説明

情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法

【課題】一方的に不意に提供された音声、映像等の情報を確認することを可能にすること。
【解決手段】センサを介して継続的に取得されたデータを記録する記録部と、前記記録部により記録された記録データの再生を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの前記記録データが再生されるように制御する、情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な状況で音声、映像等の情報が一方的に提供される。典型的には、例えば、ラジオ放送やテレビジョン放送により音声および映像が提供される。
【0003】
このような音声、映像等の情報は、提供されたとしても、聞き逃されまたは見逃されてしまうこともある。そして、聞き逃し、見逃し等に起因して当該情報の確認が必要であったとしても、多くの場合に再度提供されることはなく、確認することは困難である。そのため、とりわけ放送番組について、見逃された映像を再度確認するための技術も存在する。
【0004】
例えば、特許文献1には、放送番組のチャンネルを変更した後に元のチャンネルに再度戻ってきた時には、以前の続きから放送番組を見ることを可能にする、番組記録の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−109529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1の技術では、放送番組のように提供が予定され、音声、映像等の情報のデータを直接的に取得できる場合に、当該情報を再度確認することができても、様々な状況で一方的に不意に提供された音声、映像等の情報を再度確認することはできない。例えば、電車の車内放送、ショッピングセンターの館内放送、店舗からの呼び込みや広告等によって提供される音声、映像等の情報を再度確認することはできない。
【0007】
そこで、本開示では、一方的に不意に提供された音声、映像等の情報を確認することを可能にする、新規かつ改良された情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、センサを介して継続的に取得されたデータを記録する記録部と、前記記録部により記録された記録データの再生を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの前記記録データが再生されるように制御する、情報処理装置が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、コンピュータを、センサを介して継続的に取得されたデータを記録する記録部と、前記記録部により記録された記録データの再生を制御する制御部と、
として機能させ、前記制御部は、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの前記記録データが再生されるように制御する、ためのプログラム。
【0010】
また、本開示によれば、センサを介して継続的に取得されたデータを記録することと、記録された記録データの再生を制御することと、を含み、前記制御することは、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの前記記録データが再生されるように制御することを含む、情報処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示に係る情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法によれば、一方的に不意に提供された音声、映像等の情報を確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係るユーザ装置の外観の一例を示す外観図である。
【図2】第1の実施形態に係るユーザ装置の利用シーンの一例を説明するための説明図である。
【図3】第1の実施形態に係るユーザ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係る情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】時間軸で区切られた複数のチャプタを含む記録音声データの例を説明するための説明図である。
【図6】記録音声データの再生時点の例を説明するための説明図である。
【図7】第2の実施形態に係るユーザ装置の外観の一例を示す外観図である。
【図8】第2の実施形態に係るユーザ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態に係る情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成の一例を示す説明図である。
【図11】第3の実施形態に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】第3の実施形態に係る情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】本開示の実施形態に係るユーザ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付の図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1.1.概要
1.2.ユーザ装置の構成
1.3.処理の流れ
1.4.変形例
2.第2の実施形態
2.1.概要
2.2.ユーザ装置の構成
2.3.処理の流れ
3.第3の実施形態
3.1.概要
3.2.サーバ装置の構成
3.3.処理の流れ
4.ハードウェア構成
5.まとめ
【0015】
<1.第1の実施形態>
[1.1.概要]
まず、図1および図2を参照して、本開示の第1の実施形態の概要を説明する。第1の実施形態によれば、ユーザ装置により、ユーザは、一方的に不意に提供された音声を確認することが可能になる。すなわち、第1の実施形態において、ユーザ装置は、情報処理装置の一例である。
【0016】
図1を参照して、第1の実施形態に係るユーザ装置100−1の外観について説明する。図1は、第1の実施形態に係るユーザ装置100−1の外観の一例を示す外観図である。図1を参照すると、ユーザ装置100−1、当該ユーザ装置100−1のユーザ10、およびユーザ装置100−1に接続されてユーザ10に使用されるヘッドフォン20が示されている。
【0017】
ユーザ装置100−1は、集音器110を備え、当該集音器110により周囲の音声を集音する。また、ユーザ装置100−1は、音声データを再生することにより、ヘッドフォン20を介してユーザ10に音声を提供する。また、ユーザ装置100−1は、操作部150を備え、ユーザ10による操作部150へのユーザ入力に応じて、当該入力に対応する動作を実行する。
