説明

情報処理システム、機器、情報処理装置、情報処理方法、情報通知方法、及びプログラム

【課題】機器において発生する事象をネットワークを介して検知させること。
【解決手段】情報処理システムは、当該機器において発生する事象の種別のうち、ネットワークを介して接続される情報処理装置への通知対象とされる事象の種別を記憶する記憶手段と、当該機器において発生した事象が、前記記憶手段が記憶する種別に係る事象である場合に、当該事象に関する情報を前記情報処理装置に送信する送信手段とを有する機器と、前記機器の事象の配信先の識別情報を記憶する配信先記憶手段と、前記機器の事象に関する情報の受信に応じ、前記配信先記憶手段が記憶する前記識別情報に係る配信先に、該情報を送信する配信手段とを有する前記情報処理装置とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、情報通知方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アプリケーションプログラムをインストールして機能拡張を図ることが可能な画像形成装置がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
他方において、近年、クラウドサービスが注目されている。画像形成装置に関するアプリケーションプログラムの機能ついても、クラウドサービスに代表されるようなWebアプリケーションやサーバ側のアプリケーションによって提供できれば、ユーザに対して更なる付加価値の提供の可能性が期待できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置に関するアプリケーションプログラムは、画像形成装置において発生する各種のイベントを処理の開始の契機としたり、当該イベントに応じて処理内容を変化させたりする必要のある場合がある。しかしながら、企業の外部又は内部、すなわち画像形成装置の外部のネットワーク上に配置されたサーバ装置において、これらのイベントの発生を検知するのは困難であった。
【0005】
このような事情は、画像形成装置と同様に、アプリケーションプログラムをインストール可能な各種の機器において共通の課題であるといえる。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、機器において発生する事象をネットワークを介して検知させることのできる情報処理システム、機器、情報処理装置、情報処理方法、情報通知方法、及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、情報処理システムは、当該機器において発生する事象の種別のうち、ネットワークを介して接続される情報処理装置への通知対象とされる事象の種別を記憶する記憶手段と、当該機器において発生した事象が、前記記憶手段が記憶する種別に係る事象である場合に、当該事象に関する情報を前記情報処理装置に送信する送信手段とを有する機器と、前記機器の事象の配信先の識別情報を記憶する配信先記憶手段と、前記機器の事象に関する情報の受信に応じ、前記配信先記憶手段が記憶する前記識別情報に係る配信先に、該情報を送信する配信手段とを有する前記情報処理装置とを有する。
【発明の効果】
【0008】
機器において発生する事象をネットワークを介して検知させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第一の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるイベント配信装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】第一の実施の形態における情報処理システムの機能構成例を示す図である。
【図5】購読サービスの登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図6】購読情報記憶部の構成例を示す図である。
【図7】第一の実施の形態における画像形成装置と購読サービスとの連携のための設定処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図8】第一の実施の形態における画像形成装置と購読サービスとの連携のための設定処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図9】ログイン画面の表示例を示す図である。
【図10】ユーザ情報記憶部の構成例を示す図である。
【図11】管理者ポータル画面の表示例を示す図である。
【図12】ユーザ選択画面の表示例を示す図である。
【図13】ユーザ登録後の管理者ポータル画面の表示例を示す図である。
【図14】第一の実施の形態における購読サービス選択画面の表示例を示す図である。
【図15】スクリプト実装ファイルのダウンロード後における画像形成装置の機能構成例を示す図である。
【図16】管理者ポータル画面のHTMLデータの一部分の定義例を示す図である。
【図17】通知対象記憶部の構成例を示す図である。
【図18】連携情報記憶部の構成例を示す図である。
【図19】登録完了通知画面の表示例を示す図である。
【図20】ユーザ端末に関する購読サービスへの登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図21】ユーザポータル画面の表示例を示す図である。
【図22】サービス確認画面の表示例を示す図である。
【図23】利用設定画面の表示例を示す図である。
【図24】設定情報記憶部の構成例を示す図である。
【図25】FAX受信に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図26】第二の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
【図27】第二の実施の形態における情報処理システムの機能構成例を示す図である。
【図28】機器情報の登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図29】機器情報記憶部の構成例を示す図である。
【図30】機器登録画面の表示例を示す図である。
【図31】機器追加画面の表示例を示す図である。
【図32】第二の実施の形態における画像形成装置と購読サービスとの連携のための設定処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図33】第二の実施の形態における購読サービス選択画面の表示例を示す図である。
【図34】連携機器選択画面の表示例を示す図である。
【図35】イベント配信装置及びサービス提供装置が複数のコンピュータによって構成される例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、第一の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図1の情報処理システム1において、一台以上の画像形成装置10、イベント配信装置20、サービス提供装置30、及び一台以上のユーザ端末40等は、LAN(Local Area Network)、イントラネット、又はインターネット等の通信用のネットワークを介して通信可能とされている。
【0011】
本発明における機器の一例としての画像形成装置10は、印刷、スキャン、コピー、及びファクス(FAX)通信等のうちの二以上の機能を一台の筐体によって実現する複合機である。但し、いずれか一つの機能を単体で有する機器が画像形成装置10として用いられてもよい。本実施の形態において、画像形成装置10は、FAX通信機能を有していればよい。
【0012】
イベント配信装置20は、画像形成装置10において発生する各種の事象(以下、「イベント」という)を、予め登録されているイベントの配信先(購読者)に配信するサービス(以下、「イベント配信サービス」という。)を提供するコンピュータである。例えば、イベント配信装置20は、インターネット上におけるクラウドサービスとして、イベント配信サービスを提供する。イベントの配信を希望するユーザは、イベント配信装置20に対して、イベントの配信先を登録する。なお、本実施の形態では、イベントの配信を受けることを、イベントの購読と表現する。また、イベントの配信とは、当該イベントに関する情報の配信を意味する。
【0013】
サービス提供装置30は、イベント配信サービスによって配信されるイベントに基づくサービスを提供するコンピュータである。サービス提供装置30は、イベントの購読者としてイベント配信装置20に登録される。本実施の形態において、サービス提供装置30は、画像形成装置10におけるFAX受信に応じ、予め登録されているメールアドレスにFAX受信の通知メールを送信するサービス(以下、「FAX受信通知サービス」という。)を、例えば、クラウドサービスとして提供する。なお、本実施の形態において、イベントの購読に基づいて提供されるサービスは、「購読サービス」として総称される。FAX受信通知サービスは、購読サービスの一例である。
【0014】
ユーザ端末40は、サービス提供装置30が提供するFAX受信通知サービスを利用するユーザが、FAX受信の通知メールの受信等に利用するコンピュータである。ユーザ端末40の一例として、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistance)、タブレット型端末、スマートフォン、又は携帯電話等が挙げられる。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。図2において、画像形成装置10は、コントローラ11、スキャナ12、プリンタ13、モデム14、操作パネル15、ネットワークインタフェース16、及びSDカードスロット17等のハードウェアを有する。
【0016】
