説明

情報処理機能を持つマルチメディア・ディスプレイ通信システム

【課題】手持ちサイズの携帯通信装置として使用するための、インタラクティブ、低電力、収納可能な、情報処理機能を持つマルチメディア・ディスプレイ・システムを提供する。
【解決手段】ディスプレイ通信装置は、筺体102と、プロセッサと、無線信号を送受信するための無線トランシーバ装置と、前記筺体に機械的に連結され前記プロセッサに電気的につながれた収納可能なディスプレイ106とを有することができる。前記ディスプレイは、前記筺体のいずれの横断面積よりも大きい表面積を有することが可能である。前記プロセッサは入力無線信号から表示データを抽出し、前記表示データの表示を前記ディスプレイに提供するようにできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスプレイ・システムに関するものである。より具体的には、本発明は手持ちサイズの携帯通信装置として使用するための、インタラクティブ、低電力、収納可能な、情報処理機能を持つマルチメディア・ディスプレイ・システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電話およびパーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)などの手持ちサイズの携帯通信装置に対する需要の増加とともに、ますます多くの機能が前述の装置に要求されるようになってきている。例えば消費者は、電話機能、ページング、ファクス、ワイヤレス・インターネット接続、データ・ストレージなどを含む手持ちサイズの装置を求めている。しかし同時に消費者は、メーカーが前述の装置のサイズを縮小し続けることを求めている。
【0003】
そういった手持ちサイズの装置は通常、ディスプレイを含んでいる。これらの装置の縮小サイズによる問題は、それらディスプレイが小さすぎて、多くの情報を提供できないことであり、また、提供可能な情報が、視覚的に見やすい方法で通常は提供されないことである。例えば、小型の手持ちサイズの電話あるいはPDAに使われる典型的な発光ダイオード(LED)ディスプレイまたは液晶ディスプレイ(LCD)は、不明瞭で、充分な量の情報を表示できない場合がある。例えば、前述のディスプレイは典型的に、Webページ全体を表示することが出来ない。更に、前述のディスプレイはフル・カラー表示でないことが多い。
【0004】
典型的な従来技術に見られる手持ちサイズ通信装置は、前記装置のための処理電子部品を含む筺体を含む。前記筺体は、ユーザーが手に持つ装置の一部であり、よって、人の手にほどよく収まるように設計されているのが普通である。典型的に前記ディスプレイは、前記筐体の一部として一体化されている。その結果、前記ディスプレイのサイズは前記筺体のサイズによって制限される。更に、前述のディスプレイは通常、比較的大量の電気エネルギーを要求し、そのため、筐体が比較的大きい電源装置を含むため、メーカーは前記装置のサイズを縮小する能力が妨げられる。
【0005】
図1A−1Cは、いくつかの典型的な従来技術による手持ちサイズの通信装置を示す。図1Aは、筐体12および筐体12に一体化されたディスプレイ14を持つ、手持ちサイズ電話10の図である。図が示すように、前記ディスプレイ14は前記筐体12よりも小さい。前記電話10は、装置を操作するためにユーザーが使用できる複数のボタンを含むキーパッド16を含む。前記キーパッド16は、前記ディスプレイ14から分かれている。
【0006】
同様に、図1Bは、筐体22と、前記筐体に一体化されたディスプレイ24を有するパーソナル・デジタル・アシスタントの図である。やはり、前記ディスプレイ24は前記筐体22よりも小さい。前記パーソナル・デジタル・アシスタント20は、装置20を操作するためにユーザーが使用できるキーボード26を含む。前記キーボード26は、前記24から分かれている。
【0007】
図1Cは、筐体32および筺体32に一体化されたディスプレイ34を有する、いわゆる折りたたみ式携帯電話の図である。図が示すように、ディスプレイ34は筺体32よりも小さい。上蓋31を閉じると、ディスプレイ34の一部分が覆われる。上蓋31を開いて、ディスプレイ34の覆われていた部分を露出することができる。あるいは、ディスプレイ34を電話30の上蓋31に一体化することも可能である。上蓋31の表面積は筺体32の表面積を越える大きさではないので、いずれにしてもディスプレイ34は筺体32よりも小さくなる。折りたたみ式携帯電話30は、ディスプレイ34から分かれているキーパッド36を含む。
【0008】
いずれの場合も、前記ディスプレイは前記装置の筺体に一体化した(若しくは組み込まれた)いくつかの要素の1つにすぎない。いずれの場合も、前述のディスプレイはサイズ的に小さく、硬く、固定されており、一般に長方形である。結果的に、前述のディスプレイはユーザーにとって意味のある情報を提供するという点で機能的に限界がある。ゆえに、本技術分野において、情報処理機能を持つマルチメディア・ディスプレイのある通信システムが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、本発明に従ったインタラクティブ、低電力、収納可能な、情報処理機能を持つマルチメディア・ディスプレイ・システムを提供する。それは、手持ちサイズの携帯通信装置として使用可能なディスプレイ・システムである。本発明に従ったディスプレイ通信装置は、プロセッサと、無線信号の送受信のための無線トランシーバ装置と、前記筺体に機械的に連結された収納可能なディスプレイとを含む筺体を含む、インタラクティブで双方向の通信装置とすることができる。前記ディスプレイは、前記筺体のいずれの横断面よりも大きい表面積を持つことが可能である。前記筺体は、薄膜電源のような低電圧電源を含むことが可能である。
【0010】
プロセッサを前記筐体の中に含め、それにより前記ディスプレイからのコマンドを受信し、受信したコマンドに基づく出力無線信号を作るように構成できる。前記ディスプレイはタッチ・コマンドを処理するようにすることができ、前記タッチ・コマンドに基づく受信コマンドが可能である。出力音声信号を送信するために、前記プロセッサにスピーカを連結させることが可能であり、前記プロセッサは前記入力無線信号からの音声データを抽出し、前記抽出された音声データを表す出力音声信号をスピーカに与えるようにすることができる。入力音声信号を受信するために前記プロセッサにマイクロフォンを連結することが可能であり、前記プロセッサが前記入力音声信号に基づく出力無線信号を作るようにすることができる。前記プロセッサは前記入力音声信号の表示によって搬送信号を変調することにより、出力無線信号を作るようにすることができる。
【0011】
前記装置は、音声作動式にできる。前記プロセッサに、前記入力音声信号が電話信号かコマンドかを判断する機能を与えることができる。前記プロセッサは、例えばインターネットへの接続によって、前記ディスプレイ通信装置とリモート・ネットワーク装置間の接続を起動することができる。前記プロセッサは前記装置が電話モードかコマンド・モードかを判断するようになっている。前記プロセッサは、前記装置がコマンド・モードであれば、音声起動コマンドに対応するようになっている。前記ディスプレイをフレキシブル・ディスプレイとすることができる。前記通信装置に、前記筺体と前記ディスプレイに連結したロッドを含み、前記ディスプレイが前記ロッドに巻きつくようにすることができる。前記ロッドは、前記筺体の内部または外部に連結することができる。あるいは、前記ディスプレイが前記筺体そのものに巻きつくようにすることもできる。延長した位置に前記ディスプレイを固定するためのロッキング機構を前記装置に含めることができる。ディスプレイは収納可能である。
【0012】
前記ディスプレイは、接触反応式にできる。前記ディスプレイが前記プロセッサに接触信号を提供し、前記プロセッサは前記接触信号の受信に対応する操作を実行することができる。また、前記ディスプレイ通信装置は、その時点で表示されている情報に対応する表示データを保存するためのディスプレイ・メモリを含めることができる。前記ディスプレイ・メモリを前記ディスプレイに(例えばピクセルそのものの中に)埋め込む、若しくは前記筐体の中に含めることができる。
【0013】
前記ディスプレイは複数の有機発光デバイス(OLED)を含むことができる。前記OLEDは、例えば通常の並列OLEDか、積層OLED(SOLED)か、トップ発光または透明OLED(TOLED)にすることができる。更に、前記OLEDを有機光センサーと一体化することができる。
【0014】
前記ディスプレイは複数の双安定ピクセルを含むことができる。前記ディスプレイは複数の自己設定可能なピクセルを含むことができる。各ピクセルはローカル・プロセッサと、前記ピクセルに伴うピクセル・アドレスを含むメモリとを含むことができる。前記ピクセルは、色、グレースケール、および/または解像度に関する設定を自ら行うようになっている。前記ピクセルは一群のサブピクセルを含むことができ、前記において各サブ・ピクセルは発光デバイスを数多く含む。サブピクセルを形成する発光デバイスの数は、ピクセルの色、グレースケール、解像度によって決まる。
【0015】
前記プロセッサは、ピクセル・アドレスと、前記ピクセル・アドレスにあるピクセルに対応する明るさとを含むデータ・パケットを提供することによって、前記ディスプレイを更新することができる。現行の画像と以前の画像の比較、および以前の画像から現行の画像にディスプレイを変換するのに、前記プロセッサは変更される必要のあるピクセル明度を持つ1若しくはそれ以上のピクセルの識別を行うようになっている。前記プロセッサは、前記識別された1若しくはそれ以上のピクセルのピクセル明度の変更を引き起こす表示データを前記ディスプレイに提供することができる。1つのピクセルは、1若しくはそれ以上のカラーまたは赤外線のサブピクセルを含むことができる。
【0016】
前記ディスプレイは、取り外しが可能なように前記筐体に連結することができ、取り外しが可能なように複数のそれぞれの外部装置に連結するようにできる。前記ディスプレイは、それが連結される前記外部装置に対して自動的に構成するようになっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図2は、本発明に従った、情報処理機能を持つマルチメディア・ディスプレイ通信装置100の好ましい実施形態を示す。図が示すように、前記装置100は、この装置100を作動するための主要な処理を行う電子部品を含むプロセッサ103を収容できる筐体102を含む。好ましくは、装置100は手持ちサイズまたはポケットサイズの装置であり、例えば図に示されるような、全体としてペンまたはポインタに似た形である。前述の実施形態において、筐体102は細長で幅の狭い筐体である。好ましくは、装置100は実際に書くための道具としても通信装置としても使うことができるように、インクまたは固体または液体グラファイトを含むディスペンサを含む。筐体102は、例えばプラスチック製とすることができる。
【0018】
また、筐体102に、内部コンポーネントを冷却すると同様に、前記筐体内部に陽圧を与え、それによって、埃、砂、煙などの粒子が前記装置に入り込み内部コンポーネントを汚染するのを防ぐ働きをするマイクロ・ファンを含めることもできる。さらに、装置100を水や埃などから保護するために持ち運び用ケースを提供することができる。図8は、前述の持ち運び用ケースである。好ましくは、持ち運び用ケース80は金属またはプラスチックのような材料で作られており、衝撃および環境条件から前記装置を保護するためにオプションとして密閉シール82を含む。好ましくは、持ち運び用ケース80は、空洞になった細長の本体部81と、空洞になった細長のキャップ部83とを含み、全体として(葉巻のチューブのような)チューブ上の形状を持つ。好ましくは、キャップ部83は着脱可能な方法で本体部81に連結されている。例えば、キャップ部83をスライドすることによって本体部81との着脱が可能となるように、あるいはキャップ部83を差し込むことによって本体部81と着脱可能となるように、前記持ち運び用ケースを設計することができる。したがって、ネジスジによってキャップ部83が本体部81と着脱可能となるように、キャップ部83および本体部81にそれぞれ相補的なネジスジ(図8では示していない)を含めることができる。
