説明

情報処理装置、及びその制御方法、プログラム

【課題】管理者による、送信先に対する制限サイズのサーバへの登録作業を軽減すると共に、電子メールに係る処理を送信者が意識することなく、送信先に対するデータサイズの電子メールを送信すること。
【解決手段】送信端末から送信される分割メールを取得し、該分割メールを結合することにより得られる電子メールに含まれるデータに対して所定の処理を行う。そして、所定の処理がなされたデータを含む電子メールを、所定のサイズ以下、又は所定のサイズよりも小さいサイズになるように分割して得られる分割メールを中継するべく送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及びその制御方法、プログラムに関し、特に、送信端末から送信された電子メールを中継する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子メールサーバには、電子メールサーバの高負荷や保存領域の逼迫を防ぐために、受信する電子メール1通の最大サイズを制限する設定がなされている場合がある。
【0003】
そこで、ユーザは、メールクライアントソフト(メーラー)が備えている分割機能(電子メールを指定サイズ以下に分割して送信する機能)を利用して、電子メールを分割して送信先の電子メールサーバに送信している。
【0004】
特許文献1や特許文献2には、送信先毎に分割するサイズを事前に登録しておき、1通の電子メールを、事前に登録されたサイズ以下になるように分割して送信する装置(送信者端末)が記載されている。
【0005】
また、この分割処理を、送信者端末ではなく電子メールサーバで自動的に行う仕組みとして、特許文献3には、電子メールのメールサイズが、電子メールサーバに設定されている規定値以上であれば、当該電子メールサーバが当該電子メールを分割して送信する仕組みが記載されている。
【0006】
また、電子メールを安全に送信するために、例えば、電子メールに含まれるデータ(送信先の電子メールアドレスや、メール本文、添付されたデータ等)を検査したり、電子メールに添付された添付ファイルを自動的に暗号化する等して送信することが求められており、特許文献4には、メールサーバが、電子メールに添付された添付ファイルを暗号化して送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−216221号公報
【特許文献2】特開2001−236275号公報
【特許文献3】特開2001−326691号公報
【特許文献4】特開2009−080847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献3において、電子メールを自動的に分割して送信するためには、管理者が、送信先毎に制限サイズを事前に、サーバに設定しておかなければならない。そのため、ユーザが送信する送信先が多ければ多いほど、管理者による各送信先の制限サイズの登録作業が煩雑になってしまう。
【0009】
これを軽減するために、電子メールを送信する送信者端末のメーラーの分割機能を利用して、送信する電子メールを、送信先の制限サイズよりも小さいサイズになるように分割して送信することが考えられる。
【0010】
また、送信される電子メールによる情報漏えい等を防止するために、電子メールを送信する前に、電子メールを中継する中継処理装置(サーバ)が、電子メールに含まれるデータを検査することが考えられるが、中継処理装置は、電子メールが分割された分割メールを受信するため、電子メールに含まれるデータを検査することが困難である。
【0011】
そのため、中継処理装置が、分割メールを結合して生成される電子メールに含まれるデータを検査することが考えられるが、該電子メールのメール全体のデータサイズが、結合される前の分割メールのデータサイズよりも大きくなってしまい、結果として、送信先の制限サイズを越えた電子メールを送信してしまう恐れがある。
【0012】
また、上述のように、安全に電子メールを送信するために、中継処理装置において、例えば、分割されていない電子メールの添付ファイルの暗号化処理を行い、該電子メールを中継することが考えられるが、このような処理を行った電子メールのメール全体のデータサイズが、当該処理前の電子メールのメール全体のデータサイズよりも大きくなってしまい、結果として、送信先の制限サイズを越えた電子メールを送信してしまう恐れがある。
【0013】
そのため、ユーザは、送信先の制限サイズだけではなく、メールを中継する中継処理装置で行われる処理も意識して、電子メールを作成しなければならないため、送信先に対して適切な制限サイズを容易に設定することが困難であった。
【0014】
そこで、本発明の目的は、管理者による、送信先に対する制限サイズのサーバへの登録作業を軽減すると共に、サーバにおける電子メールに係る処理を送信者が意識することなく、該送信先の制限サイズを超えない電子メールを効率的に送信することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、電子メールが分割された分割メールを送信する送信端末と通信可能であり、前記送信端末から送信される分割メールから得られる電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置であって、前記送信端末から送信される分割メールを取得する取得手段と、前記取得手段で取得した分割メールを結合する結合手段と、前記結合手段で前記分割メールが結合されることにより得られる電子メールに含まれるデータに対して所定の処理を行う処理手段と、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを、所定のサイズ以下、又は所定のサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割手段と、前記分割手段で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、電子メールが分割された分割メールを送信する送信端末と通信可能であり、前記送信端末から送信される分割メールから得られる電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置の制御方法であって、前記中継処理装置の取得手段が、前記送信端末から送信される分割メールを取得する取得工程と、前記中継処理装置の結合手段が、前記取得工程で取得した分割メールを結合する結合工程と、前記中継処理装置の処理手段が、前記結合工程で前記分割メールが結合されることにより得られる電子メールに含まれるデータに対して所定の処理を行う処理工程と、前記中継処理装置の分割手段が、前記処理工程で処理されたデータを含む電子メールを、所定のサイズ以下、又は所定のサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割工程と、前記中継処理装置の送信手段が、前記分割工程で