【0018】
当該ユーザ装置100−1は、例えばスマートフォンである。ただし、ユーザ装置100−1は、スマートフォンに限られず、スマートフォン以外の携帯電話端末、音楽プレーヤ、携帯情報端末(PDA)、電子書籍端末、デジタルカメラ等の、ユーザ10により携行される別のユーザ装置であってもよい。
【0019】
上記のとおり、第1の実施形態では、ユーザ装置100−1により、ユーザ10は、一方的に不意に提供された音声を確認することが可能になる。以下、この点について図2を参照してより具体的に説明する。
【0020】
図2は、第1の実施形態に係るユーザ装置100−1の利用シーンの一例を説明するための説明図である。図2を参照すると、まず、シーン90aにおいて、ユーザ10は、電車内において、ユーザ装置100−1により再生される音声(例えば、音楽)をヘッドフォン20を介して聴いている。その際に、車内放送として次の駅を通知する音声が提供される。次に、シーン90bにおいて、ユーザ10は、次の駅を知らせる音声を聞き逃してしまったことに気付く。ここで、ユーザ10は、次の駅がどの駅であるかを確認したいものとする。そして、シーン90cにおいて、ユーザ10は、聞きのがしてしまった音声を確認するために、操作部150へのユーザ入力を行う。その結果、シーン90dにおいて、ユーザ装置100−1は、車内放送として提供された前記音声をユーザ10に提供し、ユーザ10は、次の駅を知ることができる。
【0021】
以降、[1.2.ユーザ装置の構成]、[1.3.処理の流れ]、[1.4.変形例]において、第1の実施形態の具体的な内容を説明する。
【0022】
[1.2.ユーザ装置の構成]
図3を参照して、第1の実施形態に係るユーザ装置100−1の構成の一例について説明する。図3は、第1の実施形態に係るユーザ装置100−1の構成の一例を示すブロック図である。図3を参照すると、ユーザ装置100−1は、集音器110、取得部120、記録部130、記憶部140、操作部150、再生制御部160および再生部170を備える。ここで、集音器110はセンサの一例であり、再生制御部160は制御部の一例である。
【0023】
(集音器110)
集音器110は、ユーザ装置100−1の周囲の音声を継続的に集音する。例えば、集音器110は、継続的に集音した音声を電気信号に変換し、当該電気信号を取得部120に出力する。
【0024】
(取得部120)
取得部120は、集音器110を介して継続的に音声データを取得する。例えば、取得部120は、集音器110からの電気信号をアナログ/デジタル変換することにより、継続的に音声データを取得する。そして、取得部120は、当該音声データを記録部130へ出力する。
【0025】
(記録部130)
記録部130は、集音器110を介して継続的に取得された音声データを記録する。例えば、記録部130は、取得部120からの音声データを記憶部140に記憶させることにより、当該音声データを記録する。このように、ユーザ10が携行するユーザ装置100−1で継続的に取得された音声データを記録することで、一方的に不意に音声が提供されたとしても、当該音声を記録しておくことができる。
【0026】
また、記録部130は、例えば所定の容量のバッファに継続して音声データを記憶させ、所定の容量(または所定の時間)の音声データを記憶させた後には、より古いデータに上書きして新たな音声データを記憶させる。このように、より古いデータへの上書きにより、限られた記憶容量で継続してデータを記録することができる。
【0027】
また、記録部130は、例えば、継続的に取得された音声データを全て記録する。
【0028】
(記憶部140)
記憶部140は、ユーザ装置100−1において一時的にまたは恒久的に保持すべき情報を記憶する。とりわけ、記憶部140は、集音器110を介して継続的に取得された音声データを記憶する。例えば、記憶部140は、当該音声データを記憶するための所定の容量のバッファを含み、当該バッファに音声データを記憶する。
【0029】
(操作部150)
操作部150は、ユーザ10によるユーザ入力を受け付ける。例えば、操作部150は、記録部130により記録された記録音声データを再生するためのユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力があったことを再生制御部160に通知する。また、操作部150は、上記記録音声データの再生を停止するためのユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力があったことを再生制御部160に通知する。
【0030】
(再生制御部160)
再生制御部160は、記録部130により記録された記録音声データの再生を制御する。ここで、再生制御部160は、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの記録音声データが再生されるように制御する。例えば、再生制御部160は、記録音声データを再生するためのユーザ入力があったことを操作部150から通知されると、記憶部140から記録音声データを取得し、再生部170に出力する。そして、再生制御部160は、ユーザ入力の時点を基準に遡った時点を再生の開始時点として再生部170に指示する。このように、ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの記録音声データが再生されることで、ユーザ10は、一方的に不意に提供された音声を聞き逃したとしても、確認が必要であればすぐに当該音声を聞き直して確認できる。
【0031】
例えば、ユーザ入力の時点を基準に遡った時点は、当該ユーザ入力の時点から所定の時間だけ遡った時点である。例えば、再生制御部160は、ユーザ入力の時点から10秒だけ遡った時点からの記録音声データが再生されるように制御する。このように、音声が提供されてから、ユーザ10が聞き逃しに気づき、ユーザ入力が行われるまでに要する推定時間に基づき所定の時間が定められれば、ユーザ10は、必要十分な時間だけ遡った時点からの音声を聞くことが可能となる。
【0032】
また、再生制御部160は、例えば、記録音声データの再生を停止するためのユーザ入力があったことを操作部150から通知されると、再生部170に再生の停止を指示する。
【0033】
(再生部170)
再生部170は、音声データを再生する。とりわけ、再生部170は、再生制御部160による再生の制御に応じて、記録部130により記録された記録音声データを再生する。例えば、再生部170は、再生制御部160からの記録音声データを、再生制御部160から通知された再生の開始時点から再生する。当該再生においてに、再生部170は、例えば、音声データをデジタル/アナログ変換し、電気信号をヘッドフォン20に出力する。また、再生部170は、再生制御部160による再生停止の制御に応じて、上記再生を停止する。
【0034】
[1.3.処理の流れ]
