説明

情報処理プログラム、情報処理装置および方法

【課題】説明メッセージがあるオブジェクトを容易に把握することのできる、情報処理プログラム、情報処理装置および方法を提供する。
【解決手段】ゲーム装置は、第1LCD116および第2LCD118を含み、CPUは、ゲームプログラムおよびレイアウトデータに従って、これらのLCDにゲーム画面を表示する。第2LCD118の上にタッチパネルが設けられ、複数のオブジェクト942、943、944が表示される。ヘルプモードキー104をタッチすると、説明メッセージが準備されているオブジェクト(対象オブジェクト)942、943、944の近傍に「?」カーソル108が表示され、どれかの「?」カーソル108がタッチされると、その「?」カーソル108が示す対象オブジェクト942、943、944の詳細説明が、説明メッセージ110として、第1LCD116に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理プログラム、情報処理装置および方法に関し、特に、画面に表示しているキャラクタ、ボタン、アイコンなど(オブジェクト)の内容や機能などを説明するための説明メッセージを表示する、情報処理プログラム、情報処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置において、画面に表示されるボタンやアイコンの機能説明を表示させるものが知られている。たとえば、特許文献1には、機能説明アイコンを説明対象オブジェクトの上へドラッグ移動すると、その説明対象オブジェクトの機能説明文が表示されることが開示されている。また、特許文献2には、各ツールボタンがカーソルで指示された際に、該ツールボタンのヘルプ情報を設定された表示位置に表示させることが開示されている。
【特許文献1】特許第2803236号公報[G06F 3/14 3/02 3/14]
【特許文献2】特開平8‐115194号公報[G06F 3/14]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1および特許文献2では、説明文またはヘルプ情報を表示させることのできる対象オブジェクトがどれであるかを事前に認識することができなかった。より具体的に言うと、説明文またはヘルプ情報を表示させることのできる対象オブジェクトと、説明文またはヘルプ情報を表示させることのできない対象オブジェクトとが混在していた場合、特許文献1および特許文献2では、それぞれ個別に対象オブジェクトをカーソル等で指示するまで説明文またはヘルプ情報を表示できるか否かを確認することができなかった。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、情報処理プログラム、情報処理装置および方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、説明メッセージがあるオブジェクトを容易に把握することのできる、情報処理プログラム、情報処理装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、以下における補足説明等は、この発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を例示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、複数のオブジェクトをモニタの画面に表示し、少なくとも1つのオブジェクトの説明メッセージを記憶する記憶手段を有する情報処理装置のプロセサによって実行される情報処理プログラムであって、情報処理プログラムはプロセサを、入力手段から所定入力を受け付けたとき、オブジェクト毎に説明メッセージがあるかどうかを示す、有無表示を画面に表示する第1表示手段、入力手段から受け付けた入力がいずれかの有表示に関連する対象オブジェクトを指示したかどうかを判断する第1判断手段、および第1判断手段によっていずれかの有表示に関連する対象オブジェクトが指示されたと判断したとき、記憶手段から該当の説明メッセージを読み出して画面に表示する第2表示手段として機能させる、情報処理プログラムである。
【0008】
第1の発明では、第1表示手段は、オブジェクトをモニタの画面に表示している状態で、入力手段から所定入力を受け付けたとき、オブジェクト毎に説明メッセージがあるかどうかを示す、有無表示(presence/absence indication)を画面に表示する。第1判断手段は、オブジェクトおよび有無表示が画面に表示されている状態で、入力手段から受け付けた入力がいずれかの有表示に関連する対象オブジェクト(説明メッセージが記憶手段に記憶されているオブジェクト)を指示したかどうかを判断する。第1判断手段によっていずれかの有表示に関連する対象オブジェクトが指示されたと判断したとき、第2表示手段は、記憶手段から該当の説明メッセージを読み出して画面に表示する。
【0009】
第1の発明によれば、ユーザが入力手段によって所定入力を入力すれば、オブジェクト毎に説明メッセージの有無を表示するので、ユーザは、説明メッセージを表示可能なオブジェクトを容易に把握することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属し、第1表示手段は、記憶手段に説明メッセージが記憶されている対象オブジェクトを他のオブジェクトと違う態様で表示する異態様表示手段を含み、第1判断手段は入力が対象オブジェクトを指示したかどうか判断する、情報処理プログラムである。
【0011】
第2の発明では、第1表示手段は、対象オブジェクトと他のオブジェクトとを異なる表示態様、たとえば、対象オブジェクトだけをハイライト表示する表示態様、あるいは対象オブジェクト以外の他のオブジェクトをグレイアウトする表示態様などで表示する。
【0012】
第2の発明によれば、有無表示として対象オブジェクトと他のオブジェクトの表示態様を異ならせるので、説明メッセージを表示するための操作を視覚的に分かりやすく提示することができる。
【0013】
第3の発明は、第1の発明に従属し、第1表示手段は、記憶手段に説明メッセージが記憶されている対象オブジェクトに対してマークを表示するマーク表示手段を含み、第1判断手段は入力がマークを指示したかどうか判断する、情報処理プログラムである。
【0014】
第3の発明では、第1表示手段は、たとえば実施例で用いた「?」カーソルのようなマークを表示し、ユーザは対象オブジェクトの説明メッセージを表示したいときには、そのマークを指示するように入力する。
【0015】
第3の発明によれば、有無表示としてマークを表示するので、説明メッセージを表示するための操作を視覚的に分かりやすく提示することができる。
【0016】
第4の発明は、第3の発明に従属し、マーク表示手段は、マークを対応する対象オブジェクトの近傍に表示する、情報処理プログラムである。
【0017】
第4の発明によれば、マークと対象オブジェクトの対応関係を容易に把握することができる。
【0018】
第5の発明は、第3または第4の発明に従属し、プロセサを、さらに入力手段から受け付けた入力がいずれかのオブジェクトを指示したかどうかを判断する第3判断手段、および第3判断手段によっていずれかのオブジェクトが指示されたと判断したとき、当該オブジェクトに対する処理を実行する実行手段として機能させる、情報処理プログラムである。
【0019】
第5の発明では、入力手段によってマークを指示すれば、第2表示手段によって説明メッセージを表示するし、入力手段によってオブジェクトそのものを指示すれば、実行手段によって、そのオブジェクトに対する処理を実行する。
【0020】
第5の発明によれば、オブジェクトを指示する前にマークを指示することによって、事前にオブジェクトの内容や機能の説明メッセージを見ることができるので、オブジェクトに対して的確な指示が可能となる。
【0021】
第6の発明は、第1ないし第5の発明のいずれかに従属し、プロセサを、第1判断手段が入力手段から受け付けた入力がいずれかの有表示に関連する対象オブジェクトを指示したとえば判断したとき、少なくともその対象オブジェクトの表示態様を変化させる表示態様変化手段としてさらに機能させる、情報処理プログラムである。
【0022】
第6の発明では、表示態様変化手段は、たとえば対象オブジェクトをハイライト表示させるなどして、対象オブジェクトの表示態様を変化させる。
【0023】
第6の発明によれば、表示されている説明メッセージに対応する対象オブジェクトがどれであるかを容易に認識することができる。
【0024】
第7発明は、第1ないし第6の発明に従属し、プロセサを、第1表示手段によって有無表示が表示されている状態において、入力手段から所定入力があったか否かを判別する第2判断手段、および第2判断手段によって所定入力があったと判断したとき、有無表示を消去する有無表示消去手段としてさらに機能させる、情報処理プログラムである。
