説明

情報処理装置、ジョブ処理システム、及びジョブ処理プログラム

【課題】利用者の負担を軽減する。
【解決手段】PC2501は、ジョブとジョブIDとを対応付けて記憶する印刷サーバと、ジョブを実行する1以上の複合機と、にネットワークを介して通信可能に接続する情報処理装置であって、印刷サーバにジョブおよびジョブIDを送信するジョブ送信部と、複合機で実行され得るジョブであって、複合機に送信したジョブIDと対応付けられたジョブの状態を示す状態情報を印刷サーバに要求する状態要求送信部と、ジョブIDに対応付くジョブの状態情報として、ジョブが印刷サーバにおいて蓄積された段階、又は印刷サーバから取得されたジョブが1以上の複合機のいずれかで実行された段階を示した状態情報を、印刷サーバから受信する状態受信部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、ジョブ処理システム、及びジョブ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワークを介して情報処理装置と印刷処理装置とを接続し、情報処理装置から出力された印刷ジョブを、印刷処理装置が印刷する技術が利用されている。
【0003】
そして、ユーザが印刷ジョブの状態を把握するために、情報処理装置から、印刷処理装置等に問い合わせして、印刷ジョブの状態を表示する技術が提案されている。
【0004】
また、ユーザの不正利用や不正な持ち出しに対するセキュリティを高めるために、情報処理装置が送信した印刷ジョブを印刷処理装置またはプリントサーバで一旦蓄積しておき、蓄積した印刷ジョブを印刷するためにユーザは所望の印刷処理装置まで出向き、ユーザ認証に成功することで蓄積されている印刷ジョブを印刷することが出来るような、セキュアプリント機能がある。
【0005】
セキュアプリント機能を利用すると、ユーザは印刷処理装置を用いて印刷ジョブを実行するために、印刷処理装置に出向いてユーザ認証をすることになるため、不正利用や不正な持ち出しに対するセキュリティを高めることが出来る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述するようなセキュアプリント機能を利用する場合、情報処理装置から送信された印刷ジョブは直ちに印刷されずに蓄積されることになるため、情報処理装置から印刷ジョブの状態を確認した場合には、印刷ジョブが蓄積される段階までしかわからなかった。特にプリントサーバ等のサーバ装置に印刷ジョブを一旦蓄積するような場合には、印刷ジョブを蓄積した時点でどの印刷処理装置で印刷が行われるかが確定しているとは限らないため、情報処理装置は印刷ジョブが実行されたか等の状態を取得することが出来なかった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ジョブの状態の把握が容易な情報処理装置、ジョブ処理システム、及びジョブ処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、外部から送信されるジョブおよび第1の識別情報を受信して、前記ジョブと前記第1の識別情報とを対応付けて記憶する第1の外部装置と、前記第1の外部装置に第2の識別情報を送信して、当該第2の識別情報に基づいて特定された前記第1の識別情報と対応付けられた前記ジョブを前記第1の外部装置から取得し、当該ジョブを実行する1以上の第2の外部装置と、にネットワークを介して通信可能に接続する情報処理装置であって、前記第1の外部装置に前記ジョブおよび前記第1の識別情報を送信するジョブ送信手段と、1以上の前記第2の外部装置のいずれかで実行され得るジョブであって、前記第1の外部装置に送信した前記第1の識別情報と対応付けられた前記ジョブの状態を示す状態情報を前記第1の外部装置に要求する要求手段と、前記第1の識別情報に対応付く前記ジョブの状態情報として、前記ジョブが前記第1の外部装置において蓄積された第1の段階および前記第1の外部装置から取得された前記ジョブが1以上の前記第2の外部装置のいずれかで実行された第2の段階を示した状態情報を、前記第1の外部装置から受信する状態受信手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ジョブの状態の把握が容易となり、ユーザの負担を軽減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1の実施形態にかかる印刷処理システムの構成を示した図である。
【図2】図2は、第1の実施形態にかかるPCと、複数の複合機と、の間で送受信される処理要求及びデータを示した図である。
【図3】図3は、第1の実施形態にかかる第1の複合機のソフトウェア構成を示したブロック図である。
【図4】図4は、第1の実施形態にかかる処理済ジョブ履歴記憶部のテーブル構造を示した図である。
【図5】図5は、第1の実施形態にかかるジョブID対応記憶部のテーブル構造を示した図である。
【図6】図6は、第1の実施形態にかかる複合機のソフトウェア構成を示した図である。
【図7】図7は、第1の実施形態にかかるジョブ状態記憶部のテーブル構造を示した図である。
【図8】図8は、第1の実施形態にかかるPCのソフトウェア構成を示したブロック図である。
【図9】図9は、第1の実施形態で印刷ジョブが印刷完了した場合に、状態制御部により表示されるポップアップ画面の例を示した図である。
【図10】図10は、第1の実施形態で第1の複合機のカバーがオープンしている場合に、状態制御部により表示されるポップアップ画面の例を示した図である。
【図11】図11は、第1の実施形態で印刷ジョブが完了した場合に、状態制御部により表示される吹き出し欄の例を示した図である。
【図12】図12は、第1の実施形態において紙詰まりで印刷ジョブの処理ができない場合に、状態制御部により表示される吹き出し欄の例を示した図である。
【図13】図13は、第1の実施形態にかかるジョブ履歴記憶部のテーブル構造を示した図である。
【図14】図14は、第1の実施形態においてXMFファイル形式でジョブの状態情報を保持する例を示した図である。
【図15】図15は、第1の実施形態においてフィルタリング無し(混合)の場合に、状態制御部が出力する、ジョブの一覧の画面例を示した図である。
【図16】図16は、第1の実施形態においてジョブ状態がエラーでフィルタリング処理された場合に、状態制御部が出力する、ジョブ状態の一覧の画面例を示した図である。
【図17】図17は、第1の実施形態においてジョブ状態が完了でフィルタリング処理された場合に、状態制御部が出力する、ジョブの一覧の画面例を示した図である。
【図18】図18は、第1の実施形態にかかる状態制御部がジョブの状態情報をメールで出力した例を示した図である。
【図19】図19は、第1の実施形態にかかるPCから、第1の複合機で出力するまでの手順を示した図である。
【図20】図20は、第1の実施形態にかかるPCにおけるジョブの状態情報を取得する際の処理の手順を示すシーケンス図である。
【図21】図21は、第1の実施形態にかかる状態制御部による印刷ジョブの表示手順を示したフローチャートである。
【図22】図22は、第1の実施形態にかかる状態制御部による通知フィルタを用いた表示手順を示したフローチャートである。
【図23】図23は、第2の実施形態にかかる印刷処理システムの構成を示した図である。
【図24】図24は、第2の実施形態にかかるPCから、第1の複合機で出力するまでの手順を示した図である。
【図25】図25は、第3の実施形態にかかる印刷処理システムの構成を示した図である。
【図26】図26は、第3の実施形態にかかるPCのブロック構成を示した図である。
【図27】図27は、認証情報の入力画面例を示した図である。
【図28】図28は、第3の実施形態において印刷ジョブの蓄積が完了した場合に、状態制御部により表示されるポップアップ画面の例を示した図である。
【図29】図29は、第3の実施形態で印刷が完了した場合に、状態制御部により表示される通知画面の例を示した図である。
【図30】図30は、第3の実施形態にかかる状態制御部により表示されるジョブ一覧画面の第1の例を示した図である。
【図31】図31は、第3の実施形態にかかる状態制御部により表示されるジョブ一覧画面の第2の例を示した図である。
【図32】図32は、第3の実施形態にかかる印刷サーバ及び認証サーバのブロック構成を示した図である。
【図33】図33は、第3の実施形態にかかるジョブID対応記憶部のテーブル構造を示した図である。
【図34】図34は、第3の実施形態にかかるプレビュー管理テーブルのテーブル構造を示した図である。
【図35】図35は、第3の実施形態にかかる処理済ジョブ履歴記憶部のテーブル構造を示した図である。
【図36】図36は、第3の実施形態にかかる印刷処理システムにおける印刷終了までの手順を示したシーケンス図である。
【図37】図37は、第4の実施形態にかかる印刷サーバ及び認証サーバのブロック構成を示した図である。
【図38】図38は、第4の実施形態にかかる印刷処理システムにおける印刷終了までの手順を示したシーケンス図である。
【図39】図39は、第4の実施形態にかかる印刷処理システムにおけるプレビュー画像データの再生成の手順を示した図である。
【図40】図40は、PC及び印刷サーバのハードウェア構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、ジョブ処理システム、及びジョブ処理プログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる印刷処理システムの構成を示した図である。図1に示すように、本実施形態にかかる印刷処理システムは、PC100と、第1の複合機152と、第2の複合機151と、で構成されている。
【0013】
図1に示す例では、PC100から、第1の複合機152に印刷を要求する印刷ジョブを出力した例とする。このような場合、PC100から出力された印刷ジョブは、第1の複合機152に送信される前に、第2の複合機151のジョブ記憶部に格納される。その後、ユーザが、第1の複合機152から、ICカードリーダで認証を行うと、当該ユーザが印刷を要求した印刷ジョブの一覧が確認できる。
【0014】
そして、ユーザは、当該印刷ジョブの一覧から、印刷したい印刷ジョブを選択すると、第1の複合機152が、第2の複合機151から選択した印刷ジョブを受け取り、印刷処理を行うことができる。
【0015】
ところで、従来、PCから印刷ジョブを送信した後、第2の複合機に印刷ジョブが蓄積された場合、当該印刷ジョブによる処理は終了したものとみなしていた。このため、PC100からは、蓄積された後の印刷ジョブの状態を閲覧することができなかった。
【0016】
これに対し、本実施形態では、PC100で印刷ジョブの状態を参照することを、PC100及び複数の複合機151、152の間で、各種データの送受信を行うことで実現した。
【0017】
図2は、第1の実施形態にかかるPC100と、複数の複合機151、152と、の間で送受信される処理要求及びデータを示した図である。図2に示すように、PC100が、複数の複合機151、152に対して、ジョブ転送、ジョブ状態の問い合わせ、装置状態の問い合わせを送信する。
【0018】
そして、複数の複合機151、152は、これらの問い合わせに対して、ジョブ状態、及び装置状態を、PC100に送信する。この送受信を行う際に、PC100は、複数の複合機151、152から認証を得る必要がある。このため、PC100は、これらの情報を得るために、複数の複合機151、152に対して認証情報を送信する。