コントローラ11は、CPU111、RAM112、ROM113、HDD114、及びNVRAM115等を有する。ROM113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAM112は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU111は、RAM112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD114には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記憶される。NVRAM115には、各種の設定情報等が記憶される。
【0017】
スキャナ12は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェア(画像読取手段)である。プリンタ13は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェア(印刷手段)である。モデム14は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。操作パネル15は、ユーザからの入力の受け付けを行うためのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段等を備えたハードウェアである。ネットワークインタフェース16は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)に接続するためのハードウェアである。SDカードスロット17は、SDカード80に記憶されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像形成装置10では、ROM113に記憶されたプログラムだけでなく、SDカード80に記憶されたプログラムもRAM112にロードされ、実行されうる。なお、他の記録媒体(例えば、CD−ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)によってSDカード80が代替されてもよい。すなわち、SDカード80の位置付けに相当する記録媒体の種類は、所定のものに限定されない。この場合、SDカードスロット17は、記録媒体の種類に応じたハードウェアによって代替されればよい。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態におけるイベント配信装置のハードウェア構成例を示す図である。図3のイベント配信装置20は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置200と、補助記憶装置202と、メモリ装置203と、CPU204と、インタフェース装置205とを有する。
【0019】
イベント配信装置20での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体201によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体201がドライブ装置200にセットされると、プログラムが記録媒体201からドライブ装置200を介して補助記憶装置202にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体201より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置202は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0020】
メモリ装置203は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置202からプログラムを読み出して格納する。CPU204は、メモリ装置203に格納されたプログラムに従ってイベント配信装置20に係る機能を実行する。インタフェース装置205は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0021】
なお、サービス提供装置30も、図3に示されるようなハードウェアを有していればよい。
【0022】
図4は、第一の実施の形態における情報処理システムの機能構成例を示す図である。
【0023】
図4において、画像形成装置10は、機器ブラウザ部121、イベント通知部122、及びシステム制御部123等を有する。これら各部は、画像形成装置10にインストールされたプログラムが、CPU111に実行させる処理により実現される。画像形成装置10は、また、通知対象記憶部124を有する。通知対象記憶部124は、例えば、HDD114等を用いて実現可能である。
【0024】
機器ブラウザ部121は、操作パネル15にブラウザ画面を表示させる。機器ブラウザ部121は、当該ブラウザ画面を介して、一般的なWebブラウザと同様の機能を実現する。例えば、機器ブラウザ部121は、ブラウザ画面に入力されたURL宛に、HTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストを送信する。機器ブラウザ部121は、HTTPリクエストに応じて返信されるHTTPレスポンスに含まれている、表示データの一例であるHTML(HyperText Markup Language)データに基づく画面をブラウザ画面の表示領域内に表示させる。機器ブラウザ部121は、更に、画像形成装置10に特有の(画像形成装置10用に拡張された)スクリプトに基づく処理を、画像形成装置10に実行させることができる。例えば、機器ブラウザ部121は、HTMLデータに含まれている、スキャンの実行命令を示すスクリプトに基づいて、スキャナ12にセットされているスキャンを画像形成装置10に実行させる。本実施の形態において、機器ブラウザ部121は、HTMLデータに含まれている、通知対象とするイベントの登録命令を示すスクリプトに基づいて、イベント配信装置20への通知対象とするイベント種別をイベント通知122に設定する。
【0025】
イベント通知部122は、画像形成装置10において通知対象とされているイベントの発生に応じ、当該イベントに関する情報をイベント配信装置20に送信する。
【0026】
システム制御部123は、画像形成装置10の各種ハードウェアの制御を行うソフトウェア群である。
【0027】
通知対象記憶部124は、イベント配信装置20への通知対象とするイベント種別の一覧を記憶する。
【0028】
イベント配信装置20は、ポータル部21、連携設定部22、及び配信部23等を有する。これら各部は、イベント配信装置20にインストールされたプログラムが、CPU204に実行させる処理により実現される。イベント配信装置20は、また、ユーザ情報記憶部24、購読情報記憶部25、及び連携情報記憶部26等を有する。これら各記憶部は、補助記憶装置202、又はイベント配信装置20とネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現可能である。
【0029】
ユーザ情報記憶部24は、イベント配信サービスの登録ユーザに関する情報を記憶する。購読情報記憶部25は、購読サービスに関する情報を記憶する。連携情報記憶部26は、画像形成装置10と購読サービス(サービス提供部31)との連携に必要な情報を記憶する。
【0030】
ポータル部21は、イベント配信サービスのポータル(窓口)として機能する。連携設定部22は、画像形成装置10と、サービス提供装置30が提供する購読サービスとを連携させる(関連付ける)ための設定処理等を行う。例えば、連携設定部22は、いずれの画像形成装置10におけるいずれのイベントが、いずれの購読サービスに通知されるべきであるか等に関する設定処理を制御する。連携設定部22による設定処理の結果は、連携情報記憶部26に記憶される。
【0031】
配信部23は、画像形成装置10のイベント通知部122よりイベントに関する情報を受信し、当該情報を、連携情報記憶部26に記憶されている配信先に配信する。
【0032】
サービス提供装置30は、サービス提供部31及び設定情報記憶部32等を有する。サービス提供部31は、FAX受信通知サービスを提供するための処理を実行する。他の購読サービスを提供する場合、購読サービスごとに、サービス提供部31が追加されればよい。設定情報記憶部32は、FAX受信通知サービスに関する設定情報(すなわち、サービス提供部31が利用する設定情報)を記憶する。なお、サービス提供部31は、サービス提供装置30にインストールされたプログラムが、サービス提供装置30のCPUに実行させる処理により実現される。また、設定情報記憶部32は、サービス提供装置30が有する補助記憶装置、又はサービス提供装置30とネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現可能である。
【0033】
ユーザ端末40は、Webブラウザ部41を有する。Webブラウザ部41は、一般的なWebブラウザと同様の機能を実現する。
【0034】
以下、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。図5は、購読サービスの登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0035】
ステップS101において、サービス提供装置30のサービス提供部31は、イベントの購読要求をイベント配信装置20に送信する。当該購読要求の送信は、例えば、サービス提供装置30をサービス提供部31として機能させるプログラムが最初に起動された際に実行される。また、当該購読要求には、サービス名、サービス内容、購読イベント一覧、コールバックURL(Uniform Resource Locator)、及び利用設定URL等が指定される。サービス名は、サービス提供部31が提供するFAX受信通知サービスの識別名(識別情報)である。サービス内容は、サービス提供部31が提供するFAX受信通知サービスの内容を示す説明文である。購読イベント一覧は、購読(配信)を希望するイベントの種別の一覧である。FAX受信通知サービスの提供には、FAX受信イベントの購読が必要であるため、購読イベント一覧として、FAX受信イベントが指定される。コールバックURLは、購読イベント一覧に指定されたイベントの配信先としてのURLである。コールバックURLは、購読イベント一覧に指定されるイベント種別ごとに指定されてもよい。または、購読イベント一覧に指定される全てのイベント種別に対して共通のURLが一つ指定されてもよい。本実施の形態では、後者の例について説明する。利用設定URLは、FAX受信通知サービスの利用開始時の設定を行うための設定画面(以下「利用設定画面」という。)に対するURLである。
