説明

情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理方法

【課題】グループやコミュニティ構成要員の属性変更や複数の視点での分類を視覚的に簡易な操作で行う。
【解決手段】アイコン表示領域である背景画像(壁紙画像)を切り替えることで、SNSやグループウェアなどのコミュニティや構成グループを切り替える。これらの壁紙画像には、各グループに参加しているユーザーのアイコン(ユーザーアイコン)が配置される。また、壁紙上の位置に意味が設定されており、ユーザーアイコンの配置がユーザーの属性と意味とに基づいて決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、通信相手を識別可能なアイコンでパソコンのデスクトップ上に表示し、当該アイコンを操作して通信相手を簡単に特定できるネットワークシステムが開示されている。
【特許文献1】特開平11−259393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、コミュニティに参加している参加者間のコミュニケーションを促進する情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、既定のグループに属する参加者それぞれの属性情報に基づいて、これらの参加者それぞれを表す複数のアイコンの配置を決定する配置決定手段と、前記配置決定手段により決定された配置に基づいて、複数のアイコンを既定の表示領域に表示する表示手段とを有する。
【0005】
好適には、アイコンが表示される表示領域の背景画像をグループに対応付けて格納する背景格納手段をさらに有し、前記表示手段は、操作者により選択されたグループに対応する背景画像と、このグループに属する参加者のアイコンとを表示する。
【0006】
好適には、アイコンの背景として表示される複数の背景画像と、これらの背景画像それぞれにおけるアイコンの配置を決定するための位置決定情報とを、互いに対応付けて格納する背景格納手段をさらに有し、前記配置決定手段は、操作者により選択された背景画像に対応する位置決定情報と、参加者それぞれの属性情報とに基づいて、各参加者のアイコンの配置を決定し、前記表示手段は、操作者により選択された背景画像上に、前記配置決定手段により決定された配置でアイコンを表示する。
【0007】
好適には、参加者の間の通信内容に基づいて、各参加者の属性情報を生成する属性生成手段をさらに有し、前記配置決定手段は、前記属性生成手段により生成された各参加者の属性情報に基づいて、各参加者に対応するアイコンの配置を決定する。
【0008】
好適には、いずれかのグループに属する参加者の間の通信内容をこれらのグループに対応付けて格納する通信格納手段をさらに有し、前記属性生成手段は、前記通信格納手段により格納されている同一グループ内の通信内容に基づいて、このグループに属する参加者の属性情報を生成する。
【0009】
好適には、各参加者の属性情報を格納する属性情報格納手段と、表示されたアイコンを移動させる操作が操作者によりなされた場合に、前記属性情報格納手段により格納された属性情報のうち、このアイコンに対応する参加者の属性情報を、このアイコンの移動先の位置に応じて変更する属性変更手段とをさらに有する。
【0010】
また、本発明に係る情報処理装置は、アイコンの背景として表示される複数の背景画像を、検索目的に対応付けて格納する背景格納手段と、既定のグループに属する参加者それぞれの属性情報と、操作者により選択された検索目的とに基づいて、これらの参加者それぞれを表す複数のアイコンの配置を決定する配置決定手段と、操作者により選択された検索目的に対応する背景画像上に、前記配置決定手段により決定された配置で複数のアイコンを表示する表示手段とを有する。
【0011】
また、本発明に係る情報処理システムは、複数のクライアント装置とサーバー装置とが含まれた情報処理システムであって、クライアント装置間の通信内容をサーバー装置に格納する通信内容格納手段と、前記サーバー装置に格納された通信内容に基づいて、各クライアント装置を操作する操作者それぞれの属性情報を生成する属性情報生成手段と、前記属性情報生成手段により生成された各操作者の属性情報に基づいて、これらの操作者それぞれを表す複数のアイコンの配置を決定する配置決定手段と、前記配置決定手段により決定された配置に基づいて、複数のアイコンをクライアント端末に表示させる表示手段とを有する。
【0012】
また、本発明に係るプログラムは、既定のグループに属する参加者それぞれの属性情報に基づいて、これらの参加者それぞれを表す複数のアイコンの配置を決定する配置決定機能と、前記配置決定機能により決定された配置に基づいて、複数のアイコンを既定の表示領域に表示する表示機能とをコンピューターに実現させる。