次に、図4を参照して、第1の実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図6は、第1の実施形態に係る情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0035】
まず、ステップS301で、集音器110は、ユーザ装置100−1の周囲の音声を継続的に集音する。次に、ステップS303で、取得部120は、集音器110を介して継続的に音声データを取得する。
【0036】
そして、ステップS305で、記録部130は、所定の容量(または所定の時間)の音声データを既に記録したか否かを判定する。所定の容量の音声データが既に記録されている場合には、処理はステップS309へ進む。そうでなければ、処理はステップS307へ進む。
【0037】
ステップS307で、記録部130は、集音器110を介して継続的に取得された音声データを記録する。一方、ステップS309では、記録部130は、より古いデータに上書きして新たな音声データを記録する。
【0038】
ステップS311で、再生制御部160は、記録音声データの再生のためのユーザ入力があったか否かを判定する。ユーザ入力があった場合に、処理は、ステップS313へ進む。そうでない場合には、処理は、ステップS301へ戻る。
【0039】
ステップ313で、再生制御部160は、記録部130により記録された記録音声データの再生を制御する。ここで、再生制御部160は、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの記録音声データが再生されるように制御する。すなわち、再生部170は、再生制御部160による再生の制御に応じて、記録音声データを再生する。
【0040】
ステップ315で、再生制御部160は、再生停止のためのユーザ入力があったか否かを判定する。当該ユーザ入力があった場合に、処理は、ステップS317へ進む。そうでない場合には、処理は、ステップS315を繰り返す。
【0041】
ステップ317で、再生制御部160は、再生部170に再生の停止を指示する。そして、再生部170は、再生制御部160による再生の制御に応じて、上記再生を停止する。
【0042】
[1.4.変形例]
以上、第1の実施形態の一例について説明したが、当該第1の実施形態はこれに限られない。
【0043】
(変形例1)
第1に、記録音声データは、時間軸で区切られた複数の部分(以下、チャプタと呼ぶ)を含んでもよい。そして、ユーザ入力の時点を基準に遡った時点は、当該ユーザ入力の時点から所定の時間だけ遡った時点の代わりに、上記複数のチャプタのうちのいずれかのチャプタの開始時点であってもよい。すなわち、再生制御部160は、上記複数のチャプタのうちのいずれかのチャプタの開始時点からの記録音声データが再生されるように制御してもよい。この点について、図5を参照してより具体的に説明する。
【0044】
図5は、時間軸で区切られた複数のチャプタを含む記録音声データの例を説明するための説明図である。図5を参照すると、5−1に示されるように、例えば、記録音声データは、所定の時間間隔で区切られた複数のチャプタを含む。この例では、所定の時間間隔は、10秒間である。このように、所定の時間に区切ることで、複雑な処理を行うことなく、ユーザ入力の時点から適度に遡った時間から音声を聞きなおすことが可能となる。
【0045】
また、図5−2に示されるように、記録データは、データの内容に基づいて区切られた複数のチャプタを含んでもよい。例えば、記録データは、音声データに含まれる音声の大きさまたは周波数に基づいて区切られた複数のチャプタを含んでもよい。音声の大きさに基づいて記録音声データを区切ることによって、例えば、提供される音声が途切れるタイミングでチャプタを区切り、または無音のチャプタ(例えば、チャプタ1、3)と有音のチャプタ(例えば、チャプタ2)とに区切ることもできる。これにより、ユーザ入力から直近に提供された音声の直前まで遡った時点(例えば、チャプタ2の開始時点)からの記録音声データを再生し、直近に提供された音声を確認することができる。また、例えば、音声の周波数に基づいて記録音声データを区切ることによって、例えば、提供される音声の話者が変わるタイミングで記録音声データを区切ることもできる。これにより、直近の話者の音声の開始の直前まで遡った時点からの記録音声データを再生し、当該話者の音声を確認することができる。以上のように、データの内容に基づいて記録音声データをチャプタに区切ることで、直近に提供された音声の直前まで遡った時点から音声を聞きなおすことが可能となる。
【0046】
ユーザ入力から遡った時点は、時間軸で区切られた上記複数のチャプタのうちのユーザ入力の時点に直近のチャプタの開始時点であってもよい。直前の遡ることにより、直近の音声をより素早く確認することが可能になる。
【0047】
なお、取得部120が、音声データを取得した際に、音声データをチャプタに区切ってもよく、または、記録部130が、音声データを記録する前に、または音声データを記録した後に、記録音声データをチャプタに区切ってもよい。ここで、記録音声データは、例えば、データの分割によって、またはチャプタの区切りのタイミングを示す情報の付与によって、チャプタに区切られる。
【0048】
(変形例2)
第2に、ユーザ入力の時点を基準に遡った時点は、当該ユーザ入力の時点から所定の時間だけ遡った時点の代わりに、データの内容に基づいて決定された時点であってもよい。この場合に、当該遡った時点は、例えば、音声データにおけるキーワードの音声の検出結果に基づいて決定された時点である。この点について、図6を参照してより具体的に説明する。
【0049】
図6は、記録音声データの再生時点の例を説明するための説明図である。図6を参照すると、6−1に示されるように、既に説明された第1の実施形態の例によれば、当該ユーザ入力の時点から所定の時間だけ遡った時点(例えば、ユーザ入力の10秒前)からの記録音声データが再生される。一方で、6−2に示されるように、音声データにおけるキーワード(例えば、駅名)の音声が検出され、当該検出結果に基づいて、例えば直近のキーワードの少し前からの記録音声データが再生されてもよい。このように、キーワードの音声の検出結果を用いることにより、所望の情報が提供される前から再生することができ、それにより所望の情報を聞きなおすことが可能となる。
【0050】
なお、上記遡った時点は、キーワードの検出結果に基づいて決定された時点ではなく、音声データに含まれる音声の大きさまたは周波数に基づいて決定された時点であってもよい。これにより、音声の大きさまたは周波数に基づいて記録音声データが複数のチャプタに区切られた場合と同様の効果が得られる。
【0051】
(変形例3)
