説明

情報処理端末、遠隔操作システム、制御方法およびプログラム

【課題】二次電池の性能劣化を軽減することが可能な情報処理端末を提供する。
【解決手段】
充電制御部22は、非接触充電台Tから電力を受け付けると、その受け付けた電力を充電式電池21に蓄電する。実行管理部26は、充電制御部22にて充電式電池21への電力の蓄電が開始されたか否かを監視する。サーバアクセス管理部28は、電力の蓄電が開始されると、被遠隔操作端末Pの内部機能を遠隔操作端末Qから実行させる遠隔操作を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を備えた情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末のような通信機能を有する情報処理端末の動力源としては、充電可能な充電式電池である二次電池(蓄電池)が使用されることがある。
【0003】
二次電池を充電する充電方式としては、近年、ケーブルなどを情報処理端末に繋げずに、電磁誘導や磁気共振現象などを利用して、充電台などから非接触で二次電池を充電する非接触充電方式が注目されている(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−154446号公報
【特許文献2】特開2008−293631号公報
【特許文献3】特開2008−301554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
情報処理端末の二次電池が充電されている間でも、情報処理端末が電子メールを受信したりすると、ユーザは情報処理端末を操作することがある。この場合、ユーザが情報処理端末を操作し易くするために、情報処理端末からケーブルを外したり、情報処理端末を充電台から持ち上げたりして、二次電池の充電を中断させ、情報処理端末の操作が終了した後に、情報処理端末の二次電池を再度充電させることがある。このように二次電池の充電中断と再充電が行われると、充電が行われる充電回数が増加して、二次電池の性能劣化が早くなるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、上述した問題を鑑みたものであり、二次電池の性能劣化を軽減することが可能な情報処理端末、遠隔操作システム、制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による情報処理端末は、充電可能な充電式電池からの電力で駆動する情報処理端末であって、電力供給源から電力を受け付けると、当該電力を前記充電式電池に蓄電する充電制御部と、前記電力の蓄電が開始されたか否かを監視する監視部と、前記電力の蓄電が開始されると、前記情報処理端末の内部機能を遠隔操作端末から実行させる遠隔操作を許可する管理部と、を有する。
【0008】
本発明による遠隔操作システムは、前記情報処理端末と、前記情報処理端末の内部機能を実行する遠隔操作を行う遠隔操作端末と、を有する。
【0009】
本発明による制御方法は、充電可能な充電式電池からの電力で駆動する情報処理端末を制御する制御方法であって、電力供給源から電力を受け付けると、当該電力を前記充電式電池に蓄電し、前記電力の蓄電が開始されたか否かを監視し、前記電力の蓄電が開始されると、前記情報処理端末の内部機能を遠隔操作端末から実行させる遠隔操作を許可する。
【0010】
本発明によるプログラムは、充電可能な充電式電池からの電力で駆動し、電力供給源から電力を受け付けると、当該電力を前記充電式電池に蓄電する情報処理端末に、前記電力の蓄電が開始されたか否かを監視する処理と、前記電力の蓄電が開始されると、前記情報処理端末の内部機能を遠隔操作端末から実行させる遠隔操作を許可する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、二次電池の性能劣化を軽減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の遠隔操作システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の遠隔操作システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図3】本発明の第4の実施形態の情報処理端末の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有するものには同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態の遠隔操作システムを示す図である。