説明

情報処理装置、及び、制御方法

【課題】プロセスの動作が正しい時刻に行われる情報処理装置を提供する。
【解決手段】通常状態及び省電力状態で動作をする情報処理装置1であって、通常状態及び省電力状態において、所定の時間が経過する毎に更新される時刻カウンタ値を有する時刻カウンタ部301と、情報処理装置1に、通常状態から省電力状態への遷移である第一遷移、及び、省電力状態から通常状態への遷移である第二遷移をさせる制御部302と、通常状態において時間経過を計測し、省電力状態において計測を一時停止し、所定の時間の経過を計測することで満了するタイマを有するタイマ部305と、タイマ部305においてタイマが満了したら、処理を開始するプロセス部306とを備え、タイマ部305は、第一遷移の後に第二遷移が行われたとき、第一遷移の時点及び第二遷移の時点の時刻カウンタ値の差分時間に基づいてタイマの補正を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びその制御方法に関する。特に、通常状態及び通常状態より消費電力が少ない省電力状態で動作をする情報処理装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置において、記憶媒体に保存されたプログラムがメモリに読み出され、CPUがそのプログラムを実行することにより情報処理が行われる。プログラムの実行単位をプロセスと称する。情報処理装置には電力が供給される。プロセスにおける入力待ちでは、CPU、メモリ及び記録媒体には通常と同様の電力供給が行われる一方で、計算処理及び判定処理のような有効な動作を行うことはない。そこで、このようなときに、通常状態より低い消費電力で動作する状態である省電力状態で動作することができる情報処理装置が開発されている。
【0003】
特定の時間が経過する毎に有効な動作を行うプロセスでは、その動作を行う時刻を決めるためにタイマを用いる。プロセスはタイマが満了したら有効な動作を実行し、その後、次にタイマが満了する時刻まで待ち状態をとる。タイマは通常状態において単位時間が経過する毎に更新される。
【0004】
通常状態において有効な動作を行うとき以外は省電力状態に遷移する装置に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、通常状態において有効な動作を行っているとき以外は、クロックを停止してプログラムを一時停止する省電力状態に遷移するファクシミリ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−111927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、タイマは省電力状態において計測を一時停止する。情報処理装置が通常状態から省電力状態へ遷移した後に、通常状態へ遷移すると、タイマの満了時刻は省電力状態にあった時間の分だけ後の時間へずれる。そのため、プロセスが有効な動作をする時間が後へずれるという問題がある。
【0007】
また、特許文献1では、クロックを停止して省電力状態に遷移する技術が開示されているが、この技術によっても、省電力状態から通常状態へ遷移すると、タイマの満了時刻が後の時間へずれるという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、情報処理装置が通常状態から省電力状態へ遷移し、次に通常状態へ遷移した後にも、タイマが正しく動作し、プロセスの動作が正しい時刻に行われる情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一様態に係る情報処理装置では、通常状態及び前記通常状態より消費電力が少ない省電力状態で動作をする情報処理装置であって、前記通常状態及び前記省電力状態において、所定の時間が経過する毎に更新される時刻カウンタ値を有する時刻カウンタ部と、前記情報処理装置に、前記通常状態から前記省電力状態への遷移である第一遷移、及び、前記省電力状態から前記通常状態への遷移である第二遷移をさせる制御部と、前記通常状態において時間経過を計測し、前記省電力状態において計測を一時停止し、所定の時間の経過を計測することで満了するタイマを有するタイマ部と、前記タイマ部において前記タイマが満了したら、処理を開始するプロセス部とを備え、前記タイマ部は、前記第一遷移の後に前記第二遷移が行われたとき、前記第一遷移の時点及び前記第二遷移の時点の前記時刻カウンタ値の差分時間に基づいて前記タイマの補正を行う。
【0010】
これにより、情報処理装置が省電力状態から通常状態へ遷移した後にも、プロセスは正しい時刻に有効な動作をすることができるようになる。省電力状態においてタイマが停止すると、省電力状態から通常状態へ遷移した後に、タイマ満了時刻が省電力状態にあった時間の分だけ後へずれる。よって、省電力状態から通常状態へ遷移する際に、ずれる分の時間を補正することにより、タイマの満了時刻を正しくし、結果的にプロセスが有効な動作を行う時刻を正しくすることができる。
【0011】