【0036】
イベント配信装置20において、購読要求が受信されると、配信部23は、当該購読要求に指定された情報を、購読情報記憶部25に記憶(登録)する。
【0037】
図6は、購読情報記憶部の構成例を示す図である。図6において、購読情報記憶部25は、イベントの購読者ごとに、サービス名、サービス内容、購読イベント一覧、コールバックURL、及び利用設定URL等を記憶する。これら各項目には、購読要求に指定された値が登録される。
【0038】
続いて、配信部23は、購読者として正常に登録されたことを示す応答を、サービス提供部31に返信する(S102)。当該応答に応じ、サービス提供部31は、配信部23からのイベントの配信を待機する。
【0039】
続いて、図5の処理の終了後において、図5の処理とは非同期に実行される、画像形成装置10と購読サービスとの連携のための設定処理について説明する。
【0040】
図7及び図8は、第一の実施の形態における画像形成装置と購読サービスとの連携のための設定処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0041】
例えば、或る画像形成装置10の管理者が、操作パネル15を介して、イベント配信サービスの管理者ポータル画面の表示指示を入力すると(S111)、機器ブラウザ部121には、イベント配信サービスに対するログイン画面のURLが入力される(S112)。続いて、機器ブラウザ部121は、当該URL宛に、ログイン画面の取得要求を示すHTTPリクエストを送信する(S113)。イベント配信装置20のポータル部21は、当該要求の受信に応じ、ログイン画面を表示させるHTMLデータを含む応答(HTTPレスポンス)を返信する(S114)。
【0042】
機器ブラウザ部121は、当該応答を受信すると、当該応答に含まれているHTMLデータに基づいて、ログイン画面を操作パネル15に表示させる。
【0043】
図9は、ログイン画面の表示例を示す図である。図9において、ログイン画面510は、ユーザ名及びパスワードを入力させるための領域と、ログインボタン511及びキャンセルボタン512等とを含む。
【0044】
管理者によって、ログイン画面510に対してユーザ名及びパスワード等のログイン情報が入力され、ログインボタン511が押下されると(S115)、機器ブラウザ部121は、当該ログイン情報を含む、管理者としてのログイン要求(認証要求)をイベント配信装置20のポータル部21に送信する(S116)。ポータル部21は、ユーザ情報記憶部24を参照して、当該ログイン要求に指定されたユーザ名及びパスワードについて認証を行う。
【0045】
図10は、ユーザ情報記憶部の構成例を示す図である。図10において、ユーザ情報記憶部24は、イベント配信サービスに対して予め登録されたユーザごとに、ユーザ名、パスワード、及び管理者名等を含む。管理者名は、当該ユーザが利用する画像形成装置10の管理者のユーザ名を示す。ユーザ名と管理者名とが一致するユーザ(図10では、ユーザA)は、画像形成装置10の管理者である。
【0046】
ポータル部21は、ログイン要求に指定されたユーザ名及びパスワードと一致するユーザ名及びパスワードがユーザ情報記憶部24に記憶されており、かつ、当該ユーザ名に対する「管理者名」が、当該ユーザ名と一致する場合、管理者としての認証は成功したと判定する。
【0047】
管理者としての認証に成功した場合、ポータル部21は、操作対象とされている画像形成装置10と購読サービスとの連携(関連付け)に関する設定情報を設定させるための画面(管理者ポータル画面)に対するURLをリダイレクト先とするリダイレクト命令を機器ブラウザ部121に返信する(S117)。なお、当該リダイレクト命令には、例えば、リダイレクト時に指定されるパラメータとして、ログインに成功したユーザ(ログインユーザ)のユーザ名に関連付けられて生成されたセッションIDが含まれている。
【0048】
機器ブラウザ部121は、当該リダイレクト命令を受信すると、リダイレクト先のURLに対して、管理者ポータル画面の取得要求を送信する(S118)。なお、機器ブラウザ部121は、リダイレクト命令に含まれているセッションIDを、例えば、RAM112又はHDD114に記憶しおく。ステップS118以降における機器ブラウザ部121からの要求には、当該セッションIDが指定される。イベント配信装置20のポータル部21は、当該要求に応じ、管理者ポータル画面を表示させるHTMLデータを含む応答を返信する(S119)。
【0049】
機器ブラウザ部121は、当該応答を受信すると、当該応答に含まれているHTMLデータに基づいて、管理者ポータル画面を操作パネル15に表示させる(S120)。
【0050】
図11は、管理者ポータル画面の表示例を示す図である。図11において、管理者ポータル画面520は、ユーザ一覧表示領域521、追加ボタン522、及び購読サービス追加ボタン523、登録ボタン524、及びキャンセルボタン525等を含む。
【0051】
追加ボタン522は、当該画像形成装置10のイベントに関して購読サービスの利用を許可するユーザの追加指示を受け付けるためのボタンである。ユーザ一覧表示領域521は、当該画像形成装置10のイベントに関して購読サービスの利用が許可されたユーザ名の一覧が表示される領域である。
【0052】
購読サービス追加ボタン523は、当該画像形成装置10のイベントの配信先(購読者)として許可する購読サービスの追加指示を受け付けるためのボタンである。
【0053】
登録ボタン524は、管理者ポータル画面520に対して設定された内容について、イベント配信装置20への登録指示を受け付けるためのボタンである。但し、この時点においては、未だ登録すべき事項は登録されていないため、登録ボタン524は、操作不能な状態とされている(グレイアウトされている)。図中では、グレイアウトの状態が、破線によって表現されている。キャンセルボタン525は、管理者ポータル画面520を介した登録作業のキャンセル指示を受け付けるためのボタンである。
【0054】
管理者によって追加ボタン522が押下されると(S121)、追加ボタン522の押下が機器ブラウザ部121に通知される(S122)。続いて、機器ブラウザ部121は、管理者ポータル画面520のHTMLデータにおいて追加ボタン522に関連付けられている定義に基づいて、ユーザ選択画面の取得要求を連携設定部22に送信する(S123)。連携設定部22は、当該要求に応じ、ユーザ選択画面を表示させるHTMLデータを生成し、当該HTMLデータ含む応答を返信する(S124)。この際、連携設定部22は、機器ブラウザ部121からの要求に指定されているセッションIDに関連付けられているユーザ名(管理者のユーザ名)が、「管理者名」の項目に登録されているユーザ名の一覧をユーザ情報記憶部24から取得する。連携設定部22は、当該ユーザ名の一覧を選択肢として当該HTMLデータを生成する。
【0055】
機器ブラウザ部121は、連携設定部22からの応答を受信すると、当該応答に含まれているHTMLデータに基づいて、ユーザ選択画面を操作パネル15に表示させる(S125)。
【0056】
図12は、ユーザ選択画面の表示例を示す図である。図12において、ユーザ選択画面530は、ユーザ名(A〜D)ごとのチェックボタン531、及びOKボタン532等を含む。
【0057】
管理者によって、当該画像形成装置10のイベントに関して、購読サービスのユーザとして許可されるユーザに対応するチェックボタン531がチェックされ、OKボタン532が押下されると(S126)、これらの操作内容が、機器ブラウザ部121に通知される(S127)。
【0058】
OKボタン532の押下に応じ、機器ブラウザ部121は、チェックされた(選択された)ユーザ名と、機体番号とを含む設定要求を連携設定部22に送信する(S128)。図12では、ユーザA及びユーザBが選択されている。この場合、ユーザA及びユーザBのユーザ名が当該設定要求に含まれる。なお、機体番号とは、画像形成装置10の各機体(各個体)を識別する識別情報であり、例えば、ROM113に記憶されている。
【0059】
連携設定部22は、当該設定要求を受信すると、当該設定要求に含まれている機体番号と一以上のユーザ名とを関連付けてメモリ装置203に記憶する。
【0060】
続いて、連携設定部22は、メモリ装置203に記憶されたユーザ名の一覧を含む管理者ポータル画面520を表示させるHTMLデータを生成し、当該HTMLデータを含む応答を返信する(S129)。
【0061】
図13は、ユーザ登録後の管理者ポータル画面の表示例を示す図である。図13に示される管理者ポータル画面520のユーザ一覧表示領域521には、ユーザ選択画面530において選択されたユーザ名が含まれている。
【0062】
図13に示される管理者ポータル画面520において、管理者によって購読サービス追加ボタン523が押下されると(図8:S131)、購読サービス追加ボタン523の押下が機器ブラウザ部121に通知される(S132)。続いて、機器ブラウザ部121は、管理者ポータル画面520のHTMLデータにおいて、購読サービス追加ボタン523に関連付けられている定義に基づいて、購読サービス選択画面の取得要求を連携設定部22に送信する(S133)。連携設定部22は、当該要求に応じ、購読サービス選択画面を表示させるHTMLデータを生成し、当該HTMLデータ含む応答を返信する(S134)。この際、連携設定部22は、購読情報記憶部25(図6)に登録されているサービス名の一覧が選択肢として含まれるように当該HTMLデータを生成する。
【0063】
機器ブラウザ部121は、連携設定部22からの応答を受信すると、当該応答に含まれているHTMLデータに基づいて、購読サービス選択画面を操作パネル15に表示させる(S135)。
