説明

情報処理方法および情報処理システム

【課題】バーコードのような取得可能提示情報により、提示された時刻あるいは取得時刻の情報を提供できるようにする。
【解決手段】提示情報の生成手段は、刻々と変化する時刻情報を特定の情報と関連付けた情報を少なくとも含む提示用情報を生成する。提示手段は、生成手段により生成された提示用情報を、利用者が取得可能とする取得可能提示情報に変更して提示する。取得手段は、提示された取得可能提示情報を取得し、取得した取得可能提示情報から提示用情報を得る。判別手段は、取得手段で取得した提示用情報から特定の情報と関連付けられた時刻情報を得て、提示用情報が提示された時刻を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばバーコードパターンとして提示された情報についての取得時刻(提示時刻)や取得場所(提示場所)を判別することができる情報処理方法および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バーコードは、流通、製造、物流、サービス等の幅広い業界で普及してきている。さらには、1次元のバーコード(バーを1つの方向にのみ並べたもの)を、2次元に拡張した、QRコード(登録商標)などの2次元バーコードの普及も進んでいる。
【0003】
光学読み取り装置も進化してきており、記録密度が高い規格も出現してきている。従来、1次元バーコード自体には規格にも依存するが、だいたい20文字前後の英数字を表現することができた。最近では、2000文字を超えるような情報が格納できるような2次元バーコードの規格も登場している。
【0004】
一方、急速な普及を遂げた携帯電話端末の多くは、カメラを搭載している。この携帯電話端末のカメラで、広告媒体等に表示されている2次元バーコードを撮影すると、自動的にメールアドレスやウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)などを取得できるアプリケーションも普及してきている。
【0005】
バーコードは必ずしも紙媒体に表示しなければならないわけではない。ディスプレイ画面にWebページに掲載してあるバーコードのパターン画像を表示し、これを携帯電話端末のカメラで撮影して、URL情報を取得することなども可能である(例えば特許文献1(特開2008-90512号公報)参照)。
【0006】
上記の特許文献および非特許文献は、次の通りである。
【特許文献1】特開2008−90512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来のバーコードの提示方法は、主として、雑誌などの印刷物や表示画面に表示された静止画像に表示されるというものであり、一般に、固定のバーコードパターンからなる。
【0008】
したがって、従来のバーコードの提示方法においては、バーコードパターンとして提示するコード情報に、時々刻々と変化する時刻を含めることは行われていない。このため、バーコードを取得した時刻がいつであるかを知る手立てが従来はなかった。
【0009】
上記の特許文献1では、バーコードに、当該バーコードを付加して提示するコンテンツの提示時間帯情報を、コンテンツIDに対応付けたパスワードを、埋め込むことが記載されている。しかし、ここでバーコードに埋め込まれる情報は、予め定められた提示時間帯の情報であり、時々刻々と変化する時刻が埋め込まれるわけではないので、実際に、当該バーコードが取得された時刻を知ることができない。
【0010】
例えばバーコードで提示される情報がURL情報であって、携帯電話端末でバーコードを撮影してURL情報を得たとき、そのURLのアクセス先に即座に、ユーザは、アクセスすることができる。そこで、バーコードから取得したURLでのアクセス時刻を、バーコードの取得時刻とすることも考えられる。
【0011】
しかし、ユーザは、常に、バーコードから取得したURLに対して即座にアクセスするわけではないし、また、携帯電話端末が基地局からの電波が届かない圏外に存在するときには、アクセスすることは不可能である。
【0012】
また、この方法では、バーコードを取得した時刻順に整理券を発行するなどのような先後の判断をすることができない。
【0013】
さらに、従来のバーコードパターンの場合、複数の場所で同じパターンが提示されるようになっている。このため、バーコードがどこで取得されたかを知る手立ても従来は存在しない。
【0014】
もしも、バーコードをいつどこで取得したかを判別することができれば、その判別結果の情報を用いることで、例えば広告効率の向上や、先着順販売などの人数を限定した広告を発信などをすることができ、その効用は非常に大きい。
【0015】
なお、提示情報の提示および取得の方法としては、バーコードの印刷や表示およびその撮影による取得の方法のみではなく、例えば電磁誘導などを用いた非接触通信の方法もある。
【0016】
この発明は以上の点にかんがみ、例えばバーコードのような取得可能提示情報により、提示された時刻(あるいはバーコードが取得された時刻)や場所の情報を提供できるようにすると共に、それを取得して利用できるようにする方法およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
提示情報の生成手段が、刻々と変化する時刻情報を特定の情報と関連付けた情報を少なくとも含む提示用情報を生成する生成工程と、
提示手段が、前記生成工程で生成された前記提示用情報を、利用者が取得可能とする取得可能提示情報に変更して提示する提示工程と、
取得手段が、前記提示工程で提示された前記取得可能提示情報を取得し、取得した取得可能提示情報から前記提示用情報を得る取得工程と、
判別手段が、前記取得工程で取得した前記提示用情報から前記特定の情報と関連付けられた前記時刻情報を得て、前記提示工程で前記提示用情報が提示された時刻を判別する判別工程と、
を有する情報処理方法を提供する。
【0018】
上述の構成の請求項1の発明によれば、刻々と変化する時刻情報を特定の情報と関連付けた情報を少なくとも含む提示用情報が、例えばバーコードパターンなど、利用者が取得可能となる取得可能提示情報に変更されて提示される。
【0019】
取得手段により、この取得可能提示情報が取得され、その取得された取得可能提示情報から提示用情報が取得される。そして、取得された提示用情報から特定の情報と関連付けられた時刻情報を得て、提示用情報が提示された時刻を判別する。特定の情報との関連付けを確認することで、判別された時刻情報が生成手段で生成されたものであることが認証される。
【0020】
これにより、提示用情報が提示された時刻を、誤りなく判別することができる。
【0021】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の情報処理方法において、
前記生成手段は、前記生成工程で、前記提示用情報に、前記時刻情報に加えて、前記提示工程で前記提示用情報が提示される場所の情報を含め、
前記判別手段は、前記判別工程において、前記時刻に加えて前記提示用情報が提示された場所を判別する
ことを特徴とする。
【0022】
この請求項2の発明によれば、提示用情報が提示された時刻に加えて、提示用情報が提示された場所が判別される。これにより、提示用情報が、いつ、どこで提示あるいは取得されたかを、誤りなく判別することができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、提示用情報が提示された時刻を誤りなく判別することができる。また、提示用情報が提示された時刻に加えて、提示用情報が提示された場所を、誤りなく判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明による情報処理方法および情報処理システムの実施の形態を、図を参照しながら説明する。
【0025】
[第1の実施形態]
図1は、この発明による情報処理システムの第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。この実施形態の情報処理システムは、以下のようなインターラクティブ(対話形式)の広告提供システムの場合の例である。
【0026】
すなわち、この実施形態の情報処理システムにおいては、複数の場所において、時間毎に異なる広告情報をディスプレイの表示画面に表示して提供するようにする。そして、この実施形態の情報処理システムでは、表示する広告情報には、刻々と変わる時刻の情報(時刻情報)と、場所の情報と、所定のURLとを含むコード情報から生成されたバーコードパターンを重畳表示するようにする。
【0027】
そして、広告情報を見たユーザは、表示された広告情報に関連する情報の取得をしたい場合には、ディスプレイの表示画面に表示されたバーコードパターンを携帯電話端末のカメラで撮影して、取り込む。すると、携帯電話端末の画面には、URLが表示されるので、このURLを用いて広告提供側にアクセスする。
【0028】
広告提供側は、ユーザ側からのアクセス時の情報から、広告情報が提示された時刻および場所を判別する。そして、広告提供側は、判別された提示時刻および提供場所から対応する広告情報を特定し、特定された広告情報に応じた関連情報を、アクセスしてきたユーザの携帯電話端末に送るようにする。
【0029】
以上のような処理動作を実現するため、この実施形態の情報処理システムは、広告提供側構成部と、この広告提供側からの広告情報の提供を受けて広告提供側にアクセスする広告利用者側構成部とからなる。そして、この実施形態の情報処理システムの広告提供側構成部は、広告サーバ1と、複数の広告装置21,22,・・・,2nと、ウエブサーバ3とからなる。また、広告利用者側構成部は、この実施形態では、撮像手段としてのカメラを搭載する携帯電話端末4からなる。携帯電話端末4は、この発明における取得手段および転送手段の機能を備えるものである。
【0030】
そして、広告利用者側構成部の携帯電話端末4からの広告提供側構成部のウエブサーバ3へのアクセスは、無線基地局5およびインターネット6を通じてなされる。
