説明

情報処理システムおよび情報処理システムにおける電子メールの通知方法

【課題】 電子メールの受信通知をする受信アカウントを自動変更可能な「情報処理システムおよび情報処理システムにおける電子メールの通知方法」を提供する。
【解決手段】 情報処理システム10は、通信機能を備えた情報端末30と、情報端末30に接続された車載機20を有する。情報端末30は、外部から受信した電子メールを対応する受信アカウントで受信する受信手段と、電子メールの受信通知用の受信アカウントを設定する設定手段と、設定された受信アカウントに電子メールが受信されたとき、車載機20に受信を通知する通知手段とを有する。車載機20は、特定の相手先から情報端末30に電子メールの配信があるか否かを判定する判定手段と、特定の相手先から電子メールの配信があると判定された場合、特定の相手先からの電子メールの受信が通知されるように設定手段の設定を変更する設定変更手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよび情報処理システムにおける電子メールの通知方法に関し、特に、携帯電話機などの情報端末で受信した電子メールを電子装置に通知する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載された電子装置(以下、車載機という)は、典型的に、ナビゲーション機能に加えて、テレビ放送やラジオ放送を受信する機能、映像や音声を再生する機能などを備えている。こうした車載機をネットワーク等に接続することで種々のサービスを利用することが可能になっている。例えば、車載機を交通情報配信サーバに接続することでリアルタイムな道路交通情報や目的地までのルート情報を取得したり、あるいは地図配信サーバに接続することで更新された地図データを取得することができ、取得された情報をナビゲーション機能に利用することができる。さらに、必要な情報を電子メールに包含させ、電子メールを車載機へ配信するサービスもある。
【0003】
車載機に通信機能を持たせる場合には、車載機自身がデータ通信機能を内蔵するものと、データ通信機能を備えた携帯電話機等を外部接続するものがある。近年では、スマートフォンに代表されるように、携帯電話機の多機能化、高機能化、高速化などが進んでおり、こうしたスマートフォンに搭載された機能を車載機において利用することが望まれている。
【0004】
特許文献1は、車載機に携帯端末を接続したシステムにおいて、携帯端末がサーバから受信した電子メールが情報連携メールであるか否かを判別し、情報連携メールである場合には、当該情報連携メールを車載機に転送し、これにより、サービスの提供を受け取る際のユーザの手間を削減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−107421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車載機からネットワーク等に接続して種々のサービスの提供を受けるものの中に、いわゆるオペレータサービスというものがある。すなわち、走行中、運転者は入力操作をすることが難しいので、ハンズフリー通話によりオペレータと音声通話し、オペレータが必要なまたは有益な情報を電子メールにより配信するサービスである。例えば、ユーザは、図1に示すように、車載機500に搭載されたハンズフリーキット510を利用して、携帯電話機520を介してオペレータ530に電話をかけ、オペレータ530に音声通話で行きたい場所を伝える。すると、オペレータ530は、目的地に関する目的地情報(目的地の名称、緯度および経度、目的地の電話番号など)を含む電子メール540を作成し、作成した電子メール540をメール配信サーバから携帯電話機520へ配信する。配信された電子メール540は、携帯電話機520で受信され、次いで携帯電話機520から車載機500へ転送される。車載機500は、受信した電子メール540を解析し、そこに含まれる目的地情報を抽出し、これを用いてナビゲーションの目的地を設定する。
【0007】
しかしながら、このようなオペレータサービスを利用する場合には、次のような課題がある。上記のように、目的地情報を電子メール540にて車載機500に配信する場合、電子メール540は、メール配信サーバから所定の形態、例えば、一定数のテキスト文字からなるショートメッセージサービス(SMS:Sort Message Service)で携帯電話機520に送信される。車載機500と携帯電話機520との間は、例えば、ブルーツース(Bluetooth)のような近距離無線通信を利用して接続され、携帯電話機520から車載機500へ電子メールの受信を通知させるには、携帯電話機520に搭載された、例えば、MAP(Message Access Profile)に代表されるようなプロファイルの設定が必要になる。つまり、携帯電話機520は、複数のメール形態の電子メールを受信可能であるが、MAPのようなプロファイルでは、車載機500に対して受信通知をすることができる受信アカウントの数が制限されており(例えば、1つのみ設定可能)、設定された受信アカウント以外で受信された電子メールの受信を車載機側へ通知することができない。例えば、携帯電話機520において、受信通知をするための受信アカウントがe-mailのものに設定されていたならば、それと異なる形態であるSMSの電子メールがオペレータサービスにより携帯電話機520に送信されたとしても、携帯電話機520から車載機500へのSMSの電子メールの受信は通知されず、ユーザは、SMSの電子メールの配信の有無を知ることができず、言い換えれば、オペレータサービスによる情報を受け取ることができない。
【0008】
このように、従来技術では、オペレータサービスより送信された電子メール(例えば、SMS)を携帯電話機において受信できたとしても、携帯電話機の受信通知用の受信アカウント(例えば、e-mail)がそれに一致していなければ、ユーザは、オペレータサービスによる電子メールの受信を知ることができないし、それを利用することもできない。他方、携帯電話機において、受信通知用の受信アカウント(例えば、SMS)をオペレータサービスによる電子メールの受信アカウントに一致させておけば、オペレータサービスによる電子メールの受信通知を提供することはできるが、他方、メインで使用する別のアカウント(例えばe-mail)の新着通知をユーザに提供することができない。また、このような受信通知用の受信アカウントの変更のための煩雑な作業をその都度ユーザに強いるとすれば、ユーザ負担が大きくなってしまう。