説明

情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理装置の制御方法

【課題】処理を実行させるデバイスを設定することができる情報処理プログラム等を提供する。
【解決手段】記憶部に、過去に通信先デバイスとして選択されたことのあるデバイスのIPアドレスと、複数のデバイスの各々が属しているネットワークを識別するSSIDを記憶させる。複数のネットワークのうちから通信対象ネットワークを識別するSSIDを取得する。通信対象ネットワークを識別するSSIDと一致するSSIDを有するIPアドレスを、記憶部に記憶されている複数のIPアドレスのうちから抽出する。抽出したIPアドレスのうちからデフォルトデバイスに設定するIPアドレスを選択して、記憶部に記憶させる。記憶部に記憶されている複数のIPアドレスのうちから、通信先IPアドレスを選択する操作をタッチパネルが受け付けた場合に、通信先IPアドレスが識別する通信先デバイスへ、各種の処理を実行する旨の指示を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の処理を実行させるデバイスを設定することができる情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PCなどのコンピュータにおいて、ネットワーク環境下に接続された複数のプリンタからユーザ所望のプリンタを選択し、印刷指示を送信する印刷環境が一般的に普及してきている。ユーザは所望のプリンタで印刷をするために、そのプリンタの種類に対応したドライバをインストールする。ドライバをインストールするとき、そのドライバを通じて使用されるプリンタのIPアドレスを、PCに記憶させる。また、特許文献1では、ユーザは最もよく使用する一のプリンタをデフォルトプリンタとしてPCに登録する。そして、ユーザは通常デフォルトプリンタとして登録されているプリンタへの印刷指示をPCに対して行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−44080
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、デフォルトプリンタでは実行することができない処理が所望される場合は、PCにドライバがインストールされているプリンタの中から都度、所望される処理を実行可能なプリンタを選択する必要があった。このような作業は、ユーザにとって面倒であるため、用途や、処理するデータに応じて適したデバイスを登録できることが望まれる。しかし、そのためには、ユーザは用途やデータごとに使用するデバイスの登録作業を行う必要があり、煩わしくなる。
【0005】
上述した問題点を含め、本発明はユーザにかけさせる手間を極力少なくし、用途ごと或いはデータの種類ごとに処理をさせるデバイスを設定することができる情報処理装置プログラムおよび、情報処理装置、情報処理装置の制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に記載のプログラムは、複数のネットワークのうちの通信対象ネットワークを選択し、該通信対象ネットワークに含まれている複数のデバイスのうちから通信対象として選択される通信先デバイスと通信することが可能な情報処理装置に読込まれる情報処理プログラムであって、記憶部に、過去に通信先デバイスとして選択されたことのあるデバイスのIPアドレスと、複数のデバイスの各々が属しているネットワークを識別する第1識別情報とを記憶させる第1記憶制御手段と、記憶部に記憶されている複数のIPアドレスのうちから、通信先デバイスのIPアドレスである通信先IPアドレスを選択する操作を操作部が受け付けた場合に、通信先IPアドレスが識別する通信先デバイスへ、各種の処理を実行する旨の指示を通信部に送信させる第1通信制御手段と、して情報処理装置を機能させ、第1記憶制御手段は、複数のネットワークのうちから通信対象ネットワークを識別する第2識別情報を取得し、第2識別情報と一致する第1識別情報を有するIPアドレスを記憶部に記憶されている複数のIPアドレスのうちから抽出し、抽出したIPアドレスのうちから優先的に通信を実行する優先IPアドレスを選択して記憶部に記憶させることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載のプログラムでは、通信対象ネットワークに属しているIPアドレスを抽出し、抽出したIPアドレス内から優先IPアドレスを選択することができる。これにより、情報処理装置と通信することが可能であることが判明しているIPアドレスのうちから優先IPアドレスを選択することが可能となるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載のプログラムでは、表示部に表示されたIPアドレスのうち何れか1つを指定することで、優先IPアドレスを記憶部に記憶させることができる。これにより、優先IPアドレスを選択する操作を簡易化することが可能となる。
【0009】
請求項3に記載のプログラムでは、属性指定操作が指定した一の属性の種類に対応付けられているIPアドレスのうちから、優先IPアドレスを選択することができる。これにより、優先IPアドレスを選択する操作を簡易化することが可能となる。
【0010】
請求項4に記載のプログラムでは、属性指定操作が指定した一の属性の種類に対応付けられているIPアドレスが記憶部に記憶されていない場合においても、優先IPアドレスを選択することが可能となるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0011】
請求項5に記載のプログラムでは、優先IPアドレスとして選択されたことのあるIPアドレスのうちから、優先IPアドレスを選択することができる。これにより、優先IPアドレスを選択する操作を簡易化することが可能となる。
【0012】
請求項6に記載のプログラムでは、第1識別情報として、アクセスポイントのSSIDを用いる。これにより、情報処理装置が所属するネットワークと同一のネットワークに関するIPアドレスを、確実に抽出することが可能となる。
【0013】
請求項7に記載のプログラムでは、第1識別情報として、サブネットマスクによって指定されているネットワークアドレス部を用いる。これにより、情報処理装置が所属するネットワークと同一のネットワークに関するIPアドレスを、確実に抽出することが可能となる。
【0014】
また請求項8に記載のプログラムでは、記憶部にIPアドレスを記憶させる場合に、IPアドレスのうちのホストアドレス部を取得して記憶させればよい。これにより、IPアドレスの全てを生成する作業を行う必要性を無くすことができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ネットワークの構成を示すブロック図
【図2】プリント&スキャンアプリケーションに従いCPUが各部を制御する処理
【図3】プリント&スキャンアプリケーションに従いCPUが各部を制御する処理
【図4】テーブルの一例
【図5】表示手段の表示例
【図6】プリント&スキャンアプリケーションに従いCPUが各部を制御する処理
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
図1は、ネットワーク10の構成を示すブロック図である。ネットワーク10は、情報処理装置100、インクジェットMFP200および201および250、スキャナ300および301、カラーレーザープリンタ400および401、アクセスポイント500および501を備える。ここで、MFPとは、印刷機能、スキャン機能、コピー機能を備える多機能周辺装置(Multifunction Peripheral)を示す。情報処理装置100は、無線通信I/F105を介して、無線LAN方式の無線通信150によりアクセスポイント500と通信を行うことや、無線LAN方式の無線通信151によりアクセスポイント501と通信を行うことができる。
【0017】
第1の実施形態の例では、アクセスポイント500と501とは十分に離れており、互いに電波が干渉しない状態である場合を説明する。例えば、アクセスポイント500が会社に設置してあり、アクセスポイント501が自宅に設置してある場合などである。よって、情報処理装置100は、アクセスポイント500および501の両方と同時に通信することはできず、アクセスポイント500および501の何れか一方と通信することが可能である。
【0018】
アクセスポイント500によって、ネットワークN1が形成されている。ネットワークN1には、インクジェットMFP200および250、スキャナ300、カラーレーザープリンタ400が接続されている。インクジェットMFP200および250、スキャナ300、カラーレーザープリンタ400の各々は、IPアドレス602を有している。IPアドレス602は、各デバイスに割り当てられた、通信に用いられる周知のビット列である。
【0019】
