説明

情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム

【課題】複数の機器間で簡単にデータの送受信を行うことが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置100は、照射領域内に配置された他の情報処理装置200に、第1の認証用情報を含む照射イメージを照射する照射制御部131と、上記照射領域の撮像画像に基づいて検出される第2の認証用情報を用いて、上記他の情報処理装置との認証処理を制御する認証制御部137と、上記認証制御部により認証された他の情報処理装置との通信を制御する通信制御部139とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関し、特に、複数の機器間で、簡単かつ確実に認証及び情報通信を行うことのできる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークに接続する機能を有する機器が急速に普及している。このため、ユーザは、複数の機器の間で情報を交換する機会が増えている。複数の機器の間で情報のやりとりをする場合、有線で接続する、赤外線送受信部を相互に対面させて送受信させる、などの方法があった。
【0003】
ところが、有線での接続の場合には、ケーブル等を準備する必要があり煩雑であった。また、赤外線による通信は、赤外線送受信部を相互に対面させる必要があり、また、大容量なデータには対応することができず、やり取りする情報が限定されてしまっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−053111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、例えばWiFi(Wireless Fidelity)などの無線通信を用いることが考えられる。しかし、この場合、機器認証のために、それぞれお互いの固有番号を入力しなければならなかった。このため、手順が煩雑であり、専門的な知識が必要であるという問題があった。特に、一時的に相手方の装置と通信したい場合にはより簡単な方法が求められていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複数の機器間で簡単にデータの送受信を行うことが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、照射領域内に配置された他の情報処理装置に、第1の認証用情報を含む照射イメージを照射する照射制御部と、上記照射領域の撮像画像に基づいて検出される第2の認証用情報を用いて、上記他の情報処理装置との認証処理を制御する認証制御部と、上記認証制御部により認証された他の情報処理装置との通信を制御する通信制御部とを有する、情報処理装置が提供される。
【0008】
かかる構成により、本情報処理装置と他の情報処理装置とは、照射装置により情報処理装置から他の情報処理装置に第1の認証用情報が提供され、他の情報処理装置から情報処理装置に提供される第2の認証用情報を撮像画像から検出することができる。そして、当該情報処理装置は、第2の認証用情報に基づいて認証処理を行うことができるようになる。第1の認証用情報を含む照射イメージは、他の情報処理装置の撮像部を含む領域に照射されるため、他の情報処理装置は撮像部による撮像画像に基づいて第1の認証用情報を検出することができる。通信制御部は、認証された他の情報処理装置との間で通信するため、装置間でデータのやり取りをすることができるようになる。
【0009】
また、上記照射制御部は、上記第1の認証用情報と対応づけられた発光パターンを含む照射イメージを照射してもよい。
【0010】
また、上記撮像画像に基づき、上記第2の認証用情報を検出する検出部、をさらに有し、上記認証制御部は、上記検出部の検出した第2の認証用情報に基づいて、認証処理を行ってもよい。
【0011】
また、上記検出部は、上記撮像画像中の上記他の情報処理装置の表示画面に表示された認証用イメージから上記第2の認証用情報を検出してもよい。
【0012】
また、上記照射制御部は、上記他の情報処理装置が上記照射領域内に配置されたことが検出されると、上記第1の認証用情報を含む照射イメージを照射してもよい。
【0013】
また、上記照射制御部は、上記他の情報処理装置から提供された上記第2の認証用情報が検出されると、上記第1の認証用情報を含む照射イメージを照射してもよい。
【0014】
また、コンテンツを記憶する記憶部をさらに有し、上記照射制御部は、上記記憶部に記憶されたコンテンツと対応づけられたオブジェクトイメージを含む照射イメージを照射させ、上記通信制御部は、上記検出部により上記オブジェクトイメージ上の情報処理装置が検出されると、上記オブジェクトイメージ上の情報処理装置に対して、当該オブジェクトイメージと対応づけられたコンテンツを送信してもよい。
【0015】
また、上記撮像画像に基づいて、上記撮像画像を撮像する撮像装置と上記他の情報処理装置との間の距離の変化を検出する検出部をさらに有するものであってよい。
【0016】
また、上記オブジェクトイメージには、複数のコンテンツが対応づけられており、上記通信制御部は、上記検出部により検出された上記撮像装置と上記他の情報処理装置との間の距離に基づいて選択されたコンテンツを上記ユーザ装置に送信してもよい。
【0017】
また、上記検出部は、上記撮像画像内の上記他の情報処理装置の所定の部分の大きさの変化に基づいて、上記距離の変化を検出してもよい。
【0018】
また、上記撮像画像に基づいて、上記他の情報処理装置の向きを検出する検出部をさらに有してもよい。
【0019】
また、上記検出部は、上記他の情報処理装置の向きの変化から当該他の情報処理装置の回転動作を検出し、上記照射制御部は、照射イメージ内のオブジェクトイメージ上における他の情報処理装置の上記回転動作が検出されると、当該オブジェクトイメージの位置を回転動作が検出された他の情報処理装置の位置に基づいて変化させてもよい。
【0020】
また、上記検出部は、上記他の情報処理装置の外観に関する学習データにさらに基づいて上記他の情報処理装置の向きを検出してもよい。
【0021】
また、上記検出部は、上記撮像画像内の上記他の情報処理装置部分から記号を検出し、当該記号の向きに基づいて、上記他の情報処理装置の向きを検出してもよい。
【0022】
また、上記撮像画像に基づいて、上記他の情報処理装置の位置を検出する検出部をさらに有し、上記通信制御部は、認証された上記他の情報処理装置の上記表示部に表示されたコンテンツを取得し、上記照射制御部は、取得された上記コンテンツを示すオブジェクトイメージを上記他の情報処理装置が検出された位置に含む照射イメージの照射を制御してもよい。
【0023】
また、上記照射制御部は、複数の種類の上記発光パターンの中から、認証に用いる発光パターンを選択し、上記照射領域内に複数の情報処理装置が存在するときには、それぞれの情報処理装置に対して互いに異なる発光パターンを照射させてもよい。
【0024】
また、上記通信制御部は、上記他の情報処理装置が検出された後に、上記照射領域内に上記他の情報処理装置が検出されなくなると、該情報処理装置との通信を切断してもよい。
【0025】
また、上記照射制御部は、上記認証制御部により認証された情報処理装置の位置を示す領域に認証済みであることを示す認証済イメージを含む照射イメージの照射を制御してもよい。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、照射部を制御する第1の情報処理装置と、上記照射部の照射領域内に配置された第2の情報処理装置とを有し、上記第1の情報処理装置は、上記第2の情報処理装置に、第1の認証用情報を含む照射イメージを照射する照射制御部と、上記照射領域の撮像画像に基づいて検出される第2の認証用情報を用いて、上記第2の情報処理装置との認証処理を制御する認証制御部と、上記認証制御部により認証された上記第2の情報処理装置との通信を制御する通信制御部と、を有し、上記第2の情報処理装置は、上記照射イメージを取得する撮像部と、上記照射イメージから検出される上記第1の認証用情報を用いて、上記第1の情報処理装置との認証処理を制御する認証制御部と、認証された上記第1の情報処理装置との通信を制御する通信制御部とを有する、情報処理システムが提供される。
