説明

情報処理端末装置および情報処理端末装置管理システムならびに情報処理端末装置管理プログラム

【課題】情報処理端末装置を使用する際に職務にできるだけ悪影響を与えることなく消費電力を可能な限り削減する。
【解決手段】情報処理を実行する情報処理端末装置であって、該情報処理端末装置の動作を記録した動作ログを生成する動作ログ生成部と、消費電力状況を記録した消費電力ログを生成する消費電力ログ生成部と、前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成する動作・消費電力テーブル生成部と、前記動作・消費電力テーブルを参照し、消費電力が他より大きい動作に一定の制限を加える動作制限制御部と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ(情報処理端末装置)の電力消費の低減に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスなどでは多数のコンピュータ(情報処理端末装置)が使用されている。そして、処理能力の向上に関連して、CPUやその周辺などを中心にして消費される電力も増大する傾向にある。また、電力消費の増大に応じて、コンピュータ内部を冷却する必要があり、放熱や更なる電力消費の問題が生じる。このような電力消費の増大は、最終的には地球温暖化にも繋がることになる。
【0003】
一方、低消費電力のコンピュータも開発される傾向にあるものの、処理能力の向上や低価格化が最優先であるため、実際には電力消費の問題は優先度が低く扱われている。
さらに、コンピュータの設定により、不使用時間が一定以上続いた場合に、各部をスタンバイさせる機能が設けられているが、そのような設定をしない場合、あるいは、そのような設定が最適でない場合には、有効に働かないことがある。
【0004】
このような問題を解決するため、以下の特許文献1にサーバから各機器の動作を制限する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-343955
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の特許文献1記載の手法では、個々の機器の設定に頼らず、ネットワーク上の管理サーバが各機器の動作モードを制御するため、オフィス内全体で省エネルギーに関して有効な制御が行える。
【0007】
しかし、動作モードが通常モードと省電力モードの2種類しか無く、個々の機器の状況に応じた細かな制御ができない。また、ネットワークからの命令を受けずに機器が単独で適切な動作モードを選択することもできない。
【0008】
一方、上述した一般的なコンピュータでは、省電力の細かな設定はできるものの、設定時に予測した状況と異なる状況では、たとえば、予想したよりも短い不使用時間などの場合、省エネルギーモードが有効に働かないことがあった。
【0009】
また、「xx分間使用されない場合には、スタンバイモードに移行する」という設定にした場合、そもそも、最初のxx分間の不使用期間はスタンバイモードに移行せず、電力が無駄になっていた。
【0010】
また、各機器で個別に省エネルギーモードの設定を行う場合に、処理能力の低下を嫌い、意図的に無駄の多い高処理能力モードを選択することがあっても、他から監視ができず、また、他から制御することができないという問題があった。
【0011】
さらに、勤務時間の後、たとえば、残業時間などにコンピュータを私用で使っていたと
しても、何ら対策をすることができなかった。
また、真夏の午後に電力使用量がピークに達し、発電所の発電量の上限に近づいてしまうことがある。このような場合には、消費電力を削減することが極めて重要である。

本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、情報処理端末装置を使用する際に職務にできるだけ悪影響を与えることなく消費電力を可能な限り削減することが可能な情報処理端末装置および情報処理端末装置管理システムならびに情報処理端末装置管理プログラムを実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明では、以下に記載する情報処理端末装置および情報処理端末装置管理システムならびに情報処理端末装置管理プログラムを用いる。
(1)請求項1記載の発明は、情報処理を実行する情報処理端末装置であって、該情報処理端末装置の動作を記録した動作ログを生成する動作ログ生成部と、消費電力状況を記録した消費電力ログを生成する消費電力ログ生成部と、前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成する動作・消費電力テーブル生成部と、前記動作・消費電力テーブルを参照し、消費電力が他より大きい動作に一定の制限を加える動作制限制御部と、を備えたことを特徴とする情報処理端末装置である。