第1の実施形態の例では、インクジェットMFP200のIPアドレス602は「192.168.100.101」である。スキャナ300のIPアドレス602は「192.168.100.102」である。カラーレーザープリンタ400のIPアドレス602は「192.168.100.103」である。インクジェットMFP250のIPアドレス602は「192.168.100.104」である。
【0020】
アクセスポイント501によって、ネットワークN2が形成されている。ネットワークN2には、インクジェットMFP201、スキャナ301、カラーレーザープリンタ401が接続されている。第1の実施形態の例では、インクジェットMFP201のIPアドレス602は「192.168.200.201」である。スキャナ301のIPアドレス602は「192.168.200.202」である。カラーレーザープリンタ401のIPアドレス602は「192.168.200.203」である。
【0021】
アクセスポイント500および501は、SSID(Service Set Identifier)603aを有している。SSID603aは、アクセスポイント500および501の各々を識別するための名前である。第1の実施形態の例では、アクセスポイント500のSSID603aは「SSID−1」であり、アクセスポイント501のSSID603aは、「SSID−2」である。
【0022】
情報処理装置100は、プリント&スキャンアプリケーション121を実行することで、アクセスポイント500や501を介して印刷要求をインクジェットMFP200および201および250、カラーレーザープリンタ400および401に送信することができる。また、インクジェットMFP200および201および250、スキャナ300および301へスキャン要求を送信することができる。すなわち、情報処理装置100は、アクセスポイント500を介してインクジェットMFP200および250、スキャナ300、カラーレーザープリンタ400を使用することや、アクセスポイント501を介してインクジェットMFP201、スキャナ301、カラーレーザープリンタ401を使用することができる。情報処理装置100には、ネットワークN1(またはN2)に接続するために、IPアドレスとサブネットマスク、および、アクセスポイント500(または501)のSSIDが設定されている。IPアドレスは、情報処理装置100に割り当てられた、通信に用いられる周知のビット列である。サブネットマスクは、4バイトのデータ列であるIPアドレスのうち、ネットワークアドレス部とホストアドレス部を識別するためのビット列であり、IPアドレス602のうち上位何ビットがネットワークアドレスであるかを表す周知のビット列である。情報処理装置100は、自身に設定されたサブネットマスクを用いて、情報処理装置100、インクジェットMFP200、スキャナ300、カラーレーザープリンタ400、アクセスポイント500のIPアドレスのうち、ネットワークアドレス部とホストアドレス部を識別する。ここで、ネットワークアドレス部は、管理単位となるサブネット(ネットワークN1、N2)を識別するためのアドレスである。ホストアドレス部は、IPアドレスのうちネットワークアドレス部分以外の部分であり、ホスト(情報処理装置100、インクジェットMFP200、スキャナ300、カラーレーザープリンタ400、アクセスポイント500)を定義する部分である。
【0023】
情報処理装置100は、例えば携帯電話や携帯端末装置などの携帯型の装置である。情報処理装置100は、表示手段102、タッチパネル103、入力I/F104、無線通信I/F105、CPU106、RAM108、記憶部109、GPS部111などを備えており、これらは入出力ポート110を介して互いに接続されている。
【0024】
表示手段102は、CPU106から出力される画信号を受信し、受信した画信号に基づく画像を表示する。表示手段102としては、例えばLCDや、有機ELパネルなどを用いることができる。タッチパネル103は透明な部材により形成され、表示手段102の表面を覆うようにして配設されている。タッチパネル103は、ユーザの指などによりタッチされた位置を検出し、検出した位置情報をCPU106へ出力する。以下、CPU106がタッチパネル103から出力される位置情報を受け取ることを、CPU106がタッチを受け付けた等と表現する。入力I/F104は、例えば操作ボタンである。入力I/F104が押下されると、情報処理装置100は起動する。
【0025】
CPU106は、記憶部109に記憶されるプログラムを実行する。RAM108はCPU106の処理に必要な情報を一時的に記憶する。GPS部111は、GPS(Global Positioning System)信号を受信して、受信したGPS信号に基づいて、情報処理装置100の位置情報を取得する。記憶部109は、フラッシュメモリ、HDD(ハードディスク)、CPU106が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。記憶部109には、画像データや、文書データなどが記憶可能である。また、詳細は後述するが、用途ごとのデフォルトデバイスの識別情報が記憶されている。記憶部12は、プログラム21を記憶する。プログラム21は、プリント&スキャンアプリケーション121、ブラウザアプリケーション122、写真ビューワーアプリケーション123、オペレーティングシステム124を含む。CPU106は、記憶部12内のプログラム21に従って処理を実行する。ここで以降、プリント&スキャンアプリケーション121やオペレーティングシステム124など、プログラムを実行するCPU106のことを、単にプログラム名でも記載することにする場合がある。例えば「プリント&スキャンアプリケーション121」という記載は、プリント&スキャンアプリケーション121を実行するCPU106が」を意味する場合がある。
【0026】
プリント&スキャンアプリケーション121は、情報処理装置100からインクジェットMFP200等への印刷処理などをCPU106に実行させるためのアプリケーションである。ブラウザアプリケーション122は、ウェブデータを表示手段102に表示させるためのアプリケーションである。写真ビューワーアプリケーション123は、画像ファイルを作成、編集、保存するための処理をCPU106に実行させるためのアプリケーションである。オペレーティングシステム124は、プリント&スキャンアプリケーション121等に共通して利用される基本的な機能を提供するプログラムである。オペレーティングシステム124は、無線通信I/F105に無線通信150を実行させるためのプログラム等を含む。
【0027】
また記憶部109は、テーブルTB1を記憶する。テーブルTB1は、過去に情報処理装置100の通信対象とされたことのあるデバイスについて、各種情報を記憶しておくテーブルである。図4に、テーブルTB1の一例を示す。テーブルTB1は、写真印刷611、ウェブ印刷612、スキャン613、の3種類の用途のそれぞれに対して、記憶領域を備える。写真印刷611の用途の記憶領域には、写真印刷に適したデバイスについての情報が記憶される。写真印刷では、情報処理装置100がJPEGやBitmap、GIFなどの画像データの印刷要求を、印刷機能を有するデバイスへ送信し、デバイスに印刷を実行させる処理(以下、写真印刷処理とする)が行われる。ウェブ印刷612の用途の記憶領域には、ウェブ印刷に適したデバイスについての情報が記憶される。ウェブ印刷では、情報処理装置100がウェブページの印刷要求を、印刷機能を有するデバイスへ送信し、デバイスに印刷を実行させる処理(以下、ウェブ印刷処理とする)が行われる。スキャン613の用途の記憶領域には、スキャンに適したデバイスについての情報が記憶される。スキャンでは、情報処理装置100が、スキャン機能を有するデバイスへスキャン要求を送信し、デバイスにスキャンを実行させる処理(以下、スキャン処理と称する)が行われる。
【0028】
テーブルTB1では、デバイスに関する情報として、識別情報600、機能情報604、デフォルトデバイスフラグ608が記憶されている。識別情報600は、デバイスを識別するための情報であり、型番601、IPアドレス602、サブネットマスク603、SSID603aを備える。型番601は、各デバイスの種類を識別するための情報である。第1の実施形態では、インクジェットMFP200、201、250の各々のデバイスの型番601は、「Ink-MFP331」、「Ink-MFP332」、「Ink-MFP333」である。スキャナ300および301の各々のデバイスの型番601は、「Scan432」および「Scan433」である。カラーレーザープリンタ400および401の各々のデバイスの型番601は、「Laser123」および「Laser124」である。なお、IPアドレス602の説明については、前述の通りであるため省略する。サブネットマスク603は、IPアドレス602が記憶された時点での、情報処理装置100に設定されているサブネットマスクである。SSID603aは、IPアドレス602が記憶された時点において通信可能なアクセスポイントの、SSIDである。
【0029】