【0013】
また、本発明に係る情報処理方法は、コンピューターが、既定のグループに属する参加者それぞれの属性情報に基づいて、これらの参加者それぞれを表す複数のアイコンの配置を決定するステップと、コンピューターが、決定された配置に基づいて、複数のアイコンを既定の表示領域に表示するステップとを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コミュニティに参加している参加者間のコミュニケーションを促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[システム構成]
まず、情報処理システム1の全体構成を説明する。
図1は、情報処理システム1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、情報処理システム1は、サーバー装置10と、ユーザー端末20とを含む。
サーバー装置10は、情報処理装置の一例であり、コンピューター装置である。例えば、サーバー装置10は、ウェブサーバーであり、ユーザー端末20のウェブブラウザを介して、ユーザーにコミュニケーションツールを提供する。
【0016】
ユーザー端末20は、ユーザー(操作者)が操作するコンピューター装置である。例えば、ユーザー端末20は、ウェブブラウザを介して、サーバー装置10にアクセスし、このサーバー装置10を介して、他のユーザー端末と通信を行う。
【0017】
本例の情報処理システム1では、サーバー装置10が、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やグループウェアなどのグループ内コミュニケーションツールを統合した環境をユーザー端末20に提供し、各グループにおけるコミュニケーションの促進を実現する。より具体的には、情報処理システム1では、アイコンの表示領域である背景画像(以下、壁紙画像)を切り替えることにより、SNSやグループウェアなど(以下、コミュニティと総称)を切り替える。これらの壁紙画像には、各コミュニティに参加しているユーザー(すなわち、参加者)のアイコン(以下、ユーザーアイコン)が配置される。
また、本例の情報処理システム1では、壁紙上の位置に意味が設定されており、ユーザーアイコンの配置がユーザーの属性と意味とに基づいて決定される。
【0018】
図2は、情報管理プログラム5の機能構成を例示する図である。
図2に例示するように、情報管理プログラム5は、通信ログ収集部500、属性生成部505、検索部510、配置決定部515、壁紙選択部520、属性変更部525、移動検知部530、及び表示部535を有する。
本例の情報管理プログラム5は、サーバー装置10にインストールされる。また、サーバー装置10の記録装置には、通信ログデータベース100(通信ログDB100)、属性データベース102(属性DB102)、及び壁紙データベース104(壁紙DB104)が設けられている。
情報管理プログラム5は、例えば、CD−ROM等の記録媒体に記録されており、この記録媒体を介してサーバー装置10(図1)にインストールされる。なお、情報管理プログラム5の一部又は全部は、ネットワークを介して、サーバー装置10にインストールされてもよい。また、図2に例示された情報管理プログラム5及びデータベースの全部又は一部が、ユーザー端末20にインストールされてもよいし、ASIC等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0019】
情報管理プログラム5において、通信ログ収集部500は、ユーザー端末20(図1)の間で行われる通信の内容を通信ログDB100に格納する。例えば、通信ログ収集部500は、各コミュニティにおいてユーザー端末20の間で行われるコミュニケーション(電子メール、インスタントメッセージ、電子掲示板への書込みなど)の内容を、コミュニティに対応付けて通信ログDB100に格納する。
本例の通信ログ収集部500は、図3(A)に例示するように、コミュニティ内で送受信された電子メールの内容(通信内容)を、当該電子メールの送信者及び受信者、並びに、電子メールが送受信されたコミュニティに対応付けて通信ログDB100に格納する。
【0020】
属性生成部505は、ユーザーのコミュニケーションの内容(電子メール、インスタントメッセージ、電子掲示板への書込みなどの内容)に基づいて、このユーザーの属性情報を生成する。例えば、属性生成部505は、コミュニティに参加しているユーザー間の通信内容に基づいて、このコミュニティにおける各ユーザーの属性情報を生成する。ユーザーの属性情報とは、各ユーザーに関する情報であり、例えば、ユーザーの性別、年齢、所属、出身地、血液型、勤続年数、スキル(得意分野など)である。すなわち、属性生成部505は、各コミュニティ内で行われた通信の内容に基づいて、この通信を行ったユーザーの属性情報を生成する。