【0031】
広告サーバ1には、この実施形態では、それぞれ別個の場所に設置されている複数個の広告装置21,22,・・・,2nが接続されている。この実施形態では、複数個の広告装置21,22,・・・,2nのそれぞれと、広告サーバ1とは、LAN(Local Area Network)7を通じて接続されている。
【0032】
また、広告サーバ1は、ウエブサーバ3にも接続されている。ウエブサーバ3は、インターネット6に接続されている。ウエブサーバ3は、この実施形態では、この発明における判別手段の機能を備えており、例えばパーソナルコンピュータで構成される。
【0033】
広告サーバ1は、この発明における提示用情報の生成手段の機能と、提示手段の一部の機能を備える。広告サーバ1の提示手段の一部の機能は、生成手段で生成した提示用情報を取得可能提示情報に変換する機能である。この例では、取得可能提示情報は、表示画像情報である。
【0034】
提示手段の残りの機能、すなわち、取得可能提示情報を実際的に提示する機能は、複数の広告装置21,22,・・・,2nのそれぞれが担っている。複数の広告装置21,22,・・・,2nのそれぞれは、取得可能提示情報を実際的に提示する機能を実行するための手段の例として、この実施形態では、ディスプレイを備えている。
【0035】
この実施形態では、広告サーバ1が生成する提示用情報は、静止画または動画の広告画像の一部にバーコードパターン画像を備える表示画像情報である。
【0036】
広告サーバ1は、予め複数個の広告画像の情報を記憶しており、提示時刻に応じて、当該複数個の広告画像の中から提示する広告画像の情報を選択するようにする。広告サーバ1は、また、提供場所、この例では、複数の広告装置21,22,・・・,2nのうちのいずれの広告装置で提示用情報を提示するのかに応じても、複数個の広告画像の中から提示する広告画像の情報を選択するようにする。
【0037】
広告画像の一部にバーコードパターンとして表示する情報(コード情報)は、この実施形態では、ウエブサーバ6のURLと、時々刻々と変化する時刻の情報(時刻情報TM)と、広告情報の提示場所を示す情報(位置情報PS)を含む。広告情報の提示場所の位置情報PSとしては、この実施形態では、複数の広告装置21,22,・・・,2nのそれぞれの装置識別情報(装置IDという)が用いられる。装置IDとしては、この例では、簡単のため、それぞれの広告装置に付与された番号(広告装置番号)が用いられる。
【0038】
この実施形態では、広告サーバ1は、自己のみが知る特定の情報を暗号キーとして、時刻情報TMを暗号化して、前記URLの後に付加情報として続けるようにする。なお、位置情報PSは、時刻情報TMと共に暗号化しても良いし、あるいは、暗号化せずに、URLの後に付加情報として含めるようにしてもよい。
【0039】
また、この実施形態では、広告サーバ1は、どの時刻(時刻情報TM)に、どの広告情報(広告ID)を、どの広告装置(位置情報PS)に提示するかを示す広告提示スケジュール情報を備えており、そのスケジュール通りに広告情報の提示をするようにする。
【0040】
そして、この実施形態では、ウエブサーバ3も、この広告サーバ1の広告提示スケジュール情報と同じ情報を、保持するようにする。ウエブサーバ3にも渡しておくようにする。すなわち、この実施形態では、ウエブサーバ3は、サーバ装置1から、どの時刻に、どの広告情報が、どの位置、つまりこの例ではどの広告装置で提示されるかの管理テーブル情報を備えるものである。
【0041】
ウエブサーバ3は、この管理テーブル情報を参照することで、時刻情報TMと位置情報PSを得れば、対応する広告IDを特定することができる。そして、ウエブサーバ3は、特定した広告IDの広告情報に関連する情報を特定することができる。
【0042】
なお、広告提示スケジュール情報は、ウエブサーバ3から広告サーバ1に渡しても良いし、その逆であっても良い。また、両サーバに、オペレータが、同じ広告提示スケジュール情報を記憶させるようにしてもよい。
【0043】
なお、広告サーバ1および/またはウエブサーバ3は、広告装置の装置IDと、実際に広告装置が設置された場所名との位置対応テーブルを保持するようにしても勿論良い。その場合には、当該位置対応テーブルを参照することで、各広告装置の実際の設置場所に対応した提示情報管理が可能となる。
【0044】
広告装置21,22,・・・,2nのそれぞれのディスプレイの表示画面においては、広告サーバ1から提供されるバーコードパターンが一部に表示されている広告画像情報が表示される。
【0045】
携帯電話端末4を有するユーザは、広告装置21,22,・・・,2nのいずれかのディスプレイに表示されている広告画像情報を見て、関連する情報を希望する場合には、例えば当該広告画像情報に表示されている説明メッセージにしたがって、携帯電話端末4のカメラ機能を用いてバーコードパターンを撮影する。
【0046】
すると、携帯電話端末4では、従来と同様にして、自端末が備えるディスプレイ画面に、バーコードパターンからデコードしたURLを表示する。この例においては、バーコードパターンには、ウエブサーバ3のURLの他、時刻情報および位置情報が含まれている。したがって、バーコードパターンからデコードされたURLには、ウエブサーバ3のURLの後に、時刻情報および位置情報が続くものとなっているが、それもURLと見なされて表示される。
【0047】
しかし、時刻情報および位置情報は、前述したように特定の情報を暗号キーとして暗号化されているので、時刻や場所の情報を、当該URLから直接的にユーザが把握することはできない。
【0048】
ユーザが、このURLを用いてアクセスを実行すると、携帯電話端末4は、当該時刻情報および位置情報を付加情報として含んだURLにより、ウエブサーバ3に対するアクセスを実行する。このアクセス時、携帯電話端末4自身のURLなどのアドレス情報が、発信元アドレス情報として、アクセス情報に付加されているのは通常のアクセスと同様である。
【0049】
アクセス情報に含まれるウエブサーバ3のURLにより、ウエブサーバ3は、携帯電話端末4からのこのアクセスを受け付ける。そして、周知のように、ウエブサーバ3は、自装置宛のURLに続く情報は、付加情報として、その解析を行なう。この実施形態では、ウエブサーバ3のURLには、暗号化された時刻情報TMおよび位置情報PSが含まれるので、ウエブサーバ3は、当該暗号化されている時刻情報TMおよび位置情報PSのデコード処理を行い、時刻情報TMおよび位置情報PSを取得する。
【0050】
この場合、予め、広告サーバ1からは、前述した特定の情報からなる暗号キーの情報がウエブサーバ3に送られている。ウエブサーバ3は、広告サーバ1から受け取った暗号キーを保持しておく。そして、ウエブサーバ3は、携帯電話端末4からのアクセス情報に含まれる時刻情報TMおよび位置情報PSについての暗号の復号を、保持している暗号キーを用いて実行する。この結果、時刻情報TMおよび位置情報PSがウエブサーバ3において取得される。
【0051】
こうして、ウエブサーバ3は、ユーザが広告装置21〜2nのいずれかにおいて取得したバーコードが、いつ(提示時刻)、どこで(提示場所、この例では、どの広告装置で)提示されたかを判別する。
【0052】
そして、ウエブサーバ3は、判別した時刻および位置により、広告提示スケジュール情報を参照することで、当該判別した時刻および位置で提示されていた広告情報を特定する。そして、特定した広告情報に対応する関連する情報、例えば関連するウエブページを特定し、当該ウエブページの情報を、アクセスしてきた携帯電話端末4に送るようにする。このウエブページの情報は、例えば、広告情報により提示した商品の詳細情報や関連商品の情報などをユーザに提供する。
【0053】
したがって、携帯電話端末4のユーザは、取得したバーコードから取得した情報を用いてウエブサーバ3にアクセスすることにより、当該バーコードを取得した時刻および場所で提示されていた広告に関連する情報の取得ができる。
【0054】
[広告サーバ1のハードウエア構成例]
図2は、この実施形態の情報処理システムにおける広告サーバ1のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0055】
この図2に示すように、広告サーバ1は、制御部10に対して、通信インターフェース11、LANインターフェース12、記憶部13、時計回路14、バーコード生成部15、送出情報生成部16、広告提示スケジュール情報記憶部17が接続されて構成されている。
【0056】
制御部10は、コンピュータを備えて構成され、広告サーバ1における処理制御動作を実行する。制御部10のコンピュータには、その処理制御動作のためのプログラムが記憶されている。
【0057】
通信インターフェース11は、ウエブサーバ3に接続され、広告サーバ1とウエブサーバ3との間で通信を行なって、必要なデータの授受を行うために用いられる。
【0058】
LANインターフェース12は、複数個の広告装置21〜2nが接続されるLAN7に接続される。サーバ装置1は、このLANインターフェース12を通じて、広告装置21〜2nのそれぞれに、バーコード付きの広告表示画像情報を送る。
【0059】
記憶部13は、提示用情報としての広告情報を記憶すると共に、ウエブサーバ3のURLと、広告装置21〜2nのそれぞれの識別情報の例としての広告装置番号を記憶する。広告情報は、それぞれを識別する広告ID(Identification)と対応して記憶されている。また、この例では、広告装置番号は、対応する広告装置が設置されている場所名など、場所を特定する情報と対応付けられて記憶されている。
【0060】
広告情報は、ウエブサーバ3経由で、インターネットを通じて取得して、記憶部13に、広告IDと対応付けて記憶することができる。また、記憶部13は、光ディスクなどのリムーバルメディアなどのメディアドライブを含んで構成されていてもよい。
【0061】