【0027】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、照射領域内に配置された他の情報処理装置を検出するステップと、上記他の情報処理装置に、第1の認証用情報を含む照射イメージを照射するステップと、上記照射領域の撮像画像に基づいて第2の認証用情報を検出するステップと、検出された上記第2の認証用情報を用いて、上記他の情報処理装置との認証処理を行うステップと、認証された上記他の情報処理装置との通信を開始するステップと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0028】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、照射領域内に配置された他の情報処理装置に、第1の認証用情報を含む照射イメージを照射する照射制御部と、上記照射領域の撮像画像に基づいて検出される第2の認証用情報を用いて、上記他の情報処理装置との認証処理を制御する認証制御部と、上記認証制御部により認証された他の情報処理装置との通信を制御する通信制御部とを有する情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように本発明によれば、複数の機器間で簡単にデータの送受信を行うことが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成図である。
【図2】同実施形態に係る固定プロジェクタ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態に係るモバイル機器の構成を示すブロック図である。
【図4A】機器間認証処理の第1の例のモバイル機器における動作を示すフローチャートである。
【図4B】機器間認証処理の第1の例の固定プロジェクタ制御装置における動作を示すフローチャートである。
【図5】機器間認証処理の第1の例についての説明図である。
【図6】機器間認証後の固定プロジェクタ制御装置による照射イメージ例を示す説明図である。
【図7A】機器間認証処理の第2の例のモバイル機器における動作を示すフローチャートである。
【図7B】機器間認証処理の第2の例の固定プロジェクタ制御装置における動作を示すフローチャートである。
【図8A】機器間認証処理の第3の例のモバイル機器における動作を示すフローチャートである。
【図8B】機器間認証処理の第3の例の固定プロジェクタ制御装置における動作を示すフローチャートである。
【図9A】機器間認証処理の第4の例のモバイル機器における動作を示すフローチャートである。
【図9B】機器間認証処理の第4の例の固定プロジェクタ制御装置における動作を示すフローチャートである。
【図10A】機器間認証処理の第5の例のモバイル機器における動作を示すフローチャートである。
【図10B】機器間認証処理の第5の例の固定プロジェクタ制御装置における動作を示すフローチャートである。
【図11】同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第1の例における操作を説明するための説明図である。
【図12】同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第2の例における操作を説明するための説明図である。
【図13】同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第2の例における操作を説明するための説明図である。
【図14】同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第2の例における操作を説明するための説明図である。
【図15】同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第2の例における操作を説明するための説明図である。
【図16】同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第3の例における操作を説明するための説明図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る情報処理システムの概要を示す説明図である。
【図18】同実施形態に係る機器間認証について説明するための説明図である。
【図19】同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービス例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0032】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1−1.構成
1−2.認証処理
1−3.インタラクション
2.第2の実施形態
2−1.構成
2−2.動作
3.まとめ
【0033】
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてモバイル機器200a、およびモバイル機器200bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、モバイル機器200a、およびモバイル機器200bなどを特に区別する必要が無い場合には、単にモバイル機器200と称する。
【0034】
<1.第1の実施形態>
[1−1.構成]
(システム構成)
まず、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成図である。また、図2は、同実施形態に係る固定プロジェクタ制御装置の構成を示すブロック図である。図3は、同実施形態に係るモバイル機器の構成を示すブロック図である。
【0035】
図1を参照すると、本実施形態に係る情報処理システム1は、照射装置12と撮像装置14とを制御する固定プロジェクタ制御装置100と、照射装置12の照射領域内に存在するモバイル機器200とを有する。
【0036】
照射装置12は、固定プロジェクタ制御装置100の制御に従って、照射イメージを照射する機能を有する。ここで、照射イメージが照射される領域は、照射領域と呼ばれる。照射領域は、照射面120を含む三次元領域であり、照射面120と照射装置12との間において照射イメージが照射される空間を含む。本実施形態においては、照射装置12は固定型のプロジェクタ装置であり、フロントプロジェクタである。また、照射装置12は、例えば天井に設置され、床に向けて照射イメージを照射する。或いは、照射装置12は、天井や壁に向けて照射イメージを照射するものであってもよい。フロントプロジェクタが用いられる場合には、床、天井、壁などの設備をそのまま照射面とすることができるため、既存の設備を利用することができる利点がある。
【0037】
撮像装置14は、固定プロジェクタ制御装置100の制御に従って、照射装置12の照射領域を撮像する機能を有する。本実施形態においては、照射領域は、撮像装置14の撮像範囲と同一であることとし、以下、照射領域は撮像領域と同義で用いることとする。撮像装置14は、取得した撮像画像を固定プロジェクタ制御装置100に出力する。
【0038】
固定プロジェクタ制御装置100は、照射装置12及び撮像装置14を制御する機能を有し、第2の情報処理装置の一例である。固定プロジェクタ制御装置100は、撮像装置14により取得される撮像画像に基づいて、照射領域内のモバイル機器200を検出する機能を有する。そして、固定プロジェクタ制御装置100は、検出されたモバイル機器200と認証処理を行い、認証されたモバイル機器200と通信を確立する。このとき、ユーザが認証処理を容易に行えるように、固定プロジェクタ制御装置100は、照射装置12に照射させる認証用シグナルと、撮像装置14により取得される、モバイル機器200の表示画面上の認証用イメージとを用いる。ここで、認証用シグナルは、例えば固定プロジェクタ制御装置100の機器固有番号の情報と対応づけられた発光パターンである。また、認証用イメージは、モバイル機器200の機器固有番号と対応づけられたイメージである。なお、固定プロジェクタ制御装置100の機器固有番号は、第1の認証用情報の一例であり、モバイル機器200の機器固有番号は、第2の認証用情報の一例である。この認証処理の詳細については、後述される。
【0039】
モバイル機器200は、通信機能を有し、固定プロジェクタ制御装置100と通信する他の情報処理装置の一例である。モバイル機器200は、表示部211と撮像部213とを有し、表示部211と撮像部213とは、モバイル機器200の筐体の同じ面に配置されることが好ましい。かかる構成により、照射面120に載置したときに、照射装置12と撮像部213とが対向するとともに、撮像装置14と表示部211が対向する配置をとることができる。このため、照射装置12の照射イメージを撮像部213により取得するとともに、表示部211の表示画面を撮像装置14により取得することができる。
【0040】
また、図示していないが、固定プロジェクタ制御装置100とモバイル機器200とは、認証サーバとネットワークを介して接続することができる。そして、後述される認証処理において、固定プロジェクタ制御装置100とモバイル機器200とは、それぞれ取得した認証のための情報を認証サーバに送信して、認証サーバから認証結果を取得する。
【0041】
(固定プロジェクタ制御装置100の構成)