本例の属性生成部505は、通信ログDB100に格納された電子メールの内容に基づいて、この電子メールを送受信したユーザーの属性情報を生成し、生成された属性情報を属性DB102に格納する。
【0021】
検索部510は、表示すべきユーザーアイコンを検索する。例えば、検索部510は、壁紙に表示されているユーザーアイコンの中から、検索条件に合致するユーザーを検索する。
本例の検索部510は、例えば、ユーザーにより選択されているコミュニティの中から、ユーザーにより選択された検索目的に合致するユーザーを検索する。
【0022】
配置決定部515は、ユーザーの属性情報に基づいて、これらのユーザーそれぞれを表すアイコン(すなわち、ユーザーアイコン)の配置を決定する。例えば、配置決定部515は、コミュニティに属するユーザーの属性情報と、壁紙に対応付けられた位置決定情報とに基づいて、各ユーザーのユーザーアイコンの配置を決定する。
本例の配置決定部515は、コミュニティ表示用の壁紙が選択されている場合には、選択されているコミュニティに属する各ユーザーの属性情報と、選択されている壁紙に対応付けられた位置決定情報(図4の配置決定ファイル又は図8の配置決定ルール)とに基づいて、各ユーザーを表すユーザーアイコンの配置を決定する。また、配置決定部515は、検索用の壁紙が選択されている場合には、検索対象となるユーザー群に含まれる各ユーザーの属性情報と、選択されている壁紙に対応付けられた位置決定情報とに基づいて、各ユーザーのユーザーアイコンの配置を決定する。
【0023】
壁紙選択部520は、壁紙DB104に格納されている壁紙画像の中から、ユーザーの操作に応じて、適用すべき壁紙画像を選択する。
本例の壁紙選択部520は、ユーザーがコミュニティを選択すると、選択されたコミュニティ(グループ)に対応する壁紙画像を、図4(A)の壁紙DB104の中から読み出し、読み出された壁紙画像を表示部535に出力する。また、本例の壁紙選択部520は、ユーザーが検索目的を選択すると、選択された検索目的に対応する壁紙画像を、図8の壁紙DB104の中から読み出し、読み出された壁紙画像を表示部535に出力する。
【0024】
属性変更部525は、ユーザーによってユーザーアイコンを移動させる操作が行われた場合に、このユーザーアイコンの移動先の位置に応じて、このユーザーアイコンに対応するユーザーの属性情報を変更する。例えば、属性変更部525は、壁紙に設定されている意味(属性)と、この壁紙上の移動先の位置とに基づいて、属性DB102に格納されている属性情報を更新する。
【0025】
移動検知部530は、壁紙上に表示されたユーザーアイコンの移動を検知する。
本例の移動検知部530は、壁紙上に表示されたユーザーアイコンのドラッグ操作を検知すると、ドラッグされたユーザーアイコンに対応するユーザー名、及び、このユーザーアイコンの移動先の座標を属性変更部525に通知する。
【0026】
表示部535は、壁紙選択部520により選択された壁紙画像上に、コミュニティに属するユーザーのユーザーアイコンを、配置決定部515により決定された配置で表示する。
本例の表示部535は、ウェブサーバーとして、壁紙上にユーザーアイコンが配置されたウェブページをユーザー端末20に送信して、このウェブページをユーザー端末20上に表示させる。
【0027】
通信ログDB100は、図3(A)に例示するように、ユーザー間で送受信された電子メールの内容(通信内容)を、この電子メールの送信者及び受信者、並びに、この電子メールが送受信されたコミュニティ(グループ)に対応付けて記録する。なお、通信ログDB100は、通信内容、送信者、受信者及びコミュニティに加えて、電子メールの送信時及び受信時を記録してもよい。
【0028】
属性DB102は、図3(B)に例示するように、ユーザーの属性情報(所属、出身地、得意分野など)を、ユーザー及びコミュニティに対応付けて記録する。ユーザーの属性情報には、ユーザーがユーザー端末20を介して入力した情報(例えば、所属、出身地、血液型、現住所など)と、属性生成部505により生成された情報(例えば、得意分野など)とが含まれる。例えば、属性生成部505は、電子メールの内容を解析して、「Java(登録商標)」などのキーワードの出現回数や、電子メールでの使用言語などに基づいて、ユーザーの得意分野(Java(登録商標)や外国語)を特定する。なお、所属、出身地、血液型なども、電子メールの内容を解析して属性生成部505が生成してもよい。
【0029】
