説明

情報処理装置、システム及び方法

【課題】状況に適したアプリケーションを自動起動することで、映像再生装置の最適な操作環境を実現できる情報処理装置を提供することにある。
【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、視聴情報取得モジュールと、アプリケーション設定モジュールと、起動命令送出モジュールとを具備する。視聴情報取得モジュールは、映像再生装置の視聴状態を示す視聴情報を取得する。アプリケーション設定モジュールは、前記映像再生装置の操作に関する指定の情報処理を実行するアプリケーションを前記視聴情報に基づいて設定する。起動命令送出モジュールは、前記アプリケーション設定モジュールにより設定されたアプリケーションを起動するための起動命令を送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、映像再生装置の操作に関係する情報処理装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン受像機(以下、テレビ装置またはテレビと表記する)を代表とする映像再生装置では、赤外線通信などを利用したリモートコントロール(以下、単にリモコンと表記する)を使用して、電源のオン・オフやチャネルの切替えなどの操作を行なう方式が一般的である。
【0003】
近年、モバイル端末(携帯情報端末)からテレビを操作するアプリケーションが提供されている。アプリケーションは、モバイル端末上で機能するプログラムであり、例えばネットワークを介して提供される。
【0004】
ユーザは、アプリケーションがインストールされたモバイル端末から、無線LANやホームネットワークなどを介してテレビを操作することができる。この場合、テレビの操作には、モバイル端末の表示画面に、テレビの番組などの情報を表示する操作も含まれる。
【0005】
また、アプリケーション以外にも、テレビからリモコンに対して番組などの情報を提供するリモコンシステムも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−147550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アプリケーションの活用によりテレビの操作性を向上できると共に、多様なアプリケーションの機能により、テレビの操作性の幅を拡げることが可能となる。しかし一方で、様々な状況でどの機能のアプリケーションを使用すべきかについては、ユーザ(テレビの視聴者)自身が判断する必要がある。ユーザには、状況に応じた最適なアプリケーションの機能を選択することは必ずしも容易ではなく、結果として有効に活用しにくい課題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、状況に適したアプリケーションを自動起動することで、映像再生装置の最適な操作環境を実現できる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、情報処理装置は、視聴情報取得手段と、アプリケーション設定手段と、送出手段とを具備する。視聴情報取得手段は、映像再生装置の視聴状態を示す視聴情報を取得する。アプリケーション設定手段は、前記映像再生装置の操作に関する指定の情報処理を実行するアプリケーションを前記視聴情報に基づいて設定する。送出手段は、前記アプリケーション設定手段により設定されたアプリケーションを起動するための起動命令を送出する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に関するシステムの構成を説明するためのブロック図。
【図2】第1の実施形態に関するコントローラの要部を説明するためのブロック図。
【図3】第1の実施形態に関するコントローラの動作を説明するためのブロック図。
【図4】第1の実施形態に関するコントローラの動作を説明するためのフローチャート。
【図5】第1の実施形態に関する応用例を示すブロック図。
【図6】第1の実施形態に関する応用例を示すブロック図。
【図7】第1の実施形態に関するモバイル端末の動作を説明するためのフローチャート。
【図8】第1の実施形態に関するアプリケーションの機能を説明するための図。
【図9】第2の実施形態に関するアプリケーションの機能を説明するための図。
【図10】第1及び2の実施形態に関するアプリケーションの起動条件を説明するための図。
【図11】第1の実施形態の変形例を説明するための図。
【図12】第2の実施形態に関するコントローラの動作を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照して、実施形態を説明する。
【0012】
