説明

情報処理装置、その制御方法、及びプログラム

【課題】特定のアプリケーションが実行されている状態で所定のキーが操作された場合に、当該特定のアプリケーションに対応付けて登録されている情報に基づき、外部装置からネットワークを介して画面情報を取得して操作画面を表示する情報処理装置を提供する。
【解決手段】MFP101は、Webアプリケーションが実行されている状態でリセットキーが押下された場合に、当該Webアプリケーションに対応付けて登録されているURL情報に基づいてWebサーバから画面情報を取得し、当該Webアプリケーションの初期画面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアプリケーションを利用可能な情報処理装置、その制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
PCなどの情報処理装置がネットワーク上のWebサーバと接続され、Webサーバにより提供される操作画面を、情報処理装置が備えるWebブラウザ上に表示することが知られている。この場合、情報処理装置のWebブラウザがWebサーバに対して操作画面を要求する。一方、Webサーバ上のWebアプリケーションは、情報処理装置からの要求に応じて、Webブラウザに操作画面を表示させるためのHTMLファイルを情報処理装置に送信する。情報処理装置のWebブラウザは、受信したHTMLファイルを解析し、受信したHTMLファイルの記述に基づいた操作画面を表示する。その後、Webブラウザに表示された操作画面を介してユーザが指示を入力すると、Webブラウザは、入力された指示をWebサーバに対して通知する。そして、この通知を受けたWebサーバ上のWebアプリケーションは、入力された指示に従って処理を実行する。
【0003】
ところで、最近ではスキャナやプリンタを備えたMFP(Multi Function Peripheral)の中にも、上述したようなWebブラウザを備えているものがある。例えば、特許文献1では、MFPが備える各機能を利用するための指示を入力する操作画面を、Webサーバによって提供する技術が提案されている。具体的には、MFPのWebブラウザによって表示された操作画面を介してユーザ指示が入力されると、通知を受けたWebサーバは、ユーザから入力された指示の内容に従って、MFPに対して各種処理の実行を依頼する。そして、この依頼を受けたMFPは、依頼された処理を実行する。これにより、MFPを操作するための全メニューデータをMFP内で保持しておく必要がなくなり、またメニューデータの変更もWebサーバ上で容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−127503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術においては以下に記載する問題がある。上述したMFPなどの情報処理装置の中には、一部のアプリケーションの画面をWebサーバが提供し、別のアプリケーションではMFP内に保持しているプログラムを読み出して実行するものがある。以下では、Webサーバが提供するアプリケーションを「Webアプリケーション」と称し、MFP内に予め保持されている情報に基づいて実行されるアプリケーションを「ネイティブアプリケーション」と称する。例えば、コピー機能はネイティブアプリケーションとして提供され、スキャン機能はWebアプリケーションとして提供されるMFPがある。このようなMFPであっても、ユーザに対してはどのアプリケーションがWebアプリケーションで、どのアプリケーションがネイティブアプリケーションであるかを意識させずに、同じ操作性を提供したい。
【0006】
しかし、MFPに備えられた所定のキー(例えば、ハードウェアキーであるリセットキー)による操作については、ネイティブアプリケーションとWebアプリケーションとで同じ操作性にすることはできなかった。Webブラウザ上に表示された操作画面内のボタン等に対する入力は、Webアプリケーション側がハンドリングすることができるが、ハードウェアキーに対する入力をWebアプリケーション側がハンドリングすることができないからである。例えば、ネイティブアプリケーションとして提供されたコピー機能を操作中に、MFPに備えられたハードウェアキーであるリセットキーが押下された場合は、コピー機能のリセット処理を行い、コピー機能の初期画面を表示する。一方、Webアプリケーションとして提供されたスキャン機能を操作中に、上記リセットキーが押下されると、Webブラウザのリセット処理が機能し、Webブラウザに設定されたホームページを表示してしまう。したがって、コピー機能とは操作性が異なることとなり、リセットキー押下によってスキャン機能のリセット処理を行いスキャン機能の初期画面が表示されることを期待していたユーザにとって使いにくいものとなってしまう。
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、特定のアプリケーションが実行されている状態で所定のキーが操作された場合に、当該特定のアプリケーションに対応付けて登録されている情報に基づき、外部装置からネットワークを介して画面情報を取得して操作画面を表示する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば、複数のアプリケーションを利用可能な情報処理装置として実現できる。情報処理装置は、複数のアプリケーションに含まれる特定のアプリケーションに対応付けて、所定のキーが操作された場合に表示すべき操作画面を示す情報を登録する登録手段と、特定のアプリケーションが実行されている状態で所定のキーが操作された場合に、特定のアプリケーションに対応付けて登録されている情報に基づき、外部装置からネットワークを介して画面情報を取得する取得手段と、取得手段が取得した画面情報に基づく操作画面を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特定のアプリケーションが実行されている状態で所定のキーが操作された場合に、当該特定のアプリケーションに対応付けて登録されている情報に基づき、外部装置からネットワークを介して画面情報を取得して操作画面を表示する仕組みをを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る情報処理システム100の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る情報処理システム100の制御構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る情報処理システム100の機能構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係るMFP101で表示する操作画面を要求する処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係る操作画面の要求に応答するWebアプリケーション510の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係るサービスプロバイダの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係るハードキーが押下されたときのWebブラウザ540における処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態に係るリセットキーが押下されたときの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に係るネイティブ機能モジュール530が提供する機能選択画面を示す図である。
