説明

情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法

【課題】煩わしい操作を行うことなく、所望のコンテンツの一部をユーザにいち早く視認させることができる情報処理技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置の情報処理部は、WEBページ100が表示される表示部30の画面をフリックスクロールさせ、フリックスクロールが行われている場合に、WEBページ100を縮小し、縮小したWEBページ100の一部を表示部30の画面に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部にコンテンツを表示させるための情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによるタッチパネルへの入力に応じて、コンテンツが表示される表示部の画面をスクロールさせる情報処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−198298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の情報処理装置では、コンテンツのうち表示されている部分から離れた部分を、ユーザに視認させたい場合に、スクロールの操作を繰り返し行う必要があった。
【0005】
それ故、本発明の目的は、所望のコンテンツの一部をユーザにいち早く視認させることができる情報処理プログラム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。
【0007】
本発明の一例は、情報処理装置のコンピュータを、スクロール制御手段、縮小手段、および、表示制御手段として機能させる情報処理プログラムである。スクロール制御手段は、コンテンツが表示される表示部の画面をスクロールさせる。縮小手段は、スクロール制御手段によるスクロールが行われている場合に、当該スクロールの方向について少なくとも一部が縮小したコンテンツが前記画面に表示されるように、前記コンテンツを縮小する。表示制御手段は、縮小手段により縮小されたコンテンツの少なくとも一部を画面に表示させる。
【0008】
この構成により、画面のスクロールが行われている場合に、そのスクロールの方向についてコンテンツが縮小するため、スクロール先のコンテンツをいち早く表示させることができる。したがって、所望のコンテンツの一部をユーザにいち早く視認させることができる。
【0009】
スクロール制御手段は、縮小手段によるコンテンツの縮小する場合と縮小しない場合とで、所定時間あたりの画面上のスクロール量を実質的に変化させずに、画面をスクロールさせてもよい。
【0010】
この構成により、コンテンツを縮小するかしないかで、所定時間あたりのスクロール量が変化しないので、ユーザの視認性を向上させることができる。
【0011】
情報処理プログラムは、コンピュータを強さ検出手段として機能させてもよい。強さ検出手段は、ユーザの入力に応じて、ユーザの入力の強さを検出する。縮小手段は、強さ検出手段による検出結果に基づいて、コンテンツを縮小させてもよい。
【0012】
この構成により、ユーザの入力の強さに基づいてコンテンツを縮小させるため、スクロール後のコンテンツの内容をいち早く確認したいというユーザの意図がある入力を表示結果に反映させることができる。
【0013】
情報処理プログラムは、コンピュータを取得手段として機能させてもよい。取得手段は、ユーザの入力に応じて、所定の入力面上の位置群を取得する。強さ検出手段は、取得手段により取得された位置群に基づいて、ユーザの入力の強さを検出する。
【0014】
この構成により、検出されるユーザの入力の強さを所定の入力面に対するユーザの入力に基づくものとしたため、表示結果をユーザの意図通りのものにすることができる。
【0015】
縮小手段は、強さ検出手段により検出された強さが大きくなるにしたがって、コンテンツの縮小される割合が大きくなるように、コンテンツを縮小させてもよい。
【0016】
この構成により、ユーザによる入力の強さが大きくなるにしたがって、コンテンツの縮小される割合が大きくなるため、表示結果をユーザの意図通りのものにすることができる。
スクロール制御手段は、取得手段により取得された位置群に基づいて、画面をスクロールさせてもよい。
【0017】
この構成により、コンテンツの縮小を行うために用いられた位置群に基づいて、画面のスクロールも行うため、ユーザの操作が煩雑になるのを防止できる。
【0018】
強さ検出手段は、取得手段により取得された位置群に基づいて、入力面上に接触した領域の面積を示す接触面積を算出する手段を含み、接触面積に基づいて、ユーザの入力の強さを検出してもよい。
この構成により、入力面上に接触した領域の面積でユーザの入力の強さを検出するため、表示結果をユーザの意図通りのものにすることができる。
【0019】