[システムの構成]
図1に示すように、実施形態のシステムは、テレビジョン受像機(以下、TV装置と表記する)10に内蔵されるコントローラ100と、リモコン11と、モバイル端末20と、ネットワーク30とからなる。ここでは、TV装置10はデジタルテレビである。但し、TV装置10は、有線放送用テレビや、映像再生(音声再生も含む)機能を有するパーソナルコンピュータなどの映像再生装置でもよい。
【0013】
リモコン11は、TV装置10の電源スイッチや、チャネル切替え用ボタン、及び各種のコマンド用ボタンを有する。モバイル端末20は、携帯情報端末や携帯電話などであり、後述するアプリケーションをインストールして実行する情報処理機能を有する携帯型電子機器である。ネットワーク30は、無線LANやホームネットワークなどであり、コントローラ100とモバイル端末20との間で、例えばIP(Internet Protocol)による情報通信を実行する。
【0014】
図2に示すように、第1の実施形態のコントローラ100は、視聴情報取得モジュール101と、アプリケーション(AP)選択モジュール102と、起動命令送信モジュール103と、記憶デバイス104とを有する。コントローラ100は、コンピュータのハードウェア及びソフトウェアから構成されている情報処理装置であり、ソフトウェアにより各モジュール101〜103の機能を実現している。
【0015】
視聴情報取得モジュール101は、ユーザがTV装置10を視聴するときの視聴状態(ユーザの視聴行動)を示す視聴情報110を取得する。具体的には、視聴情報110は、ユーザがTV番組のチャネルを頻繁に切り替えるザッピング(zapping)や、特定のチャネルを指定するチャネル番号、あるいは単なる電源オンなどの視聴状態を示す情報である。視聴情報取得モジュール101は、例えばリモコン11の操作に基づいて視聴情報110を生成して取得する。
【0016】
AP選択モジュール102は、視聴情報取得モジュール101からの視聴情報110及びアプリケーションの起動条件に基づいて、適用できるアプリケーションを選定する。具体的には、記憶デバイス104には、起動条件及びアプリケーションを特定するアプリケーション情報(AP情報)が格納されている。AP情報は、後述する起動条件以外に、アプリケーションを特定するための情報として、インストールされているモバイル端末20のIPアドレス及びアプリケーションの識別子が含まれている。AP選択モジュール102は、記憶デバイス104に格納されているAP情報により、適用できるアプリケーションを選定する。
【0017】
なお、記憶デバイス104には、1種類のアプリケーションのAP情報のみが格納されている場合もある。この場合、AP選択モジュール102は、視聴情報110と起動条件が適合する場合には当該アプリケーションを設定し、適合しない場合にはアプリケーションを設定しない。
【0018】
起動命令送信モジュール103は、AP選択モジュール102により選定(設定)されたアプリケーションを起動するための起動命令120を送出する。具体的には、コントローラ100は、ネットワーク30に起動命令120のパケットを発信する。
【0019】
ここで、図1に示すように、モバイル端末20は、ネットワーク30から起動命令120のパケットを受信し、該当するアプリケーション200をインストールしている場合には、当該アプリケーション200が起動することになる。なお、当然ながら、モバイル端末20以外で、ネットワーク30に接続されている他の電子機器においても、当該アプリケーション200がインストールされている場合には起動することになる。
【0020】
また、コントローラ100は、モバイル端末20とアプリケーション200のいずれも限定した起動命令120を送信してもよい。この場合には、複数のモバイル端末(電子機器)内に同一のアプリケーション200がインストールされていても、そのうちの1個のモバイル端末のみが起動することになる。具体例として、各AP情報に「最終起動日時」という情報が含まれていて、かつ、ある起動条件で「全AP情報中、最終起動日時が最も新しい」という条件がある場合に、起動命令120に応じて起動するAPは特定されることになる。
【0021】
[第1の実施形態の作用]
以下、図3及び図4のフローチャートを参照して、コントローラ100を主とするシステムの動作を説明する。
【0022】
図3に示すように、ユーザがリモコン11を操作することにより、TV装置10の画面12には指定のチャネルの番組(映像と音声)が再生されている。ここで、ユーザは、再生中の番組以外の番組を探すために、ザッピング(zapping)を行なっている状態を想定する。ザッピングは、リモコン11のチャネル切替え用ボタンを短時間に操作することにより、番組の切り替えが短時間に頻発する。