【0025】
第7の発明では、第2判断手段は、第1表示手段によって有無表示が表示されている状態において、入力手段から所定入力(たとえば閉じるキーの操作)があったか否かを判別し、第2判断手段によって所定入力があったと判断したとき、有無表示消去手段は、有無表示(マークや異表示態様)を消去する。
【0026】
第7の発明によれば、有無表示の表示/非表示をユーザが自由に選択することができる。
【0027】
第8の発明は、第1の発明に従属し、第1表示手段は、説明メッセージがある全てのオブジェクトに有表示を表示する、情報処理プログラムである。
【0028】
第8の発明によれば、説明メッセージを表示可能なオブジェクトとそうでないオブジェクトとを容易に区別することができる。
【0029】
第9の発明は、第1ないし第6の発明のいずれかに従属し、情報処理装置は、第1表示部と第2表示部を備え、対象オブジェクトは、第1表示部に表示されており、第1表示手段は、有無表示を前記第1表示部に表示し、第2表示手段は、説明メッセージを第2表示部に表示する、請求項1ないし8のいずれかに記載の情報処理プログラムである。
【0030】
第9の発明によれば、対象オブジェクトおよび有無表示を含む画面の表示を妨げることなく説明メッセージを表示することができる。
【0031】
第10の発明は、第1ないし第9のいずれかの発明に従属し、情報処理装置は、タッチパネルを備えており、入力手段はタッチパネルをタッチすることによって検出されるタッチ座標を検出するタッチ検出手段を含む、情報処理プログラムである。
【0032】
第10の発明によれば、直感的な操作を実現できる。
【0033】
第11の発明は、複数のオブジェクトをモニタの画面に表示する情報処理装置であって、少なくとも1つのオブジェクトの説明メッセージを記憶する記憶手段、入力手段から所定入力を受け付けたとき、オブジェクト毎に説明メッセージがあるかどうかを示す、有無表示を表示する第1表示手段、入力手段から受け付けた入力がいずれかの有表示に関連する対象オブジェクトを指示したかどうかを判断する判断手段、および判断手段によっていずれかの有表示に関連する対象オブジェクトが指示されたと判断したとき、記憶手段から該当の説明メッセージを読み出して画面に表示する第2表示手段を備える、情報処理装置である。
【0034】
第11の発明によれば、第1の発明と同様な効果が期待できる。
【0035】
第12の発明は、複数のオブジェクトをモニタの画面に表示し、少なくとも1つのオブジェクトの説明メッセージを記憶する記憶手段を有する情報処理装置における情報処理方法であって、入力手段から所定入力を受け付けたとき、オブジェクト毎に説明メッセージがあるかどうかを示す、有無表示を表示する第1表示ステップ、入力手段から受け付けた入力がいずれかの有表示に関連する対象オブジェクトを指示したかどうかを判断する判断ステップ、および判断ステップにおいて、いずれかの有表示に関連する対象オブジェクトが指示されたと判断したとき、記憶手段から該当の説明メッセージを読み出して画面に表示する第2表示ステップを含む、情報処理方法である。
【0036】
第12の発明によれば、第1の発明と同様な効果が期待できる。
【0037】
第13の発明は、複数のオブジェクトをモニタの画面に表示する情報処理システムであって、少なくとも1つのオブジェクトの説明メッセージを記憶する記憶手段、入力手段から所定入力を受け付けたとき、オブジェクト毎に説明メッセージがあるかどうかを示す、有無表示を表示する第1表示手段、入力手段から受け付けた入力がいずれかの有表示に関連する対象オブジェクトを指示したかどうかを判断する判断手段、および判断手段によっていずれかの有表示に関連する対象オブジェクトが指示されたと判断したとき、記憶手段から該当の説明メッセージを読み出して画面に表示する第2表示手段を備える、情報処理システムである。
【0038】
第13の発明によれば、第1の発明と同様な効果が期待できる。
【発明の効果】
【0039】
この発明によれば、ユーザの入力に応じてオブジェクト毎に説明メッセージの有無を表示するので、説明メッセージを表示可能なオブジェクトを容易に把握することができる。
【0040】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1はこの発明の一実施例であるゲーム装置の外観構成の一実施例を示す図解図である。
【図2】図2は図1に示すゲーム装置を折り畳んだ状態の上面図および左側面図を示す図解図である。
【図3】図3は図1および図2に示すゲーム装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図4】図4は図3に示すメインメモリのメモリマップを示す図解図である。
【図5】図5は実施例におけるゲーム画面の一例を示す図解図である。
【図6】図6は図5のゲーム画面からヘルプモードに移行したときの表示画面の一例を示す図解図である。
【図7】図7は図6のヘルプモードにおいて説明メッセージを表示した表示画面の一例を示す図解図である。
【図8】図8は実施例におけるゲーム処理動作の一例を示すフロー図である。
【図9】図9は実施例においてタッチ入力が検出されたと聞に実行されるヘルプモードなどの動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
図1を参照して、この発明の実施例のゲーム装置10は、上側ハウジング12および下側ハウジング14を含み、上側ハウジング12と下側ハウジング14とは、開閉可能(折り畳み可能)に連結されている。図1の例では、上側ハウジング12および下側ハウジング14は、それぞれ横長の長方形の板状に形成され、互いの長辺部分で回動可能に連結されている。つまり、この実施例のゲーム装置10は、折り畳み式の携帯型のゲーム装置であり、図1には、当該ゲーム装置10を開いた状態(開状態)で示してある。ゲーム装置10は、開いた状態においてもユーザが両手または片手で把持することができるようなサイズで構成される。
【0043】
通常、ユーザは、開状態でゲーム装置10を使用する。また、ユーザは、ゲーム装置10を使用しない場合には閉状態で保管する。ただし、ゲーム装置10は、上記閉状態および開状態のみでなく、上側ハウジング12と下側ハウジング14とのなす角度が閉状態と開状態との間の任意の角度において、連結部分に発生する摩擦力などによってその開閉角度を維持することができる。つまり、上側ハウジング12を下側ハウジング14に対して任意の角度で静止させることができる。
【0044】
なお、ゲーム装置10は、後述するカメラ(32,34)を搭載しており、当該カメラ(32,34)によって画像を撮像し、撮像した画像を画面に表示したり、撮像した画像のデータを保存したりする撮像装置としても機能する。
【0045】
図1に示すように、上側ハウジング12には第1LCD16が設けられ、下側ハウジング14には第2LCD18が設けられる。第1LCD16および第2LCD18は、横長形状であり、それぞれの長辺方向が上側ハウジング12および下側ハウジング14の長辺方向と一致するように配置される。たとえば、第1LCD16および第2LCD18の解像度は、256(横)×192(縦)画素(ドット)に設定される。ただし、両方のLCDのサイズは同じでなくてもよく、縦および/または横の寸法が互いに違ってもよい。
【0046】
なお、この実施例では、表示器としてLCDを用いるようにしてあるが、LCDに代えて、EL(Electronic Luminescence)ディスプレイやプラズマディスプレイを用いるようにしてもよい。また、ゲーム装置10は、任意の解像度の表示装置を利用することができる。
【0047】
図1および図2に示すように、下側ハウジング14には、入力装置として、各操作ボタン20a‐20kが設けられる。この各操作ボタン20a‐20kのうち、方向入力ボタン20a、操作ボタン20b、操作ボタン20c、操作ボタン20d、操作ボタン20e、電源ボタン20f、スタートボタン20g、およびセレクトボタン20hは、下側ハウジング14の第2LCD18が設けられる側の面(内側の面)に配置される。具体的には、方向入力ボタン20aおよび電源ボタン20fは、第2LCD18の左側に配置され、操作ボタン20b‐20e,20gおよび20hは、第2LCD18の右側に配置される。また、上側ハウジング12と下側ハウジング14とを折り畳んだときには、操作ボタン20a‐20hはゲーム装置10の内部に収められる。
【0048】
方向入力ボタン(十字キー)20aは、ディジタルジョイスティックとして機能し、プレイヤオブジェクトの移動方向を指示したり、カーソルを移動させたりするなどに用いられる。各操作ボタン20b‐20eは、プッシュボタンであり、たとえば、プレイヤオブジェクトに任意の動作をさせたり、決定やキャンセルを実行したりする等に用いられる。電源ボタン20fは、プッシュボタンであり、ゲーム装置10の主電源をオン/オフするために用いられる。スタートボタン20gは、プッシュボタンであり、ゲームを中断(ポーズ)したり、開始(再開)したりするために用いられる。セレクトボタン20hは、プッシュボタンであり、ゲームモードやメニューの選択等に用いられる。