機能情報604は、各デバイスの機能を示す情報である。機能情報604は、印刷機能情報605、スキャン機能情報606、コピー機能情報607を備える。印刷機能情報605は、どのような印刷機能を備えるかを示す情報である。スキャン機能情報606は、スキャン機能を有するか否かを示す情報である。コピー機能情報607は、コピー機能を有するか否かを示す情報である。
【0030】
図4のテーブルTB1の例では、写真印刷611の用途で過去に通信対象とされたことがあるデバイスが、「Ink-MFP331」(インクジェットMFP200)、「Laser124」(カラーレーザープリンタ401)、「Ink-MFP333」(インクジェットMFP250)、「Laser123」(カラーレーザープリンタ400)、の4台であることが分かる。また、ウェブ印刷612の用途で過去に通信対象とされたことがあるデバイスが、「Ink-MFP331」(インクジェットMFP200)、および「Laser124」(カラーレーザープリンタ401)の2台であることが分かる。また、スキャン613の用途で過去に通信対象とされたことがあるデバイスが、「Ink-MFP331」(インクジェットMFP200)、および「Scan433」(スキャナ301)の2台であることが分かる。
【0031】
デフォルトデバイスフラグ608は、デフォルトデバイスを示す情報である。デフォルトデバイスは、用途ごとに設定される1のデバイスである。デフォルトデバイスは、ある用途に関する処理を実行可能なデバイスが、その用途に対して複数存在する場合に、当該複数のデバイスの中で優先的に使用されるデバイスである。第1実施形態の説明例では、最後に使用されたデバイスがデフォルトデバイスに設定される場合を説明する。
【0032】
<プリント&スキャンアプリケーション121の動作>
以下、図2ないし図5を用いて、プリント&スキャンアプリケーション121に従いCPU106が各部を制御する処理について説明する。プリント&スキャンアプリケーション121が起動されると、図2のフローが開始される。S601においてCPU106は、「写真印刷」、「ウェブ印刷」、「スキャン」の3種類の用途のうち、何れかの用途を指定する用途指定操作を受け付ける。具体例としては、CPU106は、上記の3種類の用途の各々に対応するアイコンを表示手段102に表示させる。そして、アイコンが表示されている部位がタッチされたことを受け付けると、タッチされたアイコンが示す用途が指定されたと判断する。指定用途として「スキャン」が指定された場合はS703へ進む。一方、指定用途として「写真印刷」または「ウェブ印刷」が指定された場合は、S701へ進む。
【0033】
S701において、指定用途が「写真印刷」の場合には、CPU106は、記憶部109に記憶されている画像データのサムネイルを表示手段102に一覧表示させる。このとき、すべてのサムネイルが表示手段102に表示しきれないときは、スクロールすることで全てのサムネイルが表示できるようにしてもよい。またS701において、指定用途が「ウェブ印刷」の場合には、CPU106は、ユーザから指示されたウェブページを表示手段102に表示させる。そして、表示させたウェブページを印刷対象とするよう指示するアイコンを、表示手段102へ表示させる。ウェブページ等の表示方法は、本発明の本質ではないのでここではその記載を省略する。
【0034】
S702においてCPU106は、印刷対象の選択を受け付けたかを判断する。具体的には、CPU106は、表示手段102においてサムネイルまたはアイコンが表示されている部位が、ユーザによりタッチされた否かを判断する。タッチされた場合は、タッチされた部位に表示されていたサムネイルの画像データを印刷対象とする指示、または、表示しているウェブページを印刷対象とする指示を受け付けたと判断し(S702:YES)、S703に進む。一方、印刷対象の選択を受け付けていないと判断した場合は(S702:NO)、S702へもどり判断を繰り返す。
【0035】
S703において、CPU106は、S601で指定された指定用途に対して、デフォルトデバイスが設定されているか否かを判断する(S703)。具体的には、CPU106は、テーブルTB1において、指定用途に対応する記憶領域を参照する。そして、デフォルトデバイスフラグ608が「オン」となっているデバイスが存在するか否かを判断する。デフォルトデバイスが設定されていないと判断した場合(S703:NO)にはS707へ進み、デフォルトデバイスが設定されていると判断した場合(S703:YES)にはS704へ進む。
【0036】
S704において、CPU106は、デフォルトデバイスに設定されているデバイスを識別するための情報(IPアドレス602、型番601など)、デフォルトデバイスの再設定を要求するアイコン、指示用途の実行命令を受け付けるアイコン、を表示手段102に表示させる。なお、S704では、デフォルトデバイスに設定されているデバイスを識別するための情報以外は表示されない。すなわち、デフォルトデバイスに設定されているデバイスが、デフォルトデバイスに設定されていないデバイスに比して、優先的に表示手段102に表示される。
【0037】
S705では、CPU106は、デフォルトデバイスの再設定の要求を受け付けたかを判断する。ここで、デフォルトデバイスの再設定とは、ある用途においてすでにデフォルトデバイスが設定されている場合に、他のデバイスをデフォルトデバイスとして選択しなおすことである。具体的には、CPU106は、再設定を要求するアイコンが表示されている部位がユーザによりタッチされたかを判断する。デフォルトデバイスの再設定の要求を受け付けていないと判断した場合(S705:NO)にはS809へ進み、デフォルトデバイスの再設定の要求を受け付けたと判断する場合(S705:YES)にはS707へ進む。
【0038】
S707において、CPU106は、アクセスポイント500および501のうち、情報処理装置100が現在通信することが可能なアクセスポイントのSSIDを取得する。具体的には、アクセスポイント500および501は、自己のSSIDを定期的にブロードキャストしている。情報処理装置100がアクセスポイント500および501のうち何れか一方の通信圏内に存在する場合には、情報処理装置100は、アクセスポイントからSSIDを受信することができる。そしてCPU106は、受信することができたSSIDの送信元のアクセスポイントを、通信可能なアクセスポイントとして認識する。
【0039】
S709において、CPU106は、S601で指定された指定用途に対して、S707で取得されたSSID(現在通信可能なアクセスポイントのSSID)と同一のSSIDを有するIPアドレスが記憶されているか否かを判断する。具体的には、CPU106は、テーブルTB1において、指定用途に対応する記憶領域を参照する。そして、現在通信可能なアクセスポイントのSSIDと同一のSSID603aを有するデバイスが存在するか否かを判断する。同一のSSIDを有するIPアドレスが記憶されていると判断された場合(S709:YES)には、同一のSSIDを有するIPアドレスを抽出する。そしてS715へ進む。一方、同一のSSIDを有するIPアドレスが記憶されていないと判断された場合(S709:NO)には、S711へ進む。
【0040】
S711において、CPU106は、S601で指定された指定用途以外の他の用途に対して、現在通信可能なアクセスポイントのSSIDと同一のSSIDを有するIPアドレスが記憶されているか否かを判断する。具体的には、CPU106は、テーブルTB1において、指定用途以外の他の用途に対応する記憶領域を参照する。そして、現在通信可能なアクセスポイントのSSIDと同一のSSID603aを有するデバイスが存在するか否かを判断する。同一のSSIDを有するIPアドレスが記憶されていると判断された場合(S711:YES)には、当該同一のSSIDを有するIPアドレスを抽出する。そしてS715へ進む。
【0041】
S715においてCPU106は、IPアドレス一覧を表示手段102に表示させる。IPアドレス一覧の表示では、S709またはS711で抽出されたIPアドレスが、表示手段102に表示される。なお、複数のIPアドレスが抽出された場合には、複数のIPアドレスが表示手段102に一覧表示される。またCPU106は、指定用途を実行させるための新たなデバイスのIPアドレスを入力するための入力欄を、表示手段102に表示させる。すなわち、S715では、デバイスの新規登録の受け付けも実行される。
【0042】
一方、S711において、現在通信可能なアクセスポイントのSSIDと同一のSSIDを有するIPアドレスが記憶されていないと判断された場合(S711:NO)には、S713へ進む。S713において、CPU106は、指定用途を実行させるための新たなデバイスのIPアドレスを入力するための入力欄を、表示手段102に表示させる。なお、S713では、IPアドレスは表示手段102に一覧表示されない。
【0043】