【図10】第1の実施形態に係るテーブル563が保持している機能IDテーブルを示す図である。
【図11】第1の実施形態に係るテーブル563が保持しているアプリケーションURLテーブルを示す図である。
【図12】第2の実施形態に係るリセットキーが押下されたときの処理手順を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施形態に係るWebアプリケーション510が提供する機能選択画面を示す図である。
【図14】第2の実施形態に係るテーブル563が保持している機能選択画面URLテーブルを示す図である。
【図15】第3の実施形態に係るリセットキーが押下されたときの処理手順を示すフローチャートである。
【図16】第3の実施形態に係るテーブル563が保持しているアプリケーション管理テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0012】
<第1の実施形態>
<情報処理システムのハードウェア構成>
まず、図1を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成について説明する。情報処理システム100は、Webブラウザ機能を有するMFP101、及びWebサーバ機能を有するWebサーバ102を備える。各装置は、互いに通信可能にLAN110を介して接続される。なお、MFP101は、情報処理装置の一例であり、Webサーバ102は、外部装置の一例である。また、MFP101では、Webサーバに組み込まれたWebアプリケーション(第1のアプリケーション)と、MFP101(情報処理装置内)に組み込まれたネイティブアプリケーション(内部アプリケーション、第2のアプリケーション)とが利用可能である。さらに、MFP101は、当該Webアプリケーションの表示画面又は当該ネイティブアプリケーションの表示画面を表示する表示部と、複数のハードウェアキー(以下、ハードキーと称する。)を有する操作部とを備える。なお、表示部は、タッチパネル形式のLCDが用いられ、ソフトウェアキーを表示し、当該ソフトウェアキー(以下、ソフトキーと称する。)を介して入力を受け付けることができる。
【0013】
本実施形態によれば、情報処理装置であるMFP101に設けられた所定のキーが押下された場合に、Webアプリケーション及びネイティブアプリケーションの何れかが実行中であるかに関わらず、動作を統一することができる。なお、以下の実施形態では、所定のキーとして、ハードウェアキーであるリセットキーを例に説明する。しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、所定のキーとして、実行中のアプリケーションのリセット処理を実行するためのソフトウェアキーを適用してもよい。この場合、例えば、表示部におけるWebアプリケーション又はネイティブアプリケーションの表示領域とは別に、当該ソフトウェアキーを表示するための表示領域を設ける必要がある。
【0014】
<情報処理システムの制御構成>
次に、図2を参照してMFP101及びWebサーバ102の制御構成について説明する。CPU211を含む制御部210は、MFP101を統括的に制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して読取制御や送信制御などの各種制御処理を実行する。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD214は、画像データや各種プログラム、或いは後述する各種情報テーブルを記憶する。操作部I/F215は、操作部219と制御部210とを接続する。操作部219には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。また、MFP101には後述するWebブラウザ機能が備えられており、MFP101のWebブラウザはWebサーバ102から受信したHTMLファイルを解析し、受信したHTMLファイルの記述に基づく操作画面を操作部219上に表示する。操作部219は、LCD上にタッチパネルシートが貼られているLCD表示部を有する。このLCD表示部には、後述するネイティブ機能モジュールやWebブラウザが表示する操作画面及びソフトウェアキーが表示されるとともに、表示されているキーが押されると、押された位置を示す位置情報がCPU211に伝えられる。
【0015】
また、操作部219には、スタートキー、ストップキー、リセットキー、ガイドキー、トップメニューキー、数値キーなどの各種ハードキーが設けられている。スタートキーは、原稿画像の読み取り動作の開始を指示するためのキーであり、スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LED表示部が設けられている。2色のLED表示部は、その色によってスタートキーが使用可能な状態にあるか否かを表す。ストップキーは、稼働中の動作を止めるためのキーである。リセットキーは設定を初期化するときに用いられるキーである。ガイドキーは、MFP101の使用方法を表示するためのキーである。トップメニューキーはMFP101の機能を選択させるためのトップメニュー画面を表示するためのキーである。数値キーは数値を入力するためのキーである。
【0016】
プリンタI/F216は、プリンタ220と制御部210とを接続する。プリンタ220で印刷すべき画像データはプリンタI/F216を介して制御部210からプリンタ220に転送され、プリンタ220において記録媒体上に印刷される。スキャナI/F217は、スキャナ221と制御部210とを接続する。スキャナ221は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。ネットワークI/F218は、制御部210をLAN110に接続する。ネットワークI/F218は、LAN110上の外部装置(例えば、Webサーバ102)に画像データや情報を送信したり、LAN110上の外部装置から各種情報を受信したりする。
【0017】
Webサーバ102は、当該Webサーバ102を統括的に制御するCPU411を備える。CPU411は、ROM412に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM413は、CPU411の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD414は、画像データや各種プログラム、或いは各種情報テーブルを記憶する。ネットワークI/F415は、制御部410をLAN110に接続する。ネットワークI/F415は、LAN110上の他の装置との間で各種情報を送受信する。
【0018】
<情報処理システムの機能構成>
