説明

情報処理方法

光学的に読み取られた2次元コードシンボルの所定位置に描かれた2次元コードシンボル内の所定位置に描かれた著作権情報を解析する(ステップS41)。その後、2次元コードシンボル内のコンテンツデータのURL非表示データ(UND)、テキストデータ(TXD)、バイナリデータ(BND)、音声データ(MSD)、画像データ(IMD)等のデータタイプ応じた解析処理を行う(ステップS42〜S54)。そして、解析処理結果を著作権情報とともに、表示部に表示して、操作者に対して2次元コードの所定位置に描かれた情報の内容を提供する。この結果、2次元コードにより表現されている情報を適切に処理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、情報処理方法に係り、より詳しくは、情報が2次元コードにより表現された2次元コードシンボルを読み取り、前記2次元コードシンボルとして表現されている情報を処理する情報処理方法に関するものである。
【背景技術】
従来から、EAN(European Article Number(日本においては、JAN(Japanese Article Number))コード等について使用される1次元コードや、QR(Quick Response)コードのような2次元コードが、様々な分野で使用されている。ここで、1次元コードは数字情報、英字情報又は英数字情報の表現に用いられる。一方、2次元コードは表現できる情報量が1次元コードとに比べて飛躍的に多くできることから、様々な態様で利用されることが期待されている。
こうした2次元コードの利用方法の1つとして、携帯電話等の電話装置における着信音やアラーム音等の動作案内用の音データを、2次元コードにより表現したシンボル(本明細書において、「2次元コードシンボル」という)を用い、その2次元コードシンボルを光学的に読み取って電話装置に記憶する技術が提案されている(例えば、特開2001−292199号公報参照;以下、「従来例」という)。この技術においては、まず、電話装置の動作モードをメロディデータ等の音データの読み取りモードに設定した後に、2次元コードシンボルを光学的に読み取る。
次に、読み取った2次元コードシンボルが担っているデータに音データが含まれているか否かを判定する。この判定が肯定的な場合に、音データを読み取ったことを報知する。そして、電話装置の操作者の格納指令に応じて、電話装置内の記憶装置に当該音データを格納するようになっている。
上述の従来例は、2次元コードシンボルを音データの表現に使用し、電話装置における着信音やアラーム音等といった動作案内用の音のデータを簡易に入力して記憶することができるという点で、非常に優れたものである。しかしながら、2次元コードシンボルは表現できる情報量が多いことから、音のデータ以外にも画像(静止画及び動画を含む)等のメディアデータも表現できるものである。そして、こうしたメディアデータには、デジタルコンテンツとして著作権による保護がなされるものが多く存在している。
デジタルコンテンツの著作権による保護は、そのデジタルコンテンツの複製等を禁じることを認めており、従来例におけるデジタルコンテンツの記憶装置への格納は複製に該当することから、記憶装置への格納を安易に行うと著作権の一つである複製権の侵害となりかねない。また、そのデジタルコンテンツを公衆に送信したり、送信可能化したりすると、著作権の一つである公衆送信権を侵害することになりかねない。
このため、電話装置等の操作者に負担をかけずに、こうした著作権の侵害を未然に防止することが、強く望まれている。
また、2次元コードに表現できる情報の種類は多種多様であり、様々な情報の種類に対応して、適切な処理を行うことが望まれている。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、2次元コードシンボルを読み取り、2次元コードシンボルとして表現されている情報を適切に処理する情報処理方法を提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明は、第1の観点からすると、情報が2次元コードにより表現された2次元コードシンボルを読み取り、前記2次元コードシンボルとして表現されている情報を処理する情報処理方法であって、前記2次元コードシンボルを光学的に読み取る読取工程と;前記2次元コードシンボルの所定位置に描かれた前記2次元コードシンボル内のコンテンツデータの著作権情報を解析する解析工程と;前記コンテンツデータに応じた表示、及び、前記著作権情報の解析結果に従って前記コンテンツデータについて可能な処理を行うための表示を行う表示工程;とを備える第1の情報処理方法である。
この情報処理方法では、読取工程において光学的に読み取られた2次元コードシンボルの所定位置に描かれた2次元コードシンボル内のコンテンツデータの著作権情報が、解析工程において解析される。ここで、著作権情報としては、例えば、コンテンツデータの保存の可否及び転送の可否や、コンテンツデータ内におけるメディアデータ(音又は画像等のデータ)の保存の可否及び転送の可否の指定情報等がある。引き続き、表示工程において、コンテンツデータに応じた表示、及び、著作権情報の解析結果に従ってコンテンツデータについて可能な処理を行うための表示を行う。