S721(図3)において、CPU106は、新規登録デバイスのIPアドレスを入力する操作(IPアドレス入力操作)、または一覧表示されているIPアドレス等の何れかを選択する操作(デバイス指定操作)を、タッチパネル103が受け付けたか否かを判断する。IPアドレス入力操作が実行された場合(S721:IPアドレス入力)には、S727へ進み、デバイス指定操作が実行された場合(S721:デバイス指定)にはS725へ進む。S725において、CPU106は、デバイス指定操作で指定されたIPアドレスを用いて、通信が実行できたか否かを判断する。具体的には、S721で選択されたIPアドレスを用いて通信を試行し、返答信号が返信されてくるか否かを判断する。通信が実行できた場合(S725:YES)にはS808へ進み、実行できなかった場合(S725:NO)にはS727へ進む。
【0044】
S727において、CPU106は、現在通信対象となっているネットワークのSSIDを有するIPアドレスからネットワークアドレス部を抽出して、IPアドレスの入力欄内に表示する。具体的には、S715で一覧表示されたIPアドレスのうちの何れか1つを、選択IPアドレスとして選択する。そして、選択IPアドレスに対応付けられているサブネットマスク603をテーブルTB1から読み出す。選択IPアドレスから、サブネットマスク603によって指定されているネットワークアドレス部を抽出し、IPアドレスの入力欄に表示する。これにより、IPアドレスの入力欄にネットワークアドレス部が既に入力済みの状態とすることができるため、ユーザはホストアドレス部のみを入力すれば、IPアドレスの全体を入力したことになる。
【0045】
S729において、CPU106は、ユーザによってホストアドレス部が入力されたか否かを判断する。入力されていない場合(S729:NO)にはS729へ戻り、入力された場合(S729:YES)にはS730へ進む。
【0046】
S730において、CPU106は、IPアドレスを生成する。具体的には、S727で抽出されたネットワークアドレス部と、S729で入力されたホストアドレス部とを合成して、通信先デバイスのIPアドレスを生成する。
S805においてCPU106は、S730で生成されたIPアドレスを、指定用途に対応付けてテーブルTB1に記憶させる。また、型番601や機能情報604を無線通信I/F105に受信させ、S730で生成されたIPアドレスに対応付けてテーブルTB1に記憶させる。
【0047】
ここで、型番601や機能情報604を受信して記憶させる方法を説明する。CPU106は、S730で生成されたIPアドレスに対応するデバイスにデバイスの型番601と機能情報604を返信するよう要求するパケットを、情報処理装置100が接続しているネットワークN1(またはN2)へ、無線通信I/F105に送信(ユニキャスト)させる。すると、ネットワークN1(またはN2)に接続されているデバイスから返信がある。無線通信I/F105は、デバイスから返信される、デバイスの型番601と、機能情報604を含むパケットを受信する。無線通信I/Fが受信するパケットは、デバイスのIPアドレス602を送信元アドレスとして、情報処理装置100のIPアドレスを受信先アドレスとして含んでいる。そして、CPU106は無線通信I/F105に受信されたデバイスの型番601と、機能情報604と、デバイスのIPアドレス602とを対応付けて、テーブルTB1に記憶させる。
【0048】
S807においてCPU106は、情報処理装置100に設定されているサブネットマスクをサブネットマスク603として、S730で生成されたIPアドレスに対応付けて、テーブルTB1に記憶させる。また、情報処理装置100に設定されているSSID(現在通信可能なアクセスポイントのSSID)をSSID603aとして、S730で生成されたIPアドレスに対応付けて、テーブルTB1に記憶させる。
【0049】
S808においてCPU106は、S721で入力されたIPアドレスに対応するデバイス(S707:IPアドレス入力)、または、ユーザに選択されたデバイス(S707:デバイス指定)を、デフォルトデバイスに設定する。具体的には、テーブルTB1において、これらのデバイスのデフォルトデバイスフラグ608のみを「オン」に設定し、他のデバイスのデフォルトデバイスフラグ608を「オフ」に設定する。そしてS808aへ進み、CPU106は、指定用途の実行指示画面を表示手段102に表示させる。
【0050】
S809においてCPU106は、指定用途の実行指示を受け付けたか否かを判断する。具体的には、CPU106は、指定用途の実行指示を受け付けるアイコンが表示されている部位が、ユーザによりタッチされたか否かを判断する。実行指示が入力されていないと判断した場合(S809:NO)にはS705へ戻り、実行指示が入力されたと判断した場合(S809:YES)にはS810へ進む。
【0051】
S810においてCPU106は、指定用途を実行する。例えば、指定用途が「写真印刷」の場合には、S702で選択を受け付けた画像データの印刷要求を、テーブルTB1から読み出したIPアドレス602を用いて、デフォルトデバイスへ送信する。また指定用途が「ウェブ印刷」の場合には、S702で印刷対象とする指示を受け付けたウェブページの印刷要求を、デフォルトデバイスへ送信する。また指定用途が「スキャン」の場合には、スキャン要求を、テーブルTB1から読み出したIPアドレス602を用いてデフォルトデバイスへ送信する。そして、デフォルトデバイスから返信されたスキャンデータを、無線通信I/F105に受信させる。そしてフローを終了する。
【0052】
<具体動作例>
情報処理装置100の具体的な動作例を説明する。例として、アクセスポイント500の通信圏内かつアクセスポイント501の通信圏外に、情報処理装置100が存在する場合を説明する。また、「写真印刷」が指定用途として選択される場合を説明する。また、ネットワークN1に接続されているカラーレーザープリンタ400と、初めての通信を開始する場合を説明する。すなわち、図4のテーブルTB1において、写真印刷611の記憶領域に3台のデバイス(インクジェットMFP200、カラーレーザープリンタ401、スキャナ300)が記憶されている場合に、さらにカラーレーザープリンタ400についての情報(図4、領域R11)を新たに記憶する場合を説明する。換言すると、本動作例では、領域R11が空欄の状態から、領域R11に各種の情報が記憶されるまでの動作を説明する。また、写真印刷611の記憶領域に記憶されている3台のデバイスの全てにおいて、デフォルトデバイスフラグ608が「オフ」である場合を説明する。
【0053】
「写真印刷」が指定用途として選択され(S601:写真印刷)、印刷対象の選択が受け付けられると(S702:YES)、「写真印刷」の指定用途に対してデフォルトデバイスが設定されていないため(S703:NO)、現在情報処理装置100が通信することが可能なアクセスポイント(アクセスポイント500)のSSID(SSID−1)が取得される(S707)。テーブルTB1の写真印刷611の記憶領域において、現在通信可能なアクセスポイント(アクセスポイント500)のSSID(SSID−1)と同一のSSID(図4、領域R21)を有するIPアドレスが記憶されている(S709:YES)。よって、インクジェットMFP200のIPアドレス(192.168.100.101)と、インクジェットMFP250のIPアドレス(192.168.100.104)が抽出される(S709)。そして、図5の表示手段102の表示例に示すように、インクジェットMFP200および250のIPアドレスおよび型番が、表示手段102の領域R1に一覧表示される(S715)。また、新規登録デバイスのIPアドレスの入力受付のための入力欄710が、表示手段102に表示される(S715)。
【0054】
新規登録デバイスのIPアドレスを入力する操作(IPアドレス入力操作)が受け付けられると(S721:IPアドレス入力)、一覧表示されたIPアドレスのうちから、インクジェットMFP200のIPアドレス(192.168.100.101)が、選択IPアドレスとして選択される(S727)。選択IPアドレスに対応付けられているサブネットマスク603(225.225.225.0)(図4、領域R22)がテーブルTB1から読み出される(S727)。選択IPアドレスから、サブネットマスク603によって指定(上位24ビット)されているネットワークアドレス部(192.168.100.)が抽出され、入力欄710に表示される(S727)(図5、領域R2)。
【0055】
ユーザによって、カラーレーザープリンタ400のホストアドレス部(103)が入力されると(S729:YES)(図5、領域R3)、カラーレーザープリンタ400のIPアドレス(192.168.100.103)が合成される(S730)。生成されたカラーレーザープリンタ400のIPアドレスが、写真印刷611の指定用途に対応付けてテーブルTB1に記憶される(S805)(図4、領域R11)。また、サブネットマスク603およびSSID603aが、生成されたカラーレーザープリンタ400のIPアドレスに対応付けて、テーブルTB1に記憶される(S807)(図4、領域R11)。これにより、カラーレーザープリンタ400についての情報を新たにテーブルTB1へ記憶する処理が完了する。
【0056】
