説明

情報処理装置、情報処理システム、情報処理装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】電気車両が目的地まで走行可能か否かを適切に判別する。
【解決手段】サービス提供サーバー10の走行可否判別部78は、電気車両たるタクシーが現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する際、目的地に到達後に経由可能な充電スタンドである対応充電スタンドを検索した上で、現在地から目的地を経由して対応充電スタンドに至るまでの経路である特定経路を検索し、当該特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合はタクシーが目的地に走行可能であると判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気車両について現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する情報処理装置、当該情報処理装置と当該情報処理装置に通信可能に接続された外部機器とを備える情報処理システム、当該情報処理装置の制御方法、及び、当該情報処理装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載バッテリーを備え、充電スタンドを利用して、当該車載バッテリーに充電しつつ、走行する電気車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−115732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、所定の充電式の電池を含んで構成される車載バッテリーを駆動源とする電気車両には、ガソリン車と比較して、航続距離が短いという特性がある。従って、電気車両で目的地まで走行しようとする場合、目的地に到達する前のみならず、到達後も車載バッテリーの残量不足を起こさないようにする必要がある。しかしながら、従来、電気車両が目的地まで走行する場合において、目的地に到達する前のみならず、到達後も車載バッテリーの残量不足を起こさないようにできるか否かの判断は、経験や勘、人為的手段による計算等の手法で行うほかなく、上記判断結果の確実性に問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電気車両が目的地まで走行可能か否かを適切に判別できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、情報処理装置において、電気車両が、現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する走行可否判別手段を備え、前記走行可否判別手段は、前記電気車両が、現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する際、前記目的地に到達後に経由可能な充電スタンドである対応充電スタンドを検索した上で、前記現在地から前記目的地を経由して前記対応充電スタンドに至るまでの経路である特定経路を検索し、前記特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合は前記電気車両が前記目的地に走行可能であると判別することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記充電スタンドにおける充電の予約を受け付けるシステムと通信して、前記走行可否判別手段により検索された前記特定経路を走行して前記目的地に至った後に前記対応充電スタンドで充電するための予約を行う予約手段をさらに備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記予約手段は、前記走行可否判別手段により検索された前記特定経路を走行して前記目的地に至ったときの前記車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離を予測し、当該予測に基づいて、前記目的地に到達した後に前記対応充電スタンドにおいて充電をすべきか否かを判別し、充電すべき場合は、前記対応充電スタンドでの充電の予約を行うことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記走行可否判別手段は、前記対応充電スタンドの検索に際し、前記特定経路を走行して前記対応充電スタンドに至ったときの予測時刻と前記充電スタンドの営業時間との関係、前記電気車両の充電に関する規格と前記充電スタンドの充電器の規格との関係、及び、前記充電スタンドの利用資格の有無、の少なくとも1つを踏まえて、前記電気車両が利用可能な前記充電スタンドを、前記対応充電スタンドの候補とすることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、点在する複数の前記電気車両の中から、前記目的地まで走行させる前記電気車両を選択する配車車両選択手段をさらに備え、前記配車車両選択手段は、複数の前記電気車両のうち、前記走行可否判別手段によって前記目的地に走行可能と判別された前記電気車両のうちの1つを、前記目的地まで走行させる前記電気車両として選択することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記走行可否判別手段は、前記電気車両が、前記現在地から経由地を経由して前記目的地まで走行可能か否かを判別可能であり、当該判別に際し、前記現在地から前記経由地を経由し、さらに前記目的地を経由して前記対応充電スタンドに至る前記特定経路を検索し、前記特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合は前記電気車両が前記目的地に走行可能であると判別し、前記配車車両選択手段は、点在する複数の前記電気車両の中から、前記経由地を経由して前記目的地まで走行させる前記電気車両を選択可能であり、当該選択に際し、複数の前記電気車両のうち、前記走行可否判別手段によって前記目的地に走行可能と判別された前記電気車両のうちの1つを、前記経由地を経由して前記目的地まで走行させる前記電気車両として選択することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記電気車両はタクシーであり、前記配車車両選択手段は、前記走行可否判別手段によって前記目的地に走行可能と判別された前記電気車両のうち、前記充電スタンドにおける充電を行うことなく前記目的地に到達可能な前記電気車両を、前記目的地まで走行させる前記電気車両として選択することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、所定のタイミングで走行中の前記電気車両の前記車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離を取得し、取得した前記車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離に基づいて、前記電気車両について充電すべきか否かを判別し、充電すべき場合は、前記充電スタンドにおける充電の予約を受け付けるシステムと通信し、前記電気車両の現在位置に対応した前記充電スタンドでの予約を行う自動予約手段をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記自動予約手段は、取得した前記車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離と、前記充電スタンドの状況との関係に基づいて、前記電気車両について充電すべきか否かを判別することを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明は、情報処理装置と、この情報処理装置に通信可能に接続された外部機器と、を備える情報処理システムであって、前記情報処理装置は、現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する手段であって、前記電気車両が、現在地から目的地まで走行可能か否かの判別に際し、前記目的地に到達後に経由可能な充電スタンドである対応充電スタンドを検索した上で、前記現在地から前記目的地を経由して前記対応充電スタンドに至るまでの経路である特定経路を検索し、前記特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合は前記電気車両が前記目的地に走行可能であると判別する走行可否判別手段と、複数の前記電気車両の中から、前記目的地まで走行させる前記電気車両を選択する手段であって、複数の前記電気車両のうち、前記走行可否判別手段によって前記現在地から前記目的地に走行可能と判別された前記電気車両のうちの1つを、前記目的地まで走行させる前記電気車両として選択する配車車両選択手段と、を備え、前記外部機器からの、前記目的地まで走行させる前記電気車両の選択の要求に応じて、前記配車車両選択手段により、複数の前記電気車両の中から、前記目的地まで走行させる前記電気車両を選択し、選択した前記電気車両を示す情報を前記外部機器に出力することを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明は、情報処理装置の制御方法であって、電気車両が、現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する際、前記目的地に到達後に経由可能な充電スタンドである対応充電スタンドを検索した上で、前記現在地から前記目的地を経由して前記対応充電スタンドに至るまでの経路である特定経路を検索し、前記特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合は前記電気車両が前記目的地に走行可能であると判別することを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明は、情報処理装置の各部を制御するコンピューターにより実行されるプログラムであって、前記コンピューターを、電気車両が、現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する際、前記目的地に到達後に経由可能な充電スタンドである対応充電スタンドを検索した上で、前記現在地から前記目的地を経由して前記対応充電スタンドに至るまでの経路である特定経路を検索し、前記特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合は前記電気車両が前記目的地に走行可能であると判別する走行可否判別手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電気車両が目的地まで走行可能か否かを適切に判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【図2】情報処理システムの構成要素の関係を示す図である。
【図3】サービス提供サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】(A)は、電気車両管理データベースのデータ構造を示す図であり、(B)は、タクシー管理データベースのデータ構造を示す図である。
【図5】(A)は、車載装置の機能的構成を示すブロック図であり、(B)は、充電器、及び、充電スタンド管理サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【図6】情報処理システムの各構成要素の動作を示す図である。
【図7】タクシー呼出用ページを示す図である。
【図8】サービス提供サーバーの動作を示すフローチャートである。
【図9】サービス提供サーバーの動作を示すフローチャートである。
【図10】特定経路を模式的に示す図である。
【図11】情報処理システムの各構成要素の動作を示す図である。
【図12】第2実施形態に係る情報処理システムの各構成要素の動作を示す図である。
【図13】第3実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【図14】第4実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【図15】サービス提供サーバー、及び、車載装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図16】タクシー管理データベースのデータ構造を示す図である。
【図17】情報処理システムの各構成要素の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す図である。
図2は、情報処理システム1の主要な構成要素の通信の態様が明確となるように、各構成要素の関係を模式的に示す図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、サービス提供サーバー10(情報処理装置)を備えている。このサービス提供サーバー10は、詳述は後述するが、要求に応じて配車すべきタクシー16を選択する機能等の各種機能を有している。
【0020】
また、図1及び図2に示すように、サービス提供サーバー10には、インターネット12を介して充電器管理サーバー13が通信可能に接続されている。
この充電器管理サーバー13は、同一又は関連する企業、グループに属する複数の充電スタンド14に設置された各充電器15を管理するサーバーである。充電スタンド14とは、電気車両の車載バッテリーを充電することを目的として設置されたスタンドであり、電気車両のユーザー(運転手等)は、必要に応じて、充電スタンド14に設置された充電器15を利用して車載バッテリーの充電を行う。本実施形態では、後述する理由により、基本的に事前に登録された会員のみが充電スタンド14を利用可能な構成となっている。
充電器管理サーバー13は、インターネット12を介して、管理対象となる充電スタンド14に設けられた各充電器15と通信可能であり、詳細は後述するが、サービス提供サーバー10からの要求に応じて、特定の充電スタンド14に設置された特定の充電器15について、特定の時間帯における特定のタクシー16による利用の予約を登録する。
【0021】
また、図1及び図2に示すように、情報処理システム1において、サービス提供サーバー10には、インターネット12を介して、タクシー配車システム11が通信可能に接続されている。
このタクシー配車システム11は、タクシー事業を行う会社(法人、個人を問わない。以下、「タクシー会社」という。)が管理、運営するシステムであり、詳細は後述するが、少なくとも、タクシー会社が保有するタクシー16の状況を管理する機能、及び、タクシー16を利用して目的地まで行こうと考えている者(以下、「タクシー利用者」という。)に対して、適切なタクシー16を配車する機能を有している。
なお、本実施形態では、サービス提供サーバー10と、タクシー配車システム11とは、インターネット12を介して接続されているが、これは一例であり、例えば物理的な専用線や、既存の無線通信により接続されていてもよい。なお、どのような通信の形態であっても、サービス提供サーバー10と、タクシー配車システム11との間では、所定の暗号化プロトコルに準じた通信や、仮想専用線等の既存の技術によりセキュアな通信が実現されている。これらのことは、他の装置間での通信についても同様である。