したがって、本発明の第1の情報処理方法によれば、2次元コードシンボルを読み取り、2次元コードシンボルとして表現されている情報を、その情報についての著作権者の意図を反映して適切な処理を行うことができる。
本発明の第1の情報処理方法では、表示工程におけるコンテンツデータに応じた表示として、コンテンツデータがテキストデータである場合には、当該テキストデータの文字表示を行うこととすることができる。また、コンテンツデータが音データである場合には、音データを示すアイコンを表示することとすることができる。さらに、コンテンツデータが画像データである場合には、画像データの画面展開表示を行うこととすることができる。
本発明は、第2の観点からすると、情報が2次元コードにより表現された2次元コードシンボルを読み取り、前記2次元コードシンボルとして表現されている情報を処理する情報処理方法であって、前記2次元コードシンボルを光学的に読み取る読取工程と;前記2次元コードシンボルの所定位置に描かれたコンテンツデータ種別情報及びコンテンツデータに応じて、前記コンテンツデータに含まれるURL(Uniform Resource Locator)データの表示及び非表示のいずれかを行う表示工程と;を備える第2の情報処理方法である。
この情報処理方法では、読取工程において光学的に読み取られた2次元コードシンボルの所定位置に描かれたコンテンツデータ種別情報及びコンテンツデータに応じて、前記コンテンツデータに含まれるURLデータの表示及び非表示のいずれかが、表示工程において行われる。したがって、本発明の第2の情報処理方法によれば、URLを2次元コードシンボルで表現した者の意図に応じて当該URLの表示又は非表示の処理を行うことができる。
本発明の第2の情報処理方法では、URLを非表示とするためには、前記コンテンツデータ種別情報をURL非表示とすることとすることができる。また、コンテンツデータに、URLデータ及びURL表示に上書き表示するURLマスクデータとを含ませることとすることができる。この結果、表示工程において、URLを非表示とすることができる。
本発明は、第3の観点からすると、情報が2次元コードにより表現された2次元コードシンボルを読み取り、前記2次元コードシンボルとして表現されている情報を処理する情報処理方法であって、前記2次元コードシンボルを光学的に読み取る読取工程と;前記2次元コードシンボルの所定位置に描かれたコンテンツデータ種別情報が、コンテンツデータがバイナリデータであることを示しているか否かを判別するバイナリデータ判別工程と;前記バイナリデータ判別工程で肯定的な判定がなされたときに、前記コンテンツデータがバイナリデータであったことの表示を行うバイナリデータ表示工程と;を備える第3の情報処理方法である。
この情報処理方法では、読取工程において光学的に読み取られた2次元コードシンボルの所定位置に描かれたコンテンツデータ種別情報が、コンテンツデータがバイナリデータであることを示しているか否かが、バイナリデータ判定工程において判定される。この判定が肯定的であった場合には、バイナリデータ表示工程において、コンテンツデータがバイナリデータであったことが表示される。
したがって、本発明の第3の情報処理方法によれば、コンテンツデータとして一般的に使用されるデータ形式以外の所望の形式を有するデータを、2次元コードシンボルで表現しても、そのデータ形式を知っている特定人間においてのみ意味のある所望のデータをやり取りすることができる。
本発明の第3の情報処理方法では、前記コンテンツデータ種別情報が、コンテンツデータがテキストデータであることを示しているか否かを判別するテキストデータ判別工程と;前記テキストデータ判別工程で肯定的な判定がなされたときに、前記コンテンツデータを文字表示するテキストデータ表示工程と;を更に備えることができる。
また、本発明の第3の情報処理方法では、前記コンテンツデータ種別情報が、コンテンツデータが音データであることを示しているか否かを判別する音データ判別工程と;前記音データ判別工程で肯定的な判定がなされたときに、前記音データに応じたアイコンを表示する音データ表示工程と;を更に備えることができる。
さらに、本発明の第3の情報処理方法では、前記コンテンツデータ種別情報が、コンテンツデータが画像データであることを示しているか否かを判別する画像データ判別工程と;前記画像データ判別工程で肯定的な判定がなされたときに、前記画像データの画面展開表示を行う画像データ表示工程と;を更に備えることができる。
以上に説明したように、本発明の第1の情報処理方法によれば、2次元コードシンボルとして表現されている情報を、その情報についての著作権者の意図を反映して適切な処理を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明の第2の情報処理方法によれば、URLを2次元コードシンボルで表現した者の意図に応じて当該URLの表示又は非表示の処理を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明の第3の情報処理方法によれば、コンテンツデータとして一般的に使用されるデータ形式以外の所望の形式を有するデータを、2次元コードシンボルで表現しても、そのデータ形式を知っている特定人間においてのみ意味のある所望のデータをやり取りすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図1A及び図1Bは、本発明の一実施形態に係る情報処理方法が使用される携帯電話の外観を示す図であり;