【0064】
図14は、第一の実施の形態における購読サービス選択画面の表示例を示す図である。図14において、購読サービス選択画面540は、購読サービスのサービス名(以下、「購読サービス名」という。)ごとのチェックボタン541、及びOKボタン542等を含む。
【0065】
管理者によって、当該画像形成装置10のイベントの購読者として許可される購読サービスに対応するチェックボタン541がチェックされ、OKボタン542が押下されると、これらの操作内容は、機器ブラウザ部121に通知される(S136、S137)。
【0066】
OKボタン542の押下に応じ、機器ブラウザ部121は、チェックされた(選択された)購読サービス名と、当該画像形成装置10の機体番号とを含む、購読サービスの追加要求を連携設定部22に送信する(S138)。図14では、「fax2email」が選択されている。この場合、「fax2email」が当該登録要求に含まれる。連携設定部22は、当該追加要求を受信すると、当該追加要求に含まれている機体番号に関して、ステップS128において既にメモリ装置203に記憶されている情報(機体番号及びユーザ名)に関連付けて、当該追加要求に指定されている購読サービス名をメモリ装置203に記憶する。
【0067】
続いて、連携設定部22は、管理者ポータル画面520を表示させるHTMLデータを生成し、当該HTMLデータを含む応答を返信する(S139)。当該HTMLデータの生成に際し、連携設定部22は、設定されるべき全ての設定項目(ユーザ名及び購読サービス名等)の値がメモリ装置103に記憶されていることに応じ、当該HTMLデータに対して、Java(登録商標)スクリプトの実装(スクリプト実装)を含むファイル(以下、「スクリプト実装ファイル」という。)を添付する。より厳密には、スクリプト実装ファイルのファイル名が指定されたダウンロード命令が当該HTMLデータに記述される。したがって、当該HTMLデータを受信した機器ブラウザ部121は、当該HTMLデータの表示過程において、当該ダウンロード命令に指定されたファイル名に係るスクリプト実装ファイルを連携設定部22よりダウンロードする。すなわち、図8のステップS139では、一回の応答において管理者ポータル画面のHTMLデータとスクリプト実装ファイルとが機器ブラウザ部121に返信されるかのように示されているが、実際は、当該HTMLデータが返信された後に、スクリプト実装ファイルが機器ブラウザ部121に転送される。
【0068】
当該HTMLデータに基づいて表示される管理者ポータル画面520は、図13に示されるものと同様である。但し、登録ボタン524のグレイアウトは解除されている。なお、スクリプト実装ファイルに格納されているスクリプト実装は、画像形成装置10のイベントに関して、イベント配信装置20への通知をイベント配信部23に実行させるようにするための処理等を、画像形成装置10に実行させるプログラムである。
【0069】
スクリプト実装ファイルが画像形成装置10にダウンロードされることにより、画像形成装置10の機能構成(ソフトウェア構成)は、例えば、図15に示されるように変化する。
【0070】
図15は、スクリプト実装ファイルのダウンロード後における画像形成装置の機能構成例を示す図である。図15中、図4と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0071】
図15では、登録処理部125が新たに追加されている。登録処理部125は、スクリプト実装がCPU111に実行させる処理により実現される。登録処理部125は、画像形成装置10のイベントに関して、イベント配信装置20への通知をイベント通知部122に実行させるようにするための処理等を実行する。登録処理部125は、また、管理者ポータル画面520に対する設定内容の登録をイベント配信装置20に対して要求する。
【0072】
なお、登録処理部125が実行する処理を、スクリプト実装ファイルのダウンロード前の機器ブラウザ部121が代行できないのは、機器ブラウザ部121は、ブラウザとしての汎用的な処理を実行するところ、登録処理部125が実行すべき処理は、汎用的な処理ではないからである。したがって、スクリプト実装ファイルのダウンロードが必要とされるのである。但し、スクリプト実装ファイルは、画像形成装置10に予め記憶されていてもよい。
【0073】
続いて、管理者によって、管理者ポータル画面520の登録ボタン524が押下されると(S140)、機器ブラウザ部121は、管理者ポータル画面520のHTMLデータの定義内容に従って、当該HTMLデータに記述されているJava(登録商標)スクリプトの関数を呼び出す。
【0074】
図16は、管理者ポータル画面のHTMLデータの一部分の定義例を示す図である。図16に示される定義D1において、記述d1は、スクリプト実装ファイルのダウンロード命令に相当する。すなわち、SRC属性の値として指定されている「deviceHook.js」が、スクリプト実装ファイルのファイル名である。
【0075】
記述d3は、登録ボタン524の押下に応じて、関数(setFaxRx())を呼び出すべきことを示す定義である。後述されるように、setFaxRx関数は、FAX受信イベントを通知対象としてイベント通知部122に設定する処理を登録処理部125に実行させる関数である。ここで、通知対象がFAX受信に特定されているのは、ステップS138の購読サービスの追加要求に応じ、連携設定部22は、画像形成装置10に通知させるべきイベント種別が、FAX受信であることを判定しているからである。すなわち、連携設定部22は、購読サービスの追加要求に指定された購読サービス名に関して、購読情報記憶部25に記憶されている購読イベント一覧に含まれているイベント種別を、当該追加要求に係る購読サービスと連携する画像形成装置10に通知させるべきイベント種別であると判定する。連携設定部22は、当該判定に基づいて、記述d3に、setFaxRx関数の呼び出しを記述する。したがって、仮に、他のイベント種別が、当該購読イベント一覧に含まれていた場合、連携設定部22は、当該イベント種別に応じた関数を、記述d3に含める。このように、購読サービス選択画面540における購読サービスの選択は、画像形成装置10(イベント通知部122)が、イベント配信装置20に通知するイベント種別の選択に相当するともいえる。
【0076】
記述d21は、setFaxRx関数の呼び出しの定義である。記述d22は、setFaxRx関数を呼び出した後に、実行すべき命令(画面の表示命令)である。
【0077】
したがって、登録ボタン524が押下されると、機器ブラウザ部121は、記述d3に基づいて、記述d21に定義されているsetFaxRx関数を呼び出す。当該setFaxRx関数の実装は、スクリプト実装ファイルに定義されている。したがって、機器ブラウザ部121は、スクリプト実装ファイルによって実現される登録処理部125を用いて、後述のステップS141、S143、及びS150を実行する。
【0078】
ステップS141において、機器ブラウザ部121は、登録処理部125を用いて、管理者ポータル画面520における設定内容の登録の開始通知を連携設定部22に送信する(S141)。当該開始通知には、機体番号が指定される。連携設定部22は、当該開始通知を配信部23に通知する(S142)。配信部23は、当該開始通知に指定されている機体番号を、例えば、メモリ装置203に記憶しておく。
【0079】
続いて、機器ブラウザ部121は、登録処理部125を用いて、イベント通知部122に対して、FAX受信イベントを通知対象とすることを要求する(S143)。続いて、イベント通知部122は、当該要求に指定されたFAX受信イベントを通知対象として、通知対象記憶部124に記憶する(S144)。
【0080】
図17は、通知対象記憶部の構成例を示す図である。図17に示されるように、通知対象記憶部124は、通知対象とされたイベントの種別の一覧を記憶する。
【0081】
続いて、イベント通知部122は、機器ブラウザ部121からの要求に応じ、イベントの通知を開始することの通知(イベント通知開始通知)を、例えば、HTTPリクエストとして配信部23に送信する(S145)。当該通知には、通知対象のイベントの種別はFAX受信イベントであることと、機体番号とが指定される。配信部23は、当該イベント通知開始通知に指定されている機体番号が、ステップS142において連携設定部22より通知された開始通知に指定されていた機体番号と一致することに基づいて、イベント通知開始通知は、正当なものであると判定する。そこで、配信部23は、当該イベント通知開始通知に指定されているイベントの種別(「FAX受信」)と、機体番号とを指定して、連携設定部22に対して、当該機体番号及び当該イベントの種別に関して、イベントの配信対象としての登録を指示する(S146)。
【0082】
当該指示に応じ、連携設定部22は、当該指示に指定された機体番号及びイベント種別に関して、管理者ポータル画面520を介して設定され、メモリ装置203に記憶されていた設定内容(機体番号、ユーザ名、購読サービス名)を、連携情報記憶部26に記憶(登録)する(S147)。
【0083】
図18は、連携情報記憶部の構成例を示す図である。図18において、連携情報記憶部26は、機体番号、購読サービス名、ユーザ名、及び機器属性情報等を記憶する。
【0084】
機体番号は、購読サービスと連携する画像形成装置10の機体番号である。購読サービス名は、当該画像形成装置10と連携する購読サービスのサービス名である。ユーザ名は、当該画像形成装置10に関して、当該購読サービスの利用が許可されたユーザのユーザ名である。機器属性情報は、当該画像形成装置10の属性情報である。例えば、機器属性情報には、各画像形成装置10の設置場所名、IPアドレス、又は機体名(ホスト名)等、ユーザが、各画像形成装置10を容易に識別可能な情報等が含まれる。なお、機器属性情報に関しては、例えば、図7のステップS128や、図8のステップS133等において、機器ブラウザ部121より転送され、メモリ装置203に記憶されていてもよいし、ステップS141において機器ブラウザ部121より転送され、メモリ装置203に記憶されていてもよい。