【0019】
認証情報は、認証の対象となる送信元を識別するための情報が含まれている。送信元を識別する情報としては、送信元のユーザや、送信元の通信装置を識別する情報であればよい。例えば、ユーザID及びパスワードや、PC100を識別するIPアドレス又はMACアドレスなどが含まれていても良い。また、本実施形態においては、認証を実現するために、転送されるジョブの書誌情報に、ジョブID及び認証情報が含まれているものとする。
【0020】
図3は、第1の実施形態にかかる第1の複合機152のソフトウェア構成を示したブロック図である。図3に示すように、第1の複合機152は記憶装置302を備える。そして、記憶装置302には、カードID―認証情報対応記憶部351と、処理済ジョブ履歴記憶部352と、ジョブID対応記憶部353と、を備える。さらに、第1の複合機152は、ソフトウェア構成301として、ICカード認証部311と、ジョブ処理部312と、ジョブ要求部313と、通信処理部314と、ジョブMIB処理部315と、組込アプリケーション316と、を備える。
【0021】
カードID―認証情報対応記憶部351は、ユーザが印刷を第1の複合機152から実行する際に用いるカードを識別するカードIDと、ジョブの認証に用いる認証情報と、対応付けて管理している。
【0022】
処理済ジョブ履歴記憶部352は、ジョブ処理部312が処理した後のジョブを識別するジョブIDを記憶する。図4は、第1の実施形態にかかる処理済ジョブ履歴記憶部352のテーブル構造を示した図である。図4に示すように、処理済ジョブ履歴記憶部352は、印刷処理した後のジョブを識別するジョブIDを記憶する。
【0023】
ジョブID対応記憶部353は、ジョブを識別するジョブIDと、当該ジョブの認証に用いる認証情報と、を対応付けて記憶する。図5は、第1の実施形態にかかるジョブID対応記憶部353のテーブル構造を示した図である。図5に示すように、ジョブID対応記憶部353は、ジョブIDと、認証情報と、を対応付けて記憶している。
【0024】
通信処理部314は、PC100及び第2の複合機151等の他の装置とデータの送受信を行う。
【0025】
ICカード認証部311は、(図示しない)カードリーダから入力されたカードIDに基づいて認証を行う。本実施形態では、ICカード認証部311は、カードID―認証情報対応記憶部351を参照して認証を行う。適切に認証が行われた場合に、ICカード認証部311は、入力されたカードIDとカードID―認証情報対応記憶部351で対応付けられている認証情報を取得する。
【0026】
ジョブ処理部312は、ジョブを実行する。本実施形態にかかるジョブ処理部312は、取得した認証情報と、ジョブID対応記憶部353で対応付けられたジョブIDを取得して、図示しない表示装置にジョブIDを一覧表示する。本実施形態では、ジョブID対応記憶部353の対応関係から、認証情報に基づいてジョブIDが特定される。なお、特定する手法は、対応関係に制限するものではなく、認証情報に基づいてジョブIDが特定できれば、どのような手法を用いても良い。
【0027】
ジョブ要求部313は、一覧表示からジョブIDの選択を受け付けた場合に、選択を受け付けたジョブIDで識別されるジョブの取得要求を、第2の複合機151に対して行う。この取得要求は、通信処理部314を介して行われる。
【0028】
そして、ジョブ要求部313の取得要求に従って、通信処理部314が、第2の複合機151からジョブを受信する。そして、ジョブ処理部312が、受信したジョブを実行する。そして、ジョブ処理部312は、実行したジョブを識別するジョブIDを、処理済ジョブ履歴記憶部352に登録する。
【0029】
組込アプリケーション316は、認証部322と、状態情報取得部324と、を備え、PC100に対してジョブの状態の提供を実現する。
【0030】
ところで、通信処理部314は、第2の複合機151にジョブが蓄積される毎に、当該ジョブを識別するジョブIDと、当該ジョブと共にPC100から受信した認証情報と、を受信する。そして、組込アプリケーション316は、受信したジョブIDと、認証情報と、を、対応付けてジョブID対応記憶部353に記憶する。これにより、第1の複合機152でジョブ毎の認証が可能となる。
【0031】
認証部322は、ジョブの状態を送信可能な装置であるか否かを認証する。
【0032】
例えば、通信処理部314が、PC100から、認証情報に基づいたジョブの送信元の認証を行っているか否かを問い合わせる問合情報を受信する。そして、当該問合情報への回答として認証部322は、通信処理部314を介して認証を行っている旨を、PC100に対して送信する。
【0033】
そして、通信処理部314が、PC100からジョブIDと認証情報とを受信した場合に、認証部322は、受信した認証情報とジョブIDとが、ジョブID対応記憶部353で対応付けているか否かに従って認証を行う。本実施形態では、認証部322が、対応付けられている場合に、適切に認証が行われたものとみなす。
【0034】
状態情報取得部324は、適切に認証が行われた場合に、PC100から受信したジョブIDを検索キーとして、処理済ジョブ履歴記憶部352を検索する。当該ジョブIDが登録されている場合に、当該ジョブIDで識別されるジョブの状態が処理済みであることを認識できる。一方、状態情報取得部324は、当該ジョブIDが登録されていない場合、通信処理部314を介して、当該ジョブIDを第2の複合機151に対して送信する。
【0035】
そして、第2の複合機151は、受信したジョブIDで識別されるジョブを記憶している場合、当該ジョブの状態を示す状態情報を、第1の複合機152に送信する。これにより状態情報取得部324は、通信処理部314を介して、状態情報を取得する。
【0036】
ジョブMIB処理部315は、情報提供部321を備え、機器(例えば、第2の複合機151)の状態を示す情報や、機器が保持しているジョブの状態を示す情報を、他の装置に対して提供する。
【0037】
情報提供部321は、適切な認証が行われた場合に、状態情報取得部324が取得したジョブの状態を、PC100に対して送信する。さらに、情報提供部321は、第1の複合機152又は第2の複合機151の状態を、PC100に対して提供する。
【0038】
次に、第2の複合機151について説明する。図6は、複合機151のソフトウェア構成を示した図である。図6に示すように、第2の複合機151は、ソフトウェア構成601として、通信処理部611と、制御部612と、を備えている。その他に、第2の複合機151は、記憶装置602を備えている。第2の複合機151は、PC100からのジョブの状態に関する送受信は行わない。第2の複合機151は、PC100からジョブを受け付ける受付装置として機能する。
【0039】
記憶装置602は、ジョブ記憶部651と、ジョブ状態記憶部652と、を記憶する。ジョブ記憶部651は、ジョブを記憶する。
【0040】
ジョブ状態記憶部652は、ジョブを識別するジョブIDと、当該ジョブの状態と、を対応付けて記憶する。図7は、ジョブ状態記憶部652のテーブル構造を示した図である。図7に示すように、ジョブ毎に、“蓄積済み”、“受信中”などの当該ジョブの状態を対応付けて記憶している。
【0041】
通信処理部611は、第1の複合機152又はPC100との間でデータを送受信する。例えば、通信処理部611は、PC100から、ジョブと、当該ジョブを識別するジョブIDと、当該ジョブの認証に必要な認証情報と、を受信する。さらに、通信処理部611は、受信したジョブIDと認証情報とを第1の複合機152に送信する。これにより、第2の複合機151は、受信したジョブを認識できる。
【0042】
そして、第2の複合機151は、ジョブを記憶し、第1の複合機152からの要求があった場合に、当該ジョブを受け渡す。
【0043】
制御部612は、ジョブの状態に応じて、ジョブ状態記憶部652のレコードの追加、更新、及び削除を行う。例えば、通信処理部611がジョブの受信を開始した場合に、当該ジョブを識別するジョブIDと、当該ジョブの状態“受信中”と、をジョブ状態記憶部652に登録する。そして、当該ジョブの受信が終了した場合に、制御部612は、当該ジョブの状態を“蓄積済み”に更新する。このように、制御部612は、ジョブの状態に応じて更新を行う。
【0044】
図8は、第1の実施形態にかかるPC100のソフトウェア構成を示したブロック図である。図8に示すように、PC100は、OS701と、ジョブ追跡アプリケーション703と、で構成されている。
【0045】
OS701は、PC100のリソースを管理し、他のアプリケーションに対して、当該リソースを提供するためのインターフェイスを有するソフトウェアとする。
【0046】
なお、本実施形態では、印刷ジョブを受け渡す例について説明するが、印刷ジョブに制限するものではなくFAXを行うためのジョブであっても良い。
【0047】
ジョブ追跡アプリケーション703は、UI制御部711と、ポートモニタ部712と、ジョブ送信部713と、ジョブ追跡部714と、ジョブID生成部715と、組込アプリ連携部716と、タイマ制御部717と、状態制御部718と、ジョブ履歴記憶部719と、通知フィルタ制御部720と、通知フィルタ記憶部721と、を備える。
【0048】
UI制御部711は、ユーザに対して提供するUI(User Interface)を制御する。
【0049】
ジョブID生成部715は、印刷ジョブ毎にユニークなIDを生成する。生成したジョブIDは、ジョブ追跡部714を介して、ポートモニタ部712に受け渡される。
【0050】
ポートモニタ部712は、PC100上で動作している印刷又はFAXサービスと、複数の複合機151、152との間を仲介し、印刷ジョブを制御する。
【0051】
UI制御部711が印刷ジョブを第1の複合機152に出力する操作を受け付けた場合、本実施形態にかかるポートモニタ部712は、第2の複合機151に当該印刷ジョブを出力する。そして、第2の複合機151に蓄積されたジョブは、第1の複合機152でICカードによる認証を受け付けた場合に、第1の複合機152に受け渡される。
【0052】
ジョブ送信部713は、ポートモニタ部712の制御に従って、画像情報の印刷又はFAXを示すジョブと共に、当該ジョブを識別するジョブIDと、認証情報と、を第2の複合機151に送信する。
【0053】
組込アプリ連携部716は、当該第1の複合機152の組込アプリケーション316及びジョブMIB処理部315と連携するためのインターフェイスとなる。なお、連携を行う際に、通信回線を暗号化しても良い。
【0054】
ジョブ追跡部714は、認証問合部731と、状態要求送信部732と、状態受信部733と、を備え、ジョブ送信部713で送信したジョブを追跡する。
【0055】
認証問合部731は、第2の複合機151が受け付けたジョブを処理する第1の複合機152に対して、認証情報に基づいたジョブの送信元の認証を行っているか否かを問い合わせる問合情報を送信する。当該送信は、組込アプリ連携部716を介して行われる。
【0056】
そして、認証問合部731は、組込アプリ連携部716を介して、第1の複合機152から、当該問合情報に対する応答(認証を行っているか否かを示す情報)を受信する。
【0057】
第1の複合機152から認証を行っている旨を受信した場合、状態要求送信部732は、第1の複合機152に対して、認証要求と共に、状態を把握したいジョブを識別するジョブIDと認証情報を送信する。当該送信は、組込アプリ連携部716を介して行われる。
【0058】
