説明

情報処理装置、オーディオ装置及び情報処理方法

【課題】
リスト状に表示された複数の項目の中から所望の項目を選択する項目選択操作において、選択画面の視認性や操作性の向上を実現することを課題とする。
【解決手段】
本発明の車載情報処理装置は、リスト状に表示された複数の項目の中から、選択操作部により項目が選択される項目選択装置において、選択操作部の操作状態を検出する操作検出部と、前記操作検出部により操作停止状態が検出されると、選択状態にある項目に対する選択表示領域を、当該選択表示領域における複数の表示領域の羅列方向が長くなるように表示する表示領域拡大部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の操作を行うための操作装置に係り、特に車載機器等に適し、複数の項目から該当する項目を選択する方式の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載機は多機能化が進んでおり、1つの機器で、例えばTV、ラジオ、CD、HDD、DVD、ナビゲーション機能等の多種多様なコンテンツを備えており、例えば利用者は車内に居ながらTVを視聴でき、また、走行時にはナビゲーション機能により、道路案内を受けながらCDやラジオ等のコンテンツを視聴可能になっている。このように多機能化が進むにつれて、機器の操作方法も複雑となり、各コンテンツに応じた様々な機能や操作項目をリスト状に表示し、ユーザはそこから所望の機能/操作項目を選択することで、当該機能/操作項目が選択起動する操作方法が良く用いられるようになっている。例えば特開2004−022179号公報には、複数のコンテンツと、コンテンツに含まれる項目の選択を行うことで車載機を操作する技術が開示されている。
【0003】
従来では、複数の項目から所望の項目を選択する操作の場合、1画面に多くの選択項目を表示すれば1画面で多くの情報を見ることが可能になる利点がある。また、1画面に表示する項目を多くすることで、数多い全ての項目を確認する場合、画面の切換え動作の回数が少なくなるため、何度も表示切替え動作を繰り返すという乗車中には煩わしい操作の必要が無くなると言う利点がある。また、切替わった画面を目視する回数も少なくすることができる。
【0004】
しかし、車載機では搭載制限があるため、操作に必要な情報を表示するディスプレイの大きさが制限されてしまう。このため1画面に多くの項目を表示させると、表示されている表示項目が密集し、また、1項目の表示領域も小さくなって文字等も小さくなりがちであるため、各項目の視認性を低下させる。また、1項目に表示できる情報が少なくなることによって利用者が選択するかどうかを決定する情報が欠落してしまうという問題があった。
【0005】
これに対し、視認性向上のために項目選択時における1画面当たりの項目数を減少させ、表示領域を大きくすると、1項目当たりの表示領域に表示できる情報量も多くなり、視認性の向上を図ることができる。しかしながら、1画面に表示される項目数が少ないため、多くの項目を確認するためには、利用者は画面の切換え動作を何度も行わなければならない。例えば選択項目数が100項目あり、1画面に表示できる項目数が5項目であれば20回も画面を切替える必要があり、利用者にとって非常に不便なものになるといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−022179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、項目選択操作において、選択画面の視認性や操作性の向上を実現することを課題としている。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の車載情報処理装置は、リスト状に表示された複数の項目の中から、選択操作部により項目が選択される項目選択装置において、
選択操作部の操作状態を検出する操作検出部と、
前記操作検出部により操作停止状態が検出されると、選択状態にある項目に対する選択表示領域を、当該選択表示領域における複数の表示領域の羅列方向が長くなるように表示する表示領域拡大部と、
を有することを特徴とする。
【0009】
例えば、選択対象である複数の楽曲の曲名がリスト状に表示され、使用者が選択操作部の操作によりリストから候補曲を選択する装置において、使用者が候補曲の変更操作を停止した時は、その候補曲の内容を確認したいと推測されるため、表示領域を広げて文字を大きくしたり、詳細情報を表示したりして、視認性・情報量等を向上させるものである。
【0010】
また、前記選択操作部は、回転操作によって項目が選択される回転操作部であることを特徴とする。
【0011】
例えば、回転操作部の回転操作により順次リストから候補曲が変更する装置で、回転操作速度の応じた速度で候補曲が変更され、回転を止めるとその時点での候補曲の表示領域を広げて文字を大きくしたり、詳細情報を表示したりして、曲選択の操作性・視認性を向上させるものである。
【0012】
また、前記操作検出部は、選択操作部における選択操作の無検出時間により停止状態を検出することを特徴とする。
【0013】
例えば、回転操作部の回転操作により順次リストから候補曲が変更する装置で、回転を示す信号が所定時間出力されない場合に停止と判断することにより、操作の都合(候補曲を大きく移動させる場合等、一度に必要回転数を回せない時等)等による使用者の候補曲確認の意志に関係ない回転停止を除外して、使用者が候補曲を確認したいと言う推測の確度を向上させるものである。
【0014】
また、前記操作検出部により操作停止状態が検出されると、選択状態にある項目に対する詳細情報を選択表示領域に表示する詳細情報表示部を有することを特徴とする。
【0015】
例えば、回転操作部の回転操作により順次リストから候補曲が変更する装置で、回転操作の停止から使用者の候補曲確認の意志を推定し、候補曲の詳細情報を表示することにより、使用者による候補曲の確認を容易・確実すると言うものである。
【0016】
また、前記表示領域拡大部は、前記詳細情報表示部により表示される詳細情報の情報量に応じて選択表示領域を拡大することを特徴とする。
【0017】
例えば、回転操作部の回転操作により順次リストから候補曲が変更する装置で、回転操作の停止から使用者の候補曲確認の意志を推定し、候補曲の詳細情報を表示したり、文字サイズを大きくすることを可能とすることにより、使用者による候補曲の確認を容易・確実すると言うものである。
【0018】
また、前記表示領域拡大部は、前記詳細情報表示部により表示される詳細情報の項目数に応じて選択表示領域を拡大することを特徴とする。
【0019】
例えば、回転操作部の回転操作により順次リストから候補曲が変更する装置で、回転操作の停止から使用者の候補曲確認の意志を推定し、候補曲の持つ詳細情報の情報量に応じて表示領域の広さを可変することにより、当該候補曲の情報及び他の楽曲の情報を効率良く表示し、使用者による候補曲や他楽曲の確認を容易・確実すると言うものである。
【0020】
また、前記表示領域拡大部は、前記詳細情報表示部により表示する項目の階層に応じて、領域拡大の実施・非実施を選択することを特徴とする。
【0021】
例えば、上位階層が曲ジャンル、下位階層が曲名の場合、曲ジャンル項目については詳細情報はあまり必要がないため、候補ジャンルの詳細情報を表示するよりも表示ジャンル数を増やしたほうが便利で、逆に曲名についてはその詳細情報を確認したい場合が多い。このように、階層により詳細情報の必要性が異なるので、その必要性に応じて候補項目の表示領域に拡大表示の要否を設定し、使用者による選択操作の操作性を向上させるものである。
【0022】
また、選択表示領域に表示される文字サイズが当該選択表示領域の大きさに応じて可変する文字サイズ可変部を有することを特徴とする。
【0023】
例えば、候補曲の表示領域の大きさに応じて表示文字サイズを大きくすることにより、当該候補曲の情報及び他の楽曲の情報を見易く表示し、使用者による候補曲や他楽曲の確認を容易・確実すると言うものである。
【0024】
また、表示される各項目の表示領域を、選択状態にある項目から離れていくにつれて徐々に小さくなるように表示することを特徴とする。
【0025】
例えば、候補曲の表示領域に近い程表示領域が広くなり、表示文字サイズを大きくする等が可能となるので、当該候補曲を選択する場合に選択し易くなる。特に回転操作による選択の場合には、回転操作の停止タイミングをとり易くなり、操作性が非常に向上すると言うものである。
【0026】
また、選択状態にある項目のリスト全体に対する位置関係を表示する位置表示部と、を有することを特徴とする。
【0027】
例えば、全選択対象曲数に応じた長さのスクロールバー上における選択中の楽曲の全選択対象曲に対する収録順に応じた位置にマークを表示することにより、選択中の候補曲が全選択対象曲範囲のどれくらいの位置にあるかが把握でき、目的の楽曲におおよその位置を把握している場合等に素早く目的の楽曲を探し出せるようになって、検索操作性が非常に向上すると言うものである。
【0028】
また、選択操作部の選択操作によって第1項目から第n項目まで順番に表示され、順方向選択操作時には第n項目に続いて第1項目が表示され、逆方向選択操作時には、第1項目に続いて第n項目が表示されるサイクリック表示であることを特徴とする。
【0029】
例えば、先頭の楽曲聴取中に最後の楽曲に切り替える場合に、収録順の逆方向への移動操作により直ぐに選曲できるようにすることにより、選曲操作性が非常に向上すると言うものである。
【0030】
また、第1項目と第n項目の間に境目を表示する境目表示部とを有することを特徴とする。
【0031】
例えば、楽曲リストにおける先頭の楽曲と最後の楽曲の間に境目が表示することにより、使用者に先頭また最後の楽曲の位置を把握できるようにすることにより、選曲時における検索操作性が非常に向上すると言うものである。
【0032】
また、選択状態にある項目を選択確定状態にする選択確定部と、被制御機器を、前記選択確定部により選択確定された項目に対応する動作状態にする動作制御部と、前記確定状態制御部によりなされた確定状態を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された最新の選択確定前の確定状態を読み出し、前記被制御機器を当該読み出した確定状態に復帰させる復帰制御部と、前記復帰制御部を起動する指示を行うための復帰操作部を有することを特徴とする。
【0033】
例えば、HD再生装置による音楽の再生中にAMラジオ放送を聞こうと選局操作を行なったが気に入った番組が見つからなかった場合等には、元の音楽再生に復帰したいことが多々あるが、これには複雑な選曲操作が必要となる。そこで、「戻るボタン」の操作と言った簡単な操作で元の音楽再生状態に復帰するようにして、操作性を向上させるものである。
【0034】