【0049】
図1においては、操作ボタン20i‐20kを省略したが、図2(A)に示すように、操作ボタン(Lボタン)20iは、下側ハウジング14の上側面の左端部に設けられ、操作ボタン(Rボタン)20jは、下側ハウジング14の上側面の右端部に設けられる。また、図2(B)に示すように、音量ボタン20kは、下側ハウジング14の左側面に設けられる。
【0050】
なお、図2(A)は、ゲーム装置10を折り畳んだ状態で、上面(上ハウジング12)側から見た図であり、図2(B)は、同じくゲーム装置10を折り畳んだ状態で、左側面から見た図である。
【0051】
Lボタン20iおよびRボタン20jは、プッシュボタンであり、操作ボタン20b‐20eと同様の操作に用いたり、それらの操作ボタン20b‐20eの補助的な操作に用いたりすることができる。また、この実施例では、Lボタン20iおよびRボタン20jは、撮影指示の操作(シャッター操作)を行うために用いることもできる。音量ボタン20kは、2つのプッシュボタンを用いて構成され、図示しない2つのスピーカ(右スピーカおよび左スピーカ)から出力される音の大きさを調整するために用いられる。この実施例では、音量ボタン20kには、2つの押圧部を含む操作部が設けられ、各押圧部に対応して上記のプッシュボタンが設けられる。したがって、一方の押圧部を押すと音量が大きくされ、他方の押圧部を押すと音量が小さくされる。たとえば、押圧部を押し続けると、音量が次第に大きくされたり、次第に小さくされたりする。
【0052】
図1に戻って、ゲーム装置10は、操作ボタン20a‐20kとは別の入力装置として、さらにタッチパネル22を備えている。タッチパネル22は、第2LCD18の画面上を覆うように装着されている。この実施例では、タッチパネル22は、たとえば抵抗膜方式のタッチパネルが用いられる。ただし、タッチパネル22は、抵抗膜方式に限らず、任意の静電容量式などのタッチパネルを用いることができる。また、この実施例では、タッチパネル22として、たとえば第2LCD18の解像度と同解像度(検出精度)のものを利用する。ただし、必ずしもタッチパネル22の解像度と第2LCD18の解像度とが一致している必要はない。
【0053】
また、下側ハウジング14の右側面には、挿入口(図1に示す破線)が設けられている。挿入口は、タッチパネル22に対する操作を行うために用いられるタッチペン24を収納することができる。通常、タッチパネル22に対する入力は、タッチペン24を用いて行われるが、タッチペン24に限らずユーザの指でタッチパネル22を操作することも可能である。したがって、たとえば、タッチペン24を用いない場合には、タッチペン24の挿入口および収納部を設ける必要はない。
【0054】
また、下側ハウジング14の右側面には、メモリカード26を収納するための挿入口(図1では、二点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側には、ゲーム装置10とメモリカード26とを電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。メモリカード26は、たとえばSDカードであり、コネクタに着脱自在に装着される。このメモリカード26は、たとえば、ゲーム装置10によって撮像された画像を記憶(保存)したり、他の装置で生成(撮像)ないし記憶された画像をゲーム装置10に読み込んだりするために用いられる。
【0055】
さらに、下側ハウジング14の上側面には、メモリカード28を収納するための挿入口(図1では、一点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側にも、ゲーム装置10とメモリカード28とを電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。メモリカード28は、ゲーム処理などの情報処理プログラムおよび必要なデータなどを記録した記録媒体であり、下側ハウジング14に設けられた挿入口に着脱自在に装着される。
【0056】
また、上側ハウジング12と下側ハウジング14との連結部(ヒンジ)の左端部分には、インジケータ30が設けられる。このインジケータ30は、3つのLED30a,30b,30cによって構成される。ここで、ゲーム装置10は、他の機器との間で無線通信を行うことが可能であり、第1LED30aは、無線通信が確立している場合に点灯する。第2LED30bは、ゲーム装置10の充電中に点灯する。第3LED30cは、ゲーム装置10の主電源がオンである場合に点灯する。したがって、インジケータ30(LED30a‐30c)によって、ゲーム装置10の通信確立状況、充電状況、および主電源のオン/オフ状況をユーザに通知することができる。
【0057】
図示は省略するが、ヒンジの内部には、ゲーム装置10の開閉に応じて切り替えられるスイッチ(開閉スイッチ42:図3参照)が設けられる。たとえば、ゲーム装置10を開いている状態では、開閉スイッチ42はオンされる。一方、ゲーム装置10を閉じている(折り畳んでいる)状態では、開閉スイッチ42はオフされる。ただし、ゲーム装置10が開いている状態であるか閉じている状態であるかが分かればよいため、開閉スイッチ42のオンとオフとは逆であっても構わない。
【0058】
上述したように、上側ハウジング12には、第1LCD16が設けられる。この実施例では、第2LCD18を覆うように、タッチパネル22を設けているが、第1LCD16を覆うように、タッチパネル22を設けてもよい。または、第1LCD16および第2LCD18のそれぞれを覆うように、2つのタッチパネル22を設けるようにしてもよい。
【0059】
また、上側ハウジング12には、2つのカメラ(内側カメラ32および外側カメラ34)が設けられる。図1に示すように、内側カメラ32は、上側ハウジング12と下側ハウジング14との連結部付近であり、第1LCD16が設けられる側の面に、この第1LCD16の表示面とその撮影面とが平行または面一になるように取り付けられる。一方、外側カメラ34は、図2(A)に示すように、内側カメラ32が取り付けられる面とは反対側の面、すなわち、上側ハウジング12の外側の面(ゲーム装置10が閉状態となった場合に外側となる面であり、図1に示す上側ハウジング12の背面)に取り付けられる。ただし、図1においては、外側カメラ34を破線で示してある。
【0060】
なお、上記連結部付近の内側の面には、音声入力装置としてマイク84(図3参照)が収納されている。そして、上記連結部付近の内側の面には、マイク84がゲーム装置10外部の音を検知できるように、そのマイク84用の孔36が形成される。マイク84を収納する位置およびマイク84用の孔36の位置は必ずしも上記連結部である必要はなく、たとえば下側ハウジング14にマイク84を収納し、マイク84の収納位置に対応させて下側ハウジング14にマイク84用の孔36を設けるようにしてもよい。
【0061】
また、上側ハウジング12の外側の面には、外側カメラ34の近傍に第4LED38(図1では、破線で示す)が取り付けられる。第4LED38は、内側カメラ32または外側カメラ34によって撮影が行われた(シャッターボタンが押下された)時点で点灯する。また、内側カメラ32または外側カメラ34によって動画が撮影される場合には、第4LED38は、撮影の間点灯し続ける。つまり、第4LED38を点灯することによって、ゲーム装置10による撮影が行われた(行われている)ことを撮影対象者や周囲に通知することができる。
【0062】
また、上側ハウジング12には、第1LCD16の両側に、音抜き孔40が形成される。この音抜き孔40に対応する位置であり、上側ハウジング12の内部には、上述したスピーカが収納されている。音抜き孔40は、スピーカからの音をゲーム装置10の外部に放出するための孔である。
【0063】
図3は、この実施例のゲーム装置10の電気的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、ゲーム装置10は、CPU50、メインメモリ52、メモリ制御回路54、保存用データメモリ56、プリセットデータ用メモリ58、メモリカードインターフェース(メモリカードI/F)60、メモリカードI/F62、無線通信モジュール64、ローカル通信モジュール66、マイコン68、電源回路70、インターフェース回路(I/F回路)72、第1GPU(Graphics Processing Unit)74、第2GPU76、第1VRAM(Video RAM)78、第2VRAM80、およびLCDコントローラ82等の電子部品を備えている。これらの電子部品(回路コンポーネント)は、電子回路基板上に実装されて、下側ハウジング14(または上側ハウジング12でもよい)内に収納される。