【0023】
コントローラ100はリモコン11の操作に基づいて、視聴情報取得モジュール101がザッピングの視聴状態(ユーザの視聴行動)を示す視聴情報110を取得する(ブロック400)。即ち、コントローラ100は、チャネルの切替えが頻出しているという視聴情報110を取得する。
【0024】
AP選択モジュール102は、記憶デバイス104に格納されているアプリケーション情報(AP情報)を取得する(ブロック402)。AP選択モジュール102は、当該AP情報に含まれる起動条件と視聴情報110とを照合し、当該AP情報に設定されている起動条件を満たすか否かを検証する(ブロック403)。ここで、起動条件は、後述するように、例えばザッピングの視聴状態の条件を定義した情報である。
【0025】
具体例として、“現在番組アプリケーション”のAP情報に設定されている起動条件は、“番組の視聴時間がTc秒以内でチャンネル切り替え数がNc回以上発生する”とする。起動条件内のTcとNcは、ザッピングにおけるチャンネル切り替え時間と回数を調査する実験などにより決定する。
【0026】
AP選択モジュール102は、ザッピングの視聴情報110との照合で当該起動条件が満たされると判定し、“現在番組アプリケーション”のAP情報(アプリケーション200Aの情報)を選定する(ブロック403)。
【0027】
起動命令送信モジュール103は、起動命令送信先APキューに選定されたAP情報に対応する起動命令を登録する(ブロック404)。そして、コントローラ100は、記憶デバイス104に格納されている全てのAP情報の検証が終了すると、起動命令送信先APキューからAP情報のアプリケーション200Aを起動するための起動命令120を送出する(ブロック405)。具体的には、コントローラ100は、ネットワーク30に起動命令120のパケットを発信する。ここで、排他的なある起動条件が成立した場合に、起動命令送信先APキューから該当しないAPの起動命令を削除する。この排他的なある起動条件とは、例えば、前述した全AP情報中、最終起動日時が最も新しいという条件などである。
【0028】
一方、コントローラ100は、記憶デバイス104に格納されている全てのAP情報から、視聴情報110に対して起動条件が満たされるAP情報が発見できない場合には、起動命令120を送出せずに処理を終了する。
【0029】
コントローラ100がネットワーク30に起動命令120のパケットを発信すると、モバイル端末20は、ネットワーク30を介して起動命令120のパケットを受信する。図3に示すように、モバイル端末20は、アプリケーション200として、例えば3種類のアプリケーション200A〜200Cがインストールされている。モバイル端末20がアプリケーション200Aに対応する起動命令120を受信すると、アプリケーション200Aが起動する。一方、他のアプリケーション200B、200Cは起動しない。
【0030】
ここで、アプリケーション200Aは、例えば、“現在番組アプリケーション”である。図8に示すように、アプリケーション200Aは、モバイル端末20の画面に現在時刻に放映中の番組の一覧を表示して、ユーザが見たい番組のセルを指でタップすることでその番組の再生を開始する機能を有する。
【0031】
ユーザがザッピングをする時は、同一時刻の別チャンネルの番組内容を確認したいという欲求があるという推定に基づいて、番組を一覧できる現在番組アプリケーション200Aが最適である。コントローラ100では、AP選択モジュール102は、視聴情報110によりザッピングを検出した時に起動するような起動条件が含まれるAP情報を選定する。
【0032】
前述したように、コントローラ100は、AP情報を格納した記憶デバイス104を有する。AP情報は、各モバイル端末20内にインストールされているアプリケーション200A〜200C毎に1個ずつ存在する。異なるモバイル端末にインストールされている同一機能のアプリケーション200はそれぞれ、別々のAP情報を有する。
【0033】
ここで、AP選択モジュール102は、AP情報の起動条件を検証する際に(ブロック403)、複数のAP情報が同時に起動条件を満たす場合には、AP情報に含まれる起動優先値に基づいて値の大きいAP情報を優先的に選定する。また、起動優先値が同値の場合は、先に検証したものを優先するようにしてもよい。また、起動する条件を満たしているかどうかを2値で扱うのでなく、条件をどの程度満たしているかという多値で段階的に扱うことで、より細かくAP情報の起動優先順を決定する方法でもよい。
【0034】
コントローラ100は、起動命令120を送る対象のアプリケーションが固定である場合には、ユーザの環境に依存しない情報としてAP情報を記憶デバイス104に予め記録しておく。また、コントローラ100は、ネットワークを介してサーバからAP情報を取得して記憶デバイス104に格納してもよい。
