説明

情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法

【課題】一の情報処理装置が一の接続システムを通じて取得した情報を、他の情報処理装置が他の接続システムを通じて安価に取得できるようにする。
【解決手段】情報処理装置10の登録部11は、接続システム2aを通じて取得した情報3aの識別子4を登録する際、その情報3aが通信料金の割引対象である場合、識別子4に割引情報5を付加して登録する。識別子4および割引情報5は、情報処理装置20に対して転送され、記憶部23に登録される。情報処理装置20の情報取得部22は、記憶部23から選択された識別子4が示す情報3aを接続システム2bを通じて取得するとともに、選択された識別子4に割引情報5が付加されていた場合には、情報3aを取得する際の通信料金が割引されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くのユーザが、PC(Personal Computer)だけでなく、携帯電話機を用いてWebページを閲覧している。このようなユーザの間には、PCで日常的に閲覧するWebページを、携帯電話機でも閲覧したいという要望がある。これに対し、PCが自装置にブックマーク情報を登録する際に、登録するWebページのURL(Uniform Resource Locator)をサーバに登録し、サーバに登録したURLを携帯電話機から参照可能にすることで、PCと携帯電話機との間でブックマーク情報を共有できるようにしたシステムがある。
【0003】
また、一般的に、携帯電話機が移動通信網を通じてインターネットにアクセスする際の通信料金は、PCがインターネットプロバイダを通じてインターネットにアクセスする際の通信料金より高額になる。そこで、携帯電話機などの移動機が通信する際の通信料金を低減するための様々な施策が考えられている。例えば、情報提供サイトのサーバから携帯電話機がファイルをダウンロードする際に、そのサイトが携帯電話会社の提携先であるか否かに応じて、通信料金の割引率を設定するようにしたシステムがある。あるいは、移動機から中継装置を介してサーバ装置にアクセスする際に、中継装置が、アクセス先のサーバ装置が情報提供事業者課金の対象であるか否かに応じて課金処理を実行するようにしたシステムもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−97201号公報
【特許文献2】特開2004−171392号公報
【特許文献3】特開2000−78129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
PCで日常的に閲覧するWebページを、携帯電話機でも閲覧しようとすると、高額な通信料金がかかってしまうことがある。特に、携帯電話機では、モバイル端末向けのWebサイトと比較して、PC向けのWebサイトを閲覧する際の通信料金がより高額である場合が多い。このため、PCで閲覧していたWebページを携帯電話機で閲覧しようとすると、通信料金がさらに増大する可能性がある。
【0006】
このように、ある接続サービスのシステムを通じて取得した情報を、別の情報処理装置を用い、料金体系の異なる別の接続サービスのシステムを通じて取得しようとすると、通信料金が増大してしまうという問題があった。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、一の情報処理装置が一の接続システムを通じて取得した情報を、他の情報処理装置が他の接続システムを通じて安価に取得できるようにした情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、次のような情報処理プログラムが提供される。情報処理プログラムは、第1の接続システムを通じてネットワークに接続するとともに、ネットワークおよび第1の接続システムを通じて取得した情報の識別子を、その内部の記憶部に登録する機能を備えたコンピュータで実行される。このコンピュータは、情報処理プログラムに従って次のような処理を実行する。コンピュータは、記憶部に識別子を登録する際に、登録する識別子が示す情報を第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられるかを判定し、割引を受けられる場合に、登録する識別子に割引情報を付加して記憶部に登録する。また、コンピュータは、記憶部に登録された識別子および割引情報を、第2の接続システムを通じてネットワークに接続する他の情報処理装置に対して送信する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、第1の接続システムを通じてネットワークに接続する情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、登録部と、情報取得部とを有する。登録部は、第2の接続システムを通じてネットワークに接続する他の情報処理装置がネットワークおよび第2の接続システムを通じて取得した情報の識別子を、他の情報処理装置から受信して情報処理装置内の記憶部に登録するとともに、取得した情報を第1の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられると他の情報処理装置が判定した場合には、識別子に付加された割引情報も他の情報処理装置から受信して記憶部に登録する。情報取得部は、記憶部から選択された識別子が示す情報をネットワークおよび第1の接続システムを通じて取得するとともに、選択された識別子に割引情報が付加されていた場合には、選択された識別子が示す情報を取得する際の通信料金が割引されるようにする割引適用処理を実行する。
【0010】
さらに、上記目的を達成するために、第1の接続システムを通じてネットワークに接続する第1の情報処理装置と、第2の接続システムを通じてネットワークに接続する第2の情報処理装置とを含む情報処理システムが提供される。この情報処理システムにおいて、第1の情報処理装置は、第1の登録部と、送信部とを有する。第1の登録部は、ネットワークおよび第1の接続システムを通じて取得した情報の識別子を、第1の情報処理装置内の第1の記憶部に登録するとともに、登録する識別子が示す情報を第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられるかを判定し、割引を受けられる場合に、登録する識別子に割引情報を付加して第1の記憶部に登録する。送信部は、第1の記憶部に登録された識別子および割引情報を第2の情報処理装置に送信する。また、第2の情報処理装置は、第2の登録部と、情報取得部とを有する。第2の登録部は、送信部から送信された識別子および割引情報を、第2の情報処理装置内の第2の記憶部に登録する。情報取得部は、第2の記憶部から選択された識別子が示す情報をネットワークおよび第2の接続システムを通じて取得するとともに、選択された識別子に割引情報が付加されていた場合には、選択された識別子が示す情報を取得する際の通信料金が割引されるようにする割引適用処理を実行する。
【0011】
また、上記目的を達成するために、上記の情報処理システムと同様の処理を実行する情報処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
上記の情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法によれば、一方の装置が一方の接続システムを通じて取得した情報を、他方の装置が他方の接続システムを通じて安価に取得できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムのシステム構成例を示す図である。
【図3】PCのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】携帯電話機のハードウェア構成例を示す図である。
【図5】情報処理システムにおける動作の概要を示す図である。
【図6】提携プロバイダDBに登録される情報の例を示す図である。
【図7】WebサイトDBに登録される情報の例を示す図である。
【図8】PCが備える処理機能の構成例を示すブロック図である。
【図9】PCのプロバイダシステムに対する第1の接続形態例を示す図である。
【図10】PCのプロバイダシステムに対する第2の接続形態例を示す図である。
【図11】IPアドレス調査サーバとの間で送受信されるパケットの構成例を示す図である。
【図12】プロバイダ調査部の処理手順の例を示すフローチャートである。
【図13】ブックマーク処理手順の例を示すフローチャートである。
【図14】PCに記憶されるブックマーク情報のデータ構造例を示す図である。
【図15】PCにおけるブックマーク情報の表示例を示す図である。
【図16】携帯電話機が備える処理機能の構成例を示すブロック図である。
【図17】ブックマーク情報の転送処理手順の例を示すシーケンス図である。
【図18】携帯電話機におけるブックマーク情報の表示例を示す図である。
【図19】キャリアシステムの内部構成例を示す図である。
【図20】ブックマークされた情報に基づくWebページの表示処理手順の例を示すフローチャートである。
【図21】携帯電話機の識別情報を用いてブックマーク情報を暗号化する場合の処理について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【0015】
図1に示す情報処理システムは、それぞれネットワーク1に接続可能な2つの情報処理装置10,20を含む。情報処理装置10は、接続システム2aを通じてネットワーク1に接続する。一方、情報処理装置20は、接続システム2bを通じてネットワーク1に接続する。
【0016】
接続システム2a,2bは、それぞれ、ネットワーク1に対する接続サービスを提供する個別のサービス業者によって運営されるシステムである。接続システム2a,2bのそれぞれには、例えば、ネットワーク1に対する接続処理を行う機器の他、通信料金の課金を管理する機器などが含まれる。
【0017】
ここで、本実施の形態では、接続システム2aを通じてネットワーク1に接続した際の通信料金より、接続システム2bを通じてネットワーク1に接続した際の通信料金の方が高額であるものとする。例えば、接続システム2aが、インターネットプロバイダが運営するシステムであるのに対し、接続システム2bが、携帯電話キャリアのような移動体通信業者が運営するシステムであるものとする。
【0018】
図1中の点線矢印に示すように、情報処理装置10は、ネットワーク1および接続システム2aを通じて、情報3aを取得することができる一方、情報処理装置20は、ネットワーク1および接続システム2bを通じて、同じ情報3aを取得することができる。以下の説明では、例として、情報3aは、ネットワーク1に接続されたサーバ装置3から送信されるものとする。情報3aは、URLなどの識別子によって特定されるデータまたはデータ群である。このような情報3aとしては、例えば、Webページのデータなどの表示情報であってもよいし、あるいは、画像、動画像などのデータファイルであってもよい。情報処理装置10,20は、識別子を指定してネットワーク1にアクセスすることで、指定した識別子が示す情報3aをサーバ装置3から受信する。
【0019】
情報処理装置10は、登録部11、送信部12および記憶部13を備える。登録部11および送信部12の処理は、例えば、情報処理装置10が有するCPU(Central Processing Unit)が所定のプログラムを実行することで実現される。記憶部13は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性記憶装置によって実現される。
【0020】
登録部11は、情報処理装置10がネットワーク1および接続システム2aを通じて取得した情報3aの識別子4を、例えばユーザの入力操作に応じて、記憶部13に登録する。また、登録部11は、このような識別子4を記憶部13に登録する際に、この識別子4が示す情報3aを他方の接続システム2bを通じて取得した際に、通信料金の割引を受けられるかを判定する。登録部11は、通信料金の割引を受けられると判定した場合、識別子4に対して割引情報5を付加して記憶部13に登録する。一方、通信料金の割引を受けられないと判定した場合、登録部11は、識別子4のみを記憶部13に登録することになる。
【0021】
登録部11は、通信料金の割引を受けられるかの判定を、例えば、ネットワーク1に接続された所定のサーバ装置(図示せず)に問い合わせることで実行する。この場合、登録部11は、例えば、記憶部13に登録する識別子4をサーバ装置に通知する。サーバ装置は、通知された識別子4が示す情報3aが、通信料金の割引を受けられる対象であるかを、情報処理装置10に対して回答する。
