情報処理装置、入力端末選択方法、プログラムおよびシステム
【課題】入力端末選択の精度を向上させる情報処理装置、入力端末選択方法、プログラムおよびシステムを提供する。
【解決手段】接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と、前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と、を備える情報処理装置。
【解決手段】接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と、前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と、を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、入力端末選択方法、プログラムおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置に容易に着脱可能な入力端末として、例えばキーボード、マウス、コントローラーなどが知られている。このような入力端末が情報処理装置に複数接続されている場合、ユーザは入力端末の機能に応じて使用する入力端末を選別する。また、ユーザは、着脱可能な複数の入力端末から使用する入力端末を選別し、選別した入力端末を情報処理装置に接続する。このように、情報処理装置と複数の入力端末を含む入力システムにおいて、ユーザは使用目的に応じて任意の入力端末を選別していた。
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載の入力装置共有システムは、情報処理装置に接続された入力装置を他の情報処理装置で共有できる共有モード機能を有している。これにより、ユーザが明示的に指定した情報処理装置に接続された入力装置で複数の情報処理装置を操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−330702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同種の複数の入力端末が接続されている場合、ユーザが適切な入力端末を選択することは困難であった。
【0006】
そこで、本開示では、入力端末選択の精度を向上させることが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と、前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、接続する複数の入力端末の機器情報を取得するステップと、前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択するステップと、を含む入力端末選択方法が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、接続する複数の入力端末の機器情報を取得する処理と、前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する処理と、をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0010】
(作用)
このように、本開示によれば、接続する複数の入力端末から取得した機器情報に基づいて入力端末の重要度に応じて入力端末を選択することで、入力端末選択の精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、入力端末選択の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示による一実施形態の概要を説明するための図である。
【図2】本実施形態による情報処理装置の構造モデルを示す図である。
【図3】本実施形態によるInput Agentの機能構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態による検出部管理情報の一例を示す図である。
【図5】本実施形態による情報処理装置において画面表示、または音声出力により通知する例を説明するための図である。
【図6】本実施形態による入力端末において画面表示、または音声出力により通知する例を説明するための図である。
【図7】本実施形態による情報処理装置の動作処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態によるIAの入力端末選択処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態による切替判断処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態による切替処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態による切替処理を具体例により説明するための全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示による一実施形態
1−1.概要
1−2.基本構成
2.動作処理
2−1.入力端末の選択処理
2−2.入力端末の切替処理
3.他の実施形態
4.まとめ
【0015】
ここで説明する本開示による技術は、上記項目の「1.本開示による一実施形態について」〜「2.動作処理」で説明するように、多様な形態で実施され得る。また、本開示の一実施形態による情報処理装置10で実行されるInput Agent20は、
(A)接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部(21)と、
(B)前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部(25)と、を備える。
【0016】
<1.本開示による一実施形態>
[1−1.概要]
図1は、本開示による一実施形態の概要を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態による入力システムは、情報処理装置10と、情報処理装置10と接続する複数の入力端末を有する。
【0017】
各入力端末は、直接またはルータやLAN(Local Area Network)などを介して情報処理装置10と接続する。各入力端末と情報処理装置10は、無線通信により接続してもよいし、有線により接続してもよい。また、各入力端末は、傾きセンサ、方位センサ、および光度計などの検出部に関する情報、およびバッテリー残量など自身の機器情報を情報処理装置10に出力する。
【0018】
本実施形態において、情報処理装置10に接続する複数の入力端末は、例えばゲームコントローラにより実現される入力端末31、リモートコントローラにより実現される入力端末33、およびスマートフォンに代表される携帯通信端末により実現される入力端末35を例として用いる。
【0019】
また、図1に示すように、情報処理装置10は表示装置11を有する。情報処理装置10は、例えば家庭用画像表示装置により実現される。また、本実施形態による情報処理装置10は、接続する複数の入力端末から取得した機器情報に基づいて適切な入力端末を選択する。そして、情報処理装置10は、選択した入力端末を示す画面を表示装置11に表示するなどしてユーザに選択内容を通知する。以上、本開示の一実施形態による情報処理装置10の概要について説明した。次に、通常の入力システムの課題について説明する。
【0020】
(通常の入力システム)
近年、入力端末の高機能化に伴って、一つの入力システムにおいて同種の複数の入力端末が接続されることが多くなった。また、近年普及しているスマートフォンのように、様々なセンサの他、通信機能も備える端末が入力端末として情報処理装置に接続されることが増え、同種のセンサを有する複数の入力端末が接続されることが多くなった。
【0021】
このように、同種の複数の入力端末が情報処理装置に接続される入力システムにおいて、情報処理装置で実行されるアプリケーションに使用する入力端末の数が限られている場合、ユーザは適切な入力端末を選択しなければならなかった。上記特許文献1に記載の入力装置共有システムにおいても、ユーザが適切な入力端末を選択しなければならなかった。
【0022】
しかし、入力端末に設けられているセンサの性能など、外見から入力端末の機能の種類や高さを把握することは困難であった。また、通常は、情報処理装置が最初に検知した入力端末を使用するといった単純な規則に基づいて選択され、入力端末が備える多種類の機能や高さに応じた選択は行われていなかった。
【0023】
そこで、上記事情を一着眼点にして本開示の一実施形態による情報処理装置10を創作するに至った。本開示の一実施形態による情報処理装置10は、接続する複数の入力端末から取得した機器情報に基づいて適切な入力端末を選択するInput Agentを有する。これにより、本開示は、入力端末の選択の精度を向上させることが可能になる。
【0024】
以下、このような本開示の一実施形態の基本構成について図2を参照して説明する。
【0025】
[1−2.基本構成]
図2は、本実施形態による情報処理装置10の構造モデルを示す図である。図2に示すように、情報処理装置10の構造は、Hardware13、Operating System15、Framework17、およびApplication19を含む。
【0026】
Hardware(HW)13は、情報処理装置10の入力装置、制御装置、記憶装置、出力装置、および通信装置を含む構成である。入力装置は、ユーザによる操作入力を受付け、その内容を制御装置に出力する。入力装置は、ボタンおよびスイッチなど物理的構成であってもよい。
【0027】
制御装置は、演算部および制御部の機能を有し、情報処理装置10の各構成を制御する。記憶装置は、制御装置が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。この記憶装置は、例えば、Flash ROM(又はFlash Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの不揮発性メモリ、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)およびDVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)などの光ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