【0035】
ユーザは、環境に依存する情報であるモバイル端末20のIPアドレスを、コントローラ100に手動または自動で設定する。コントローラ100が自動でモバイル端末のIPアドレスを得るには、ネットワーク上で機器検索する際の一般的手法を用いる。仮に、ユーザのモバイル端末20に、コントローラ100から発信された起動命令120の対象となるアプリケーションがインストールされていない場合、モバイル端末20では何も起動せず問題は生じない。
【0036】
図5及び図6は、本実施形態の応用例を示すブロック図である。
【0037】
図5に示すように、コントローラ100は、AP情報取得モジュール105を有する。AP情報取得モジュール105は、外部から対象となるアプリケーションのAP情報を取得し、記憶デバイス104に格納する。具体的には、AP情報取得モジュール105は、USBメモリの接続端子を有し、接続されたUSBメモリからAP情報を入力する。
【0038】
また、図6に示すように、モバイル端末20は、起動命令受信モジュール21と、AP起動モジュール22と、記憶デバイス23と、AP情報送出モジュール24とを有する構成である。モバイル端末20は、起動命令受信モジュール21により、コントローラ100からの起動命令を受信する。AP起動モジュール22は、起動命令受信モジュール21で受信した起動命令に応じたアプリケーション200(200A〜200Cのいずれか)を起動する。
【0039】
モバイル端末20は、記憶デバイス23に格納されたAP情報をAP情報送出モジュール24を介してコントローラ100に送出する。コントローラ100は、AP情報取得モジュール105を介してモバイル端末20からAP情報を取得し、記憶デバイス104に格納する。
【0040】
ここで、図7に示すように、モバイル端末20は、コントローラ100からの要求に応じてAP情報送出モジュール24を介してAP情報をコントローラ100に送出する(ブロック700のYES、701)。この場合、コントローラ100から一定時間毎に要求が来る度にAP情報の送出を繰り返す。当然ながら、モバイル端末20は、要求の受信の合間に所定の割り込み処理などを実行する(ブロック702)。一方、モバイル端末20は、動作中にコントローラ100から起動命令120を受信すると、起動命令120に対応する指定のアプリケーション200Aを起動する。
【0041】
以上のように、ユーザはAP情報に関する一切の設定作業をする必要がない。また、コントローラ100がAP情報を取得するタイミングは、起動する直後または一定期間(数時間〜1日)に1回程度のタイミングである。
【0042】
次に、AP状態に含まれるアプリケーションの起動条件について説明する。
【0043】
アプリケーションの起動条件は、一定のフォーマットで記述されて定義される。コントローラ100とモバイル端末20はそれぞれ、当該フォーマットで記述された起動条件を共通して用いる。図10は、一定のフォーマットの具体例を示す。
【0044】
例えば、現在番組アプリケーション200Aの起動条件は次のように定義する。
【0045】
IF((EVchの発生回数 > 5) WITHIN 10sec)…(1)
この条件文(1)は、10秒間にチャネル変更発生イベントEVchの発生回数が6回以上に達したら真になることを意味している。この条件文(1)は、具体的にはザッピングという視聴状態(視聴情報110)を検出するための起動条件の一例である。
【0046】
コントローラ100は、前記一定のフォーマットに対応付けて実行できるように、起動条件の構成要素となり得る断片的な処理(チャネル発生イベントEVchを検知する処理)を実行する機能(プログラム)を予め実装する。
【0047】
一方で、モバイル端末20にインストールされる各アプリケーション200はそれぞれ、前記一定のフォーマットに従った起動条件を有する。コントローラ100は、それらの起動条件を収集して、各アプリケーションに起動命令を送るときの判定に用いる。
【0048】
また、アプリケーションの起動条件をアプリケーション自身が持たず、コントローラ100は、リリースされている全てのアプリケーションの起動条件を予め有する構成でもよい。この場合、アプリケーションはどの起動条件が真になったら自身への起動命令を送ってもらうかをコントローラ100に示すために、アプリケーションは起動条件の識別子を有する。コントローラ100は、各アプリケーションから起動条件の識別子を収集して、収集した識別子の示す起動条件の真偽を定期的に判定するようにしてもよい。
【0049】
[第2の実施形態]
次に、図9、図10及び図12のフローチャートを参照して、第2の実施形態を説明する。なお、システム、コントローラ100及びモバイル端末20の構成は、前述した図1図2、図5及び図6に示すものと同様である。