また、本発明の車載オーディオ装置は、リスト状に表示された複数の楽曲情報の中から、選択操作部により楽曲情報が選択される項目選択装置において、選択操作部の操作状態を検出する操作検出部と、前記操作検出部により操作停止状態が検出されると、選択状態にある楽曲情報に対する選択表示領域を、当該選択表示領域における複数の表示領域の羅列方向が長くなるように表示する表示領域拡大部とを有することを特徴とする。
【0035】
例えば、選択対象である複数の楽曲の曲名がリスト状に表示され、使用者が選択操作部の操作によりリストから候補曲を選択する装置において、使用者が候補曲の変更操作を停止した時は、その候補曲の内容を確認したいと推測されるため、表示領域を広げて文字を大きくしたり、詳細情報を表示したりして、視認性・情報量等を向上させるものである。
【0036】
また、選択状態にある楽曲情報を選択確定状態とする確定操作を検知する確定操作検知部と、前記確定操作検知部により選択確定状態にある楽曲情報に対応する楽曲を再生する確定楽曲再生部と有することを特徴とする。
【0037】
例えば、使用者が候補曲の変更操作中は元の楽曲の再生状態を維持し、確定操作を行なって初めて候補曲に再生を開始することにより、変更操作中における中途半端な楽曲再生を抑え、使用者が不快と感じる状態の発生を防止するものである。
【0038】
また、選択状態にある楽曲情報に対応する楽曲を再生する選択楽曲再生部を有することを特徴とする。
【0039】
例えば、使用者が候補曲の変更操作をしている時は、確定操作を必要とせず、候補曲の変更操作選択状態にある曲が直ぐに再生されるようにすることにより、楽曲の一部を聞きながら好みの楽曲を探している場合等で、その操作を簡単にするものである。
【0040】
また、回転操作部の回転速度を検知する回転速度検知部を有し、前記選択楽曲再生部は、前記回転速度検知部により回転速度が所定値よりも高速であると検知された場合、選択状態にある楽曲情報に対応する楽曲再生を所定数毎にとばして再生することを特徴とする。
【0041】
例えば、使用者が候補曲の変更操作を高速で行なった場合、例えば5曲飛ばしで再生することにより、各曲が聴取しても役立たない極短時間だけ再生するような動作を防ぎ、楽曲検索時における実用的な操作補助機能を実現するものである。
【0042】
また、再生している楽曲の変更を検知する楽曲変更検知部と、前記楽曲変更検知部により再生している楽曲の変更が検知された場合、再生している楽曲に対応する楽曲情報を選択状態の楽曲の表示状態で表示することを特徴とする。
【0043】
例えば、再生曲が終了し次の楽曲に移った時等、再生曲が変更した場合に、選択状態として表示される楽曲情報も再生曲のものに変えるようにすることにより、現在の再生曲情報を直ぐに確認できるようにし、また候補曲の変更操作を行なう場合にも現再生曲を基準に楽曲検索操作を行なえるようにして、情報提供性、操作性を向上するものである。
【0044】
また、楽曲の再生履歴を記憶する再生履歴記録部と、前記再生履歴記録部に記憶された再生履歴に基づき、指定された履歴上の再生位置に従って楽曲を再生する履歴順再生部を有することを特徴とする。
【0045】
例えば、現再生曲の前に再生した曲に戻る等、再生履歴順を基準とした順番指定の選曲操作ができるようにして、使用者の感覚に合致した操作を実現するものである。
【0046】
また、本発明の車載情報処理装置は、上位階層の項目である上位階層項目を表示する上位階層表示部と、前記上位階層表示部により表示された上位階層項目の下位階層に該当する複数の下位階層項目を、前記リスト状に表示された複数の項目として表示する下位階層表示部と、前記上位階層表示部により表示された上位階層項目を変更する操作を検知する上位階層変更検知部を有し、前記上位階層変更部が上位階層項目の変更を検知すると、前記上位階層表示部は、変更された上位階層項目を表示し、前記下位階層表示部は、変更された上位階層項目に該当する下位階層項目が表示することを特徴とする。
【0047】
例えば、上位階層を下位階層に移動させることなく直接変更でき、そして上位階層を下位階層に変更した場合には下位階層も当該上位階層に従う下位階層に変更され(例えば、上位階層が前回の当該項目時の最後の時点における下位階層の状態に復元するのが好ましい)るようにして、上位階層の変更操作を容易とし、操作状態もその上位階層選択状態に応じた適切なものとして、その操作性を向上するものである。
【0048】
また、前記上位階層変更検知部は、前記回転操作部のスライド操作を検知することを特徴とする。
【0049】
例えば、回転操作部の上下方向(階層の並びと直交する方向)スライド操作により、上位階層の項目が変化するようにすることにより、操作者の操作感覚と一致した操作として操作容易性を向上し、また下位階層の操作から手を話さないで操作できるようにして、操作性を向上するものである。
【0050】
また、前記上位階層変更検知部が、検知するスライド操作方向と垂直方向の前記回転操作部のスライド操作を検知する階層移動操作検知部と、前記階層移動操作検知部によりスライド操作が検知されると、前記リスト状に表示する項目の階層をスライド操作方向に応じて移動する階層移動部を有することを特徴とする。
【0051】
例えば、回転操作部の左右方向(階層の並びの方向)スライド操作により、上位階層の項目が下位階層に移動して該当する項目をリスト表示することにより、上位階層の項目を回転操作により選択できるようにして、操作性を向上するものである。
【0052】
また、本発明の車載情報処理方法は、リスト状に表示された複数の項目の中から、選択操作部により項目を選択する項目選択方法において、選択操作部の操作状態を検出する操作検出ステップと、前記操作検出部により操作停止状態が検出されると、選択状態にある項目に対する選択表示領域を、当該選択表示領域における複数の表示領域の羅列方向が長くなるように表示する表示領域拡大ステップとを有することを特徴とする。
【0053】
例えば、選択対象である複数の楽曲の曲名がリスト状に表示され、使用者が選択操作部の操作によりリストから候補曲を選択する装置において、使用者が候補曲の変更操作を停止した時は、その候補曲の内容を確認したいと推測されるため、表示領域を広げて文字を大きくしたり、詳細情報を表示したりして、視認性・情報量等を向上させるものである。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、例えばオーディオ機能、ナビゲーション機能を有する機器等に関して利用者による使い勝手を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】AVN一体機の構成を示すブロック図
【図2】遠隔操作部の構成図概要
【図3】フォーム画面の概略図
【図4】メニュー画面の概略図
【図5】HDD操作画面の概略図
【図6】アルバム検索操作画面の概略図
【図7】曲選択操作画面の概略図
【図8】マイベスト検索操作画面の概略図
【図9】曲名表示拡大画面の概略図
【図10】ナビゲーション操作画面の概略図
【図11】機能表示拡大画面の概略図
【図12】拡大表示処理を示すフローチャート
【図13】押圧操作音楽再生処理を示すフローチャート
【図14】曲選択操作処理を示すフローチャート
【図15】「戻る」操作処理を示すフローチャート
【図16】履歴順曲選択操作画面の概略図
【図17】選択された項目のリスト全体における位置関係を示す表示形態
【図18】ステアリングホイールに遠隔操作部を設けた様子を示す図
【図19】映像優先表示の優先表示形態
【図20】領域優先表示の優先表示形態
【発明を実施するための形態】
【0056】
次に本発明の一実施例である車載用オーディオ・ビジュアル・ナビゲーション一体機(以降、AVN一体機と称する)について説明する。
【0057】
図1は、本発明に係る一実施例のAVN一体機の構成を示すブロック図である。
101は、AVN一体機の各部、或いは接続された外部機器からの信号、また使用者の操作に基づく各操作部からの操作指示信号等を入力し、それら信号に基づきAVN一体機の各部、或いは外部機器を統括的に制御する制御部で、例えばマイクロコンピュータ(マイコン)により構成され、ROM等のメモリに記憶されたプログラムに従い動作する。
【0058】
102は、アンテナにより受信された放送波から、特定の周波数の放送波を選択受信し、復調して当該放送の音声信号および、画像信号(テレビ放送の場合)を出力する放送受信部で、同調回路、復調・復号回路等により構成される。そして、放送受信部は制御部101からの制御信号により、そのオン/オフ、受信周波数等の各種動作が制御される。103は、ディスクに記憶されているデータをピックアップにより読込み、読込んだデータに基づく音声信号、画像信号(例えばDVDやBD(Blu-ray Disc)の場合)の出力を行うディスク再生部で、光学ピックアップ、ピックアップ・ディスク駆動機構、ピックアップ・ディスク駆動機構の制御回路、読取信号の復号回路等により構成される。そして、ディスク再生部103は制御部101からの制御信号により、そのオン/オフ、読込み位置等の各種動作が制御される。
【0059】
104は、磁気記録媒体であるハードディスク(HD)にMP3ファイル等の音楽データやJPEGファイル等の画像データ、ナビゲーション用の地図データ等が記憶され、記憶された各種データから所望のデータを読み出し、画像信号、音声信号、文字信号を出力するHD再生部であり、HDドライブ、読取信号号の復号回路等により構成される。そして、HD再生部104は制御部101からの制御信号により、そのオン/オフ、読み出すデータ等の各種動作が制御される。
【0060】
105は、地図上に自車位置や目的地までの経路を表示したり、交差点等で音声等により右左折等の進行方向案内を行い、また後述するVICS情報受信部106から交通情報、GPS情報受信部107から自車位置情報を入手して表示したりして、目的地までの経路案内を行うナビゲーション部で、ナビゲーションの為に利用される地図情報を記憶するハードディスク(HD)、各種演算処理を行うCPU、各種処理のためにデータを記憶するRAM等のメモリ等から構成され、制御部101からの制御信号に従って、そのオン/オフ、各種動作が制御される。
【0061】
106は、交通情報通信システム(VICS(登録商標))に係る交通情報を受信し、受信した交通情報を出力するVICS情報受信部で、交通情報通信システムからのデータを受信する受信機(FM受信機,電波ビーコン受信機,光ビーコン受信機)、受信したデータを復号する復号回路等から構成される。107は、GPS(登録商標)衛星からのGPS信号に基づき自車位置を検出し、検出した現在地情報を出力するGPS情報受信部で、GPS信号を受信するGPS信号受信回路、受信したGPS信号に基づき自車位置を算出する演算部から構成される。
【0062】
108は、制御部101の制御信号により、出力することが指定された各種ソース(ディスク再生部103、放送受信部102、HD再生部104及びナビゲーション部105)の音声信号と画像信号を音声調整回路110及び画像調整回路109に出力する分配回路であり、リレーあるいはスイッチングトランジスタ等の電子回路で構成されたスイッチ群で構成される。109は、制御部101の制御信号により、入力された画像信号に対し、輝度や色調、コントラストなどを調整し、調整した各画像信号を出力する画像調整回路で、画像データを記憶するメモリ、画像データを演算処理するデジタルシグナルプロセサ等の演算回路等により構成される。
