域703は、タブ領域702で選択されているアプリケーションの画面を表示する領域である。図7はコピーアプリケーション403を選択した状態を示している。ステータス表示領域704は、デバイスや実行中のジョブの状態を示す文字列を表示する領域である。
【0038】
連携FAXタブ706は、連携FAXアプリケーション404を選択する際に指示されるものである。連携FAXタブ706が選択されると、コピータブ705の反転は解除され、変わって連携FAXタブ706が反転して表示される。そして、アプリケーション領域703に、連携FAXアプリケーション404の画面(図8の画面801)を表示する。
【0039】
画面801は、MFP102で実行する原稿の読取処理に関する設定を指示するための画面である。解像度選択エリア802は、原稿読取の解像度を選択する部分である。標準ボタン803が選択されると解像度を200x100[dpi]に設定する。ファインボタン804が選択されると解像度を200x200[dpi]に設定する。スーバーファインボタン805が選択されると解像度を200x400[dpi]に設定する。ウルトラファインボタン806が選択されると解像度を400x400[dpi]に設定する。
【0040】
濃度選択エリア807は、原稿読取の濃度を選択する部分である。こくボタン808が選択されると、原稿を濃く読取るよう設定する。ふつうボタン809が選択されると、原稿を通常モードで読取るよう設定する。うすくボタン810が選択されると、原稿を薄く読取るよう設定する。
【0041】
画質選択エリア811は、原稿読取の画質を選択する部分である。文字ボタン812が選択されると、文字原稿として原稿を読取るよう設定する。文字/写真ボタン813が選択されると、文字と写真が混在した原稿を読取るよう設定する。写真ボタン814が選択されると、写真原稿として原稿を読取るよう設定する。
【0042】
読取サイズボタン816は、原稿のサイズを設定するものである。読取サイズボタン816を指示すると、原稿のサイズを設定する画面(不図示)が表示され、原稿のサイズを設定することができる。原稿サイズラベル815は、読取サイズボタン816により設定された原稿のサイズを表示するものである。次へボタン817が選択されると、画面801における設定を確定し、図9の画面901を表示する。
【0043】
画面901は、送信先のFAX番号を入力する画面である。画面901において、FAX番号ラベル902に、ユーザが入力したFAX番号を表示する。FAX番号はテンキー908を操作されることにより入力する。FAX番号ラベル902には、キャレットを表示し、テンキー908により指示された数値を、キャレットの直前に挿入する。
【0044】
左ボタン903及び右ボタン904は、キャレットの位置を操作するものである。左ボタン903が押下されると、キャレット位置を一つ左へ移動する。右ボタン904が押下されると、キャレット位置を一つ右へ移動する。バックスペースボタン905は、キャレットの直前(左隣)の数字を削除するものである。戻るボタン906が選択されると画面801を表示する。
【0045】
スタートボタン907が選択されると、MFP102は、図10の画面を表示し、スキャナデバイス208により原稿上の画像を読取る(S1701)。原稿の読取りは、画面801において設定された内容に基づいて行う。図10において、画面1001は、原稿読込み処理の実行中に表示される画面である。ページラベル1002は、読込んだ原稿のページ数を表示するものであり、原稿を読込む毎にカウントアップしていく。読取サイズラベル1003は、原稿の読取りサイズを表示するものである。読取りサイズには、読取サイズボタン816により設定された原稿の読取りサイズが表示される。中止ボタン1004は、原稿読込み処理及びこれに続くFAX送信処理を中止するものである。中止ボタン1004を指示すると処理は中止され、画面801に戻る。原稿の読込みが終了すると画面1001は自動的に閉じ、画面801に遷移する。MFP102のCPU201は、読込んだ文書及びFAX送信設定(FAX番号)をMFP101に送信すると共に、MFP101に対し連携ジョブの実行として、FAX送信を指示する指示手段として機能する。なお、連携先であるMFP101はMFP102のRAM204等に予め登録されているものとしてもよいし、ユーザが操作部218によって選択するものであってもよい。
【0046】
次にMFP102はFAX送信の指示をMFP101に対して送信する(S1702)。このとき、MFP102はステップS1701で原稿上の画像を読取って得た画像データ及び画面901において設定された送信に関する設定情報(FAX番号)、自機のIPアドレスをMFP101に送信する。なお、IPアドレスに代えてMFP102を特定可能な他の情報を送信するようにしてもよい。
【0047】