そして、状態要求送信部732がジョブIDと認証情報とを送信し、第1の複合機152で認証が行われた後、状態受信部733が、PC100から送信されたジョブであって、当該ジョブIDで識別されるジョブの状態を示す状態情報を、第1の複合機152から、組込アプリ連携部716を介して受信する。
【0059】
本実施形態にかかる状態受信部733は、ジョブIDで対応付けられたジョブの状態情報として、ジョブが第2の複合機151において蓄積されている段階、及び第2の複合機151から取得されたジョブが第1の複合機152で実行された段階の少なくとも1つ以上を示した状態情報を受信する。
【0060】
状態制御部718は、状態受信部733が受信した状態情報を出力する。本実施形態にかかる状態制御部718は、図示しない表示装置に表示するために出力する。これにより、ジョブの状態がポップアップ表示される。
【0061】
図9は、第1の実施形態で印刷ジョブが印刷完了した場合に、状態制御部718により表示されるポップアップ画面の例を示した図である。図9に示すポップアップ画面は、第1の複合機152で当該ジョブの印刷処理が完了しており、当該ジョブを示すジョブIDが処理済ジョブ履歴記憶部352に格納されている場合に表示される。
【0062】
図10は、第1の実施形態で第1の複合機152のカバーがオープンしている場合に、状態制御部718により表示されるポップアップ画面の例を示した図である。図10に示すポップアップ画面は、第1の複合機152のカバーが開いており、状態の取得要求を行ったジョブの実行ができない場合に表示される。このように、ジョブが実行できない場合、状態受信部733は、当該ジョブを実行できない要因となっている機器の状態を受信する。
【0063】
本実施形態はこのようなポップアップ画面に表示制限するものではなく、表示画面のタスクバー近辺に吹き出しとして、表示しても良い。
【0064】
図11は、第1の実施形態で印刷ジョブが完了した場合に、状態制御部718により表示される吹き出し欄1001の例を示した図である。当該吹き出し欄1001が表示されたことで、ユーザは、印刷ジョブの完了を認識できる。
【0065】
図12は、第1の実施形態において紙詰まりで印刷ジョブの処理ができない場合に、状態制御部718により表示される吹き出し欄1101の例を示した図である。当該吹き出し欄1101が表示されたことで、ユーザは、紙詰まりのために印刷が完了していないことを認識できる。
【0066】
このように、状態制御部718は、状態受信部733がジョブの状態情報として、ジョブが正常に完了していないことを示す状態情報を受信した場合に、第1の複合機152でエラーが生じたことを表示する。これにより、ユーザは、エラーを解消するための操作を迅速に行うことができる。
【0067】
ジョブ履歴記憶部719は、状態受信部733が受信したジョブの状態情報を、履歴として記憶する。図13は、本実施形態にかかるジョブ履歴記憶部719のテーブル構造を示した図である。図13に示すように、ジョブ履歴記憶部719は、ジョブIDと、開始時刻と、ジョブ状態と、出力装置名と、装置状態と、文書名と、を対応付けて記憶している。文書名は、当該ジョブで印刷対象となっている文書の名称とする。
【0068】
なお、ジョブ履歴記憶部719はテーブル構造で保持することに制限するものではなく、例えばXMLファイルとして保持しても良い。図14は、XMFファイル形式でジョブの状態情報を保持する例である。
【0069】
タイマ制御部717は、経過時間を計測する。そして、状態制御部718は、状態受信部733がジョブの状態情報を受信してから、タイマ制御部717の計測で、所定時間経過した後に当該ジョブの状態を示す画面の出力を停止する。これにより、セキュリティを確保できる。なお、ジョブの状態情報を受信した時刻は、ジョブ履歴記憶部719に開始情報として保持されている。
【0070】
通知フィルタ記憶部721は、通知フィルタ制御部720がフィルタリング処理に行うフィルタリングの条件を記憶する。
【0071】
通知フィルタ記憶部721が記憶する条件の具体例としては、フィルタリングなし(混合)、完了又はエラーで印刷ジョブをまとめるための条件、印刷ジョブを処理する装置毎にまとめるための条件、印刷ジョブを指定した数毎にまとめるための条件、印刷ジョブを一定の時間内毎(例えば一時間毎)にまとめるための条件などがある。
【0072】
状態制御部718は、ユーザからの操作に従って、ジョブ履歴記憶部719に記憶された複数のジョブに関する情報を出力(表示)する。この出力には、ジョブの状態情報も含まれている。この出力をする際、通知フィルタ制御部720は、ジョブ履歴記憶部719に記憶された複数のジョブの状態情報に対して、通知フィルタ記憶部721に記憶された条件を用いてフィルタリング処理を行う。
【0073】
図15は、フィルタリング無し(混合)の場合に、状態制御部718が出力する、ジョブの一覧の画面例を示した図である。図16は、ジョブ状態がエラーでフィルタリング処理された場合に、状態制御部718が出力する、ジョブの一覧の画面例を示した図である。図17は、ジョブ状態が完了でフィルタリング処理された場合に、状態制御部718が出力する、ジョブの一覧の画面例を示した図である。
【0074】
図15〜図17に示すように、フィルタリングのために設定した条件に従って、ジョブの一覧表示を行うことができる。これにより、ユーザは各ジョブの視認が容易となる。
【0075】
本実施形態は、状態制御部718の出力先を表示装置に制限するものではなく、ユーザが認識できればどのような出力態様を用いても良い。
【0076】
図18は、状態制御部718がジョブの状態情報をメールで出力した例を示した図である。図18に示すように、状態制御部718は、ジョブの状態情報が本文中に記載されたメールを送信することで、ユーザはジョブの状態を認識できる。
【0077】
本実施形態では、ジョブ追跡アプリケーション703を、仮想プリンタドライバとしてPC100に組み込むことで、ユーザが文書作成アプリケーションから、当該仮想プリンタドライバを選択するだけで、ジョブを蓄積することが可能となる。さらには、当該仮想プリンタのプロパティを参照することで、当該仮想プリンタドライバを用いて処理がなされた場合のジョブの状態の確認が可能となる。
【0078】
次に、PC100から、第1の複合機152で出力するまでの手順について説明する。図19は、PC100から、第1の複合機152で出力するまでの手順を示した図である。
【0079】
まず、PC100は、第2の複合機151に印刷ジョブを送信する際にスプール処理する(ステップS1701)。そして、第2の複合機151は、印刷ジョブを蓄積する(ステップS1702)。
【0080】
第2の複合機151は、蓄積した印刷ジョブを識別する印刷ジョブIDを、第1の複合機152に送信する。これにより第1の複合機152は、印刷ジョブIDを取得する(ステップS1703)。この際、第1の複合機152は、印刷ジョブIDと共に、認証情報を取得している。
【0081】
その後、第1の複合機152のICカード認証部311は、ユーザから、ICカードを用いたログインを受け付ける(ステップS1704)。そして、第1の複合機152のICカード認証部311が、IDカード番号に対応する認証情報をカードID―認証情報対応記憶部351から読み出す。そして、ジョブ処理部312は、当該認証情報と対応付けられた印刷ジョブIDを、ジョブID対応記憶部353から特定する。そして、ジョブ処理部312は、特定した印刷ジョブIDの一覧情報を、第2の複合機151から取得する(ステップS1705)。
【0082】
そして、ジョブ処理部312は、状態情報を含んだジョブの一覧を表示する。そして、ユーザからジョブの選択を受け付けた場合に、ジョブ処理部312は、選択された印刷ジョブを第2の複合機151から受信して(ステップS1706)、印刷処理を行う。
【0083】
上述した処理手順により、第1の複合機152、第2の複合機151、及びPC100の間のデータの送受信により、印刷ジョブによる印刷処理が可能となる。
【0084】
次に、本実施形態にかかるPC100がジョブの状態情報を取得する際の処理について説明する。図20は、本実施形態にかかるPC100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0085】
まず、スプーラが、ポートモニタ部712に対して、ポート開始を要求する(ステップS1601)。これにより、印刷ジョブによる印刷のための処理が開始される。
【0086】
この印刷のための処理の開始に伴い、ジョブを追跡するための処理も並列して行われる。そこで、ポートモニタ部712は、ジョブの状態情報の取得先のIPアドレスを含んだメッセージを、認証問合部731に対して送信する(ステップS1602)。その後、ポートモニタ部712が、スプーラに対して、送信を行った旨を通知する(ステップS1603)。
【0087】
次に認証問合部731は、認証情報を用いたジョブの送信元の認証を行っているか否かを問い合わせる問合情報(認証モードチェック)を、組込アプリ連携部716を介して送信する(ステップS1604、S1605)。次に、第1の複合機152の組込アプリケーション316が、認証を行う場合、認証を行っている旨(認証モードON)を送信する(ステップS1606、S1607)。
【0088】
そして、スプーラが、ポートモニタ部712に対して、ポート書き込みを要求する(ステップS1608)。これにより図20に示されていないが、ジョブ送信部713による印刷ジョブを第2の複合機151に送信する処理が開始される。
【0089】
一方で、印刷ジョブの追跡を行うための処理も進められる。本実施形態では、認証を行っている旨を受信した場合、認証問合部731は、Createメッセージにより、ジョブ追跡スレッド1651を生成する(ステップS1609)。このジョブ追跡スレッド1651は、図8のジョブ追跡部714の状態要求送信部732及び状態受信部733がメモリ上に展開されたものとする。このジョブ追跡スレッド1651は、追跡するジョブの数だけ生成される。
【0090】
次に、ジョブ追跡スレッド1651が、Createメッセージにより、ジョブMIB監視スレッド1652を生成する(ステップS1610)。そして、ジョブMIB監視スレッド1652が生成された場合、ジョブMIB監視スレッド1652は、生成された旨(OK)を、ジョブ追跡スレッド1651に送信する(ステップS1611)。
【0091】
そして、ジョブ追跡スレッド1651は、認証問合部731に対して、適切に処理が行われた旨(OK)を送信する(ステップS1612)。
【0092】
その後、ポートモニタ部712が、認証問合部731に、ジョブIDと認証情報とを含んだメッセージを受け渡す(ステップS1613)。そして、認証問合部731が、ジョブ追跡スレッド1651に、ジョブIDと認証情報とを含んだメッセージを受け渡す(ステップS1614)。
【0093】
これにより、ジョブ追跡スレッド1651の状態要求送信部732が、組込アプリ連携部716を介して、ジョブID及び認証情報と共に、ジョブの状態情報の取得要求を、第1の複合機152の組込アプリケーション316に送信する(ステップS1615、S1616)。
【0094】
そして、組込アプリケーション316は、ジョブ追跡スレッド1651に対して、取得要求と共に受信したジョブIDで識別される当該ジョブの状態情報(例えば蓄積中)を送信する(ステップS1617、S1618)。
【0095】
そこで、例えばステップS1615〜S1618までの処理を繰り返し実行し、印刷ジョブの状態情報が蓄積完了となるまで行われる(ステップS1619〜S1622)。
【0096】