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、電子メールの受信通知用の受信アカウントを自動変更することができる情報処理システムおよび情報処理システムにおける電子メールの通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る情報処理システムは、外部との通信機能を備えた情報端末、および当該情報端末と通信可能に接続された電子装置を有するものであって、前記情報端末は、外部から受信した電子メールを複数の受信アカウントの中の対応する受信アカウントで受信する受信手段と、前記複数の受信アカウントの中から電子メールの受信を通知するための受信アカウントを設定する設定手段と、前記設定手段により設定された受信アカウントに電子メールが受信されたとき、前記電子装置に電子メールの受信を通知する通知手段とを有し、前記電子装置は、特定の相手先から前記情報端末に電子メールの配信があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により特定の相手先から電子メールの配信があると判定された場合、前記特定の相手先からの電子メールの受信が前記通知手段により通知されるように、前記設定手段の設定を変更する設定変更手段とを有する。
【0011】
好ましくは前記電子装置はさらに、前記特定の相手先からの電子メールを受信する受信アカウントを識別する識別手段を含み、前記設定変更手段は、前記識別手段により識別された受信アカウントに基づき前記設定手段の設定を変更する。好ましくは前記電子装置はさらに、前記設定手段により設定された受信アカウントを抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された受信アカウントと前記識別手段により識別された受信アカウントとを比較する比較手段とを有し、前記設定変更手段は、前記比較手段により両受信アカウントが一致しない場合には、前記識別手段により識別された受信アカウントに基づき前記設定手段により設定された受信アカウントを変更する。好ましくは前記設定変更手段は、前記通知手段により前記特定の相手先からの電子メールの受信が通知されたとき、前記設定手段の設定を元の設定に変更する。好ましくは前記電子装置はさらに、前記情報端末を利用して音声通話を可能にする通話手段を含み、前記判定手段は、前記通話手段により用いられた電話番号に基づき電子メールの配信の有無を判定する。好ましくは前記電子装置はさらに、電話番号と電話番号に関連付けされ電子メールの配信の有無を示す情報とを予め登録する登録手段を有し、前記判定手段は、前記登録手段を参照し電子メールの配信の有無を判定する。好ましくは前記登録手段は、特定の相手先から配信される電子メールの受信アカウントを識別する識別情報を含み、前記識別手段は、前記識別情報に基づき受信アカウントを識別する。好ましくは前記電子装置はさらに、前記設定変更手段により設定を元の設定に変更したとき、前記設定変更手段により受信アカウントが変更されている間に元の受信アカウントに受信された電子メールを取得する取得手段を含む。好ましくは前記電子装置は、元の設定の受信アカウントに蓄積された電子メール情報と、前記取得手段により取得された電子メール情報とを比較することにより、前記設定変更手段により変更されている間に元の受信アカウントに受信された電子メールを判別する。好ましくは前記電子装置はさらに、前記通知手段により通知された電子メールに含まれる情報に基づきアプリケーションを実行する実行手段を含む。好ましくは前記電子装置は車両に搭載され、前記設定変更手段は、車両のイグニッションスイッチがオフされたとき、前記設定手段の設定を元の設定に変更する。好ましくは前記設定変更手段は、設定変更から一定時間経過した場合には、前記設定手段の設定を元の設定に変更する。好ましくは前記設定変更手段は、前記情報端末の受信感度が圏外となった場合には、前記圏外となった期間に基づき前記一定時間を延長する。
【0012】
本発明に係る情報処理システムは、外部との通信機能を備えた情報端末、当該情報端末と通信可能に接続された電子装置、および要求に応じて情報を含む電子メールを配信する配信装置とを有するものであって、前記情報端末は、外部から受信した電子メールを複数の受信アカウントの中の対応する受信アカウントで受信する受信手段と、前記複数の受信アカウントの中から電子メールの受信を通知するための受信アカウントを設定する設定手段と、前記設定手段により設定された受信アカウントに電子メールが受信されたとき、前記電子装置に電子メールの受信を通知する通知手段とを有し、前記配信装置は、前記情報端末を介して要求があったとき、当該要求に応答して情報を含む電子メールを当該情報端末に配信し、前記電子装置は、前記設定手段により設定された受信アカウントと前記配信装置からの電子メールの受信アカウントとが一致するか否かを判定する判定手段と、一致しないと判定された場合には、前記設定手段の設定を前記配信装置からの電子メールの受信アカウントに変更する設定変更手段とを有する。
【0013】
好ましくは前記電子装置はさらに、前記情報端末を利用して音声通話を可能にする通話手段を含み、前記配信装置は、前記通話手段により特定の相手方に通話がなされたことに応答して、電子メールを前記情報端末に配信する。好ましくは前記電子装置は、ナビゲーション機能を含み、前記通話手段により目的地に関する情報の要求を行ったとき、前記配信装置は、目的地に関する情報を含む電子メールを前記情報端末に配信し、前記通知手段は、目的地に関する情報を含む電子メールを前記電子装置に通知し、前記ナビゲーション機能は、通知された電子メールに含まれる目的地に関する情報に基づき目的地を設定する。好ましくは前記電子装置はさらに、前記設定変更手段により設定を元の設定に変更したとき、前記設定変更手段により変更されている間に元の受信アカウントに受信された電子メールを取得する取得手段を含む。
【0014】
本発明に係る電子メールの通知方法は、外部との通信機能を備えた情報端末、当該情報端末と通信可能に接続された電子装置、および要求に応じて情報を含む電子メールを配信する配信装置とを有する情報処理システムにおけるものであって、前記配信装置による電子メールの配信サービスの利用を開始するステップと、前記配信装置からの電子メールの受信アカウントと前記情報端末における電子メールの受信通知のために設定された受信アカウントを比較し、両受信アカウントが一致しない場合には、設定された受信アカウントを配信される電子メールの受信アカウントに設定を変更するステップと、前記情報端末において前記配信装置からの電子メールを受信するステップと、前記情報端末から前記電子装置に電子メールの受信を通知するステップとを有する。
【0015】