また、好ましくは、前記タイマ部は、前記通常状態において所定の時間が経過する毎に更新されるタイマ値と、前記タイマの満了時における前記タイマ値であるタイマ満了値とを有し、前記タイマ値が前記タイマ満了値を超えることで前記タイマが満了し、前記タイマ部は、前記第一遷移の後に前記第二遷移を行ったとき、前記第一遷移の時点及び前記第二遷移の時点の前記時刻カウンタ値の差分時間を前記タイマ満了値から減ずることにより前記補正を行う。
【0012】
これにより、省電力状態から通常状態へ遷移した後にも、プロセスは正しい時刻に有効な動作をすることができるようになる。省電力状態においてタイマが停止すると、省電力状態から通常状態へ遷移した後に、タイマ満了時刻が省電力状態にあった時間の分だけ後へずれる。よって、省電力状態から通常状態へ遷移する際に、ずれる分の時間をタイマ満了時刻から減ずることにより、タイマの満了時刻を正しくし、結果的にプロセスが有効な動作を行う時刻を正しくすることができる。
【0013】
また、好ましくは、前記制御部は、前記プロセス部を通常処理を行う状態である動作状態から一定の処理を繰り返す状態であるループ状態に遷移させることで一時停止させた後に、前記情報処理装置に前記第一遷移をさせ、前記制御部は、前記情報処理装置に前記第二遷移をさせた後に、前記プロセス部を前記ループ状態から前記動作状態に遷移させる。
【0014】
これにより、省電力状態から通常状態へ遷移する際に、プロセスの動作が途絶することにより自装置又は通信相手装置に問題が生ずることを回避することができる。また、プロセスの動作が途絶した場合において、その後、省電力状態から通常状態へ遷移する際に、プロセスの動作が途絶した時点から動作が再開されることにより自装置又は通信相手装置に問題が生ずることを回避することができる。よって、自装置又は通信相手装置に問題が生ずることを避けることができる。
【0015】
また、好ましくは、前記プロセス部は、前記第一遷移を行う前に、前記第二遷移を行う予定の時刻を前記時刻カウンタ部に登録し、前記時刻カウンタ部は、前記予定の時刻に前記予定の時刻が到来したことを前記制御部に通知し、前記制御部は、前記時刻カウンタ部から前記通知を受けた場合に前記第二遷移をさせる。
【0016】
これにより、プロセスが有効な動作を行う時刻にはプロセスが動作状態にあるように制御することができる。よって、プロセスが一定の間隔で有効な動作を実行し、有効な動作の間の時間で省電力状態に入ることができる。
【0017】
また、好ましくは、前記情報処理装置は、複数の前記プロセス部を備え、前記制御部は、前記第二遷移の際に、先に特定の前記プロセス部だけを前記動作状態に遷移させ、その後に前記特定の前記プロセス部以外の前記プロセス部を前記動作状態に遷移させる。
【0018】
これにより、省電力状態から通常状態への遷移において、他のプロセスの動作に関わる処理を実行する少数のプロセスを優先して動作状態へ遷移させることができる。特に、プロセスの数が少数であるため、全てのプロセスを一斉に動作状態へ遷移させるよりも高速にすることができる。
【0019】
また、好ましくは、前記制御部は、通常状態において、前記情報処理装置内部のハードウェア及びソフトウェアにおいて正常に前記第一遷移することが可能であるか否かを示す少なくとも1つの状態識別子を保持し、前記少なくとも1つの前記状態識別子の全てが前記第一遷移が可能であることを示すときに、前記情報処理装置に前記第一遷移をさせる。
【0020】
これにより、情報処理装置内部のハードウェア及びソフトウェアが、通常状態から省電力状態に遷移しても問題を生じないことを確認した上で、情報処理装置が通常状態から省電力状態に遷移することができる。
【0021】
また、好ましくは、前記情報処理装置は、さらに、前記プロセス部及び前記タイマ部に電力を供給するメイン電力供給部と、前記時刻カウンタ部及び前記制御部に電力を供給するサブ電力供給部とを備え、前記制御部は、前記通常状態において前記メイン電力供給部が電力を供給し、前記省電力状態において前記メイン電力供給部が電力供給を停止するように、メイン電力供給部の動作を切り替える。
【0022】
これにより、制御部によって通常状態から省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への遷移をさせることができる。時刻カウンタ部及び制御部の処理は簡易な処理で実現されるため、比較的小さな電力で実現される。一方、プロセス部及びタイマ部の処理は複雑であり、比較的大きな電力を必要とする。よって、制御部によりメイン電力供給部の電源を供給するか否かを切り替えることにより、通常状態と省電力状態とを切り替えることができる。
【0023】
また、本発明の一様態に係る制御方法は、通常状態及び前記通常状態より消費電力が少ない省電力状態で動作をする情報処理装置における制御方法であって、前記通常状態及び前記省電力状態において、所定の時間が経過する毎に更新される時刻カウンタ値を有する時刻カウントステップと、前記情報処理装置に、前記通常状態から前記省電力状態への遷移である第一遷移、及び、前記省電力状態から前記通常状態への遷移である第二遷移をさせる制御ステップと、前記通常状態において時間経過を計測し、前記省電力状態において計測を一時停止し、所定の時間の経過を計測することで満了するタイマを有するタイマステップと、前記タイマ部において前記タイマが満了したら、処理を開始するプロセスステップとを含み、前記タイマステップでは、前記第一遷移の後に前記第二遷移を行ったとき、前記第一遷移の時点及び前記第二遷移の時点の前記時刻カウンタ値の差分時間に基づいて前記タイマの補正を行う。