【0013】
なお、この動作制限としては、動作禁止、動作時間制限、動作時のCPUパワー低減(または各部処理能力低減)、一定時間動作後の動作禁止やCPUパワー低減(または各部処理能力低減)などが該当する、
(2)請求項2記載の発明は、情報処理を実行する情報処理端末装置であって、該情報処理端末装置の動作を記録した動作ログを生成する動作ログ生成部と、消費電力状況を記録した消費電力ログを生成する消費電力ログ生成部と、前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成する動作・消費電力テーブル生成部と、勤務スケジュールデータが登録されたスケジュール登録部と、前記勤務スケジュールデータと前記動作・消費電力テーブルとを参照し、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作あるいは勤務時間外の動作については一定の制限を加える動作制限制御部と、を備えたことを特徴とする情報処理端末装置である。
【0014】
なお、この動作制限としては、動作禁止、動作時間制限、動作時のCPUパワー低減(または各部処理能力低減)、一定時間動作後の動作禁止やCPUパワー低減(または各部処理能力低減)などが該当する、
(3)請求項3記載の発明は、ネットワークに接続されており情報処理を実行する情報処理端末装置であって、該情報処理端末装置の動作を記録した動作ログを生成する動作ログ生成部と、消費電力状況を記録した消費電力ログを生成する消費電力ログ生成部と、前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成する動作・消費電力テーブル生成部と、勤務スケジュールデータが登録されたスケジュール登録部と、前記勤務スケジュールデータと前記動作・消費電力テーブルとネットワーク経由の外部からの指示とを参照し、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作あるいは勤務時間外の動作についての一定の制限を、前記指示に応じて変更しつつ加える動作制限制御部と、を備えたことを特徴とする情報処理端末装置である。
【0015】
なお、この動作制限としては、動作禁止、動作時間制限、動作時のCPUパワー低減(または各部処理能力低減)、一定時間動作後の動作禁止やCPUパワー低減(または各部処理能力低減)などが該当する、
(4)請求項4記載の発明は、前記動作ログ生成部は、該情報処理端末装置の動作について動作種別と継続時間とを記録した動作ログを生成し、前記動作・消費電力テーブル生
成部は、前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力量との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成し、前記動作制限制御部は、消費電力量が他より大きい動作に一定の制限を加える、ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載の情報処理端末装置である。
【0016】
(5)請求項5記載の発明は、ネットワークに接続された管理サーバと、ネットワークに接続されており情報処理を実行する情報処理端末装置と、を備えた情報処理端末装置管理システムであって、前記情報処理端末装置は、該情報処理端末装置の動作を記録した動作ログを生成する動作ログ生成部と、消費電力状況を記録した消費電力ログを生成する消費電力ログ生成部と、前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成する動作・消費電力テーブル生成部と、勤務スケジュールデータが登録されたスケジュール登録部と、前記勤務スケジュールデータと前記動作・消費電力テーブルと前記管理サーバからの指示とを参照し、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作あるいは勤務時間外の動作についての一定の制限を、前記指示に応じて変更しつつ加える動作制限制御部と、を備えたことを特徴とする情報処理端末装置管理システムである。
【0017】
(6)請求項6記載の発明は、ネットワークに接続された管理サーバと、ネットワークに接続されており情報処理を実行する情報処理端末装置と、を備えた情報処理端末装置管理システムとしてコンピュータを機能させる情報処理端末装置管理プログラムであって、前記管理サーバのコンピュータを機能させる管理サーバプログラムと、該情報処理端末装置の動作を記録した動作ログを生成する動作ログ生成部、消費電力状況を記録した消費電力ログを生成する消費電力ログ生成部、前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成する動作・消費電力テーブル生成部、勤務スケジュールデータが登録されたスケジュール登録部、前記勤務スケジュールデータと前記動作・消費電力テーブルと前記管理サーバからの指示とを参照し、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作あるいは勤務時間外の動作についての一定の制限を、前記指示に応じて変更しつつ加える動作制限制御部、として情報処理端末装置のコンピュータを機能させる情報処理端末装置プログラムと、備えて情報処理端末装置管理システムを機能させることを特徴とする情報処理端末装置管理プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
