説明

情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラム

【課題】コピー対象コンテンツのタイプを識別して、識別結果に応じたシーケンスでコピー処理を行う装置および方法を提供する。
【解決手段】 情報記録媒体の記録データを他のメディアなどにコピーする処理を行う情報処理装置において、コピー元の記録媒体に記録されたデータのタイプを識別する。具体的にはコピー対象コンテンツが、情報処理装置に対応した再生パスを設定してその再生パスに従って再生を実行させる再生パス指定コンテンツであるか、再生装置において実行される再生シーケンスを検証して、正しい再生手順に従って再生処理が実行されているかを検証するコンテンツコード適用コンテンツであるか等のタイプを判別し、判別結果に応じた最適なシーケンスを適用してコピー処理を実行する。本構成により様々なデータタイプに応じた最適な処理による確実なコピー処理が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細にはディスク等のメディア(情報記録媒体)に記録されたデータを所定の管理の下でコピーを行うための情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映画や音楽等、様々なコンテンツの情報記録媒体(メディア)として、昨今はDVD(Digital Versatile Disc)や、BD(Blu−ray Disc(登録商標))などが多く利用されている。これらの情報記録媒体に記録された音楽データ、画像データ等のコンテンツの多くは、その作成者や販売者等が著作権や頒布権を有している。従って、ディスクを購入したユーザであっても、ディスク記録コンテンツの利用には一定の制限がなされる。例えばディスク記録コンテンツを他のディスク等のメディアに無制限にコピーを行うといったことは許容されない。
【0003】
このようなメディア格納コンテンツのコピー管理構成として、管理サーバからのコピー許可情報の受領を条件としたコピー許容処理構成が知られている。具体的には、以下のシーケンスで処理が行われる。
ユーザがコンテンツ格納ディスクなどのメディアをPCや記録再生装置等のユーザ装置に装着して、ユーザ装置がネットワークを介して管理サーバに接続する。その後ユーザ装置は、ディスク識別子(ID)等、予め規定された情報をサーバに送信する。サーバは受信情報の正当性などを確認した後、コピー許可情報をユーザ装置に送信する。ユーザ装置はサーバからのコピー許可情報の受領を条件としてコピー処理を開始することができるというものである。
このようなコピー管理構成は、マネージドコピー(MC:Managed Copy)と呼ばれ、例えば特許文献1(特開2008−98765号公報)にその詳細が記載されている。
【0004】
一方、コンテンツの著作権保護技術に関する規格としてAACS(Advanced Access Content System)規格がある。AACS規格に従ったBDなどのディスク記録コンテンツの多くは暗号化コンテンツとして記録される。AACS規格の代表的な暗号化構成として、コンテンツをユニット単位に区分してユニット毎に異なる暗号化キーを適用する構成がある。このような暗号化構成を採用することで、ユニット単位のコンテンツの利用制御を可能として厳格で多様なコンテンツ利用制御が実現される。
コンテンツの区分単位であるユニットはCPSユニットとよばれ、各CPSユニットの暗号化処理や復号処理に適用する暗号鍵はCPSユニットキーやユニットキー、あるいはタイトルキーと呼ばれる。
なお、AACS規格に関しては、非特許文献1(http://www.aacsla.com/home)、非特許文献2(http://www.aacsla.com/specifications)等を参考にされたい。
【0005】
ユニット単位で異なる暗号化キーを適用した暗号化コンテンツをディスクから読み出して他のディスク等のメディアにコピーする場合、一旦、コピー対象の暗号化コンテンツを復号し、その後、コピー先のメディアに対応した管理システムの規格に従った再暗号化を実行して記録するといった処理が行われる場合が多い。すなわち、コヒー先のメディアでも利用制御コンテンツとして記録される。
【0006】
この場合、コピー元のコンテンツ管理システム(第1管理システムとする)とコピー先のコンテンツ管理システム(第2管理システムとする)が異なる場合には、コピー元の暗号化コンテンツを一旦、復号し、コピー先のコンテンツ管理システム(第2管理システム)に従った処理、例えば別の暗号化キーを利用した再暗号化を行って記録することが必要となる。
【0007】
このように、コンテンツコピー処理に際しては、
(1)第1メディア(コピー元メディア)からの暗号化コンテンツの読み出し、
(2)第1メディア(コピー元メディア)対応の第1管理システムに従った暗号化コンテンツの復号処理、
(3)第2メディア(コピー先メディア)対応の第2管理システムに従ったコンテンツの暗号化処理、
(4)暗号化コンテンツの第2メディア(コピー先メディア)に対する記録処理、
このようなシーケンスで処理を行うことが必要となる。
【0008】
第1メディア(コピー元メディア)の記録コンテンツが上述したユニット単位の暗号化コンテンツである場合、コンテンツの構成ユニットを特定し、特定した各ユニットに対応するユニットキーを順次取得して、各ユニットの復号処理を行うことが必要となる。
【0009】
上述したサーバからのコピー許可情報の受領を条件としたコピー管理下でコピー処理を行う場合、ユーザ装置はユニット単位でユニットキーを適用して復号を行わなければならないが、ユーザ装置がユニットを特定するための情報を得る有効な規定が存在しない。従って、ユニット単位の暗号化コンテンツのコピー処理がスムーズに実行できないという問題がある。
【0010】
また、コピー対象となるコンテンツには、様々なタイプのコンテンツがある。
例えば情報処理装置に対応した再生パスを設定して、その再生パスに従って再生を実行させる再生パス指定コンテンツ。
あるいは、再生装置において実行される再生シーケンスを検証して、正しい再生手順に従って再生処理が実行されているかを検証するコード(コンテンツコード)を適用してチェックを実行した上で再生処理を許容するコンテンツコード適用コンテンツなどがある。
なお、再生パス指定コンテンツについては、特許文献2(特開2008−84445号公報)、コンテンツコード適用コンテンツについては特許文献3(特許4140624号公報)に記載がある。
これら、様々なタイプのコンテンツのコピー処理を行う場合、各コンテンツタイプに適応した処理を行わなければ、正常なコピー処理を行うことができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−98765号公報
【特許文献2】特開2008−84445号公報
【特許文献3】特許4140624号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】http://www.aacsla.com/home
【非特許文献2】http://www.aacsla.com/specifications
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユニット単位の暗号化コンテンツの迅速なコピー処理を可能とし、様々なコンテンツタイプに応じたコピー処理を実現する情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の側面は、
情報記録媒体に記録されたデータのコピー用データを生成するデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記情報記録媒体の記録データのデータタイプ識別処理を実行し、
前記記録データがデータ再生に際して再生処理の検証処理、または再生データの変換処理を実行させるコード情報を含むコンテンツコード適用コンテンツであるか否かを判別し、
コンテンツコード適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理の開始後に前記コピー用データの生成処理を実行し、
前記記録データが前記コード情報を含まないコンテンツコード非適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理を実行することなく前記コピー用データの生成処理を実行する情報処理装置にある。
【0015】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記記録データがコンテンツコード適用コンテンツであると判定した場合、前記コード情報を適用した再生処理の検証処理、または再生データの変換処理を実行して規定シーケンスに従ったデータ再生処理を開始した後、前記コピー用データの生成処理を実行する。
【0016】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記データ再生処理を開始した後、データ再生期間内にコピー実行の指示を入力したことを条件として前記コピー用データの生成処理を開始する。
【0017】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記情報記録媒体の記録データのディレクトリ構成を検証して、前記記録データが、コンテンツコード適用コンテンツであるか否かを判定する処理を実行する。
【0018】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記ディレクトリ構成の検証は、特定のディレクトリが存在するか、または、前記特定ディレクトリ中にファイルが存在するか、を確認する処理である。
【0019】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記データタイプ識別処理において、前記情報記録媒体の記録データが個別のタイトルに対応する区分データであるユニット単位で個別のユニットキーを適用して暗号化されたデータであると判定した場合、前記情報記録媒体または管理サーバから取得したコピー処理情報に記録されたタイトル情報を取得し、取得したタイトル情報に対応するユニットキーを取得して、取得したユニットキーによるユニット単位の復号処理を実行して前記コピー用データを生成する。
【0020】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記データタイプ識別処理において、前記情報記録媒体の記録データが情報処理装置に応じて選択される再生パスに従った再生を行う再生パス指定コンテンツであるか否かを判別し、前記記録データが再生パス指定コンテンツであると判定した場合、前記再生パスの構成データの一部の復号に適用するセグメントキーを生成し、生成したセグメントキーと前記ユニットキーを利用した復号処理により前記コピー用データを生成する。
【0021】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、情報処理装置のメモリに格納されたシーケンスキーを、前記情報記録媒体から再生したシーケンスキーブロック適用した処理により、前記再生パスに従った再生を可能とするプレイリストの識別情報を取得し、取得した識別情報を適用して前記再生パスに対応したプレイリストファイルを前記情報記録媒体から読み出して、該プレイリストを適用して再生パスに応じたデータの読み出しを実行する。
【0022】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記情報処理装置のメモリに格納されたシーケンスキーを用いた前記情報記録媒体から再生したシーケンスキーブロックに対しての処理により、分類番号を取得し、記分類番号を用いて、記プレイリストの識別情報を取得すると共に、記再生パスに応じたデータを復号するための鍵を暗号化した暗号鍵を含むセグメントキーファイルから、該セグメントにおける特定のバリエーションに対応するセグメントキーを取得する。
【0023】
さらに、本発明の第2の側面は、
情報記録媒体に記録されたデータのコピー用データを生成する情報処理装置と、
前記情報処理装置に対するコピー許可情報を提供する管理サーバと、
を有する情報処理システムであり、
前記情報記録媒体は、個別のタイトルに対応する区分データであるユニット単位で個別のユニットキーを適用して暗号化されたデータを記録した構成であり、
前記管理サーバは、
前記情報処理装置からの要求に応じて、前記タイトルの識別情報を記録したコピー処理情報を前記情報処理装置に提供し、
前記情報処理装置は、
前記情報記録媒体の記録データのデータタイプ識別処理を実行し、
前記記録データが個別のタイトルに対応する区分データであるユニット単位で個別のユニットキーを適用して暗号化されたデータであると判定した場合、
前記管理サーバから取得したコピー処理情報に記録されたタイトル情報を取得し、
取得したタイトル情報に対応するユニットキーを取得して、取得したユニットキーによるユニット単位の復号処理を実行して前記コピー用データを生成する情報処理システムにある。
【0024】
さらに、本発明の第3の側面は、
情報処理装置において、情報記録媒体に記録されたデータのコピー用データを生成する情報処理方法であり、
前記情報処理装置のデータ処理部は、
前記情報記録媒体の記録データのデータタイプ識別処理を実行し、
前記記録データがデータ再生に際して再生処理の検証処理、または再生データの変換処理を実行させるコード情報を含むコンテンツコード適用コンテンツであるか否かを判別し、
コンテンツコード適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理の開始後に前記コピー用データの生成処理を実行し、
前記記録データが前記コード情報を含まないコンテンツコード非適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理を実行することなく前記コピー用データの生成処理を実行する情報処理方法にある。
【0025】
さらに、本発明の第4の側面は、
情報処理装置において、情報記録媒体に記録されたデータのコピー用データを生成させるプログラムであり、
前記情報処理装置のデータ処理部に、
前記情報記録媒体の記録データのデータタイプ識別処理を実行させて、
前記記録データがデータ再生に際して再生処理の検証処理、または再生データの変換処理を実行させるコード情報を含むコンテンツコード適用コンテンツであるか否かを判別させるステップと、
コンテンツコード適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理の開始後に前記コピー用データの生成処理を実行させるステップと、
前記記録データが前記コード情報を含まないコンテンツコード非適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理を実行することなく前記コピー用データの生成処理を実行させるステップと、
を実行させるプログラムにある。
【0026】
なお、本発明のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0027】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施例の構成によれば、情報記録媒体の記録データを他のメディアなどにコピーする処理を行う情報処理装置において、コピー元の記録媒体に記録されたデータのタイプを識別する。具体的にはコピー対象コンテンツが、情報処理装置に対応した再生パスを設定してその再生パスに従って再生を実行させる再生パス指定コンテンツであるか、再生装置において実行される再生シーケンスを検証して、正しい再生手順に従って再生処理が実行されているかを検証するコンテンツコード適用コンテンツであるか等のタイプを判別し、判別結果に応じた最適なシーケンスを適用してコピー処理を実行する。本構成により様々なデータタイプに応じた最適な処理による確実なコピー処理が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ユニット構成およびユニットキー管理テーブルについて説明する図である。
【図2】管理サーバの管理によるコピー処理(MC(Managed Copy))のシーケンスについて説明する図である。
【図3】コピー処理情報(dealManifest)の基本構成について説明する図である。
【図4】メディアのディレクトリ構成例について説明する図である。
【図5】本発明の一実施例に従ったコピー処理情報(dealManifest)の構成について説明する図である。