時計回路14は、年月日、時分秒からなる現在時刻情報を発生する。この時計回路14の時刻情報は、例えばウエブサーバ3経由で、時刻の校正情報を、所定の時間間隔で受け取って、常に正しい時刻となるように構成されている。あるいは、時計回路14は、いわゆる電波時計の構成として、自律的に時刻を校正できるように構成することもできる。
【0062】
この実施形態では、この時計回路14からの時刻情報を用いることで、複数個の広告装置に対して一元管理された時刻情報を提供するようにしている。
【0063】
バーコード生成部15は、この実施形態では、制御部10からの制御指示に基づいて、記憶部13からウエブサーバ3のURLおよび広告装置番号を取得すると共に、時計回路14から現在時刻情報を受け取る。そして、バーコード生成部15は、それら現在時刻情報および広告装置番号を含めた2次元バーコードパターン(以下、単にバーコードパターンという)の表示画像情報を生成する。
【0064】
この場合において、バーコード生成部15は、前述したように、自己が備える特定の情報を暗号キーとして、現在時刻情報を暗号化処理する。そして、この実施形態では、ウエブサーバ3のURL、広告装置の装置IDとしての広告装置番号、暗号化された現在時刻情報の順として、バーコードパターンを生成する基となるコード情報を提示用情報として生成する。そして、バーコード生成部15は、生成したコード情報から取得可能提示情報としてのバーコードパターンの表示画像情報を生成する。
【0065】
バーコード生成部15は、制御部10の制御により、以上のバーコード生成処理を、広告装置21〜2nのそれぞれについて実行する。また、バーコード生成部15は、制御部10の制御により、この実施形態では、現在時刻が1秒経過する毎に、上述した広告装置21〜2nのそれぞれについてのバーコードパターンの表示画像情報の生成処理を実行する。
【0066】
なお、例えば、バーコードパターンを撮像して取り込んだ時刻で、広告に対するアクセスの先後を決定するような場合を考慮したときには、バーコードパターンの表示画像情報の生成処理は、1秒毎ではなく、1/100秒毎など、より短い時間間隔で行った方がよい。
【0067】
また、暗号化処理は、現在時刻情報(時刻情報TM)のみではなく、広告装置の装置ID(位置情報PS)をも含めて行っても良い。ただし、広告装置の装置IDを暗号化しない場合には、装置ID毎に異なる暗号キーを用いて現在時刻情報を暗号化するようにすることができる。
【0068】
送出情報生成部16は、制御部10の制御に従い、記憶部13から、送出先の広告装置に提示する広告情報を読み出す。また、送出情報生成部16は、バーコード生成部15で生成されたバーコードパターンの表示画像情報を受け取る。そして、送出情報生成部16は、記憶部13から読み出した広告情報から表示画像情報を生成すると共に、バーコード生成部15で生成されたバーコードパターンの表示画像情報と、広告情報から生成した表示画像情報とを合成して、広告画像の一部にバーコードパターンが表示される広告表示画像情報を生成する。
【0069】
送出情報生成部16で生成された広告表示画像情報は、制御部10の制御にしたがって、送出の宛先である広告装置に、LANインターフェース12およびLAN7を通じて送られる。
【0070】
前述したように、この実施形態では、広告提示スケジュール情報記憶部17には、予め、どの広告装置に、いずれの広告情報を、どの時間帯で送信するかの広告送信スケジュールが記憶されている。この広告提示スケジュール情報は、どの広告装置に、いずれの広告情報を、どの時間帯で送信したかを示す情報を、対応テーブルの形式としたものである。制御部10は、この広告送信スケジュール情報に従って、記憶部13、バーコード生成部15および送出情報生成部16を制御する。
【0071】
なお、バーコード生成部15と、送出情報生成部16とは、ハードウエア構成とすることもできるが、制御部10が備えるコンピュータによるソフトウエア処理として構成することもできる。
【0072】
[広告サーバ1における処理動作例]
図4は、この実施形態における広告サーバ1での広告情報を広告装置に送る処理動作例を説明するためのフローチャートである。
【0073】
先ず、制御部10は、広告提示スケジュール情報記憶部17の広告提示スケジュール情報にしたがって、広告提示スケジュール情報で指定される広告IDの提示すべき広告情報を、記憶部13から読み出す(ステップS101)。制御部10は、読み出した広告情報は、送出情報生成部16に送る。
【0074】
また、制御部10は、広告提示スケジュール情報記憶部17の広告提示スケジュール情報にしたがって、広告を提示する広告装置の広告装置番号を記憶部13から読み出すとともに、ウエブサーバ3のURLを記憶部13から読み出して、バーコード生成部15に送る。さらに、制御部10は、時計回路14から現在時刻の情報を受け取り、それをバーコード生成部15に送る。バーコード生成部15は、受け取ったURL、広告装置番号、および現在時刻情報を含むコード情報から、バーコードパターンを生成する(ステップS102)。このステップS102のバーコードパターンの生成処理については、後でさらに詳述する。
【0075】
制御部10は、バーコード生成部15で生成されたバーコードパターンを送出情報生成部16に送る。送出情報生成部16は、受け取った広告情報と、バーコードパターンとから、バーコードパターンを一部に表示する広告表示画像情報を生成する(ステップS104)。
【0076】
以上のステップS101〜ステップS103の処理は、広告装置21〜2nのそれぞれについて実行される。制御部10は、広告装置21〜2nのそれぞれについて生成されたバーコードパターンを一部に表示する広告表示画像情報を、それぞれの広告装置宛に、LAN7を通じて送信する(ステップS104)。
【0077】
次に、制御部10は、時計回路14の現在時刻情報を監視して、この例では、1秒経過したか否か判別する(ステップS105)。このステップS105で監視する経過時刻は、バーコードパターンに含めて提示する時刻情報の精度に応じたものとされ、時刻の先後を問題とする場合には、1/10秒や、1/100秒などとしてもよい。また、時刻の先後を問題にせず、特定の期間内の時刻かどうかを判別するために用いるものであれば、1秒以上の時間であっても良い。
【0078】
ステップS105で、1秒以上が経過したと判別したときには、制御部10は、時計回路14からの現在時刻情報をバーコード生成部15に渡す。バーコード生成部15は、バーコードパターンに含める時刻情報を、受け取った現在時刻情報に変更したバーコードパターンを、各広告装置のそれぞれについて生成する(ステップS106)。
【0079】
ステップS106で生成されたバーコードパターンは、制御部10により送出情報生成部16に送られる。送出情報生成部16は、各広告装置に供給する広告表示画像情報に合成または重畳するバーコードパターンを、新たに受け取ったそれぞれの広告装置用のバーコードパターンに変更する。制御部10は、バーコードパターンが更新されたそれぞれの広告装置用の広告表示画像情報を、LAN7を通じて、それぞれの広告装置に送る(ステップS107)。
【0080】
次に、制御部10は、時計回路14の現在時刻と、広告スケーリング情報記憶部17の広告スケジュール情報とを参照して、提示する広告情報の変更時刻になったか否か判別する(ステップS108)。
【0081】
ステップS108で、提示する広告情報の変更時刻にはなっていないと判別したときには、制御部10は、ステップS105に戻り、ステップS106およびステップS107における1秒毎のバーコードパターンの更新処理を繰り返す。
【0082】
また、ステップS108で、提示する広告情報の変更時刻にはなったと判別したときには、制御部10は、ステップS101に戻り、広告提示スケジュール情報に従った、上述したステップS101以降の処理を繰り返す。
【0083】
次に、ステップS102におけるバーコードパターンの生成処理の詳細例を図5のフローチャートに示す。
【0084】
すなわち、制御部10は、時計回路14から現在時刻の情報を取得し、それをバーコード生成部15に送る(ステップS111)。
【0085】
次に、制御部10は、広告提示スケジュール情報記憶部17の広告提示スケジュール情報に従って、広告を提示する広告装置の広告装置番号を記憶部13から読み出すと共に、ウエブサーバ3のURLを記憶部13から読み出して、バーコード生成部15に送る(ステップS112)。
【0086】
バーコード生成部15は、取得したURLに、暗号化した現在時刻情報と、広告装置番号とを付加したコード情報を生成する(ステップS113)。このコード情報は、提示用情報に相当する。
【0087】
次に、バーコード生成部15は、生成したコード情報からバーコードパターンを生成する(ステップS114)。そして、バーコード生成部15は、全ての広告装置についてのバーコードパターンの生成を終了したか否か判別する(ステップS115)。
【0088】
ステップS115で、終了していないと判別したときには、次の広告装置用のバーコードパターンの生成処理を開始すると判断して、ステップS112に戻り、このステップS112以降の処理を繰り返す。
【0089】
ステップS115で、全ての広告装置についてのバーコードパターンの生成を終了したと判断したときは、バーコード生成部15は、制御部10にその旨を通知する(ステップS116)。この通知を受けて、制御部10は、この処理ルーチンを終了する。
【0090】
なお、この図5のフローチャートの処理リーチンは、制御部10がバーコード生成部15の処理機能をソフトウエアプログラム処理とした場合におけるソフトウエア処理動作に相当する。
【0091】
上述した図5の例においては、複数個の広告装置21〜2nの全てについて、送出する広告情報を変更するタイミングは同一とした。しかし、広告装置のそれぞれ毎に、送出する広告情報を変更するタイミングを異ならせるようにしても、勿論よい。
【0092】
[広告装置21〜2nのハードウエア構成例および処理動作]