【0022】
タクシー16には、車載装置26が搭載されている。
車載装置26は、図2に示すように、タクシー配車システム11との間で、所定の帯域の周波数での無線通信可能に構成されており、詳細は後述するが、タクシー配車システム11に対して所定の情報を出力し、また、タクシー配車システム11から所定の情報が入力される。
説明の便宜のため、以下の説明では、全てのタクシー16が電気車両であり、さらに、全てのタクシー16に車載装置26が搭載されているものとする。
【0023】
また、図1及び図2に示すように、情報処理システム1において、タクシー配車システム11には、基地局18が接続された電話回線網19及びインターネット12を介して、又は、無線LANに係るアクセスポイント20を介して、携帯電話21が通信可能に接続されている。詳細は後述するが、携帯電話21の所有者は、携帯電話21を利用して容易にタクシー16を呼び出すことが可能である。
また、図1に示すように、ホテル23や、観光施設24等の、タクシー16を呼び出す需要がある所定の施設の適切な場所には、タクシー呼出用端末25が設置されており、このタクシー呼出用端末25は、インターネット12を介して、タクシー配車システム11に接続されている。詳細は後述するが、例えばホテル23に宿泊した者であって、当該ホテル23にタクシー16を呼び出したい者は、当該ホテル23に設置されたタクシー呼出用端末25を利用して容易にタクシー16を呼び出すことが可能である。
【0024】
また、図1及び図2に示すように、情報処理システム1において、サービス提供サーバー10には、電気車両管理システム17が通信可能に接続されている。
この電気車両管理システム17は、例えば、電気車両を販売する自動車メーカーや、その関連会社等が提供する既存のシステムであり、後述するように、電気車両に搭載された車載システムと通信し、電気車両の車載バッテリーの残量、及び、残航続可能距離を管理する。車載バッテリーの残量とは、例えば、SOC(state of charge。車載バッテリーの充電状態を示すものであり、電池の最大の容量に対する、電池の残量の比率のこと。)であり、また、残航続可能距離とは、電気車両が車載バッテリーの充電を行うことなく走行可能な距離である。特に、本実施形態に係る電気車両管理システム17では、電気車両であるタクシー16のそれぞれの車載バッテリーの残量、及び、残航続可能距離について、電気車両管理システム17により管理されている。
【0025】
図3は、サービス提供サーバー10の機能的構成を示すブロック図を、このサービス提供サーバー10と通信可能に接続された電気車両管理システム17、及び、タクシー配車システム11と共に示す図である。
図3に示すように、サービス提供サーバー10は、制御部30と、表示部31と、入力部32と、記憶部33と、インターフェイス部34と、を備えたサーバー装置である。
制御部30は、サービス提供サーバー10の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される各種プログラムを不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。制御部30が備える各機能ブロックについては後述するが、これら機能ブロックのそれぞれの機能は、CPUがプログラムを実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
表示部31は、液晶表示パネル等の表示パネル35を備え、制御部30の制御の下、表示パネル35に各種情報を表示する。
入力部32は、各種入力デバイスに接続され、入力デバイスに対する操作を検出し、制御部30に出力する。
記憶部33は、ハードディスクやEEPROM等の不揮発性の記憶装置を備え、各種データを書き換え可能に記憶する。記憶部33に記憶された各データについては後述する。
インターフェイス部34は、制御部30の制御の下、インターネット12を介して、各種装置と通信規格に準拠した通信を行う。
なお、本実施形態では、サービス提供サーバー10をパーソナルコンピューターと同様の構成を持つものとして表現しているが、サービス提供サーバー10の構成は、図3に示す構成に限らず、例えば、複数のサーバー装置が連係した構成であってもよく、また、集中型システム、分散型システムの一部の機能であってもよい。すなわち、以下で説明する配車車両選択部50、走行可否判別部78、予約部81、及び、自動予約部88のそれぞれの機能を実現可能な構成であれば、その形態を問わない。
【0026】
また、図3に示すように、電気車両管理システム17は、電気車両管理データベース22を備えている。
図4(A)は、電気車両管理データベース22のデータ構造の一例を示す図である。
図4(A)に示すように、電気車両管理データベース22の1件のレコードは、車両IDが格納される車両IDフィールド22aと、現在残量情報フィールド22bと、現在残航続可能距離情報フィールド22cと、を備えている。
車両IDフィールド22aには、電気車両ごとに一意に付与されたIDである車両IDが格納される。
現在残量情報フィールド22bには、車載バッテリーの残量を示す情報(以下、「現在残量情報」という。)が格納される。
現在残航続可能距離情報フィールド22cには、残航続可能距離を示す情報(以下、「現在残航続可能距離情報」という。)が格納される。
上述したように、電気車両管理システム17は、自動車メーカー等が提供する既存のシステムである。電気車両管理システム17は、所定の周期で、電気車両に搭載された専用の車載システムと通信し、当該電気車両の現在残量情報を取得して現在残量情報フィールド22bの内容を更新すると共に、取得した現在残量情報に基づいて既存のアルゴリズムにより現在残航続可能距離情報を算出し、現在残航続可能距離情報フィールド22cの内容を更新する。
【0027】
また、図3に示すように、タクシー配車システム11は、タクシー管理データベース28を備えている。
図4(B)は、タクシー管理データベース28のデータ構造の一例を示す図である。
図4(B)に示すように、タクシー管理データベース28の1件のレコードは、車両IDフィールド28aと、現在位置情報フィールド28bと、現在方位情報フィールド28cと、現在状態情報フィールド28dと、最大乗車人数情報フィールド28eと、コネクター規格情報フィールド28fと、運転手保有カードIDフィールド28gと、を備えている。
車両IDフィールド28aには、各タクシー16の車両IDが格納される。なお、本実施形態では、説明の便宜のため、1のタクシー16について、電気車両管理データベース22の対応するレコードの車両IDフィールド22aに格納される車両IDと、タクシー管理データベース28の対応するレコードの車両IDフィールド28aに格納される車両IDとは、同一であるものとする。
現在位置情報フィールド28b、現在方位情報フィールド28c、及び、現在状態情報フィールド28dに格納されるデータについては、後述する。
最大乗車人数情報フィールド28eには、タクシー16に乗車可能な乗客の最大数を示す情報が格納される。当該情報は、固定値であり、レコードの生成に際し、人為的な手段により当該フィールドに格納される。
また、コネクター規格情報フィールド28fには、充電スタンド14の充電器15との接続に係るコネクターの規格を示す情報が入力される。周知の通り、コネクターの規格には複数の種類が存在している状況である。コネクターの規格を示す情報は固定値であり、レコードの生成に際し、人為的な手段により当該フィールドに格納される。
また、運転手保有カードIDフィールド28gには、運転手が保有する会員カード(後述)のカードIDが格納される。運転手が複数種類の会員カードを保有している場合は、当該フィールドには、各会員カードのカードIDが格納される。
【0028】
図5(A)は、車載装置26の機能的構成を示すブロック図である。
図5(A)に示すように、車載装置26は、車載側制御部40と、車載側表示部41と、車載側入力部42と、車載側記憶部43と、無線通信部44と、車両位置検出部45と、を備えている。
車載側制御部40は、車載装置26の各部を中枢的に制御するものであり、CPUやROM、RAMその他の周辺回路等を備えている。車載側制御部40が備える各機能ブロックについては後述するが、これら機能ブロックのそれぞれの機能は、CPUがプログラムを実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
車載側表示部41は、液晶表示パネル等の車載側表示パネル46を備え、車載側制御部40の制御の下、車載側表示パネル46に各種情報を表示する。本実施形態では、車載側記憶部43に車載側表示パネル46に地図を表示するための地図データ47が記憶されており、車載側制御部40は、地図データ47に基づいて、車載側表示パネル46に地図を表示可能である。
車載側入力部42は、車載装置26に設けられた各種スイッチに接続され、スイッチに対する操作を検出し、車載側制御部40に出力する。
車載側記憶部43は、ハードディスクやEEPROM等の不揮発性の記憶装置を備え、各種データを書き換え可能に記憶する。上述したように、車載側記憶部43には、地図データ47が記憶されている。
無線通信部44は、無線アンテナを有し、車載側制御部40から入力されたデータ(車載装置26からタクシー配車システム11に対して送信するデータ)に対して、必要なエンコードや、変調を行って、電波としてタクシー配車システム11に出力し、一方、タクシー配車システム11から入力された電波に対して、必要な復調やデコードを行ってデータとして車載側制御部40に出力する。
車両位置検出部45は、GPS衛星から送信されているGPS電波を受信するGPSアンテナを備え、GPS電波に基づいて、車載装置26が搭載されているタクシー16の位置(位置、経度)、及び、タクシー16の進行方向の方位を算出し、車載側制御部40に出力する。
【0029】
図5(A)に示すように、車載装置26の車載側制御部40は、車両情報出力部48と、走行経路案内部49と、を備えている。
車両情報出力部48は、予め定められた所定の周期(例えば、1秒ごとや、5秒ごと)で、車両の情報を取得し、取得した車両の情報を、無線通信部44を介してタクシー配車システム11に出力する。車両の情報とは、具体的には、車載装置26が搭載されているタクシー16の位置(経度、緯度)を示す情報である現在位置情報、タクシー16の進行方向の方位を示す情報である現在方位情報、及び、タクシー16の状態(空車、実車、迎車、及び、回送のいずれか)を示す情報(以下、「現在状態情報」という。)である。なお、車載装置26は、タクシー16の運転手による手動の切り換えに応じて、タクシー16の状態(空車、実車、迎車、及び、回送のいずれか)を管理する既存のタクシーシステムと接続されており、当該タクシーシステムから、随時、現在状態情報を取得可能である。
車両情報出力部48は、例えば、接続されたRTCの入力値に基づいて所定の周期が到来したことを検出し、当該所定の周期が到来する度に、車両位置検出部45から現在位置情報及び現在方位情報を取得し、さらに、上述したタクシーシステムから現在状態情報を取得し、取得したこれら情報を、自車両の車両IDと対応付けて、無線通信部44を介して、タクシー配車システム11に出力する。
車載装置26から現在位置情報、現在方位情報、現在状態情報、及び、車両IDが入力されたタクシー配車システム11は、これら情報に基づいて、タクシー管理データベース28の対応するレコードを特定し、特定したレコードの現在位置情報フィールド28b、現在方位情報フィールド28c、及び、現在状態情報フィールド28dの内容を更新する。このため、タクシー管理データベース28の現在位置情報フィールド28b、現在方位情報フィールド28c、及び、現在状態情報フィールド28dの内容は、最新の情報となる。
【0030】
図5(B)は、充電スタンド14に設置された1の充電器15と、充電器管理サーバー13の機能的構成を示すブロック図である。
図5(B)に示すように、充電器15は、充電器側制御部55と、ICカードリーダー56と、充電電力供給部57と、充電コネクター58と、充電器側インターフェイス部59と、を備えている。
充電器側制御部55は、充電器15の各部を中枢的に制御するものであり、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備えている。
ICカードリーダー56は、非接触型ICカードの読取装置であり、ICカードによって構成された会員カード(後述)との間で、所定の規格(例えば、Felica(登録商標))に準拠した近距離無線通信を行い、会員カードからカードIDを読み取る。
充電電力供給部57は、充電器側制御部55の制御の下、充電コネクター58に接続された電気車両の車載バッテリーに対し、各種電源か適切な変電を施して、電力を供給する。
充電コネクター58は、電気車両に車載バッテリー側に設けられたコネクターとの物理的、電気的な接続を行うコネクターである。
充電器側インターフェイス部59は、充電器側制御部55の制御の下、所定の通信規格に準拠した通信を行う。
【0031】
また、図5(B)に示すように、充電器管理サーバー13は、管理サーバー側制御部60と、管理サーバー側表示部61と、管理サーバー側入力部62、管理サーバー側記憶部63と、管理サーバー側インターフェイス部64と、を備えている。
管理サーバー側制御部60は、充電器管理サーバー13の各部を中枢的に制御するものであり、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備えている。管理サーバー側制御部60が備える各機能ブロックについては後述するが、これら機能ブロックのそれぞれの機能は、CPUがプログラムを実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
管理サーバー側表示部61は、液晶表示パネル等の管理サーバー側表示パネル65を備え、管理サーバー側制御部60の制御の下、管理サーバー側表示パネル65に各種情報を表示する。
管理サーバー側入力部62は、各種入力デバイスに接続され、入力デバイスに対する操作を検出し、管理サーバー側制御部60に出力する。
管理サーバー側記憶部63は、ハードディスク等の不揮発性記憶装置を備え、各種データを書き換え可能に記憶する。管理サーバー側記憶部63には、会員データベース66と、充電器管理データベース67が記憶されているが、これらについては後述する。
管理サーバー側インターフェイス部64は、管理サーバー側制御部60の制御の下、通信規格に準拠した通信を行う。
なお、本実施形態では、充電器管理サーバー13をパーソナルコンピューターと同様の構成を持つものとして表現しているが、サービス提供サーバー10の構成は、図5(B)に示す構成に限らない。
【0032】
ここで、本実施形態では、予め会員として登録されたユーザーが充電スタンド14の充電器15を利用できる構成となっている。そして、登録された会員には、専用の会員カードが発行される。本実施形態では、タクシー会社は、充電スタンド14を運営する所定の会社(以下、「充電スタンド運営会社」という。)に対して、会員登録に係る手続を正常に行っており、全てのタクシー16の運転手に、当該充電スタンド運営会社に係る会員カードが渡されているものとする。
タクシー16の運転手は、充電スタンド14における充電器15を利用した車載バッテリーの充電に際し、ユーザー認証のため、会員カードを当該充電器15のICカードリーダー56に読み込ませる。