【0022】
送信部12は、記憶部13に登録された識別子4を、情報処理装置20に送信する。また、送信部12は、送信する識別子4に割引情報5が付加されていた場合には、識別子4に割引情報5を付加したまま情報処理装置20に送信する。なお、識別子4および割引情報5は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルを通じた通信や、ブルートゥース(Bluetooth,登録商標)に従った無線通信など、情報処理装置10と情報処理装置20とがネットワークを介さずに直接通信できる通信方式によって送信されることが望ましい。
【0023】
情報処理装置20は、登録部21、情報取得部22および記憶部23を備える。登録部21および情報取得部22の処理は、例えば、情報処理装置20が有するCPUが所定のプログラムを実行することで実現される。記憶部23は、例えば、HDDなどの不揮発性記憶装置によって実現される。
【0024】
登録部21は、情報処理装置10の送信部12から送信された識別子4を、記憶部23に登録する。また、登録部21は、送信部12から送信された識別子4に割引情報5が付加されている場合には、識別子4とともに割引情報5も記憶部23に登録する。
【0025】
ここで、識別子4は、情報処理装置20のユーザが簡単な操作によって呼び出して選択できる状態で登録されることが望ましい。例えば、情報3aがWebページであり、識別子4がURLである場合、識別子4は、情報処理装置20が備えるWebブラウザ機能によって利用されるブックマーク情報として登録される。
【0026】
情報取得部22は、ユーザの操作によって記憶部23から選択された識別子4が示す情報3aを、ネットワーク1および接続システム2bを通じて取得する。情報取得部22は、識別子4を指定してネットワーク1にアクセスすることで、サーバ装置3から情報3aを受信する。このような取得処理の際、情報取得部22は、選択された識別子4に割引情報5が付加されていた場合には、選択された識別子4が示す情報3aを取得する際の通信料金が割引されるようにする割引適用処理を実行する。
【0027】
割引適用処理は、例えば、次のように実行される。接続システム2bには、ネットワーク1への接続処理をそれぞれ実行する複数の接続部が含まれる。情報取得部22は、選択された識別子4に割引情報5が付加されていた場合と、割引情報5が付加されていない場合とで、異なる接続部にアクセスし、アクセスした接続部を通じて情報3aを取得する。接続部ごとに異なる通信料金が課金されることで、割引情報5が付加された識別子4が示す情報3aの取得時において、通信料金が低減される。
【0028】
また、別の処理方法として、情報取得部22は、選択された識別子4に割引情報5が付加されていた場合には、情報3aの取得のために接続システム2bにアクセスする際に、割引の適用を示す割引適用情報をパケットに付加して送信してもよい。この場合、接続システム2b内の接続部は、割引適用情報が付加されたパケットをネットワーク1に送信する際と、その送信パケットに対する応答パケットをネットワーク1から受信して情報処理装置20に送信する際に、割引を適用した通信料金を課金する。
【0029】
以上説明した第1の情報処理システムでは、情報処理装置10が接続システム2aを通じて取得した情報3aを、別の情報処理装置20が別の接続システム2bを通じて取得する際に、通信料金を低減できる。これにより、例えば、ユーザは、情報処理装置10を用いて日常的に取得している情報3aを、別の情報処理装置20を用いて取得したい場合でも、情報3aをより安価で取得できるようになる。
【0030】
〔第2の実施の形態〕
次に、図1の情報3aの例として、インターネット上のWebサーバからWebページの情報を取得可能な情報処理システムについて説明する。図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムのシステム構成例を示す図である。
【0031】
図2に示す情報処理システムは、インターネット100に対して、ユーザが使用する端末装置が接続できるようになっている。本実施の形態において、ユーザは、PC200および携帯電話機300という2つの端末装置を使用するものとする。
【0032】
図2において、PC200は、ユーザが使用する一方の端末装置の例である。また、プロバイダシステム400は、インターネット100に対する接続サービスを提供するインターネットプロバイダによって運営されるシステムであり、PC200は、プロバイダシステム400を通じてインターネット100に接続する。
【0033】
プロバイダシステム400には、例えば、ネットワーク401、ルータ402およびゲートウェイサーバ(GWS)403などが設けられている。ネットワーク401は、例えば、IP(Internet Protocol)ネットワークである。ルータ402は、プロバイダシステム400の内部のネットワーク401と、インターネットプロバイダに加入するユーザの端末装置(図2ではPC200)との間で、データを中継する。ゲートウェイサーバ403は、ネットワーク401とインターネット100との間でデータを中継する。また、ゲートウェイサーバ403は、例えば、ネットワーク401に接続された加入者データベースサーバ(図示せず)などと連携して、データの送受信の際の認証処理や課金処理などを実行してもよい。
【0034】
一方、図2において、携帯電話機300は、ユーザが使用する他方の端末装置の例である。携帯電話機300は、携帯電話キャリアが運営するキャリアシステム500を通じて、インターネット100に接続する。なお、キャリアシステム500に接続する端末装置の例としては、携帯電話機の他、ノート型PCなどの各種情報処理装置がある。
【0035】
キャリアシステム500には、例えば、ネットワーク501、基地局502およびゲートウェイサーバ(GWS)503などが設けられている。ネットワーク501は、携帯電話キャリア独自のプロトコルに従って通信可能なネットワークである。基地局502は、携帯電話機300など、携帯電話キャリアに加入するユーザの端末装置との間で無線通信し、端末装置とネットワーク501との間でデータを中継する。なお、実際には、基地局502は複数存在する。ゲートウェイサーバ503は、ネットワーク501とインターネット100との間でデータを中継する。データの中継の際、ゲートウェイサーバ503は、ネットワーク501で使用されるプロトコルとインターネット100で使用されるプロトコルとの相互変換を行う。
【0036】
また、インターネット100には、それぞれWebサイトを提供する複数のWebサーバ110a〜110cが接続されている。PC200は、プロバイダシステム400を通じてWebサーバ110a〜110cにアクセスすることで、各サーバが提供するWebサイトのページを、PC200に接続されたモニタに表示させることができる。また、携帯電話機300は、キャリアシステム500を通じてWebサーバ110a〜110cにアクセスすることで、各サーバが提供するWebサイトのページを、携帯電話機300が備えるモニタに表示させることができる。
【0037】
さらに、インターネット100には、IPアドレス調査サーバ120および割引情報サーバ130が接続されている。IPアドレス調査サーバ120は、インターネット100を通じて調査要求コマンドを受信したとき、その受信パケット内の送信元IPアドレスを、送信パケット内のデータ領域に埋め込んで返信する。割引情報サーバ130は、携帯電話キャリアが運営するサーバ装置である。割引情報サーバ130は、携帯電話キャリアにおける通信料金の割引に関する情報を、インターネット100を通じて提供する。
【0038】
なお、PC200と携帯電話機300とは、例えばUSBケーブルを介して接続できるようになっている。
図3は、PCのハードウェア構成例を示す図である。
【0039】
PC200は、CPU201によって装置全体が制御されている。CPU201には、バス209を介して、RAM(Random Access Memory)202と複数の周辺機器が接続されている。
【0040】
RAM202は、PC200の主記憶装置として使用される。RAM202には、CPU201に実行させるOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM202には、CPU201による処理に必要な各種データが格納される。
【0041】
バス209に接続されている周辺機器としては、HDD203、グラフィック処理装置204、入力インタフェース(I/F)205、光学ドライブ装置206、ネットワークインタフェース207および通信インタフェース208がある。
【0042】
HDD203は、内蔵した磁気ディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD203は、PC200の二次記憶装置として使用される。HDD203には、OSプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0043】
グラフィック処理装置204には、モニタ204aが接続されている。グラフィック処理装置204は、CPU201からの命令に従って、画像をモニタ204aに表示させる。なお、モニタ204aは、例えば、液晶ディスプレイである。
【0044】
入力インタフェース205には、例えば、キーボード205aおよびマウス205bが接続されている。入力インタフェース205は、キーボード205aやマウス205bからの出力信号をCPU201に送信する。なお、マウス205bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0045】
光学ドライブ装置206は、レーザ光などを利用して、光ディスク206aに記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク206aは、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク206aには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(Rewritable)などがある。
【0046】
ネットワークインタフェース207は、PC200が設置された建物内のネットワークに接続されている。ネットワークインタフェース207は、建物内に設置されたブロードバンドルータなどを通じて、プロバイダシステム400のルータ402に接続する。
【0047】
通信インタフェース208は、他の機器と有線または無線により接続して通信を行う。本実施の形態では、PC200は、通信インタフェース208を通じて、携帯電話機300との間で通信する。なお、有線通信の例としては、例えば、USB方式などを使用できる。無線通信の例としては、ブルートゥースなどを使用できる。
【0048】
なお、Webサーバ110a〜110c、IPアドレス調査サーバ120および割引情報サーバ130も、図3と同様のハードウェア構成によって実現できる。
図4は、携帯電話機のハードウェア構成例を示す図である。
【0049】
携帯電話機300は、無線処理回路301、音声処理回路302、制御回路303、不揮発性メモリ304、入力インタフェース305、グラフィック処理装置306、メモリカードインタフェース307および通信インタフェース308を備えており、これらの各部はバス309を介して接続されている。
【0050】
無線処理回路301には、キャリアシステム500の基地局502との間で無線通信するためのアンテナ301aが接続されている。無線処理回路301は、アンテナ301aからの受信信号の復調やデータ分離、送信すべきデータの生成や変調などを行う。
【0051】
音声処理回路302には、スピーカ302aおよびマイクロフォン302bが接続されている。音声処理回路302は、通話が行われる際、マイクロフォン302bによって収音された音声信号をエンコードして、無線処理回路301に供給する。これとともに、音声処理回路302は、無線処理回路301によって受信電波から復調された音声信号をデコードして増幅し、通話音声をスピーカ302aに再生出力させる。
【0052】
制御回路303は、CPU、RAMなどを備え、携帯電話機300全体を統括的に制御する。例えば、制御回路303は、無線処理回路301を通じた通話処理やデータ通信処理の制御、不揮発性メモリ304に記憶されたアプリケーションプログラムの実行などを行う。
【0053】