MFP101は、MFP102からFAX送信指示を受信すると、受信したFAX送信対象の画像データを受信した設定情報にしたがってモデム211を介してFAX送信する(S1703)。このとき、MFP101は受付番号を付したFAXジョブを発行し、ジョブ情報を、図16に示すように保存する(S1704)。
【0048】
図16は、MFP101のストレージ213に保存されているFAXジョブ情報のデータフォーマットとしてのジョブ情報テーブル1601を示す概略図である。ここでは連携ジョブとしてのFAXジョブが、単独ジョブとしてのFAXジョブ(自身のスキャナデバイス208で読取った画像データのFAX送信ジョブ)と区別して管理される。
【0049】
受付番号項目1602はFAXジョブの受付番号を表す項目である。状態項目1603は、FAXジョブの状態を表すものである。ジョブが未完了の場合は「実行中」「待機中」「中止中」「リトライ」のいずれかである。ジョブが完了の場合にはブランクとなる。
【0050】
完了項目1604は、FAXジョブが完了したか否かを示すものである。FAXジョブが正常に完了した場合には「OK」、異常な状態で完了した場合には「NG」がそれぞれ入力される。FAXジョブが未完了の場合にはブランクとなる。日時項目1605は、FAXジョブが未完了の場合には、MFP101によるジョブの受付日時が、FAXジョブが完了の場合にはFAXジョブが完了した日時が入力される。宛先項目1606は、FAXジョブの宛先である。ソース項目1607は、FAXジョブを指示した情報処理装置を識別するため、当該情報処理装置のIPアドレスが入力される。
【0051】
ステップS1704において、MFP101はジョブ情報テーブル1601にレコードを追加し、発行したFAXジョブの受付番号を受付番号項目1602に入力する。また、ジョブ発行日時として現在時刻を日時項目1605に、MFP102から受信したIPアドレスをソース項目1607にそれぞれ入力する。
【0052】
ジョブ情報の保存が終了すると、次に、MFP101は、S1703で発行した受付番号とジョブ発行日時とをジョブ情報としてMFP102に送信する(S1705)。
【0053】
MFP102は、受信したジョブ情報を、図15に示すように保存する(S1706)。図15は、MFP102のストレージ213に保存されているFAXジョブ情報のデータフォーマットの概要を示す概略図である。
【0054】
ジョブ情報テーブル1501のひとつのレコードがひとつのFAXジョブに該当する。受付番号項目1502は、FAXジョブの受付番号である。状態項目1503は、FAXジョブの状態を表すものである。ジョブが未完了の場合は「実行中」「待機中」「中止中」「リトライ」のいずれかである。ジョブが完了の場合にはブランクとなる。
【0055】
完了項目1504は、FAXジョブが完了したか否かを示すものである。FAXジョブが正常に完了した場合には「OK」、異常な状態で完了した場合には「NG」がそれぞれ入力される。FAXジョブが未完了の場合にはブランクとなる。日時項目1505は、FAXジョブが未完了の場合には、MFP101によるジョブの受付日時が、FAXジョブが完了の場合にはFAXジョブが完了した日時が入力される。宛先項目1506は、FAXジョブの宛先である。オーナー項目1507は、FAXジョブを指示したユーザのユーザIDである。MFP102は認証管理しているため、ジョブを指示したユーザを管理する。
【0056】
MFP102は、ジョブ情報をMFP101から受信すると、ジョブ情報テーブル1501にレコードをひとつ追加し、受信した受付番号を受付番号項目1502に、ジョブ発行日時を日時項目1505にそれぞれ登録する。また、連携先情報処理装置が複数種類存在する場合、それを識別可能とするために、連携先情報処理装置を示す項目を加えてもよい。
【0057】
MFP101は、発行したFAXジョブの状態を確認し(S1707)、ジョブ情報テーブル1601の状態項目1603と比較して、FAXジョブの状態に変化が生じたか否かを判定する(S1708)。S1708で、FAXジョブの状態が変化したと判定した場合には、ジョブ情報テーブル1601の状態項目1603を更新する(S1709)。このとき、ジョブの状態が完了であるならば、状態項目1603をブランクとし、完了項目1604に「OK」を入力する。また、日時項目1605を現在時刻で更新する。また、FAXジョブの状態を当該FAXジョブの受付番号及び現在時刻と共にMFP102に送信する(S1710)。
【0058】
MFP101はFAXジョブの状態と既FAXジョブの受付番号を受信すると、ジョブ情報テーブル1501から受信した受付番号に一致するレコードを検索し、状態項目1503を更新する(S1711)。このとき、受信したジョブの状態が完了であるならば、状態項目1503をブランクとし、完了項目1504に「OK」を入力する。また、日時項目1505をMFP101から受信した現在時刻で更新する。S1708で、FAXジョブの状態は変化していないと判定した場合には、S1707に遷移し、再度FAXジョブの状態を確認する。