充電器15の充電器側制御部55は、ICカードリーダー56により読み取った会員カードのカードIDを、充電器管理サーバー13の管理サーバー側制御部60に出力する。
充電器管理サーバー13の管理サーバー側制御部60のユーザー認証部68は、充電器15から入力されたカードIDに基づいて、管理サーバー側記憶部63に記憶された会員データベース66を参照して、当該ユーザーが登録された会員であるか否かを判別し、判別の結果を充電器15の充電器側制御部55に出力する。会員データベース66では、登録された会員ごとに、会員の情報(例えば氏名や、連絡先、所属するタクシー会社等の付随する情報)と、カードIDとが対応付けて記憶されている。
充電器15の充電器側制御部55は、ユーザーが登録された会員である場合には、充電電力供給部57を制御して、充電器15を利用した充電を可能な状態とする一方、ユーザーが登録された会員でない場合には、充電電力供給部57を制御して、充電器15を利用した充電を不可能な状態とする。
なお、ユーザーIDと、ユーザーIDに対応するパスワードとを用いてユーザー認証を行うようにしてもよいことは勿論である。
【0033】
このように、予め会員として登録されたユーザーが充電スタンド14の充電器15を利用可能となっていることには、以下の理由がある。
すなわち、充電スタンド14は、運営コストの低減や、専有面積の縮小化、充電スタンド14の立地条件等の観点から、無人で運営されることが想定されている。この場合、充電スタンド14の利用に伴う課金を確実に行う必要がある。そして、課金を確実に行うためには、充電スタンド14に現金を投入可能な課金装置を設けることが考えられるが、この場合、課金装置自体が比較的高価であると共に、お釣りの補充や、集金、定期メンテナンス等に係る費用が発生し、高コストとなってしまう。これを踏まえ、本実施形態では、事前に登録された会員が充電スタンド14における充電器15を利用できることとし、当該会員のクレジットカードを用いて充電スタンド14の利用に伴う課金を確実に行うと共に、課金装置を設けないことによる低コスト化を実現している。
さらに、充電器15による車載バッテリーの充電は、ガソリン車へのガソリンの補充と異なり、単位あたりの料金が算出しにくく、また、発生する費用が低額であるという特徴があり、この特徴に起因して、従量制による課金が適切でないという事情がある。これを踏まえ、1回の充電に係る料金を定額としたり、また、毎月一定金額を支払うことにより当該月に何回でも充電を行うことができるようにしたりする課金制度が適用されることが想定されている。こういった課金制度が適用されることを考慮すると、会員の登録に際し、これら課金制度が適用されることの了解をとった上で、会員のクレジットカードから毎月所定の額だけ引き落とすといった運用が最適である。
【0034】
また、充電器管理サーバー13の管理サーバー側制御部60の予約管理部69は、充電器管理データベース67を用いて、各充電スタンド14に設置された各充電器15の予約状況を管理すると共に、予約の受け付けに係る処理を行う。
詳述すると、充電器管理データベース67は、各充電スタンド14に設置された充電器15のそれぞれについて、予約状況を管理するためのデータベースである。より具体的には、充電器管理データベース67は、充電器15ごとに、利用の予約が入っている時間帯と、各時間帯において充電器15を利用しようとしているユーザーのカードIDと、が対応付けて記憶されている。従って、充電器管理データベース67を参照することにより、特定の充電スタンド14における特定の充電器15の利用状況を把握可能であり、さらに、特定の充電スタンド14において、特定の時間帯に、利用可能な充電器15(=予約が入っていない充電器15)があるか否かを判別することが可能である。
予約管理部69は、サービス提供サーバー10との関係で、少なくとも以下の2つの機能を有している。
1つ目の機能は、サービス提供サーバー10から、特定の充電スタンド14において、特定の時間帯に、利用可能な充電器15があるか否かの問い合わせがあった場合に、充電器管理データベース67を参照して、当該問い合わせに応答する機能である。
2つ目の機能は、サービス提供サーバー10から、特定の充電スタンド14の1の充電器15について、特定の時間帯に、特定のカードIDの会員カードに係るタクシー16の利用の予約の登録の依頼があった場合に、充電器管理データベース67を更新して、予約を登録する機能である。
【0035】
ところで、上述したように、本実施形態に係るタクシー16は、電気車両によって構成されている。このように、タクシー16を電気車両とすることにより、周知の通り、燃料コストの削減や、環境負荷の低減等を効果的に図ることができ、多大なメリットを得ることができる。
一方で、電気車両には、ガソリン車と比較して、航続距離が短いという特性がある。従って、電気車両について、目的地まで走行しようとする場合、目的地に到達する前のみならず、到達後も車載バッテリーの残量不足を起こさないか否かを的確に判断する必要がある。従来、上記判断は、経験や勘、人為的手段による計算等の手法で行うほかなく、上記判断結果の確実性に問題があった。特にタクシー16では、営利性、顧客満足度の向上という観点から、目的地に確実に到達した上で、目的地到達後も、継続して確実に走行可能な状態を維持する必要があるが、目的地到着後も車載バッテリーの残量不足を起こさないようにするという観点から、タクシー16を目的地まで走行させてよいかどうかを判別する技術が無く、タクシー16の運営にも悪影響を与える可能性があった。
さらに、電気車両には、充電スタンド14において電気車両が充電に要する時間は、ガソリンスタンドにおいてガソリン車が給油に要する時間よりも著しく長くなる傾向があるという特性がある。この特性のため、例えば、タクシー利用者(タクシー16を利用してある目的地まで行こうと考えている者)に対して、配車可能なタクシー16のうち、1つのタクシー16を選択的に配車する際に、適切でないタクシー16を配車してしまうと、タクシー利用者をタクシー16に乗車させた後目的地に至るまでに充電スタンド14による充電を行う必要が生じ、目的地への到着するタイミングの大幅な遅延が生じ、顧客満足度の著しい低下につながる可能性があるという問題がある。
さらに、タクシー会社側からも、配車に際し、目的地に最もスムーズに行くことが可能なタクシー16を的確に選択し、配車できる仕組みを作り、安心してサービスを提供したいとする強い要請がある。
以上を踏まえ、上記問題を解決し、上記要請に応えるべく、本実施形態に係るサービス提供サーバー10は、以下の動作を実行する。
【0036】
図6は、タクシー利用者からタクシー16の呼び出しがあり、呼び出しに基づいてタクシー16を選択的に配車する際の、呼出手段(後述)、車載装置26、タクシー配車システム11、サービス提供サーバー10、電気車両管理システム17、及び、充電器管理サーバー13の動作を示すフローチャートであり、(A)は呼出手段の動作を、(B)は車載装置26の動作を、(C)はタクシー配車システム11の動作を、(D)はサービス提供サーバー10の動作を、(E)は電気車両管理システム17の動作を、(F)は充電器管理サーバー13の動作を、それぞれ示している。
【0037】
図6に示すように、まず、呼出手段により、サービス提供サーバー10に対して、タクシー16の呼び出しの依頼が実行される(ステップSA1)。本実施形態では、ステップSA1の依頼は、以下の複数の方法によって行うことができる。
【0038】
<方法1(携帯電話21のブラウザー機能を利用した方法)>
本実施形態では、タクシー利用者は、サービス提供サーバー10の機能により、自身が所有する携帯電話21を使って、容易に、タクシー16の呼び出しを行うことができる。
まず、タクシー利用者は、自身が所有する携帯電話21のブラウザーを立ち上げ、タクシー配車システム11が提供するサイトの所定のURLにアクセスし、Webページたるタクシー呼出用ページ70(図6)を開く。このタクシー呼出用ページ70は、サービス提供会社が提供するものであってもよく、また、サービス提供会社のサービスを利用して、タクシー配車システム11が提供するものであってもよい。タクシー利用者は、当該WebページのURLを事前に把握しているものとする。検索エンジンによって検索できるようにしてもよく、所定のリンクからアクセスできるにしてもよく、また、タクシー会社又はサービス提供会社が、上記Webページを開く機能を有するアプリケーションを提供し、当該アプリケーションを起動することによりアクセスできるようにしてもよい。
携帯電話21から上記URLへアクセスがあった場合、タクシー配車システム11は、所定の通信プロトコルに準拠して、HTMLファイルを含んで構成される描画データを携帯電話21に出力し、携帯電話21の表示部にタクシー呼出用ページ70を表示させる。
【0039】
図7は、タクシー呼出用ページ70を模式的に示す図である。
図7に示すように、タクシー呼出用ページ70には、出発地入力欄71が形成されている。タクシー利用者は、出発地入力欄71に、タクシー16を呼び出したい場所を示す情報を入力する。本実施形態では、タクシー呼出用ページ70に係るHTMLファイル上に、携帯電話21のGPS機能を利用して、タクシー利用者の現在地を示す情報を自動で入力する機能を有するプログラムが、スクリプト言語により記述されており、当該プログラムの機能により、デフォルトで、タクシー利用者の現在地を示す情報が入力される。タクシー利用者は、必要に応じて出発地入力欄71の内容を補充、訂正する。
なお、以下の説明において、「出発地」は、タクシー利用者がタクシー16を呼び出し、タクシー16に乗車する場所を示すものとし、後述する「タクシーの現在地」や、「目的地」等と、明確に区別する。この「出発地」は、タクシー16の現在地と、目的地との関係で、「経由地」に該当する概念である。
出発地入力欄71の下方には、出発地詳細欄72が形成されている。この欄には、出発地に関するより詳細な情報、例えば、出発地が駅の場合は駅のどの出口を待ち合わせ場所とするかを示す情報等が入力される。
出発地詳細欄72の下方には、目的地入力欄73が形成されている。この欄には、目的地を示す情報、例えば、住所や、施設名が入力される。
目的地入力欄73の下方には、タクシー利用者欄74が形成されている。この欄には、タクシー利用者の電話番号を示す情報、氏名を示す情報、及び、乗車人数を示す情報が入力される。
【0040】
タクシー利用者は、タクシー呼出用ページ70の各欄に適切に情報を入力した後、確定ボタン75を操作する。当該確定ボタン75の操作をトリガーとして、タクシー配車システム11に対して、各欄に入力された情報がインターネット12を介して出力され、これにより、タクシー16の呼び出しの依頼が完了する。
なお、携帯電話21は、インターネット12に無数に接続された端末のうちの1台を例示的に示すものである。携帯電話21に限らず、インターネット12に接続可能に構成されており、かつ、所定のブラウザーがインストールされ、WEBページを表示可能な端末であれば、上記態様にてタクシー16の呼び出しの依頼を実行可能である。例えば、タブレット型、ノート型のPCや、インターネット12に接続可能なゲーム機等であっても、上記態様にてタクシー16の呼び出しの依頼を実行可能である。
【0041】
<方法2(タクシー呼出用端末25を利用した方法)>
上述したように、ホテル23や、観光施設24等の、タクシー16を呼び出す需要がある所定の施設の適切な場所には、タクシー呼出用端末25が設置されている。
このタクシー呼出用端末25には、タッチパネルが設けられており、タッチパネルを利用して、上述したタクシー呼出用ページ70と同等の情報を入力可能な構成となっている。
タクシー利用者は、ホテル23や、観光施設24にタクシー16を呼び出したいと考えた場合、当該タクシー呼出用端末25にタッチパネルにより必要な情報を入力した後、入力を確定する。当該入力確定後、タクシー配車システム11に対して、各欄に入力された情報がインターネット12を介して出力され、これにより、タクシー16の呼び出しの依頼が完了する。
【0042】
<方法3(電話により口頭で依頼する方法)>
また、タクシー利用者は、電話により口頭でタクシー16の呼び出しを依頼することが可能である。
すなわち、タクシー利用者は、タクシー16を呼び出すための電話番号に電話する。当該電話を受けた担当者は、タクシー利用者から、少なくとも、タクシー利用者の名前、出発地、目的地、及び、乗車人数を口頭で取得する。なお、ガソリン車で構成されたタクシーについては、担当者は、目的地を聴取しない場合もあったが、本実施形態では、必ず、目的地を聴取する。次いで、当該担当者は、タクシー配車システム11の所定のユーザーインターフェイスに、取得した情報を入力する。以上により、タクシー16の呼び出しの依頼が完了する。なお、上記ユーザーインターフェイスに入力された情報は、所定の通信プロトコルに準拠して、サービス提供サーバー10に出力される構成となっている。
【0043】
以上、タクシー16の呼び出しを依頼する方法として3つの方法を挙げたが、いずれの方法をとった場合であっても、タクシー配車システム11に対して、出発地、目的地、及び、乗車人数のそれぞれを示す情報が出力される。
また、タクシー16の呼び出しを依頼する方法は、上記の3つの方法に限定されないことは言うまでもない。
【0044】
さて、前掲図6を参照し、ステップSA1において、呼出手段から、少なくとも、出発地、目的地、及び、乗車人数を示す情報が入力されたタクシー配車システム11は、これら3つの情報をサービス提供サーバー10に出力すると共に、配車すべきタクシー16の選択を依頼する旨のデータをサービス提供サーバー10に出力する(ステップSC1)。
サービス提供サーバー10の制御部30の配車車両選択部50(配車車両選択手段)は、配車タクシー選択処理を実行し、配車するタクシー16を選択する(ステップSD1)。
以下、ステップSD1の配車タクシー選択処理について詳述する。
【0045】
図8は、ステップSD1の配車タクシー選択処理時の配車車両選択部50の動作を示すフローチャートである。
以下の説明の前提として、タクシー利用者を乗車可能なタクシー16が各地に点在している状態であるものとする。
配車タクシー選択処理において、まず、配車車両選択部50は、タクシー配車システム11のタクシー管理データベース28にアクセスし、当該データベースの各レコードの現在位置情報フィールド28bを参照し、出発地の近隣に位置するタクシー16を抽出する(ステップSG1)。出発地の近隣に位置するタクシー16とは、例えば、出発地を中心として予め定められた所定の範囲(例えば半径5kmの範囲)内に位置するタクシー16のことである。なお、ステップSG1の処理の前に、呼出手段から、入力された出発地、及び、目的地を示す情報が、それぞれ、経度と緯度とによって示される位置情報(以下、経度と緯度とによって示される位置情報を「座標位置情報」という。)に変換される。当該変換は、例えば、既存の専用プログラムの機能により自動で、又は、人為的な手段により、出発地、目的地を示す情報が住所を示す情報に変換され、さらに、住所を示す情報が座標位置情報に変換されることによって行われる。そして、出発地の近隣に位置するタクシー16の抽出に際し、配車車両選択部50は、タクシー管理データベース28を参照し、出発地を示す座標位置情報と、各タクシーの現在位置情報とに基づいて、出発地を中心として所定の範囲内に位置するタクシー16を抽出し、抽出したタクシー16のそれぞれの車両IDを特定する。以下の説明では、説明の便宜を考慮して、ステップSG1において、複数のタクシー16が抽出されるものとする。