好ましくは電子メールの通知方法はさらに、前記電子装置が前記情報端末から電子メールの受信を通知された後、前記情報端末の電子メールの受信通知のための受信アカウントの設定を元の設定に変更するステップを含む。好ましくは前記電子メールの配信サービスは、前記情報端末を介してオペレータに対して情報の要求をすることを含む。好ましくは通知方法はさらに、受信通知のための受信アカウントの設定を元の設定に変更したとき、設定変更されている間に元の受信アカウントに受信された電子メールを取得するステップを含む。好ましくは通知方法はさらに、前記情報端末の受信アカウントに前記電子装置の受信アカウントを同期させるステップと、当該同期において生じた差分を新着の電子メールとして提示するステップとを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、受信通知用の受信アカウントが、特定の相手先から配信される電子メールの受信アカウントと異なる場合には、受信通知用の受信アカウントを変更するようにしたので、受信通知用の受信アカウントの煩雑な変更をユーザに強いることなく、特定の相手先から配信される電子メールの受信通知をユーザに提供することができ、ユーザは、電子メールに含まれる情報を即座に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】オペレータサービスを利用した目的地の設定動作を説明する図である。
【図2】本発明の実施例に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【図3】図2に示す情報端末の典型的な構成を示すブロック図である。
【図4】情報端末の電子メール受信・通知機能の構成を示す図である。
【図5】本実施例の車載機の構成を示すブロック図である。
【図6】本実施例の車載機の電子メールの受信アカウント自動変更機能を示す図である。
【図7】本実施例の車載機に登録された電話帳の構成を示す図である。
【図8】本実施例の情報処理システムにおけるオペレータサービスによる電子メールの配信動作を示すフローである。
【図9】本実施例の情報処理システムにおける電子メールの受信アカウントの変更動作を示すフローチャートである。
【図10】車載機のナビゲーション機能における目的地設定の画面の例である。
【図11】情報端末から目的地情報を含む電子メールの受信が通知されたときの画面の例である。
【図12】受信アカウント設定部の設定と受信通知される受信アカウントの関係を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施例に係る情報処理システムの動作フローである。
【図14】受信アカウントに含まれる履歴情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明の好ましい実施の形態では、ネットワーク等を介して、必要なまたは有益な情報を含む電子メール配信サービスを車載機において利用するものである。電子メールに含まれる情報の内容、用途は特に制限されるものではなく、好ましくは、車載機に搭載される機能もしくはアプリケーションにおいて利用される。さらに、配信される電子メールの形態は、特に制限されるものではなく、例えば、SMS、e-mail、MMS等のいずれであってもよい。
【実施例】
【0019】
図2は、本発明の実施例に情報処理システムの構成を示す図である。この構成は、あくまでも例示であり、本発明は、このような構成に限定されるものではない。図2に示す情報処理システム10は、車両に搭載される車載機20、データ通信機能やデータ処理機能を備えた携帯型の情報端末30、情報端末30と音声通話されるオペレータセンター40、メール配信サーバ50、ネットワークサーバ60、および他の情報端末70を有する。
【0020】
車載機20は、種々の機能を含む電子装置であって、例えば、ナビゲーション機能、テレビ放送やラジオ放送を受信する機能、映像や音声を再生する機能、情報端末30などの外部機器とデータ通信する機能、ハンズフリー通話機能などを含むことができる。
【0021】
携帯型の情報端末30は、通信機能を備えた多機能型の端末であって、車内に持ち込むことができるものであり、例えば、スマートフォン、携帯電話機、ラップトップ型のパーソナルコンピュータなどである。情報端末30は、さらに車載機20との間でも双方向のデータ通信を可能にする。車載機20と情報端末30との間の接続80は、無線通信であることが望ましく、例えば、ブルーツースのような近距離赤外線通信にて構成される。
【0022】
携帯端末30と外部との間の接続90は、音声通話、データ通信、インターネット等のネットワーク通信によって構成される。例えば、情報端末30は、オペレータセンター40との間で音声通話が可能であり、メール配信サーバ50から電子メールを受信することができ、ネットワークサーバ60との間でインタラクティブなデータの送受を行うことができ、さらには他の情報端末70との間で音声通話や電子メール等の受信をすることができる。本実施例では、オペレータセンター40とメール配信サーバ50は、ユーザからのリクエストに応じて必要な情報を含む電子メールを情報端末30へ配信する、オペレータサービスを構成する。
【0023】
図3は、情報端末30の典型的な構成を示すブロック図である。情報端末30は、図2に示すオペレータセンター40、メール配信サーバ50、ネットワークサーバ60、携帯端末70などの外部との通信を制御する通信制御部100と、ユーザからの入力を受け取るユーザ入力部110と、音声の入出力を可能にする音声入出力部120と、表示部130と、車載機20などの外部機器との接続を行う外部インターフェース(I/F)部140と、各部を制御する制御部150と、アプリケーションソフト、プログラム、データなどを記憶する記憶部160とを含んで構成される。
【0024】
通信制御部100は、アンテナを含み、アンテナを介して外部と無線によるデータ通信または音声通話を行う。外部I/F部140は、車載機20と情報端末30とを接続し、両装置間において双方向のデータ通信を可能にする。情報端末30は、後述するように、外部から電子メールを受信したとき、その受信通知のために必要なデータを車載機20へ送信したり、必要に応じてアンテナの受信感度の情報を車載機20へ送信する。また、車載機20と情報端末30との間で送受されるデータには、車載機20から情報端末30に対する制御信号、あるいは情報端末30から車載機20に対する制御信号が含まれる。制御部150は、予め用意されたプログラムやアプリケーションに従い、種々の情報処理を実行し、さらに通信制御部100を介して、オペレータセンター40や情報端末70との音声通話を可能にしたり、メール配信サーバ50からの電子メールの受信を可能にしたり、電子メールの受信を車載機20へ通知することを可能にしたり、インターネット通信90を介して種々のサーバにデータをアップロードしたりそこからダウンロードしたりすることを可能にする。ここでは、特に、情報端末30がメール配信サーバ50から電子メールを受信したときに、車載機20に電子メールの受信通知を行う機能を詳細に説明する。