次に、図3を参照して、情報処理システム100の機能構成について説明する。図3に示す各機能ブロックは、MFP101/Webサーバ102のそれぞれに備えられているCPU211、411が制御プログラムを実行することにより実現される。MFP101は、ネイティブ機能モジュール530、Webブラウザ540、サービスプロバイダ550、ハードキー入力処理モジュール560、及びログ記録部570を含む。ネイティブ機能モジュール530は、Webサーバ102により提供されるのではなく、MFP101内部に保持しているプログラムに基づいて提供される各種ネイティブアプリケーションを示す。例えば、ネイティブアプリケーションには、MFP101のプリンタ220による印刷処理の実行や、スキャナ221による読取処理の実行、或いはネットワークI/F218を介した送信処理の実行を行うアプリケーションが含まれる。また、MFP101全体の設定やアプリケーションの切り替えを行うモジュールなども、ネイティブ機能モジュール530に含まれる。
【0019】
Webブラウザ540は、通信部541、解析部542、及び画面表示部543を含む。通信部541は、HTTPプロトコルに従ってWebアプリケーション510のプレゼンテーション部511と通信する。具体的には、通信部541は、Webブラウザ540で表示する操作画面をWebアプリケーション510に対して要求したり、Webブラウザ540で表示した操作画面を介して入力されたユーザ指示をWebアプリケーション510に通知したりする。また、後述するハードキー入力処理モジュール560からの通知を受け取ると、通知されたURLをWebアプリケーション510に対して要求する。つまり、操作画面を特定可能なURL情報を要求する。解析部542は、Webアプリケーション510から受信するHTMLファイルを解析する。このHTMLファイルには、Webブラウザ540に表示すべき操作画面の内容を示す記述(画面情報)が含まれている。画面表示部543は、解析部542による解析の結果に基づいて、操作部219上に操作画面を表示する。このように、Webサーバ102から受信した画面情報(HTMLファイルなど)に基づいて表示される画面をWebブラウザ画面と称する。
【0020】
Webサーバ102は、Webアプリケーション510及びログ記録部520を備える。さらに、Webアプリケーション510には、プレゼンテーション部511及びロジック部512が含まれる。プレゼンテーション部511は、通信部541と通信し、MFP101からの要求に応じてMFP101のWebブラウザ540で表示すべき操作画面をMFP101に送信する。また、MFP101のWebブラウザ540に表示された操作画面を介して入力されたユーザ指示をMFP101から受け取る。
【0021】
ユーザ指示を受け取ったWebアプリケーション510は、指示の内容に従って各種処理を実行するとともに、MFP101のハードキーが操作されたことを示す操作通知を送信するようMFP101に対して依頼する。以下では、このような依頼をハードキー入力通知依頼と称する。具体的には、MFP101のハードキーが押下されたときに、MFP101のWebブラウザ540が要求すべきURLを指定する。また、Webアプリケーション510は、指示の内容によってMFP101に対して処理の実行を依頼する。具体的には、MFP101のプリンタ220による印刷処理の実行や、スキャナ221による読取処理の実行、或いはネットワークI/F218を介した送信処理の実行を依頼する。
【0022】
このように所定の操作画面の表示中であって、所定のハードキーが操作された場合に、MFP101に対して、その旨を示す操作通知の依頼や、処理の実行を依頼する場合には、ロジック部512がサービスプロバイダ550の通信部551と通信する。そして、MFP101により実行された処理の結果は、ログ記録部520に記録される。なお、ログ記録部520には、Webサーバ102で実行される認証処理の結果も記録される。
【0023】
MFP101のサービスプロバイダ550は、通信部551、ジョブ生成部552、及び受付部553を含む。通信部551は、Webアプリケーション510のロジック部512からの処理依頼を受け付ける。Webアプリケーション510からハードキー入力通知(操作通知)依頼を受けた場合は、受付部553が、ハードキー入力処理モジュール560に受け付けた情報を通知する。Webアプリケーション510から処理の実行を依頼された場合は、ジョブ生成部552が依頼された処理を実行するためのジョブを生成して実行する。ジョブを実行した結果はログ記録部570に記録される。なお、ログ記録部570には、Webサーバ102との通信履歴なども記録される。
【0024】
ハードキー入力処理モジュール560は、テーブル563、テーブル管理部562、及びイベント処理部561を含む。テーブル管理部562は、サービスプロバイダ550の受付部553からの通知を受け取り、受け取った情報をテーブル563に登録する。テーブル563は、ハードキーそれぞれに対して、押下を検知したときにWebブラウザ540が要求するべきURLを管理するテーブルである。なお、テーブル563は、MFP101の記憶部、例えば、RAM213や、HDD214に記憶されている。また、ここでは、ハードキーに限定して説明している。しかし、本発明は、当該ハードキーの機能を付加したソフトキーに関しても適用可能である。この場合、ハードキー入力処理モジュール560は、上記ソフトキーに対しても対応する必要がある。
【0025】
イベント処理部561は、操作部219からハードキー入力通知を受け取り、テーブル563を参照してWebブラウザ540、又は、ネイティブ機能モジュール530に通知する。例えば、テーブル563でURLが割り当てられているハードキーであればWebブラウザ540に対してそのURLを通知する。一方、URLが割り当てられていないハードキーであれば、ネイティブ機能モジュール530にハードキー入力を通知する。ネイティブ機能モジュール530は、通知されたハードキーに対応した予め定められた処理を行う。なお、ハードキー入力処理モジュール560は、その一部又は全てが、Webブラウザ540、サービスプロバイダ550、又はネイティブ機能モジュール530のサブモジュールとして構成されていてもよい。
【0026】
<Webブラウザの動作>
次に、図4を参照して、Webブラウザ540による操作画面の要求処理について説明する。以下で説明する処理は、MFP101のCPU211が制御プログラムを実行することによりWebブラウザ540によって実行される処理である。なお、以下で示すSに続く番号は、各処理のステップ番号を示す。まず、S401において、Webブラウザ540は、MFP101の表示部に表示する操作画面をWebサーバ102に対して要求する要求を生成する。この要求は、Webブラウザ540のホームページ等として予め設定されているURL、ユーザがWebブラウザ540のURL入力欄に入力したURL、又は、Webブラウザ540で表示した画面でユーザが選択したリンクのURLなどであってもよい。続いて、S402において、Webブラウザ540は、生成した要求をWebサーバ102に対して送信する。
【0027】
その後、S403において、Webブラウザ540は、送信した要求に応答として、Webサーバ102から操作画面の画面情報が送信されてきたか否かを判定する。なお、実際には、操作画面をWebブラウザ540に表示するための画面情報として、HTMLファイル等がWebサーバ102から送信される。ここで、Webブラウザ540は、操作画面の画面情報を受信するとS404に進み、受信していなければ画面情報を受信するまで待機する。S404において、Webブラウザ540は、受信したHTMLファイルの記述に従って表示部に画面を表示する。
【0028】
<Webアプリケーションの動作>