【0028】
出力装置は、例えば図1に示す表示装置11、およびスピーカなどである。また、通信装置は、各入力端末と通信を行うモジュールである。具体的には、通信装置は、入力端末から機器情報、および入力情報などを受信する受信部を備える。また、通信装置は、入力端末に選択内容、データを送信する送信部を備える。
【0029】
Operating System(OS)15は、HW13を管理し、多くのApplicationで使用される基本的な機能を提供する。また、本実施形態によるOS15は、Framework17とHW13の間でデータの受け渡しを行う。
【0030】
Framework(FW)17は、多くのApplicationで頻繁に必要とされる汎用的な機能を提供する。また、本実施形態によるFW17は、Input Agent(IA)20を有する。IA20は、複数の入力端末30から取得した機器情報に基づいて使用する入力端末を選択する機能を有する。また、IA20は、FW17を介してApplication19とデータの受け渡しを行う。また、IA20は、OS15を介してHW13や、接続する複数の入力端末30とデータの受け渡しを行う。なおIA20の詳細な構成については後述する。
【0031】
Application(AP)19は、文書の作成、数値計算、ゲームなどある特定の目的のために設計されたソフトウェアである。また、アプリケーションによっては、起動時に、センサ開始要求やセンサ設定を行う。かかる要求などは、FW17を介して入力端末に対して行なわれる。本実施形態では、FW17に含まれるIA20において、かかるセンサ開始要求などに基づいてアプリケーションに最適な入力端末が選択されるが、アプリケーション側では選択処理は特に意識しない。なお、本実施形態では、AP19の一例として、傾きセンサを1つ使用するゲームアプリケーションが実行される。
【0032】
(IA20の機能構成)
以上、本実施形態による情報処理装置10の構造について説明した。次に、情報処理装置10に含まれるIA20の機能について図3を参照して説明する。
【0033】
図3は、本実施形態によるInput Agent20の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、IA20は、取得部21、記憶部23、選択部25、および通知部27を有する。以下、各構成について説明する。
【0034】
取得部21は、接続する複数の入力端末から機器情報を取得する。機器情報とは、入力端末の仕様、端末の種別、入力端末が有する検出部に関する情報、バッテリー残量、消費電力などを含む情報である。
【0035】
記憶部23は、取得部21が取得した各入力端末の機器情報を格納する機能を有する。また、記憶部23は、各入力端末の機器情報に基づいて、傾きセンサ、方位センサ、光度計、マイク、およびカメラなどの検出部の種類ごとに情報を管理するための検出部管理情報データベースを有する。図4は、検出部管理情報の一例を示す図である。図4に示すように、例えば傾きセンサの管理情報として、傾きセンサを備える入力端末ごとの機器情報(端末種別、サンプリング間隔、バッテリー残量、精度)、接続順、および使用履歴を有する。接続順は、情報処理装置10に入力端末が接続した順番を示す。使用履歴は、使用する入力端末として選択された回数を示す。
【0036】
選択部25は、機器情報に含まれる入力端末の検出部に関する情報に基づいて、入力端末の重要度を判断し、重要度に応じて使用する入力端末を選択する。入力端末の重要度は、入力端末の機能的評価値、例えば入力端末が有する検出部ごとに算出した重要度の和でもよい。また、選択部25は、選択した入力端末のバッテリー残量減少などの変化に応じて、使用する入力端末を切り替えてもよい。なお、具体的な選択処理については、[2−1.入力端末の選択処理]において説明する。
【0037】
また、選択部25は、実行するAP19が必要とする情報を入力できる入力端末に切り替えてもよい。選択部25は、実行するAP19がどのような情報を必要としているかについて、AP19がFW17に対してセンサ開始や設定などの要求を行なった場合にFW17を介して取得できる。なお、具体的な切替処理については、[2−2.入力端末の切替処理]において説明する。
【0038】
通知部27は、選択部25の選択内容をユーザに通知する。より具体的には、通知部27は、情報処理装置10が有する表示装置11、または図示しないスピーカから選択内容を出力して通知する。また、通知部27は、選択された入力端末において画面表示、または音出力などをさせて選択内容を通知してもよい。このような通知部27による通知について図5および図6を参照して説明する。
【0039】
図5は、情報処理装置10において画面表示、または音声出力により通知する例を説明するための図である。図5に示すように、接続する入力端末31〜35のうち、入力端末35が使用する入力端末に選択された場合、情報処理装置10は、表示装置11に「使用する入力端末/スマートフォンを選択しました。」と表示する。または、情報処理装置10は、スピーカ12から「スマートフォンを使用する入力端末として選択しました」と音声出力する。
【0040】
図6は、入力端末35において画面表示、または音声出力により通知する例を説明するための図である。入力端末35が使用する入力端末に選択された場合、通知部27は、選択されたことを入力端末35に通知する。すると、入力端末35は、図6に示すように、表示画面39に「使用する入力端末として選択されました。」と表示する。または、入力端末35は、図示しないスピーカから「使用する入力端末として選択されました」と音声出力する。なお、通知部27は、選択された入力端末において、通知音、振動、および点滅などにより通知してもよい。
【0041】
上述したIA20の各機能は、Hardware(HW)13を構成する各機器によって実現される。
【0042】
以上、本実施形態による情報処理装置10の基本構成について詳細に説明した。続いて、情報処理装置10の動作処理について具体例を挙げて詳細に説明する。
【0043】
<2.動作処理>
図7は、本実施形態による情報処理装置10の動作処理を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、ステップS103において、情報処理装置10に接続する入力端末が機器情報を情報処理装置10に送信する。次いで、ステップS105において、情報処理装置10のIA20は、取得した機器情報に基づいて入力端末の選択処理を行う。IA20による入力端末の選択処理の詳細については後述する。
【0044】
次に、ステップS107において、IA20は、使用する入力端末として選択した入力端末を示す情報をユーザに通知する。
【0045】
一方、ステップS109において、AP19が起動した場合、ステップS111において、AP19は、必要なセンサの開始要求を行なう。この際、AP19は、センサ開始要求に伴い必要なサンプリング間隔、および精度などの設定要求を行ってもよい。
【0046】
次いで、ステップS113において、AP19からセンサ開始要求を受けたFW17は、AP19の要求をIA20に渡す。続いて、ステップS115において、IA20は、AP19からの要求に基づき、使用中の入力端末が、AP19が必要とする情報を入力できる入力端末であるか否かを判断し、必要に応じて入力端末の切替を行う。IA20による入力端末の切替処理の詳細については後述する。
【0047】
そして、ステップS117において、IA20は、使用する入力端末として選択した入力端末を切り替えたことを示す情報をユーザに通知する。
【0048】
以上、本実施形態による情報処理装置10の動作処理について説明した。続いて、上記ステップS105の入力端末選択処理について詳細に説明する。
【0049】
[2−1.入力端末の選択処理]
IA20の選択部25は、上述したように、機器情報に含まれる入力端末の検出部に関する情報に基づいて各入力端末の重要度を判断し、重要度に応じて使用する入力端末を選択する。ここで、入力端末の重要度とは、例えば入力端末の機能的評価を数値化したものであってもよい。
【0050】
本実施形態において、入力端末の機能的評価は、入力端末が保持する1つ以上の検出部の評価に基づいて数値化される。入力端末は1つ以上の検出部を保持し、保持する検出部の種類は様々であるので、選択部25は、入力端末が保持する各検出部の重要度を算出し、その総和を入力端末の評価値とする。
【0051】
なお、検出部の重要度は、多くのアプリケーションで使用される頻度の高い検出部ほど高いと考えられる。そこで、選択部25は、検出部の重要度を、「検出部の使用率」と「検出部の評価値」の積により求める。これにより、「検出部の使用率」が高い検出部の「検出部の評価値」が高く評価される。
【0052】
「検出部の使用率」は、公開されているアプリケーションの総数に対しての検出部の使用率や、販売(またはダウンロード)されたアプリケーションの総数に対しての検出部の使用率などを用いる。また、特定のアプリケーションが動作するシステムにおいては、特定のマーケットにおいて公開されているアプリケーションの総数に対しての検出部の使用率を用いてもよい。なお、「検出部の使用率」は、IA20に予め設定される。
【0053】
「検出部の評価値」は、検出部の評価項目ごとに定められた評価値算出式により算出された値の積により求められる。検出部の評価項目は、検出部の種類(傾きセンサ、方位センサ、光度計、マイクおよびカメラなど)によって異なるが、例えば以下のようなものが挙げられる。
・サンプリング間隔
・精度
・値域(最小値、最大値)
・消費電力
・解像度(検出部がカメラの場合)など
【0054】