図2は、図1の携帯電話の機能ブロック図であり;
図3Aは1次元コードシンボル(JANシンボル)であり、図3Bは2次元コードシンボル(QRシンボル)の例を示す図であり;
図4は、図3BのQRシンボルに表現された情報のデータ構造を説明するための図であり;
図5は、図4のデータブロックヘッダの構造を説明するための図であり;
図6は、図5の著作権情報の例を説明するための図であり;
図7は、図4のデータ部ヘッダの構造を説明するための図であり;
図8は、図7のデータタイプ識別子の例を説明するための図であり;
図9A及び図9Bは、JANシンボルの場合の処理を説明するための図であり;
図10は、QRシンボルの場合の処理を説明するためのフローチャートであり;
図11は、図10における通常処理の結果の表示例を示す図であり;
図12は、図10における拡張処理を説明するためのフローチャートであり;
図13は、拡張処理結果の表示例を示す図(その1)であり;そして、
図14は、拡張処理結果の表示例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図14を参照して説明する。
図1及び図2には、一実施形態に係る情報処理方法が使用される携帯電話10の構成が概略的に示されている。ここで、図1(A)には、携帯電話10の外観の正面図が示され、図1(B)には、携帯電話10の外観の裏面図が示されている。また、図2には、携帯電話10の機能ブロック構成が示されている。
図1及び図2において総合的に示されるように、携帯電話10は、(a)制御部21、送受信部22及び記憶装置23を備える携帯電話本体11と、(b)電話番号を制御部21へ入力するためのテンキー、及び、動作モードの切替等の各種指令を制御部21へ入力するためのファンクションキーを有する操作部12と、(c)制御部21による指令に応じて、操作案内、動作状況、受信メッセージ等を表示する液晶表示装置を有する表示部13とを備えている。また、携帯電話10は、(d)通話時に通信相手から送られてきた音声信号を再生する通話用スピーカ14と、通話時に音声を入力するためのマイクロフォン15と、(e)制御部21による指令に応じて、着信音や案内音を発生するための案内用スピーカ16とを備えている。更に、携帯電話10は、(f)送受信部22と接続され、基地局との間で無線信号を授受するためのアンテナ17と、(g)後述する1次元コードや2次元コードを読み取るための撮像部18とを備えている。
上記の撮像部18は、図3(A)に示されるようなJANコード化された情報を表現したJANコードシンボル(以下、「JANシンボル」と呼ぶ)JNC、及び、図3(B)に示されるような、情報を2次元コードの一種であるQRコードで表現したQRコードシンボル(以下、「QRシンボル」と呼ぶ)QRCを光学的に読み取るようになっている。ここで、JANシンボルJNCは、表現する数字データに応じて、様々な太さの暗部直線(図3(A)では黒色の直線)と明部直線(図3(A)では白色の空白)が、それらの直線の垂直方向に沿って1次元的に並べられて構成されている。また、QRシンボルQRCは、表現するデータに応じて、2次元的に暗部矩形(図3(B)では黒色矩形)と明部矩形(図3(B)では白色矩形)とが配列されている。このQRシンボルQRCは、全体として矩形状の形状をしており、その矩形の3隅に位置決め用シンボルPS1,PS2,PS3が配置されている。
上記の制御部21は、中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理装置(DSP)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)を備えており、一般的な携帯電話機能を実現するために、様々なデータ処理を行うとともに、上述した他の構成要素の動作制御を行うようになっている。また、制御部21は、撮像部18より光学的に読み取られたJANシンボルJNCやQRシンボルQRCに表現された情報を処理するようになっている。こうした制御部21による処理や制御は、操作者の操作を適宜参照しつつ、内蔵されたプログラムを実行することにより行われる。
次に、以上のように構成された携帯電話10による、撮像部18により光学的に読み取られたコードに関する情報処理を説明する。
前提として、撮像部18による光学的な読み取り対象がJANシンボルJNCの場合には、JIS(Japan Industrial Standars)X 0501に定められた形式で数字情報が表現されているものとする。また、撮像部18による光学的な読み取り対象がQRシンボルQRCの場合には、JIS X 0510に定められた形式で情報が表現されているものとする。
すなわち、QRシンボルQRCには、図4に示されるように、モード指示子MDID、文字数指示子CHN、データブロックDBK〜DBK及び終了指示子EDBが表現されている。これらのデータブロックDBK(j=1〜M)それぞれは、データブロックヘッダHDRと、データ部DTBj,1〜DTBj,Njと、終了指示子EDBとから構成されている。そして、データ部DTBj,(k=1〜N)それぞれは、データ部ヘッダDTHj,kとデータDTj,kとから構成されている。
