説明

情報処理装置、印刷処理プログラム

【課題】原稿のコピー時においても、その原稿に求められる所望の印刷設定によって印刷できるようにすることを目的とする。
【解決手段】複合機1は、読取部103により読み取られた原稿の画像データを取得する画像データ取得部121と、画像データの印刷に用いられる印刷設定情報と、印刷設定情報と対応づけられた印刷設定識別IDとを記憶する設定記憶部112と、画像データ内から印刷設定識別IDを機械読み取り可能な形式で埋め込んだ画像符号情報を抽出する設定抽出部122と、画像符号情報が抽出された場合には、対応する印刷設定識別IDに基づき対応する印刷設定情報を設定記憶部112から取得する設定取得部123と、印刷設定情報に基づいて画像データの用紙への印刷制御を行う印刷制御部126と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、および印刷処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の属性情報に基づき、利用者ごとに利用できる印刷機能を規定し、この規定の範囲内で印刷を行うことを義務付けた印刷処理が知られている。例えば、先行技術文献1に記載の画像形成装置においては、利用者ごとに印刷ジョブの出力を制限するよう定められた制限情報を取得し、この制限情報によって規定された範囲内の印刷機能を印刷設定として利用することができる技術が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した画像形成装置においては、印刷ジョブのプリント出力時においては、利用者ごとに制限された印刷設定に含まれる印刷機能に基づき用紙への印刷を行えるが、一度出力された原稿を原本にコピーで再度印刷を行うときには、プリント出力時に設定された印刷設定で印刷を行うことができず、所望の印刷設定で印刷を行えないことになってしまう。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、原稿のコピー時においても、その原稿に求められる所望の印刷設定によって印刷できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、読取部により読み取られた原稿の画像データを取得する画像データ取得手段と、前記画像データの印刷に用いられる印刷設定情報と、前記印刷設定情報と対応づけられた識別情報とを記憶する設定記憶手段と、前記画像データから、前記識別情報を機械読み取り可能な画像符号情報を抽出する抽出手段と、前記画像符号情報が抽出された場合には、前記画像符号情報から読み取られる前記識別情報に対応する前記印刷設定情報を前記設定記憶手段から取得する取得手段と、取得された前記印刷設定情報に基づいて前記画像データの前記用紙への印刷制御を行う印刷制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、原稿のコピー時においても、その原稿に求められる所望の印刷設定によって印刷できるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1の実施形態の複合機のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】図2は、第1の実施形態の複合機の構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1の実施形態の出力された原稿の態様を概略的に示す概略図である。
【図4】図4は、第1の実施形態の利用者権限テーブルを示すデータ構造図である。
【図5】図5は、第1の実施形態の権限順位テーブルの一例を示すデータ構造図である。
【図6】図6は、第1の実施形態の印刷設定テーブルの一例を示すデータ構造図である。
【図7】図7は、第1の実施形態の設定受付部により表示された画面を概略的に示す概略図である。
【図8】図8は、第1の実施形態のプリント出力時の処理の流れを示すフロー図である。
【図9】図9は、第1の実施形態のコピー時の処理の流れを示すフロー図である。
【図10】図10は、第2の実施形態の複合機、およびサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、第2の実施形態のプリント出力時の処理の流れを示すフロー図である。
【図12】図12は、第2の実施形態のコピー時の処理の流れを示すフロー図である。
【図13】図13は、第3の実施形態の複合機、およびサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、第3の実施形態の印刷量テーブルの一例を示すデータ構造図である。
【図15】図15は、第3の実施形態の印刷量対応テーブルの一例を示すデータ構造図である。
【図16】図16は、第3の実施形態のプリント出力時の処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置の第1の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態は、情報処理装置を複合機(画像形成装置)として具体化したものである。
【0009】
図1は、第1の実施の形態にかかる複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機1は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機1全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0010】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0011】
