説明

情報処理装置、情報処理システム、及びプログラム

【課題】利用に際して利用者の認証を要する機器を利用した際の利用量を格納する格納先を利用者の再度の認証を要することなく変更する情報処理装置、情報処理システム、及びプログラムを提供する。
【解決手段】UIパネル18によって受け付けられたアカウントIDにより示される格納先が利用量情報が格納される対象とされているときに、記憶装置26に記憶されているアカウントIDのうち、現時点でUIパネル18によって受け付けられているアカウントIDとは異なるアカウントIDがUIパネル18によって受け付けられた場合、格納先を異なるアカウントIDにより示される格納先に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタとファクシミリとを組み合わせた場合、利用者毎にプリンタまたはファクシミリを選択可能か否かを照合し、照合によりプリンタを選択可能とされた利用者に対しプリンタとして利用を可能とすると共に、照合によりファクシミリを選択可能とされた利用者に対しファクシミリとしての利用を可能とする複合機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−077484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、利用に際して利用者の認証を要する機器を利用した際の利用量を格納する格納先を利用者の再度の認証を要することなく変更する、情報処理装置、情報処理システム、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の情報処理装置は、機器の利用者を識別する識別子、及び該利用者が該機器を利用した際の利用量を示す利用量情報を格納する格納先を示す格納先情報を受け付ける受付手段と、前記識別子と複数の前記格納先情報とを関連付けて記憶した記憶手段と、前記受付手段によって受け付けられた識別子が前記記憶手段に記憶されている識別子であり、かつ前記受付手段によって受け付けられた格納先情報が前記記憶手段に記憶されている格納先情報である場合、前記機器が利用された際の利用量を示す利用量情報が該格納先情報により示される格納先に格納されるように制御する制御手段と、前記受付手段によって受け付けられた前記格納先情報により示される格納先が前記利用量が格納される対象とされているときに、前記記憶手段に記憶されている格納先情報のうち、現時点で前記受付手段によって受け付けられている格納先情報とは異なる格納先情報が前記受付手段によって受け付けられた場合、前記制御手段によって制御されることにより前記利用量情報が格納される対象とされた格納先を該異なる格納先情報により示される格納先に切り替える切替手段と、を含んで構成されている。
【0006】
請求項2に記載の情報処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記切替手段によって格納先を切り替えるための切り替え指示を受け付ける切替指示受付手段を更に含み、前記受付手段によって受け付けられた前記格納先情報により示される格納先が前記制御手段によって前記利用量が格納される対象とされているときに、前記切替指示受付手段によって前記切り替え指示が受け付けられることを、前記受付手段によって前記異なる格納先情報が受け付けられるための条件としたものである。
【0007】
請求項3に記載の情報処理装置は、請求項1または請求項2記載の発明において、 前記受付手段によって受け付けられた前記格納先情報により示される格納先が前記制御手段によって前記利用量が格納される対象とされてから前記機器が利用されずに予め定められた第1の時間経過したときに、現時点で前記受付手段によって受け付けられている前記識別子を無効化せずに前記受付手段による新たな前記格納先情報の受け付けを許可する許可手段と、前記許可手段によって新たな格納先情報の受け付けを許可してから該新たな格納先情報が受け付けられずに予め定められた第2の時間経過したときに、現時点で前記受付手段によって受け付けられている前記識別子を無効化する無効化手段と、を更に含むものである。
【0008】
請求項4に記載の情報処理装置は、請求項3に記載の発明において、前記許可手段によって新たな格納先情報の受け付けが許可された場合、新たな格納先情報の受け付けが許可されたことを報知し、前記無効手段によって前記識別子が無効化された場合、該識別子が無効化されたことを報知する報知手段を更に含むものである。
【0009】
請求項5に記載の情報処理システムは、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置と、前記格納先に格納された利用量情報を送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された利用量情報を受信する受信手段と、を含んで構成されている。
【0010】
請求項6に記載のプログラムは、コンピュータを、機器の利用者を識別する識別子、及び該利用者が該機器を利用した際の利用量を示す利用量情報を格納する格納先を示す格納先情報を受け付ける受付手段、前記受付手段によって受け付けられた識別子が、前記識別子と複数の前記格納先情報とを関連付けて記憶した記憶手段に記憶されている識別子であり、かつ前記受付手段によって受け付けられた格納先情報が前記記憶手段に記憶されている格納先情報である場合、前記機器が利用された際の利用量を示す利用量情報が該格納先情報により示される格納先に格納されるように制御する制御手段、及び前記受付手段によって受け付けられた前記格納先情報により示される格納先が前記利用量が格納される対象とされているときに、前記記憶手段に記憶されている格納先情報のうち、現時点で前記受付手段によって受け付けられている格納先情報とは異なる格納先情報が前記受付手段によって受け付けられた場合、前記制御手段によって制御されることにより前記利用量情報が格納される対象とされた格納先を該異なる格納先情報により示される格納先に切り替える切替手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、請求項5及び請求項6に係る発明によれば、利用に際して利用者の認証を要する機器を利用した際の利用量を格納する格納先を利用者の再度の認証を要することなく変更する、という効果が得られる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、切替手段によって利用量情報の格納先を切り替えるための切り替え指示を受け付ける切替指示受付手段を有しない場合に比べ、利用者にとって都合の良い時期に利用量情報の格納先が切り替えられる、という効果が得られる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、本発明の許可手段及び無効化手段を有しない場合に比べ、利用量情報の格納先の切り替えに掛かる手間が軽減される、という効果が得られる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、本発明の報知手段を有しない場合に比べ、利用量情報の格納先を切り替える際に要する条件が利用者によって容易に把握される、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係る画像処理出力装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る画像処理出力装置における記憶装置に記憶されているユーザIDとアカウントIDとの関連付けの一例を示す模式図である。