【0064】
CPU50は、所定のプログラムを実行するための、ゲーム処理手段ないし情報処理手段である。この実施例では、所定のプログラムは、ゲーム装置10内のメモリ(たとえば保存用データメモリ56)やメモリカード26および/または28に記憶されており、CPU50は、当該所定のプログラムを実行することによって、後述する情報処理を実行する。
【0065】
なお、CPU50によって実行されるプログラムは、ゲーム装置10内のメモリに予め記憶していてもよいし、メモリカード26および/または28から取得してもよいし、他の機器と通信することによって当該他の機器から取得してもよい。
【0066】
CPU50には、メインメモリ52、メモリ制御回路54、およびプリセットデータ用メモリ58が接続される。また、メモリ制御回路54には、保存用データメモリ56が接続される。メインメモリ52は、CPU50のワーク領域やバッファ領域として用いられる記憶手段である。すなわち、メインメモリ52は、上記ゲーム処理手段ないし情報処理に用いられる各種データを記憶(一時記憶)したり、外部(メモリカード26および28や他の機器等)から取得されるプログラムを記憶したりする。この実施例では、メインメモリ52として、たとえばPSRAM(Pseudo-SRAM)を用いる。保存用データメモリ56は、CPU50によって実行されるプログラムや内側カメラ32および外側カメラ34によって撮像された画像のデータ等を記憶(保存)するための記憶手段である。この保存用データメモリ56は、不揮発性の記憶媒体によって構成されており、たとえば、NAND型フラッシュメモリを用いることができる。メモリ制御回路54は、CPU50の指示に従って、保存用データメモリ56に対するデータの読み出しおよび書き込みを制御する。プリセットデータ用メモリ58は、ゲーム装置10において予め設定される各種パラメータ等のデータ(プリセットデータ)を記憶するための記憶手段である。プリセットデータ用メモリ58としては、SPI(Serial Peripheral Interface)バスによってCPU50と接続されるフラッシュメモリを用いることができる。
【0067】
メモリカードI/F60および62は、それぞれCPU50に接続される。メモリカードI/F60は、コネクタに装着されたメモリカード26に対するデータの読み出しおよび書き込みを、CPU50の指示に応じて行う。また、メモリカードI/F62は、コネクタに装着されたメモリカード28に対するデータの読み出しおよび書き込みを、CPU50の指示に応じて行う。この実施例では、内側カメラ32および外側カメラ34によって撮像された画像に対応する画像データや他の装置から受信された画像データがメモリカード26に書き込まれたり、メモリカード26に記憶された画像データがメモリカード26から読み出されて保存用データメモリ56に記憶されたり、他の装置へ送信されたりする。また、メモリカード28に記憶された各種プログラムが、CPU50によって読み出されて実行されたりする。
【0068】
なお、ゲームプログラムなどの情報処理プログラムは、メモリカード28等の外部記憶媒体を通じてゲーム装置10に供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じてゲーム装置10に供給されてもよい。また、情報処理プログラムは、ゲーム装置10内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。さらに、情報処理プログラムを記憶する情報記憶媒体としては、上記不揮発性記憶装置に限らず、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記憶媒体でもよい。
【0069】
無線通信モジュール64は、たとえばIEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。また、ローカル通信モジュール66は、所定の通信方式により同種のゲーム装置との間で無線通信を行う機能を有する。無線通信モジュール64およびローカル通信モジュール66は、CPU50に接続される。CPU50は、無線通信モジュール64を用いてインターネットを介して他の機器との間でデータを送受信したり、ローカル通信モジュール66を用いて同種の他のゲーム装置との間でデータを送受信したりすることができる。
【0070】
また、CPU50には、マイコン68が接続される。マイコン68は、メモリ68aおよびRTC68bを含む。メモリ68aは、たとえばRAMであり、マイコン68による制御のためのプログラムやデータが記憶される。RTC68bは、時間をカウントする。マイコン68では、RTC68bによって計時された時間に基づいて、日付および現在時刻等を計算することもできる。
【0071】
マイコン68には、電源スイッチ20f、開閉スイッチ42、電源回路70、および加速度センサ88が接続される。電源スイッチ20fからは、オンの信号がマイコン68に与えられる。ゲーム装置10の主電源がオフされている状態で、電源スイッチ20fがオンされると、マイコン68のBootROMとしても機能するメモリ68aが起動され、後述するように、ゲーム装置10の開閉状態に応じて電源制御が行なわれる。一方、ゲーム装置10の主電源がオンされている状態で、電源スイッチ20fがオンされると、マイコン68は電源回路70に全回路コンポーネント(マイコン68を除く)への電力供給の停止を指示する。ここで、電源回路70は、ゲーム装置10が有する電源(典型的には電池であり、下側ハウジング14に収納される)から供給される電力を制御し、ゲーム装置10の各回路コンポーネントに電力を供給する。
【0072】
また、開閉スイッチ42からは、オンまたはオフの信号がマイコン68に与えられる。開閉スイッチ42がオンされている状態(ゲーム装置10本体が開かれている状態)で、ゲーム装置10の主電源がオンされている場合には、マイコン68の制御の下、電源回路70からゲーム装置10の全回路コンポーネントに電力を供給するモード(以下、「通常モード」という)が設定される。通常モードでは、ゲーム装置10は任意のアプリケーションを実行可能であり、ユーザないしプレイヤ(以下、単に「プレイヤ」という)が使用している状態(使用状態)である。
【0073】
また、ゲーム装置10の主電源がオンされている状態で、開閉スイッチ42がオフされている場合(ゲーム装置10本体が閉じられている状態)には、電源回路70からゲーム装置10の一部のコンポーネントに電力を供給するモード(以下、「スリープモード」という)が設定される。スリープモードでは、ゲーム装置10は任意のアプリケーションを実行不能であり、プレイヤは使用していない状態(不使用状態)である。この実施例では、一部のコンポーネントは、CPU50、無線通信モジュール64およびマイコン68である。ただし、スリープモード(スリープ状態)では、CPU50は、基本的にクロックを停止した状態(不能化された状態)であるため、ほとんど電力を消費しない。また、スリープモードでは、CPU50への電力の供給を停止しても良い。したがって、上述したように、この実施例では、スリープモードにおいては、CPU50によって、アプリケーションが実行されることはない。
【0074】
さらに、ゲーム装置10が開かれるなどして、スリープ状態が解除(非スリープ状態)にされると、開閉スイッチ42からオフの信号がマイコン68に入力される。したがって、マイコン68は、CPU50を起動して、CPU50にスリープの解除を通知する。これに応じて、CPU50は、マイコン68にスリープの解除を指示する。つまり、CPU50の指示の下、マイコン68は、電源回路70を制御して、全回路コンポーネントへの電源の供給を開始する。したがって、ゲーム装置10は、通常モードへ移行し、使用状態になる。
【0075】
また、上述したように、マイコン68には、加速度センサ88が接続される。たとえば、加速度センサ88は、3軸の加速度センサであり、下側ハウジング14(上側ハウジング12でもよい)の内部に設けられる。ゲーム装置10の第1LCD16(第2LCD18)の面に対して垂直な方向の加速度、および第1LCD16(第2LCD18)の面に対して平行であり、互いに直交する2方向(縦方向および横方向)の加速度を検出する。加速度センサ88は、検出した加速度についての信号(加速度信号)をマイコン68に出力する。マイコン68は、加速度信号に基づいて、ゲーム装置10の向きを検出したり、ゲーム装置10の振動の大きさを検出したりすることができる。したがって、たとえば、マイコン68および加速度センサ88を歩数計として機能させることができる。加速度センサ88を用いた歩数計は既に周知であるため、その詳細な内容については省略するが、加速度の大きさに応じて歩数が測定される。
【0076】