CPU11は、複合機1の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0012】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0013】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0014】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0015】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
【0016】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0017】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0018】
図2は、複合機1を含む印刷システム全体の構成を示すブロック図である。複合機1は、ネットワークを通じて各クライアントPC130と接続されており、これらクライアントPC130からの印刷ジョブの指示を受信する。複合機1は、通信部101と、記憶部102と、読取部103と、設定受付部104と、制御部105と、印刷部106とを含んでいる。
【0019】
通信部101は、クライアントPC130からネットワークを通じて印刷ジョブの指示を受付け、印刷プロトコルに基づいて指示を処理し、その処理結果を複合機1内の各部へと送信する。記憶部102は、複合機1内で各種データを記憶する部位であり、予め設定されたデータを記憶したり、印刷ジョブによって送られてきた印刷データを一時的に記憶したりする。記憶部102は、権限記憶部111と、設定記憶部112とを含んでいる。
【0020】
権限記憶部111は、利用者権限テーブルを含む。利用者権限テーブルは、利用者ごとに利用できる印刷機能を記憶する。利用者権限テーブルは、ユーザID、印刷色情報、両面印刷情報、および、集約印刷情報を対応づけて記憶している。ユーザIDは、利用者の識別情報である。印刷色情報は、印刷をカラーで行うか、モノクロで行うかの設定情報である。両面印刷情報は、印刷を両面印刷にするか片面印刷にするかの設定情報である。集約印刷情報は、印刷を集約印刷で行うか否か、及び行う場合は1ページあたりの割付数を設定するための情報である。
【0021】
図4は、第1の実施の形態における利用者権限テーブルの一例を示すデータ構造図である。例えば、利用者権限テーブルは、ユーザIDがUser001を示す利用者は、印刷色情報として「カラー」が、両面印刷情報として「両面なし」が、集約印刷情報として「集約なし」をそれぞれ利用可能な権限である旨が記憶されている。
【0022】
また、権限記憶部111は、権限順位テーブルを含んでいる。権限順位テーブルは、利用者権限テーブルに含まれる、印刷色情報、両面印刷情報、及び集約印刷情報それぞれの設定の順位を記憶している。
【0023】
図5は、権限順位テーブルの一例を示すデータ構造図である。図5によれば、印刷色情報としては、順位が「1」に対応して「カラー」が、順位が「2」に対応して「モノクロ」が記憶されている。これは、「カラー」のほうが「モノクロ」よりも順位がより上位にあることを意味し、上述の利用者権限テーブルで「カラー」が対応付けられた利用者は、印刷を「カラー」、及び「モノクロ」の両方で行う権限を有している。一方、利用者テーブルで「モノクロ」が対応付けられた利用者は、「カラー」による印刷を行うことができず、「モノクロ」のみ利用可能である。ただし、この設定は絶対的なものではなく、例外的な処理を含むことができる。この例外については、後述する。
【0024】
また、図5によれば、両面印刷情報としては、順位が「1」に対応して「両面なし」が、順位が「2」に対応して「両面あり」が記憶されている。これは、「両面なし」のほうが「両面あり」よりも順位として上位にあることを意味し、上述の利用者権限テーブルで「両面なし」が対応付けられた利用者は、印刷を「片面」、及び「両面」の両方で行う権限を有している。一方、利用者テーブルで「両面あり」が対応付けられた利用者は、「片面」での印刷を行うことはできず、「両面」での印刷のみ行うことができることを意味する。
【0025】
また、図5によれば、集約印刷情報としては、順位が「1」に対応して「集約なし」が、順位が「2」に対応して「2 in 1」が、順位が「3」に対応して「4 in 1」がそれぞれ記憶されている。これは、「集約なし」のほうが「2 in 1」及び「4 in 1」よりも順位が上位にあることを意味し、上述の利用者権限テーブルで「集約なし」が対応付けられた利用者は、印刷を「集約なし」、「2 in 1」、及び「4 in 1」のいずれかで行う権限を有している。一方、利用者テーブルで「2 in 1」が対応付けられた利用者は、「集約なし」による印刷を行うことはできず、「2 in 1」、及び「4 in 1」のいずれかでの印刷のみ行うことができる。なお、「2 in 1」は、1ページあたりに2つのページを割付て印刷を行うことを意味している。この「2」を割付数という。
【0026】
続いて、図2に示される設定記憶部112は、後述する原稿に印刷される画像データに埋め込まれる印刷設定を記憶するものであり、印刷設定テーブルを記憶している。印刷設定テーブルは、印刷設定識別情報と対応付けて印刷設定情報を記憶する。印刷設定情報としては、本実施形態においては、例えば、印刷色情報と、両面印刷情報と、集約印刷情報とを含むものとする。