評価項目ごとの評価値算出式は、例えば評価項目の基準を1とし、評価値が0.5〜1.5程度に収まる算出式を定める。選択部25は、各評価項目の値を乗算したものを、「検出部の機能的評価値」とする。なお、評価項目ごとの評価値算出式は、IA20に予め定められる。
【0055】
以上説明した入力端末の機能的評価の数値化は、以下の式1にまとめることができる。
(式1)
入力端末の機能的評価=
{入力端末が保持する各検出部について以下の値の総和
(検出部の使用率)×(検出部の評価値)}
【0056】
よって、入力端末の機能的評価は、算出された値が大きいほど高く、小さいほど低く判断されるので、選択部25は、接続する複数の入力端末の各機能的評価を比較し、評価値がより高い入力端末を選択する。また、選択部25は、バッテリー残量など入力端末が最低限満たすべき条件も考慮して入力端末を選択する。以上、入力端末の選択処理における判断基準について説明した。次に、次に、図8を参照してIA20の動作処理について説明する。
【0057】
図8は、本実施形態によるIA20の入力端末選択処理を示すフローチャートである。まず、ステップS203において、取得部21は、接続された入力端末から検出部の情報を含む機器情報を取得する。また、取得部21は、取得した機器情報を記憶部23に格納する。
【0058】
次いで、ステップS205において、選択部25は、入力端末の評価値=0の状態から、取得した検出部の情報に基づいて、入力端末の評価値の算出を開始する。続いて、S209において、選択部25は、入力端末が有する検出部のうち未評価の検出部について(S207/Yes)、まず検出部の評価値を算出する。検出部の評価値は、各評価項目の算出式で算出した値の積である。
【0059】
次いで、ステップS211において、選択部25は、上記算出した検出部の評価値に、検出部の使用率を乗算し、入力端末の評価値を求める。上記S209〜S211は、入力端末の検出部をそれぞれ全て評価するまで繰り返し行われ、入力端末の評価値がインクリメントされる。
【0060】
次に、ステップS213において、選択部25は、算出した入力端末の評価値を、記憶部23に格納される検出部管理情報に追加する。続いて、ステップS215において、選択部25は、機器情報に基づいて、当該入力端末が最低限満たすべき条件を満たしているか否かを判断する。最低限満たすべき条件とは、例えばバッテリー残量が10%以上であることなどである。
【0061】
次いで、ステップS217において、選択部25は、現在使用中の入力端末の評価値と、当該入力端末の評価値とを比較する。そして、当該入力端末の評価値の方が現在使用中の入力端末の評価値より大きい場合、ステップS219において、選択部25は、当該入力端末を選択する。
【0062】
このように、選択部25は、情報処理装置10に接続する入力端末の機器情報に基づいて、入力端末の評価値を算出し、入力端末の選択を行う。以上説明した選択処理は、情報処理装置10において実行するAP19に関する情報は考慮していない。ここで、本実施形態による選択部25は、AP19が起動された場合に、実行するAP19に適切な入力端末に切り替えてもよい。以下、図9および図10を参照してAP実行による入力端末の切替処理について説明する。
【0063】
[2−2.入力端末の切替処理]
入力端末の切替は、状況に応じて最適な入力端末を使用できる点がメリットであるが、頻繁に切替が行われるとユーザにとって煩わしい場合もある。そこで、AP起動時に、まず図9に示す切替判断処理を行う。
【0064】
図9は、切替判断処理を示すフローチャートである。図9に示すように、まずステップS223において、アプリケーションが起動すると、S225において、アプリケーションから検出部の使用開始要求が行なわれる。次に、S227において、取得部21は、アプリケーションが設定した情報を取得する。アプリケーションが設定した情報とは、検出部の種別、必要なサンプリング間隔など、アプリケーションが使用する検出部に関する情報である。
【0065】
次いで、ステップS229において、選択部25は、現在使用中の入力端末が、起動したアプリケーションが使用する検出部を有しているか否か判断する。続いて、ステップS231において、選択部25は、現在使用中の入力端末が、起動したアプリケーションに使用するために最低限満たすべき条件を満たしているか否か判断する。ここでは、例えばサンプリング間隔、および値域などである。
【0066】
上記ステップS229において、アプリケーションが使用する検出部を有していないと判断された場合、または上記ステップS231において、アプリケーションが使用する検出部として最低限満たすべき条件を満たしていない場合は、切替を行う。続いて、入力端末の切替処理について図10を参照して説明する。
【0067】
図10は、本実施形態による入力端末の切替処理を示すフローチャートである。ステップS233において、取得部21は、アプリケーションが設定した情報を取得し、次いで、S235において、検出部管理情報のうち更新の必要な情報を新たに入力端末から取得し、検出部管理情報を更新する。更新の必要な情報とは、経時変化するバッテリー残量などである。
【0068】
次に、ステップS237において、選択部25は、検出部管理情報に基づいて、接続する複数の入力端末のうち、アプリケーションに使用する入力端末として最低限満たすべき条件を満たす入力端末に絞る。アプリケーションに使用する入力端末として最低限満たすべき条件とは、検出部の有無、およびバッテリー残量などである。
【0069】
次いで、ステップS239において、選択部25は、ステップS237の条件を満たす入力端末が0個であれば、入力端末の切替は行わない。また、選択部25は、ステップS237の条件を満たす入力端末が1個であれば、S241において、その入力端末に切替る処理を行う。
【0070】
また、ステップS237の条件を満たす入力端末が2個以上であれば、切替処理はS243に進む。ステップS243において、選択部25は、未使用の判断基準の中で最も優先度の高い判断基準を選択し、ステップS245において、当該判断基準を満たす入力端末に絞る。
【0071】
そして、ステップS247において、選択部25は、該当する入力端末が1になるまで、S243〜S245の処理を繰り返す。該等する入力端末が1になった場合、ステップS241において、選択部25は、該当する入力端末に切り替える処理を行う。
【0072】
上記ステップS243における判断基準は様々ある。以下に、判断基準の一例を挙げる。なお、判断基準の優先度はIA20において予め設定される。
【0073】
・接続順 ・・・情報処理装置10に接続した順番(たとえば、先に/後に接続した入力端末を優先するなど)
・端末の種別 ・・・リモートコントローラ、スマートフォン、またはゲームコントローラといった端末の種別に応じて優先度が異なる。
・機能(検出部の有無) ・・・アプリケーションが複数の機能(検出部)を使用する場合、全て、もしくは、より多くの機能(検出部)を有する入力端末を優先する。
・性能 ・・・精度、サンプリング間隔、最大最小値(値域)など
・消費電力 ・・・電力消費ペースが遅い入力端末を優先する。
・バッテリー残量 ・・・スマートフォンなどバッテリー駆動の入力端末において、バッテリー残量が50%以上など。
・過去の使用履歴 ・・・過去にユーザが使用設定した履歴がある入力端末や、使用実績のある入力端末を優先する。
・ユーザ設定 ・・・ユーザが使用設定した入力端末を優先する。
・性能差 ・・・同種の複数の検出部を同時に使用する場合(ゲームのマルチプレイなど)、同等の性能を持つ検出部を有する入力端末を優先する。
【0074】
以上説明した入力端末の切替処理について、具体例を挙げて説明する。ここで説明する具体例では、図11の全体図に示すように、情報処理装置10に入力端末31(ゲームコントローラ)、入力端末33(リモートコントローラ)、入力端末35(スマートフォンA)、および入力端末36(スマートフォンB)が接続される。
【0075】
そして、情報処理装置10において、傾きセンサを使用するゲームアプリケーションが起動する。よって、上記S233のアプリケーションは使用する検出部の種別として「傾きセンサ」を設定するので、選択部25は、図4に示す傾きセンサの管理情報を参照する。そして、上記S237のアプリケーションに使用する入力端末として最低限満たすべき条件が、「バッテリー残量10%以上」である場合、該当する入力端末は、リモートコントローラ、スマートフォンAおよびスマートフォンBの3つに絞られる。
【0076】
さらに、上記S243の「未使用の判断基準の中で最も優先度の高い判断基準」が、サンプリング間隔40msec以下である場合、該当する入力端末は、スマートフォンAおよびスマートフォンBの2つに絞られる。該等する入力端末が2以上であるので、切替処理はS243に戻る。
【0077】
続いて、上記S243の「未使用の判断基準の中で最も優先度の高い判断基準」が、精度である場合、スマートフォンAおよびスマートフォンBの精度は同じなので、該当する入力端末の数は2つのままである。該等する入力端末が2以上であるので、切替処理はS243に戻る。
【0078】
次に、上記S243の「未使用の判断基準の中で最も優先度の高い判断基準」が、接続順である場合、スマートフォンAの接続順「3」>スマートフォンBの接続順「4」であるので、スマートフォンAが優先される。これにより、S247において、該当する入力端末が1になり、S241において、選択部25は使用する入力端末を切り替える。
【0079】
なお、選択部25は、選択した入力端末の状態変化に応じて、再度図10に示すような切替処理を行ってもよい。状態変化とは、バッテリー残量の減少、モード切替(検出部のON/OFFスイッチの切り替えなど)、物理的な破損、情報処理装置10との通信の切断などである。また、新たな入力端末が接続された場合に、再度図10に示すような切替処理を行い、より最適な入力端末に切り替えてもよい。
【0080】
例えば、選択されたスマートフォンAの状態が変化し、入力端末として使用できなくなった場合、選択部25は、図10に示す切替処理を再度行い、最適な入力端末に切り替える。ここで、入力端末として使用できなくなった場合とは、スマートフォンAのバッテリー残量が10%以下になった場合や、スマートフォンAにおいて他モードに切り替える操作が行なわれ場合、情報処理装置10との通信が切断された場合などである。