【0046】
次いで、配車車両選択部50は、タクシー管理データベース28の現在状態情報フィールド28d、及び、最大乗車人数情報フィールド28eを参照し、ステップSG1で抽出したタクシー16のうち、利用者が希望する乗車人数を乗車可能なタクシー16であって、空車状態のタクシー16を抽出し、抽出したタクシー16のそれぞれの車両IDを特定する(ステップSG2)。
このステップSG2で抽出されたタクシー16は、出発地の近隣に位置し、かつ、タクシー利用者その他の搭乗者を乗車させることが可能なタクシー16である。説明の便宜のため、ステップSG2で抽出されたタクシー16は、複数存在するものとする。
次いで、配車車両選択部50は、ステップSG2で抽出したタクシー16のうち、出発地に早く到達できる順番に、順位付けする(ステップSG3)。ここで、サービス提供サーバー10には、タクシー16の現在位置情報、現在方位情報、及び、出発地を示す座標位置情報を入力とし、タクシー16が現在地から出発地に至るまでに要する時間を示す情報を出力とする、所定のアルゴリズムを有する専用プログラムがインストールされており、配車車両選択部50は、当該プログラムの機能により、ステップSG2で抽出したタクシー16のそれぞれについて、現在地から出発地に至るまでに要する時間を取得し、各タクシー16を、出発地に早く到着できる順番に、順位付けする。上記専用のプログラムは、記憶部33に記憶された地図データや、所定単位で区分された区間経路(リンク)に関するリンクデータ及び交差点(ノード)に関するノードデータ含んで構成された経路検索用データを参照し、また、道路の混み具合や、道路で起こっている事故の状況、道路工事の状況、天気等の流動的な情報を一元的に管理するサーバーにアクセスして、道路種別、道路幅、車線数、一方通行か否か、及び、制限速度等を加味して、タクシー16が現在地から出発地に至るまでに要する時間を算出し、情報として出力する機能を有している。当該専用プログラムには、既存の全てのアルゴリズムを適用可能である。
【0047】
次いで、配車車両選択部50は、ステップSG2で抽出したタクシー16のうちの1つを、以下のステップSG5の走行可否判別処理の対象として決定する(ステップSG4)。以下のステップSG5の走行可否判別処理は、ステップSG2で抽出したタクシー16のそれぞれについて、ステップSG3で決定した順番で、順次、行われる。つまり、ステップSG4では、ステップSG2で抽出したタクシー16が、順番に、走行可否判別処理の対象として決定されることとなる。以下の説明では、ステップSG4において走行可否判別処理の対象として決定されたタクシー16のことを「処理対象タクシー」と表現する。
次いで、配車車両選択部50は、走行可否判別部78(走行可否判別手段)によって走行可否判別処理を実行させる(ステップSG5)。この走行可否判別処理では、処理対象タクシーが目的地に走行可能か否かを判別する。「目的地に走行可能」の意味については、後述する。
以下、ステップSG5の走行可否判別処理について詳述する。
【0048】
図9は、走行可否判別処理の実行時における走行可否判別部78の動作を詳細に示すフローチャートである。
走行可否判別処理において、まず、走行可否判別部78は、処理対象タクシーの現在地から、出発地(上述したように、タクシー利用者が希望する乗車場所)を経由して、目的地に至る経路を検索し、さらに、目的地に到着する予想到着時刻を取得する(ステップSH1)。以下の説明では、処理対象タクシーの現在地から、出発地を経由して、目的地に至る経路を「目的地到達経路」と表現する。
ここで、サービス提供サーバー10には、タクシー16の現在位置情報、現在方位情報、出発地を示す座標位置情報、及び、目的地を示す座標位置情報を入力とし、目的地到達経路を示す情報、及び、目的地の予想到着時刻を示す情報を出力とするプログラムがインストールされている。
このプログラムでは、記憶部33に予め記憶された必要なデータ(例えば、上述した地図データや、経路検索データ)を参照し、また、必要に応じて所定のサーバー(例えば、上述した、道路の混み具合等の流動的な情報を一元的に管理する外部のサーバー)にアクセスして、電気車両特有の事情(例えば、下り坂に比して上り坂の方が電力消費量が大きい等)を反映した最適な目的地到達経路を算出して情報として出力し、さらに、道路の個別具体的な事情を反映して一定の正確性を有する目的地への予想到着時刻を算出して情報として出力する既存のアルゴリズムを有している。ステップSH1において、走行可否判別部78は、当該プログラムの機能により、処理対象タクシーに係る目的地到着経路、及び、目的地への予想到着時刻を取得する。
【0049】
次いで、走行可否判別部78は、対応充電スタンドを検索する(ステップSH2)。
詳述すると、対応充電スタンドとは、処理対象タクシーが、目的地に至った後、最もスムーズに経由可能であり、かつ、経由した際に実際に車載バッテリーの充電を行うことが可能な充電スタンド14のことである。
上述したように、充電スタンド14の各充電器15は、登録された会員のみが使用可能となっているため、実際に充電スタンド14で充電を行うためには、当該充電スタンド14の会員である必要がある。さらに、実際に充電スタンド14で充電を行うためには、当該充電スタンド14の営業時間内に当該充電スタンド14に到着する必要がある。さらに、電気車両のコネクターには複数種類の規格があり、同様に、充電器15の充電コネクター58にも複数種類の規格があるため、実際に充電スタンド14で充電を行うためには、当該充電スタンド14の充電器15が、処理対象タクシーのコネクターの規格に対応している必要がある。
そして、サービス提供サーバー10の記憶部33には、実際に存在する充電スタンド14について、少なくとも、充電スタンド14の位置を示す座標位置情報、各タクシー16が登録された会員となっているか否かを示す情報、営業時間を示す情報、及び、対応しているコネクターの規格の種類を示す情報を対応付けて記憶する充電スタンド情報データベース80が記憶されている。
【0050】
以上を踏まえ、ステップSH2の対応充電スタンドの検索に際し、まず、走行可否判別部78は、充電スタンド情報データベース80における各充電スタンド14の座標位置情報に基づいて、目的地の近隣に位置しているという観点から、対応充電スタンドの候補を絞る。例えば、走行可否判別部78は、対応充電スタンドの候補として、目的地に近い順に10個の充電スタンド14を選択する。
次いで、走行可否判別部78は、対応充電スタンドの候補となった充電スタンド14のそれぞれについて、目的地到着経路を経由して目的地に到達後にさらに充電スタンド14を経由したとした場合の予想到着時刻を、既存のアルゴリズムを有する所定のプログラムの機能により算出する。
次いで、走行可否判別部78は、タクシー管理データベース28及び充電スタンド情報データベース80を参照し、対応充電スタンドの候補となった充電スタンド14の中から、予測到着時刻と各充電スタンド14の営業時間との関係、処理対象タクシーのコネクターの規格と充電スタンド14が対応しているコネクターの規格との関係、及び、各充電スタンド14の利用資格の有無(処理対象タクシーが登録された会員に該当するか否か)を踏まえて、実際に充電スタンド14における充電が可能であり、かつ、目的地から最もスムーズに経由できる1つの充電スタンド14を特定する。ここで、特定された1つの充電スタンド14が対応充電スタンドである。
【0051】
さて、ステップSH2において、対応充電スタンドを検索した後、走行可否判別部78は、タクシーの現在地から、出発地(経由地)を経由し、さらに、目的地を経由し、対応充電スタンドに至る経路である経路を検索する(ステップSH3)。なお、以下の説明では、タクシーの現在地から、出発地(経由地)を経由し、さらに、目的地を経由し、対応充電スタンドに至る経路を「特定経路」と表現し、上述した「目的地到達経路」と明確に区別するものとする。ステップSH3において、走行可否判別部78は、上述した経路検索用の専用プログラムの機能を利用して、電気車両の特性、道路の個別具体的な事情を考慮した適切な経路を検索する。
次いで、走行可否判別部78は、処理対処タクシーが、目的地に走行可能か否かを判別する(ステップSH4)。
以下、ステップSH4の処理について詳細に説明する。
【0052】
まず、本実施形態における「目的地まで走行可能」の意味について説明する。
上述したように、電気車両には、ガソリン車と比較して、航続距離が短いという特性がある。従って、電気車両には、車載バッテリーの残量不足により目的地に達成できないというリスクのみならず、目的地に到達後に車載バッテリーの残量不足が発生するというリスクがある。そして、タクシー16が目的地に到達した後、車載バッテリーの残量不足が発生し、走行不能となるような事態が生じた場合、タクシー16の運営上多大な悪影響がある。
従って、配車すべきタクシー16を選択する際は、当該タクシー16が目的地に到着した後も継続して走行可能な状態を維持できるか否かを考慮する必要がある。
以上を踏まえ、以下の説明では、タクシー16が目的地に到達した後も継続して走行可能な状態を維持できることを、「目的地まで走行可能」と表現し、単に、目的地に到達できることと区別するものとする。以下説明するステップSH4では、走行可否判別部78は、処理対象タクシーが目的地に到達できるかだけではなく、到達後も継続して走行可能な状態を維持できるか否かを判別することにより、当該処理対象タクシーが目的地に走行できるか否かを判別する。
【0053】
このように、ステップSH4において、走行可否判別部78は、処理対象タクシーが、1度もいずれかの充電スタンド14での充電を行うことなく、特定経路を走行可能か否かを判別し、走行可能な場合は、当該処理対象タクシーが目的地に走行可能であると判別し、一方、特定経路を走行した場合に残量不足が生じる場合、又は、目的地に到着するまでに1又は複数回の充電を必要とする場合は、当該処理対象タクシーが目的地まで走行不可能であると判別する。このようにして目的地に正常に到達できるか否かを判別する理由は、以下である。
【0054】
図10は、上記理由の説明に用いる図である。
すなわち、処理対象タクシーが、1度もいずれかの充電スタンド14での充電を行うことなく、特定経路を走行可能な場合は、車載バッテリーの残量不足が発生することなく、少なくとも、目的地を経由して、対応充電スタンドに到達可能である。この場合、目的地に到達した後も、確実に、対応充電スタンドに寄ることができるということであり、目的地に到達した時点で車載バッテリーの残量が少ない場合は、対応充電スタンドに寄り、当該対応充電スタンドにおいて充電することにより、確実に、継続して走行可能な状態を維持できる。
例えば、図10を参照し、特定経路が、現在地GZから、出発地SP及び目的地MTを経由して、対応充電スタンドTJに至る経路であるものとする。この場合に、処理対象タクシーが、1度もいずれかの充電スタンド14での充電を行うことなく、特定経路を走行可能な場合は、例えばポイントPT1や、ポイントPT2などで、車載バッテリーの残量不足により、処理対象タクシーが走行不能となることなく、目的地MT到達後、対応充電スタンドTJに到達できるということであり、この場合、目的地MTに到達した時点で、車載バッテリーの残量が少ない場合であっても、対応充電スタンドTJにて充電することにより、確実に、以後の継続した走行を実現可能である。
以上を踏まえ、本実施形態に係る走行可否判別部78は、車載バッテリーの残量不足を生じさせることなく特定経路を走行可能か否かの判別を通して、処理対象タクシーが目的地に走行できるか否かを判別する。
ここで、サービス提供サーバー10には、特定経路を示す情報、及び、タクシー16の現在残量情報を入力とし、当該タクシー16が1度もいずれかの充電スタンド14で充電を行うことなく特定経路を走行可能か否かを示す情報を出力とするプログラムがインストールされている。ステップSH4において、走行可否判別部78は、タクシー管理データベース28にアクセスし、当該データベースを参照して、処理対象タクシーの現在残量情報を取得し、当該現在残量情報と、特定経路を示す情報とを入力としてプログラムを実行し、当該プログラムの出力に基づいて、当該処理対象タクシーが目的地に走行可能か否かを判別する。
このプログラムは、記憶部33に予め記憶された必要なデータ(例えば、上述した地図データや、経路検索データ)を参照し、また、必要に応じて所定のサーバー(例えば、上述した、道路の混み具合等の流動的な情報を一元的に管理する外部のサーバー)にアクセスして、電気車両の特性、及び、道路の個別具体的な事情等を反映して一定の正確性を持って、処理対象タクシーが1度も充電スタンド14で充電を行うことなく特定経路を走行可能か否かを判別する機能を有している。当該プログラムのアルゴリズムには、既存の全てのアルゴリズムを適用可能である。
以上、ステップSH1〜ステップSH4の処理により、走行可否判別部78による走行可否判別処理が完了する。
【0055】
なお、本実施形態では、処理対象タクシーが、「1度も」いずれかの充電スタンド14での充電を行うことなく特定経路を走行可能場合は、当該処理対象タクシーが目的地に走行可能と判別している。ここで、上記判別は、車載バッテリーの残量不足を発生させることなく特定経路を走行できるか否かを判別することを目的としていることを鑑みれば、「1度も」充電スタンド14での充電を行わないことを要件とする必要はないが、本実施形態では、タクシー16特有の理由により上記判別に当該要件を入れている。当該理由については後述する。
【0056】
さて、前掲図8に戻り、ステップSG5において処理対象タクシーについて走行可否判別処理を実行した後、配車車両選択部50は、当該走行可否判別処理において処理対象タクシーが目的地に走行可能と判別されたか否かを判別する(ステップSG6)。
走行可否判別処理において処理対象タクシーが目的地に走行可能と判別されている場合(ステップSG6:YES)、配車車両選択部50は、処理対象タクシーをタクシー利用者に配車するタクシー16として選択する(ステップSG7)。
一方、走行可否判別処理において処理対象タクシーが目的地に走行可能ではないと判別されている場合(ステップSG6:NO)、配車車両選択部50は、ステップSG2で抽出したタクシー16の全てが処理対象タクシーとなったか否か、換言すれば、ステップSG2で抽出したタクシー16の全てが、ステップSG5の走行可否判別処理の対象となったか否かを判別する(ステップSG8)。
ステップSG2で抽出したタクシー16の全てが処理対象タクシーとなっていない場合(ステップSG8:NO)、配車車両選択部50は、処理手順をステップSG4に戻し、ステップSG3で決定した順序に従って、処理対象タクシーを新たに決定する。
一方、ステップSG2で抽出したタクシー16の全てが処理対象タクシーとなった場合(ステップSG8:YES)、配車車両選択部50は、配車すべきタクシー16がタクシー利用者の近隣に存在しない旨、タクシー配車システム11に通知する。
当該通知を受けたタクシー配車システム11は、例えば、以下の処理を行う。
すなわち、タクシー配車システム11は、電気車両によって構成されたタクシー16は配車できない旨の通知をメール等の手段によってタクシー利用者に報知したり、また、電気車両によって構成されたタクシー16に代えて、ガソリン車によって構成されたタクシーを配車することを決定したりする。このような処理をする理由は以下である。