【0059】
MFP101は、FAXジョブが完了したか否かを判定する(S1712)。S1712でFAXジョブが完了したと判定した場合には処理を終了する。S1712でFAXジョブは完了していないと判定した場合には、S1707に遷移し、再度FAXジョブの状態を確認する。
【0060】
<MFP102におけるジョブ状況表示処理>
ジョブを発行後、MFP102において、図7〜10に示されたシステム状況/中止ボタン707が選択されると、図18に示す処理により、ジョブやシステムの状況を表示する画面(図11の画面1101)を表示する。
【0061】
図18は、MFP102において、FAXジョブ状況を表示する処理の手順を示す処理フローチャートである。本フローチャートはMFP102のCPU201がROM202やストレージ213に格納されているプログラムをRAM204にロードし実行する制御の流れを示す。MFP102は、ジョブ情報テーブル1501から完了項目1504が未入力のレコードであって、日時項目1505が直遠のもの数件(画面の表示件数による、図11では最大6件)を検索する(S1801)。MFP102は、検索したレコードを図11の画面1101に表示する(S1802)。
【0062】
図11において、画面1101は、MFP102がMFP101に実行を指示したFAXジョブの内で、未完了であるものの一覧(以降FAXジョブ状況と呼称する)を表示する画面である。画面1101に表示されるFAXジョブ状況は、MFP101が実行するFAXジョブの情報であり、MFP101から送信されるFAXジョブの状況をMFP102が受信して表示する。
【0063】
ジョブ状況リスト1103は、FAXジョブの状況を一覧で表示するものである。各FAXジョブ状況の表示項目は、受付番号及び日時、宛先、状況で示される項目である。受付番号は、MFP101が発行したFAXジョブに付与されるIDである。受付番号は、MFP101でFAXジョブを発行する毎にインクリメントされる4桁のIDであり、上限値まで達すると初期値に戻るロータリー式のIDである。日時は、MFP101がFAXジョブを受け付けた日時を示すものである。宛先は、MFP101が受け付けたFAXジョブの送信先を示すものであり、FAX番号ラベル902にユーザが入力したFAX番号である。状況は、MFP101が発行したFAXジョブの状況を示すものである。状況には「実行中」「待機中」「中止中」「リトライ」のいずれかが表示される。また、ジョブ状況リストの各行を指示することにより、その行を選択状態とすることができる。選択状態の行は反転して表示される。
【0064】
上スクロールボタン1104及び下スクロールボタン1105は、それぞれ指示すると上及び下へジョブ状況リスト1103の表示をスクロールするものである。FAXジョブ状況が一ページに表示しきれない場合には、上スクロールボタン1104及び下スクロールボタン1105を使用して全てのFAXジョブを表示する。
【0065】
詳細ボタン1106は、指示すると選択状態のFAXジョブについて、ジョブ状況詳細画面(不図示)を表示する。ジョブ状況詳細画面では、ジョブ状況リストに表示されている項目に加えて、送信文書のページ数などFAXジョブのより詳細な情報を表示する。
【0066】
中止ボタン1107は、指示すると選択状態のFAXジョブを中止する。このときMFP102は、当該FAXジョブの受付番号と共にジョブ中止指示をMFP101に送信する。MFP101は受信した受付番号のジョブを中止する。
【0067】
コピーボタン1108は、指示するとMFP102が単独ジョブとして実行するコピージョブのジョブ状況を表示する画面(不図示)へ遷移する。
【0068】
プリントボタン1109は、指示するとMFP102が単独ジョブとして実行するプリントジョブのジョブ状況を表示する画面(不図示)へ遷移する。
【0069】
連携FAXボタン1110は、指示すると画面1101(連携FAXジョブの状況表示)へ遷移する。図11では、既に画面1101を表示中であるため、連携FAXボタン1110は反転して表示されている。
【0070】
デバイスボタン1111は、指示するとMFP102本体の状況を表示する画面(不図示)へ遷移する。既画面では、各給紙段の用紙残量やトナーなどの消耗品の状況などを参照することができる。
【0071】
コピーボタン1108及びプリントボタン1109、連携FAXボタン1110、デバイスボタン1111は、指示時の遷移先となる各画面いずれにも表示されるボタンである。
【0072】
閉じるボタン1112は、指示すると、現在選択されているアプリケーションに応じて画面701あるいは画面801に遷移するものである。
【0073】
ジョブ状況リスト1103では、現在ログインしているユーザ以外のユーザが指示したジョブは、日時や宛先はマスクして表示される。また、詳細ボタン1106や中止ボタン1107は、他のユーザが指示したジョブを選択している場合には、網掛けの表示となり指示することができない。また、認証処理を行わずに行ったジョブはマスクも網掛けもされず制限なく表示や操作が可能である。