【0027】
図6は、印刷設定テーブルの一例を示すデータ構造図である。図6によれば、印刷設定テーブルは、印刷設定識別ID、印刷色情報、両面印刷情報、集約印刷情報が対応付けられて記憶されている。例えば、印刷設定識別IDが、1のものは、印刷色情報として「カラー」、両面印刷情報として「両面なし」、集約印刷情報として「集約なし」が記憶されている。なお、印刷設定情報としては、印刷色情報、両面印刷情報、集約印刷情報のほかにも、例えば拡大/縮小情報や、印刷の縦横の設定情報といった印刷機能を含めることができる。
【0028】
図2に示される読取部103は、コンタクトガラスと、照明光源とミラーとを含む走査光学系と、レンズと、画像読み取り素子とを備えている。
【0029】
この読取部103は、走査光学系が移動して、コンタクトガラス上に載置された原稿に照明光源の光を照射しながら走査し、レンズを介して画像読み取り素子に原稿の画像情報を画像信号として読み込ませる。読み込まれた画像信号はデジタル化されて画像処理される。複合機1は、この画像処理により形成された画像データを印刷することができる。
【0030】
設定受付部104は、印刷設定情報を作成したり、修正したりするための操作を受付ける。設定受付部104は、例えば図7に示されるように、複合機1の操作表示部20上に表示させることができる。利用者は、印刷ジョブを複合機1にクライアントPC130から送信したあとに、設定受付部104を操作して、印刷設定情報として、印刷色情報(「カラー」「モノクロ」)、両面印刷情報(「両面あり」「両面なし」)、集約印刷情報(「集約なし」「2 in 1」「4 in 1」)を選択することができる。なお、この設定受付部104は、複合機1ではなく、クライアントPC130の画面上に表示し、そこで選択した設定情報をネットワークを通じて、複合機1に送信するようにすることもできる。また、利用者のユーザIDの入力、もしくはIDカードの読取などに利用できるようにしても良い。
【0031】
制御部105は、複合機1の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などにより実現することができる。制御部105は、画像データ取得部121と、設定抽出部122と、設定取得部123と、設定付加部124と、権限取得部125と、印刷制御部126とを備えている。
【0032】
画像データ取得部121は、読取部103で読み取られたコピー用の原稿から画像データを取得する。取得した画像データは、設定抽出部122に送られる。コピー用の原稿のは、例えば図3に示されたようなものである。この原稿131は、絵柄画像132と、文字画像133と、画像符号情報134とを含んでいる。この画像符号情報134は、機械的に読み取り可能なものであり、読み取られてデコード処理がされることで、印刷設定識別IDが取得される。ここで、画像符号情報としては、JANコード、CODE128等の規格で表される一次元バーコード、QRコード(登録商標)等の2次元バーコード、英字、数字、漢字等の文字の組み合わせからなる文字列コード、特定の文様、マーク等が考えられる。この場合において、付加情報画像の配置は、元の原稿あるいは画像情報に影響を与えない(あるいは与える影響が少ない)位置であれば、任意に設定が可能である。例えば、画像枠を形成し、枠線の一部に地紋を構成したり、画像の周縁部にバーコード、ID番号、識別コード等を配置したりすることが可能である。
【0033】
設定抽出部122は、取得した画像データから画像符号情報を抽出する。設定取得部123は、抽出された画像符号情報から印刷設定識別IDを読取り、刷設定テーブルから、この印刷設定識別IDと対応する印刷設定情報(印刷色情報、両面印刷情報、集約印刷情報)を取得する。
【0034】
設定付加部124は、印刷ジョブを受信した際に、印刷用データに設定された印刷設定情報と印刷設定識別IDとを機械読み取り可能な形式に変換(エンコード)して画像符号情報を生成し、生成した画像符号情報をファイルとして設定記憶部112に保存する。また、設定付加部124は、画像符号情報のファイル名を印刷設定識別ID及び各印刷設定情報と対応付けて、印刷設定テーブルに記憶する。印刷設定部123は、生成した画像符号情報を印刷される画像データの所定の位置に埋め込む。
【0035】
権限取得部125は、プリント出力やコピー時に利用者が利用できる印刷機能を利用者権限テーブルから取得する。権限取得部125は、利用者の識別情報であるユーザIDを元に検索して、権限情報を取得する。
【0036】
印刷制御部126は、設定取得部123により取得された印刷設定情報から印刷時に使用する印刷機能を決定する。そして、印刷部106は、印刷制御部126によって決定された印刷機能を利用して印刷する。
【0037】
続いて、本実施形態におけるプリント出力時、及びコピー時に流れについて説明する。第1の実施形態の複合機1は、プリント出力時に印刷された出力用紙に、その印刷に利用された印刷設定情報が画像符号情報の形式にて印刷されており、この出力用紙を原稿としてコピーする際には、画像符号情報から印刷設定情報を取得してこの印刷設定を利用した印刷を行う処理を行う。以下、詳細な流れを図8、及び図9を用いて説明する。
【0038】
図8は、プリント出力時の処理の流れを示したフロー図である。図8に示される処理は、利用者が所定の印刷用データの印刷ジョブを複合機1に指示した際にスタートする。まず、権限取得部125は、印刷ジョブとともに送信された利用者のユーザIDから利用者権限テーブルより対応する利用可能な印刷機能である権限情報を取得する(ステップS101)。権限情報は、印刷色情報、両面印刷情報、及び集約印刷情報を本実施形態においては含んでいる。なお、ユーザIDは、印刷ジョブに含まれるもののほか、印刷ジョブの送信後に、複合機1のある場所に利用者が実際に行き、そこでIDカードなどを読み取らせることで取得するようにしてもよい。