【図3】従来の手法を用いて画像処理出力機能を起動させる場合の画面の遷移状態の一例を示す状態遷移図(その1)である。
【図4】従来の手法を用いて画像処理出力機能を起動させる場合の画面の遷移状態の一例を示す状態遷移図(その2)である。
【図5】実施形態に係る機能指定実行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施形態に係るUIパネルに表示されるメニュー画面の一例を示す模式図である。
【図7】実施形態に係る機能指定実行処理が実行されているときのUIパネルの画面の遷移状態の一例を示す状態遷移図である。
【図8】実施形態に係るアカウント切替処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施形態に係るアカウント切替処理が実行されているときのUIパネルの画面の遷移状態の一例を示す状態遷移図である。
【図10】実施形態に係る機能指定実行処理及びアカウント切替処理が実行されているときの画像処理出力装置の動作の遷移状態を示す遷移図である。
【図11】実施形態に係るUIパネルの画面の遷移状態の変形例を示す状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
【0017】
図1には、本実施形態に係る画像処理出力装置10の構成の一例を示す概略構成図が示されている。同図に示されるように、画像処理出力装置10は、画像処理出力部12、画像処理部14、制御部16、UI(ユーザ・インタフェース)パネル18、操作部20、利用量管理装置22、ネットワークインタフェース24、及び記憶装置26を含んで構成されている。
【0018】
画像処理出力部12は、画像を示す画像情報が入力され、入力された画像情報に対して予め定められた処理を施して得た画像情報を出力するものであり、具体的には、プリンタ12A、スキャナ12B、及びファクシミリ(FAX)12Cを含んで構成されている。
【0019】
プリンタ12Aは、入力された画像情報により示される画像を記録媒体としての記録用紙に形成するものである。なお、本実施形態では、プリンタ12Aとしてゼログラフィプリンタを適用しているが、これに限らず、インクジェットプリンタや、サーマルプリンタ、ドットインパクトプリンタなどを適用してもよい。
【0020】
スキャナ12Bは、イメージセンサを用いて原稿を走査することにより画像情報を取得するものである。なお、本実施形態では、スキャナ12Bとして、自動原稿送り装置(所謂ADF)を装備したフラッドヘッドタイプのスキャナであって、CCD(Charge Coupled Devices)光学縮小方式のイメージスキャナを適用しているが、これに限らず、ハンディタイプやドラムタイプのイメージスキャナを適用してもよいし、CCD(Charge Coupled Devices)光学縮小方式のイメージスキャナに限らず、CIS(Contact Image Sensor)密着センサ方式のイメージスキャナなどの他の撮像素子を備えたイメージスキャナを適用してもよい。
【0021】
FAX12Cは、スキャナ12Bによって読み取られた画像情報を通信手段(例えば、公衆電話網)を介して外部の通信装置(図示省略)に送信すると共に、外部の通信装置から送信された画像情報を受信し、受信した画像情報により示される画像をプリンタ12Aを利用して記録用紙に形成するためのものである。
【0022】
画像処理部14は、スキャナ12Bによって走査されて得られた画像情報や、外部装置から入力された画像情報に対して予め定められた画像処理を施すものである。具体的には、画像情報に基づいて、色・温度補正処理、画像密度変換処理・ハイパートーン処理、ハイパーシャープネス処理、特殊画像処理、変倍処理等の画像処理を行う。
【0023】
制御部16は、各種プログラムの処理を実行することにより画像処理出力装置10全体を制御するCPU(中央処理装置)、画像処理出力装置10の作動を制御する制御プログラムや後述する機能指定実行処理プログラム、後述するアカウント切替処理プログラム、各種パラメータ等が予め記憶された記憶媒体であるROM(Read Only Memory)、及び各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる記憶媒体であるRAM(Random Access Memory)を備えたコンピュータを含んで構成されている。
【0024】
UIパネル18は、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等から構成され、各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、利用者がタッチパネルに触れることにより所望の情報や指示が入力される。具体的には、プリンタ12Aによる画像形成の開始の指示、スキャナ12Bによる原稿の読み取り開始の指示、スキャナ12Bによって得られた画像情報に対する画像処理の各種設定、FAX12Cによる画像情報の送受信の開始の指示などが行われる。
【0025】
操作部20は、電源スイッチやテンキー、画像処理出力装置10に対して各種指示及び各種設定を行なう際に操作されるボタンなどを含んで構成されている。
【0026】
利用量管理装置22は、画像処理出力装置10に備えられた機能(機器)を利用した際の利用量を示す利用量情報を管理するものである。なお、本実施形態に係る画像処理出力装置10では、原稿を走査することにより画像情報を取得するスキャナ機能、外部装置(例えば、後述する端末装置28)から入力された画像情報に応じた画像を用紙に形成する画像形成機能、スキャナ機能によって得られた画像情報に応じた画像を用紙に形成する複写機能、及びFaxの送受信を行なうFax機能の何れかの機能(以下では、これらの機能を総称して「画像処理出力機能」という。)が利用者によって選択され、選択された機能を利用した際に制御部16によって利用量がカウントされ、カウントされた利用量を示す利用量情報が利用量管理装置22の予め定められた複数の格納先(格納領域)の何れかに格納される。
【0027】