また、属性DB102がコミュニティに対応付けて属性情報を記録するのは、コミュニティによって、各ユーザーが異なる属性を示すからである。例えば、コミュニティが「会社」である場合には、ユーザーは仕事に関連する属性(プログラミング、外国語、経理、営業など)を示し、コミュニティが「趣味のサークル」である場合には、ユーザーは趣味に関連する属性(ゴルフ、サッカー、将棋など)を示す。このような各コミュニティにおけるユーザーの個性を加味できるように、属性DB102は、各コミュニティにおけるユーザーの属性情報をコミュニティに対応付けて記録する。
なお、属性生成部505も、各コミュニティ内で送受信された電子メールに基づいて、各コミュニティにおけるユーザーの属性情報を生成する。具体的には、図3(B)の得意分野「JAVA(登録商標)」及び「HTML」は、コミュニティ「XYZ」においてユーザー「AAAA」が送受信した電子メールの内容に基づくものであり、得意分野「将棋」及び「サッカー」は、異なるコミュニティ「ABC」において同一のユーザー「AAAA」が送受信した電子メールの内容に基づくものである。
【0030】
壁紙DB104は、図4(A)に例示するように、コミュニティに対応付けて、このコミュニティを表象する壁紙画像と、この壁紙におけるユーザーアイコンの配置を決定するための配置決定ファイルとを記録する。本例の配置決定ファイルは、図4(B)に例示するように、壁紙上の位置を示す座標と、ユーザーとを互いに対応付けるテーブルである。本例では、さらに、ユーザーの所属がユーザーに対応付けられている。
【0031】
壁紙DB104に記録される壁紙画像は、図5(A)に例示するように、壁紙900としてユーザー端末20に表示される。壁紙900の各位置には、意味が設定されている。具体的には、本例の壁紙900には、コミュニティに属するユーザーの座席表が表わされている。壁紙900の各座席の座標は、図4(B)の配置決定ファイルによって、各ユーザーに対応付けられている。すなわち、配置決定部515(図2)は、図5(A)の壁紙900が選択された場合には、この壁紙900に対応付けられた配置決定ファイル(図4(B))を参照して、各ユーザーアイコンの配置を決定する。この結果、図5(B)に例示するように、壁紙900上に、このコミュニティに属するユーザーのユーザーアイコン910A及びユーザーアイコン910Bが配置される。
【0032】
さらに、図5(B)に例示するように、壁紙900上でユーザーアイコン910Aが、ユーザーのドラッグ操作によって移動させられると、移動先の座標に基づいて、属性変更部525が、移動させられたユーザーアイコンに対応するユーザーの属性情報(本例では、所属)を変更する。具体的には、属性変更部525は、ユーザーアイコン910Aの移動先の座標と、図4(B)の配置決定ファイルに登録されている座標とを比較して、移動先の座標と最も近い登録座標を選択し、選択された登録座標に対応付けられた所属を特定して、ユーザーアイコン910Aのユーザーの所属を、特定された所属に変更する。
【0033】
図6は、ユーザーがコミュニティを切り替えた場合の動作(S10)を説明するフローチャートである。
図6に示すように、ステップ100(S100)において、サーバー装置10の情報管理プログラム5は、コミュニティの選択操作を検知するまで待機し(S100:No)、コミュニティの選択操作を検知した場合(S100:Yes)、S105の処理に移行する。
例えば、ユーザーは、ユーザー端末20に対して、タブの切り替え操作を行うことにより、切り替え先のコミュニティを選択する。
【0034】
ステップ105(S105)において、情報管理プログラム5(図2)の壁紙選択部520は、壁紙DB104(図4(A))にアクセスして、ユーザーにより選択されたコミュニティに対応する壁紙画像及び配置決定ファイルを読み出し、読み出された壁紙画像を表示部535に出力し、読み出された配置決定ファイルを配置決定部515に出力する。
【0035】
ステップ110(S110)において、検索部510は、属性DB102(図3(B))にアクセスして、ユーザーにより選択されたコミュニティに属するユーザー(参加者)を検索し、検索結果(コミュニティに属するユーザー)を配置決定部515に通知する。
【0036】
ステップ115(S115)において、配置決定部515は、壁紙選択部520から入力された配置決定ファイル(図4(B))を参照して、検索部510から通知されたユーザー(コミュニティに属するユーザー)のユーザーアイコンそれぞれの配置を決定し、決定された配置を表示部535に通知する。
【0037】
ステップ120(S120)において、情報管理プログラム5は、検索部510により検索されたユーザーの中で、電子メールの送信を行っているユーザーが存在するか否かを判断する。
情報管理プログラム5は、電子メールの送信を行っているユーザーがコミュニティ内に存在する場合に、S125の処理に移行し、電子メールの送信を行っているユーザーがコミュニティ内に存在しない場合に、S130の処理に移行する。