不揮発性メモリ304は、制御回路303が実行する各種プログラムや、プログラムの実行に必要な各種データなどが記憶される。不揮発性メモリ304は、フラッシュメモリなどの半導体メモリとして実現される。なお、不揮発性メモリ304の代わりにHDDなどの他の種類の不揮発性記憶媒体が設けられてもよい。
【0054】
入力インタフェース305には、入力キー305aが接続されている。入力インタフェース305は、入力キー305aからの出力信号を制御回路303に送信する。なお、入力キー305aは、入力デバイスの一例であり、例えば、モニタ306aに設けられるタッチパネルなどの他の入力デバイスを使用することもできる。
【0055】
グラフィック処理装置306には、モニタ306aが接続されている。モニタ306aは、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。グラフィック処理装置306は、制御回路303からの命令に従って、画像をモニタ306aに表示させる。
【0056】
メモリカードインタフェース307には、記憶デバイスとしてフラッシュメモリなどを用いた可搬型記憶装置であるメモリカード307aが接続される。メモリカードインタフェース307は、メモリカード307aから読み出したデータを制御回路303に出力する。また、メモリカードインタフェース307は、制御回路303から書き込みが要求されたデータをメモリカード307aに書き込む。
【0057】
通信インタフェース308は、PC200の通信インタフェース208と同じ通信規格に従って、他の機器との間で通信を行う。本実施の形態では、携帯電話機300は、通信インタフェース308を通じて、PC200との間で通信する。
【0058】
次に、図5は、情報処理システムにおける動作の概要を示す図である。
キャリアシステム500を運営する携帯電話キャリアは、キャリアシステム500を通じてインターネット100に接続する際の通信料金について、次のような割引サービスを提供する。携帯電話キャリアは、PC200が、特定のインターネットプロバイダを通じて、特定のWebサイトにアクセスした場合に、そのWebサイトに対して携帯電話機300からキャリアシステム500を通じてアクセスした際の通信料金に、割引を適用する。
【0059】
携帯電話キャリアは、割引情報サーバ130の記憶装置内に、割引サービスの対象とするインターネットプロバイダやWebサイトをあらかじめ登録しておく。割引情報サーバ130の記憶装置には、提携プロバイダDB(データベース)131とWebサイトDB(データベース)132とが格納される。
【0060】
提携プロバイダDB131には、割引サービスの対象とするインターネットプロバイダを識別する情報が登録される。例えば、図5に示すように、インターネット100に対する接続サービスを提供する2つのインターネットプロバイダX,Yが存在するものとする。そして、これらのうちインターネットプロバイダXが、携帯電話キャリアによってあらかじめ割引サービスの対象として指定されているものとする。この場合、提携プロバイダDB131には、インターネットプロバイダXのプロバイダ名、あるいは、インターネットプロバイダXが使用するグローバルIPアドレスの範囲などが登録される。
【0061】
WebサイトDB132には、割引サービスの対象とするWebサイトを識別する情報が登録される。例えば、図5に示すように、インターネット100には、それぞれWebサイトA,B,Cを提供するWebサーバ110a,110b,110cが接続されているものとする。そして、これらのうちWebサイトAが、携帯電話キャリアによってあらかじめ割引サービスの対象として指定されているものとする。この場合、WebサイトDB132には、WebサイトAに含まれるWebページを識別可能な情報(例えば、WebサイトAのURLにおけるドメイン名)が登録される。
【0062】
上記例のように提携プロバイダDB131およびWebサイトDB132に情報が登録されている場合には、次のような割引サービスが行われる。PC200がインターネットプロバイダXの接続システムを通じてインターネット100に接続している状態において、ユーザがPC200を用いてWebサイトAを閲覧した場合に、ユーザは、同じWebサイトAを携帯電話機300を用いて閲覧する際に、割引料金の適用を受けることができる。しかし、PC200がインターネットプロバイダYの接続システムを通じてインターネット100に接続している場合や、ユーザがPC200を用いてWebサイトBまたはWebサイトCを閲覧した場合には、ユーザは、WebサイトB,Cを携帯電話機300を用いて閲覧する際に、割引料金の適用を受けることはできない。
【0063】
ここで、図6は、提携プロバイダDBに登録される情報の例を示す図である。
提携プロバイダDB131には、例えば、割引サービスの対象とするインターネットプロバイダが使用するグローバルIPアドレスの範囲が登録される。ここで言うグローバルIPアドレスとは、端末装置がプロバイダシステムを通じてインターネット100にアクセスした際に、インターネット100上に送信されるパケット内に送信元IPアドレスとして記載されるアドレスである。なお、割引サービスの対象とするインターネットプロバイダが複数ある場合には、提携プロバイダDB131にも、複数のアドレス範囲が登録される。
【0064】
図7は、WebサイトDBに登録される情報の例を示す図である。
WebサイトDB132には、例えば、割引サービスの対象とするWebサイトのドメイン名が登録される。さらに、WebサイトDB132には、ドメイン名に対応付けて、サービスコードが登録されてもよい。サービスコードは、割引サービスの種別を示す情報であり、例えば、通信料金の割引率ごとに個別の値をとる。例えば、「0001」は割引率10%、「0010」は割引率20%を示す。このようなサービス情報をドメイン名ごとに設定しておくことで、Webサイトごとに異なる割引率を適用することが可能になる。なお、Webサイトごとに割引率を変えない場合には、サービスコードは登録されなくてよい。
【0065】
また、上記の図6,図7の例では、Webサイトごとに異なる割引率を適用できるようにしたが、さらに、Webサイトの閲覧の際に経由したインターネットプロバイダごとに異なる割引率を設定できるようにしてもよい。この場合、例えば、提携プロバイダDB131において、各インターネットプロバイダについてのIPアドレス範囲ごとに、サービスコードを登録しておく。
【0066】
以下、図5に戻って説明する。
PC200が特定のインターネットプロバイダを通じて特定のWebサイトにアクセスしたことは、ブックマーク情報を用いて、PC200から携帯電話機300に通知される。ブックマーク情報は、Webブラウザを用いて表示中のWebページのURLを、ユーザの操作に応じて装置内に保存した情報である。ユーザは、Webブラウザの画面からブックマーク情報を呼び出すことで、呼び出したブックマーク情報に記載されたURLに対応するWebページを、Webブラウザの画面に表示させることができる。
【0067】
ここで、ユーザが携帯電話機300の通信料金の割引サービスを受けるまでの処理手順の概要について、順を追って説明する。
まず、PC200は、例えば一定時間ごとに、自装置が接続しているプロバイダシステムが、割引サービスの対象とされたインターネットプロバイダのシステムかを判定する。PC200は、IPアドレス調査サーバ120にアクセスすることなどにより、自装置がインターネット100に接続する際のグローバルIPアドレスを認識する。PC200は、認識したグローバルIPアドレスを割引情報サーバ130に通知し、通知したIPアドレスが提携プロバイダDB131に登録されているかを問い合わせる。通知したIPアドレスが提携プロバイダDB131に登録されていた場合、割引情報サーバ130はその旨をPC200に通知する(ステップS11)。
【0068】
次に、ユーザの操作によりPC200のWebブラウザが起動され、PC200がWebサーバにアクセスすることにより、Webブラウザの画面上にWebページが表示される(ステップS12)。ここで、ユーザの操作により、表示中のWebページのURLがブックマークされたとき、PC200は、現在接続しているプロバイダシステムを運営するインターネットプロバイダと、ブックマークしたWebページとが、それぞれ割引サービスの対象であるかを判定する。
【0069】
PC200は、前述の処理により、接続しているプロバイダシステムが割引サービスの対象とされたインターネットプロバイダのシステムであると判定されていた場合には、さらに、割引情報サーバ130に対してブックマークしたURLを通知し、通知したURLがWebサイトDB132に登録されているかを問い合わせる。通知したURLがWebサイトDB132に登録されていた場合、割引情報サーバ130は、そのURLに対応付けられたサービスコードをPC200に通知する(ステップS13)。
【0070】
PC200は、現在接続しているプロバイダシステムを運営するインターネットプロバイダと、ブックマークしたWebページとが、ともに割引サービスの対象であると判定すると、割引情報サーバ130から通知されたサービスコードを、URLに付加してブックマーク情報に登録する(ステップS14)。なお、現在接続しているプロバイダシステムが、割引サービスの対象とされたインターネットプロバイダのシステムでない場合、および、ブックマークしたWebページが割引サービスの対象でない場合には、PC200は、ブックマーク情報にURLのみ登録する。
【0071】
次に、ユーザは、PC200に対して携帯電話機300を接続する。PC200は、携帯電話機300が接続されたことを検知すると、例えば自動的に、登録されたブックマーク情報を携帯電話機300に送信する(ステップS15)。このとき、URLにサービスコードが付加されている場合には、付加されたサービスコードもURLとともに携帯電話機300に送信される。
【0072】
携帯電話機300は、受信したブックマーク情報を、自装置内のWebブラウザのブックマーク情報として使用する。ユーザは、携帯電話機300のWebブラウザの画面からブックマーク情報を呼び出し、ブックマーク情報内に登録されたURLを選択する。携帯電話機300は、選択されたURLにアクセスし、そのURLが示すWebページを自装置のモニタ306aに表示する(ステップS16)。
【0073】
携帯電話機300は、ブックマーク情報から選択されたURLにアクセスする際、そのURLにサービスコードが付加されているかを判定する。サービスコードが付加されている場合、携帯電話機300は、サービスコードに応じた通信料金の割引を受けることができる。携帯電話機300は、例えば、キャリアシステム500内に設けられた、サービスコードに対応するプロキシサーバにアクセスし、そのプロキシサーバを通じてWebサーバにアクセスすることで、通信料金の割引サービスを受ける。
【0074】
以上の図5で説明した処理によれば、ユーザは、例えば、PC200を用いて日常的に閲覧しているWebサイトを携帯電話機300を用いて閲覧する際に、安価な通信料金でそのWebサイトを閲覧できるようになる。また、ユーザが割引サービスを受けられるようになるまでには、ユーザはPC200と携帯電話機300とを接続する操作のみを行えばよく、その他の処理はPC200および携帯電話機300とが自動的に実行する。従って、ユーザはごく簡単な操作で割引サービスを受けることができる。
【0075】
さらに、携帯電話キャリアにとっては、例えば、自身と関連するWebサイトを割引サービスの対象に設定しておくことで、そのWebサイトがユーザに閲覧される機会を増やすことができる。このような場合、携帯電話キャリアは、例えば、自身と関連するWebサイトを閲覧することの対価として、ユーザに対して通信料金の割引サービスを提供する。
【0076】
また、携帯電話キャリアは、自身と提携関係にある業者に関するWebサイトを割引サービスの対象に設定することもできる。このような場合、携帯電話キャリアは、キャリアシステム500を通じてそのWebサイトを閲覧する際の通信料金を低減する代わりに、そのWebサイトに関連する業者から、Webサイトの閲覧機会が増えたことに対する対価として所定の料金を受け取る、といったビジネスモデルを構築することもできる。
【0077】
さらに、携帯電話キャリアが、自身と提携関係にあるインターネットプロバイダを割引サービスの対象に設定しておくことで、携帯電話キャリアとインターネットプロバイダの両方において加入者が増加するなどのメリットが生じる。
【0078】
次に、PC200の処理について説明する。まず、図8は、PCが備える処理機能の構成例を示すブロック図である。