【0074】
この画面1101で、ジョブ履歴へボタン1102が選択されると、図19に示す処理を実行し、画面1201へ遷移する。
【0075】
<MFP102におけるジョブ履歴表示処理>
図19は、MFP102において、FAXジョブ履歴を表示する処理の手順を示す処理フローチャートである。本フローチャートはMFP102のCPU201がROM202やストレージ213に格納されているプログラムをRAM204にロードし実行する制御の流れを示す。図12の画面1201は、MFP102がMFP101に実行を指示したFAXジョブの内で、処理を完了したものの一覧(以降FAXジョブ履歴と呼称する)を表示する画面である。
【0076】
MFP102は、ジョブ情報テーブル1501から完了項目1504が入力済みのレコードであって、日時項目1506が直近のもの数件(画面の表示件数による、図12では最大6件)を検索する(S1901)。MFP102は、検索したレコードを図12の画面1201に表示する(S1902)。
【0077】
図12において、ジョブ履歴リスト1203は、FAXジョブ履歴を表示するものである。各FAXジョブ履歴の表示項目は、受付番号及び日時、宛先、結果で示される項目である。受付番号は、ジョブ状況リスト1103と同様、MFP101が発行したFAXジョブに付与するIDである。日時は、MFP101が当該FAXジョブを完了した日時である。宛先は、ジョブ状況リスト1103と同様、MFP101が完了したFAXジョブの送信先である。結果は、MFP101が発行したFAXジョブの結果を示すものである。結果には、該当するFAXジョブの結果として「OK」あるいは「NG」が表示される。「NG」の場合は送信に失敗した場合である。また、ジョブ履歴リスト1203の各行を選択することにより、その行を選択状態とすることができる。選択状態の行は反転して表示される。
【0078】
上スクロールボタン1204及び下スクロールボタン1205は、それぞれ指示すると上及び下へジョブ履歴リスト1203の表示をスクロールするものである。FAXジョブ履歴が一ページに表示しきれない場合には、上スクロールボタン1204及び下スクロールボタン1205を使用して全てのFAXジョブを表示する。
【0079】
詳細ボタン1206は、押下するとリストで選択しているFAXジョブについて、ジョブ履歴詳細画面(不図示)を表示する。コピーボタン1207は、指示するとMFP102が単独ジョブとして実行したコピージョブのジョブ履歴を表示する画面(不図示)へ遷移する。プリントボタン1208は、指示するとMFP102が単独ジョブとして実行したプリントジョブのジョブ履歴を表示する画面(不図示)へ遷移する。連携FAXボタン1209は、指示すると画面1201(連携FAXジョブの履歴表示)へ遷移する。図12では、既に画面1201を表示中であるため、連携FAXボタン1209は反転して表示されている。
【0080】
コピーボタン1207及びプリントボタン1208、連携FAXボタン1209は、指示時の遷移先となる各画面いずれにも表示されるボタンである。閉じるボタン1210は、指示すると、現在選択されているアプリケーションに応じて画面701あるいは画面801に遷移するものである。ジョブ履歴リスト1203には、現在ログイン中のユーザが指示したジョブのみが表示される。他のユーザが指示したジョブは表示されない。
【0081】
なお、ジョブ状況へボタン1202が選択されると、図11の画面1101を表示する処理の戻る。
【0082】
<MFP101におけるジョブ状況表示処理>
図13は、MFP101におけるFAXジョブ状況画面1301を示す図である。図13において、表示項目・内容は画面1101と同様であるが、ジョブ状況リスト1302には、MFP101が指示した単独ジョブとしてのFAXジョブに加えて、MFP102をはじめとする他の情報処理装置から指示された連携ジョブとしてのFAXジョブが表示される。
【0083】
ジョブ状況リスト1302には、MFP102のようにユーザの認証管理がなされている情報処理装置から指示されたジョブについては、日時及び宛先を"*"でマスクして表示する。また、これらのジョブが選択された状態では、詳細ボタン1303や中止ボタン1304は網掛けに表示され、それらのボタンを選択できない状態となる。つまり、認証管理された情報処理装置から指示されたジョブについては、その状態を表示せず、その処理のMFP101の操作部218からの変更操作も受け付けない。
すなわち、MFP101のCPU201は、連携ジョブの状態を表示する場合に、連携元情報処理装置としてのMFP102に対して認証処理を行ったか否かを問合せる制御手段として機能する。そして、該連携元情報処理装置としてのMFP102からの応答に応じて、連携ジョブの状態について、少なくとも一部の情報(例えば日時及び宛先)の表示を制限し、マスクして表示する。