【図6】本発明の一実施例に従ったコピー処理情報(dealManifest)を利用したコピー処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図7】シーケンスキーやセグメントキーを適用した再生パス指定コンテンツの再生処理について説明する図である。
【図8】シーケンスキーやセグメントキーを適用した再生パス指定コンテンツの再生処理について説明する図である。
【図9】本発明の一実施例に従ったコピー処理情報(dealManifest)の構成について説明する図である。
【図10】本発明の一実施例に従ったコピー処理情報(dealManifest)を利用したコピー処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図11】本発明の一実施例に従ったコピー処理情報(dealManifest)を利用したコピー処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図12】コンテンツコードを適用した再生処理について説明する図である。
【図13】コンテンツコードを適用したコンテンツ変換処理について説明する図である。
【図14】コンテンツコードを適用して再生されるコンテンツの再生処理とコピー処理のシーケンスについて説明する図である。
【図15】コンテンツのタイプを判別し、タイプに応じて異なる処理を実行してコンテンツのコピー処理を行うシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図16】コンテンツのタイプを判別し、タイプに応じて異なる処理を実行してコンテンツのコピー処理を行うシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図17】情報処理装置の構成例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明の情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行なう。
1.コンテンツの暗号化構成とマネージドコピー(MC:Managed Copy)の概要について
2.現行のコピー処理情報(dealManifest)の基本構成例について
3.本発明において提案するコピー処理情報(dealManifest)の構成について
4.再生パス指定コンテンツに対する対策について
5.コンテンツコードを利用した再生コンテンツに対する対策について
6.コピー元のデータタイプを判別してコピー処理を実行する実施例について
7.情報処理装置の構成例について
【0031】
[1.コンテンツの暗号化構成とマネージドコピー(MC:Managed Copy)の概要について]
まず、情報記録媒体(メディア)の記録コンテンツの暗号化構成とマネージドコピー(MC:Managed Copy)の概要について説明する。
一般的なコンテンツ記録済みディスク、例えばBD(Blu−ray Disc(登録商標))等に記録された映画等のコンテンツの多くは、不正コピーなどの不正利用を防止するため暗号化されて記録される。
【0032】
コンテンツの著作権保護技術に関する規格であるAACS(Advanced Access Content System)規格に従った暗号化コンテンツは、前述したようにユニット単位に区分され、ユニット毎に異なる暗号鍵を適用した暗号化データとして記録される。ユニット単位の暗号化構成とすることで、ユニット単位の利用制御が可能となり、厳格で多様なコンテンツ利用制御が実現される。
【0033】
コンテンツの区分単位であるユニットはコンテンツ管理ユニットまたはCPSユニットとよばれ、各CPSユニットに対応する暗号鍵はCPSユニットキーやユニットキー、あるいはタイトルキーと呼ばれる。ディスクに記録されたコンテンツのユニット区分と暗号鍵(ユニットキー)との対応関係の一例を図1に示す。
【0034】
図1は、あるメディア、例えば1枚のディスクに記録されたコンテンツを構成するユニット(CPSユニット)と暗号鍵であるCPSユニットキーとの対応関係を示すユニットキー管理テーブルの例である。このユニットキー管理テーブルはメディア(BDなど)に暗号化コンテンツと共に記録される。
【0035】
図1に示すように、コンテンツの構成データであるCPSユニットは、CPSユニット1〜nに区分されている。各CPSユニット1〜nの各々に対して固有の暗号鍵であるCPSユニットキーが対応付けられる。
【0036】
例えばCPSユニット1(CPS1)を再生する場合は、CPSユニットキー1(Ku1)を利用して復号を行う。CPSユニット2(CPS2)を再生する場合は、CPSユニットキー2(Ku2)を適用して復号を行うことが必要となる。各CPSユニットおよびCPSユニットキーに対応するインデックスとしては、例えば「タイトル」が利用される。「タイトル」はCPSユニット各々に対応して設定されたインデックスであり、タイトルを特定することでCPSユニット、およびCPSユニットキーを特定することができる。
【0037】
次に、図2を参照して、情報記録媒体(メディア)に記録されたコンテンツのコピー制御構成としてAACSが規定するマネージドコピー(MC:Managed Copy)の概要について図2を参照して説明する。
【0038】
図2には、左から、
映画等のコンテンツ記録済みのROMディスクなどの第1メディア110、
第1メディア110からコンテンツ等のデータを読み取り、データ記録可能なメディアであるHDDやR/REディスクなどによって構成される第2メディア150(コピー先メディア)にコピーする処理を行なうユーザ装置としての情報処理装置120、
コンテンツのコピー先のメディアであり、HDDやR,RE型ディスクによって構成される第2メディア150、さらに、
コンテンツコピー処理の許可情報や、管理データの提供処理を実行する管理サーバ(MCサーバ)140、
これらを示している。
【0039】
情報処理装置120は、例えばPCや記録再生装置などによって構成され、第1メディア110からの読み取りデータを入力して、HDDやR/REディスクなどによって構成されるコピー先メディアとしての第2メディア150にデータを記録する処理を行う。
第2メディア150は、データを書き込むことが可能なメディアであり、具体的には例えばハードディスク(HDD)やR型、RE型のBlu−ray Disc(登録商標)、DVDディスクなどである。
【0040】
例えばROMディスク等によって構成される第1メディア110には、図に示すように利用制御コンテンツである暗号化コンテンツ113が記録されている。暗号化コンテンツ113は、例えば高精細動画像データであるHD(High Definition)ムービーコンテンツなどの動画コンテンツのAV(Audio Visual)ストリーム、あるいは音楽データ、ゲームプログラム、画像ファイル、音声データ、テキストデータなどからなるコンテンツである。暗号化コンテンツ113は、図1を参照して説明したように、個別のタイトルに対応する区分データであるユニット単位で個別のユニットキーを適用して暗号化されたデータである。
【0041】
さらに、第1メディア110には、暗号化コンテンツの復号に適用する鍵情報、利用制御情報などによって構成される管理データ(AACS Data)112、さらに、第1メディア110の記録コンテンツのコピー処理の際に利用されるコピー制御管理ファイル(MCMF:Managed Copy Manifest File)111が格納されている。
【0042】
暗号化コンテンツ113は、先に図1を参照して説明したように、コンテンツ管理ユニット(CPSユニット)単位の利用管理構成を有し、CPSユニット単位で異なるユニットキー(CPSユニットキー)を適用して暗号化が施された暗号化コンテンツである。すなわち、ユニット単位の区分データ毎の異なる利用制御を実現するため、ユニット毎に異なる鍵(CPSユニットキーやユニットキー、あるいはタイトルキーと呼ばれる)によって暗号化されている。
【0043】
図2に示す第1メディア110の記録情報として示す管理データ112は、例えばコンテンツの著作権保護技術に関する規格管理システムであるAACS(Advanced Access Content System)の規定する管理データであり、暗号化コンテンツ113の復号に適用する鍵(ユニットキー)を格納したCPSユニットキーファイル、使用許諾情報、コンテンツの正当性を示すコンテンツ証明書(CC:Content Certificate)、さらに、CPSユニットキーを取得するためのメディアキーを格納した暗号鍵ブロック(MKB(Media Key Block))等を含むデータである。
【0044】
MKB(Media Key Block)について簡単に説明する。MKBはブロードキャストエンクリプション方式の一態様として知られる木構造の鍵配信方式に基づいて生成される暗号鍵ブロックである。MKBは有効なライセンスを持つユーザの情報処理装置に格納されたデバイスキー[Kd]に基づく処理(復号)によってのみ、コンテンツの復号に必要な鍵であるメディアキー[Km]の取得を可能とした鍵情報ブロックである。これはいわゆる階層型木構造に従った情報配信方式を適用したものであり、ユーザデバイス(情報処理装置)が有効なライセンスを持つ場合にのみ、メディアキー[Km]の取得を可能とし、無効化(リボーク処理)されたユーザデバイスにおいては、メディアキー[Km]の取得が不可能となる。図2に示す情報処理装置120のメモリには、デバイスキー[Kd]が格納されている。
【0045】
図2の第1メディア110の記録情報として示すコピー制御管理ファイル(MCMF:Managed Copy Manifest File)111は、第1メディア110に記録されたコンテンツ113のコピー処理を実行する際に適用するファイルであり、例えば、以下の情報を含むXML記述データである。
(a)コンテンツID:第1メディア110の記録コンテンツを一意に示す識別子(ID)例えばコンテンツコード情報としてのISANナンバーが用いられる。
(b)URI(URL):コンテンツコピーを実行する際にコピーの許可、バインド処理よるトークンの生成などを実行する管理サーバ接続用の情報である。図2に示す構成における管理サーバ140に対するアクセス情報である。
(c)コピー処理情報(dealManifest):コピー処理を許容するデータに関する情報であり、例えばコピー対象となるファイル名に関する情報等が含まれる。
【0046】
図2を参照して、例えばROMディスクである第1メディア110に記録されている暗号化コンテンツ113をハードディスクやR/REディスク等によって構成される第2メディア150等の他メディアにコピーする場合の処理シーケンスについて説明する。
【0047】
情報処理装置120は、まず、ステップS11において、第1メディア110に記録されているコピー制御管理ファィル(MCMF)111に記録されたサーバ情報(URIなど)を適用して、管理サーバ140にコピー許容リスト要求(Offer Request)を送信する。
この際、コピー処理対象となるコンテンツに対応するコンテンツID等が管理サーバ140に送信される。
【0048】
管理サーバ140は、ステップS12において、情報処理装置120から受信したコンテンツID等の受信情報の正当性等の検証処理を実行し、問題がないことが確認された場合、コピー許容リスト(Offer List)121を生成して情報処理装置120に送信する。例えば、コピーが許容されるファイル一覧等の情報を含むリストである。
【0049】
なお、管理サーバ140が提供するコピー許容リスト(Offer List)121には、第1メディア110に記録されたコピー制御管理ファイル(MCMF)111に記録された上記の(c)コピー処理情報(dealManifest)と同様のデータが含まれる。
【0050】
情報処理装置120は、管理サーバ140から受領したコピー許容リスト(Offer List)121をディスプレイに表示する。ステップS13において、ユーザがコピー対象のコンテンツ等を指定する処理選択を実行すると、情報処理装置120は、管理サーバ140との間でコピー処理に伴う決済処理を実行する。具体的には、情報処理装置120と管理サーバ140との間で決済データ131の転送処理等が行われる。ステップS14において管理サーバ140がコピー処理を許可した場合、コピー許可情報122を情報処理装置120に送信する。
【0051】
情報処理装置120は、管理サーバ140からのコピー許可情報122の受領を条件として、コンテンツコピー処理に移行する。まず、ステップS15において、第1メディア110から管理データ112を取得して、管理データ112に含まれるユニットキーを取得し、コピー対象とするデータに対応するユニットキーを選択する。
【0052】
次にステップS16において、第1メディア110から暗号化コンテンツ113を読み出して、コピー対象とするデータを選択して復号処理を行い、コピー先となるHDDやR/REディスクによって構成される第2のメディア150に対するデータコピーを実行する。
【0053】
なお、ステップS16のコピー処理には、以下の処理が含まれる。
(1)第1メディア110(コピー元メディア)からの暗号化コンテンツの読み出し、
(2)第1メディア110(コピー元メディア)対応の第1管理システムに従った暗号化コンテンツの復号処理、
(3)第2メディア150(コピー先メディア)対応の第2管理システムに従ったコンテンツの暗号化処理、
(4)暗号化コンテンツの第2メディア150(コピー先メディア)に対する記録処理、
このようなシーケンスで処理を行うことが必要となる。
【0054】
上記の(2)の第1管理システムに従った暗号化コンテンツの復号処理は、第1管理システムがAACS規定に従ったシステムである場合、CPSユニットキーを適用したCPSユニット単位の復号処理として行われることになる。
なお、コピー先メディア(第2メディア150)対応の第2管理システムとは、AACSである場合もあるし、CPRM、MagicGate、VCPSなど、メディアに応じた様々な規定に対応する管理システムである。
【0055】
[2.コピー処理情報(dealManifest)の基本構成例について]
上述したサーバからのコピー許可情報の受領を条件としたコピー管理構成において、情報処理装置120は、管理サーバ140から受領するコピー許容リスト121に含まれるコピー処理情報(dealManifest)を利用してコピー対象データを特定することができる。例えば、ファイル単位でコピー対象を特定することができる。
【0056】
しかし、先に説明したように、ディスク110に格納された暗号化コンテンツ113がユニット単位の暗号化処理がなされていると、必ずしも1ファイル=1ユニットとは限らないため、ファイルが特定されても、ユニットの特定やユニットキーを特定することができない。情報処理装置120はコピー処理を行う場合、コピー対象データを構成するユニットを特定しさらにユニット対応のユニットキーを取得し、ユニット単位の復号処理を行うことが必要となる。
【0057】
情報処理装置120が、コピー対象となるユニットを特定するための情報を得られれば、そのユニット特定情報を利用してユニットキーの取得が可能となるが、現状では、このような情報を得るための有効な手段が存在しない。従って、ユニット単位で暗号化されたコンテンツについては、コピー許可情報の受領を条件としたコンテンツ管理システムの下で迅速にコピーを行うことが困難となる。
【0058】
コンテンツ著作権の管理を行うAACSは、サーバ管理下のコンテンツコピー処理を規定したマネージドコピー(MC:Managed Copy)の実行に際して、管理サーバからユーザ装置にコピー処理情報(dealManifest)を提供し、このコピー処理情報(dealManifest)を利用してコピー処理を効率的に行わせることを提案している。
【0059】
AACSが提案するコピー処理情報(dealManifest)の基本構成例を図3に示す。
このコピー処理情報(dealManifest)は、図2に示す管理サーバ140が情報処理装置120に提供するコピー許容リスト121に含める。
また、第1メディア110に格納されたコピー制御管理ファイル(MCMF)111にも含まれるデータである。
【0060】
図3に示すように、コピー処理情報(dealManifest)は、以下の2つの情報によって構成されるXML記述データである。
(a)ディレクトリ全体のファイルをコピー対象としてコピー処理を実行するための第1情報171[MCUALL]
(b)ディレクトリに設定された個別のファイルをコピー対象としてコピー処理を実行するための第2情報172[MCUPARTIAL]
情報処理装置120は、図3に示すXML記述データに基づいて、ディスプレイにコピー対象コンテンツに関する情報を提示する。ユーザは提示情報に基づいてコピー対象コンテンツの選択を行うことができる。
【0061】