【0081】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、IA20は、各入力端末の様々な機能を考慮して最適な入力端末を選択するので、多機能かつ高機能な入力端末をより有効に使用することができる。また、本実施形態によれば、検出部の性能、およびバッテリー残量などユーザにとって外見からは判断し難い情報に応じた選択をすることができる。また、アプリケーションが起動された場合、IA20は、アプリケーションに最適な入力端末に切り替えることができる。このように、IA20により最適な入力端末が選択されるので、ユーザが自ら選択する負担が軽減される。なお、ユーザが使用する入力端末を指定した場合、IA20は、他の条件に優先して指定した入力端末を選択/切替してもよい。
【0082】
<3.他の実施形態>
上記説明した本開示の一実施形態は、AP19起動前に入力端末を選択し、AP19が起動した際は切替が必要と判断された場合に切替処理を行っている。しかし、本開示の他の実施形態として、AP19起動をトリガとして入力端末を選択するIA20も提案できる。
【0083】
本開示の他の実施形態による情報処理装置10で実行されるInput Agent20は、
(A)接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部(21)と、
(B)前記機器情報に基づいて、実行するアプリケーションが必要とする情報を入力できる入力端末を、使用する入力端末として選択する選択部(25)と、
を備える。
【0084】
上記構成有する本開示の他の実施形態によるIA20は、接続する複数の入力端末から取得した機器情報に基づいて、実行するアプリケーションに最適な入力端末を選択することができる。これにより、本開示は、入力端末の選択の精度を向上させることが可能になる。
【0085】
<4.まとめ>
上述したように、本実施形態によれば、各入力端末の様々な機能を考慮して最適な入力端末を選択するので、多機能かつ高機能な入力端末をより有効に使用することができる。また、ユーザが自ら最適な入力端末を選ぶ負担が軽減される。
【0086】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本技術はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0087】
また、上述した実施形態による情報処理装置10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0088】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記入力端末の重要度は、前記入力端末の検出部ごとに算出された重要度の和である、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記選択部は、前記機器情報に含まれるバッテリー残量が所定の条件を満たす入力端末のうち、前記重要度が最も高い入力端末を、使用する入力端末として選択する、前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記情報処理装置は、
前記選択部により選択された入力端末を示す情報をユーザに通知する通知部を備える、前記(1)から(3)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(5)
前記通知部は、画面表示により前記選択された入力端末をユーザに通知する、前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記通知部は、音により前記選択された入力端末をユーザに通知する、前記(4)または(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記選択部は、前記使用する入力端末として選択した入力端末が、実行するアプリケーションが必要とする情報を入力できる入力端末であるか否かを判断し、判断結果に応じて使用する入力端末を切り替える、前記(1)から(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)
前記選択部は、前記実行するアプリケーションに使用する入力端末を過去にユーザが選択した履歴情報を取得した場合、前記履歴情報に基づいて使用する入力端末を切り替える、前記(7)に記載の情報処理装置。
(9)
前記選択部は、ユーザによる切替操作に応じて前記使用する入力端末を切り替える、前記(1)から(8)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(10)
前記選択部は、使用中の入力端末においてユーザによりモード切替操作が行なわれた場合、使用する入力端末を切り替える、前記(1)から(9)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(11)
前記選択部は、入力端末切替の規則を設定し、前記規則に基づいて使用する入力端末を切り替える、前記(1)から(10)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(12)
接続する複数の入力端末の機器情報を取得するステップと、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択するステップと、
を含む、入力端末選択方法。
(13)
接続する複数の入力端末の機器情報を取得する処理と、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する処理と、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
(14)
自身の機器情報送信する送信部を備える複数の入力端末と、
接続する前記複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と;
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と;
を有する情報処理装置と、
を備えるシステム。
(15)
接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と、
前記機器情報に基づいて、実行するアプリケーションが必要とする情報を入力できる入力端末を、使用する入力端末として選択する選択部と、
を備える、情報処理装置。
【符号の説明】
【0089】
10 情報処理装置
11 表示装置
13 HW
15 OS
17 FW
19 AP
20 IA
21 取得部
23 記憶部
25 選択部
27 通知部
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、入力端末選択方法、プログラムおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置に容易に着脱可能な入力端末として、例えばキーボード、マウス、コントローラーなどが知られている。このような入力端末が情報処理装置に複数接続されている場合、ユーザは入力端末の機能に応じて使用する入力端末を選別する。また、ユーザは、着脱可能な複数の入力端末から使用する入力端末を選別し、選別した入力端末を情報処理装置に接続する。このように、情報処理装置と複数の入力端末を含む入力システムにおいて、ユーザは使用目的に応じて任意の入力端末を選別していた。
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載の入力装置共有システムは、情報処理装置に接続された入力装置を他の情報処理装置で共有できる共有モード機能を有している。これにより、ユーザが明示的に指定した情報処理装置に接続された入力装置で複数の情報処理装置を操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−330702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同種の複数の入力端末が接続されている場合、ユーザが適切な入力端末を選択することは困難であった。
【0006】
そこで、本開示では、入力端末選択の精度を向上させることが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と、前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、接続する複数の入力端末の機器情報を取得するステップと、前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択するステップと、を含む入力端末選択方法が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、接続する複数の入力端末の機器情報を取得する処理と、前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する処理と、をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0010】
(作用)
このように、本開示によれば、接続する複数の入力端末から取得した機器情報に基づいて入力端末の重要度に応じて入力端末を選択することで、入力端末選択の精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、入力端末選択の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示による一実施形態の概要を説明するための図である。
【図2】本実施形態による情報処理装置の構造モデルを示す図である。
【図3】本実施形態によるInput Agentの機能構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態による検出部管理情報の一例を示す図である。