【0019】
密閉シール82を分離した別の要素とすることも可能だが、密閉シールが本体部81またはキャップ部83のいずれかに取り付けられている方が好ましい。いずれにせよ、キャップ部83が本体部81に連結されているときに持ち運び用ケース80が密閉されるように、密閉シール82をキャップ部83と本体部81との間に配置する。前記装置の筐体は、直径1インチ前後になるものと見込まれる。したがって、持ち運び用ケース80も、やはり約1インチの内径80dが見込まれる。
【0020】
プロセッサ103はマイクロプロセッサを含むことができるが、マイクロプロセッサに限定されるものではない。好ましくは、プロセッサ103は薄膜の「チップ上のデジタル無線機」である。すなわち、プロセッサ103はアナログおよびデジタル無線信号を処理する能力を提供する。前述の処理には、第三者の妨害に対して安全な通信を確保するデータ暗号化、ノイズ削減、バックグラウンド・ノイズ・キャンセレーション、エコー・キャンセレーション、あるいは他の同様の技法などを含め、音の質を向上させるための無数の信号処理技法が含まれ得る。データ暗号化/暗号解読能力の提供により、暗号化された通信信号を前記装置が受信、処理、送信できるのが好ましい。それにより、前記装置は第三者による妨害の可能性から確実に守られる。よく知られたデータ暗号化/解読技法のどれを採用してもよい(例えばRSA、ジフィーヘルマン(Diffie−Hellman)、DES、トリプルDESなど)。
【0021】
プロセッサ103はまた、複合無線機能(すなわち1つのチップ上で複数の無線機または無線機能)を提供することができる。例えば装置100を、その環境、用途、およびディスプレイ通信装置100が通信する外部装置の具体的な特徴に合わせて短距離赤外線信号、あるいは短距離、中距離、または長距離無線周波数(RF)信号を送信、処理、受信するようにできる。前述の無線電信能力を、プロセッサ103のソフトウェアに実装することが可能である。
【0022】
好ましくは、プロセッサ103は音声、ビデオ、および/またはコントロール・データを含む通信信号の送受信を、選択的におよび/または同時に制御するための制御方法を含む。さらにプロセッサ103は、好ましくは、前記装置が受信する音声、ビデオ、および/またはコントロール・データを含む通信信号の表示または保存を、選択的におよび/または同時に制御するための制御方法を含む。本発明の好ましい実施形態におけるプロセッサ103の性能に関する詳細な説明を以下に記す。
【0023】
装置100は、例えば、出力無線信号の送信および入力無線信号の受信のためのアンテナを含む。前記無線信号はアナログまたはデジタルの無線信号でよい。装置100は、シンプレックス(単信)、ハーフ・デュプレックス(半二重)、フル・デュプレックス(全二重)のうちの1若しくはそれ以上による送信モードで作動することができる。装置100は、例えば時分割多重接続方式(TDMA)、周波数分割多重接続方式(FDMA)、符号分割多重接続方式(CDMA)、狭帯域CDMA(NCDMA)、広帯域(広帯域またはワイドバンド)CDMA(BCDMA)、超広帯域直交周波数分割多重(OFDM)のような接続方式、あるいは前述の接続方式のあらゆる組み合わせを取り入れることができる。無線トランシーバ装置104は、無線周波数(RF)、赤外線、紫外線、またははそれらに類似の電磁キャリヤ、あるいは光学的手段によって通信信号の送受信をするようにできる。
【0024】
好ましくは、パケット・ベースの移動通信ネットワークとの適合性を与えるために、前記装置はパケット・スイッチ式通信の処理と送受信をするようになっており、また、Universal Mobile Telecommunication System(UMTS)、CDMA−2000、Bluetooth、WiFi標準802.11a、802.11b、802.11gなど、あらゆる標準若しくは標準の組み合わせにも合うようにできる。よって前記装置は、適切な接続標準または方式に応じた切り替えにより、さまざまなネットワーク・システムへの通信接続を提供することができる。
【0025】
前記装置は、単一の基地局、複数の基地局(すなわちネットワーク)、またはあらゆる数の外部装置と通信する(信号の送受信をする)ことが可能である。よって、本発明に従った一つの通信装置である100は、例えばセルラー・ネットワークやインターネットのような、遠隔通信ネットワーク上のノードとなることが可能である。前記装置100は、ネットワークに含まれる1若しくはそれ以上の基地局と通信信号の送受信をすることができる。同様に前記基地局は、前記装置100と通信信号の送受信をすることができる。前記装置が第1基地局の近接地から第2基地局の近接地に移動すると、第1基地局は前記装置との現状の通信リンク(着信または送信通信;音声またはデータ)を自動的に第2基地局へ引き渡すことができる。よって前記装置100は、ユーザーの移動に伴い、前記基地局との通信(また結果的に、通信相手である遠端装置との通信)を維持することができる。装置100を、外部装置またはネットワークとの永久接続を提供する「常時作動」装置とすることが可能である。
【0026】
前述の基地局として、通信電子部品(例えばプロセッサ102やアンテナ104など)を含む外部装置が挙げられる。前記ディスプレイ通信電子部品を、前記基地局と通信するように電気的に接続することができる。ゆえに、前記基地局は装置100に処理能力と通信インタフェイスとを提供することができる。前述の基地局を飛行機、自動車、バックパックなどに保管する、若しくは組み込むことができる。
【0027】
アンテナ104はプロセッサ103に電気的に連結している。好ましくはアンテナ104は筐体102の外部部分に連結される。例えば、アンテナ104を筐体102に埋め込む、若しくは筐体102の外部に固定することが可能である。あるいは、アンテナ104を筐体102の内部部分に連結することが可能であり、筐体102内に部分的に、若しくは完全に含めることができる。装置100を外部アンテナに電気的に接続することもできる。前記外部アンテナを前記装置に差し込み、前記装置の電子部品に連結することができる。前述の外部アンテナを、例えばバックパックに保管することにより、前記装置を使用したいと思ったときに、前記装置に前記アンテナを差し込むだけでいつでも使えるようにすることが可能である。
【0028】
好ましくは、前記アンテナ104はインターネット接続および電話のための広帯域の音声/ビデオ信号を送受信するようになっている。すなわち、前記アンテナは全二重データおよび音声の送受信能力を備えており、広帯域のインターネット接続を提供する。好ましくは、前記装置100はインターネットへの高速モバイル・アクセスを提供し、例えばマルチメディア・メッセージング・サービス(「MMS」)を介して提供されるようなポケットベルおよびマルチメディア・テキスト・メッセージング機能も含む。
【0029】
好ましい実施形態において、前記装置は処理機能があり、したがって前記無線トランシーバ装置104は狭帯域および/または広帯域信号の送受信機能を持つ。前述の広帯域信号は、例えば第3世代(3G)あるいは第4世代(4G)デジタル無線標準との互換性を持つことが可能であるが、本発明に従った装置はいかなる標準にも、あるいは複数の標準にも適合するようにできる。スマート・フォン(高度自動機能電話)を介した3G広帯域移動ワイヤレス・データ送信の最終的な標準は、いわゆるIMT−2000仕様の承認によってITU無線通信総会によって正式に採用された。一般に、前記装置がどのようにしてワイヤレス・キャリヤに接続するかとは無関係である。例えば、マルチ・ネットワーク装置「適切な」時に「適切な」ネットワークに接続するようになっているものと期待されている。つまり、多くのネットワークがいつでも前記通信装置にとって入手可能となるであろうことを仮定すれば、前記装置は、前記装置がその時点で試みている事柄に最も適切なネットワークへの接続を試みることになる。例えば、前記装置は、最良のレセプション、最高の能力、最大の帯域などを生むであろうネットワークを探し求めることになる。
【0030】
将来の通信用途においては帯域が更に広くなることも考えられるが、好ましくは、無線トランシーバ装置104は約5から30MHzの帯域を持つ無線を送受信するようになっている。更に、最高約10Mbpsかそれ以上のデータ・レートが期待される。
【0031】
無線トランシーバ装置104は、(アンテナ自体、またはプロセッサ103の中のいずれかに)多様性を提供するための処理を含むことができる。すなわち、前記送信装置は同じ信号を何度も(例えば3回)送信することができ、前記受信装置は受信する信号のうち最良の信号を使うことができる。更に、無線トランシーバ装置104を、信号が送信または受信される環境の特性によって入力および出力信号を計測、増幅、または最適化する処理(アンテナ自体、またはプロセッサ103の中のいずれかに)を含むスマート・アンテナ(高度自動機能アンテナ)とすることが可能である。
【0032】
前記装置100はまた、例えばエアウェイの同時使用、あるいは使用に従ったスペクトラム変化といった超広帯域ソフトウェア定義済み無線(SDR)機能、無線信号の電気的または磁気的分極に基づく無線信号の再分化を含むことができ、また、入手可能な無線スペクトラムの全国資源を共有することができる。前記装置は、例えば周波数機動またはハイブリッド(混合)通信技法といった適応技法を使って通信することもできる。
【0033】
通信装置100はまた、入力音声信号を受信するためのマイクロフォンと、出力音声信号を送信するための1若しくはそれ以上のスピーカを含むことができる。前記スピーカは、例えば、電話での会話の一部として受信された出力音声信号、ウェブページの一部としてインターネットからダウンロードした出力音声、あるいはユーザーとの通信の1つの形式として前記装置そのものによって産出された合成の人的スピーチを提供するために使うことができる。前記スピーカはまた、例えば電話入信時のリング音、ある特定の事柄が実行されたこと(例えば前記装置とインターネット・サービス・プロバイダとの接続完了(若しくは接続失敗)を示すトーン(または一連のトーン)など識別可能な音声を提供するために使うこともできる。前述の音は合成によって作り出すことができる。
【0034】
好ましくは、通信装置100はスピーカ(音声信号送信機)とマイクロフォン(音声信号受信機)の両方を持つマイクロトランシーバ108を含む。マイクロトランシーバ108はプロセッサ103に電気的に連結されており、筐体102に統合/埋め込みするか、あるいはその外部に取り付けることが可能である。プロセッサ103は、入力無線信号からの音声データを抽出し、抽出された音声データを表す出力音声信号を前記スピーカに与えるようになっている。また、プロセッサ103はマイクロフォンから受け取った入力音声信号に基づく出力無線信号を作るようになっている。
【0035】
装置100はまた、前記装置のユーザーおよび音声を送受信するワイヤレス誘導トランシーバ112も含む。ワイヤレス誘導トランシーバ112は、例えばワイヤレス・リンク114を介してプロセッサと通信するワイヤレス受話口でよい。前記トランシーバとしては、ユーザーの発話などによって生まれる振動をトランシーバが検知し、それに基づきユーザーの発話を表す音声信号を作る誘導トランシーバが好ましい。したがって、プロセッサ103はトランシーバ112に音声信号を伝達することができ、トランシーバ112は音声信号をプロセッサ103に伝達することができる。