第3に、記録部130は、例えば、継続的に取得された音声データを全て記録するのではなく、当該音声データの一部を記録してもよい。ここで、記録される音声データは、例えば、音声データにおける音声の大きさまたは周波数に基づいて決定される。一例として、継続的に取得された音声データのうちの、所定の閾値を超える大きさの音声を含む部分が記録される。また、別の例として、取得された音声データのうちの、特定の周波数帯域の音声を含む部分が記録される。このような選択的な記憶により、有効なデータに限って記録することができる。その結果、限られた記憶容量の中で、より多くの有効なデータが記録される。
【0052】
(変形例4)
第4に、再生制御部160は、ユーザ入力の種類に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡る時点を決定し、決定された当該時点からの記録音声データが再生されるように制御してもよい。一例として、ユーザ入力が特定のボタンを押すことである場合に、ボタンが連続的に押された回数に応じて上記遡る時点が決定されてもよい。例えば、図6の6−1において、ユーザ入力の時点から(ボタンが押された回数)×(10秒)の時間だけ遡った時点が決定されてもよい。これにより、ユーザは、ユーザ入力の種類を必要に応じて変えることで、所望の時点からの音声を聞きなおすことが可能になる。
【0053】
また、記録音声データの再生開始後のさらなるユーザ入力により、さらに遡った時点からの記録音声データが再生されてもよい。例えば、図6の6−1において、1回目のユーザ入力により、当該ユーザ入力の時点から10秒だけ遡った時点からの記録音声データが再生され、当該再生中の第2のユーザ入力により、第1のユーザ入力の時点から20秒だけ遡った時点からの記録録音データが再生されてもよい。これにより、ユーザは、さらなるユーザ入力によって、所望の時点からの音声を聞きなおすことが可能になる。
【0054】
(変形例5)
第5に、記録部130は、記録音声データの再生中も、継続的に取得された音声データを記録し、再生制御部160は、ユーザ入力の時点を基準に遡った時点から当該ユーザ入力の時点以降のいずれかの時点までの記録音声データが再生されるように制御してもよい。すなわち、再生制御部160は、記録されたデータを順次再生していく追いかけ再生を行うように制御してもよい。これにより、ユーザは、音声が提供され続けている途中で、音声データをはじめから再生させて、音声を始めから最後まで聞くことも可能になる。
【0055】
(その他)
また、再生制御部160は、記録音声データを再生部170に出力せずに、再生の開始時点を再生部170に指示し、再生部170が、記憶部140から記録音声データを取得してもよい。
【0056】
また、再生部170は、再生制御部160による再生の制御に応じて記録音声データの再生を停止することに加えて、いずれかの時点で自動的に記録音声データの再生を停止してもよい。一例として、再生部170は、ユーザ入力の時点までの記録音声データを再生し、当該再生を停止してもよい。
【0057】
また、集音器110、取得部120、記憶部140、操作部150および再生部170は、ユーザ装置100−1に接続される別の装置に備えられてもよい。
【0058】
以上、第1の実施形態について説明したが、当該第1の実施形態によれば、ユーザ装置100−1のユーザ10は、一方的に不意に提供された音声を確認することが可能になる。
【0059】
<2.第2の実施形態>
[2.1.概要]
次に、図7を参照して、本開示の第2の実施形態の概要を説明する。第2の実施形態によれば、ユーザ装置により、ユーザは、一方的に不意に提供された映像を確認することが可能になる。換言すると、第1の実施形態では音声を確認することが可能であったが、第2の実施形態では映像を確認することが可能である。第2の実施形態においても、ユーザ装置は、情報処理装置の一例である。
【0060】
図7を参照して、第2の実施形態に係るユーザ装置100−2の外観について説明する。図7は、第2の実施形態に係るユーザ装置100−2の外観の一例を示す外観図である。図7を参照すると、ユーザ装置100−2、当該ユーザ装置100−2のユーザ10、およびユーザ装置100−2に接続されてユーザ10の目の付近に取付けられた撮像装置30が示されている。ここで、撮像装置30の撮像素子は、センサの一例である。
【0061】
撮像装置30は、周囲の映像を撮像する。また、ユーザ装置100−2は、映像データを再生することにより、表示部180に映像を表示させる。また、ユーザ装置100−2は、操作部150を備え、ユーザ10による操作部150へのユーザ入力に応じて、当該入力に対応する動作を実行する。
【0062】
第1の実施形態と同様に、当該ユーザ装置100−2は、例えばスマートフォンである。また、ユーザ装置100−2は、ユーザ10により携行される別のユーザ装置であってもよい。
【0063】
上記のとおり、第2の実施形態では、ユーザ装置100−2により、ユーザ10は、一方的に不意に提供された映像を確認することが可能になる。以降、[2.2.ユーザ装置の構成]、[2.3.処理の流れ]において、第2の実施形態の具体的な内容を説明する。
【0064】
[2.2.ユーザ装置の構成]
図8を参照して、第2の実施形態に係るユーザ装置100−2の構成の一例について説明する。図8は、第2の実施形態に係るユーザ装置100−2の構成の一例を示すブロック図である。図8を参照すると、ユーザ装置100−2は、取得部122、記録部132、記憶部142、操作部150、再生制御部162、再生部172および表示部180を備える。ここで、再生制御部160は制御部の一例である。
【0065】
ここで、操作部150は、[1.2.ユーザ装置の構成]で説明された第1の実施形態の操作部150と同じである。また、記録部132、記憶部142および再生制御部162は、取り扱うデータが音声データであるか映像データであるかという違いを除き、[1.2.ユーザ装置の構成]における第1の実施形態の記録部130、記憶部140および再生制御部160と同じである。よって、ここでは、取得部122、再生部172および表示部180について説明する。
【0066】
(取得部122)
取得部122は、撮像装置30を介して継続的に映像データを取得する。例えば、取得部122は、撮像装置30からの映像データを取得する。そして、取得部120は、当該映像データを記録部132へ出力する。
【0067】
(再生部172)
再生部172は、映像データを再生する。とりわけ、再生部172は、再生制御部162による再生の制御に応じて、記録部132により記録された記録映像データを再生する。例えば、再生部172は、再生制御部162からの記録映像データを、再生制御部162から通知された再生の開始時点から再生する。当該再生においてに、再生部172は、例えば、記録映像データを映像信号に変換し、当該映像信号を表示部180に出力する。また、再生部172は、再生制御部162による再生の制御に応じて、上記再生を停止する。
【0068】
(表示部180)
表示部180は、映像を表示する。とりわけ、表示部180は、再生部172により出力された映像信号に応じて映像を表示する。すなわち、表示部180は、記録映像データの映像を表示する。
【0069】
[2.3.処理の流れ]