【0025】
図4は、情報端末30に含まれる電子メール受信・通知機能の構成を説明するブロック図である。電子メール受信・通知機能は、情報端末30に搭載されたプログラムまたはアプリケーションにより実施される。通信制御部100は、外部と接続された種々のサーバや装置から、情報端末30をアドレス(宛先)とする電子メールを受信する受信部170と、受信部170に電子メールが受信されたとき、その受信通知を車載機20に行う受信通知部180と、受信通知を行うための受信アカウントを設定する受信アカウント設定部190とを有する。受信部170は、複数の受信アカウント1、2、・・・nを含み、通信制御部100を介して受信された電子メールを対応する受信アカウントにて受信する。典型的に、受信アカウントは、電子メールの形態、例えば、SMS(ショートメッセージサービス)、e-mail、MMS(Multimedia message Service)に応じて用意され、それぞれの形態毎に電子メールを受信する。例えば、SMSの電子メールは、受信アカウント1に受信され、e-mailの電子メールは、受信アカウント2に受信され、MMSの電子メールは、受信アカウント3に受信される。但し、電子メールの形態(例えば、e-mail)が同一であっても、各メール配信サーバに応じて複数の受信アカウントを用意したり、あるいはユーザ設定により複数の受信アカウントを用意するようにしてもよい。各受信アカウントには、受信された電子メールが蓄積される。
【0026】
受信通知部180は、受信部170に含まれる受信アカウントのうち、選択された受信アカウントに電子メールが受信されたとき、車載機20のその受信通知を行う。受信通知すべき受信アカウントの選択は、受信アカウント設定部190によってなされる。また、受信通知部190による受信通知は、好ましくは、受信通知するものとして設定された受信アカウントに含まれる内容が車載機20に転送される。言い換えれば、受信通知部180は、受信通知用の受信アカウントが電子メールの受信により更新されたとき、受信アカウントの内容を車載機20へ転送する。このような方法は、情報端末30における受信通知の処理負担を軽減するものであるが、これ以外にも、受信通知部180は、電子メールが受信されたことを示す通知を車載機20に行い、車載機20からの電子メールの転送要求があったときに、該当する電子メールを転送するようにしてもよい。
【0027】
受信カウント設定部190は、ユーザ入力からの設定信号または車載機20からの設定変更信号に基づき、受信通知すべき受信アカウントを設定する。この受信アカウントの設定情報は、レジスタや記憶部160に格納され、必要に応じて、ユーザもしくは車載機20から参照される。好ましい例では、車載機20と情報端末30とがブルーツースにより接続されているとき、電子メールの受信通知は、MAP(Message Access Profile)によって管理され、MAPでは、受信通知する受信アカウントを1つだけ設定することができる。従って、仮に、受信通知用の受信アカウントととして、受信アカウント2が設定されていれば、他の受信アカウント1、3・・・nに電子メールが受信されても、その通知は車載機20に対して行われない。但し、MAPは、1つの例示であって、これ以外の通信プロファイルを用いて受信通知を行うものであってもよい。また、そのような場合に、受信通知の設定をすることができる受信アカウントの数は、必ずしも1つに限らず複数であってもよい。
【0028】
図5は、車載機20の構成を示すブロック図である。車載機20は、情報端末30が接続されたときに情報端末30を利用してハンズフリー通話を可能にするハンズフリー(HF)通話部200と、ユーザからの入力を受け取るユーザ入力部210と、音声の入出力を行う音声入出力部220と、表示部230と、情報端末30のような外部機器との接続を行う外部インターフェース(I/F)部240と、各部を制御する制御部250と、アプリケーションソフト、プログラム、データなどを記憶する記憶部260と、マルチメディア部270とを含んで構成される。
【0029】
ハンズフリー通話部200は、マイクロフォンおよびイヤフォンなどのハンズフリーキットを用い、情報端末30の通話機能を利用して音声通話を可能にする。本実施例では、後述するように、オペレータサービスを利用するとき、オペレータセンター40とハンズフリー通話を行う。記憶部260には、ナビゲーション機能を実行するためのプログラムや情報端末30との間で電子メールの受信通知に関する制御を実行するためのプログラム等が記憶される。マルチメディア部270は、DVDやブルーレイディスクを再生する再生部、地上波ディジタルテレビ放送やラジオ放送を受信する受信部などが含まれる。なお、図5には図示しないが、車載機20は、ナビゲーション機能に必要なGPS受信機や自立航法センサなどを含むこともできる。
【0030】
図6は、車載機20の受信アカウント自動変更機能の構成を示すブロック図である。この機能は、車載機20に搭載されたプログラムまたはアプリケーションにより実施される。受信アカウント自動変更機能300は、車載機20から情報端末30の受信アカウント設定部190による設定を変更させるものである。好ましくは、受信アカウント自動変更機能300は、情報端末30を介して音声通話を行う通話先を特定する通話先特定部310と、音声通話を行った通話先から直接的または間接的に電子メールが配信されるか否かを判定するメール配信有無判定部320と、メール配信があると判定された場合に、メール配信される受信アカウントを識別する受信アカウント識別部330と、情報端末30の受信アカウント設定部190で設定されている受信アカウントを抽出する設定アカウント抽出部340と、受信アカウント識別部330による受信アカウントと設定アカウント抽出部340により抽出された設定アカウントとを比較し一致するか否かを判定するアカウント比較部350と、アカウント比較部350に基づき情報端末30において設定された受信アカウントを変更するアカウント設定変更部360とを有する。
【0031】