この実施形態における広告装置21〜2nのハードウエア構成例を、図3に示す。広告装置21〜2nは、全て同じ構成を備えるものであるので、図3では、広告装置21〜2nのうちの1つの広告装置21の構成例のブロック図を示している。
【0093】
この例では、広告装置は、制御部200と、LANインターフェース201と、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなるディスプレイ202とで構成される。
【0094】
LANインターフェース201は、LAN7に接続されており、広告サーバ1から送られてくる広告表示画像情報を取得して、制御部200に送る。制御部200は、LANインターフェース201を通じて取得した情報のうち、自装置宛の広告表示画像情報のみを取り込み、ディスプレイ202に送って、その表示画面に表示するようにする。
【0095】
図6は、広告装置21〜2nのそれぞれで実行される処理動作例を示すフローチャートである。
【0096】
すなわち、この例の広告装置21〜2nのそれぞれの制御部200は、LANインターフェース201を通じて取り込まれた広告表示画像情報を監視して、当該広告表示画像が自装置宛のものであるか否か判別する(ステップS201)。ステップS201で、自装置宛ての広告表示画像情報ではないと判別したときには、取り込んだ情報は廃棄して、このステップS201を繰り返す。
【0097】
ステップS201で、取り込まれた広告表示画像情報が自装置宛ての広告表示画像情報であると判別したときには、制御部200は、取り込んだ広告表示画像情報をディスプレイ202に送ってその表示画面に表示させる(ステップS202)。そして、制御部200は、ステップS201に戻り、このステップS201およびステップS202の処理を繰り返す。
【0098】
図7に示すように、この広告装置での処理動作の結果、ディスプレイ202の表示画面202Dには、当該表示画面202Dの一部に2次元バーコードパターン203が表示される広告画像が表示される。
【0099】
図7に示すように、この実施形態では、この2次元バーコードパターン203は、携帯電話端末4が搭載するカメラにより撮影されることにより、携帯電話端末4に取得される。このとき、2次元バーコードパターン203に含まれる時刻情報は、携帯電話端末4で撮影されたときの時刻となっており、2次元バーコードパターン203の提示時刻が、携帯電話端末4でのバーコードパターンの取得時刻となる。
【0100】
この携帯電話端末4のバーコードパターンの取得時刻は、後述するように、当該バーコードパターンから取得されたURL情報を用いて、携帯電話端末4がウエブサーバ3にアクセスすることで、ウエブサーバ3で判別されるものである。
【0101】
[携帯電話端末4のハードウエア構成例]
この実施の形態の携帯電話端末4は、マイクロコンピュータを制御部として備えて構成される。図8は、この実施の形態の携帯電話端末2のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0102】
すなわち、この実施の形態の携帯電話端末4は、CPU(Central Processing Unit)401に対して、システムバス400を介してプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)402と、ワークエリア用のRAM(Random Access Memory)403とが接続される。
【0103】
また、システムバス400には、操作部インターフェース404を通じて操作部405が接続されている。また、システムバス400には、LCDインターフェース406を通じて表示素子としてのLCD407が接続されている。さらに、システムバス400には、カメラ部インターフェース408を通じて撮像手段の例としてのカメラ部409が接続されている。
【0104】
また、さらに、システムバス400には、記憶部410と、バーコードデコード部411と、時計回路412と、通信回路413と、A/Dコンバータ414と、D/Aコンバータ415とが接続されている。
【0105】
通信回路413は、電話通信を行なうためのもので、送受信アンテナ413Aが接続されている。通信回路413は、携帯電話の基地局を介して、制御情報や、相手方との通話音声のやり取りを行なう。
【0106】
A/Dコンバータ414には、送話用のマイクロホン416が接続される。マイクロホン416で収音された送話音声のアナログ信号は、A/Dコンバータ414でデジタル信号に変換され、システムバス400を通じて通信回路413に供給され、相手方に送られる。
【0107】
また、D/Aコンバータ415にはスピーカ417が接続される。通信回路413を通じて受信した受話音声のデジタル信号は、このD/Aコンバータ415でアナログ信号に変換され、スピーカ417に供給されて、音響再生される。
【0108】
バーコードデコード部411は、CPU401が、ROM402に格納されているプログラムによるソフトウエア処理機能として構成することもできる。
【0109】
操作部405は、電話番号入力を行うテンキー、カメラ部409用のシャッターキー、カーソルキー、決定キー、その他のキーからなるキー操作部である。操作部405で、いずれかのキー操作がなされると、CPU401は、操作部インターフェース404を通じた操作部405からの操作されたキーに応じた操作信号を受けて、操作されたキーが何であるかを判別し、その判別結果に応じた処理を実行する。
【0110】
カメラ部409は、操作部405で、ユーザにより所定のキー操作がなされたときに、CPU401の制御を受けて、被写体の撮像画像をカメラ部インターフェース408を通じてシステムバス400に供給する。
【0111】
この実施の形態の携帯電話端末4は、通常のカメラモードのほかに、バーコード読み取りモードを備える。通常のカメラモードにおいては、CPU401は、ユーザによりシャッターキーが操作されたときの被写体の撮像画像を、カメラ部409から取り込むように制御する。
【0112】
これに対してバーコード読み取りモードにおいては、例えば決定キーなどの押下による読み取り開始操作がなされると、CPU401は、カメラ部409から、2次元バーコード画像を取り込む制御処理を実行する。
【0113】
バーコードデコード部411は、カメラ部409で撮像して取り込んだ2次元バーコード画像から、コード情報をデコードし、内蔵するバッファメモリに保持する。バッファメモリに保持されたデコード結果のコード情報は、必要に応じてCPU401の制御に従い、表示データに変換され、ディスプレイ407に表示される。
【0114】
時計回路412は、年、月、日、時、分、秒の現在時刻を表わす時刻情報を生成し、生成した時刻情報を制御部401に供給する。制御部401は、携帯電話端末4の待ち受け画面において、この時計回路412からの時刻情報に基づく現在時刻を、LCD407の表示画面に表示する。
【0115】
[携帯電話端末2でのバーコード読み取りモードでの処理動作例]
図9に、バーコード読み取りモードにおける携帯電話端末4での処理動作例のフローチャートを示す。この図9のフローチャートの各ステップの処理は、CPU401が、ROM402に記憶されているバーコード読み取りモードのプログラムにしたがって、RAM403をワークエリアとして用いながら実行するものである。
【0116】
ユーザが、携帯電話端末4の機能メニューからバーコード読み取りモードを選択すると、図9のスタートからバーコード読み取りモードが開始となる。
【0117】
先ず、CPU401は、カメラ部409をバーコード読み取りモードで起動する(ステップS301)。これにより、カメラ部409からの撮像画像がカメラ部インターフェース408を通じてシステムバス400に取り込まれ、LCD407の画面に取り込まれた2次元バーコードパターン画像が表示される。
【0118】
ユーザは、携帯電話端末4のLCD407の表示画面を見て、広告装置のディスプレイ202の表示画面202Dに表示されている2次元バーコードパターン画像203が、LCD407の表示画面の中央に表示されるように携帯電話端末4の位置を調整する。
【0119】
次に、CPU401は、ユーザによる例えば決定キーの操作によるバーコード読み取り開始指示を待つ(ステップS302)。
【0120】
そして、ステップS302で、バーコード読み取り開始指示があったと判別したときには、CPU401は、2次元バーコードパターン画像の撮像画像を取り込んで、バーコードデコード部211でデコードする(ステップS303)。このステップS303での処理には、2次元バーコードパターンからコード情報をデコードできたかどうかを確認する処理を含む。そして、その確認の結果、コード情報がデコードできなかったときには、カメラ部409からの撮像画像を、2次元バーコードパターンについてデコードできるまで取り込むようにする処理を、このステップS303における処理には含むものである。
【0121】
ステップS303で、2次元バーコードパターンからコード情報をデコードできたときには、CPU401は、読み取ったコード情報、すなわち、この例では、URLの情報をLCD407の画面に表示する(ステップS304)。
【0122】
ここで、携帯電話端末4では、ウエブサーバ3のURLのみではなく、このウエブサーバ3のURLに続く、暗号化されている時刻情報および広告装置番号をも含んで、URLの情報として読み取る。したがって、このときLCD407の画面に表示されるURLの情報としては、ウエブサーバ3のURLのみではなく、当該ウエブサーバ3のURLに引き続いて、暗号化されている時刻情報および広告装置番号が表示されるものとなる。
【0123】
次に、CPU401は、バーコード読み取りモードの終了操作がなされたか否か判別し(ステップS305)、終了操作がなされたと判別したときには、この処理ルーチンを終了する。
【0124】
ステップS305で、バーコード読み取りモードの終了操作はなされていないと判別したときには、CPU401は、読み取ったコード情報の保存操作がなされたか否か判別する(ステップS306)。
【0125】