次に、図5を参照して、Webブラウザ540からの要求に応答して、Webサーバ102によって行われる応答処理について説明する。以下で説明する処理は、Webサーバ102のCPU411が制御プログラムを実行することにより実現される。S501において、Webアプリケーション510は、Webブラウザ540から操作画面の要求を受けたか否かを判定する。要求を受けた場合はS502に進み、要求を受けていない場合は要求を受信するまで待機する。要求を受信するとS502において、Webアプリケーション510は、受信した要求を解析する。要求を解析すると、S503において、Webアプリケーション510は、MFP101に対する処理実行が必要であるか否かを判定する。MFP101に対する処理実行が必要であればS504に進み、必要でなければS507に進む。
【0029】
S504において、Webアプリケーション510は、MFP101に対する処理実行依頼を生成し、S505で処理実行依頼をMFP101に送信する。その後、S506において、Webアプリケーション510は、MFP101から処理実行依頼の処理結果を受信したか否かを判定する。処理結果を受信した場合はS507に進み、そうでなければ処理実行結果を受信するまで待機する。S507において、Webアプリケーション510は、Webブラウザ540に対して応答を送信する。実際には、この応答は、Webブラウザ540からの要求に基づいてWebブラウザ540に操作画面を表示するためのHTMLファイル等となる。
【0030】
<サービスプロバイダの動作>
次に、図6を参照して、MFP101のサービスプロバイダの処理について説明する。以下で説明する処理は、MFP101のCPU211が制御プログラムを実行することによりサービスプロバイダ550で実行する処理である。S601において、サービスプロバイダ550は、Webサーバ102からの依頼を受けたか否かを判定する。Webサーバ102からの依頼を受けた場合はS602に進み、そうでなければ依頼を受けるまで待機する。S602において、サービスプロバイダ550は、依頼内容に従って処理を実行し、S603に進む。具体的には、ジョブ生成部552が、依頼された処理を実行するためのジョブを生成して実行する。S603において、サービスプロバイダ550は、処理実行結果をWebサーバ102に対して送信する。
【0031】
<ハードキーの押下に関する処理>
次に、図7を参照して、MFP101のハードキーが押下されたときのWebブラウザ540の動作について説明する。以下で説明する処理は、MFP101のCPU211が制御プログラムを実行することにより実行される処理である。なお、本実施形態ではハードキーの押下に関する処理について説明するが、本発明は、これに限定されず、以下で説明するハードキーの機能を付加したソフトキーを適用してもよい。
【0032】
S701において、Webブラウザ540は、ハードキー入力処理モジュール560からの通知を受けたか否かを判定する。通知を受けた場合は、S702に進み、そうでなければ処理を終了する。S702において、Webブラウザ540は、テーブル563に記憶しているURLを要求するHTTPリクエストを生成し、S703でWebサーバ102に対して生成した要求を送信する。次に、S704において、Webブラウザ540は、Webサーバ102から要求に対する応答を受信したか否かを判定する。応答を受信した場合はS705に進み、応答を受信していない場合は、応答を受信するまで待機する。実際には、当該応答はHTMLファイルである。S705において、Webブラウザ540は、受信したHTMLファイルの記述に従って表示部に画面を表示する。
【0033】
<リセットキー押下時の動作>
次に、図8を参照して、Webブラウザ540の操作中にリセットキーが押下されたときの動作を説明する。以下で説明する処理は、MFP101のCPU211が制御プログラムを実行することにより実現される。S801において、ネイティブ機能モジュール530は、選択画面表示手段として機能し、ネイティブアプリケーションの表示画面として、Webアプリケーション510の機能を使用するための機能選択画面を表示する。機能選択画面は図9の901に示す。次に、S802において、ネイティブ機能モジュール530は、ユーザが機能選択画面901を介してブラウザ機能を選択したか否かを判定する。ブラウザ機能が選択された場合はS803に進み、選択されなかった場合はS821に進む。ここでは、機能選択画面901において、Webブラウザ540の機能を使用する機能を、スキャン機能(Scan)902、プリント機能(Print)903、ブラウザ機能(Browser)904、Fax機能(Fax)905とする。コピー機能(Copy)906についてはWebブラウザ540の機能を使用しないネイティブアプリケーションとする。
【0034】
S803において、ネイティブ機能モジュール530は、Webブラウザ540に対して、機能選択画面901で選択された機能に固有に割り当てられたIDである機能ID(識別情報)を通知する。機能IDについては、図10の1001で示す。続いて、S804において、ネイティブ機能モジュール530は、ネイティブの表示機能である機能選択画面901からWebブラウザ540の画面に切り替える。
【0035】
次に、S805において、Webブラウザ540は、S803で通知された機能IDに紐付けられたURLをテーブル563から参照する。機能IDとURL(遷移先)とを紐付けているテーブルを図11の1101に示す。S806において、Webブラウザ540は、上記機能IDに紐付けられている記憶フラグ(記憶情報)が“1”であるか否かをテーブル563より参照する。記憶フラグが“1”の場合はS807に進み、“0”の場合はS808に進む。ここで、記憶フラグとは、ブラウザがRAM213にURLを一時記憶するか否かを示すフラグである。ステータスは、“1”と“0”の2種類があり、“1”の場合はURLを一時記憶し、“0”の場合はURLを一時記憶しない。
【0036】
S807において、Webブラウザ540は、S805で参照したURLをRAM213に記憶し、S808に進む。S808において、Webブラウザ540は、S805で参照したURLにアクセスしてS809に進み、画面を表示する。そして、Webサーバ102にアクセスして、Webアプリケーション510の機能が使用される。ここで表示される画面がWebアプリケーション510の機能の初期画面となる。
【0037】
次に、S810において、Webブラウザ540は、ユーザの画面操作により、URLアクセスの指示を受けたか否かを判定する。URLアクセスの指示を受けた場合はS808に戻り、受けていない場合はS811に進む。S811において、Webブラウザ540は、MFP101の操作部219に設けられたハードキーであるリセットキーが押下されたか否かを判定する。押下されている場合はS812に進み、押下されていない場合はS816に進む。S816において、Webブラウザ540は、機能選択画面901のリンク(トップメニューキー)が押下されたか否かを判定する。押下されている場合はS801に戻り、押下されていない場合はS810に戻る。
【0038】
S811でリセットキーが押下されていると判定した場合、S812において、Webブラウザ540は、テーブル563を参照して、セッションリセットフラグが“1”であるか否かを判定する。”1”である場合はS813に進み、Webブラウザ540は、初期化処理であるセッションリセット処理を行い、S814に進む。一方、“0”である場合はS814に進む。セッションリセット処理については、後述する。