通話先特定部310は、好ましくは車載機20の記憶部260に登録された電話帳などから通話先を特定する。図7は、そのような電話帳の一例を示す図である。電話帳には、電話番号と、その属性情報として、メール配信の有無と、受信アカウント情報が含まれる。例えば、電話番号「A1」であれば、メール配信は「なし」であり、電話番号「A2」であれば、メール配信は「あり」である。つまり、電話番号「A2」に発信した場合には、メール配信サービスが発生することを表している。そして、受信アカウント情報には、配信される電子メールの受信アカウントを特定するための情報として、電子メールの形態を示す情報が登録されている。電話番号「A2」であれば、SMSの電子メールが配信され、電話番号「A3」であれば、e-mailの電子メールが配信される。但し、受信アカウントを識別する情報は、例えば、メール配信サーバのアドレス、電子メール配信を受け取るためのユーザIDやパスワード、アカウント名などを含むものであってもよく、要は、情報端末30の受信通知用の受信アカウントを設定するのに必要な情報であればよい。
【0032】
メール配信有無判定部320は、特定された通話先すなわち電話番号に関連付けされたメール配信の有無の属性情報を参照し、メール配信の有無を判定する。図7の例では、電話番号「A2」もしくは「A3」に発信された場合には、メール配信有無判定部320は、メール配信が「あり」と判定する。受信アカウント識別部330は、特定された通話先の電話番号に関連付けされた受信アカウント情報を参照し、受信アカウントを識別する。なお、受信アカウント識別部330は、メール配信が「なし」と判定された場合に、受信アカウントを識別することを要しない。
【0033】
設定アカウント抽出部340は、情報端末30とデータ通信を行い、受信アカウント設定部190が設定した受信アカウントの設定情報を抽出する。この設定情報の抽出は、車載機20から情報端末30に対し設定情報の送信をリクエストしてもよいが、これ以外にも、受信アカウント設定部190が受信アカウントを設定したときに、自動的に設定情報を車載機30に送信するようにしてもよい。この場合には、車載機20は、送信された設定情報をレジスタや記憶部260に保存し、情報端末30から設定情報が送信される度に、設定情報を更新する。
【0034】
アカウント比較部350は、受信アカウント識別部330により識別される受信アカウントと、設定アカウント抽出部340により抽出された設定情報から識別される受信アカウントを比較し、その比較結果をアカウント設定変更部360へ提供する。アカウント設定変更部360は、両受信アカウントが一致する場合には、受信アカウント設定部190による設定をそのまま継続させ、つまり、設定変更のための動作は何も行わない。他方、両受信アカウントが一致しない場合には、受信アカウント識別部330で識別された受信アカウントに設定が変更されるように、アカウント設定変更部360は、設定変更信号を情報端末30へ送信する。受信アカウント設定部190は、設定変更信号に応答して、受信通知部180を介して受信部170の受信通知用の受信アカウントを変更する。この際、受信アカウント設定部190は、元の設定情報は保存しておく。
【0035】
次に、本実施例の情報処理システムの動作を説明する。ここでは、具体例として、オペレータサービスを利用して、目的地に関する目的地情報を含む電子メールの配信を受け取る例を用いる。また、配信される電子メールの形態は、SMSであるとし、情報端末30の受信アカウント1がSMSに対応し、受信アカウント2がe-mailに対応するものとする。
【0036】
図8は、オペレータサービスを利用したときの動作フローである。ここでは、情報端末30において、受信アカウント1が受信通知用に設定されているものとする。情報端末30が車内に持ち込まれ、情報端末30が車載機20とブルーツース等により接続される。次いで、車載機20において、ナビゲーションのアプリケーションが起動され、図10に示す目的地設定画面400において、オペレータサービス402が選択される。これにより、オペレータサービスによる電子メールの配信サービスの利用が開始される。
【0037】
車載機20は、オペレータサービスの選択に応答して、電話帳からオペレータサービスの電話番号を検索する。次いで、ハンズフリー通話部200は、情報端末30を介して、検索された電話番号に基づきオペレータセンター40に発信し、オペレータセンター40との間に音声通話を確立する(S101)。ユーザ、例えば運転者は、オペレータに対し要求、ここでは、行きたい場所をオペレータに伝える(S102)。オペレータもしくはオペレータの指示を受けたものが、行きたい場所を特定するための目的地情報(例えば、目的地の緯度、経度、目的地の施設名称、電話番号など)が含まれる電子メールを作成し(S103)、作成された電子メールは、SMSの形態にてメール配信サーバ50から情報端末30へ配信される(S104)。
【0038】
配信された電子メールは、情報端末30の受信部170のSMSに対応する受信アカウント1に受信される(S105)。受信通知部180は、受信アカウント1に新着メールの受信があったことを検知し、ここでは、受信通知用に受信アカウント1が設定されているので、受信通知部180は、電子メールの受信があったことを車載機20へ通知する(S106)。受信通知は、上記したように、単に、メール受信があったことを知らせる内容でもよいし、受信アカウント1に蓄積された全部もしくは最新の一定数の電子メールを転送するようにしてもよい。
【0039】
車載機20側では、外部I/F部240を介して、電子メールの受信通知を受け取ると、制御部250は、表示部230に電子メールの受信があったことを知らせるとともに、電子メールの内容を確認するか否かの入力を促す(S107)。例えば、図11に示すような確認画面410が表示部230に表示される。ここで、ユーザから電子メールの内容を確認する旨の入力があると、制御部250は、表示部230に目的地情報を含むメール内容を表示する(S108)。その画面において、再びユーザに、目的地に設定するか否かを入力を促し(S109)、目的地に設定する旨の入力があると、制御部250は、電子メールの中から目的地情報を抽出し、これを用いてナビゲーションの目的地を設定し(S110)、以後、目的地までの案内が開始される(S111)。一方、電子メールの内容を確認しないとき(S107)、目的地の設定をしないとき(S109)、配信された電子メールは、記憶部260に保存される。保存された電子メールは、必要に応じてユーザが読み出し、後に目的地の設定に利用することができる。
【0040】
次に、情報端末30に設定された受信アカウントを自動変更する動作について図9のフローを参照して説明する。ここでは、情報端末30において、受信通知用の受信アカウント2(e-mail)が設定され、他方、メール配信サーバ50からSMSの電子メールが配信されるものとする。通話先特定部310は、図10に示すように、ユーザがオペレータサービスを選択すると、図7に示す電話帳を参照し、当該オペレータサービスの電話番号を検索し、通話先を特定する。メール配信有無判定部320は、検索された電話番号の属性情報を参照し、当該オペレータサービスを利用した場合に電子メールの配信が行われるか否かを判定する(S201)。電子メールの配信が「あり」と判定されると、受信アカウント識別部330は、電子メールが配信される受信アカウントを識別する(S202)。