【0036】
ディスプレイ通信装置100は、前記マイクロフォン(またはトランシーバ)を連結しているA/D変換機(プロセッサ103の一部またはその外付けとして)を含むことができる。前記マイクロフォンまたはトランシーバからのアナログ音声信号が前記A/D変換機に入力される。前記A/D変換機のデジタル化された出力がプロセッサ103に与えられる。するとプロセッサ103は、前記装置が電話モード(この場合、音声は前記無線トランシーバ装置104を介して送られるべきである)にあるか、コマンド・モード(この場合、音声が解読され、そのための措置が取られるべきである)にあるかを判断する。よって、前記マイクロフォンはプロセッサ103との連結が可能であり、音声入力手段として、電話通信のためにも、前記装置100に音声コマンドを発出するためにも使うことができる。
【0037】
好ましくは、プロセッサ103は人間の発話を理解および認識する能力を有する。発話認識技法はかなり良く知られており、演算能力および入手可能なメモリの継続的な増強によってますます一般化している。ユーザーは装置100に向かって話しかけることによって、第3者に話を送信するか、あるいは装置100にコマンドを与えることができる。好ましくは、本発明に従ったディスプレイ通信装置100は、入力された発話を送信しようとしている(すなわち前記装置が電話モードにある)のか、入力された発話をコマンドとして解読しようとしている(すなわち前記装置はコマンド・モードにある)のかをプロセッサ103に伝えるための設定済み音声コマンドまたはキーボード操作を含む。
【0038】
前述の音声コマンドには、ユーザーが電話をしたいと思う電話番号を発声するだけで前記装置が電話をかけてくれる音声ダイアリング能力を含むことができる。また、ユーザーはコードワード(電話したいと思う相手の名前など)を発声することによってもできる。前述のコードワードのリストをメモリに保存して、各コードワードに伴う電話番号または動作を特定できる。発声されたコードワードがリストにあれば、そのコードワードに従った番号へ前記装置が電話をかける。同様に、装置100では、ユーザーの声が前記装置の承認済みユーザーの声である場合にのみ、その(一部若しくはすべての)機能性の利用許可を与えるというセキュリティ対策として音声認識を利用することができる。
【0039】
装置100が電話モードにあるとプロセッサ103が判断すると、希望する場合はデジタル化された音声信号の圧縮と暗号化が可能となり、D/A変換機およびRF信号が前記音声信号によって変調されているモジュレータに入力される。次に、変調された前記RF信号はアンテナ104に送られ、装置100から外へ向けて送信される。装置100がコマンド・モードにあるとプロセッサ103が判断すると、よく知られた発話処理技法を用い、デジタル化された音声入力信号の発話認識をプロセッサ103が行う。プロセッサ103には、音声コマンド受信に対する反応動作を起こすためのコマンド・コントローラを含むこともできる。前記装置を、好ましくはワイヤレス・リンクを介して、追加的な処理能力を前記装置に提供するセントラル・サーバまたはサーバ・プールに連結することもできる。それにより、前記装置そのものの処理能力の増強を必要とすることなく、より洗練され、コンピュータ的にも集約された処理を行うことができる。
【0040】
受信された無線信号をアンテナ104から、デモジュレータ、A/D変換機、解読器、デコンプレッサを通して送ることができる。デジタル音声信号を前記受信済み無線信号から抽出し、スピーカに与えて音声出力をすることができる。
【0041】
好ましくは、筐体102も充電式薄膜電池のような低圧電源107を含む。前述の電池としては厚さ10ミクロン以下のものが典型的で、約2から5ボルトの開放回路を持つことができる。前記電池は数千回のサイクルを行うことができ、典型的に、リチウムの溶融点(180℃)までのいかなる温度でも作動可能である。薄膜リチウム電池およびその製造プロセスについては、「薄膜リチウム電池およびプロセス」と題する米国特許第5、895、731号で説明されている。これらの電池は、プリズム状または円柱状の形状のいずれかによって作ることができる。
【0042】
あるいは、装置100はメタノール/水素を電力源とするマイクロ燃料電池、直液マイクロ・エタノール燃料電池、あるいはその他の同類の燃料電池技術などの発電機を含むことができる。前述の燃料電池は、酸素と反応させるために水素を用いて電流を流すのが典型的である。メタノールは、燃料電池が必要とする水素を運ぶ燃料として適していることが知られているため、前述の燃料電池に典型的に用いられる。メタノールのみを使ったマイクロ燃料電池は(例えばモトローラ社によって)開発中であり、本発明のディスプレイ通信装置には前述の燃料電池を利用することが有利ではないかと予測される。
【0043】
装置100へ電力を供給するために、例えば太陽電池、あるいは太陽光を電力に変換することができる何らかの光起電性材料などの太陽電源を使うこともできる。前述の太陽電源によって、太陽電力のみで前記装置を作動させることが可能であるかもしれない。柔軟で有機的な光起電性電池の使用が好ましい。前記装置が作動中に、(太陽電源またはマイクロ燃料電池などによって)発電された追加的な電力を使って前記電池を充電することができる。前記装置がオフのときは、発電される全電力を電池の充電のために使うことができる。
【0044】
本発明によれば、情報処理能力のあるディスプレイ・システム106を筐体102に連結することができる。電気的にプロセッサ103に連結することができるディスプレイ・システム106は、コンベンショナル・モードまたは情報処理モードで作動可能である。コンベンショナル・モードでは、ディスプレイ全体が定期的に(例えばビデオ・アプリケーションでは1秒に60から100回、ビデオ以外のグラフィック・アプリケーションではそれより少なく)リフレッシュされる。前述の実施形態において、ディスプレイ・システム106をプロセッサ103(あるいはその他の外部ビデオ・ソース)に接続するために、従来のビデオ処理用電子部品を使うことができる。ディスプレイ・システム106が「情報処理モード」で作動する場合は、更新済み情報のみを前記ディスプレイに供給する必要がある。前述の実施形態において、プロセッサ103はディスプレイ106を直接制御することができる。プロセッサ103はビデオ入力を取り出し、その情報を処理してフレームごとのディスプレイ画像の変化を検知し、適切なビデオ情報をディスプレイ・システム106に送り出すことができる。
【0045】
ディスプレイ・システム106のための処理能力は、プロセッサ103が提供することができる。前述の実施形態において、プロセッサ103は最新の受信画像(すなわち表示される画像)を前回受信した画像(すなわち現在表示されている画像)と比較するようにすることができる。次にプロセッサ103は個々のピクセル109を必要に応じて更新することができる。
【0046】
本発明に従った通信装置を外部ビデオ・ソースと連結する用途として代表的なものに、前記装置をセキュリティ・システム(例えば百貨店で使うようなもの)と合わせて用いる用途がある。1若しくはそれ以上のリモート・カメラ(すなわち前記通信装置に対して遠隔な場所にあるカメラ)を使い、遠隔な場所それぞれの画像を映し出すことができる。前記画像を(好ましくはワイヤレスに)前記通信装置に送信することができる。するとディスプレイ・システム106は、前記通信装置のユーザーに、前記遠隔地で捕らえた画像を含むビデオ表示を提供することができる。前記画像を全画面表示し、自動的に1つのカメラから次のカメラへ更新するか、あるいは前述の画像をディスプレイ上の別々のウィンドウに同時に多数表示することが可能である。
【0047】
あるいは、処理能力を各ピクセル109に局所的に提供することができる。例えば、各ピクセルが前記ディスプレイ中の他のピクセルに対してどのような位置にあるかを知るために、各ピクセル109をプログラム(若しくは初期化)することができる。何を表示するかを各ピクセル109が認識するように、特異なアドレス・コードを与えることができる。ゆえに、情報処理能力を持つディスプレイ・システム106のピクセル109を、ネットワーク上のノードとして表示することができる。前述の実施形態において、プロセッサ103はピクセル109に表示信号を与えることができる。好ましくは、表示信号には特定のピクセル(またはピクセル群)に対応するアドレスと、前記アドレスを持つピクセル(群)が表示すべきものを示すコンテンツとが含まれる。前記ピクセルは前記信号を受け、何を表示すべきかを前記信号から判断する。前記プロセッサが、より高いレベルの情報をピクセルに与えることができる実施形態も検討される。前述の実施形態において各ピクセル109は、表示すべき何があるかを判断するために、より高いレベルの情報に関する計算を行うことができる。
【0048】
1若しくはそれ以上の薄膜電池または光起動性電池(あるいはそれらの何らかの組み合わせ)を前記ディスプレイ・システム106に取り付けることも可能である。前述の電力システムを、前記ディスプレイ上の視覚的表示を妨害しないように、前記ディスプレイの背面に取り付けるか直接に付着することができる。例えば、柔軟な薄膜電池または光起動性電池を前記ディスプレイ上に積層加工することができる。よって装置100は、ディスプレイ・システム106が延長されていないときは第1の電力システムにより電力の供給を受け、また、ディスプレイ・システム106が延長されているときには、付加的電力を与えるか、若しくは第1電力システムの代わりに働く第2の電力システムによって電源を受けることができる。柔軟な光起動性電池の例として、有機、アモルファス・シリコン、あるいは二セレン化銅インジウムが挙げられる。第1および第2の電力システムが提供される場合、前記ディスプレイに取り付けられる電力システムは、前記ディスプレイが延長されない限り発電しない方が好ましい。
【0049】
従来のディスプレイにおいては、その明るさの状態に応じてドライバー電子部品が各ピクセル109に必要な情報を提供することができる。情報処理能力のあるディスプレイにおいては、前記ピクセルへのデータ・パケットを運ぶ共通データ・バスを介して前記ピクセルを相互接続することができる。前記データ・パケットには、ピクセルの位置、色、明るさを表す値を持つフィールドが含まれる。前記データ・パケットは、その行き先となるピクセルの物理的アドレスと論理的アドレスのいずれかと、そのピクセルの明るさの状態を与えることができる。前述の実施形態において、各ピクセル109は、アドレスと明るさに関する情報を解読する回路を含むことができる。
【0050】
本発明の1つの側面によれば、ディスプレイ画面110は、筐体102のいずれの横断面よりも大きい表面積を有することができる。図が示すように、前記ディスプレイ画面は一般に全体として長方形の形を持つことができるが、本発明に従ったディスプレイ・システム106は形状的要因の制約を受けないものと理解されるべきである。すなわち、情報処理能力を持つディスプレイを載せる基板は、あらゆる形を取ることができる。
【0051】