【0050】
前述の第1の実施形態は、アプリケーション200として、ザッピングという視聴状態(ユーザの視聴行動)をトリガとして起動する現在番組アプリケーション200Aを起動する場合を想定した。第2の実施形態は、タグシェア型アプリケーション200Cを起動する場合を想定する。
【0051】
まず、“タグシェア”という機能は、予め番組の任意の箇所にユーザがタグを設定しておくと、後でタグを設定した箇所から再生できるという機能である。タグとは、映像再生のタイムライン上に挟む栞のようなものであり、ユーザが自由に名前を付けることが可能である。例えば、サッカー番組のゴールシーンにタグを設定しておき、名前を「ゴール」としておけば、後で見返すときに簡単にゴールシーンから見ることができる。タグシェアは、個人で付けたタグをユーザ間で共有する機能である。ユーザが設定したタグがサーバ上でまとめられ、同じ番組を視聴する他のユーザがそれを利用できる。
【0052】
図9は、タグシェア型アプリケーション200Cにより、モバイル端末20の画面に表示される一例である。即ち、当該アプリケーション200Cは、映像に付けられたタグを外部サーバから取得して、モバイル端末20の画面に一覧表示する。ユーザは、タグ項目を指でタップすることで、そのタグの再生位置から映像を再生できる。多くのタグが付いている番組は、付いていない番組に比べて注目度の高い番組であると推定できる。
【0053】
図12のフローチャートを参照して、図6に示す構成のコントローラ100の動作を説明する。
【0054】
コントローラ100では、ユーザが録画した番組の視聴を開始すると、視聴情報取得モジュール101は、録画番組の視聴聴状態を示す視聴情報110を取得する(ブロック1200)。視聴情報取得モジュール101は、その録画番組のタグ情報をネットワークを介して取得する(ブロック1201)。
【0055】
次に、AP選択モジュール102は、記憶デバイス104に格納されているアプリケーション情報(AP情報)を取得する(ブロック1202)。AP選択モジュール102は、当該AP情報に含まれる起動条件と視聴情報110とを照合し、当該AP情報に設定されている起動条件を満たすか否かを検証する(ブロック1203)。ここで、起動条件は、後述するように、タグシェア型起動条件である。
【0056】
起動命令送信モジュール103は、AP選択モジュール102により選定されたAP情報のアプリケーション200Cを起動するための起動命令120を送出する(ブロック1204)。これにより、図3に示すように、モバイル端末20は、アプリケーション200Cに対応する起動命令120を受信すると、タグシェア型アプリケーション200Cが起動する。
【0057】
ここで、図10に示すように、タグシェア型アプリケーション200Cの起動条件は次のような一定のフォーマットで定義する。
【0058】
IF(Ntag > 10) …(2)
この条件文(2)は、再生中の録画番組に付与されたタグ数Ntagが11以上であれば真になることを意味している。この条件文は「タグが多く付与された録画番組を再生中である」という視聴状態を検出するための一例である。コントローラ100は、前記一定のフォーマットに対応付けて実行できるように、起動条件の構成要素となり得る断片的な処理(再生中の録画番組に付与されたタグ数Ntagを取得する処理)を実行する機能(プログラム)を予め実装する。
【0059】
具体的には、タグシェア型アプリケーションの起動条件は、付与されたタグの数が11以上の映像の再生が開始されると定義される。ここで、11は、例えば現在のタグシェア機能で各映像に付与されているタグの数の平均値とする。視聴情報取得モジュール101が取得したタグの数が11以上であれば、前記起動条件が満たされて、起動命令送信モジュール103はタグシェア型アプリケーション200Cの起動命令120を送信する。
【0060】
タグシェア型アプリケーション200CのAP情報には、起動命令が持つべき引数情報に関する情報が含まれる。引数情報とは、当該アプリケーションを起動する際に、起動命令を介してモバイル端末20へ渡される値であり、アプリケーションの起動の仕方を指定するための情報である。具体的には、当該引数情報は、再生する映像の識別子である。映像の識別子は、タグシェア機能上でユニークな情報であり、映像を特定する。モバイル端末20は起動命令を受信すると、タグシェア型アプリケーション200Cを起動する。その際、引数情報により、モバイル端末20は、図9に示すように、引数情報の映像識別子が示す映像のタグ一覧を表示する画面まで自動的に遷移する。
【0061】
[変形例]