【0063】
110は、制御部101の制御信号により、入力された音声信号に対し、音量、音声を調整し、調整した音声信号を出力する音声調整回路で、音声データを記憶するメモリ、画像データを演算処理するデジタルシグナルプロセサ等の演算回路、トランジスタ・抵抗・コンデンサ・コイル等により構成される増幅・減衰回路や共振回路等により構成される。111は、音声調整回路110により入力された音声信号を、音声出力するスピーカである。
【0064】
112は、画像調整部から入力された画像信号と、制御部101から表示部に表示させる表示画像信号とを入力して画像合成等の処理を施し、当該処理を施した画像信号に基づき表示部113を駆動する画像出力部で、例えば、演算処理により画像処理を行なう画像用に特化された演算処理回路である画像ASIC、画像処理・出力用に画像データを記憶するビデオメモリ、画像出力用ビデオメモリに記憶された画像データに基づき表示部を駆動する画像駆動回路等で構成される。113は、画像出力部112により入力された画像信号に基づき画像を表示する表示部で、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、冷陰極フラットパネルディスプレイ等で構成される。
【0065】
114は、装置の使用者が各種操作を行うため操作部で、例えばタッチパネルや、押釦スイッチ、回転操作スイッチ、ジョイスティック等により構成される。115は、各種データや制御プログラムを記憶するメモリ(記憶媒体)で、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、書換え可能なフラッシュメモリ等により構成される。116は、自動車にインストルメントパネル等に設置されたAVN一体機本体から離れた場所、例えば運転席と助手席間のひじ掛け付近や、ステアリングホイールに設置され、使用者による入力操作の操作状態を出力する遠隔操作部で、本例では操作部の回転操作、傾動操作、押圧操作を検出する。尚、このような遠隔操作部は、回転操作量・方向に応じた信号を出力するロータリエンコーダ、感圧センサにより構成され傾動操作方向に応じた信号を出力するジョイスティック等の傾動センサ、押圧操作によりオンオフ状態が変化する押圧スイッチにより構成される。
【0066】
具体的には、例えば図2に示すような構造で、図2(a)は、図1で説明した遠隔操作部116の斜視図である。図示されているように、遠隔操作部116は、や、内側ツマミ201の中心軸方向への移動により確定操作を行う押圧操作、内側ツマミ201の中心軸の垂直方向における8方向への移動により階層移動や階層変更を行う傾動操作や外側ツマミ202の中心軸周りの回転(時計回りを正回転、反時計回りを逆回転とする)により選択操作を行う回転操作が可能である。
【0067】
また、図2(b)は、遠隔操作部116の構造の概略断面図で、図2(c)は、遠隔操作部116における検知部分の概略平面図である。内側ツマミ201は、押圧操作と傾動操作を検出するスイッチユニットの作動軸203に取り付けられる。スイッチユニットには、押圧操作方向に延び、ゴム等の弾性材料で若干弾性移動できるようにスイッチシャーシ(プリント基板に固定)に固定された作動軸203が設けられ、その作動軸203の他端には十字型に広がる作動片204が設けられている。また、作動片204の各端部及び中心部には、その下方に位置するプリント基板に設けられたスイッチ206を押圧する押圧突起が設けられている。また外側ツマミ202は、ロータリエンコーダ等により構成される回転センサ205の回転駆動部に固定される。尚、回転センサ205はその中心部分が空洞である形式のものがプリント基板に取付けられ、スイッチユニット206はプリント基板のその空洞部分に位置する部分に取り付けられる。
【0068】
内側ツマミ201が押圧操作されると、作動軸203が押圧方向に移動することにより、作動片の中心部の下方に位置するスイッチ206が押圧される。スイッチ206が押圧操作を検出すると制御部101に押圧操作信号を出力する。また、内側ツマミ201が傾動操作されると、作動軸が傾くことにより、作動軸の傾きに応じた作動片204の端部の下方に位置するスイッチ206が押圧される。この押圧されたスイッチ206が制御部101に当該該当する方向への傾動操作を示す傾動操作信号を出力する。尚、例えば作動片204の下方に位置するスイッチ206の1つが押圧された場合、制御部101は上下左右方向の傾動操作と判断し、また2つが押圧された場合は、該当の2つのスイッチ206からの傾動操作信号により当該2つのスイッチ206の間の斜め方向と判断する。また、外側ツマミ202が回転操作されると、回転センサ205の回転駆動部が回転され、回転センサ205は回転操作方向と回転操作量に応じた信号を出力する。
【0069】
また、内側・外側の2ツマミ構造ではなく、1ツマミ構造でも実現可能である。図2(d)は、1ツマミ構造の遠隔操作部116の概略断面図である。ツマミ211は、押圧操作と傾動操作を検出するスイッチユニットの作動軸213に取り付けられる。スイッチユニットには、押圧操作方向に延び、ゴム等の弾性材料で若干弾性移動できるようにスイッチシャーシ219(プリント基板に固定)に固定された作動軸213が設けられ、その作動軸213の他端には十字型に広がる作動片214が設けられている。また、作動片214の各端部及び中心部には、その下方に位置するプリント基板に設けられたスイッチ216を押圧する押圧突起が設けられている。作動軸213のツマミ211に挿入される部分217は断面円形となっていると共に、ボール212が作動軸213とツマミ211の溝間に介在した状態(ボール212は作動軸213またはツマミ211の孔内に回転自在に入り込み固定されている)で、ツマミ211の回転に対して作動軸213は追随して回転はしない構造となっている。そして、作動軸213のスイッチシャーシ219に挿入される部分218は断面四角形となっていると共に、スイッチシャーシ219における作動軸213の挿入孔も同形の断面四角形(挿入しろ分大きい)となっている。従って、ツマミ211の回転に対して作動軸213は回転しないが、ツマミ211の押圧操作、傾動操作に対して作動軸213は追随して動くようになっている。
【0070】
また、ツマミ211は、ロータリエンコーダ等により構成され、スイッチシャーシ219上に固定された回転センサ215の回転駆動部に押圧方向(図中上限方向)に移動自在に固定される。尚、回転センサ215はその中心部分が空洞である形式のものがスイッチシャーシ219上に取り付けられ、その信号線はプリント基板の回路パターンに接続される。尚、ツマミ211と回転センサ215の回転駆動部における係合部分は、共に断面四角形状で、ツマミ211の回転操作に追随して回転センサ215の回転駆動部が回転する。また、ツマミ211と回転センサ215の係合部分は、ツマミに押圧方向(図中上限方向)に対する押圧操作移動範囲において係合構造が存在しない構造で、ツマミ211は押圧方向に対して移動可能となっている。尚、図示は省略するがツマミ211の押圧操作移動範囲を規制する係合構造(例えば凹凸構造の組み合わせ)は存在し、ツマミ211と回転センサの係合外れを防止している。
【0071】
このツマミ構造において、ツマミ211が押圧操作されると、作動軸213が押圧方向に移動することにより、作動片の中心部の下方に位置するスイッチ216が押圧される。スイッチ216が押圧操作を検出すると制御部101に押圧操作信号を出力する。また、ツマミ211が傾動操作されると、作動軸が傾くことにより、作動軸の傾きに応じた作動片214の端部の下方に位置するスイッチ216が押圧される。この押圧されたスイッチ216が制御部101に当該該当する方向への傾動操作を示す傾動操作信号を出力する。尚、例えば作動片214の下方に位置するスイッチ216の1つが押圧された場合、制御部111は上下左右方向の傾動操作と判断し、また2つが押圧された場合は、該当の2つのスイッチ216からの傾動操作信号により当該2つのスイッチの間の斜め方向と判断する。また、ツマミ212が回転操作されると、回転センサ215の回転駆動部が回転され、回転センサ215は回転操作方向と回転操作量に応じた信号を出力する。
【0072】
次に本発明の一実施例の車載情報処理における動作説明を行う。
【0073】
制御部101は遠隔操作部116や操作部114の操作に応じてメモリ115に記憶されたプログラムを実行することにより、利用者の操作に応じた車載情報処理装置の処理を実行し、また各種コンテンツをユーザに提供する。
【0074】
また、制御部101は、各種コンテンツ(放送受信部102、ディスク再生部103、HD再生部104、及びナビゲーション部105)からの画像や音声は、制御部101からの指示に基づき指定されたコンテンツを音声調整回路110及び画像調整回路109に分配させる分配回路108を介して、画像であれば画像調整回路109に、音声であれば音声調整回路110にそれぞれ分配される。そして、画像調整回路109では、輝度や色調、コントラストなどが調整され、調整された各画像を画像出力部112にて、表示部113に表示させる。また音声調整回路110では各スピーカ111への分配や音量、音声が調整され、調整された音声が、スピーカ111から出力される。
【0075】
次に、図1で示したAVN一体機における各種動作モードについて説明する。
〔放送受信モード〕
放送受信モードは、放送受信部102によりAM/FM/TV放送等の放送を受信して再生するモードである。放送受信モードにおける選択項目の階層は上位より、例えば、受信バンド(AM/FM/TV)、受信周波数(受信チャンネル)、そしてデジタル放送においては同一放送波に含まれるサービス(例えば、地上デジタルTVでは、同一放送に標準画質で3番組が放送され場合がある)となる。
【0076】
制御部101は、遠隔操作部116や操作部114から放送受信の再生指示信号が入力されると、放送受信部102に起動信号と、直前の放送受信モードにおける受信バンド(AM/FM/TV)、受信周波数のデータを出力する。放送受信部102は、これら信号を入力すると、受信動作を開始すると共に、受信バンドと受信周波数を入力したデータに基づき設定し、受信した放送波の音声信号及び、画像信号を分配回路108に出力する。また、制御部101は、分配回路108に放送受信部102からの入力信号を後段に出力させる制御信号を出力する。分配回路108は、この制御信号を受けて、放送受信部102からの音声信号を音声調整回路110に、画像信号を画像調整回路109に出力する。また、制御部101は遠隔操作部116、操作部114の操作状況や放送波の受信状態等に応じて音声調整回路110、画像調整回路109、画像出力部112に対して各種制御信号を出力する。
【0077】