【0024】
これにより、上記複写機と同様の効果を奏することができる。
【0025】
また、本発明は、情報処理装置における制御方法としても実現することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、情報処理装置において、プログラムの処理内容を考慮して省電力状態に遷移することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本実施の形態に係る複写機の外観図である。
【図2】図2は、本実施の形態に係る複写機のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、本実施の形態に係る複写機の機能構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、本実施の形態に係る複写機の省電力状態への遷移のフローチャートである。
【図5】図5は、本実施の形態に係る複写機の通常状態への遷移のフローチャートである。
【図6】図6は、本実施の形態に係る複写機の基本ソフト部で管理される状態の一例の一覧表である。
【図7】図7は、本実施の形態に係る複写機のタイマの補正処理のフローチャートである。
【図8】図8は、本実施の形態に係る複写機のタイマの動作を示す図である。
【図9】図9は、本実施の形態に係る複写機のタイマの補正の例を示す図である。
【図10A】図10Aは、本実施の形態に係る複写機のタイマ値及びタイマ満了値の推移(通常状態の場合)を示す図である。
【図10B】図10Bは、本実施の形態に係る複写機のタイマ値及びタイマ満了値の推移(省電力状態を含む場合)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0029】
(実施の形態)
本実施の形態においては、本発明に係る情報処理装置として、複写機を例として説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態に係る複写機の外観図である。図2は、本実施の形態に係る複写機のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施の形態に係る複写機1はハードウェア構成ブロックとして、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、CODEC(Coder Decoder)14、MODEM(Modulator Demodulator)15、NCU(Network Control Unit)16、操作パネル17、NIC(Network Interface Card)18、スキャナ20、ページメモリ(スキャナ)21、ページメモリ(共通)22、ページメモリ(プリンタ)23、符号メモリ24、プリンタ25、RTC(Real-time Clock)26、サブマイコン27、メイン電源28及びサブ電源29を備える。
【0031】
CPU11は、ROM12に格納された制御プログラムを実行するプロセッサである。
【0032】
ROM12は、制御プログラム等を保持する読み出し専用メモリである。
【0033】
RAM13は、CPU11が制御プログラムを実行するときに使用するワークエリア、及び、スキャナ20で読み取った原稿データを一時的に保持する揮発性の記憶領域である。
【0034】
CODEC14は、スキャナ20で読み取った原稿データを符号化し、及び、符号化された原稿データを復号する符号化及び復号化装置である。
【0035】
MODEM15は、原稿データのようなデジタル信号を公衆通信回線上に送信するためのアナログ信号に変調し、及び、公衆通信回線上から受信したアナログ信号をデジタル信号に復調する変調及び復調装置である。
【0036】
NCU16は、公衆通信回線に接続され、公衆通信回線の接続及び切断等の制御を行うネットワーク制御装置である。
【0037】
操作パネル17は、操作者による操作を受け付けるパネルである。
【0038】
NIC18は、ローカルエリアネットワークに接続され、ローカルエリアネットワークを介した通信の制御を行う通信制御装置である。
【0039】
スキャナ20は、原稿の内容を読み取り、原稿データを生成する原稿読取装置である。
【0040】
ページメモリ(スキャナ)21は、スキャナ20が生成した原稿データを一時的に蓄積するための記憶領域である。
【0041】
ページメモリ(共通)22は、生成された原稿データをプリンタ25からの読み出しのために一時的に蓄積しておくための記憶領域である。
【0042】
ページメモリ(プリンタ)23は、生成された原稿データをプリンタ25からの読み出しのために一時的に蓄積しておくための記憶領域である。
【0043】
符号メモリ24は、CODEC14により符号化された原稿データを一時蓄積しておくための記憶領域である。
【0044】
プリンタ25は、ページメモリ(共通)22又はページメモリ(プリンタ)23から原稿データを読み出し、記録紙上に画像を形成する画像形成装置である。