次に、図9を参照して、第2の実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図9は、第2の実施形態に係る情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0070】
ここで、ステップS403、S405、S407、S409、S411、S415およびS417は、取り扱うデータが音声データであるか映像データであるかという違いを除き、[1.3.処理の流れ]における第1の実施形態のステップS303、S305、S307、S309、S311、S315およびS317と同じである。よって、ここでは、ステップS413およびS419について説明する。
【0071】
ステップS413で、再生制御部162は、記録部132により記録された記録映像データの再生を制御する。ここで、再生制御部162は、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの記録映像データが再生されるように制御する。すなわち、再生部172は、再生制御部162による再生の制御に応じて、記録映像データを再生する。
【0072】
次に、ステップS419で、表示部180は、再生部172により出力された映像信号に応じて映像を表示する。
【0073】
以上、第2の実施形態の一例について説明したが、当該第2の実施形態はこれに限られない。[1.4.変形例]において説明された各変形例は、当該第2の実施形態にも同様に適用可能である。なお、第2の実施形態において映像データに加えて音声データも取得し記録することによって、(変形例1)、(変形例2)および(変形例3)における、音声データの内容を利用する例も、第2の実施形態に適用可能である。
【0074】
また、取得部122、記憶部142、操作部150、再生部172および表示部180は、ユーザ装置100−2に接続される別の装置に備えられてもよい。
【0075】
以上のように、第2の実施形態によれば、ユーザ装置100−2のユーザ10は、一方的に不意に提供された映像を確認することが可能になる。
【0076】
<3.第3の実施形態>
[3.1.概要]
次に、図10を参照して、本開示の第3の実施形態の概要を説明する。第3の実施形態によれば、サーバ装置により、ユーザ装置のユーザは、一方的に不意に提供された音声を確認することが可能になる。換言すると、第1の実施形態ではユーザ装置により音声を確認することが可能となったが、第3の実施形態ではサーバ装置により音声を確認することが可能となる。すなわち、第3の実施形態では、サーバ装置は、情報処理装置の一例である。
【0077】
図10を参照して、第3の実施形態に係る情報処理システム3の概略的な構成について説明する。図10は、第3の実施形態に係る情報処理システム3の概略的な構成の一例を示す説明図である。図10を参照すると、情報処理システム3は、ユーザ装置100−3およびサーバ装置200を含む。また、図10には、第1の実施形態と同様に、ユーザ10およびヘッドフォン20も示されている。
【0078】
ユーザ装置100−3は、集音器110を備え、当該集音器110により周囲の音声を集音する。また、ユーザ装置100−1は、音声データを再生することにより、ヘッドフォン20を介してユーザ10に音声を提供する。また、ユーザ装置100−1は、操作部150を備え、ユーザ10による操作部150へのユーザ入力に応じて、当該入力に対応する動作を実行する。
【0079】
とりわけ、第3の実施形態では、ユーザ装置100−3は、集音器110を介して継続的に取得した音声データをサーバ装置200に送信する。

また、ユーザ装置100−3は、記録音声データの再生のためのユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力があったことを通知するための通知情報(以下、「再生通知情報」)をサーバ装置200に送信する。同様に、ユーザ装置100−3は、記録音声データの再生停止のためのユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力があったことを通知するための通知情報(以下、「停止通知情報」)をサーバ装置200に送信する。
【0080】
第1の実施形態と同様に、当該ユーザ装置100−3は、例えばスマートフォンである。また、ユーザ装置100−3は、ユーザ10により携行される別のユーザ装置であってもよい。
【0081】
サーバ装置200は、ユーザ装置100−3から受信した音声データを記録する。また、サーバ装置200は、ユーザ装置100−3から再生通知情報または停止通知情報を受信すると、ユーザ装置100−3における記録音声データの再生を制御し、または再生の制御を停止する。
【0082】
上記のとおり、第3の実施形態では、サーバ装置200により、ユーザ10は、一方的に不意に提供された音声を確認することが可能になる。以降、[3.2.サーバ装置の構成]、[3.3.処理の流れ]において、第3の実施形態の具体的な内容を説明する。
【0083】
[3.2.サーバ装置の構成]
図11を参照して、第3の実施形態に係るサーバ装置200の構成の一例について説明する。図11は、第3の実施形態に係るサーバ装置200の構成の一例を示すブロック図である。図11を参照すると、サーバ装置200は、受信部210、記録部230、記憶部240、再生制御部260および送信部270を備える。ここで、再生制御部260は制御部の一例である。
【0084】
ここで、記録部230および記憶部240は、複数のユーザ装置100−3で取得された音声データを記録し、記憶することを除き、[1.2.ユーザ装置の構成]で説明された第1の実施形態の記録部130および記憶部140と同じである。よって、ここでは、受信部210、再生制御部260および送信部270について説明する。
【0085】
(受信部210)
受信部210は、サーバ装置200に送信されるデータを受信する。とりわけ、受信部210は、ユーザ装置100−3において集音器110を介して継続的に取得された音声データを、ユーザ装置100−3から受信する。そして、当該音声データを記録部230へ出力する。
【0086】
また、受信部210は、再生通知情報または停止通知情報を、ユーザ装置100−3から受信する。そして、受信部210は、当該通知情報を再生制御部260へ出力する。
【0087】
(再生制御部260)
再生制御部260は、記録部230により記録された記録音声データの、ユーザ装置100−3での再生を制御する。ここで、再生制御部260は、ユーザ装置100−3におけるユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの記録音声データが再生されるように制御する。例えば、再生制御部260は、再生通知情報を受信部210から受け取ると、記憶部240から記録音声データを取得し、送信部270を介してユーザ装置100−3に送信する。そして、再生制御部260は、ユーザ入力の時点を基準に遡った時点を再生の開始時点としてユーザ装置100−3に通知する。