第1及び第2の実施形態において、ユーザが複数のモバイル端末を所持している場合には、コントローラ100は、自動的にモバイル端末を選定して起動命令を送信する構成でもよい。ここで、アプリケーションを起動するモバイル端末20は、ユーザの目の届く位置にある方がよい。このため、コントローラ100は取得するAP情報に、当該アプリケーションがインストールされているモバイル端末20が起動命令を受信するのに適しているか否かの情報を含めてもよい。
【0062】
各モバイル端末の受信の可否の決め方は、例えば、ユーザがモバイル端末を操作して予め設定する。また、モバイル端末の光度センサを用いて、光度が一定以下の状態にあるモバイル端末は受信に適さないとする。さらに、直近に使用したモバイル端末を優先して受信させる。あるいは、ユーザによって受信不可設定がされていたり、電源がオフになっていたりしない限り、テレビ起動後の数回は全モバイル端末で起動命令を受信可としてもよい。例えば、AP選択モジュール102は、現在番組アプリケーションを選定し、複数のモバイル端末に当該アプリケーションがインストールされている場合、全てのモバイル端末で当該アプリケーションが起動してもよい。起動後に、ユーザによるアプリケーションの操作が発生したモバイル端末のみを受信可として、他のモバイル端末はテレビの電源がオフするまでの間に起動命令を受信不可としてもよい。
【0063】
さらに、モバイル端末が複数ある場合に限らず、例え単体の場合であっても、ユーザが機能を使用しないのであれば、アプリケーションの機能を自動的に無効化してもよい。あるモバイル端末のアプリケーションが自動起動して、一定時間、ユーザによる操作入力が発生しなかった場合、そのモバイル端末の自動起動機能は使用されないものとして、テレビの電源がオフするまでの間に、起動命令を受信不可としてもよい。
【0064】
なお、第1の実施形態において、図11に示すように、モバイル端末20は、TV装置10のコントローラから起動命令を受信すると、起動命令120に対応する指定のアプリケーション200Aを起動する。ここで、起動するアプリケーションは、ユーザがコントローラ100、またはモバイル端末20のいずれかに予め設定したものでもよい。即ち、起動命令に起動対象のアプリケーションを指定する情報が含まれる場合には、ユーザがコントローラ100にその情報を設定する。一方、コントローラ100が起動対象のアプリケーションを指定する情報を含まない起動命令を発信する場合には、ユーザはモバイル端末20にその情報を設定する。
【0065】
また、起動するアプリケーションは、最後に使用したアプリケーションでもよい。その場合にはユーザの手を介することなく、コントローラ100またはモバイル端末20のいずれかに最後に使用したアプリケーションの情報を記録する。
【0066】
なお、第1及び第2の実施形態において、アプリケーション200としては、現在番組アプリケーション及びタグシェア型アプリケーションを想定したが、これに限定されない。例えば、アプリケーション200としては、録画予約一覧を表示するアプリケーション、番組の人気ランキングを表示するアプリケーション、あるいは番組関連キーワード一覧を表示するアプリケーション等が想定できる。
【0067】
以上要するに、TV装置10から、ユーザの視聴状態(状況)に適したアプリケーションを自動的に選定し、起動させることが可能となる。従って、ユーザは、モバイル端末20にインストールされた全てのアプリケーションの機能を把握することなく、常に最適な操作環境を得ることが可能となる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
AP…アプリケーション、10…テレビジョン受像機(TV装置またはテレビ)、
11…リモコン、12…画面、20…モバイル端末、21…起動命令受信モジュール、
22…AP起動モジュール、23…記憶デバイス、24…AP情報送出モジュール、
30…ネットワーク、100…コントローラ、101…視聴情報取得モジュール、
102…AP選択モジュール、103…起動命令送信モジュール、
104…記憶デバイス、105…AP情報取得モジュール、
200,200A〜200C…アプリケーション。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像再生装置の視聴状態を示す視聴情報を取得する視聴情報取得手段と、
前記映像再生装置の操作に関する指定の情報処理を実行するアプリケーションを、前記視聴情報に基づいて設定するアプリケーション設定手段と、
前記アプリケーション設定手段により設定されたアプリケーションを起動するための起動命令を送出する送出手段と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