図1において、遠隔操作システムは、電力供給源である非接触充電台Tと、非接触充電台Tから電力を受け付ける情報処理端末である被遠隔操作端末Pと、被遠隔操作端末Pの内部機能を実行させる遠隔操作を行う遠隔操作端末Qと、遠隔操作端末Qからの被遠隔操作端末Pへの遠隔操作の中継を行う中継サーバMとを有する。
【0015】
被遠隔操作端末P、遠隔操作端末Qおよび中継サーバMは、それぞれ通信可能に接続される。被遠隔操作端末P、遠隔操作端末Qおよび中継サーバMが行う通信は、特に限定されないが、例えば、公衆通信網を経由した通信や、WiFi(登録商標)などのLAN通信などが挙げられる。また、被遠隔操作端末Pおよび遠隔操作端末Qは、例えば、携帯電話、スマートフォン、ゲーム機またはPC(Personal computer)などである。ここでPCは、デスクトップ型のPCでもよいし、ノート型のPCでもよいし、タブレット型のPCでもよい。
【0016】
なお、図1では、基本的に、実線の矢印がデータの流れを示し、破線の矢印が制御情報の流れを示し、点線の矢印が電力の流れを示している。データは、例えば、電子メールやWebデータのようなコンテンツなどであり、制御情報は、遠隔操作端末Qを遠隔操作できるようにするために遠隔操作システムの各装置を制御するための情報である。
【0017】
非接触充電台Tは、非接触制御部11と、非接触電力送信部12とを有する。
【0018】
非接触制御部11は、被遠隔操作端末Pへの電力の供給が可能か否かを判断する。例えば、非接触制御部11は、無線通信方式を用いて、定期的または連続的に応答要求を送信し、その応答要求に対して被遠隔操作端末Pから応答があった場合に、被遠隔操作端末Pへの電力の供給が可能であると判断する。
【0019】
非接触制御部11にて電力の供給が可能であると判断された場合、非接触電力送信部12は、電力を非接触で伝送する非接触電力伝送方式を用いて、電力を被遠隔操作端末Pに供給する。
【0020】
被遠隔操作端末Pは、充電式電池21と、充電制御部22と、ユーザインタフェース部23と、通信部24と、データ保持部25と、実行管理部26と、GPS(Global Positioning System)管理部27と、サーバアクセス管理部28と、アクセス管理記憶部29とを有する。
【0021】
充電式電池21は、充電可能な二次電池であり、蓄電された電力を被遠隔操作端末Pの各部に供給することで、被遠隔操作端末Pを駆動させる。
【0022】
充電制御部22は、非接触充電台Tから電力を受け付けると、その受け付けた電力を充電式電池21に蓄電する。また、非接触充電台Tの非接触制御部11が応答要求を送信するような構成の場合、充電制御部22は、無線通信を用いて、非接触充電台Tから応答要求を受信すると、その応答要求に対して応答する。
【0023】
ユーザインタフェース部23は、被遠隔操作端末Pのユーザとの間で情報のやり取りを行う装置であり、例えば、テンキーやタッチパネルのようなユーザからの入力を受け付ける入力部と、データや制御情報を表示する表示部などを備える。
【0024】
ユーザインタフェース部23は、例えば、ユーザから、被遠隔操作端末Pに対する遠隔操作を管理するための制御情報であるアクセス管理情報を受け付ける。
【0025】
アクセス管理情報は、被遠隔操作端末Pを特定する識別情報である第1端末IDと、遠隔操作端末Qを特定する識別情報である第2端末IDと、中継サーバMを特定する識別情報であるサーバIDとなどを含む。これらの識別情報は、例えば、IPアドレスやURLなどである。
【0026】
通信部24は、遠隔操作端末Qおよび中継サーバMと通信を行い、遠隔操作端末Qおよび中継サーバMとデータや制御情報の送受信を行う。例えば、通信部24は、遠隔操作端末Qから中継サーバMを経由して、遠隔操作にて被遠隔操作端末Pに実行させる内部機能を示す遠隔操作情報を受信する。
【0027】
また、通信部24は、不図示のサーバ(例えば、メールサーバやWebサーバ)との通信を行い、そのサーバから電子メールやWeb情報などのデータを受信する。
