説明

情報処理装置、その制御方法、およびその制御プログラム

【課題】ネットワークを介して電子データを送信する際にユーザーの利便性を向上させることが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、原稿を読取り、画像データを取得する画像読取部と、所定のマークアップ言語の記述により構成されたコンテンツ情報を表示するための表示部と、コンテンツ情報を提供するサーバー装置とネットワークを介して通信可能な通信部と、画像読取部と表示部と通信部とを制御する制御部とを含む。制御部は、サーバー装置から通信部が受信したコンテンツ情報を表示部に表示する際に、コンテンツ情報を構成する所定のマークアップ言語の記述内に所定の記述を含むか否かを解析し、解析結果に応じて画像読取部の起動を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して外部装置と通信可能な情報処理装置、その制御方法およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写(コピー)機能、読み取り(スキャナー)機能、プリンター機能等を有する複合機としてMFP(Multi Function Peripherals)と呼ばれる画像処理装置が知られている。そのような画像処理装置の中には、Webブラウザを利用することによって、ネットワークを介して外部からWebページ情報を取得できるものがある。このような画像処理装置は、情報処理装置の一形態ともいえ、当該情報処理装置によって、ユーザーが、サーバー等に蓄積された電子ファイルを閲覧したり、読取った画像データや蓄積されているデータを電子メールに添付して外部装置に送信したりする際に、ユーザーの利便性を向上させる様々な技術が提案されている。
【0003】
たとえば、特開2007−60425号公報(特許文献1)には、予め外部PC(Personal Computer)から、画像処理装置(情報処理装置)の機能に関する設定情報やメール宛先/件名などの情報を含む機能指示メールを事前に画像処理装置に送信しておくことで、ユーザーがスキャナーで読み取った画像を電子メールに添付して送信する作業を行う際に、画像処理装置に対して行う設定に関する入力を省略することができる技術が開示されている。
【0004】
また、特開2009−152846号公報(特許文献2)には、画像処理装置(情報処理装置)がWebサーバーからネットワークを介してHTML(HyperText Markup Language)文書を取得した際に、当該HTML文書に対応する画面として一般的なブラウザーで表示される画面に代えて、ユーザーの操作性を向上させる専用のUI(ユーザーインターフェース)画面を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−60425号公報
【特許文献2】特開2009−152846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、ユーザーは、ネットワークを介してデータを送信を行う際に、所定のUIに従って原稿をスキャンしたり、ファイルを選択するという作業が必要となる。また、特許文献2では、所定の入力を省略してデータを送信するためには、画像処理装置に対して予め所定の情報を送信するための専用装置が必要となる。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、ネットワークを介して電子データを送信する際にユーザーの利便性を向上させることが可能な情報処理装置、その制御方法およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面に従う情報処理装置は、原稿を読取り、画像データを取得する画像読取部と、所定のマークアップ言語の記述により構成されたコンテンツ情報を表示するための表示部と、コンテンツ情報を提供するサーバー装置とネットワークを介して通信可能な通信部と、画像読取部と表示部と通信部とを制御する制御部とを含む。制御部は、サーバー装置から通信部が受信したコンテンツ情報を表示部に表示する際に、コンテンツ情報を構成する所定のマークアップ言語の記述内に所定の記述を含むか否かを解析し、解析結果に応じて画像読取部の起動を制御する。
【0009】
好ましくは、情報処理装置は、原稿を画像読取部に搬送するための原稿搬送部と、原稿搬送部の原稿台に原稿が載置されているか否かを検出する検出部をさらに含む。制御部は、検出部からの検出結果に従って、原稿が原稿台に載置されていると判断した場合には、原稿搬送部に指示して原稿を搬送し、原稿を読取るように画像読取部を制御する。
【0010】
好ましくは、制御部は、コンテンツ情報に含まれる所定の記述に基づいて、画像読取部の読取設定を制御する。
【0011】
好ましくは、制御部は、所定の電子メール送信画面を表示部に表示する際に、画像読取部により取得された画像データを電子メールに添付する。
【0012】
好ましくは、制御部は、所定のデータ送信画面を表示部に表示する際に、画像読取部により取得された画像データを送信データとして選択する。
【0013】
本発明のさらに別の局面に従うと、原稿を読取り、画像データを取得する画像読取部と、所定のマークアップ言語の記述により構成されたコンテンツ情報を表示するための表示部と、コンテンツ情報を提供するサーバー装置とネットワークを介して通信可能な通信部とを含む情報処理装置の制御方法が提供される。情報処理装置の制御方法は、サーバー装置から通信部が受信したコンテンツ情報を表示部に表示する際に、コンテンツ情報を構成する所定のマークアップ言語の記述内に所定の記述を含むか否かを解析するステップと、解析するステップによる解析結果に応じて、画像読取部の起動を制御するステップとを含む。