そして、ジョブ追跡スレッド1651の状態要求送信部732が、ジョブIDを引数として、ジョブの状態情報の取得要求を、第1の複合機152のジョブMIB処理部315に送信する(ステップS1623、S1624)。
【0097】
これに伴い、ジョブ追跡スレッド1651の状態受信部733は、ジョブMIB処理部315から、ジョブの状態情報を受信する(ステップS1625、S1626)。
【0098】
一方、ポートモニタ部712は、ジョブ送信部713によるジョブの送信が終了した場合、その旨をスプーラに送信する(ステップS1627)。
【0099】
その後、スプーラが、ポートモニタ部712に対して、ポート終了である旨を送信する(ステップS1628)。これにより、ポートモニタ部712は、ポート終了である旨をスプーラに対して送信する(ステップS1629)。
【0100】
そして、認証問合部731が、スレッドの終了要求を、ジョブ追跡スレッド1651に対して要求する(ステップS1630)。その後、ジョブ追跡スレッド1651は、組込アプリ連携部716を介して、ジョブMIB監視スレッド1652に対して、Destroyメッセージを送信する(ステップS1631、S1632)。これにより、ジョブMIB監視スレッド1652は破棄される。
【0101】
その後、認証問合部731が、ジョブ追跡スレッド1651に対して、Destroyメッセージを送信する(ステップS1633)。これにより、ジョブ追跡スレッド1651は破棄される。
【0102】
上述した処理手順により、PC100では、上述した構成を備えることで、印刷ジョブの状態情報を取得することが可能となった。そして、取得した印刷ジョブの状態情報は、ジョブ履歴記憶部719に蓄積される。そして、PC100では、当該状態情報を表示装置に対して表示したり、当該状態情報をメールで通知できる。
【0103】
次に、状態制御部718による印刷ジョブの表示手順について説明する。図21は、本実施形態にかかる状態制御部718による印刷ジョブの表示手順を示したフローチャートである。
【0104】
まず、PC100では、図20に示す処理手順で印刷ジョブの状態情報を取得する(ステップS2101)。次に、タイマ制御部717が、取得をトリガーとして、カウントを開始する(ステップS2102)。
【0105】
その後、状態制御部718は、取得した印刷ジョブの状態情報に基づいて、各印刷ジョブの状態を表示装置に表示する(ステップS2103)。
【0106】
その後、状態制御部718は、カウントを開始してからのタイマ制御部717による経過時間を確認する(ステップS2104)。そして、状態制御部718は、所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS2105)。所定時間を経過していないと判定した場合(ステップS2105:No)、ステップS2104から処理を開始する。
【0107】
一方、状態制御部718は、所定時間を経過したと判定した場合(ステップS2105:Yes)、ステップS2101で取得した印刷ジョブの状態情報に関する表示を解除する(ステップS2106)。
【0108】
本実施形態では、上述した処理手順で処理を行うことで、セキュリティを確保できる。
【0109】
次に、状態制御部718による、通知フィルタを用いた表示手順について説明する。図22は、状態制御部718による通知フィルタを用いた表示手順を示したフローチャートである。
【0110】
まず、PC100では、図20に示す処理手順で印刷ジョブの状態情報を取得する(ステップS2201)。取得した印刷ジョブは、ジョブ履歴記憶部719に記憶される。
【0111】
その後、通知フィルタ制御部720が、通知フィルタ記憶部721に記憶された、印刷ジョブが完了した条件を用いてフィルタリングを行い、完了した印刷ジョブがあるか否か、換言すると印刷ジョブが完了したか否かを判定する(ステップS2202)。印刷ジョブが完了したと判定した場合(ステップS2202:Yes)、状態制御部718が印刷ジョブの完了を表示する(ステップS2203)。
【0112】
一方、通知フィルタ制御部720が印刷ジョブを完了していないと判定した場合(ステップS2202:No)、状態制御部718が印刷ジョブのエラーを表示する(ステップS2204)。上述した処理手順により、ユーザは印刷ジョブの状態を認識することができる。
【0113】
第1の実施形態では、印刷ジョブと対応付けて記憶する情報がジョブIDである場合について説明した。しかしながら、印刷ジョブと対応付ける情報は、ジョブIDに制限するものではなく、他の識別情報でも良い。例えば、印刷ジョブと、ユーザを識別するユーザID等を対応付けて記憶するようにしても良い。なお、以下の実施形態も同様とする。
【0114】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、印刷ジョブを第2の複合機に蓄積する例について説明した。しかしながら、第1の実施形態で示した態様に制限するものではなく、印刷ジョブの受け付け、蓄積する装置と、印刷ジョブを実行する装置と、が同一の装置であっても良い。
【0115】
図23は、第2の実施形態にかかる印刷処理システムの構成を示した図である。図23に示すように、本実施形態にかかる印刷処理システムは、PC100と、第1の複合機1801と、で構成されている。
【0116】
図23に示すように、PC100から、第1の複合機1801からの印刷を要求する印刷ジョブを出力すると、第1の複合機1801のジョブ記憶部に格納される。その後、ユーザが、第1の複合機1801から、ICカードリーダで認証を用いると、当該ユーザが印刷を要求した印刷ジョブの一覧が確認できる。
【0117】
そして、ユーザは、当該印刷ジョブの一覧から、印刷したい印刷ジョブを選択すると、第1の複合機1801が、自装置内に蓄積された印刷ジョブを読み取り、印刷処理を行う。
【0118】
なお、本実施形態にかかる第1の複合機1801の構成は、図3で示した構成と、図6で示した構成と、を組み合わせた構成とし、説明を省略する。そして、第1の複合機1801が行う処理も、第1の実施形態にかかる第1の複合機152と第2の複合機151とが行う処理を組み合わせたものとする。
【0119】
次に、PC100から、第1の複合機1801で出力するまでの手順について説明する。図24は、PC100から、第1の複合機1801で出力するまでの手順を示した図である。
【0120】
まず、PC100は、第1の複合機1801に印刷ジョブを送信する際にスプール処理する(ステップS1901)。そして、第1の複合機1801は、印刷ジョブを蓄積する(ステップS1902)。
【0121】
その後、第1の複合機1801のICカード認証部311は、ユーザから、ICカードを用いたログインを受け付ける(ステップS1903)。そして、第1の複合機1801のICカード認証部311が、IDカード番号に対応する認証情報をカードID―認証情報対応記憶部351から読み出す。そして、ジョブ処理部312は、当該認証情報と対応付けられた印刷ジョブIDを、ジョブID対応記憶部353から特定する。
【0122】
そして、ジョブ処理部312は、特定された印刷ジョブIDで識別される印刷ジョブの一覧を表示する。そして、ユーザから印刷ジョブの選択を受け付けた場合に、ジョブ処理部312は、選択された印刷ジョブを送信して(ステップS1904)、印刷処理を行う。
【0123】
上述した処理手順により、第1の複合機1801、及びPC100の間のデータの送受信により、印刷ジョブによる印刷処理が可能となる。
【0124】
なお、PC100と各複合機との間がどのような通信経路であるかについては制限を設けるものではない。PC100と各複合機との間はLANで接続してもよいし、公衆ネットワークを介しても良い。
【0125】
上述した実施形態では、PC100のジョブ追跡アプリケーション703が、認証機構を有する複合機に印刷を行う場合に、印刷完了までを監視することを可能とした。ジョブの状態表示や結果通知を行うことにより、ユーザが印刷完了/失敗を自席にいながらにして判断できる。これにより利便性が向上する。
【0126】
上述した実施形態では、表示装置に表示すればユーザは自席にいながらにしてジョブの結果を認識できる。また、ジョブの状態情報をメール送信で通知すれば、移動中など離席していても、ジョブの結果を認識できる。例えば、外出先の装置に対して、ジョブを出力した場合でも、確実に結果を認識することができる。これにより、ユーザの負担を軽減できる。
【0127】
さらに、上述した実施形態では、ジョブの状態情報の出力を所定時間で通知を解除するよう制限することで、ユーザはいちいちジョブの状態情報の通知の解除(表示の消去)をしなくてよいため、負担を軽減できる。
【0128】
さらに、上述した実施形態では、ジョブ履歴記憶部719にジョブの状態情報を任意の期間記録することとした。このため、印刷指示をしてから時間が経過した後で印刷ジョブの結果を忘れた場合でも、当該印刷ジョブの結果を確認できる。これにより、ユーザが重複した印刷指示を誤って行うことを抑止できる。これにより、無駄が出ず省資源を図ることができる。
【0129】
さらに、上述した実施形態では、ユーザは、エラーの詳細を知ることで、装置の故障解除/印刷データの修復など必要なアクションを認識できるので、負担を軽減できる。
【0130】
さらに、上述した実施形態では、大量の印刷ジョブを投入した場合など、まとめて結果を通知可能とした。これにより、一元化された情報でジョブの結果を認識できるので、ユーザの手間を軽減できる。
【0131】
(第3の実施形態)
第1〜第2の実施形態では、複合機がジョブを管理する例について説明した。しかしながら、複合機がジョブを管理することに制限するものではなく、ジョブを管理するためのサーバを設けても良い。第3の実施形態では、ジョブの管理を行う印刷サーバを設けた例について説明する。
【0132】
また、第1の実施形態では、PCが、ジョブの状態を第1の複合機に問い合わせていた。第3の実施形態では、ジョブの管理に合わせて、ジョブ状態の問い合わせも印刷サーバに対して行うこととする。なお、ジョブの状態を問い合わせる際の手法は、問い合わせ先が第1の複合機から印刷サーバに変更された点を除いて、第1の実施形態と同様のため説明を省略する。
【0133】
図25は、第3の実施形態にかかる印刷処理システムの構成を示した図である。図25に示す印刷処理システムの例では、PC2501と、印刷サーバ2502と、認証サーバ2503と、第1の複合機2504と、プリンタ2505と、がLAN2506を介して接続されている。
【0134】
図25に示す例では、印刷するためのジョブを、PC2501から、印刷サーバ2502に送信する例とする。そして、印刷サーバ2502に送信されたジョブは、LAN2506を介して接続された任意の印刷装置(例えばプリンタ2505、第1の複合機2504)で印刷可能となる。例えば、ユーザAが、PC2501から、印刷サーバ2502にジョブを出力した場合に、当該ジョブは、印刷サーバ2502のジョブ記憶部に格納される。この後、ユーザAは、印刷処理システムに含まれている任意の印刷装置から、当該ジョブの出力が可能となる。例えば、第1の複合機2504から印刷する場合、ユーザAは第1の複合機2504に移動し、第1の複合機2504でICカードリーダを用いた認証を行うことで、当該第1の複合機2504が、印刷サーバ2502からユーザAが所望するジョブを取得し、当該ジョブに従った印刷処理を行うことができる。なお、本実施形態では、印刷サーバ2502にジョブを出力する時と、第1の複合機2504を利用する時の2回認証が行われる。当該認証には、認証サーバ2503が用いられる。