ネットワークインタフェース24は、通信手段(例えば、LAN)に接続されて通信手段を介して端末装置(例えば、パーソナル・コンピュータ)28と各種情報の授受を行うためのものである。
【0028】
記憶装置26は、補助記憶装置(例えば、ハードディスク装置)からなり、画像処理出力部12によって処理されて出力される対象となる画像情報や各種設定を行うためのデータを記憶する。また、記憶装置26は、画像処理出力装置10を利用する利用者(ユーザ)を識別する識別子として利用者に一意に割り振られたユーザIDと、画像処理出力機能を利用した際の利用量を示す利用量情報の格納先を示すと共に、画像処理出力機能を利用することによって発生する課金を請求する請求先(画像処理出力装置10の各機能に応じた利用料(アカウント)の請求先)を示すアカウントIDとが関連付けられて記憶されている。
【0029】
図2には、ユーザIDとアカウントIDとが関連付けられた状態の一例を模式的に示す模式図が示されている。記憶装置26には、同図に示されるように、各々“aaa”、“bbb”、“ccc”及び“ddd”で識別される4名分のユーザIDが予め記憶されている。また、記憶装置26には、各々“00001”、“00002”、“00003”及び“00004”で識別される4つのアカウントIDが予め記憶されている。
【0030】
“aaa”には、“00001”及び“00002”が関連付けられている。また、“bbb”には、“00002”及び“00003”が関連付けられている。また、“ccc”には、“00003”が関連付けられている。また、“ddd”には、何れのアカウントIDも関連付けられていない。更に、“00004”には、何れのユーザIDも関連付けられておらず、利用者の認証が必要な機能に関しては、このアカウントIDは使われない(現在使用)ということを意味している(画像処理出力装置10の設定が、利用者の認証が不要で、アカウントIDのみ使用する、という設定であった場合は使用できる)。
【0031】
制御部16には、プリンタ12A、スキャナ12B、FAX12C、画像処理部14、UIパネル18、操作部20、利用量管理装置22、ネットワークインタフェース24、及び記憶装置26が接続されている。従って、制御部16は、記憶装置26へのアクセスと、プリンタ12A,スキャナ12B、FAX12C、画像処理部14、及び利用量管理装置22からの各種情報の取得と、プリンタ12A,スキャナ12B、FAX12C、画像処理部14、及び利用量管理装置22の作動の制御と、UIパネル18への各種情報の表示と、UIパネル18及び操作部20に対する利用者の指示内容の把握と、端末装置28とのネットワークインタフェース24を介した各種情報の送受信と、を各々行う。
【0032】
ここで、画像処理出力装置10を用いて利用者によって従来の手法で画像処理出力機能が利用される場合の一例を説明する。なお、以下では、錯綜を回避するために、画像処理出力機能として、複写機能及びFax機能を利用する場合について説明する。
【0033】
図3には、UIパネル18に表示される画面の遷移状態を示す一例が示されている。同図に示されるように、画像処理出力機能を利用する場合、先ず、UIパネル18にメニュー画面(その1)が表示される。同図の例では、メニュー画面(その1)には、“Copy”と表記された複写ボタン、“Fax”と表記されたFaxボタン、及び“認証”と表記された認証ボタンが表示される。複写ボタンは、複写機能を起動させるために押下されるボタンである。Faxボタンは、Fax機能を起動させるために押下されるボタンである。認証ボタンは、利用者を認証してから画像処理出力機能を選択させるという流れで処理を進めることを指示するためのボタンである。
【0034】
メニュー画面(その1)において、利用者によって複写ボタンが押下されると、メニュー画面(その1)から認証画面に遷移する。認証画面には、ユーザID(User ID)が入力されるユーザID入力欄と、パスワード(Password)が入力されるパスワード入力欄とが表示される。ユーザID入力欄及びパスワード入力欄には、操作部20が操作されることによりユーザID及びパスワードが入力されても良いし、UIパネル18にアルファベットのキーボードやテンキーなどを表示させ、このキーボードやテンキーなどを介してユーザID及びパスワードが入力されても良い。ユーザID入力欄にユーザIDが、パスワード入力欄にパスワードが各々入力されて確定キー(図示省略)が押下されると、入力されたユーザIDが予め定められたユーザIDであり、かつ入力されたパスワードが予め定められたパスワードである場合に利用者の認証が完了し、認証画面からアカウント選択/設定画面に遷移する。
【0035】
アカウント選択/設定画面では、アカウントID(Account ID)が入力されるアカウントID入力欄が表示される。アカウントID入力欄には、操作部20のテンキーが操作されることによりアカウントIDが入力されても良いし、UIパネル18にテンキーを表示させ、このキーボードやテンキーなどを介してアカウントIDが入力されても良い。アカウントID入力欄にアカウントIDが入力されて確定キー(図示省略)が押下されると、入力されたアカウントIDが予め定められたアカウントIDである場合にアカウントIDが確定し、アカウント選択/設定画面から複写設定画面に遷移すると共に、複写機能を起動させる。以降、アカウントIDが変更されない限りは、そのアカウントIDにより示される請求先に利用料が請求されることになる。なお、アカウントID入力欄に入力されたアカウントIDが予め定められたアカウントIDでない場合にはメニュー画面(その1)に戻る。
【0036】
複写設定画面は、複写を行なうに際して各種設定を行なうための画面であり、各種設定キーや複写を開始する複写開始キーなどが同図のハッチング箇所に表示される。複写設定画面において利用者によって各種設定が行われた後に複写を開始する指示が行われると、設定に応じた複写が実行されると共に複写に応じた課金が現時点で設定されているアカウントIDにより示される請求先に対して行われる。設定に応じた複写が終了すると、複写設定画面からメニュー画面(その2)に遷移する。
【0037】
メニュー画面(その2)は、メニュー画面(その1)に比べ、認証ボタンに代えて認証解除ボタンを適用した点のみが異なっている。メニュー画面(その2)には、“認証解除”と表記された認証解除ボタンが表示される。認証解除ボタンは、現在の認証状態を解除するために押下されるボタンである。利用者によって認証解除ボタンが押下されると現在の認証状態が解除されてメニュー画面(その2)からメニュー画面(その1)に遷移する。ここで、認証状態が解除された状態とは、現在有効とされているユーザID及びパスワードが無効となり、画像処理出力装置10を利用する際に認証画面においてユーザID及びパスワードの入力が要求される状態を意味する。
【0038】