PC200は、Web閲覧処理部221、ブックマーク処理部222、プロバイダ調査部231、情報付加処理部232および同期処理部233を備える。ここで、Web閲覧処理部221およびブックマーク処理部222の処理は、例えば、PC200のCPU201がWebブラウザプログラム220を実行することで実現される。一方、プロバイダ調査部231、情報付加処理部232および同期処理部233の処理は、例えば、PC200のCPU201が割引適用プログラム230を実行することで実現される。なお、割引適用プログラム230がPC200にインストールされたとき、割引適用プログラム230のうち、例えば、情報付加処理部232の処理を実行するためのプログラム領域は、Webブラウザプログラム220のプラグインとしてインストールされる。
【0079】
また、PC200は、ブックマーク情報223、アドレス範囲234およびプロバイダフラグ235を記憶する。ブックマーク情報223およびアドレス範囲234は、例えば、PC200のHDD203に記憶され、プロバイダフラグ235は、例えば、PC200のRAM202に記憶される。
【0080】
Web閲覧処理部221は、Webサーバと通信して、Webサーバから提供されるWebページをモニタ204aに表示させる。
ブックマーク処理部222は、Web閲覧処理部221によるWebページの表示処理中に、ブックマークの要求操作を受け付けると、表示処理中のWebページの名称およびURLをWeb閲覧処理部221から取得して、ブックマーク情報223に登録する。また、ブックマーク情報223に登録されたWebページ名に対する選択操作を受け付けると、選択されたWebページに対応付けられたURLをWeb閲覧処理部221に通知し、Webページの表示を要求する。要求を受けたWeb閲覧処理部221は、ブックマーク処理部222から通知されたURLが示すWebサーバにアクセスし、アクセスしたWebサーバから提供されるWebページをモニタ204aに表示させる。
【0081】
プロバイダ調査部231は、現在接続されているプロバイダシステムが、割引サービスの対象とされたインターネットプロバイダのシステムかを判定する。プロバイダ調査部231は、プライベートIPアドレスの範囲を示すアドレス範囲234を参照可能になっている。アドレス範囲234には、プライベートIPアドレスとしての使用が許可されているIPアドレスの範囲(例えば、10.0.0.0〜10.255.255.255,172.16.0.0〜172.31.255.255,192.168.0.0〜192.168.255.255など)が登録されている。
【0082】
プロバイダ調査部231は、アドレス範囲234に登録された情報や、IPアドレス調査サーバ120へのアクセスに対する応答から、PC200がインターネット100に接続する際に使用するグローバルIPアドレスを認識する。プロバイダ調査部231は、グローバルIPアドレスを割引情報サーバ130に通知して、通知したグローバルIPアドレスを使用するインターネットプロバイダが割引サービスの対象であるかを問い合わせる。
【0083】
プロバイダ調査部231は、割引情報サーバ130への問い合わせの結果、現在接続されているプロバイダシステムが、割引サービスの対象とされたインターネットプロバイダのシステムである場合に、プロバイダフラグ235を「1」に設定する。一方、プロバイダ調査部231は、現在接続されているプロバイダシステムが、割引サービスの対象とされたインターネットプロバイダのシステムでない場合に、プロバイダフラグ235を「0」に設定する。
【0084】
情報付加処理部232は、ブックマーク処理部222がブックマークを行ったとき、プロバイダフラグ235が「1」である場合に、ブックマーク情報223に登録されたURLが示すWebページが、割引サービスの対象かを判定する。情報付加処理部232は、ブックマークされたURLを割引情報サーバ130に通知し、通知したURLが割引サービスの対象かを問い合わせる。情報付加処理部232は、割引情報サーバ130への問い合わせの結果、通知したURLが割引サービスの対象であった場合には、割引情報サーバ130からサービスコードを受信し、受信したサービスコードを、ブックマーク情報223に登録されたURLに付加する。
【0085】
同期処理部233は、PC200が携帯電話機300に接続したことを検知すると、自動的に起動する。同期処理部233は、登録されたブックマーク情報223を、接続された携帯電話機300に対して送信する。
【0086】
次に、プロバイダ調査部231の処理について説明する。まず、図9は、PCのプロバイダシステムに対する第1の接続形態例を示す図である。また、図10は、PCのプロバイダシステムに対する第2の接続形態例を示す図である。
【0087】
図9,図10では、例として、宅内に3つのPC200a〜200cが接続されており、各PC200a〜200cは、ブロードバンドルータ410を介してプロバイダシステム400のルータ402に接続するものとする。このような接続形態では、図9の例のように、ブロードバンドルータ410のWAN(Wide Area Network)側にグローバルIPアドレスが割り当てられる場合と、図10の例のように、PC200a〜200cのそれぞれに対してグローバルIPアドレスが割り当てられる場合とが考えられる。
【0088】
図10の例のように、PC200a〜200cのそれぞれにグローバルIPアドレスが割り当てられている場合、PC200a〜200cのそれぞれのプロバイダ調査部231は、自装置がインターネット100に接続する際に使用するグローバルIPアドレスは、自装置に割り当てられたIPアドレスと同じであることを認識できる。一方、図9のように、ブロードバンドルータ410のWAN側にグローバルIPアドレスが割り当てられている場合、PC200a〜200cのそれぞれには、ブロードバンドルータ410から自動設定された(またはユーザによって手動で設定された)プライベートIPアドレスが割り当てられる。このような場合、PC200a〜200cのそれぞれのプロバイダ調査部231は、自装置がインターネット100に接続する際に使用するグローバルIPアドレスを、IPアドレス調査サーバ120に問い合わせる。
【0089】
図11は、IPアドレス調査サーバとの間で送受信されるパケットの構成例を示す図である。
PCからIPアドレス調査サーバ120に送信される送信パケットと、IPアドレス調査サーバ120からPCに返信される返信パケットは、ともに、先頭にヘッダ領域が設けられ、その次にデータ領域が設けられた基本構成を有する。ヘッダ領域には、送信元IPアドレスと、宛先IPアドレスとが設定される。図9のように、ブロードバンドルータ410のWAN側にグローバルIPアドレスが割り当てられている場合、例えばPC200aから送信された送信パケットのヘッダ領域に設定された送信元IPアドレスは、ブロードバンドルータ410によってプライベートIPアドレスからグローバルIPアドレスに書き替えられる。
【0090】
IPアドレス調査サーバ120は、ブロードバンドルータ410からプロバイダシステム400およびインターネット100を通じて送信された送信パケットを受信すると、そのヘッダ領域から送信元IPアドレスを抽出する。IPアドレス調査サーバ120は、PC200aに返信する返信パケットのデータ領域に、送信パケットから抽出した送信元IPアドレスを設定する。このとき設定される送信元IPアドレスが、PC200aがインターネット100に接続する際に使用するグローバルIPアドレスとなり、PC200aは、IPアドレス調査サーバ120から受信した返信パケットのデータ領域から、グローバルIPアドレスを認識する。
【0091】
なお、IPアドレス調査サーバ120は、上記のように受信パケット内の送信元IPアドレスを利用する代わりに、PCから受信したパケットの経路をトレースすることにより、PCに対してグローバルIPアドレスを通知してもよい。
【0092】
また、図9に示した接続形態例では、ブロードバンドルータ410のWAN側にグローバルIPアドレスが割り当てられた場合を示したが、別の例として、ブロードバンドルータ410のWAN側に、インターネットプロバイダが指定したプライベートIPアドレスが割り当てられる場合もある。このような場合、例えばPC200aから送信されたパケットの送信元IPアドレスは、ブロードバンドルータ410によって変換された後、プロバイダシステム400のゲートウェイサーバ403によって、グローバルIPアドレスに変換される。このような構成の場合でも、PC200aのプロバイダ調査部231は、IPアドレス調査サーバ120に問い合わせることで、自装置がインターネット100に接続する際に使用するグローバルIPアドレスを認識することができる。
【0093】
図12は、プロバイダ調査部の処理手順の例を示すフローチャートである。
[ステップS21]プロバイダ調査部231は、PC200に設定されているIPアドレスを確認する。プロバイダ調査部231は、例えば、OSが提供するIPアドレスの通知機能に対して、「ipconfig.sys」コマンドを発行することで、IPアドレスを確認する。
【0094】
[ステップS22]プロバイダ調査部231は、アドレス範囲234を参照し、ステップS21で確認した、PC200のIPアドレスが、アドレス範囲234に登録されたプライベートIPアドレスの範囲に含まれるかを判定する。プロバイダ調査部231は、PC200のIPアドレスがアドレス範囲234に登録されており、このIPアドレスがプライベートIPアドレスであると判定した場合には、ステップS23の処理を実行する。一方、PC200のIPアドレスがアドレス範囲234に登録されておらず、このIPアドレスがグローバルIPアドレスであると判定した場合には、ステップS24の処理を実行する。
【0095】
[ステップS23]プロバイダ調査部231は、IPアドレス調査サーバ120にアクセスし、PC200がインターネット100に接続する際に使用するグローバルIPアドレスを問い合わせる。プロバイダ調査部231は、IPアドレス調査サーバ120からの応答パケットから、グローバルIPアドレスを認識する。
【0096】
[ステップS24]プロバイダ調査部231は、ステップS22でグローバルIPアドレスであると判定した、PC200のIPアドレス、または、ステップS23でIPアドレス調査サーバ120から通知を受けたグローバルIPアドレスを、割引情報サーバ130に送信して、送信したグローバルIPアドレスが、割引サービスの対象とされたインターネットプロバイダに割り当てられたものかを問い合わせる。
【0097】
[ステップS25]プロバイダ調査部231は、ステップS24での問い合わせに対する応答に基づき、割引情報サーバ130に送信したグローバルIPアドレスが、割引サービスの対象とされたインターネットプロバイダに割り当てられたものかを判定する。なお、プロバイダ調査部231は、送信したグローバルIPアドレスが割引サービス対象のインターネットプロバイダに割り当てられている場合、割引情報サーバ130からサービスコードを受信する。
【0098】
プロバイダ調査部231は、グローバルIPアドレスが割引サービス対象のインターネットプロバイダに割り当てられている場合、ステップS26の処理を実行する。一方、プロバイダ調査部231は、グローバルIPアドレスが割引サービス対象のインターネットプロバイダに割り当てられていない場合、ステップS27の処理を実行する。
【0099】
[ステップS26]ステップS25で「Yes」と判定された場合、すなわち、現在接続しているプロバイダシステムが、割引サービス対象のインターネットプロバイダのシステムである場合、プロバイダ調査部231は、プロバイダフラグ235を「1」に設定する。
【0100】
[ステップS27]ステップS25で「No」と判定された場合、すなわち、現在接続しているプロバイダシステムが、割引サービス対象のインターネットプロバイダのシステムでない場合、プロバイダ調査部231は、プロバイダフラグ235を「0」に設定する。
【0101】
以上の図12の処理は、例えば、一定時間ごとに繰り返し実行される。これにより、プロバイダフラグ235は、現在接続しているプロバイダシステムが、割引サービス対象のインターネットプロバイダのシステムであるかを、常時示すようになる。また、図12の処理は、例えば、Web閲覧処理部221によってPC200のモニタ204aにWebブラウザが表示されたときに実行され、それ以後、Webブラウザの表示が終了されるまで、一定時間ごとに実行されてもよい。さらに、図12の処理は、Webブラウザが表示された状態で、ユーザによってブックマーク操作が行われたときに実行されてもよい。
【0102】
次に、PC200でのブックマーク処理について説明する。まず、図13は、ブックマーク処理手順の例を示すフローチャートである。