上述した本発明のネットワーク監視システム,管理サーバおよびネットワーク監視プログラムによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)請求項1記載の発明では、該情報処理端末装置の動作についての動作ログと消費電力状況についての消費電力ログを生成し、これら動作ログと消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成し、この動作・消費電力テーブルを参照して、消費電力が他より大きい動作に一定の制限を加えるようにする。
【0019】
なお、この消費電力が他より大きい動作についての一定の動作制限としては、動作禁止、動作時間制限、動作時のCPUパワー低減(または各部処理能力低減)、一定時間動作後の動作禁止やCPUパワー低減(または各部処理能力低減)などを採用する。
【0020】
以上の制御により、情報処理端末装置を使用する際に職務にできるだけ悪影響を与えることなく消費電力を可能な限り削減することが可能になる。また、以上の制御により、電力消費のピーク部分を抑えることができるようになる。
【0021】
(2)請求項2記載の発明では、該情報処理端末装置の動作についての動作ログと消費電力状況についての消費電力ログを生成し、これら動作ログと消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成し、この動作・消費電力テーブ
ルとスケジュールデータとを参照して、勤務時間内であって消費電力が他より大きい動作や、勤務時間外の動作については、一定の制限を加えるようにする。
【0022】
なお、この消費電力が他より大きい動作についての一定の動作制限としては、動作禁止、動作時間制限、動作時のCPUパワー低減(または各部処理能力低減)、一定時間動作後の動作禁止やCPUパワー低減(または各部処理能力低減)などを採用する。
【0023】
以上の制御により、情報処理端末装置を使用する際に、勤務時間内の職務にできるだけ悪影響を与えることなく、かつ、勤務時間外の動作に対しては確実に、消費電力を可能な限り削減することが可能になる。また、以上の制御により、電力消費のピーク部分を抑えることができるようになる。
【0024】
(3)請求項3記載の発明では、該情報処理端末装置の動作についての動作ログと消費電力状況についての消費電力ログを生成し、これら動作ログと消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成し、勤務スケジュールデータと動作・消費電力テーブルとネットワーク経由の指示とを参照して、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作や、勤務時間外の動作については、一定の制限を、外部からの指示に応じて変更しつつ加えるようにする。
【0025】
なお、この消費電力が他より大きい動作についての一定の動作制限としては、動作禁止、動作時間制限、動作時のCPUパワー低減(または各部処理能力低減)、一定時間動作後の動作禁止やCPUパワー低減(または各部処理能力低減)などを採用する。
【0026】
以上の制御により、情報処理端末装置を使用する際に、勤務時間内の職務にできるだけ悪影響を与えることなく、かつ、勤務時間外の動作に対しては確実に、消費電力を可能な限り削減することが可能になる。また、以上の制御により、電力消費のピーク部分を抑えることができるようになる。
さらに、外部からの指示に応じて消費電力削減を行えるため、真夏の午後などに発電所の発電量が不足する恐れのあるときに有効に消費電力削減を実行できる。
【0027】
(4)請求項4記載の発明では、上記(1)−(3)において、情報処理端末装置の動作について、動作種別と継続時間とを記録した動作ログを生成し、動作・消費電力テーブル生成部は、動作ログと消費電力ログとから各動作と消費電力量(消費電力×動作時間)との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成し、消費電力量が他より大きい動作に一定の制限を加えるようにする。
【0028】