このステップS306で、読み取ったコード情報の保存操作がなされたと判別したときには、CPU401は、読み取ったコード情報を記憶部210に記憶保存する(ステップS307)。
【0126】
また、ステップS306で、読み取ったコード情報の保存操作がなされていないと判別したときには、CPU401は、LCD407の画面に表示されているURLの情報を用いたアクセス開始指示があるか否か判別する(ステップS308)。ステップS307で、読み取ったコード情報を記憶部210に記憶保存した後にも、このステップS308に進み、LCD407の画面に表示されているURLの情報を用いたアクセス開始指示があるか否か判別する。
【0127】
このステップS308で、LCD407の画面に表示されているURLの情報を用いたアクセス開始指示がないと判別したときには、CPU401は、ステップS305に戻り、このステップS305以降の処理を繰り返す。
【0128】
また、このステップS308で、LCD407の画面に表示されているURLの情報を用いたアクセス開始指示があったと判別したときには、CPU401は、当該URLの情報を用いたアクセスを実行する(ステップS309)。
【0129】
このアクセスの際には、アクセス先のURLとしては、表示されていたURLの情報がそのまま用いられて、アクセス先に送られる。このとき表示されていたURLの情報には、ウエブサーバ3のURLが含まれているので、当該ウエブサーバ3に対してアクセスが実行される。なお、アクセス情報には、自携帯電話端末を識別する情報が含まれているのは言うまでもない。
【0130】
この携帯電話端末4からのアクセスに対しては、ウエブサーバ3では、アクセス時のURLの情報に含まれる時刻情報および広告装置番号(位置情報)に対応するウエブページの情報が送られてくる。そこで、携帯電話端末4のCPU401は、このウエブ情報を取得して、LCD407の画面に表示する(ステップS310)。
【0131】
次に、CPU401は、アクセスを終了する操作があったか否か判別し(ステップS311)、アクセスを終了する操作がなかったと判別したときには、ステップS310に戻り、ウエブ情報の取得、およびそのLCD407の画面への表示を継続する。
【0132】
また、ステップS311で、アクセスを終了する操作があったと判別したときには、CPU401は、この処理ルーチンを終了する。
【0133】
[ウエブサーバ3のハードウエア構成例]
図10は、この実施形態におけるウエブサーバ3のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0134】
この図10に示すように、ウエブサーバ3は、制御部30に対して、通信インターフェース31および32、アクセス付加情報解析部33、広告提示スケジュール情報記憶部34、時刻情報および位置情報記憶部35、広告関連情報記憶部36が接続されて構成されている。
【0135】
制御部30は、コンピュータを備えて構成され、ウエブサーバ3における処理制御動作を実行する。制御部30のコンピュータには、その処理制御動作のためのプログラムが記憶されている。
【0136】
通信インターフェース31は、インターネット6に接続されるもので、自ウエブサーバ3に対するアクセスを受けると共に、アクセスしてきた相手方に、インターネット7を通じてウエブ情報などを送信するために用いられる。
【0137】
通信インターフェース32は、広告サーバ1に接続され、この広告サーバ1と自ウエブサーバ3との間で通信を行なって、必要なデータの授受を行うために用いられる。
【0138】
アクセス付加情報解析部33は、自ウエブサーバ3宛てのアクセス情報に含まれるURLの情報に付加されている時刻情報および位置情報をデコードして取得するためのものである。
【0139】
すなわち、この実施形態では、自ウエブサーバ3宛てのアクセス情報には、当該ウエブサーバ3のURLに引き続いて暗号化された時刻情報と、位置情報とが付加されている。アクセス付加情報解析部33は、この付加情報を解析して、暗号化されている時刻情報および位置情報を抽出すると共に、暗号化されている時刻情報を復号する。ウエブサーバ3は、暗号の復号のための暗号キーの情報は、通信インターフェース32を通じて広告サーバ1から予め取得して保持している。
【0140】
なお、暗号化されている時刻情報をウエブサーバ3で復号するのではなく、ウエブサーバ3が、通信インターフェース32経由で広告サーバ1に暗号化されている時刻情報の文字列を送り、広告サーバ1で復号してもらうように問い合わせるようにしてもよい。
【0141】
この場合には、広告サーバ1は、問い合わせを受けたウエブサーバ毎に暗号キーを管理しておくことで、ウエブサーバから受け取った暗号化されている時刻情報の文字列を復号する。そして、広告サーバ1は、復号した時刻情報の文字列を、問い合わせしてきたウエブサーバに返すようにする。このようにした場合には、ウエブサーバ3と広告サーバ1との間での暗号キーのやり取りが不要となり、よりセキュリティを高くすることができる。
【0142】
広告提示スケジュール情報記憶部34には、この例では、広告サーバ1から取得した広告提示スケジュール情報が格納されている。前述したように、広告提示スケジュール情報は、どの広告装置に、いずれの広告情報を、どの時間帯で送信したかを示す情報を、対応テーブルの形式としたものである。
【0143】
時刻情報および位置情報記憶部35には、アクセス付加情報解析部33で取得された時刻情報および位置情報が、アクセスしてきた相手の識別情報と対応付けて記憶される。ウエブサーバ3には、広告情報を閲覧した複数のユーザが、その表示画面に表示されていた2次元バーコードパターンを用いてアクセスしてくることが予想される。そこで、それらアクセスしてきた複数のユーザについての時刻情報および位置情報がこの時刻情報および位置情報記憶部35に記憶される。
【0144】
広告関連情報記憶部36には、広告提示スケジュール情報記憶部34に記憶されている広告IDに関連するウエブページの情報(ウエブ情報)が記憶されている。例えば、広告関連情報記憶部36には、広告装置の表示画面に表示された広告表示画像情報により提示されて商品の詳細説明情報や価格、関連商品の情報などが記憶されている。この広告関連情報記憶部36に記憶されている情報は、当該ウエブサーバ3にアクセスしてきたユーザに提供される情報となる。
【0145】
なお、アクセス付加情報解析部33の機能は、制御部30を構成するコンピュータがプログラムに基づくソフトウエア処理として構成することもできる。
【0146】
[ウエブサーバ3の処理動作例]
図11は、この実施形態におけるウエブサーバ3において、インターネット6を通じたアクセスを受けたときの処理動作例を説明するためのフローチャートである。
【0147】
先ず、制御部30は、当該ウエブサーバ3宛てのアクセスがあったか否か監視する(ステップS401)。このステップS401で、当該ウエブサーバ3宛てのアクセスがあったと判別したときには、制御部30は、アクセス時のURLに付加情報があるか否か判別する(ステップS402)。
【0148】
ステップS402で、URLに付加情報が付加されていないと判別したときには、その場合に対応して、関連して提示すべきウエブページを判断し、そのウエブページの情報を、アクセスしてきたユーザに対して送信する(ステップS406)。そして、アクセスが接続されたか否か判別し、切断されたら、この処理ルーチンを終了する。
【0149】
また、ステップS402で、URLに付加情報が付加されていると判別したときには、制御部30は、その付加情報をアクセス付加情報解析部33に送る。アクセス付加情報解析部33は、受け取った付加情報を解析およびデコードする。そして、アクセス付加情報解析部33は、暗号化されている時刻情報を復号して時刻情報を取得すると共に、広告装置番号を取得し、取得した時刻情報および広告装置番号を制御部30に渡す(ステップS403)。
【0150】
アクセス付加情報解析部33から時刻情報および位置情報としての広告装置番号を取得した制御部30は、取得した時刻情報および位置情報としての広告装置番号を、時刻情報および位置情報記憶部35に書き込み、保存する(ステップS404)。現時点ではなく、後にウエブサーバ3にアクセスする際に用いるためである。
【0151】
また、制御部30は、取得した時刻情報および広告装置番号を検索子として、広告提示スケジュール情報記憶部34を検索し、該当時刻に、該当場所(広告装置)で提示されていた広告情報の広告IDを検出して把握する(ステップS405)。
【0152】
次に、制御部30は、把握した広告IDを検索子として、広告関連情報記憶部36を検索し、当該広告IDに関連する広告関連情報のウエブページを検出し、検出したウエブページの情報をアクセスしてきたユーザに送る(ステップS406)。そして、アクセスが接続されたか否か判別し、切断されたら、この処理ルーチンを終了する。
【0153】
以上のようにして、この実施形態によれば、広告表示画像情報と共に表示されるバーコードパターンには、ウエブサーバ3のURLに加えて、時々刻々と変化する現在時刻の情報(広告情報の提示時刻の情報)と、広告情報の提示場所の情報が含まれている。
【0154】
そして、上述したようにして、ウエブサーバ3は、アクセスを受けた時に、これらの広告情報の提示時刻の情報と、提示場所の情報とを取得することができる。そして、ウエブサーバ3では、上述のようにして、提示時刻および提示場所で提示されていた広告情報を特定することができ、その特定された広告情報に関連する情報をユーザに、さらに提示することができる。
【0155】
したがって、広告を時刻や場所に応じて変化させて提示した場合においても、それぞれの広告に対して的確な対応をすることができる。
【0156】
また、ウエブサーバ3では、上述のような広告関連情報の提供のみではなく、時刻情報および位置情報記憶部35に記憶した時刻情報および位置情報を、その他種々のサービスや、広告情報の提供効率の向上に役立てることができる。
【0157】