【0014】
本発明のさらに別の局面に従うと、原稿を読取り、画像データを取得する画像読取部と、所定のマークアップ言語の記述により構成されたコンテンツ情報を表示するための表示部と、コンテンツ情報を提供するサーバー装置とネットワークを介して通信可能な通信部とを含む情報処理装置のコンピュータに実行させる制御プログラムが提供される。情報処理装置の制御プログラムは、サーバー装置から通信部が受信したコンテンツ情報を表示部に表示する際に、コンテンツ情報を構成する所定のマークアップ言語の記述内に所定の記述を含むか否かを解析するステップと、解析するステップによる解析結果に応じて、画像読取部の起動を制御するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、ネットワークを介して電子データを送信する際にユーザーの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に従う情報処理装置を含む情報処理システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に従う情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に従うHTMLで記述されたWebページの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に従う電子メール送信画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に従う情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態2に従う情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に従うデータ送信画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に従う情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての同一部分については、その詳細な説明は繰り返さない。
【0018】
[用語]
Webページを記述するためのマークアップ言語であるHTML(HyperText Markup Language)においては、「a」要素おける「href」属性の値に「mailto:」を指定することで作成されるリンクを押下すると、Webブラウザーに内蔵されているメーラーが起動される。以下の説明では、上記の「mailto」を含む記述がHTMLデータに含まれていることを、単に「mailto」の記述を含むと記載する。
【0019】
同様に、「input」要素における「type」属性の値に「submit」を指定することで作成される送信ボタンを押下すると、入力フォームに入力された内容がサーバーに送信される。以下の説明では、上記の「submit」を含む記述がHTMLデータに含まれていることを単に「submit」の記述を含むと記載する。
【0020】
[1.システム構成]
図1は、本発明の実施の形態に従う情報処理装置を含む情報処理システムの構成を模式的に示す図である。
【0021】
本発明の実施の形態に従う情報処理システム1に含まれる情報処理装置10は、たとえば、電子データを送受信するための通信機能、複数の原稿を順次搬送するための原稿搬送機能、自動で両面コピーを行うための再搬送機能、搬送された原稿の画像を読取る画像読取機能などの複数の機能を有するディジタル複合機(MFP)である。
【0022】
図1を参照して、情報処理システム1は、情報処理装置10と、ネットワーク50と、情報処理装置10とネットワーク50を介して接続された複数のサーバー装置20A、20B、20Cとを含む。サーバー装置20A、20B、20Cを代表させてサーバー装置20と称する。
【0023】
情報処理装置10とサーバー装置20とは、ネットワーク50を介して相互にデータ通信可能に構成される。なお、ネットワーク50は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの専用回線や、インターネットや仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network)などの公衆回線からなり、さらにその一部または全部が無線LANなどの無線通信回線であってもよい。
【0024】
また、サーバー装置20は、たとえばWebサーバーからなり、Webコンテンツや情報処理装置10からの要求に応じてWebコンテンツを配信するプログラム等を記憶する記憶部や、当該記憶部に記憶されたプログラム等に基づいて適宜処理を実行する処理部など、一般のサーバー装置に含まれる構成を含む。また、サーバ装置20は、その他FTPサーバー、Webメーラーなどを含んでいてもよい。
【0025】
[2.情報処理装置10の構成]
図2は、本発明の実施の形態に従う情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0026】