好ましくは、ディスプレイ106は高効率、インタラクティブ、マルチメディアのディスプレイ・システムである。ディスプレイ106は、できる限り少ない電力消費で、できる限りの明るさを発するべきであり、光透過型若しくは光反射型のディスプレイが可能である。本発明の好ましい実施形態において、ディスプレイ画面110は複数のピクセル109を有する。各ピクセル109は、1若しくはそれ以上の発光エレメントを有する。ピクセル109は、有機材料、無機材料、あるいは有機と無機の材料の組み合わせを含むことが可能である。好ましくは、発光エレメントは、米国特許第6,303,238B1号に開示されているような蛍光エミッターを用いる、高効率の有機発光デバイス(OLED)であり、前記特許の全文を参考として本書に記載した。米国特許第4,539,507号、第4,769,292号、第5,294,870号に開示されているような蛍光エミッターを用いてもよい。OLEDの有機層には、小分子(すなわちノンポリマーであり、リンクされていない)材料、大分子(すなわちポリマーであり、リンクされている)材料のどちらを含むこともできる。OLEDは、通常の並列OLEDでも、スタックド(すなわち多重解像度)OLED(SOLED)でもよい。透明OLEDまたはトップ・エミッションOLEDのいずれかであるTOLEDを用いてもよい。TOLEDの例は、米国特許第5,703,436号で説明されており、参考として前記特許の内容を本書に記載した。SOLEDの例は米国特許第5,707,745号で説明されており、参考として前記特許の内容を本書に記載した。
【0052】
OLED装置は(常にではないが)一般に、電極の少なくとも1つを通して発光するためのものであり、有機光電子装置において、1若しくはそれ以上の透明電極が有用である場合がある。例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)のような透明電極材料を下位電極として用いてもよい。また、本書に全文を参考として記載した米国特許第5,703,436号および第5,707,745号に開示されているような、透明のトップ・エミッション電極も使ってよい。下位電極を通してのみ発光するように作られた装置の場合、上位電極は透明である必要はなく、高い導電性を持つ、厚い反射性の金属層でもよい。同様に、上位電極を通してのみ発光するように作られた装置の場合、下位電極は不透明および/または反射性でもよい。電極が透明である必要がない場所では、より厚い層を使うことによって、よりよい導電性が得られる場合があり、反射性の電極を使い、透明電極に向けて光を反射して返すことにより、もう一方の電極を通る発光量が増加する場合がある。両電極とも透明な、完全に透明な装置を作ってもよい。側面発光のOLEDを作ってもよく、前述の装置において一方あるいは両方の電極を不透明または反射性としてもよい。
【0053】
アノードは、有機層にホールを伝播するために充分な伝導性を持つ、適切なアノードであればよい。好ましいアノードの材料として、インジウムスズ酸化物(ITO)のような伝導性金属酸化物、亜鉛スズ酸化物(ZnTO)、および金属類が挙げられる。前記アノード(および基板)は、ボトム発光デバイスを作り出すために充分透明であればよい。好ましい透明基板およびアノードの組み合わせは、ガラスまたはプラスチック(基板)に市販のITO(アノード)を付着したものである。本書に全文を参考として記載した、米国特許第5,844,363号に、柔軟で透明な基板とアノードの組み合わせが開示されている。前記アノードは不透明および/または反射性でもよい。一部のトップ発光式装置では、装置の上部からの発光量を増やすために、反射性アノードが好ましい場合がある。望ましい伝導性および工学的性質を得るために、前記アノードの材料および厚さを選んでもよい。前記アノードが透明である場合、望ましい伝導性を与えるのに充分な厚さと、望ましい透明度を与えるのに充分な薄さを持つ、特定の材料の厚さの範囲があってもよい。他のアノード材料および構造を用いてもよい。
【0054】
OLEDを付着する基板は、望ましい構造上の性質を与える、適切な基板であればよい。前記基板は、柔軟でも硬くてもよい。好ましい硬基板材料の例として、プラスチックとガラスが挙げられる。好ましい柔軟な基板材料の例として、プラスチックと金属箔が挙げられる。前記基板は、回路の製作に有利なように半導体材料としてもよい。例えば、後に前記基板に付着されるOLEDを制御するような方法で、シリコンウエハーの基板の上に回路を作ることができる。他の基板を用いてもよい。望ましい構造上および光学的性質を得るために、前記基板の材料および厚さを選んでもよい。
【0055】
ディスプレイ・システム106は、機械的および環境上の保護を与えるために、前記ディスプレイ画面の上に付着される取り外し可能な保護層を含んでもよい。好ましくは、前記保護層は、例えばプラスチックのような薄い透明の材料で作り、簡単に交換可能できる。よって、前述の保護層は使い捨てのものにできる。
【0056】
図3Aから3Cが示すように、ディスプレイ106は収納可能である。すなわち、ディスプレイ106を収納可能な基板の上に作り、筐体102にディスプレイ106を押入れたり引き出したりできるような方法で筐体102に連結することができる。図3Aは、完全に収納された状態のディスプレイ106を示す。図3Bは一部が延長されたディスプレイ106を示す。図3Cは完全に引き出された状態のディスプレイ106を示す。ディスプレイ106が収納されているときには柔軟でありながら、ディスプレイ106を引き出したときには硬くなるような高性能材料を使って前記ディスプレイ基板を作ることが可能性として考えられる。
【0057】
薄膜付着プロセスを使って、収納可能な基板にピクセルを付着させ、収納式ディスプレイを作ることができる。ディスプレイ106を、プラスチックまたは薄い金属箔のような柔軟な基板上に作るのが好ましい。
【0058】
プラスチック基板との適合性があるアクティブ・マトリクス・バックプレーンを作り、前記柔軟な基板に付着させることができる。そして、その上にピクセルを付着させることができる。アクティブ・マトリクスのディスプレイが好ましいが、本発明の原則によれば、パッシブ・マトリクスのディスプレイを使うこともできると理解されるべきである。アクティブ・マトリクスのディスプレイは、ダイオードをオンまたはオフの状態に保つために、典型的にトランジスタを使う。一方、パッシブ・マトリクスのディスプレイは、画像を維持するために、ある特定のリフレッシュ・レートでダイオードに電流を流す。
【0059】
OLEDディスプレイ技術が前述の柔軟な基板への使用に好ましい理由は様々だが、中でも、付着中のその基板温度が非常に低いことと、低電力レベルでの明るさが強いことが挙げられる。例えば、米国特許第5,844,363号で説明されているような、小分子OLEDを使うことができる。また、プラスチックのフィルムを通して水分と酸素が浸透し、OLEDの性能を劣化させることがないように、例えば米国特許第5,771,562号で開示されているような方法でカプセル化を行うのが好ましい。
【0060】
フレキシブル液晶または電解放出ディスプレイを使うこともできる。例えば、フレキシブルOLEDバックライトを使ってフレキシブルLCDを照らし、背後から照らされるフレキシブルLCDにすることができる。さらに、電子ディスプレイに組み込まれるようにフィルムに加工された、例えば「電子インク」のようなフレキシブル電気泳動ディスプレイ媒体を使うこともできる(「電子インク」はE Ink Corporationの専売製品である)。
【0061】
ディスプレイ106は、ロッド113の周りに巻くことができる、例えば図2Aから2Cで示すようなフレキシブル・ディスプレイとして形作ることができる。ユーザーはディスプレイ106をロッド113から巻き取るだけで、ディスプレイ106を延長することができる(図2Aおよび2B参照)。ユーザーはディスプレイ106をロッド113の周りに巻くだけでディスプレイ106を収納することができる(図2C参照)。
【0062】
図2Aに描かれた実施形態において、ロッド113は筐体102の内側に取り付けられる。前述の実施形態において、ロッド113の一端または両端は、筐体102の内部の端に、回転式に連結することができる。図2Bおよび2Cの実施形態において、ロッド113は筐体102の外部に取り付けられる。前述の実施形態において、ロッド113は、1若しくはそれ以上の連結部分117それぞれに、回転式に連結することができる。各連結部分117を筐体102に(固定式または回転式に)取り付けることができる。ロッド113は1若しくはそれ以上の連結部分117それぞれに、固定式または回転式に連結することができる。ディスプレイ106は、ディスプレイ106をロッド113に物理的に連結するためのインターフェイス119を含むことができる。インターフェイス119もまた、ディスプレイ106と装置100の残りの部分との間で電気的情報を伝達するための通り道を与えることができる。
【0063】
さらにまた別の実施形態において、ディスプレイ106を筐体102の周りに巻きつけることができる。図2Dおよび2Eが示すように、ディスプレイ106はディスプレイ106を筐体102に物理的に連結するためのインターフェイス120を含むことができる。インターフェイス120もまた、ディスプレイ106と装置100の残りの部分との間で電気的情報を伝達するための通り道を与えることができる。ユーザーは、ディスプレイ106を筐体102から繰り出すだけで、ディスプレイ106を延長することができる(図2D参照)。ユーザーはディスプレイ106を筐体102の周りに巻くだけでディスプレイ106を収納することができる(図2E参照)。
【0064】
ディスプレイ106は、できる限り小さい湾曲半径を持つディスプレイを作ることができる材料で組み立てるのが好ましい。例えば、ディスプレイ106は上述のように、通常のペンあるいはポインタと同程度のサイズの筐体102の中に収納することができる、若しくは前記筐体に接続するロッドの上に巻きつけることができるほど、充分な薄さと柔軟さを持つことができる。例えば、前記基板は、例えば前記ディスプレイが前記筐体の中に収納された状態にあるときにできる限り小さな横断面(ロッドの長方向に対する直角平面)になるように、充分な薄さを持つべきである。同様に、前記基板に付着される構成部品は、充分小さい湾曲半径となるように、充分に小さく、充分に柔軟であるべきである。実行可能なピクセルサイズ(例えば、いわゆる「ナノピクセル」など)が非常に小さいので、OLED技術が好ましい。
【0065】
好ましくは、ディスプレイ106は(ちょうど巻尺テープのように)自動収納可能である。例えば、巻尺テープのようにロッド113に張力を与えることにより、ディスプレイ106を延長した状態で固定しない限りは、自動的にディスプレイ106がロッド113に巻きつくようにすることができる。ディスプレイ106はまた、ディスプレイ106が完全に延長された状態のときに固定機構が自動的に働く、自動固定機能を含むことができる。ディスプレイ106が固定されている状態で固定機構を解除することにより、ユーザーはディスプレイ106をロッド113または筐体102の周囲に巻きつけることができる。例えば前記固定機構として、あらゆるポイントで設定可能なラッチ、あるいはディスプレイ106が完全に延長されたときに自動的に設定されるか、ディスプレイ106が延長される多数のポイントのいずれにおいても設定可能なラッチが挙げられる。ディスプレイ106は、押すことによってディスプレイ106を収納する自動収納ボタン111を含むことができる。例えば、ロッド113の周囲にディスプレイ106が巻きつく実施形態において、自動収納ボタン111によってロッド113が回転し、ディスプレイ106がロッド113に巻きつくようにすることができる。また、自動収納ボタンによって固定機構を解除し、ロッド113または筐体102に前記ディスプレイが巻きつくようにすることができる。装置100はまた、ディスプレイ106をロッド113または筐体102に巻き込んだり引き出したりするためのモーター(図には示されていない)を含むことができる。前記モーターは、筐体102に収納が可能なサイズと形であるものが好ましい。
【0066】