【0028】
なお、通信部24は、必要に応じて、データや制御情報の送受信時にそのデータや制御情報の暗号化や復号化を行ってもよい。
【0029】
データ保持部25は、種々のデータを保持する。データ保持部25に保持されるデータは、例えば、通信部24が受信した電子メールなどである。また、被遠隔操作端末Pがカメラや種々のセンサなどを有している場合には、データ保持部25は、そのカメラやセンサで取得された写真データやセンサデータなどを上記のデータとして保持する。
【0030】
実行管理部26は、ユーザインタフェース部23に対する入力の入力内容に応じて、アプリケーションの実行などの種々の処理を行う。
【0031】
また、実行管理部26は、充電式電池21の充電状態を監視する監視部としても機能する。より具体的には、実行管理部26は、充電制御部22にて充電式電池21への電力の蓄電が開始されたか否か、および、充電制御部22にて充電式電池21への電力の蓄電が終了したか否かを監視する。
【0032】
GPS管理部27は、不図示のGPS衛星から測位信号を受信し、その測位信号に基づいて、被遠隔操作端末Pの現在の位置を測位し、その現在の位置を示す位置情報をサーバアクセス管理部28に出力する。
【0033】
サーバアクセス管理部28は、ユーザインタフェース部23が受け付けたアクセス管理情報を用いて、遠隔操作端末Qから被遠隔操作端末Pの内部機能を実行させる遠隔操作を管理する管理部である。なお、内部機能としては、データ保持部25に保持されているデータを閲覧する情報閲覧機能や、被遠隔操作端末Pに対して種々の設定を行う設定機能などが挙げられる。
【0034】
より具体的には、サーバアクセス管理部28は、ユーザインタフェース部23が受け付けたアクセス管理情報をアクセス管理記憶部29に記憶させる。そして、サーバアクセス管理部28は、アクセス管理情報内の第1端末IDおよび第2端末IDを含む情報を、被遠隔操作端末Qおよび遠隔操作端末Pを認証するための認証情報として、アクセス管理情報内のサーバIDにて特定される中継サーバMに送信して登録する登録処理を行い、被遠隔操作端末Pに対する遠隔操作を許可する遠隔操作端末Qを設定する。
【0035】
また、登録処理終了後に実行管理部26にて充電式電池21への電力の蓄電が開始されたことが検知された場合、サーバアクセス管理部28は、登録処理で設定した遠隔操作端末Qからの遠隔操作を許可する。
【0036】
本実施形態では、サーバアクセス管理部28は、被遠隔操作端末PをWebサーバとして動作させるWebサーバ機能を起動することで、遠隔操作端末Qからの遠隔操作を許可する。
【0037】
なお、サーバアクセス管理部28は、例えば、PWS(Personal Web Server)のようなWebサーバ機能を実現するためのアプリケーションプログラム(AP:Application Program)である被制御APを実行することで、Webサーバ機能を起動してもよい。なお、被制御APは、例えば、データ保持部25に記録されているものとする。
【0038】
遠隔操作端末Qからの遠隔操作を許可している場合、通信部24が遠隔操作情報を受信すると、サーバアクセス管理部28は、Webサーバ機能を用いて、その遠隔操作情報が示す内部機能を実行し、その実行結果を遠隔操作端末Qに送信する。なお、遠隔操作情報は、例えば、被制御APが提供しているAPI(Application Program Interface)を用いて、サーバアクセス管理部28に実行させる内部機能を示している。
【0039】
また、実行管理部26にて充電式電池21への電力の蓄電が終了されたことが検知された場合、サーバアクセス管理部28は、Webサーバ機能を終了することで、遠隔操作端末Qからの遠隔操作を不許可にする。
【0040】
なお、サーバアクセス管理部28は、GPS管理部27から位置情報を受け付けると、その位置情報に応じた処理を行ってもよい。
【0041】
アクセス管理記憶部29は、上述したように、ユーザインタフェース部23が受け付けたアクセス管理情報を記憶する記憶部である。なお、データ保持部25およびアクセス管理記憶部29のそれぞれは、物理的に同一の記憶装置にて実現されてもよいし、物理的に異なる記憶装置にて実現されてもよい。
【0042】