強さ検出手段は、取得手段により取得された位置群に基づいて、入力面上に接触した領域の単位時間あたりに移動した距離を示す移動速度を算出する手段を含み、移動速度に基づいて、ユーザの入力の強さを検出してもよい。
この構成により、入力面上に接触した領域の移動速度でユーザの入力の強さを検出するため、表示結果をユーザの意図通りのものにすることができる。
【0020】
スクロール制御手段は、ユーザの操作部に対する指示に応じて、画面をスクロールさせてもよく、縮小手段は、上記指示に応じて、コンテンツを縮小させてもよい。
【0021】
情報処理プログラムは、コンピュータを復帰手段としてさらに機能させてもよい。復帰手段は、スクロール制御手段によるスクロールが終了した場合に、縮小手段により縮小されたコンテンツの大きさを縮小前の大きさに復帰させる。
【0022】
この構成により、スクロールが終了した場合には、ユーザの所望するコンテンツの一部が表示されていることになる。ここで、コンテンツを縮小前の大きさに復帰させるため、ユーザに所望のコンテンツを視認させることができる。
【0023】
情報処理プログラムは、コンピュータを取得手段および判別手段としてさらに機能させてもよい。取得手段は、ユーザの入力に応じて、所定の入力面上の位置群を取得する。判別手段は、取得手段により位置群が取得され続けて、当該位置群が変化する第1の操作と、所定時間内に取得手段により取得される位置群が変化して、取得手段により位置群が取得されなくなる第2の操作とを判別する。このとき、スクロール制御手段は、第1の操作が行われた場合、当該第1の操作に関する位置群に基づいて、画面をスクロールさせ、第2の操作が行われたときには、当該第2の操作に関する位置群に基づいて、画面をスクロールさせてもよく、縮小手段は、第1の操作が行われた場合、コンテンツを縮小させず、第2の操作が行われたときには、コンテンツを縮小させてもよい。
【0024】
この構成により、ユーザの入力のやり方に応じて、画面のスクロールだけが行われるようにしたり、画面のスクロールだけでなくコンテンツの縮小も行われるようにしたりすることができる。
縮小手段は、第2の操作が行われた場合、当該第2の操作に関する位置群に基づく縮小率で、コンテンツを縮小させてもよい。
この構成により、縮小率が第2の操作に関連するため、表示結果をユーザの意図通りのものにすることができる。
縮小手段は、第2の操作が行われてから所定時間を経過するまでは、縮小率を変化させなくてもよい。
【0025】
この構成により、繰り返し第2の操作が行われる場合に、コンテンツの大きさが頻繁に変化することを防止するため、ユーザの視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、煩わしい操作を行うことなく、所望のコンテンツの一部をユーザにいち早く視認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】情報処理装置の外観図
【図2】情報処理装置の内部構成を示すブロック図
【図3】WEBページのスクロールについて説明するための説明図
【図4】WEBページのスクロールについて説明するための説明図
【図5】WEBページのスクロールについて説明するための説明図
【図6】表示処理の詳細を示すメインフローチャート
【図7】非スクロール中処理を示すフローチャート
【図8】スクロール中処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0028】
(情報処理装置の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の外観図である。
図1に示すように、情報処理装置1は、携帯型の情報処理装置であり、筐体1a、表示部30、タッチパネル40および操作部50を有する。
【0029】
筐体1aは、情報処理装置1のユーザが片手で把持可能な大きさである。筐体1aには、表示部30が設けられており、表示部30の前面はタッチパネル40で覆われている。さらに、筐体1aには、操作部50が設けられている。表示部30、タッチパネル40および操作部50の詳細は後述する。
(情報処理装置の内部構成)
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、情報処理装置1は、情報処理部10、記憶部20、表示部30、タッチパネル40、操作部50、無線通信部60、音声入出力部70、および加速度センサ80を有する。
【0031】
情報処理部10は、記憶部20に記憶されている情報処理プログラムを読み出して、当該情報処理プログラムを実行することにより、後述する情報処理を実行する。情報処理部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成される。
【0032】