【0039】
次いで、設定受付部104は、操作表示部20に選択する印刷機能を表示する(ステップS102)。この際、権限情報としてその利用者が利用可能な印刷機能のみを選択可能に表示する。具体的には、設定受付部104は、利用可能なもののみ選択肢として表示したり、すべての選択肢を表示した上で利用可能なもののみ選択可能としたり、利用可能なものは通常の状態で表示し利用不可能なものは文字を薄く表示したりといったことを行う。なお、ステップS102、及びステップS103においては、原稿に付加する印刷設定を利用者が選択できるようににしたが、これに対して利用者ごとに予め設定された権限情報をもとに設定可能な最上位の印刷機能を印刷設定情報として自動的に設定することもできる。また、共有サーバ上に保存されている文書データなどに対しては、管理者が予め文書毎の印刷設定情報を設定して、印刷設定テーブルにこの印刷設定情報を記憶しておくこともできる。
【0040】
設定受付部104は、利用者が印刷機能を選択するとその選択結果を受け取り、設定記憶部112に送信する(ステップS103)。設定記憶部112は受け取った印刷設定情報に対し新規に印刷設定識別IDを作成し、印刷設定識別IDと印刷設定情報とを対応付けて印刷設定テーブルに記憶する(ステップS104)。
【0041】
印刷制御部126は、プリント出力のために送信された印刷用データの画像データを取得する(ステップS105)。また、設定付加部124は、印刷設定識別ID、及び印刷設定情報を機械読み取り可能な形式に変換して画像符号情報を生成し、この生成した画像符号情報を印刷制御部126が取得した画像データに埋め込む(ステップS106)。この生成された画像符号情報は、上述した印刷設定テーブルの印刷設定識別IDと対応付けられて保存される。
【0042】
そして、印刷制御部126は画像符号情報が埋め込まれた画像データを指定された印刷設定情報から印刷時に使用する印刷機能を決定し、印刷部106が印刷する(ステップS107)。以上で、プリント出力時の処理は終了する。
【0043】
図9は、このようにしてプリント出力により印刷された出力用紙を原稿としてコピーする際の処理の流れを示したフロー図である。この処理は、コピーのために原稿を設置し、読取開始のスタートボタンを押すことで開始される。
【0044】
まず、画像データ取得部121は、読取部103において読み込まれたコピー原稿から画像データを取得する(ステップS111)。次いで、設定抽出部122は、取得した画像データから画像符号情報を抽出して、画像符号情報から読み取られた印刷設定識別IDを読取る(ステップS112)。ここで画像符号情報の抽出に成功した場合(ステップS113:Yes)、設定取得部123は、抽出された画像符号情報から読み取られた印刷設定識別IDが設定記憶部112に記憶されているかを検索し、印刷設定識別IDに対応する印刷設定情報(印刷色情報、両面印刷情報、集約印刷情報)を印刷設定テーブルから取得する(ステップS114)。
【0045】
印刷制御部126は、この設定取得部123により取得された印刷設定情報に基づき、印刷時に使用する印刷機能を決定する(ステップS115)。そして、印刷部106は、印刷制御部126によって決定された印刷機能に基づき印刷を実行し、処理を終了する(ステップS116)。
【0046】
一方、画像符号情報の抽出に失敗した場合(ステップS113:No)、権限取得部125は、利用者の識別情報であるユーザIDを元に検索して、プリント出力やコピー時に利用者が利用できる印刷機能を利用者権限テーブルから取得する(ステップS117)。
【0047】
次いで、設定受付部104は利用者に印刷機能を選択させるための画面を表示し、選択されるまで待機する(ステップS118)。設定受付部104は、選択があった場合にこの選択が権限情報にて定義されたルールに違反していないか、すなわちその利用者が利用可能な印刷機能であるか否かを判断する(ステップS119)。
【0048】
ルールに違反していない場合(ステップS119:No)、印刷制御部126は、この設定受付部104により選択された印刷設定情報から印刷時に使用する印刷機能を決定し、印刷部106による印刷を行う(ステップS120)。一方、ルールに違反している場合は(ステップS120:Yes)、設定受付部104は利用者に権限情報に違反している旨の警告を表示させ(ステップS121)、再度印刷機能を利用者に選択させる。
【0049】
なお、ステップS118〜S121の処理については、利用者に印刷機能の選択肢を提示してそこから選択させる処理ではなく、利用者毎の権限情報として設定された各印刷機能のうち最も順位が上位のものを自動的に印刷設定情報として決定するといった処理や、すべて共通に予め設定された印刷設定情報を利用するといった処理に変更することもできる。
【0050】
以上に示した第1の実施形態の複合機1では、プリント出力された原稿そのものに画像符号情報が埋め込まれ、設定抽出部122、及び設定取得部123は、コピー時にこの画像符号情報から読み取られる印刷設定識別IDに対応する印刷設定情報を取得することができる。そして、印刷制御部126が取得した印刷設定情報から印刷時に使用する印刷機能を決定することとしたため、コピー時においてもその原稿用に設定された印刷設定が維持され、原稿を適切な印刷設定で印刷することができる。
【0051】