【図5】本実施形態による情報処理装置において画面表示、または音声出力により通知する例を説明するための図である。
【図6】本実施形態による入力端末において画面表示、または音声出力により通知する例を説明するための図である。
【図7】本実施形態による情報処理装置の動作処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態によるIAの入力端末選択処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態による切替判断処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態による切替処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態による切替処理を具体例により説明するための全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示による一実施形態
1−1.概要
1−2.基本構成
2.動作処理
2−1.入力端末の選択処理
2−2.入力端末の切替処理
3.他の実施形態
4.まとめ
【0015】
ここで説明する本開示による技術は、上記項目の「1.本開示による一実施形態について」〜「2.動作処理」で説明するように、多様な形態で実施され得る。また、本開示の一実施形態による情報処理装置10で実行されるInput Agent20は、
(A)接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部(21)と、
(B)前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部(25)と、を備える。
【0016】
<1.本開示による一実施形態>
[1−1.概要]
図1は、本開示による一実施形態の概要を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態による入力システムは、情報処理装置10と、情報処理装置10と接続する複数の入力端末を有する。
【0017】
各入力端末は、直接またはルータやLAN(Local Area Network)などを介して情報処理装置10と接続する。各入力端末と情報処理装置10は、無線通信により接続してもよいし、有線により接続してもよい。また、各入力端末は、傾きセンサ、方位センサ、および光度計などの検出部に関する情報、およびバッテリー残量など自身の機器情報を情報処理装置10に出力する。
【0018】
本実施形態において、情報処理装置10に接続する複数の入力端末は、例えばゲームコントローラにより実現される入力端末31、リモートコントローラにより実現される入力端末33、およびスマートフォンに代表される携帯通信端末により実現される入力端末35を例として用いる。
【0019】
また、図1に示すように、情報処理装置10は表示装置11を有する。情報処理装置10は、例えば家庭用画像表示装置により実現される。また、本実施形態による情報処理装置10は、接続する複数の入力端末から取得した機器情報に基づいて適切な入力端末を選択する。そして、情報処理装置10は、選択した入力端末を示す画面を表示装置11に表示するなどしてユーザに選択内容を通知する。以上、本開示の一実施形態による情報処理装置10の概要について説明した。次に、通常の入力システムの課題について説明する。
【0020】
(通常の入力システム)
近年、入力端末の高機能化に伴って、一つの入力システムにおいて同種の複数の入力端末が接続されることが多くなった。また、近年普及しているスマートフォンのように、様々なセンサの他、通信機能も備える端末が入力端末として情報処理装置に接続されることが増え、同種のセンサを有する複数の入力端末が接続されることが多くなった。
【0021】
このように、同種の複数の入力端末が情報処理装置に接続される入力システムにおいて、情報処理装置で実行されるアプリケーションに使用する入力端末の数が限られている場合、ユーザは適切な入力端末を選択しなければならなかった。上記特許文献1に記載の入力装置共有システムにおいても、ユーザが適切な入力端末を選択しなければならなかった。
【0022】
しかし、入力端末に設けられているセンサの性能など、外見から入力端末の機能の種類や高さを把握することは困難であった。また、通常は、情報処理装置が最初に検知した入力端末を使用するといった単純な規則に基づいて選択され、入力端末が備える多種類の機能や高さに応じた選択は行われていなかった。
【0023】
そこで、上記事情を一着眼点にして本開示の一実施形態による情報処理装置10を創作するに至った。本開示の一実施形態による情報処理装置10は、接続する複数の入力端末から取得した機器情報に基づいて適切な入力端末を選択するInput Agentを有する。これにより、本開示は、入力端末の選択の精度を向上させることが可能になる。
【0024】
以下、このような本開示の一実施形態の基本構成について図2を参照して説明する。
【0025】
[1−2.基本構成]
図2は、本実施形態による情報処理装置10の構造モデルを示す図である。図2に示すように、情報処理装置10の構造は、Hardware13、Operating System15、Framework17、およびApplication19を含む。
【0026】
Hardware(HW)13は、情報処理装置10の入力装置、制御装置、記憶装置、出力装置、および通信装置を含む構成である。入力装置は、ユーザによる操作入力を受付け、その内容を制御装置に出力する。入力装置は、ボタンおよびスイッチなど物理的構成であってもよい。
【0027】
制御装置は、演算部および制御部の機能を有し、情報処理装置10の各構成を制御する。記憶装置は、制御装置が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。この記憶装置は、例えば、Flash ROM(又はFlash Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの不揮発性メモリ、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)およびDVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)などの光ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
【0028】
出力装置は、例えば図1に示す表示装置11、およびスピーカなどである。また、通信装置は、各入力端末と通信を行うモジュールである。具体的には、通信装置は、入力端末から機器情報、および入力情報などを受信する受信部を備える。また、通信装置は、入力端末に選択内容、データを送信する送信部を備える。
【0029】
Operating System(OS)15は、HW13を管理し、多くのApplicationで使用される基本的な機能を提供する。また、本実施形態によるOS15は、Framework17とHW13の間でデータの受け渡しを行う。
【0030】
Framework(FW)17は、多くのApplicationで頻繁に必要とされる汎用的な機能を提供する。また、本実施形態によるFW17は、Input Agent(IA)20を有する。IA20は、複数の入力端末30から取得した機器情報に基づいて使用する入力端末を選択する機能を有する。また、IA20は、FW17を介してApplication19とデータの受け渡しを行う。また、IA20は、OS15を介してHW13や、接続する複数の入力端末30とデータの受け渡しを行う。なおIA20の詳細な構成については後述する。
【0031】
Application(AP)19は、文書の作成、数値計算、ゲームなどある特定の目的のために設計されたソフトウェアである。また、アプリケーションによっては、起動時に、センサ開始要求やセンサ設定を行う。かかる要求などは、FW17を介して入力端末に対して行なわれる。本実施形態では、FW17に含まれるIA20において、かかるセンサ開始要求などに基づいてアプリケーションに最適な入力端末が選択されるが、アプリケーション側では選択処理は特に意識しない。なお、本実施形態では、AP19の一例として、傾きセンサを1つ使用するゲームアプリケーションが実行される。
【0032】
(IA20の機能構成)
以上、本実施形態による情報処理装置10の構造について説明した。次に、情報処理装置10に含まれるIA20の機能について図3を参照して説明する。
【0033】
図3は、本実施形態によるInput Agent20の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、IA20は、取得部21、記憶部23、選択部25、および通知部27を有する。以下、各構成について説明する。
【0034】
取得部21は、接続する複数の入力端末から機器情報を取得する。機器情報とは、入力端末の仕様、端末の種別、入力端末が有する検出部に関する情報、バッテリー残量、消費電力などを含む情報である。
【0035】
記憶部23は、取得部21が取得した各入力端末の機器情報を格納する機能を有する。また、記憶部23は、各入力端末の機器情報に基づいて、傾きセンサ、方位センサ、光度計、マイク、およびカメラなどの検出部の種類ごとに情報を管理するための検出部管理情報データベースを有する。図4は、検出部管理情報の一例を示す図である。図4に示すように、例えば傾きセンサの管理情報として、傾きセンサを備える入力端末ごとの機器情報(端末種別、サンプリング間隔、バッテリー残量、精度)、接続順、および使用履歴を有する。接続順は、情報処理装置10に入力端末が接続した順番を示す。使用履歴は、使用する入力端末として選択された回数を示す。
【0036】
選択部25は、機器情報に含まれる入力端末の検出部に関する情報に基づいて、入力端末の重要度を判断し、重要度に応じて使用する入力端末を選択する。入力端末の重要度は、入力端末の機能的評価値、例えば入力端末が有する検出部ごとに算出した重要度の和でもよい。また、選択部25は、選択した入力端末のバッテリー残量減少などの変化に応じて、使用する入力端末を切り替えてもよい。なお、具体的な選択処理については、[2−1.入力端末の選択処理]において説明する。