図2を参照して、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)100と、記憶部110と、通信部120と、プリンター部130と、スキャナー部140と、自動原稿搬送装置(ADF:auto document feeder)150(ADF部150とも称す)と、センサー160と、電源制御部170と、電源部172と、操作パネル180とを含む。
【0027】
CPU100は、後述する記憶部110の不揮発性メモリーに予め格納されているプログラムを読み出し、プログラムを順次実行することによって、情報処理装置10の各部を制御する。より詳細には、CPU100は、当該プログラムを実行することによって、後述する情報処理装置10の処理を実現する。
【0028】
記憶部110は、ROM(Read Only Memory)112や、RAM(Random Access Memory)114や、HDD(Hard Disk Drive)116などの不揮発性メモリーなどによって実現される。ROM112は、CPU100で実行されるプログラムを予め格納し、RAM114は、CPU100のプログラム部分の実行に必要なデータを一時的に記憶する。HDD116は、比較的大容量のデータを不揮発的に格納することができ、たとえば、後述するスキャナー部140が画像を読み取ることによって取得した画像データなどを複数格納する。
【0029】
通信部120は、ネットワークインターフェイスなどによって実現される。通信部120は、所定のプロトコルに従って、ネットワーク50を介してサーバー装置20との間でデータを送受信する。たとえば、通信部120は、サーバー装置20から、HTMLで構成されるWebページのコンテンツ情報を取得する。
【0030】
プリンター部130は、後述するスキャナー部140で読取って得られた画像データに基づいて用紙に印刷する公知のプリント装置である。具体的には、感光体ドラム、プリントヘッド、現像器、定着器等を備え、CPU100からの指示に基づいてプリントヘッドからレーザ光を発し、帯電された感光体ドラム上を露光して静電潜像を作像する。作像された静電潜像を現像器のトナーで現像してトナー像を形成し、これを搬送される用紙上に転写して、用紙上に転写されたトナー像を、ヒータを有する定着器で加熱、加圧して用紙に定着させる。
【0031】
スキャナー部140は、原稿を光学的に読取って画像データを得る公知の画像読取装置である。
【0032】
自動原稿搬送装置150は、図示しない原稿台と、原稿排紙台と、搬送ローラーとを含む。自動原稿搬送装置150の原稿台には、複写面を上向きにして図示しない原稿が載置される。搬送ローラーは、原稿を順次搬送路に送り込み、当該原稿は原稿排紙台まで搬送される。
【0033】
センサー160は、自動原稿搬送装置150の原稿台近傍に設けられており、当該原稿台に載置されている原稿の有無により所定の検出信号をCPU100に送信する。
【0034】
電源制御部170は、CPU100からの指示に応答して、情報処理装置10の各部位に対する、電源部172からの電力供給を制御する。たとえば、ユーザーが情報処理装置10のブラウザーでWebページにアクセスしたときに所定の条件に応じて、CPU100からの指示により、電源制御部170はスキャナー部140に電源部172からの電力供給を行なう。なお、電源部172は、交流電圧から直流電圧に変換する回路を有し、変換した直流電圧によって、情報処理装置10を動作させる。
【0035】
操作パネル180は、表示部182と、ユーザーからの操作入力を受付ける操作キー184とを含む。表示部182は、たとえば、液晶パネルから構成される。なお、表示部182は、タッチパネルを構成し、当該表示部182内に表示されたボタンをユーザーが操作することができる。
【0036】
[3.処理手順]
次に、本発明の実施の形態に従う情報処理装置10が実行する処理手順について説明する。
【0037】
本発明の実施の形態に従う情報処理装置10は、アクセスしたサーバー装置20からHTMLデータを受信したときに所定の処理を実行する。具体的には、情報処理装置10は、Webページなどにアクセスし、当該Webページを構成しているHTMLデータを受信すると、受信したHTMLデータが解析され、当該解析結果に基づいて情報処理装置10内のソフトウェアおよびハードウェアの制御が実行される。
【0038】
<3−1.実施の形態1>
(3−1−1.情報処理装置10の処理手順)
まず、本発明の実施の形態1に従う情報処理装置10が実行する処理手順について説明する。
【0039】
図3は、本発明の実施の形態1に従う情報処理装置10の処理手順を示すフローチャートである。
【0040】
図3を参照して、情報処理装置10のCPU100は、ユーザーから操作パネル180を介して、所望のWebページへのアクセス要求を受け付ける(ステップS102)。具体的には、ユーザーによって情報処理装置10に搭載されたWebブラウザーが起動される。当該Webブラウザーによって、HTMLで記述されたWebページへのアクセス要求を受け付ける。次に、CPU100は、当該Webページのデータをサーバー装置20に要求するために、Webブラウザーを介してサーバー装置20に送信(HTTPリクエスト)し、サーバー装置20からHTMLデータを受信(HTTPレスポンス)する(ステップS104)。
【0041】