例えば、広告表示画像情報により、「所定の広告提示期間の間に当該広告を見たユーザには、先着順にプレミア商品を提供する」と告知する。これを見たユーザは、広告表示画像に表示されているバーコードパターンを取り込み、それに基づいてウエブサーバ3にアクセスする。
【0158】
ウエブサーバ3では、アクセス情報に付加されている時刻情報をデコードして、ユーザが広告を見てバーコードパターンを携帯電話端末4で取得した時刻を検知する。そして、その時刻から、プレミア商品を配布する先着順のユーザを確定するようにすることができる。
【0159】
また、時刻情報および位置情報記憶部35に記憶した複数の時刻情報および位置情報から、どの時刻に、どの場所で提示された広告に対してのアクセスが多かったか、あるいは少なかったを知ることができる。また、広告提示スケジュール情報記憶部34に記憶されている広告提示スケジュール情報をさらに参照して、アクセスが多かった広告IDの広告情報やアクセスが少なかった広告IDの広告情報を把握したりすることもできる。
【0160】
これにより、より効率の良い広告をすることができるようにすることが可能となる。
【0161】
なお、上述の図11のフローチャートでは、2次元バーコードパターンを取り込み、LCD407の画面に表示されているURL情報を用いてウエブサーバ3にアクセスする場合について示した。しかし、ステップS404で保存されたURLの情報を用いて、後の時点でウエブサーバ3に対してアクセスしてもよいことは勿論である。
【0162】
なお、上述の実施形態では、予め定めた広告提示スケジュールにしたがって、どの広告装置に、どの広告情報を、何時送出し、何時送出停止(広告情報の変更を含む)するかを制御したが、広告情報の提示方法は、これに限られるものではない。
【0163】
例えば、広告サーバ1の制御部10に対して、オペレータの指示を受ける指示受付部を接続し、この指示受付部で受け付けたオペレータの指示に応じて、制御部10が、いずれの広告情報を、どの広告装置に、何時送出し、何時送出停止(広告情報の変更を含む)するかを制御するようにしても良い。
【0164】
その場合には、広告サーバ1には、広告提示スケジュール情報記憶部17の代わりに、広告提示履歴情報記憶部を設ける。そして、制御部10は、この広告提示履歴情報記憶部に、いずれの広告情報を、どの広告装置に、何時送出し、何時送出停止(広告情報の変更を含む)したかの履歴情報を、書き込んで記憶させるようにする。すなわち、図4のステップSおよびステップSの後に、広告提示履歴情報記憶部に、広告情報を送った広告装置番号と、送った広告情報の広告IDと、現在時刻の情報を記憶するステップSを設けるようにすれば良い。そして、制御部10は、この広告提示履歴情報を、ウエブサーバ3にも送って、記憶させるようにする。
【0165】
[第2の実施形態]
この第2の実施形態は、特定の開始時刻から先着順に、例えば商品購買整理券を配布するような場合に適用した例である。この第2の実施形態では、場所の情報は、特に用いないが、場所ごとに、商品購買整理券の枚数を決めておくような場合には、場所の情報も含めるようにしても良い。
【0166】
この第2の実施形態においては、例えば販売会社のホームページにおいて、特定の開始時刻から整理券の配布決定用の2次元バーコードパターンを表示するようにする。この2次元バーコードパターンには、上述の第1の実施形態と同様に、販売会社が指定するアクセス先のウエブサーバのURLに加えて、暗号化された現在時刻情報が含められる。この実施形態の場合には、時間の先後のみが判ればよいので、バーコードパターンの提示場所、つまり、位置情報はバーコードパターンには含める必要はない。
【0167】
この実施形態の場合の現在時刻情報は、先後を決定するためのものであるので、1/10秒あるいは1/100秒単位で変更し、当該変更の周期に合わせてバーコードパターンを更新するようにする。
【0168】
図12は、この第2の実施形態の場合における情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【0169】
この図12の例の情報処理システムは、販売会社側の構成部分と、ユーザ側の構成部分とからなる。
【0170】
販売会社側の構成部分は、販売会社の管理サーバ101と、販売会社のホームページの情報をインターネット105を通じて提供するウエブサーバ102と、販売会社の店舗103に置かれる店舗用パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)104とからなる。
【0171】
ユーザ側の構成部分は、自宅などに置かれるユーザ用パソコン106と、ホームページに表示されたバーコードパターンを取り込み、販売会社側へのアクセスをするための取得手段および転送手段としての携帯電話端末107とからなる。携帯電話端末107の構成は、第1の実施形態の携帯電話端末4と同様である。
【0172】
携帯電話端末107からのアクセス情報は、携帯電話の無線基地局108を通じ、インターネット105を通じてウエブサーバ102に送られる。ユーザ用パソコン106は、バーコードパターンの提示手段としての役割を担う。
【0173】
図12では、ユーザ側構成部分は、一人分のみを示したが、実際的には、多数のユーザのユーザ側構成部分が存在する。
【0174】
管理サーバ101は、ウエブサーバ102に接続されると共に、後述するように、ユーザ側の携帯電話端末107に対してメールを送るために、インターネット105にも接続される。
【0175】
ウエブサーバ102は、この実施形態では、管理サーバ101からの依頼に応じて販売会社のホームページをインターネット105を通じて配信する。そして、この実施形態では、ウエブサーバ102は、管理サーバ101からの指示に応じて、指示された開始時刻から終了時刻の間の期間、販売会社のホームページに2次元バーコードパターンを重畳表示するようにする。
【0176】
この実施形態では、ウエブサーバ102は、2次元バーコードパターンを生成する機能も備え、自ウエブサーバのURLに、暗号化された現在時刻情報を付加情報を付加した2次元バーコードパターンを生成する。この実施形態では、2次元バーコードパターンは、例えば1/100秒単位で現在時刻情報の更新に合わせて更新される。
【0177】
この実施形態では、ウエブサーバ102のURLおよび現在時刻情報が提示用情報であり、2次元バーコードパターンが取得可能提示情報である。したがって、この第2の実施形態では、ウエブサーバ102が、第1の実施形態の広告サーバ1が備えていた時計回路14やバーコード生成部15などの機能を備える。そして、ウエブサーバ102が備える時計回路からの時刻情報が一元管理された時刻情報となる。
【0178】
なお、2次元バーコードパターンは、管理サーバ101が生成し、ウエブサーバ102に供給するように構成しても良い。
【0179】
ユーザ用パソコン106の表示画面には、提供された販売会社のホームページ109が表示されると共に、前記の開始時刻から終了時刻の間の期間、2次元バーコードパターン110がホームページ上に表示される。
【0180】
ユーザは、携帯電話端末107により、ユーザ用パソコン106の表示画面の2次元バーコードパターンを撮影して取り込む。携帯電話端末107は、取り込んだバーコードパターンから、第1の実施形態と同様にして、暗号化された時刻情報を付加情報として含むURLの情報(コード情報)を取得し、表示画面に表示する。
【0181】
ユーザは、表示されている時刻情報付きのURLの情報を保存する。そして、ユーザは、携帯電話端末107から、このURLの情報を用いてウエブサーバ102にアクセスする。この携帯電話端末107からのアクセスは、バーコードパターンを取り込んだ時点だけではなく、後の時点において、保存したURLの情報を用いてアクセスする場合も含むことは第1の実施形態と同様である。
【0182】
ウエブサーバ102は、このURLの情報(時刻情報付き)に基づくアクセスを受けると、この実施形態では、アクセスしてきたユーザに対して、メールアドレスを知らせるように指示する。ユーザが携帯電話端末107を通じてメールアドレスをウエブサーバ102に知らせると、ウエブサーバ102は、このメールアドレスを、アクセス時のURLの情報(時刻情報付き)と対応付けて、管理サーバ101に送る。
【0183】
管理サーバ101は、受け取ったメールアドレスを保存すると共に、受け取ったURLの情報の付加情報である暗号化された時刻情報を復号し、時刻情報を取得して、前記メールアドレスと対応付けて、アクセスユーザ情報として保存する。
【0184】
ウエブサーバ102および管理サーバ101は、予め定めたアクセスの有効期限が過ぎるまで、ユーザからのアクセスを受け付けて、上述した処理動作を行って、多数のユーザのメールアドレスと時刻情報との対応情報からなるアクセスユーザ情報を蓄積する。なお、アクセスの有効期限は、2次元バーコードパターンを表示したホームページにおいてユーザに提示するようにする。
【0185】
アクセスの有効期限が過ぎると、管理サーバ101は、蓄積したアクセスユーザ情報から、全ての時刻情報を読み出して、その時刻の先後を判定し、整理券発行順位を決める。そして、整理券発行順位から、整理券が発行されるユーザと、整理券を取得できないユーザとに分ける。
【0186】
そして、整理券が発行されるユーザには、その旨と、整理券発行順位(先着順位)とを含めたメールを、保存してあるメールアドレス宛に送る。また、整理券を取得できないユーザには、その旨のメッセージを含むメールを、保存してあるメールアドレス宛に送る。
【0187】
各ユーザは、その携帯電話端末107で、このメールを受け取る。ところで、この実施形態ではメールは改竄が可能であることを考慮して、整理券が発行された旨のメールを受け取った場合であっても、このメールのみでは、発行された整理券を有効としない。
【0188】
すなわち、この実施形態では、整理券が発行された旨のメールを受け取ったユーザは、そのメールを受信した携帯電話端末107を所持して、販売会社の店舗103に赴く。
【0189】