【0135】
また、ジョブの状態等を問い合わせる際、ユーザが、任意の複合機(例えば第1の複合機2504)の(図示しない)カードリーダに、カードIDを入力する。そして、当該カードIDは、任意の複合機から、認証サーバ2503に送信される。そして、認証サーバ2503が、カードIDを用いて認証を行う。そして、認証サーバは、認証に問題が無かった場合に、カードIDと対応付けられた認証情報を、第1の複合機2504に送信する。これにより、任意の複合機(例えば第1の複合機2504)は、当該認証情報と対応づけられたジョブの状態や、当該認証情報と対応づけられたジョブの一覧等を取得できる。
【0136】
ところで、第1及び第2の実施形態では、PC等からジョブの状態を取得することは可能なため、当該ジョブでエラーが生じた等の状況は把握できるが、当該ジョブの印刷結果は参照できなかった。
【0137】
そこで、本実施形態にかかる印刷処理システムでは、PC2501、第1の複合機2504等の装置からジョブのプレビュー画像データを表示可能とした。
【0138】
プレビュー画像データは、所定の印刷設定に従って印刷された場合の印刷物を示した画像データとする。本実施形態では、印刷設定が示された情報を、印刷設定情報とする。
【0139】
また、本実施形態では、印刷サーバ2502に蓄積されたジョブに関するものであれば、印刷前であっても印刷結果が示されたプレビュー画像データを参照できる。これにより、ユーザは、各種装置から、プレビュー画像データを視認することで、印刷前に実際に印刷された場合に出力される印刷物(記憶媒体)を予想できる。従って、本実施形態では、印刷ミス(例えば、誤ったジョブの印刷)を抑止できると共に、利便性が向上する。
【0140】
図26は、本実施形態にかかるPC2501のブロック構成を示した図である。図26に示すPC2501は、第1の実施形態にかかるPC100とは、プレビュー生成部2601が追加され、ジョブ送信部713と処理が異なるジョブ送信部2602に変更され、ジョブ追跡部714と処理が異なるジョブ追跡部2603に変更され、状態制御部718と処理が異なる状態制御部2604に変更されている点で異なる。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0141】
プレビュー生成部2601は、ジョブによる印刷結果が表されたプレビュー画像データを生成する。本実施形態にかかるプレビュー生成部2601で生成されたプレビュー画像データは、印刷サーバ2502に送信される。
【0142】
ジョブ送信部2602は、ポートモニタ部712の制御に従って、画像情報の印刷又はFAXを示すジョブと共に、当該ジョブを識別するジョブIDと、認証情報と、共にプレビュー生成部2601により生成されたプレビュー画像データを、印刷サーバ2502に送信する。さらに、ジョブ送信部2602は、当該ジョブを印刷する際に用いる印刷設定情報を、印刷サーバ2502に送信する。
【0143】
ジョブ送信部2602が送信する認証情報は、ユーザが、表示画面に予め入力した情報とする。図27は、認証情報の入力画面例を示した図である。図27に示す入力画面例では、認証情報としてIDとパスワードとの入力を受け付ける。
【0144】
図26に戻り、本実施形態にかかる組込アプリ連携部716は、印刷サーバ2502の組込アプリケーション3223及びジョブMIB処理部315と連携するためのインターフェイスとなる。
【0145】
ジョブ追跡部2603は、第1の実施形態にかかるジョブ追跡部714の構成に備えて、プレビュー受信部2631をさらに備える。
【0146】
プレビュー受信部2631は、組込アプリ連携部716を介して、印刷サーバ2502から、ジョブ送信部2602により送信されたジョブによる処理結果が表されたプレビュー画像データを、印刷サーバ2502から受信する。
【0147】
なお、本実施形態のように、ジョブの実行先が複数存在する場合、本実施形態にかかる状態受信部733は、ジョブIDで対応付けられたジョブの状態情報として、ジョブが印刷サーバ2502において蓄積されている段階、及び印刷サーバ2502から取得されたジョブが第1の複合機2504などの1つ以上の印刷装置のいずれかで実行された段階のうち少なくとも1つ以上を示した状態情報を受信する。
【0148】
状態制御部2604は、上述した実施形態のように状態受信部733が受信した状態情報の他、プレビュー受信部2631により受信されたプレビュー画像データを、図示しない表示装置に出力する。
【0149】
図28は、第3の実施形態においてジョブの蓄積が完了した場合に、状態制御部2604により表示されるポップアップ画面の例を示した図である。本実施形態においては当該ポップアップ画面で、プレビュー受信部2631が受信したプレビュー画像データが表示される。
【0150】
図29は、第3の実施形態において印刷が完了した場合に、状態制御部2604により表示される通知画面の例を示した図である。本実施形態においては当該通知画面で、プレビュー受信部2631が受信したプレビュー画像データが表示される。図29に示す例では、表示画面のタスクバー近辺に吹き出しとして表示されている。
【0151】
図30は、状態制御部2604により表示されるジョブ一覧画面の第1の例を示した図である。本実施形態にかかるジョブ一覧画面は、ユーザからの操作に従って表示される画面である。図30に示すジョブ一覧画面では、ジョブ毎に、プレビュー画像データが表示される。図30に示す例では、ジョブ毎に、ジョブに従って印刷される文書データの一枚目の画像データが表示される。なお、プレビュー画像データとして表示される画像データは、文書データの一枚目に制限するものではない。2枚目以降であっても良いし、画像データを複数枚表示しても良い。なお、当該ジョブ一覧画面を表示するタイミングは、特に制限されるものではなく、例えばユーザから一覧画面を表示する旨の操作を受け付けた場合などがある。
【0152】
図31は、状態制御部2604により表示されるジョブ一覧画面の第2の例を示した図である。図31に示す例では、ジョブ毎にプレビュー画像データが3枚分表示されている。これにより、ユーザは、ジョブ毎の文書データの特定が容易になる。なお、ジョブ一覧画面で表示されるプレビュー画像データは3枚分に制限するものではなく2枚分、4枚分以上であっても良い。
【0153】
本実施形態では、ジョブ追跡アプリケーション703を、仮想プリンタドライバとしてPC100に組み込むことで、ユーザが文書作成アプリケーションから、当該仮想プリンタドライバを選択するだけで、ジョブを蓄積することが可能となるほか、仮想プリンタドライバのプロパティを参照することで、当該仮想プリンタドライバによる処理結果となるプレビュー画像データの参照が可能となる。
【0154】
このように、仮想プリンタドライバでプレビュー画像データを生成することで、プリンタ言語や、出力装置の仕様に依存しないプレビュー画像データを得られる。換言すれば、任意の環境で印刷サーバを利用できるので、ユーザの導入コストを削減できる。
【0155】
図32は、本実施形態にかかる印刷サーバ2502及び認証サーバ2503のブロック構成を示した図である。図32に示す例では、印刷サーバ2502及び認証サーバ2503に含まれる構成のうち、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0156】
印刷サーバ2502は、ソフトウェア構成3202と、記憶装置3201と、を備えている。印刷サーバ2502は、第1の実施形態にかかる第2の複合機151の構成及び第1の複合機152の構成を含み、PC2501から受信したジョブを記憶し、要求に応じて他の複合機、又はプリンタに当該ジョブを送信する。
【0157】
記憶装置3201は、ジョブ記憶部651と、ジョブ状態記憶部652と、処理済ジョブ履歴記憶部3213と、ジョブID対応記憶部3212と、プレビュー管理テーブル3211と、を備える。
【0158】
ジョブID対応記憶部3212は、通信処理部3221が受信したジョブに関する情報を記憶する。図33は、第3の実施形態にかかるジョブID対応記憶部3212のテーブル構造を示した図である。図33に示すように、ジョブID対応記憶部3212は、ジョブを識別するジョブIDと、当該ジョブの認証に用いる認証情報と、当該ジョブの印刷に用いる印刷設定情報と、を対応付けて記憶する。
【0159】
プレビュー管理テーブル3211は、PC2501から受信したプレビュー画像データに関する情報を管理するテーブルとする。図34は、プレビュー管理テーブル3211のテーブル構造を示した図である。図34に示すように、プレビュー管理テーブル3211は、ジョブIDと、当該ジョブの印刷要求を行った開始時刻と、プレビュー画像データのサイズと、プレビュー画像データのバイナリ部と、を対応付けて記憶している。このようにジョブIDとプレビュー画像データとを対応付けているため、ジョブに対応するプレビュー画像データを提供することができる。
【0160】
処理済ジョブ履歴記憶部3213は、通信処理部3221が受信したジョブの状態情報を、履歴として記憶する。図35は、本実施形態にかかる処理済ジョブ履歴記憶部3213のテーブル構造を示した図である。図35に示すように、処理済ジョブ履歴記憶部3213は、ジョブIDと、開始時刻と、ジョブ状態と、出力装置名と、装置状態と、文書名と、印刷設定情報と、を対応付けて記憶している。
【0161】
図32に戻り、ソフトウェア構成3202は、制御部3222と、ジョブMIB処理部315と、組込アプリケーション3223と、通信処理部3221と、を備える。
【0162】
通信処理部3221は、第1の複合機2504又はPC2501との間でデータを送受信する。例えば、通信処理部3211は、PC2501から、ジョブと、当該ジョブを識別するジョブIDと、当該ジョブの認証に必要な認証情報と、プレビュー画像データと、印刷設定情報と、を受信する。
【0163】
また、通信処理部3221は、認証を行う際に、認証サーバ2503に対して認証情報を送信し、当該認証情報による認証結果を受信する。認証の後、制御部3222が受信したジョブに関する情報の登録まで終了すると、通信処理部3211が、PC2501にプレビュー画像データを送信する。
【0164】
さらに、通信処理部3221は、第1の複合機2504からのジョブの送信要求を受信した場合に、受信したジョブに関する情報を第1の複合機2504に送信する。
【0165】
制御部3222は、ジョブ記憶部651、ジョブ状態記憶部652、処理済ジョブ履歴記憶部3213、ジョブID対応記憶部3212、プレビュー管理テーブル3211に対して、レコードの追加、更新、及び削除を行う。
【0166】
例えば、制御部3222は、ジョブの状態に応じて、ジョブ状態記憶部652のレコードの追加、更新、及び削除を行う。他の例としては、制御部3222は、通信処理部3221により受信したプレビュー画像データに関する情報を、プレビュー管理テーブル3211に登録したり、受信したジョブに関する情報を、ジョブID対応記憶部3212に登録する。
【0167】
ジョブMIB処理部315は、情報提供部321を備え、機器(例えば、第2の複合機151)の状態を示す情報や、機器が保持しているジョブの状態を示す情報を、他の装置に対して提供する。
【0168】
組込アプリケーション3223は、認証部3231と、状態情報取得部324と、を備え、PC100に対してジョブの状態の提供を実現する。
【0169】