【0045】
RTC26は、所定の時間が経過する毎に加算される時刻カウンタを保持する時刻カウンタ装置である。
【0046】
サブマイコン27は、各ハードウェア構成ブロック及び各機能ブロックの状態を監視し、メイン電源28による電力供給を行うか電力供給を停止するかを制御する制御装置である。
【0047】
メイン電源28は、複写機内のハードウェア構成ブロックであって、RTC26及びサブマイコン27以外のブロックに電力を供給する電源装置である(電力供給線は不図示)。例えば、複写機外部から供給される商用電源を変換し、複写機内のハードウェア構成ブロックへ電力供給する電源装置により実現される。
【0048】
サブ電源29は、RTC26及びサブマイコン27に電力を供給する小電力供給用の電源装置である(電力供給線は不図示)。例えば、電池により実現される。
【0049】
図3は、本実施の形態に係る複写機の機能構成の一例を示す図である。
【0050】
本実施の形態に係る複写機は、機能ブロックとして、時刻カウンタ部301、制御部302、処理部303、サブ電力供給部311及びメイン電力供給部312を備える。処理部303は、その内部に、基本ソフト部304、タイマ部305及びプロセス部306を備える。
【0051】
時刻カウンタ部301は、図2におけるRTC26に対応する。時刻カウンタ部301は、サブ電力供給部311より電力を供給され、所定の時間が経過する毎に更新される時刻カウンタ値を保持する。
【0052】
制御部302は、図2におけるサブマイコン27に対応する。制御部302は、サブ電力供給部311より電力を供給され、時刻カウンタ部301で発生する復帰イベント(情報処理装置内部が省電力状態から通常状態へ遷移する契機となるイベント)を監視する。
【0053】
処理部303は、図2におけるCPU11、ROM12及びRAM13等に対応する。処理部303は、メイン電力供給部312より電力を供給され、ソフトウェア制御に基づいて通信処理、読取処理及び画像形成処理等を行う。
【0054】
サブ電力供給部311は、図2におけるサブ電源29に対応する。サブ電力供給部311は、時刻カウンタ部301及び制御部302へ電力を供給する。
【0055】
メイン電力供給部312は、図2におけるメイン電源28に対応する。メイン電力供給部312は、処理部303へ電力を供給する。また、制御部302により制御され、電力供給を行うか電力供給を停止するかを切り替える。
【0056】
基本ソフト部304は、処理部303の内部において、複写機内のハードウェアの入出力制御を行うとともに、複数のプロセス部が独立して動作できるように制御する。複数のプロセス部306が存在する場合、各プロセス部306は順番にCPUを占有する。基本ソフト部304が、各プロセス部306への割り当てを制御する。
【0057】
タイマ部305は、基本ソフト部304により実現される機能の一つで、所定時間が経過したら所定のプロセス部に通知を行う機能である。タイマ部305は、タイマ値とタイマ満了値とを有する。タイマ値は所定の時間が経過する毎に更新されるカウンタである。タイマ満了値は、プロセス部306より設定された時間の経過後にタイマ値が到達する値である。タイマ部305は、タイマ値がタイマ満了値を超えたら、そのタイマ満了値を設定したプロセス部306に通知を行う。なお、タイマ部は複数存在してもよい。
【0058】
プロセス部306は、処理部303の内部において、複写機内のハードウェアを利用して行うプログラムの実行単位である。特定の時間が経過する毎に有効な動作を行うものである場合、その動作を行う時刻を決めるためにタイマ部305を用いる。プロセス部306は有効な動作をしたらタイマ部305に対し、次に有効な動作を行うまでの時間を設定する。その時間が経過したらタイマ部305から通知を受信し、有効な動作を行う。プロセス部306は、例えば、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)の処理を行うDHCPプロセス、又は、POP(Post Office Protocol)の処理を行うPOPプロセスである。なお、プロセス部は複数存在してもよい。
【0059】
次に以上のように構成された本実施の形態における動作について説明する。以降において、通常状態から省電力状態への遷移(第一遷移)、省電力状態から通常状態への遷移(第二遷移)、及び、省電力状態から通常状態への遷移の際のタイマ補正処理について順に説明する。
【0060】
(通常状態から省電力状態への遷移)
情報処理装置が有効な動作を実行している途中に、情報処理装置が省電力状態へ遷移することがないようにする。プロセスが動作している途中で、情報処理装置が第一遷移をすると、その時点でプロセスの動作が途絶する。その後、第二遷移を遷移すると、プロセスの動作が途絶した時点からプロセスが再開する。その際、プログラムの設計時に考慮されない問題が生ずる可能性がある。例えば、通信相手との通信を行うプログラムを実行するプロセスが通信を行っている途中に第一遷移をすると、通信が途絶し、通信相手との通信が完結しない。その後、時間経過後に第二遷移をすると、このプロセスは通信が途絶した時点から動作を再開するが、通信相手はすでに通信を完了した状態になっており、通信相手を誤作動させる可能性がある。