図4には、UIパネル18に表示される画面が遷移する別の一例が示されている。同図に示されるようにメニュー画面(その1)が表示されている場合、利用者によって認証ボタンが押下されると、メニュー画面(その1)から認証画面に遷移する。ユーザID入力欄にユーザIDが、パスワード入力欄にパスワードが各々入力されて確定キー(図示省略)が押下されると、入力されたユーザIDが予め定められたユーザIDであり、かつ入力されたパスワードが予め定められたパスワードである場合に利用者の認証が完了し、認証画面からメニュー画面(その1)に遷移する。利用者によってメニュー画面(その1)の複写ボタンが押下されると、アカウント選択/設定画面に遷移する。アカウントID入力欄にアカウントIDが入力されて確定キー(図示省略)が押下されると、入力されたアカウントIDが予め定められたアカウントIDである場合にアカウントIDが確定し、アカウント選択/設定画面から複写設定画面に遷移し、複写設定画面を介して複写が実行された後、複写設定画面からメニュー画面(その2)に遷移する。そして、利用者によって認証解除ボタンが押下されると現在の認証状態が解除されてメニュー画面(その2)からメニュー画面(その1)に遷移する。
【0039】
また、アカウント選択/設定画面が表示されたとしても、表示されてから一定時間(例えば、10分)経過すると、認証状態が解除されて認証画面に戻るという所謂タイムアウト処理が実行される。
【0040】
このように、画像処理出力装置10における従来の利用方法では、アカウントIDを変更するには一旦認証画面に戻って(所謂“ログアウト”を行なって)ユーザID及びパスワードを再度入力及び認証(所謂“ログイン”)しなければならなかった。
【0041】
そこで、本実施形態に係る画像処理出力装置10では、一旦ログアウトしてから再度ログインせずにアカウントIDを変更するために機能指定実行処理が実行される。
【0042】
次に、図5を参照して、機能指定実行処理を実行しているときの画像処理出力装置10の作用を説明する。なお、図5は、画像処理出力装置10の電源スイッチが入れられた際に制御部16によって実行される機能指定実行処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
同図のステップ100では、UIパネル18にメニュー画面30を表示し(図6参照)、その後にステップ102に移行し、画像処理出力機能の指定待ちを行う。図6には、メニュー画面30の表示例が示されている。メニュー画面30には、“Copy”と表記された複写ボタン30A、“Fax”と表記されたFaxボタン30B、及び“認証”と表記された認証ボタン30Cが表示される。複写ボタン30Aは、複写機能を起動させるために押下されるボタンである。Faxボタン30Bは、Fax機能を起動させるために押下されるボタンである。認証ボタン30Cは、利用者の認証が完了してから画像処理出力機能を選択させるという流れで処理を行う際に押下されるボタンである。メニュー画面30において利用者によって複写ボタン30A又はFaxボタン30Bが押下されると、ステップ102が肯定判定となってステップ104に移行する。なお、ここでは、錯綜を回避するために、複写ボタン30Aが押下された場合について説明する。
【0044】
ステップ104では、UIパネル18に表示されている画面をメニュー画面30から認証画面32に遷移させ(図7参照)、その後にステップ106に移行し、ユーザID及びパスワードの入力待ちを行う。図7には、認証画面32の表示例が示されている。認証画面32には、ユーザID(User ID)が入力されるユーザID入力欄32Aと、パスワード(Password)が入力されるパスワード入力欄32Bとが各々入力箇所が空欄の状態で表示される。ユーザID入力欄32A及びパスワード入力欄32Bには、操作部20が操作されることによりユーザID及びパスワードが入力されても良いし、UIパネル18にアルファベットのキーボードやテンキーなどを表示させ、このキーボードやテンキーなどが操作されることによってユーザID及びパスワードが入力されても良い。認証画面32において利用者によってユーザID入力欄32AにユーザIDが、パスワード入力欄32Bにパスワードが各々入力され、入力されたユーザID及びパスワードが確定キー(図示省略)が押下されることにより確定されると、ステップ106が肯定判定となってステップ108に移行する一方、ユーザID入力欄32AにユーザIDが、パスワード入力欄32Bにパスワードが各々予め定められた字数(ここでは、8字)入力されない場合は否定判定となってステップ110に移行する。パスワード入力欄32B及びパスワード入力欄32Bには、UIパネル18又は操作部20が操作されることによってアルファベットや数字が入力されると、パスワード入力欄32Bの入力箇所には入力されたアルファベットや数字が1字ずつ伏字(例えば「*」との記号)で表示される。
【0045】
ステップ110では、現時点でユーザID入力欄32A及びパスワード入力欄32Bに入力された情報を無効にすると共にユーザID入力欄32A及びパスワード入力欄32Bに情報が入力されている場合にはその情報をユーザID入力欄32A及びパスワード入力欄32Bから消去して再入力させるための再入力条件を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ106に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ104に戻る。
【0046】
ステップ108では、上記ステップ106の処理によって入力されて確定されたユーザID及びパスワードが画像処理出力装置10の利用が許可された利用者のものであるか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ112に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ109に移行し、UIパネル18に表示されている画面を認証画面32から、上記ステップ106の処理によって入力されて確定された情報が間違っていることを示すエラー画面(図示省略)に遷移させ、エラー画面を予め定められた時間(例えば、5秒間)表示した後、ステップ104に戻る。エラー画面としては、例えば、UIパネル18に「入力情報が間違っています。」とのメッセージが表示された画面が挙げられる。
【0047】