アプリケーションを特定する情報及び起動条件を示す情報を含むアプリケーション情報を記憶する記憶手段を更に具備し、
前記アプリケーション設定手段は、
前記視聴情報と前記起動条件とを照合し、前記視聴情報に対して前記起動条件を満たすアプリケーション情報を前記記憶手段から選定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ネットワークを介して前記アプリケーション情報を取得するアプリケーション情報取得手段を更に具備し、
前記アプリケーション情報取得手段は、
取得した前記アプリケーション情報を前記記憶手段に格納する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記アプリケーション情報取得手段は、
ネットワークに接続されている電子機器から前記アプリケーション情報を取得し、前記記憶手段に格納する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記アプリケーション情報取得手段は、
前記情報処理装置の起動時または一定時間ごとに、ネットワークに接続されている電子機器から前記アプリケーション情報を取得し、前記記憶手段に格納する請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記送出手段は、
ネットワークに接続されている1個または複数個の電子機器に前記起動命令を送信する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報通信手段により情報処理装置と電子機器との情報通信を行なう情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
映像再生装置の視聴状態を示す視聴情報を取得する視聴情報取得手段と、
前記映像再生装置の操作に関する指定の情報処理を実行するアプリケーションを、前記視聴情報に基づいて設定するアプリケーション設定手段と、
前記アプリケーション設定手段により設定されたアプリケーションを起動するための起動命令を送出する送出手段とを有し、
前記電子機器は、
起動命令を受信する手段と、
受信した起動命令に応じたアプリケーションを起動する手段と
を有する情報処理システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、アプリケーションを特定する情報及び起動条件を示す情報を含むアプリケーション情報を記憶する記憶手段を更に有し、
前記アプリケーション設定手段は、
前記視聴情報と前記起動条件とを照合し、前記視聴情報に対して前記起動条件を満たすアプリケーション情報を前記記憶手段から選定する請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記情報処理装置は、前記アプリケーション情報を取得するアプリケーション情報取得手段を更に有し、
前記電子機器は、前記アプリケーション情報をアプリケーション情報取得手段に送出する手段を更に有する請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、
前記アプリケーション情報取得手段により、前記電子機器から前記情報処理装置の起動時または一定時間ごとに前記アプリケーション情報を取得する請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記情報処理装置は前記映像再生装置に設けられて、
前記電子機器は前記アプリケーションがインストールされたモバイル端末であり、
前記情報通信手段であるネットワークを介して、前記情報処理装置と前記電子機器とが接続される請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
映像再生装置の操作に関する情報処理方法であって、
前記映像再生装置の視聴状態を示す視聴情報を取得し、
前記操作に関する指定の情報処理を実行するアプリケーションを、前記視聴情報に基づいて設定し、
前記設定されたアプリケーションを起動するための起動命令を送出する情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−114493(P2013−114493A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260674(P2011−260674)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【特許番号】特許第5148739号(P5148739)
【特許公報発行日】平成25年2月20日(2013.2.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】