次に、図2を参照しながら、固定プロジェクタ制御装置100の詳細な構成について説明する。図2を参照すると、固定プロジェクタ制御装置100は、接続インタフェース110と、制御部130と、通信部150と、記憶部170とを主に有する。
【0042】
接続インタフェース110は、照射装置12及び撮像装置14と接続するためのインタフェース部である。例えば、接続インタフェース部110は、有線接続のためのコネクタや、有線及び無線通信により照射装置12及び撮像装置14と接続する通信部であってもよい。この場合、接続インタフェース110は、通信部150と一体で実装されてもよい。
【0043】
制御部130は、固定プロジェクタ制御装置100全体の動作を制御する。制御部130は、照射制御部131と、画像取得部133と、検出部135と、認証制御部137と、通信制御部139として主に機能する。
【0044】
照射制御部131は、照射装置12による照射イメージの照射を制御する。照射制御部131は、例えば、記憶部170に記憶されたコンテンツ又は通信部150を介して固定プロジェクタ制御装置100が取得することのできるコンテンツを示すオブジェクトイメージを含む照射イメージを照射することができる。照射領域内において、このオブジェクトイメージに対する操作があると、照射制御部131は、この操作を反映した照射イメージを生成して照射することができる。
【0045】
固定プロジェクタ制御装置100とモバイル機器200とが認証されると、通信路を介して情報のやり取りを行うことができるが、照射制御部131は、この情報のやり取りが直感的にわかりやすいように照射イメージを生成して照射させる。
【0046】
また、認証時においては、照射制御部131は、モバイル機器200の撮像部213を含む領域に認証用シグナルを含む照射イメージの照射を制御する。具体的には、認証用シグナルは、照射装置12により、モバイル機器200に対して所定のパターンのパルス発光が照射される。この認証用シグナルのパターンは、複数用意されていることが好ましく、照射制御部131は、複数のパターンの認証用シグナルの中から、ランダムに、又は順列的に選択された認証用シグナルを含む照射イメージの照射を制御する。このように、複数の候補の中から選択された認証用シグナルを用いることによって、セキュリティの安全性を高めることができるとともに、複数のユーザ機器200に対する認証処理を同時に行うことも可能となる。この場合、照射制御部131は、同時に認証処理が行われる複数のユーザ機器200に対して互いに異なる認証用シグナルが用いられるように、用いる認証用シグナルを選択する。ここで、認証用シグナルは、例えば認証に用いられる固有番号などの認証用情報を含む。
【0047】
画像取得部133は、撮像装置14を制御することにより、照射領域の撮像画像を取得する機能を有する。画像取得部133は、例えば、定期的に撮像装置14から撮像画像を取得してもよい。
【0048】
検出部135は、画像取得部133が取得した撮像画像に基づいて、照射領域内の状態の変化を検出する機能を有する。検出部135は、モバイル機器200の存在及び位置を検出することができる。また、検出部135は、モバイル機器200の筐体又は表示画面に記された記号や画像を検出することができる。具体的には、検出部135は、認証処理時にモバイル機器200の表示画面に表示される認証用イメージを検出することもできる。また、検出部135は、画像取得部133が継続的に撮像装置14から撮像画像を取得し、取得した撮像画像を解析することにより、モバイル機器200の照射領域内の位置の変化を検出することができる。
【0049】
また、検出部135は、モバイル機器200の向きを検出することもできる。例えば、検出部135は、撮像画像を解析することによって、モバイル機器200の筐体に印刷されている文字や数字などの記号の向きに基づいて、モバイル機器200の向きを推定することができる。又は、検出部135は、予め取得されたモバイル機器200の外観に関する学習データを参照することにより、モバイル機器200の向きを検出することができる。また、この向きを検出するために、固定プロジェクタ制御装置100とモバイル機器200とが接続されている間は、モバイル機器200の表示画面に特定のパターンを表示させ、撮像画像からこの表示パターンを検出することによりモバイル機器200の向きを検出してもよい。ここで表示パターンは、向きを検出しやすいよう非対称な形状であり、また撮像画像から検出しやすいように単純な形状であることが望ましい。また、この表示パターンは、誤検出を避けるために、日常の中であまり見かけない特異な形状であることが望ましい。なお、この表示パターンは、表示画面の一部または全体に表示され、常時表示されてもよいし、周期的に表示させてもよい。さらに、この表示パターンは、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
【0050】
また、検出部135は、撮像装置14とモバイル機器200との距離の変化を検出することもできる。検出部135は、例えば、モバイル機器200の外郭の大きさ、表示画面の大きさ、又は表示画面上に表示する特定のパターンの大きさの変化に基づいて、撮像装置14とモバイル機器200との距離の変化を検出してもよい。或いは、検出部135は、撮像装置14が奥行き取得型の撮像装置である場合には、撮像画像とともに距離の情報を取得することによって、撮像装置14とモバイル機器200との距離の変化を検出してもよい。また、検出部135は、モバイル機器200からの反射光の強さの変化を検出することによって、撮像装置14とモバイル機器200との距離の変化を検出してもよい。
【0051】
認証制御部137は、照射制御部131が照射する照射イメージに含まれる認証用シグナルと、検出部135により検出されるモバイル機器200の表示画面に表示された認証用イメージとに基づいて、認証処理を制御する機能を有する。例えば、認証制御部137は、上記の認証用の情報を外部の認証サーバに送信して、認証結果を取得することができる。認証処理の詳細については、後にフローチャートを用いて詳述される。
【0052】
通信制御部139は、通信部150を制御することによって外部の装置と通信する機能を有する。通信制御部139は、認証制御部137により認証されたモバイル機器200との通信を確立する。また、通信制御部139は、通信切断のトリガが検出されると、モバイル機器200との通信を切断する。例えば、通信切断のトリガは、検出部135により一度検出されたモバイル機器200が照射領域の外に出たことが検出されたこととしてもよい。また、図示しないが、通信切断のトリガは、固定プロジェクタ制御装置100に通信終了を意味するボタンなどの操作手段があり、ユーザが操作手段を操作したときとしてもよい。或いは、モバイル機器200が通信アプリケーションを終了したことを検出したこととしてもよい。
【0053】
通信部150は、外部の装置と接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。例えば、通信部150が無線通信を行う場合には、通信部150は、通信に係る信号を送受信するための通信アンテナと、通信に係る各種の信号処理を行う処理回路を含むものであってよい。また、通信部150は、有線による通信を行う通信インタフェースであってよい。通信部150は、認証されたモバイル機器200との間で、互いに保有するデータを送受信することができる。
【0054】
記憶部170は、固定プロジェクタ制御装置100において用いられる様々なデータを格納する機能を有する。記憶部170は、記憶媒体と、記憶媒体にデータを記録する記録装置と、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置と、記憶媒体に記憶されたデータを削除する削除装置などを含むことができる。ここで用いられる記憶媒体としては、フラッシュメモリ、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録媒体などが挙げられる。本実施形態においては、記憶部170は、制御部130が実行するプログラム、及びモバイル機器200に送信するコンテンツなどが記憶される。
【0055】
以上、本実施形態に係る固定プロジェクタ制御装置100の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置がこれらの機能を実現する処理手順を記述した制御プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体から制御プログラムを読出し、そのプログラムを解釈して実行することにより行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0056】
なお、上述のような本実施形態に係る固定プロジェクタ制御装置100の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0057】