【0085】
なお、同一の機体番号に対して複数の購読サービス名が指定されている場合は、当該購読サービス名ごとにレコードが記憶されてもよいし、一つの機体番号に対する一つのレコード内において、購読サービス名ごとに分割されたレコードが記憶されてもよい。
【0086】
続いて、配信部23は、イベント通知部122に対して、イベント通知開始通知に対する応答を返信する(S148)。イベント通知部122は、ステップS143に対する応答を機器ブラウザ部121に対して返却する(S149)。続いて、機器ブラウザ部121は、登録処理部125を用いて、正常に登録が行われたか否かの確認要求を、機体番号を指定して連携設定部22に送信する(S150)。連携設定部22は、当該確認要求に指定された機体番号に関して、メモリ装置203に記憶されていた情報が連携情報記憶部26に記憶されていることを確認し、登録の完了を示す応答を機器ブラウザ部121に返信する(S151)。
【0087】
当該応答の受信に応じ、機器ブラウザ部121は、管理者ポータル画面520のHTMLデータの定義D1の記述22に基づいて、登録の完了をユーザに通知する画面(登録完了通知画面)を操作パネル15に表示させる(S152)。
【0088】
図19は、登録完了通知画面の表示例を示す図である。図19に示されるように、登録完了通知画面550には、記述d22に記述されているメッセージが表示される。管理者は、当該メッセージを参照して、登録作業が完了したことを認識する。
【0089】
続いて、図7及び図8の処理の終了後、図7及び図8の処理とは非同期に実行される、ユーザ端末40に関する購読サービスへの登録処理について説明する。
【0090】
図20は、ユーザ端末に関する購読サービスへの登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0091】
例えば、或るユーザ(ここでは、ユーザAとする。)が、ユーザ端末40に対してイベント配信サービスのユーザポータル画面のURLを入力すると(S201)、Webブラウザ部41は、当該URL宛に、ログイン画面の取得要求を示すHTTPリクエストを送信する(S202)。イベント配信装置20のポータル部21は、当該要求を受信すると、ログイン画面を表示させるHTMLデータを含む応答(HTTPレスポンス)を返信する(S203)。
【0092】
Webブラウザ部41は、当該応答を受信すると、当該応答に含まれているHTMLデータに基づいて、ログイン画面をユーザ端末40の表示装置に表示させる。例えば、図9のログイン画面510と同様のログイン画面が表示される。ユーザによって、ログイン画面に対してユーザ名及びパスワード等のログイン情報が入力されると(S204)、Webブラウザ部41は、当該ログイン情報を含むログイン要求(認証要求)をイベント配信装置20のポータル部21に送信する(S206)。ポータル部21は、ユーザ情報記憶部24(図10)を参照して、当該ログイン要求に指定されたユーザ名及びパスワードについて認証を行う。ポータル部21は、ログイン要求に指定されたユーザ名及びパスワードと一致するユーザ名及びパスワードがユーザ情報記憶部24に記憶されている場合、認証は成功したと判定する。
【0093】
認証に成功した場合、ポータル部21は、ユーザポータル画面に対するURLをリダイレクト先とするリダイレクト命令をWebブラウザ部41に返信する(S206)。なお、当該リダイレクト命令には、例えば、リダイレクト時に指定されるパラメータとして、ログインに成功したユーザ(ログインユーザ)のユーザ名に関連付けられて生成されたセッションIDが含まれている。
【0094】
Webブラウザ部41は、当該リダイレクト命令を受信すると、リダイレクト先のURLに対して、ユーザポータル画面の取得要求を送信する(S207)。なお、Webブラウザ部41は、リダイレクト命令に含まれているセッションIDを、例えば、ユーザ端末40のメモリに記憶しておく。ステップS207以降におけるWebブラウザ部41からの要求には、当該セッションIDが指定される。
【0095】
イベント配信装置20のポータル部21は、当該要求に応じ、セッションIDに関連付けられているユーザ名に関連付けられている情報を、連携情報記憶部26(図18)より取得する。ポータル部21は、当該情報に基づいて、ユーザポータル画面を表示させるHTMLデータを生成する。続いて、ポータル部21は、当該HTMLデータを含む応答を返信する(S208)。Webブラウザ部41は、当該応答を受信すると、当該応答に含まれているHTMLデータに基づいて、ユーザAのユーザポータル画面をユーザ端末40の表示装置に表示させる。
【0096】
図21は、ユーザポータル画面の表示例を示す図である。図21において、ユーザポータル画面610は、機器一覧表示領域611及び購読サービス一覧表示領域612等を含む。
【0097】
機器一覧表示領域611には、連携情報記憶部26においてログインユーザ(ユーザA)に関連付けられている機体番号に係る画像形成装置10ごとに、チェックボタン613と識別情報とが表示される。したがって、ユーザAに関して、複数の画像形成装置10において、図7及び図8の処理が実行された場合、機器一覧表示領域611には、複数のチェックボタン613等が表示される。なお、画像形成装置10の識別情報は、リストボックス614によって、設置場所名、IPアドレス、又機体名、又は機体番号等、ユーザが識別し易い情報に切り替え可能である。図21では、設置場所名が識別情報として表示されている例が示されている。なお、識別情報として用いられる情報(文字列)は、連携情報記憶部26において、ログインユーザに関連付けられている機器属性情報又は機体番号より取得される。
【0098】
購読サービス一覧表示領域612には、連携情報記憶部26においてログインユーザ(ユーザA)に関連付けられている購読サービスごとに、選択ボタン615が表示される。したがって、ユーザAに関して、管理者ポータル画面520において複数の購読サービスが追加された場合、購読サービス一覧表示領域612には、複数の選択ボタン615が表示される。
【0099】
ユーザが、FAX受信イベントを監視したい画像形成装置10に対応するチェックボタン613を選択し(S209)、FAX受信通知サービスに対応する選択ボタン615を選択すると(S210)、Webブラウザ部41は、ポータル画面610を表示させるHTMLデータの定義に基づいて、FAX受信通知サービスのサービス内容を確認させるための画面(以下、「サービス内容確認画面」という。)の取得要求をポータル部21に送信する(S211)。当該取得要求には、チェックボタン613がチェックされた画像形成装置10の機体番号と、選択された選択ボタン615に対応する購読サービスのサービス名とが指定される。
【0100】
ポータル部21は、当該取得要求に指定されているサービス名に対応する情報を、購読情報記憶部25(図6)より取得する。ポータル部21は、当該情報に基づいて、サービス確認画面を表示させるHTMLデータを生成する。続いて、ポータル部21は、当該HTMLデータを含む応答を返信する(S212)。
【0101】
図22は、サービス確認画面の表示例を示す図である。図22において、サービス確認画面620は、サービス情報表示領域621及び利用設定ボタン622等を有する。サービス情報表示領域621には、FAX受信通知サービスのサービス内容や、利用するイベント等が示される。サービス情報表示領域621に表示される情報は、購読情報記憶部25において、FAX受信通知サービスに対して登録されている、サービス内容及び購読イベント一覧等より取得される。利用設定ボタン622には、購読情報記憶部25において、FAX受信通知サービスに対して登録されている、利用設定URLがリンクとして設定されている。また、当該リンクに対するパラメータとして、ステップS211の要求において指定されていた機体番号と、当該要求のセッションIDに関連付けられているユーザ名とが設定されている。
【0102】
ユーザによって、利用設定ボタン622が選択されると(S214)、Webブラウザ部41は、利用設定ボタン622に設定されている利用設定URL宛に、利用設定画面の取得要求を送信する(S215)。当該取得要求には、機体番号及びユーザ名が指定される。サービス提供装置30のサービス提供部31は、当該取得要求を受信すると、利用設定画面を表示させるHTMLデータを含む応答を返信する(S216)。Webブラウザ部41は、当該応答を受信すると、当該応答に含まれているHTMLデータに基づいて、利用設定画面を表示させる。
【0103】
図23は、利用設定画面の表示例を示す図である。図23において、利用設定画面630は、メールアドレス入力領域631及びOKボタン632等を有する。
【0104】
ユーザによって、メールアドレスが入力され、OKボタン632が選択されると(S217)、Webブラウザ部41は、利用設定画面630のHTMLデータの定義に基づいて、入力されたメールアドレスの他に、ユーザ名及び機体番号等を指定して、登録要求をサービス提供部31に送信する(S218)。
【0105】
サービス提供部31は、当該登録要求の受信に応じ、当該登録要求に指定されている、ユーザ名、メールアドレス、及び機体番号等を、設定情報記憶部32に記憶(登録)する。
【0106】
図24は、設定情報記憶部の構成例を示す図である。図24において、設定情報記憶部32は、FAX受信通知サービスのユーザごとに、ユーザ名、メールアドレス、及び機体番号等を記憶する。
【0107】
以上で、画像形成装置10におけるFAX受信イベントが、ユーザAに通知されるための設定処理は終了する。続いて、画像形成装置10において、通知対象として設定されたイベントが発生した際に実行される処理手順について説明する。
【0108】
図25は、FAX受信に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0109】
例えば、画像形成装置10の外部のFAX装置50が、画像形成装置10宛にFAX送信を行うと(S301)、画像形成装置10のモデム14は、FAX受信を行い、受信完了通知をFAX装置50に返信する(S302)。