記憶部20は、情報処理部10によって実行される情報処理プログラム、表示部30に表示するための画像データ、音声入出力部70から出力するための音声データ、タッチパネル40、操作部50、無線通信部60、音声入出力部70、および加速度センサ80からの情報等を記憶する。記憶部20は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等により構成される。
【0033】
表示部30は、情報処理部10が情報処理プログラムを実行することにより生成される画像を表示したり、無線通信部60を介してインターネット上のウェブサイトからダウンロードした画像を表示したりする。表示部30は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成される。
【0034】
タッチパネル40は、情報処理装置1のユーザが指やペン等を接触させることにより、一定時間間隔で接触位置や接触面積に関する情報を取得して、情報処理部10へ出力する。タッチパネル40は、例えば、静電容量方式のタッチパネルで構成される。また、タッチパネル40は、タッチパネル40上に一定間隔で配置されている複数の点の位置を同時に検出することができ、指をタッチパネル40に接触させた場合、通常はその一定間隔より指の接触領域の方が十分に広いため、複数の位置(位置群)を同時に検出して、情報処理部10へ出力することになる。なお、タッチパネル40は表示部30を覆うように構成されているため、タッチパネル40が検出するタッチパネル40上の位置を、便宜上、表示部30の画面上の位置とする。検出された位置は、情報処理部10が記憶部20に一時的に記憶させるようになっている。
【0035】
図1に示すように、タッチパネル40は、長方形の形状で構成されており、長方形の一辺に平行な方向をX軸とし、当該一辺に隣り合う辺に平行な方向をY軸とする。接触位置は、例えば、接触領域を構成する各位置の中で、X値が最も大きい位置とX値が最も小さい位置を特定して、それらの位置の中心位置を求めることによって得られるX座標と、接触領域を構成する各位置の中で、Y値が最も大きい位置と最も小さい位置を特定して、それらの位置の中心位置を求めることによって得られるY座標とで構成される。
【0036】
また、接触面積は、例えば、接触領域を構成する各位置の中で、X値が最も大きい位置とX値が最も小さい位置を特定して、それらのX値の差を短軸(または長軸)の長さとし、接触領域を構成する各位置の中で、Y値が最も大きい位置とY値が最も小さい位置を特定して、それらのY値の差を長軸(または短軸)の長さとして、これらの長さを用いた楕円の面積を求めることによって得られる。
【0037】
操作部50は、ユーザによる操作に応じて操作情報を取得して、情報処理部10へ出力する。操作部50は、例えば、ユーザにより押下可能な操作ボタンで構成される。
【0038】
無線通信部60は、情報処理部10からの情報をインターネット上のサーバや他の情報処理装置へ送信したり、インターネット上のサーバや他の情報処理装置からの情報を情報処理部10へ送信する。無線通信部60は、例えば、IEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有するモジュールで構成される。
【0039】
音声入出力部70は、情報処理部10が記憶部20から読み出した音声データにより示される音声を出力したり、情報処理装置10の外部から入力される音声を示す音声データを情報処理部10へ出力したりする。音声入出力部70は、例えば、マイクおよびスピーカで構成される。
加速度センサ80は、図1に示す3軸方向(X軸、Y軸およびZ軸方向)の加速度を検出し、検出した加速度を示す加速度データを情報処理部10へ出力する。
(本実施形態の表示処理の概要)
【0040】
以下、情報処理装置1の表示部30に表示されるコンテンツの表示処理の概要について説明する。情報処理装置1では、記憶部20に記憶されている情報処理プログラムを情報処理部10が実行することによりコンテンツの表示処理が行われる。
【0041】
図3〜5は、コンテンツとしてのWEBページのスクロールについて説明するための説明図である。図3に示すように、表示部30には、HTML文書や画像等を含むWEBページ100が表示されている。WEBページ100は、表示部30の表示領域よりも大きいコンテンツであり、表示部30にはWEBページ100の一部が表示されるようになっている。そのため、WEBページ100のうち表示部30に表示されていない部分を表示させるために、情報処理装置1のユーザは、指をタッチパネル40に接触させて、一定時間内に、接触した状態を維持したまま上下左右方向の何れかにスライドさせてから、指をタッチパネル40から離す操作を行う。すなわち、ユーザは、タッチパネル40に対して指で弾く操作(フリック操作)を行う。このとき、指をタッチパネル40から離す直前の接触位置の変化量に応じてスクロールの初速度が決定されて、表示部30の画面のスクロール(以下、フリックスクロールという。)が行われる。また、フリックスクロールが行われているときには、スクロール方向とは逆方向に所定の摩擦力がかかることにより、時間の経過とともにスクロール速度が減衰していき、最終的にはフリックスクロールが停止する。