認証部3231は、ジョブを受信する際に、当該ジョブを管理してよいか否かを確認するために、通信処理部3221を介して、ジョブと共に受信した認証情報を認証サーバ2503に送信し、認証を要求する。そして、認証部3231は、通信処理部3221を介して、認証サーバ2503から、認証結果を受信する。そして、認証が適切に行われた場合に限り、制御部3222は、当該ジョブに関する情報の登録等を行う。
【0170】
例えば、制御部3222は、通信処理部3221が受信したジョブを識別するジョブIDと、当該ジョブの認証に用いる認証情報と、当該ジョブの印刷に用いる印刷設定情報と、を対応付けてジョブID対応記憶部3212に記憶させ蓄積する。
【0171】
制御部3222は、ジョブID対応記憶部3212に蓄積されたジョブの状態情報として、ジョブが印刷サーバ2502に蓄積されている段階を示す情報(例えば“蓄積済み”)を、ジョブ状態記憶部652に登録して、記憶させる。
【0172】
通信処理部3221は、第1の複合機2504から認証情報を受信する。
【0173】
そして、認証情報を受信した際に、通信処理部3221は、ジョブID対応記憶部3212において記憶し、識別情報により特定されたジョブIDと対応付けられたジョブであって、状態情報が、印刷サーバ2502に蓄積されている段階(例えば“蓄積済み”)を示したジョブを、第1の複合機2504に送信する。
【0174】
そして、制御部3222が、通信処理部3221によって送信されたジョブが送信先の第1の複合機2504で実行された場合に、状態情報を、印刷サーバ2502に蓄積されている段階(例えば“蓄積済み”)から、第1の複合機152で問題なく実行された段階(例えば“succeed”)を示す情報へと更新する。
【0175】
そして、通信処理部3221が、PC2501からジョブIDと認証情報とを受信した場合に、認証部3231は、受信した認証情報とジョブIDとが、ジョブID対応記憶部3212で対応付けているか否かに従って認証を行う。本実施形態では、認証部3231が、対応付けられている場合に、適切に認証が行われたものとみなす。
【0176】
状態情報取得部324は、適切に認証が行われた場合に、PC2501から受信したジョブIDを検索キーとして、処理済ジョブ履歴記憶部3213を検索する。当該ジョブIDが登録されている場合に、当該ジョブIDで識別されるジョブの状態が処理済みの段階であることを認識できる。一方、状態情報取得部324は、当該ジョブIDが処理済ジョブ履歴記憶部3213に登録されていない場合、ジョブIDを検索キーとしてジョブ状態記憶部652を検索する。これにより、状態情報取得部324は、状態情報を取得する。
【0177】
ジョブMIB処理部315は、情報提供部321を備え、機器(例えば、第2の複合機151)の状態を示す情報や、機器が保持しているジョブの状態を示す情報を、他の装置に対して提供する。
【0178】
情報提供部321は、適切な認証が行われた場合に、状態情報取得部324が取得したジョブの状態を、PC2501に対して送信する。さらに、情報提供部321は、第1の複合機152又は第2の複合機151の状態を、PC2501に対して提供する。
【0179】
そして、制御部3222は、他の印刷機器(例えば第1の複合機2504)で処理されたジョブを識別するジョブIDを、処理済ジョブ履歴記憶部3213に登録する。
【0180】
認証サーバ2503は、ICカード認証部3254と、通信処理部3251と、ジョブ認証部3252と、記憶装置3253と、を備える。認証サーバ2503は、他の機器からの要求に従って、認証を行い、認証結果を送信する。
【0181】
通信処理部3251は、認証サーバ2503や、印刷サーバ2502との間でデータの送受信を行う。
【0182】
記憶装置3253は、カードID―認証情報対応記憶部351を記憶する。カードID―認証情報対応記憶部351のテーブル構造は、第1の実施形態と同様として説明を省略する。
【0183】
ジョブ認証部3252は、印刷サーバ2502から認証情報が送信されてきた場合に、当該認証情報とカードID―認証情報対応記憶部351とを用いた認証を行う。
【0184】
ICカード認証部3254は、第1の複合機2504等に備えられた(図示しない)カードリーダから入力されたカードIDに基づいて認証を行う。本実施形態では、ICカード認証部3254は、第1の複合機2504からカードIDに関する情報を受信した場合に、カードID―認証情報対応記憶部351を参照して認証を行う。適切に認証が行われた場合に、ICカード認証部3254は、入力されたカードIDとカードID―認証情報対応記憶部351で対応付けられている認証情報を取得し、認証結果と共に認証情報を、第1の複合機2504に送信する。これにより、第1の複合機2504は、認証情報と対応付けられたジョブに関する情報を、印刷サーバ2502から取得できる。
【0185】
図36は、本実施形態にかかる印刷処理システムにおける印刷終了までの手順を示したシーケンス図である。
【0186】
図36に示すように、ユーザは、PC2501に対して文書の印刷を指示する(ステップS3501)。次に、PC2501のプレビュー生成部2601は、ポートモニタ部712の制御に従って、印刷指示の対象となった文書に関するプレビュー画像データを生成する(ステップS3502)。
【0187】
その後、ジョブ送信部2602が、印刷指示の対象となったジョブ、PC2501にログインしているユーザの認証情報、プレビュー画像データを印刷サーバ2502に送信する(ステップS3503)。その際、ジョブ送信部2602は、印刷設定情報も送信する。
【0188】
そして、印刷サーバ2502の通信処理部3221が、ジョブ、認証情報、プレビュー画像データ、及び印刷設定情報を受信した場合に、通信処理部3221が、認証部3231に従って、認証情報を、認証サーバ2503に送信する(ステップS3504)。
【0189】
そして、ジョブ認証部3252が、受信した認証情報と、カードID―認証情報対応記憶部351とに基づいて認証を行う(ステップS3505)。そして、ジョブ認証部3252が、認証情報が適切であったか否かを判定する(ステップS3506)。適切でなかったと判定した場合に(ステップS3506:No)、通信処理部3251が、認証失敗である旨を、印刷サーバ2502に通知する(ステップS3507)。さらに、印刷サーバ2502の通信処理部3221が、認証失敗である旨を、PC2501に通知する(ステップS3508)。
【0190】
そして、PC2501の状態制御部2604が、認証失敗した旨を表示する(ステップS3509)。これにより、ユーザがPC2501に対して認証情報を再入力する(ステップS3510)。そして、再びステップS3501から処理を行う。
【0191】
また、ステップS3506で、ジョブ認証部3252が、認証情報が適切であると判定した場合に(ステップS3506:Yes)、通信処理部3251が、認証が適切に行われた旨を、印刷サーバ2502に通知する(ステップS3511)。
【0192】
そして、印刷サーバ2502が、認証が適切に行われた旨を受信した場合に、制御部3222が、当該ジョブを、ジョブ記憶部651に蓄積する(ステップS3512)。その際、ジョブIDと、ジョブが印刷サーバ2502に蓄積されている段階を示す情報(例えば“蓄積済み”)と、対応付けてジョブ状態記憶部652に登録する。さらに、印刷サーバ2502が、蓄積完了した旨を、PC2501に通知する(ステップS3513)。
【0193】
また、制御部3222が、当該ジョブに対応するプレビュー画像データを蓄積すると共に、当該プレビュー画像データに関する情報を、プレビュー管理テーブル3211に登録する(ステップS3514)。
【0194】
その後、PC2501の状態要求送信部732が、プレビュー画像データの要求をジョブIDと共に、印刷サーバ2502に送信する(ステップS3515)。
【0195】
そして、印刷サーバ2502の通信処理部3221が、制御部3222を介して、プレビュー管理テーブル3211でジョブIDと対応付けられているプレビュー画像データを読み出して、当該プレビュー画像データをPC2501に送信する(ステップS3516)。
【0196】
そして、PC2501の状態制御部2604が、プレビュー画像データを表示する(ステップS3517)。なお、画面例は、すでに説明しているので省略する。
【0197】
そして、印刷サーバ2502にジョブが蓄積されているため、ユーザは、第1の複合機2504の前まで移動し、当該ジョブによる印刷を行うための操作を開始する。
【0198】
まず、ユーザは、ICカードをカードリーダに読み込ませて、第1の複合機2504に対する認証を開始する(ステップS3518)。そして、第1の複合機2504は、認証サーバ2503に対して、読み込まれたICカードの情報と共に、認証要求を送信する(ステップS3519)。
【0199】
そして、認証サーバ2503のICカード認証部3254が、受信したICカードの情報と、カードID―認証情報対応記憶部351とを用いて、認証を行う(ステップS3520)。ICカード認証部3254が、受信したICカードの情報が適切であったか否かを判定する(ステップS3521)。適切でなかったと判定した場合に(ステップS3521:No)、通信処理部3251が、認証失敗である旨を、第1の複合機2504に通知する(ステップS3522)。さらに、第1の複合機2504が、認証失敗である旨を表示する(ステップS3523)。これにより、ユーザは、再びICカードによる認証を開始する(ステップS3518)。
【0200】
一方、ステップS3521で、ICカード認証部3254が、認証情報が適切であると判定した場合に(ステップS3521:Yes)、通信処理部3251が、ICカードの情報と対応付けられている認証情報と共に、認証が適切に行われた旨を、第1の複合機2504に通知する(ステップS3524)。
【0201】
適切に認証が行われた場合に、第1の複合機2504が、認証サーバ2503から受信した認証情報と共に、ジョブ一覧の取得要求を、印刷サーバ2502に送信する(ステップS3525)。そして、印刷サーバ2502が、認証情報と対応付けられているジョブIDの一覧を送信する(ステップS3526)。ただし、送信対象となるジョブIDは、ジョブ状態記憶部652において、印刷サーバ2502に蓄積されている段階を示す情報(例えば“蓄積済み”)が登録あれているジョブIDとする。つまり、すでに印刷済みのジョブIDは、送信しなくとも良い。
【0202】
そして、第1の複合機2504が、受信したジョブIDに基づいて、ジョブの一覧を表示する(ステップS3527)。
【0203】
第1の複合機2504は、表示したジョブの一覧から、ユーザの操作に従ってジョブの選択を受け付ける(ステップS3528)。そして、第1の複合機2504が、選択されたジョブの取得要求を、当該ジョブIDと共に、印刷サーバ2502に送信する(ステップS3529)。
【0204】
印刷サーバ2502が、受信したジョブIDで識別されるジョブを、印刷設定情報と共に送信する(ステップS3530)。第1の複合機2504が、印刷設定情報ともにジョブの印刷を行う(ステップS3531)。
【0205】
その後、第1の複合機2504が、印刷サーバ2502に対して、ジョブの処理終了を通知する(ステップS3532)。これによりジョブ状態の更新が行われる。例えば、制御部3222は、ジョブ状態記憶部652に対して、印刷済みのジョブIDと対応付けられているジョブの状態を、印刷サーバ2502に蓄積されている段階(例えば“蓄積済み”)から、第1の複合機152で問題なく実行された段階(例えば“succeed”)に更新する。
【0206】