【0039】
S814において、Webブラウザ540は、RAM213上に記憶しているURLがあるか否かを判定する。URLを記憶している場合はS815に進み、Webブラウザ540は、S807で記憶していたURLを呼び出して、S808に戻る。この処理により、ハードキーであるリセットキー押下でWebアプリケーション510の機能の初期画面に戻ることができる。一方、S814において、RAM213上に記憶しているURLがないと判定すると、Webブラウザ540は、ホームページ設定などを参照し、S808に戻る。なお、S807でRAM213に記憶されているURLは、Webアプリケーション510の機能を使用した後に、S801の機能選択画面901に戻ったタイミングでクリアされてもよいし、S801の機能選択画面901に戻ってから、別の機能が選択された後にクリアされてもよい。
【0040】
S802でブラウザ機能が選択されていないと判定すると、S821において、ネイティブ機能モジュール530は、コピー機能が選択されたか否かを判定する。コピー機能が選択された場合はS822に進み、コピー機能の初期画面を表示する。なお、コピー機能はネイティブアプリケーションであるため、コピー機能に関する操作画面(初期画面を含む)はMFP101内に保持されている画面情報に基づいて表示される。一方、コピー機能が選択されていないと判定するとS801に戻る。S823において、ネイティブ機能モジュール530は、ユーザによる操作入力に応じた設定変更や、装置又はジョブの状態変化等にともなって、コピー機能の画面が更新されたか否かを判定する。画面が更新された場合はS822に進み、ネイティブ機能モジュール530は、コピー画面を再表示する。一方、画面が更新されていない場合は、S824に進む。
【0041】
S824において、ネイティブ機能モジュール530は、リセットキーが押下されたか否かを判定する。リセットキーが押下された場合はS825に進み、ネイティブ機能モジュール530は、初期化処理として、コピー枚数や用紙サイズなどのユーザによって入力された設定を初期化し、S822に戻りコピー画面を表示する。一方、リセットキーが押下されていない場合はS826に進み、ネイティブ機能モジュール530は、トップメニューキーが押下されたか否かを判定する。トップメニューキーが押下された場合はS801に戻り、機能選択画面901を表示する。一方、トップメニューキーが押下されていない場合は、S823に戻り、コピー機能の画面が更新されたか否かを判定する。
【0042】
上述したように、本実施形態では、ブラウザ機能の実行中においてリセットキーが押下された場合であっても、コピー機能においてリセットキーが押下された場合であっても、初期画面に戻る。このように、本実施形態に係る情報処理システムやMFP101は、実行中のアプリケーションに関わらず統一した動作を実現することができる。
【0043】
なお、Webブラウザ操作中にリセットキーが押下された場合、セッションのリセット処理を行うか否かを選択可能に構成してもよい。当該選択はトップメニューに配置されるURLボタンごとに設定できる。汎用的なブラウザボタンに対して選択的に設定することもできる。ここで、セッションのリセット処理とは、Webサーバとの間の接続が残っていればそれを切断し、Webサーバによって登録されたクッキーを削除する処理を示す。一般的に、Webアプリケーションは、ユーザ認証と対応させて、あるユーザによる一連の操作を単一のセッションとしてまとめ、他のユーザによる他の操作と区別している。Webアプリケーションは、このセッションを識別するための情報をWebブラウザにクッキーとして記憶させる。Webブラウザが、所定のWebアプリケーションやWebサーバに対してHTTP要求を送るとき、その要求中に記憶されたクッキー情報(即ち、セッションの識別情報)を含めるため、Webアプリケーションは個々のセッションを識別し個別に管理できる。複数のWebアプリケーションに対して共通のクッキーを共用し、セッション管理する場合、あるWebアプリケーションで認証済みであれば別のWebアプリケーションでは認証を省くように構成できる。これはシングルサインオンと呼ばれる。
【0044】
リセットキーが押されるたびにセッションのリセット処理を行うように設定した場合、リセットキー押下は実質的にWebアプリケーションからのログオフ指示として機能することになる。即ち、Webアプリケーションの構成によっては、ユーザはリセットキーを押下するたびにログイン処理を求められることになる。この構成はセキュリティの観点から最適である場合もあるし、利便性の観点から不適切な場合もある。Webアプリケーションにおいて、装置のネイティブ機能と同様の操作感を提供したい場合は、セッションのリセット処理は不適切となる。
【0045】
<機能選択画面>
次に、図9を参照してネイティブ機能モジュール530が提供する、Webアプリケーション510の機能を使用するための機能選択画面901について説明する。機能選択画面901は、Webアプリケーション510の機能を使用するために、MFP101の操作部219に表示される。Scan902は、Webアプリケーション510の機能として提供されているスキャン機能を使用するためのメニューである。同様に、Fax905はFax機能、Print903はプリント機能である。一方、Copy906は、ネイティブ機能モジュール530が提供するコピー機能を使用するためのメニューである。また、Browser904は、Webアプリケーション510の機能ではなく、Webブラウザ540のブラウザ機能を使用するための機能である。
【0046】
<機能IDテーブル>
次に、図10を参照して第1記憶手段として機能するテーブル563が保持している機能IDテーブル1001について説明する。機能IDテーブル1001は、機能選択画面901の各機能に対応づけられているIDを管理するためのテーブルである。行1002は、Scan902のIDを示し、同様に、行1003はPrint903を示し、行1004はBrowser904を示し、行1005はFax905を示し、行1006はCopy906を示す。また、機能IDはアプリケーションID(種別情報)にも紐付けられている。アプリケーションIDとは各機能が使用しているアプリケーションの種別を示しており、行1002〜1005はWebブラウザ540の機能を使用するため“Browser”が設定され、行1006はネイティブ機能モジュール530の機能であるコピー機能を使用するため“Copy”が設定される。
【0047】
<アプリケーションURLテーブル>
次に、図11を参照して、第2記憶手段として機能するテーブル563が保持しているアプリケーションURLテーブル1101について説明する。アプリケーションURLテーブル1101は、機能IDに紐付けられているURLを管理するためのテーブルである。例えば、行1102において、機能IDの“1“は、http://example.com/app1/scanのURLに紐付けられているため、S803において、機能IDの”1“がWebブラウザ540に通知された場合、当該URLが参照される。また、機能IDの”1“に紐付けられている情報に記憶フラグがある。記憶フラグは、”1”又は”0”が設定され、“1”の場合はS807の処理においてURLが記憶され、“0”の場合はURLが記憶されない。つまり、記憶フラグが“1”の場合は、S815の処理が行われるが、記憶フラグが”0“の場合はS815の処理が行われない。さらに、図11に示すように、各機能IDには、Webサーバ102との接続を切断する処理と、当該接続のセッションを識別するための情報を削除する処理とを含むセッションリセット処理を行なうか否かを示すセッションリセットフラグが紐付けられて記憶されてもよい。セッションリセットフラグは、”1”又は”0”が設定され、“1”の場合はS813の処理においてセッションリセット処理が実行され、“0”の場合はセッションリセット処理が実行されない。なお、セッションリセットフラグは、個別に設定可能に設けられる。