すなわち、上記通知が入力されたということは、1回も充電することなく特定経路を走行可能なタクシー16がタクシー利用者の近隣に存在しない、換言すれば、特定経路を走行中に車載バッテリーの残量不足が発生するか、又は、目的地に至るまでに1又は複数回の充電を必要とするタクシー16しか存在しないということである。そして、特定経路を走行中に車載バッテリーの残量不足が発生するタクシー16については当然に配車することはできない。さらに、充電スタンド14にて電気車両を充電する場合、非常に長い時間を要することを考慮すると、目的地に至るまでに1又は複数回の充電を必要とするタクシー16は、目的地に到達するタイミングに顕著な遅延を生じ得、顧客満足度を著しく損なう可能性があるからである。
なお、配車すべきタクシー16が存在しない場合に、電気車両によって構成されたタクシー16は配車できない旨の通知をメール等の手段によってタクシー利用者に報知したり、また、電気車両によって構成されたタクシー16に代えて、ガソリン車によって構成されたタクシーを配車すべきタクシーとして選択したり、といった適切な処理をサービス提供サーバー10が実行するようにしてもよい。
なお、上記適切な処理として、例えば、目的地に至るまでに1又は複数回の充電を必要とするタクシー16のうち、最も、最短で目的地に到達できるタクシー16を特定し、当該タクシー16を配車することを決定するようにしてもよい。
【0057】
以上、図8のフローチャートに示す配車タクシー選択処理を実行することにより、配車車両選択部50は、タクシー利用者に配車すべきタクシー16を選択し(ステップSG7)、又は、配車すべきタクシー16が存在しない旨通知する(ステップSG9)。以下の説明では、説明の便宜のため、配車車両選択部50による配車タクシー選択処理により、タクシー利用者に配車すべきタクシー16が選択されたものとする。
【0058】
さて、前掲図6に戻り、ステップSD1の配車タクシー選択処理によりタクシー利用者に配車すべきタクシー16を選択した後、サービス提供サーバー10は、選択した配車タクシーの車両IDを通知する(ステップSD2)。
当該通知を受けたタクシー配車システム11は、配車タクシーとして選択されたタクシー16の車載装置26と無線通信し、タクシー利用者の元に配車可能か問い合わせる(ステップSC2)。当該問い合わせは、例えば、タクシー配車システム11と車載装置26との間で所定のプロトコルに準じた通信が行われ、当該車載装置26の車載側表示パネル46に問い合わせに係る情報が表示されることによって行われる。
当該問い合わせに応じて、配車タクシーの運転手は、所定の手段により、車載装置26を介して、配車の可否について応答する(ステップSB1)。以下の説明では、説明の便宜のため、ステップSB1において、配車が可能である旨応答されたものとする。配車不可能の場合は、タクシー配車システム11は、サービス提供サーバー10に対して、他のタクシー16を配車タクシーとして選択することを要求する。
当該配車の可否の応答を受けたタクシー配車システム11は、応答の結果(配車可能、もしくは、配車不可能)を、タクシー利用者に通知すると共に(ステップSC3)、サービス提供サーバー10に通知する(ステップSC4)。
【0059】
当該通知を受けると、サービス提供サーバー10の制御部30の予約部81は、配車するものとして選択したタクシー16が目的地に到達したときの車載バッテリーの残量の予測値を取得する(ステップSD3)。以下、配車するものとして選択したタクシー16のことを「配車タクシー」と表現し、また、配車タクシーが目的地に到達したときの車載バッテリーの残量の予測値のことを「目的地到着時予測残量」と表現する。
ここで、サービス提供サーバー10には、目的地到達経路を示す情報、及び、タクシー16の現在残量情報を入力とし、当該タクシー16の目的地到達時における車載バッテリーの残量を示す情報を出力とするプログラムがインストールされており、ステップSB2において、予約部81は、当該プログラムの機能により、目的地到着時予測残量を取得する。当該プログラムは、上述した各プログラムと同様、様々な特性、状況を踏まえて、一定の正確性をもって、目的地到着時予測残量を算出し、情報として出力する。
次いで、予約部81は、目的地到着時予測残量に基づいて、配車タクシーが、目的地に至った後に対応充電スタンドで充電する必要があるか否かを判別する(ステップSD4)。
ステップSD4において、予約部81は、例えば、対応充電スタンドで充電しない場合であっても、目的地到着時予測残量が十分にあるため(例えば、目的地からタクシー16の待機場に戻るのに十分な残量がある場合等)、車載バッテリーの残量不足が発生しないと予測される場合は、対応充電スタンドで充電する必要があると判別し、一方、目的地到着時予測残量が少なく、対応充電スタンドで充電しなかった場合、車載バッテリーの残量不足が発生する可能性があると予測される場合は、対応充電スタンドで充電する必要があると判別する。
なお、本実施形態では、目的地到着時予測残量に基づいて、対応充電スタンドで予約する必要があるか否かを判別しているが、目的地に到着したときの残航続可能距離を予測し、予測した残航続可能距離と、所定の閾値との比較や、予測した残航続可能距離と、対応充電スタンドやその他の充電スタンドとの関係に基づいて、上記判別を行うようにしてもよい。
【0060】
配車タクシーについて目的地に至った後に対応充電スタンドで充電する必要があると判別した場合(ステップSD4:YES)、予約部81は、予約処理を実行する(ステップSD5)。
予約処理とは、配車タクシーについて、対応充電スタンドにおける充電器15の使用の予約を、充電器管理サーバー13に対して行う処理のことを言う。
詳述すると、まず、予約部81は、配車タクシーについて、特定経路を走行して対応充電スタンドに至った後、当該対応充電スタンドにおいて、配車タクシーを充電したとした場合に、充電器15を占有する時間帯を取得する。
ここで、サービス提供サーバー10には、特定経路を示す情報、及び、タクシー16の現在残量情報を入力とし、対応充電スタンドにおいて配車タクシーを充電したときに充電器15を占有する時間帯を示す情報を出力とするプログラムがインストールされている。予約部81は、当該プログラムの機能により、当該時間帯を取得する。
当該プログラムは、特定経路を示す情報、及び、タクシー16の現在残量情報に基づいて、タクシー16が対応充電スタンドに到着したときの予想到着時刻と、予測される車載バッテリーの残量とを算出し、さらに、算出した予想到着時刻と、車載バッテリーの残量とに基づいて、対応充電スタンドにおいて配車タクシーを充電したときに充電器15を占有する時間帯を算出する機能を有している。当該プログラムは、適宜、記憶部33に予め記憶された必要なデータ(例えば、上述した地図データや、経路検索データ)を参照し、また、必要に応じて所定のサーバー(例えば、上述した、道路の混み具合等の流動的な情報を一元的に管理する外部のサーバー)にアクセスして、電気車両の特性、及び、道路の個別具体的な事情等を反映して一定の正確性を持って、上記時間帯を算出する機能を有している。当該プログラムのアルゴリズムには、既存の全てのアルゴリズムを適用可能である。
【0061】
上記時間帯を算出した後、予約部81は、サービス提供サーバー10に対して、対応充電スタンドについて、上記時間帯に、利用可能な充電器15があるか否かの問い合わせを行う。利用可能な充電器15がない場合は、さらに、対応充電スタンドに到着したときの予想到着時刻以降であって、利用可能な時間帯を問い合わせ、当該時間帯を充電器15の利用の予約に係る時間帯とする。
次いで、予約部81は、タクシー管理データベース28にアクセスして、当該データベースを参照し、配車タクシーの運転手が保有する会員カードのカードIDを特定した上で、所定のプロトコルに従って、インターネット12を介して充電器管理サーバー13にアクセスし、当該時間帯において、当該カードIDに係る配車タクシーが、対応充電スタンドの充電器15の1つを使用する旨の予約に係るデータを出力する。
当該データを受信した充電器管理サーバー13の予約管理部69は、充電器管理データベース67を利用して、対応充電スタンドの1つの充電器15について、指定された時間帯における使用の予約を行う(ステップSF1)。
【0062】
さて、ステップSD5において予約処理を実行した後、サービス提供サーバー10は、タクシー配車システム11に対して、予約に関する情報(少なくとも、特定経路を示す情報予約した旨を示す情報、予約時間、予約した充電スタンド14(=対応充電スタンド)を示す情報を含む情報であり、充電スタンド14にて充電を行うために必要な情報)を出力する(ステップSD6)。
当該情報が入力されたタクシー配車システム11は、所定のプロトコルに従って、予約に関する情報を、配車タクシーの車載装置26に出力する(ステップSC5)。この予約に関する情報には、特定経路を示す情報が含まれている。
当該情報が入力された車載装置26は、入力された各種情報に基づいて、経路案内処理を実行する(ステップSB2)。
【0063】
詳述すると、車載装置26の走行経路案内部49は、目的地に到着後、対応充電スタンドを経由し、当該対応充電スタンドにて充電すべきこと、及び、当該対応充電スタンドについて、所定の時間帯における充電器15の使用の予約を行っていることを車載側表示パネル46に表示し、運転手に対してその旨通知する。
次いで、走行経路案内部49は、車載側記憶部43に記憶された地図データを参照して車載側表示パネル46に地図を表示し、特定経路を示す情報に基づいて、当該地図上に、出発地、目的地、及び、対応充電スタンドを明示した態様で、特定経路を明示する。
次いで、走行経路案内部49は、地図上に、自車両の位置を明示しつつ、自車両が、特定経路を走行して、出発地、目的地、及び、対応充電スタンドのそれぞれを経由するように、経路案内する。当該経路案内は、車載装置26にインストールされたプログラム(例えば、既存のナビゲーションシステムに係るプログラム)の機能によって実行されるものである。
このように、車載装置26により特定経路に係る経路案内がなされるため、運転手は、スムーズ、かつ、確実に、配車タクシーの現在地から、出発地に赴き、当該出発地にてタクシー利用者等を乗車させ、さらに、目的地に赴き、タクシー利用者等を降車させ、その後、対応充電スタンドに至ることが可能である。
さらに、対応充電スタンドに至る時刻に応じた当該対応充電スタンドにおける充電器15の利用の予約が、自動で、実行されるため、配車タクシーの運転手は、当該対応充電スタンドにて、スムーズ、かつ、確実に、配車タクシーの充電を行うことができる。特に、営利を目的としたタクシー16では、充電スタンド14での充電をできるだけ効率よく行い、充電スタンド14に滞在している時間帯をできるだけ少なくしたいとする強い要請があるが、当該要請に対して適切に応えることが可能である。
【0064】
<自動予約部88の説明>
次いで、サービス提供サーバー10の制御部30が備える自動予約部88(自動予約手段)について説明する。
自動予約部88は、タクシー16が走行している際に、車載バッテリーの残量不足が発生することを確実に防止するために、タクシー16の残航続可能距離を定期的に監視すると共に、残航続可能距離に基づいて充電する必要があるか否かを監視し、充電する必要がある場合は、自動で、充電スタンド14における充電の予約を行うものである。
【0065】
図11は、ある1台のタクシー16(以下、「監視対象タクシー」という。)に対する自動予約部88の動作を説明するためのフローチャートであり、(A)は監視対象タクシーに搭載された車載装置26の動作を、(B)はタクシー配車システム11の動作を、(C)はサービス提供サーバー10の動作を、(D)は電気車両管理システム17の動作を、(E)は充電器管理サーバー13の動作を、それぞれ示している。
図11では、1台のタクシー16が処理対象となっているが、実際には、走行中の全てのタクシー16について、図11に示す動作が行われることとなる。
【0066】
サービス提供サーバー10の制御部30の自動予約部88は、監視対象タクシーについて、以下説明するステップSK2以下の処理の実行を開始するタイミングが到来したか否かを監視する(ステップSK1)。なお、ステップSK2以下の処理は、所定の周期(例えば、5分ごと、10分ごと)で行われるよう設定されており、自動予約部88は、ステップSK1において、監視対象タクシーに対して設定された所定の周期が到来したか否かを監視する。なお、ステップSK2以下の処理は、所定の周期で行うほか、タクシー配車システム11からの要求に応じて行うようにしてもよい。
上記タイミングが到来した場合(ステップSK1:YES)、自動予約部88は、電気車両管理データベース22にアクセスし、監視対象タクシーの現在残航続可能距離情報を取得する(ステップSK2)。
次いで、自動予約部88は、現在残航続可能距離情報が示す残航続可能距離と、所定の閾値との比較に基づいて、監視対象タクシーについて充電を行うべきか否かを判別する(ステップSK3)。
以下、ステップSK3の動作について詳述する。
【0067】
ステップSK3では、現在残航続可能距離情報が示す残航続可能距離と、所定の閾値とを比較することにより、残量不足の発生を防止するためにできるだけ早い段階で充電を行う必要がある程度に、残航続可能距離が短くなっているか否かを判別し、これにより、充電を行うべきか否かを判別している。
ここで、所定の閾値は固定値ではなく、以下のようにしてその値が変動する。
すなわち、本実施形態では、タクシー16のそれぞれについて、エリアごとに、エリアにおける充電スタンド14の状況に応じて、閾値が定められている。エリアとは、地上(地図)を重ならないように分割したときにできる1つの領域のことであり、事前に定められている。本実施形態では、各タクシー16について、エリアにおける充電スタンド14の密度(単位面積あたりの充電スタンド14の数)に応じて、エリアにおける充電スタンド14の密度が高いほど閾値が低く、密度が低いほど閾値が高くなるよう、エリアごとに閾値が定められている。
例えば、エリアA1〜エリアA4の4つのエリアがあったとし、これらエリアにおける充電スタンド14の密度の多寡の関係は、エリアA1>エリアA2>エリアA3>であるものとする。この場合、「エリアA4に対応する閾値T4>エリアA3に対応する閾値T3>エリアA2に対応する閾値T2>エリアA1に対応する閾値T1」となるように、閾値が定められている。なお、タクシー16ごとの、エリアと閾値との対応関係は、データベース化されて記憶部33に記憶されている。所定のアルゴリズムを有するプログラムにより閾値を算出するようにしてもよい。
このように、エリアにおける充電スタンド14の密度が高いほど閾値が低く、密度が低いほど閾値が高くなるよう、エリアごとに閾値が定められているのは、密度が高いほど充電スタンド14が比較的近くに存在する状態であるため閾値を低く設定でき、密度が低いほど充電スタンド14が比較的遠くに存在している可能性があり、閾値を高く設定する必要があるからである。
そして、ステップSK3において、自動予約部88は、タクシー管理データベース28にアクセスして、当該データベースを参照し、監視対象タクシーの現在位置情報を取得する。そして、監視対象タクシーが位置するエリアを特定すると共に、当該エリアに対応する閾値を特定する。次いで、自動予約部88は、監視対象タクシーの残航続可能距離と、特定した閾値とを比較し、残航続可能距離が閾値を下回る場合は監視対象タクシーについて充電を行う必要があると判別し、上回る場合は充電を行う必要がないと判別する。