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信工程と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、電子メールが分割された分割メールを送信する送信端末と通信可能であり、前記送信端末から送信される分割メールから得られる電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置が読み取り実行可能なプログラムであって、前記中継処理装置を、前記送信端末から送信される分割メールを取得する取得手段と、前記取得手段で取得した分割メールを結合する結合手段と、前記結合手段で前記分割メールが結合されることにより得られる電子メールに含まれるデータに対して所定の処理を行う処理手段と、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを、所定のサイズ以下、又は所定のサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割手段と、前記分割手段で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、管理者による、送信先に対する制限サイズのサーバへの登録作業を軽減すると共に、サーバにおける電子メールに係る処理を送信者が意識することなく、該送信先の制限サイズを超えない電子メールを効率的に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムのシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1におけるクライアント装置101−1、101−2、管理者用クライアント装置102、内部メールサーバ103、外部メールサーバ106−1、106−2、106−3のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】内部メールサーバ103の機能構成を示す模式図である。
【図4】電子メールの中継処理部321の一例を示すフローチャートである。
【図5】分割情報テーブル343の一例を示す図である。
【図6】分割メールの結合処理部322の詳細を示すフローチャートである。
【図7】メール制御ルールの入力画面700の一例を示す図である。
【図8】メール制御ルールテーブル341の一例を示す図である。
【図9】クライアント装置101による分割メールの送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】送信制限サイズテーブル342の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理システムのシステム構成を概略的に示すブロック図である。尚、図1に示す各種端末の構成は一例であり、目的や用途に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0022】
図1に示すように、本実施形態にかかる情報処理システムのイントラネット100には、クライアント装置101−1、101−2(以下、クライアント装置101と呼ぶ)、内部メールサーバ103、内部メールサーバ103の各種機能を管理する管理者が利用する管理者用クライアント装置102が設置されており、これらの装置は、ローカルエリアネットワーク(LAN)104を介して相互に通信可能に接続されている。
【0023】
図1において、103は内部メールサーバである。
【0024】
この内部メールサーバ103は、ローカルエリアネットワーク104内から広域ネットワーク105に向けて送信命令された電子メールのデータ(本文や添付ファイルなど)の暗号化や圧縮、署名などのデータの付加などの処理を行うことにより、該電子メールのデータ(本文や添付ファイルなど)を変換する変換機能と、当該変換機能による変換処理を行うか否かを判定するための条件を記憶する機能、及び当該条件を登録、変更(更新)する機能を有している。
【0025】
また、内部メールサーバ103は、ローカルエリアネットワーク104内から広域ネットワーク105に向けて送信命令された電子メールのデータ(本文や添付ファイルなど)の検査を行うデータ検査処理を行うデータ検査機能と、当該データ検査機能によるデータ検査処理を行った結果、該電子メールの宛先への中継を行うか否か判定し、中継を行うと判定された場合は、該宛先への中継(送信)を行い、中継を行わないと判定された場合は、該宛先への中継(送信)を行わないように制御する機能を有している。
【0026】
また、内部メールサーバ103は、クライアント装置101から受信して分割した電子メール(分割メールと言う)を結合する結合機能と、当該結合機能により結合されて生成される電子メール(単にメールとも言う)に含まれるデータを変換機能により変換し、変換されたデータを含む電子メールを分割して送信する機能とを有している。
【0027】
また、内部メールサーバ103は、当該結合機能により結合されて生成される電子メール(単にメールとも言う)に含まれるデータをデータ検査機能によりデータの検査を行い、検査されたデータを含む電子メールを分割して送信する機能を有している。
【0028】
この内部メールサーバ103は、クライアント装置101−1とクライアント装置101−2との間での電子メールの送受信や、クライアント装置101−1とローカルエリアネットワーク104外の装置(図1では外部メールサーバ106−1、106−2、106−3)との間での電子メールの送受信を管理する装置であり、電子メールに設定された送信先(宛先)(電子メールアドレス)に向けて当該電子メールを送信(中継)する処理を行う。
【0029】
なお、内部メールサーバ103は、本発明の中継処理装置(情報処理装置)の適用例である。
【0030】
また、クライアント装置101−1、101−2は情報処理装置(送信端末)であり、図1に示す通りメールクライアントソフト111(以下メーラー111)がインストールされ、電子メールの送受信機能を有している。
【0031】
外部メールサーバ106−1、106−2、106−3は、それぞれ、クライアント装置101−1、101−2から送信された電子メールの宛先(送信先)である不図示の受信端末(情報処理装置)と通信可能である。
【0032】
以下、図2を用いて、図1に示すクライアント装置101−1、101−2、管理者用クライアント装置102、内部メールサーバ103、外部メールサーバ106−1、106−2、106−3のハードウェア構成について説明する。
【0033】