ここでは、各動作が連続して一定時間続行するような場合、たとえば、動画閲覧などの場合、今までの統計から動作時間を予測し、その動作が開始された時点で消費電力削減を実行する。これにより、消費電力量(電力×時間)を有効に削減することが可能になる。
【0029】
また、瞬間的な消費電力の増大については制限を緩和することで、勤務時間内の職務にできるだけ悪影響を与えずに、確実に、消費電力を可能な限り削減することが可能になる。
【0030】
(5)請求項5記載の発明では、該情報処理端末装置の動作についての動作ログと消費電力状況についての消費電力ログを生成し、これら動作ログと消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成し、勤務スケジュールデータと動作・消費電力テーブルとネットワーク経由の指示とを参照して、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作や、勤務時間外の動作については、一定の制限を、管理サーバの指示に応じて変更しつつ加えるようにする。
【0031】
なお、この消費電力が他より大きい動作についての一定の動作制限としては、動作禁止、動作時間制限、動作時のCPUパワー低減(または各部処理能力低減)、一定時間動作後の動作禁止やCPUパワー低減(または各部処理能力低減)などを採用する。
【0032】
以上の制御により、情報処理端末装置を使用する際に、勤務時間内の職務にできるだけ悪影響を与えることなく、かつ、勤務時間外の動作に対しては確実に、消費電力を可能な限り削減することが可能になる。また、以上の制御により、電力消費のピーク部分を抑えることができるようになる。
さらに、管理サーバの指示に応じて消費電力削減を行えるため、真夏の午後などに発電所の発電量が不足する恐れのあるときに有効に消費電力削減を実行できる。
【0033】
(6)請求項6記載の発明では、該情報処理端末装置の動作についての動作ログと消費電力状況についての消費電力ログを生成し、これら動作ログと消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成し、勤務スケジュールデータと動作・消費電力テーブルとネットワーク経由の指示とを参照して、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作や、勤務時間外の動作については、一定の制限を、管理サーバの指示に応じて変更しつつ加えるようにする。
【0034】
なお、この消費電力が他より大きい動作についての一定の動作制限としては、動作禁止、動作時間制限、動作時のCPUパワー低減(または各部処理能力低減)、一定時間動作後の動作禁止やCPUパワー低減(または各部処理能力低減)などを採用する。
【0035】
以上の制御により、情報処理端末装置を使用する際に、勤務時間内の職務にできるだけ悪影響を与えることなく、かつ、勤務時間外の動作に対しては確実に、消費電力を可能な限り削減することが可能になる。また、以上の制御により、電力消費のピーク部分を抑えることができるようになる。さらに、管理サーバの指示に応じて消費電力削減を行えるため、真夏の午後などに発電所の発電量が不足する恐れのあるときに有効に消費電力削減を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態の情報処理端末装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態で使用されるテーブルを示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態で使用されるテーブルを示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態で使用されるテーブルを示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態で使用されるテーブルを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕本実施形態の情報処理端末装置の構成:
図1は本発明の一実施形態としての情報処理端末装置100の構成を示すブロック図である。
【0038】
この図1において、情報処理端末装置100は、一般的なコンピュータ、あるいは、コンピュータを内蔵して各種情報処理を実行可能な電子機器や装置である。
制御部101は情報処理端末装置100の各部を制御するCPUや各種プロセッサなどである。
【0039】
インタフェース(以下、I/F)102はネットワークや各種通信手段を介して外部ネットワークと情報の授受を行う入出力部である。
操作部103は情報処理端末装置100を利用者が操作するための操作部であり、キー入力装置やポインティングデバイスなどが該当する。
【0040】
記憶部105は情報処理端末装置100の各種データを記憶するメモリやハードディスク装置などで構成された記憶手段であり、揮発性記憶手段や不揮発性記憶手段など各種を含む。