(モバイル機器200の構成)
次に、図3を参照しながら、モバイル機器200の詳細な構成について説明する。図3を参照すると、モバイル機器200は、表示部211と、撮像部213と、操作部215と、照射部217と、記憶部219と、制御部230と、通信部250とを主に有する。
【0058】
表示部211は、制御部230の制御に従って、ユーザに対して情報を出力する機能を有する。ここで出力される情報は、例えば表示画面又は音声などの形式でユーザに提供される。例えば、表示部211は、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、およびランプなどの表示装置で構成される。
【0059】
撮像部213は、像を取得するレンズとCCD又はCMOSなどのイメージセンサなどにより構成され、撮像した画像を制御部230に出力する機能を有する。撮像部213は、モバイル機器200の筐体において、表示部211と同じ面に配置される。
【0060】
操作部215は、ユーザが操作することにより、モバイル機器200に対して各種の情報を入力するための機能を有する。例えば、操作部215は、タッチパネル、マウス、キーボード、ボタン、マイク、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、制御部230に出力する入力制御回路などから構成されている。
【0061】
照射部217は、照射イメージを照射するプロジェクターなどにより構成される。照射部217は、照射制御部231の制御に従って照射イメージを照射する。
【0062】
記憶部219は、モバイル機器200において用いられる様々なデータを格納する機能を有する。記憶部170は、記憶媒体と、記憶媒体にデータを記録する記録装置と、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置と、記憶媒体に記憶されたデータを削除する削除装置などを含むことができる。ここで用いられる記憶媒体としては、フラッシュメモリ、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録媒体などが挙げられる。本実施形態においては、記憶部219は、制御部230が実行するプログラム、及び固定プロジェクタ制御装置100に送信するコンテンツなどが記憶される。
【0063】
制御部230は、照射制御部231と、画像取得部233と、検出部235と、認証制御部237と、通信制御部237として主に機能する。照射制御部231は、照射部217による照射イメージの照射を制御する。
【0064】
画像取得部233は、撮像部213を制御することにより撮像画像を取得する機能を有する。画像取得部233は、固定プロジェクタ制御装置100からの制御により照射装置12から照射される認証用シグナルを含む撮像画像を取得して検出部235に出力する。
【0065】
検出部235は、画像取得部233の取得した撮像画像から撮像部213の撮像領域内の状態の変化を検出する機能を有する。検出部235は、例えば、撮像画像に基づいて、固定プロジェクタ制御装置100からの制御により照射装置12から照射される認証用シグナルを検出することができる。
【0066】
認証制御部237は、通信相手の装置との認証処理を制御する機能を有する。本実施形態においては、認証制御部237は、固定プロジェクタ制御装置100との認証処理を制御する。認証制御部237は、認証処理開始のトリガが検出されると、認証用イメージを表示部211に表示させる。そして、検出部235が固定プロジェクタ制御装置100から認証用シグナルを検出すると、少なくとも検出された認証用シグナルを認証サーバに送信し、認証結果を取得する。認証処理の動作については、いくつかのパターンが考えられる。このため、認証処理の動作については、それぞれのパターンについてフローチャートを用いて後述される。
【0067】
通信制御部239は、認証制御部237により認証された装置との通信を制御する機能を有する。本実施形態においては、通信制御部239は、固定プロジェクタ制御装置との通信を確立し、情報の送受信を行う。
【0068】
通信部250は、外部の装置と接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。例えば、通信部250が無線通信を行う場合には、通信部250は、通信に係る信号を送受信するための通信アンテナと、通信に係る各種の信号処理を行う処理回路を含むものであってよい。また、通信部250は、有線による通信を行う通信インタフェースであってよい。通信部250は、認証された固定プロジェクタ制御装置100との間で、互いに保有するデータを送受信することができる。
【0069】
以上、本実施形態に係るモバイル機器200の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置がこれらの機能を実現する処理手順を記述した制御プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体から制御プログラムを読出し、そのプログラムを解釈して実行することにより行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0070】
なお、上述のような本実施形態に係るモバイル機器200の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0071】
[1−2.認証処理]
次に、本実施形態において固定プロジェクタ制御装置100とモバイル機器との間で行われる認証処理動作について、複数のパターンに分けてそれぞれ説明する。
【0072】
(第1の例)
まずは、図4〜図6を参照しながら、本実施形態に係る認証処理の第1の例について説明する。図4Aは、機器間認証処理の第1の例のモバイル機器における動作を示すフローチャートである。図4Bは、機器間認証処理の第1の例の固定プロジェクタ制御装置における動作を示すフローチャートである。図5は、機器間認証処理の第1の例についての説明図である。図6は、機器間認証後の固定プロジェクタ制御装置による照射イメージ例を示す説明図である。
【0073】
まず、図4Aを参照すると、モバイル機器200において、ユーザによる通信アプリケーション起動操作に応じて、認証制御部237は、通信アプリケーションを起動する(S101)。そして、ユーザによって固定プロジェクタの照射領域内にモバイル機器200の筐体が載置される(S103)。
【0074】
一方、図4Bを参照すると、固定プロジェクタ制御装置100においては、認証制御部137は、検出部135により、照射領域内に新しいモバイル機器200が検出されたか否かが判断させる(S151)。検出部135が新しいモバイル機器200を検出すると、認証制御部137は、照射制御部131により、検出されたモバイル機器200の付近に認証用シグナルを照射する(S153)。
【0075】
また、再び図4Aを参照すると、モバイル機器200においては、認証制御部237は、撮像部213による撮像画像に基づいて、検出部235により認証用シグナルを受信したか否かを判断させる(S105)。そして、検出部235により認証用シグナルが検出されると、認証制御部237は、認証用イメージを表示部211に表示させる(S107)。そして認証制御部237は、検出した認証用シグナルと、表示部211に表示させた認証用イメージとをサーバに照会して認証結果を取得する(S109)。認証されると、通信制御部239は、WiFiや3G回線などによる通信を開始する(S111)
【0076】
一方、再び図4Bを参照すると、固定プロジェクタ制御装置100においては、モバイル機器200の表示画面に認証用イメージが検出されたか否かが判断される(S155)。認証用イメージが検出されると、認証制御部137は、照射した認証用シグナルと検出した認証用イメージとをサーバに照会する(S157)。そして、認証されると、通信制御部139は、WiFiや3G回線などによる通信を開始する(S159)。
【0077】
なお、このとき、図5に示されるように、認証用イメージは、QRコード290のような2次元コードであってもよい。また、認証用シグナル121は、認証対象であるモバイル機器200aの周辺だけに照射されることが望ましい。
【0078】
また、図6に示されるように、照射制御部131は、認証されたモバイル機器200の載置された位置の周辺に、認証済みであることを示す認証済イメージ122を照射してもよい。このように、モバイル機器200の状態をビジュアルフィードバックすることによって、ユーザは直感的にモバイル機器200が認証されたことを知ることができるようになる。なお、認証済イメージ122は、図6に示される例に限らず、認証済であること、或いは、通信中であることを示す静止画像又は動画像であってよい。例えば、通信中であることを示すアニメーションが照射されてもよい。