図2は、図1におけるクライアント装置101−1、101−2、管理者用クライアント装置102、内部メールサーバ103、外部メールサーバ106−1、106−2、106−3のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【0034】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PC(情報処理装置)の実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0035】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0036】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器(表示部)への表示を制御する。なお、図2では、CRT210と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0037】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0038】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0039】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0040】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられるファイル及び各種テーブル等も、外部メモリ211に格納されている。
【0041】
図3は、内部メールサーバ103の機能構成を示す模式図である。
【0042】
図3に示すように、内部メールサーバ103は、メール制御ルール設定手段311、送信制限サイズテーブル登録手段312、メール制御ルールテーブル341(図8)、送信制限サイズテーブル342(図10)、分割情報テーブル343(図5)、分割メール保存キュー344、メールの中継処理部321、分割メールの結合処理部322を備えている。
【0043】
メール制御ルールテーブル341(図8)、送信制限サイズテーブル342(図10)、分割情報テーブル343(図5)は、内部メールサーバ103の外部メモリ211に記憶されており、分割メール保存キュー344は、分割メールを記憶する領域として、内部メールサーバ103の外部メモリ211が割り当てられている。
【0044】
メール制御ルール設定手段311は、クライアント装置から受信したメールを変換するための条件と、その変換方法(詳細は後述する図7、図8)等のメール制御ルールの入力をユーザから受け付け、メール制御ルールテーブル341(図8)に設定(登録、修正、削除等)する。
【0045】
メール制御ルール設定手段311は、メール制御ルールの入力を受け付けるため、例えば、図7に示すようなメール制御ルールの入力画面700を表示するための情報を管理者用クライアント装置102に送信し、管理者用クライアント装置102が、当該受信した情報に従って、ディスプレイ装置(CRT)210に、メール制御ルールの入力画面700を表示する。
【0046】
管理者は、当該メール制御ルールの入力画面700を介して入力したメール制御ルールの登録、修正、削除の指示を行う。
【0047】
図7は、管理者用クライアント装置102のディスプレイ装置(CRT)210に表示されるメール制御ルールの入力画面の一例を示す図である。
【0048】
図7に示す入力画面700では、メール制御ルールとして、メール制御ルールを一意に識別するためのID701、メールの送信元のメールアドレスの条件を示すFrom702、宛先のメールアドレスの条件を示すTo703、その他メールの件名や本文、添付ファイルに含まれるキーワード等の条件704、これら条件に一致したメールのデータ(本文や添付ファイルなど)を暗号化、圧縮、署名等のデータの追加などの変換する変換の内容705、及びこれら条件に一致したメールを宛先に中継(送信)するか否かを示す送信制御内容708の入力を受け付けるためのコントロールが用意されており、管理者用クライアント装置102は、この入力画面700を介して入力された各種のデータをメール制御ルールとして受け付ける。
【0049】
管理者用クライアント装置102は、この入力画面700を介して管理者よりメール制御ルールの入力を受け付け、登録ボタン706が押下されると、当該入力されたメール制御ルールの登録要求を内部メールサーバ103に送信する。そして、内部メールサーバ103のメール制御ルール設定手段311は、この登録要求を受け付けると、当該登録要求に含まれたメール制御ルールを図8に示すメール制御ルールテーブル341に登録(更新)する。
【0050】
また、管理者用クライアント装置102は、この入力画面700を介して、管理者よりメール制御ルールが指定され、削除ボタン707が押下されると、当該指定されたメール制御ルールの削除要求を内部メールサーバ103に送信する。そして、内部メールサーバ103のメール制御ルール設定手段311は、この削除要求を受け付けると、当該削除要求に含まれたメール制御ルールをメール制御ルールテーブル341から削除する。
【0051】
図8は、メール制御ルールテーブル341の一例を示す図である。
【0052】
図8に示すように、メール制御ルールテーブル341は、メール制御ルールを一意に識別するためのID801と、送信元のメールアドレス802と、宛先のメールアドレス803と、キーワードや添付ファイルなどその他の条件804と、802、803、804の条件に一致したメールに対して行う変換処理の内容を示す情報(変換805)と、802、803、804の条件に一致したメールを宛先に中継(送信)するか否かを示す送信制御内容806とから構成されている。
【0053】
例えば、ID801が1のメール制御ルールは、送信元のメールアドレス802に「taro@example.jp」、宛先のメールアドレス803に任意のアドレスであることを示すワイルドカード「*」、その他の条件804に「キーワード“社外秘”を含む」、変換805に「暗号化」、送信制御内容806に「送信する」が設定されている。
【0054】
これは、例えば、クライアント装置から受信した電子メールの送信元のメールアドレスが、「taro@example.jp」であり、当該電子メールの添付ファイル内にキーワードとして“社外秘”を含む場合、当該電子メールは、IDが「1」のメール制御ルールの条件に合致することを示している。また、805に示すように、この条件に合致した電子メールの添付ファイルを暗号化することが規定されている。また、806に示すように、この条件に合致した電子メールを宛先に中継(送信)することが規定されている。
【0055】
また、804には、条件として、電子メールの添付ファイルの形式に応じて、暗号化したり、圧縮したり、署名したり(署名等のデータを追加)することが規定されている。このように、ファイル形式に従って、どのような変換処理を行うかを規定することができる。例えば、暗号化されていないファイル形式であれば、暗号化を行うなどの設定をすることも可能である。
【0056】
例えば、IDが3の条件804は、電子メールの添付ファイルのファイル形式が「xls」の場合、変換処理805として、当該添付ファイルを「圧縮」することが規定されている。
【0057】
このように、図8に示す802、803、804は、変換処理805を実行するための実行条件として機能する。