【0061】
図4は、本実施の形態に係る複写機の省電力状態への遷移のフローチャートである。図4に示される処理は、通常状態において定期的に実行される。
【0062】
まず、基本ソフト部304は、省電力状態への遷移が可能か否かを判定する(S401)。この判定は、基本ソフト部304において管理されている状態識別子を基にして行われる。基本ソフト部304において管理される状態識別子の一例を示す表600を図6に示す。図6に示される状態識別子のそれぞれについて、該当するか、又は、該当しないかが、基本ソフト部304により常に更新される。例えば、状態識別子「送信ジョブスケジューリング中」は、何らかの送信ジョブがスケジューリング中であるときには「該当する」、スケジューリングをしていないときは「該当しない」となる。図6に示される全ての状態が「該当しない」であるとき、情報処理装置が省電力状態へ遷移することが可能であると判定する(S401でYes)。一方、図6に示される状態のうち一つでも「該当する」がある場合には、省電力状態へ遷移することが不可能であると判定する(S401でNo)。
【0063】
ステップS401において省電力状態への遷移が不可能であると判定されたら(S401でNo)通常状態を維持することとし、図4に示されるフローチャートの処理を完了する(S411)。
【0064】
一方、ステップS401において省電力状態への遷移が可能であると判定されたら(S401でYes)、基本ソフト部304上で動作している全てのプロセスに対し(S402とS405との間の部分)、一時停止が必要なプロセスか否かを判定する(S403)。ここで、一時停止が必要なプロセスとは、有効な動作を実行している途中で動作を停止した場合に、その停止時または復帰時に、自装置または動作の相手装置に問題を生じさせる可能性があるプロセスのことである。例えば、他装置と通信を行うプログラムを実行するプロセスが通信中に停止させられる場合、通信が断絶し、通信が完結しない。また、このプロセスの停止が解除されると、前回、通信が途絶した時点の次の通信が再開されるが、通信相手はすでに通信を完了した状態になっており、誤作動させる可能性がある。一時停止が必要なプロセスの例として、ネットワーク上のサーバからIPアドレス等を取得する通信プロトコルであるDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)の処理を行うDHCPプロセス、及び、電子メールを取得する通信プロトコルであるPOP(Post Office Protocol)の処理を行うPOPプロセスがある。一時停止が必要なプロセスはあらかじめ設定されている。この判定では、基本ソフト部304上で動作している全てのプロセスを対象に、一時停止が必要なプロセスに該当するか否かを判定する。
【0065】
次に、ステップS403において判定された一時停止が必要なプロセスを一時停止させる(S404)。プログラムの中に一時停止をさせることができる箇所を設定しておく。プログラムの実行中には、その箇所において、基本ソフト部304がステップS401においてした判定を参照する。ステップS401において、省電力状態への遷移が可能と判定していた場合に、その箇所において、プログラムをループ状態にいれることにより一時停止させる。なお、ループ状態とは、一定の処理を繰り返し実行し、有効な動作を行わない状態である。一時停止が必要なプロセスの全てにおいて上記の処理を行う。
【0066】
次に、情報処理装置を省電力状態へ遷移させる(S406)。基本ソフト部304は、タイマ部305のタイマのうち、最も早く満了するタイマを選出し、そのタイマが満了する時刻を時刻カウンタ部に登録する。最も早く満了するタイマの満了時刻に、通常状態にあることが必要であるためである。また、基本ソフト部304は、省電力状態へ遷移する時刻を「省電力状態への遷移時刻」として内部に一時保存する。
【0067】
その後、制御部302はメイン電力供給部312の電力供給を停止する。以上により、情報処理装置が省電力状態へ遷移する(S407)。
【0068】
(省電力状態から通常状態への遷移)
図5は、本実施の形態に係る複写機の通常状態への遷移のフローチャートである。省電力状態においては、時刻カウンタ部301及び制御部302がサブ電力供給部311から電力供給を受けて動作しており、処理部303には電力供給がされない状態である。
【0069】
制御部302は、定期的に復帰イベントが発生したかどうかを判定する(S501)。ここで復帰イベントとは、情報処理装置が省電力状態から通常状態へ遷移する契機となるイベントのことであり、例えば、時刻カウンタ部301に設定された時刻が到来したことが該当する。以下、時刻カウンタ部301に設定された時刻が到来したときに通常状態へ遷移する場合を例として説明する。
【0070】
時刻カウンタ部301に設定された時刻が到来すると、時刻カウンタ部301は制御部302に対し、設定された時刻が到来したことを通知する。ハードウェア構成ブロック上でこの通知を実現する方法としては、例えば、RTC26の1つの端子とサブマイコン27の1つの端子とが接続され、RTC26がその端子の電圧を変化させ、サブマイコン27がその電圧の変化を検出するという方法がある。なお、本目的を達成できる別の実現手段を用いてもよい。