【0084】
逆に、認証管理されていない情報処理装置が指示したジョブについては、自機(MFP101)が指示したジョブ同様、ジョブ状況リスト1302に通常に表示する。また、これらのジョブが選択された場合には、詳細ボタン1303や中止ボタン1304も通常に表示され、MFP101の操作部218からの様々な指示を行い、ジョブの操作が可能である。
【0085】
図20は、MFP101において、FAXジョブ状況画面1301を表示する処理の手順を示すフローチャートである。本フローチャートは各MFPのCPU201がROM202やストレージ213に格納されているプログラムをRAM204にロードし実行する制御の流れを示す。MFP101は、ジョブ情報テーブル1601から完了項目1604が未入力のレコードであって、日時項目1605が最新のもの数件(画面の表示件数による、図13では最大6件)を検索する(S2001)。
【0086】
MFP101は、S2001における検索の結果、ソース項目1607に入力されているIPアドレスに、自機のIPアドレスに一致しないレコードが含まれているか否かを判定する(S2002)。即ち、MFP101以外の情報処理装置からの指示による連携FAXジョブの有無を判定する。判定の方法はIPアドレスによる判定に限らない。
【0087】
S2002で、ソース項目1607が自機のIPアドレスに一致しないレコードは含まれていないと判定した場合には、S2007に遷移する。
【0088】
S2002で、ソース項目1607が自機のIPアドレスに一致しないレコードが含まれていると判定した場合には、当該レコードのソース項目1607のIPアドレスの情報処理装置(MFP102)に、認証管理の有無を問合せる(S2003)。即ち、当該レコードのジョブがユーザ認証処理を行ったうえでジョブの実行指示がなされたものかを問合せる。
【0089】
MFP102は、MFP101に認証管理の有無を送信する(S2004)。本実施の形態においては、MFP102は認証管理を有しており、連携FAXジョブの実行指示に際して認証処理しているので、「認証管理あり」の応答を送信する。
【0090】
MFP101は、応答結果からMFP102において認証管理があったか否かを判定する(S2005)。S2005で認証管理があったと判定した場合には、ソース項目1607のIPアドレスがMFP102であるレコードについては、日時及び宛先をマスクして表示する(S2006)。また、ここで一部をマスクして表示されるレコードについては、MFP101の操作部218からの指示ではジョブの中止や変更等の操作が禁止される。
【0091】
S2005で認証管理を行っていないと判定した場合には、ソース項目1607のIPアドレスが当該MFP101であるレコード、つまり、自機が指示した単独ジョブと同様、通常通り表示する(S2007)。また、ここで通常通り表示されたレコードについては、MFP101の操作部218からの操作によりジョブの中止や変更等の操作が許可される。また、認証管理された連携ジョブ、認証管理されていない連携ジョブ、単独ジョブはそれぞれ区別して表示される。従って、ユーザはそれぞれのジョブの種類に応じた操作の可否を容易に識別できるものである。
【0092】
<MFP101におけるジョブ履歴表示処理>
図14は、MFP101におけるFAXジョブ履歴を表示するFAXジョブ履歴画面1401を示す図である。FAXジョブ履歴画面1401の表示項目・内容は画面1201と同様である。ただし、MFP102のようにユーザが認証管理された情報処理装置(自機を除く)から指示されたジョブの履歴は、ジョブ履歴リスト1402に表示しない。自機で指示したジョブか、或いは、認証管理していない情報処理装置から指示されたジョブについてのみ、ジョブ履歴リスト1402にジョブ履歴を表示する。ただし、認証管理された情報処理装置からの指示による連携FAXジョブの履歴は、全く表示しないのではなく、一部項目(宛先等)をマスクして表示するようにしてもよい。
【0093】
図21は、MFP101において、FAXジョブ履歴画面1401を表示する処理の手順を示すフローチャートである。本フローチャートは各MFPのCPU201がROM202やストレージ213に格納されているプログラムをRAM204にロードし実行する制御の流れを示す。
【0094】
MFP101は、ジョブ情報テーブル1601のソース項目1607から、自機のIPアドレス以外のIPアドレスを抽出する(S2101)。S2101で抽出したIPアドレスそれぞれについて、当該IPアドレスに該当する情報処理装置に認証管理の有無を問合せる(S2102)。
【0095】
上記情報処理装置のひとつであるMFP102は、MFP101に認証有無を送信する(S2103)。本実施の形態においては、MFP102は認証管理しているので、「認証管理あり」の応答を送信する。MFP101は、応答結果から当該情報処理装置が認証管理しているか否かを判定する(S2104)。S2104で、認証管理なしと判定した場合には、S2106に遷移する。