【0041】
次に、設定アカウント抽出部340は、情報端末30において設定された受信通知用の受信アカウントを知るため、その設定情報を抽出する。車載機20は、情報端末30に設定情報の送信を要求してもよいし、受信アカウント設定部190が設定を行ったときに設定情報が既に送信されているのであれば、保存された設定情報を読出す。次に、アカウント比較部350は、受信アカウント識別部330により識別された受信アカウントと設定アカウント抽出部340により抽出された受信アカウントを比較し、両者が一致するか否かを判定する(S204)。ここでは、配信される電子メールの受信アカウントがSMSに対応する受信アカウント1であるのに対し、受信アカウント設定部190で設定された受信アカウントは、e-mailに対応する受信アカウント2であるため、両受信アカウントは一致しない。
【0042】
アカウント比較部350の比較結果は、カウント設定変更部360へ提供される。アカウント設定変更部360は、両受信アカウントが一致しない場合には、情報端末30に対し受信アカウントの設定変更を要求する設定変更信号を送信する(S205)。つまり、アカウント設定変更部360は、受信アカウント設定部190により設定されている受信アカウントを、受信アカウント識別部330で識別された受信アカウントの設定に変更させるための設定変更信号を情報端末30へ送信する。この送信は、好ましくはオペレータセンター40との音声通話終了後に成される。
【0043】
情報端末30において、受信アカウント設定部190は、アカウント設定変更部360からの設定変更信号を受け取ると、当該設定変更信号に基づき受信通知用の受信アカウントを変更する(S206)。この例では、アカウント設定変更部360は、設定変更信号に基づき、受信アカウント2から受信アカウント1へ設定を変更する。これにより、受信通知部180は、受信アカウント1に電子メールが受信されたとき、その受信通知を車載機20に対して行うことになる。
【0044】
アカウント設定変更部360は、情報端末30から車載機20に対して電子メールの受信通知が成されたか否かを監視する(S207)。この監視期間は、好ましくは一定期間に設定され(S208)、その期間内に受信通知があった場合には、アカウント設定変更部360は、情報端末30に対し、受信アカウント設定部190による設定を元の設定に変更するような設定変更信号を送信する(S209)。受信カウント設定部190は、この設定変更信号に応答して、受信アカウントを元の設定に戻す(S210)。この例では、受信アカウント設定部190は、受信アカウント1から元の受信アカウント2に設定を変更する。
【0045】
一方、アカウント比較部350により両受信アカウントが一致している場合には、アカウント設定変更部360は、情報端末30に対し設定変更を要求しない(S204)。また、受信アカウントを設定変更してから一定時間を経過しても受信通知がない場合には、電子メールの配信がないものとみなし、アカウント設定変更部360は、受信アカウントの設定を元の設定に戻すような要求を行う(S208、S209)。こうして、受信通知用の受信アカウントと配信される電子メールの受信アカウントが一致しない場合には、自動的に、受信通知用の受信アカウントが変更されるため、ユーザは、煩雑な受信アカウントの変更手続を行うことなく、オペレータサービスによる電子メールの受信を知ることができ、かつその電子メールに含まれる情報を迅速に利用することができる。
【0046】
上記の例では、電子メールの受信通知があったときに、受信通知用の受信アカウントの設定を元に戻すようにしたが、受信通知された電子メールが、オペレータサービスによる電子メールと異なる場合が生じ得る。この場合には、図11に示すように、オペレータサービスにより受信した電子メールの内容を確認したことを条件に、受信通知用の受信アカウントの設定を元に戻すようにしてもよい。
【0047】
また、上記の例では、電子メールの受信通知が一定時間内に成されなかった場合には、受信アカウントの設定を元に戻すようにしたが、一定時間は、車両の走行状況に応じて可変されるものであってもよい。例えば、車両の走行によって、情報端末30の受信感度が低下したり圏外となった場合には、その間、情報端末30は、メール配信サーバ50からの電子メールを受信することができない。このため、アカウント設定変更部360は、情報端末30の受信感度がしきい値以下となった期間あるいは圏外となった期間だけ、あるいは追加の所定期間だけ、前記一定時間を延長するようにすることが望ましい。
【0048】
さらに、アカウント設定変更部360は、車両のイグニッションスイッチがオフされた場合には、オペレータサービスによる目的地情報が利用されないものとして、受信アカウントを元の設定に戻すように要求することが望ましい。
【0049】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。受信アカウントの設定変更を行った場合、例えば、受信アカウント2から受信アカウント1へ変更した場合、その間に受信アカウント2に受信された電子メールの受信通知は、車載機20に対して行われない。第2の実施例は、設定変更された期間中に元の設定の受信アカウントに受信された電子メールの取得に関するものである。
【0050】
図12は、受信アカウント設定部190の設定と受信通知される受信アカウントの関係を示しいている。当初、ユーザ設定により、受信アカウント設定部190は、受信アカウント2を受信通知用のアカウントに設定している。そして、オペレータによる電子メールの配信サービスの利用を開始する時点t1で、受信アカウント設定部190は、車載機20からの設定変更信号に基づき受信アカウント2から受信アカウント1へ設定を変更する。さらに、受信アカウント設定部190は、オペレータによる電子メール配信サービスの終了する時点t2で、車載機20からの設定変更信号に基づき受信アカウント1から受信アカウント1へ設定を戻す。従って、時刻t1とt2の間に、受信アカウント2に電子メールが受信されても、ユーザは知ることができない場合がある。
【0051】