音声調整回路110に入力された音声信号は制御部101からの音声調整信号に応じて音質、音量等の調整処理を施し電力増幅してスピーカ111に出力する。スピーカ111は入力した音声信号を音声として出力する。また、画像調整回路109に入力された画像信号は、制御部101からの画像調整信号に応じて輝度や色調、コントラストなどが調整され画像出力部112に調整された画像信号が出力される。他方、制御部101は、放送受信部操作用の操作画面、チャンネル番号等の受信情報画像や、多重放送のデータ画像等の画像信号を画像出力部112に出力する。出力画像出力部112は、画像調整回路109から入力された画像信号と、制御部101から入力された画像信号を、制御部101から入力される合成制御信号に応じて画像合成処理し、合成した画像信号を出力する。表示部113は、画像出力部112から入力された画像信号に基づき表示部113に画像を表示する。
【0078】
〔ディスク再生モード〕
ディスク再生モードは、ディスク再生部103により、CD/DVD/BD等の記録媒体ディスクから情報を読み込んで再生するモードである。ディスク再生モード(複数のディスクを選択再生するチェンジャの場合)における選択項目の階層は上位より、例えば、ディスク種別(CD/DVD/BD)、ディスク名(アルバム名、映画タイトル等)、トラック番号(曲名)・チャプタ番号(映像の区切)となる。
【0079】
制御部101は、遠隔操作部116や操作部114からディスクの再生指示信号が入力されると、ディスク再生部103に起動信号と、直前のディスク再生モードにおける再生状態を示す再生中断データを出力する。ディスク再生部103は、これら信号を入力すると、ディスクに記録された情報の読込み動作を開始すると共に、再生中断データに基づきディスクの読出し開始位置等を直前のディスク再生モードにおける再生状態となるように設定して動作を実行し、ディスクから読出したデータをデコードして、その音声信号及び、画像信号を分配回路108に出力する。制御部101は、分配回路108にディスク再生部103からの入力信号を後段に出力させる制御信号を出力する。分配回路108は、この制御信号を受けて、ディスク再生部103からの音声信号を音声調整回路110に、画像信号を画像調整回路109に出力する。またディスク再生部103は、読出したチャプタ名やトラック名、タイトル名等の文字データ等の付加データを制御部101に出力する。また、制御部101は遠隔操作部116、操作部114の操作状況やディスクから読出されたデータの再生状態等に応じて音声調整回路110、画像調整回路109、画像出力部112に対して各種制御信号を出力する。
【0080】
音声調整回路110に入力された音声信号は制御部101からの音声調整信号に応じて音質、音量等の調整処理を施し電力増幅してスピーカ111に出力する。スピーカ111は入力した音声信号を音声として出力する。また、画像調整回路109に入力された画像信号は、制御部101からの画像調整信号に応じて輝度や色調、コントラストなどが調整され画像出力部112に調整された画像信号が出力される。他方、制御部101は、ディスク再生部操作用の操作画面、チャプタ番号、トラック名等の再生情報画像等の画像信号を画像出力部112に出力する。出力画像出力部112は、画像調整回路109から入力された画像信号と、制御部101から入力された画像信号を、制御部101から入力される合成制御信号に応じて画像合成処理し、合成した画像信号を出力する。表示部113は、画像出力部112から入力された画像信号に基づき表示部113に画像を表示する。
【0081】
〔HD再生モード〕
HD再生モードは、HD再生部104により、HDに記録された情報を読み込んで再生するモードである。HD再生部104は、その記録容量が大きいことから、例えば曲に付加情報を付与していろいろな階層構造で曲検索を行なえるようになっている。例えば、アーティスト別に曲を集めてリスト化し選択できるようにしたり、収録されたディスク等の別、所謂アルバム別に曲を集めてリスト化し選択できるようにしたり、音楽ジャンル別に曲を集めてリスト化し選択できるようにしたり、あるいは使用者の好みにより集められた曲をリスト化(所謂、マイベスト等と表現される方式)し選択できるようにしたりする。このような曲選択方式から、HD再生モードにおける選択項目の階層は上位より、例えば、リスト種別(アーティスト/アルバム/ジャンル/マイベスト)、リスト内項目等(アーティスト名/アルバム名/ジャンル名/マイベスト名)、曲名となる。
【0082】
制御部101は、遠隔操作部116や操作部114からHDの再生指示信号が入力されると、HD再生部104に起動信号と、直前のHD再生モードにおける再生状態を示す再生中断データを出力する。HD再生部104は、これら信号を入力すると、HDに記録された情報の読出し動作を開始すると共に、再生中断データに基づきHDの読出し開始位置等を直前のディスク再生モードにおける再生状態となるように設定して動作を実行し、HDから読出したデータをデコードして、その読出した音声信号及び、画像信号を分配回路108に出力する。制御部101は、分配回路108にHD再生部104からの入力信号を後段に出力させる制御信号を出力する。分配回路108は、この制御信号を受けて、HD再生部104からの音声信号を音声調整回路110に、画像信号を画像調整回路109に出力する。また読出したチャプタ名やトラック名、タイトル名等の文字データ等の付加データを制御部101に出力する。また、制御部101は遠隔操作部116、操作部114の操作状況やディスクから読出されたデータの再生状態等に応じて音声調整回路110、画像調整回路109、画像出力部112に対して各種制御信号を出力する。
【0083】
音声調整回路110に入力された音声信号は制御部101からの音声調整信号に応じて音質、音量等の調整処理を施し電力増幅してスピーカ111に出力する。スピーカ111は入力した音声信号を音声として出力する。また、画像調整回路109に入力された画像信号は、制御部101からの画像調整信号に応じて輝度や色調、コントラストなどが調整され画像出力部112に調整された画像信号が出力される。他方、制御部101は、HD再生部操作用の操作画面、チャプタ番号、トラック名等の再生情報画像等の画像信号を画像出力部112に出力する。出力画像出力部112は、画像調整回路109から入力された画像信号と、制御部101から入力された画像信号を、制御部101から入力される合成制御信号に応じて画像合成処理し、合成した画像信号を出力する。表示部113は、画像出力部112から入力された画像信号に基づき表示部113に画像を表示する。
【0084】
〔ナビゲーションモード〕
ナビゲーションモードは、地図・自車位置等の表示やナビゲーションの操作画面表示がなされる等、表示画面に基づきタッチパネル等でナビゲーション操作が行なえるモードである。尚、ナビゲーションモードにおいても、放送受信部102、ディスク再生部103、あるいはHD再生部104による音声の再生は継続される。
【0085】
制御部101は、遠隔操作部116や操作部114からナビゲーションの操作指示信号が入力されると、ナビゲーション部105に起動信号、操作指示信号を出力する。ナビゲーション部105は、起動信号を入力すると、案内動作を開始すると共に、VICS放送受信部102とGPS情報受信部107に起動信号を出力する。他方で、VICS放送受信部102は、ナビゲーション部105からの起動信号を入力すると、VICS受信動作を開始し、受信した交通情報をナビゲーション部105に出力する。また、GPS情報受信部107は、ナビゲーション部105からの起動信号を入力すると、GPS受信動作を開始し、受信した現在位置情報をナビゲーション部105に出力する。また、ナビゲーション部105は、VICS放送受信部102から入力された交通情報と、GPS情報受信部107から入力された現在位置情報、制御部101から入力された操作指示信号に基づき、目的地へのルート検索の処理の実行や、ルートの変更等の処理の実行を行い、ナビゲーションモードに必要な音声信号及び画像信号を分配回路108に出力する。
【0086】
尚、ナビゲーション部105は、自動車のエンジン起動時に起動し、その後エンジン動作中は自車位置算出、VICS放送情報の受信処理等は継続して行なっており、またVICS放送受信部102とGPS情報受信部107も同様にエンジン動作中は、再生モードに関係なく継続して動作している。それにより、ナビゲーション装置に関する操作があった場合には、直ぐに地図上への自車位置表示等の経路案内情報等の提供を行なえるようになっている。そして制御部101は、分配回路108にナビゲーション部105からの入力信号を後段に出力させる制御信号を出力する。分配回路108は、この制御信号を受けて、ナビゲーション部105からの音声信号を音声調整回路110に、画像信号を画像調整回路109に出力する。
【0087】
また、制御部101は遠隔操作部116、操作部114の操作状況や案内状態等に応じて音声調整回路110、画像調整回路109、画像出力部112に対して各種制御信号を出力する。音声調整回路110に入力された音声信号は制御部101からの音声調整信号に応じて音質、音量等の調整処理を施し電力増幅してスピーカ111に出力する。スピーカ111は入力した音声信号を音声として出力する。また、画像調整回路109に入力された画像信号は、制御部101からの画像調整信号に応じて輝度や色調、コントラストなどが調整され画像出力部112に調整された画像信号が出力される。他方、制御部101は、ナビゲーション部操作用の操作画面等の案内情報画像等の画像信号を画像出力部112に出力する。出力画像出力部112は、画像調整回路109から入力された画像信号と、制御部101から入力された画像信号を、制御部101から入力される合成制御信号に応じて画像合成処理し、合成した画像信号を出力する。表示部113は、画像出力部112から入力された画像信号に基づき表示部113に画像を表示する。
【0088】
図3から図11は、制御部101の制御により表示部113に表示される操作画面の概略図である。これら操作画面は、遠隔操作部116や操作部114による利用者の操作に基づき変化する。
【0089】
図3aは、操作画面の概略を表している。操作画面は、操作画面領域301、副画面領域302、動作状態表示領域303に分割されている。副画面領域302には、操作画面を表示する前の画像、例えばナビゲーションの地図画像、地上デジタルTVの映像画像、DVD再生画像、バックカメラ撮影画像等が表示される。動作状態表示領域303には、AVN一体機の動作状態、例えば再生中のソース名や、曲のトラック番号、再生モード、再生時間等が表示される。
【0090】