第1情報171[MCUALL]は、BDに記録されるコンテンツに対応するディレクトリ(BDMVディレクトリ)以下のファイルを全てまとめてコピーするために利用する情報であり、ディレクトリ名[BDMV]が記録されている。
この情報は、コピー処理を行う情報処理装置120が、第1メディア110に記録された様々なデータから、ディレクトリ名[BDMV]に対応するディレクトリを選択してディレクトリ下のデータの一括したコピーを行うことができるように設定された情報である。
【0062】
また、第2情報172[MCUPARTIAL]は、前述のディレクトリ[BDMV]以下に設定された個別のファイルを選択してコピーを実行するための情報であり、前述のディレクトリ[BDMV]以下に設定されたファイル名の情報が記録されている。
【0063】
なお、例えばBDの記録データに対応するディレクトリは図4に示す構成を持つ。ディレクトリは図4に示すように管理情報設定部181(AACSディレクトリ)と、データ部182(BDMVディレクトリ)に分離されている。
管理情報設定部181(AACSディレクトリ)には、CPSユニットキーファイルや利用制御情報ファイルなどが格納される。
【0064】
一方、データ部182には、BDMVディレクトリ以下に、
インデックスファイル、
プレイリストファイル、
クリップ情報ファイル、
クリップAVストリームファイル、
JARファイル、
例えば、これらのファイルが記録される。
【0065】
インデックスファイルには、再生処理に適用するインデックス情報としてのタイトル情報が格納されている。このタイトルは、先に図1を参照して説明したユニットキー管理テーブルに登録されたタイトルと同様であり、CPSユニットに対応付けられたデータである。
プレイリストファイルは、タイトルによって指定されの再生プログラムのプログラム情報に従ったコンテンツの再生順等を規定したファイルであり、再生位置情報を持クリップ情報に対する師弟情報を有する。
クリップ情報ファイルは、プレイリストファイルによつて指定されるファイルであり、クリップAVストリームファイルの再生位置情報等を有する。
クリップAVストリームファイルは、再生対象となるAVストリームデータを格納したファイルである。
JARファイルは、JAVA(登録商標)プログラム、コマンド等を格納したファイルである。
【0066】
情報処理装置が情報記録媒体に記録されたコンテンツを再生するシーケンスは以下の通りである。
まず、再生アプリケーションによってインデックスファイルから特定のタイトルを指定する。
指定されたタイトルに関連付けられた再生プログラムが選択される。
選択された再生プログラムのプログラム情報に従ってコンテンツの再生順等を規定したプレイリストが選択される。
選択されたプレイリストに規定されたクリップ情報によって、コンテンツ実データとしてのAVストリームあるいはコマンドが読み出されて、AVストリームの再生や、コマンドの実行処理が行われる。
【0067】
このコンテンツ再生処理においては、選択されたタイトルに応じて、先に図1を参照して説明したユニットとユニットキーの判別が可能となり、再生対象のユニットに対応するユニットキーを取得してユニット単位の復号処理が行われることになる。
【0068】
しかし、図2を参照して説明したコピー処理を実行する場合、サーバから受領する図3に示したコピー処理情報(dealManifest)を参照してコピー対象データを特定することになるが、この図3に示したコピー処理情報(dealManifest)には、ファイル名については記録されているが、CPSユニットを判別するための情報が含まれていない。従って、情報処理装置120は、図3に示すコピー処理情報(dealManifest)を参照しても、コピー対象データのユニットを判別することができない。
【0069】
[3.本発明において提案するコピー処理情報(dealManifest)の構成について]
次に、本発明において提案するコピー処理情報(dealManifest)の構成について説明する。
【0070】
図5は、本発明において提案するコピー処理情報(dealManifest)の構成例を示している。
このコピー処理情報(dealManifest)は、
図2に示す管理サーバ140から情報処理装置120に提供されるコピー許容リスト121の格納情報、または、
第1メディア110に格納されたコピー制御管理ファイル(MCMF)111の格納情報、
上記の少なくともいずれかの格納情報として含める設定とし、コピー処理を行う情報処理装置120において利用可能な構成とする。
すなわち、情報処理装置120が第1メディア110のコンテンツを、第2メディア150にコピーする際に参照可能な情報として設定される。
【0071】
図5に示すコピー処理情報(dealManifest)は、先に説明した図3のデータと同様、XML記述データであり、以下の2つの情報によって構成される。
(a)ディレクトリ全体のファイルをコピー対象としてコピー処理を実行するための第1情報201[MCUALL]
(b)ディレクトリに設定された個別のファイルをコピー対象としてコピー処理を実行するための第2情報202[MCUPARTIAL]
【0072】
本発明において提案するコピー処理情報(dealManifest)は、図3を参照して説明した情報を全て含み、さらに図5に示すタイトル情報203が含まれる。
【0073】
タイトル情報203は、先に図1を参照して説明したユニットに対応するインデックスデータとし設定されたタイトルの識別情報である。なお、タイトル情報は、個別のタイトルを識別するID情報であっても、タイトル自体であってもよい。
すなわち、コピー処理を実行する情報処理装置が、このタイトル情報203からコピー対象とするユニットに対応するタイトルを取得することができる情報であればよい。
【0074】
図5に示すコピー処理情報(dealManifest)を利用したコピー処理のシーケンスは例えば以下のようになる。
情報処理装置120は、ディスプレイに図5に示すXML記述データに基づく表示情報を提示する。
図5に示すコピー処理情報(dealManifest)にはタイトル情報が含まれているため、ディスプレイに表示される情報はタイトルを含む表示情報となる。これによりユーザは表示情報に含まれるタイトルを指定したコピー対象コンテンツの選択を行うことができる。
【0075】
先に図1を参照して説明したように、タイトルはCPSユニットのインデックスであり、CPSユニットおよびCPSユニットキーに対応付けて設定されている。従って、情報処理装置120は、指定されたタイトルによって、CPSユニットおよびCPSユニットキーの特定を行うことができる。
【0076】
コピー処理を実行する情報処理装置は、図5に示すコピー処理情報(dealManifest)から、例えばユーザの指定したタイトル情報を取得して、図1に示すユニットキー管理テーブルを利用して取得したタイトルに基づいてコピー対象ユニットに対応するユニットキーを特定してユニットキーを取得することができる。
【0077】
なお、CPSユニットキー自身は、図2に示す管理データ112内のCPSユニットキーファイルに格納されている。CPSユニットキーファイルから特定のCPSユニットキーを取得するために、図1に示すユニットキー管理テーブルに記録されたユニットキー識別子(Ku1〜Kun)が利用され、ユニットキー識別子(Ku1〜Kun)に基づいてCPSユニットキーファイルからタイトル対応のユニットキーを取得する。情報処理装置120は、取得したCPSユニットキーを適用してコピー対象とするユニットの復号処理を行ってコピー先メディアに対する記録処理を実行することができる。
【0078】
なお、コピー先に対するコピー処理に際しては、前述したように、復号処理の後、さらに、コピー先メディアに対応する管理システムに応じた再暗号化等の処理が行われる。
【0079】
このように、図5に示すタイトル情報103を含むコピー処理情報(dealManifest)を利用することで、コピー処理情報(dealManifest)から、コピー対象ユニットに対応するタイトル情報を取得することが可能となる。この結果、情報処理装置は、タイトルに応じたユニットキーを取得して、ユニット単位での復号処理を実行してコピー処理を迅速に行うことが可能となる。
【0080】
図6に示すフローチャートを参照して、タイトル情報を含むコピー処理情報(dealManifest)を利用したコピー処理シーケンスについて説明する。
図6に示すフローは、図2に示す情報処理装置120において実行される。例えば情報処理装置120のCPUを有する制御部において、情報処理装置120内のメモリに予め格納されたプログラム(コピー処理(MC:Managed Copy)プログラム)を実行して処理が行われる。
【0081】
図6に示すフローチャートの各処理ステップの処理について説明する。
ステップS101において、情報処理装置120の表示部に表示されたメニューから、コピー処理(MC)プログラムを選択して起動する。
次に、ステップS102において、コピー許容リストの要求処理(Offer Rerquest)を実行する。この処理は、図2を参照して説明したステップS11の処理に対応し、管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)の送信処理として行われる。
【0082】
次にステップS103において、管理サーバ140から受信したコピー許容リスト(Offer list)を情報処理装置120の表示部に表示する。このリストは、図5を参照して説明したXML記述データとしてのコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報である。
【0083】
なお、コピー処理の実行時ではなく、ディスク装着時に管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)の送信処理を自動実行させる構成としてもよい。すなわち、情報処理装置120はディスク装着を検出すると、管理サーバ140にコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)を送信し、管理サーバ140から予めコピー許容リストを受信して情報処理装置内のメモリに格納する構成としてもよい。
【0084】
この場合、コピー処理の実行時には、コピー許容リストは情報処理装置内のメモリに格納済みであるので、ステップS102〜S103の処理において管理サーバ140との通信は省略され、情報処理装置120内のメモリからコピー許容リストを読み出して表示する処理が行われることになる。
【0085】
次にステップS104において、処理(Offer)の選択を行う。具体的にはコピー対象データを特定する。この処理は例えばユーザによる入力部を介した選択情報の入力処理として行われる。ユーザは、図5を参照して説明したコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報に含まれるタイトルを指定することが可能となる。
【0086】
コピー対象データが決定されると、その情報が管理サーバ140に送信され、ステップS105において、予め規定されたシーケンスに従った決済処理が実行される。この処理は、図2に示す決済データ131を適用した処理に相当する。
【0087】
ステップS105の決済処理が完了すると、ステップS106に進み、コピー許可情報(Permission)を管理サーバ140から受信する。図2に示すコピー許可情報122の受信処理である。
【0088】
次に、情報処理装置120は、ステップS107において、コピー処理を実行する。このコピー処理においては以下のようにユニット単位の復号処理が実行される。
情報処理装置120は、コピー許容リスト(Offer list)に含まれる図5に示すコピー処理情報(dealManifest)から指定されたタイトル情報(title_id)に基づいてCPSユニットキーを選択する。
選択されたCPSユニットキーは、コピー対象データであるCPSユニットに対応する暗号化処理および復号処理に適用する鍵であり、このユニットキーを利用してユニット単位の復号処理が実行される。
【0089】
なお、タイトルに応じてユニット識別が実行され、例えばユニットに属するファイルが、図5に示すコピー処理情報(dealManifest)に含まれる各ファイル名、すなわち、
ストリーム(Stream)名[aaa.m2ts]、
クリップ情報(Clip Info)名[bbb.clpi]、
プレイリスト(PlayList)名[ccc..mpls]、
これらのファイル名を参照して第1メディアからのファイル取得が実行され、コピー処理が行われる。
【0090】
なお、ステップS107におけるコピー処理においては、先に説明したように、
(1)第1メディア110(コピー元メディア)からの暗号化コンテンツの読み出し、
(2)第1メディア110(コピー元メディア)対応の第1管理システムに従った暗号化コンテンツの復号処理、
(3)第2メディア150(コピー先メディア)対応の第2管理システムに従ったコンテンツの暗号化処理、
(4)暗号化コンテンツの第2メディア150(コピー先メディア)に対する記録処理、
このようなシーケンスに従って処理が実行される。
【0091】
図5に示すようにタイトル情報103を含むコピー処理情報(dealManifest)を利用する構成とすることで、情報処理装置120は、コピー処理情報(dealManifest)から、コピー対象ユニットに対応するタイトル情報を取得することが可能となる。この結果、情報処理装置120は、タイトルに対応するユニットキーを取得して、ユニット単位での復号処理を実行してコピー処理を迅速に行うことが可能となる。
【0092】
[4.再生パス指定コンテンツに対する対策について]
次に、コピー対象とするコンテンツ、すなわち、図2に示す例えばROMディスク等によって構成される第1メディア110に記録された暗号化コンテンツ113が再生パス指定コンテンツである場合に、スムーズなコピー処理を実現するための対策について説明する。
【0093】
まず、再生パス指定コンテンツについて図7を参照して説明する。コンテンツは前述したようにユニット単位でCPSユニットキーによる暗号化がなされていることが原則である。以下で説明するコンテンツは、図7(a)に示すように、コンテンツをセグメント部と非セグメント部に区分して、非セグメント部をCPSユニットキーによる暗号化データとし、セグメント部を複数の異なるバリエーションからなる構成として、各バリエーション毎に異なるセグメントキーで暗号化した構成とする設定としたコンテンツである。バリエーションデータは、例えば人間の視覚、聴覚では同一コンテンツと認識されるが、異なるオーディオウォータマークやビデオウォータマークを埋め込まれたデータや、同一のセグメントのバリエーションデータ間では、少しだけ異なるビデオデータ、または、オーディオデータを埋め込むなど、コンテンツのコピーが流出した場合において、そのセグメントにおけるいずれのバリエーションデータが再生されたかを特定できるデータとする。
【0094】
コンテンツ再生に際しては、複数のセグメント部から、特定のセグメントデータを選択して設定される特定のデータパス(データシーケンス)に沿ったコンテンツ再生を行なうことになる。非セグメント部ではCPSユニットキーによる復号処理を実行し、セグメント部は、セグメントキーファイルから取得可能なセグメントキー(Kseg)によって復号処理を実行して、コンテンツ再生を行なう。セグメントキーファイルとは、複数のセグメント部における、バリエーションデータに対するセグメントキーを暗号化したデータ(暗号化セグメントキー)を、分類番号毎にまとめて記録しているファイルである。分類番号とは、シーケンスキーブロックを、再生装置固有の鍵であるシーケンスキーで処理することにより取得されるプレイリストを選択するための再生装置に対応した番号である。更にセグメントキーファイル中で暗号化セグメントキーは、上記の通り分類番号毎に記録されているとともに、その中ではプレイアイテム毎に区分して記録されている。従って、分類番号及び対応のプレイアイテム番号が分かれば、そのバリエーションデータに対応するセグメントキーが特定される。
【0095】
コンテンツ再生処理を実行する情報処理装置は、非セグメント部対応のCPSユニットキーと、セグメント部に対応するセグメントキー(Kseg)を取得することが必要となる。セグメントキーとシーケンスキーの適用構成について、図7を参照して説明する。
【0096】
図7(a)は、メディア(情報記録媒体)に格納されたコンテンツの構成を示している。左から右に示す時間軸tに沿ってコンテンツが再生される。コンテンツは、メディア(情報記録媒体)に格納された複数(n個)のシーケンスキーブロック(SKB)から、各々求められる分類番号X1〜Xnによって、それぞれ選択されるn個のプレイリストX1〜Xnに対応するn個の再生区分に大きく分割されている。