生成されたIPアドレスに対応するデフォルトデバイスフラグ608が「オン」に設定され(図4、領域R23)、他のデバイスのデフォルトデバイスフラグ608が「オフ」に設定される(S808)。そして、写真印刷611の指定用途の実行指示画面が、表示手段102に表示される(S808a)。以後の動作については、具体的な説明を省略する。
【0057】
<効果(第1実施形態)>
以上説明した、第1実施形態の説明例に係る情報処理装置100の効果を説明する。情報処理装置100では、現在通信可能なネットワークに属しているデバイスのIPアドレスを抽出し(S709、S711)、抽出したIPアドレス内からデフォルトデバイスのIPアドレスを選択することができる(S808)。これにより、情報処理装置100と通信することが可能であることが判明しているデバイスのうちからデフォルトデバイスを選択することが可能となるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0058】
情報処理装置100では、表示手段102に表示されたIPアドレス一覧のうち何れか1つを指定することで(S721:デバイス指定)、デフォルトデバイスのIPアドレスを設定することができる(S808)。これにより、デフォルトデバイスのIPアドレスを選択する操作を簡易化することが可能となる。
【0059】
情報処理装置100では、属性指定操作(S601)が指定した一の属性の種類に対応付けられているIPアドレスのうちから、デフォルトデバイスのIPアドレスを選択することができる。これにより、デフォルトデバイスのIPアドレスを選択する操作を簡易化することが可能となる。
【0060】
情報処理装置100では、属性指定操作(S601)が指定した一の属性の種類に対応付けられているIPアドレスが、記憶部109に記憶されていない場合(S709:NO)においても、一の属性の種類と異なる他の属性の種類に対応付けられているIPアドレスから、デフォルトデバイスのIPアドレスを選択することができる(S711:YES)。これにより、デフォルトデバイスのIPアドレスを選択する操作を簡易化することが可能となる。
【0061】
情報処理装置100では、初めて通信するデバイスのIPアドレスを情報処理装置100に入力する場合に、過去に通信したことのある他のデバイスのIPアドレスからネットワークアドレス部を抽出し、IPアドレスの入力欄に入力済みの状態とすることができる(S727)。これにより、IPアドレスの入力操作において、ユーザはIPアドレスのうちのホストアドレス部のみを入力すればよくなる(S729)。よって、IPアドレスの全てを入力する作業を行う必要性を無くすことができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。特に、情報処理装置100が、対象のデバイスのIPアドレスを直接入力して通信を実行する必要がある装置である場合(ブロードキャストによるデバイス検索ができない装置である場合など)に、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0062】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、ホストアドレス部を自動生成する形態である。なお、ネットワーク10や情報処理装置100の構成は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。第2の実施形態を、図6のフローを用いて説明する。図6のフローは、図3のS727およびS729に代えて行われるフローである。S721でIPアドレス入力操作が実行された場合(S721:IPアドレス入力)、または、S725で通信が実行できなかった場合(S725:NO)に、図6のフローが開始される。
【0063】
S731において、CPU106は、S715で一覧表示されたIPアドレスのうちの何れか1つを、選択IPアドレスとして選択する。そして、選択IPアドレスから、サブネットマスク603によって指定されているネットワークアドレス部を抽出する。また、サブネットマスク603によって指定されているホストアドレス部のビット数を取得する。そして、仮ホストアドレス部を初期状態に設定する。初期状態では、仮ホストアドレス部を構成するビット列の全ビットが「0」に設定される。
【0064】
S732において、CPU106は、仮IPアドレスを生成する。具体的には、S731で抽出されたネットワークアドレス部と、仮ホストアドレス部とを合成する。S735において、CPU106は、仮IPアドレスを用いて、通信の実行可否を判断する。判断結果は、RAM108に記憶される。
【0065】
S739において、CPU106は、仮ホストアドレス部を構成するビット列の全ビットが「1」であるか否かを判断する。全ビットが「1」でない場合(S739:NO)には、まだ仮ホストアドレス部の全てのパターンについて通信を試行していない場合であると判断され、S743へ進む。S743において、CPU106は、仮ホストアドレス部のビット列を、1ビット分カウントアップする。そしてS732へ戻る。
【0066】
一方、S739において、全ビットが「1」である場合(S739:YES)には、仮ホストアドレス部の全てのパターンについて通信の試行が完了したと判断され、S751へ進む。S751においてCPU106は、RAM108に記憶されている判断結果に基づいて、通信が成功した仮IPアドレスの数を判断する。通信が成功した仮IPアドレスの数が0個の場合には(S751:0個)、S752へ進み、CPU106は、通信先デバイスのIPアドレスの自動生成に失敗した旨の報知を、表示手段102に表示させる。そしてフローを終了する。また、通信が成功した仮IPアドレスの数が1個の場合には(S751:1個)、S755へ進み、当該1個の仮IPアドレスが通信対象デバイスのIPアドレスとして決定される。そしてS805(図3)へ進む。
【0067】
また、通信が成功した仮IPアドレスの数が複数の場合には(S751:複数)、S753へ進む。S753においてCPU106は、通信が成功した複数の仮IPアドレスを表示手段102に一覧表示させる。そして、表示されている仮IPアドレスの何れか1つを選択する操作を、タッチパネル103が受け付けたか否かを判断する。選択操作が実行されていない場合(S753:NO)にはS753へ戻り、選択操作が実行された場合(S753:YES)にはS755へ進む。S755において、選択された仮IPアドレスが、通信対象デバイスのIPアドレスとして決定される。そしてS805(図3)へ進む。
【0068】
<効果(第2実施形態)>
以上説明した、第2実施形態の説明例に係る情報処理装置100の効果を説明する。第2実施形態の情報処理装置100では、ホストアドレス部の全パターンについて総当りで生成し(S739、S743)、通信可能なIPアドレスを検出することができる(S735)。例えば、サブネットマスク603が「255.255.255.0」であり、ホストアドレス部のビット数が「8」である場合には、「00000000」から「11111111」までの256通りの仮ホストアドレス部を備える仮IPアドレスを生成し、256個の仮IPアドレスの各々について、通信が実行できたか否かを判断することができる。これにより、ホストアドレス部を自動生成することができる。よって、ホストアドレス部を入力するための作業を行う必要性を無くすことができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0069】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を説明する。
【0070】
<変形例>
S707において、情報処理装置100が現在通信可能なアクセスポイントを検出する方法は、SSIDを用いた方法に限られない。例えば、GPS等によって得られる位置情報を用いた方法であってもよい。この場合、インクジェットMFP200等の各デバイスは、GPS部を備えており、各デバイスの位置情報を取得可能であるとすればよい。情報処理装置100は、S805において、デバイスのIPアドレス等とともに、当該デバイスの位置情報をテーブルTB1に記憶するとすればよい。そして情報処理装置100は、GPS部111を用いて情報処理装置100の位置情報を取得する処理を、S707の処理に代えて実行すればよい。また、情報処理装置100から所定距離内に位置するデバイスのIPアドレスがテーブルTB1記憶されているか否かを、位置情報を用いて判断する処理を、S709の処理に代えて実行すればよい。なお、所定距離の値は、アクセスポイントから電波が届く最長距離に設定してもよい。これによっても、情報処理装置100が現在通信可能なアクセスポイントに関連するIPアドレスを抽出することが可能となる。
【0071】
S707において、情報処理装置100が現在通信可能なアクセスポイントを検出する方法は、SSIDを用いた方法に限られない。例えば、ネットワークアドレス部を用いた方法であってもよい。この場合、情報処理装置100は、情報処理装置100が現在通信することが可能なアクセスポイントのネットワークアドレス部を取得する処理を、S707の処理に代えて実行すればよい。具体的には、情報処理装置100が通信可能なデバイスのIPアドレスとサブネットマスクを用いて、当該IPアドレスからネットワークアドレス部を抽出すればよい。また、取得されたネットワークアドレス部と同一のネットワークアドレス部を有するIPアドレスがテーブルTB1記憶されているか否かを判断する処理を、S709の処理に代えて実行すればよい。これによっても、情報処理装置100が現在通信可能なアクセスポイントに関連するIPアドレスを抽出することが可能となる。