また、操作に関する表示を行う選択画面領域は上位領域304、中位領域305、下位領域306に分割される。上位領域304には、各種上位階層項目が表示され、選択状態にある上位階層項目が上位選択表示領域307(上位領域304の上下方向中央)に表示される。中位領域305には、中位階層項目が表示され、選択状態にある中位階層項目が中位選択表示領域308(中位領域305の上下方向中央)に表示される。下位領域306には、下位階層項目が表示され、選択状態にある下位階層項目が下位選択表示領域309(下位領域306の上下方向中央)に表示される。また、境目310は下位階層項目におけるリストの終始端を表した境目である。境目310を表示することで、利用者は項目の片端または両端を確認することができる。スクロールバー311は、下位領域306に沿って、表示されるリストの全体に対する位置を示す。下位領域306に表示される項目は、サイクリック表示にしてもよい。サイクリック表示にすることで、利用者は1方向の入力操作で、同じ項目を複数回確認することができる。
【0091】
図3bは、選択操作の概略の操作画面領域301の変形例を表している。上位領域304と下位領域306の各項目の表示領域は、選択状態にある項目から離れていくにつれて徐々に小さくなるように表示してもよい。このように、選択状態にある項目の表示領域が最も大きくすることにより、利用者は現在選択状態にある項目がわかりやすくなる。
【0092】
〔メニュー画面〕
図4は、メニュー画面の概略を表している。尚、メニュー画面は、メニューキー操作時に表示される。操作画面領域301における上位領域304には、メニュー画面のタイトル「メニュー」が表示される。また、下位領域306には選択可能なソース名(「TV放送」、「ディスク」等)が表示される。遠隔操作部116が回転操作されると、下位選択領域の選択状態にある項目が順次移動する。例えば図4の表示状態で、遠隔操作部116が逆回転されると選択状態にある項目が「ディスク」から「HDD」、「TV放送」へと移動していく。また、正回転されると選択状態にある項目が、「ディスク」から「ナビゲーション」、「設定/編集」へと移動していく。このように、回転操作が正回転の場合、選択状態にある項目は順次下に移動し、回転操作が逆回転の場合、選択状態にある項目は順次上に移動する。尚、選択状態にある項目は、その表示形態、例えば、文字の色、背景色、フォント、文字サイズ等がその他に比べて変化させても良い。また、本例ではメニュー画面は、副画面領域302が省略して表示されるが、副画面領域302を無くし操作画面領域301が画面全体を占める表示形態にしても良い。
【0093】
尚、正回転に対応する項目の移動方向については、表示形態(操作画面デザイン等)に応じて使用者における操作回転方向と項目の移動方向の感覚が一致するように定めれば良い。また、以降説明する回転操作についても同様である。
【0094】
また、遠隔操作部116が押圧操作されると、その時点において選択状態にある項目(下位選択領域の選択状態にある項目)の操作画面に以降する。例えば、選択状態にある項目が「HDD」である場合に、遠隔操作部116が押圧操作されると、HDD操作画面へ移行する。
【0095】
尚、遠隔操作部116による操作を説明したが、操作部114を成すタッチパネルによる操作では、タッチした位置に該当する項目が選択されたとして該当する動作が行なわれ、以下に説明する操作におけるタッチパネル操作についても同様の動作となる。
【0096】
〔HDD操作画面〕
図5は、HDD操作画面の概略図である。尚、HDD操作画面は、メニュー画面やダイレクトキー操作時等によるHD再生モード移行時に表示される。操作画面領域301における上位領域304にはHDD操作画面のタイトル「HDD」が表示される。また、下位領域306には選択可能な検索項目(「アルバム」、「アーティスト」等)が表示される。メニュー画面時と同様に、遠隔操作部116が回転操作されると、下位選択領域の選択状態にある項目が順次移動する。例えば図5の表示状態で、遠隔操作部116が逆回転されると選択状態にある項目が「ジャンル」から「マイベスト」、「アルバム」へと移動していく。また、正回転されると選択状態にある項目が、「ジャンル」から「録音日」、「アーティスト」へと移動していく。このように、回転操作が正回転の場合、選択状態にある項目は順次下に移動し、回転操作が逆回転の場合、選択状態にある項目は順次上に移動する。尚、選択状態にある項目は、その表示形態、例えば、文字の色、背景色、フォント、文字サイズ等をその他に比べて変化させても良い。また、再生中の楽曲が終わり、次の楽曲の再生に移った場合には、再生楽曲に移動に伴い下位選択領域の選択状態にある項目は当該新たな再生曲の楽曲情報が表示されることになる。
【0097】
また、選択状態にある項目が「アルバム」である場合に、遠隔操作部116が押圧操作されると、アルバム検索操作画面へ移行する。遠隔操作部116が左方向に傾動操作されると、メニュー画面へ移行する。
【0098】
〔アルバム検索操作画面〕
図6は、アルバム検索操作画面の概略図である。尚、アルバム検索操作画面は、HDD操作画面からの移行時に表示される。操作画面領域301における上位領域304には検索項目が表示され、上位選択表示領域307には選択状態にある「アルバム」が表示される。また、下位領域306には選択可能なアルバム名が表示される。メニュー画面時と同様に、遠隔操作部116が回転操作されると、下位選択領域の選択状態にある項目が順次移動する。例えば図6の表示状態で、遠隔操作部116が逆回転されると選択状態にある項目が「AAA」から「ZZZ」、「YYY」へと移動していく。また、正回転されると選択状態にある項目が、「AAA」から「BBB」、「CCC」へと移動していく。このように、回転操作が正回転の場合、選択状態にある項目は順次下に移動し、回転操作が逆回転の場合、選択状態にある項目は順次上に移動する。尚、選択状態にある項目は、その表示形態、例えば、文字の色、背景色、フォント、文字サイズ等をその他に比べて変化させても良い。
【0099】
また、選択状態にある項目が「AAA」である場合に、遠隔操作部116が押圧操作されると、アルバム「AAA」内から曲を選択する曲検索操作画面へ移行する。遠隔操作部116が上下方向に傾動操作されると、上位選択状態にある項目が移動する。例えば、上方向に傾動操作された場合「アルバム」から「アーティスト」に移動し、下方向に傾動操作された場合「マイベスト」に移動する。また、上位選択状態にある項目が移動すると、それに応じた操作画面、例えば「アーティスト」が上位選択状態になる下位領域306にはアーティスト名が表示される画面に変更される。遠隔操作部116が左方向に傾動操作されると、上位階層の項目の操作画面、つまりHDD操作画面へ移行する。
【0100】
〔曲選択操作画面〕
図7は、曲選択操作画面の概略図である。操作画面領域301における上位領域304には検索項目が表示され、上位選択表示領域307には直前の操作画面で選択状態にある項目、本例の場合「アルバム」が表示される。中位領域305には、直前の操作画面で選択状態にある項目、本例の場合アルバム名「AAA」が中位選択表示領域308に表示される。また、下位領域306には選択可能な曲名が表示される。メニュー画面時と同様に、遠隔操作部116が回転操作されると、下位選択領域の選択状態にある項目が順次移動する。例えば図7の表示状態で、遠隔操作部116が逆回転されると選択状態にある項目が「トラックリスト1」から「トラックリスト10」、「トラックリスト9」へと移動していく。また、正回転されると選択状態にある項目が、「トラックリスト1」から「トラックリスト2」、「トラックリスト3」へと移動していく。このように、回転操作が正回転の場合、選択状態にある項目は順次下に移動し、回転操作が逆回転の場合、選択状態にある項目は順次上に移動する。尚、選択状態にある項目は、その表示形態、例えば、文字の色、背景色、フォント、文字サイズ等をその他に比べて変化させても良い。
【0101】
また、選択状態にある項目例えば「トラックリスト」が所定時間以上継続すると曲名表示拡大画面へ移行する。遠隔操作部116が上下方向に傾動操作されると、上位選択状態にある項目が移動する。例えば、上方向に傾動操作された場合「アルバム」から「アーティスト」に移動し、下方向に傾動操作された場合「マイベスト」に移動する。また、上位選択状態にある項目が移動すると、それに応じた操作画面に変更される。例えば、下方向に傾動操作された場合はマイベスト検索操作画面へ移行する。また、遠隔操作部116が左方向に傾動操作されると、上位階層の項目の操作画面、つまりアルバム選択操作画面へ移行する。
【0102】
尚、説明では上位で「アルバム」を選択している状態について説明したが、「マイベスト」等、他の項目を選択している状態でも同様の操作内容、及び表示状態となる。
【0103】
〔マイベスト検索操作画面〕
図8は、マイベスト検索操作画面の概略図である。操作画面領域301における上位領域304には検索項目が表示され、上位選択表示領域307には直前の操作画面で選択状態にある項目、本例の場合「マイベスト」が表示される。また、下位領域306には選択可能なマイベスト名が表示される。メニュー画面時と同様に、遠隔操作部116が回転操作されると、下位選択領域の選択状態にある項目が順次移動する。例えば図8の表示状態で、遠隔操作部116が逆回転されると選択状態にある項目が「AAA」から「ZZZ」、「YYY」へと移動していく。また、正回転されると選択状態にある項目が、「AAA」から「BBB」、「CCC」へと移動していく。このように、回転操作が正回転の場合、選択状態にある項目は順次下に移動し、回転操作が逆回転の場合、選択状態にある項目は順次上に移動する。尚、選択状態にある項目は、その表示形態、例えば、文字の色、背景色、フォント、文字サイズ等をその他に比べて変化させても良い。
【0104】
また、選択状態にある項目が「マイベスト1」である場合に、遠隔操作部116が押圧操作されると、曲検索操作画面へ移行する。遠隔操作部116が上下方向に傾動操作されると、上位選択状態にある項目が移動する。例えば、上方向に傾動操作された場合「マイベスト」から「アルバム」に移動し、下方向に傾動操作された場合「ジャンル」に移動する。また、上位選択状態にある項目が移動すると、それに応じた操作画面に変更される。例えば、下方向に傾動操作された場合はジャンル検索操作画面へ移行する。遠隔操作部116が左方向に傾動操作されると、上位階層の項目の操作画面、つまりHDD操作画面へ移行する。
【0105】
〔曲名表示拡大画面〕
図9は、曲名表示拡大画面の概略図である。操作画面領域301における上位領域304には検索項目が表示され、上位選択表示領域307には選択状態にある項目、本例の場合「アルバム」が表示される。中位領域305には、選択状態にある項目、本例の場合アルバム名「AAA」が中位選択表示領域308に表示される。また、下位領域306には選択可能な曲名が表示される。下位選択表示領域は、曲選択操作画面時の下位選択表示領域よりも羅列方向(図面上下方向)に領域が大きく表示される。下位選択領域には選択状態にある曲の詳細な情報、例えば「アーティスト名」や「録音日」等が表示される。尚、選択状態にある項目は、その表示形態、例えば、文字の色、背景色、フォント、文字サイズ等をその他に比べて変化させても良い。
【0106】
また、遠隔操作部116が回転操作、傾動操作されると、直前の操作画面へ移行し、当該操作に該当する動作(表示形態の変化)が行なわれる。