【0079】
以上、機器間認証の第1の例について説明してきた。第1の例においては、固定プロジェクタ制御装置100が照射領域内のモバイル機器200の存在を検出することをトリガとして認証処理が開始された。次に説明する第2の例においては、モバイル機器200が通信アプリケーションを起動するとともに、認証用イメージを表示画面に表示させ、固定プロジェクタ表示装置100側では、表示された認証用イメージを検出する。
【0080】
(第2の例)
ここで、図7A及び図7Bを参照しながら、本実施形態に係る認証処理の第2の例について説明する。図7Aは、機器間認証処理の第2の例のモバイル機器における動作を示すフローチャートである。図7Bは、機器間認証処理の第2の例の固定プロジェクタ制御装置における動作を示すフローチャートである。
【0081】
まず、図7Aを参照すると、モバイル機器200において、ユーザによる通信アプリケーション起動操作に応じて、認証制御部237は、通信アプリケーションを起動する(S201)。そして、認証制御部237は、通信アプリケーションの起動とともに、表示画面に認証用イメージを表示させる(S203)。そして、ユーザにより固定プロジェクタの照射領域内にモバイル機器200が載置される(S205)。
【0082】
一方、図7Bを参照すると、固定プロジェクタ制御装置100においては、認証制御部137は、検出部135により、照射領域内に新しい認証用イメージが検出されたか否かを判断させる(S251)。そして、検出部135が新しい認証用イメージを検出すると、認証制御部137は、照射制御部131により、検出されたモバイル機器200の付近に認証用シグナルを照射させる(S253)。
【0083】
ここで、認証制御部137は、照射した認証用シグナルと検出した認証用イメージとをサーバに照会して認証結果を得る(S255)。そして、認証されると、通信制御部239は、WiFiや3G回線などによる通信を開始する(S257)。
【0084】
また、再び図7Aを参照すると、モバイル機器200においては、認証制御部237は、撮像部213による撮像画像に基づいて、検出部235により認証用シグナルを受信したか否かを判断させる(S207)。そして、検出部235により認証用シグナルが検出されると、認証制御部237は、検出した認証用シグナルと、表示部211に表示させた認証用イメージとをサーバに照会して認証結果を取得する(S209)。認証されると、通信制御部239は、WiFiや3G回線などによる通信を開始する(S211)。
【0085】
(第3の例)
以上、認証処理の第1の例及び第2の例においては、固定プロジェクタ制御装置100とモバイル機器200とが認証用シグナルと認証用イメージとの双方をサーバに照会することとしたが、かかる例に限定されない。次に図8A及び図8Bを参照しながら説明する第3の例においては、互いに相手方の装置から取得した情報のみをサーバに照会する点において、第2の例と異なる。
【0086】
図8Aは、機器間認証処理の第3の例のモバイル機器における動作を示すフローチャートである。図8Bは、機器間認証処理の第3の例の固定プロジェクタ制御装置における動作を示すフローチャートである。
【0087】
まず、図8Aを参照すると、モバイル機器200において、ユーザによる通信アプリケーション起動操作に応じて、認証制御部237は、通信アプリケーションを起動する(S301)。そして、認証制御部237は、通信アプリケーションの起動とともに、表示画面に認証用イメージを表示させる(S303)。そして、ユーザにより固定プロジェクタの照射領域内にモバイル機器200が載置される(S305)。
【0088】
一方、図8Bを参照すると、固定プロジェクタ制御装置100においては、認証制御部137は、検出部135により、照射領域内に新しい認証用イメージが検出されたか否かを判断させる(S351)。そして、検出部135が新しい認証用イメージを検出すると、認証制御部137は、照射制御部131により、検出されたモバイル機器200の付近に認証用シグナルを照射させる(S353)。
【0089】
ここで、認証制御部137は、検出した認証用イメージをサーバに照会して認証結果を得る(S355)。そして、認証されると、通信制御部239は、WiFiや3G回線などによる通信を開始する(S357)。
【0090】
また、再び図8Aを参照すると、モバイル機器200においては、認証制御部237は、撮像部213による撮像画像に基づいて、検出部235により認証用シグナルを受信したか否かを判断させる(S307)。そして、検出部235により認証用シグナルが検出されると、認証制御部237は、検出した認証用シグナルをサーバに照会して認証結果を取得する(S309)。認証されると、通信制御部239は、WiFiや3G回線などによる通信を開始する(S311)。
【0091】
このように、互いに取得した情報のみをサーバに照会することによって、サーバに送信する情報が少なくなり、処理が単純化される。
【0092】
(第4の例)
以上説明してきた認証処理の第1の例〜第3の例においては、いずれもユーザ操作により通信用のアプリケーションが起動されていた。このため、ユーザは、アプリケーションを起動し、モバイル機器200を照射領域に載置するという操作が必要であった。ここで、さらにユーザ操作を単純化するために、通信アプリケーションが常駐型のアプリケーションであり、ユーザがアプリケーションの起動操作を行わなくてもよい場合の認証動作について図9A及び図9Bを参照しながら説明する。
【0093】
図9Aは、機器間認証処理の第4の例のモバイル機器における動作を示すフローチャートである。図9Bは、機器間認証処理の第4の例の固定プロジェクタ制御装置における動作を示すフローチャートである。
【0094】
図9Aを参照すると、まず、モバイル機器200においては、通信アプリケーションが常駐しており、認証シグナルが照射されるのを待機している状態であるとする(S401)。この状態のモバイル機器200をユーザが固定プロジェクタの照射領域内に載置する(S403)。
【0095】
ここで図9Bを参照すると、固定プロジェクタ制御装置100においては、認証制御部137は、検出部135により、照射領域内に新しいモバイル機器200が検出されたか否かを判断させる(S451)。そして、新しいモバイル機器200の存在が検出されると、認証制御部137は、照射制御部131に認証用シグナルを照射させる(S453)。
【0096】
再び図9Aを参照すると、モバイル機器200においては、認証制御部237は、撮像部213による撮像画像に基づいて、検出部235により認証用シグナルを受信したか否かを判断させる(S405)。そして、検出部235により認証用シグナルが検出されると、認証制御部237は、表示部211の表示画面に認証用イメージを表示させる(S407)。その後、認証制御部237は、受信した認証用シグナルをサーバに照会して認証結果を得る(S409)。認証されると、通信制御部239は、WiFiや3G回線などによる通信を開始する(S411)。
【0097】
一方、再び図9Bを参照すると、固定プロジェクタ制御装置100において、認証制御部137は、検出部135により照射領域内に新しい認証イメージが検出されたか否かを判断させる(S455)。そして、認証イメージが検出されると、認証制御部137は、検出された認証イメージをサーバに照会して認証結果を得る(S457)。認証されると、通信制御部139は、WiFiや3Gなどにより通信を開始する(S459)。
【0098】
以上説明した認証処理の第4の例によれば、ユーザが通信アプリケーションを起動する操作を行うことなく、照射領域内に載置するだけで通信を開始することができる。ところが、認証シグナルを常に検出する必要があるため、撮像部213を起動させておく必要がある。このため、待機電力の消費が大きくなるという問題はあるが、電池容量の問題が解決されれば、ユーザにとってはより少ない操作で通信のための準備を行うことができるという効果を奏する。
【0099】
(第5の例)
以上説明してきた認証処理の第1の例〜第4の例においては、WiFiや3Gなどによる通信を開始するための処理について説明してきたが、固定プロジェクタ制御装置100とモバイル機器200とは、通信手段としてプロジェクタやモバイル機器の表示画面とイメージセンサを用いたアドホックな通信を行うこととしてもよい。この場合の動作について図10A及び図10Bを参照しながら説明する。図10Aは、機器間認証処理の第5の例のモバイル機器における動作を示すフローチャートである。図10Bは、機器間認証処理の第5の例の固定プロジェクタ制御装置における動作を示すフローチャートである。
【0100】
まず、図10Aを参照すると、モバイル機器200においては、ユーザによる通信アプリケーション起動操作に応じて、認証制御部237は、通信アプリケーションを起動する(S501)。通信アプリケーションが起動されると、認証制御部237は、表示部211により認証用イメージを表示画面に表示させる(S503)。この状態のモバイル機器200をユーザが固定プロジェクタの照射領域内に載置する(S505)。