【0041】
電源部110は情報処理端末装置100の各部に電源供給を行う電源供給ユニットであり、バッテリあるいは商用電源から電源供給を受けて、情報処理端末装置100内部の各部に必要な電圧に変更して電源供給を行う。なお、この電源部110は、電源供給量(情報処理端末装置100の電力消費量)について、後述する消費電力ログ生成部に必要な情報を提供する。
【0042】
動作ログ生成部120は情報処理端末装置100が各タイミングでどのような動作を実行しているか、動作内容、動作プログラム、動作速度、動作部位などの情報を生成し、動作ログ121を作成する。
【0043】
消費電力ログ生成部130は情報処理端末装置100が各タイミングでどの程度の消費電力で動作しているか、少なくとも情報処理端末装置100全体での消費電力、可能であれば、各部の部位別の消費電力などの情報を生成し、消費電力ログ131を作成する。
【0044】
動作・消費電力テーブル生成部140は、以上の動作ログ121と消費電力ログ131とから情報処理端末装置100の各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブル141を生成する。
【0045】
スケジュール登録部150は、スケジュールプログラムの動作に伴って、情報処理端末装置100におけるスケジュールデータテーブル151を作成する。なお、このスケジュールデータとしては、利用者個人のスケジュールデータ、利用者個人の勤務開始〜終了時刻のデータ、職場としての勤務開始〜終了時刻のデータ、動作制限が必要な日時のスケジュールのデータなど、各種のスケジュールデータが該当する。
【0046】
動作制限制御部160は、以上のスケジュールデータ(勤務/勤務外/各種予定など)と、動作・消費電力テーブル141と、ネットワーク経由の外部(後述する管理サーバなど)からの指示と、を参照し、情報処理端末装置100の動作に所定の制限を加える。
【0047】
ここで、動作制限の例としては、
・動作・消費電力テーブル141を参照し、消費電力が他より大きい動作に一定の制限を加える;
・勤務時間内における消費電力が他より大きい動作あるいは勤務時間外の動作についての一定の制限を、指示に応じて変更しつつ加える
・勤務スケジュールデータと動作・消費電力テーブル141とを参照し、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作あるいは勤務時間外の動作については一定の制限を加える;
など、各種の動作制限が可能である。
【0048】
表示制御部170は情報処理端末装置100において画像表示の制御を行うもので、文字画像表示制御、グラフィック画像表示制御など、各種の画像表示制御を行う。
表示部180は表示制御部170で生成された画像を表示する表示手段であり、液晶,プラズマ,CRTなど各種のデバイスを用いて画像表示を行う。
【0049】
また、図2に示されるように、情報処理端末装置100は単体でスタンドアロンで動作するほかに、ネットワーク300に接続されて、管理サーバ200と共に情報処理システム(情報処理端末装置管理システム)を構成している。また、オフィスなどの場合には、複数の情報処理端末装置100がネットワーク300に接続され、管理サーバ200との間で情報の授受を行うように構成されている。
【0050】
〔2〕本実施形態のネットワーク監視システムの動作:
以下、図3のフローチャートを参照して、本実施形態の情報処理端末装置100、情報処理端末装置管理システムの動作を説明する。
【0051】
まず、電源オンなどにより情報処理端末装置100の動作が開始されると、制御部101の指示により、動作ログ生成部120が動作ログ121を作成し始める(図3中のステップS101)。
【0052】
ここで、動作ログ生成部120は情報処理端末装置100が各タイミングでどのような動作を実行しているか、動作内容、動作プログラム、動作速度、動作部位などの情報を生成し、動作ログ121を作成する。この場合、情報処理端末装置100内の各部がどの程度の負荷で動作しているかなども、動作内容に含まれる。また、動作プログラムとしては、動作プログラムと、その動作プログラムがオープンする対象となるファイル名あるいはファイル形式、ファイルサイズ、なども含まれる。
【0053】
そして、並行して、電源オンなどにより情報処理端末装置100の動作が開始されると、制御部101の指示により、消費電力ログ生成部130が消費電力ログ131を作成し始める(図3中のステップS102)。
【0054】
ここで、消費電力ログ生成部130は、情報処理端末装置100が各タイミングでどの程度の消費電力で動作しているか、少なくとも情報処理端末装置100全体での消費電力、可能であれば、各部の部位別の消費電力などの情報を生成し、消費電力ログ131を作成する。
【0055】