【0088】
例えば、ユーザ入力の時点を基準に遡った時点は、当該ユーザ入力の時点から所定の時間だけ遡った時点である。例えば、再生制御部260は、ユーザ入力の時点から10秒だけ遡った時点からの記録音声データが再生されるように制御する。
【0089】
また、再生制御部260は、例えば、停止通知情報を受信部210から受け取ると、再生の制御を停止する。
【0090】
また、例えば、再生制御部260は、ユーザ装置100−3において取得されてその後記録された記録音声データの、当該ユーザ装置100−3における再生を制御する。すなわち、再生制御部260は、ユーザ装置100−3aでは当該ユーザ装置100−3aにより取得された記録音声データが再生され、また、ユーザ装置100−3bでは当該ユーザ装置100−3bにより取得された記録音声データが再生されるように制御する。
【0091】
(送信部270)
送信部270は、サーバ装置200から別の装置へデータを送信する。とりわけ、送信部270は、再生制御部260からの記録音声データをユーザ装置100−3に送信する。
【0092】
[3.3.処理の流れ]
次に、図12を参照して、第3の実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図12は、第3の実施形態に係る情報処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0093】
ここで、ステップS505、S507およびS509は、複数のユーザ装置100−3で取得された音声データを記録することを除き、[1.3.処理の流れ]における第1の実施形態のステップS305、S307およびS309と同じである。よって、ここでは、ステップS503、S511、S513、S515およびS517について説明する。
【0094】
ステップS503で、受信部210は、ユーザ装置100−3において集音器110を介して継続的に取得された音声データを、ユーザ装置100−3から受信する。
【0095】
ステップS511で、再生制御部260は、記録音声データの再生のためのユーザ入力があったか否かを判定する。上記ユーザ入力があった場合には、処理はステップS513へ進む。そうでなければ、処理はステップS503へ戻る。
【0096】
ステップS513で、再生制御部260は、記録部230により記録された記録音声データの、ユーザ装置100−3での再生を制御する。ここで、再生制御部260は、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの記録音声データが再生されるように制御する。すなわち、ユーザ装置100−3は、再生制御部260による再生の制御に応じて、記録音声データを受信し、再生する。
【0097】
ステップS515で、記録音声データの再生停止のためのユーザ入力があったか否かを判定する。上記ユーザ入力があった場合には、処理はステップS517へ進む。そうでなければ、処理はステップS515を繰り返す。
【0098】
ステップS517で、再生制御部260は、停止通知情報を受信部210から受け取ると、再生の制御を停止する。
【0099】
以上、第3の実施形態の一例について説明したが、当該第3の実施形態はこれに限られない。[1.4.変形例]において説明された各変形例は、当該第3の実施形態にも同様に適用可能である。また、第3の実施形態は、第2の実施形態のように、音声データの代わりにまたは音声データと共に、映像データが取得され、記録され、そして再生されてもよい。
【0100】
また、継続的に取得された音声データは、第1のユーザ装置100−3aにより取得され、記録音声データの再生は、第2のユーザ装置100−3bにおいて実行されてもよい。この場合に、第2のユーザ装置100−3bは、第1の装置100−3aから所定の距離内に位置してもよい。このように、あるユーザ装置100−3aで取得された音声データが、別のユーザ装置100−3bで再生されることで、音声データを取得していないユーザ装置100−3b、または音声データを取得できないユーザ装置100−3bであっても、ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの音声データを再生することが可能となる。そして、これらのユーザ装置100−3が互いに近傍に位置すれば、音声データを取得していないユーザ装置100−b、または音声データを取得できないユーザ装置100−bも、自装置で音声データを取得した場合と同等の記録音声データを再生することが可能となる。なお、ユーザ装置100−3aの代わりに、例えば、所定の場所に設置された装置(例えば、車両や施設に設置された装置)が、音声データを取得してもよい。
【0101】
以上のように、第3の実施形態によれば、ユーザ装置100−3のユーザ10は、一方的に不意に提供された音声を確認することが可能になる。
【0102】
<4.ハードウェア構成>
次に、図13を参照して、本実施形態に係るユーザ装置100のハードウェア構成の一例について説明する。図13は、本実施形態に係るユーザ装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図13を参照すると、ユーザ装置100は、CPU601、ROM603、RAM605、バス607、記憶装置609、通信装置611、入出力インターフェース613、表示装置615およびマイクロフォン617を備える。
【0103】
CPUは、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM603、RAM605、または記憶装置609に記録された各種プログラムに従って、ユーザ装置100内の動作全般またはその一部を制御する。また、ROM603は、CPU601が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。また、RAM605は、CPU601がプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用され、またデータを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。
【0104】
バス607は、CPU601、ROM603及びRAM605を相互に接続する。バス607には、さらに、記憶装置609、通信装置611、入出力インターフェース613、表示装置615およびマイクロフォン617が接続される。
【0105】
記憶装置609は、例えば、OS等の基本ソフトウェアや、アプリケーション等様々なデータを記憶する。ここで、記録媒体としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)のような磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)等の不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。