【0058】
また、図8に示すように、メール制御ルールテーブル341には、例えば、IDが「5」のメール制御ルールの場合、宛先が「example2.ne.jp」の電子メールに含まれるデータ(メール本文や添付ファイル等)に「公開」というキーワードが含まれている場合は、変換805に「しない」と設定されているため、該データに対して、暗号化、圧縮、署名の追加などの変換処理は行わず、送信制御内容806に「送信する」と設定されているため、該電子メールを中継(送信)すること設定されている。
【0059】
このように、IDが「5」のメール制御ルールには、電子メールに含まれるデータ(メール本文や添付ファイル等)に所定のキーワード(文字)が含まれていないかを検索することで、該データの検査を行い、検査されたデータを含む電子メールを宛先に送信することが定められている。
【0060】
また、IDが「6」のメール制御ルールの場合、宛先が「example3.com」の電子メールに含まれるデータ(メール本文や添付ファイル等)に「社外秘」というキーワードが含まれている場合は、変換805に「しない」と設定されているため、該データに対して、暗号化、圧縮、署名の追加などの変換処理は行わず、送信制御内容806に「送信しない」と設定されているため、該電子メールを中継(送信)しないこと設定されている。
【0061】
このように、IDが「6」のメール制御ルールには、電子メールに含まれるデータ(メール本文や添付ファイル等)に所定のキーワード(文字)が含まれていないかを検索することで、該データの検査を行い、検査されたデータを含む電子メールを宛先に送信しないことが定められている。
【0062】
図3の説明に戻る。
【0063】
送信制限サイズテーブル登録手段312は、クライアント装置101から受信した電子メール(分割メールを含む)のデータサイズを解析して、送信制限サイズテーブル342(図10)に記憶する。
【0064】
図10は、送信制限サイズテーブル342の一例を示す図である。図10に示すように、送信制限サイズテーブル342は、送信制限サイズ情報を一意に識別するためのID1001、及び、そのIDで特定される送信制限サイズ情報(メールの宛先ドメイン1002、制限サイズ1003)が記録されている。
【0065】
例えば、ID1001が1の送信制限サイズ情報は、メールの宛先ドメイン1002として、「example.com」が、制限サイズ1003として「1024000」が設定されている。図10では、メールの送信先として、宛先ドメイン1002を用いて説明しているが、送信先のメールアドレスでもよい。その場合は、本実施例で説明している、「宛先ドメイン」を「宛先のメールアドレス」と読み替えればよい。
【0066】
図3の説明に戻る。
【0067】
図3に示すメールの中継処理部321は、内部メールサーバ103でメールを受信する毎に実行される処理である。その処理の詳細は、図4を用いて説明する。
【0068】
クライアント装置101から受信した電子メールが分割メールの場合には、当該分割メールを分割メール保存キュー344に記憶保存する。
【0069】
分割メール保存キュー344に保存された各分割メールは、定期的に実行される分割メールの結合処理部322(詳細は後述する図6)により結合される。
【0070】
受信したメールが分割メールではない場合には、メールの中継処理部321は、当該メールが、メール制御ルールテーブル341のメール制御ルールの条件(802、803、804の条件)に一致するかを判定する。
【0071】
そして、条件に一致したメール制御ルールに従い変換処理を行う。変換後のメールのデータサイズが送信制限サイズテーブル342に登録された制限サイズを超えている場合は、その制限サイズ以下、又はその制限サイズよりも小さくなるように当該メールを分割して送信される。一方、制限サイズ以下であれば分割することなくそのまま送信される。
【0072】
まず、クライアント装置101が電子メールを作成して送信する処理について、図9を用いて説明する。
【0073】
図9は、クライアント装置101による分割メールの送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
図9に示す各ステップの処理は、クライアント装置101のCPU201が、外部メモリ211等の記憶手段に格納されたプログラムをRAM203にロードして実行することにより実現される。
【0075】
まず、クライアント装置101は、ユーザの操作指示に従って、送信先、メールの題名、メール本文を入力し、ファイルを添付するなどして、電子メールを生成する(ステップS901)。
【0076】
そして、クライアント装置101は、ステップS901で生成された電子メールの送信指示をユーザから受け付けると(ステップS902)、当該電子メールのメール全体のデータサイズが、当該電子メールに設定されている送信先に対応する制限サイズを超えているか否かを判定する(ステップS903)。
【0077】
ここでは、送信先と、当該送信先に送信する電子メールの上限サイズである制限サイズとが関連付けられて、送信先(送信先の電子メールアドレスや送信先のドメイン)ごとに記憶されており、この情報を参照することで、送信指示された電子メールのデータサイズが、当該電子メールに設定されている送信先の制限サイズを越えているかを判定する。なお、電子メールに送信先が複数設定されている場合は、設定されている複数の送信先のそれぞれの制限サイズのうち、最も値が小さい制限サイズを超えているかを判定する。
【0078】
そして、クライアント装置101は、送信指示された電子メールのデータサイズが、当該電子メールに設定されている送信先の制限サイズを越えていると判定された場合は(ステップS903:YES)、当該制限サイズ以下又はそれを超えないように、当該電子メールをサイズ分割する(ステップS904)。
【0079】
そして、クライアント装置101は、分割された電子メール(分割メール)を、設定された宛先に送信するために、内部メールサーバ103に送信する(ステップS905)。
【0080】
また、クライアント装置101は、ステップS903において、送信指示された電子メールのデータサイズが、当該電子メールに設定されている送信先の制限サイズを越えていないと判定された場合は(NO)、当該電子メールを、設定された宛先に送信するために、内部メールサーバ103に送信する(ステップS905)。
【0081】
このように、ユーザの操作により、メールを作成して、送信指示することで、電子メールを、当該電子メールの送信先に対するサイズを超えないように分割して送信することができるようになる。
【0082】
次に、図4を参照して、内部メールサーバ103のCPU201が、クライアント装置101から電子メールを受信する毎に実行される電子メールの中継処理部321の詳細を説明する。
【0083】
図4は、電子メールの中継処理部321の一例を示すフローチャートである。
【0084】