モード指示子MDIDは、データブロックDBK(j=1〜M)のデータ列がどのモードで符号化されているのかを示している。例えば、数字符号化、英数字符号化、8ビットバイト符号化、漢字符号化の別を示している。なお、本実施形態では、モード指示子MDIDが特定の値となる場合を、上述した終了指示子EDBとすることとしている。また、文字数指示子CHNは、データブロックDBK(j=1〜M)の全ての文字数の総数を示している。
データブロックヘッダHDRは、図5に示されるように、(i)拡張ヘッダ識別子EHIDを有している。そして、拡張ヘッダ識別子EHIDが有意である場合には、データブロックヘッダHDRは、(ii)拡張バージョン識別子EVIDと、(iii)暗号化識別子CDIDと、(iv)暗号化アルゴリズムバージョン識別子CVIDと、(v)著作権情報CPIDとを有することとしている。なお、拡張ヘッダ識別子EHIDが非有意である場合には、その後、終了指示子EDBの直前までのデータ列は、特別な構造を有さず、モード指示子MDIDで示されるモードで符号化されたデータ列となっている。
拡張ヘッダ識別子EHIDは、データブロックDBK(j=1〜M)における拡張ヘッダ識別子EHIDから後のデータ列が、後述する拡張処理すべきデータ列であるか否かを示している。さらに、拡張バージョン識別子EVIDは、拡張処理のバージョンを示している。また、暗号化識別子CDIDは、データDTj,k(k=1〜N)が暗号化されているか否かを示している。さらに、暗号化アルゴリズムバージョン識別子CVIDは、データDTj,k(k=1〜N)が暗号化されているときの暗号化アルゴリズムバージョンを示している。
また、著作権情報CPIDは、データDTj,k(k=1〜N)がその著作権との関係から、どのような処理が可能かを示している。本実施形態では、この著作権情報CPIDを図6に示されるような8ビット構成とし、データ全体の保存の可否及び転送の可否、並びにメディアデータの保存の可否及び転送の可否を示すようにしている。ここで、データ全体とは、データブロックDBKに含まれるデータDTj,k(k=1〜N)の全てをいう。また、本実施形態においては、後述するデータ部ヘッダDTHj,k(k=1〜N)のデータタイプ識別子DYIDにおいて音データ又は画像データであることが示されているデータDTj,kが、メディアデータに該当する。
上記のデータ部ヘッダDTHj,k(k=1〜N)は、図7に示されるように、データタイプ識別子DYIDと、データ長DTLNとから構成されている。
データタイプ識別子DYIDは、DTj,k(k=1〜N)のデータ種別をしている。本実施形態では、このデータタイプ識別子DYIDを図8に示されるような8ビット構成とし、URL非表示データ(UND)、テキストデータ(TXD)、バイナリデータ(BND)、音データ(MSD)、画像データ(IMD)の別を示すようにしている。なお、URL非表示データ(UND)、テキストデータ(TXD)は、シフトJISコードを使用することとしている。
携帯電話10の撮像部18により光学的に読み取られたコードは、以下のように処理される。
まず、JANシンボルJNCに関する情報処理について説明する。このJANシンボルJNCに関する情報処理では、まず、図9(A)のステップS11において、撮像部18によりJANシンボルJNCが光学的に読み取られる。この読取結果は、撮像部18から、制御部21へ送られる。
次に、ステップS12において、制御部21が、撮像部18による読取結果をデコードする。引き続き、ステップS13において、制御部21が、デコード結果からデータ列を抽出する。
次いで、ステップS14において、制御部21が表示部13を制御して、抽出データを表示部13に表示する。こうして、抽出データが表示部13に表示された例が、図9(B)に示されている。
次に、QRシンボルQRCに関する情報処理について説明する。なお、以下では、説明の簡素化のため、QRシンボルQRCによって表現されている情報には、データブロックが1つであった、すなわち、データブロックDBKのみが存在する場合について説明する。また、後述する未対応フラグは、この処理の開始時にOFFにリセットされているものとする。
このQRシンボルQRCに関する情報処理では、まず、図10のステップS21において、撮像部18によりQRシンボルQRCが光学的に読み取られる。この読取結果は、撮像部18から、制御部21へ送られる。
次に、ステップS22において、制御部21が、撮像部18による読取結果をデコードする。引き続き、ステップS23において、制御部21が、デコード結果から、モード指示子MDID及び文字数指示子CHNに基づいて、データ列を抽出する。
次いで、ステップS24において、制御部21が、拡張ヘッダ識別子EHIDが有意であるか否かを判定する。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS31へ移行する。そして、ステップS31において、制御部21が、文字数指示子CHNより後をモード指示子MDIDに示されるモードにより符号化されたデータ列であるとする通常処理を行う。引き続き、ステップS32において、制御部21による制御のもとで、ステップS31における処理結果が表示部13に表示される。この場合の表示例が、図11に示されている。なお、図11には、モード指示子MDIDが英数字符号化を示していた場合の表示例が示されている。こうして画面表示がなされると、QRシンボルQRCに関する情報処理が終了する。