【0072】
S707において、アクセスポイントのSSIDを取得する方法は、様々な形態であってよい。例えば、ユーザが、情報処理装置100に通信させるためのアクセスポイントのSSIDを手動入力するような構成であってもよい。この場合CPU106は、ユーザが手動入力したSSIDのアクセスポイントを、通信可能なアクセスポイントとして認識する。
【0073】
テーブルTB1では、IPアドレス602の各々に対応付けて、サブネットマスク603およびSSID603aを記憶させるとしたが、この形態に限られない。上述したように、サブネットマスク603またはSSID603aの何れか一方が記憶されていれば、S709において、情報処理装置100が現在通信可能なアクセスポイントに関連するIPアドレスを抽出する処理を実行することが可能である。
【0074】
また、サブネットマスク603をテーブルTB1に記憶させない形態としてもよい。この場合、S727においてIPアドレスからネットワークアドレス部を抽出する際には、予め定められた所定上位ビット数(例:上位24ビット、上位16ビット)をネットワークアドレス部とみなして、IPアドレスから抽出するとすればよい。また所定上位ビット数は、ユーザ等によって予め決定されるとしてもよい。
【0075】
テーブルTB1に記憶されている各デバイスに関する情報に、デフォルトデバイスに設定されたことがあるか否か(S808)についての情報を追加してもよい。そしてS709において、過去にデフォルトデバイスに設定されたことがあるデバイスの中に、現在通信可能なアクセスポイントのSSIDと同一のSSID603aを有するデバイスが存在するか否かを判断してもよい。これにより、通信対象のデバイスを、過去に使用したことのあるデバイスの中から選択することが可能となる。
【0076】
アクセスポイント500と501とが、電波が干渉する程度に互いに近距離に位置している形態であってもよい。そして、情報処理装置100がアクセスポイント500および501の両方の通信圏内に位置する場合には、何れのアクセスポイントと通信するかを選択する画面を表示手段102に表示するとともに、ユーザの選択を受け付ける処理を、S707の処理の前に実行すればよい。そしてS707では、ユーザに選択されたアクセスポイントのSSIDを取得する処理を実行すればよい。
【0077】
S713において、表示手段102に表示される情報は、各種の情報であってよい。例えば、IPアドレスを入力するための入力欄とともに、テーブルTB1に記憶されている全てのIPアドレスを表示手段102に一覧表示してもよい。
【0078】
S721において、デバイス指定操作は、一覧表示されているIPアドレスの何れかを選択する操作であるとしたが、この形態に限られない。「IPアドレスを選択する操作」とは、表示されているIPアドレスを選択する操作のみならず、IPアドレスに対応した識別情報(型番601、デバイスのノード名、デバイスのMACアドレスなど)を選択することで、間接的にIPアドレスを選択する操作を含む概念である。なお、IPアドレスに対応した識別情報は、S805においてデバイスから受信し、テーブルTB1に記憶させればよい。
【0079】
S727において、IPアドレスからネットワークアドレス部を抽出する方法は、サブネットマスク603を用いた方法に限られない。例えば、予め定められたバイト数(例:3バイト)の上位部を、ネットワークアドレス部として抽出する形態であってもよい。
【0080】
S805において、S730で生成されたIPアドレスに対応するデバイスに、デバイスの型番601と機能情報604を返信するよう要求するパケットを送信する方法は、ユニキャストに限られない。情報処理装置100が接続しているネットワークN1(またはN2)へ、デバイスの型番601と機能情報604を返信するよう要求するパケットをブロードキャストする形態であってもよい。
【0081】
本実施形態では、IPv4(Internet Protocol version 4)に基づく32ビットのIPアドレスを用いる場合を説明したが、この形態に限られない。他のプロトコルに基づくIPアドレス(例:IPv6(Internet Protocol version 6)に基づく128ビットのIPアドレス)を用いる場合においても、本実施形態の技術を適用可能である。
【0082】
本実施形態で用いたIPアドレスやサブネットマスクの値は一例であり、様々な値を用いることが可能である。
【0083】
テーブルTB1は、用途の種類ごとに記憶領域を備えるとしたが、この形態に限られない。例えば、データ種類(画像データ、URL、文書データ)ごとに記憶領域を備えてもよい。
【0084】
また、用途の種類は、写真印刷、Web印刷、スキャン等に限られない。例えば、情報処理装置100が、文書データの印刷要求を印刷機能を有するデバイスへ送信し、デバイスに印刷を実行させる、「文書印刷」の用途なども存在する。
【0085】
機能情報604は、デバイスが実行できる機能を直接的に示す情報(印刷機能情報605、スキャン機能情報606、コピー機能情報607など)に限られない。デバイスの名称や型番など、機能を間接的に示す情報でもよい。この場合、情報処理装置100は、名称や型番と機能との対応を記憶するテーブルを記憶部109に記憶していれば、デバイスが実行できる機能を名称や型番を用いて識別することができる。また、デバイスが実行できる機能を、無線通信150や151等を用いることなく識別することが可能となる。
【0086】
第1、第2の実施形態では、情報処理装置100が、ネットワークに接続されたデバイスへ、デバイスの型番と機能情報を返信するよう要求し、その要求に応じてデバイスから返信される型番と、機能情報を受信する構成であった。しかし、情報処理装置100がプリント&スキャンアプリケーション121を実行することで使用することができるデバイスごとの型番と、機能情報が、予めプリント&スキャンアプリケーション121にプログラミングされている構成としてもよい。その場合、例えば図3のS805では、次のような構成になる。無線通信I/F105は、ネットワークに接続されたデバイスの型番を受信する。CPU106は、プリント&スキャンアプリケーション121にプログラミングされているデバイスの型番と、無線通信I/F105で受信されたネットワークに接続されたデバイスの型番とを比較し、一致したデバイスの型番を抽出する。そしてCPU106は、抽出した型番のデバイスの機能情報を、プリント&スキャンアプリケーション121から読み出す。そして、CPU106は、抽出した型番のデバイスの機能情報604と、ネットワークに接続されたデバイスの型番601と、ネットワークに接続されたデバイスのIPアドレス602とを対応付けて、テーブルTB1に記憶させる。これにより、第1の実施形態と同様の情報(図4)を、テーブルTB1に記憶させることができる。また、機能情報604等を取得する際に、デバイスとの通信を不要とすることができるため、処理時間の短縮化や、ネットワーク負担の軽減などを図ることが可能となる。
【0087】
図2のS701、S702の処理は、情報処理装置100に予めインストールされているオペレーティングシステム124または他のアプリケーションプログラムに従い、CPU106が実行する構成としてもよい。その場合S702において、CPU106は、オペレーティングシステム124または他のアプリケーションプログラムに従って処理を実行する際に参照しているRAM108のメモリ領域に記憶されている画像データの所在情報を、プリント&スキャンアプリケーション121を実行する際に使用するRAM108のメモリ領域にコピーする。S703以降は、CPU106は第1の実施形態と同様の処理を実行する。
【0088】
図2のS703においてCPU106は、テーブルTB1において、指定用途に対応する記憶領域にデバイスに関する情報が記憶されているか否かを判断することによって、デフォルトデバイスが設定されているか否かを判断してもよい。
【0089】
図3のS729において、新規登録デバイスのIPアドレスを複数入力する構成としてもよい。その場合、S729〜S809は次のようになる。S729において、CPU106がホストアドレス部が複数入力されたと判断した場合は(S729:YES)、S730へ進み、複数のホストアドレス部の各々に基づいて複数のIPアドレスを生成する。S805においてCPU106は、S730で生成された複数のIPアドレスの各々を、指定用途に対応付けてテーブルTB1に記憶させる。そして、CPU106はS808を実行しない。S808aにおいてCPU106は、S730で生成されたすべてのデバイスの型番を表示する。次いでS809へ進む。
【0090】