【0096】
S2104で、認証管理していると判定した場合には、ソース項目1607に当該IPアドレスが入力されているレコードを検索対象から除外する(S2105)。MFP101は、S2104の結果取得した条件で、ジョブ情報テーブルから完了項目1604が入力済みのレコードであって、日時項目1605が最新のもの数件(画面の表示件数による、図14では最大6件)を検索する(S2106)。MFP101は、検索したレコードをFAXジョブ履歴画面1401に表示する(S2107)。
【0097】
<MFP102におけるジョブ中止処理>
図22は、MFP102において未完了のFAXジョブを中止する処理の手順を示すフローチャートである。本フローチャートは各MFPのCPU201がROM202やストレージ213に格納されているプログラムをRAM204にロードし実行する制御の流れを示す。MFP102の画面1101において、連携FAXジョブの1つを指定し、中止ボタン1107が指示されると、MFP102はMFP101に、ジョブ状況リスト1103で選択状態であるジョブの中止指示を送信する(S2201)。このとき、ジョブ状況リスト1103で選択状態のジョブの受付番号をMFP101に送信する。
【0098】
MFP101はジョブの中止を受信すると当該ジョブを中止する(S2202)。このとき、MFP101は、中止を指示された連携FAXジョブがMFP102からの指示によるものであったことを確認したうえで、中止するようにする。なお、このMFP102から中止が指示されるジョブは、MFP101の操作部218からは中止の指示が禁止される。また、MFP101は、ジョブ情報テーブル1601の当該受付番号に該当するレコードに対して、状態項目1603にブランクを、完了項目1604に「OK」をそれぞれ入力する(S2203)。
【0099】
MFP102は、中止が指示されたジョブについて、ジョブ情報テーブル1501の状態項目1503にブランクを、完了項目1504に「OK」をそれぞれ入力する(S2204)。
【0100】
MFP102は、画面1101の表示を更新する(S2205)。これにより、中止されたジョブは画面1101から消える。
【0101】
<本実施形態の効果>
上述のように、連携元情報処理装置で認証を行い連携先情報処理装置で認証を行っていない場合において、ジョブの参照や操作を連携元情報処理装置のみから可能となるよう制御する。即ち、連携元で認証処理している連携ジョブは重要度の高いジョブと判定し、当該ジョブの参照や操作を制限する。これにより、複数の情報処理装置が連携する場合であっても、ユーザが指示したジョブのセキュリティ性を向上させることができる。
【0102】
なお、連携先情報処理装置のジョブ状況では、所望のジョブが全体ジョブの中で何番目にスケジューリングされているのかを確認したい場合がある。このため、ジョブ状況リスト1103及びジョブ状況リスト1302では、参照や操作不可であるジョブについても、リストの項目として表示している(内容はマスクして表示しない)。しかし、ログイン中のユーザに合致しない、あるいは、連携元情報処理装置が認証管理されていることを条件に、これらのジョブについてもジョブ状況に表示しないよう構成してもよい。これは情報処理装置のセキュリティポリシーの要求(装置の設定)に依るものである。また、ジョブの表示の制限や操作の禁止/制限は、一般ユーザに対してのものであり、装置管理者のみ制限なく表示や操作を行えるようにしてもよい。
また、連携元で認証処理を行ったか否に応じて連携先でのジョブの状態の表示や操作を制限するのではなく、単に連携ジョブであるか否かに応じて制限するようにしてもよい。即ち、連携先において、連携ジョブは自身の操作部での表示や操作は制限する一方、連携先からの指示による操作は可能とするようにしてもよい。つまり、ジョブの指示元ではジョブの表示や操作を制限せず、それ以外での表示や操作を制限する。
【0103】
なお、webサーバ機能を備えているMFPの場合には、クライアントである情報処理装置のwebブラウザからこのwebサーバを介してMFPの機能を操作することができる。
【0104】
組込みのwebブラウザを有するMFPを利用した場合、インターネット上のコンテンツを操作部に表示、内容に応じてプリントすること等の処理を実行可能である。
【0105】
連携先情報処理装置において認証管理を有する連携元情報処理装置が指示したジョブを操作したい場合があるが、このような場合には上記組込みwebブラウザを利用することができる。すなわち、連携先情報処理装置のwebブラウザから連携元情報処理装置のwebサーバにアクセスし、認証を受ける。その上でジョブ状況を表示し、連携ジョブの操作を成すことができる。
【0106】