[ステップS31]Web閲覧処理部221の処理により、PC200のモニタ204aにWebページが表示されている状態で、ユーザによってブックマーク操作が行われると、ブックマーク処理部222は、Web閲覧処理部221から、表示中のWebページの名称およびURLを、ブックマーク情報223に対応付けて登録する。なお、ブックマーク処理部222は、Webページの名称およびURLをブックマーク情報223に登録する際には、ユーザによる指定操作に基づき、Webページの名称をブックマーク画面に表示する際のフォルダを指定することも可能である。
【0103】
[ステップS32]情報付加処理部232は、プロバイダフラグ235を参照する。情報付加処理部232は、プロバイダフラグ235が「1」の場合にはステップS33の処理を実行する。一方、情報付加処理部232は、プロバイダフラグ235が「0」の場合には、ブックマーク処理を終了する。
【0104】
[ステップS33]プロバイダフラグ235が「1」の場合、すなわち、現在接続しているプロバイダシステムが、割引サービス対象のインターネットプロバイダのシステムである場合、情報付加処理部232は、ステップS31でブックマーク情報223に登録されたURLを割引情報サーバ130に送信し、送信したURLが示すWebページが、割引サービスの対象であるかを問い合わせる。
【0105】
[ステップS34]情報付加処理部232は、割引情報サーバ130からの応答に基づき、ステップS33で送信したURLが割引サービスの対象である場合には、ステップS35の処理を実行する。なお、送信したURLが割引サービスの対象である場合、情報付加処理部232は、割引情報サーバ130からサービスコードを受信する。一方、情報付加処理部232は、ステップS33で送信したURLが割引サービスの対象でない場合には、ブックマーク処理を終了する。
【0106】
[ステップS35]情報付加処理部232は、ステップS31でブックマーク情報223に登録されたURLに対して、割引情報サーバ130から受信したサービスコードを付加する。
【0107】
図14は、PCに記憶されるブックマーク情報のデータ構造例を示す図である。図14に示すように、PC200に記憶されるブックマーク情報223には、フォルダ名、名称、URLおよびサービスコードの項目が設けられる。
【0108】
名称の項目には、ブックマークされたWebページの名称が登録される。URLの項目には、ブックマークされたWebページのURLが登録される。サービスコードの項目には、ブックマークされたWebページを携帯電話キャリアを通じて閲覧した際に通信料金の割引サービスが受けられる場合に、その割引率を示すサービスコードが登録される。
【0109】
なお、割引サービスが受けられないWebページについては、サービスコードの項目には何も登録されない。別の例として、割引サービスが受けられないWebページについては、サービスコードの項目に特定の値(「0000」など)が登録されてもよい。
【0110】
また、ブックマーク処理部222は、ブックマーク情報223に登録されたWebページの名称を、階層構造で表示できるようになっている。図14の例では、Webページの名称は、ルート階層とその下層の2階層で表示される。フォルダ名の項目には、対応付けられたWebページの名称を表示する際の階層についての情報が登録される。フォルダ名の項目に「ルート」が設定されている場合、対応するWebページの名称はルート階層に表示される。フォルダ名の項目に「趣味」などのフォルダの名称が設定されている場合、対応するWebページの名称は、その名称が付されたフォルダの配下に表示される。
【0111】
なお、ブックマーク情報223に登録される情報のうち、サービスコードの項目に登録される情報については、外部に対して秘匿されていることが望ましい。なぜなら、サービスコードは、PC200が特定のインターネットプロバイダを通じて特定のWebサイトにアクセスしたことを証明する情報であり、不正に利用できないようにすべき情報だからである。
【0112】
また、ブックマーク情報223に登録される情報のうち、サービスコードの項目の情報と、対応するURLを示す情報との組合せは、他の項目の情報とは別のファイルとして記憶されてもよい。この場合、例えば、サービスコードの項目の情報と対応するURLを示す情報とを含むファイルのみ、暗号化されて記憶されてもよい。
【0113】
図15は、PCにおけるブックマーク情報の表示例を示す図である。この図15の表示例は、図14に示した登録データの例に基づく表示例である。
ブックマーク処理部222は、例えば、Webブラウザ画面上のブックマーク表示ボタンに対する選択操作に応じて、ブックマーク情報223に登録された情報を一覧表示するブックマーク画面223aを、モニタ204aに表示させる。図15に示すように、ブックマーク画面223aには、例えば、「音楽」、「趣味」、「育児」というフォルダが表示されている。なお、ブックマーク画面223aに表示されるフォルダについては、図示しないフォルダ管理情報によって管理されればよい。
【0114】
ブックマーク処理部222は、図14に示したブックマーク情報223に基づいて、次のようにブックマーク画面223aを表示させる。ブックマーク処理部222は、ルート階層に「天気予報」、「ニュース」というWebページの名称を表示させる。ブックマーク処理部222は、「趣味」フォルダの配下に「園芸のページ」、「野菜の病気」というWebページの名称を表示させ、「育児」フォルダの配下に「家庭の医学」というWebページの名称を表示させる。
【0115】
ブックマーク画面223aに表示されたWebページの名称のうちの1つが、ユーザの操作によって選択されると、ブックマーク処理部222は、選択された名称に対応付けられたURLをブックマーク情報223から読み出して、Web閲覧処理部221に通知する。Web閲覧処理部221は、通知されたURLに対してアクセスし、URLが示すWebページをモニタ204aに表示させる。
【0116】
なお、情報付加処理部232は、ブックマーク処理部222がブックマーク画面223aを表示させる際に、サービスコードが付加されたWebページの名称については、割引サービス対象であることが明示されるように表示してもよい。図15の例では、ブックマーク情報223においてサービスコードが付加された「園芸のページ」、「野菜の病気」、「天気予報」の各名称について、下線を引いて示している。割引サービス対象であることを明示する方法としては、他に例えば、Webページの名称の文字色を変える、名称に対して何らかのマークを付加して表示するなどの方法を採用してもよい。
【0117】
このように、割引サービス対象であるWebページを明示することで、PC200のユーザは、携帯電話機300を通じて閲覧したときに通信料金の割引サービスを受けることができるWebページを認識することができる。なお、ブックマーク画面223aにおいては、サービスコードが付加されていることだけでなく、サービスコードの種類(すなわち、割引率)についてもユーザが認識できるような表示が行われてもよい。
【0118】
次に、携帯電話機300の処理について説明する。まず、図16は、携帯電話機が備える処理機能の構成例を示すブロック図である。
携帯電話機300は、Web閲覧処理部321,322、ブックマーク処理部323および同期処理部324を備える。これらの各ブロックの処理は、例えば、携帯電話機300のCPU301が所定のプログラムを実行することで実現される。なお、Web閲覧処理部321,322の処理は、それぞれ、モバイルサイト表示用のWebブラウザプログラム、PCサイト表示用のWebブラウザプログラムが実行されることで実現される。また、携帯電話機300の不揮発性メモリ304は、ブックマーク情報331を記憶する。
【0119】
Web閲覧処理部321,322は、ともに、Webサーバと通信して、Webサーバから提供されるWebページをモニタ306aに表示させる。ただし、Web閲覧処理部321は、モバイル端末装置向けのWebサイト(モバイルサイト)に特化した表示処理を実行する。これに対して、Web閲覧処理部322は、一般に「フルブラウザ」と呼ばれる、PC向けのWebサイト(PCサイト)を適切に表示可能なブラウザ画面を表示させる。
【0120】
後述するように、Web閲覧処理部321は、Webサーバにアクセスする際に、キャリアシステム500内のプロキシサーバ520aを通じてWebサーバにアクセスする。一方、Web閲覧処理部322は、Webサーバにアクセスする際に、キャリアシステム500内のプロキシサーバ520b〜520dのいずれかを通じてWebサーバにアクセスする。
【0121】
ブックマーク処理部323は、Web閲覧処理部321,322のいずれかによるWebページの表示処理中に、ブックマークの要求操作を受け付けると、表示処理中のWebページの名称およびURLをWeb閲覧処理部321,322のいずれかから取得して、ブックマーク情報331に登録する。
【0122】
また、ブックマーク処理部323は、ブックマーク情報331に登録されたWebページ名に対する選択操作を受け付けると、選択されたWebページに対応付けられたURLをWeb閲覧処理部321,322のいずれかに通知し、Webページの表示を要求する。ブックマーク処理部323は、ブックマーク情報331において、選択されたWebページにサービスコードが付加された場合には、選択されたWebページに対応するURLをWeb閲覧処理部322に通知して、Webページの表示を要求する。これとともに、ブックマーク処理部323は、サービスコードに応じたプロキシサーバにアクセスするように、Web閲覧処理部322に要求する。
【0123】
同期処理部324は、携帯電話機300がPC200に接続したことを検知すると、自動的に起動する。同期処理部324は、PC400からブックマーク情報を受信し、受信したブックマーク情報をブックマーク情報331内の所定領域に登録する。
【0124】
ここで、PC200から携帯電話機300に対するブックマーク情報の転送処理について説明する。図17は、ブックマーク情報の転送処理手順の例を示すシーケンス図である。
【0125】
PC200の通信インタフェース208と携帯電話機300の通信インタフェース308とが接続されると、PC200の同期処理部233は、携帯電話機300と接続されたことを検知する(ステップS41)。携帯電話機300の同期処理部324も、PC200と接続されたことを検知する(ステップS42)。このとき、同期処理部324は、PC200からの情報送信を待機する状態となる。あるいは、同期処理部324が、PC200に対してブックマーク情報の転送を要求するようにしてもよい。
【0126】
PC200の同期処理部233は、ブックマーク情報223をHDD203から読み出し、通信インタフェース208を通じて携帯電話機300に転送する(ステップS43)。携帯電話機300の同期処理部324は、PC200から転送されたブックマーク情報223を受信し、自装置に保存されたブックマーク情報331の一部として不揮発性メモリ304に登録する(ステップS44)。
【0127】
なお、ブックマーク情報の転送の際、PC200の同期処理部233は、例えば、PC200に登録されているブックマーク情報223のうち、携帯電話機300内のブックマーク情報331に登録されていない情報のみを抽出して、携帯電話機300に転送してもよい。
【0128】
また、本実施の形態では、PC200から携帯電話機300に対してブックマーク情報が直接的に転送されるが、例えば、PC200は、サーバ装置を介してブックマーク情報を携帯電話機300に受け渡してもよい。例えば、PC200の同期処理部233は、PC200内のブックマーク情報223が更新されるたびに、または一定時間ごとに、ブックマーク情報223を、インターネット100に接続されたサーバ装置に登録する。携帯電話機300の同期処理部324は、一定時間ごとに、あるいは、Webブラウザの表示開始時などの所定のタイミングで、サーバ装置にアクセスし、サーバ装置に登録されたブックマーク情報を読み込む。
【0129】
図18は、携帯電話機におけるブックマーク情報の表示例を示す図である。
携帯電話機300に登録されるブックマーク情報331のデータ構造は、例えば、図15に示したPC200内のブックマーク情報223と同様とされる。携帯電話機300内のブックマーク情報331においては、例えば、PC200から転送されたブックマーク情報を登録するための専用のフォルダ「PCブックマーク」が作成される。同期処理部324は、例えば、PC200から転送されたブックマーク情報の初回登録時に、ブックマーク情報331に対して「PCブックマーク」フォルダを作成し、作成したフォルダの配下に、PC200から受信したブックマーク情報を登録する。
【0130】