【0038】
ステップ125(S125)において、表示部535は、ユーザー端末20のウェブブラウザに、壁紙選択部520から入力された壁紙画像を表示させ、続いて、配置決定部515から通知された配置に従って、ユーザーアイコンを表示させる。この際に、表示部535は、電子メール送信中(会話中)のユーザーのユーザーアイコンを優先して表示させる。
【0039】
ステップ130(S130)において、表示部535は、ユーザー端末20のウェブブラウザに、壁紙選択部520から入力された壁紙画像を表示させ、続いて、配置決定部515から通知された配置に従って、ユーザーアイコンを表示させる。
【0040】
図7は、ユーザーアイコンに対してドラッグ操作が行われた場合の動作(S20)を説明するフローチャートである。
図7に示すように、ステップ200(S200)において、サーバー装置10の移動検知部530(図2)は、ユーザーアイコンに対するドラッグ操作を検知するまで待機し(S200:No)、いずれかのユーザーアイコンに対してドラッグ操作が行われた場合(S200:Yes)、S205の処理に移行する。
例えば、ユーザーは、ユーザー端末20に対して、図5(B)の壁紙900上で、ユーザー「AAAA」のユーザーアイコン910Aを、「B課」の課長席までドラッグ・アンド・ドロップする。これにより、ユーザーアイコン910Aは、「B課」の課長席に移動する。
【0041】
ステップ205(S205)において、移動検知部530は、ユーザーアイコン910Aの移動先の座標を特定し、特定された座標を属性変更部525に通知する。
ステップ210(S210)において、属性変更部525は、移動検知部530から通知された座標(ユーザーアイコン910の移動先の座標)と、表示中の壁紙画像に対応する位置決定情報(図4(B)の配置決定ファイル)とに基づいて、移動先の座標に対応する属性(所属)を特定する。
【0042】
ステップ215(S215)において、属性変更部525は、属性DB102にアクセスして、移動させられたユーザーアイコン910Aに対応するユーザーの属性情報(所属)を、特定された属性(所属)で更新する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の情報処理システム1では、壁紙の切り替えによって、コミュニティが切り替えられると共に、この壁紙の位置に意味が設定されている場合には、設定されている意味に応じて、このコミュニティに属するユーザーのユーザーアイコンが配置される。さらに、ユーザーアイコンがユーザーによって移動させられた場合には、移動先に位置に応じて、このユーザーアイコンに対応する属性情報が更新される。
【0044】
次に、所定のコミュニティ内でユーザーを検索する場面を説明する。
図8は、壁紙DB104が記録する検索用の壁紙画像を例示する図である。
図8に例示するように、壁紙DB104(図2)は、図4に例示するコミュニティ毎の壁紙画像に加えて、検索目的毎の壁紙画像を記録している。より具体的には、壁紙DB104は、検索目的に対応付けて、壁紙画像と、配置決定ルールとを記録している。
本例の配置決定ルールは、ユーザーアイコンの位置を決定するための情報であり、図8に例示するように、ユーザーの属性情報(年齢、専門分野の経験年数、英語試験の点数、英語による電子メール(会話)の回数、血液型、出身地)を、壁紙上の位置に対応付けるためのルールである。
【0045】
壁紙DB104に記録される検索用の壁紙画像は、例えば、図9に例示するように、スキルによって検索するための壁紙902(図9(A))や、出身地によって検索するための壁紙904(図9(B))などである。
図9(A)に例示する壁紙902は、壁紙の水平方向を横軸とし、壁紙の垂直方向を縦軸としたグラフである。本例の横軸は年齢であり、縦軸は専門分野(Java(登録商標))における経験年数(キャリア)である。所定のコミュニティにおいて、図9(A)の壁紙902が選択されると、配置決定部515(図2)は、この壁紙902に対応付けられた配置決定ルール(図8の「スキル1評価」の行)を参照して、このコミュニティに属するユーザーの属性情報(年齢及び専門分野での経験年数)に基づいて、各ユーザーアイコンの配置を決定する。この結果、図9(A)に例示するように、壁紙902上に、このコミュニティに属するユーザーのユーザーアイコン910A〜ユーザーアイコン910Dが、属性に応じた位置に配置される。
【0046】