図10に戻り、ステップS24において肯定的な判定がなされると、処理はステップS25へ移行する。そして、ステップS25において、制御部21が、携帯電話10が拡張バージョン識別子EVIDに示される拡張バージョンに対応しているか否かを判定する。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS29へ移行する。そして、ステップ29において、制御部21が、未対応フラグをONに設定する。その後、処理はサブルーチンS30へ移行する。
ステップS25において肯定的な判定がなされた場合には、処理はステップS26へ移行する。そして、ステップS26において、制御部21が暗号化識別子CDIDを参照して、データDTj,k(k=1〜N)が暗号化されているか否かを判定する。この判定が否定的であった場合には、処理はサブルーチンS30へ移行する。
ステップS26において肯定的な判定がなされた場合には、処理はステップS27へ移行する。そして、ステップS27において、制御部21が、携帯電話10が暗号化アルゴリズムバージョン識別子CVIDに示される暗号化アルゴリズムに対応しているか否かを判定する。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS29へ移行する。そして、ステップ29において、制御部21が、未対応フラグをONに設定する。その後、処理はサブルーチンS30へ移行する。
ステップS27において肯定的な判定がなされた場合には、処理はステップS28へ移行する。そして、ステップS28において、制御部21が、データDTj,k(k=1〜N)を復号化する。その後、処理はサブルーチンS30へ移行する。
サブルーチンS30では、情報の拡張処理が行われる。この拡張処理では、まず、図12のステップ41において、著作権情報CPIDが抽出される。引き続き、ステップS42において、制御部21が、未対応コードフラグがONであるか否かを判定する。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS53へ移行する。そして、ステップS53において、制御部21が、所定の未対応データ処理を行う。その後、処理はステップS54へ移行する。
ステップS42において否定的な判定がなされると、処理はステップ43へ移行する。そして、ステップ43において、制御部21が、データタイプ識別子がURL非表示データ(UND)であるか否かを判定する。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS44へ移行する。そして、ステップS44において、制御部21が、データ内にURLを検出したときにそのURLを非表示とするURL非表示処理を行う。その後、処理はステップS54へ移行する。
ステップS43において否定的な判定がなされると、処理はステップ45へ移行する。そして、ステップ45において、制御部21が、データタイプ識別子がテキストデータ(TXD)であるか否かを判定する。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS46へ移行する。そして、ステップS46において、制御部21が、テキストデータの解析処理を行い、文字表示用の準備を行う。その後、処理はステップS54へ移行する。
ステップS45において否定的な判定がなされると、処理はステップ47へ移行する。そして、ステップ47において、制御部21が、データタイプ識別子がバイナリデータ(BND)であるか否かを判定する。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS48へ移行する。そして、ステップS48において、制御部21が、バイナリデータの解析処理を行い、バイナリデータのアイコン表示及びバイナリデータである旨の表示の準備を行う。その後、処理はステップS54へ移行する。
ステップS47において否定的な判定がなされると、処理はステップ49へ移行する。そして、ステップ49において、制御部21が、データタイプ識別子が音データ(MSD)であるか否かを判定する。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS50へ移行する。そして、ステップS50において、制御部21が、音データの解析処理を行い、音データのアイコン表示の準備を行う。その後、処理はステップS54へ移行する。
ステップS49において否定的な判定がなされると、処理はステップ51へ移行する。そして、ステップ51において、制御部21が、データタイプ識別子が画像データ(IMD)であるか否かを判定する。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS52へ移行する。そして、ステップS52において、制御部21が、画像データの解析処理を行い、画像データの画面展開処理を行う。その後、処理はステップS54へ移行する。一方、ステップS51において否定的な判定がなされると、処理はステップS53へ移行する。そして、ステップS53において、制御部21が、所定の未対応データ処理を行う。その後、処理はステップS54へ移行する。