【0042】
また、表示部30には、WEBページ100のうちどの部分が表示されているかをユーザに認識させるためのスクロールインジケータ110が表示されている。スクロールインジケータ110の縦方向の長さは、WEBページ100全体の縦方向の長さに対する表示部30に表示されているWEBページ100の一部の縦方向の長さの割合に応じて変化する。
【0043】
図4に示すように、表示部30にWEBページが表示されている場合に、ユーザが指をタッチパネル40に接触させると、一定時間間隔で、タッチパネル40が表示部30の画面上の位置群を検出して、情報処理部10に出力する。すなわち、情報処理部10は、ユーザの入力に応じて表示部30の画面上の位置群を取得する。このとき、情報処理部10は、取得した表示部30の画面上の位置群に基づいて、タッチパネル40に指が接触した領域の中心位置を示す接触中心位置と当該領域の面積を示す接触面積とを算出する。情報処理部10は、算出した接触中心位置と接触面積とを記憶部20に記憶させる。記憶部20には、一定時間間隔に算出された接触中心位置と接触面積が記憶されることになる。
【0044】
そして、情報処理部10が、上述したフリック操作を検出することにより、フリックスクロールの開始を検出する。このとき、情報処理部10は、指がタッチパネル40に接触してから離れるまでに一定時間間隔で算出された接触面積のうち最も大きい接触面積を記憶部20から取得し、取得した接触面積に基づいて、フリックスクロール中のWEBページ100の大きさを決定する。ここで、ユーザは、素早くフリックスクロールさせたい場合に、自然とタッチパネル40に強く接触することになり、結果として接触面積が大きくなる。したがって、接触面積が大きければ大きいほど、WEBページ100を縮小させるように、フリックスクロール中のWEBページ100の大きさが決定されることになる。すなわち、ユーザがタッチパネル40に強く接触することを検知することができれば、接触面積以外のパラメータを用いてもよいし、そのパラメータと接触面積を併用するようにしてもよい。例えば、ユーザは、素早くフリックスクロールさせたい場合に、勢いよくフリック操作を行うことになるため、指がタッチパネル40から離れる直前の接触中心位置の変化量である接触速度を検出し、検出した接触速度が大きければ大きいほど、WEBページ100を縮小させるように、フリックスクロール中のWEBページ100の大きさを決定するようにしてもよい。
【0045】
次に、情報処理部10は、フリックスクロール中には、決定した大きさのWEBページ100を表示部30に表示させる。図5に示すように、情報処理部10は、フリックスクロール中には、WEBページ100の全体を縮小させて表示部30に表示させる。このとき、WEBページ100を縮小する前と後とで、スクロール方向とは逆方向の表示部30の端(図4に示すような操作が行われた場合には表示部30の上端)に新たに表示される画素の列の単位時間あたりの数が実質的に同じになるようにフリックスクロールを制御する。すなわち、WEBページ100を縮小する場合と縮小しない場合とで、単位時間あたりの表示部30の画面上のスクロール量(スクロール速度)を実質的に変化させないようにする。これにより、WEBページ100が縮小された場合、WEBページ100を構成する画像が流れる速度は変わらずに、表示部30の画面上の特定位置に表示されるWEBページ100上の位置の変化量は大きくなる。すなわち、WEBページ100を縮小した場合には、WEBページ100を縮小しない場合と比べてスクロール先のWEBページ100の一部をいち早く表示部30に表示できることになる。このとき、WEBページ100が縮小されるため、スクロールインジケータ110の縦の長さが長くなる。
次に、情報処理部10は、フリックスクロールが停止した場合には、縮小させていたWEBページ100の大きさを縮小前の大きさに復帰させる。
【0046】
なお、フリック操作によりフリックスクロールが開始された場合、WEBページ100をすぐに縮小表示させてもよいし、フリックスクロール開始からの時間やスクロール速度に応じて徐々に縮小表示させるようにしてもよい。一方、フリックスクロールが停止する場合には、フリックスクロールが停止するときにWEBページ100を拡大表示させてもよいし、フリックスクロールが停止してから時間の経過に応じて徐々にWEBページ100を拡大表示させてもよい。また、スクロール速度に応じてWEBページ100を徐々に拡大表示させてもよい。例えば、スクロール速度が遅くなればなるほど、WEBページ100を拡大表示させるようにする。
【0047】
また、フリックスクロールが行われている間、ユーザの操作部50に対する所定の操作が行われているときにだけ、WEBページ100を縮小させるようにしてもよい。
【0048】