ステップ112では、UIパネル18に表示されている画面を認証画面32からアカウント選択/設定画面34に遷移させ(図7参照)、その後にステップ116に移行し、アカウントIDの入力待ちを行う。一例として図7に示すように、アカウント選択/設定画面34では、アカウントID(Account ID)が入力される入力箇所が空欄とされたアカウントID入力欄34Aが表示される。アカウントID入力欄34Aには、操作部20のテンキーが操作されることによりアカウントIDが入力されても良いし、UIパネル18にキーボードやテンキーを表示させ、このキーボードやテンキーなどが操作されることによってアカウントIDが入力されても良い。なお、図7では、アカウントID入力欄34Aに、アカウントIDとして“00001”が入力された例が示されている。アカウント選択/設定画面34において利用者によってアカウントID入力欄32AにアカウントIDが入力され、入力されたアカウントIDが確定キー(図示省略)が押下されることによって確定されると、ステップ116が肯定判定となってステップ118に移行する一方、アカウントID入力欄34AにアカウントIDが入力されて確定キーが押下されない場合は否定判定となってステップ120に移行する。
【0048】
ステップ120では、現時点での認証状態を解除するための認証解除条件(例えば、アカウント選択・設定画面34が表示されてから予め定められた時間(5分間)経過した、との条件、またはUIパネル18若しくは操作部20が操作されることにより現時点での認証状態を解除することを指示する情報が受け付けられた、との条件など)を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ116に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ104に戻る。
【0049】
ステップ118では、上記ステップ116の処理によって入力されて確定されたアカウントIDが課金の請求先として予め許可された請求先を示すアカウントIDであるか否か、すなわち、記憶装置26において、上記ステップ106の処理によって入力されて確定されたユーザIDに関連付けられて記憶されているアカウントIDであるか否かを判定し、否定判定となった場合には上記ステップ119に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ122に移行する。ステップ119では、上記ステップ116の処理によって入力されて確定された情報が間違っていることを示すエラー画面(図示省略)に遷移させ、エラー画面を予め定められた時間(例えば、5秒間)表示した後、ステップ112に戻る。エラー画面としては、例えば、UIパネル18に「入力情報が間違っています。」とのメッセージが表示された画面が挙げられる。
【0050】
ステップ122では、UIパネル18に表示されている画面をアカウント選択/設定画面34から、上記ステップ102の処理によって指定された画像処理出力機能を起動させるために必要な操作入力を行なうための画面である指定機能画面(ここでは、複写機能を起動させるための操作入力画面である“複写設定画面36”)に遷移させ(図7参照)、その後にステップ122に移行する。なお、複写設定画面36は、図3及び図4に示す複写設定画面と同様に構成されている。
【0051】
ステップ124では、複写設定画面36において複写の実行を開始する指示が入力されたか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ126に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ128に移行し、現時点での認証状態を解除するための認証解除条件(例えば、複写設定画面36が表示されてから予め定められた時間(5分間)経過した、との条件、またはUIパネル18若しくは操作部20が操作されることにより現時点での認証状態を解除することを指示する情報が受け付けられた、との条件など)を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ124に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ104に戻る。
【0052】
ステップ126では、画像処理出力機能(ここでは、複写機能)を起動させて複写設定画面36において設定された設定内容に従って複写を実行した後、ステップ129に移行する。ステップ129では、上記ステップ126の処理によって実行された複写の終了待ちを行い、複写が終了すると、ステップ130に移行し、上記ステップ116の処理によって入力されて確定されたアカウントIDにより示される請求先に課金が請求されるように(アカウントIDにより示される格納先に利用量を示す利用量情報が格納されるように)利用量管理装置22を制御する。なお、本実施形態に係る画像処理出力装置10では、上記ステップ116の処理によって入力されて確定されたアカウントIDにより示される請求先に対して、利用量情報を送信している。この場合、例えば、端末装置28がアカウントIDにより示される請求先に設けられたものだとすると、制御部16は、利用量管理装置22から、その請求先に対応する格納領域に格納されている利用量情報を取得し、取得した利用量情報をネットワークインタフェース24を介して端末装置28に送信する。端末装置28は、画像処理出力装置10から送信された利用量情報を受信する。なお、これに限らず、上記ステップ116の処理によって入力されて確定されたアカウントIDにより示される請求先に対して、請求すべき課金を示す課金情報を送信するようにしてもよい。この場合は、例えば、端末装置28がアカウントIDにより示される請求先に設けられたものだとすると、制御部16は、利用量管理装置22から、その請求先に対応する格納領域に格納されている利用量情報を取得し、取得した利用量情報により示される利用量に対する対価を計算し、計算して得た対価を示す課金情報をネットワークインタフェース24を介して端末装置28に送信する。端末装置28は、画像処理出力装置10から送信された課金情報を受信する。これにより、請求先の端末装置28において課金の額が容易に把握される。
【0053】
次のステップ132では、UIパネル18に表示されている画面を複写設定画面36から、画像処理出力機能の指定待ち及びアカウントIDの切り替えの指示待ちを行うメニュー画面38に遷移させた後(図7参照)、本機能指定実行処理プログラムを終了する。
【0054】
なお、図7に示すメニュー画面38は、図6に示すメニュー画面30に比べ、“Account切替”と表記されたアカウント切替ボタン38Aを新たに設けた点のみが異なっている。アカウント切替ボタン38Aは、現時点で指定されているアカウントIDを他のアカウントIDに切り替えるために押下されるボタンである。
【0055】
次に、図8を参照して、アカウント切替ボタン38Aが押下された際に画像処理出力装置10によって実行されるアカウント切替処理について説明する。なお、図8は、アカウント切替ボタン38Aが押下された際に制御部16によって実行されるアカウント切替処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0056】