【0101】
一方、図10Bを参照すると、固定プロジェクタ制御装置100においては、認証制御部137は、検出部135により、照射領域内に新しい通信用パターンが検出されたか否かを判断させる(S551)。そして、新しい通信用パターンが検出されると、認証制御部137は、通信シグナルをモバイル機器200に向けて照射する(S553)。
【0102】
そして、モバイル機器200においては、検出部235により、撮像画像に基づいて通信シグナルが検出される(S507)。
【0103】
ここで用いられる通信シグナルは、例えばパルス発光であってよい。ここで、パルス発光の周波数は、受け取り側の機器のカメラ側のサンプリング周波数(30fpsまたは60fps)の半分以下(15fpsまたは30fps)であることが好ましい。受け取り側の機器のカメラ側のサンプリング周波数が未知の場合は、最初にお互いの機器のカメラのサンプリング周波数の情報を交換するようにしてもよい。
【0104】
また、ここでは、固定プロジェクタ制御装置100からモバイル機器200に情報を送信する場合について示したが、逆であってもよい。即ち、モバイル機器200から固定プロジェクタ制御装置100に情報を送信してもよい。この場合には、固定プロジェクタ制御装置100は、モバイル機器200の表示画面全体を俯瞰できるので、パルス発光の他に1次元ライン(バーコード等)又は2次元面(QRコード、サイバーコード等)による通信も考えられる。
【0105】
なお、上記説明においては、アドホック通信を時間的に変化する動的な信号を用いて行ったが、通信に用いる信号は、必ずしも動的な信号である必要はない。表示画面が俯瞰でき、かつやり取りする情報量が少ない場合には、QRコードなど静的な信号で情報のやり取りを行ってもよい。また、投影イメージとアドホック通信とを組合わせて用いることも可能である。例えば、照射された写真に付帯する情報をアドホック通信によりやり取りする形態も可能である。この場合、写真データはそのまま撮像画像から取込み、付帯情報は通信により取得することができる。
【0106】
以上、本実施形態に係る固定プロジェクタ制御装置100とモバイル機器200との間の認証処理について5つのパターンを挙げて説明してきた。いずれにおいても、ユーザは、通信アプリケーションを起動して照射領域に置くだけ、或いは、単に照射領域に置くだけで通信を開始することができる。
【0107】
例えば、一時的な通信を確立したい場合には特に、通信にかかる準備はなるべくユーザの手を煩わせないものであることが重要である。サービスの普及のためには、より一般的なユーザにとって簡単で、わかりやすいものであることが望ましい。上記の認証処理によって、ユーザは簡単に固定プロジェクタ制御装置100との通信を開始することができる。次に、この通信を利用することによって実現することのできるサービス例とその際のユーザ操作及び照射装置12による照射イメージとユーザ操作とによるインタラクション処理について説明する。
【0108】
[1−3.インタラクション]
次に、図11〜図16を参照しながら、本実施形態に係る照射イメージとモバイル機器200との間のインタラクションについて3つのサービス例を挙げて説明する。
【0109】
図11は、同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第1の例における操作を説明するための説明図である。図12は、同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第2の例における操作を説明するための説明図である。図13は、同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第2の例における操作を説明するための説明図である。図14は、同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第2の例における操作を説明するための説明図である。図15は、同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第2の例における操作を説明するための説明図である。図16は、同実施形態に係る情報処理システムにより実現できるサービスの第3の例における操作を説明するための説明図である。
【0110】
まず、図11を参照しながら第1のサービス例について説明する。例えば、本実施形態に係る情報処理システム1は、デジタルサイネージに適用することができる。デジタルサイネージとは、表示装置と通信を利用して映像や情報を表示する広告媒体であり、電子看板とも呼ばれる。通信を利用して表示内容を変更することができるため、近年普及してきている。
【0111】
図11には、照射装置12による照射面120上の状態が示されている。例えば、車の広告が表示されているとする。ユーザは、照射面120上に照射された照射イメージ中のオブジェクトイメージ123上にモバイル機器200aをかざすと、自動的に上述した認証処理が実行され、オブジェクトイメージ123で示されるコンテンツを取得することができる。
【0112】
このとき、固定プロジェクタ制御装置100の通信制御部139は、画像取得部133により取得された撮像装置14の撮像画像を検出部135により解析させることにより、モバイル機器200aの照射領域内における位置情報を取得する。そして、取得した位置情報に基づいて、通信制御部139は、オブジェクトイメージ123を識別し、識別したオブジェクト123のコンテンツデータをモバイル機器200aに送信する。ここで、検出部135は、モバイル機器200aの向きを検出してもよい。通信制御部139は、検出されたユーザ装置の向きと位置とに基づいて、オブジェクトイメージ123のうちモバイル機器200の撮像部213により撮像されている領域のイメージデータを送信するようにしてもよい。かかる構成により、ユーザは、モバイル機器200をオブジェクトイメージ123上にかざすだけで、オブジェクトイメージ123のうちユーザが撮像部213により取得した領域のイメージデータを得ることができるようになる。
【0113】
また、検出部135は、モバイル機器200と撮像装置14との間の距離の変化を検出するようにしてもよい。例えば、通信制御部139は、この距離の変化に応じてモバイル機器200に送信する情報を変化させることができる。例えば、モバイル機器200aで示されるように、所定の距離でモバイル機器200aが静止したことを検出すると、その位置のモバイル機器200aの照射領域内の位置情報及び向きに基づいて、上述の通りオブジェクトイメージ123のイメージデータを送信してもよい。また、オブジェクトイメージ上でユーザがモバイル機器200を画面に対して遠ざける方向又は近づける方向に移動させると、通信制御部139は、モバイル機器200にオブジェクトイメージ123と対応づけられた他の情報を送信することもできる。例えば、図11においては、モバイル機器200bにおいて、オブジェクトイメージと対応づけられた車の詳細な情報が参照できる例が示されている。
【0114】
また、検出部135がモバイル機器200と撮像装置14との間の距離の変化を検出することによって、固定プロジェクタ制御装置100は、モバイル機器200によるあらゆる操作を検出することができるようになる。例えば、オブジェクト123を掬い取るような操作を検出することもできる。上記では、モバイル機器200aの向きに応じてオブジェクトイメージ123の一部を取得することができることとしたが、ユーザは、オブジェクトイメージの全体のデータが欲しい場合もある。そこで、各オブジェクトイメージ123上で掬い取る動作をユーザが行うと、検出部135はかかる操作を検出し、通信制御部139は、対応するオブジェクトイメージ123のデータ全体をモバイル機器200に送信するようにしてもよい。かかる構成によれば、ユーザは、複数あるオブジェクトイメージのうち、取得したいものに対して次々と掬い取る動作を行うことで、モバイル機器200内に複数の情報が送信される。
【0115】
次に、図12〜図15を参照しながら第2のサービス例について説明する。例えば、本実施形態に係る情報処理システム1は、ユーザ同士のコミュニケーションの場として用いることができる。
【0116】
例えば、固定プロジェクタ制御装置100は、照射面120に対して“ペットの写真募集中!”というメッセージを表示しておく。ユーザが、ペットの写真を表示部211に表示させた状態でモバイル機器200を照射領域上にかざすと、固定プロジェクタ制御装置100の通信制御部139は、モバイル機器200から表示部211に表示されている写真を取得して、照射面120上に照射する。このとき、照射制御部131は、コンテンツ取得時のモバイル機器200の位置及び向きを取得し、取得した位置及び向きに基づいてオブジェクトイメージ124の照射面上の位置を決めてもよい。例えば、図13に示されるように、オブジェクトイメージ124aは、図12のモバイル機器200の位置及び向きで照射される。