本実施形態にかかる印刷処理システムでは、上述した構成を備えることで、印刷サーバ2502でジョブを一括管理することができる。そして、印刷サーバ2502が、所望の印刷装置に、ジョブを提供することができる。これにより、ユーザが所望する印刷装置から、ジョブによる印刷が行われた記録媒体を取得できる。
【0207】
また、本実施形態では、第1〜第2の実施形態のような複合機ではなく、印刷サーバ2502でジョブを一括管理することとした。このようにジョブを管理するための専用の機器を新たに設けたことで、大規模な印刷処理システムを構築することが可能となる。
【0208】
さらに本実施形態にかかる印刷処理システムでは、PC2501でプレビュー画像データを生成し、印刷サーバ2502でプレビュー画像データを管理することにした。これにより印刷サーバ2502は、他の機器からの要求等に応じて当該プレビュー画像データを送信できる。送信したプレビュー画像データにより、ユーザは印刷結果を確認できる。このように本実施形態では、利便性が向上する。
【0209】
なお、本実施形態においては、プレビュー画像データをPC2501が表示する例について説明したが、プレビュー画像データを表示する機器は、印刷サーバ2502とデータの送受信可能な装置であれば良く、PC2501に制限するものではない。
【0210】
本実施形態は、PC2501が、印刷サーバ2502にジョブを送信する際にも認証情報による認証が行われる例とした。しかしながら、ジョブを送信する際の認証は、本実施形態に制限するものではなく、例えば、第1の実施形態及び第2の実施形態でもジョブを送信する際に行っても良い。
【0211】
本実施形態では、印刷する前に、PC2501にプレビュー画像データを表示する例について説明したが、このような状況に制限するものではない。つまり、印刷サーバ2502は、印刷が終了した後もジョブに関する情報を記憶しているため、印刷が終了した後に、PC2501等からの要求に応じて、印刷が終了したジョブに関するプレビュー画像データを送信しても良い。例えば、印刷サーバ2502は、PC2501から送信された認証情報と対応付けられたジョブIDの一覧を、PC2501に送信する。その後、印刷サーバ2502は、PC2501で一覧から選択されたものとして送信されてきたジョブIDと対応付けられたプレビュー画像データ等を、PC2501に送信すればよい。
【0212】
なお、ジョブのプレビューは、第3の実施形態の構成に制限するものではなく、例えば、第1〜第2の実施形態に示したような複合機で構成された印刷処理システムで実現しても良い。
【0213】
本実施形態では、プレビュー画像データをテーブルで管理する例について説明したが、テーブルで管理することに制限するものではない。他の形式でプレビュー画像データを管理してもよく、例えばXML形式で管理することが考えられる。
【0214】
(第4の実施形態)
第3の実施形態では、プレビュー画像データをPC2501で生成する例について説明した。しかしながら、第3の実施形態は、プレビュー画像データの生成を、ジョブを送信するPC側で生成することに制限するものではない。そこで、第4の実施形態では、プレビュー画像データを、印刷サーバ側で生成する例について説明する。なお、PC側の処理は、プレビュー画像データを生成しないことを除いて、第3の実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0215】
図37は、本実施形態にかかる印刷サーバ3601及び認証サーバ2503のブロック構成を示した図である。図37に示す例では、印刷サーバ3601及び認証サーバ2503に含まれる構成のうち、上述した第3の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0216】
印刷サーバ3601のソフトウェア構成3602は、第3の実施形態にかかる印刷サーバ2502のソフトウェア構成3202と比べて、プレビュー生成部3611が追加され、制御部3222と処理が異なる制御部3612に変更されている点で異なる。
【0217】
プレビュー生成部3611は、受信したジョブによる印刷結果が表されたプレビュー画像データを生成する。本実施形態にかかるプレビュー生成部3611は、PC2501から送信されてきたジョブのプレビュー画像データを生成する。
【0218】
制御部3612は、ジョブ記憶部651、ジョブ状態記憶部652、処理済ジョブ履歴記憶部3213、ジョブID対応記憶部3212、プレビュー管理テーブル3211に対して、レコードの追加、更新、及び削除を行う。
【0219】
例えば、制御部3612は、プレビュー生成部3611により生成されたプレビュー画像データに関する情報を、プレビュー管理テーブル3211に登録したり、受信したジョブに関する情報を、ジョブID対応記憶部3212に登録する。
【0220】
さらに本実施形態では、第1の複合機2504でジョブの印刷時に設定の変更が行われた場合に、プレビュー生成部3611が、変更された設定に基づくプレビュー画像データを生成するほか、制御部3612が変更された設定を記憶するよう、プレビュー管理テーブル3211や、処理済ジョブ履歴記憶部3213に記憶されたレコードの更新を行う。なお、他の処理は第3の実施形態と同様として説明を省略する。
【0221】
図38は、本実施形態にかかる印刷処理システムにおける印刷終了までの手順を示したシーケンス図である。なお、第3の実施の形態の図36で示したシーケンスと同様の手順は、図36と同一のステップ番号を割り当てる(例えばステップS3501、ステップS3504〜ステップS3510、ステップS3515〜ステップS3532)。
【0222】
まずは、第3の実施の形態の図35で示したシーケンスと同様に、ユーザは、PC2501に対して文書の印刷を指示する(ステップS3501)。その後、PC2501では2501のジョブ送信部2602が、印刷指示の対象となったジョブ、PC2501にログインしているユーザの認証情報、印刷設定情報を印刷サーバ3601に送信する(ステップS3701)。
【0223】
その後、第3の実施の形態で示したシーケンスと同様に、認証からジョブの蓄積まで行われる(ステップS3504〜S3512)。
【0224】
その後、印刷サーバ3601のプレビュー生成部3611が、受信したジョブを、受信した印刷設定情報に従って印刷した場合の印刷結果が表されたプレビュー画像データを生成する(ステップS3702)。その後、制御部3612が、生成したプレビュー画像データを蓄積すると共に、当該プレビュー画像データに関する情報を、プレビュー管理テーブル3211に登録する(ステップS3703)。印刷サーバ3601が、蓄積完了した旨を、PC2501に通知する(ステップS3704)。
【0225】
その後、第3の実施形態と同様に、プレビュー画像をPC2501に送信したり、第1の複合機2504からのジョブの印刷が行われる(ステップS3515〜S3532)。
【0226】
第4の実施形態では、第1の複合機2504で印刷設定の変更が行われた場合に、変更された印刷設定に基づいてプレビュー画像データの再生成が行われる。そこで、プレビュー画像データの再生成の手順について説明する。図39は、第4の実施形態にかかる印刷処理システムにおけるプレビュー画像データの再生成の手順を示した図である。
【0227】
まずは、印刷サーバ3601の制御部3612が、印刷ジョブを蓄積する(ステップS3801)。次に、プレビュー生成部3611が、ジョブに基づいてプレビュー画像データを生成する(ステップS3802)。生成されたプレビュー画像データも蓄積される。
【0228】
その後、ユーザAが、第1の複合機2504から印刷するためにICカードを入力する(ステップS3803)。これにより、第1の複合機2504が、入力されたICカードの情報が、認証サーバ2503に送信される(ステップS3804)。そして、認証サーバ2503が、認証結果と、ICカードと対応づけられた認証情報と、を第1の複合機2504に送信する(ステップS3805)。
【0229】
これにより、第1の複合機2504が、認証情報と共に、ジョブ一覧の取得要求を、印刷サーバ3601に送信する(ステップS3806)。そして、印刷サーバ3601が、認証情報と対応付けられているジョブIDの一覧を送信する(ステップS3807)。これにより、第1の複合機2504が、ジョブ一覧を取得できる。
【0230】
さらに印刷サーバ3601は、第1の複合機2504からの要求に応じて、ジョブIDの一覧に含まれていた印刷ジョブを、第1の複合機2504に送信する(ステップS3808)。その際に、ジョブと共に、印刷に用いる印刷設定情報を送信する。
【0231】
ところで、ユーザがジョブによる印刷を指示する際に、印刷設定の変更を行う場合がある(ステップS3809)。例えば、ジョブでは記録媒体一枚毎に一ページ割り当てられていたが、一枚に複数のページ(例えば2ページ)を割り当てる、いわゆるNin1印刷を行う場合が考えられる。これにより、変更された印刷設定で印刷が行われる。
【0232】
その後、第1の複合機2504が、印刷サーバ3601に対して、ジョブの処理が終了した旨を通知するが、その際に変更された印刷設定情報も送信される(ステップS3810)。
【0233】
そして、印刷サーバ3601の制御部3612は、受信した印刷設定情報を蓄積するほかに、当該印刷設定情報に従ったプレビュー画像データを再生成し、蓄積する(ステップS3811)。
【0234】
このように第3〜第4の実施形態にかかる印刷処理システムにおいては、印刷サーバにジョブを送信した後、印刷前又は印刷後にプレビュー画像データをPC等の他の機器にプレビュー画像データを提供することができることにした。
【0235】
これにより、ユーザは、印刷前に、最終的な印刷結果を示したプレビュー画像データを確認できる。これにより、ユーザは、自席にいながら、複合機で印刷された場合の内容を事前に確認できるので、印刷ミスを防止できる。
【0236】
さらにユーザは、印刷後で当該ジョブに関する履歴を確認する際、印刷結果に基づくプレビュー画像データを参照できる。これにより、前に印刷したジョブを用いて、再印刷を行う場合に、他のジョブとの混同を抑止できる。
【0237】
上述した実施形態では、印刷やFAX処理を行うジョブを用いた例について説明した。しかしながら、これら実施態様は、ジョブの種別を制限する技術ではなく、外部装置で実行されるジョブであればよい。
【0238】
さらに、ジョブの種別が異なる場合には、ジョブを実行する外部装置も同様に異なる。つまり、ジョブを管理する装置や、ジョブを処理する装置は、上述した実施形態のように、複合機などの印刷を実行する印刷処理装置や、印刷ジョブを管理する印刷サーバ等に制限するものではなく、様々な装置に適用できる。例えば、オフィス環境で構築されたオフィス機器などに適用しても良い。
【0239】
例えば、PC等の情報処理装置が、データを含む任意のジョブを、当該ジョブを管理するジョブサーバに送信し、当該ジョブサーバが、プロジェクターやPC等のジョブ実行装置に出力し、1以上の任意の第3の機器(MFPやプロジェクター、PCなどの出力機器)がジョブに含まれるデータを出力する等が考えられる。
【0240】
図40は、上述した実施形態のPC、及び印刷サーバのハードウェア構成を示した図である。図40に示すように、PC、及び印刷サーバは、CPU3901と、ROM(Read Only Memory)3902と、RAM3903と、HDD3904と、通信インターフェイス(I/F)3905と、入力デバイス3906と、表示装置3907と、これらを接続するバス3908と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0241】