あるいは、VNC(Virtual Network Computing)サーバ及びクライアントの機能を有したMFPにも本発明を適用することができる。その場合、連携先情報処理装置のVNCクライアントから連携元情報処理装置のVNCサーバにアクセスすることで、連携先情報処理装置の操作部に連携元情報処理装置の操作部の内容を表示することができる。これにより、連携先情報処理装置の操作部から連携元情報処理装置の認証を受け、その上でジョブ状況を表示し連携ジョブの操作を成すことができる。
【0107】
例えば、ジョブ状況リスト1302で、表示がマスクされているジョブを選択し、「中止」ボタンを指示した場合には、ソース項目1607に入力されているIPアドレスにしたがって、自動的に組込みwebブラウザやVNCが起動するよう構成しても良い。
【0108】
上記により、更にユーザの利便性を向上させることが可能である。
【0109】
本実施の形態では、FAXジョブを例に説明したが、本発明を適用することができるジョブはFAXに限定するものではない。プリントや文書保存を成すジョブなどにも本発明を適用することができる。
【0110】
また、本実施の形態では、MFP同士の連携を例に説明したが、本発明を適用することができる情報処理装置をMFPに限定するものではない。サーバや単機能の装置(スキャナ装置、プリンタ装置など)など他の情報処理装置を適用することができる。
【0111】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0112】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置が、供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0113】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0114】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクがある。また、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などがある。
【0115】
その他、クライアントPCのブラウザを用いてインターネットサイトに接続し、本発明に係るプログラムそのもの、若しくは更に自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードするという利用方法もある。また、本発明に係るプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の範疇に含まれる。 また、本発明に係るプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0116】
また、プログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0117】
さらに、PCの機能拡張ユニットに備わるメモリに本発明に係るプログラムが書き込まれ、そのプログラムに基づき、その機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行う場合も、本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施形態における情報処理システムの構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における情報処理装置のソフトウェア構成の概略を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における情報処理装置のソフトウェア構成の概略を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態において表示される画面例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態において表示される画面例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態において表示される画面例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態において表示される画面例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態において表示される画面例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態において表示される画面例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態において表示される画面例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態において表示される画面例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態において表示される画面例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態において表示される画面例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態におけるジョブ情報の概要を示す図である。