【0117】
このとき、照射制御部131は、既にオブジェクトイメージ124cが照射されている位置と重複する領域においてモバイル機器200をかざす動作がおこなわれた場合には、後から取得したコンテンツのオブジェクトイメージ124dを先に照射されていたオブジェクトイメージ124c上に重ねた状態の照射イメージを照射してもよい。或いは、照射制御部131は、検出部135によりモバイル機器200と撮像装置14との間の距離を検出し、この距離に応じて異なる大きさで各オブジェクトイメージ124を照射させてもよい。
【0118】
また、検出部135は、モバイル機器200の位置及び上記距離の変化を検出することにより、ユーザがモバイル機器200を上下に振る動作を行ったことを検出することができる。例えば、ユーザが複数の写真の縮小データを並べた画面を表示しているときに、モバイル機器200を上下に振る動作を行うと、通信制御部139は、表示された複数の写真データを取得し、照射制御部131は、表示された複数の写真データがバラバラと落ちてくる照射イメージを生成して照射してもよい。かかる構成により、ユーザにとって直感的なインタラクションを提供することができるようになる。
【0119】
また、検出部135は、モバイル機器200の向きの変化を検出することにより、モバイル機器200の回転動作を検出することができる。例えば、図14に示されるように、オブジェクトイメージ124b上でモバイル機器200を回転させる動作を行うと、検出部135はかかる回転動作を検出する。そして、照射制御部131は、このオブジェクトイメージ124bをモバイル機器200の検出される位置及び向きなどに応じた位置及び向きに含む照射イメージを照射する。移動中のオブジェクトイメージ124bの状態が図15に示される。
【0120】
次に、図16を参照しながら、第3のサービス例について説明する。例えば、本実施形態に係る情報処理システム1は、掲示板として利用することもできる。動作としては第2のサービス例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。ユーザは、掲示板に貼り付けたい情報を表示部211に表示させた状態でモバイル機器200を照射領域内にかざす又は載置すると、モバイル機器200内の情報が固定プロジェクタ制御装置100に送信され、照射イメージにも反映される。かかる仕組みは、例えば、トランプゲームなどに応用することもできる。ユーザは、モバイル機器200で選択したカードを表示させた状態で照射領域内にかざすことで、トランプを場に置くことができる。
【0121】
以上、本発明の第1の実施形態について説明してきた。ここでは、固定型のプロジェクタを制御する固定プロジェクタ制御装置100とモバイル端末であるモバイル機器200との間の機器連携について説明してきたが、モバイル端末同士であっても照射装置と撮像装置とを用いることによって、機器連携を実現することができる。
【0122】
<2.第2の実施形態>
[2−1.構成]
本発明の第2の実施形態における情報処理システム2は、複数のモバイル機器200を有する。モバイル機器200の構成は、図3において説明したものと同様の部分についてはここでは詳細な説明を省略する。
【0123】
前提として、第1のモバイル機器200aの照射面220aと第2のモバイル機器200bの照射面220bとは一部重複する部分225を有するよう配置される。なお、第1のモバイル機器200aの撮像部213aは、照射面220aの領域を撮像し、第2のモバイル機器200bの撮像部213bは、照射面220bの領域を撮像している。
[2−2.動作]
(認証動作)
まず、2つのモバイル機器200間の認証について説明する。例えば、お互いの照射イメージの一部が重なりあったことを検知すると、モバイル機器200は認証モードに入る。例えば、本来自身が照射している照射イメージと撮像部213の取得する照射面のイメージが異なる場合には、異なる部分のイメージ情報を認証サーバに送信する。そして、認証サーバは、サーバに挙げられた別のイメージ情報群の中から、類似度の高いイメージ情報を認証関係を結ぶ。モバイル機器200aとモバイル機器200bとがそれぞれ重複部分225のイメージを認証サーバに送信していれば、認証サーバは、類似度の高いイメージを見つけることができるはずである。
【0124】
ところが、例えば照射面が均質でない場合など、勝手に認証モードに入ってしまう危険性があり、たまたま類似した別の装置と認証されてしまう恐れもある。そこで、このような誤認識を防止するために、照射面のイメージが異なると判断した場合には、図18に示すように、確認のために認証確認用の認証シグナル222bを照射面の全体又は重複部分225に照射することが好ましい。例えばモバイル機器200bが確認用の認証シグナル222bを照射すると、モバイル機器200aはこの認証シグナル222bを検出し、認証シグナル222bと同じ領域に認証シグナルを照射する。かかる構成により、照射面の重複している領域を確認することができるとともに、認証の精度を上げることができる。或いは、このような認証シグナルの照射によって、直接固有番号をやり取りすることによって認証関係を結ぶこともできる。
【0125】
上述のように認証された複数のモバイル機器200間においては、通信により情報のやり取りができるようになるため、例えば以下のような操作を行うことができるようになる。
【0126】
例えば、照射面の重なる領域225をテンポラリーな共有の領域として扱うことにより、ファイルのやり取りができるようにする。このとき、共有の領域を明確にするために、上記認証処理において、モバイル機器200a及びモバイル機器200bが共有の領域225と認識した領域に枠をつけた照射イメージをそれぞれのモバイル機器200が照射してもよい。例えば、図19に示すように、照射面220bの、共有の領域225以外の場所に照射された、モバイル機器200bのローカルフォルダに格納されたデータを示すアイコンを指で操作して共有領域225に移動させることにより、モバイル機器200aは、ここで移動されたアイコンに対応づけられたデータをモバイル機器200bから取得する。
【0127】
<3.まとめ>
以上説明してきたように、本発明の一実施形態に係る情報処理システムによれば、複数の機器間の認証処理を、アプリケーションを起動して所定の照射領域内に置くだけ、又は単に所定の照射領域内に置くだけで行うことができるようになった。このとき、フロントプロジェクタを用いたため、安価な装置にて直感的な認証を提供することができる。
【0128】
また、相手装置の表示画面の表示情報を撮像部で取得することも並行して行われるため、照射領域内におかれた装置のディスプレイの位置、大きさ、角度、画面の重なりを認識することができる。このため、画面の位置や重なりを用いた、より直感的なインタラクションが可能となり、従来は操作が難しかった複雑な操作を簡単に、直感的に行うことができるようになった。
【0129】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0130】
例えば、上記実施形態では、照射領域は撮像領域と同一であることとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、撮像領域は、少なくとも照射領域を含む領域であり、照射領域よりも広い範囲を撮像することとしてもよい。この場合には、照射領域外におけるモバイル機器の動きも検出することができる。
【0131】
また、上記実施形態では、照射装置はフロントプロジェクタであることとしたが、本発明はかかる例に限定されない。照射装置は、リアプロジェクタであってもよく、また、フロントプロジェクタとリアプロジェクタとが固定プロジェクタ制御装置に接続されており、用途に合わせて両方の照射装置が用いられてもよい。
【0132】
また、上記実施形態では、固定プロジェクタ制御装置は、照射装置及び撮像装置と別体の装置であることとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、照射装置は、固定プロジェクタ制御装置に内蔵された照射部として実装されてもよい。また、同様に、撮像装置は、固定プロジェクタ制御装置に内蔵された撮像部として実装されてもよい。なお、固定プロジェクタ制御装置は、必ずしも固定された装置である必要はなく、同様の機能を有するモバイル端末として実装することもできる。
【0133】
また、上記実施形態においては、他の情報処理装置の一例としてモバイル端末としての携帯電話を挙げて説明したが、本発明はかかる例に限定されない。他の情報処理装置は、例えばPC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。また、 は、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などであってもよい。