プロセッサ103は、入力無線信号から表示データを抽出し、前記表示データの表示をディスプレイ106に与えるようになっている。本発明の好ましい実施形態において、通信装置100と外部装置と間での通信プロトコルは、現在の通信プロトコルに比べると、要求される通信帯域の大幅な削減を可能にする。例えば、本発明に従ったシステムにおいて、すべてのピクセル109の情報を継続的に送信する必要はない。むしろ、外の世界から通信を介して与えられる、より高いレベルの情報に基づいて、表示するよう期待されるものが何かを判断する充分な「知性」が、各ピクセル109に与えられる。さらに、ディスプレイ106は、画像の変化につれて変化する必要性のあるそれらピクセル109のみを変化することによって更新される。しかし、下位互換性に関しては、装置100は既存のプロトコルを使って作動する能力(すなわち旧プロトコルから新プロトコルへを解釈すること)を含むのが好ましい。
【0067】
ディスプレイ通信装置100はまた、筐体102に含まれることが可能か、ディスプレイ106に埋め込むことが可能なメモリ105を含むことができる。代わりに、あるいは追加的に、装置100は、メモリカードのような取り外し可能なメモリと、前記メモリカードを対象とした読み込みと書き込みのための小型ドライブを含むことができる。通信装置100が作動中に受信、送信、または使用する、音声、ビデオ、またはその他のデータの一時的若しくは永久的な保存のために前記メモリを使うことができる。前述のメモリには、例えば、前記通信装置と、異なる外部装置とのインターフェイスの働きをする多重機能を提供するロジックを含む、マルチモード・メモリカード若しくは「メモリスティック」が含まれる。
【0068】
前述のメモリはまた、現在の表示に関する情報を保存することによって、ディスプレイ・システム106と外部装置との間に要求される帯域を削減することができる。その結果、プロセッサ103は、ディスプレイ106を更新する情報のみを送り出すことができる。情報処理能力を持つディスプレイの好ましい実施形態において、ディスプレイ・システム106は各ピクセル109に個別メモリを含むことができる。必要なメモリを提供するために、2〜3のトランジスタのような基本的メモリ・セルを使うことができる。各ピクセル109での2〜3のトランジスタの使用は、外部からピクセルへの情報を常に動かし続ける必要を減らす、若しくはなくす。あるいは、ピクセル・メモリ同士のやり取りを容易にするために外部チップを使うこともできる。
【0069】
前記メモリは、アクティブ・マトリクス・ディスプレイのような、面積の大きい電子バックプレーンとして実装することができる。例えば、各ピクセルに多数のトランジスタが関連付けられるように、バックプレーンにピクセル・マトリクスをオーバーレイすることができる。現在は、前記ディスプレイ・バックプレーンを先に組み立ててから、そこに発光エレメントを付着する。通常は、前記ディスプレイ・バックプレーンは電子部品を含む。本発明に従った、情報処理能力を持つディスプレイ・システムにおいて、ピクセル特定のメモリのために、追加的電子部品を加えることができる。アモルファス・シリコン、ポリシリコン、有機薄膜技術(TFT)、またはその他のTFTを用いるのが好ましい。前述の面積の大きい電子バックプレーンに、プロセシングおよびロジックを組み込むことも可能である。
【0070】
本発明のディスプレイ通信装置100を音声起動することができるのが好ましい。例えばユーザーは、電子メールあるいは飛行機の運行予定の表示、画像のズームアップ、あるいは画面のある場所から別の場所へ画像を移動したいと思うかもしれない。例えば自分の電子メールを表示したいユーザーは、マイクロフォンに向かって「電子メール表示」などコマンドを発声するだけで、前記装置に電子メールを表示するように指令することができる。プロセッサ103は入力音声が(電話会話の一部ではなく)音声コマンドであると判断する。プロセッサ103には、音声コマンドを受け取り、解釈し、それに従った反応をするロジックが含まれる。例えばプロセッサ103は、ユーザーの電子メール・ボックスからユーザーの電子メールを読み出し、通信装置100のメモリ105に保存することが可能である。あるいは、プロセッサ103はユーザーの電子メールを読み出すためにインターネット接続を開始することができる。いずれにしても、プロセッサ103はユーザーの音声起動コマンドの結果として、ディスプレイ106にユーザーの電子メールを表示することができる。一般に、装置100に対して音声起動技術を使うことによって、装置100が実行可能なあらゆる機能を実行することができる。さらに、ディスプレイ装置106をアクティブに設定するために音声起動を使ってもよい。例えば、ユーザーが「電話をかける」と発話するとディスプレイ装置106の自動設定によって電話キーパッド132が表示され、また「電子メールをタイプ」と発話するとキーボード134が表示される。装置100またはディスプレイ装置106に配置されるエンゲージ手段によって自動設定が開始する。
【0071】
ディスプレイ106は、図が示すように、マイクロフォン121と、スピーカ123と、デジタル・イメージャー125とを含むことができるディスプレイ枠115を有することができる。イメージャー125はディスプレイ画面110に組み込まれるか、若しくは埋め込まれる薄膜フィルム装置を含むことができる。有機または小分子ポリマーまたはハイブリッド無機ディテクターのイメージャー125が可能である。例えば、各ピクセル109(またはいくつかのピクセルのまとまり)は、その表示フィールド内に光を受け取る感知エレメントを有することができる。あるいは、イメージャー125の一部としてソフトウェアに実装可能な大面積画像技術を利用して、ディスプレイ画面110全体をビデオ送信/受信複合機とすることが可能である。本発明の別の実施形態においては、イメージャー125をディスプレイ画面110と分離する。例えば、イメージャー125をディスプレイ枠または装置筐体102に埋め込むか取り付けることができる。好ましい実施形態において、イメージャー125は、ディスプレイ106の収納可能な性質に影響を与えることがないように、充分に薄く、充分に柔軟な薄膜装置である。前記イメージャーは静止写真またはビデオに対応するデジタルデータを作り出すことができる。前記デジタルデータは、(筐体102の固定メモリか取り外し可能なメモリカードのいずれかの)メモリに保存し、後に読み出して表示することができる。このコンテクストにおいて、装置100はデジタルカメラあるいはビデオカメラのような働きができる。
【0072】
前述のデジタル・イメージャーを含むディスプレイ通信装置は、例えばジェスチャー・トラッキングのために使うことができる。前述の装置は、ユーザーのジェスチャーの画像を捉えることができる。そして、前述の一連の画像を、特定の既知のコマンドと比較することができる(そのためのマッピングは前記装置のメモリまたはいくつかのリモート・メモリ・ロケーションに保存する)。例えば、緊急時のユーザーが、ユーザーの現在の位置を示すと解釈される一連のジェスチャーをすることができたとする。前記装置は一連の画像を捉え、その一連のものをユーザーの位置を含む1つのメッセージとして解釈することができる。ジェスチャー・トラッキング技術、およびそれらを実行するソフトウェアは、この技術分野においてよく知られている。
【0073】
ディスプレイ106は、ステレオ効果を得ることが望ましい場合にはスピーカ123を含むことができる。ディスプレイ106を収納すると、筐体102にあるスピーカ108が出力音声を提供する。しかし、ディスプレイ106を延長すると、ディスプレイ106にあるスピーカ123が自動的に起動する。ビデオ・イメージャーと同様、スピーカ123は、ディスプレイ106の収納可能な性質に影響を与えないように、充分薄く、充分柔軟な薄膜スピーカが好ましい。
【0074】
好ましくは、ディスプレイ・システム106は接触反応画面110を含む。装置100があらゆる接触入力の存在と場所を検知できるように、接触反応画面において、構成部品を前記画面自体の中に加える、若しくは画面110の上にオーバーレイすることができる。例えば、ユーザーは前述の接触反応画面を、画面上に書くためにスタイラス(またはユーザーの指)と合わせて使用することができる。前記画面はスタイラスの接触を検知し、スタイラスが画面に触れた場所に対照色(またはグレースケール)を表示することができる。さらに、ディスプレイ・システム106は前記筆記を検知し、「接触された」ピクセルに対応する座標データをプロセッサ103に伝達することができる。次に前記プロセッサは、遠端の通信装置に前記座標データが送信されるように機能する。すると前記遠端の装置は受け取った座標データを処理し、前記ユーザーの画面に表示されたものと同じ筆記を、その画面上に表示することができる。よって、前記装置を介して前記装置のユーザーが筆記した情報を、自分の装置から遠端の装置に送信することができる「電子ペン」として前記装置を使うことができる。
【0075】
同様に、本発明に従ったいくつかの通信装置一式を、通信可能な方法でリンクし、前記いくつかの装置のユーザー・グループがグループ内で情報を共有できる「チーム・ツール」として使用することができる。前述の設定の第1の設定において、前記一式に含まれるどの装置からの通信出力も、前記一式の他の装置にそれぞれ提供され得るため、それぞれのユーザーが各自の装置において同じ情報を体験する。あるいは、前記一式に含まれる各装置を単独のディスプレイに通信可能な方法で連結することができるため、どの装置からの通信出力も前記ディスプレイに与えられる。前記装置は、リアルタイムで動く3次元画像を与える機能を持っていることが好ましい。例えば、ビデオ会議などにホログラフィック画像を提供することができる。前述の装置はまた、ビデオゲーム・ソフトウェアを含むこともできる。
【0076】
接触反応画面はまた、ユーザーが入力したタッチ・コマンドをディスプレイ・システム106が検知し処理するのを可能にする。この情報を、例えば、画面110に表示されているスイッチを起動するため、あるいはディスプレイ106上の具体的なポイントを(例えば、ズーム参照点として)ハイライトするために使うことができる。
【0077】
装置100はまた、装置100がユーザーの指紋を承認済みユーザーの指紋として検知した場合にのみ、その機能性(の一部またはすべて)へのアクセスを許可するセキュリティ対策として指紋認識(親指の指紋も含む)を含むことができる。前述の目的のために、前記装置は(前記筐体若しくは前記ディスプレイ・システム上に)ユーザーの指紋をスキャンするレセプターを含むことができる。前記レセプターは、メモリに保存された1若しくはそれ以上の指紋パターンと前記指紋パターンとを比較するプロセスを含む前記プロセッサに、前記指紋のパターンを伝える。保存されたパターンの1つと前記指紋パターンが一致すればユーザーが承認され、前記装置の機能性(または安全に対する機能性)が可能となる。
【0078】
同様に前記装置は、装置100がユーザーの眼を承認済みのユーザーの目として検知した場合にのみ、その機能性(の一部またはすべて)へのアクセスを許可するセキュリティ対策として、網膜、眼球虹彩などによる眼紋認識を含むことができる。前述の目的のために、前記装置は(前記筐体若しくは前記ディスプレイ・システム上に)ユーザーの眼紋をスキャンするレセプターを含むことができる。前記レセプターは、メモリに保存された1若しくはそれ以上の眼紋パターンと前記眼紋パターンとを比較するプロセスを含む前記プロセッサに、前記眼紋のパターンを伝える。保存されたパターンの1つと前記眼紋パターンが一致すればユーザーが承認され、前記装置の機能性(または安全に対する機能性)が可能となる。
【0079】