次に、CPU100は、当該受信したHTMLデータを解析して、Webページを表示部182に表示する際に、当該HTMLデータの中に「mailto」の記述を含むか否かを判断する(ステップS106)。CPU100は、「mailto」の記述を含まないと判断すると(ステップS106においてNOの場合)、処理を終了する。一方、CPU100は、「mailto」の記述を含むと判断すると(ステップS106においてYESの場合)、「mailto」フラグをON状態にして当該状態を記憶部110に記憶する(ステップS108)。なお、このとき表示部182には、図4に示されるような「mailto」の機能が組み込まれたWebページが表示されている。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態1に従うHTMLで記述されたWebページの一例を示す図である。Webページには文書や画像などのコンテンツ情報の他に、メールの宛先「user@aaa.com」に「mailto」の機能が組み込まれたリンク1000が表示されている。
【0043】
再び図3を参照して、CPU100はスキャナー部140にスキャナーの起動許可情報を送信して、スキャナー部140を予備起動状態とする(ステップS110)。具体的には、CPU100は、たとえば、省電力モードなどによりスキャナー部140に電力が供給されていない場合には、電源制御部170に対して電源部172からの電力をスキャナー部140に供給するように指示する。また、スキャナー部140に対してスキャンに必要となる所定の光源を暖めるウォームアップを実行するように指示する。
【0044】
次に、CPU100は、ADF部150の原稿台に原稿が載置されているか否かを判断する(ステップS112)。具体的には、ADF部150の原稿台近傍に設けられているセンサー160から送信される検出信号に基づいて、原稿台に原稿が載置されているか否かを判断する。CPU100は、原稿が載置されていないと判断すると(ステップS112においてNOの場合)、ステップS120からの処理を実行する。一方、CPU100は、原稿台に原稿が載置されていると判断すると(ステップS112においてYESの場合)、予め記憶部110に記憶されている複数のスキャナー設定情報から「mailto」用のスキャナー設定情報を読み込む(ステップS114)。具体的には、予め記憶部110に記憶されている、電子メールに添付するための電子メール送信用、所定のサーバーにアップロードするためのデータ送信用、HDDに保存するための保存用、その他の用途に応じた当該複数のスキャナー設定情報から、電子メール送信用のスキャナー設定情報を読み込む。なお、スキャナー設定情報とは、カラー設定、読取解像度、読取濃度などを含む設定情報である。
【0045】
次に、CPU100の指示により、スキャナー部140は電子メール送信用のスキャナー設定情報に基づいて、原稿台に載置されている原稿のスキャンを実施する(ステップS116)。続いて、CPU100は、スキャナー部140よってスキャンされた原稿の画像データを記憶部110に記憶する(ステップS118)。
【0046】
次に、CPU100は、ユーザーから操作パネル180を介してメール送信画面遷移要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS120)。具体的には、CPU100は、表示部182に表示されている図4に示すようなWebページ内のリンク1000をユーザーが押下したり、操作キー184で選択したりしたか否かを判断する。CPU100は、メール送信画面遷移要求を受け付けていないと判断すると(ステップS120においてNOの場合)、ステップS120の状態を維持する。
【0047】
一方、CPU100は、メール送信画面遷移要求を受け付けたと判断すると(ステップS120においてYESの場合)、上記のWebページ(図4)からメール送信画面への遷移を開始する(ステップS122)。また、情報処理装置10に所定のメールソフトが搭載されている場合は、当該メールソフトを立ち上げてもよい。
【0048】
次に、CPU100は、記憶部110に記憶されている「mailto」フラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS124)。CPU100は、当該フラグがON状態でない(OFF状態)と判断すると(ステップS124においてNOの場合)、ステップS130からの処理を実行する。一方、CPU100は、当該フラグがON状態であると判断すると(ステップS124においてYESの場合)、スキャナー部140よってスキャンされた原稿の画像データを記憶部110から取得して(ステップS126)、当該画像データを電子メールへの添付ファイルとして添付する(ステップS128)。
【0049】
次に、CPU100は、当該画像データが添付された状態である図5に示すような電子メール送信画面を表示部182に表示する(ステップS130)。
【0050】
図5は、本発明の実施の形態1に従う電子メール送信画面の一例を示す図である。メールの宛先には、「user@aaa.com」が入力されており、添付ファイル欄1100にはスキャナー部140よってスキャンされた原稿の画像データ「bbb.jpg」が添付されている。
【0051】
再び、図3を参照して、CPU100は、操作パネル180を介してユーザーからの電子メール送信要求を受け付けると、電子メールを送信して(ステップS132)、処理を終了する。具体的には、ユーザーによって表示部182に表示された送信ボタンが押下されると所定の宛先に電子メールが送信される。
【0052】
(3−1−2.情報処理システム1の処理手順)
次に、本発明の実施の形態1に従う情報処理システム1が実行する処理手順について説明する。
【0053】