同様に、図9(B)に例示する壁紙904には、日本地図が表示されており、所定のコミュニティにおいて、この壁紙904が選択されると、配置決定部515(図2)は、この壁紙904に対応付けられた配置決定ルール(図8の「出身地」の行)を参照して、このコミュニティに属するユーザーの属性情報(出身地)に基づいて、各ユーザーアイコンの配置を決定する。この結果、図9(B)に例示するように、壁紙904の地図上に、このコミュニティに属するユーザーのユーザーアイコン910A〜ユーザーアイコン910Cが、各ユーザーの出身地に配置される。
【0047】
図10は、ユーザーが検索目的を選択した場合の動作(S30)を説明するフローチャートである。
図10に示すように、ステップ300(S300)において、サーバー装置10の情報管理プログラム5は、いずれかのコミュニティにおいて検索目的がユーザーによって選択されるまで待機し(S300:No)、いずれかの検索目的が選択された場合(S300:Yes)、S305の処理に移行する。
例えば、ユーザー端末20は、いずれのコミュニティの壁紙上で右クリックすることにより、検索目的のリストを表示し、表示された検索目的のリストの中から、いずれかの検索目的を選択する操作を受け付ける。
【0048】
ステップ305(S305)において、情報管理プログラム5(図2)の壁紙選択部520は、壁紙DB104(図8)にアクセスして、ユーザーにより選択された検索目的に対応する壁紙画像及び配置決定ルールを読み出し、読み出された壁紙画像を表示部535に出力し、読み出された配置決定ルールを配置決定部515に出力する。
【0049】
ステップ310(S310)において、検索部510は、属性DB102(図3(B))にアクセスして、コミュニティに属するユーザー(参加者)の中から、配置決定ルールで必要な属性を有するユーザーを選択し、選択結果(検索の対象たりうるユーザー)を配置決定部515に通知する。例えば、Java(登録商標)の経験年数が配置決定ルールに要求されている場合に、Java(登録商標)の経験年数が属性情報として登録されているユーザーのみが選択され、Java(登録商標)の経験年数が属性情報として登録されていないユーザーは除外される。
【0050】
ステップ315(S315)において、配置決定部515は、壁紙選択部520から入力された配置決定ルールに従って、検索部510から通知されたユーザーの属性情報に基づいて各ユーザーの属性値を算出する。
ステップ320(S320)において、配置決定部515は、壁紙選択部520から入力された配置決定ルールと、算出された各ユーザーの属性値とに基づいて、ユーザーアイコンそれぞれの配置を決定し、決定された配置を表示部535に通知する。
【0051】
ステップ325(S325)において、表示部535は、図9に例示するように、ユーザー端末20のウェブブラウザに、壁紙選択部520から入力された壁紙画像を表示させ、続いて、配置決定部515から通知された配置に従って、ユーザーアイコンを表示させる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態における情報処理システム1では、検索目的に応じて壁紙を切り替え、切り替えられた壁紙上の、各ユーザーの属性情報に応じた位置(すなわち、検索結果に応じた位置)に、各ユーザーアイコンが配置される。
【0053】
[変形例1]
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
図11は、時系列配置ログの表示機能を説明する図である。
第1の変形例として、図11に例示するように、各コミュニティにおけるユーザーアイコンの配置を時系列に記録し、記録されたユーザーアイコンの配置をコミュニティ毎に時系列表示する機能を説明する。本変形例では、第1の時点(2000年4月)から第3の時点(2010年4月)までの複数の時点におけるユーザーアイコンの配置をコミュニティに対応付けてサーバー装置10が記録しておき、サーバー装置10は、ユーザー端末20から要求があると、記録していたユーザーアイコンの配置を時系列に連続表示する。表示の方法は、スライド方式であってもよいし、動画的な方式であってもよい。
【0054】
[変形例2]
次に、第2の変形例を説明する。
図12は、ギャップ提示機能を説明する図である。
第2の変形例として、図12(A)に例示するように、検索用の壁紙においていずれかのユーザーアイコンが移動させられると、その移動方向及び移動量に応じて、移動前後における属性のギャップを提示する機能を説明する。本例では、図12(B)に例示するように、ユーザーアイコン910Bが横軸方向(英語試験の点数に関する評価軸方向)に移動させられると、サーバー装置10は、配置決定ルール(図8)と、移動方向及び移動量とに基づいて、属性(英語試験の点数)のギャップを算出し、算出されたギャップ(英語試験の点数のギャップ)を吹き出し領域920に表示させる。本例の吹き出し領域920には、英語試験の点数を埋めるために必要な事項(学習書やリスニングテープなど)が、ギャップとしてユーザー端末20に表示されている。なお、サーバー装置10は、属性の過不足分(不足点数)をそのままギャップとしてユーザー端末20に表示させてもよい。