【0107】
尚、説明では上位で「アルバム」を選択している状態について説明したが、「マイベスト」等、他の項目を選択している状態でも同様の表示状態となる。
【0108】
このように、階層下位選択表示領域を拡大して表示することで、利用者は選択している項目に対する視認性が向上する。また、表示する項目数を減らすことで、下位選択表示領域の拡大領域を更に大きくすることが可能になる。また、下位選択表示領域は、詳細情報の情報量や項目数に応じて設定することにより項目に応じた必要な領域を確保することも可能である。詳細情報は階層に応じて表示非表示を選択してもよい。
【0109】
〔ナビゲーション操作画面〕
次にナビゲーションの操作画面について説明する。図10は、ナビゲーション操作画面の概略図である。操作画面領域301における上位領域304にはナビゲーション操作画面のタイトル「ナビゲーション」が表示される。また、下位領域306には選択可能な機能項目(「地点登録」、「目的地」等)が表示される。メニュー画面時と同様に、遠隔操作部116が回転操作されると、下位選択領域の選択状態にある項目が順次移動する。例えば図10の表示状態で、遠隔操作部116が逆回転されると選択状態にある項目が「ルート」から「案内中止」、「地点登録」へと移動していく。また、正回転されると選択状態にある項目が、「ルート」から「施設表」、「目的地」へと移動していく。このように、回転操作が正回転の場合、選択状態にある項目は順次下に移動し、回転操作が逆回転の場合、選択状態にある項目は順次上に移動する。尚、選択状態にある項目は、その表示形態、例えば、文字の色、背景色、フォント、文字サイズ等をその他に比べて変化させても良い。
【0110】
また、選択状態にある項目、例えば「ルート」が所定時間以上継続すると機能表示拡大画面へ移行する。遠隔操作部116が左方向に傾動操作されると、上位階層の項目の操作画面、つまりメニュー画面へ移行する。
【0111】
〔機能表示拡大画面〕
図11は、ナビゲーション操作画面における機能表示拡大画面例の概略図である。操作画面領域301における上位領域304にはタイトルが表示され、上位選択表示領域307には選択状態にある「ナビゲーション」が表示される。下位領域306には選択可能な機能項目が表示される。下位選択表示領域は、通常の操作画面時の下位選択表示領域よりも羅列方向(図面、上下方向)に領域が大きく、文字サイズも大きく表示される。尚、選択状態にある項目は、その表示形態、例えば、文字の色、背景色、フォント、文字サイズ等をその他に比べて変化させても良い。
【0112】
また、遠隔操作部116が回転操作、傾動操作されると、直前の操作画面へ移行、当該操作に該当する動作(表示形態の変化)が行なわれる。階層下位選択表示領域を拡大して表示することで、利用者は選択している項目に対する視認性が向上する。また、表示する項目数を減らすことで、下位選択表示領域の拡大領域を更に大きくすることが可能になる。また、下位選択表示領域は、詳細情報の情報量や項目数に応じて設定することにより項目に応じた必要な領域を確保することも可能である。
【0113】
このように、HDDの操作画面とナビゲーションの操作画面の一部について説明をしたが、その他の操作画面でも同様に、当該動作状況や操作状況に応じた上位領域304、中位領域305、下位領域306の表示、項目選択動作が行なわれる。
【0114】
表示部113に表示される画面の表示制御について説明をする。図3に示したような各操作画面のフォーム画面(文字を除いた背景画像部分)は、各々メモリ115に記憶されている。制御部101は、動作モード、動作状態に応じて、対応するフォーム画面をメモリ115から読み出し、表示処理用メモリに記憶する。また、制御部101は、動作モード、動作状態、また遠隔操作部116や操作部114の操作に応じて、放送受信部102、ディスク再生部103等から得た各種データ、例えばソース名、アルバム名、曲名、放送局名(周波数)等から表示すべきデータを選択し、また表示すべき位置を算出し、表示処理用メモリに記憶する。そして、表示処理用メモリに記憶されたフォーム画面に、表示処理用メモリに記憶された表示すべきデータを表示すべき位置に描画する画像処理を行なって表示画像データを生成し、画像出力部112に出力する。
【0115】
これにより、画像出力部112が制御部101からの操作画像を描く駆動信号が表示部113に出力され、所望の操作画面が形成される。尚、この画像処理が繰り返されることにより、例えば下位領域306の表示項目が移動すると言った動きのある動画表示が実現される。
【0116】
利用者の操作に基づき、下位選択表示領域の拡大する拡大表示処理を図12に示したフローチャートを用いて説明する。この処理は、制御部101によって選択画面表示時に繰り返し実行される。
【0117】
ステップS1では、遠隔操作部116に対する操作の有無を判断する。そして、操作がない場合は、ステップS2に移る。また、操作がある場合は、ステップS4に移る。ステップS2では、遠隔操作部116による操作が無い時間が所定時間以上継続しているかを判断する。直近の遠隔操作部116の操作が行われてからの経過時間を操作が無い時間として計測し、所定時間(例えば0.5秒)と比較し、操作が無い時間が所定時間以上である場合は、操作無しの時間が所定時間以上継続していると判断しステップS3に移る。また、所定時間未満である場合は操作無しの時間が所定時間以上継続していないと判断し処理を終了する。ステップS3では、表示部113に下位選択表示領域が拡大された画面を表示し、処理を終える。例えば、曲選択操作画面に対しては下位選択表示領域である曲名表示部分を拡大表示する。尚、拡大された画面を表示している場合は、当該拡大表示画面の表示を継続する。
ステップS4では、遠隔操作部116の回転操作の有無を判断する。回転操作である場合は、ステップS5に移る。回転操作で無い場合は、ステップS6に移る。ステップS5では、下位選択表示項目の表示領域を通常の大きさにする、つまり拡大表示を解除し、ステップS6に移る。尚、通常表示状態(下位選択表示領域を拡大表示していない状態)であれば、その表示状態を維持する。ステップS6では、遠隔操作部116の回転操作方向に合わせて下位選択表示項目を移動させ、処理を終える。
ステップS7では、遠隔操作部116の傾動操作の有無を判断する。傾動操作である場合はステップS8に移る。また、傾動操作でない場合は、ステップS12に移る。ステップS8では、遠隔操作部116の上下方向傾動操作の有無を判断する。上下方向の傾動操作である場合、ステップS9に移る。また、上下操作でない場合、ステップS10に移る。ステップS9では、遠隔操作部116の傾動操作の上下方向に合わせて上位選択表示項目を移動させる。また、選択された上位選択表示項目に応じた選択画面(下位階層の表示内容)の切り替えが実行される。ステップS10では、遠隔操作部116の傾動操作が、左方向傾動操作であるか否か判断する。左方向の傾動操作である場合は、ステップS11に移る。左方向の傾動操作でない場合は処理を終了する。ステップS11では、下位領域306にその上位階層に表示されていた階層を移動し、処理を終了する。つまり、回転操作の選択操作の対象を上位階層とする。また、階層の移動に伴う画面の切換え(上位・下位領域306の表示内容の変更等)も実行する。この処理により上位階層への階層移動が行われることとなる。
ステップS12では、遠隔操作部116の操作が押圧操作かを判断する。押圧操作である場合はステップS13に移る。また押圧操作で無い場合は処理を終了する。ステップS13では、下位選択表示領域の項目の確定処理(下位選択表示領域の項目が選択されたと決定し、再生曲変更等の処理に用いる)を行い、処理を終了する。
このような処理により、所定時間以上操作が無い場合、下位選択表示領域を拡大し、回転操作、傾動操作等の操作がある場合は、当該操作に合わせた処理を行うことができる。
【0118】
再生曲選択時において、選択された音楽の再生処理を図13に示したフローチャートを用いて説明する。図13は曲選択操作画面において、押圧操作(確定操作)されたとき選択状態にある曲を再生する押圧操作音楽再生処理を示すものである。この押圧操作音楽再生処理は、選択画面において遠隔操作部116が回転操作または押圧操作により選択操作されると制御部101により実行される。
【0119】
ステップP11では、その選択操作が押圧操作であるかを判断する。押圧操作である場合ステップP12に移る。また、押圧操作でない場合はステップP13に移る。ステップP12では、再生曲を変更する処理で、回転カウンタの値を曲再生カウンタに上書き記録し、処理を終了する。回転カウンタは、回転操作の方向に応じてカウントアップ、ダウンされるカウンタで、当該カウンタ値が選択状態にある曲を示す値となる。また、曲再生カウンタは、選択できるリストのうち再生中の音楽が何曲目であるかを記憶するカウンタで、曲再生カウンタの値に該当するリスト収録順の曲が再生処理される(HD再生部104に当該曲を再生する指示信号を出力する)。このような処理により、再生中の音楽を選択状態にある音楽に切替える。ステップP13では、回転操作の操作方向を判断する。逆回転である場合、ステップP14に移る。また正回転である場合、ステップP16に移る。
【0120】
ステップP14では、回転カウンタ値を1減算し、ステップP15に移る。ステップP15では、表示カウンタを1減算し、処理を終了する。表示カウンタは、選択画面における選択表示領域に表示する曲を指定するためのカウンタで、この表示カウンタ値に該当する曲名が選択表示領域に表示される。また、選択対象の全曲の内、リストの何曲目であるかを表示するのに用いる値でもある。ステップP16では、回転カウンタ値を1加算し、ステップP17に移る。ステップP17では、表示カウンタを1加算し、処理を終了する。尚、回転カウンタおよび表示カウンタは下限値からの減算の場合は上限値を上書き記録し、上限値からの加算の場合は下限値を上書き記録する。つまり、選択曲のリストの始端以上に回転した場合は終端の音楽を再生し終端以上に回転した場合は始端の音楽を再生するような動作となる。このような処理により、回転操作の操作方向に応じて表示を更新する。また、再生中の音楽からの距離を記憶することで、選択状態にある音楽を再生する。
【0121】
尚、フローチャートは省略するが、再生中の楽曲が終わり、次の楽曲の再生に移った場合(曲再生カウンタを値が変更される)等、操作によらず再生楽曲が移動した場合には、当該再生楽曲に移動をトリガとする、「曲再生カウンタの値を表示カウンタに書き込む」処理を行い、曲情報表示を再生中の楽曲に対応するものとする。この割込処理によりには、再生楽曲に移動に伴い下位選択領域の選択状態にある項目は当該新たな再生曲の楽曲情報が表示されることになる。
【0122】
図14a、図14b、図14cは、曲選択操作画面において、確定操作無しに選択状態にある音楽を再生し、さらに回転操作が高速に連続してされた場合は音楽の再生を飛ばして再生する動作を実現する曲選択操作処理を示すフローチャートである。この選択再生処理は、曲選択操作画面が表示されている状態で所定割込み条件により制御部101により実行される。尚、これらの処理では、再生曲と選択状態にある曲は一致するため、曲再生カウンタと表示カウンタは兼用している。