【0071】
制御部において何らかの復帰イベントを検出したら、まず、メイン電力供給部312から処理部303への電力供給を開始する。処理部303における処理が可能な状態になる。基本ソフト部304は、処理が可能となった時刻を「通常状態への遷移時刻」としてその内部に一時保存する。そして、省電力状態への遷移におけるステップS406において一時保存した「省電力状態への遷移時刻」との差分時間を利用して、省電力状態にあった時間である「省電力時間」を算出する。
【0072】
次に、必要最低限の一部のプロセスを起動する(S502)。必要最低限のプロセスは、情報処理装置において予め設定してあるものであり、例えば、他の機能ブロックとの情報の送受信を行うプロセス、PCプリントのプロトコルを処理するプロセス、SNMP(Simple Network Management Protocol)の処理を行うプロセス、及び、メモリディスクを管理するプロセスがある。
【0073】
次に、復帰後処理を行う(S503)。復帰後処理にはタイマの補正処理(後述)が含まれる。
【0074】
次に、ステップS502において起動した必要最低限のプロセス以外のプロセスを起動する(S504)。
【0075】
次に、必要最低限のプロセス以外のプロセスの復帰後処理を行う(S505)。復帰後処理にはタイマの補正処理(後述)が含まれる。
【0076】
以上により、全てのプロセスを動作状態にすることができる。これにより、通常状態への遷移が完了する。
【0077】
(タイマの補正処理)
図7は、本実施の形態に係る複写機のタイマの補正処理のフローチャートである。
【0078】
まず、時刻カウンタ部301から基本ソフト部304へ現在時刻を通知する(S701)。例えば、基本ソフト部304が時刻カウンタ部301へ現在時刻要求を送信し、それに応答する形で、時刻カウンタ部301から基本ソフト部304へ現在時刻を通知するようにしてもよい。
【0079】
次に、基本ソフト部304は、その内部時刻を更新する(S702)。この後、基本ソフト部304は、通常状態にある限り、時間経過に伴い内部時刻を更新していくことができる。
【0080】
次に、起動中の全てのプロセスのタイマに対し(S703とS706との間の部分)、補正が必要なタイマか否かを判定する(S704)。補正が必要なタイマとは、当該情報処理装置が省電力状態にあったか否かに関わらず、特定の時間が経過する毎に有効な動作を行うプロセスにおいて、当該動作を行う契機となるタイマである。特に、他の情報処理装置との通信に関わる動作を行うプロセスが該当する。補正が必要なタイマであるか否かは、あらかじめ定められている。この判定では、起動中の全てのプロセスのタイマを対象に、補正が必要なタイマに該当するか否かを判定する。
【0081】
次に、ステップS704において判定された補正が必要なタイマの補正を行う(S705)。図8は、本実施の形態に係る複写機のタイマの動作を示す図である。図8に示されるように、時刻カウンタ部301は通常状態及び省電力状態の両方で時刻のカウントをし続ける。一方、タイマ部305は、省電力状態において電力供給が断たれるためカウントを停止する。
【0082】
図9は、本実施の形態に係る複写機のタイマの補正の例を示す図である。ここでは、プロセスの例としてDHCPプロセスを用い、特に、IPアドレスの更新間隔が12時間であり、更新の間の時間で省電力状態を3時間とった場合について説明する。
【0083】
図9に示されるように、時刻t1に1回目のIPアドレス更新をし、時刻t2に通常状態から省電力状態へ遷移し、時刻t3に省電力状態から通常状態へ遷移したとする。1回目のIPアドレス更新が終了した時点で、タイマ満了値を「12時間」に、タイマ値を0に設定する。通常状態を維持し続けると仮定すると、時刻t1の12時間後である時刻t4にタイマが満了して、DHCPプロセスは2回目のIPアドレス更新を行う。
【0084】
しかし、時刻t2から時刻t3まで3時間の省電力状態をとると、省電力状態ではタイマの更新が行われない。そのため、通常状態へ遷移した後にタイマが満了するのは時刻t4ではなく、時刻t4より3時間後の時刻t5となる。
【0085】
そこで、省電力状態から通常状態へ遷移した時刻t3に、タイマ満了時刻を省電力時間である3時間減ずるようにする。すなわち、時刻t3の直前までタイマ満了時刻が「12時間」と設定されていたが、時刻t3に「9時間」に変更する。このようにすると、時刻t4においてタイマ値とタイマ満了値とが一致し、すなわち、タイマが満了し、2回目のIPアドレス更新をすることができる。
【0086】
図10Aは、本実施の形態に係る複写機のタイマ値及びタイマ満了値の推移(通常状態の場合)を示す図である。図10Bは、本実施の形態に係る複写機のタイマ値及びタイマ満了値の推移(省電力状態を含む場合)を示す図である。
【0087】
図10Aに示されるように、通常状態のままであれば、タイマ満了値は一定値をとり、タイマ値は時間経過とともに増加する。一方、図10Bに示されるように、途中で3時間の省電力状態をとる場合、タイマ値は通常状態には時間経過とともに増加し、省電力状態には一定値をとる。また、タイマ満了値は、省電力状態から通常状態へ遷移する際に3時間減じられる。その結果、2回目のIPアドレス更新時刻は、省電力状態をとらない場合と同じく、12時間後となる。