【0055】
[変形例3]
次に、第3の変形例を説明する。
図13は、図5の壁紙900の一部を拡大表示した図である。
図13に例示するように、サーバー装置10は、壁紙900上に、コミュニケーションツールのアイコンを表示してもよい。本例では、コミュニケーションツールのアイコンとして、電話アイコン930、コンピューターイコン932、及び、ファクシミリアイコン934が表示されている。電話アイコン930は、座席に設置された電話の電話番号に関連付けられており、サーバー装置10は、ユーザーがこの電話アイコン930を選択操作すると、この電話アイコン930に関連付けられた電話番号への発呼をユーザー端末20又はユーザーの電話に開始させる。
また、コンピューターイコン932は、座席に設置されたコンピューターの電子メールアドレスなどに関連付けられており、サーバー装置10は、ユーザーがこのコンピューターイコン932を選択操作すると、このコンピューターイコン932に関連付けられたメールアドレスへのメール作成をユーザー端末20に開始させる。
同様に、ファクシミリアイコン934は、座席に設置されたファクシミリの電話番号に関連付けられており、サーバー装置10は、ユーザーがこのファクシミリアイコン934を選択操作すると、このファクシミリアイコン934に関連付けられた電話番号へのファクシミリ送信準備をユーザー端末20に開始させる。
【0056】
[変形例4]
次に、第4の変形例を説明する。
図14は、検索用壁紙における時系列配置ログの表示機能を説明する図である。
第1の変形例では、コミュニティ表示用の壁紙における時系列配置ログ表示機能を説明したが、第4の変形例では、図14に例示するように、検索用壁紙におけるユーザーアイコンの配置を時系列に記録し、記録されたユーザーアイコンの配置を検索用壁紙毎に時系列表示する機能を説明する。
図14の壁紙900には、人のタイプ(行動派タイプ、社交派タイプ、専門家タイプ又はサポータータイプ)が表示されており、各タイプに対して領域が割り当てられている。サーバー装置10は、ユーザーが入力した自己診断テストの結果に基づいて、このユーザーのタイプ(行動派タイプ、社交派タイプ、専門家タイプ又はサポータータイプ)を決定し、決定されたタイプを属性値として、図14の壁紙900上にユーザーアイコンを配置する。
さらに、サーバー装置10は、第1の時点(2000年4月)から第3の時点(2004年4月)までの複数の時点におけるユーザーアイコンの配置を検索用壁紙に対応付けて記録しておき、ユーザー端末20から要求があると、図14(A)〜(C)に例示するように、記録していたユーザーアイコンの配置を時系列に連続表示する。
このように、検索用壁紙におけるユーザーアイコンの配置を時系列に表示することにより、例えば、ユーザーの性格や能力などの変化を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】情報処理システム1の全体構成を例示する図である。
【図2】情報管理プログラム5の機能構成を例示する図である。
【図3】通信ログデータベース及び属性データベースの内容を例示する図である。
【図4】壁紙データベースの内容を例示する図である。
【図5】コミュニティの壁紙900を例示する図である。
【図6】ユーザーがコミュニティを切り替えた場合の動作(S10)を説明するフローチャートである。
【図7】ユーザーアイコンに対してドラッグ操作が行われた場合の動作(S20)を説明するフローチャートである。
【図8】壁紙データベースの内容を例示する図である。
【図9】検索用の壁紙を例示する図である。
【図10】ユーザーが検索目的を選択した場合の動作(S30)を説明するフローチャートである。
【図11】時系列配置ログの表示機能を説明する図である。
【図12】ギャップ提示機能を説明する図である。
【図13】図5の壁紙900の一部を拡大表示した図である。
【図14】検索用壁紙における時系列配置ログの表示機能を説明する図である。
【符号の説明】
【0058】
1・・・情報処理システム
10・・・サーバー装置
100・・・通信ログデータベース
102・・・属性データベース
104・・・壁紙データベース
5・・・情報管理プログラム
500・・・通信ログ収集部
505・・・属性生成部
510・・・検索部
515・・・配置決定部
520・・・壁紙選択部
525・・・属性変更部
530・・・移動検知部
535・・・表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既定のグループに属する参加者それぞれの属性情報に基づいて、これらの参加者それぞれを表す複数のアイコンの配置を決定する配置決定手段と、