【0110】
イベント通知部122は、モデム14によるFAX受信イベントを検知する(S303)。厳密には、システム制御部123によってFAX受信が検知され、FAX受信イベントがイベント通知部122に通知される。イベント通知部122は、検知されたFAX受信イベントに関して、機体番号、受信日時、送信者情報、及び受信画像等を、例えば、システム制御部123より取得する。
【0111】
なお、イベント通知部122は、例えば、通知対象記憶部124に記憶されているイベント種別に関して、システム制御部123に対してイベントハンドラを設定したり、当該イベント種別のイベントの発生を監視(ポーリング)したりして、その発生を検知する。イベントハンドラとは、イベントが発生した際に呼び出される関数である。
【0112】
続いて、イベント通知部122は、イベント配信装置20の配信部23に、FAX通知イベントの通知情報を送信する(S304)。当該通知情報には、例えば、イベント種別(FAX受信イベント)、受信日時、送信者情報、及び受信画像と、当該画像形成装置10の機体番号とが含まれる。
【0113】
配信部23は、当該通知情報の受信に応じ、購読情報記憶部25(図6)を参照して、当該通知情報に含まれているイベント種別を購読イベント一覧に含む購読サービスを特定する。該当する購読サービスが有る場合、配信部23は、当該購読サービスのコールバックURL宛に、当該通知情報を転送する(S305)。本実施の形態では、FAX受信イベントの通知情報は、サービス提供部31に転送される。
【0114】
サービス提供部31は、当該通知情報を受信すると、設定情報記憶部32(図24)に記憶されているレコードの中から、当該通知情報に含まれている機体番号と一致する機体番号を含むレコードを検索する。すなわち、機体番号は、FAX通知イベントの通知先を特定するためのフィルタ情報又は条件として用いられる。
【0115】
該当するレコードが有る場合、サービス提供部31は、当該レコードに記憶されているメールアドレス宛に、電子メールを送信する(S306)。該当するレコードが複数有る場合、複数のメールアドレス宛に電子メールが送信される。当該電子メールには、FAX受信に関して、例えば、受信日時、送信者情報、及び受信画像等が含まれる。
【0116】
ユーザは、ユーザ端末40において当該電子メールを閲覧し、画像形成装置10においてFAXが受信されたこと、及びその受信内容(FAX画像)等を、遠隔地からでも確認することができる。
【0117】
上述したように、本実施の形態によれば、画像形成装置10において発生するイベントを、画像形成装置10の外部の情報処理装置(イベント配信装置20)に検知させることができる。したがって、例えば、サービス提供装置30におけるサービス提供部31のように、当該イベントを契機とした利便性の高いサービスの提供を可能とすることができる。
【0118】
また、画像形成層装置10のイベントは、画像形成装置10からイベント配信装置20にプッシュ(PUSH)される。すなわち、イベント配信装置20が、画像形成装置10におけるイベントの発生をポーリングするのではなく、画像形成装置10から能動的にイベントが通知される。したがって、ポーリングが行われる場合に比べて、ネットワーク通信の負荷を低減させることができる。特に、イベント配信装置20に対して、画像形成装置10の数が多くなればなるほど、通信負荷の低減の効果は大きくなる。
【0119】
なお、本実施の形態において、機器ブラウザ部121及び登録処理部125が実行した処理は、画像形成装置10にプラグインとしてインストールされるアプリケーションプログラムによって実行されてもよい。この場合、管理者ポータル画面520を介して設定される内容は、当該アプリケーションプログラムの設定情報として、当該アプリケーションプログラムのインストール時に、例えば、HDD114に保存されてもよい。そうすることにより、当該アプリケーションプログラムは、起動に応じ、管理者ポータル画面520を介した入力を要することなく、機器ブラウザ部121及び登録処理部125が実行した処理を画像形成装置10に実行させることができる。
【0120】
但し、本実施の形態は、斯かるアプリケーションプログラムのインストール作業を行う必要が無い点において、ユーザにとって便利であるといえる。
【0121】
また、本実施の形態では、FAX受信イベントを、監視対象及び配信対象とするイベントとする例について説明したが、監視対象及び配信対象とするイベントは、特定のものに限定されない。例えば、省エネモードへの移行、省エネモードからの復帰、認証画面の表示、ジャム等の発生による警告画面の表示等の画像形成装置10の状態の変化に関するイベントが対象とされてもよい。また、トレーの用紙サイズの変更、ネットワーク設定の変更、認証設定の変更、アプリケーションプログラムの動作設定の変更等、各種の設定情報の変更に関するイベントが対象とされてもよい。また、操作パネル15のハードキーやソフトキーの操作に関するイベントが対象とされてもよい。また、ファームウェアの更新等、画像形成装置10の構成の変更に関するイベントが対象とされてもよい。また、メモリの利用状況や課金等に用いられるカウンタ情報の変化(例えば、閾値への到達)等に関するイベントが対象とされてもよい。また、印刷の待機、実行、中断、完了、スキャンの実行、中断、完了、FAX送信の待機、送信、中断、完了等、ジョブの状態の変化に関するイベントが対象とされてもよい。
【0122】
また、本実施の形態では、画像形成装置10において発生するイベントに関する情報は、サービス提供装置30を介してユーザ端末40に送信される例を示したが、当該情報は、イベント配信装置20からユーザ端末40に直接的に送信されてもよい。すなわち、ユーザ端末40が、購読者としてイベント配信装置20に登録されてもよい。
【0123】
次に、第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態では、第一の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第一の実施の形態と同様でよい。
【0124】
図26は、第二の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図26の情報処理システム2は、更に、管理者端末50を含む。管理者端末50は、画像形成装置10の管理者が使用する端末である。複数のユーザ端末40のうちの一つが、管理者端末50として利用されてもよい。管理者端末50の一例として、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistance)、タブレット型端末、スマートフォン、又は携帯電話等が挙げられる。
【0125】
図27は、第二の実施の形態における情報処理システムの機能構成例を示す図である。
【0126】
図27において、管理者端末50は、端末ブラウザ部51を有する。端末ブラウザ部51は、例えば、一般的なWebブラウザのプログラムが、管理者端末50のCPUに実行させる処理により実現される。したがって、端末ブラウザ部51は、一般的なWebブラウザと同様の機能を実現する。
【0127】
第二の実施の形態の画像形成装置10は、機器ブラウザ部121を必ずしも有していなくてよい。第二の実施の形態において、管理者による作業は、管理者端末50を利用して行われるからである。したがって、図27において、機器ブラウザ部121は、図示されていない。
【0128】
第二の実施の形態のイベント配信装置20は、更に、機器設定部27及び機器情報記憶部28等を有する。機器設定部27は、管理者端末50を介して行われた設定作業の内容を、画像形成装置10に設定する。機器情報記憶部28は、管理者によって管理される各画像形成装置10の属性情報(以下、「機器情報」という。)を記憶する。
【0129】
なお、機器設定部27は、イベント配信装置20にインストールされたプログラムが、CPU204に実行させる処理により実現される。また、機器情報記憶部28は、補助記憶装置202、又はイベント配信装置20とネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現可能である。
【0130】
以下、情報処理システム2において実行される処理手順について説明する。まず、イベント配信装置20の機器情報記憶部28への機器情報の登録処理について説明する。
【0131】
図28は、機器情報の登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。なお、図28の処理手順が実行される前に、例えば、端末ブラウザ部51と、イベント配信装置20の連携設定部22との間には、セッションが開設され、当該セッションに対してセッションIDが割り当てられていることとする。当該セッションIDは、端末ブラウザ部51からの各要求に指定される。また、セッションの開設時において、管理者に関して認証が行われ、管理者の名前が、ログインユーザ名として、当該セッションIDに関連付けられて、イベント配信装置20のメモリ装置203に記憶されていることとする。
【0132】
ステップS401において、管理者は、機器登録画面の表示指示を端末ブラウザ部51に入力する。当該表示指示では、機器登録画面に対するURLが指定される。なお、機器登録画面とは、機器情報の登録指示を管理者に入力させるための画面である。続いて、端末ブラウザ部51は、指定されたURL宛に、機器登録画面の取得要求を示すHTTPリクエストを送信する(S402)。イベント配信装置20の連携設定部22は、当該要求の受信に応じ、機器登録画面を表示させるHTMLデータを生成し、当該HTMLデータを含む応答(HTTPレスポンス)を返信する(S403)。なお、当該HTMLデータの生成に際し、機器情報記憶部28が参照される。
【0133】