また、ユーザは、指をタッチパネル40に接触させて、接触した状態を維持したまま上下左右方向のいずれかにスライドさせた場合に、スライド量に応じた距離だけ画面のスクロール(以下、スライドスクロールという)が行われるが、このスライドスクロールが行われているときには、ユーザはWEBページ100の内容を把握しながら操作が行われている可能性があるため、WEBページ100を縮小させないようにする。
(本実施形態の表示処理の詳細)
【0049】
次に、表示処理の詳細について図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る表示処理の詳細を示すメインフローチャートである。図6のフローチャートに示す処理は、情報処理部10が記憶部20に記憶されている情報処理プログラムを実行することにより行われる。
【0050】
まず、情報処理部10は、タッチオンされているかどうかを判定する(ステップS1)。具体的には、情報処理部10は、タッチパネル40が検出した表示部30の画面上の位置群がタッチパネル40から出力されているかどうかを判定する。タッチオンされていると判定された場合、情報処理部10は、タッチパネル40が検出した表示部30の画面上の位置群をタッチパネル40から取得する(ステップS2)。このとき、情報処理部10は、取得した表示部30の画面上の位置群を記憶部20に記憶させる。さらに、情報処理部10は、記憶部20に記憶されているフリックスクロール中フラグがオンである場合には、このフリックスクロール中フラグをオフにする。なお、フリックスクロール中フラグは、フリックスクロールが行われているか否かを示すフラグである。一方、ステップS1において、タッチオンされていないと判定された場合には、ステップS6に移行する。
【0051】
次に、情報処理部10は、タッチパネル40から取得した表示部30の画面上の位置群に基づいて、指がタッチパネル40に接触した領域の中心位置を表す接触中心位置を算出し(ステップS3)、タッチパネル40から取得した表示部30の画面上の位置群に基づいて、指がタッチパネル40に接触した領域の面積を表す接触面積を算出する(ステップS4)。このとき、情報処理部10は、算出した接触中心位置および接触面積を記憶部20に記憶させる。次に、情報処理部10は、今回算出した接触中心位置と前回算出した接触中心位置との距離に応じて、表示部30の画面のスライドスクロールを行い(ステップS5)、ステップS9に移行する。なお、ステップS5において、今回算出した接触中心位置と前回算出した接触中心位置とが実質的に同じ位置にある場合には、情報処理部10は、スライドスクロールを行わない。
【0052】
ステップS1において、タッチオンされていないと判定された場合、情報処理部10は、WEBページ100がフリックスクロールしているかどうかを判定する(ステップS6)。具体的には、情報処理部10は、記憶部20に記憶されているフリックスクロール中フラグがオンか否かを判定する。
【0053】
情報処理部10は、WEBページ100がフリックスクロールしていないと判定した場合、非スクロール中処理を行う(ステップS7)。ここで、非スクロール中処理について詳細に説明する。図7は、本実施形態に係る非スクロール中処理を示すフローチャートである。
【0054】
情報処理部10は、タッチオンからタッチオフとなったか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、情報処理部10は、記憶部20を参照して、直前に表示部30の画面上の位置群が記憶されておらず、かつ、その前に表示部30の画面上の位置群が記憶されているか否かを判定する。情報処理部10は、タッチオンからタッチオフとなっていないと判定された場合には、図6のステップ9へ移行する。
【0055】
情報処理部10は、タッチオンからタッチオフとなったと判定した場合には、タッチオフ直前の接触中心位置の変化量を算出する(ステップS12)。具体的には、情報処理部10は、記憶部20を参照して、直近に記憶されている位置群とそこから一定時間前に記憶されている位置群に基づいて、接触中心位置の変化量を算出する。
【0056】
情報処理部10は、算出した接触中心位置の変化量が所定量以上か否かを判定する(ステップS13)。算出した接触中心位置の変化量が所定量以上であると判定された場合、情報処理部10は、接触面積に基づいて、WEBページ100をフリックスクロールさせている間のWEBページ100の大きさの目標値を決定する(ステップS14)。具体的には、情報処理部10は、記憶部20を参照して、一定時間間隔で算出されている接触面積のうち最も大きい接触面積を取得し、取得した接触面積が大きければ大きいほど、WEBページ100の大きさの目標値が小さくなるように、その目標値を決定する。例えば、接触面積の範囲と目標値とを対応付けたテーブルが記憶部20に記憶されており、情報処理部10は、取得した接触面積に基づき、当該テーブルを参照することにより、目標値を決定する。ここで、情報処理部10は、記憶部20に記憶されているフリックスクロール中フラグをオンにする。