【0097】
図7に示す例では、再生区分数:n=6であり、6個のシーケンスキーブロック(SKB)から、各々求められる分類番号X1〜X6によって、それぞれ選択される6個のプレイリストX1〜X6に対応する6個の再生区分に大きく分割されている。なお、ここでは、分類番号の識別情報X1〜X6とプレイリストの識別情報X1〜X6を同一の識別子X1〜X6として示しているが、これは理解を容易にするための例であり、分類番号の識別情報X1〜X6と、プレイリストの識別情報X1〜X6は対応づけられていればよく、異なる識別情報を用いてもよい。
【0098】
各プレイリストは、再生パスを決定するプレイアイテムシーケンス列の設定情報であり、例えば図に示すプレイリストX1は、図に示すプレイリストX1対応のコンテンツ部分に示す矢印に従った再生パスを再生コンテンツとして指定する情報を持つプレイリストである。プレイリストX2〜X6についても、各対応コンテンツ部分における再生パスを規定する。コンテンツ再生を実行する情報処理装置は、情報記録媒体に格納された複数(n個)のシーケンスキーブロック(SKB)から、分類番号X1〜Xnを求め、求めた分類番号に従ってそれぞれ選択されるn個のプレイリストX1〜Xnを選択して、これらの複数のプレイリストX1〜Xnを順次、適用してコンテンツ再生を実行する。
【0099】
例えば、まず、プレイリストX1を適用したコンテンツ再生を実行する情報処理装置は、プレイリストX1に従って決定される再生パス、すなわち、図に示す矢印に従ったコンテンツ構成データ(プレイアイテム)を選択して再生を行なう。コンテンツは、図に示すようにセグメント部と非セグメント部に区分され、非セグメント部はCPSユニットキーによって暗号化され、セグメント部は複数のバリエーションからなり、それぞれが異なるセグメントキーによって暗号化されたセグメントデータによって構成される。
【0100】
コンテンツ再生に際しては、非セグメント部ではCPSユニットキーによる復号処理を実行し、セグメント部では、プレイリストによって規定される特定のセグメントデータを選択して、情報記録媒体に記録されたセグメントキーファイルから取得されるセグメントキーによって復号処理を実行して、コンテンツ再生を行なう。
【0101】
プレイリストX2〜X6についても、同様、各プレイリストによって規定される再生パスに従った再生処理を実行する。
【0102】
なお、セグメントキーを格納したセグメントキーファイルは、メディアにコンテンツとともに格納されている。例えば図2に示す第1メディア110中の管理データ112中に格納される。
また、再生パスを規定するプレイリストX1〜Xnを選択するための分類番号X1〜Xnを求める際に必要となるシーケンスキーブロック(SKB)も管理データ112中に格納される。
【0103】
このようなシーケンスキー、セグメントキーを利用した再生コンテンツの再生処理に際して行われるセグメントキーの取得処理手順について、図8を参照して説明する。
図8には、シーケンスキー、セグメントキーを利用した再生が可能な暗号化コンテンツ244を格納した第1メディア110と、再生処理を行う情報処理装置120を示している。
【0104】
第1メディア110には、暗号鍵ブロックとしてのMKB(Media Key Block)241と、シーケンスキーブロック(SKB)242、セグメントキーファイル243が格納されている。なお、これらのデータは、図2に示す構成においては管理データ112中に含まれる。第1メディア110には、先に図2を参照して説明したコピー制御管理ファィル111等のデータが格納されているが、図8においては省略して示している。
【0105】
暗号鍵ブロックとしてのMKB(Media Key Block)241は、前述したように、ブロードキャストエンクリプション方式の一態様として知られる木構造の鍵配信方式に基づいて生成される暗号鍵ブロックとしてのMKB(Media Key Block)であり、情報処理装置120のメモリに格納されたデバイスキー251を適用した処理によって、メディアキー(Kd)を取り出すことができる。前述したように、情報処理装置が有効なライセンスを持つ場合にのみ、メディアキー(Km)の取得が可能となる。無効化(リボーク処理)された情報処理装置は、メディアキー(Km)の取得が不可能となる。
【0106】
シーケンスキーブロック(SKB)242に含まれる各シーケンスキーブロック(SKB1〜SKBn)は、再生パスを規定したプレイリストを選択するための分類番号(Variant No.)や、セグメントキーファイルに暗号化されて格納されたセグメントキーの復号取得に適用する情報(メディアキー変数(Kmv))などが格納され、コンテンツ再生処理を実行する情報処理装置は、各SKBから、これらの情報を取得する。
【0107】
図8に示す情報処理装置120の処理シーケンスについて説明する。まず、情報処理装置120は、自装置のメモリに格納されたデバイスキー(Kd)251を適用してステップS201においてMKB処理を実行してメディアキー(Km)を取得する。情報処理装置120がリボーク(不正機器として無効化)された機器でない限り、MKB処理に成功し、メディアキー(Km)を取得することができる。情報処理装置120がリボークされた機器である場合、MKB処理が失敗し、メディアキー(Km)を取得することができない。この場合、その後の処理は実行できず、コンテンツ再生は不可能となる。
【0108】
情報処理装置120がリボークされた機器でなく、MKB処理に成功してメディアキー(Km)を取得すると、次に、ステップS202において、取得したメディアキー(Km)と、情報処理装置に格納されたシーケンスキーファイルから取得したシーケンスキーを適用してSKBの処理を実行する。情報処理装置120は、メディアキー(Km)とシーケンスキーを適用したSKBの処理によって、分類番号261と、メディアキー変数(Kmv)262を取得することができる。
【0109】
分類番号261は、前述したようにプレイリストの選択情報として利用される。更にセグメントキーファイルの中から、対応するセグメントキーを取得する情報として、分類番号261を用いることができる。メディアキー変数(Kmv)262は、選択したプレイリストによって規定される再生パスに含まれるセグメントの構成データの復号に適用するセグメントキーを格納したセグメントキーファイルからのセグメントキー取得に適用する情報として利用される。
【0110】
情報処理装置120は、ステップS103において、第1メディア110に格納されたセグメントキーファイルを取得し、メディアキー変数(Kmv)262を利用した復号処理によりセグメントキー(Kseg)を取得する。
【0111】
このセグメントキー(Kseg)を利用して、先に図7を参照して説明した分類番号に対応するプレイリストによって選択されるデータパスに従ったデータ再生が可能となる。なお、CPSユニットキーは、CPSユニットキーファイルから別途取得することになる。
このように情報処理装置120は、メモリに格納されたシーケンスキーを用いて、メディア110から再生したシーケンスキーブロックに対しての処理により、分類番号を取得し、分類番号を用いて、プレイリストの識別情報を取得すると共に、再生パスに応じたデータを復号するための鍵を暗号化した暗号鍵を含むセグメントキーファイルから、該セグメントにおける特定のバリエーションに対応するセグメントキーを取得する。
なお、このシーケンスキーやセグメントキーを適用したコンテンツ再生処理については、本出願人の先の出願である特開2008−84445号公報に詳細に記載されている。
【0112】
このようなシーケンスキーやセグメントキーを適用した再生が必要な再生パス指定コンテンツについてのコピーを行う場合、先に図3を参照して説明したコピー処理情報(dealManifest)に記録されたデータのみでは、情報処理装置の利用できる再生パスに応じたプレイリストファイルを判別することができない。
【0113】
図7、図8を参照して説明したように、シーケンスキーやセグメントキーを適用した再生パス指定コンテンツの再生を行う場合、情報処理装置の持つシーケンスキーに従って選択される分類番号に対応するプレイリストを取得しなければならない。
【0114】
すなわち、情報処理装置各々が利用可能なプレイリストは異なり、コピー処理に際しては、この情報処理装置に対応付けられた利用可能なプレイリストを選択し、そのプレイリストによって規定された再生パスに沿ったコンテンツを復号することが必要となる。この復号処理に際しては、ユニットキー、セグメントキーを適用した復号処理を行わなければならない。
【0115】
しかし、図3に示したコピー処理情報(dealManifest)には、BDMVディレクトリ以下に設定されたファイル名が列挙されているのみである。どのプレイリストが自己の情報処理装置において利用可能なプレイリストであるかが判別できない。また再生パスに応じたユニットキーやセグメントキーを取得するための情報もない。
【0116】
シーケンスキーやセグメントキーを適用することで再生可能な再生パス指定コンテンツは、特定の再生パスに沿っ手差せいするコンテンツであり、この再生パスに沿ったデータは、情報処理装置に対応付けられた分類番号に基づいて決定されるプレイリストによって規定されている。すなわち、情報処理装置に対応して許容される特定の再生パスに対応する特定のプレイリストによってデータパスに対応する情報を持つクリップ情報ファイル、クリップAVストリームが決定される。
【0117】
コピー処理に際しては、情報処理装置の利用可能なプレイリストが正しく選択されれば、その選択されたプレイリストを適用して再生パスに対応するコピー対象データとしてのクリップ情報ファイルやクリップAVストリームは取得できる。従って、コピー処理に際して、必要となるのはプレイリストファイル名である。従って、コヒー処理時に参照するコピー処理情報(dealManifest)には、プレイリストファイル名は必要であるが、クリップ情報ファイル名や、クリップAVストリーム名などは含める必要がない。
【0118】
この状況に鑑み、シーケンスキーやセグメントキーを適用したコンテンツのコピー処理に際して情報処理装置(ユーザ装置)に提示するコピー処理情報(dealManifest)を図9に示すデータ構成とする。
【0119】
図9に示すコピー処理情報(dealManifest)は、
図2に示す管理サーバ140から情報処理装置120に提供されるコピー許容リスト121の格納情報、または、
第1メディア110に格納されたコピー制御管理ファイル(MCMF)111の格納情報、
上記の少なくともいずれかの格納情報として含める設定として、コピー処理を行う情報処理装置120が利用可能な構成とする。
すなわち、情報処理装置120が第1メディア110のコンテンツを、第2メディア150にコピーする際に参照可能な情報として設定される。
【0120】
図9に示すコピー処理情報(dealManifest)は、先に説明した図3、図5のデータと同様、XML記述データであり、以下の2つの情報によって構成される。
(a)ディレクトリ全体のファイルをコピー対象としてコピー処理を実行するための第1情報301[MCUALL]
(b)ディレクトリに設定された個別のファイルをコピー対象としてコピー処理を実行するための第2情報302[MCUPARTIAL]
【0121】
本例において提案するコピー処理情報(dealManifest)には、図5に示すデータと同様、タイトル情報303が含まれる。
タイトル情報303は、先に図1を参照して説明したユニットに対応するインデックスデータとし設定されたタイトルの識別情報である。なお、タイトル情報は、個別のタイトルを識別する情報であっても、タイトル自体であってもよい。
すなわち、コピー処理を実行する情報処理装置が、このタイトル情報303からコピー対象とするユニットに対応するタイトルデータを取得することができる情報であればよい。
【0122】
さらに、本例のコピー処理情報(dealManifest)は、第2情報302[MCUPARTIAL]にクリップ情報ファイル名や、クリップAVストリーム名などを記録していない。
図9に示すコピー処理情報(dealManifest)の第2情報302[MCUPARTIAL]には、プレイリストファイル名、すなわち、
<FileName>BDMV/PLAYLIST/00000.mpls</FileName>
このプレイリストファイル名は記録しているが、図3、図5に示されるクリップ情報(CLIPINF)、クリップAVストリーム(STREAM)等のファイル名を記録しない設定としている。
【0123】
これは、前述したように、コピー処理に際しては情報処理装置の利用可能なプレイリストが正しく選択されれば、その選択されたプレイリストを適用して再生パスに対応するコピー対象データとしてのクリップ情報ファイルやクリップAVストリームは取得できるからである。この理由に基づいて、図9に示すコピー処理情報(dealManifest)の第2情報302[MCUPARTIAL]には、プレイリストファイル名は記録しているが、クリップ情報ファイル名や、クリップAVストリーム名などは記録していない。
【0124】
次に、図10に示すフローチャートを参照して、再生パス指定コンテンツのコピー処理のシーケンスについて説明する。なお、このコピー処理に際しては、図9に示すコピー処理情報(dealManifest)を利用する。
【0125】
図10に示すフローは、図2に示す情報処理装置120において実行される。例えば情報処理装置120のCPUを有する制御部において、情報処理装置120内のメモリに予め格納されたプログラム(コピー処理(MC:Managed Copy)プログラム)を実行して処理が行われる。
【0126】
図10に示すフローチャートの各処理ステップの処理について説明する。
ステップS301において、情報処理装置120の表示部に表示されたメニューから、コピー処理(MC)プログラムを選択して起動する。
次に、ステップS302において、コピー許容リスト要求(Offer Rerquest)を実行する。この処理は、図2を参照して説明したステップS11の処理に対応し、管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)の送信処理として行われる。
【0127】
次にステップS303において、管理サーバ140から受信したコピー許容リスト(Offer list)を情報処理装置120の表示部に表示する。このリストは、図9を参照して説明したXML記述データとしてのコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報である。
【0128】
なお、コピー処理の実行時ではなく、ディスク装着時に管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)の送信処理を自動実行させる構成としてもよい。すなわち、情報処理装置120はディスク装着時に管理サーバ140から予めコピー許容リストを受信して情報処理装置内のメモリに格納する。
【0129】
この場合、コピー処理の実行時には、コピー許容リストは情報処理装置内のメモリに格納済みであるので、ステップS302〜S303の処理において管理サーバ140との通信は省略され、情報処理装置120内のメモリからコピー許容リストを読み出して表示する処理が行われることになる。
【0130】
次にステップS304において、処理(Offer)の選択を行う。具体的にはコピー対象データを特定する。この処理はユーザによる入力部を介した選択情報の入力処理として行われる。ユーザは、例えば図9を参照して説明したコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報に含まれるタイトルを指定することが可能となる。
【0131】
コピー対象データが決定されると、その情報が管理サーバ140に送信され、ステップS305において、予め規定されたシーケンスに従った決済処理が実行される。この処理は、図2に示す決済データ131を適用した処理に相当する。
【0132】
ステップS305の決済処理が完了すると、ステップS306に進み、コピー許可情報(Permission)を管理サーバ140から受信する。図2に示すコピー許可情報122の受信処理に対応する。
【0133】
次に、情報処理装置120は、ステップS307において、コピー対象としてユーザによってコピー処理情報(dealManifest)から選択されたタイトル情報を取得する。
【0134】