図4に示す各ステップの処理は、内部メールサーバ103のCPU201が、外部メモリ211等の記憶手段に格納されたプログラムをRAM203にロードして実行することにより実現される。
【0085】
まず、内部メールサーバ103は、クライアント装置101から送信された電子メール(メッセージデータ)を受信し取得する(ステップS401)。
【0086】
次に、内部メールサーバ103は、ステップS401で取得したメッセージデータのヘッダ情報の「Content−Type:」フィールドの値に、分割メールを示す値「message/partial」が含まれているか否かを判定することにより、当該取得した電子メールが分割メールであるか否かを判定する(ステップS402)。
【0087】
内部メールサーバ103は、取得した電子メールが分割メールであると判定した場合には(ステップS402でYES)、処理をステップS411に、一方、分割メールではないと判定した場合には(ステップS402でNO)、処理をステップS403に進める。
【0088】
内部メールサーバ103は、ステップS402でNOと判定された場合には、内部メールサーバ103の外部メモリ211に記憶されているメール制御ルールテーブル341(図8)を参照し、当該取得した電子メール(メッセージデータ)に含まれるデータ(送信元、送信先、メール本文、添付ファイルなど)が、メール制御ルールテーブル341(図8)の何れかのメール制御ルール(802、803、804の条件)に合致(該当)するか否かを判定する(ステップS403)(条件判定手段)。
【0089】
ステップS403では、例えば、メール制御ルールテーブル(図8)のIDが5のメール制御ルールに、電子メールに含まれるデータが合致するかを判定する場合、該電子メールの宛先が「*@example2.ne.jp」であるか、該電子メールの添付ファイルに「公開」というキーワードが含まれているか否かのデータ検査処理を行うこととなる。そして、IDが5のメール制御ルールに合致する場合は、後で説明するが、変換処理は行わず、該電子メールを中継するべく送信することとなる。
【0090】
このように、本発明では、ステップS403で実行されるメール制御ルール(802、803、804の条件)に合致(該当)するか否かの判定を行うことで、データの検査処理を行っており、このデータの検査処理は、本発明の所定の処理(処理手段)の適用例として説明している。
【0091】
内部メールサーバ103は、ステップS403で、当該取得したメッセージデータ(電子メール)に合致するメール制御ルールがメール制御ルールテーブル341(図8)にあると判定された場合には(ステップS403でYES)、処理をステップS4031に移行し、一方、メッセージデータに合致するメール制御ルールがメール制御ルールテーブル341(図8)に存在しないと判定された場合には(ステップS403でNO)、処理をステップS404に移行する。
【0092】
内部メールサーバ103は、ステップS403で、合致すると判定されたメール制御ルールの送信制御内容806が、電子メールを送信することを示す「送信する」であるか、電子メールを送信しないことを示す「送信しない」であるかを判定する(ステップS4031)。
【0093】
すなわち、ステップS4031では、電子メールに含まれるデータに合致すると判定されたメール制御ルールの送信制御内容806に従って、電子メールの送信が許可されているか否かを判定する。
【0094】
そして、内部メールサーバ103は、電子メールの送信が許可されている(送信制御内容806が「送信する」である)と判定された場合は(ステップS4031:YES)、処理をステップS405に移行する。一方、電子メールの送信が許可されていない(送信制御内容806が「送信しない」である)と判定された場合は(ステップS4031:NO)、処理をステップS410に移行する。
【0095】
内部メールサーバ103は、ステップS403でNOと判定された場合には、取得したメッセージデータを、当該メッセージデータに設定された送信先に送信(中継)する(ステップS404)。
【0096】
ステップS4031で送信が許可されている(YES)と判定された場合には、取得した電子メール(メッセージデータ)に含まれるデータ(題名、メール本文、添付ファイルなど)に対して、当該メッセージデータに合致するメール制御ルールに関連付けられて定義された変換処理の内容(図8の805)の変換処理を行う(ステップS405)。
【0097】
このように、合致すると判定された条件に対応して記憶されている処理の内容を、所定の処理の内容として決定し(決定手段)、その決定された内容の処理を所定の処理として実行する。
【0098】
例えば、合致するメール制御ルールに関連付けられて定義された変換処理の内容(805)が「暗号化」であれば、取得したメッセージデータに含まれる、例えば添付ファイルを暗号化する処理を行う。ここで、暗号化は、ファイル形式を他のファイル形式に変換する処理の一例である。また、変換処理の内容(805)が「署名」であれば、署名(データ)をメッセージデータに付加する処理(電子メールにデータを付加する付加処理)を行う。また、変換処理の内容(805)が「圧縮」であれば、メッセージデータに含まれる、例えば添付ファイルを圧縮する処理を行う。
【0099】
また、図8のメール制御ルールテーブルの変換805には「しない」が記憶されているメール制御ルールがあるが、これは、変換処理を行わないことを示している。すなわち、ステップS405で、電子メールに含まれるデータに合致するメール制御ルールに関連付けられて定義された変換処理の内容が「しない」の場合は、変換処理を行わず、処理をステップS406に移行する。
【0100】
ここで、処理される変換処理(データの暗号化、署名(データ)の付加、データの圧縮)は、本発明の所定の処理の適用例である。
【0101】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS405で変換処理されたメッセージデータの送信先の制限サイズを超えていないかどうかを判定するために、内部メールサーバ103の外部メモリ211に記憶された送信制限サイズテーブル(制限サイズテーブル)(図10)を取得する(ステップS406)。
【0102】
また、ステップS406で、送信制限サイズテーブル内にデータが無い場合は、ステップS401で取得した電子メールのデータサイズを制御サイズとして、以降の処理を実行する。すなわち、送信制限サイズテーブル内にデータが無い場合は、ステップS4031とステップS405の処理の間に記憶した、ステップS401で取得した電子メールのデータサイズを、制御サイズとして以降の処理を実行する。
【0103】
図10は、送信制限サイズテーブル342の一例を示す図である。
【0104】
次に、内部メールサーバ103は、ステップS405で変換処理された後の電子メールのデータサイズと、ステップS406で取得した送信制限サイズテーブル内の制限サイズ1003と、を比較して、ステップS405で変換処理された後の電子メールのメッセージデータのデータサイズが、ステップS406で取得した制限サイズを超えるか否かを判定する(ステップS407)。