一方、算出した接触中心位置の変化量が所定量以上でないと判定された場合、情報処理部10は、図6のステップ9へ移行する。
【0057】
図6に戻り、ステップS6において、情報処理部10は、WEBページ100がフリックスクロールしていると判定した場合、スクロール中処理を行う(ステップS8)。ここで、スクロール中処理について詳細に説明する。図8は、本実施形態に係るスクロール中処理を示すフローチャートである。
【0058】
情報処理部10は、スクロール速度が一定以下か否かを判定する(ステップS21)。スクロール速度が一定以下でないと判定された場合、情報処理部10は、WEBページ100の大きさが目標値の示す大きさに到達したか否かを判定する(ステップS22)。WEBページ100の大きさが目標値の示す大きさに到達していないと判定された場合、情報処理部10は、WEBページ100を所定の比率で縮小する(ステップS23)。WEBページ100の大きさが目標値の示す大きさに到達したと判定された場合には、これ以上WEBページ100を縮小して表示させる必要がないため、ステップS26に移行する。
【0059】
また、ステップS21において、スクロール速度が一定以下であると判定された場合、情報処理部10は、フリックスクロールの開始から所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS24)。フリックスクロールの開始から所定時間を経過していないと判定された場合、情報処理部10は、ステップS26に移行する。一方、フリックスクロールの開始から所定時間を経過したと判定された場合、情報処理部10は、スクロール速度に応じたWEBページ100の大きさを変更し(ステップS25)、ステップS26に移行する。具体的には、スクロール速度が遅くなった場合に、情報処理部10は、縮小されていたWEBページ100の大きさを拡大する。そして、スクロール速度が実質的に0となった場合には、縮小されていたWEBページ100の大きさが縮小前の大きさに戻るようにする。次に、情報処理部10は、スクロール速度に応じて、表示部30の画面のフリックスクロールを行い(ステップS26)、図6のステップS9に移行する。
図6に戻り、情報処理部10は、WEBページ100を表示部30に表示させる(ステップS9)。
【0060】
以上のように、本実施形態では、表示部の30の画面のフリックスクロールが行われている場合に、そのフリックスクロールの方向についてWEBページ100が縮小するため、スクロール先のWEBページ100の一部をいち早く表示部30の画面に表示させることができる。したがって、所望のWEBページ100の一部をユーザにいち早く視認させることができる。
(変形例)
【0061】
なお、本実施形態では、タッチパネル40へのフリック操作を行った場合に、接触面積に応じてWEBページ100の縮小表示を行うようにした。他の実施形態では、タッチパネル40へのスライド操作を行った場合に、接触面積に応じてWEBページ100の縮小表示を行うようにしてもよい。具体的には、情報処理装置1のユーザが、指をタッチパネル40に接触させて、接触した状態を維持したまま上下左右方向の何れかにスライドさせた場合に、スライド量に応じて、表示部30の画面のスライドスクロールを行うが、このような操作をユーザが行った場合であっても、スライドスクロール中に接触面積に応じてWEBページ100を縮小させて表示部30に表示させるようにする。
【0062】
また、本実施形態では、接触面積に応じてWEBページ100の縮小表示を行うようにした。他の実施形態では、接触面積に基づいてユーザがタッチパネル40に接触させていた指の本数を検出し、例えば、検出した指の本数が1本の場合には、フリックスクロール中に表示部30に表示させるWEBページ100を縮小させない一方、検出した指の本数が2本の場合には、フリックスクロール中に表示部30に表示させるWEBページを縮小させるようにしてもよい。
【0063】
また、本実施形態では、接触面積や接触速度に応じて、フリックスクロール中のWEBページ100の大きさ(目標値)を決定するようにした。他の実施形態では、接触面積や接触速度に加えてまたはこれらに代えて加速度センサ80の検出値を用いて、フリックスクロール中のWEBページ100の大きさを決定するようにしてもよい。例えば、接触面積の範囲と加速度センサ80の検出値の範囲を目標値と対応付けたテーブルを記憶部20に記憶させておき、情報処理部10が、接触面積と加速度センサ80の検出値に基づき、当該テーブルを参照することにより、目標値を決定する。なお、加速度センサ80の検出値の代わりに、タッチパネル40に指が接触した際の圧力を検出する圧力センサを情報処理装置1が備えるようにして、接触面積と圧力センサが検出する検出値とを用いて、フリックスクロール中のWEBページ100の大きさを決定するようにしてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、接触面積の範囲と目標値とを対応付けた1種類のテーブルを記憶部20に記憶するようにした。他の実施形態では、ユーザや所定のグループごとにテーブルを用意することで、複数種類のテーブルを記憶部20に記憶するようにしてもよい。この場合、ユーザや所定のグループごとに、接触面積の範囲と目標値との対応関係を変化させるようにする。