例えば、コピーを行う利用者がカラーコピーを行いたいにもかかわらず、その権限を持っていない場合であっても、原稿そのものにカラーによる印刷を行う旨が設定されていれば、カラーでの印刷を行うことができる。また、通常カラーによる印刷権限を有している利用者であればコピー時にカラーによって印刷をしてしまう傾向にあるが、原稿にモノクロ印刷の設定がされている場合は、こうした不要なカラー印刷を抑制することができる。
【0052】
また、プリント出力時に、利用者に印刷設定を選択させるのではなく、自動的に印刷設定情報が登録されるようにした場合は、利用者が意識することなく設定を出力する用紙に埋め込むことができ、利便性が向上する。
【0053】
(第2の実施の形態)
第2の実施形態は、本発明の情報処理装置を複合機単体ではなく、共有サーバ上に機能を持たせた形で実現している。また、サーバ装置には第1の実施形態には含まれていない新たな機能が追加されている。以下詳細について図10に基づき説明する。
【0054】
図10は、複合機200及びサーバ装置300の構成を示したブロック図である。なお、図10においては第1の実施形態と同じ機能を有するものについては、同じ符号を付けており、説明を省略する。
【0055】
図10に示されるように、情報処理装置は、複合機200とサーバ装置300とにより構成されている。複合機200は、通信部201と、読取部202と、設定受付部203と、印刷部204とを備えている。複合機200においては、各部位が通信部201を通じてサーバ装置300と情報を通信しながら処理を行う点が第1の実施形態の複合機1とは異なっている。したがって、情報処理装置が複合機200とサーバ装置300とによって構成されている。
【0056】
サーバ装置300は、通信部301と、記憶部302と、制御部303とを備えている。記憶部302には、第1の実施形態の記憶部102の構成に加え、フォントサイズ下限記憶部321と、回避記憶部322と、設定記憶部323と、継承処理部334とを有している。
【0057】
フォントサイズ下限記憶部321は、プリント出力時に印刷設定情報を設定する際に、印刷のフォントサイズの最小許容値を記憶する。フォントサイズは、例えばその上下幅のピクセルのサイズによって定義されている。
【0058】
回避記憶部322は、利用者が原稿のコピーの際にその原稿に設定された印刷設定情報を回避して印刷した旨の履歴を記憶するものである。この回避記憶部322には、回避記憶テーブルが記憶されている。回避記憶テーブルには、原稿の識別情報である、文書IDと、利用者を示すユーザIDと、印刷が実行された時間をYYYY/MM/DD 00:00:00の形式で示す印刷日時情報とが含まれている。
【0059】
設定記憶部323は、第1の実施形態における設定記憶部112の印刷設定テーブルが備える項目のほか、継承情報を含んでいる。継承情報は、その印刷設定をコピーによって出力した後も原稿上に画像符号情報の形式で保持するか否かを判断するための情報であり、「1」の場合は画像符号情報をコピー出力から削除し、「0」の場合はそのまま印刷する。
【0060】
制御部303は、第1の実施形態に含まれる各部以外に新たに集約条件設定部331と、最小値取得部332と、設定回避部333とを有している。集約条件設定部331は、プリント出力時に印刷設定情報として集約条件を自動的に設定するための処理を行う。処理の詳細については後述する。
【0061】
最小値取得部332は、プリント出力される印刷データ中に含まれるフォントサイズの最小サイズを取得する。取得の方法としては、文章の印刷データに含まれるフォントサイズのポイント数を取得し、集約条件から実際に表示されるサイズを算出する方法や、集約、拡大/縮小などの印刷設定が反映された状態の画像データから直接文字の縦、及び横のピクセル数を計測して取得するなどの既存の方法を採用することができる。
【0062】
設定回避部333は、利用者が原稿のコピー時に原稿に埋め込まれた印刷設定情報を回避して印刷する際の処理を実行する。設定回避部333は、利用者からの回避の指示を受付け、回避がある場合その履歴を回避記憶部322に記憶する。なお、この回避記録部322に記録された回避履歴は、操作表示部20を通じて利用者が閲覧することができる。
【0063】
継承処理部334は、プリント時に設定する印刷情報を継承するかどうかを判断し、継承しない場合にはコピー時に印刷用の画像データから画像符号情報を除去する処理を行う。
【0064】
続いて、第2の実施形態のプリント出力時、及びコピー時の処理の流れについて説明する。第1の実施形態と共通する処理については説明を省略する。図11に示されるように、プリント出力時においては、印刷文書の画像データを取得した後に(ステップS201)、制御部303は、印刷設定情報を継承するか否かを利用者に選択させるための表示の制御を行い、この選択を処理する(ステップS202)。制御部303は、利用者が「継承しない」旨が選択された際にはこの継承情報の値を印刷設定情報が保存されるまで一時的に保持する。
【0065】
最小値取得部332は、取得された画像データ中のフォントの最小値を取得する(ステップS203)。集約条件設定部331は、フォントサイズ下限記憶部321から予め設定されたフォントサイズの下限値を取得し(ステップS204)、印刷設定の集約条件を段階的に変更する(ステップS205)。この集約条件の変更は、まず「集約なし」から開始され、順に「2 in 1」、「4 in 1」という順番に、1ページあたりの割付ページ数が増えていくように変更していく。そして、集約条件設定部331は、この変更後の集約条件を反映した画像データを生成し、この画像データに基づき画像データ中のフォントサイズが取得した下限値以下となったかと判断する(ステップS206)。集約条件設定部331は、画像データ中のフォントサイズが取得した下限値以下となるまで、ステップS205、及びステップS206の処理を繰り返し、下限値以下となったときにステップS207に移行する。集約条件設定部331は、上述したようにステップS206の判断結果がNoとなるごとに、集約条件をより1ページにおける割付数が多い条件へと変更していき、例えば「集約なし」と設定した次は「2 in 1」を集約条件として設定し、「2 in 1」と設定した次は「4 in 1」を集約条件として設定する。