【0037】
また、選択部25は、実行するAP19が必要とする情報を入力できる入力端末に切り替えてもよい。選択部25は、実行するAP19がどのような情報を必要としているかについて、AP19がFW17に対してセンサ開始や設定などの要求を行なった場合にFW17を介して取得できる。なお、具体的な切替処理については、[2−2.入力端末の切替処理]において説明する。
【0038】
通知部27は、選択部25の選択内容をユーザに通知する。より具体的には、通知部27は、情報処理装置10が有する表示装置11、または図示しないスピーカから選択内容を出力して通知する。また、通知部27は、選択された入力端末において画面表示、または音出力などをさせて選択内容を通知してもよい。このような通知部27による通知について図5および図6を参照して説明する。
【0039】
図5は、情報処理装置10において画面表示、または音声出力により通知する例を説明するための図である。図5に示すように、接続する入力端末31〜35のうち、入力端末35が使用する入力端末に選択された場合、情報処理装置10は、表示装置11に「使用する入力端末/スマートフォンを選択しました。」と表示する。または、情報処理装置10は、スピーカ12から「スマートフォンを使用する入力端末として選択しました」と音声出力する。
【0040】
図6は、入力端末35において画面表示、または音声出力により通知する例を説明するための図である。入力端末35が使用する入力端末に選択された場合、通知部27は、選択されたことを入力端末35に通知する。すると、入力端末35は、図6に示すように、表示画面39に「使用する入力端末として選択されました。」と表示する。または、入力端末35は、図示しないスピーカから「使用する入力端末として選択されました」と音声出力する。なお、通知部27は、選択された入力端末において、通知音、振動、および点滅などにより通知してもよい。
【0041】
上述したIA20の各機能は、Hardware(HW)13を構成する各機器によって実現される。
【0042】
以上、本実施形態による情報処理装置10の基本構成について詳細に説明した。続いて、情報処理装置10の動作処理について具体例を挙げて詳細に説明する。
【0043】
<2.動作処理>
図7は、本実施形態による情報処理装置10の動作処理を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、ステップS103において、情報処理装置10に接続する入力端末が機器情報を情報処理装置10に送信する。次いで、ステップS105において、情報処理装置10のIA20は、取得した機器情報に基づいて入力端末の選択処理を行う。IA20による入力端末の選択処理の詳細については後述する。
【0044】
次に、ステップS107において、IA20は、使用する入力端末として選択した入力端末を示す情報をユーザに通知する。
【0045】
一方、ステップS109において、AP19が起動した場合、ステップS111において、AP19は、必要なセンサの開始要求を行なう。この際、AP19は、センサ開始要求に伴い必要なサンプリング間隔、および精度などの設定要求を行ってもよい。
【0046】
次いで、ステップS113において、AP19からセンサ開始要求を受けたFW17は、AP19の要求をIA20に渡す。続いて、ステップS115において、IA20は、AP19からの要求に基づき、使用中の入力端末が、AP19が必要とする情報を入力できる入力端末であるか否かを判断し、必要に応じて入力端末の切替を行う。IA20による入力端末の切替処理の詳細については後述する。
【0047】
そして、ステップS117において、IA20は、使用する入力端末として選択した入力端末を切り替えたことを示す情報をユーザに通知する。
【0048】
以上、本実施形態による情報処理装置10の動作処理について説明した。続いて、上記ステップS105の入力端末選択処理について詳細に説明する。
【0049】
[2−1.入力端末の選択処理]
IA20の選択部25は、上述したように、機器情報に含まれる入力端末の検出部に関する情報に基づいて各入力端末の重要度を判断し、重要度に応じて使用する入力端末を選択する。ここで、入力端末の重要度とは、例えば入力端末の機能的評価を数値化したものであってもよい。
【0050】
本実施形態において、入力端末の機能的評価は、入力端末が保持する1つ以上の検出部の評価に基づいて数値化される。入力端末は1つ以上の検出部を保持し、保持する検出部の種類は様々であるので、選択部25は、入力端末が保持する各検出部の重要度を算出し、その総和を入力端末の評価値とする。
【0051】
なお、検出部の重要度は、多くのアプリケーションで使用される頻度の高い検出部ほど高いと考えられる。そこで、選択部25は、検出部の重要度を、「検出部の使用率」と「検出部の評価値」の積により求める。これにより、「検出部の使用率」が高い検出部の「検出部の評価値」が高く評価される。
【0052】
「検出部の使用率」は、公開されているアプリケーションの総数に対しての検出部の使用率や、販売(またはダウンロード)されたアプリケーションの総数に対しての検出部の使用率などを用いる。また、特定のアプリケーションが動作するシステムにおいては、特定のマーケットにおいて公開されているアプリケーションの総数に対しての検出部の使用率を用いてもよい。なお、「検出部の使用率」は、IA20に予め設定される。
【0053】
「検出部の評価値」は、検出部の評価項目ごとに定められた評価値算出式により算出された値の積により求められる。検出部の評価項目は、検出部の種類(傾きセンサ、方位センサ、光度計、マイクおよびカメラなど)によって異なるが、例えば以下のようなものが挙げられる。
・サンプリング間隔
・精度
・値域(最小値、最大値)
・消費電力
・解像度(検出部がカメラの場合)など
【0054】
評価項目ごとの評価値算出式は、例えば評価項目の基準を1とし、評価値が0.5〜1.5程度に収まる算出式を定める。選択部25は、各評価項目の値を乗算したものを、「検出部の機能的評価値」とする。なお、評価項目ごとの評価値算出式は、IA20に予め定められる。
【0055】
以上説明した入力端末の機能的評価の数値化は、以下の式1にまとめることができる。
(式1)
入力端末の機能的評価=
{入力端末が保持する各検出部について以下の値の総和
(検出部の使用率)×(検出部の評価値)}
【0056】
よって、入力端末の機能的評価は、算出された値が大きいほど高く、小さいほど低く判断されるので、選択部25は、接続する複数の入力端末の各機能的評価を比較し、評価値がより高い入力端末を選択する。また、選択部25は、バッテリー残量など入力端末が最低限満たすべき条件も考慮して入力端末を選択する。以上、入力端末の選択処理における判断基準について説明した。次に、次に、図8を参照してIA20の動作処理について説明する。
【0057】
図8は、本実施形態によるIA20の入力端末選択処理を示すフローチャートである。まず、ステップS203において、取得部21は、接続された入力端末から検出部の情報を含む機器情報を取得する。また、取得部21は、取得した機器情報を記憶部23に格納する。
【0058】
次いで、ステップS205において、選択部25は、入力端末の評価値=0の状態から、取得した検出部の情報に基づいて、入力端末の評価値の算出を開始する。続いて、S209において、選択部25は、入力端末が有する検出部のうち未評価の検出部について(S207/Yes)、まず検出部の評価値を算出する。検出部の評価値は、各評価項目の算出式で算出した値の積である。
【0059】
次いで、ステップS211において、選択部25は、上記算出した検出部の評価値に、検出部の使用率を乗算し、入力端末の評価値を求める。上記S209〜S211は、入力端末の検出部をそれぞれ全て評価するまで繰り返し行われ、入力端末の評価値がインクリメントされる。
【0060】
次に、ステップS213において、選択部25は、算出した入力端末の評価値を、記憶部23に格納される検出部管理情報に追加する。続いて、ステップS215において、選択部25は、機器情報に基づいて、当該入力端末が最低限満たすべき条件を満たしているか否かを判断する。最低限満たすべき条件とは、例えばバッテリー残量が10%以上であることなどである。
【0061】
次いで、ステップS217において、選択部25は、現在使用中の入力端末の評価値と、当該入力端末の評価値とを比較する。そして、当該入力端末の評価値の方が現在使用中の入力端末の評価値より大きい場合、ステップS219において、選択部25は、当該入力端末を選択する。
【0062】
このように、選択部25は、情報処理装置10に接続する入力端末の機器情報に基づいて、入力端末の評価値を算出し、入力端末の選択を行う。以上説明した選択処理は、情報処理装置10において実行するAP19に関する情報は考慮していない。ここで、本実施形態による選択部25は、AP19が起動された場合に、実行するAP19に適切な入力端末に切り替えてもよい。以下、図9および図10を参照してAP実行による入力端末の切替処理について説明する。
【0063】
[2−2.入力端末の切替処理]
入力端末の切替は、状況に応じて最適な入力端末を使用できる点がメリットであるが、頻繁に切替が行われるとユーザにとって煩わしい場合もある。そこで、AP起動時に、まず図9に示す切替判断処理を行う。
【0064】
図9は、切替判断処理を示すフローチャートである。図9に示すように、まずステップS223において、アプリケーションが起動すると、S225において、アプリケーションから検出部の使用開始要求が行なわれる。次に、S227において、取得部21は、アプリケーションが設定した情報を取得する。アプリケーションが設定した情報とは、検出部の種別、必要なサンプリング間隔など、アプリケーションが使用する検出部に関する情報である。
【0065】