図4は、本発明に従った、電話キーパッド132のある接触反応ディスプレイ106を有するディスプレイ通信装置100の好ましい実施形態を示す。ユーザーは、通常の電話の電話キーパッド・ボタンを使う要領で、ディスプレイ106上の電話キーパッド132を使うことができる。ディスプレイ・システム106はユーザーの接触を検知し、ユーザーが接触した部分が画面上のどこであるかを判断し、ユーザーが触れた前記画面の部分を示す表示をプロセッサ103に伝達する。例えば、各ピクセルに(例えばx、y平面にある)座標を割り当てることができる。ユーザーが前記ディスプレイ画面に触れると、前記ディスプレイ・システムが特定のピクセルへの接触があったことを検知し、それに対応する座標を前記プロセッサに伝える。ユーザーが画面のどの部分に触れたかに従って、プロセッサ103が前述のタッチ・コマンドを処理する。例えば、前記画面が現在、電話キーパッド・ボタンを表示しているなら、「接触された」電場番号への電話をかけ始めるように前記プロセッサをプログラムすることができる。
【0080】
同様に図5は、例えばPDAやポケットベルに見られるようなキーボード134のある接触反応ディスプレイ106を有する、本発明に従ったディスプレイ通信装置100の好ましい実施形態を示す。ユーザーは、インターネット接続、電子メール通信、ポケベル呼び出しなどに、画面110をキーボードとして使うことができる。この場合も、ディスプレイ・システム106はユーザーの接触を検知し、ユーザーが接触した部分が画面上のどこであるかを判断し、ユーザーが触れた前記画面の部分を示す表示をプロセッサ103に伝達する。ユーザーが画面のどの部分に触れたかに従って、プロセッサ103が前述のタッチ・コマンドを処理する。
【0081】
図6は、ウェブページ全体を表示する能力のあるディスプレイ画面110を有する、本発明に従ったディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。好ましくは、ディスプレイ画面110はフル・カラー表示であり、視覚的に好ましい形式でウェブページを表示するサイズと形である。前記装置は、ユーザーがインターネットを参照し、前述のウェブページをダウンロードすることを可能にするブラウザ・ソフトウェアを含むことができる。前記ダウンロード技術としては、例えばアプレットまたはJava(登録商標)ベースが可能な他、その他のどんなダウンロード技術も使用できる。
【0082】
好ましくは、ディスプレイ・システム106はディスプレイ画面110に複数の画像を表示することができる。すなわち、ディスプレイ・システム106は、ウェブサイトからダウンロードされるようなタイプの分割画面表示を提供するか、同時に複数のアクティブな部分を提供することができる。例えば、ディスプレイ画面110は、ユーザーがインターネットからダウンロードしたウェブページを表示する第1のサブディスプレイ(またはウィンドウ)と、ユーザーの電子メールを表示する第2のサブディスプレイ(またはウィンドウ)を同時に含むことができる。ユーザーはウィンドウからウィンドウへと移動し、インターネットおよび電子メールとのインタラクションを交互に持つことができる。ゆえに、本発明に従ったディスプレイ通信装置100を使用して、複数の機能を同時に行うことができる。
【0083】
好ましくは、ディスプレイ・システム106は自動設定能力を持つ。1つの設定において、サブディスプレイは与えられたある時点にオン(またはオフ)になっている16のピクセルの数を変えることによってグレースケールを変更できる。前記ディスプレイは、表示される画像の必要に基づき、解像度かグレースケールかによって、前記ディスプレイそのものを再設定することができる。すなわち、前記サブディスプレイは、現行の表示に望まれるのが、より正確なグレースケールか、より高い解像度かに基づいて、前記サブディスプレイそのものを再設定することができる。例えば、ある具体的な画像にとり、4つのグレー・レベルで充分だが、より高い解像度が望ましい場合があるとする。前述のアプリケーションにおいて、前記4x4サブディスプレイは、4つの2x2サブディスプレイそれぞれに4つのグレー・レベルがあるサブディスプレイとして自らを再設定することができる。同様に、4つの4x4サブディスプレイが共に機能することによって、解像度は下がるが64のグレー・レベルを持つ8x8ディスプレイを形成することができる。
【0084】
1つの実施形態において、前記ディスプレイは双安定のピクセルを含むことができる。双安定のピクセルはバイナリ・モード(すなわち各ピクセルがオンかオフかのいずれかである)で作動し、変化するように指示がない限り現行の状態を維持する。前記ピクセルは、メモリを与えるために接続することが可能なTFT若しくはその他の電気部品を含むことができる。関連するピクセルのロケーションまたは明るさなどのデータを保存する通常のメモリ・エレメントを作るために、前記TFTを使うことができる。前記ディスプレイに表示されている情報が、特定のいずれのピクセルの明るさの状態も変える必要のないものであれば、そのピクセルに与える必要のある情報はなく、内部ローカル・メモリは前記ピクセル・メモリに保存された明るさの情報を維持することができる。そして前記ローカル・メモリは、前記ピクセルの明るさを制御するために必要な情報を前記ピクセル回路に与えることができる。
【0085】
前記双安定ピクセルは、双安定回路の一部として、有機または無機の光検出器を含むことができる。さらに、純粋に電気的なフィードバックを用いて前記双安定ピクセルを作ることができる。前述のディスプレイに用いるための双安定ピクセルの例は、「有機光検知器と透明有機発光デバイスを用いた有機フォトニック集積回路」と題された米国特許出願第10/219,760号に記されており、参考としてその開示を本書に含めた。
【0086】
前述のディスプレイにおいて、各ピクセルを一群のサブピクセル(例えば4,8,16、あるいは64)として定義し、適切な数のサブピクセルをオンまたはオフにすることによってグレースケールを達成することができる。よって前記ディスプレイを、各ピクセルがオンかオフのいずれかの状態を持つ最大限の解像度、若しくは各ピクセルがグレースケール情報を表示している、より低い解像度で使うことが可能である。
【0087】
カラーディスプレイにおいて、各ピクセルは3つのサブピクセル(各原色すなわち赤、青、緑)を含むことができる。図9Aが示すように、ピクセル90をサブピクセル92R,92G、92Bの1x3マトリクスに配列することができる。すなわち、前記3色のサブピクセル92R、92G、92Bを直線的に配列することができる。よってディスプレイ106の各サブピクセル92R、92G、92Bは、列ライン数の3倍を用い、(例えばモノクロームのディスプレイのように)あたかも各ピクセル90が単一のアドレスを持つかのように、同じ行ライン数を使ってアドレスすることができる。
【0088】
別のよく知られたピクセル配列は、いわゆるクワッド・グリーンアーキテクチャである。図9Bが示すこの実施形態において、ピクセル90は、別の原色サブピクセル92R、92B、92Gに加えて第2の緑色のサブピクセル94Gを含む。図が示すように、前記サブピクセル92,94は2x2マトリクスに配置される。よって、ディスプレイ106の各サブピクセル92,94に、まるで各ピクセル90が1つのアドレスを持つかのように、行ライン数の2倍および列ライン数の2倍でアドレスすることができる。
【0089】
通常、ディスプレイ106はできる限りよく見えるのが好ましいであろう。しかし、人間の裸眼ではディスプレイ106が見えない方が望ましい用途がある。前述の用途を可能にするために、ディスプレイ・システム106はまた、夜間に、例えば暗視ゴーグルのような赤外線感知装置を使った場合のみディスプレイ106が見えるようにするための赤外線(IR)ピクセルの使用を含むことができる。ディスプレイ・システム106は、例えば図9Cおよび9Dに示すような、4つのサブピクセル、すなわち緑92Gを1つと、赤92Rを1つと、青92Bを1つと、赤外線92Iを1つ含むピクセル・アーキテクチャを含むことができる。前述の実施形態において、常時すべてのサブピクセルに電力を与えるか、あるいは電力消費を減らすために、カラーが望ましい場合にカラーのサブピクセル92G、92R、92Bにのみ電力を与え、カラーを希望しない場合に赤外線サブピクセル92Iにのみ電力を与えることができる。図9Cが示すように、サブピクセル92,94を直線的に配列することも、また図9Dが示すようにサブピクセル92、94を2x2のマトリクスで配列することもできる。
【0090】
また、本発明に従ったディスプレイ・システム106を、筐体102、および携帯電話、ラップトップあるいはパソコン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDAs)、インターネット電化製品、テレビなどあらゆる数の外部装置にデタッチャブルな形で連結するかリムーバブルな形で接続することを可能にすることも考慮する。これに関連して、ディスプレイ・システム106を、情報の転送を可能にするあらゆる種類の外部装置に、ディスプレイ・システム106と前記外部装置の間で直接的または遠隔に連結することが可能である。この目的のために使用できるワイヤレス接続の例として、無線、光、赤外線、あるいは他の前述の通信キャリアが無制限に挙げられる。ディスプレイ・システム106は、前述の実装において、ディスプレイ・システム106が通信する外部装置を識別し、それに従って対応するようになっている。例えば、本発明に従った情報処理能力を持つディスプレイ・システムのユーザーは、ディスプレイ・システム106をセル方式携帯電話(あるいは他の前述の外部装置)に接続することができる。従って、接続後のディスプレイ・システム106は、前記外部装置に含まれるディスプレイへの帰属を仮定するので、前記外部装置に含まれるディスプレイよりも優れたディスプレイを提供することができる。
【0091】
これらの場合において、ディスプレイ・システム106は、接続中のシステム・ディスプレイの特徴を認識する。例えば、ディスプレイ・システム106がセル方式携帯電話に接続された場合、ディスプレイ・システム106は、例えば解像度とグレースケールのコンテンツを判断することができる。次にディスプレイ・システム106は、前記セル方式携帯電話の画像を調整することによって、異なるサイズで適切に表示されるようにセル方式携帯電話ディスプレイの各ピクセルを、ディスプレイ・システム106の対応するピクセル109にマップすることができる。あるいは、より大きい画像若しくはより解像度の高い画像が望まれる場合は、前記セル方式携帯電話からの各ピクセルをディスプレイ・システム106の多数のピクセル上にマップすることができる。
【0092】
同様に、前記ディスプレイは、数々のディスプレイをいくつでも、ある与えられた時に前記筐体に連結することができるように、前記筐体に取り外しが可能(デタッチャブル)な方法で連結することができる。例えば、前記装置のユーザーは、ある特定の状況下である特定のディスプレイ(例えば第1のディスプレイ解像度を持つもの)を使いたいが、異なる状況下では異なるディスプレイ(より良い解像度を持つもの)を使いたいと思うことがあるかもしれない。
【0093】
ディスプレイ通信装置100はまた、グローバル・ポジショニングのような位置発見能力も含むことができる。例えば、アンテナ104は、1若しくはそれ以上のグローバル・ポジショニング衛星からのグローバル・ポジショニング信号を受け取ることができる。するとプロセッサ103は、前記グローバル・ポジショニング信号から、装置100の位置を判断することができる。プロセッサ103は、受け取ったグローバル・ポジショニング信号に基づきディスプレイ・システム106が装置100の位置を表す視覚的表現を出すことができるように、データをディスプレイ・システム106に送ることができる。
【0094】