そして、同じく制御部101の指示により、動作・消費電力テーブル生成部140が、以上の動作ログ121と消費電力ログ131とから、情報処理端末装置100の各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブル141を生成する(図3中のステップS103)。
【0056】
そして、制御部101の指示により、動作制限制御部160が、スケジュールデータ登録部150により登録されたスケジュールデータ(勤務/勤務外/各種予定など)151と、動作・消費電力テーブル141と、ネットワーク経由の管理サーバ200からの指示とを参照し、情報処理端末装置100における動作制限ルールを作成する(図3中のステップS104)。
【0057】
ここで、動作制限のルールとして、勤務時間内か否か、動作内容が職務関連か否か、連続動作時間は一定以上か、CPUや表示制御部の負荷が一定以上か、管理サーバ200から電力削減の指示を受けているか否か、などに基づく。
【0058】
また、動作制限のルールとして、その制限の具体例として、制御部101のクロックの低減、表示制御部170の動画処理能力の低減、表示部180の輝度低減、一定時間経過
での各部の動作停止、以上のいずれかの組合せ、などが該当する。
【0059】
そして、制御部101の指示を受けた動作制限制御部160は、決定した動作制限のルールを各部に通知する。
ここで、制御部101と動作制限制御部160は、各部の動作を監視し、その動作が動作制限ルールに該当しない場合には(図3中のステップS105でNO)、動作制限を加えずに、各部の動作を実行させる(図3中のステップS106、S110)。
【0060】
また、制御部101と動作制限制御部160は、各部の動作を監視し、その動作が動作制限ルールに該当する場合には(図3中のステップS105でYES)、管理サーバ200から動作制限に関する指示があったかを判断し(図3中のステップS107)、特別な指示がなければ(図3中のステップS107でNO)、動作制限制御部160で決定した動作制限ルールに従って、各部の動作に制限を加えつつ実行させる(図3中のステップS108、S110)。
【0061】
また、制御部101と動作制限制御部160は、各部の動作を監視し、その動作が動作制限ルールに該当する場合に(図3中のステップS105でYES)、管理サーバ200から特別な指示があれば(図3中のステップS107でYES)、動作制限制御部160で決定した動作制限ルールに管理サーバ200からの指示を加味して、各部の動作に制限を加えつつ実行させる(図3中のステップS109、S110)。
【0062】
そして、動作の内容に変更が生じれば(図3中のステップSS111でYES)、その動作内容に応じて(図3中のステップS105)以上の処理を繰り返す。
また、動作に変更がない場合(図3中のステップS111でYES)、このプログラムを一旦終了するが、動作ログの作成(更新)、消費電力ログの作成(更新)、動作制限ルールの決定、動作制限ルール該当判定、動作制限、を繰り返すようにする。
【0063】
なお、以上の動作ログ生成部120が生成する動作ログとしては、図4のようなものが該当し、各時刻(各タイミング)で、情報処理端末装置100どのような動作を実行しているかの動作内容、その動作時の主な動作プログラム、その動作プログラムがオープンする対象となるファイル名あるいはファイル形式、ファイルサイズ、動作主体となる処理部(CPUあるいは専用の処理部)の動作速度(あるいは動作時の負荷や占有度)などの情報が含まれる。
【0064】
また、以上の消費電力ログ生成部130が生成する消費電力ログとしては、図5のようなものが該当し、各時刻(各タイミング)で、情報処理端末装置100の各部がどの程度の消費電力で動作しているか、少なくとも情報処理端末装置100全体での消費電力、可能であれば、各部の部位別の消費電力などの情報を生成する。この場合、動作タイミングは、上述した動作ログ生成部120の動作と、少なくとも一部が同期していることが望ましい。
【0065】
なお、この消費電力については、個々の情報処理端末装置100に搭載されているCPU、画像処理プロセッサなどにより、各動作毎の消費電力が異なることがある。そのため、個々の情報処理端末装置100毎に消費電力ログを生成することが望ましい。
【0066】
また、情報処理端末装置100で搭載されているCPUや画像処理プロセッサなどで共通するものについては、いずれかの情報処理端末装置100で生成した消費電力ログを他の情報処理端末装置100に適用することも可能である。
【0067】
また、以上の動作・消費電力テーブル生成部140が生成する動作・消費電力テーブル
141は、図6のようなものが該当し、以上の動作ログ121と消費電力ログ131とから抽出され、必要に応じて各処理毎に消費電力の平均値の算出などがなされて生成された、情報処理端末装置100の各動作と消費電力との対応を示すテーブルである。