図29は、機器情報記憶部の構成例を示す図である。図29に示されるように、機器情報記憶部28は、画像形成装置10ごとに、機体番号、機体名、設置場所、IPアドレス、及び管理者名等を記憶する。すなわち、本実施の形態では、これらの項目が、機器情報を構成する。各項目の意味は、上述した通りである。また、第2レコードのIPアドレスである「FW」は、当該画像形成装置10に対しては、ファイアーウォールが設置されていることを示す。すなわち、ファイアーウォールの存在によって、当該画像形成装置10には、外部からアクセスできないことを示す。なお、機器登録画面のHTMLデータの生成時において、機器情報記憶部28に記憶されているレコードは、過去に図28の処理が実行された際に登録されたレコードである。
【0134】
端末ブラウザ部51は、連携設定部22からの応答を受信すると、当該応答に含まれているHTMLデータに基づいて、機器登録画面を管理者端末50の表示装置に表示させる。
【0135】
図30は、機器登録画面の表示例を示す図である。図30において、機器登録画面560は、機器一覧表示領域561、追加ボタン562、及び登録ボタン563等を含む。
【0136】
機器一覧表示領域561には、管理者の管理下の画像形成装置10に関して、既に機器情報記憶部28に記憶されている機器情報の一覧が表示される。すなわち、連携設定部22は、ステップS402における機器登録画面560の取得要求に指定されているセッションIDに関連付けられてメモリ装置203に記憶されている管理者名を含むレコードを機器情報記憶部28より取得する。連携設定部22は、取得された各レコードに記憶されている機器情報が機器一覧表示領域561に表示されるように、機器登録画面560のHTMLデータを生成する。図30では、現在の管理者の管理者名が、「A」である場合の、機器一覧表示領域561の例が示されている。
【0137】
追加ボタン562は、新規の機器情報を追加させるためのボタンである。すなわち、追加ボタン562が押下されると(S404)、端末ブラウザ部51は、機器登録画面560のHTMLデータの定義に従って、機器追加画面を管理者端末50の表示装置に表示させる(S405)。
【0138】
図31は、機器追加画面の表示例を示す図である。図31において、機器追加画面570は、機器情報設定領域571及びOKボタン572等を含む。
【0139】
機器情報設定領域571は、機器情報を構成する機体番号、機体名、設置場所、及びIPアドレスの各項目の値を入力させるための領域である。なお、機器情報の登録対象の画像形成装置10に関して、ファイアーウォールによって外部からのアクセスが制限されている場合、IPアドレスの値には、「FW」が入力される。
【0140】
機器情報設定領域571において各項目の値が入力され、OKボタン572が押下されると、端末ブラウザ部51は、機器登録画面560を再表示させる。この際、機器一覧表示領域561には、機器追加画面570において入力された機器情報を含む行が、新たに追加される。
【0141】
管理者が、再表示された機器登録画面560の登録ボタン563を押下すると(S406)、端末ブラウザ部51は、機器登録画面560のHTMLデータにおける、登録ボタン563の押下に応じた定義に従って、機器情報の登録要求を、連携設定部22に送信する(S407)。当該登録要求には、セッションIDの他に、機器追加画面570を介して入力された機器情報が指定される。
【0142】
連携設定部22は、機器情報の登録要求が受信されると、当該登録要求に指定された機器情報を含む新たなレコードを、機器情報記憶部28に記憶する。当該レコードの「管理者名」の項目には、当該登録要求に指定されているセッションIDに関連付けられてメモリ装置203に記憶されている管理者名が登録される。
【0143】
なお、機器情報の登録手順は、図28において説明したものに限定されない。例えば、管理者端末50が、画像形成装置10を検索し、検索された画像形成装置10の中から管理者によって選択された画像形成装置10の機器情報が、イベント配信装置20に送信され、機器情報記憶部28に記憶されるようにしてもよい。
【0144】
続いて、図7及び図8に示されるシーケンス図に関して、第二の実施の形態における変更点を説明する。第二の実施の形態において、管理者による作業は、管理者端末50を利用して実行される。したがって、図7に示したシーケンス図において、画像家性装置10は、管理者端末50によって置換される。また、機器ブラウザ部121は、端末ブラウザ部51によって置換される。更に、操作パネル15は、例えば、管理者端末50の入力装置及び表示装置によって置換される。
【0145】
また、図8に示されるシーケンス図は、図32に示されるシーケンス図によって置き換えられる。
【0146】
図32は、第二の実施の形態における画像形成装置と購読サービスとの連携のための設定処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図32中、図8と同一ステップ又は対応するステップには、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0147】
第二の実施の形態では、ステップS135において、図33に示されるような購読サービス選択画面540aが、端末ブラウザ部51によって、管理者端末50の表示装置に表示される。
【0148】
図33は、第二の実施の形態における購読サービス選択画面の表示例を示す図である。図33中、図14と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0149】
図33において、購読サービス選択画面540aは、連携機器指定領域543を含む。連携機器指定領域543では、管理者が管理する全機器を連携対象とするか、又は管理者が管理する特定の機器を連携対象とするかの選択が可能とされている。
【0150】
例えば、図33に示されるように、チェックボタン543bがチェックされた状態でOKボタン542が押下されると、端末ブラウザ部51は、購読サービス選択画面540aのHTMLデータの定義に従って、連携機器選択画面を管理者端末50の表示装置に表示させる。
【0151】
図34は、連携機器選択画面の表示例を示す図である。図34において、連携機器選択画面580は、連携機器選択領域581及びOKボタン582等を含む。
【0152】
連携機器選択領域581では、管理者の管理下にある画像形成装置10ごとに、機体番号、機体名、及び設置場所等が表示され、チェックボタンが配置されている。管理者の管理下にある画像形成装置10とは、機器情報記憶部28において、当該管理者の管理者名を含むレコードに機器情報が記憶されている画像形成装置10をいう。すなわち、連携機器選択領域581の表示内容は、機器情報記憶部28の記憶内容に基づく。管理者は、連携機器選択領域581におけるチェックボタンをチェックすることにより、当該チェックボタンに対応する画像形成装置10を、連携対象とすることができる。また、管理者は、チェックボタンのチェックを解除することにより、当該チェックボタンに対応する画像形成装置10を、連携対象から除外することができる。
【0153】
連携機器選択領域581において連携対象とする画像形成装置10が選択され、OKボタン582が押下されると(S161)、端末ブラウザ部51は、購読サービス選択画面540aにおいてチェックされた(選択された)購読サービス名と、連携機器選択画面580においてチェックされた(選択された)画像形成装置10の機体番号とを含む、購読サービスの追加要求を連携設定部22に送信する(S162)。
【0154】
なお、購読サービス選択画面540a(図33)において、チェックボタン543aがチェックされた状態でOKボタン542が押下された場合(S161)、端末ブラウザ部51は、購読サービス選択画面540aにおいてチェックされた(選択された)購読サービス名と、管理者の管理下の全ての画像形成装置10の機体番号とを含む、購読サービスの追加要求を連携設定部22に送信する(S162)。管理者の管理下の全ての画像形成装置10の機体番号は、例えば、購読サービス選択画面540aのHTMLデータの生成時において、機器情報記憶部28より取得され、当該HTMLデータに記録される。
【0155】
連携設定部22は、端末ブラウザ部51からの購読サービスの追加要求を受信すると、ステップS128において既にメモリ装置203に記憶されているユーザ名と、当該追加要求に指定されている購読サービス名及び一以上の機体番号とを関連付けて、連携情報記憶部26(図18)に記憶(登録)する(S163)。購読サービスの追加要求に複数の機体番号が指定されている場合、機体番号ごとにレコードが記憶されてもよいし、一つのレコードに、複数の機体番号が記憶されてもよい。
【0156】
続いて、連携設定部22は、画像形成装置10へのイベントの通知要求の送信を、機器設定部27に要求する(S164)。当該要求には、購読サービスの追加要求に指定された一以上の機体番号が、イベントの通知要求の送信先の画像形成装置10の識別情報として指定される。また、通知を要求するイベントのイベント種別(FAX受信)も、連携設定部22からの要求に指定される。当該イベント種別は、購読サービスの追加要求に指定された購読サービス名に対応付けて購読情報記憶部25(図6)に記憶されている購読イベント一覧に含まれているものである。
【0157】
続いて、機器設定部27は、連携設定部22からの要求に指定された機体番号に係る画像形成装置10に対して、イベントの通知要求を送信する(S165)。当該通知要求には、連携設定部22からの要求に指定されたイベント種別が指定される。なお、機器設定部27は、連携設定部22からの要求に指定された機体番号に係る画像形成装置10のIPアドレスを、機器情報記憶部28を参照して特定し、当該IPアドレス宛に、イベントの通知要求を送信する。当該IPアドレスが、「FW」である画像形成装置10に関しては、イベントの通知要求は送信されない。斯かる画像形成装置10に対しては、ファイアーウォールの存在によって、イベント配信装置20からの要求を送信することはできないからである。
【0158】
イベントの通知要求が受信された画像形成装置10のイベント通知部122は、当該通知要求に指定されたイベント種別を、通知対象として通知対象記憶部124(図17)に記憶する(S166)。イベント通知部122は、指定されたイベント種別に係るイベントが通知対象として登録されたことを示す応答を、機器設定部27に返信する(S167)。機器設定部27は、連携設定部22からの要求に対する応答を、連携設定部22に返却する(S168)。