【0106】
通信装置611は、ユーザ装置100が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)外部装置と無線/有線で通信を行う。ここで、通信装置611としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11bポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN端子および送受信回路(有線通信)等が挙げられるが、上記に限られない。
【0107】
入出力インタフェース613は、例えば、ヘッドフォン20、撮像装置30等を接続する。ここで、入出力インタフェース613としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子等が挙げられるが、上記に限られない。
【0108】
表示装置615は、映像を表示する。表示装置615として、例えば、LCDや有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display)等が挙げられるが、上記に限られない。
【0109】
マイクロフォン617は、ユーザ装置100の周囲の音声を集音する。
【0110】
以上、ユーザ装置100のハードウェア構成について説明したが、当該ハードウェア構成は、サーバ装置200の構成としても適用可能である。
【0111】
<5.まとめ>
ここまで、図1〜13を用いて、本開示の実施形態に係るユーザ装置100およびサーバ装置200について説明した。本実施形態によれば、センサを介した継続的なデータの取得、記録および再生により、一方的に不意に提供された音声、映像等の情報を確認することが可能となる。
【0112】
また、例えば、ユーザ入力の時点から所定の時間だけ遡った時点からの記録データが再生される。これにより、音声、映像等の情報が提供され、聞き逃し、見逃し等に気づき、ユーザ入力が行われるまでの時間に適合する所定の時間が定められれば、ユーザ10は、必要十分な時間だけ遡った時点からの音声、映像等の情報を聞くことが可能となる。
【0113】
または、例えば、記録データは、時間軸で区切られた複数のチャプタを含み、当該複数のチャプタのうちのいずれかのチャプタの開始時点からの記録データが再生される。例えば、チャプタが所定の時間間隔で区切られれば、複雑な処理を行うことなく、ユーザ入力の時点から適度に遡った時間から音声を聞きなおすことが可能となる。または、例えば、チャプタがデータの内容に基づいて区切られれば、直近に提供された音声の直前まで遡った時点から音声を聞きなおすことが可能となる。
【0114】
または、例えば、データの内容に基づいて決定された時点からの記録データが再生される。これにより、所望の情報が提供される前から再生することができ、それにより所望の情報を聞きなおすことが可能となる。
【0115】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0116】
例えば、本明細書の情報処理における各ステップは、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、情報処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0117】
また、ユーザ装置またはサーバ装置に内蔵されるCPU、ROMおよびRAM等のハードウェアを、上記ユーザ装置またはサーバ装置の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【0118】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
センサを介して継続的に取得されたデータを記録する記録部と、
前記記録部により記録された記録データの再生を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの前記記録データが再生されるように制御する、
情報処理装置。
(2)
前記遡った時点は、当該ユーザ入力の時点から所定の時間だけ遡った時点である、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記記録データは、時間軸で区切られた複数の部分を含み、
前記遡った時点は、前記複数の部分のうちのいずれかの部分の開始時点である、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(4)
前記遡った時点は、前記複数の部分のうちの前記ユーザ入力の時点に直近の部分の開始時点である、前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記記録データは、所定の時間間隔で区切られた複数の部分を含む、前記(3)または(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記記録データは、データの内容に基づいて区切られた複数の部分を含む、前記(3)または(4)に記載の情報処理装置。
(7)
前記センサは、集音器を含み、
継続的に取得された前記データは、音声データを含み、
前記記録データは、音声データに含まれる音声の大きさまたは周波数に基づいて区切られた複数の部分を含む、
前記(6)に記載の情報処理装置。
(8)
前記遡った時点は、データの内容に基づいて決定された時点である、前記(1)に記載の情報処理装置。
(9)
前記センサは、集音器を含み、
継続的に取得された前記データは、音声データを含み、
前記遡った時点は、音声データにおけるキーワードの音声の検出結果に基づいて決定された時点である、前記(8)に記載の情報処理装置。
(10)
前記制御部は、前記ユーザ入力の種類に応じて、前記ユーザ入力の時点を基準に遡る時点を決定し、決定された当該時点からの前記記録データが再生されるように制御する、前記(1)から(9)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(11)
前記記録部は、前記記録データの再生中も、継続的に取得された前記データを記録し、
前記制御部は、前記ユーザ入力の時点を基準に遡った時点から当該ユーザ入力の時点以降のいずれかの時点までの前記記録データが再生されるように制御する、前記(1)から(10)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(12)
前記記録部は、継続的に取得された前記データの一部を記録する、前記(1)から(11)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(13)
継続的に取得された前記データは、第1の装置により取得され、
前記記録データの前記再生は、第2の装置において実行される、