【0048】
なお、ハードキー押下にともなってブラウザが当該URLを取得するときは、URLに原因を識別するためのクエリーストリングを加えて取得するように構成してもよい。たとえば、「hardkey=reset」を加えると、
http://example.com/app1/scan?hardkey=reset
というURLに対するHTTP要求を発行するように構成できる。このように構成することで、Webアプリケーションは、トップメニューからブラウザへの遷移によってWebアプリケーションの先頭URLが取得される場合と、リセットキー押下によって先頭URLが取得される場合とを簡単に区別することができる。これにより、Webアプリケーションに対する操作入力に応じて初期値から設定変更された動作モードなどの内部状態を初期状態にリセットするようなWebアプリケーションを構成することも容易となる。この場合、特にリセットキー押下によって先頭URLへ遷移した場合だけ、初期状態にリセットするようにしてもよい。
【0049】
また、ハードキー押下にともなってブラウザが当該URLを取得するときは、その時点でブラウザが表示していた画面を識別するためのクエリーストリングを加えて取得するように構成してもよい。例えば、上記の例にさらに
「current=http://example.com/app1/scan/option/scan-settings/」を加えると、
http://example.com/app1/scan?hardkey=reset&current=http%3A%2F%2Fexample.com%2Fapp1%2Fscan%2Foption%2Fscan-settings%2FというURLに対するHTTP要求を発行するように構成できる。クエリーストリング中の記号は、いわゆる「URLエンコード(Percent-Encoding)」によって符号化してある。このように構成することで、Webアプリケーションは、どの画面を表示中にリセットキーが押下されたかを簡単に知ることができる。
【0050】
<第2の実施形態>
以下では、図12乃至図14を参照して、本発明に係る第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、機能選択画面がネイティブ機能モジュール530によって提供されている場合について説明した。一方、本実施形態では、機能選択画面がWebアプリケーション510(第1アプリケーション)によって提供されている場合について説明する。機能選択画面がWebアプリケーション510によって提供される場合、機能IDテーブル1001とアプリケーションURLテーブル1101とはテーブル563に必ずしも保持されているとは限らない。以下では、機能IDテーブル1001とアプリケーションURLテーブル1101とがテーブル563に保持されていないケースについて説明する。
【0051】
<リセットキー押下時の動作>
まず、図12を参照して、Webブラウザ540の操作中にリセットキーが押下された場合の動作を説明する。以下で説明する処理は、MFP101のCPU211が制御プログラムを実行することにより実現される。S1201において、ネイティブ機能モジュール530は、Webアプリケーション510によって提供される機能選択画面を表示するために、Webブラウザ540の画面に切り替える。S1202において、Webブラウザ540は、機能選択画面のURL(第1ロケーション情報)にアクセスしてS1203に進み、画面情報を取得して機能選択画面を表示する。Webアプリケーション510が提供する機能選択画面は図13の1301に示す。
【0052】
次に、S1204において、Webブラウザ540は、ユーザが機能選択画面1301を介してブラウザ機能を選択したか否かを判定する。ブラウザ機能が選択された場合は選択した機能に遷移するためのURLを参照してS1205に進み、選択されなかった場合はS1221に進む。図13に示す機能選択画面1301において、Webブラウザ540の機能を使用する機能のボタンには、それぞれの機能に遷移するためのURLが割り当てられている。ここでは、機能選択画面1301において、Webブラウザ540の機能を使用する機能を、スキャン機能(Scan)1302、プリント機能(Print)1303、Fax機能(Fax)1304とする。コピー機能(Copy)1305についてはWebブラウザ540の機能を使用しないネイティブアプリケーションとする。
【0053】
次に、S1205において、Webブラウザ540は、現在Webブラウザ540に表示しているWebページのURL(第2ロケーション情報)を直前URLとして、RAM213に記憶する。つまり、直前URLとは、画面遷移が発生した際に、その直前にアクセスしていたURLとなる。S1206において、Webブラウザ540は、S1204で参照したURLへアクセスしてS1207に進み、画面を表示する。そして、Webサーバ102にアクセスして、Webアプリケーション510の機能が使用される。ここで表示される画面がWebアプリケーション510の機能の初期画面となる。
【0054】
S1208において、Webブラウザ540は、S1205で記憶した直前URL(第2ロケーション情報)と機能選択画面のURL(第1ロケーション情報)とが一致するか否かを判定する。機能選択画面のURLは、Webブラウザ540が設定として1つ保持しておいてもよいし、機能選択画面のURLが複数記載されたテーブルをテーブル563に予め記憶しておいてもよい。機能選択画面のURLが記載されたテーブルを図14の1401に示す。直前URLが機能選択画面のURLに一致する場合はS1209に進み、機能選択画面のURLに一致しない場合はS1210へ進む。S1209において、Webブラウザ540は、S1206でアクセスしたURL(即ち、現在アクセスしているURL:第3ロケーション情報)をリセット時戻り先URL(遷移先)としてRAM213に記憶し、S1210に進む。
【0055】
次に、S1210において、Webブラウザ540は、ユーザの画面操作により、URLアクセスの指示を受けたか否かを判定する。URLアクセスの指示を受けた場合はS1205に戻り、受けていない場合はS1211に進む。S1211において、Webブラウザ540は、MFP101の操作部219に設けられたハードキーであるリセットキーが押下されたか否かを判定する。押下されている場合はS1212に進み、押下されていない場合はS1215に進む。S1215において、Webブラウザ540は、機能選択画面1301のリンク(トップメニューキー)が押下されたか否かを判定する。押下されている場合はS1202に戻り、押下されていない場合はS1210に戻る。
【0056】
S1211でリセットキーが押下されていると判定した場合、S1212に進み、Webブラウザ540は、初期化処理であるセッションリセット処理を行い、S1213に進む。
【0057】