【0123】
図14aの回転操作割込み処理は、選択操作画面表示状態において、回転操作されたとき処理を開始する。ステップP21では、回転操作の回転方向を判断する。回転方向が逆回転である場合ステップP22に移る。また、回転方向が正回転である場合ステップP24に移る。ステップP22では、回転カウンタ値を−1とし、ステップP23に移る。ステップP23では、パルスカウンタ値を1減算し、回転操作割込み処理を終了する。パルスカウンタとは、回転操作が高速で操作された回数をカウントし、高速操作の判断、曲飛ばし数を決定するために用いられるカウンタである。ステップP24では、回転カウンタ値を+1とし、ステップP25に移る。ステップP25では、パルスカウンタ値を1加算し、回転操作割込み処理を終了する。
【0124】
図14bのタイマ割込み処理は、選択操作画面表示時において、所定時間間隔毎に実行される。尚、所定時間は、高速操作と判断される閾値時間で割込みが発生するように設定した値である。ステップP26では、所定時間計測用のタイマをリセットしステップP27に移る。このタイミングを起点として所定時間後に次のタイマ割込み処理が行なわれることになる。ステップP27では、回転カウンタ値を曲再生カウンタに加算した値を曲再生カウンタに上書き記録し、ステップP28に移る。つまり、高速でない回転操作が行なわれた場合、次曲、あるいは前曲に再生曲が移動することになる。ステップP28では、回転カウンタをリセットし、ステップP29に移る。ステップP29では、パルスカウンタをリセットしタイマ割込み処理を終了する。つまり、所定時間内に、パルスカウンタ値が高速操作を現すカウント値に達しなければリセットされ、高速操作に基づく再生曲の移動は行なわれない。
【0125】
図14cのパルスカウンタ割込み処理は、高速回転操作があった場合に、再生曲を所定数飛ばして再生する処理で、パルスカウント値が所定数になれば処理が開始される。ステップP30では、パルスカウンタ値を曲再生カウンタ値に加算した値を曲再生カウンタに上書き記録し、ステップP31に移る。ステップP31では、パルスカウンタをリセットしパルスカウンタ割込み処理を終了する。
【0126】
〔「戻る」操作〕
操作において階層構造をとった場合、特に深い階層構造では、使用者が操作前の状態に戻したいと考えることが多くなる。本例は、簡単に操作前の動作状態に戻すことができるもので、「戻る」ボタンの操作により、操作前の動作状態に戻るようにしたものである。
【0127】
具体的には、「戻る」ボタンの操作時に、操作前における所定時間以上継続した最新の動作状態に戻るものである。
この動作を実現する処理について、図15に示したフローチャートを用いて説明する。図15aは「戻る」ボタン操作時処理を示し、図15bは動作状態記録処理を示す。そして、「戻る」ボタン操作時処理は「戻る」ボタンが操作されたときに、また動作状態記録処理は動作状態が所定時間以上継続したとき(動作確定状態が所定時間継続したとき)に、制御部101により実行される。
【0128】
動作確定状態が所定時間継続したとき、動作状態記録処理を開始し、ステップR1に移る。ステップR1では、その時点における動作状態をメモリに一時記憶し、ステップR2に移る。ステップR2では、前回の一時記憶した動作状態を「戻り」操作の行き先としてメモリの前回動作状態記録部に上書き記録し、処理を終える。このような処理により、前回動作状態記録部には、操作前における所定時間以上継続した最新の動作状態が、常に記録されることになる。
【0129】
また、「戻り」操作がなされたとき、「戻る」ボタン操作時処理を開始し、ステップR3に移る。ステップR3では、前回動作状態記録部に記録された動作状態を読み出し、装置の動作状態をその状態として、ステップR4に移る。ステップR4では、前回の一時記憶した動作状態を「戻り」操作の行き先としてメモリの前回動作状態記録部に上書き記録し、処理を終える。このような処理により、「戻る」ボタンの操作時に操作前における所定時間以上継続した最新の動作状態に戻り、また前回動作状態記録部には、「戻る」操作前における所定時間以上継続した最新の動作状態が、常に記録されることになる。
【0130】
図16は、履歴順曲選択操作画面の概略図である。操作画面領域301における上位領域304には検索項目が表示され、上位選択表示領域307には直前の操作画面で選択状態にある項目、本例の場合「再生履歴」が表示される。中位領域305は、本例の場合無表示となる。また、下位領域306には過去に再生した曲の曲名が再生時期順(図面上ほど、最近再生された曲)に所定曲数、例えば7曲表示される。尚、画面の大きさの関係で同時に表示される曲数は7曲であるが、表示候補は例えば50曲程度の所定曲数で、以下に述べる操作により、表示される曲名は変化する。
【0131】
曲名メニュー画面時と同様に、遠隔操作部116が回転操作されると、下位選択領域の選択状態にある項目が順次移動する。例えば図16の表示状態で、遠隔操作部116が逆回転されると選択状態にある項目が「トラック1」から「トラック10」、「トラック9」へと移動していく。また、正回転されると選択状態にある項目が、「トラック1」から「トラック2」、「トラック3」へと移動していく。このように、回転操作が正回転の場合、選択状態にある項目は順次下に移動し(最近再生した曲側)、回転操作が逆回転の場合、選択状態にある項目は順次上に移動する(古く再生した曲側)。尚、選択状態にある項目は、その表示形態、例えば、文字の色、背景色、フォント、文字サイズ等をその他に比べて変化させても良い。
【0132】
また、選択状態にある項目(曲名)例えば「AAA」が所定時間以上継続すると曲名表示拡大画面へ移行する。遠隔操作部116が上下方向に傾動操作されると、上位選択状態にある項目が移動し、その移動に応じた操作画面に変更される。
【0133】
また、この履歴順曲選択操作画面で、タッチパネル等の前曲再生/次曲再生操作ボタンを操作すると、現再生曲を基準として履歴順に前曲あるいは次曲に移行して当該楽曲を再生する。尚、履歴順曲選択操作画面で無くても、HD再生あるいはディスク再生時にはこのような履歴順曲選択を行なうようにしても良い。
【0134】
尚、このような動作は、再生曲の履歴をメモリに記憶しておき、前曲再生/次曲再生操作があった場合に、記憶された再生曲履歴を参照して対応する楽曲を検索して再生することにより実現できる。また、履歴として残す再生曲を、所定時間(例えば1分間)以上再生したものとすることにより、使用者の意図しない楽曲の再生分については履歴から除外することが出来る。
【0135】
〔選択項目の位置関係表示〕
使用者は、選択された項目のリスト全体における位置関係を知りたい場合がある。そこで、本実施例では、選択された項目のリスト全体における位置関係を示す表示を行なう。具体的には、次のような図17に示す形態を取る。
【0136】
<バー表示>
下位領域306における項目の並び方向の左端部に沿って帯部501を表示する。そしてこの帯部501の上端を1番目の項目の位置、下端を最後の項目の位置となるように、各項目の順番に応じた位置を設定し、帯部501における選択された項目の順番に該当する位置に位置マーク502を表示する。
尚、このような表示は、帯部を全項目数で分割し、各項目についてその順番でその分割位置を割り当てることにより位置決めをしてメモリに記憶する。そして、選択された項目に対応する位置をメモリから読み出し、その位置に位置マーク502を表示することにより実現できる。
【0137】
<数値表示>
全項目数と、選択された項目の順番の数を表示する(503)。これは、全項目数および各項目の順番をメモリに記憶しておき、選択された項目の順番と全項目数をメモリから読み出し表示することにより実現できる。尚、このような表示は数字表示に限らず、図形を用いた表示(504)、例えば図形の数を変える、大きさを変える、複数の図形における異色着色割合を変える等の表示形態も可能である。
【0138】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0139】
例えば、上記実施の形態ではインストルメントパネルに遠隔操作部116が設けられると説明したが、遠隔操作部116は、ユーザが操作しやすい任意の位置に配置してよい。例えば、図18に示すように、ステアリングホイール505に設けることが可能である。この図の例では、回転操作、押圧操作及び傾動操作のすべてが可能な一つの遠隔操作部116と、各種モードを切り替えるメニューキーやダイレクトキー等の切換えボタン506との双方が、ステアリングホイール505の左側に設けられている。なお、遠隔操作部116をステアリングホイール505の左側、切換えボタン506を右側に配置するなどしてもよい。
【0140】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCP1Uの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【0141】
次に画面を主領域507と副領域508に分け、各領域に表示する画面の優先表示形態について説明する。
[映像優先表示]
TV放送や、DVD等に記録された映画等の映像は、映像を楽しむものであるため高品位の画質が求められる。このため本実施例では、図19に示すようにTV放送等の所定の映像については、当該映像に適した表示領域を設定し、その表示領域に合致するように映像を拡縮処理して当該領域にこの画像を表示する。そして、残りの領域に操作画面等の表示を行なう。尚、当該映像に適した表示領域は、映像本来の縦横比を維持した状態で最大画像となる大きさの領域、あるいは画素数が画質維持に適切となる大きさの領域(映像拡縮処理による歪が発生しない、映像本来のドット数の整数倍、あるいは1/整数倍のドット数となる大きさの領域)等が考えられる。
【0142】
また、操作時には、操作視認性を上げるために、操作開始を検出してから操作完了後所定時間経過時まで、操作画面を大きくして、TV放送等の映像画面を小さくする方法もある。操作状態では、映像の品質はあまり要求されないので、映像品質劣化の悪影響を抑えつつ、操作性を向上できる。
【0143】
尚、このような表示は、装置の動作状態(再生ソース選択状態等)、操作状態に応じた画面領域の設定状態を記憶しておき、装置の動作状態に応じて記憶している画面領域の設定状態を読み出し画面領域を設定すると共に、画面領域の設定状態に応じた表示画像の拡縮、生成処理を行なうことにより実現できる。
[領域優先表示]