【0065】
また、本実施形態では、画面のフリックスクロールが行われている場合に、WEBページ100のスクロール方向(図4に示すような操作が行われた場合には縦方向)の長さだけでなく、それ以外の方向(図4に示すような操作が行われた場合には横方向)の長さも小さくするようにした。他の実施形態では、画面のフリックスクロールが行われている場合に、WEBページ100のスクロール方向(図4に示すような操作が行われた場合には縦方向)の長さだけを小さくするようにしてもよい。この場合、WEBページ100内の文書や画像等が見にくくなるが、WEBページ100を縮小させるための操作が行われている場合には、WEBページ100の内容を細かく確認していないと推測されるため、ユーザの利便性が低下することはない。
【0066】
また、本実施形態では、画面のフリックスクロールが行われている場合に、WEBページ100の全体を縮小させるようにした。他の実施形態では、少なくとも次回に縮小された結果として表示部30の画面に表示されるWEBページ100の一部のみについて縮小させ、他の部分については縮小させなくてもよい。
【0067】
また、本実施形態では、タッチパネル40で検出された表示部30の画面上の位置群を検出し、情報処理部10が、検出した位置群に基づいて、所定の情報処理を行うようにした。他の実施形態では、タッチパッド等の所定の入力面上の位置群を検出し、情報処理部10が、検出した位置群に基づいて、上記所定の処理を行うようにしてもよい。また、他の実施形態では、ユーザの操作部50に対する指示に応じて、上記処理の処理を行うようにしてもよい。例えば、操作部50として2つのボタンを設け、一方のボタンを押下した場合には、画面のスクロールのみが行われ、他方のボタンを押下したときには、画面のスクロールを行うとともに、WEBページ100の縮小も同時に行うようにする。
【0068】
また、本実施形態では、情報処理装置1の情報処理部10が、WEBページ100が表示される表示部30の画面をフリックスクロールさせ、フリックスクロールが行われている場合に、WEBページ100を縮小し、縮小したWEBページ100の一部を表示部30の画面に表示させるようにした。他の実施形態では、複数の情報処理装置から構成される情報処理システムにおいて、一方の情報処理装置の情報処理部と他方の情報処理装置の情報処理部が上述した処理を分担するようにしてもよい。例えば、一方の情報処理装置の情報処理部が、WEBページ100が表示される表示部の画面をフリックスクロールさせ、フリックスクロールが行われている場合に、WEBページ100を縮小し、他方の情報処理装置の情報処理部が、縮小したWEBページ100の一部を表示部の画面に表示させる。
【符号の説明】
【0069】
1 情報処理装置
10 情報処理部
20 記憶部
30 表示部
40 タッチパネル
50 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータを、
コンテンツが表示される表示部の画面をスクロールさせるスクロール制御手段、
前記スクロール制御手段によるスクロールが行われている場合に、当該スクロールの方向について少なくとも一部が縮小したコンテンツが前記画面に表示されるように、前記コンテンツを縮小する縮小手段、および
前記縮小手段により縮小されたコンテンツの少なくとも一部を前記画面に表示させる表示制御手段として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項2】
前記スクロール制御手段は、前記縮小手段によりコンテンツを縮小する場合と縮小しない場合とで、所定時間あたりの前記画面上のスクロール量を実質的に変化させずに、前記画面をスクロールさせる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
ユーザの入力に応じて、ユーザの入力の強さを検出する強さ検出手段としてさらに機能させ、
前記縮小手段は、前記強さ検出手段による検出結果に基づいて、前記コンテンツを縮小させる、請求項1または2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
ユーザの入力に応じて、所定の入力面上の位置群を取得する取得手段としてさらに機能させ、