同図のステップ200では、UIパネル18に一例として図9に示すようにアカウント選択/設定画面34を表示した後、ステップ202に移行し、前回アカウントID入力欄34Aに入力されて確定されたアカウントIDと異なるアカウントIDが入力されて、入力されたアカウントIDが確定キー(図示省略)が押下されることによって確定された場合は肯定判定となってステップ204に移行する一方、前回アカウントID入力欄34Aに入力されて確定されたアカウントIDと異なるアカウントIDが入力されない場合は否定判定となってステップ206に移行する。
【0057】
ステップ206では、アカウントID入力欄34Aに現在入力されているアカウントIDを確定する条件(例えば、確定キー(図示省略)が押下された、との条件や、上記ステップ200の処理が実行されてから予め定められた時間(例えば、5分間)経過した、との条件など)を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ202に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ208に移行する。
【0058】
ステップ204では、上記ステップ202の処理によって入力されて確定されたアカウントIDが課金の請求先として予め許可された請求先を示すアカウントIDであるか否か、すなわち、記憶装置26において、上記ステップ202の処理によって入力されて確定されたユーザIDに関連付けられて記憶されているアカウントIDであるか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ208に移行する一方、否定判定となった場合には上記ステップ210に移行し、UIパネル18にエラー画面を表示した後、ステップ232に移行する。
【0059】
ステップ208では、画像処理出力機能の指定待ちを行う。アカウント切替画面38において利用者によって複写ボタン30A又はFaxボタン30Bが押下されると、ステップ208が肯定判定となってステップ220に移行する。なお、以下では、錯綜を回避するために、Faxボタン30Bが押下された場合を例に挙げて説明する。
【0060】
一方、ステップ208において複写ボタン30A又はFaxボタン30Bが押下されない場合は否定判定となってステップ214に移行し、現時点での認証状態を解除するための認証解除条件(例えば、上記ステップ208の処理が実行されてから予め定められた時間(5分間)経過した、との条件、またはUIパネル18若しくは操作部20が操作されることにより現時点での認証状態を解除することを指示する情報が受け付けられた、との条件など)を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ208に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ218に移行する。
【0061】
ステップ218では、現時点での認証状態を解除し、機能指定実行処理プログラムのステップ100に移行する。
【0062】
ステップ220では、UIパネル18に表示されている画面をアカウント選択/設定画面34から、上記ステップ208の処理によって指定された画像処理出力機能を起動させるための操作入力を行なう画面である指定機能画面(ここでは、Fax機能を起動させるための操作入力を行なう画面である“Fax設定画面40”)に遷移させ(図9参照)、その後にステップ222に移行する。なお、Fax設定画面40は、Fax送信を行なうに際して各種設定を行なうための画面であり、各種設定キーやFax送信を開始するFax送信開始キーなどが図9に示すハッチング箇所に表示される。Fax設定画面40において利用者によって各種設定が行われた後にFax送信を開始する指示が行われると、設定に応じたFax送信が実行されると共にFax送信に応じた課金が現時点で設定されているアカウントIDにより示される請求先に対して行われる。
【0063】
ステップ222では、Fax設定画面40においてFax送信を開始する指示が入力されたか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ224に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ225に移行し、前回表示された画面、すわなち、アカウント選択/設定画面34に復帰するための画面復帰条件(ここでは、上記ステップ204の処理が実行されてから予め定められた時間(5分間)経過した、との条件)を満足したか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ200に戻る一方、否定判定となった場合にはステップ226に移行し、現時点での認証状態を解除するための認証解除条件(例えば、上記ステップ204の処理が実行されてから予め定められた時間(10分間)経過した、との条件)を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ222に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ218に移行する。
【0064】
ステップ224では、上記ステップ208の処理によって指定された画像処理出力機能(ここでは、Fax機能)を起動させてFax設定画面40において設定された設定内容に従ってFax送信を実行する。次のステップ228では、上記ステップ224の処理によって実行されたFax送信の終了待ちを行い、Fax送信が終了するとステップ230に移行し、上記ステップ202の処理によって入力されて確定されたアカウントIDにより示される格納先(格納領域)に、利用に応じた利用量を示す利用量情報が格納されるように(請求先に課金が請求されるように)利用量管理装置22を制御する。
【0065】
次のステップ232では、現時点でUIパネル18に表示されている画面をアカウント切替画面38に遷移させた後(図9参照)、本アカウント切替処理プログラムを終了する。
【0066】
図10は、本実施形態に係る画像処理出力装置10で実行される機能指定実行処理及びアカウント切替処理の一例の流れの一例を示す状態遷移図である。
【0067】
同図に示すように、メニュー画面30において複写ボタン30Aが押下(複写ボタンON)されると、UIパネル18に表示されている画面がメニュー画面30から認証画面32に遷移し、認証画面32においてユーザID及びパスワードが入力される。このユーザID及びパスワードが予め定められた利用者(画像処理出力装置10の利用が許可された利用者)を示すものである場合にはUIパネル18に表示されている画面が認証画面32からアカウント選択/設定画面34に遷移し、アカウント選択/設定画面34においてアカウントIDが設定される。この設定されたアカウントIDが予め定められたアカウントID(認証されたユーザIDに関連付けられているアカウントID)を示すものである場合にはUIパネル18に表示されている画面がアカウント選択/設定画面34から複写設定画面36に遷移する。複写設定画面36において各種設定が行われて複写の実行を開始する指示が入力されると、設定された設定内容に従って複写が実行される。そして、この複写量(利用量)を示す複写量情報(利用量情報)が現時点で設定されているアカウントIDにより示される格納領域に格納される。