図7は、本発明に従った、ディスプレイ・システム延長部分140を含むディスプレイ通信装置100の好ましい実施形態を示す。図が示すように、ディスプレイ延長部分も収納可能である。好ましくは、ディスプレイ・システム延長部分140は収納可能なディスプレイ画面延長部分144を含む。ディスプレイ画面延長部分144は、上述のようにディスプレイ・システム106と接続して作ることができる。好ましくは、ディスプレイ画面延長部分144を、延長筐体142の中に納まっているロッドの周りに巻きつけることができる(図示せず)。よって、ディスプレイ・システム延長部分140を有するディスプレイ通信装置100は、「ペンと鉛筆」セットの形を取ることができる。
【0095】
ディスプレイ・システム106およびディスプレイ・システム延長部分140は、ディスプレイ延長インターフェイス146を介して互いに連結する。ディスプレイ・システム延長部分140がディスプレイ・システム106と連結すると、ディスプレイ・システム延長部分140の存在を装置100が検知する。それ以降は、プロセッサ103がディスプレイ・システム106とディスプレイ・システム延長部分140の両方に表示データを与えることができる。例えば、表示データバスはディスプレイ・システム106を通って延長し、ディスプレイ延長インターフェイス146で完結することができる。同様に、ディスプレイ・システム延長部分140は、同じくディスプレイ延長インターフェイスで完結する表示データバスを含むことができる。よって、前記プロセッサはディスプレイ・システム106とディスプレイ・システム延長部分140の両方に、共通バスを介して表示データを伝達することができる。ディスプレイ延長部分140はまた、追加メモリを含むこともできる。
【0096】
前記装置への情報入力とそこからの情報出力は、上述の延長可能なディスプレイ・システムと、筐体100の外部表面に配置される低情報ディスプレイ・システムによって達成することができる。前記ディスプレイ・システムはプロセッサ103に通信可能な方法で連結することができ、電話番号や名前などを表示できるサイズと形にすることができる。
【0097】
装置100もまた、ユーザーのヘッドセットや眼鏡、あるいは、例えば腕時計のような手首に装着可能な装置に組み込むことが可能なマイクロ・ディスプレイに、取り外し可能(リムーバブル)な方法で接続することができ、それによって、より高いプライバシーを前記装置使用中のユーザーに与える。装置100はまた、例えば自動車のフロントガラスに情報を表示するために、自動車のヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)あるいは透明有機発光デバイス(TOLED)ディスプレイに接続することもできる。
【0098】
前記装置はまた、前記筐体に配置されたキーパッドを含むこともできる。前記キーパッドは、プロセッサ103に通信可能な方法で連結することができ、ユーザーが電話番号、テキスト、データなどを(おそらくピンまたは鉛筆の先を使って)入力できるサイズと形にすることができる。よって前記装置を、主要ディスプレイ・システム106を延長することなく操作することができる。同様に、装置100を、ディスプレイ・システム101と外部入力または出力装置の間で直接または遠隔に情報を伝達する何らかの方法で、キーボード、マウス、ディスプレイなどの外部入力または出力装置に連結することができる。
【0099】
また、前記装置を、照明、ステレオ、テレビ、電化製品などのリモートコントロール装置として使うことも期待される。前記装置を(前もってプログラム済みとするか、ユーザーがプログラムするかのどちらかによって)プログラムし、ユーザーが前記装置の適切なボタンを押すことによって、前記装置が前記外部装置を制御するために、好ましくは赤外線で、適切な信号を運ぶことができる。
【0100】
本発明の代替実施形態において、前記通信装置はまた、収納可能な筐体を含むことができる。上述の技術のいずれかを使い、前記ディスプレイを前記筐体の外部に連結し、ロッドまたは前記筐体そのものの周りに巻きつけるか、前記ディスプレイが前記筐体の中に収納され前記筐体がそれ自体に巻きつくように、前記ディスプレイを前記筐体の内部に連結することができる。
【0101】
図10Aおよび10Bが示すように、ディスプレイ・システム206を収納可能な筐体202の中あるいは上に組み込むことができる。前述の実施形態において、装置200は、例えば図10Aが示すような従来のPDAに似たものにすることができる。しかし、本発明に従えば、筐体202もディスプレイ206も収納可能であり、ユーザーは装置200全体を巻きこむことができる(図10B参照)。
【0102】
図10Cから10Eが示すように、通信装置210は収納可能な筐体212と、少なくとも部分的に筐体212の中に保管(図10Cおよび10D参照)若しくは筐体212から延長(図10E参照)できる収納可能なディスプレイ216とを含むことができる。収納可能なディスプレイ216を、前記筐体の内部(図10C〜10E参照)あるいは前記筐体の外部(例えば図2Bおよび2Cが示すように)に回転式に連結することができるロッド213を介して、収納可能な筐体212に連結することができる。
【0103】
図10Cが示すように、筐体212を、少なくとも筐体212の中に部分的に保管されたディスプレイ216と共に収納することができる。図10Dが示すように筐体212を広げることができるが、ディスプレイ216は少なくとも部分的に筐体212の中に残っている。次に、図10Eが示すようにディスプレイ216を筐体212から引き出すことができる。
【0104】
図10Fが示すように、通信装置220は収納可能な筐体222と、収納可能な筐体222に取り付けられた収納可能なディスプレイ226とを含むことができ、収納可能なディスプレイ226と収納可能な筐体222は、それぞれ別に巻くことができる。
【0105】
以上、手持ちサイズの携帯通信装置として使うための、インタラクティブ、低電力、収納可能な、情報処理能力を持つマルチメディア・ディスプレイ・システムを説明してきた。本技術分野に精通した者であれば、本発明の好ましい実施形態にさまざまな変更と改良を加えることができ、本発明の意図から離脱することなく前述の変更と改良を行えることを評価するであろう。よって、前述の同等のバリエーションはすべて、本発明の真の意図と範囲の中に含まれるものとして添付の請求項が網羅するものと解釈する。
【図面の簡単な説明】
【0106】
本発明のその他の特徴は、添付の図と併せて本発明の実施形態の以下の詳細な説明からさらに明確である。
【図1A】図1A−1Cは、それぞれの筐体に一体化された比較的小型のディスプレイを有する、従来技術に見られる典型的な手持ちサイズの通信装置を示す。
【図1B】図1A−1Cは、それぞれの筐体に一体化された比較的小型のディスプレイを有する、従来技術に見られる典型的な手持ちサイズの通信装置を示す。
【図1C】図1A−1Cは、それぞれの筐体に一体化された比較的小型のディスプレイを有する、従来技術に見られる典型的な手持ちサイズの通信装置を示す。
【図2A】図2A−2Eは、本発明に従った、情報処理機能を有するマルチメディア・ディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図2B】図2A−2Eは、本発明に従った、情報処理機能を有するマルチメディア・ディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図2C】図2A−2Eは、本発明に従った、情報処理機能を有するマルチメディア・ディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図2D】図2A−2Eは、本発明に従った、情報処理機能を有するマルチメディア・ディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図2E】図2A−2Eは、本発明に従った、情報処理機能を有するマルチメディア・ディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図3A】図3A−3Cは、収納可能なディスプレイを有する、本発明に従ったディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図3B】図3A−3Cは、収納可能なディスプレイを有する、本発明に従ったディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図3C】図3A−3Cは、収納可能なディスプレイを有する、本発明に従ったディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図4】図4は、電話キーパッドのある接触反応ディスプレイを有する、本発明に従ったディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図5】図5は、キーボードのある接触反応ディスプレイを有する、本発明に従ったディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図6】図6は、Webページ全体の表示が可能なフル・カラーのディスプレイを有する、本発明に従ったディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図7】図7は、ディスプレイの拡張を有する、本発明に従ったディスプレイ通信装置の好ましい実施形態を示す。
【図8】図8は、本発明に従ったディスプレイ通信装置を入れるための持ち運びケースを示す。
【図9A】図9A−9Dは、本発明に従ったディスプレイに用いることが可能なピクセルの代替実施形態を示す。
【図9B】図9A−9Dは、本発明に従ったディスプレイに用いることが可能なピクセルの代替実施形態を示す。
【図9C】図9A−9Dは、本発明に従ったディスプレイに用いることが可能なピクセルの代替実施形態を示す。
【図9D】図9A−9Dは、本発明に従ったディスプレイに用いることが可能なピクセルの代替実施形態を示す。
【図10A】図10A−10Fは、収納可能な筐体を持つ、本発明の代替実施形態を示す。
【図10B】図10A−10Fは、収納可能な筐体を持つ、本発明の代替実施形態を示す。
【図10C】図10A−10Fは、収納可能な筐体を持つ、本発明の代替実施形態を示す。
【図10D】図10A−10Fは、収納可能な筐体を持つ、本発明の代替実施形態を示す。
【図10E】図10A−10Fは、収納可能な筐体を持つ、本発明の代替実施形態を示す。
【図10F】図10A−10Fは、収納可能な筐体を持つ、本発明の代替実施形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ちサイズのディスプレイ装置であって、
筐体と、
表示データを提供するよう構成されたプロセッサと、
前記表示データに基づく視覚表示を提供する収納式ディスプレイであって、
前記収納式ディスプレイは前記筐体に連結し、前記筐体のいずれの横断面よりも大きい表面積を有するものであり、
前記収納式ディスプレイはアクティブ・マトリクス・ディスプレイであり、柔軟で筐体内部に巻きつけられることが可能で、1回を超えて完全に一周して巻かれることが可能なものであり、
フレキシブルアクティブ・マトリクス・バックプレーン上に積層された複数の有機発光デバイス(organic light emitting device:OLEDs)を有するものである、収納式ディスプレイと
からなる手持ちサイズのディスプレイ装置。
【請求項2】