【0068】
また、動作制限制御部160が生成する動作制限ルールとしては、図7(a)(b)などに示すようなものであり、、スケジュールデータ(勤務/勤務外/各種予定など)151、動作・消費電力テーブル141、ネットワーク経由の管理サーバ200からの指示などを参照して生成された、情報処理端末装置を使用する際に職務にできるだけ悪影響を与えることなく消費電力を可能な限り削減する動作規則である。
【0069】
また、この動作制限ルールとしては、管理サーバ200からの指示(通常電力使用許可の指示、電力使用抑制の指示)に応じて、異なる動作制限ルール(図7(a)(b))を採用することが望ましい。
【0070】
たとえば、通常電力使用許可時には、図7(a)の動作制限ルール(1)に従い、勤務時間(0830−1200,1300−2000)では、事務処理を非制限動作として設定し、消費電力の比較的大きい音声再生や動画再生を一部制限(能力低減)とする。また、昼休み時間(1201−1259)や、夜間早朝時間(2001−2259,2300−0829)では、事務処理を一部制限動作として設定し、消費電力の比較的大きい音声再生や動画再生を制限(動作時間を制限し、その制限時間の後に停止)とする。
【0071】
一方、夏の午後など、日本全体として電力消費が大きい状態などで、電力使用抑制指示が管理サーバ200からあった場合には、
たとえば、電力使用抑制指示時には、図7(b)の動作制限ルール(2)に応じて、勤務時間(0830−1200,1300−1800)では事務処理を非制限動作として設定し、申請のあった残業時間(1801−2000)では事務処理を非制限動作として設定し、消費電力の比較的大きい音声再生を一部制限(能力低減あるいは時間制限)とし、消費電力の更に大きい動画再生を制限(禁止)とする。また、昼休み時間(1201−1259)や、夜間早朝時間(2001−2259,2300−0829)では、事務処理を一部制限動作として設定し、消費電力の比較的大きい音声再生を制限(能力低減、あるいは、動作時間を制限し後に停止)とし、消費電力の更に大きい動画再生を制限(禁止)とする。
【0072】
なお、この動作制限ルールは、一種類であっても良いし、更に、各種指示に応じて三種類以上であっても良い。
また、以上の動作制限ルールにおいて、フレックスタイム勤務など、個人毎に勤務時間が異なる場合には、それに応じてルールを変更することが望ましい。また、フレックスタイム勤務に応じてルールを変更することで、電力消費のピークが分散することにもなって、更に望ましい。
【0073】
以上の制御により、情報処理端末装置100を使用する際に職務にできるだけ悪影響を与えることなく消費電力を可能な限り削減することが可能になる。また、以上の制御により、電力消費のピーク部分を抑えることができるようになる。
【0074】
また、以上の制御により、情報処理端末装置100を使用する際に、勤務時間内の職務にできるだけ悪影響を与えることなく、かつ、勤務時間外の動作に対しては確実に、消費電力を可能な限り削減することが可能になる。また、以上の制御により、電力消費のピーク部分を抑えることができるようになる。
【0075】
さらに、以上の制御により、情報処理端末装置100を使用する際に、勤務時間内の職
務にできるだけ悪影響を与えることなく、かつ、勤務時間外の動作に対しては確実に、消費電力を可能な限り削減することが可能になる。また、以上の制御により、電力消費のピーク部分を抑えることができるようになる。さらに、外部からの指示に応じて消費電力削減を行えるため、真夏の午後などに発電所の発電量が不足する恐れのあるときに有効に消費電力削減を実行できる。
【符号の説明】
【0076】
100 情報処理端末装置
101 制御部
110 電源部
120 動作ログ生成部
121 動作ログ
130 消費電力ログ生成部
131 消費電力ログ
140 動作・消費テーブル生成部
141 動作・消費テーブル
150 スケジュール登録部
151 スケジュールデータテーブル
160 動作制限制御部
170 表示制御部
180 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理を実行する情報処理端末装置であって、
該情報処理端末装置の動作を記録した動作ログを生成する動作ログ生成部と、
消費電力状況を記録した消費電力ログを生成する消費電力ログ生成部と、
前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成する動作・消費電力テーブル生成部と、
前記動作・消費電力テーブルを参照し、消費電力が他より大きい動作に一定の制限を加える動作制限制御部と、
を備えたことを特徴とする情報処理端末装置。
【請求項2】
情報処理を実行する情報処理端末装置であって、
該情報処理端末装置の動作を記録した動作ログを生成する動作ログ生成部と、