【0159】
一方、機器設定部27は、機器情報記憶部28に記憶されているIPアドレスが「FW」である画像形成装置10に関しては、当該画像形成装置10からのイベント通知要求確認の受信を待機する。すなわち、IPアドレスが「FW」である画像形成装置10のイベント通知部122は、例えば、定期的に、イベント通知要求確認を、機器設定部27に対して送信する。イベント通知要求確認とは、イベントの通知要求の有無の確認の問い合わせをいう。イベント通知要求確認には、イベント通知要求確認の送信元の画像形成装置10の機体番号が指定される。
【0160】
イベント通知要求確認が受信されると(S171)、機器設定部27は、当該イベント通知要求確認に指定されている機体番号に対応付けられて連携情報記憶部26に記憶されている購読サービス名に係る購読サービスが購読するイベント種別を、購読情報記憶部25を参照して特定する。続いて、機器設定部27は、当該イベント種別を含む応答を、イベント通知要求確認の送信元の画像形成装置10に返信する(S172)。
【0161】
当該応答が返信された画像形成装置10のイベント通知部122は、当該応答に含まれているイベント種別を、通知対象として通知対象記憶部124(図17)に記憶する(S173)。イベント通知部122は、指定されたイベント種別に係るイベントが通知対象として登録されたことを示す通知を、機器設定部27に送信する(S174)。
【0162】
その後、ステップS166又はステップS173において通知対象記憶部124に記憶されたイベント種別に係るイベントの発生に応じ、図25のステップS304以降の処理手順が実行される。
【0163】
なお、ステップS171におけるイベント通知要求確認は、図25のステップS304に伴って行われてもよい。すなわち、既に通知が要求されているイベント種別に係るイベントの通知に伴って、他のイベント種別に関する通知要求の有無の確認が問い合わされてもよい。
【0164】
上述したように、第二の実施の形態によれば、管理者端末50において、複数の画像形成装置10に関して一括してイベントの通知要求を設定することができる。したがって、管理者による作業負担を軽減することができる。なお、複数の画像形成装置10のうちの一台が、管理者端末50の役割を担ってもよい。この場合、機器ブラウザ部121が、端末ブラウザ部51の代わりとして用いられればよい。
【0165】
なお、上記各実施の形態は、例えば、プロジェクタ、スマートフォン、携帯電話、又はデジタルカメラ等、画像形成装置10以外の電子機器に適用されてもよい。この場合、通知対象とされるイベントは、電子機器に応じたイベントとされればよい。
【0166】
また、上記各実施の形態において、イベント配信装置20とサービス提供装置30とは、一つのコンピュータに統合されてもよく、複数のコンピュータに分散されて実現できるように構成されてもよい。
【0167】
図35は、イベント配信装置及びサービス提供装置が複数のコンピュータによって構成される例を示す図である。図35では、イベント配信装置20及びサービス提供装置30のそれぞれが、複数のコンピュータに分散されて構成されている例が示されている。なお、図35では、イベント配信装置20及びサービス提供装置30のそれぞれが、4台以上のコンピュータによって構成されている例が示されているが、4台未満のコンピュータによって構成されてもよい。
【0168】
なお、本実施の形態において、機器ブラウザ部121は、表示制御手段の一例である。イベント通知部122は、送信手段の一例である。通知対象記憶部124は、記憶手段の一例である。購読情報記憶部25は、配信先記憶手段の一例である。配信部23は、配信手段の一例である。
【0169】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0170】
1 情報処理システム
10 画像形成装置10
11 コントローラ
12 スキャナ
13 プリンタ
14 モデム
15 操作パネル
16 ネットワークインタフェース
17 SDカードスロット
20 イベント配信装置
21 ポータル部
22 連携設定部
23 配信部
24 ユーザ情報記憶部
25 購読情報記憶部
26 連携情報記憶部
27 機器設定部
28 機器情報記憶部
30 サービス提供装置
31 サービス提供部
32 設定情報記憶部
40 ユーザ端末
41 Webブラウザ部
50 管理者端末
51 端末ブラウザ部
80 SDカード
111 CPU
112 RAM
113 ROM
114 HDD
115 NVRAM
121 機器ブラウザ部
122 イベント通知部
123 システム制御部
124 通知対象記憶部
125 登録処理部
200 ドライブ装置
201 記録媒体
202 補助記憶装置
203 メモリ装置
204 CPU
205 インタフェース装置
B バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0171】
【特許文献1】特開2006−079211号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該機器において発生する事象の種別のうち、ネットワークを介して接続される情報処理装置への通知対象とされる事象の種別を記憶する記憶手段と、
当該機器において発生した事象が、前記記憶手段が記憶する種別に係る事象である場合に、当該事象に関する情報を前記情報処理装置に送信する送信手段とを有する機器と、
前記機器の事象の配信先の識別情報を記憶する配信先記憶手段と、
前記機器の事象に関する情報の受信に応じ、前記配信先記憶手段が記憶する前記識別情報に係る配信先に、該情報を送信する配信手段とを有する前記情報処理装置とを有する情報処理システム。
【請求項2】
前記機器は、ネットワークを介して受信される表示データに基づく画面を表示させる表示制御手段を有し、
前記記憶手段は、前記画面を介して選択される事象の種別を記憶する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記画面に対する入力に応じて前記表示制御手段が前記表示データに含まれているスクリプトに基づいて実行する処理に応じ、前記画面を介して選択される事象の種別を記憶する請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記配信先記憶手段は、前記配信先の識別情報に関連付けて前記事象の種別を記憶し、
前記配信手段は、前記機器の事象に関する情報の受信に応じ、当該事象の種別に関連付けて前記配信先記憶手段が記憶する前記識別情報に係る配信先に、前記情報を送信する請求項1乃至3いずれか一項記載の情報処理システム。
【請求項5】
当該機器において発生する事象の種別のうち、ネットワークを介して接続される情報処理装置への通知対象とされる事象の種別を記憶する記憶手段と、
当該機器において発生した事象が、前記記憶手段が記憶する種別に係る事象である場合に、当該事象に関する情報を前記情報処理装置に送信する送信手段とを有する機器。
【請求項6】
請求項5記載の情報処理装置であって、
請求項5記載の機器の事象に関する情報の配信先の識別情報を記憶する配信先記憶手段と、
前記機器の事象に関する情報の受信に応じ、前記配信先記憶手段が記憶する前記識別情報に係る配信先に、該情報を送信する配信手段とを有する情報処理装置。
【請求項7】
機器が、
当該機器において発生する事象の種別のうち、ネットワークを介して接続される情報処理装置への通知対象とされる事象の種別を記憶手段に記憶する記憶手順と、
当該機器において発生した事象が、前記記憶手段が記憶する種別に係る事象である場合に、当該事象に関する情報を前記情報処理装置に送信する送信手順とを実行し、
前記情報処理装置が、
前記機器の事象に関する情報の配信先の識別情報を配信先記憶手段に記憶する配信先記憶手順と、
前記機器の事象に関する情報の受信に応じ、前記配信先記憶手段が記憶する前記識別情報に係る配信先に、該情報を送信する配信手順とを実行する情報処理方法。
【請求項8】
機器が、
当該機器において発生する事象の種別のうち、ネットワークを介して接続される情報処理装置への通知対象とされる事象の種別を記憶手段に記憶する記憶手順と、
当該機器において発生した事象が、前記記憶手段が記憶する種別に係る事象である場合に、当該事象に関する情報を前記情報処理装置に送信する送信手順とを実行する情報通知方法。
【請求項9】
コンピュータが、
請求項5記載の機器の事象に関する情報の配信先の識別情報を配信先記憶手段に記憶する配信先記憶手順と、
前記機器の事象に関する情報の受信に応じ、前記配信先記憶手段が記憶する前記識別情報に係る配信先に、該情報を送信する配信手順とを実行する情報処理方法。
【請求項10】
機器に、
当該機器において発生する事象の種別のうち、ネットワークを介して接続される情報処理装置への通知対象とされる事象の種別を記憶手段に記憶する記憶手順と、
当該機器において発生した事象が、前記記憶手段が記憶する種別に係る事象である場合に、当該事象に関する情報を前記情報処理装置に送信する送信手順とを実行させるプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
請求項5記載の機器の事象に関する情報の配信先の識別情報を配信先記憶手段に記憶する配信先記憶手順と、
前記機器の事象に関する情報の受信に応じ、前記配信先記憶手段が記憶する前記識別情報に係る配信先に、該情報を送信する配信手順とを実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate


【公開番号】特開2013−77279(P2013−77279A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−26875(P2012−26875)
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】