また、ゲーム装置10は、マイク84およびアンプ86を備えている。マイク84およびアンプ86は、それぞれI/F回路72に接続される。マイク84は、ゲーム装置10に向かって発声ないし発生されたユーザの音声ないし音(拍手や手拍子など)を検知して、当該音声ないし音を示す音声信号をI/F回路72に出力する。アンプ86は、I/F回路72から与えられる音声信号を増幅してスピーカ(図示せず)に与える。I/F回路72は、CPU50に接続される。
【0077】
また、タッチパネル22は、I/F回路72に接続される。I/F回路72は、マイク84およびアンプ86(スピーカ)の制御を行う音声制御回路と、タッチパネル22の制御を行うタッチパネル制御回路とを含む。音声制御回路は、音声信号に対するA/D変換およびD/A変換を行ったり、音声信号を所定の形式の音声データに変換したりする。タッチパネル制御回路は、タッチパネル22からの信号に基づいて所定の形式のタッチ位置データを生成してCPU50に出力する。たとえば、タッチ位置データは、タッチパネル22の入力面に対して入力が行われた位置の座標を示すデータである。
【0078】
なお、タッチパネル制御回路は、タッチパネル22からの信号の読み込み、および、タッチ位置データの生成を所定時間に1回の割合で行う。CPU50は、I/F回路72を介して、タッチ位置データを取得することにより、タッチパネル22に対して入力が行われた位置を知ることができる。
【0079】
操作ボタン20は、上記の各操作ボタン20a‐20k(電源スイッチ20fを除く。以下、同じ。)によって構成され、CPU50に接続される。操作ボタン20からCPU50へは、各操作ボタン20a‐20kに対する入力状況(押下されたか否か)を示す操作データが出力される。CPU50は、操作ボタン20からの操作データを取得し、取得した操作データに応じた処理を実行する。
【0080】
内側カメラ32および外側カメラ34は、それぞれCPU50に接続される。内側カメラ32および外側カメラ34は、CPU50の指示に応じて画像を撮像し、撮像した画像に対応する画像データをCPU50に出力する。この実施例では、CPU50は、内側カメラ32および外側カメラ34のいずれか一方に対して撮像指示を行い、撮像指示を受けたカメラ(32,34)が画像を撮像して画像データをCPU50に送る。
【0081】
第1GPU74には、第1VRAM78が接続され、第2GPU76には、第2VRAM80が接続される。第1GPU74は、CPU50からの指示に応じて、メインメモリ52に記憶されている表示画像を生成するためのデータに基づいて第1の表示画像を生成し、第1VRAM78に描画する。第2GPU76は、同様にCPU50からの指示に応じて第2の表示画像を生成し、第2VRAM80に描画する。第1VRAM78および第2VRAM80は、LCDコントローラ82に接続されている。
【0082】
LCDコントローラ82は、レジスタ82aを含む。レジスタ82aは、CPU50からの指示に応じて、「0」または「1」の値を記憶する。LCDコントローラ82は、レジスタ82aの値が「0」である場合には、第1VRAM78に描画された第1の表示画像を第2LCD18に出力し、第2VRAM80に描画された第2の表示画像を第1LCD16に出力する。また、レジスタ82aの値が「1」である場合には、第1VRAM78に描画された第1の表示画像を第1LCD16に出力し、第2VRAM80に描画された第2の表示画像を第2LCD18に出力する。
【0083】
図4にはメインメモリ52のメモリマップが図示されている。メインメモリ52は、プログラム領域90とデータ領域92を含む。プログラム領域90は、ゲームプログラムを記憶したゲームプログラム領域901、ヘルプモードプログラムを記憶したヘルプモードプログラム領域901およびタッチ検出プログラムを記憶したタッチ検出プログラム領域903などを含む。ゲームプログラムは、後述のレイアウトデータを使って、プレイヤオブジェクトやその他のオブジェクトの画像を含むゲーム画面を表示し、ユーザまたはプレイヤの操作入力に従って、プレイヤオブジェクトの動作を制御するプログラムである。ヘルプモードプログラムは、ヘルプモード(後述)において、どのレイアウトデータを使ってどの説明メッセージを表示するかを決めるプログラムである。このヘルプモードプログラムは、オブジェクトと説明メッセージの関連付けを判断するプログラムでもあり、後述するオブジェクトと説明メッセージの対応関係を示す識別データに基づいて、オブジェクト毎に説明メッセージの有無およびどの説明メッセージが対応するかが判断される。タッチ検出プログラムは、前述のタッチパネル制御回路を制御してタッチパネル22上でのタッチ位置座標を取り込むためのプログラムであり、前述のとおり、タイマインタラプト(時間割込み)プログラムとして構成されている。
【0084】
なお、ゲーム画面は通常複数のシーン画面によって構成されているので、ゲームプログラムやヘルプモードプログラムなどにおいては、シーン毎にプログラムを設定している。図4において「(1‐N)」の表記は、該当のプログラムやデータがシーン毎に設定されていることを示している。
【0085】
データ領域92は、レイアウトデータを記憶するためのレイアウトデータ領域921、メッセージデータを記憶するためのメッセージデータ領域922および一時記憶領域923などを含む。レイアウトデータもメッセージデータも上述のようにシーン毎に設定されている。
【0086】
レイアウトデータは、各シーン画面に表示するオブジェクト、アイコンなどの画像(以下、すべての画面表示物をまとめて「オブジェクト」ということがある。)の画像データと、それらの画像をどの位置に表示するかを示す位置データとを含む。メッセージデータは、ヘルプモードで説明メッセージとして表示するためのテキストデータである。ただし、説明メッセージは、テキストだけでなく、画像を含んでいてもよい。その場合には、このメッセージデータの中に、テキストデータだけでなく、メッセージ用の画像の画像データが設定されることがある。または、説明メッセージは、画像のみでもよい。メッセージデータにはさらに、そのような説明メッセージを画面中のどこに表示するのかを示す位置データが含まれる。また、レイアウトデータとメッセージデータのいずれかまたは両方には、各画像(オブジェクト)と説明メッセージの対応関係を示すような識別データ(ラベル番号など)が含まれる。なお、説明メッセージを画面中のどこに表示するのかを示す位置データは、レイアウトデータに含めてもよい。
【0087】
なお、各シーンで共通に使える画像データは、共通レイアウトデータとしてまとめて記憶することもできるし、共通画像データであってもシーン毎のレイアウトデータとして設定しておくこともできる。
【0088】
一時記憶領域923には、上述のタッチ検出プログラム903で検出されたタッチ位置を表すタッチ座標のデータなどが一時的に記憶されるだけでなく、フラグデータ、たとえばヘルプモードフラグなどを記憶するためのフラグ領域、カウンタとして利用されるカウンタ領域、さらにはレジスタとして利用されるレジスタ領域などを含む。カウンタとしては、時間経過を計測するタイマカウンタなどある。
【0089】
この実施例では、図5‐図7で示す手順でヘルプモードを設定し、そのヘルプモードにおいて、ゲーム画面中に表示されている1つまたは2以上のオブジェクトのどれかまたは全部の内容や機能などを説明する、説明メッセージを表示する。
【0090】
図5に示すように、第1LCD16および第2LCD18に、たとえば、この携帯ゲーム装置10で実行可能なゲームの1つのシーンのゲーム画面が表示される。第2LCD18のゲーム画面には、複数のオブジェクト941、942、943、…が含まれる。図5において、第2LCD18にはさらに、下辺に沿って2つのソフトキー100および102が配置される。ソフトキー100は、直前のページまたは直前の操作状態に戻るための戻るキーである。下辺左端には、「×」(バツ記号)が表示された閉じるキー102が設定される。この閉じるキー102は、ヘルプモードを終わらせて(閉じて)通常のゲーム画面に戻ることを指示するためのキーである。第2LCD18の右上角には、丸に囲まれた「?」が表示されているソフトキー104が表示される。このソフトキー104は、第2LCD18上に表示されているオブジェクト941、942、943、…についてその内容や機能を説明する「ヘルプモード」へ移行することを指示するためのヘルプモードキーである。
【0091】
なお、これらのソフトキー100‐104の画像データや表示位置もレイアウトデータとして、シーン毎に設定されている。
【0092】
図5のゲーム画面の表示状態において、ヘルプモードキー104がタッチされたとすると、次には、図6に示すヘルプモードでの画面が第1および第2LCD16および18に表示される。
【0093】