販売会社の店舗の販売員は、ユーザから携帯電話端末で受け取ったメールの提示を受けると共に、ユーザの携帯電話端末107に保存されている、バーコードパターンから取得されたURLの情報を、店舗用のパソコン104に転送する。そして、店舗用のパソコン104から、転送されたURLの情報を用いてウエブサーバ102にアクセスする。
【0190】
ウエブサーバ102は、受け取ったURLの情報を管理サーバ101に転送する。管理サーバは、再度、URLの情報に付加されている暗号化されている時刻情報を復号し、時刻情報を得る。そして、保存している時刻情報と照合し、対応する整理券発行順位の情報を、店舗用のパソコン104に返信する。
【0191】
店舗の販売員は、この返信されてきた整理券発行順位と、ユーザから提示されたメールの整理券発行順位とを照合して、一致していれば発行された整理券を有効とする。
【0192】
以上のようにして、この第2の実施形態によれば、時刻情報を含めたバーコードパターンをユーザがホームページから取り込んで、指定された返信先にアクセスすることで、バーコードパターンの取得時刻に応じた順位で、整理券の発行がなされる。
【0193】
したがって、整理券の発行を受けるために店舗に出向いて並ぶなどの手間が省けると共に、並ぶ列の途中から不正に入るなどの行為による不正な整理券の取得を防止して、公正な順位判定に基づく整理券の発行ができる。
【0194】
[ウエブサーバ102での処理動作の例]
次に、この第2の実施形態におけるウエブサーバ102における処理動作の例を、図13および図14のフローチャートに示す。この図13および図14の処理動作は、ウエブサーバ102が備えるコンピュータからなる制御部が実行するものである。
【0195】
図13は、販売会社のホームページに、前述した時刻情報およびURLを含む2次元バーコードを表示する処理動作例を示すフローチャートである。なお、販売会社のホームページには、事前に、整理券発行用のバーコードパターンが表示される年月日時分秒の情報がユーザに伝えられるものである。
【0196】
ウエブサーバ102は、整理券発行用のバーコードパターンの提示を開始する指定開始時刻になるのを待ち(ステップS501)、指定開始時刻なったと判別したときには、時ウエブサーバ102宛てのURLに、時計回路から取得した現在時刻情報を暗号化した情報を付加してコード情報(提示用情報)を生成する(ステップS502)。
【0197】
次に、ウエブサーバ102は、生成したコード情報から2次元バーコードパターンを生成し(ステップS503)、生成した2次元バーコードパターンを、ホームページに表示する(ステップS504)。
【0198】
次に、ウエブサーバ102は、現在時刻が整理券発行用のバーコードパターンの提示を終了する指定終了時刻になったか否か判別し(ステップS505)、指定終了時刻なっていないと判別したときには、ステップS502に戻って、時刻情報の更新に応じたバーコードパターンの更新の処理を繰り返す。
【0199】
そして、ステップS505で、指定終了時刻なったと判別したときには、ウエブサーバ102は、ホームページでの2次元バーコードパターンの表示を停止して(ステップS506)、この処理ルーチンを終了する。
【0200】
図14は、ユーザからのアクセスを受けたウエブサーバ102が実行する処理動作例を示すフローチャートである。
【0201】
ウエブサーバ102は、先ず、受信したアクセスが、ホームページで通知されたアクセス許可期間内のものであるか否かを判別する(ステップS511)。
【0202】
このステップS511で、アクセス許可期間内のアクセスであると判別したときには、ウエブサーバ102は、アクセス時のURLの情報に付加されている付加情報を取得して保持する(ステップS512)。
【0203】
次に、ウエブサーバ102は、関連するウエブページをアクセスしてきたユーザに対して提示して、ユーザのメールアドレスを要求する(ステップS513)。
【0204】
次に、ウエブサーバ102は、このメールアドレスの要求に対してユーザからメールアドレスを受信したか否か判別する(ステップS514)。このステップS514で、メールアドレスを受信したと判別したときには、ステップS512で保持した付加情報と、受信したメールアドレスとを対応付けて管理サーバ101に送る(ステップS515)。
【0205】
そして、ウエブサーバ102は、アクセスが切断されるのを待ち(ステップS516)、アクセスが切断されたと判別したときには、切断処理を行って(ステップS517)、この処理ルーチンを終了する。
【0206】
また、ステップS514で、メールアドレスを受信していないと判別したときには、アクセスが切断されたか否か判別し(ステップS518)、切断されていないと判別したときには、ステップS514に戻って、メールアドレスの受信を待つ。また、ステップS518でアクセスが切断されたと判別したときには、切断処理を行って(ステップS517)、この処理ルーチンを終了する。
【0207】
また、ステップS511で、アクセス許可期間を経過したアクセスであると判別したときには、ウエブサーバ102は、アクセスしてきたユーザに、アクセス許可期間を経過している旨の通知を送る(ステップS519)。そして、ステップS516に進み、アクセスが切断されるのを待ち、アクセスが切断されたと判別したときには、切断処理を行って(ステップS517)、この処理ルーチンを終了する。
【0208】
[管理サーバ101での処理動作の例]
この第2の実施形態における管理サーバ101における処理動作の例を図15および図16のフローチャートに示す。この図15および図16の処理動作は、管理サーバ101が備えるコンピュータからなる制御部が実行するものである。
【0209】
図15は、管理サーバ101が、ユーザのアクセス時にウエブサーバ102から送られてくる情報を受信したときの処理動作例を示すフローチャートである。
【0210】
管理サーバ101は、ウエブサーバ102からの情報の受信を監視し(ステップS521)、ウエブサーバ102からの情報を受信したと判別したときには、受信した情報のうち、付加情報を解析デコードして、暗号化されている時刻情報を復号して時刻情報を取得する(ステップS522)。
【0211】
次に、管理サーバ101は、取得した時刻情報を、受信したメールアドレスと対応付けて、メモリに蓄積する(ステップS523)。
【0212】
次に、管理サーバ101は、設定されているアクセス許可期間が経過したか否か判別し(ステップS524)、経過していないと判別したときには、ステップS521に戻り、ウエブサーバ102からの情報の受信して、時刻情報とメールアドレスとを対応付けしてメモリに蓄積する処理を繰り返す。
【0213】
そして、ステップS524で、アクセス許可期間が経過したと判別したときには、ウエブサーバからは情報が送られて来ないので、メモリに蓄積した時刻情報に先後の順位を付与する(ステップS525)。
【0214】
そして、管理サーバ101は、付与した順位に応じて決定された整理券を発行する、発行しない、整理券発行順位などの結果情報を、各時刻情報に対応付けられてメモリに保存されているメールアドレスの相手先のそれぞれにメール送信する(ステップS526)。以上で、管理サーバ101は、この処理ルーチンを終了する。
【0215】
図16は、店舗パソコン104からのアクセスを受けたときの管理サーバ101の処理動作例を示すフローチャートである。
【0216】
管理サーバ101は、店舗パソコンからのアクセスを受信したかどうかを監視し(ステップS531)、店舗パソコンからのアクセスを受信したと判別したときには、URLの付加情報を解析デコードして、暗号化されている時刻情報を復号して時刻情報を取得する(ステップS532)。
【0217】
次に、管理サーバ101は、取得した時刻情報から付与された整理券発行順位の情報を、店舗パソコン104に対して返信する(ステップS533)。
【0218】
そして、管理サーバ101は、アクセスが切断されるのを待ち(ステップS534)、切断されたと判別したときには、切断処理を行い(ステップS535)、その後、ステップS531に戻る。
【0219】
[他の実施形態および変形例]
上述の実施形態では、時刻情報は、特定の情報としての暗号キーによって暗号されることにより、当該特定の情報と対応付けて提示用情報を生成するようにした。しかし、時刻情報と特定の情報との対応付けは、これに限られるものではない。例えば、時刻情報と、当該時刻情報の時刻の変化に対応して特定情報を変化させるようにして、時刻情報と特定の情報との対応付けを行っても良い。この場合には、時刻情報と、特定情報との対応関係が、正しくないときには、その時刻情報は、信頼性のない時刻情報であると判断される。
【0220】
また、以上の実施形態では、提示用情報には、アクセス先のURLを含めるようにしたが、バーコードパターンから取得した情報を、アクセス先に送る必要がないときには、当該URLは不要であることは言うまでもない。
【0221】
また、提示用情報に含める位置情報は、上述の実施形態に限らず、場所名などを用いてもよいことは勿論である。
【0222】
また、以上の実施形態では、取得可能提示情報としては、バーコードパターンの例を示したが、これに限られるものではない。例えば、非接触情報通信が可能な機能を持つICカードなどのように、提示用情報を、電磁誘導や静電誘導などにより非接触で取得できる形式の情報として提示する場合にも、この発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0223】
【図1】この発明による情報処理システムの第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明による情報処理システムの第1の実施形態における広告サーバのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明による情報処理システムの第1の実施形態における広告装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図4】この発明による情報処理システムの第1の実施形態における広告サーバの処理動作例を示すフローチャートである。