【0105】
すなわち、ステップS407では、ステップS405で変換処理された電子メールのデータサイズが、受信した当該送信先を宛先とする分割メールの最大データサイズよりも大きいか否か、又は、当該分割メールの最大データサイズ以上か否かを判定する。
【0106】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS407で超えると判定された場合(YES)、ステップS405で変換処理された電子メールを、当該電子メールの宛先(宛先ドメイン)に対応する、制限サイズテーブル内の制限サイズ以下、又は、当該制限サイズよりも小さいサイズになるように分割して(ステップS408)、分割して生成された分割メールを宛先に送信する(ステップS409)。ここで、制限サイズは、本発明の所定のサイズの適用例である。
【0107】
ステップS408では、受信した電子メール(分割メール)の最大サイズ(最大データサイズ)以下、又は最大サイズ(最大データサイズ)よりも小さいサイズになるように分割する。
【0108】
そして、内部メールサーバ103は、送信制限サイズテーブル内のデータを削除(クリア)して(ステップS410)、処理を終了する。
【0109】
また、内部メールサーバ103は、ステップS407で超えないと判定された場合(NO)、ステップS404に移行し、電子メールを分割することなく、電子メールを宛先に送信し(ステップS404)、処理をステップS410に移行する。
【0110】
また、内部メールサーバ103は、ステップS401で取得した電子メールが分割メールであると判定した場合には(ステップS402:YES)、取得したメッセージデータ(電子メール)をファイルとして分割メール保存キューに記憶保存する(ステップS411)。
【0111】
その後、内部メールサーバ103は、分割メール保存キューに記憶保存した分割メールを解析して、当該分割メールの、ファイル名、受信日時、宛先、メッセージデータのサイズを取得し、ヘッダの「Content−Type:」フィールドから取得した、分割メールを識別する「分割メールID」、分割して生成された分割メールの順番を示す「NUMBER」、1つの電子メールから分割された全ての分割メールの数である「TOTAL」を分割情報テーブル343に記録して(ステップS412)、処理を終了する。
【0112】
以上がメール中継処理についての説明である。
【0113】
次に、分割メールの結合処理部322について説明する。
【0114】
図3に示す分割メールの結合処理部322は、内部メールサーバ103を起動してから一定時間スリープしながら繰り返し実行される処理である。
【0115】
図6を参照して、分割メールの結合処理部322の詳細を説明する。
【0116】
図6に示す各ステップの処理は、内部メールサーバ103のCPU201が、外部メモリ211等の記憶手段に格納されたプログラムをRAM203にロードして実行することにより実現される。
【0117】
図6は、分割メールの結合処理部322の詳細を示すフローチャートである。
【0118】
まず、内部メールサーバ103は、一定時間スリープしたか否かを判定し(ステップS601)、一定期間、スリープしていない場合には(ステップS601でNO)、再度スリープし、ステップS601に戻る。
【0119】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS601で一定時間経過していた場合には(ステップS601でYES)、処理をステップS602に移行する。
【0120】
内部メールサーバ103は、ステップS602において、分割情報テーブル343(図5)の中から、結合可能な分割メールを検索する。
図5は、分割情報テーブル343の一例を示す図である。
【0121】
図5に示すように、分割情報テーブル343は、分割メールのファイルの名称である「ファイル名」、該分割メールを受信した日時である「受信日時」、該分割メールの「宛先」、該分割メールのデータサイズを示す「サイズ」、該分割メールを識別する「分割メールID」、電子メールを分割して生成した該分割メールの全分割数の分割順を示す「NUMBER」、1つの電子メールから分割された全ての該分割メールの数である「TOTAL」から構成されている。
【0122】
ここで、「結合可能な分割メール」とは、分割情報テーブル343の分割メールIDが同一の値の分割メールが、NUMBER506の値が1から始まりTOTAL507の値と同じ数だけ順に揃っている分割メールの集合をいう。
【0123】
例えば、図5の分割メールID505が「F1C4BF.F29D3B0@EXAMPLE」の分割メールのTOTAL507は「3」であり、分割メールID505が「F1C4BF.F29D3B0@EXAMPLE」の分割メールの各NUMBER506は、それぞれ「1」、「2」、「3」であり、NUMBER506の値が1から始まりTOTAL507の値と同じ数だけ順に揃っているため、分割メールID505が「F1C4BF.F29D3B0@EXAMPLE」の各分割メールは、結合可能な分割メールであることを示している。
【0124】
つまり、「結合可能な分割メール」とは、クライアント装置101で1つの電子メールが分割された分割メールの全てが分割情報テーブルに記憶されている分割メールのことを示している。
【0125】
内部メールサーバ103は、結合可能な分割メールが検索されたか否かを判定し(ステップS603)、結合可能な電子メールがあると判定された場合は(YES)、処理をステップS608に移行し、一方、結合可能な電子メールが無いと判定された場合は(NO)、処理をステップS604に移行する。
【0126】
内部メールサーバ103は、ステップS603でNOと判定された場合には、長時間分割メール保存キューに結合されることなく滞留しているメールがあるかどうかを調べるために、受信日時502が現在日時から所定時間以上の分割メールを、分割情報テーブル343(図5)を検索して特定する(ステップS604)。
【0127】
そして、内部メールサーバ103は、受信日時502が現在日時から所定時間以上の分割メールを特定できたか(受信日時502が現在日時から所定時間以上の分割メールが有るか)否かを判定し(ステップS605)、特定できたと判定された場合は(YES)、当該特定された分割メールを分割情報テーブルから削除して(ステップS606)、分割メール保存キュー344に記憶保存されている当該分割メールを宛先に送信する(ステップS607)。そして、分割メール保存キュー344に記憶されている当該分割メールを削除して(ステップS612)、処理をステップS601に戻す。
【0128】
一方、ステップS605で特定できなかった(受信日時502が現在日時から所定時間以上の分割メールが無い)と判定された場合は(NO)、処理をステップS601に戻す。
【0129】