図18に示すブックマーク画面331aはこのような方法で登録されたブックマーク情報331の内容を表示した場合の例である。ブックマーク画面331aにおいて、「PCブックマーク」フォルダの配下には、図15に示したブックマーク画面223aに表示されたフォルダ名やWebページ名が、そのまま表示される。
【0131】
なお、「PCブックマーク」フォルダは、ブックマーク情報331にあらかじめ設定されていてもよい。あるいは、ユーザが指定した任意のフォルダの配下に、PC200から転送されたブックマーク情報が登録されてもよい。
【0132】
また、ブックマーク画面331aでは、サービスコードが付加されたWebページ名については、割引サービス対象であることが明示されるように表示される。これにより、携帯電話機300を操作するユーザは、通信料金の割引サービスを受けることができるWebページを認識することができる。図18の例では、サービスコードが付加されている「園芸のページ」、「野菜の病気」、「天気予報」の各Webページ名について、下線を引いて示している。割引サービス対象であることを明示する方法としては、他に例えば、Webページ名の文字色を変える、Webページ名に対して何らかのマークを付加して表示するなどの方法を採用してもよい。さらに、割引率ごとに異なる表示が行われてもよい。
【0133】
次に、携帯電話機300によるWebページの表示処理について説明する。まず、図19は、キャリアシステムの内部構成例を示す図である。
キャリアシステム500内のネットワーク501(図示せず)には、基地局502およびゲートウェイサーバ503に加えて、プロキシサーバ520a〜520dと、課金サーバ530とが接続されている。
【0134】
プロキシサーバ520a〜520dは、それぞれ、携帯電話機300からWebサーバに対するアクセスを中継する。携帯電話機300は、プロキシサーバ520a〜520dのいずれかを通じてWebサーバにアクセスする。Webページの表示を行う際に携帯電話機300がアクセスするプロキシサーバに応じて、適用される通信料金が異なる。
【0135】
携帯電話機300は、モバイルサイトのWebページを表示する際には、プロキシサーバ520aにアクセスする。このとき、携帯電話機300には、モバイルサイト用の通信料金が適用される。また、携帯電話機300は、割引対象でないPCサイトのWebページを表示する際には、プロキシサーバ520bにアクセスする。このとき、携帯電話機300には、PCサイト用の通信料金が適用される。
【0136】
さらに、携帯電話機300は、ブックマーク情報331の中からの選択操作に応じて、サービスコートが付加されたPCサイトのWebページを表示する際には、プロキシサーバ520c,520dのいずれかにアクセスする。携帯電話機300は、例えば、サービスコードが「0001」の場合、プロキシサーバ520cにアクセスする。この場合、携帯電話機300の通信料金は、PCサイト用の通信料金に対して、サービスコード「0001」に対応する割引率が適用された料金となる。一方、携帯電話機300は、サービスコードが「0010」の場合、プロキシサーバ520dにアクセスする。この場合、携帯電話機300の通信料金は、PCサイト用の通信料金に対して、サービスコード「0010」に対応する割引率が適用された料金となる。
【0137】
プロキシサーバ520a〜520dは、それぞれフロー情報521a〜521dを記憶する。フロー情報521a〜520dのそれぞれには、Webページ表示処理の際の通信データ量および日時が、ユーザを識別するユーザIDごとに登録される。
【0138】
課金サーバ530は、ユーザごとに課金する通信料金を計算する。課金サーバ530は、プロキシサーバ520a〜520dからフロー情報521a〜521dを定期的に収集し、課金DB(データベース)531に登録する。課金サーバ530は、フロー情報を課金DB531に登録する際に、どのプロキシサーバから収集したものかを示す情報を付加しておく。課金サーバ530は、課金DB531に基づき、一定期間における通信データ量と、フロー情報の収集元のプロキシサーバに対応する通信料金とから、一定期間における通信料金をユーザごとに計算する。
【0139】
図20は、ブックマークされた情報に基づくWebページの表示処理手順の例を示すフローチャートである。
[ステップS51]図20の処理における初期状態では、例として、モバイルサイト用およびPCサイト用のいずれのWebブラウザも表示されていないものとする。この状態で、ユーザの操作によりWebブラウザの起動が要求されると、Web閲覧処理部321が起動して、モニタ306aにモバイルサイト用のWebブラウザが表示される。
【0140】
[ステップS52]ブックマーク処理部323は、ユーザの操作に応じて、ブックマーク画面331aをモニタ306aに表示させる。そして、ブックマーク画面331aに表示されたWebページ名の1つに対する選択操作が行われると、ブックマーク処理部323は、次のステップS53の処理を実行する。
【0141】
[ステップS53]ブックマーク処理部323は、選択されたWebページ名が示すWebページが、割引サービスの対象であるかを判定する。ブックマーク処理部323は、ブックマーク情報331を参照し、選択されたWebページ名に対してサービスコードが付加されている場合に、割引サービスの対象であると判定する。
【0142】
ブックマーク処理部323は、Webページが割引サービスの対象である場合、ステップS59の処理を実行する一方、Webページが割引サービスの対象でない場合、ステップS54の処理を実行する。
【0143】
[ステップS54]ブックマーク処理部323は、選択されたWebページ名が示すWebページが、モバイルサイトのWebページか、あるいはPCサイトのWebページかを判定する。この処理では、例えば、ブックマーク処理部323は、選択したWebページ名がPCサイトのWebページの名称かをユーザに確認するための画面をモニタ306aに表示させ、その画面を閲覧したユーザによる入力操作に基づいて、モバイルサイトのWebページか、あるいはPCサイトのWebページかを判定する。ブックマーク処理部323は、モバイルサイトのWebページと判定した場合、ステップS55の処理を実行する一方、PCサイトのWebページと判定した場合、ステップS57の処理を実行する。
【0144】
[ステップS55]ブックマーク処理部323は、ステップS52で選択されたWebページ名に対応するURLをブックマーク情報331から読み出し、読み出したURLをWeb閲覧処理部321に通知して、Webページの表示を要求する。Web閲覧処理部321は、プロキシサーバ520aにアクセスして、ブックマーク処理部323から通知されたURLに対するアクセスを要求する。プロキシサーバ520aは、アクセスが要求されたURLに対応するWebサーバにアクセスし、その応答情報を携帯電話機300に送信する。
【0145】
[ステップS56]Web閲覧処理部321は、プロキシサーバ520aからの応答情報を基に、モバイルサイト用のWebブラウザ内にWebページを表示させる。
[ステップS57]ブックマーク処理部323は、Web閲覧処理部321の処理を終了させて、モバイルサイト用のWebブラウザの表示を終了させるとともに、Web閲覧処理部322を起動させる。Web閲覧処理部322は、PCサイト用のWebブラウザをモニタ306aに表示させる。
【0146】
[ステップS58]Web閲覧処理部322は、ステップS52で選択されたWebページ名に対応するURLをブックマーク情報331から読み出し、読み出したURLをWeb閲覧処理部322に通知して、Webページの表示を要求する。Web閲覧処理部322は、プロキシサーバ520bにアクセスして、ブックマーク処理部323から通知されたURLに対するアクセスを要求する。プロキシサーバ520bは、アクセスが要求されたURLに対応するWebサーバにアクセスし、その応答情報を携帯電話機300に送信する。
【0147】
[ステップS59]ブックマーク処理部323は、Web閲覧処理部321の処理を終了させて、モバイルサイト用のWebブラウザの表示を終了させるとともに、Web閲覧処理部322を起動させる。Web閲覧処理部322は、PCサイト用のWebブラウザをモニタ306aに表示させる。
【0148】
[ステップS60]Web閲覧処理部322は、ステップS52で選択されたWebページ名に対応するURLおよびサービスコードをブックマーク情報331から読み出し、読み出したURLをWeb閲覧処理部322に通知して、Webページの表示を要求する。
【0149】
Web閲覧処理部322は、ブックマーク処理部323から通知されたサービスコードに対応するプロキシサーバ(プロキシサーバ520c,5200dのいずれか)にアクセスして、ブックマーク処理部323から通知されたURLに対するアクセスを要求する。アクセスを受けたプロキシサーバは、アクセスが要求されたURLに対応するWebサーバにアクセスし、その応答情報を携帯電話機300に送信する。
【0150】
[ステップS61]Web閲覧処理部321は、ステップS58またはステップS60でアクセスしたプロキシサーバからの応答情報を基に、PCサイト用のWebブラウザ内にWebページを表示させる。
【0151】
以上の図20の処理によれば、ユーザがブックマーク画面331aの中からWebサイト名を選択してWebサイトを閲覧しようとした際に、選択されたWebページ名が割引サービス対象のWebページの名称である場合には、携帯電話機300は、割引率に応じたプロキシサーバに自動的にアクセスする。これにより、Webページを表示する際の通信料金が、サービスコードに応じた分だけ割引されるようになる。
【0152】
なお、上記の図20では、モバイルサイト用およびPCサイト用のどちらのWebブラウザも表示されていない状態から、ブックマーク画面331a内のWebページ名を受けた場合について示したが、例えば、すでにモバイルサイト用のWebブラウザにWebページが表示されていた状態から、ステップS52の処理が実行されてもよい。
【0153】
また、PC用のWebブラウザにWebページが表示された状態から、ブックマーク画面331a内のWebページ名の選択操作を受けた場合には、例えば、まず、ステップS53の処理が実行される。そして、選択されたWebページ名が割引サービス対象のWebページの名称である場合には、ステップS59の処理が実行される一方、選択されたWebページ名が割引サービス対象のWebページの名称でない場合には、ステップS57の処理が実行される。
【0154】
以上説明した第2の実施の形態では、ユーザは、PC200と携帯電話機300との間で、ブックマーク情報を共用することができる。このため、ユーザは例えば、PC200を用いて頻繁に閲覧するWebページを、携帯電話機300を使用した状態でも、ブックマーク画面331aから選択することで、容易に閲覧することができる。
【0155】
さらに、ユーザは、携帯電話キャリアによって指定されたインターネットプロバイダを通じてWebページの閲覧を行うことで、PC200を用いて頻繁に閲覧するWebページのうち、携帯電話キャリアによってあらかじめ決められた特定のWebページを、携帯電話機300を用いて安価な通信料金で閲覧できる。ユーザは、PC200におけるブックマーク操作と、PC200と携帯電話機300との接続操作とを行うだけで、上記のような通信料金の割引サービスを受けることができる。
【0156】
ところで、前述のように、PC200内のブックマーク情報223に保存されるサービスコードや、携帯電話機300内のブックマーク情報331に保存されるサービスコードは、ユーザが割引サービスを受けられることを証明する情報である。このため、サービスコードは、不正に利用されない状態で保存されることが望ましい。例えば、ブックマークされたURLとサービスコードとの組合せ情報が流通し、その組合せ情報が携帯電話機300のブックマーク情報331に対して容易に追加登録できてしまうと、携帯電話機300の通信料金が不正に割引されてしまう。
【0157】
サービスコードの不正利用を防止する方法としては、少なくとも、サービスコードと、このサービスコードに対応するURLを示す情報の組合せについて、所定の暗号キーを用いて暗号化する方法がある。
【0158】
図21は、携帯電話機の識別情報を用いてブックマーク情報を暗号化する場合の処理について示す図である。ここでは、携帯電話機300の識別情報として、携帯電話機300のMAC(Media Access Control)アドレスを使用する。
【0159】