図6は、本発明の実施の形態1に従う情報処理システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。情報処理装置10の具体的な処理については図3と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。なお、以下の説明では、情報処理装置10は、「mailto」の記述を含むWebページにアクセスし、ADF部150の原稿台には原稿が載置されていることとする。
【0054】
図3を参照して、情報処理装置10のCPU100は、ユーザーから操作パネル180を介して、「mailto」の記述を含むWebページへのアクセス要求を受け付ける(ステップSQ12)。次に、CPU100は、当該Webページに対応するHTTPリクエストをサーバー装置20に送信する(ステップSQ14)。
【0055】
次に、サーバー装置20は、当該HTTPリクエストを受け付けると(ステップSQ16)、「mailto」の記述を含むHTMLデータで構成されたWebページのHTTPレスポンスを送信する(ステップSQ18)。
【0056】
次に、CPU100は、受信したHTMLデータを解析してWebページを表示し(たとえば、図4)、「mailto」の記述を含むことを確認すると(ステップSQ20)、「mailto」フラグをON状態にする(ステップSQ22)。続いて、スキャナー部140にスキャナー起動許可情報を送信する(ステップSQ24)と、スキャナー部140は、予備起動を行なう(ステップSQ26)。
【0057】
次に、CPU100は、ADF部150の原稿台に原稿が載置されていることを検出すると(ステップSQ28)、「mailto」用のスキャナー設定情報を読み出し(ステップSQ30)、当該設定情報をスキャナー部140に送信する(ステップSQ32)。
【0058】
次に、スキャナー部140は、当該設定情報に基づいて載置されている原稿をスキャンして(ステップSQ34)、当該画像データをCPU100に送信する(ステップSQ36)。
【0059】
次に、CPU100は、受信した画像データを保存して(ステップSQ38)、ユーザーから操作パネル180を介して、電子メール送信画面遷移要求を受け付ける(ステップSQ40)。続いて、CPU100は、対応するWebページのデータを要求するため、Webブラウザーを介してHTTPリクエストをサーバー装置20に送信する(ステップSQ42)。
【0060】
次に、サーバー装置20は、当該HTTPリクエストを受け付けると(ステップSQ44)、電子メール送信画面に対応するHTTPレスポンスを情報処理装置10に送信する(ステップSQ46)。
【0061】
次に、CPU100は、「mailto」フラグがON状態であることを確認すると(ステップSQ48)、画像データを読み出して(ステップSQ50)、当該画像データを電子メールに添付する(ステップSQ52)。続いて、CPU100は、当該画像データが添付された状態の電子メール送信画面(たとえば、図5)を表示する(ステップSQ54)。
【0062】
この状態で、ユーザーによって表示部182に表示された送信ボタンが押下されると所定の宛先に電子メールが送信される。
【0063】
<3−2.実施の形態2>
本発明の実施の形態1では、情報処理装置10がアクセスしたWebページを構成しているHTMLデータに「mailto」の記述が含まれている場合について説明したが、本発明の実施の形態2では、HTMLデータに「submit」の記述が含まれている場合について説明する。
【0064】
(3−2−1.情報処理装置10の処理手順)
本発明の実施の形態2に従う情報処理装置10が実行する処理手順について説明する。
【0065】
図7は、本発明の実施の形態2に従う情報処理装置10の処理手順を示すフローチャートである。本例は、実施の形態1で説明した「mailto」の代わりに、「submit」を解析して処理するものであり基本的な処理手順は実施の形態1同様である。したがって、重複する内容についてはその詳細な説明は繰り返さない。
【0066】
図7を参照して、ステップS202〜S204までの処理は、ステップS102〜S104までの処理と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0067】
次に、CPU100は、受信したHTMLデータを解析して、当該HTMLデータの中に「submit」の記述を含むか否かを判断する(ステップS206)。CPU100は、「submit」の記述を含まないと判断すると(ステップS106においてNOの場合)、処理を終了する。一方、CPU100は、「submit」の記述を含むと判断すると(ステップS206においてYESの場合)、「submit」フラグをON状態にして当該状態を記憶部110に記憶する(ステップS208)。
【0068】
次に、ステップS210〜S212までの処理は、ステップS110〜S112までの処理と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0069】
次に、CPU100は、ADF部150の原稿台に原稿が載置されていないと判断すると(ステップS212においてNOの場合)、ステップS220からの処理を実行する。一方、CPU100は、ADF部150の原稿台に原稿が載置されていると判断すると(ステップS212においてYESの場合)、予め記憶部110に記憶されている複数のスキャナー設定情報から「submit」用のスキャナー設定情報を読み込む(ステップS214)。具体的には、所定のサーバーにアップロードするためのデータ送信用のスキャナー設定情報を読み込む。