前記強さ検出手段は、前記取得手段により取得された位置群に基づいて、ユーザの入力の強さを検出する、請求項3に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記縮小手段は、前記強さ検出手段により検出された強さが大きくなるにしたがって、前記コンテンツの縮小される割合が大きくなるように、当該コンテンツを縮小させる、請求項4に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記スクロール制御手段は、前記取得手段により取得された位置群に基づいて、前記画面をスクロールさせる、請求項4または5に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記強さ検出手段は、
前記取得手段により取得された位置群に基づいて、前記入力面上に接触した領域の面積を示す接触面積を算出する手段を含み、
前記接触面積に基づいて、ユーザの入力の強さを検出する、請求項4ないし6の何れか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記強さ検出手段は、
前記取得手段により取得された位置群に基づいて、前記入力面上に接触した領域の所定時間あたりに移動した距離を示す移動速度を算出する手段を含み、
前記移動速度に基づいて、ユーザの入力の強さを検出する、請求項4ないし6の何れか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記スクロール制御手段は、ユーザの操作部に対する指示に応じて、前記画面をスクロールさせ、
前記縮小手段は、前記指示に応じて、前記コンテンツを縮小する、請求項1または2に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、
前記スクロール制御手段によるスクロールが終了した場合に、前記縮小手段により縮小されたコンテンツの大きさを縮小前の大きさに復帰させる復帰手段としてさらに機能させる、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを、
ユーザの入力に応じて、所定の入力面上の位置群を取得する取得手段、および
前記取得手段により位置群が取得され続けて、当該位置群が変化する第1の操作と、所定時間内に前記取得手段により取得される位置群が変化して、前記取得手段により位置群が取得されなくなる第2の操作とを判別する判別手段としてさらに機能させ、
前記スクロール制御手段は、前記第1の操作が行われた場合、当該第1の操作に関する位置群に基づいて、前記画面をスクロールさせ、前記第2の操作が行われたときには、当該第2の操作に関する位置群に基づいて、前記画面をスクロールさせ、
前記縮小手段は、前記第1の操作が行われた場合、前記コンテンツを縮小させず、前記第2の操作が行われたときには、前記コンテンツを縮小させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記縮小手段は、前記第2の操作が行われた場合、当該第2の操作に関する位置群に基づく縮小率で、前記コンテンツを縮小させる、請求項11に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
前記縮小手段は、前記第2の操作が行われてから所定時間を経過するまでは、前記縮小率を変化させない、請求項12に記載の情報処理プログラム。
【請求項14】
コンテンツが表示される表示部の画面をスクロールさせるスクロール制御ステップ、
前記スクロール制御ステップでスクロールが行われている場合に、当該スクロールの方向について少なくとも一部が縮小したコンテンツが前記画面に表示されるように、前記コンテンツを縮小する縮小ステップ、および
前記縮小ステップで縮小されたコンテンツの少なくとも一部を前記画面に表示させる表示制御ステップを含む、情報処理方法。
【請求項15】
コンテンツが表示される表示部の画面をスクロールさせるスクロール制御手段、
前記スクロール制御手段によるスクロールが行われている場合に、当該スクロールの方向について少なくとも一部が縮小したコンテンツが前記画面に表示されるように、前記コンテンツを縮小する縮小手段、および
前記縮小手段により縮小されたコンテンツの少なくとも一部を前記画面に表示させる表示制御手段を含む情報処理システム。
【請求項16】
コンテンツが表示される表示部の画面をスクロールさせるスクロール制御手段、
前記スクロール制御手段によるスクロールが行われている場合に、当該スクロールの方向について少なくとも一部が縮小したコンテンツが前記画面に表示されるように、前記コンテンツを縮小する縮小手段、および
前記縮小手段により縮小されたコンテンツの少なくとも一部を前記画面に表示させる表示制御手段を含む情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−97426(P2013−97426A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237096(P2011−237096)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】