【0066】
画像データ中のフォントサイズが取得した下限値以下となったと判断されると、(ステップS206)、集約条件設定部331は、最後に設定した集約条件の割付数より一段階少ない割付数、例えば、「4 in 1」の条件だった場合には「2 in 1」を印刷設定条件として決定する(ステップS207)。そして、集約条件設定部331は、新たに印刷設定識別IDを作成し、この印刷設定識別IDと対応付けて集約条件、及び継承情報、画像符号情報を印刷設定テーブルに記憶する。なお、ここで割付数の設定は、必ずしも一段階少ない割付数でなくともよく、フォントサイズとして許容する設定条件として決められた範囲内の割付数であればよい。
【0067】
次いで、設定付加部124がこの印刷設定情報に基づき生成された画像符号情報を画像データに埋め込み(ステップS208)、複合機1の印刷部204による印刷を実行する(ステップS209)。
【0068】
次いで、コピー時の処理の流れを図12を用いて説明する。図12は第1の実施形態で用いた図9とは、ステップS213,ステップS214,ステップS215、ステップS216の処理が異なっており、この点を中心に説明する。
【0069】
ステップS213においては、設定回避部333は利用者に対してコピー原稿に埋め込まれた印刷設定情報に基づいて印刷するか否かを選択させる画面を表示させ、この選択がいずれであったかを判断する。印刷設定情報を回避すると選択された場合(ステップS213:Yes)、設定回避部333は、回避記憶部322の回避記憶テーブルに、文書ID、ユーザID,印刷日時情報を記憶する(ステップS214)。文書IDとしては、例えば、回避した印刷設定情報の印刷設定識別IDを用いることもできるし、元の印刷データの文書ごとに固有のIDを割り当て管理している場合は、このIDを用いることもできる。
【0070】
一方、印刷設定情報を回避しない選択がされた場合(ステップS213:No)、ステップS215に移行し、継承処理部334は、原稿に設定された印刷設定情報を継承するか否かを印刷設定テーブルの継承情報の値から判断する(ステップS215)。印刷設定の情報を継承する場合、すなわち継承情報の値が「0」の場合(ステップS215:Yes)、ステップS217に移行しそのまま印刷処理を続行する。一方、刷設定の情報を継承しない場合、すなわち継承情報の値が「1」の場合(ステップS215:No)、継承処理部334は、取得した画像データに埋め込まれている画像符号情報を除去する(ステップS216)。除去する方法としては、画像符号情報が埋め込まれている位置を予め限定しておき、その領域に存在するデータを削除するといった方法を採ることができる。
【0071】
画像符号情報を画像データから削除することで、コピーされた原稿の印刷設定条件は維持されるものの、原稿に画像符号情報が含まれないようになるので、こうした画像符号情報を見せたくない相手にコピー原稿を渡す場合などに適した印刷を行うことができるようになる。
【0072】
また、原稿に埋め込まれた印刷設定情報を回避する場合にはその履歴を保存するようにしたことで、回避履歴を管理者などが監視することができるようになる。さらには、印刷設定情報をプリント用の印刷データ中のフォントサイズから自動的に設定することができるようにしたことから、利用者に意識させることなく印刷設定情報を決定することができる。
【0073】
(第3の実施の形態)
第3の実施形態は、第2の実施形態と同様に、共有サーバ上に機能を持たせた形で実現されている。また、サーバ装置には第2の実施形態には含まれていない新たな機能が追加されている。以下詳細について図13に基づき説明する。なお、図10と同じ機能を有する構成については同様の符号を付与し、説明は省略する。
【0074】
図13に示されるように、記憶部302には、新たに印刷量記憶部401と、印刷量/印刷設定対応記憶部402とが含まれている。印刷量記憶部401は、図14にて示される印刷量テーブルを有している。印刷量テーブルは、文書名と印刷量とが対応付けられて記憶されている。なお、文書名の代わりに前述した文書IDを用いることもできる。ここでの印刷量のカウントの方法は、既存の方法を用いることができ、例えば、直近一ヶ月間の印刷量を計上してカウントする方法や、前月の印刷量を計上する方法を採ることができる。また、カウントの方法としては、該当する文書をプリントする際に、その印刷ジョブに含まれる画像データから照合して同じ文書が既に印刷されているかを検索し、同じ文章がある場合、印刷枚数をカウントする方法を採ることもできる。また、文章のファイル名から同じファイル名の文章があるかを検索し、同じファイル名の文章の印刷量を印刷枚数分だけ加算することもできる。また、プリント出力の印刷枚数だけではなく、コピーの際の印刷枚数もカウントに加えることもできる。
【0075】