さらに、別の表示形態について説明する。画面領域は主領域507と副領域508に分ける(3領域以上でも良い)。また、装置の動作状態や操作状態に応じて画像種別の表示優先順位を設定し、メモリに記憶しておく。そして、装置の動作状態や操作状態に応じて、表示すべき画像を生成し、またそれら生成した画像の種別に基づきメモリに記憶された設定優先順位に応じて優先順位を付与する。その優先順位が高い順に、画面の主領域507、副領域508に表示し、優先順位が表示領域数より低いものは非表示とする。このような処理により、図20に示すように装置の動作状態や操作状態に応じた上位優先順位の画像が主領域507と副領域508に表示され、その後、装置の動作状態や操作状態が変化すれば、表示すべき画像とその優先順位が変化し、それに応じて画面の主領域507、副領域508に表示される画像が変化する。
【0144】
尚、このような表示は、装置の動作状態(再生ソース選択状態等)、操作状態に応じた画面領域の設定状態を記憶しておき、装置の動作状態に応じて記憶している画面領域の設定状態を読み出して画面領域を設定すると共に、各画像の優先順位を各画像の画像種別に基づき設定し、そして画面領域の設定状態と優先順位に基づき各画像の表示領域を決定し、該当する表示領域に応じて表示画像の拡縮、生成処理を行ない該当領域に表示することにより実現できる。
【0145】
以上、音楽再生時における曲再生選択操作を例に実施例を説明したが、これは本発明の技術的思想を用いて具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的思想は映像機器やナビゲーション装置等の各種電子装置、特に多機能で選択操作が複雑な装置における、いろいろな形態の操作に適用できる。
【0146】
[領域優先表示]
さらに、別の表示形態について説明する。画面領域は主領域507と副領域508に分ける(3領域以上でも良い)。また、装置の動作状態や操作状態に応じて画像種別の表示優先順位を設定し、メモリに記憶しておく。そして、装置の動作状態や操作状態に応じて、表示すべき画像を生成し、またそれら生成した画像の種別に基づきメモリに記憶された設定優先順位に応じて優先順位を付与する。その優先順位が高い順に、画面の主領域507、副領域508に表示し、優先順位が表示領域数より低いものは非表示とする。このような処理により、図20に示すように装置の動作状態や操作状態に応じた上位優先順位の画像が主領域507と副領域508に表示され、その後、装置の動作状態や操作状態が変化すれば、表示すべき画像とその優先順位が変化し、それに応じて画面の主領域507、副領域508に表示される画像が変化する。
【0147】
尚、このような表示は、装置の動作状態(再生ソース選択状態等)、操作状態に応じた画面領域の設定状態を記憶しておき、装置の動作状態に応じて記憶している画面領域の設定状態を読み出して画面領域を設定すると共に、各画像の優先順位を各画像の画像種別に基づき設定し、そして画面領域の設定状態と優先順位に基づき各画像の表示領域を決定し、該当する表示領域に応じて表示画像の拡縮、生成処理を行ない該当領域に表示することにより実現できる。
【0148】
以上、音楽再生時における曲再生選択操作を例に実施例を説明したが、これは本発明の技術的思想を用いて具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的思想は映像機器やナビゲーション装置等の各種電子装置、特に多機能で選択操作が複雑な装置における、いろいろな形態の操作に適用できる。
【符号の説明】
【0149】
101 制御部
112 画像出力部
113 表示部
116 遠隔操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リスト状に表示された複数の項目の中から、選択操作部により項目が選択される項目選択装置において、
選択操作部の操作状態を検出する操作検出部と、
前記操作検出部により操作停止状態が検出されると、選択状態にある項目に対する選択表示領域を、当該選択表示領域における複数の表示領域の羅列方向が長くなるように表示する表示領域拡大部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記選択操作部は、回転操作によって項目が選択される回転操作部であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記操作検出部は、選択操作部における選択操作の無検出時間により停止状態を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記操作検出部により操作停止状態が検出されると、選択状態にある項目に対する詳細情報を選択表示領域に表示する詳細情報表示部を有することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示領域拡大部は、前記詳細情報表示部により表示される詳細情報の情報量に応じて選択表示領域を拡大することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示領域拡大部は、前記詳細情報表示部により表示される詳細情報の項目数に応じて選択表示領域を拡大することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示領域拡大部は、前記詳細情報表示部により表示する項目の階層に応じて、領域拡大の実施・非実施を選択することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
選択表示領域に表示される文字サイズが当該選択表示領域の大きさに応じて可変する文字サイズ可変部を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
表示される各項目の表示領域を、選択状態にある項目から離れていくにつれて徐々に小さくなるように表示することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
選択状態にある項目のリスト全体に対する位置関係を表示する位置表示部を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
選択操作部の選択操作によって第1項目から第n項目まで順番に表示され、順方向選択操作時には第n項目に続いて第1項目が表示され、逆方向選択操作時には、第1項目に続いて第1項目が表示されるサイクリック表示であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
第1項目と第n項目の間に境目を表示する境目表示部とを有することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
選択状態にある項目を選択確定状態にする選択確定部と、
被制御機器を、前記選択確定部により選択確定された項目に対応する動作状態にする動作制御部と、
前記確定状態制御部によりなされた確定状態を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された最新の選択確定前の確定状態を読み出し、前記被制御機器を当該読み出した確定状態に復帰させる復帰制御部と、
前記復帰制御部を起動する指示を行うための復帰操作部を有することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項14】
リスト状に表示された複数の楽曲情報の中から、選択操作部により楽曲情報が選択される項目選択装置において、
選択操作部の操作状態を検出する操作検出部と、
前記操作検出部により操作停止状態が検出されると、選択状態にある楽曲情報に対する選択表示領域を、当該選択表示領域における複数の表示領域の羅列方向が長くなるように表示する表示領域拡大部を有することを特徴とするオーディオ装置。
【請求項15】
選択状態にある楽曲情報を選択確定状態とする確定操作を検知する確定操作検知部と、
前記確定操作検知部により選択確定状態にある楽曲情報に対応する楽曲を再生する確定楽曲再生部を有することを特徴とする請求項14に記載のオーディオ装置。
【請求項16】
選択状態にある楽曲情報に対応する楽曲を再生する選択楽曲再生部を有することを特徴とする請求項14に記載のオーディオ装置。
【請求項17】
回転操作部の回転速度を検知する回転速度検知部を有し、
前記選択楽曲再生部は、前記回転速度検知部により回転速度が所定値よりも高速であると検知された場合、選択状態にある楽曲情報に対応する楽曲再生を所定数毎にとばして再生することを特徴とする請求項14に記載のオーディオ装置。
【請求項18】
再生している楽曲の変更を検知する楽曲変更検知部と、
前記楽曲変更検知部により再生している楽曲の変更が検知された場合、再生している楽曲に対応する楽曲情報を選択状態の楽曲の表示状態で表示することを特徴とする請求項14から請求項17のいずれかに記載のオーディオ装置。
【請求項19】
楽曲の再生履歴を記憶する再生履歴記録部と、
前記再生履歴記録部に記憶された再生履歴に基づき、指定された履歴上の再生位置に従って楽曲を再生する履歴順再生部を有することを特徴とする請求項14から請求項18のいずれかに記載のオーディオ装置。
【請求項20】
上位階層の項目である上位階層項目を表示する上位階層表示部と、
前記上位階層表示部により表示された上位階層項目の下位階層に該当する複数の下位階層項目を、前記リスト状に表示された複数の項目として表示する下位階層表示部と、
前記上位階層表示部により表示された上位階層項目を変更する操作を検知する上位階層変更検知部を有し、
前記上位階層変更部が上位階層項目の変更を検知すると、前記上位階層表示部は、変更された上位階層項目を表示し、前記下位階層表示部は、変更された上位階層項目に該当する下位階層項目が表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記上位階層変更検知部は、前記回転操作部のスライド操作を検知することを特徴とする請求項20に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記上位階層変更検知部が、検知するスライド操作方向と垂直方向の前記回転操作部のスライド操作を検知する階層移動操作検知部と、
前記階層移動操作検知部によりスライド操作が検知されると、
前記リスト状に表示する項目の階層をスライド操作方向に応じて移動する階層移動部を有することを特徴とする請求項21に記載の情報処理装置。
【請求項23】
リスト状に表示された複数の項目の中から、選択操作部により項目を選択する項目選択方法において、
選択操作部の操作状態を検出する操作検出ステップと、
前記操作検出部により操作停止状態が検出されると、選択状態にある項目に対する選択表示領域を、当該選択表示領域における複数の表示領域の羅列方向が長くなるように表示する表示領域拡大ステップを有することを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−113483(P2011−113483A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271713(P2009−271713)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】