前記プロセッサが前記筐体内部に含まれるものである、請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記収納式ディスプレイがユーザー入力データを受信する働きをするものである、請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記収納式ディスプレイに取り付けられている第1の電源を有するものである、ディスプレイ装置
【請求項5】
前記第1の電源は薄膜電池を含むものである、請求項4記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第1の電源は光電池を含むものである、請求項4記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1の電源は燃料電池を含むものである、請求項4記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記筐体は第2の電源を含むものである、請求項4記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第1の電源および前記第2の電源のうち少なくとも1つは薄膜電池を含むものである、請求項8記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記第1の電源および前記第2の電源のうち少なくとも1つは光電池を含むものである、請求項8記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記第1の電源および前記第2の電源のうち少なくとも1つは燃料電池を含むものである、請求項8記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記収納式ディスプレイの表面に配置された、取り外し可能な透明材料を有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項13】
前記取り外し可能な透明層はプラスチック・フィルムを含むものである、請求項12記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、前記ディスプレイはピクセルを有し、前記ピクセルは赤外線サブピクセルを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項15】
前記ピクセルはカラーのサブピクセルを有するものである、請求項14記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
前記ピクセルは直線的に配置された赤と緑と青と赤外線のサブピクセルを有するものである、請求項15記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
前記ピクセルは2x2マトリクスに配置された赤と緑と青と赤外線のサブピクセルを有するものである、請求項16記載のディスプレイ装置。
【請求項18】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらにグローバル・ポジショニング信号を受信する手段を有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項19】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記筐体の外面に配置されたキーパッドを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項20】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記筐体の外面に配置された第2のディスプレイを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項21】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに外部ユーザー入力装置からユーザー入力信号を受信するための電気的インターフェイスを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項22】
請求項21記載のディスプレイ装置であって、さらに前記外部ユーザー入力装置を前記ディスプレイ装置に接続するための機械的インターフェイスを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項23】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらにディスプレイ信号を外部ディスプレイに与えるための電気的インターフェイスを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項24】
請求項23記載のディスプレイ装置であって、さらに前記外部ディスプレイを前記ディスプレイ装置に接続するための機械的インターフェイスを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項25】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記収納式ディスプレイを巻きつけることができるように、前記筐体の内側の部分に連結しているロッドを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項26】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記筐体に含まれるファンを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項27】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記装置のユーザーの指紋認識を行う手段を有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項28】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記装置のユーザーの眼紋(アイプリント)認識を行う手段を有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項29】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに暗号化された入力通信信号を処理する手段を有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項30】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記筐体の外側の部分に連結されたアンテナを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項31】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記筐体の内側の部分に連結されたアンテナを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項32】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記ディスプレイ装置を外部アンテナに連結するためのアンテナ・インターフェイスを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項33】
前記ディスプレイは複数のリン光OLEDsを有するものである、請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項34】
前記ディスプレイは複数の透明有機発光デバイスを有するものである、請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項35】
前記ディスプレイは複数のトップ発光有機発光デバイスを有するものである、請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項36】
前記ディスプレイは複数のカプセル化有機発光デバイスを有するものである、請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項37】
請求項1記載のディスプレイ装置であって、さらに前記筐体に統合されたビデオ・イメージャーを有するものである、ディスプレイ装置。
【請求項38】
前記フレキシブル基板はプラスチックを有するものである、請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項39】
前記フレキシブル基板は金属箔を有するものである、請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項40】
前記ディスプレイは接触に反応するディスプレイ画面を含むものである、請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項41】
前記ディスプレイは前記装置のユーザーの指紋を検知するための指紋センサーを含むものである、請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項42】
前記ディスプレイは音声に反応するディスプレイ画面を含むものである、請求項41記載のディスプレイ装置。
【請求項43】
ディスプレイ装置であって、
筐体と、
表示データを提供するよう構成されたプロセッサと、
前記筐体に連結され、前記表示データに基づく視覚表示を提供するディスプレイであって、
前記ディスプレイはアクティブ・マトリクス・ディスプレイであり、アクティブ・マトリクス・バックプレーン上に積層された複数の発光デバイス(OLEDs)を有し、
前記ディスプレイは複数のピクセルであって、各ピクセルはカラーのサブピクセル及び赤外線サブピクセルを有するものである、ピクセルを有するものである
ディスプレイと
からなるディスプレイ装置。
【請求項44】
第一のモードにおいては、赤外線サブピクセルに電力が供給されないものである、請求項43記載のディスプレイ装置。
【請求項45】
前記ピクセルは直線的に配置された赤と緑と青と赤外線のサブピクセルを有するものである、請求項43記載のディスプレイ装置。
【請求項46】
前記ピクセルは2x2マトリクスに配置された赤と緑と青と赤外線のサブピクセルを有するものである、請求項43記載のディスプレイ装置。
【請求項47】
請求項43記載のディスプレイ装置であって、少なくとも以下の2以上のモードを作動させるように構成された、ディスプレイ装置。
a)人間の裸眼で前記視覚表示を視認できるよう、前記カラーのサブピクセルに電力が供給される第一のモード
b)赤外線感知装置を使用した場合のみ視覚表示が視認できるよう、赤外線サブピクセルに電力を供給し、カラーのサブピクセルには電力を供給しない第二のモード

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【公開番号】特開2010−252356(P2010−252356A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−120465(P2010−120465)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【分割の表示】特願2003−551910(P2003−551910)の分割
【原出願日】平成14年12月9日(2002.12.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(503055897)ユニバーサル ディスプレイ コーポレイション (61)
【Fターム(参考)】