遠隔操作端末Qは、ユーザインタフェース部31と、通信部32と、データ保持部33と、実行管理部34と、サーバアクセス管理部35とを有する。
【0043】
ユーザインタフェース部31は、遠隔操作端末Qのユーザとの間で情報のやり取りを行う装置であり、例えば、テンキーやタッチパネルのようなユーザからの入力を受け付ける入力部と、データや制御情報を表示する表示部などを備える。
【0044】
通信部32は、被遠隔操作端末Pおよび中継サーバMと通信を行い、被遠隔操作端末Pおよび中継サーバMとデータや制御情報の送受信を行う。例えば、通信部32は、被遠隔操作端末Pから中継サーバMを介して、遠隔操作の実行結果を受信する。
【0045】
なお、通信部32は、不図示のサーバとの通信を行い、そのサーバから電子メールやWeb情報などのデータを受信してもよい。また、通信部32は、必要に応じて、データや制御情報の送受信時にそのデータや制御情報の暗号化や復号化を行ってもよい。
【0046】
データ保持部33は、通信部32が受信したデータなどの種々のデータを保持する。
【0047】
実行管理部34は、ユーザインタフェース部23に対する入力の入力内容に応じて、アプリケーションの実行などの種々の処理を行う。
【0048】
サーバアクセス管理部35は、遠隔操作端末Qから被遠隔操作端末Pへの遠隔操作を管理する操作側の管理部である。
【0049】
例えば、サーバアクセス管理部35は、ユーザインタフェース部31が受け付けた遠隔操作情報を中継サーバMを介して被遠隔操作端末Pに送信したり、通信部32が受信した実行結果をユーザインタフェース部23に表示したりする。
【0050】
中継サーバMは、通信部41と、端末アクセス管理部42と、端末操作管理記憶部43とを有する。
【0051】
通信部41は、被遠隔操作端末Pおよび遠隔操作端末Qと通信を行い、遠隔操作端末Qから被遠隔操作端末Pへの遠隔操作の中継を行う。例えば、通信部41は、被遠隔操作端末Pから認証情報や実行結果を受信し、遠隔操作端末Qから遠隔操作情報を受信する。また、通信部41は、受信した実行結果を遠隔操作端末Qに転送し、受信した遠隔操作情報を被遠隔操作端末Pに転送する。
【0052】
端末アクセス管理部42は、通信部41が受信した認証情報を端末操作管理記憶部43に記憶させる。また、端末アクセス管理部42は、端末操作管理記憶部43に記憶されている認証情報を用いて、遠隔操作端末Qと被遠隔操作端末Pとの認証を行う。
【0053】
端末操作管理記憶部43は、上述したように、通信部41が受信した認証情報を記憶する記憶装置である。
【0054】
次に遠隔操作システムの動作を説明する。
【0055】
図2は、遠隔操作システムの動作の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0056】
先ず、遠隔操作システムは、以下のステップS201〜203で説明するような登録処理を行う。
【0057】
登録処理では、先ず、ユーザは、Webサーバ機能を実現するためのアプリケーションプログラムである被制御APを被遠隔操作端末Pにインストールする(ステップS201)。これにより、被制御APがデータ保持部25に記録される。
【0058】
その後、ユーザインタフェース部23は、ユーザからアクセス管理情報を受け付けると、そのアクセス管理情報を、実行管理部26を介してサーバアクセス管理部28に送信する。サーバアクセス管理部28は、アクセス管理情報を受信すると、そのアクセス管理情報をアクセス管理記憶部29に記憶させる。そして、サーバアクセス管理部28は、アクセス管理情報内の第1端末IDおよび第2端末IDを含む認証情報を生成し、その認証情報を、アクセス管理情報内のサーバIDにて特定される中継サーバMに通信部24を介して送信する(ステップS202)。
【0059】
中継サーバMの通信部41は、認証情報を受信すると、その認証情報を端末アクセス管理部42に送信する。端末アクセス管理部42は、認証情報を受信すると、その認証情報を端末操作管理記憶部43に記憶する(ステップS203)。これにより登録処理が終了する。
【0060】
上記の登録処理が終了した後で、ユーザが被遠隔操作端末Pを非接触充電台Tに置くと、以下のステップS204〜S215で説明するような、被遠隔操作端末Pを遠隔操作する遠隔操作処理が実行される。
【0061】