図6に示す表示例では、第1LCD16には、ヘルプモードへ入ったことをユーザに知らせるとともに、ヘルプモードにおける操作方法の説明メッセージを表示する表示画面106が、図5で表示していたゲームの1シーンのゲーム画面の画像の上に、重畳して表示される。具体的な説明メッセージとしては、「ここでは、各ボタンや表記の機能説明を行います。」や「下画面の各ボタン(?)を押してください。」である。ただし、(?)は?マークのついた吹き出しの図形を意味していて、ここでは「?カーソル」と呼ぶ。「?」カーソル108は、下画面つまり第1表示部すなわち第2LCD18上において対象オブジェクトの近傍に表示されるもので、その「?」カーソル108が示すオブジェクトについて説明メッセージが表示できることをユーザに教えるためのものである。つまり、「?」カーソル108は、ヘルプモードにおいて、どのオブジェクトの説明メッセージを表示できるかをユーザに示す手段として機能する。換言すれば、「?」カーソル108は、オブジェクト毎に説明メッセージが準備されているかどうかを示す、有無表示として機能し、「?」カーソル108が表示されていることがすなわち「有表示」を意味する。このように、説明メッセージの有無表示を「?」カーソル108のようなマークとしてオブジェクト毎に表示すれば、説明メッセージを表示するための操作を視覚的に分かりやすく提示することができる。「?」カーソル108のようなマークを対象オブジェクトの近傍に表示することによって、マークとオブジェクトの対応関係を容易に把握することができる。一方、説明メッセージが準備されていない(メッセージデータが記憶されていない)オブジェクトに対しては、「?」カーソル108のようなマークは表示されない。
【0094】
そして、ヘルプモードにおいて「?」カーソル108がタッチされると、タッチされた「?」カーソル108が示すオブジェクトの詳細説明が説明メッセージとして、上画面つまり第2表示部すなわち第1LCD16に表示される(図7)。つまり、「?」カーソル108を指定することによって、結果的に、その「?」カーソル108が関連するオブジェクトを選択または指定することになる。
【0095】
ヘルプモードに入った当初の状態を示す図6の表示例では、「?」カーソル108を含んで第2LCD18を全体にグレイアウト(グレイパネルを重ねて全体を薄く表示させること)する。そして、この図6に示すヘルプモードでは、第2LCD18に表示されるヘルプモードキー104の色が、図5での色から変化される。図5ではヘルプモードキー104は青色で表示されたが、ヘルプモードでは、黄色で表示される。このように、ヘルプモードキー104の色を変化させたり、グレイアウトしたりするのは、ヘルプモードに入ったことをユーザにはっきり分からせるためである。
【0096】
図6のヘルプモードにおいて、どれかの「?」カーソル108をタッチすると、図7の表示に移る。
【0097】
図7の表示例では、ヘルプモードにおいて、ユーザが第2LCD18に表示されている3つのオブジェクト941、942、943のうち、1つのオブジェクト942を示す「?」カーソル108をタッチしたときの表示例である。つまり、ユーザは、オブジェクト942についての詳細を知りたいので、このオブジェクト942に付属の「?」カーソル108をタッチした状態である。この状態では、該当するオブジェクト942とそれに付属する「?」カーソル108がハイライト表示され、他はグレイアウトされたままである。このような表示の変化によって、現在どのオブジェクトの説明メッセージを表示しているのかを、ユーザが容易に知ることができる。そしてオブジェクト942についての詳細説明(説明メッセージ)110が第1LCD16に表示される。
【0098】
このようなヘルプモードの動作について、図8および図9に示すフロー図とともに、詳細に説明する。
【0099】
図8はゲームプログラムを実行することによって行なわれるゲーム処理を示すフロー図であり、最初のステップS101において、CPU50は、操作ボタン20に含まれるスタートボタン20gが操作されたかどうか判断し、“YES”なら、次のステップS103において、所定のシーン番号iを設定し、そのシーン番号iを一時記憶領域523(図4)のシーン番号レジスタ(図示せず)にロードする。なお、スタートボタン20gを押した直後でも最初のシーン番号iは必ずしも「1」ではない。先にプレイした続きをプレイするコンティニュの場合などでは、先のシーンの続きのシーン番号が設定される。また、ゲームプログラムによっては、必ずしもシーン1からスタートしないこともある。
【0100】
続いて、次のステップS105において、CPU50は、メモリ48に設定されているシーンNのゲームプログラムを実行し、シーンNのレイアウトデータに従って、たとえば図5に示したような、複数のオブジェクト(全ての種類の画面表示物を包含する意味)を第1LCD16および第2LCD18に表示する。ただし、そのようなゲーム画面表示は既によく知られたところであり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0101】
続くステップS107で、CPU50は、操作ボタン20やタッチパネル22などからの操作入力を検出する。そして、次のステップS109で、そのときの操作入力がゲームの終了を指示するものかどうか判断する。“YES”を判断したとき、たとえば、電源ボタン20fが操作されたとき、または終了を指示するソフトキー(図示せず)がタッチされたときなど、そのままゲームプログラムを終了する。
【0102】
ステップS109で“NO”を判断したとき、ステップS111において、CPU50は、ステップS107で検出した操作入力に応じたゲーム処理を実行する。たとえば、方向入力ボタン20aが操作されたのであれば、方向入力ボタン20aで指示された方向にオブジェクト(プレイヤキャラクタやカーソルなど)を移動させる。また、Aボタン20bが押されたのであれば、プレイヤキャラクタに所定の動作を実行させる。ただし、ステップS111の動作はすでによく知られたところであり、詳しい説明は省略する。
【0103】
次のステップS113で、ゲームが終了かどうか、つまりゲームクリアまたはステージクリアかどうか判断する。“NO”なら、ステップS115でシーン番号iを更新して、先のステップS105へ戻る。
【0104】
図9は、タッチ検出プログラム503(図4)を実行することによってタッチパネル22へのタッチ入力が検出されたとき実行される、ヘルプモードなどの動作を示すフロー図である。このタッチ検出プログラムは、前述のように、一定時間毎に繰り返し実行されるもので、タッチパネル22にタッチ入力があったかどうか、タッチ入力あった場合そのタッチ位置を示すタッチ座標を検出する。
【0105】
タッチ入力が検出されると、図9の最初のステップS1において、CPU50は、そのときヘルプモードが既にオンされているかどうか、つまり、そのときヘルプモードなのかどうか判断する。ヘルプモードかどうかは、一時記憶領域523(図4)に設定されているヘルプモードフラグ(図示せず)をチッェクすることによって判断できる。つまり、既にヘルプモードに入っているときには、このヘルプモードフラグが「1」にセットされているが、そうでない通常のゲームモードの場合にはヘルプモードフラグには「0」が書き込まれている。
【0106】
最初は、ヘルプモードには未だ移行していないので、ステップS1で“NO”が判断される。そのため、CPU50は次のステップS3において、タッチ検出プログラムを実行するタッチ検出ルーチンで検出したタッチ位置が、図5に示すヘルプモードキー104の位置であるかどうか判断する。タッチ検出ルーチンでは、タッチ位置を示すタッチ座標が検出され、そのタッチ座標は、一時記憶領域523(図4)に一時的に記憶されている。一方、ヘルプモードキー104は前述のように、レイアウトデータに従って第2LCD18に表示され、レイアウトデータは前述のようにこのヘルプモードキー104の画像データとそれの配置位置のデータを含む。したがって、ステップS3では、そのタッチ座標と、ヘルプモードキー104の表示領域(配置位置)を比較することによって、容易に判断できる。
【0107】
ステップS3で“NO”が判断されたときには、ステップS5で、そのときのタッチ位置が、他のオブジェクトを指示しているかどうか判断する。このステップS5でもまた、CPU50は、レイアウトデータに含まれる配置位置のデータとタッチ座標とに基づいて判断動作を行なう。ステップS5で“NO”が判断されたときには、ゲーム処理に関係ないので、そのまま、リターンする。
【0108】
ステップS5で“YES”が判断されたときには、ステップS7においてCPU50は、さらに、タッチ位置が戻るボタン100(図5)を指示しているかどうか判断する。ステップS7で“YES”が判断されたとき、そのままリターンする。なお、ステップS7で“YES”が判断されたときは、現在表示されているシーンを抜ける処理を行った後、リターンしてもよい。