【図16】本発明の実施形態におけるジョブ情報の概要を示す図である。
【図17】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図22】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0119】
101 MFP
102 MFP
103 ネットワーク
201 CPU
202 ROM
203 データバス
204 RAM
205 プリンタ制御部
206 プリンタデバイス
207 スキャナ制御部
208 スキャナデバイス
209 ネットワーク制御部
210 NIC
211 モデム
212 ストレージ制御部
213 ストレージ
214 入力制御部
215 入力デバイス
216 表示制御部
217 表示デバイス
218 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連携元情報処理装置が、連携先情報処理装置と連携してジョブを実行可能な情報処理システムにおいて、
前記連携元情報処理装置から前記連携先情報処理装置に連携ジョブの実行を指示する指示手段と、
前記連携先情報処理装置において、実行を指示された連携ジョブの操作を制限し、前記連携元情報処理装置からの指示に応じて当該連携ジョブの操作を許可する制限手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記制限手段は、
前記連携元情報処理装置から、前記指示手段による連携ジョブの実行の指示の際に認証処理を行ったか否を示す情報を受信し、前記連携元情報処理装置が、認証処理を行っていた場合には、
前記連携先情報処理装置において、前記実行を指示された連携ジョブの状態について、少なくとも一部の情報の表示を制限することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記連携元情報処理装置は、前記認証処理を行ったジョブの状態について、当該ジョブの指示を行ったユーザ以外のユーザに対して、少なくとも一部の表示を制限することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記連携先情報処理装置は、実行したジョブの状態として、連携ジョブと非連携ジョブとを区別して表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記制限手段は、
前記連携先情報処理装置において、実行を指示された連携ジョブの操作を受け付けた場合に、連携元情報処理装置が、当該連携ジョブの実行の指示の際に認証処理を行ったか否か判定し、該連携元情報処理装置が認証処理を行ったと判定された場合には、前記連携先情報処理装置において、前記実行を指示された連携ジョブの操作を制限することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
連携元情報処理装置から指示を受けた連携ジョブを実行可能な情報処理装置において、
前記連携元情報処理装置から、連携ジョブの実行の指示を受信する受信手段と、
実行指示を受け付けたジョブを操作する操作手段と、
前記実行を指示された連携ジョブの前記操作手段による操作を制限し、前記連携元情報処理装置からの指示に応じて当該連携ジョブの操作を許可する制限手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
連携元情報処理装置が、連携先情報処理装置と連携してジョブを実行する情報処理方法において、
前記連携先情報処理装置において、前記連携元情報処理装置から連携ジョブの実行の指示を受信する受信工程と、
前記連携先情報処理装置において、実行指示を受け付けたジョブを、操作手段を用いて操作する操作工程と、
前記連携先情報処理装置において、実行を指示された連携ジョブの前記操作工程における操作を制限し、前記連携元情報処理装置からの指示に応じて当該連携ジョブの操作を許可する制限工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータが実行することにより、請求項7に記載の情報処理方法の各工程を実現するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−20639(P2010−20639A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−181980(P2008−181980)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】