ステップS53においては、制御部21が、文字数指示子CHN及びそれまでに処理したデータ量に基づいて、処理すべきデータが残っていないか否かを判定する。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS42へ移行し、以後、ステップ54において肯定的な判定がなされるまで、上記のステップS42〜S54の処理を繰り返す。そして、ステップ54において肯定的な判定がなされると、サブルーチン30の処理を終了し、処理は図10のステップS32へ移行する。
こうして拡張処理の後、ステップS32に処理が移行すると、ステップ32において、制御部21が表示部13を制御して、著作権情報に従って許容される範囲内の操作案内及び著作権情報を含む拡張処理結果を表示部13に表示する。こうして、抽出データが表示部13に表示された例が、図13及び図14に示されている。
ここで、図13(A)には、データタイプ識別子DYIDがURL非表示データ(UND)であった場合の例が示され、図13(B)には、データタイプ識別子DYIDがテキストデータ(TXD)であった場合の例が示されている。また、図13(C)には、データタイプ識別子DYIDがバイナリデータ(BND)であった場合の例が示され、図13(D)には、データタイプ識別子DYIDが音データ(MSD)であった場合の例が示されている。さらに、図14(A)には、データタイプ識別子DYIDが画像データ(IMD)であった場合の例が示され、図14(B)には、データタイプ識別子DYIDがテキストデータ(TXD)と音データ(MSD)とであった場合が示されている。
なお、図13(A)〜図13(C)には、著作権情報が全データの保存可及び転送可の例が示され、図13(D)には、著作権情報が全データの保存可及び転送不可の例が示されている。また、図14(A)には、著作権情報が全データの保存不可及び転送不可の例が示され、図14(B)には、著作権情報がメディアデータの保存可及び転送可の例が示されている。
こうして表示部13に拡張処理結果が表示されると、携帯電話10の操作者は、著作権情報の表示に従って、その後のデータ処理を行うべく、操作部12を操作する。
なお、QRシンボルQRCに複数のデータブロックが含まれる場合には、上記のステップS24〜S32の処理又はステップS21〜S32の処理を複数のデータブロックごとに行えばよい。
以上説明したように、本実施形態では、撮像部18により光学的に読み取られた2次元コードの所定位置に描かれた2次元コード内のコンテンツデータの著作権情報が解析され、コンテンツデータに応じた表示、及び、著作権情報の解析結果に従ってコンテンツデータについて可能な処理を行うための表示を行う。したがって、2次元コードとして表現されている情報を、その情報についての著作権者の意図を反映して適切な処理を行うことができる。
また、撮像部18において光学的に読み取られた2次元コードの所定位置に描かれたデータタイプ識別子がURL非表示である場合に、コンテンツデータに含まれるURLデータを表示しないこととしている。したがって、本発明の第2の情報処理方法によれば、URLを2次元コードで表現した者の意図に応じて当該URLの表示又は非表示の処理を行うことができる。
また、撮像部18において光学的に読み取られた2次元コードの所定位置に描かれたデータタイプ識別子が、コンテンツデータがバイナリデータであることを示しているか否かを判定し、この判定が肯定的であった場合には、コンテンツデータがバイナリデータであったことを表示する。したがって、コンテンツデータとして一般的に使用されるデータ形式以外の所望の形式を有するデータを、2次元コードで表現しても、そのデータ形式を知っている特定人間においてのみ意味のある所望のデータをやり取りすることができる。
なお、上記の実施形態では、URL非表示を実現するために、データタイプ識別子をURL非表示に設定することとしたが、データ内にURL表示に上書き表示するURLマスクデータとを含ませることとすることもできる。
また、上記の実施形態では、2次元コードをQRコードとしたが、CODE16K、ウルトラコード、マキシコード等の任意の2次元コードについて本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態では、本発明を携帯電話に適用したが、パーソナルコンピュータ等の他の装置に本発明を適用することができるのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
以上詳細に説明したように、本発明は、2次元コードにより表現されている情報の処理に適用することができる。

【図2】


【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】


【図10】

【図11】

【図12】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報が2次元コードにより表現された2次元コードシンボルを読み取り、前記2次元コードシンボルとして表現されている情報を処理する情報処理方法であって、