次いで、ステップS229において、選択部25は、現在使用中の入力端末が、起動したアプリケーションが使用する検出部を有しているか否か判断する。続いて、ステップS231において、選択部25は、現在使用中の入力端末が、起動したアプリケーションに使用するために最低限満たすべき条件を満たしているか否か判断する。ここでは、例えばサンプリング間隔、および値域などである。
【0066】
上記ステップS229において、アプリケーションが使用する検出部を有していないと判断された場合、または上記ステップS231において、アプリケーションが使用する検出部として最低限満たすべき条件を満たしていない場合は、切替を行う。続いて、入力端末の切替処理について図10を参照して説明する。
【0067】
図10は、本実施形態による入力端末の切替処理を示すフローチャートである。ステップS233において、取得部21は、アプリケーションが設定した情報を取得し、次いで、S235において、検出部管理情報のうち更新の必要な情報を新たに入力端末から取得し、検出部管理情報を更新する。更新の必要な情報とは、経時変化するバッテリー残量などである。
【0068】
次に、ステップS237において、選択部25は、検出部管理情報に基づいて、接続する複数の入力端末のうち、アプリケーションに使用する入力端末として最低限満たすべき条件を満たす入力端末に絞る。アプリケーションに使用する入力端末として最低限満たすべき条件とは、検出部の有無、およびバッテリー残量などである。
【0069】
次いで、ステップS239において、選択部25は、ステップS237の条件を満たす入力端末が0個であれば、入力端末の切替は行わない。また、選択部25は、ステップS237の条件を満たす入力端末が1個であれば、S241において、その入力端末に切替る処理を行う。
【0070】
また、ステップS237の条件を満たす入力端末が2個以上であれば、切替処理はS243に進む。ステップS243において、選択部25は、未使用の判断基準の中で最も優先度の高い判断基準を選択し、ステップS245において、当該判断基準を満たす入力端末に絞る。
【0071】
そして、ステップS247において、選択部25は、該当する入力端末が1になるまで、S243〜S245の処理を繰り返す。該等する入力端末が1になった場合、ステップS241において、選択部25は、該当する入力端末に切り替える処理を行う。
【0072】
上記ステップS243における判断基準は様々ある。以下に、判断基準の一例を挙げる。なお、判断基準の優先度はIA20において予め設定される。
【0073】
・接続順 ・・・情報処理装置10に接続した順番(たとえば、先に/後に接続した入力端末を優先するなど)
・端末の種別 ・・・リモートコントローラ、スマートフォン、またはゲームコントローラといった端末の種別に応じて優先度が異なる。
・機能(検出部の有無) ・・・アプリケーションが複数の機能(検出部)を使用する場合、全て、もしくは、より多くの機能(検出部)を有する入力端末を優先する。
・性能 ・・・精度、サンプリング間隔、最大最小値(値域)など
・消費電力 ・・・電力消費ペースが遅い入力端末を優先する。
・バッテリー残量 ・・・スマートフォンなどバッテリー駆動の入力端末において、バッテリー残量が50%以上など。
・過去の使用履歴 ・・・過去にユーザが使用設定した履歴がある入力端末や、使用実績のある入力端末を優先する。
・ユーザ設定 ・・・ユーザが使用設定した入力端末を優先する。
・性能差 ・・・同種の複数の検出部を同時に使用する場合(ゲームのマルチプレイなど)、同等の性能を持つ検出部を有する入力端末を優先する。
【0074】
以上説明した入力端末の切替処理について、具体例を挙げて説明する。ここで説明する具体例では、図11の全体図に示すように、情報処理装置10に入力端末31(ゲームコントローラ)、入力端末33(リモートコントローラ)、入力端末35(スマートフォンA)、および入力端末36(スマートフォンB)が接続される。
【0075】
そして、情報処理装置10において、傾きセンサを使用するゲームアプリケーションが起動する。よって、上記S233のアプリケーションは使用する検出部の種別として「傾きセンサ」を設定するので、選択部25は、図4に示す傾きセンサの管理情報を参照する。そして、上記S237のアプリケーションに使用する入力端末として最低限満たすべき条件が、「バッテリー残量10%以上」である場合、該当する入力端末は、リモートコントローラ、スマートフォンAおよびスマートフォンBの3つに絞られる。
【0076】
さらに、上記S243の「未使用の判断基準の中で最も優先度の高い判断基準」が、サンプリング間隔40msec以下である場合、該当する入力端末は、スマートフォンAおよびスマートフォンBの2つに絞られる。該等する入力端末が2以上であるので、切替処理はS243に戻る。
【0077】
続いて、上記S243の「未使用の判断基準の中で最も優先度の高い判断基準」が、精度である場合、スマートフォンAおよびスマートフォンBの精度は同じなので、該当する入力端末の数は2つのままである。該等する入力端末が2以上であるので、切替処理はS243に戻る。
【0078】
次に、上記S243の「未使用の判断基準の中で最も優先度の高い判断基準」が、接続順である場合、スマートフォンAの接続順「3」>スマートフォンBの接続順「4」であるので、スマートフォンAが優先される。これにより、S247において、該当する入力端末が1になり、S241において、選択部25は使用する入力端末を切り替える。
【0079】
なお、選択部25は、選択した入力端末の状態変化に応じて、再度図10に示すような切替処理を行ってもよい。状態変化とは、バッテリー残量の減少、モード切替(検出部のON/OFFスイッチの切り替えなど)、物理的な破損、情報処理装置10との通信の切断などである。また、新たな入力端末が接続された場合に、再度図10に示すような切替処理を行い、より最適な入力端末に切り替えてもよい。
【0080】
例えば、選択されたスマートフォンAの状態が変化し、入力端末として使用できなくなった場合、選択部25は、図10に示す切替処理を再度行い、最適な入力端末に切り替える。ここで、入力端末として使用できなくなった場合とは、スマートフォンAのバッテリー残量が10%以下になった場合や、スマートフォンAにおいて他モードに切り替える操作が行なわれ場合、情報処理装置10との通信が切断された場合などである。
【0081】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、IA20は、各入力端末の様々な機能を考慮して最適な入力端末を選択するので、多機能かつ高機能な入力端末をより有効に使用することができる。また、本実施形態によれば、検出部の性能、およびバッテリー残量などユーザにとって外見からは判断し難い情報に応じた選択をすることができる。また、アプリケーションが起動された場合、IA20は、アプリケーションに最適な入力端末に切り替えることができる。このように、IA20により最適な入力端末が選択されるので、ユーザが自ら選択する負担が軽減される。なお、ユーザが使用する入力端末を指定した場合、IA20は、他の条件に優先して指定した入力端末を選択/切替してもよい。
【0082】
<3.他の実施形態>
上記説明した本開示の一実施形態は、AP19起動前に入力端末を選択し、AP19が起動した際は切替が必要と判断された場合に切替処理を行っている。しかし、本開示の他の実施形態として、AP19起動をトリガとして入力端末を選択するIA20も提案できる。
【0083】
本開示の他の実施形態による情報処理装置10で実行されるInput Agent20は、
(A)接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部(21)と、
(B)前記機器情報に基づいて、実行するアプリケーションが必要とする情報を入力できる入力端末を、使用する入力端末として選択する選択部(25)と、
を備える。
【0084】
上記構成有する本開示の他の実施形態によるIA20は、接続する複数の入力端末から取得した機器情報に基づいて、実行するアプリケーションに最適な入力端末を選択することができる。これにより、本開示は、入力端末の選択の精度を向上させることが可能になる。
【0085】
<4.まとめ>
上述したように、本実施形態によれば、各入力端末の様々な機能を考慮して最適な入力端末を選択するので、多機能かつ高機能な入力端末をより有効に使用することができる。また、ユーザが自ら最適な入力端末を選ぶ負担が軽減される。
【0086】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本技術はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0087】
また、上述した実施形態による情報処理装置10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0088】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記入力端末の重要度は、前記入力端末の検出部ごとに算出された重要度の和である、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記選択部は、前記機器情報に含まれるバッテリー残量が所定の条件を満たす入力端末のうち、前記重要度が最も高い入力端末を、使用する入力端末として選択する、前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記情報処理装置は、
前記選択部により選択された入力端末を示す情報をユーザに通知する通知部を備える、前記(1)から(3)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(5)
前記通知部は、画面表示により前記選択された入力端末をユーザに通知する、前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記通知部は、音により前記選択された入力端末をユーザに通知する、前記(4)または(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記選択部は、前記使用する入力端末として選択した入力端末が、実行するアプリケーションが必要とする情報を入力できる入力端末であるか否かを判断し、判断結果に応じて使用する入力端末を切り替える、前記(1)から(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)