【0109】
ステップS7において“NO”が判断されるということは、そのときのタッチ位置が第2LCD18上に表示されているオブジェクトのどれかを指していることを意味するので、その場合には、ステップS9で、そのオブジェクトに対して適宜の処理を実行する。たとえば、通常のゲームモードにおいて、当該オブジェクトをジャンプさせたり、当該オブジェクトを拡大/縮小して表示したりする、などの処理である。
【0110】
先のステップS3において“YES”が判断されたとき、すなわち、そのときのタッチ座標がヘルプモードキー104を示していると判断されたとき、CPU50は、続くステップS11において、ヘルプモードフラグ(図示せず)をオンする(「1」を書き込む)。
【0111】
ヘルプモードに移行すると、CPU50は、それ以降、該当するシーン番号iのヘルプモードプログラムに従って、処理を実行する。
【0112】
続いて、CPU50は、ステップS13‐S19を順次実行するのであるが、ステップS13、S15、S17およびS19の順番は変更されてもよい。つまり、ステップS13、S15、S17およびS19は任意の順序で実行可能であるが、以下の説明は、図9で図示した順番に従う。
【0113】
ステップS13では、ヘルプモードキー104の表示態様を変化させる。図6の表示例では、表示態様の一例である「色」を青から黄に変化させた。しかしながら、ヘルプモードキー104の形状やサイズ(大きさ)などを、色とは別に、あるいは色と一緒に変化させるようにしてもよい。ステップS13でヘルプモードキー104の表示態様をこのように変化させるのは、ユーザまたはプレイヤに対してヘルプモードに入ったことをはっきり知らせるためである。
【0114】
ステップS15では、対象オブジェクト(第2LCD18に表示されているオブジェクトであって、かつ、説明メッセージが準備されているオブジェクトのこと。)のそれぞれに対応する「?」カーソル108のレイアウトデータ、すなわち、画像データとそれらの配置位置情報を読み出す。そして、ステップS17において、ステップS15で読み出したレイアウトデータに従って、第2LCD18に表示している対象オブジェクトの近傍の位置に「?」カーソル108を図6に示すように表示するとともに、第2LCD18の画面全体をグレイアウトする。このように、詳細説明を予め準備して記憶しているオブジェクト(対象オブジェクト)に対してのみ「?」カーソル108が関連的に表示されるので、ユーザまたはプレイヤは、たとえば図6のような表示画面を見るだけで、どのオブジェクトに説明メッセージがあるか、つまり、どのオブジェクトについてそのオブジェクトや機能についての詳細説明を得ることができるのかを即座に判断できる。したがって、背景技術のもののように、個々のオブジェクトを実際にクリックしたりすることなく、ヘルプモードへ移行させるだけで、容易に知ることができる。
【0115】
その後、ステップS19において、図6に示すように、第1LCD16の画面上に、ヘルプモードになった旨の説明メッセージ(画像も含む)を含む表示画面106を表示する。この説明メッセージは、ユーザまたはプレイヤに対してヘルプモードに入ったこと、およびヘルプモードの利用の仕方を理解してもらうためである。ステップS19の後、リターンする。
【0116】
タッチ位置が検出されたとき既にヘルプモードに入っていたとき、つまり、ステップS1においてヘルプモードフラグがオンされていると判断したとき(ステップS1でYES)、CPU50は、次のステップS21において、そのときのタッチ位置がどれかの「?」カーソル108の上かどうか判断する。このステップS21での判断も、タッチ座標とレイアウトデータの位置データを対比することによって実行できる。ステップS21の判断は、「?」カーソル108の選択を通して、最終的には詳細説明が欲しいオブジェクト自体を選択または指示したかどうかを判断するものである。つまり、ステップS21が第1判断手段を構成する。
【0117】
ステップS21で“YES”を判断したとき、CPU50は続くステップS23で、レイアウトデータに従って、タッチされた「?」カーソル108とそれに対応する対象オブジェクト(図6の表示例ではオブジェクト492)をハイライト表示する。
【0118】
ついで、CPU50は、ステップS25で、データ記憶領域52のメッセージデータ領域522(図4)から、そのときのシーン番号iのために予め記憶されているタッチされた「?」カーソル108(すなわち、その対象オブジェクト)に対応する説明メッセージデータを読み出し、続くステップS27で、その読み出した説明メッセージに従って、図7に示すように、第1LCD16上に、説明メッセージ110を表示する。ステップS27の後、リターンする。
【0119】
なお、ステップS21において“NO”が判断されると、次のステップS29で、CPU50は、タッチ座標とレイアウトデータに基づいて、所定のキーまたはボタン、実施例では閉じるキー102(図5)がタッチされたのかどうか判断する。“NO”の場合、そのままリターンする。
【0120】
“YES”の場合、ステップS31で、一時記憶領域523(図4)に設定されているヘルプモードフラグをオフする(「0」を書き込む)。それとともに、ステップS33で、説明メッセージ110および「?」カーソル108を全て消去して、図5に示す通常のゲーム画面の表示状態に戻す。閉じるキー102は図6の画面(説明メッセージがまだ表示されていないヘルプモード)でも図7の画面(説明メッセージが表示されているヘルプモード)でもタッチ操作できるので、図6から図5へ戻る場合もあり、図7から直接図5へ戻ることもある。このように、閉じるキー102がタッチ操作されると、ステップS33で「?」カーソル108のようなマークおよび説明メッセージ110を全て消去する。したがって、このステップS33が消去手段として機能する。ステップS33の後、リターンする。
【0121】
なお、上述の実施例では、「?」カーソル108を対象オブジェクトの近傍に表示するようにしたが、対象オブジェクトに重ねて表示するようにしてもよい。
【0122】
さらに、実施例では説明メッセージが設定されているオブジェクト(対象オブジェクト)を「?」カーソル108を関連的に表示することによってユーザに容易に把握できるようにした。しかしながら、「?」カーソルのような特別なオブジェクトを使わず、たとえばハイライト表示するだけで対象オブジェクトを示すようにしてもよい。この場合、対象オブジェクトではないオブジェクトをグレイアウトすれば、ハイライト表示が一層目立つので、ユーザに対象オブジェクトがどれかが分かり易い。この場合、ハイライト表示の有無が有無表示であり、ハイライト表示がされていることが「有表示」である。したがって、この変形例の場合、ステップS21では、対象オブジェクトがタッチされたかどうかを判断することになる(第1判断手段)。また、このように対象オブジェクトと他のオブジェクトの表示態様を違えることは、異態様表示手段を構成することになる。さらに、この異態様表示手段によって、対象オブジェクトと他のオブジェクトの表示態様を異ならせている場合、閉じるキー102が操作されたときには、ステップS33においてそのようなハイライト表示を解除して対象オブジェクトと他のオブジェクトの表示態様を同じにすればよい。
【0123】
同じような考え方で、対象オブジェクトの部分を抜いたグレイパネルを用い、対象オブジェクト以外はグレイアウトし、対象オブジェクトの部分はグレイにならない状態データ表示することによって、ユーザに、そのオブジェクトが対象オブジェクトであると分からせることができる。この場合、グレイアウトしているかどうかが有無表示であり、グレイアウトしていないことが「有表示」である。したがって、この変形例の場合も、ステップS21では、対象オブジェクトがタッチされたかどうかを判断することになる(第1判断手段)。このように対象オブジェクトと他のオブジェクトの表示態様を違えることは、異態様表示手段を構成することになる。さらに、この異態様表示手段によって、対象オブジェクトと他のオブジェクトの表示態様を異ならせている場合、閉じるキー102が操作されたときには、ステップS33においてそのようなグレイアウトを解除して対象オブジェクトと他のオブジェクトの表示態様を同じにすればよい。
【0124】
さらに、上述の実施例では、閉じるキー102をタッチパネル22の下の第2LCD18に表示し、その閉じるキー102にタッチしたとき、ヘルプモードから通常のゲーム画面に戻すようにした。しかしながら、閉じるキー102を特別に設ける必要はなく、ヘルプモードでは通常モードと表示態様を変えて表示されるヘルプモードキー104を閉じるキーとして利用してもよい。この場合、図9のステップS29では、ヘルプモードキー104がタッチされているかどうか判断することになる。
【0125】