印刷量/印刷設定対応記憶部402には、図15にて示される印刷量対応テーブルが含まれており、印刷量対応テーブルは、印刷量の範囲と印刷設定情報とが対応付けられて記憶されている。図15に示された一例によれば、印刷量が「0〜5」の範囲の場合には、印刷設定情報として「カラー」「両面なし」「集約なし」が記憶されている。印刷量が「6〜10」の範囲の場合には、印刷設定情報として「カラー」「両面印刷」「集約なし」が記憶されている。印刷量が「11〜20」の範囲の場合には、印刷設定情報として「モノクロ」「両面なし」「2 in 1」が対応して記憶されている。印刷量が「21以上」の範囲の場合には、印刷設定情報として「モノクロ」「両面印刷」「2 in 1」が記憶されている。すなわち、本実施の形態においては、印刷量が6枚を超えた場合には、「両面印刷」が印刷設定情報として設定され、11枚を超えた場合には、「モノクロ印刷」、「2 in 1」の集約条件が設定されている。
【0076】
制御部303は、画像有無判断部403と、カラー設定部404と、印刷量処理部405とを含んでいる。画像有無判断部403は、プリント出力の指示がされた印刷データに写真や図面などの絵柄画像が含まれるか否かを判断するものである。カラー設定部404は、プリント出力の際に原稿に付与する印刷設定情報として「カラー」の印刷色条件を付与する処理を行う。印刷量処理部405は、印刷量の値に応じて、プリント出力の際に原稿に付与する印刷設定情報を決定する処理を行う。印刷量処理部405は、使用枚数判断手段、及び節約設定手段に該当する。
【0077】
続いて、第3の実施形態のプリント出力時の流れについて説明する。第1の実施形態、及び第2の実施形態と共通する処理については説明を省略する。なお、コピー時の処理の流れについては前述した実施形態と共通であるため、ここでは省略する。
【0078】
図16は、第3の実施形態におけるプリント時の処理の流れを示したフロー図である。
印刷量処理部405は、印刷量テーブルからプリント出力された印刷データの文書と同じファイル名のものを検索し、その印刷量を取得する(ステップS302)。次いで、印刷量処理部405は、取得した印刷量に基づき印刷量対応テーブル内を検索し、該当する印刷設定情報を取得する(ステップS303)。この取得した印刷設定情報は印刷記録部323に記録されるまで保持される。
【0079】
次いで、画像有無判断部403は、取得した画像データに絵柄画像が含まれるか否かを解析し(ステップS304)、含まれる場合は(ステップS305:Yes)、次いで印刷量処理部405により保持されている印刷設定情報に含まれる情報のうち印刷色情報に関する内容が「カラー」であるかの判定が行われる(ステップS306)。
【0080】
印刷量処理部405により保持されている印刷設定情報に含まれる印刷色情報が「カラー」でない場合(ステップS306:No)、カラー設定部404は印刷設定情報における印刷色情報を「カラー」に変更する(ステップS307)。そして、設定付加部124は、この変更された印刷設定情報を機械読み取り可能な形式に変換して画像符号情報を生成し、この生成した画像符号情報を印刷制御部126が取得した画像データに埋め込む(ステップS308)。この際、設定記憶部323は印刷設定情報を更新して印刷設定テーブルに記憶する。一方、印刷量処理部405により保持されている印刷設定情報に含まれる印刷色情報が「カラー」の場合(ステップS306:Yes)、印刷量処理部405によって保持されている印刷設定情報に基づき画像符号情報を生成し、この生成した画像符号情報を印刷制御部126が取得した画像データに埋め込む(ステップS308)。
【0081】
以上のように、文書の印刷量から印刷設定情報を決定することすれば、印刷量の多い文章の印刷設定を変更して、より節約した形での印刷を行うことができるように自動的に変更することができ、一層の用紙及びトナーの節約が期待できる。また、印刷データに絵柄画像が含まれている場合に、印刷色情報を「カラー」に変更することとしたため、写真や図面がモノクロ印刷によって適切に印刷できないといった問題を回避することができる。
【0082】
なお、自動的にプリント出力時の印刷設定情報を、フォントサイズや、絵柄画像の有無、該当文書の印刷量に応じて自動的に決めるようにする構成はこれらをそれぞれ組み合わせて行うことができる。それぞれの設定が互いに矛盾するような場合は、どちらの印刷設定を優先するかを決めることで処理を適切に行うことができるようになる。
【0083】
なお、以上1〜3の各実施の形態の情報処理装置で実行される各処理を、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、情報処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の情報処理装置で実行される各処理をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0084】
1 複合機
10 コントローラ
15 バス
20 操作表示部
50 インターフェース
60 エンジン部
101 通信部
102 記憶部
103 読取部
104 設定受付部
105 制御部
106 印刷部
111 権限記憶部
112 設定記憶部
121 画像データ取得部
122 設定抽出部
123 設定取得部
124 設定付加部
125 権限取得部
126 印刷制御部
130 クライアントPC
131 原稿
132 画像部
134 画像符号情報
200 複合機
201 通信部
202 読取部
203 設定受付部
204 印刷部
300 サーバ装置
301 通信部
302 記憶部
303 制御部
321 フォントサイズ下限記憶部
322 回避記憶部
323 設定記憶部
331 集約条件設定部
332 最小値取得部
333 設定回避部
334 継承処理部
401 印刷量記憶部
402 印刷量/印刷設定対応記憶部
403 画像有無判断部