前記選択部は、前記実行するアプリケーションに使用する入力端末を過去にユーザが選択した履歴情報を取得した場合、前記履歴情報に基づいて使用する入力端末を切り替える、前記(7)に記載の情報処理装置。
(9)
前記選択部は、ユーザによる切替操作に応じて前記使用する入力端末を切り替える、前記(1)から(8)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(10)
前記選択部は、使用中の入力端末においてユーザによりモード切替操作が行なわれた場合、使用する入力端末を切り替える、前記(1)から(9)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(11)
前記選択部は、入力端末切替の規則を設定し、前記規則に基づいて使用する入力端末を切り替える、前記(1)から(10)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(12)
接続する複数の入力端末の機器情報を取得するステップと、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択するステップと、
を含む、入力端末選択方法。
(13)
接続する複数の入力端末の機器情報を取得する処理と、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する処理と、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
(14)
自身の機器情報送信する送信部を備える複数の入力端末と、
接続する前記複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と;
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と;
を有する情報処理装置と、
を備えるシステム。
(15)
接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と、
前記機器情報に基づいて、実行するアプリケーションが必要とする情報を入力できる入力端末を、使用する入力端末として選択する選択部と、
を備える、情報処理装置。
【符号の説明】
【0089】
10 情報処理装置
11 表示装置
13 HW
15 OS
17 FW
19 AP
20 IA
21 取得部
23 記憶部
25 選択部
27 通知部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記入力端末の重要度は、前記入力端末の検出部ごとに算出された重要度の和である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記機器情報に含まれるバッテリー残量が所定の条件を満たす入力端末のうち、前記重要度が最も高い入力端末を、使用する入力端末として選択する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記選択部により選択された入力端末を示す情報をユーザに通知する通知部を備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通知部は、画面表示により前記選択された入力端末をユーザに通知する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知部は、音により前記選択された入力端末をユーザに通知する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択部は、前記使用する入力端末として選択した入力端末が、実行するアプリケーションが必要とする情報を入力できる入力端末であるか否かを判断し、判断結果に応じて使用する入力端末を切り替える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記選択部は、前記実行するアプリケーションに使用する入力端末を過去にユーザが選択した履歴情報を取得した場合、前記履歴情報に基づいて使用する入力端末を切り替える、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記選択部は、ユーザによる切替操作に応じて前記使用する入力端末を切り替える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記選択部は、使用中の入力端末においてユーザによりモード切替操作が行なわれた場合、使用する入力端末を切り替える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記選択部は、入力端末切替の規則を設定し、前記規則に基づいて使用する入力端末を切り替える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
接続する複数の入力端末の機器情報を取得するステップと、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択するステップと、
を含む、入力端末選択方法。
【請求項13】
接続する複数の入力端末の機器情報を取得する処理と、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する処理と、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項14】
自身の機器情報送信する送信部を備える複数の入力端末と、
接続する前記複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と;
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と;
を有する情報処理装置と、
を備えるシステム。
【請求項1】
接続する複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記入力端末の重要度は、前記入力端末の検出部ごとに算出された重要度の和である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記機器情報に含まれるバッテリー残量が所定の条件を満たす入力端末のうち、前記重要度が最も高い入力端末を、使用する入力端末として選択する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記選択部により選択された入力端末を示す情報をユーザに通知する通知部を備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通知部は、画面表示により前記選択された入力端末をユーザに通知する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知部は、音により前記選択された入力端末をユーザに通知する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択部は、前記使用する入力端末として選択した入力端末が、実行するアプリケーションが必要とする情報を入力できる入力端末であるか否かを判断し、判断結果に応じて使用する入力端末を切り替える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記選択部は、前記実行するアプリケーションに使用する入力端末を過去にユーザが選択した履歴情報を取得した場合、前記履歴情報に基づいて使用する入力端末を切り替える、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記選択部は、ユーザによる切替操作に応じて前記使用する入力端末を切り替える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記選択部は、使用中の入力端末においてユーザによりモード切替操作が行なわれた場合、使用する入力端末を切り替える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記選択部は、入力端末切替の規則を設定し、前記規則に基づいて使用する入力端末を切り替える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
接続する複数の入力端末の機器情報を取得するステップと、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択するステップと、
を含む、入力端末選択方法。
【請求項13】
接続する複数の入力端末の機器情報を取得する処理と、
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する処理と、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項14】
自身の機器情報送信する送信部を備える複数の入力端末と、
接続する前記複数の入力端末の機器情報を取得する取得部と;
前記機器情報に含まれる前記入力端末の検出部に関する情報に基づいて前記入力端末の重要度を判断し、前記重要度に応じて、使用する入力端末を選択する選択部と;
を有する情報処理装置と、
を備えるシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−29960(P2013−29960A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165146(P2011−165146)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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