【0068】
複写が実行された後、UIパネル18に表示されている画面が複写設定画面36からメニュー画面38に遷移する。アカウント切替画面38においてアカウント切替ボタン38Aが押下(アカウント切替ボタンON)されると、UIパネル18にはアカウント選択/設定画面34が表示される。このアカウント選択/設定画面34においてアカウントIDが設定されると、UIパネル18に表示されている画面がFax設定画面40に遷移する。Fax設定画面40においてFax送信に関する各種設定を行ってからFax送信の開始が指示されると、Fax送信が実行される。そして、このFax送信量(利用量)を示すFax送信量情報(利用量情報)が現時点で設定されているアカウントIDにより示される格納領域に格納される。
【0069】
なお、上記実施形態では、メニュー画面30において画像処理出力機能を指定する際に複写ボタン30A又はFaxボタン30Bを押下する場合の形態例を挙げて説明したが、認証ボタン30Cを押下してもよい。例えば、メニュー画面30において認証ボタン30Cが押下された場合、UIパネル18に表示されている画面がメニュー画面30から認証画面32に遷移し、認証画面32おいて利用者の認証が完了してから再度メニュー画面30に戻り、複写ボタン30A又はFaxボタン30Bを押下して画像処理出力機能を指定すればよい。
【0070】
また、上記実施形態では、図9において、Fax送信が終了した後にUIパネル18に表示されている画面がFax設定画面40からメニュー画面38を経由してアカウント選択/設定画面34に遷移する形態例を挙げて説明したが、これに限らず、Fax送信が終了した後にUIパネル18に表示されている画面をFax設定画面40からアカウント選択/設定画面34に直接遷移させてもよい。この場合、Fax送信が終了した後にアカウント選択/設定画面34が表示されるので、アカウントIDを入力するまでの手間が軽減される。
【0071】
また、上記実施形態では、上記ステップ225の画面復帰条件として、上記ステップ204の処理が実行されてから予め定められた時間(5分間)経過した、との条件を適用したが、これに限らず、例えば、上記ステップ220の処理が実行されてから予め定められた時間(5分間)経過した、との条件や、UIパネル18又は操作部20を介してアカウント選択/設定画面34に復帰するための指示が入力された、との条件などの他の条件であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、上記ステップ226の認証解除条件として、上記ステップ204の処理が実行されてから予め定められた時間(10分間)経過した、との条件を適用したが、これに限らず、例えば、複写設定画面36が表示されてから予め定められた時間(10分間)経過した、との条件や、UIパネル18若しくは操作部20が操作されることにより現時点での認証状態を解除することを指示する情報が受け付けられた、との条件などの他の条件であってもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、メニュー画面30に、複写機能及びFax機能を指定するための複写ボタン30A及びFaxボタン30Bを表示する形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、スキャナ機能や画像形成機能などの他の機能を指定するためのボタンを設けてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、課金対象をアカウントIDにより示される請求先とし、アカウントIDを課金の請求先を特定するために用いているが、これに限らず、アカウントIDを画像処理出力装置10に備えられている画像処理出力機能毎を特定するIDとして用いてもよい。この場合、画像処理出力機能毎に、利用量に応じた課金が利用者に請求される形態例が挙げられる。つまり、記憶装置14に記憶されているアカウントIDに関連付けられているユーザIDによって特定される利用者に対して、そのアカウントIDによって特定される画像処理出力機能の利用量に応じた課金が行なわれる。具体的には、アカウントID“00001”をコピー機能とし、アカウントID“00002”をFax機能とした場合、コピー機能の利用量に応じた課金及びFax機能の利用量に応じた課金を利用者に行なう場合、コピー機能及びFax機能の各々を課金対象として取り扱う。
【0075】
また、上記実施形態では、利用者の認証を行なってからアカウントIDを選択する場合の形態例を挙げて説明したが、先に利用者にアカウントIDを選択させてからユーザID及びパスワードを利用者に入力させて利用者の認証を行なうようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、UIパネル18に表示されている画面を指定機能画面(上記実施形態では、Fax設定画面40)からメニュー画面38に遷移させることにより、現在設定されているユーザID及びパスワードが無効化されず新たなアカウントIDの入力及び確定を許可することを報知し、UIパネル18に表示されている画面を指定機能画面(上記実施形態では、Fax設定画面40)からメニュー画面30に遷移させることにより、現在設定されているユーザID及びパスワードが無効化されたことを報知しているが、これに限らず、音声再生装置(スピーカ)による可聴表示や画像形成装置(例えば、プリンタ)による永久可視表示によって報知するようにしてもよい。また、UIパネル18による可視表示、音声再生装置による可聴表示、及び画像形成装置による永久可視表示を組み合わせて報知するようにしてもよい。更に、ネットワークインタフェース24を介して端末装置28に情報を送信し、その情報を端末装置28に接続されている出力装置(スピーカ、プリンタ、ディスプレイなど)よって出力することにより報知するようにしてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、アカウント切替ボタン38Aが押下されることによってUIパネル18にアカウント選択/設定画面34が表示されてアカウントIDの入力及び確定が許可されるが、これに限らず、例えば、上記機能指定実行処理プログラムにおいてステップ130の処理を実行した後に、ステップ132の処理に代えて、UIパネル18にアカウント選択/設定画面34及びメニュー画面38が並べられた複合画面を表示する処理を実行するようにしてもよい。このように、予め定められた条件を満足した場合に、メニュー画面38を単独で表示させずにアカウント選択/設定画面34を含む複合画面を表示させるか、アカウント選択/設定画面34を単独で表示させるか、またはアカウント選択/設定画面34と他の画面とを複合して構成した画面を表示させることにより、アカウントIDの入力及び確定が許可されるようにすればよい。