図21において、正規のユーザは、PC200aと携帯電話機300aとを使用するものとする。ユーザは、あらかじめPC200aと携帯電話機300aとを接続し、携帯電話機300aのMACアドレスをPC200aに登録させる(ステップS81)。例えば、携帯電話機300aの同期処理部324は、PC200aに対して携帯電話機300aのMACアドレスを送信し、PC200aの同期処理部233は、携帯電話機300aから受信したMACアドレスを、HDD203などの不揮発性記憶部に格納する。
【0160】
その後、PC200aにおいてブックマーク操作が行われると、PC200aのブックマーク処理部222は、携帯電話機300aのMACアドレスを暗号キーとして使用して、ブックマークが要求されたWebページ名およびURLを暗号化してブックマーク情報223に登録する。このとき、URLにサービスコードを付加する場合には、PC200aの情報付加処理部232は、同様に、携帯電話機300aのMACアドレスを暗号キーとして使用して、サービスコードを暗号化してブックマーク情報223に登録する(ステップS82)。なお、ブックマーク情報223に登録される情報のうち、サービスコード、およびこのサービスコードが付加されたWebページ名およびURLのみが、暗号化されてもよい。
【0161】
その後、PC200aに対して携帯電話機300aが接続されると、PC200aの同期処理部233は、ブックマーク情報223を携帯電話機300aに転送する(ステップS83)。携帯電話機300aの同期処理部324は、転送されたブックマーク情報を、携帯電話機300a内のブックマーク情報331に追加登録する。ここで、ブックマーク情報331に追加登録された、暗号化された情報は、携帯電話機300a自身のMACアドレスを復号キーとして用いることで、復号可能である(ステップS84)。
【0162】
また、例えば、PC200aに登録されたブックマーク情報223が、他のPC200bに対して不正にコピーされたものとする(ステップS85)。このPC200bに対して、上記の携帯電話機300aとは別の携帯電話機300bが接続されると、PC200bは、PC200aからコピーしたブックマーク情報223を携帯電話機300bに転送する(ステップS86)。しかし、携帯電話機300bは、自装置のMACアドレスを復号キーとして用いた場合、PC200bから転送されたブックマーク情報を復号することはできない(ステップS87)。従って、サービスコードが不正に利用されて、携帯電話機300bの通信料金が不正に割引されることが防止される。
【0163】
なお、サービスコードの不正利用を防止する他の方法として、PCに登録するブックマーク情報をPCの識別情報(MACアドレスなど)によって暗号化する方法もある。この場合、暗号化されたブックマーク情報を携帯電話機に転送する経路と、復号キー(PCの識別情報)を携帯電話機に通知する経路とを分離することが望ましい。例えば、PCは、暗号化されたブックマーク情報をサーバ装置に格納し、携帯電話機は、そのサーバ装置からブックマーク情報を取得する。これとは別に、携帯電話機は、PCと直接接続することで、PCの識別情報を取得する。これにより、携帯電話機は、ブックマーク情報の暗号化を行ったPCと接続した場合のみ、サーバ装置から取得したブックマーク情報を復号できるようになる。
【0164】
なお、上記の各実施の形態に示した装置(例えば、情報処理装置10,20、PC200および携帯電話機300など)の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、上記各装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供され、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0165】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0166】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0167】
以上の各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 第1の接続システムを通じてネットワークに接続するとともに、前記ネットワークおよび前記第1の接続システムを通じて取得した情報の識別子を、その内部の記憶部に登録する機能を備えたコンピュータで実行される情報処理プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記記憶部に識別子を登録する際に、登録する識別子が示す情報を第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられるかを判定し、割引を受けられる場合に、前記登録する識別子に割引情報を付加して前記記憶部に登録し、
前記記憶部に登録された識別子および割引情報を、前記第2の接続システムを通じて前記ネットワークに接続する他の情報処理装置に対して送信する、
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【0168】
(付記2) 前記記憶部に登録された識別子および割引情報を送信する処理では、当該識別子および当該割引情報を、送信された識別子が示す情報を前記ネットワークおよび前記第2の接続システムを通じて取得するとともに、割引情報が付加された識別子が示す情報の取得時に通信料金の割引を適用させる処理において使用されるブックマーク情報として、前記他の情報処理装置に送信することを特徴とする付記1記載の情報処理プログラム。
【0169】
(付記3) 前記記憶部に識別子を登録する際には、さらに、前記第1の接続システムが、前記第2の接続システムに対応付けてあらかじめ指定された接続システムかを判定し、前記第1の接続システムが指定された接続システムであり、かつ、前記登録する識別子が示す情報を前記第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられる場合に、前記登録する識別子に割引情報を付加して前記記憶部に登録することを特徴とする付記1または2記載の情報処理プログラム。
【0170】
(付記4) 前記記憶部に割引情報を付加した識別子を登録する際に、通信料金の割引率に応じた情報を割引情報に含めることを特徴とする付記1〜3のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【0171】
(付記5) 第1の接続システムを通じてネットワークに接続する情報処理装置において、
第2の接続システムを通じて前記ネットワークに接続する他の情報処理装置が前記ネットワークおよび前記第2の接続システムを通じて取得した情報の識別子を、前記他の情報処理装置から受信して前記情報処理装置内の記憶部に登録するとともに、前記取得した情報を前記第1の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられると前記他の情報処理装置が判定した場合には、識別子に付加された割引情報も前記他の情報処理装置から受信して前記記憶部に登録する登録部と、
前記記憶部から選択された識別子が示す情報を前記ネットワークおよび前記第1の接続システムを通じて取得するとともに、前記選択された識別子に割引情報が付加されていた場合には、前記選択された識別子が示す情報を取得する際の通信料金が割引されるようにする割引適用処理を実行する情報取得部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0172】
(付記6) 前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記第1の接続システムに含まれる、それぞれ前記ネットワークに対する接続処理を行う複数の接続処理部のうち、通信料金が割引されない場合とは異なる接続処理部にアクセスすることを特徴とする付記5記載の情報処理装置。
【0173】
(付記7) 前記他の情報処理装置から受信した割引情報は割引率に応じた情報を含み、
前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記選択された識別子に付加された割引情報に基づく通信料金の割引率が適用されるようにする、
ことを特徴とする付記5または6記載の情報処理装置。
【0174】
(付記8) 前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記第1の接続システムに含まれる、それぞれ前記ネットワークに対する接続処理を互いに異なる通信料金の割引率を適用して行う複数の接続処理部のうち、前記選択された識別子に付加された割引情報に基づく割引率を適用する接続処理部にアクセスすることを特徴とする付記7記載の情報処理装置。
【0175】
(付記9) 第1の接続システムを通じてネットワークに接続する第1の情報処理装置と、第2の接続システムを通じて前記ネットワークに接続する第2の情報処理装置とを含む情報処理システムにおいて、
前記第1の情報処理装置は、
前記ネットワークおよび前記第1の接続システムを通じて取得した情報の識別子を、前記第1の情報処理装置内の第1の記憶部に登録するとともに、登録する識別子が示す情報を前記第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられるかを判定し、割引を受けられる場合に、前記登録する識別子に割引情報を付加して前記第1の記憶部に登録する第1の登録部と、
前記第1の記憶部に登録された識別子および割引情報を前記第2の情報処理装置に送信する送信部と、
を有し、
前記第2の情報処理装置は、
前記送信部から送信された識別子および割引情報を、前記第2の情報処理装置内の第2の記憶部に登録する第2の登録部と、
前記第2の記憶部から選択された識別子が示す情報を前記ネットワークおよび前記第2の接続システムを通じて取得するとともに、前記選択された識別子に割引情報が付加されていた場合には、前記選択された識別子が示す情報を取得する際の通信料金が割引されるようにする割引適用処理を実行する情報取得部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【0176】
(付記10) 前記第1の登録部は、さらに、前記第1の接続システムが、前記第2の接続システムに対応付けてあらかじめ指定された接続システムかを判定し、前記第1の接続システムが指定された接続システムであり、かつ、前記登録する識別子が示す情報を前記第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられる場合に、前記登録する識別子に割引情報を付加して前記記憶部に登録することを特徴とする付記9記載の情報処理システム。
【0177】
(付記11) 前記第2の情報処理装置の前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記第2の接続システムに含まれる、それぞれ前記ネットワークに対する接続処理を行う複数の接続処理部のうち、通信料金が割引されない場合とは異なる接続処理部にアクセスすることを特徴とする付記9または10記載の情報処理システム。
【0178】
(付記12) 前記第1の情報処理装置の前記第1の登録部は、前記第1の記憶部に割引情報を付加した識別子を登録する際に、通信料金の割引率に応じた情報を割引情報に含め、
前記第2の情報処理装置の前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記選択された識別子に付加された割引情報に基づく通信料金の割引率が適用されるようにする、
ことを特徴とする付記9または10記載の情報処理システム。
【0179】
(付記13) 前記第2の情報処理装置の前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記第2の接続システムに含まれる、それぞれ前記ネットワークに対する接続処理を互いに異なる通信料金の割引率を適用して行う複数の接続処理部のうち、前記選択された識別子に付加された割引情報に基づく割引率を適用する接続処理部にアクセスすることを特徴とする付記12記載の情報処理システム。
【0180】
(付記14) 第1の接続システムを通じてネットワークに接続する第1の情報処理装置と、第2の接続システムを通じて前記ネットワークに接続する第2の情報処理装置とを含む情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記第1の情報処理装置が、前記ネットワークおよび前記第1の接続システムを通じて取得した情報の識別子を、前記第1の情報処理装置内の第1の記憶部に登録するとともに、登録する識別子が示す情報を前記第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられるかを判定し、割引を受けられる場合に、前記登録する識別子に割引情報を付加して前記第1の記憶部に登録し、