S809で、CPU106は指定用途の実行指示を受け付けたか判断する。具体的には、CPU106は、デバイスの型番が表示されている部位がユーザによりタッチされたか否かを判断する。そして、型番が表示されている部位がタッチされると(S809:YES)、CPU106はタッチされた部位に表示されていた型番のデバイスが選択されたと判断する。そして、選択された型番のデバイスを、デフォルトデバイスに設定する。以降は、第1の実施例と同様である。
【0091】
図3のS810において、無線通信I/F105が指定用途の実行要求の送信を失敗した場合は、次のようにしてもよい。無線通信I/Fが実行要求の送信に失敗したとCPU106が判断すると、CPU106は、エラー画面を表示手段102に表示させる。エラー画面には、OKアイコンが表示されている。CPU106は、表示手段102のOKアイコンが表示されている部位がタッチされたと判断すると、S704へ進む。このようにすれば、ユーザは、S705でデフォルトデバイスの再設定を要求することが可能となる。また、CPU106が、エラー画面のOKアイコンが表示されている部位がタッチされたと判断した後、実行要求の送信に失敗した対象のデバイスについて、デフォルトデバイスフラグ608を無効化してもよい。また、無効化に続けて、S707に進んでもよい。
【0092】
図1に示した入力I/F104は一つであるが、複数設けてもよい。その場合、第1、第2の実施形態では、タッチパネル103からユーザによる入力を受け付けていたが、複数設けた入力I/F104から受け付ける構成としてもよい。さらに、タッチパネル103と、入力I/F104を、併用する構成としてもよい。
【0093】
情報処理装置100と接続されるデバイスは、図1に示したインクジェットMFP200、スキャナ300、カラーレーザープリンタ400に限定されず、印刷機能、スキャナ機能の少なくともいずれかを備えていればよい。
【0094】
アクセスポイント500および501とデバイスとの間の通信は、無線または有線のどちらで行ってもよい。また、情報処理装置100とデバイスは、アクセスポイント500および501を介さず直接通信を行ってもよい。その際、情報処理装置100とデバイスは、有線とまたは無線のどちらで通信を行ってもよい。
【0095】
図3のS805において、情報処理装置100が受信するデバイスの型番601と機能情報604は、カラー印刷機能を有するデバイスからのもののみとする構成としてもよい。具体的にはCPU106は、無線通信I/F105を制御して、情報処理装置100が接続しているネットワークに、カラー印刷機能を有するデバイスの型番601と、機能情報604を返信するよう要求するパケットをブロードキャストさせる。すると、ネットワークに接続したデバイスのうち、カラー印刷機能を有するもののみから返信がある。無線通信I/F105は、デバイスから返信されるデバイスの型番601と、機能情報604を受信する。そして、CPU106は無線通信I/F105に受信されたデバイスの型番601と、機能情報604を、テーブルTB1に記憶させる。CPU106は、テーブルTB1に記憶させたすべてのデバイスの型番601の一覧表示を、表示手段102に表示させる。
【0096】
図3のS805において、入力されたIPアドレス等をテーブルTB1に記憶させるトリガは、様々な態様であってよい。例えば、入力されたIPアドレスにより特定されるデバイスとの接続が可能であることを改めて確認できた場合に、テーブルTB1に記憶させる形態であってもよい。これにより、確実に通信することが可能なデバイスのみを、テーブルTB1に記憶させることができる。
【0097】
図3のS805において、CPU106は、S730で生成されたIPアドレスが、テーブルTB1の指定用途の記憶領域に既に記憶されているか否かを判断するとしてもよい。そして、既に記憶されている場合には、入力されたIPアドレスをテーブルTB1に記憶させないとしてもよい。これにより、1つの指定用途に対して、同一のIPアドレスが複数登録されてしまう事態を防止できる。
【0098】
図3のS805において、型番601や機能情報604を受信する方法は様々な態様であってよい。例えば、テーブルTB1に記憶させるIPアドレスをあて先にして、デバイスの型番601と機能情報604を返信するようデバイスに要求するパケットを送信する形態であってもよい。
【0099】
図5の表示手段102の表示例は一例である。表示手段102には、様々な表示形態の画像が表示されるとしてもよい。例えば図5において、IPアドレス入力欄710が、ネットワーク部入力欄とホスト部入力欄と、の2つの欄に分かれていてもよい。
【0100】
プリント&スキャンアプリケーション121が備えるデバイスの型番と、ネットワークに接続されたデバイスの型番とは、必ずしも全てが一致する必要はなく、CPU106は部分一致した型番も抽出する構成としてもよい。例えば、プリント&スキャンアプリケーション121が備えるデバイスの型番が"Ink−MFP331"で、ネットワークに接続されたデバイスの型番が"Ink−MFP431"である場合などである。この2台は型番に、"Ink−MFP"を有するため、同じシリーズであることが分かる。そこで"Ink−MFP431"のデバイスも、インクジェットカラー印刷、スキャン機能、コピー機能を備えることが予想される。そのため"Ink−MFP431"のデバイスを、プリント&スキャンアプリケーション121が備える型番"Ink−MFP331"のデバイスと同等のデバイスとして抽出することができる。
【0101】
型番は、デバイスを区別することができるものであれば、どのようなものでもよく、例えば、番号を含まないもの、記号だけで構成されるものでもよい。また、デバイス名などのデバイスを区別することができる名称を、型番の代わりに用いてもよい。
【0102】
用途の種類は、第1、第2の実施形態よりも多くても少なくてもよい。プリント&スキャンアプリケーション121で実行可能な用途として、「写真印刷」、「ウェブ印刷」に加えて、「文書印刷」の用途を設けてもよい。「文書印刷」の用途では、PDFデータ、docデータなどの文書データが、デバイスで印刷される。
【0103】
デバイスを識別する情報はIPアドレスに限られず、URLやMACアドレスを用いる構成としてもよい。MACアドレスを用いる構成の場合、情報処理装置100からデバイスへは、デバイスのMACアドレスが受信先アドレスとして、情報処理装置100のMACアドレスが送信元アドレスとして、含まれるMACフレームが、送信されることになる。また、URLを用いる構成の場合、CPU106は、対応するIPアドレスを取得して、取得したIPアドレスをデバイスとの通信に用いればよい。
【0104】
情報処理装置は、SDカードなどの外部メモリを接続可能な構成としてもよい。そして、記憶部109に代えて、外部メモリへ各種データを記憶する構成としてもよい。
【0105】
インクジェットMFP200等は複数のデバイスの一例である。プリント&スキャンアプリケーション121は情報処理プログラムの一例である。S805を実行するCPU106は、第1記憶制御手段、第1通信手段、第1記憶制御ステップの一例である。タッチパネル103は操作部の一例である。無線通信I/F105は通信部の一例である。SSID603aおよびサブネットマスク603は、第1識別情報の一例である。S810を実行するCPU106は、第1通信制御手段、第1通信手段、第1通信制御ステップの一例である。SSID603aおよびサブネットマスク603は第2識別情報の一例である。用途の種類またはデータ種類は、属性の種類の一例である。
【0106】
なお、各プログラムは一つのプログラムモジュールから構成されるものであってもよいし、複数のプログラムモジュールから構成されるものであってもよい。また、各一例は置換可能な他の構成であってもよく、本発明の範疇である。画像処理プログラム(プリント&スキャンアプリケーション121など)に基づく処理を実行するコンピュータ(CPU11など)であってもよいし、オペレーティングシステムや他のアプリケーションなど、画像処理プログラム以外のプログラムに基づく処理を実行するコンピュータであってもよいし、コンピュータの指示に従って動作するハード構成(タッチパネル103など)であってもよいし、コンピュータとハード構成とが連動した構成であってもよい。もちろん、複数のプログラムに基づく処理を連動させて処理を実行するコンピュータであってもよいし、複数のプログラムに基づく処理を連動させて処理を実行するコンピュータの指示に従って動作するハード構成であってもよい。
【符号の説明】
【0107】
100:情報処理装置、102:表示手段、103:タッチパネル、105:無線通信I/F、109:記憶部、121:プリント&スキャンアプリケーション、200および201および250:インクジェットMFP、300および301:スキャナ、400および401:カラーレーザープリンタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークのうちの通信対象ネットワークを選択し、該通信対象ネットワークに含まれている複数のデバイスのうちから通信対象として選択される通信先デバイスと通信することが可能な情報処理装置に読込まれる情報処理プログラムであって、