図13は、第3の実施例の動作フローを示している。上記したように、受信通知用の受信アカウント2がユーザ設定され(S301)、時刻t1で受信アカウント1に設定変更され(S302)、時刻t2で元の受信アカウント2に設定変更される(S303)。情報端末30の受信通知部180は、時刻t2に応じて、すなわち受信アカウント設定部190が元の受信アカウント2に設定を戻したことに応じて、元の受信アカウント2の電子メールの受信通知を車載機20に行う(S304)。この受信通知は、時刻t1からt2の間に受信アカウント2に新着の電子メールが受信されたか否かに関係なく自動的に行われる。この受信通知は、受信アカウント2に蓄積された内容をそのまま車載機20に転送することにより行われる。
【0052】
好ましくは、車載機20は、情報端末の受信アカウントと同期された受信アカウントを有している。このため、車載機20の制御部250は、受信通知された受信アカウント2の内容と、記憶部250に保存された受信アカウント2の内容とを比較することにより(S305)、両者に差分が生じているか否かを容易に判別することができる(S306)。差分は、例えば、電子メールのタイムスタンプ、テキスト文字数、件数などの比較によって行われる。制御部250は、差分が生じている場合には、それを時刻t1とt2の間に新着受信された電子メールとみなし、その受信通知もしくは新着の電子メールを表示部230に行う(S307)。
【0053】
情報端末30および車載機20は、好ましくは、図14に示すように、受信アカウント内に履歴情報を含むことができる。履歴情報は、図14に示すように、電子メール1件毎の履歴であり、例えば、送信者、件名、日時、サイズを含む。情報端末30から車載機20に対して受信通知を行う際に履歴情報が含まれるのであれば、履歴情報を比較して差分を判定するようにしてもよい。
【0054】
このように、受信通知用の受信アカウントの設定を元に戻したことに応答して、オペレータサービスを利用している期間中に他の受信アカウントに受信された電子メールの受信通知を行うようにしたので、ユーザは、漏れなく電子メールの着信およびその内容を知ることができる。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0056】
上記実施例では、オペレータによる電子メール配信サービスを受けるときの受信アカウントの自動変更を例示したが、本発明は、このような配信サービスに限定されるものではない。例えば、特定のメール配信サーバから電子メールの配信サービスを受け取ることが分かっている場合にも、本発明を適用することができる。すなわち、電子メールが配信される条件が既知であれば、それに対応して、受信アカウントの設定変更を自動で行うことが可能である。例えば、毎週月曜日のAM9:00〜10:00の間に、e-mailの形態で電子メールが配信される場合には、その時間帯の間、電子メールの受信通知が有効になるように受信通知用の受信アカウントの設定を変更する。また、インターネット上の特定のサーバにログインすると、SMSの形態で電子メールが配信される場合には、特定のサーバのURL等のアドレスを予め登録しておき、そのURLにアクセスされた場合には、配信される電子メールの受信通知が有効になるように受信通知用の受信アカウントの設定を変更する。
【符号の説明】
【0057】
10:情報処理システム 20:車載機
30:情報端末 40:オペレータサービス
50:メール配信サーバ 60:ネットワークサーバ
70:情報端末 170:受信部
180:受信通知部 190:受信アカウント設定部
300:受信アカウント自動変更機能 310:通話先特定部
320:メール配信有無判定部 330:受信アカウント識別部
340:設定アカウント抽出部 350:アカウント比較部
360:アカウント設定変更部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部との通信機能を備えた情報端末、および当該情報端末と通信可能に接続された電子装置を有する情報処理システムであって、
前記情報端末は、外部から受信した電子メールを複数の受信アカウントの中の対応する受信アカウントで受信する受信手段と、
前記複数の受信アカウントの中から電子メールの受信を通知するための受信アカウントを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された受信アカウントに電子メールが受信されたとき、前記電子装置に電子メールの受信を通知する通知手段とを有し、
前記電子装置は、特定の相手先から前記情報端末に電子メールの配信があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により特定の相手先から電子メールの配信があると判定された場合、前記特定の相手先からの電子メールの受信が前記通知手段により通知されるように、前記設定手段の設定を変更する設定変更手段と、を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記電子装置はさらに、前記特定の相手先からの電子メールを受信する受信アカウントを識別する識別手段を含み、前記設定変更手段は、前記識別手段により識別された受信アカウントに基づき前記設定手段の設定を変更する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記電子装置はさらに、前記設定手段により設定された受信アカウントを抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された受信アカウントと前記識別手段により識別された受信アカウントとを比較する比較手段とを有し、前記設定変更手段は、前記比較手段により両受信アカウントが一致しない場合には、前記識別手段により識別された受信アカウントに基づき前記設定手段により設定された受信アカウントを変更する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記設定変更手段は、前記通知手段により前記特定の相手先からの電子メールの受信が通知されたとき、前記設定手段の設定を元の設定に変更する、請求項1ないし3いずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記電子装置はさらに、前記情報端末を利用して音声通話を可能にする通話手段を含み、前記判定手段は、前記通話手段により用いられた電話番号に基づき電子メールの配信の有無を判定する、請求項1ないし4いずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記電子装置はさらに、電話番号と電話番号に関連付けされ電子メールの配信の有無を示す情報とを予め登録する登録手段を有し、前記判定手段は、前記登録手段を参照し電子メールの配信の有無を判定する、請求項1ないし5いずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