前記配置決定手段により決定された配置に基づいて、複数のアイコンを既定の表示領域に表示する表示手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
アイコンが表示される表示領域の背景画像をグループに対応付けて格納する背景格納手段
をさらに有し、
前記表示手段は、操作者により選択されたグループに対応する背景画像と、このグループに属する参加者のアイコンとを表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
アイコンの背景として表示される複数の背景画像と、これらの背景画像それぞれにおけるアイコンの配置を決定するための位置決定情報とを、互いに対応付けて格納する背景格納手段
をさらに有し、
前記配置決定手段は、操作者により選択された背景画像に対応する位置決定情報と、参加者それぞれの属性情報とに基づいて、各参加者のアイコンの配置を決定し、
前記表示手段は、操作者により選択された背景画像上に、前記配置決定手段により決定された配置でアイコンを表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
参加者の間の通信内容に基づいて、各参加者の属性情報を生成する属性生成手段
をさらに有し、
前記配置決定手段は、前記属性生成手段により生成された各参加者の属性情報に基づいて、各参加者に対応するアイコンの配置を決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
いずれかのグループに属する参加者の間の通信内容をこれらのグループに対応付けて格納する通信格納手段
をさらに有し、
前記属性生成手段は、前記通信格納手段により格納されている同一グループの通信内容に基づいて、このグループに属する参加者の属性情報を生成する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
各参加者の属性情報を格納する属性情報格納手段と、
表示されたアイコンを移動させる操作が操作者によりなされた場合に、前記属性情報格納手段により格納された属性情報のうち、このアイコンに対応する参加者の属性情報を、このアイコンの移動先の位置に応じて変更する属性変更手段と
をさらに有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
アイコンの背景として表示される複数の背景画像を、検索目的に対応付けて格納する背景格納手段と、
既定のグループに属する参加者それぞれの属性情報と、操作者により選択された検索目的とに基づいて、これらの参加者それぞれを表す複数のアイコンの配置を決定する配置決定手段と、
操作者により選択された検索目的に対応する背景画像上に、前記配置決定手段により決定された配置で複数のアイコンを表示する表示手段と
を有する情報処理装置。
【請求項8】
複数のクライアント装置とサーバー装置とが含まれた情報処理システムであって、
クライアント装置間の通信内容をサーバー装置に格納する通信内容格納手段と、
前記サーバー装置に格納された通信内容に基づいて、各クライアント装置を操作する操作者それぞれの属性情報を生成する属性情報生成手段と、
前記属性情報生成手段により生成された各操作者の属性情報に基づいて、これらの操作者それぞれを表す複数のアイコンの配置を決定する配置決定手段と、
前記配置決定手段により決定された配置に基づいて、複数のアイコンをクライアント端末に表示させる表示手段と
を有する情報処理システム。
【請求項9】
既定のグループに属する参加者それぞれの属性情報に基づいて、これらの参加者それぞれを表す複数のアイコンの配置を決定する配置決定機能と、
前記配置決定機能により決定された配置に基づいて、複数のアイコンを既定の表示領域に表示する表示機能と
をコンピューターに実現させるプログラム。
【請求項10】
コンピューターが、既定のグループに属する参加者それぞれの属性情報に基づいて、これらの参加者それぞれを表す複数のアイコンの配置を決定するステップと、
コンピューターが、決定された配置に基づいて、複数のアイコンを既定の表示領域に表示するステップと
を有する情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−55222(P2010−55222A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217451(P2008−217451)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(307003607)PFUソフトウェア株式会社 (1)
【Fターム(参考)】