【0088】
なお、タイマ値とタイマ満了値とを有するタイマの補正の方法には、タイマ値を省電力時間に対応する分だけ増加させる方法と、タイマ満了値を省電力時間に対応する分だけ減少させる方法がある。本実施の形態に係る複写機においては、省電力時間が数時間から数日に及ぶ可能性がある。タイマ値を増加させる方法を用いるとタイマ値に大きな値が加算され、タイマ値を管理するソフトウェアにおいて、その設計時に予期しない問題が生ずる恐れがある。一方、タイマ満了値を減ずる方法を用いれば、上記の問題は発生しない。よって、本用途に対してタイマ満了値を減ずる方法が最適である。
【0089】
以上のように、本発明の一様態に係る情報処理装置では、情報処理装置が省電力状態から通常状態へ遷移した後にも、プロセスは正しい時刻に有効な動作をすることができるようになる。省電力状態においてタイマが停止すると、省電力状態から通常状態へ遷移した後に、タイマ満了時刻が省電力状態にあった時間の分だけ後へずれる。よって、省電力状態から通常状態へ遷移する際に、ずれる分の時間を補正することにより、タイマの満了時刻を正しくし、結果的にプロセスが有効な動作を行う時刻を正しくすることができる。
【0090】
また、省電力状態から通常状態へ遷移した後にも、プロセスは正しい時刻に有効な動作をすることができるようになる。省電力状態においてタイマが停止すると、省電力状態から通常状態へ遷移した後に、タイマ満了時刻が省電力状態にあった時間の分だけ後へずれる。よって、省電力状態から通常状態へ遷移する際に、ずれる分の時間をタイマ満了時刻から減ずることにより、タイマの満了時刻を正しくし、結果的にプロセスが有効な動作を行う時刻を正しくすることができる。
【0091】
また、省電力状態から通常状態へ遷移する際に、プロセスの動作が途絶することにより自装置又は通信相手装置に問題が生ずることを回避することができる。また、プロセスの動作が途絶した場合において、その後、省電力状態から通常状態へ遷移する際に、プロセスの動作が途絶した時点から動作が再開されることにより自装置又は通信相手装置に問題が生ずることを回避することができる。よって、自装置又は通信相手装置に問題が生ずることを避けることができる。
【0092】
また、プロセスが有効な動作を行う時刻にはプロセスが動作状態にあるように制御することができる。よって、プロセスが一定の間隔で有効な動作を実行し、有効な動作の間の時間で省電力状態に入ることができる。
【0093】
また、省電力状態から通常状態への遷移において、他のプロセスの動作に関わる処理を実行する少数のプロセスを優先して動作状態へ遷移させることができる。特に、プロセスの数が少数であるため、全てのプロセスを一斉に動作状態へ遷移させるよりも高速にすることができる。
【0094】
また、情報処理装置内部のハードウェア及びソフトウェアが、通常状態から省電力状態に遷移しても問題を生じないことを確認した上で、情報処理装置が通常状態から省電力状態に遷移することができる。
【0095】
また、制御部によって通常状態から省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への遷移をさせることができる。時刻カウンタ部及び制御部の処理は簡易な処理で実現されるため、比較的小さな電力で実現される。一方、プロセス部及びタイマ部の処理は複雑であり、比較的大きな電力を必要とする。よって、制御部によりメイン電力供給部の電源を供給するか否かを切り替えることにより、通常状態と省電力状態とを切り替えることができる。
【0096】
また、本発明は、情報処理装置における制御方法としても実現することができる。
【0097】
以上、本発明の実装方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、情報処理装置及びその制御方法に関する。特に、通常状態及び通常状態より消費電力が少ない省電力状態で動作をする情報処理装置及びその制御方法として利用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 情報処理装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 CODEC
15 MODEM
16 NCU
17 操作パネル
18 NIC
20 スキャナ
21 ページメモリ(スキャナ)
22 ページメモリ(共通)
23 ページメモリ(プリンタ)
24 符号メモリ
25 プリンタ
26 RTC
27 サブマイコン
28 メイン電源
29 サブ電源
301 時刻カウンタ部
302 制御部
303 処理部
304 基本ソフト部
305 タイマ部
306 プロセス部
311 サブ電力供給部
312 メイン電力供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常状態及び前記通常状態より消費電力が少ない省電力状態で動作をする情報処理装置であって、
前記通常状態及び前記省電力状態において、所定の時間が経過する毎に更新される時刻カウンタ値を有する時刻カウンタ部と、