なお、本実施形態では、残航続可能距離に基づいて、充電を行う必要があるか否かを判別しているが、電気車両管理データベース22にアクセスして現在残量情報を取得し、車載バッテリーの残量と、閾値との比較によって当該判別を行うようにしてもよい。この場合、閾値を充電スタンドの密度に応じて変動するようにすれば、より適切に当該判別を行うことができる。
また、本実施形態では、残航続可能距離と、閾値との比較により、充電を行う必要があるか否かを判別しているが、これに限らず、例えば、現在の監視対象タクシーの位置、及び、経由可能な充電スタンド14の位置の距離と、残航続可能距離との関係で、上記判断を行うようにしてもよい。すなわち、上記判断は、車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離と、充電スタンド14の状況との関係に基づいて、残量不足の発生を防止するためにできるだけ早い段階で充電を行う必要があるかを適切に判別できれば、どのような方法を利用してもよい。
【0068】
充電を行う必要が無い場合(ステップSK3:NO)、自動予約部88は、処理手順をステップSK1へ戻し、再び、所定のタイミングが到来したか否かを監視する。
一方、充電を行う必要がある場合(ステップSK3:YES)、自動予約部88は、監視対象タクシーが、現在位置から最も行きやすく、かつ、充電スタンド14への到着予想時刻と充電スタンド14の営業時間との関係、監視対象タクシーのコネクターの規格と充電スタンド14の充電器15のコネクターの規格との関係、及び、充電スタンド14の利用資格の有無を反映して充電スタンド14での充電が現実に可能な充電スタンド14を特定する(ステップSK4)。ここで特定された充電スタンド14は、監視対象タクシーの充電の予約を行うべき充電スタンド14である。
当該特定は、例えば、所定のプログラムの機能により、記憶部33に記憶された充電スタンド情報データベース80や、タクシー配車システム11、充電器管理サーバー13にアクセスして、必要な情報を取得した上で、行われる。また例えば、充電器管理サーバー13が、所定の位置から最も行きやすい充電スタンド14を特定する機能を有している場合は、充電器管理サーバー13に対して問い合わせすることにより行うようにしてもよい。
【0069】
次いで、自動予約部88は、予約処理を実行し、ステップSK4で特定した充電スタンド14の予約を行う(ステップSK5)。その際、自動予約部88は、監視対象タクシーの現在位置や、進行方向、その他の必要な情報から、充電スタンド14において、充電が行われると予想される時間帯を予測し、当該時間帯における予約を行う。充電器管理サーバー13は、自動予約部88における予約処理に応じて、充電スタンド14における充電器15の利用の予約を登録する(ステップSM1)。
予約処理を実行した後、自動予約部88は、タクシー配車システム11に対して、予約に関する情報(予約時間、予約した充電スタンド14を示す情報を含む情報であり、充電スタンド14にて充電を行うために必要な情報)を出力する(ステップSK6)。
当該情報が入力されたタクシー配車システム11は、所定のプロトコルに従って、予約に関する情報を、配車タクシーの車載装置26に出力する(ステップSJ1)。
当該情報が入力された車載装置26は、入力された各種情報に基づいて、充電スタンド14の予約に関する情報を車載側表示パネル46に表示する(ステップSI1)。その際、予約された充電スタンド14まで経路案内するようにしてもよい。
【0070】
このように、本実施形態では、サービス提供サーバー10の自動予約部88機能により、走行中のタクシー16について、充電が必要か否か監視され、充電が必要な場合は、適切な充電スタンド14における充電器15の予約が自動で実行される。このため、各タクシー16について、車載バッテリーの残量不足が発生することを防止することが可能である。特に、タクシー16は、車載バッテリーの残量不足が生じると、運営上、多大な悪影響を受けるが、このような悪影響を排除することが可能である。
さらに、タクシー16の運転手は、予約された充電スタンド14にて、スムーズ、かつ、確実に、タクシー16の充電を行うことができる。特に、営利を目的としたタクシー16では、充電スタンド14での充電をできるだけ効率よく行い、充電スタンド14に滞在している時間帯をできるだけ少なくしたいとする強い要請があるが、当該要請に対して適切に応えることが可能である。
なお、本発明は、タクシー16以外の電気車両にも適用可能である。例えば、サービス提供サーバー10に係るサービス提供会社と契約を結んだ個人が所有する乗用車としての電気車両の残航続可能距離を、サービス提供サーバー10の自動予約部88が監視し、充電をする必要が生じた場合に、適切な充電スタンド14での充電の予約を行うことにより、運転手は、電気車両の残量を気にすることなく運転でき、また、充電に際し、充電できる充電スタンド14を探す必要が無く、運転手の利便性が飛躍的に向上する。
【0071】
以上説明したように、本実施形態に係るサービス提供サーバー10の走行可否判別部78は、電気車両たるタクシー16が現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する際、目的地に到達後に経由可能な充電スタンド14である対応充電スタンドを検索した上で、現在地から目的地を経由して対応充電スタンドに至るまでの経路である特定経路を検索し、当該特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合はタクシー16が目的地に走行可能であると判別する。
ここで、上述したように、電気車両には、ガソリン車と比較して、航続距離が短いという特性がある。従って、電気車両には、車載バッテリーの残量不足により目的地に達成できないというリスクのみならず、目的地に到達後に車載バッテリーの残量不足が発生するというリスクがある。そして、タクシー16が目的地に到達した後、車載バッテリーの残量不足が発生し、走行不能となるような事態が生じた場合、タクシー16の運営上多大な悪影響がある。従って、電気車両たるタクシー16を目的地まで走行させるか否かの判断にあたっては、当該タクシー16が目的地に到着した後も継続して走行可能な状態を維持できるか否かを考慮する必要がある。
以上を踏まえ、上記構成によれば、上記のことを考慮して、適切に、タクシー16が目的地に走行可能であるか否かを判別することが可能である。
【0072】
また、本実施形態では、予約部81は、充電スタンド14における充電の予約を受け付ける充電器管理サーバー13と通信して、走行可否判別部78により検索された特定経路を走行して目的地に至った後に対応充電スタンドで充電するための予約を行う。
この構成によれば、サービス提供サーバー10の機能により、目的地に到達後の充電の予約が自動で行われるため、タクシー16の運転手が充電の予約を行う必要がなく、また、確実、かつ、スムーズにタクシー16の充電が可能となる。
【0073】
また、本実施形態では、サービス提供サーバー10の予約部81は、走行可否判別部78により検索された特定経路を走行して目的地に至ったときのタクシー16の車載バッテリーの残量を予測し、当該予測に基づいて、目的地に到達した後に対応充電スタンドにおいて充電をすべきか否かを判別し、充電すべき場合は、対応充電スタンドでの充電の予約を行う。
この構成によれば、対応充電スタンドにおける充電器15の利用の予約が、自動で、実行されるため、配車タクシーの運転手は、当該対応充電スタンドにて、スムーズ、かつ、確実に、配車タクシーの充電を行うことができる。特に、営利を目的としたタクシー16では、充電スタンド14での充電をできるだけ効率よく行い、充電スタンド14に滞在している時間帯をできるだけ少なくしたいとする強い要請があるが、当該要請に対して適切に応えることが可能である。
なお、上述したように、目的地に至ったときのタクシー16の残航続可能距離を予測し、予測した残航続可能距離に基づいて、対応充電スタンドで予約すべきか否かを判別するようにしてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、走行可否判別部78は、対応充電スタンドの検索に際し、タクシー管理データベース28及び充電スタンド情報データベース80の必要なフィールドを参照し、対応充電スタンドの候補となった充電スタンド14の中から、予測到着時刻と各充電スタンド14の営業時間との関係、処理対象タクシーのコネクターの規格と充電スタンド14が対応しているコネクターの規格との関係、及び、各充電スタンド14の利用資格の有無(処理対象タクシーが登録された会員に該当するか否か)を踏まえて、実際に充電スタンド14における充電が可能であり、かつ、目的地から最もスムーズに経由できる1つの充電スタンド14を特定する。
この構成によれば、配車タクシーが実際に充電を実行することができる充電スタンドを、適切に、対応充電スタンドとすることが可能である。
【0075】
また、本実施形態に係るサービス提供サーバー10の配車車両選択部50は、複数のタクシー16のうち、走行可否判別部78により、現在地から目的地に走行可能と判別された電気車両のうちの1つを、目的地まで走行させるタクシー16(配車タクシー)として選択する。
この構成によれば、車載バッテリーの残量不足を生じることなく目的地に到達できるのみならず、さらに、目的地に到達後も車載バッテリーの残量不足を生じることなく継続して走行可能なタクシー16を、的確に、配車タクシーとして選択することが可能となる。
【0076】
また、本実施形態に係るサービス提供サーバー10の配車車両選択部50は、複数のタクシー16のうち、走行可否判別部78により、現在地から出発地(経由地)を経由して目的地に走行可能と判別された電気車両のうちの1つを、目的地まで走行させるタクシー16(配車タクシー)として選択する。
この構成によれば、車載バッテリーの残量不足を生じることなく出発地(経由地)を経由して目的地に到達できるのみならず、さらに、目的地に到達後も車載バッテリーの残量不足を生じることなく継続して走行可能なタクシー16を、的確に、配車タクシーとして選択することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態に係る配車車両選択部50は、走行可否判別部78によって正常に目的地に走行可能と判別されたタクシー16であって、充電スタンド14における充電を行うことなく目的地に到達可能なタクシー16を、配車タクシーとして選択する。
ここで、上述したように電気車両には、ガソリン車がガソリンスタンドで給油するのに要する時間と比較して、電気車両が充電スタンドで充電するのに要する時間は長い傾向にある、という特性がある。そして、充電スタンド14にて電気車両を充電する場合非常に長い時間を要することを考慮すると、目的地に至るまでに1又は複数回の充電を必要とするタクシー16は、目的地に到達するタイミングに顕著な遅延を生じ得、顧客満足度を著しく損なう可能性がある。
以上を踏まえ、上記構成によれば、充電スタンド14の充電に起因した遅延を好適に防止することができ、顧客満足度の損失を抑制可能である。
【0078】
また、本実施形態に係るサービス提供サーバー10は、所定のタイミングで走行中の電気車両(タクシー16)の車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離を取得し、取得した車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離に基づいて、電気車両について充電すべきか否かを判別し、充電すべき場合は、充電スタンド14における充電の予約を受け付けるシステム(充電器管理サーバー13)と通信し、電気車両の現在位置に対応した前記充電スタンドでの予約を行う自動予約部88をさらに備えている。
これによれば、走行中のタクシー16について、充電が必要か否か監視され、充電が必要な場合は、適切な充電スタンド14における充電器15の予約が自動で実行されるため、各タクシー16について、車載バッテリーの残量不足が発生することを防止することが可能である。特に、タクシー16は、車載バッテリーの残量不足が生じると、運営上、多大な悪影響を受けるが、このような悪影響を排除することが可能である。
さらに、タクシー16の運転手は、予約された充電スタンド14にて、スムーズ、かつ、確実に、タクシー16の充電を行うことができる。特に、営利を目的としたタクシー16では、充電スタンド14での充電をできるだけ効率よく行い、充電スタンド14に滞在している時間帯をできるだけ少なくしたいとする強い要請があるが、当該要請に対して適切に応えることが可能である。
【0079】
また、本実施形態に係る自動予約部88は、取得した通信により車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離と、充電スタンド14の状況との関係に基づいて、タクシー16について充電すべきか否かを判別する。より具体的には、自動予約部88は、残量、又は、走行距離と、タクシー16が所属するエリアについて、充電スタンド14の密度によって規定された閾値との比較基づいて、タクシー16について充電すべきか否かを判別する。
これによれば、充電スタンド14の状況を適切に反映して、タクシー16を充電すべきか否かを判別可能である。
【0080】
<第2実施形態>
次いで、第2実施形態について説明する。
上述した実施形態では、タクシー利用者に配車すべきタクシー16を選択する場合を例にして説明した。一方で、本実施形態では、いわゆる流し営業を行っているタクシー16を例として、本発明について説明する。
【0081】
図12は、本実施形態における情報処理システム1の各構成要素の動作を示すフローチャートであり、(A)は車載装置26の動作を、(B)はタクシー配車システム11の動作を、(C)はサービス提供サーバー10の動作を、(D)は充電器管理サーバー13の動作をそれぞれ示している。
まず、流し営業を行っているタクシー16(以下、「流しタクシー」という。)の運転手は、道路を走行中、タクシー16を利用しようとしている者がいることを確認すると、その者に近くにタクシー16を移動させ、停車する。
次いで、流しタクシーの運転手は、その者から、目的地を聞く。
次いで、流しタクシーの運転手は、車載装置26の専用のユーザーインターフェイスに当該目的地を示す情報を入力し、タクシー配車システム11への出力指示を行う。車載装置26の車載側制御部40は、車両位置検出部45により検出された現在位置情報と共に、入力された目的地を示す情報を、インターネット12を介して、タクシー配車システム11に出力する(ステップSN1)。
当該情報の入力に応じて、タクシー配車システム11は、当該流しタクシーについて、目的地まで走行可能か否かの問い合わせを、サービス提供サーバー10に対して行う(ステップSO1)。その際、流しタクシーの現在地を示す情報、及び、目的地を示す情報を出力する。
【0082】
当該問い合わせを受けたサービス提供サーバー10の走行可否判別部78は、図9のフローチャートを用いて説明した走行可否判別処理を実行し、1度も充電スタンド14での充電を行うことなく目的地に到達でき、かつ、目的地に到達した後も車載バッテリーの残量不足を生じることなく継続して走行できるか否かを判別し(=流しタクシーが目的地に走行可能か否かを判別し)(ステップSP1)、その判別結果をタクシー配車システム11に出力する(ステップSP2)。