S1213において、Webブラウザ540は、RAM213上に記憶しているリセット時戻り先URLがあるか否かを判定する。リセット時戻り先URLを記憶している場合はS1214に進み、Webブラウザ540は、S1209で記憶していたリセット時戻り先URLを呼び出して、S1205に戻る。この処理により、ハードキーであるリセットキー押下でWebアプリケーション510の機能の初期画面に戻ることができる。一方、S1213において、RAM213上に記憶しているリセット時戻り先URLがないと判定すると、Webブラウザ540は、ホームページ設定などを参照し、S1205に戻る。なお、S1209でRAM213に記憶されているリセット時戻り先URLは、Webアプリケーション510の機能を使用した後に、S1203の機能選択画面1301に戻ったタイミングでクリアされてもよいし、S1203の機能選択画面1301に戻ってから、別の機能が選択された後にクリアされてもよい。
【0058】
なお、S1204でブラウザ機能が選択されていないと判定された後の処理S1221〜S1226は、図8のフローチャートで説明したS821〜S826と同様の処理のため、説明は省略する。
【0059】
上述したように、本実施形態では、ブラウザ機能の実行中においてリセットキーが押下された場合であっても、コピー機能においてリセットキーが押下された場合であっても、初期画面に戻ることができる。このように、本実施形態に係る情報処理システムやMFP101は、実行中のアプリケーションに関わらず統一した動作を実現することができる。
【0060】
<機能選択画面>
次に、図13を参照してWebアプリケーション510が提供する、Webアプリケーション510の機能を使用するための機能選択画面1301について説明する。機能選択画面1301は、Webブラウザ540がWebアプリケーション510が提供する機能選択画面のURLへアクセスすることによって、MFP101の操作部219にWebページとして表示される。Scan1302は、Webアプリケーション510の機能として提供されているスキャン機能を使用するためのメニューである。同様に、Fax1304はFax機能、Print1303はプリント機能である。一方、Copy1305は、ネイティブ機能モジュール530が提供するコピー機能を使用するためのメニューである。機能選択画面1301において、Webブラウザ540の機能を使用する機能のボタンには、それぞれの機能に遷移するためのURLが割り当てられている。機能選択画面1301において、Webアプリケーション510の機能として提供されている機能(例えば、Scan1302)をユーザが選択した場合は、Webブラウザ540は選択された機能のURLへアクセスし、画面を選択された機能の画面へ遷移させる。
【0061】
<機能選択画面URLテーブル>
次に、図14を参照して、第3記憶手段として機能するテーブル563が保持している機能選択画面URLテーブル1401について説明する。機能選択画面URLテーブル1401は、Webアプリケーション510が提供する機能選択画面のURLを管理するためのテーブルである。S1208において、直前URLが機能選択画面であるか否かを判定するためには、機能選択画面のURLをWebブラウザ540が認識する方法が必要になる。Webアプリケーション510が提供する機能選択画面のURLを機能選択画面URLテーブル1401に予め登録することによって、Webブラウザ540は機能選択画面のURLを取得することが可能になる。
【0062】
また、機能選択画面は単一とは限らず、複数存在する場合も考えられる。例えば、図14で図示した機能選択画面URLテーブル1401は2つの機能選択画面のURLを定義している。行1402では、Webアプリケーション510を使用するすべてのユーザで共通な機能選択画面を提供するためのURLが定義され、行1403では、Webアプリケーション510を使用するユーザ毎に違った機能選択画面を提供するためのURLが定義されている。機能選択画面URLテーブル1401を用意することによって、Webアプリケーション510が提供する機能へ、どの機能選択画面から遷移した場合であっても、リセット時戻り先URLを記憶することができ、統一した動作を実現することができる。
【0063】
<第3の実施形態>
次に、図15及び図16を参照して、本発明に係る第3の実施形態について説明する。第2の実施形態では、機能選択画面がWebアプリケーション510によって提供されていて、かつ機能IDテーブル1001とアプリケーションURLテーブル1101がテーブル563に保持されていない場合について説明した。しかし、機能IDテーブル1001とアプリケーションURLテーブル1101がテーブル563に保持されていないため、リセット時戻り先URLを記憶するか否か、及び、セッションリセットを行うか否かを、Webアプリケーション510によって提供される機能ごとに設定していない。
【0064】
リセット時戻り先URLを記憶するか否か、及び、セッションリセットを行うか否かを、Webアプリケーション510によって提供される機能毎に設定したい場合は、別途その情報を管理するテーブルを用意すればよい。図16に、リセット時戻り先URLを記憶するか否か、及び、セッションリセットを行うか否かを、Webアプリケーション510によって提供される機能ごとに設定したアプリケーション管理テーブル1601を示す。以下では、第3の実施形態として、機能選択画面がWebアプリケーション510によって提供されていて、かつアプリケーション管理テーブル1601がテーブル563に保持されているケースについて説明する。
【0065】
<リセットキー押下時の動作>
まず、図15を参照して、Webブラウザ540の操作中にリセットキーが押下されたときの動作を説明する。以下で説明する処理は、MFP101のCPU211が制御プログラムを実行することにより実現される。なお、図15のフローチャートは図12のフローチャートに、リセット時戻り先URLを記憶するか否かの判定、及び、セッションリセットを行うか否かの判定を加えただけのフローチャートのため、差分についてのみ説明する。
【0066】
S1509において、Webブラウザ540は、S1506でアクセスしたURLに紐付けられている記憶フラグ(記憶情報)が“1”であるか否かをアプリケーション管理テーブル1601より参照する。記憶フラグが“1”の場合はS1510に進み、Webブラウザ540は、S1506でアクセスしたURLをリセット時戻り先URLとしてRAM213に記憶する。一方、記憶フラグが“0”の場合はS1510をスキップしてS1511に進む。
【0067】
S1513において、Webブラウザ540は、アプリケーション管理テーブル1601を参照して、セッションリセットフラグが“1”であるか否かを判定する。”1”である場合はS1514に進み、初期化処理であるセッションリセット処理を行う。一方、セッションリセットフラグが“0”である場合はS1514をスキップしてS1515に進む。
【0068】
上述したように、本実施形態では、機能選択画面がWebアプリケーション510によって提供されていた場合でも、リセット時戻り先URLを記憶するか否か、及び、セッションリセットを行うか否かを、Webアプリケーション510によって提供される機能毎に選択可能にできる。また、本実施形態によれば、特定のアプリケーションに対応付けて、セッションリセット処理を行うか否かが登録可能である。
【0069】
<アプリケーション管理テーブル>