前記第1の情報処理装置が、前記第1の記憶部に登録された識別子および割引情報を前記第2の情報処理装置に送信し、
前記第2の情報処理装置が、前記第1の情報処理装置から送信された識別子および割引情報を、前記第2の情報処理装置内の第2の記憶部に登録し、
前記第2の情報処理装置が、前記第2の記憶部から選択された識別子が示す情報を前記ネットワークおよび前記第2の接続システムを通じて取得するとともに、前記選択された識別子に割引情報が付加されていた場合には、前記選択された識別子が示す情報を取得する際の通信料金が割引されるようにする割引適用処理を実行する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【0181】
(付記15) 前記第1の情報処理装置は、さらに、前記第1の接続システムが、前記第2の接続システムに対応付けてあらかじめ指定された接続システムかを判定し、前記第1の接続システムが指定された接続システムであり、かつ、前記登録する識別子が示す情報を前記第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられる場合に、前記登録する識別子に割引情報を付加して前記記憶部に登録することを特徴とする付記14記載の情報処理方法。
【0182】
(付記16) 前記第2の情報処理装置は、前記割引適用処理として、前記第2の接続システムに含まれる、それぞれ前記ネットワークに対する接続処理を行う複数の接続処理部のうち、通信料金が割引されない場合とは異なる接続処理部にアクセスすることを特徴とする付記14または15記載の情報処理方法。
【0183】
(付記17) 前記第1の情報処理装置は、前記第1の記憶部に割引情報を付加した識別子を登録する際に、通信料金の割引率に応じた情報を割引情報に含め、
前記第2の情報処理装置は、前記割引適用処理として、前記選択された識別子に付加された割引情報に基づく通信料金の割引率が適用されるようにする、
ことを特徴とする付記14または15記載の情報処理方法。
【0184】
(付記18) 前記第2の情報処理装置は、前記割引適用処理として、前記第2の接続システムに含まれる、それぞれ前記ネットワークに対する接続処理を互いに異なる通信料金の割引率を適用して行う複数の接続処理部のうち、前記選択された識別子に付加された割引情報に基づく割引率を適用する接続処理部にアクセスすることを特徴とする付記17記載の情報処理方法。
【符号の説明】
【0185】
1 ネットワーク
2a,2b 接続システム
3 サーバ装置
3a 情報
4 識別子
5 割引情報
10,20 情報処理装置
11,21 登録部
12 送信部
13,23 記憶部
22 情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続システムを通じてネットワークに接続するとともに、前記ネットワークおよび前記第1の接続システムを通じて取得した情報の識別子を、その内部の記憶部に登録する機能を備えたコンピュータで実行される情報処理プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記記憶部に識別子を登録する際に、登録する識別子が示す情報を第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられるかを判定し、割引を受けられる場合に、前記登録する識別子に割引情報を付加して前記記憶部に登録し、
前記記憶部に登録された識別子および割引情報を、前記第2の接続システムを通じて前記ネットワークに接続する他の情報処理装置に対して送信する、
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項2】
前記記憶部に登録された識別子および割引情報を送信する処理では、当該識別子および当該割引情報を、送信された識別子が示す情報を前記ネットワークおよび前記第2の接続システムを通じて取得するとともに、割引情報が付加された識別子が示す情報の取得時に通信料金の割引を適用させる処理において使用されるブックマーク情報として、前記他の情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記記憶部に識別子を登録する際には、さらに、前記第1の接続システムが、前記第2の接続システムに対応付けてあらかじめ指定された接続システムかを判定し、前記第1の接続システムが指定された接続システムであり、かつ、前記登録する識別子が示す情報を前記第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられる場合に、前記登録する識別子に割引情報を付加して前記記憶部に登録することを特徴とする請求項1または2記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記記憶部に割引情報を付加した識別子を登録する際に、通信料金の割引率に応じた情報を割引情報に含めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
第1の接続システムを通じてネットワークに接続する情報処理装置において、
第2の接続システムを通じて前記ネットワークに接続する他の情報処理装置が前記ネットワークおよび前記第2の接続システムを通じて取得した情報の識別子を、前記他の情報処理装置から受信して前記情報処理装置内の記憶部に登録するとともに、前記取得した情報を前記第1の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられると前記他の情報処理装置が判定した場合には、識別子に付加された割引情報も前記他の情報処理装置から受信して前記記憶部に登録する登録部と、
前記記憶部から選択された識別子が示す情報を前記ネットワークおよび前記第1の接続システムを通じて取得するとともに、前記選択された識別子に割引情報が付加されていた場合には、前記選択された識別子が示す情報を取得する際の通信料金が割引されるようにする割引適用処理を実行する情報取得部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記第1の接続システムに含まれる、それぞれ前記ネットワークに対する接続処理を行う複数の接続処理部のうち、通信料金が割引されない場合とは異なる接続処理部にアクセスすることを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記他の情報処理装置から受信した割引情報は割引率に応じた情報を含み、
前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記選択された識別子に付加された割引情報に基づく通信料金の割引率が適用されるようにする、
ことを特徴とする請求項5または6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記第1の接続システムに含まれる、それぞれ前記ネットワークに対する接続処理を互いに異なる通信料金の割引率を適用して行う複数の接続処理部のうち、前記選択された識別子に付加された割引情報に基づく割引率を適用する接続処理部にアクセスすることを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
第1の接続システムを通じてネットワークに接続する第1の情報処理装置と、第2の接続システムを通じて前記ネットワークに接続する第2の情報処理装置とを含む情報処理システムにおいて、
前記第1の情報処理装置は、
前記ネットワークおよび前記第1の接続システムを通じて取得した情報の識別子を、前記第1の情報処理装置内の第1の記憶部に登録するとともに、登録する識別子が示す情報を前記第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられるかを判定し、割引を受けられる場合に、前記登録する識別子に割引情報を付加して前記第1の記憶部に登録する第1の登録部と、
前記第1の記憶部に登録された識別子および割引情報を前記第2の情報処理装置に送信する送信部と、
を有し、
前記第2の情報処理装置は、
前記送信部から送信された識別子および割引情報を、前記第2の情報処理装置内の第2の記憶部に登録する第2の登録部と、
前記第2の記憶部から選択された識別子が示す情報を前記ネットワークおよび前記第2の接続システムを通じて取得するとともに、前記選択された識別子に割引情報が付加されていた場合には、前記選択された識別子が示す情報を取得する際の通信料金が割引されるようにする割引適用処理を実行する情報取得部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
前記第1の登録部は、さらに、前記第1の接続システムが、前記第2の接続システムに対応付けてあらかじめ指定された接続システムかを判定し、前記第1の接続システムが指定された接続システムであり、かつ、前記登録する識別子が示す情報を前記第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられる場合に、前記登録する識別子に割引情報を付加して前記記憶部に登録することを特徴とする請求項9記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第2の情報処理装置の前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記第2の接続システムに含まれる、それぞれ前記ネットワークに対する接続処理を行う複数の接続処理部のうち、通信料金が割引されない場合とは異なる接続処理部にアクセスすることを特徴とする請求項9または10記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記第1の情報処理装置の前記第1の登録部は、前記第1の記憶部に割引情報を付加した識別子を登録する際に、通信料金の割引率に応じた情報を割引情報に含め、
前記第2の情報処理装置の前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記選択された識別子に付加された割引情報に基づく通信料金の割引率が適用されるようにする、
ことを特徴とする請求項9または10記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記第2の情報処理装置の前記情報取得部は、前記割引適用処理として、前記第2の接続システムに含まれる、それぞれ前記ネットワークに対する接続処理を互いに異なる通信料金の割引率を適用して行う複数の接続処理部のうち、前記選択された識別子に付加された割引情報に基づく割引率を適用する接続処理部にアクセスすることを特徴とする請求項12記載の情報処理システム。
【請求項14】
第1の接続システムを通じてネットワークに接続する第1の情報処理装置と、第2の接続システムを通じて前記ネットワークに接続する第2の情報処理装置とを含む情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記第1の情報処理装置が、前記ネットワークおよび前記第1の接続システムを通じて取得した情報の識別子を、前記第1の情報処理装置内の第1の記憶部に登録するとともに、登録する識別子が示す情報を前記第2の接続システムを通じて取得する際に通信料金の割引を受けられるかを判定し、割引を受けられる場合に、前記登録する識別子に割引情報を付加して前記第1の記憶部に登録し、
前記第1の情報処理装置が、前記第1の記憶部に登録された識別子および割引情報を前記第2の情報処理装置に送信し、
前記第2の情報処理装置が、前記第1の情報処理装置から送信された識別子および割引情報を、前記第2の情報処理装置内の第2の記憶部に登録し、
前記第2の情報処理装置が、前記第2の記憶部から選択された識別子が示す情報を前記ネットワークおよび前記第2の接続システムを通じて取得するとともに、前記選択された識別子に割引情報が付加されていた場合には、前記選択された識別子が示す情報を取得する際の通信料金が割引されるようにする割引適用処理を実行する、
ことを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−248973(P2012−248973A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117576(P2011−117576)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】