次にステップS308において、情報処理装置120は選択されたタイトル情報に基づいてタイトル情報に対応付けられたCPSユニットキーを取得する。前述したようにCPSユニットキー自身は、図2に示す管理データ112内のCPSユニットキーファイルに格納されている。CPSユニットキーファイルから特定のCPSユニットキーを取得するために、図1に示すユニットキー管理テーブルに記録されたユニットキー識別子(Ku1〜Kun)が利用され、ユニットキー識別子(Ku1〜Kun)に基づいてCPSユニットキーファイルからタイトル対応のユニットキーを取得する。
【0135】
次に、情報処理装置120は、ステップS309において、情報処理装置内のメモリに格納されたシーケンスキーを適用して、図8を参照して説明したSKB処理やAACS処理(図8のMKB処理など)を実行する。
【0136】
次に、ステップS310において情報処理装置は、コピー対象として選定したタイトル情報の対応する再生プログラム(Movie Object)によって指定されるプレイリスト(Play list)番号を取得する。これは、図8を参照して説明したSKB処理による分類番号の取得処理に相当する。なお、コピー対象コンテンツがJava(登録商標)アプリケーションによって起動されるコンテンツである場合は、Java(登録商標)アプリケーションであるBD−Jアプリケーションを実行してプレイリスト番号を取得する。
【0137】
次に、情報処理装置はステップS311において、セグメントキーをセグメントキーファイルから取得する。この処理は、図8を参照して説明したSKB処理によって取得したメディアキー変数を適用したセグメントキーファイル243の復号処理によるセグメントキーの取得処理に相当する。
【0138】
次に、情報処理装置は、ステップS312において、CPSユニットキーとセグメントキーを利用したコピー対象コンテンツの復号処理を実行する。この復号対象コンテンツは、ステップS307によって取得されたタイトル情報に対応するコンテンツであり、図8を参照して説明した処理に基づいて決定されるプレイリストによって選択される再生パスに対応したコンテンツである。
【0139】
次に、情報処理装置は、ステップS313において、復号済みコンテンツを利用して、コピー先メディアであるHDDやR/REディスク等の第2メディア150(図2参照)に対するコピーデータの記録処理を行う。
【0140】
なお、コピー処理は、先に説明したように、
(1)第1メディア110(コピー元メディア)からの暗号化コンテンツの読み出し、
(2)第1メディア110(コピー元メディア)対応の第1管理システムに従った暗号化コンテンツの復号処理、
(3)第2メディア150(コピー先メディア)対応の第2管理システムに従ったコンテンツの暗号化処理、
(4)暗号化コンテンツの第2メディア150(コピー先メディア)に対する記録処理、
このようなシーケンスに従って処理が実行される。
【0141】
図10に示すフローチャートを参照して説明した処理は、コピー対象コンテンツの再生処理を行うことなく、第1メディアの格納コンテンツを第2メディアにコピーする処理を実行するものである。
【0142】
次に、図11に示すフローチャートを参照して、まず、第1メディアの格納コンテンツの再生処理を実行し、コンテンツの再生処理を開始した後に、第2メディアに対するコピー処理を行う場合のシーケンスについて説明する。コンテンツ再生中は、例えば情報処理装置のディスプレイにコピー実行ボタンがUIとして表示される。ユーザがこのボタンに対する操作、例えばリモコン操作などによってコピー処理を開始するシーケンスである。
【0143】
図11に示すフローも、図2に示す情報処理装置120において実行される。例えば情報処理装置120のCPUを有する制御部において、情報処理装置120内のメモリに予め格納されたプログラム(コピー処理(MC:Managed Copy)プログラム)を実行して処理が行われる。
図11に示すフローチャートの各処理ステップの処理について説明する。
【0144】
ステップS351〜S354の処理は、シーケンスキーやセグメントキーを適用したコンテンツ再生シーケンスである。
ステップS351において、情報処理装置120は、情報処理装置内のメモリに格納されたシーケンスキーを適用して、図8を参照して説明したSKB処理を実行する。
【0145】
次に、ステップS352において情報処理装置は、ユーザによって再生対象として選定されたタイトル情報の対応する再生プログラム(Movie Object)によって選択されるプレイリスト(Play list)番号を取得する。これは、図8を参照して説明したSKB処理による分類番号の取得処理に相当する。
【0146】
次に、情報処理装置はステップS353において、セグメントキーをセグメントキーファイルから取得する。この処理は、図8を参照して説明したSKB処理によって取得したメディアキー変数を適用したセグメントキーファイル243の復号処理によるセグメントキーの取得処理に相当する。
【0147】
次に、情報処理装置は、ステップS354において、CPSユニットキーとセグメントキーを利用したコピー対象コンテンツの復号処理を実行する。なお、CPSユニットキーは、再生対象として選択されたタイトル情報に基づいて図1を参照して説明したユニットキー管理テーブルから取得されたユニットキーIDに基づいてユニットキーファイルから取得される。この再生対象コンテンツは、タイトル情報に対応するコンテンツであり、図8を参照して説明した処理に基づいて決定されるプレイリストによって選択される再生パスに対応したコンテンツである。
【0148】
次に、ステップS355において、再生中のタイトル対応コンテンツに含まれるユニットのコピー処理要求のユーザ入力の有無を判定する。コンテンツ再生中は、例えば情報処理装置のディスプレイにコピー実行ボタンがUI情報として表示される。情報処理装置の制御部は、このコピー実行ボタンの操作の有無を判定する。なお、情報処理装置あるいは付属のリモコンなどに設定されたコピー実行ボタンの入力を検出してもよい。
【0149】
ステップS355において、コピー処理要求のユーザ入力が検出されない場合は、ステップS356において再生処理を継続する。
一方、ステップS355において、コピー処理要求のユーザ入力が検出された場合は、ステップS357に進む。
【0150】
ステップS357では、情報処理装置120の表示部に表示されたメニューから、コピー処理(MC)プログラムを選択して起動する。
次に、ステップS358において、コピー許容リスト要求(Offer Rerquest)を実行する。この処理は、図2を参照して説明したステップS11の処理に対応し、管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)の送信処理として行われる。
【0151】
次にステップS359において、管理サーバ140から受信したコピー許容リスト(Offer list)を情報処理装置120の表示部に表示する。このリストは、図9を参照して説明したXML記述データとしてのコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報である。
【0152】
なお、前述したようにコピー処理の実行時ではなく、ディスク装着時に管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)の送信処理を自動実行させている場合は、コピー許容リストは情報処理装置内のメモリに格納済みであるので、ステップS358〜S359の処理において管理サーバ140との通信は省略され、情報処理装置120内のメモリからコピー許容リストを読み出して表示する処理が行われることになる。
【0153】
次にステップS360において、処理(Offer)の選択を行う。具体的にはコピー対象データを特定する。この処理はユーザによる入力部を介した選択情報の入力処理として行われる。ユーザは、例えば図9を参照して説明したコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報に含まれるタイトルを指定することが可能となる。
【0154】
コピー対象データが決定されると、その情報が管理サーバ140に送信され、ステップS361において、予め規定されたシーケンスに従った決済処理が実行される。この処理は、図2に示す決済データ131を適用した処理に相当する。
【0155】
ステップS361の決済処理が完了すると、ステップS362に進み、コピー許可情報(Permission)を管理サーバ140から受信する。図2に示すコピー許可情報122の受信処理である。
【0156】
次に、情報処理装置は、ステップS363において、コピー先メディアであるHDDやR/REディスク等の第2メディア150(図2参照)に対するコピーデータの記録処理を行う。なお、復号処理は、ステップS353において取得済みのセグメントキーと、タイトル情報に基づいて取得されるCPSユニットキーを利用した処理として行われる。
【0157】
本処理例は、図7を参照して説明した情報処理装置に対応して設定される再生パスに従って再生可能なコンテンツのコピーを実行する構成である。このコピー処理に際しては、CPSユニットキーとセグメントキーを利用した復号処理が必要となる。
【0158】
本処理例では、コピー処理を実行する情報処理装置120が、図9に示すようなタイトル情報を記録し、かつプレイリストファイル名を記録したコピー処理情報(dealManifest)を参照する構成としている。さらに、図8を参照して説明したシーケンスキーを利用した処理によって、プレイリストファイル名に対応するプレイリスト識別情報としての分類番号を取得し、かつセグメントキーを取得した上で、コピー処理を開始する構成としている。
これらの処理によって、情報処理装置対応の再生パスに従ったコンテンツを誤りなく取得して復号した上でコピー処理を実行することが可能となる。
【0159】
このように情報処理装置に対応して設定される再生パスに従った再生を行なうコンテンツのコピー処理においては、以下のような手順で処理が実行されることになる。
図9に示すコピー処理情報(dealManifest)を適用して指定されたタイトル指定情報を適用してCPSユニットキーを取得する。
さらに、図8に示すSKB処理を実行して、情報処理装置に対応して設定される再生パス(図7参照)の再生を実行するためのプレイリストを特定するための分類番号(プレイリスト名を特定可能な識別情報)を取得する。
分類番号を利用して図9に示すコピー処理情報(dealManifest)に記録されたプレイリスト名を利用して情報処理装置の利用可能なプレイリストを取得する。
【0160】
さらに、図8に示すSKB処理の結果として得られるセグメントキーとCPSユニットキーを利用して、選択されたプレイリストによって指定されるコンテンツ(AVストリームファイル)の復号処理を実行してコピー処理を行う。
なお、コピー処理に際しては、プレイリストおよびプレイリストによって指定されるクリップ情報ファイルのコピー処理も実行する。
このような処理によりスムーズなコピー処理が実現される。
【0161】
[5.コンテンツコードを利用した再生コンテンツに対する対策について]
次に、コピー対象とするコンテンツ、すなわち、図2に示す例えばROMディスク等の第1メディア110に記録された暗号化コンテンツ113がコンテンツコードを利用した処理によって再生可能なコンテンツである場合にスムーズなコピー処理を実現するための対策について説明する。
【0162】
まず、コンテンツコードを利用したコンテンツ再生処理について図12を参照して説明する。図12には、コンテンツコードを利用した再生コンテンツを記録した第1メディア110と第1メディア110の記録コンテンツの再生処理を実行する情報処理装置120を示している。
【0163】
図12に示すように、コンテンツコード401はコンテンツ402とともに第1メディア110に記録されている。コンテンツコード401には、様々なタイプのものがある。例えば、
コンテンツ402の再生処理が予め規定されたシーケンスで正しく実行されているかの再生シーケンス、あるいはコンテンツの正当性等の検証処理を実行するコンテンツコード、
コンテンツ402の構成データの変換処理を実行するコンテンツコード、
これらのコンテンツコードがある。
コンテンツコードは、このような様々な処理を実行するプログラムであり、再生処理を実行する情報処理装置において実行される。
【0164】
例えば、図12に示すコンテンツコード401は、コンテンツ402の再生処理が予め規定されたシーケンスで正しく実行されているかの検証処理を実行するコンテンツコードである。情報処理装置120において、第1メディア110から読み出したコンテンツ402を再生する場合、コンテンツコード401によって、情報処理装置120の再生シーケンスが検証(チェック)される。例えば具体的には、タイトル#1、タイトル#2、タイトル#3・・といった規定のシーケンスに従って正しく再生処理が実行されているか否か、あるいはメニューの表示の後にタイトルの指定が正しく行われているかなどの検証処理が行われる。
このような規定の処理に従った処理が実行されていないことが検出された場合は、強制的に再生処理が停止されることになる。
【0165】
また、図13に示すコンテンツコードは、コンテンツ402の構成データの変換処理を実行するコンテンツコードの例を示している。
第1メディア110に記録されたコンテンツ402は、図13に示すように、変形されていない正常なコンテンツデータ421a,b,c・・と、変形が加えられ破壊されたコンテンツであるブロークンデータ422a,b,・・によって構成される。ブロークンデータ422は、本来のコンテンツに対してデータ処理によって破壊が施されたデータである。従って、このブロークンデータを含むコンテンツ402を適用して正常なコンテンツ再生は実行できない。
【0166】
コンテンツ再生を行なうためには、記録コンテンツ402に含まれるブロークンデータ422a,b・・・を正常なコンテンツデータに置き換える処理を行なって再生コンテンツ450を生成することが必要となる。各ブロークンデータ領域に対応する正常なコンテンツデータとしての変換用のデータ(変換データ)は、コンテンツコード401内の変換テーブル(FUT(Fix-Up Table))411に登録された変換エントリ430から取得される。ブロークンデータ領域のデータを変換エントリ430から取得される変換データ433a,b・・・によって置き換える処理を実行して、再生コンテンツ450を生成して再生を実行する。
なお、このようなコンテンツコードの構成については、本出願人の先の出願である特許4140624号公報に記載がある。
【0167】
このようにコンテンツコードを適用した再生シーケンスやコンテンツの検証処理、あるいはコンテンツ構成データ変換処理の実行を条件として再生を行うコンテンツについてコピーを実行する場合は、再生処理と同様、コンテンツコードを適用した検証処理やデータ変換処理の実行が必要となる。
【0168】
このようなコンテンツコード適用コンテンツのコピー処理のシーケンスについて図14を参照して説明する。
図14には、再生時にコンテンツコードを適用した検証処理あるいは変換処理を行うことが要請されるコンテンツ402を格納した第1メディア110と、コンテンツ402の再生やコピー処理を実行する情報処理装置120を示している。第1メディア110は、図2に示す第1メディア110に対応する。
【0169】
第1メディア110は、コンテンツ402、コンテンツコード401、管理データ403、コピー制御管理ファイル(MCMF)404を格納している。この第1メディア110は、図2に示す第1メディアと同様、コピー元のコンテンツを格納したメディアである。管理データ403にはCPSユニットキー等の鍵情報などが格納されている。また、コピー制御管理ファイル(MCMF)404には、先に図5等を参照して説明したコピー処理情報(dealManifest)を含むファイル(MCMF)が格納されている。
【0170】
図14の右側に示す表示装置450は、再生コンテンツの表示部として利用される。第2メディア150は、第1メディア110の記録コンテンツのコピー先メデイアであり、例えばHDDやR/REディスク等によって構成される。
【0171】
情報処理装置120は、コンテンツのコピー処理を行う場合、まずコンテンツ再生処理を行う。まず、ステップS501において前処理を実行する。具体的には、ユーザによって指定された再生コンテンツの復号に利用するCPSユニットキーを管理データ403から取得する。
【0172】
コンテンツ再生処理はタイトル選択情報を含む初期メニューを表示装置450に表示して、ユーザによるタイトル選択によって開始される。従って、先に図1を参照して説明したユニットキー管理テーブルの対応データに基づいてタイトルから必要となるCPSユニットキーが取得される。
ステップS502においてCPSユニットキーを用いたコンテンツ402の復号処理が実行される。
【0173】