さらに、上述の実施例では、通常ゲームモードにおいて、オブジェクトがタッチされたときは、オブジェクトに関連した処理を実行し、ヘルプモードにおいて、オブジェクト(または「?」カーソル)がタッチされたときは、オブジェクトの説明メッセージを表示するようにした。しかしながら、ヘルプモードにおいては、「?」カーソルがタッチされたときは、オブジェクトの説明メッセージを表示し、オブジェクトそのものがタッチされたときは、オブジェクトに関連した処理を実行するようにしてもよい。このようにすれば、オブジェクトの内容や機能の説明メッセージを見た後、すぐにオブジェクトをタッチして処理を実行することができるので、操作性が向上する。
【0126】
さらに、上述の実施例では、情報処理装置の一例としてゲーム装置を示し、情報処理の具体例がゲーム処理であるとして説明した。しかしながら、この発明はゲーム装置やゲーム処理に限らず、任意の情報処理装置およびそれを用いた情報処理に適用可能である。たとえば、上での説明に用いられている「ゲーム」の語を「情報処理」に読み替えるなどすればよい。
【0127】
なお、上述の実施例では、画面上の位置を指示する入力手段としてタッチパネルを用いたが、これは、マウスやトラックボールなどの他のポインティングデバイスに代えられてもよい。
【0128】
また、上述の実施例では、詳細説明を求めるオブジェクトの例として、ゲーム画像(ゲームオブジェクト)の場合を説明したが、このようなオブジェクトとしては、ユーザが指示することによって所定の機能やアプリケーションが実行されるボタン画像やアイコン等も考えられ得る。
【0129】
さらに、上述の実施例では、1台のゲーム装置のコンピュータが、たとえば図8や図9の全てのステップ(処理)を実行するものとして説明した。しかしながら、各処理をネットワークなどで接続された複数の装置が分担して行うようにしてもよい。たとえば、ゲーム装置が他の装置(例えば、サーバや他のゲーム装置)と通信可能に接続されている場合、図8や図9のステップの一部を他の装置が実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0130】
10 …ゲーム装置
16 …第1LCD
18 …第2LCD
20 …操作ボタン
48 …メインメモリ
50 …CPU
100 …戻るキー
102 …閉じるキー
104 …ヘルプモードキー
106 …表示画面
108 …「?」カーソル
110 …説明メッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトをモニタの画面に表示し、少なくとも1つのオブジェクトの説明メッセージを記憶する記憶手段を有する情報処理装置のプロセサによって実行される情報処理プログラムであって、前記情報処理プログラムは前記プロセサを、
入力手段から所定入力を受け付けたとき、オブジェクト毎に説明メッセージがあるかどうかを示す、有無表示を前記画面に表示する第1表示手段、
前記入力手段から受け付けた入力がいずれかの有表示に関連する対象オブジェクトを指示したかどうかを判断する第1判断手段、および
前記第1判断手段によっていずれかの有表示に関連する対象オブジェクトが指示されたと判断したとき、前記記憶手段から該当の説明メッセージを読み出して前記画面に表示する第2表示手段、
として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記第1表示手段は、前記記憶手段に説明メッセージが記憶されている対象オブジェクトを他のオブジェクトと違う態様で表示する異態様表示手段を含み、
前記第1判断手段は前記入力が前記対象オブジェクトを指示したかどうか判断する、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記第1表示手段は、前記記憶手段に説明メッセージが記憶されている対象オブジェクトに対してマークを表示するマーク表示手段を含み、
前記第1判断手段は前記入力が前記マークを指示したかどうか判断する、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記マーク表示手段は、前記マークを対応する対象オブジェクトの近傍に表示する、請求項3記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記プロセサを、さらに、
前記入力手段から受け付けた入力がいずれかのオブジェクトを指示したかどうかを判断する第3判断手段、および
前記第3判断手段によっていずれかのオブジェクトが指示されたと判断したとき、当該オブジェクトに対する処理を実行する実行手段、
として機能させる、請求項3または4記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記プロセサを、第1判断手段が前記入力手段から受け付けた入力がいずれかの有表示に関連する対象オブジェクトを指示したと判断したとき、少なくともその対象オブジェクトの表示態様を変化させる表示態様変化手段としてさらに機能させる、請求項1ないし5のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記プロセサを、
前記第1表示手段によって前記有無表示が表示されている状態において、前記入力手段から所定入力があったか否かを判別する第2判断手段、および
前記第2判断手段によって所定入力があったと判断したとき、前記有無表示を消去する有無表示消去手段としてさらに機能させる、請求項1ないし6のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記第1表示手段は、説明メッセージがある全てのオブジェクトに前記有表示を表示する、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記情報処理装置は、第1表示部と第2表示部を備え、
前記対象オブジェクトは、前記第1表示部に表示されており、
前記第1表示手段は、前記有無表示を前記第1表示部に表示し、
前記第2表示手段は、前記説明メッセージを前記第2表示部に表示する、請求項1ないし8のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、タッチパネルを備えており、
前記入力手段は前記タッチパネルをタッチすることによって検出されるタッチ座標を検出するタッチ検出手段を含む、請求項1ないし9のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
複数のオブジェクトをモニタの画面に表示する情報処理装置であって、
少なくとも1つのオブジェクトの説明メッセージを記憶する記憶手段、
入力手段から所定入力を受け付けたとき、オブジェクト毎に説明メッセージがあるかどうかを示す、有無表示を表示する第1表示手段、
前記入力手段から受け付けた入力がいずれかの有表示に関連する対象オブジェクトを指示したかどうかを判断する判断手段、および
前記判断手段によっていずれかの有表示に関連する対象オブジェクトが指示されたと判断したとき、前記記憶手段から該当の説明メッセージを読み出して前記画面に表示する第2表示手段を備える、情報処理装置。
【請求項12】
複数のオブジェクトをモニタの画面に表示し、少なくとも1つのオブジェクトの説明メッセージを記憶する記憶手段を有する情報処理装置における情報処理方法であって、
入力手段から所定入力を受け付けたとき、オブジェクト毎に説明メッセージがあるかどうかを示す、有無表示を表示する第1表示ステップ、
前記入力手段から受け付けた入力がいずれかの有表示に関連する対象オブジェクトを指示したかどうかを判断する判断ステップ、および
前記判断ステップにおいて、いずれかの有表示に関連する対象オブジェクトが指示されたと判断したとき、前記記憶手段から該当の説明メッセージを読み出して前記画面に表示する第2表示ステップを含む、情報処理方法。
【請求項13】
複数のオブジェクトをモニタの画面に表示する情報処理システムであって、
少なくとも1つのオブジェクトの説明メッセージを記憶する記憶手段、
入力手段から所定入力を受け付けたとき、オブジェクト毎に説明メッセージがあるかどうかを示す、有無表示を表示する第1表示手段、
前記入力手段から受け付けた入力がいずれかの有表示に関連する対象オブジェクトを指示したかどうかを判断する判断手段、および
前記判断手段によっていずれかの有表示に関連する対象オブジェクトが指示されたと判断したとき、前記記憶手段から該当の説明メッセージを読み出して前記画面に表示する第2表示手段を備える、情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−69065(P2012−69065A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215503(P2010−215503)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】