遠隔操作処理では、先ず、被遠隔操作端末Pの充電制御部22が、非接触充電台Tの非接触制御部11から応答要求を受信し、その応答要求に対する応答を非接触制御部11に送信する。非接触制御部11は、応答を受信すると、非接触電力送信部12を駆動して、非接触電力送信部12から充電制御部22に電力を非接触で供給させる。充電制御部22は、その供給された電力を受け付けると、その電力を充電式電池21に蓄電する(ステップS204)。
【0062】
充電式電池21への蓄電が開始されると、実行管理部26は、その蓄電の開始を検知し、その旨をサーバアクセス管理部28に通知する。サーバアクセス管理部28は、その旨を受け付けると、データ保持部25から被制御APを読み取り、その読み取った被制御APを実行して、Webサーバ機能を起動することで、遠隔操作を許可する(ステップS205)。
【0063】
Webサーバ機能を起動すると、サーバアクセス管理部28は、遠隔操作を許可した旨の操作許可通知としてWebサーバ機能を起動した旨の起動通知を生成する。続いて、サーバアクセス管理部28は、アクセス管理記憶部29に記憶されているアクセス管理情報を確認し、そのアクセス管理情報内の第1端末IDを起動通知に加える。そして、サーバアクセス管理部28は、第1端末IDを加えた起動通知を、アクセス管理情報内のサーバIDにて特定される中継サーバMに対して通信部24を介して送信する(ステップS206)。
【0064】
中継サーバMの通信部41は、起動通知を受信すると、その起動通知を端末アクセス管理部42に送信する。端末アクセス管理部42は、起動通知を受信すると、端末操作管理記憶部43内の認証情報内の第1端末IDと、起動通知内の第1端末IDとが同じか否かを判断する。各第1端末IDが同じであると、端末アクセス管理部42は、認証情報に遠隔操作が許可された旨を登録する(ステップS207)。なお、各第1端末IDが異なっていると、端末アクセス管理部42は、遠隔操作が許可された旨を登録せずに処理を終了する。
【0065】
また、ユーザは、被遠隔操作端末Pを非接触充電台Tに置いた後で被遠隔操作端末Pを操作する場合、遠隔操作端末Qのユーザインタフェース部31に、被遠隔操作端末Pに接続する旨の接続要求を入力する。なお、接続要求は、第1端末ID、第2端末IDおよびサーバIDを含む。
【0066】
ユーザインタフェース部31は、接続要求を受け付けると、その接続要求を、実行管理部34を介してサーバアクセス管理部35に送信する。サーバアクセス管理部35は、接続要求を受信すると、接続要求内のサーバIDにて特定される中継サーバMに、その接続要求を送信する(ステップS208)。
【0067】
中継サーバMの通信部41は、接続要求を受信すると、その接続要求を端末アクセス管理部42に送信する。端末アクセス管理部42は、接続要求を受信すると、その接続要求と、端末操作管理記憶部43に記憶されている認証情報とに基づいて、被遠隔操作端末Pおよび遠隔操作端末Qの認証を行い、その認証結果を通信部41を介して遠隔操作端末Qに送信する(ステップS209)。
【0068】
なお、端末アクセス管理部42は、より具体的には、端末操作管理記憶部43に記憶されている認証情報に、接続要求内の第1端末IDおよび第2端末IDが含まれ、かつ、認証情報に遠隔操作が許可された旨が登録されているか否かを判断することで、被遠隔操作端末Pおよび遠隔操作端末Qの認証を行い、その判断結果を認証結果として送信する。
【0069】
このとき、端末アクセス管理部42は、接続要求内の第1端末IDおよび第2端末IDが含まれ、かつ、認証情報に遠隔操作が許可された旨が登録されている場合、被遠隔操作端末Pが遠隔操作端末Qからの遠隔操作を許可しているので、認証が成功したと判断し、それ以外の場合には認証が失敗したと判断する。
【0070】
遠隔操作端末Qの通信部32は、認証結果を受信すると、その認証結果をサーバアクセス管理部35に送信する。サーバアクセス管理部35は、認証結果を受信すると、その認証結果を、実行管理部34を介してユーザインタフェース部31に表示する(ステップS210)。これにより、ユーザは認証結果を確認することができる。
【0071】
そして、認証が成功した場合、ユーザは、被遠隔操作端末Pに実行させる内部機能を示す遠隔操作情報をユーザインタフェース部31に入力する。ユーザインタフェース部31は、遠隔操作情報を受け付けると、その遠隔操作情報を、実行管理部34を介してサーバアクセス管理部35に送信する。サーバアクセス管理部35は、遠隔操作情報を受信すると、その遠隔操作情報を通信部32および中継サーバMを介して被遠隔操作端末Pに送信する(ステップS211)。