当該判別結果が入力されたタクシー配車システム11は、その判別結果を車載装置26に通知する(ステップSO2)。
当該判別結果が車載装置26に入力されると、当該判別結果を示す情報が車載装置26の車載側表示パネル46に表示され、配車タクシーの運転手は、所定の手段により、車載装置26を介して、タクシー利用者を搭乗させるか否かについて応答する(ステップSN2)。以下の説明では、説明の便宜のため、ステップSN2において、タクシー利用者を搭乗させる旨応答されたものとする。
当該応答を受けたタクシー配車システム11は、タクシー利用者を搭乗させるか否かを、サービス提供サーバー10に通知する(ステップSO3)。
当該通知を受けたサービス提供サーバー10は、流しタクシーが目的地に到達したときの目的地到着時予測残量を取得し(ステップSP3)、取得した目的地到着時予測残量に基づいて、流しタクシーが、目的地に至った後に対応充電スタンドで充電する必要があるか否かを判別する(ステップSP4)。充電スタンドで充電する必要がある場合(ステップSP4:YES)、予約部81は、予約処理を行う(ステップSP5)。
当該予約部81による予約処理に応じて、充電器管理サーバー13は、予約の受け付けに係る処理を実行する(ステップSQ1)。
次いで、サービス提供サーバー10は、タクシー配車システム11に対して、予約に関する情報(少なくとも、特定経路を示す情報予約した旨を示す情報、予約時間、予約した充電スタンド14(=対応充電スタンド)を示す情報を含む情報であり、充電スタンド14にて充電を行うために必要な情報)を出力する(ステップSP6)。
当該情報が入力されたタクシー配車システム11は、所定のプロトコルに従って、予約に関する情報を、配車タクシーの車載装置26に出力する(ステップSO4)。この予約に関する情報には、特定経路を示す情報が含まれている。
当該情報が入力された車載装置26は、入力された各種情報に基づいて、経路案内処理を実行する(ステップSN3)。
【0083】
以上説明したように、流し営業を行っているタクシー16についても、本発明を適用することにより、非常に優れた効果を奏することができる。すなわち、サービス提供サーバー10は、車載装置26に対して、目的到着後の継続走行という観点から顧客を乗せてよいかを示す情報を出力するため、流しタクシーの運転手は、当該情報に基づいて、顧客を乗せてよいか否かを適切に判断できる。さらに、目的地到達後に対応充電スタンドにて充電をする必要がある場合は、自動で、当該対応充電スタンドの充電器15の利用の予約が行われるため、当該対応スタンドにてスムーズかつ確実な充電を実現できる。
【0084】
<第3実施形態>
次いで、第3実施形態について説明する。
上述した第1実施形態や、第2実施形態では、タクシー16に係るシステムに本発明を適用した場合を例にして本発明について説明したが、本発明は、タクシー16に係るシステムのみならず、荷物、その他の物品を配達し、また、集荷する専用車両90(図14)に係るシステムに対しても適用可能であり、かつ、適用することにより以下のような非常に有利な効果を奏することが可能である。
以下、専用車両90によって、物品を集荷する場合を例にして本発明について説明する。
【0085】
図13は、本実施形態に係る情報処理システム1を模式的に示す図である。
以下の説明では、専用車両90は、全て、電気車両によって構成されており、かつ、集荷地に赴いて集荷物を集荷可能な状態であるものとする。
また、以下の説明では、集荷地SK1(経由地)にて所定量の集荷物を集荷し、さらに、集荷地SK2(経由地)にて所定量の集荷物を集荷し、これら集荷物を集荷センターSC(目的地)に運ぶ、という集荷処理を行うべき状況が発生し、各地に点在する専用車両90の中から、当該集荷処理を行うべき専用車両90を選択的に配車しようとしているものとする。
各専用車両90には、車載装置26が搭載されており、当該車載装置26は、適宜のタイミングで、現在位置情報や、現在方位情報等のほか、残り集荷可能量を示す情報を、サービス提供サーバー10に対して出力する。残り集荷可能量とは、専用車両90が、集荷可能な集荷物の量のことである。
サービス提供サーバー10には、各専用車両90について、少なくとも、現在位置情報、現在方位情報、及び、残り集荷可能量を示す情報を管理する専用車両管理データベース91が記憶されている。サービス提供サーバー10の機能ブロックの1つである専用車両管理部92は、各専用車両90の各車載装置26から入力された情報に基づいて専用車両管理データベース91の内容を更新し、これにより、各専用車両90の状態を管理する。
【0086】
配車にあたり、サービス提供サーバー10の配車車両選択部50は、走行可否判別部78に、各専用車両について、現在地から集荷地SK1、SK2を経由して、集荷センターSCに至った後、さらに、当該集荷センターSCに対応する対応充電スタンドTJに至る特定経路を検索させる。集荷センターSCに対応する対応充電スタンドTJは、第1実施形態で説明した手法により、適切により選択される。
次いで、サービス提供サーバー10の配車車両選択部50は、走行可否判別部78に、各専用車両90について、特定経路を、車載バッテリーの残量不足を生じることなく走行可能か否かを判別させる。当該判別にあたり、1回も充電スタンド14にて充電することなく走行可能か否かを判別してもよく、充電スタンド14における充電を伴うか否かにかかわらず走行可能か否かを判別してもよい。第1実施形態で説明したように、特定経路を、車載バッテリーの残量不足を生じることなく走行可能ということは、目的地たる集荷センターSCに至るまでに車載バッテリーの残量不足に起因して走行不能となることがなく、かつ、目的地たる集荷センターSCに到着後も、車載バッテリーの残量不足が発生することなく継続して走行可能な状態が維持される、ということである。
さらに、配車車両選択部50は、各専用車両90について、集荷地SK1、SK2にて集荷すべき集荷物の量と、各専用車両90の残り集荷可能量との関係で、集荷物を集荷か可能か否かを判別する。集荷地SK1、SK2における集荷物の量は、事前に、サービス提供サーバー10に通知されているものとする。
そして、配車車両選択部50は、車載バッテリーの残量不足を生じることなく特定経路を走行可能な専用車両90であって、集荷地SK1、SK2にて集荷すべき集荷物を集荷可能な専用車両90の1つを配車すべき専用車両90として選択する。このような専用車両90が複数ある場合、配車車両選択部50は、例えば、集荷センターSCに最も早く到着可能な専用車両90を選択する。
次いで、サービス提供サーバー10は、必要に応じて、予約部81により対応充電スタンドTJの予約を行った後、配車すべき専用車両90の車載装置26に特定経路(又は、集荷センターSCに至るまでの経路)を含む各種情報を出力する。当該各種情報が入力された車載装置26は、車載側表示パネル46を利用して、集荷地SK1、SK2を経由して、集荷センターSCに至るまでの経路を案内し、さらに、必要に応じて、対応充電スタンドTJに至るまでの経路を案内する。
【0087】
以上説明したように、物品を配達、集荷する専用車両90に係るシステムについても、本発明を適用することにより、非常に優れた効果を奏することができる。すなわち、サービス提供サーバー10は、目的到着後の継続走行という観点から、適切な専用車両90をお配車でき、目的地到達後に対応充電スタンドにて充電をする必要がある場合は、自動で、当該対応充電スタンドの充電器15の利用の予約が行われるため、当該対応スタンドにてスムーズかつ確実な充電を実現できる。
【0088】
<第4実施形態>
図14は、第4実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す図である。
以下の説明では、第1実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図14と、図1との比較において明らかなように、本実施形態に係る情報処理システム1は、タクシー配車システム11を備えておらず、サービス提供サーバー10が、無線通信システム104を介して、タクシー16の車載装置26と直接無線通信する構成となっている。
【0089】
図15は、サービス提供サーバー10、及び、車載装置26の機能的構成を示すブロック図である。
図15と、図3との比較において明らかなように、本実施形態に係るサービス提供サーバー10の制御部30は、配車車両選択部50、及び、走行可否判別部78を備えていない一方、タクシー管理部100、及び、配車部101を備えている。配車部101は、後に明らかとなるように、上述した第1実施形態における配車車両選択部50、及び、走行可否判別部78の機能を備えている。これらタクシー管理部100、及び、配車部101は、制御部30のCPUが制御プログラムを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
また、サービス提供サーバー10の記憶部33には、タクシー管理データベース103が記憶されているが、これについては後述する。
また、図15に示すように、サービス提供サーバー10には、無線通信システム104が接続されている。無線通信システム104は、タクシー16に搭載された車載装置26との間で、所定の帯域の周波数での無線通信可能に構成されている。サービス提供サーバー10は、無線通信システム104を介して、特定の車載装置26に対し所定の情報を出力し、また、無線通信システム104を介して特定の車載装置26から所定の情報が入力される。
なお、サービス提供サーバー10の構成は、図15に示すものに限らず、例えば、複数のサーバー装置が連係した構成であってもよく、また、集中型システム、分散型システムの一部の機能であってもよい。すなわち、配車サービスに係る各種機能を実現可能な構成であれば、その形態を問わない。
【0090】
図15に示すように、車載装置26の車載側制御部40は、車両情報出力部48と、走行経路案内部49と、を備えている。
本実施形態に係る車両情報出力部48は、予め定められた所定の周期(例えば、1秒ごとや、5秒ごと)で、車両の情報を取得し、取得した車両の情報をサービス提供サーバー10に出力する。本実施形態における車両の情報とは、具体的には、車載バッテリーの残量を示す情報(以下、「現在残量情報」という。)、車載装置26が搭載されているタクシー16の位置(経度、緯度)を示す情報(以下、「現在位置情報」という。)、タクシー16の進行方向の方位を示す情報(以下、「現在方位情報」という。)、及び、タクシー16の状態(空車、実車、迎車、及び、回送のいずれか)を示す情報(以下、「現在状態情報」という。)である。なお、車載装置26は、少なくとも車載バッテリーの残量を管理する機能を有する既存の車載システムと接続されており、当該車載システムから、随時、現在残量情報を取得可能である。また、車載装置26は、タクシー16の運転手による手動の切り換えに応じて、タクシー16の状態を管理する既存のタクシーシステムと接続されており、当該タクシーシステムから、随時、現在状態情報を取得可能である。
車両情報出力部48は、例えば、接続されたRTCの入力値に基づいて所定の周期が到来したことを検出し、当該所定の周期が到来する度に、上述した車載システムから現在残量情報を取得し、車両位置検出部45から現在位置情報及び現在方位情報を取得し、さらに、タクシーシステムから現在状態情報を取得し、取得したこれら情報を、各タクシー16に一意に割り振られた識別コードであるタクシーIDと対応付けて、無線通信部44を介して、サービス提供サーバー10に出力する。
車載装置26から現在残量情報、現在位置情報、現在方位情報、現在状態情報、及び、タクシーID(以下これら5つの情報をまとめて「現在車両情報」という。)が入力されたサービス提供サーバー10の制御部30のタクシー管理部100は、これら情報に基づいて、記憶部33に記憶されたタクシー管理データベース103の内容を更新する。
【0091】
図16は、タクシー管理データベース103のデータ構造を模式的に示す図である。
図16に示すように、タクシー管理データベース103の1件のレコードは、タクシーIDが格納されるタクシーIDフィールド103aと、現在残量情報が格納される現在残量情報フィールド103bと、現在位置情報が格納される現在位置情報フィールド103cと、現在方位情報が格納される現在方位情報フィールド103dと、現在状態情報が格納される現在状態情報フィールド103eと、最大乗車人数情報フィールド103fと、コネクター規格情報フィールド103gと、運転手保有カードIDフィールド103hと、を備えている。最大乗車人数情報フィールド103fには、タクシー16に乗車可能な乗客の最大数を示す情報が格納される。当該情報は、固定値であり、レコードの生成に際し、人為的な手段により当該フィールドに格納される。また、コネクター規格情報フィールド103gには、充電スタンド14の充電器15との接続に係るコネクターの規格を示す情報が入力される。周知の通り、現状、コネクターの規格には複数の種類が存在する。コネクターの規格を示す情報は固定値であり、レコードの生成に際し、人為的な手段により当該フィールドに格納される。また、運転手保有カードIDフィールド103hには、運転手が保有する会員カード(後述)のカードIDが格納される。運転手が複数種類の会員カードを保有している場合は、当該フィールドには、各会員カードのカードIDが格納される。
サービス提供サーバー10の制御部30のタクシー管理部100は、1のタクシー16から、当該1のタクシー16に係る現在車両情報が入力されると、当該現在車両情報に含まれるタクシーIDに基づいて、タクシー管理データベース103の各レコードのうち、当該1のタクシー16に対応するレコードを特定し、入力された現在車両情報に基づいて、特定したレコードの各フィールドのデータを更新する。
このタクシー管理部100の機能により、タクシー管理データベース103の各レコードに格納された各情報は、最新の情報となる。
【0092】
図17は、タクシー利用者からタクシー16の呼び出しがあり、呼び出しに基づいてタクシー16を選択的に配車する際の呼出手段、サービス提供サーバー10、車載装置26、及び、充電器管理サーバー13の動作を示すフローチャートであり、(A)は呼出手段の動作を、(B)はサービス提供サーバー10の動作を、(C)は車載装置26の動作を、(D)は充電器管理サーバー13の動作をそれぞれ示している。
上述したように、車載装置26のそれぞれは、所定の周的で定期的に、現在残量情報、現在位置情報、現在方位情報、現在状態情報、及び、タクシーIDからなる現在車両情報を、サービス提供サーバー10に出力し、サービス提供サーバー10のタクシー管理部100は、入力された現在車両情報に基づいて、タクシー管理データベース103の内容を更新する。
【0093】
図17を参照し、まず、呼出手段により、サービス提供サーバー10に対して、タクシー16の呼び出しの依頼が実行される(ステップSR1)。本実施形態では、ステップSR1の依頼は、第1実施形態で説明した複数の方法によって行うことができる。
【0094】
ステップSR1において、呼出手段から、少なくとも、出発地、及び、目的地を示す情報が入力されたサービス提供サーバー10の配車部101(配車手段)は、車両配車処理を実行し、配車するタクシー16を決定する(ステップSS1)。