【0134】
また、上記実施形態においては、機器間でやり取りするデータとして、主に写真コンテンツを例に挙げて説明したが本発明はかかる例に限定されない。やり取りされるデータは、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトウェアなどを含む概念としてのコンテンツであってよい。
【0135】
尚、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0136】
100 固定プロジェクタ制御装置
12 照射装置
14 撮像装置
110 接続インタフェース
130 制御部
131 照射制御部
133 画像取得部
135 検出部
137 認証制御部
150 通信部
200 モバイル機器
211 表示部
214 撮像部
215 操作部
217 照射部
230 制御部
231 照射制御部
233 画像取得部
235 検出部
237 認証制御部
250 通信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射領域内に配置された他の情報処理装置に、第1の認証用情報を含む照射イメージを照射する照射制御部と、
前記照射領域の撮像画像に基づいて検出される第2の認証用情報を用いて、前記他の情報処理装置との認証処理を制御する認証制御部と、
前記認証制御部により認証された他の情報処理装置との通信を制御する通信制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記照射制御部は、前記第1の認証用情報と対応づけられた発光パターンを含む照射イメージを照射する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記撮像画像中の前記他の情報処理装置の表示画面に表示された認証用イメージから前記第2の認証用情報を検出する検出部をさらに備える、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記照射制御部は、前記他の情報処理装置が前記照射領域内に配置されたことが検出されると、前記第1の認証用情報を含む照射イメージを照射する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記照射制御部は、前記第2の認証用情報が検出されると、前記第1の認証用情報を含む照射イメージを照射する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンテンツを記憶する記憶部をさらに備え、
前記照射制御部は、前記記憶部に記憶されたコンテンツと対応づけられたオブジェクトイメージを含む照射イメージを照射させ、
前記通信制御部は、前記検出部により前記オブジェクトイメージ上の情報処理装置が検出されると、前記オブジェクトイメージ上の情報処理装置に対して、当該オブジェクトイメージと対応づけられたコンテンツを送信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記撮像画像に基づいて、前記撮像画像を撮像する撮像装置と前記他の情報処理装置との間の距離の変化を検出する検出部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記オブジェクトイメージには、複数のコンテンツが対応づけられており、
前記通信制御部は、前記検出部により検出された前記撮像装置と前記他の情報処理装置との間の距離に基づいて選択されたコンテンツを前記ユーザ装置に送信する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記検出部は、前記撮像画像内の前記他の情報処理装置の所定の部分の大きさの変化に基づいて、前記距離の変化を検出する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記撮像画像に基づいて、前記他の情報処理装置の向きを検出する検出部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記検出部は、前記他の情報処理装置の向きの変化から当該他の情報処理装置の回転動作を検出し、
前記照射制御部は、照射イメージ内のオブジェクトイメージ上における他の情報処理装置の前記回転動作が検出されると、当該オブジェクトイメージの位置を回転動作が検出された他の情報処理装置の位置に基づいて変化させる、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記検出部は、前記他の情報処理装置の外観に関する学習データにさらに基づいて前記他の情報処理装置の向きを検出する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記検出部は、前記撮像画像内の前記他の情報処理装置部分から記号を検出し、当該記号の向きに基づいて、前記他の情報処理装置の向きを検出する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記撮像画像に基づいて、前記他の情報処理装置の位置を検出する検出部をさらに備え、
前記通信制御部は、認証された前記他の情報処理装置の前記表示部に表示されたコンテンツを取得し、
前記照射制御部は、取得された前記コンテンツを示すオブジェクトイメージを前記他の情報処理装置が検出された位置に含む照射イメージの照射を制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記照射制御部は、複数の種類の前記発光パターンの中から、認証に用いる発光パターンを選択し、前記照射領域内に複数の情報処理装置が存在するときには、それぞれの情報処理装置に対して互いに異なる発光パターンを照射させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記通信制御部は、前記他の情報処理装置が検出された後に、前記照射領域内に前記他の情報処理装置が検出されなくなると、該情報処理装置との通信を切断する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記照射制御部は、前記認証制御部により認証された情報処理装置の位置を示す領域に認証済みであることを示す認証済イメージを含む照射イメージの照射を制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
照射部を制御する第1の情報処理装置と、
前記照射部の照射領域内に配置された第2の情報処理装置と、
を備え、
前記第1の情報処理装置は、
前記第2の情報処理装置に、第1の認証用情報を含む照射イメージを照射する照射制御部と、
前記照射領域の撮像画像に基づいて検出される第2の認証用情報を用いて、前記第2の情報処理装置との認証処理を制御する認証制御部と、
前記認証制御部により認証された前記第2の情報処理装置との通信を制御する通信制御部と、
を有し、
前記第2の情報処理装置は、
前記照射イメージを取得する撮像部と、
前記照射イメージから検出される前記第1の認証用情報を用いて、前記第1の情報処理装置との認証処理を制御する認証制御部と、
認証された前記第1の情報処理装置との通信を制御する通信制御部と、
を有する、情報処理システム。
【請求項19】
照射領域内に配置された他の情報処理装置を検出するステップと、
前記他の情報処理装置に、第1の認証用情報を含む照射イメージを照射するステップと、
前記照射領域の撮像画像に基づいて第2の認証用情報を検出するステップと、
検出された前記第2の認証用情報を用いて、前記他の情報処理装置との認証処理を行うステップと、
認証された前記他の情報処理装置との通信を開始するステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項20】
コンピュータを、
照射領域内に配置された他の情報処理装置に、第1の認証用情報を含む照射イメージを照射する照射制御部と、
前記照射領域の撮像画像に基づいて検出される第2の認証用情報を用いて、前記他の情報処理装置との認証処理を制御する認証制御部と、
前記認証制御部により認証された他の情報処理装置との通信を制御する通信制御部と、
を備える情報処理装置として機能させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−65246(P2012−65246A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209339(P2010−209339)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】