その後、ステップS503において、コンテンツコード401を適用した処理が行われる。このコンテンツコード適用処理は、例えば、図12を参照して説明した再生シーケンスの検証やコンテンツの正当性の検証処理、あるいは図13を参照して説明したコンテンツの変換処理などである。
【0174】
これらのコンテンツコード適用処理が完了した場合(ステップS504でYes)は、コンテンツの再生処理のためのデコード処理(ステップS505)、あるいはコンテンツコピー処理(ステップS506)が実行される。
【0175】
なお、コンテンツコード適用処理が完了しない場合、例えばコンテンツコードによる再生シーケンス検証処理において、予め規定された再生シーケンスに従った処理が実行されていないことが検出された場合や、変換データによる変換処理に失敗した場合などには、ステップS504の判定がNoとなり、ステップS511に進み、処理が停止される。
【0176】
なお、ステップS506のコンテンツコピー処理においては、コピー制御管理ファイル(MCMF)を適用した処理が行われる。具体的には、先に図6のフローチャートを参照して説明した処理が実行されることになる。
すなわち、情報処理装置120の表示部、あるいは図14に示す表示装置450に表示されたメニューから、コピー処理(MC)プログラムを選択して起動し、コピー許容リスト要求(Offer Rerquest)を実行して管理サーバに対してコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)を送信する。
【0177】
次に管理サーバから受信したコピー許容リスト(Offer list)を表示部に表示する。例えば図5を参照して説明したXML記述データとしてのコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報である。
【0178】
次に、コピー対象データを、例えばタイトル指定によって実行し、予め規定されたシーケンスに従った決済処理が実行する。この処理は、図2に示す決済データ131を適用した処理に相当する。決済処理が完了すると、コピー許可情報(Permission)を管理サーバら受信する。図2に示すコピー許可情報122の受信処理である。これらの処理の後、情報処理装置120は、コピー処理を実行する。
【0179】
なお、このコピー処理においてはユニット単位の復号処理が実行される。なお、この場合は、再生コンテンツの選択時にタイトル指定によって既にCPSユニットキーが選定されているので、新たにCPSユニットキーを選択することは必要とならない。
【0180】
なお、コピー対象とするユニットが再生コンテンツの一部のユニットのみである場合などには、コピー処理に際して、図5を参照して説明したコピー処理情報(dealManifest)から選択されたタイトルに基づいてコピー処理に適用するCPSユニットキーを選択して復号処理を行うことができる。
【0181】
上述したように、コピー対象コンテンツが、コンテンツコードによる検証または変換処理対象となるコンテンツ(コンテンツコード適用コンテンツ)である場合は、コピー処理に際して以下の処理を行う。
コピー処理開始前に、規定の再生シーケンスに従ったコンテンツ再生処理を実行し、コンテンツコードを利用した検証処理や変換処理を実行させる。
その後、コピー処理に移行する。
コピー処理に際しては、図5または図9に示すコピー処理情報(dealManifest)を適用して再生時に指定されたタイトル指定情報を適用してCPSユニットキーを取得し、取得したCPSユニットキーを適用してコピー対象のコンテンツをCPSユニット単位で復号してコピー処理を行う。
これらの処理によってスムーズなコピー処理が実現される。
【0182】
[6.コピー元のデータタイプを判別してコピー処理を実行する実施例について]
上述したように、第1メディアに記録されたコピー対象となるデータのタイプとしては、様々なコンテンツがある。例えばデータタイプ(コンテンツタイプ)として以下の3つに区分することができる。
(a)CPSユニットキーで暗号化されたコンテンツ(ユニット暗号化コンテンツ)
(b)CPSユニットキーとセグメントキーで暗号化された情報処理装置対応のプレイリストによって選択される再生パスを選択して再生されるコンテンツ(再生パス指定コンテンツ)
(c)コンテンツコードによる検証または変換処理対象となるコンテンツ(コンテンツコード適用コンテンツ)
なお、(a)〜(c)のいずれのコンテンツもユニット単位で暗号化されたコンテンツである。
【0183】
コピー処理を実行する情報処理装置は、コピー対象のコンテンツが上記のいずれであるかに応じて異なる処理を行うことが必要となる。
以下では、これらのコンテンツ態様(コンテンツタイプ)を判別して、判別結果に応じたコピー処理を実行する実施例について図15と図16に示すフローチャートを参照して説明する。
【0184】
図15に示すフローチャートは、図2に示す情報処理装置120が、コピー対象コンテンツを記録した第1メディア110の装着時に管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Request)の送信を実行して、予め管理サーバ140からコピー許容リスト(Offerlist)を受信して情報処理装置内のメモリに格納した後、コピー処理プログラム(MCプログラム)を起動してコピー処理を実行する場合のシーケンスである。
【0185】
一方、図16に示すフローチャートは、図2に示す情報処理装置120が、コピーを実行する場合にコピー処理プログラム(MCプログラム)を起動し、その後で管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Request)の送信を実行して、コピー実行直前に管理サーバ140からコピー許容リスト(Offerlist)を受信してコピー処理を行う場合のシーケンスである。
【0186】
まず、図15に示すフローチャートを参照して、ディスク装着時に予め管理サーバ140からコピー許容リスト(Offerlist)を受信して情報処理装置内のメモリに格納して処理を実行する場合のシーケンスについて説明する。
この処理フローは、コピー対象のコンテンツ、すなわち図2に示す第1メディア110に記録されたコンテンツのタイプ(コンテンツ態様)を判別して、判別結果に応じたコピー処理を実行するシーケンスである。
【0187】
図15に示すフローは、図2に示す情報処理装置120において実行される。例えば情報処理装置120のCPUを有する制御部において、情報処理装置120内のメモリに予め格納されたプログラム(コピー処理(MC:Managed Copy)プログラム)を実行して処理が行われる。
【0188】
図15に示すフローチャートの各処理ステップの処理について説明する。
ステップS601において、情報処理装置120の表示部に表示されたメニューから、コピー処理(MC)プログラムを選択して起動し、コピー許容リスト要求(Offer Rerquest)を実行する。この処理は、図2を参照して説明したステップS11の処理に対応し、管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)の送信処理として行われる。このように、図15に示すフローは、ディスク装着時に管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)の送信処理を自動実行させるフローである。この処理によって、管理サーバ140から取得したコピー許容リストは情報処理装置内のメモリに格納される。
【0189】
次に、情報処理装置120は、ステップS602において、コピー元のコンテンツを記録した第1メディア110(図2参照)のディレクトリを検証し、再生パス指定コンテンツ、またはコンテンツコード適用コンテンツに対応するコンテンツやデータを設定したディレクトリがあるか否かの確認処理を実行する。
【0190】
なお、前述したように、第1メディア110に記録されたコピー対象コンテンツは、以下の(a)〜(c)のいずれかのタイプであるものとする。
(a)CPSユニットキーで暗号化されたコンテンツ(ユニット暗号化コンテンツ)
(b)CPSユニットキーとセグメントキーで暗号化された情報処理装置対応のプレイリストによって選択される再生パスを選択して再生されるコンテンツ(再生パス指定コンテンツ)
(c)コンテンツコードによる検証または変換処理対象となるコンテンツ(コンテンツコード適用コンテンツ)
【0191】
ステップS602において、コピー元のコンテンツを記録した第1メディア110のディレクトリに再生パス指定コンテンツまたはコンテンツコード適用コンテンツに対応するコンテンツやデータを設定したディレクトリがないと判定した場合は、第1メディア110のコンテンツ、すなわちコピー対象コンテンツは、上記の(a)、すなわち、
(a)CPSユニットキーで暗号化されたコンテンツ(ユニット暗号化コンテンツ)
であると判定する。
【0192】
この場合は、ステップS621〜S625の各処理を実行した後、ステップS616においてコピー処理を行う。すなわち、以下の処理を順次、実行する。
【0193】
ステップS621
管理サーバ140から受信したコピー許容リスト(Offer list)を情報処理装置120の表示部に表示する。ステップS601の処理によって、ディスク装着時に受信済みのコピー許容リスト(Offer list)をメモリから取り出して表示する。このリストは、図5を参照して説明したXML記述データとしてのコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報である。
【0194】
ステップS622
処理(Offer)の選択を行う。具体的にはコピー対象データを特定する。この処理はユーザによる入力部を介した選択情報の入力処理として行われる。ユーザは、例えば図5を参照して説明したコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報に含まれるタイトルを指定することが可能となる。コピー対象データが決定されると、その情報が管理サーバ140に送信される。
【0195】
ステップS623
予め規定されたシーケンスに従った決済処理が実行される。この処理は、図2に示す決済データ131を適用した処理に相当する。
【0196】
ステップS624
コピー許可情報(Permission)を管理サーバ140から受信する。図2に示すコピー許可情報122の受信処理である。
【0197】
ステップS625
コピー対象として選択したタイトル情報に基づいてコピー対象データ(CPSユニット)に対して適用する復号鍵であるCPSユニットキーが取得される。CPSユニットキーは、再生対象として選択されたタイトル情報に基づいて図1を参照して説明したユニットキー管理テーブルから取得されたユニットキーIDに基づいてユニットキーファイルから取得される。
【0198】
ステップS616
ステップS625において取得したCPSユニットキーにを適用して、タイトル情報に対応して選択されるコンテンツの復号処理が実行されてコピー処理が行われる。なお、コピー処理における第2メディアに対する記録処理においては、第2メディア対応のコンテンツ管理システムに従った再暗号化を行うことが好ましい。例えばCPRM、MagicGate、VCPSなど、メディアに応じた様々なコンテンツ管理システムに従った再暗号化処理である。
【0199】
次に、ステップS602の判定処理においてYesと判定された場合の処理について説明する。すなわち、ステップS602において、コピー元のコンテンツを記録した第1メディア110のディレクトリに再生パス指定コンテンツまたはコンテンツコード適用コンテンツに対応するコンテンツやデータを設定したディレクトリがあると判定した場合の処理である。この場合、第1メディア110に記録されたコピー対象コンテンツは、
(b)CPSユニットキーとセグメントキーで暗号化された情報処理装置対応のプレイリストによって選択される再生パスを選択して再生されるコンテンツ(再生パス指定コンテンツ)
(c)コンテンツコードによる検証または変換処理対象となるコンテンツ(コンテンツコード適用コンテンツ)
上記(b),(c)のいずれかのコンテンツであると判定する。
【0200】
この場合は、次のステップS603において、シーケンスキーブロック(SKB)がコピー対象コンテンツを記録した第1メディア110に記録されているか否かを判定する。シーケンスキーブロック(SKB)は、図8を参照して説明したように、再生パス指定コンテンツの再生時に適用する鍵情報を格納したブロックであり、このシーケンスキーブロック(SKB)があれば、第1メディア110に記録されたコンテンツは、再生パス指定コンテンツであると判定する。
【0201】
ステップS603において、シーケンスキーブロック(SKB)がディスク(第1メディア110)上にあると判定した場合はステップS604に進み、ないと判定した場合は、ステップS608に進む。なお、ないと判定した場合は、第1メディア110に記録されたコンテンツは、コンテンツコード適用コンテンツであると判定する。
【0202】
ステップS603において、SKBがディスク(第1メディア110)に記録され、記録コンテンツが再生パス指定コンテンツであると判定した場合は、ステップS604に進み、情報処理装置120は、情報処理装置内のメモリに格納されたシーケンスキーを適用して、図8を参照して説明したSKB処理を実行する。
【0203】
次に、ステップS605において情報処理装置は、ユーザによって再生対象として選定されたタイトル情報の対応する再生プログラム(Movie Object)によって指定されるプレイリスト(Play list)番号を取得する。これは、図8を参照して説明したSKB処理による分類番号の取得処理に相当する。
【0204】
次に、情報処理装置はステップS606において、セグメントキーをセグメントキーファイルから取得する。この処理は、図8を参照して説明したSKB処理によって取得したメディアキー変数を適用したセグメントキーファイル243の復号処理によるセグメントキーの取得処理に相当する。
さらに、情報処理装置はステップS607において、コンテンツコードがディスク上にあるか否かを検証し、ない場合はステップS609に進み、ある場合はステップS608に進む。
【0205】
コンテンツコードがディスク上に無い場合、情報処理装置は、ステップS609において、CPSユニットキーとセグメントキーを利用したコピー対象コンテンツの復号処理および再生処理を実行する。なお、CPSユニットキーは再生対象として選択されたタイトル情報に基づいて図1を参照して説明したユニットキー管理テーブルから取得されたユニットキーIDに基づいてユニットキーファイルから取得される。この再生対象コンテンツは、タイトル情報に対応するコンテンツであり、図8を参照して説明した処理に基づいて決定されるプレイリストによって選択される再生パスに対応したコンテンツである。
【0206】
一方、ステップS603において、シーケンスキーブロック(SKB)がディスク(第1メディア110)上にないと判定した場合は、第1メディア110に記録されたコンテンツは、コンテンツコード適用コンテンツであると判定してステップS608に進む。また、ステップS607においてコンテンツコードがディスク上にあると判定した場合もステップS608に進む。
【0207】
ステップS608では、コンテンツコードを適用した処理が行われる。このコンテンツコード適用処理は、例えば、図12を参照して説明した再生シーケンスの検証(チェック)処理、あるいは図13を参照して説明したコンテンツの変換処理などである。
【0208】
コンテンツコード適用処理が完了した場合、ステップS609に進み、コンテンツの再生処理のためのデコード処理が実行されて、コンテンツ再生処理が開始される。なお、コンテンツコード適用処理が完了しない場合、例えばコンテンツコードによる再生シーケンス検証処理において、予め規定された再生シーケンスに従った処理が実行されていないことが検出された場合や、変換データによる変換処理に失敗した場合などには再生処理は中止される。
【0209】
ステップS609においてコンテンツの再生処理が開始された後、ステップS610において、再生中のタイトル対応コンテンツに含まれるユニットのコピー処理要求のユーザ入力の有無を判定する。コンテンツ再生中は、例えば情報処理装置のディスプレイにコピー実行ボタンがUI情報として表示される。情報処理装置の制御部は、このコピー実行ボタンの操作の有無を判定する。なお、情報処理装置あるいは付属のリモコンなどに設定されたコピー実行ボタンの入力を検出してもよい。
【0210】
ステップS610において、コピー処理要求のユーザ入力が検出されない場合は、ステップS631において再生処理を継続する。
一方、ステップS610において、コピー処理要求のユーザ入力が検出された場合は、ステップS611に進む。