前記2次元コードシンボルを光学的に読み取る読取工程と;
前記2次元コードシンボルの所定位置に描かれた前記2次元コードシンボル内のコンテンツデータの著作権情報を解析する解析工程と;
前記コンテンツデータに応じた表示、及び、前記著作権情報の解析結果に従って前記コンテンツデータについて可能な処理を行うための表示を行う表示工程;とを備える。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記著作権情報は、前記コンテンツデータの保存の可否及び転送の可否、並びに前記コンテンツデータ内におけるメディアデータの保存の可否及び転送の可否の指定情報を含む。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツデータはテキストデータであり、
前記表示工程では、前記コンテンツデータに応じた表示として、前記テキストデータを文字表示する。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツデータは音データであり、
前記表示工程では、前記コンテンツデータに応じた表示として、前記音データを示すアイコンを表示する。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツデータは画像データであり、
前記表示工程では、前記コンテンツデータに応じた表示として、前記画像データの画面展開表示を行う。
【請求項6】
情報が2次元コードにより表現された2次元コードシンボルを読み取り、前記2次元コードシンボルとして表現されている情報を処理する情報処理方法であって、
前記2次元コードシンボルを光学的に読み取る読取工程と;
前記2次元コードシンボルの所定位置に描かれたコンテンツデータ種別情報及びコンテンツデータに応じて、前記コンテンツデータに含まれるURLデータの表示及び非表示のいずれかを行う表示工程と;を備える。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツデータ種別情報がURL非表示指定含むときには、前記表示工程において前記URLを表示しない。
【請求項8】
請求項6に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツデータは、前記URL表示に上書き表示するURLマスクデータを更に含むときには、前記表示工程において前記URLを表示しない。
【請求項9】
情報が2次元コードにより表現された2次元コードシンボルを読み取り、前記2次元コードシンボルとして表現されている情報を処理する情報処理方法であって、
前記2次元コードシンボルを光学的に読み取る読取工程と;
前記2次元コードシンボルの所定位置に描かれたコンテンツデータ種別情報が、コンテンツデータがバイナリデータであることを示しているか否かを判別するバイナリデータ判別工程と;
前記バイナリデータ判別工程で肯定的な判定がなされたときに、前記コンテンツデータがバイナリデータであることの表示を行うバイナリデータ表示工程と;を備える。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツデータ種別情報が、コンテンツデータがテキストデータであることを示しているか否かを判別するテキストデータ判別工程と;
前記テキストデータ判別工程で肯定的な判定がなされたときに、前記コンテンツデータを文字表示するテキストデータ表示工程と;を更に備える。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツデータ種別情報が、コンテンツデータが音データであることを示しているか否かを判別する音データ判別工程と;
前記音データ判別工程で肯定的な判定がなされたときに、前記音データに応じたアイコンを表示する音データ工程と;を更に備える。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツデータ種別情報が、コンテンツデータが画像データであることを示しているか否かを判別する画像データ判別工程と;
前記画像データ判別工程で肯定的な判定がなされたときに、前記画像データの画面展開表示を行う画像データ表示工程と;を更に備える。
【請求項13】
請求項9又は10に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツデータ種別情報が、コンテンツデータが画像データであることを示しているか否かを判別する画像データ判別工程と;
前記画像データ判別工程で肯定的な判定がなされたときに、前記画像データの画面展開表示を行う画像データ表示工程と;を更に備える。

【国際公開番号】WO2004/090794
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【発行日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−505295(P2005−505295)
【国際出願番号】PCT/JP2004/004983
【国際出願日】平成16年4月7日(2004.4.7)
【出願人】(501440684)ボーダフォン株式会社 (654)
【Fターム(参考)】