上述した実施形態のPCで実行されるジョブ追跡アプリケーションや印刷サーバで実行されるジョブ管理アプリケーションは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0242】
また、上述した実施形態のPCで実行されるジョブ追跡アプリケーションや印刷サーバで実行されるジョブ管理アプリケーションを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上述した実施形態のPCで実行されるジョブ追跡アプリケーションや印刷サーバで実行されるジョブ管理アプリケーションをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0243】
また、上述した実施形態のジョブ追跡アプリケーションやジョブ管理アプリケーションを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0244】
例えば、上述した実施形態のPCで実行されるジョブ追跡アプリケーションは、上述した各部(UI制御部、ポートモニタ部、ジョブ送信部、ジョブ追跡部、ジョブID生成部、組込アプリ連携部、タイマ制御部、状態制御部、通知フィルタ制御部、プレビュー生成部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が記憶媒体からジョブ追跡アプリケーションを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、UI制御部、ポートモニタ部、ジョブ送信部、ジョブ追跡部、ジョブID生成部、組込アプリ連携部、タイマ制御部、状態制御部、通知フィルタ制御部、プレビュー生成部が主記憶装置上に生成されるようになっている。また、印刷サーバで実行されるジョブ管理アプリケーションも同様の処理が行われる。
【符号の説明】
【0245】
100、2501…情報処理装置(PC)
151、152、1801…複合機
301…ソフトウェア構成
302…記憶装置
311…ICカード認証部
312…ジョブ処理部
313…ジョブ要求部
314、3221…通信処理部
315…ジョブMIB処理部
316、3223…組込アプリケーション
321…情報提供部
322、3231…認証部
324…状態情報取得部
351…カードID―認証情報対応記憶部
352、3213…処理済ジョブ履歴記憶部
353、3212…ジョブID対応記憶部
601…ソフトウェア構成
602…記憶装置
611…通信処理部
612、3222、3612…制御部
651…ジョブ記憶部
652…ジョブ状態記憶部
701…OS
703…ジョブ追跡アプリケーション
711…UI制御部
712…ポートモニタ部
713、2602…ジョブ送信部
714、2603…ジョブ追跡部
715…ジョブID生成部
716…組込アプリ連携部
717…タイマ制御部
718、2604…状態制御部
719…ジョブ履歴記憶部
720…通知フィルタ制御部
721…通知フィルタ記憶部
731…認証問合部
732…状態要求送信部
733…状態受信部
1651…ジョブ追跡スレッド
1652…ジョブMIB監視スレッド
2502、3601…印刷サーバ
2503…認証サーバ
2601、3611…プレビュー生成部
2631…プレビュー受信部
3201…記憶装置
3202、3602…ソフトウェア構成
3211…プレビュー管理テーブル
3251…通信処理部
3252…ジョブ認証部
3253…記憶装置
3254…ICカード認証部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0246】
【特許文献1】特開平08−272557号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から送信されるジョブおよび第1の識別情報を受信して、前記ジョブと前記第1の識別情報とを対応付けて記憶する第1の外部装置と、前記第1の外部装置に第2の識別情報を送信して、当該第2の識別情報に基づいて特定された前記第1の識別情報と対応付けられた前記ジョブを前記第1の外部装置から取得し、当該ジョブを実行する1以上の第2の外部装置と、にネットワークを介して通信可能に接続する情報処理装置であって、
前記第1の外部装置に前記ジョブおよび前記第1の識別情報を送信するジョブ送信手段と、
1以上の前記第2の外部装置のいずれかで実行され得るジョブであって、前記第1の外部装置に送信した前記第1の識別情報と対応付けられた前記ジョブの状態を示す状態情報を前記第1の外部装置に要求する要求手段と、
前記第1の識別情報に対応付く前記ジョブの状態情報として、前記ジョブが前記第1の外部装置において蓄積された第1の段階および前記第1の外部装置から取得された前記ジョブが1以上の前記第2の外部装置のいずれかで実行された第2の段階を示した状態情報を、前記第1の外部装置から受信する状態受信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ジョブ送信手段により送信された前記ジョブによる処理結果が表されたプレビュー画像情報を、前記第1の外部装置から受信するプレビュー受信手段と、
前記プレビュー受信手段により受信された前記プレビュー画像情報を表示装置に出力する出力手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ジョブ送信手段により送信される前記ジョブによる処理結果が表されたプレビュー画像情報を生成する生成手段を、さらに備え、
前記ジョブ送信手段が、前記ジョブと共に、当該ジョブによる処理結果が表されたプレビュー画像情報を送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記状態受信手段が受信した前記状態情報を出力する状態制御手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記状態制御手段は、さらに、前記状態受信手段が前記ジョブの状態情報を受信してから、所定時間経過後に出力を停止する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記状態受信手段が受信した前記ジョブの状態情報を、履歴として記憶する記憶手段を、さらに備える請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記状態制御手段は、さらに、前記状態受信手段が前記ジョブの前記状態情報として、当該ジョブが正常に完了していない状態情報を受信した場合に、前記第2の外部装置においてエラーが生じたことを出力する、
請求項4乃至6のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記状態制御手段は、さらに、複数のジョブの状態情報を一つ毎に出力する、又は任意の条件を満たした複数のジョブの状態情報をまとめて出力する、
請求項4乃至7のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ジョブ送信手段がジョブの送信する前記第1の外部装置と、前記認証送信手段が前記ジョブ識別情報と前記認証情報とを送信する前記ジョブ処理装置と、が同一装置である、
請求項1乃至8のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置と、外部から送信されるジョブおよび第1の識別情報を受信して、前記ジョブと前記第1の識別情報とを対応付けて記憶する第1の外部装置と、前記第1の外部装置に第2の識別情報を送信して、当該第2の識別情報に基づいて特定された前記第1の識別情報と対応付けられた前記ジョブを前記第1の外部装置から取得し、当該ジョブを実行する1以上の第2の外部装置と、を通信可能に接続されたジョブ処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記第1の外部装置に前記ジョブおよび前記第1の識別情報を送信する第1のジョブ送信手段と、
1以上の前記第2の外部装置のいずれかで実行され得るジョブであって、前記第1の外部装置に送信した前記第1の識別情報と対応付けられた前記ジョブの状態を示す状態情報を前記第1の外部装置に要求する要求手段と、
前記第1の識別情報に対応付く前記ジョブの状態情報として、前記ジョブが前記第1の外部装置において蓄積された第1の段階および前記第1の外部装置から取得された前記ジョブが1以上の前記第2の外部装置のいずれかで実行された第2の段階を示した状態情報を、前記第1の外部装置から受信する状態受信手段と、
を備え、
前記第1の外部装置は、
前記情報処理装置から、前記ジョブと、前記第1の識別情報と、を受信するジョブ受信手段と、
前記ジョブ受信手段が受信した前記ジョブと前記第1の識別情報とを対応付けて記憶手段に記憶させ蓄積するジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段により蓄積したジョブの状態情報を第1の段階に登録して記憶する状態情報記憶手段と、
前記第2の外部装置から第2の識別情報を受信する識別情報受信手段と、
前記ジョブ記憶手段において記憶し、前記第2の識別情報により特定された前記第1の識別情報と対応付けられた前記ジョブであって、前記状態情報が前記第1の段階である前記ジョブを前記第2の外部装置に送信する第2のジョブ送信手段と
前記第2のジョブ送信手段によって送信したジョブが送信先の前記第2の外部装置で実行された場合に前記状態情報を第1の段階から第2の段階へと更新する更新手段と、
前記情報処理装置からの前記要求を受信する受信手段と、
受信した前記要求で示されている、前記第1の識別情報と対応付けられている前記状態情報を、前記情報処理装置に対して送信する状態送信手段と、を備えた、
ジョブ処理システム。
【請求項11】
外部から送信されるジョブおよび第1の識別情報を受信して、前記ジョブと前記第1の識別情報とを対応付けて記憶する第1の外部装置と、前記第1の外部装置に第2の識別情報を送信して、当該第2の識別情報に基づいて特定された前記第1の識別情報と対応付けられた前記ジョブを前記第1の外部装置から取得し、当該ジョブを実行する1以上の第2の外部装置と、にネットワークを介して通信可能に接続するコンピュータに対して、
前記第1の外部装置に前記ジョブおよび前記第1の識別情報を送信するジョブ送信ステップと、
1以上の前記第2の外部装置のいずれかで実行され得るジョブであって、前記第1の外部装置に送信した前記第1の識別情報と対応付けられた前記ジョブの状態を示す状態情報を前記第1の外部装置に要求する要求ステップと、
前記第1の識別情報に対応付く前記ジョブの状態情報として、前記ジョブが前記第1の外部装置において蓄積された第1の段階および前記第1の外部装置から取得された前記ジョブが1以上の前記第2の外部装置のいずれかで実行された第2の段階を示した状態情報を、前記第1の外部装置から受信する状態受信ステップと、
を実行させるためのジョブ処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2013−77280(P2013−77280A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−28843(P2012−28843)
【出願日】平成24年2月13日(2012.2.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】