【0078】
また、上記実施形態では、アカウント選択/設定画面34のアカウントID入力欄34AにアカウントIDを入力させる場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、現在ログインしている利用者に、“00001”、“00002”、“00003”、及び“00004”のアカウントIDが割り当てられている場合、一例として図11に示すように、“00001”、“00002”、“00003”、及び“00004”の各々に対応するアカウントIDボタン35A〜35Dを有すると共に、“アカウントを選択して下さい。”というアカウントIDの入力を促すメッセージを有するアカウント選択/設定画面35を表示させ、利用者にアカウントIDボタン35A〜35Dの何れかのボタンを押下させることによりアカウントIDを選択させるようにしてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、機能指定実行処理プログラム及び利用対象処理プログラムがROMに予め記憶されている場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのプログラムをCD−ROMやDVD−ROM、USBメモリなどのコンピュータによって読み取られる記録媒体に格納した状態で提供する形態を適用してもよいし、有線又は無線による通信手段を介して配信する形態を適用しても良い。
【符号の説明】
【0080】
10 画像処理出力装置
12 画像処理出力部
18 UIパネル
20 操作部
22 利用量管理装置
26 記憶装置
28 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の利用者を識別する識別子、及び該利用者が該機器を利用した際の利用量を示す利用量情報を格納する格納先を示す格納先情報を受け付ける受付手段と、
前記識別子と複数の前記格納先情報とを関連付けて記憶した記憶手段と、
前記受付手段によって受け付けられた識別子が前記記憶手段に記憶されている識別子であり、かつ前記受付手段によって受け付けられた格納先情報が前記記憶手段に記憶されている格納先情報である場合、前記機器が利用された際の利用量を示す利用量情報が該格納先情報により示される格納先に格納されるように制御する制御手段と、
前記受付手段によって受け付けられた前記格納先情報により示される格納先が前記利用量が格納される対象とされているときに、前記記憶手段に記憶されている格納先情報のうち、現時点で前記受付手段によって受け付けられている格納先情報とは異なる格納先情報が前記受付手段によって受け付けられた場合、前記制御手段によって制御されることにより前記利用量情報が格納される対象とされた格納先を該異なる格納先情報により示される格納先に切り替える切替手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項2】
前記切替手段によって格納先を切り替えるための切り替え指示を受け付ける切替指示受付手段を更に含み、
前記受付手段によって受け付けられた前記格納先情報により示される格納先が前記制御手段によって前記利用量が格納される対象とされているときに、前記切替指示受付手段によって前記切り替え指示が受け付けられることを、前記受付手段によって前記異なる格納先情報が受け付けられるための条件とした請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付手段によって受け付けられた前記格納先情報により示される格納先が前記制御手段によって前記利用量が格納される対象とされてから前記機器が利用されずに予め定められた第1の時間経過したときに、現時点で前記受付手段によって受け付けられている前記識別子を無効化せずに前記受付手段による新たな前記格納先情報の受け付けを許可する許可手段と、
前記許可手段によって新たな格納先情報の受け付けを許可してから該新たな格納先情報が受け付けられずに予め定められた第2の時間経過したときに、現時点で前記受付手段によって受け付けられている前記識別子を無効化する無効化手段と、を更に含む請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記許可手段によって新たな格納先情報の受け付けが許可された場合、新たな格納先情報の受け付けが許可されたことを報知し、前記無効手段によって前記識別子が無効化された場合、該識別子が無効化されたことを報知する報知手段を更に含む請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置と、
前記格納先に格納された利用量情報を送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された利用量情報を受信する受信手段と、
を含む情報処理システム。
【請求項6】
コンピュータを、
機器の利用者を識別する識別子、及び該利用者が該機器を利用した際の利用量を示す利用量情報を格納する格納先を示す格納先情報を受け付ける受付手段、
前記受付手段によって受け付けられた識別子が、前記識別子と複数の前記格納先情報とを関連付けて記憶した記憶手段に記憶されている識別子であり、かつ前記受付手段によって受け付けられた格納先情報が前記記憶手段に記憶されている格納先情報である場合、前記機器が利用された際の利用量を示す利用量情報が該格納先情報により示される格納先に格納されるように制御する制御手段、及び
前記受付手段によって受け付けられた前記格納先情報により示される格納先が前記利用量が格納される対象とされているときに、前記記憶手段に記憶されている格納先情報のうち、現時点で前記受付手段によって受け付けられている格納先情報とは異なる格納先情報が前記受付手段によって受け付けられた場合、前記制御手段によって制御されることにより前記利用量情報が格納される対象とされた格納先を該異なる格納先情報により示される格納先に切り替える切替手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−104884(P2012−104884A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249015(P2010−249015)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】