【0072】
被遠隔操作端末Pの通信部24は、遠隔操作情報を受信すると、その遠隔操作情報をサーバアクセス管理部28に送信する。サーバアクセス管理部28は、遠隔操作情報を受信すると、その遠隔操作情報が示す内部機能を実行し、その実行結果を、通信部24および中継サーバMを介して遠隔操作端末Qに送信する(ステップS212)。
【0073】
遠隔操作端末Qの通信部32は、実行結果を受信すると、その実行結果をサーバアクセス管理部35に送信する。サーバアクセス管理部35は、実行結果を受信すると、その処理結果を、実行管理部34を介してユーザインタフェース部31に表示する。これにより、ユーザが実行結果を確認することができる(ステップS213)。
【0074】
上記のようなステップS211〜S213の処理が、ユーザが遠隔操作情報をユーザインタフェース部31に入力するたびに行われる。
【0075】
そして、非接触充電台Tから被遠隔操作端末Pへの電力の供給が停止されるか、または、充電式電池21が満充電されるかして、被遠隔操作端末Pの充電制御部22が充電式電池21への電力の蓄電を終了すると、実行管理部26は、その蓄電の終了を検知し、その旨をサーバアクセス管理部28に通知する(ステップS214)。サーバアクセス管理部28は、その旨を受信すると、中継サーバMを経由した遠隔操作端末Qとの接続を切断し、その後、被制御APを終了することで、Webサーバ機能を終了して、遠隔操作端末Qからの遠隔操作を不許可にする(ステップS215)。
【0076】
以上説明したように本実施形態によれば、被遠隔操作端末Pの充電式電池21の充電が開始されると、被遠隔操作端末Pに対する遠隔操作が許可されるので、充電中に被遠隔操作端末Pを直接操作しなくても、遠隔操作端末Qから被遠隔操作端末Pを遠隔操作することが可能になる。このため、充電中の被遠隔操作端末Pを操作するために、被遠隔操作端末Pを持ち上げるなどして充電を一旦停止する必要がなくなるので、充電式電池21充電が行われる充電回数の増加を抑制することが可能になり、充電式電池21の性能劣化を軽減することが可能になる。
【0077】
また、ユーザは、被遠隔操作端末Pの充電中断を気にすることなく被遠隔操作端末Pを操作することが可能になるので、ユーザビリティを向上させることが可能になる。
【0078】
また、非接触充電台Tに複数の情報処理端末が置かれ、非接触充電台Tに置かれた順番に情報処理端末に対して電力を供給するような構成の場合に、被遠隔操作端末Pが非接触充電台Tから持ち上げられて、他の情報処理端末の充電が開始され、被遠隔操作端末Pを充電する順番が先送りにされるなどの問題も解決することができる。
【0079】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
【0080】
本実施形態の遠隔操作システムの構成は、図1に示したものと同じであるが、以下の機能がさらに備わっている。
【0081】
被遠隔操作端末Pの実行管理部26は、データ保持部25に保持されているデータが更新されたか否かをさらに監視する。例えば、通信部24が不図示のサーバから電子メールを受信すると、その受信された電子メールがデータ保持部25に保持される。この場合、データ保持部25に新たにデータが保持されるので、データ保持部25に保持されているデータが更新されたこととなり、実行管理部26がそのデータの更新を検知する。
【0082】
実行管理部26にてデータ保持部25に保持されているデータが更新されたことが検知された場合、サーバアクセス管理部28は、アクセス管理記憶部29に記憶されているアクセス管理情報を用いて、更新されたデータである更新データを遠隔操作端末Qに送信する。
【0083】
なお、サーバアクセス管理部28は、中継サーバMを経由して更新データを遠隔操作端末Qに送信してもよいし、中継サーバMを経由せずに直接更新データを遠隔操作端末Qに送信してもよい。また、サーバアクセス管理部28は、Webサーバ機能を実行している間に、データが更新されると、更新データを送信してもよいし、Webサーバ機能が実行されていないときでも、データが更新されると、更新データを送信してもよい。