記憶部に、過去に前記通信先デバイスとして選択されたことのあるデバイスのIPアドレスと、前記複数のデバイスの各々が属しているネットワークを識別する第1識別情報とを記憶させる第1記憶制御手段と、
前記記憶部に記憶されている複数のIPアドレスのうちから、前記通信先デバイスのIPアドレスである通信先IPアドレスを選択する操作を操作部が受け付けた場合に、前記通信先IPアドレスが識別する通信先デバイスへ、各種の処理を実行する旨の指示を通信部に送信させる第1通信制御手段と、
して前記情報処理装置を機能させ、
前記第1記憶制御手段は、
前記複数のネットワークのうちから前記通信対象ネットワークを識別する第2識別情報を取得し、
前記第2識別情報と一致する第1識別情報を有するIPアドレスを前記記憶部に記憶されている複数のIPアドレスのうちから抽出し、
抽出したIPアドレスのうちから優先的に通信を実行する優先IPアドレスを選択して前記記憶部に記憶させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項2】
前記第1記憶制御手段は、
前記第2識別情報と一致する第1識別情報を有するIPアドレスを前記記憶部に記憶されている複数のIPアドレスのうちから抽出して表示部に表示させ、
前記表示部が表示したIPアドレスのうち何れか1つを指定する操作を前記操作部が受け付けた場合に、指定されたIPアドレスを前記優先IPアドレスとして前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記第1記憶制御手段は、
前記記憶部に、複数の属性の種類の各々に対応づけて、前記複数のデバイスの各々のIPアドレスを記憶させ、
前記第1記憶制御手段は、一の属性の種類を指定する属性指定操作を前記操作部が受け付けた場合に、前記属性指定操作が指定した一の属性の種類に対応付けられているIPアドレスのうちから、前記優先IPアドレスを選択することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記第1記憶制御手段は、一の属性の種類を指定する属性指定操作を前記操作部が受け付けた場合に、前記属性指定操作が指定した一の属性の種類に対応付けられているIPアドレスが前記記憶部に記憶されていないことを条件として、前記一の属性の種類と異なる他の属性の種類に対応付けられているIPアドレスのうちから前記優先IPアドレスを選択することを特徴とする請求項3に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記優先IPアドレスとして選択されたことのあるIPアドレスを前記記憶部に記憶させる第2記憶制御手段として前記情報処理装置をさらに機能させ、
前記第1記憶制御手段は、前記優先IPアドレスとして選択されたことのあるIPアドレスのうちから、前記優先IPアドレスを選択することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記第1記憶制御手段は、前記第1識別情報として、前記ネットワークを形成するアクセスポイントのSSID(Service Set Identifier)を用いる ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記第1記憶制御手段は、過去に前記通信先デバイスとして選択されたことのあるデバイスの各々のサブネットマスクを前記記憶部に記憶させ、
前記第1記憶制御手段は、前記記憶部に記憶されている前記複数のデバイスのIPアドレスから、前記サブネットマスクによって指定されているネットワークアドレス部を抽出し、抽出したネットワークアドレス部を前記第1識別情報として用いることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記第1記憶制御手段は、
前記第2識別情報と一致する第1識別情報を有するIPアドレスの中で選択された選択IPアドレスから、前記通信対象ネットワークのアドレスを表す部分であるネットワークアドレス部を抽出する抽出手段と、
前記通信対象ネットワーク内での前記通信先デバイスのアドレスを表す部分であるホストアドレス部であって、前記記憶部に記憶されている複数のIPアドレスの中で選択された選択IPアドレスに含まれるホストアドレス部とは異なるホストアドレス部を取得するホストアドレス部取得手段と、
前記抽出手段で抽出された前記ネットワークアドレス部と前記ホストアドレス部取得手段で取得された前記ホストアドレス部とを用いて前記通信先デバイスのIPアドレスを生成し、前記優先IPアドレスとして前記記憶部に記憶させるIPアドレス生成手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
複数のネットワークのうちの通信対象ネットワークを選択し、該通信対象ネットワークに含まれている複数のデバイスのうちから通信対象として選択される通信先デバイスと通信することが可能な情報処理装置に読込まれる情報処理プログラムであって、
記憶部に、過去に前記通信先デバイスとして選択されたことのあるデバイスのIPアドレスと、前記複数のデバイスの各々の位置を識別する複数の第1の位置識別情報とを記憶させる第1記憶制御手段と、
前記記憶部に記憶されている複数のIPアドレスのうちから、前記通信先デバイスのIPアドレスである通信先IPアドレスを選択する操作を操作部が受け付けた場合に、前記通信先IPアドレスが識別する通信先デバイスへ、各種の処理を実行する旨の指示を通信部に送信させる第1通信制御手段と、
して前記情報処理装置を機能させ、
前記第1記憶制御手段は、
前記情報処理装置の位置を識別する第2の位置識別情報を取得し、
前記第2の位置識別情報から所定距離の範囲内に位置する第1の位置識別情報を有するIPアドレスを前記記憶部に記憶されている複数のIPアドレスのうちから抽出し、
抽出したIPアドレスのうちから優先的に用いられる優先IPアドレスを選択して前記記憶部に記憶させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項10】
複数のネットワークのうちの通信対象ネットワークを選択し、該通信対象ネットワークに含まれている複数のデバイスのうちから通信対象として選択される通信先デバイスと通信することが可能な情報処理装置であって、
記憶手段に、過去に前記通信先デバイスとして選択されたことのあるデバイスのIPアドレスと、前記複数のデバイスの各々が属しているネットワークを識別する第1識別情報とを記憶する第1記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている複数のIPアドレスのうちから、前記通信先デバイスのIPアドレスである通信先IPアドレスを選択する操作を受け付けた場合に、前記通信先IPアドレスが識別する通信先デバイスへ、各種の処理を実行する旨の指示を送信する第1通信手段と、
を備え、
前記第1記憶手段は、
前記複数のネットワークのうちから前記通信対象ネットワークを識別する第2識別情報を取得し、
前記第2識別情報と一致する第1識別情報を有するIPアドレスを前記記憶手段に記憶されている複数のIPアドレスのうちから抽出し、
抽出したIPアドレスのうちから優先的に通信を実行する優先IPアドレスを選択して前記記憶手段に記憶させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
複数のネットワークのうちの通信対象ネットワークを選択し、該通信対象ネットワークに含まれている複数のデバイスのうちから通信対象として選択される通信先デバイスと通信することが可能な情報処理装置の制御方法であって、
記憶部に、過去に前記通信先デバイスとして選択されたことのあるデバイスのIPアドレスと、前記複数のデバイスの各々が属しているネットワークを識別する第1識別情報とを記憶させる第1記憶制御ステップと、
前記記憶部に記憶されている複数のIPアドレスのうちから、前記通信先デバイスのIPアドレスである通信先IPアドレスを選択する操作を操作部が受け付けた場合に、前記通信先IPアドレスが識別する通信先デバイスへ、各種の処理を実行する旨の指示を通信部に送信させる第1通信制御ステップと、
を備え、
前記第1記憶制御ステップは、
前記複数のネットワークのうちから前記通信対象ネットワークを識別する第2識別情報を取得し、
前記第2識別情報と一致する第1識別情報を有するIPアドレスを前記記憶部に記憶されている複数のIPアドレスのうちから抽出し、
抽出したIPアドレスのうちから優先的に通信を実行する優先IPアドレスを選択して前記記憶部に記憶させることを特徴とする情報処理装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−97769(P2013−97769A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243325(P2011−243325)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】