【0070】
次に、ステップS216〜S218までの処理は、ステップS116〜S118までの処理と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0071】
次に、CPU100は、記憶部110に記憶されている「submit」フラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS220)。CPU100は、当該フラグがON状態でない(OFF状態)と判断すると(ステップS220においてNOの場合)、ステップS226からの処理を実行する。一方、CPU100は、当該フラグがON状態であると判断すると(ステップS220においてYESの場合)、スキャナー部140よってスキャンされた原稿の画像データを記憶部110から取得して(ステップS222)、当該画像データをデータ送信用のファイルとして選択する(ステップS224)。
【0072】
次に、CPU100は、当該画像データが選択された状態である図8に示すようなデータ送信画面を表示部182に表示する(ステップS226)。
【0073】
図8は、本発明の実施の形態2に従うデータ送信画面の一例を示す図である。データ送信ファイル欄1200にはスキャナー部140よってスキャンされた原稿の画像データ「ccc.jpg」が選択されている。
【0074】
再び、図7を参照して、CPU100は、操作パネル180を介してユーザーからのデータ送信要求を受け付けると、サーバー装置20に画像データを送信して(ステップS228)、処理を終了する。
【0075】
(3−2−2.情報処理システム1の処理手順)
次に、本発明の実施の形態2に従う情報処理システム1が実行する処理手順について説明する。
【0076】
図9は、本発明の実施の形態2に従う情報処理システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。情報処理装置10の具体的な処理については図7と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。なお、以下の説明では、情報処理装置10は、「submit」の記述を含むWebページにアクセスし、ADF部150の原稿台には原稿が載置されていることとする。
【0077】
図9を参照して、情報処理装置10のCPU100は、ユーザーから操作パネル180を介して、「submit」の記述を含むWebページへのアクセス要求を受け付ける(ステップSQ112)。次に、CPU100は、当該Webページに対応するHTTPリクエストをサーバー装置20に送信する(ステップSQ114)。
【0078】
次に、サーバー装置20は、当該HTTPリクエストを受け付けると(ステップSQ116)、HTMLソースに「submit」の記述を含むWebページに対応するHTTPレスポンスを送信する(ステップSQ118)。
【0079】
次に、CPU100は、受信したHTMLデータを解析して、「submit」の記述を含むことを確認すると(ステップSQ120)、「submit」フラグをON状態にする(ステップSQ122)。続いて、スキャナー部140にスキャナー起動許可情報を送信する(ステップSQ124)と、スキャナー部140は、予備起動を行なう(ステップSQ126)。
【0080】
次に、CPU100は、ADF部150の原稿台に原稿が載置されていることを検出すると(ステップSQ128)、「submit」用のスキャナー設定情報を読み出し(ステップSQ130)、当該設定情報をスキャナー部140に送信する(ステップSQ132)。
【0081】
次に、スキャナー部140は、当該設定情報に基づいて載置されている原稿をスキャンして(ステップSQ134)、当該画像データをCPU100に送信する(ステップSQ136)。
【0082】
次に、CPU100は、受信した画像データを保存して(ステップSQ138)、「submit」フラグがON状態であることを確認すると(ステップSQ140)、画像データを読み出して(ステップSQ142)、当該画像データを送信データとして選択する(ステップSQ144)。続いて、CPU100は、当該画像データが選択された状態のデータ送信画面(たとえば、図8)を表示する(ステップSQ146)。
【0083】
この状態で、ユーザーによって表示部182に表示された送信ボタンが押下されると所定のサーバー装置20に画像データが送信される。
【0084】
<4.利点>
本実施の形態によれば、以下のような利点が得られる。すなわち、情報処理装置に搭載されたブラウザーでアクセスしたWebページにおいて、当該Webページが所定の記述を含む構成であるときに、スキャナーを予備起動させておくことでスキャン実施までの時間を短縮することができる。
【0085】
本実施の形態によれば、Webページが所定の記述を含む構成であるときに、ADF部に原稿があれば自動的にスキャンを実施して、スキャンにより取得した画像データを電子メールに添付したり、アップロードする際の送信データとして選択済みとすることができる。したがって、ユーザーによって原稿のスキャンを実施して、画像データを保存する作業や、当該保存した画像データを送信用のデータとして選択したりする煩雑な作業が軽減され、データ送信の際のユーザーの利便性を向上させることができる。
【0086】
<5.その他の実施の形態>