【図5】この発明による情報処理システムの第1の実施形態における広告サーバの処理動作例を示すフローチャートである。
【図6】この発明による情報処理システムの第1の実施形態における広告装置の処理動作例を示すフローチャートである。
【図7】この発明による情報処理システムの第1の実施形態における広告装置による取得可能提示情報の提示状態を説明するための図である。
【図8】この発明による情報処理システムの第1の実施形態における携帯電話端末のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図9】この発明による情報処理システムの第1の実施形態における携帯電話端末の処理動作例を示すフローチャートである。
【図10】この発明による情報処理システムの第1の実施形態におけるウエブサーバのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図11】この発明による情報処理システムの第1の実施形態におけるウエブサーバの処理動作例を示すフローチャートである。
【図12】この発明による情報処理システムの第2の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図13】この発明による情報処理システムの第2の実施形態におけるウエブサーバの処理動作例を示すフローチャートである。
【図14】この発明による情報処理システムの第2の実施形態におけるウエブサーバの処理動作例を示すフローチャートである。
【図15】この発明による情報処理システムの第2の実施形態における管理サーバの処理動作例を示すフローチャートである。
【図16】この発明による情報処理システムの第2の実施形態における管理サーバの処理動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0224】
1…広告サーバ、21〜2n…広告装置、3,102…ウエブサーバ、4,107…携帯電話端末、6,105…インターネット、101…管理サーバ、106…ユーザ用パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
提示情報の生成手段が、刻々と変化する時刻情報を特定の情報と関連付けた情報を少なくとも含む提示用情報を生成する生成工程と、
提示手段が、前記生成工程で生成された前記提示用情報を、利用者が取得可能とする取得可能提示情報に変更して提示する提示工程と、
取得手段が、前記提示工程で提示された前記取得可能提示情報を取得し、取得した取得可能提示情報から前記提示用情報を得る取得工程と、
判別手段が、前記取得工程で取得した前記提示用情報から前記特定の情報と関連付けられた前記時刻情報を得て、前記提示工程で前記提示用情報が提示された時刻を判別する判別工程と、
を有する情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記生成手段は、前記生成工程で、前記提示用情報に、前記時刻情報に加えて、前記提示工程で前記提示用情報が提示される場所の情報を含め、
前記判別手段は、前記判別工程において、前記時刻に加えて前記提示用情報が提示された場所を判別する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報処理方法において、
前記生成手段は、前記提示用情報には、前記判別手段へのアクセス情報を、さらに含める
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の情報処理方法において、
前記提示工程における前記取得可能提示情報は、表示画面に表示されるバーコードパターンであり、
前記取得手段は撮像手段を備え、前記取得工程では、前記撮像手段により撮影された前記表示画面に表示された前記バーコードパターンを取り込み、当該取り込んだ前記バーコードパターンから前記提示用情報を得るようにし、
前記判別手段は、前記取得工程で得た前記提示用情報について、前記判別工程を実行する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
請求項3に記載の情報処理方法において、
前記提示工程における前記取得可能提示情報は、表示画面に表示されるバーコードパターンであり、
前記取得手段は撮像手段を備え、前記取得工程では、前記撮像手段により撮影された前記表示画面に表示された前記バーコードパターンを取り込み、当該取り込んだ前記バーコードパターンから前記提示用情報を得るようにし、
転送手段が、前記取得工程で取得された前記提示用情報に含まれる前記アクセス情報を用いて前記判別手段に、前記提示用情報を送る転送工程を設け、
前記判別手段は、前記転送工程で転送されてきた前記提示用情報を受けて、前記判別工程を実行する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理方法において、
前記アクセス情報は、インターネット上のURL(Uniform Resource Locator)であり、
前記転送手段が、前記判別手段へのアクセス時に、前記URLに加えて前記時刻情報、前記場所の情報を前記判別手段に送ることにより、前記提示用情報の転送工程を行い、
前記判別手段は、前記転送手段から送られてくる前記URLに続く情報を解析して、前記特定の情報と関連付けられた前記時刻情報を判別することにより、前記判別工程を実行する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理方法において、
前記取得手段および前記転送手段は、携帯電話端末が備え、前記携帯電話端末が、前記取得工程および前記転送工程を実行する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記時刻情報は、前記生成手段において一元管理されたものであり、
取得時間先後判断手段が、前記判別工程で判別された前記時刻情報を用いて、前記取得手段における前記提示用情報の取得の先後を判断する判断工程を備える
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
請求項4〜請求項6のいずれかに記載の情報処理方法において、
前記提示工程における前記取得可能提示情報は、表示画面に表示されるバーコードパターンであり、前記提示手段は、前記提示工程において、前記バーコードパターンを、所定の表示情報と共に前記表示画面に表示するようにし、
表示情報提供手段が、提示する時刻に応じて変化可能とした前記所定の表示情報を、前記提示手段に提供する表示情報提供工程を設け、
前記判別手段は、前記判別工程において、前記判別した前記提示用情報が提示された時刻と、前記表示情報提供手段から送られてくる、または、予め記憶している前記所定の表示情報と前記提示する時刻の情報との対応関係を示す情報とから、前記判別した前記時刻に提示されていた前記表示情報を判別する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
請求項4〜請求項6のいずれかに記載の情報処理方法において、
前記提示手段は、前記提示工程において、前記提示用情報を、バーコードパターンとして表示画面に表示すると共に、所定の表示情報を前記表示画面に表示するようにし、
表示情報提供手段が、提示する時刻および場所に応じて変化可能とした前記所定の表示情報を、前記提示手段に提供する表示情報提供工程を設け、
前記判別手段は、前記判別工程において、前記判別した前記提示用情報が提示された時刻および場所と、前記表示情報提供手段から送られてくる、または、予め記憶している前記所定の表示情報と前記提示する時刻および場所との対応関係を示す情報とから、前記判別した時刻および場所に提示されていた前記表示情報を判別する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記生成工程では、前記時刻情報と、当該時刻に応じて異なる情報を前記特定の情報として関連付ける
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記生成工程では、前記時刻情報を前記特定の情報に基づいて暗号化することで、前記時刻情報と前記特定の情報とを関連付ける
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
刻々と変化する時刻情報を特定の情報と関連付けた情報を少なくとも含む提示用情報を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された前記提示用情報を、利用者が取得可能とする取得可能提示情報に変更して提示する提示手段と、
前記提示手段により提示された前記取得可能提示情報を取得し、取得した取得可能提示情報から前記提示用情報を得る取得手段と、
前記取得手段により取得された前記提示用情報から前記特定の情報と関連付けられた前記一元管理された時刻情報を得て、前記提示手段で前記提示用情報が提示された時刻を判別する判別手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項14】
請求項13に記載の情報処理システムにおいて、
前記生成手段は、前記生成工程で、前記提示用情報に、前記時刻情報に加えて、前記提示工程で前記提示用情報が提示される場所の情報を含め、
前記判別手段は、前記判別工程において、前記時刻に加えて前記提示用情報が提示された場所を判別する
ことを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−128528(P2010−128528A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299186(P2008−299186)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】