【0084】
本実施形態によれば、被遠隔操作端末P内のデータが更新されると、その更新された更新データが遠隔操作端末Qに通知されるので、充電中の被遠隔操作端末Pを操作する必要性を低下させることが可能になり、充電が行われる充電回数の増加をさらに抑制することが可能になる。また、遠隔操作を行う頻度を低下することも可能になるので、ユーザビリティを向上させることも可能になる。
【0085】
次に本発明の第3の実施形態について説明する。
【0086】
なお、本実施形態の遠隔操作システムの構成は、図1に示したものと同じであるが、以下の機能がさらに備わっている。
【0087】
アクセス管理記憶部29に記憶されているアクセス管理情報には、遠隔操作にて実行可能な内部機能のうち、実行を許可する内部機能である許可機能を示す許可操作情報がさらに含まれる。
【0088】
なお、許可操作情報は、例えば、ユーザインタフェース部23がユーザから受け付けたアクセス管理情報に含まれている。また、サーバアクセス管理部28は、被制御APなどによって予め定められている許可操作情報を、登録処理時にユーザインタフェース部23がユーザから受け付けたアクセス管理情報に加え、その許可操作情報を加えたアクセス管理情報をアクセス管理記憶部29に記憶してもよい。
【0089】
この場合、通信部24が遠隔操作情報を受信すると、サーバアクセス管理部28は、遠隔操作情報が示す内部機能が、アクセス管理記憶部29に記憶されているアクセス管理情報内の許可操作情報が示す許可機能に含まれるか否かを判断する。
【0090】
サーバアクセス管理部28は、その内部機能が許可機能に含まれている場合、その内部機能を実行し、その内部機能が許可機能に含まれていない場合、その内部機能を実行せずに遠隔操作情報を破棄する。
【0091】
また、実行管理部26にて充電式電池21への電力の蓄電が終了されたことが検知された場合、サーバアクセス管理部28は、遠隔操作を終了させる遠隔操作終了選択機能を許可機能として示す情報を、許可操作情報としてアクセス管理記憶部29に記憶されているアクセス管理情報に加える。
【0092】
本実施形態によれば、遠隔操作で実行される内部機能が許可機能に制限されるので、重要な設定情報の削除する機能などを誤って実行させてしまうことを抑制することができる。
【0093】
また、本実施形態では、電力の蓄電が終了されると、遠隔操作を不許可にする遠隔操作終了選択機能が許可機能に加えられるので、電力の蓄電が終了する前に誤って遠隔操作を不許可にしてしまうことを抑制することができる。
【0094】
次に本発明の第4の実施形態について説明する。
【0095】
図3は、本実施形態の情報処理端末の構成を示すブロック図である。図3において、情報処理端末100は、二次電池101と、充電制御部102と、監視部103と、管理部104とを有する。
【0096】
二次電池101は、充電可能な二次電池である。
【0097】
充電制御部102は、電力供給源200から電力が供給されると、その電力を二次電池101に蓄電する。なお、電力供給源200から充電制御部102に電力を伝送させる電力伝送方式は、特に限定されない。例えば、電力伝送方式は、有線にて電力を伝送させる接触電力伝送方式でもよいし、非接触で電力を伝送する非接触電力伝送方式でもよい。
【0098】
監視部103は、第1の実施形態の実行管理部26に対応する。
【0099】
監視部103にて電力の二次電池101への蓄電が開始されたことが検知されると、管理部104は、遠隔操作端末300からの遠隔操作を許可する。ここで遠隔操作端末300から情報処理端末100の遠隔操作は、第1の実施形態で説明したように中継サーバMを経由して行われてもよいし、中継サーバMを経由せずに直接行われてもよい。
【0100】
なお、監視部103は図1に示した実行管理部26に対応し、管理部104は図1に示したサーバアクセス管理部28に対応する。
【0101】
本実施形態では、情報処理端末100の二次電池101の充電が開始されると、情報処理端末100に対する遠隔操作が許可されるので、二次電池101の充電が行われる充電回数の増加を抑制することが可能になり、二次電池101の性能劣化を軽減することが可能になる。
【0102】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0103】