上記では、情報処理装置10はディジタル複合機(MFP)である例について説明したが、上述したような所定の機能を有する装置であれば、これに限られない。
【0087】
なお、コンピューターを機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピューターに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリーカードなどの一時的でないコンピューター読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピューターに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0088】
なお、プログラムは、コンピューターのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0089】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0090】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0091】
1 情報処理システム、10 情報処理装置、20 サーバー装置、50 ネットワーク、100 CPU、110 記憶部、112 ROM、114 RAM、116 HDD、120 通信部、130 プリンター部、140 スキャナー部、150 自動原稿搬送装置、160 センサー、170 電源制御部、172 電源部、180 操作パネル、182 表示部、184 操作キー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読取り、画像データを取得する画像読取部と、
所定のマークアップ言語の記述により構成されたコンテンツ情報を表示するための表示部と、
前記コンテンツ情報を提供するサーバー装置とネットワークを介して通信可能な通信部と、
前記画像読取部と前記表示部と前記通信部とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記サーバー装置から前記通信部が受信した前記コンテンツ情報を前記表示部に表示する際に、前記コンテンツ情報を構成する前記所定のマークアップ言語の記述内に所定の記述を含むか否かを解析し、解析結果に応じて前記画像読取部の起動を制御する、情報処理装置。
【請求項2】
原稿を前記画像読取部に搬送するための原稿搬送部と、
前記原稿搬送部の原稿台に原稿が載置されているか否かを検出する検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記検出部からの検出結果に従って、原稿が前記原稿台に載置されていると判断した場合には、前記原稿搬送部に指示して原稿を搬送し、原稿を読取るように前記画像読取部を制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記コンテンツ情報に含まれる所定の記述に基づいて、前記画像読取部の読取設定を制御する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、所定の電子メール送信画面を前記表示部に表示する際に、前記画像読取部により取得された画像データを電子メールに添付する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、所定のデータ送信画面を前記表示部に表示する際に、前記画像読取部により取得された画像データを送信データとして選択する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
原稿を読取り、画像データを取得する画像読取部と、所定のマークアップ言語の記述により構成されたコンテンツ情報を表示するための表示部と、前記コンテンツ情報を提供するサーバー装置とネットワークを介して通信可能な通信部とを含む情報処理装置の制御方法であって、
前記サーバー装置から前記通信部が受信した前記コンテンツ情報を前記表示部に表示する際に、前記コンテンツ情報を構成する前記所定のマークアップ言語の記述内に所定の記述を含むか否かを解析するステップと、
前記解析するステップによる解析結果に応じて、前記画像読取部の起動を制御するステップとを備える、情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
原稿を読取り、画像データを取得する画像読取部と、所定のマークアップ言語の記述により構成されたコンテンツ情報を表示するための表示部と、前記コンテンツ情報を提供するサーバー装置とネットワークを介して通信可能な通信部とを含む情報処理装置のコンピュータに実行させる制御プログラムであって、
前記サーバー装置から前記通信部が受信した前記コンテンツ情報を前記表示部に表示する際に、前記コンテンツ情報を構成する前記所定のマークアップ言語の記述内に所定の記述を含むか否かを解析するステップと、
前記解析するステップによる解析結果に応じて、前記画像読取部の起動を制御するステップとを実行させる、情報処理装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−51583(P2013−51583A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189113(P2011−189113)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】