内部メールサーバ103は、ステップS603で、結合可能な分割メールがあると判定された場合(YES)、当該結合可能な分割メールを分割メール保存キュー344から取得して結合して、1通の電子メールを生成する(ステップS608)。
【0130】
そして、内部メールサーバ103は、分割情報テーブル343(図5)を参照し、ステップS608で結合される各分割メールのそれぞれのサイズ504の中で最大のデータサイズ(制限サイズ)(最大サイズ)1003を、送信先(宛先)の宛先ドメイン1002と関連付けて送信制限サイズテーブルに登録する(ステップS609)。
【0131】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS608で結合された分割メールのレコードを分割情報テーブルから削除して(ステップS610)、処理をステップS611に移行する。
【0132】
ステップS611では、ステップS608で結合して得られる電子メールを処理対象として、図4のステップS402の処理を実行する。そして、図4のステップS402以降の処理を実行し終えると、処理をステップS612に移行する。このように、ステップS402以降の処理を実行することで、結合された電子メールを送信することができる。
【0133】
以上、説明したように、例えば、クライアント装置101から送信された分割メールをステップS401で取得すると、ステップS411で分割メール保存キューに記憶され、ステップS412で、分割情報テーブルに、当該分割メールの各種情報を記憶する。
【0134】
そして、図6の処理を実行して、結合可能な分割メールを受信したと判断されると(ステップS603:YES)、当該分割メールを結合して(ステップS608)、送信制限サイズテーブルに、当該分割メールのデータサイズのうち、最大のデータサイズを登録し(ステップS609)、分割情報テーブルから当該結合された分割メールのレコードを削除して(ステップS610)、図4のS402の処理に移行する。
【0135】
そして、ステップS402で、当該結合され生成された電子メールは分割メールではないと判定され(NO)、当該電子メールが、メール制御ルールテーブル341(図8)の何れかのメール制御ルール(802、803、804の条件)に合致(該当)するか否かを判定する(ステップS403)。
【0136】
そして、合致すると判定された場合に、合致すると判定されたメール制御ルールの送信制御内容806が「送信する」であるか「送信しない」であるかを判定することにより、該電子メールの送信が許可されているか否かを判定する(ステップS4031)。そして、該電子メールの送信が許可されていると判定された場合は、電子メールに含まれるデータの変換処理を実行し(ステップS405)、送信制限サイズテーブルに記憶されている制限サイズを取得して(ステップS406)、当該変換処理された電子メールのデータサイズが、当該取得した制限サイズを超えるか否かを判定する(ステップS407)。また、ステップS4031で、電子メールの送信が許可されていないと判定された場合は処理をステップS410に移行して、電子メールの送信を行わないようにする。
【0137】
そして、制限サイズを超えると判定された場合に(ステップS407:YES)、ステップS405で変換処理された電子メールを、当該制限サイズ以下、又は、当該制限サイズよりも小さいサイズになるように分割して(ステップS408)、分割して生成された分割メールを宛先に送信する(ステップS409)。
【0138】
以上、本実施の形態によれば、管理者による、送信先に対する制限サイズのサーバへの登録作業を軽減すると共に、サーバにおける電子メールに係る処理を送信者が意識することなく、該送信先の制限サイズを超えない電子メールを効率的に送出させることができる。
【0139】
すなわち、送信者は、中継処理装置でのメールの変換処理を意識すること無く、送信先の制限サイズでメールを分割して送信するだけで、中継処理装置での変換後のメールも送信先に合ったサイズで送信できるようになる。
【0140】
なお、本実施の形態によれば、送信端末が電子メールを受信者が受理できるサイズに分割して送信することにより、中継処理装置が、送信先に対する分割の必要性と制限サイズを認識し、変換後の電子メールも送信先の制限サイズ以下になるよう自動的に分割して送信することができる。
【0141】
これにより、ユーザや管理者は、メールの変換を行うサーバへの、変換後のメールに対する分割指示や、送信先毎の分割サイズをサーバ管理者が特別に設定することが軽減される。
【0142】
従来、電子メールに含まれるデータの暗号化、電子メールへのデータ(署名等)の付加などの処理を行った電子メールのメール全体のデータサイズが、当該処理前の電子メールのメール全体のデータサイズよりも大きくなってしまい、結果として、送信先の制限サイズを越えた電子メールを送信してしまう恐れがあったが、本実施例により、これを解消することが可能となる。
【0143】
また、分割されている分割メールを中継処理装置が受信して、受信した分割メールを中継処理装置の記憶装置に記憶しておき、中継処理装置が該分割メールを結合して生成される電子メールに対して所定の処理を行い、所定の処理を行い、記憶装置に記憶している分割メールを中継することも考えられるが、このような処理を行うと、中継処理装置の記憶装置が圧迫してしまい、また処理効率が遅くなってしまう恐れがある。本発明は、本実施例により、このような課題も解消することが可能となる。
【0144】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、中継処理装置で読み取り実行可能なプログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0145】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0146】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0147】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0148】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0149】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0150】
100 イントラネット 101−1 クライアント装置 101−2 クライアント装置 102 管理者用クライアント装置 103 内部メールサーバ 104 ローカルエリアネットワーク(LAN) 105 広域ネットワーク 106−1 外部メールサーバ 106−2 外部メールサーバ 106−3 外部メールサーバ 111 メーラー 112 WEBブラウザ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールが分割された分割メールを送信する送信端末と通信可能であり、前記送信端末から送信される分割メールから得られる電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置であって、