次に、図16を参照して、第4記憶手段として機能するテーブル563が保持しているアプリケーション管理テーブル1601について説明する。アプリケーション管理テーブル1601は、Webアプリケーション510によって提供される機能毎にリセット時戻り先URLを記憶するか否か、及び、セッションリセットを行うか否かを管理するためのテーブルである。Webアプリケーション510によって提供される各機能の識別はURLを用いて行う。記憶フラグ、セッションリセットフラグについては、アプリケーションURLテーブル1101と同様のため説明を省略する。
【0070】
以上説明したように、第1乃至第3の実施形態に係る情報処理装置は、Webアプリケーション及びネイティブアプリケーションの何れかを選択して実行するための選択画面を表示し、当該選択画面を介してWebアプリケーションが選択されると、所定のキーが押下された場合の画面の遷移先を登録する。さらに、本情報処理装置は、所定のキーが押下された場合に、Webアプリケーションを実行中であれば登録した遷移先を参照して、対応する画面を表示部に表示し、ネイティブアプリケーションを実行中であれば、予め定められた画面を表示部に表示する。これにより、本情報処理装置は、所定のキーが押下された場合に、Webアプリケーションとネイティブアプリケーションとで同じ操作性をユーザに対して提供することができる。つまり、本情報処理装置では、外部装置から提供されたWebアプリケーションを実行中であるか、自装置で提供するネイティブアプリケーションを実行中であるかに関係なく、所定のキーが押下された場合の動作を統一することができる。
【0071】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアプリケーションを利用可能な情報処理装置であって、
前記複数のアプリケーションに含まれる特定のアプリケーションに対応付けて、所定のキーが操作された場合に表示すべき操作画面を示す情報を登録する登録手段と、
前記特定のアプリケーションが実行されている状態で前記所定のキーが操作された場合に、当該特定のアプリケーションに対応付けて登録されている情報に基づき、外部装置からネットワークを介して画面情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した画面情報に基づく操作画面を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記複数のアプリケーションのいずれかを選択する選択手段と、
前記選択手段により前記特定のアプリケーションが選択されたことに応じて、当該特定のアプリケーションに対応付けて登録されている情報を保持する保持手段と、を更に備え、
前記取得手段は、前記保持手段に保持されている情報を参照して前記画面情報の取得を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定のキーとは、前記情報処理装置に備えられたハードウェアキーであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定のキーとは、実行中のアプリケーションにおけるリセット処理を実行するためのキーであり、
前記所定のキーが操作された場合に表示すべき操作画面とは、実行中のアプリケーションの初期画面であり、
前記所定のキーが押下された場合に、前記初期画面を前記表示手段に表示させるとともに、実行中のアプリケーションの初期化処理を実行する制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記登録手段は、さらに、
前記特定のアプリケーションに対応付けて、前記外部装置との接続を切断する処理と、当該接続のセッションを識別するための情報を削除する処理とを、前記初期化処理に含めるか否かを登録可能であることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定のキーが操作された場合に表示すべき操作画面を示す情報とは、当該操作画面を特定可能なURL情報であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数のアプリケーションには、前記外部装置に組み込まれた前記特定のアプリケーションの他に、前記情報処理装置に組み込まれた内部アプリケーションが含まれることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
外部装置に組み込まれた第1のアプリケーションと自装置に組み込まれた第2のアプリケーションとを含む複数のアプリケーションを利用可能な情報処理装置であって、
前記第1のアプリケーションに対応付けて、リセットキーが操作された場合に表示すべき前記第1のアプリケーションの初期画面を示すURL情報を登録する登録手段と、
前記第1のアプリケーションが実行されている状態で前記リセットキーが操作された場合は、当該第1のアプリケーションに対応付けて登録されているURL情報に基づき、外部装置からネットワークを介して画面情報を取得し、当該取得した画面情報に基づいて前記第1のアプリケーションの初期画面を表示し、前記第2のアプリケーションが実行されている状態で前記リセットキーが操作された場合は、前記情報処理装置内に予め保持されている画面情報に基づき前記第2のアプリケーションの初期画面を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
複数のアプリケーションを利用可能な情報処理装置の制御方法であって、
登録手段が、前記複数のアプリケーションに含まれる特定のアプリケーションに対応付けて、所定のキーが操作された場合に表示すべき操作画面を示す情報を登録する登録ステップと、
取得手段が、前記特定のアプリケーションが実行されている状態で前記所定のキーが操作された場合に、当該特定のアプリケーションに対応付けて登録されている情報に基づき、外部装置からネットワークを介して画面情報を取得する取得ステップと、
表示手段が、前記取得ステップで取得した画面情報に基づく操作画面を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
外部装置に組み込まれた第1のアプリケーションと自装置に組み込まれた第2のアプリケーションとを含む複数のアプリケーションを利用可能な情報処理装置の制御方法であって、
登録手段が、前記第1のアプリケーションに対応付けて、リセットキーが操作された場合に表示すべき前記第1のアプリケーションの初期画面を示すURL情報を登録する登録ステップと、
表示手段が、前記第1のアプリケーションが実行されている状態で前記リセットキーが操作された場合は、当該第1のアプリケーションに対応付けて登録されているURL情報に基づき、外部装置からネットワークを介して画面情報を取得し、当該取得した画面情報に基づいて前記第1のアプリケーションの初期画面を表示し、前記第2のアプリケーションが実行されている状態で前記リセットキーが操作された場合は、前記情報処理装置内に予め保持されている画面情報に基づき前記第2のアプリケーションの初期画面を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−96228(P2011−96228A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143027(P2010−143027)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】