404 カラー設定部
405 印刷量処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2006−268837号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取部により読み取られた原稿の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データの印刷に用いられる印刷設定情報と、前記印刷設定情報と対応づけられた識別情報とを記憶する設定記憶手段と、
前記画像データから、前記識別情報を機械読み取り可能な画像符号情報を抽出する抽出手段と、
前記画像符号情報が抽出された場合には、前記画像符号情報から読み取られる前記識別情報に対応する前記印刷設定情報を前記設定記憶手段から取得する取得手段と、
取得された前記印刷設定情報に基づいて前記画像データの前記用紙への印刷制御を行う印刷制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記印刷設定情報に対応付けられた前記識別情報から前記画像符号情報を生成して前記画像データに埋め込む設定付加手段と、を備え、
前記印刷制御手段は、前期画像符号情報が埋め込まれた前記画像データを前記用紙に印刷する制御を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷設定情報を作成、及び変更する操作を受付ける設定受付手段をさらに備え、
前記設定記憶手段は、前記設定受付手段が受け付けた前記印刷設定情報を前記識別情報と対応付けて記憶するとともに、
前記設定付加手段は、受付けられた前記印刷設定情報と、前記印刷設定情報に対応付けられた前記識別情報とに基づき、前記画像符号情報を生成して前記画像データに埋め込むこと
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
利用者ごとに利用することができる印刷機能を記憶する権限記憶手段と、
前記抽出手段により前記画像符号情報が抽出されない場合に、前記権限記憶手段に記憶された利用者が利用可能な前記印刷機能の範囲内で前記印刷設定情報を決定する決定手段と、
を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
利用者ごとに利用することができる印刷機能を記憶する権限記憶手段をさらに備え、
前記設定受付手段は、前記利用者からの設定操作を受け付ける際には、前記権限記憶手段において記憶された当該利用者の利用可能な前記印刷機能の範囲内で前記印刷設定情報を作成、及び変更する操作を受付ける
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
印刷ジョブに含まれる印刷データ内のフォントサイズに関する所定の条件を満たしているか否かを判断するフォントサイズ判断手段と、
印刷に利用される集約条件の割付数を前記フォントサイズが前記所定の条件を満たす範囲内で設定する集約条件設定手段と、
を備えること特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
印刷ジョブに含まれる印刷データ内に絵柄画像が含まれるか否かを判断する画像有無判断手段と、
前記絵柄画像が含まれていると判断された場合に、前記印刷設定情報に含まれる印刷色情報をカラー印刷設定に変更するカラー設定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画像データ取得手段によって、前記画像データを取得した際に当該原稿の複製枚数を累積して計測する使用枚数計測手段と、
前記使用枚数計測手段による計測枚数が所定の枚数を越えたか否かを判断する使用枚数判断手段と、
前記使用枚数判断手段による判断結果が所定の枚数を越えたと判断された場合には、前記印刷設定情報として、両面印刷、集約印刷、およびモノクロ印刷の少なくとも一つが設定される節約設定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記原稿に印刷された前記画像符号情報から抽出される前記印刷設定情報を回避する操作を受け付ける回避受付手段と、
前記回避受付手段が回避を受け付けた場合に利用者情報とともに、回避履歴を記憶する回避記憶手段と、
前記回避履歴を表示する履歴表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
読取部により読み取られた原稿の画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データの印刷に用いられる印刷設定情報と、前記印刷設定情報と対応づけられた識別情報とを記憶する設定記憶ステップと、
前記画像データ内に、前記識別情報が機械読み取り可能な画像符号情報を抽出する抽出ステップと、
前記画像符号情報が抽出された場合には、前記画像符号情報から読み取られる前記識別情報に対応する前記印刷設定情報を前記設定記憶手段から取得する取得ステップと、
前記取得手段によって取得された前記印刷設定情報に基づいて前記画像データの前記用紙への印刷制御を行う印刷制御ステップと、
を実行する印刷処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−93676(P2013−93676A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233349(P2011−233349)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】