記登録手段は、特定の相手先から配信される電子メールの受信アカウントを識別する識別情報を含み、前記識別手段は、前記識別情報に基づき受信アカウントを識別する、請求項1ないし6いずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記電子装置はさらに、前記設定変更手段により設定を元の設定に変更したとき、前記設定変更手段により受信アカウントが変更されている間に元の受信アカウントに受信された電子メールを取得する取得手段を含む、請求項1ないし7いずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記電子装置は、元の設定の受信アカウントに蓄積された電子メール情報と、前記取得手段により取得された電子メール情報とを比較することにより、前記設定変更手段により変更されている間に元の受信アカウントに受信された電子メールを判別する、請求項8に記載の情報処理ステム。
【請求項10】
前記電子装置はさらに、前記通知手段により通知された電子メールに含まれる情報に基づきアプリケーションを実行する実行手段を含む、請求項1ないし9いずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記電子装置は車両に搭載され、前記設定変更手段は、車両のイグニッションスイッチがオフされたとき、前記設定手段の設定を元の設定に変更する、請求項1ないし10いずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記設定変更手段は、設定変更から一定時間経過した場合には、前記設定手段の設定を元の設定に変更する、請求項1ないし11いずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記設定変更手段は、前記情報端末の受信感度が圏外となった場合には、前記圏外となった期間に基づき前記一定時間を延長する、請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
外部との通信機能を備えた情報端末、当該情報端末と通信可能に接続された電子装置、および要求に応じて情報を含む電子メールを配信する配信装置とを有する情報処理システムであって、
前記情報端末は、外部から受信した電子メールを複数の受信アカウントの中の対応する受信アカウントで受信する受信手段と、
前記複数の受信アカウントの中から電子メールの受信を通知するための受信アカウントを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された受信アカウントに電子メールが受信されたとき、前記電子装置に電子メールの受信を通知する通知手段とを有し、
前記配信装置は、前記情報端末を介して要求があったとき、当該要求に応答して情報を含む電子メールを当該情報端末に配信し、
前記電子装置は、前記設定手段により設定された受信アカウントと前記配信装置からの電子メールの受信アカウントとが一致するか否かを判定する判定手段と、
一致しないと判定された場合には、前記設定手段の設定を前記配信装置からの電子メールの受信アカウントに変更する設定変更手段と、を有する情報処理システム。
【請求項15】
前記電子装置はさらに、前記情報端末を利用して音声通話を可能にする通話手段を含み、
前記配信装置は、前記通話手段により特定の相手方に通話がなされたことに応答して、電子メールを前記情報端末に配信する、請求項14に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記電子装置は、ナビゲーション機能を含み、前記通話手段により目的地に関する情報の要求を行ったとき、前記配信装置は、目的地に関する情報を含む電子メールを前記情報端末に配信し、前記通知手段は、目的地に関する情報を含む電子メールを前記電子装置に通知し、前記ナビゲーション機能は、通知された電子メールに含まれる目的地に関する情報に基づき目的地を設定する、請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記電子装置はさらに、前記設定変更手段により設定を元の設定に変更したとき、前記設定変更手段により変更されている間に元の受信アカウントに受信された電子メールを取得する取得手段を含む、請求項14ないしし16いずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項18】
外部との通信機能を備えた情報端末、当該情報端末と通信可能に接続された電子装置、および要求に応じて情報を含む電子メールを配信する配信装置とを有する情報処理システムにおける電子メールの通知方法であって、
前記配信装置による電子メールの配信サービスの利用を開始するステップと、
前記配信装置からの電子メールの受信アカウントと前記情報端末における電子メールの受信通知のために設定された受信アカウントを比較し、両受信アカウントが一致しない場合には、設定された受信アカウントを配信される電子メールの受信アカウントに設定を変更するステップと、
前記情報端末において前記配信装置からの電子メールを受信するステップと、
前記情報端末から前記電子装置に電子メールの受信を通知するステップと、
を有する電子メールの通知方法。
【請求項19】
電子メールの通知方法はさらに、前記電子装置が前記情報端末から電子メールの受信を通知された後、前記情報端末の電子メールの受信通知のための受信アカウントの設定を元の設定に変更するステップを含む、請求項18に記載の通知方法。
【請求項20】
前記電子メールの配信サービスは、前記情報端末を介してオペレータに対して情報の要求をすることを含む、請求項18に記載の通知方法。
【請求項21】
通知方法はさらに、受信通知のための受信アカウントの設定を元の設定に変更したとき、設定変更されている間に元の受信アカウントに受信された電子メールを取得するステップを含む、請求項18ないしし20いずれか1つに記載の通知方法。
【請求項22】
通知方法はさらに、前記情報端末の受信アカウントに前記電子装置の受信アカウントを同期させるステップと、当該同期において生じた差分を新着の電子メールとして提示するステップとを含む、請求項21に記載の通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−47862(P2013−47862A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185420(P2011−185420)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】