前記(1)から(12)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(14)
前記第2の装置は、前記第1の装置から所定の距離内に位置する、前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)
前記センサは、集音器および撮像素子のうちの少なくとも1つを含み、
継続的に取得された前記データは、前記センサが集音器を含む場合に音声データを含み、前記センサが撮像素子を含む場合に映像データを含む、
前記(1)から(14)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(16)
コンピュータを、
センサを介して継続的に取得されたデータを記録する記録部と、
前記記録部により記録された記録データの再生を制御する制御部と、
として機能させ、
前記制御部は、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの前記記録データが再生されるように制御する、
ためのプログラム。
(17)
センサを介して継続的に取得されたデータを記録することと、
記録された記録データの再生を制御することと、
を含み、
前記制御することは、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの前記記録データが再生されるように制御することを含む、
情報処理方法。
【符号の説明】
【0119】
3 情報処理システム
10 ユーザ
20 ヘッドフォン
30 撮像装置
100 ユーザ装置
110 集音器
120、122 取得部
130、132、230 記録部
140、142、240 記憶部
150 操作部
160、162、260 再生制御部
170、172 再生部
180 表示部
200 サーバ装置
210 受信部
270 送信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサを介して継続的に取得されたデータを記録する記録部と、
前記記録部により記録された記録データの再生を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの前記記録データが再生されるように制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記遡った時点は、当該ユーザ入力の時点から所定の時間だけ遡った時点である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記録データは、時間軸で区切られた複数の部分を含み、
前記遡った時点は、前記複数の部分のうちのいずれかの部分の開始時点である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記遡った時点は、前記複数の部分のうちの前記ユーザ入力の時点に直近の部分の開始時点である、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記録データは、所定の時間間隔で区切られた複数の部分を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記録データは、データの内容に基づいて区切られた複数の部分を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記センサは、集音器を含み、
継続的に取得された前記データは、音声データを含み、
前記記録データは、音声データに含まれる音声の大きさまたは周波数に基づいて区切られた複数の部分を含む、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記遡った時点は、データの内容に基づいて決定された時点である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記センサは、集音器を含み、
継続的に取得された前記データは、音声データを含み、
前記遡った時点は、音声データにおけるキーワードの音声の検出結果に基づいて決定された時点である、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記ユーザ入力の種類に応じて、前記ユーザ入力の時点を基準に遡る時点を決定し、決定された当該時点からの前記記録データが再生されるように制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記記録部は、前記記録データの再生中も、継続的に取得された前記データを記録し、
前記制御部は、前記ユーザ入力の時点を基準に遡った時点から当該ユーザ入力の時点以降のいずれかの時点までの前記記録データが再生されるように制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記記録部は、継続的に取得された前記データの一部を記録する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
継続的に取得された前記データは、第1の装置により取得され、
前記記録データの前記再生は、第2の装置において実行される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第2の装置は、前記第1の装置から所定の距離内に位置する、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記センサは、集音器および撮像素子のうちの少なくとも1つを含み、
継続的に取得された前記データは、前記センサが集音器を含む場合に音声データを含み、前記センサが撮像素子を含む場合に映像データを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
コンピュータを、
センサを介して継続的に取得されたデータを記録する記録部と、
前記記録部により記録された記録データの再生を制御する制御部と、
として機能させ、
前記制御部は、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの前記記録データが再生されるように制御する、
ためのプログラム。
【請求項17】
センサを介して継続的に取得されたデータを記録することと、
記録された記録データの再生を制御することと、
を含み、
前記制御することは、ユーザ入力に応じて、当該ユーザ入力の時点を基準に遡った時点からの前記記録データが再生されるように制御することを含む、
情報処理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−114723(P2013−114723A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261519(P2011−261519)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】