消費電力状況を記録した消費電力ログを生成する消費電力ログ生成部と、
前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成する動作・消費電力テーブル生成部と、
勤務スケジュールデータが登録されたスケジュール登録部と、
前記勤務スケジュールデータと前記動作・消費電力テーブルとを参照し、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作あるいは勤務時間外の動作については一定の制限を加える動作制限制御部と、
を備えたことを特徴とする情報処理端末装置。
【請求項3】
ネットワークに接続されており情報処理を実行する情報処理端末装置であって、
該情報処理端末装置の動作を記録した動作ログを生成する動作ログ生成部と、
消費電力状況を記録した消費電力ログを生成する消費電力ログ生成部と、
前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成する動作・消費電力テーブル生成部と、
勤務スケジュールデータが登録されたスケジュール登録部と、
前記勤務スケジュールデータと前記動作・消費電力テーブルとネットワーク経由の外部からの指示とを参照し、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作あるいは勤務時間外の動作についての一定の制限を、前記指示に応じて変更しつつ加える動作制限制御部と、
を備えたことを特徴とする情報処理端末装置。
【請求項4】
前記動作ログ生成部は、該情報処理端末装置の動作について動作種別と継続時間とを記録した動作ログを生成し、
前記動作・消費電力テーブル生成部は、前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力量との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成し、
前記動作制限制御部は、消費電力量が他より大きい動作に一定の制限を加える、
ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載の情報処理端末装置。
【請求項5】
ネットワークに接続された管理サーバと、ネットワークに接続されており情報処理を実行する情報処理端末装置と、を備えた情報処理端末装置管理システムであって、
前記情報処理端末装置は、
該情報処理端末装置の動作を記録した動作ログを生成する動作ログ生成部と、
消費電力状況を記録した消費電力ログを生成する消費電力ログ生成部と、
前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成する動作・消費電力テーブル生成部と、
勤務スケジュールデータが登録されたスケジュール登録部と、
前記勤務スケジュールデータと前記動作・消費電力テーブルと前記管理サーバからの指
示とを参照し、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作あるいは勤務時間外の動作についての一定の制限を、前記指示に応じて変更しつつ加える動作制限制御部と、
を備えたことを特徴とする情報処理端末装置管理システム。
【請求項6】
ネットワークに接続された管理サーバと、ネットワークに接続されており情報処理を実行する情報処理端末装置と、を備えた情報処理端末装置管理システムとしてコンピュータを機能させる情報処理端末装置管理プログラムであって、
前記管理サーバのコンピュータを機能させる管理サーバプログラムと、
該情報処理端末装置の動作を記録した動作ログを生成する動作ログ生成部、
消費電力状況を記録した消費電力ログを生成する消費電力ログ生成部、
前記動作ログと前記消費電力ログとから各動作と消費電力との対応を示す動作・消費電力テーブルを生成する動作・消費電力テーブル生成部、
勤務スケジュールデータが登録されたスケジュール登録部、
前記勤務スケジュールデータと前記動作・消費電力テーブルと前記管理サーバからの指示とを参照し、勤務時間内における消費電力が他より大きい動作あるいは勤務時間外の動作についての一定の制限を、前記指示に応じて変更しつつ加える動作制限制御部、
として情報処理端末装置のコンピュータを機能させる情報処理端末装置プログラムと、
備えて情報処理端末装置管理システムを機能させることを特徴とする情報処理端末装置管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−3001(P2011−3001A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145263(P2009−145263)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(592112938)クオリティ株式会社 (121)
【Fターム(参考)】