前記送信端末から送信される分割メールを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した分割メールを結合する結合手段と、
前記結合手段で前記分割メールが結合されることにより得られる電子メールに含まれるデータに対して所定の処理を行う処理手段と、
前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを、所定のサイズ以下、又は所定のサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割手段と、
前記分割手段で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする中継処理装置。
【請求項2】
前記分割手段で分割する所定のサイズは、前記取得手段で取得された分割メールのデータサイズであることを特徴とする請求項1に記載の中継処理装置。
【請求項3】
前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールのデータサイズと、前記受信手段で受信した分割メールのデータサイズとに従って、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを分割するかを判定する判定手段を更に備え、
前記分割手段は、前記判定手段により、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを分割すると判定された場合に、該電子メールを、前記所定のサイズ以下、又は前記所定のサイズよりも小さいサイズになるように分割することを特徴とする請求項1又は2に記載の中継処理装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールのデータサイズが、前記受信手段で受信した分割メールのデータサイズよりも大きいか、又は前記受信手段で受信した分割メールのデータサイズ以上かを判定することにより、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを分割するかを判定し、
前記送信手段は、前記判定手段により、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを分割しないと判定された場合に、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを、前記分割手段による分割処理を行うことなく、中継するべく送信することを特徴とする請求項3に記載の中継処理装置。
【請求項5】
前記処理手段により行われる所定の処理は、前記結合手段で結合されることにより得られる電子メールに含まれるデータのファイル形式を他のファイル形式に変換する変換処理、又は該電子メールにデータを付加する付加処理、又は該電子メールに含まれるデータの検査を行うデータ検査処理の何れかを含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の中継処理装置。
【請求項6】
前記変換処理は、前記結合手段で結合されることにより得られる電子メールに含まれるデータを暗号化することにより、該電子メールに含まれるデータのファイル形式を他のファイル形式に変換する処理であることを特徴とする請求項5に記載の中継処理装置。
【請求項7】
前記処理手段により行われる処理の内容に対応して、当該内容の処理を実行する条件を示す実行条件を記憶する記憶手段と、
前記結合手段で結合されることにより得られる電子メールに含まれるデータが、前記記憶手段に記憶された実行条件に合致するかを判定する条件判定手段と、
前記条件判定手段で、前記結合手段で結合されることにより得られる電子メールに含まれるデータが、前記記憶手段に記憶された実行条件に合致すると判定された場合に、当該合致すると判定された実行条件に対応して前記記憶手段に記憶されている処理の内容を、前記処理手段により行われる所定の処理の内容として決定する決定手段と、
を更に備え、
前記処理手段は、前記決定手段で決定された内容の処理を、前記結合手段で結合されることで得られる電子メールに含まれるデータに対して行うことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の中継処理装置。
【請求項8】
電子メールが分割された分割メールを送信する送信端末と通信可能であり、前記送信端末から送信される分割メールから得られる電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置の制御方法であって、
前記中継処理装置の取得手段が、前記送信端末から送信される分割メールを取得する取得工程と、
前記中継処理装置の結合手段が、前記取得工程で取得した分割メールを結合する結合工程と、
前記中継処理装置の処理手段が、前記結合工程で前記分割メールが結合されることにより得られる電子メールに含まれるデータに対して所定の処理を行う処理工程と、
前記中継処理装置の分割手段が、前記処理工程で処理されたデータを含む電子メールを、所定のサイズ以下、又は所定のサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割工程と、
前記中継処理装置の送信手段が、前記分割工程で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項9】
電子メールが分割された分割メールを送信する送信端末と通信可能であり、前記送信端末から送信される分割メールから得られる電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置が読み取り実行可能なプログラムであって、
前記中継処理装置を、
前記送信端末から送信される分割メールを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した分割メールを結合する結合手段と、
前記結合手段で前記分割メールが結合されることにより得られる電子メールに含まれるデータに対して所定の処理を行う処理手段と、
前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを、所定のサイズ以下、又は所定のサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割手段と、
前記分割手段で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−94110(P2012−94110A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122940(P2011−122940)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】