前記情報処理装置に、前記通常状態から前記省電力状態への遷移である第一遷移、及び、前記省電力状態から前記通常状態への遷移である第二遷移をさせる制御部と、
前記通常状態において時間経過を計測し、前記省電力状態において計測を一時停止し、所定の時間の経過を計測することで満了するタイマを有するタイマ部と、
前記タイマ部において前記タイマが満了したら、処理を開始するプロセス部と
を備え、
前記タイマ部は、前記第一遷移の後に前記第二遷移が行われたとき、前記第一遷移の時点及び前記第二遷移の時点の前記時刻カウンタ値の差分時間に基づいて前記タイマの補正を行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記タイマ部は、前記通常状態において所定の時間が経過する毎に更新されるタイマ値と、前記タイマの満了時における前記タイマ値であるタイマ満了値とを有し、前記タイマ値が前記タイマ満了値を超えることで前記タイマが満了し、
前記タイマ部は、前記第一遷移の後に前記第二遷移を行ったとき、前記第一遷移の時点及び前記第二遷移の時点の前記時刻カウンタ値の差分時間を前記タイマ満了値から減ずることにより前記補正を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記プロセス部を通常処理を行う状態である動作状態から一定の処理を繰り返す状態であるループ状態に遷移させることで一時停止させた後に、前記情報処理装置に前記第一遷移をさせ、
前記制御部は、前記情報処理装置に前記第二遷移をさせた後に、前記プロセス部を前記ループ状態から前記動作状態に遷移させる
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセス部は、前記第一遷移を行う前に、前記第二遷移を行う予定の時刻を前記時刻カウンタ部に登録し、
前記時刻カウンタ部は、前記予定の時刻に前記予定の時刻が到来したことを前記制御部に通知し、
前記制御部は、前記時刻カウンタ部から前記通知を受けた場合に前記第二遷移をさせる
請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、複数の前記プロセス部を備え、
前記制御部は、前記第二遷移の際に、先に特定の前記プロセス部だけを前記動作状態に遷移させ、その後に前記特定の前記プロセス部以外の前記プロセス部を前記動作状態に遷移させる
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、通常状態において、前記情報処理装置内部のハードウェア及びソフトウェアにおいて正常に前記第一遷移することが可能であるか否かを示す少なくとも1つの状態識別子を保持し、前記少なくとも1つの前記状態識別子の全てが前記第一遷移が可能であることを示すときに、前記情報処理装置に前記第一遷移をさせる
請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置は、さらに、前記プロセス部及び前記タイマ部に電力を供給するメイン電力供給部と、前記時刻カウンタ部及び前記制御部に電力を供給するサブ電力供給部とを備え、
前記制御部は、前記通常状態において前記メイン電力供給部が電力を供給し、前記省電力状態において前記メイン電力供給部が電力供給を停止するように、メイン電力供給部の動作を切り替える
請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセス部は、通信に関わる動作を行うソフトウェアの実行単位であって、前記タイマの満了時に、前記処理と前記タイマ値及び前記タイマ満了値をそれぞれの初期値に設定する処理である初期化処理とを行うことにより、前記処理を繰り返し実行する
請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
通常状態及び前記通常状態より消費電力が少ない省電力状態で動作をする情報処理装置における制御方法であって、
前記通常状態及び前記省電力状態において、所定の時間が経過する毎に更新される時刻カウンタ値を有する時刻カウントステップと、
前記情報処理装置に、前記通常状態から前記省電力状態への遷移である第一遷移、及び、前記省電力状態から前記通常状態への遷移である第二遷移をさせる制御ステップと、
前記通常状態において時間経過を計測し、前記省電力状態において計測を一時停止し、所定の時間の経過を計測することで満了するタイマを有するタイマステップと、
前記タイマ部において前記タイマが満了したら、処理を開始するプロセスステップと
を含み、
前記タイマステップでは、前記第一遷移の後に前記第二遷移を行ったとき、前記第一遷移の時点及び前記第二遷移の時点の前記時刻カウンタ値の差分時間に基づいて前記タイマの補正を行う
制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate


【公開番号】特開2013−89014(P2013−89014A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228780(P2011−228780)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】