例えば、遠隔操作システムの各装置の機能は、その機能を実現するためのプログラムを、コンピュータにて読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませ実行させることで、実現されてもよい。
【符号の説明】
【0104】
11 非接触制御部
12 非接触電力送信部
21 充電式電池
22、102 充電制御部
23、31 ユーザインタフェース部
24、32、41 通信部
25、33 データ保持部
26、34 実行管理部
27 GPS管理部
28、35 サーバアクセス管理部
29 アクセス管理記憶部
42 端末アクセス管理部
43 端末操作管理記憶部
100 情報処理端末
101 二次電池
103 監視部
104 管理部
200 電力供給源
M 中継サーバ
P 被遠隔操作端末
Q、300 遠隔操作端末
T 非接触充電台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能な二次電池からの電力で駆動する情報処理端末であって、
電力供給源から電力を受け付けると、当該電力を前記二次電池に蓄電する充電制御部と、
前記電力の蓄電が開始されたか否かを監視する監視部と、
前記電力の蓄電が開始されると、前記情報処理端末の内部機能を遠隔操作端末から実行させる遠隔操作を許可する管理部とを有する情報処理端末。
【請求項2】
前記内部機能のうち実行を許可する内部機能である許可機能を示す許可操作情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記管理部は、前記許可機能を実行させる遠隔操作である対象遠隔操作を許可する、請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記監視部は、前記電力の蓄電が終了したか否かをさらに監視し、
前記管理部は、前記電力の蓄電が終了すると、前記遠隔操作を終了させる遠隔操作終了選択機能を前記許可機能として示す情報を前記許可操作情報として前記記憶部に記憶する、請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
データを保持する保持部をさらに有し、
前記監視部は、前記データが更新されたか否かをさらに監視し、
前記管理部は、前記遠隔操作を許可している場合、前記データが更新されると、当該更新されたデータを前記遠隔操作端末に送信する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理端末。
【請求項5】
前記充電制御部は、前記電力供給源から非接触で前記電力を受け付ける、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の情報処理端末。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の情報処理端末と、
前記情報処理端末の内部機能を実行する遠隔操作を行う遠隔操作端末とを有する遠隔操作システム。
【請求項7】
前記遠隔操作を中継する中継装置をさらに有する、請求項6に記載の遠隔操作システム。
【請求項8】
充電可能な二次電池からの電力で駆動する情報処理端末を制御する制御方法であって、
電力供給源から電力を受け付けると、当該電力を前記二次電池に蓄電し、
前記電力の蓄電が開始されたか否かを監視し、
前記電力の蓄電が開始されると、前記情報処理端末の内部機能を遠隔操作端末から実行させる遠隔操作を許可する、制御方法。
【請求項9】
充電可能な二次電池からの電力で駆動し、電力供給源から電力を受け付けると、当該電力を前記二次電池に蓄電する情報処理端末に、
前記電力の蓄電が開始されたか否かを監視する処理と、
前記電力の蓄電が開始されると、前記情報処理端末の内部機能を遠隔操作端末から実行させる遠隔操作を許可する処理とを実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−66038(P2013−66038A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203213(P2011−203213)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】