【0211】
ステップS611では、情報処理装置120の表示部に表示されたメニューから、コピー処理(MC)プログラムを選択して起動する。
次に、ステップS612において、第1メディア110の装着時に予め管理サーバ140から受信したコピー許容リスト(Offer list)を情報処理装置120のメモリから取得して表示部に表示する。このリストは、図5または図9を参照して説明したXML記述データとしてのコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報である。
【0212】
なお、コピー対象データが再生パス指定コンテンツである場合は、図9に示すコピー処理情報(dealManifest)が利用可能である。なお、図5に示すコピー処理情報(dealManifest)は図9に示すコピー処理情報(dealManifest)の記録データを全て含んでおり、図5に示すコピー処理情報(dealManifest)は、コピー対象データが再生パス指定コンテンツである場合も、コンテンツコード適用コンテンツである場合にも利用可能であり、この図5に示すコピー処理情報(dealManifest)を共通に利用してもよい。
【0213】
次にステップS613において、処理(Offer)の選択を行う。具体的にはコピー対象データを特定する。この処理はユーザによる入力部を介した選択情報の入力処理として行われる。ユーザは、例えば図5または図9を参照して説明したコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報に含まれるタイトルを指定することが可能となる。
【0214】
コピー対象データが決定されると、その情報が管理サーバ140に送信され、ステップS614において、予め規定されたシーケンスに従った決済処理が実行される。この処理は、図2に示す決済データ131を適用した処理に相当する。
【0215】
ステップS614の決済処理が完了すると、ステップS615に進み、コピー許可情報(Permission)を管理サーバ140から受信する。図2に示すコピー許可情報122の受信処理である。
【0216】
次に、情報処理装置は、ステップS616において、コピー先メディアであるHDDやR/REディスク等の第2メディア150(図2参照)に対するコピーデータの記録処理を行う。
【0217】
なお、コピー処理に際して、コピー対象コンテンツが再生パス指定コンテンツである場合は、コンテンツの復号処理は、ステップS606において取得済みのセグメントキーと、タイトル情報に基づいて取得されるCPSユニットキーを利用した処理として行われる。
この場合、図7を参照して説明した情報処理装置に対応して設定される再生パスに従って再生されるコンテンツの復号処理が行われる。
【0218】
一方、コピー対象コンテンツがコンテンツコード適用コンテンツである場合は、コンテンツの復号処理は、タイトル情報に基づいて取得されるCPSユニットキーを利用した処理として行われる。
【0219】
次に、図16に示すフローチャートを参照して、図2に示す情報処理装置120が、コピーを実行する場合にコピー処理プログラム(MCプログラム)を起動した後に、管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Request)の送信を実行して、コピー実行直前に管理サーバ140からコピー許容リスト(Offerlist)を受信して処理を実行する場合のシーケンスについて説明する。
この処理フローも、コピー対象のコンテンツ、すなわち図2に示す第1メディア110に記録されたコンテンツのタイプ(コンテンツ態様)を判別して、判別結果に応じたコピー処理を実行するシーケンスである。
【0220】
図16に示すフローは、図2に示す情報処理装置120において実行される。例えば情報処理装置120のCPUを有する制御部において、情報処理装置120内のメモリに予め格納されたプログラム(コピー処理(MC:Managed Copy)プログラム)を実行して処理が行われる。
【0221】
図16に示すフローチャートの各処理ステップの処理について説明する。
情報処理装置120は、ステップS701において、コピー元のコンテンツを記録した第1メディア110(図2参照)のディレクトリを検証し、再生パス指定コンテンツ、またはコンテンツコード適用コンテンツに対応するコンテンツやデータを設定したディレクトリがあるか否かの確認処理を実行する。
【0222】
第1メディア110に記録されたコピー対象コンテンツは、以下の(a)〜(c)のいずれかのタイプである。
(a)CPSユニットキーで暗号化されたコンテンツ(ユニット暗号化コンテンツ)
(b)CPSユニットキーとセグメントキーで暗号化された情報処理装置対応のプレイリストによって選択される再生パスを選択して再生されるコンテンツ(再生パス指定コンテンツ)
(c)コンテンツコードによる検証または変換処理対象となるコンテンツ(コンテンツコード適用コンテンツ)
【0223】
ステップS702において、コピー元のコンテンツを記録した第1メディア110のディレクトリに再生パス指定コンテンツまたはコンテンツコード適用コンテンツに対応するコンテンツやデータを設定したディレクトリがないと判定した場合は、第1メディア110のコピー対象コンテンツは、(a)CPSユニットキーで暗号化されたコンテンツ(ユニット暗号化コンテンツ)であると判定する。
【0224】
この場合は、ステップS721〜S726の各処理を実行した後、ステップS716においてコピー処理を行う。すなわち、以下の処理を順次、実行する。
【0225】
ステップS721
情報処理装置120の表示部に表示されたメニューから、コピー処理(MC)プログラムを選択して起動し、コピー許容リスト要求(Offer Rerquest)を実行する。この処理は、図2を参照して説明したステップS11の処理に対応し、管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)の送信処理として行われる。
【0226】
ステップS722
管理サーバ140から受信したコピー許容リスト(Offer list)を情報処理装置120の表示部に表示する。このリストは、図5を参照して説明したXML記述データとしてのコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報である。
【0227】
ステップS723
処理(Offer)の選択を行う。具体的にはコピー対象データを特定する。この処理はユーザによる入力部を介した選択情報の入力処理として行われる。ユーザは、例えば図5を参照して説明したコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報に含まれるタイトルを指定することが可能となる。コピー対象データが決定されると、その情報が管理サーバ140に送信される。
【0228】
ステップS724
予め規定されたシーケンスに従った決済処理が実行される。この処理は、図2に示す決済データ131を適用した処理に相当する。
【0229】
ステップS725
コピー許可情報(Permission)を管理サーバ140から受信する。図2に示すコピー許可情報122の受信処理である。
【0230】
ステップS726
コピー対象として選択したタイトル情報に基づいてコピー対象データ(CPSユニット)に対して適用する復号鍵であるCPSユニットキーが取得される。CPSユニットキーは、再生対象として選択されたタイトル情報に基づいて図1を参照して説明したユニットキー管理テーブルから取得されたユニットキーIDに基づいてユニットキーファイルから取得される。
【0231】
ステップS716
ステップS726において取得したCPSユニットキーにを適用して、タイトル情報に対応して選択されるコンテンツの復号処理が実行されてコピー処理が行われる。なお、コピー処理における第2メディアに対する記録処理においては、第2メディア対応のコンテンツ管理システムに従った再暗号化を行うことが好ましい。例えばCPRM、MagicGate、VCPSなど、メディアに応じた様々なコンテンツ管理システムに従った再暗号化処理である。
【0232】
次に、ステップS701の判定処理においてYesと判定された場合の処理について説明する。すなわち、ステップS701において、コピー元のコンテンツを記録した第1メディア110のディレクトリに再生パス指定コンテンツまたはコンテンツコード適用コンテンツに対応するコンテンツやデータを設定したディレクトリがあると判定した場合の処理である。この場合、第1メディア110に記録されたコピー対象コンテンツは、
(b)CPSユニットキーとセグメントキーで暗号化された情報処理装置対応のプレイリストによって選択される再生パスを選択して再生されるコンテンツ(再生パス指定コンテンツ)
(c)コンテンツコードによる検証または変換処理対象となるコンテンツ(コンテンツコード適用コンテンツ)
上記(b),(c)のいずれかのコンテンツであると判定する。
【0233】
この場合は、次のステップS702において、シーケンスキーブロック(SKB)がコピー対象コンテンツを記録した第1メディア110に記録されているか否かを判定する。シーケンスキーブロック(SKB)は、図8を参照して説明したように、再生パス指定コンテンツの再生時に適用する鍵情報を格納したブロックであり、このシーケンスキーブロック(SKB)があれば、第1メディア110に記録されたコンテンツは、再生パス指定コンテンツであると判定する。
【0234】
ステップS702において、シーケンスキーブロック(SKB)がディスク(第1メディア110)上にあると判定した場合はステップS703に進み、ないと判定した場合は、ステップS707に進む。なお、ないと判定した場合は、第1メディア110に記録されたコンテンツは、コンテンツコード適用コンテンツであると判定する。
【0235】
ステップS702において、SKBがディスク(第1メディア110)に記録され、記録コンテンツが再生パス指定コンテンツであると判定した場合は、ステップS703に進み、情報処理装置120は、情報処理装置内のメモリに格納されたシーケンスキーを適用して、図8を参照して説明したSKB処理を実行する。
【0236】
次に、ステップS704において情報処理装置は、ユーザによって再生対象として選定されたタイトル情報の対応する再生プログラム(Movie Object)によって指定されるプレイリスト(Play list)番号を取得する。これは、図8を参照して説明したSKB処理による分類番号の取得処理に相当する。
【0237】
次に、情報処理装置はステップS705において、セグメントキーをセグメントキーファイルから取得する。この処理は、図8を参照して説明したSKB処理によって取得したメディアキー変数を適用したセグメントキーファイル243の復号処理によるセグメントキーの取得処理に相当する。
さらに、情報処理装置はステップS706において、コンテンツコードがディスク上にあるか否かを検証し、ない場合はステップS708に進み、ある場合はステップS707に進む。
【0238】
コンテンツコードがディスク上に無い場合、情報処理装置は、ステップS708において、CPSユニットキーとセグメントキーを利用したコピー対象コンテンツの復号処理および再生処理を実行する。なお、CPSユニットキーは、再生対象として選択されたタイトル情報に基づいて図1を参照して説明したユニットキー管理テーブルから取得されたユニットキーIDに基づいてユニットキーファイルから取得される。この再生対象コンテンツは、タイトル情報に対応するコンテンツであり、図8を参照して説明した処理に基づいて決定されるプレイリストによって選択される再生パスに対応したコンテンツである。
【0239】
一方、ステップS702において、シーケンスキーブロック(SKB)がディスク(第1メディア110)上にないと判定した場合は、第1メディア110に記録されたコンテンツは、コンテンツコード適用コンテンツであると判定してステップS707に進む。また、ステップS706においてコンテンツコードがディスク上にあると判定した場合もステップS707に進む。
【0240】
ステップS707では、コンテンツコードを適用した処理が行われる。このコンテンツコード適用処理は、例えば、図12を参照して説明した再生シーケンスの検証(チェック)処理、あるいは図13を参照して説明したコンテンツの変換処理などである。
【0241】
コンテンツコード適用処理が完了した場合、ステップS708に進み、コンテンツの再生処理のためのデコード処理が実行されて、コンテンツ再生処理が開始される。なお、コンテンツコード適用処理が完了しない場合、例えばコンテンツコードによる再生シーケンス検証処理において、予め規定された再生シーケンスに従った処理が実行されていないことが検出された場合や、変換データによる変換処理に失敗した場合などには再生処理は中止される。
【0242】
ステップS708においてコンテンツの再生処理が開始された後、ステップS709において、再生中のタイトル対応コンテンツに含まれるユニットのコピー処理要求のユーザ入力の有無を判定する。コンテンツ再生中は、例えば情報処理装置のディスプレイにコピー実行ボタンがUI情報として表示される。情報処理装置の制御部は、このコピー実行ボタンの操作の有無を判定する。なお、情報処理装置あるいは付属のリモコンなどに設定されたコピー実行ボタンの入力を検出してもよい。
【0243】
ステップS709において、コピー処理要求のユーザ入力が検出されない場合は、ステップS731において再生処理を継続する。
一方、ステップS709において、コピー処理要求のユーザ入力が検出された場合は、ステップS710に進む。
【0244】
ステップS710では、情報処理装置120の表示部に表示されたメニューから、コピー処理(MC)プログラムを選択して起動する。
次に、ステップS711において、情報処理装置120の表示部に表示されたメニューから、コピー処理(MC)プログラムを選択して起動し、コピー許容リスト要求(Offer Rerquest)を実行する。この処理は、図2を参照して説明したステップS11の処理に対応し、管理サーバ140に対するコピー許容リスト要求(Offer Rerquest)の送信処理として行われる。
【0245】
次に、ステップS712において、第1メディア110の装着時に予め管理サーバ140から受信したコピー許容リスト(Offer list)を情報処理装置120のメモリから取得して表示部に表示する。このリストは、図5または図9を参照して説明したXML記述データとしてのコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報である。
【0246】
なお、コピー対象データが再生パス指定コンテンツである場合は、図9に示すコピー処理情報(dealManifest)が利用可能である。なお、図5に示すコピー処理情報(dealManifest)は図9に示すコピー処理情報(dealManifest)の記録データを全て含んでおり、図5に示すコピー処理情報(dealManifest)は、コピー対象データが再生パス指定コンテンツである場合も、コンテンツコード適用コンテンツである場合にも利用可能であり、この図5に示すコピー処理情報(dealManifest)を共通に利用してもよい。
【0247】
次にステップS713において、処理(Offer)の選択を行う。具体的にはコピー対象データを特定する。この処理はユーザによる入力部を介した選択情報の入力処理として行われる。ユーザは、例えば図5または図9を参照して説明したコピー処理情報(dealManifest)に基づいて生成される表示情報に含まれるタイトルを指定することが可能となる。
【0248】
コピー対象データが決定されると、その情報が管理サーバ140に送信され、ステップS714において、予め規定されたシーケンスに従った決済処理が実行される。この処理は、図2に示す決済データ131を適用した処理に相当する。
【0249】
ステップS714の決済処理が完了すると、ステップS715に進み、コピー許可情報(Permission)を管理サーバ140から受信する。図2に示すコピー許可情報122の受信処理である。
【0250】
次に、情報処理装置は、ステップS716において、コピー先メディアであるHDDやR/REディスク等の第2メディア150(図2参照)に対するコピーデータの記録処理を行う。
【0251】
なお、コピー処理に際して、コピー対象コンテンツが再生パス指定コンテンツである場合は、コンテンツの復号処理は、ステップS705において取得済みのセグメントキーと、タイトル情報に基づいて取得されるCPSユニットキーを利用した処理として行われる。
この場合、図7を参照して説明した情報処理装置に対応して設定される再生パスに従って再生されるコンテンツの復号処理が行われる。
【0252】
一方、コピー対象コンテンツがコンテンツコード適用コンテンツである場合は、コンテンツの復号処理は、タイトル情報に基づいて取得されるCPSユニットキーを利用した処理として行われる。
【0253】
図15、図16に示すフローチャートを参照して説明したコピー処理においては、コンテンツのコピーを実行する情報処理装置は、コピー元メディアに記録されたコンテンツのタイプに応じて最適な処理を実行する。具体的には、コピー元メディア(図2に示す第1メディア110)に記録されたコンテンツが、以下の(a)〜(c)のいずれのタイプのコンテンツであるかを判別する。
(a)CPSユニットキーで暗号化されたコンテンツ(ユニット暗号化コンテンツ)
(b)CPSユニットキーとセグメントキーで暗号化された情報処理装置対応のプレイリストによって選択される再生パスを選択して再生されるコンテンツ(再生パス指定コンテンツ)
(c)コンテンツコードによる検証または変換処理対象となるコンテンツ(コンテンツコード適用コンテンツ)
【0254】
これらの判別結果に応じて、それぞれのコンテンツタイプに応じたコピー処理に必要な処理を実行してコピー処理を行う。具体的には、コピー対象コンテンツが、
(a)CPSユニットキーで暗号化されたコンテンツ(ユニット暗号化コンテンツ)
このユニット暗号化コンテンツである場合は、以下の処理を行う。
図5に示すコピー処理情報(dealManifest)を適用して指定されたタイトル指定情報を適用してCPSユニットキーを取得し、取得したCPSユニットキーを適用してコピー対象のコンテンツをCPSユニット単位で復号してコピー処理を行う。
【0255】
また、コピー対象コンテンツが、
(b)CPSユニットキーとセグメントキーで暗号化された情報処理装置対応のプレイリストによって選択される再生パスを選択して再生されるコンテンツ(再生パス指定コンテンツ)
この再生パス指定コンテンツである場合は、以下の処理を行う。
【0256】
図9に示すコピー処理情報(dealManifest)を適用して指定されたタイトル指定情報を適用してCPSユニットキーを取得する。
さらに、図8に示すSKB処理を実行して、情報処理装置に対応して設定される再生パス(図7参照)の再生を実行するためのプレイリストを特定するための分類番号(プレイリスト名を特定可能な識別情報)を取得する。
分類番号を利用して図9に示すコピー処理情報(dealManifest)に記録されたプレイリスト名を利用して情報処理装置の利用可能なプレイリストを取得する。
さらに、図8に示すSKB処理の結果として得られるセグメントキーとCPSユニットキーを利用して、選択されたプレイリストによって指定されるコンテンツ(AVストリームファイル)の復号処理を実行してコピー処理を行う。
なお、コピー処理に際しては、プレイリストおよびプレイリストによって指定されるクリップ情報ファイルのコピー処理も実行する。
【0257】
また、コピー対象コンテンツが、
(c)コンテンツコードによる検証または変換処理対象となるコンテンツ(コンテンツコード適用コンテンツ)
このコンテンツコード適用コンテンツである場合は、以下の処理を行う。
コピー処理開始前に、規定の再生シーケンスに従ったコンテンツ再生処理を実行し、コンテンツコードを利用した検証処理や変換処理を実行させる。
その後、コピー処理に移行する。
コピー処理に際しては、図5または図9に示すコピー処理情報(dealManifest)を適用して再生時に指定されたタイトル指定情報を適用してCPSユニットキーを取得し、取得したCPSユニットキーを適用してコピー対象のコンテンツをCPSユニット単位で復号してコピー処理を行う。
【0258】
このように、本実施例においては、コピー対象コンテンツのタイプに応じた処理に従ってコピー処理を実行する。これらのコンテンツタイプ対応処理により、様々なコンテンツに応じた最適な処理が行われ、コピー処理をスムーズに実行することが可能となる。
【0259】
[7.情報処理装置の構成例について]
最後に、本発明の一実施例に係る情報処理装置120の構成例について図17を参照して説明する。情報処理装置100は、例えば、コピー元コンテンツの記録メディアである第1メディア110と、コンテンツのコピー先としての第2メディア150を装着可能な構成を持つ。なお、必ずしも2つのメディアを装着可能である必要はなく、例えばコピー先メディアは、USBケーブル、あるいは無線通信などによって接続された他の装置に装着してコピーデータを出力する構成としてもよい。
【0260】
第1メディア110、第2メディア150として、例えばBlu−ray Disc(登録商標)やDVD、ハードディスク、フラッシュメモリなど、各種のメデイア(情報記録媒体)が利用可能である。
【0261】
情報処理装置120は、図17に示すように、データ処理部(制御部)501、通信部502、入力部503、出力部504、メモリ505、第1メディアインタフェース506、第2メディアインタフェース507を有する。
【0262】
データ処理部501は、様々なデータ処理プログラムを実行するプログラム実行機能を持つCPU等によって構成される。例えばデータ記録再生処理の他、前述の各フローチャートに従ったコピー処理を実行するプログラムを実行する。さらに通信部102を介した管理サーバ140との通信処理など、装置の実行する処理全般の制御を行う。
【0263】
通信部502は、管理サーバ140との通信処理に利用され、前述したコピー処理情報(dealManifest)を含むコピー許容リストの要求、受信を行い、さらに決済処理、あるいはコピー許可情報(Permission)の受信処理等に利用される。
【0264】
入力部503は、例えばユーザの操作部であり、データ記録または再生指示、コピー指示の入力など、様々な入力が行われる。なお、入力部503にはリモコンも含まれ、リモコン操作情報の入力も可能である。出力部504は、ディスプレイ、スピーカ等によって構成される画像や音声の出力部である。メモリ505は、RAM,ROM等によって構成され、データ処理部501において実行するプログラムや、各種パラメータ、受信データの格納領域などに利用され、さらに、コピーデータのバッファ領域などにしても利用される。
【0265】
第1メディアインタフェース506は、第1メディア110を利用したデータ記録、再生、コピー処理に適用されるインタフェースである。データ処理部501の要求に従って、第1メディア110を利用したデータ書き込み、データ読み取り処理、データコピー処理などを行う。
第2メディアインタフェース507は、第2メディア150を利用したデータ記録、再生処理、コピー処理に適用されるインタフェースである。データ処理部501の要求に従って、第2メディア150を利用したデータ書き込み、データ読み取り処理、データコピー処理などを行う。
【0266】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0267】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0268】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0269】
以上、説明したように、本発明の一実施例の構成によれば、情報記録媒体の記録データを他のメディアなどにコピーする処理を行う情報処理装置において、コピー元の記録媒体に記録されたデータのタイプを識別する。具体的にはコピー対象コンテンツが、情報処理装置に対応した再生パスを設定してその再生パスに従って再生を実行させる再生パス指定コンテンツであるか、再生装置において実行される再生シーケンスを検証して、正しい再生手順に従って再生処理が実行されているかを検証するコンテンツコード適用コンテンツであるか等のタイプを判別し、判別結果に応じた最適なシーケンスを適用してコピー処理を実行する。本構成により様々なデータタイプに応じた最適な処理による確実なコピー処理が実現される。
【符号の説明】
【0270】
110 第1メディア
111 コピー制御管理ファイル
112 管理データ
113 暗号化コンテンツ
120 情報処理装置
121 コピー許容リスト
122 コピー許可情報
131 決済データ
140 管理サーバ
141 管理データ
150 第2メディア
151 暗号化コンテンツ
241 メディアキーブロック(MKB)
242 シーケンスキーブロック(SKB)
243 セグメントキーファイル
244 暗号化コンテンツ
251 デバイスキー
252 シーケンスキーファイル
261 分類番号
262 メディアキー変数
401 コンテンツコード
402 コンテンツ
403 管理データ
404 コピー制御管理ファイル
450 表示装置
501 データ処理部(制御部)
502 通信部
503 入力部
504 出力部
505 メモリ
506 第1メディアインタフェース
507 第2メディアインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録媒体に記録されたデータのコピー用データを生成するデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記情報記録媒体の記録データのデータタイプ識別処理を実行し、
前記記録データがデータ再生に際して再生処理の検証処理、または再生データの変換処理を実行させるコード情報を含むコンテンツコード適用コンテンツであるか否かを判別し、
コンテンツコード適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理の開始後に前記コピー用データの生成処理を実行し、
前記記録データが前記コード情報を含まないコンテンツコード非適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理を実行することなく前記コピー用データの生成処理を実行する情報処理装置。
【請求項2】
前記データ処理部は、
前記記録データがコンテンツコード適用コンテンツであると判定した場合、
前記コード情報を適用した再生処理の検証処理、または再生データの変換処理を実行して規定シーケンスに従ったデータ再生処理を開始した後、前記コピー用データの生成処理を実行する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ処理部は、
前記データ再生処理を開始した後、データ再生期間内にコピー実行の指示を入力したことを条件として前記コピー用データの生成処理を開始する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データ処理部は、
前記情報記録媒体の記録データのディレクトリ構成を検証して、前記記録データが、コンテンツコード適用コンテンツであるか否かを判定する処理を実行する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ディレクトリ構成の検証は、特定のディレクトリが存在するか、または、前記特定ディレクトリ中にファイルが存在するか、を確認する処理である請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データ処理部は、
前記データタイプ識別処理において、前記情報記録媒体の記録データが個別のタイトルに対応する区分データであるユニット単位で個別のユニットキーを適用して暗号化されたデータであると判定した場合、
前記情報記録媒体または管理サーバから取得したコピー処理情報に記録されたタイトル情報を取得し、
取得したタイトル情報に対応するユニットキーを取得して、取得したユニットキーによるユニット単位の復号処理を実行して前記コピー用データを生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記データ処理部は、
前記データタイプ識別処理において、前記情報記録媒体の記録データが情報処理装置に応じて選択される再生パスに従った再生を行う再生パス指定コンテンツであるか否かを判別し、
前記記録データが再生パス指定コンテンツであると判定した場合、
前記再生パスの構成データの一部の復号に適用するセグメントキーを生成し、生成したセグメントキーと前記ユニットキーを利用した復号処理により前記コピー用データを生成する請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記データ処理部は、
情報処理装置のメモリに格納されたシーケンスキーを前記情報記録媒体から再生したシーケンスキーブロック適用した処理により、前記再生パスに従った再生を可能とするプレイリストの識別情報を取得し、取得した識別情報を適用して前記再生パスに対応したプレイリストファイルを前記情報記録媒体から読み出して、該プレイリストを適用して再生パスに応じたデータの読み出しを実行する請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記データ処理部は、
前記情報処理装置のメモリに格納されたシーケンスキーを用いた前記情報記録媒体から再生したシーケンスキーブロックに対しての処理により、分類番号を取得し、
前記分類番号を用いて、前記プレイリストの識別情報を取得すると共に、
前記再生パスに応じたデータを復号するための鍵を暗号化した暗号鍵を含むセグメントキーファイルから、該セグメントにおける特定のバリエーションに対応するセグメントキーを取得する請求項7または8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報記録媒体に記録されたデータのコピー用データを生成する情報処理装置と、
前記情報処理装置に対するコピー許可情報を提供する管理サーバと、
を有する情報処理システムであり、
前記情報記録媒体は、個別のタイトルに対応する区分データであるユニット単位で個別のユニットキーを適用して暗号化されたデータを記録した構成であり、
前記管理サーバは、
前記情報処理装置からの要求に応じて、前記タイトルの識別情報を記録したコピー処理情報を前記情報処理装置に提供し、
前記情報処理装置は、
前記情報記録媒体の記録データのデータタイプ識別処理を実行し、
前記記録データが個別のタイトルに対応する区分データであるユニット単位で個別のユニットキーを適用して暗号化されたデータであると判定した場合、
前記管理サーバから取得したコピー処理情報に記録されたタイトル情報を取得し、
取得したタイトル情報に対応するユニットキーを取得して、取得したユニットキーによるユニット単位の復号処理を実行して前記コピー用データを生成する情報処理システム。
【請求項11】
情報処理装置において、情報記録媒体に記録されたデータのコピー用データを生成する情報処理方法であり、
前記情報処理装置のデータ処理部は、
前記情報記録媒体の記録データのデータタイプ識別処理を実行し、
前記記録データがデータ再生に際して再生処理の検証処理、または再生データの変換処理を実行させるコード情報を含むコンテンツコード適用コンテンツであるか否かを判別し、
コンテンツコード適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理の開始後に前記コピー用データの生成処理を実行し、
前記記録データが前記コード情報を含まないコンテンツコード非適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理を実行することなく前記コピー用データの生成処理を実行する情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置において、情報記録媒体に記録されたデータのコピー用データを生成させるプログラムであり、
前記情報処理装置のデータ処理部に、
前記情報記録媒体の記録データのデータタイプ識別処理を実行させて、
前記記録データがデータ再生に際して再生処理の検証処理、または再生データの変換処理を実行させるコード情報を含むコンテンツコード適用コンテンツであるか否かを判別させるステップと、
コンテンツコード適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理の開始後に前記コピー用データの生成処理を実行させるステップと、
前記記録データが前記コード情報を含まないコンテンツコード非適用コンテンツであると判定した場合は、再生処理を実行することなく前記コピー用データの生成処理を実行させるステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−129214(P2011−129214A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288019(P2009−288019)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】