この車両配車処理では、第1実施形態において図8を用いて説明した配車タクシー選択処理に準じる処理が行われて、配車タクシーが選択され、かつ、選択された配車タクシーを実際に配車するタクシーとして決定する。より詳細には、上述した配車車両選択部50、及び、走行可否判別部78と同様の機能により、点在するタクシー16のうち、目的地まで走行可能なタクシー16であって、1回も充電スタンド14で充電することなく、目的地まで到達可能なタクシー16が、配車タクシーとして選択される。
【0095】
ステップSS1の車両配車処理によりタクシー利用者に配車すべきタクシー16を決定した後、サービス提供サーバー10の制御部30の予約部81は、は、当該タクシー16が目的地に到達したときの車載バッテリーの残量の予測値を取得する(ステップSS2)。
次いで、サービス提供サーバー10の予約部81は、予測値に基づいて、配車タクシーが、目的地に至った後に対応充電スタンドで充電する必要があるか否かを判別する(ステップSS3)。
配車タクシーについて目的地に至った後に対応充電スタンドで充電する必要があると判別した場合、処理手順は、ステップSS5へ移行する。
配車タクシーについて目的地に至った後に対応充電スタンドで充電する必要があると判別した場合(ステップSS3:YES)、予約部81は、予約処理を実行して(ステップSS4)、対応充電スタンドでの充電の予約を行う。この予約処理に応じて、充電器管理サーバー13は、予約の受け付けに係る処理を実行する(ステップSU1)。
【0096】
さて、ステップSS4において予約処理を実行した後、配車部101は、無線通信システム104を介して、配車タクシーに対して、配車指示を行う(ステップSS5)。
詳述すると、配車部101は、配車タクシーの車載装置26に対して、当該配車タクシーをタクシー利用者に対して配車するタクシー16として選択した旨の情報、タクシー利用者の名前、出発地、出発地の詳細、目的地、乗車人数をそれぞれ示す情報と共に、出発地、目的地が明示された態様で、目的地到達経路を示す情報、又は、特定経路を示す情報を出力する。なお、配車部101は、ステップSS3において、配車タクシーが、目的地に至った後に対応充電スタンドで充電する必要があると判別した場合は特定経路を示す情報を出力し、一方、目的地に至った後に対応充電スタンドで充電する必要がないと判別した場合は目的地到達経路を示す情報を出力する。
さらに、配車部101は、特定経路を示す情報を出力する場合、つまり、対応充電スタンドにおける充電器15の使用の予約をしている場合、その旨を示す情報と、予約した時間帯を示す情報を出力する。
以下の説明では、説明の便宜のため、配車タクシーは、目的地に到達後、対応充電スタンドで充電する必要があると判別されたものとし、従って、配車部101は、配車タクシーに対して、特定経路を示す情報、及び、対応充電スタンドの予約に係る情報を出力したものとする。
【0097】
上記各種情報が入力された車載装置26は、入力された各種情報に基づいて、経路案内処理を実行する(ステップST1)。
詳述すると、車載装置26の走行経路案内部49は、まず、車載側表示パネル46に、タクシー利用者に配車されるタクシーとして選択された旨の情報を表示し、運転手に対してその旨報知する。さらに、走行経路案内部49は、目的地に到着後、対応充電スタンドを経由し、当該対応充電スタンドにて充電すべきこと、及び、当該対応充電スタンドについて、所定の時間帯における充電器15の使用の予約を行っていることを車載側表示パネル46に表示し、運転手に対してその旨通知する。
次いで、走行経路案内部49は、車載側記憶部43に記憶された地図データを参照して車載側表示パネル46に地図を表示し、特定経路を示す情報に基づいて、当該地図上に、出発地、目的地、及び、対応充電スタンドを明示した態様で、特定経路を明示する。
次いで、走行経路案内部49は、地図上に、自車両の位置を明示しつつ、自車両が、特定経路を走行して、出発地、目的地、及び、対応充電スタンドのそれぞれを経由するように、経路案内する。当該経路案内は、車載装置26にインストールされたプログラム(例えば、既存のナビゲーションシステムに係るプログラム)の機能によって実行されるものである。
このように、車載装置26により特定経路に係る経路案内がなされるため、運転手は、スムーズ、かつ、確実に、配車タクシーの現在地から、出発地に赴き、当該出発地にてタクシー利用者等を乗車させ、さらに、目的地に赴き、タクシー利用者等を降車させ、その後、対応充電スタンドに至ることが可能である。
さらに、対応充電スタンドに至る時刻に応じた当該対応充電スタンドにおける充電器15の利用の予約が、自動で、実行されるため、配車タクシーの運転手は、当該対応充電スタンドにて、スムーズ、かつ、確実に、配車タクシーの充電を行うことができる。特に、営利を目的としたタクシー16では、充電スタンド14での充電をできるだけ効率よく行い、充電スタンド14に滞在している時間帯をできるだけ少なくしたいとする強い要請があるが、当該要請に対して適切に応えることが可能である。
【0098】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、充電器管理サーバー13が、各充電スタンド14を統括的に管理し、サービス提供サーバー10は、当該充電器管理サーバー13に対して、充電スタンド14に係る各種問い合わせや、予約を行っていたが、このような構成に限らず、例えば、充電スタンド14ごとにサーバーを備え、当該サーバーが各充電スタンド14に属する充電器15の使用状況や予約状況の管理をしてもよく、また、充電器15が自身の使用状況や予約状況を管理し、サービス提供サーバー10が、充電器15と直接通信するようにしてもよい。
また、サービス提供サーバー10と、車載装置26とは上述した形態の無線通信に限らず、インターネット12や、電話回線を利用して通信する構成であってもよい。
また、本実施形態では、各タクシー16や、各タクシー16の各種情報を、サービス提供サーバー10にて統括的に管理する構成であったが、各種情報が必要になったときに、各車両の車載装置26に問い合わせ、必要な情報を取得する構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、電気車両管理システム17が、タクシー16の車載バッテリーの残量や、残航続可能距離を管理していたが、これに限らず、例えば、タクシー配車システム11が管理するようにしてもよく、また、サービス提供サーバー10が管理するようにしてもよい。この場合、例えば、車載装置26を車載バッテリーの残量を取得できる構成とした上で、タクシー配車システム11、又は、サービス提供サーバー10が、車載装置26との通信により、車載バッテリーの残量を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて、車載バッテリーの残量、及び、残航続可能距離を管理するようにすればよい。
また、例えば、上述した実施形態では、車載装置26が地図データ47を有していたが、車載装置26自体が、必ずしも、当該地図データ47を有している必要はない。例えば、適宜適切なサーバーにアクセスして、地図に関する情報を取得するようにしてもよく、また、必要に応じて、サービス提供サーバー10や、タクシー配車システム11が、地図に関する情報を出力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 情報処理システム
10 サービス提供サーバー(情報処理装置)
11 タクシー配車システム
14 充電スタンド
16 タクシー(電気車両)
30 制御部(コンピューター)
50 配車車両選択部(配車車両選択手段)
78 走行可否判別部(走行可否判別手段)
81 予約部(予約手段)
88 自動予約部(自動予約手段)
90 専用車両(電気車両)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両が、現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する走行可否判別手段を備え、
前記走行可否判別手段は、
前記電気車両が、現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する際、
前記目的地に到達後に経由可能な充電スタンドである対応充電スタンドを検索した上で、前記現在地から前記目的地を経由して前記対応充電スタンドに至るまでの経路である特定経路を検索し、前記特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合は前記電気車両が前記目的地に走行可能であると判別することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記充電スタンドにおける充電の予約を受け付けるシステムと通信して、前記走行可否判別手段により検索された前記特定経路を走行して前記目的地に至った後に前記対応充電スタンドで充電するための予約を行う予約手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予約手段は、
前記走行可否判別手段により検索された前記特定経路を走行して前記目的地に至ったときの前記車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離を予測し、当該予測に基づいて、前記目的地に到達した後に前記対応充電スタンドにおいて充電をすべきか否かを判別し、充電すべき場合は、前記対応充電スタンドでの充電の予約を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記走行可否判別手段は、
前記対応充電スタンドの検索に際し、
前記特定経路を走行して前記対応充電スタンドに至ったときの予測時刻と前記充電スタンドの営業時間との関係、前記電気車両の充電に関する規格と前記充電スタンドの充電器の規格との関係、及び、前記充電スタンドの利用資格の有無、の少なくとも1つを踏まえて、前記電気車両が利用可能な前記充電スタンドを、前記対応充電スタンドの候補とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
点在する複数の前記電気車両の中から、前記目的地まで走行させる前記電気車両を選択する配車車両選択手段をさらに備え、
前記配車車両選択手段は、
複数の前記電気車両のうち、前記走行可否判別手段によって前記目的地に走行可能と判別された前記電気車両のうちの1つを、前記目的地まで走行させる前記電気車両として選択することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記走行可否判別手段は、
前記電気車両が、前記現在地から経由地を経由して前記目的地まで走行可能か否かを判別可能であり、当該判別に際し、前記現在地から前記経由地を経由し、さらに前記目的地を経由して前記対応充電スタンドに至る前記特定経路を検索し、前記特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合は前記電気車両が前記目的地に走行可能であると判別し、
前記配車車両選択手段は、
点在する複数の前記電気車両の中から、前記経由地を経由して前記目的地まで走行させる前記電気車両を選択可能であり、当該選択に際し、複数の前記電気車両のうち、前記走行可否判別手段によって前記目的地に走行可能と判別された前記電気車両のうちの1つを、前記経由地を経由して前記目的地まで走行させる前記電気車両として選択することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記電気車両はタクシーであり、
前記配車車両選択手段は、
前記走行可否判別手段によって前記目的地に走行可能と判別された前記電気車両のうち、前記充電スタンドにおける充電を行うことなく前記目的地に到達可能な前記電気車両を、前記目的地まで走行させる前記電気車両として選択することを特徴とする請求項5又は6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
所定のタイミングで走行中の前記電気車両の前記車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離を取得し、取得した前記車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離に基づいて、前記電気車両について充電すべきか否かを判別し、充電すべき場合は、前記充電スタンドにおける充電の予約を受け付けるシステムと通信し、前記電気車両の現在位置に対応した前記充電スタンドでの予約を行う自動予約手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記自動予約手段は、
取得した前記車載バッテリーの残量、又は、残航続可能距離と、
前記充電スタンドの状況との関係に基づいて、前記電気車両について充電すべきか否かを判別することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置と、この情報処理装置に通信可能に接続された外部機器と、を備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する手段であって、前記電気車両が、現在地から目的地まで走行可能か否かの判別に際し、前記目的地に到達後に経由可能な充電スタンドである対応充電スタンドを検索した上で、前記現在地から前記目的地を経由して前記対応充電スタンドに至るまでの経路である特定経路を検索し、前記特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合は前記電気車両が前記目的地に走行可能であると判別する走行可否判別手段と、
複数の前記電気車両の中から、前記目的地まで走行させる前記電気車両を選択する手段であって、複数の前記電気車両のうち、前記走行可否判別手段によって前記現在地から前記目的地に走行可能と判別された前記電気車両のうちの1つを、前記目的地まで走行させる前記電気車両として選択する配車車両選択手段と、を備え、
前記外部機器からの、前記目的地まで走行させる前記電気車両の選択の要求に応じて、前記配車車両選択手段により、複数の前記電気車両の中から、前記目的地まで走行させる前記電気車両を選択し、選択した前記電気車両を示す情報を前記外部機器に出力することを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
情報処理装置の制御方法であって、
電気車両が、現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する際、
前記目的地に到達後に経由可能な充電スタンドである対応充電スタンドを検索した上で、前記現在地から前記目的地を経由して前記対応充電スタンドに至るまでの経路である特定経路を検索し、前記特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合は前記電気車両が前記目的地に走行可能であると判別することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
情報処理装置の各部を制御するコンピューターにより実行されるプログラムであって、
前記コンピューターを、
電気車両が、現在地から目的地まで走行可能か否かを判別する際、
前記目的地に到達後に経由可能な充電スタンドである対応充電スタンドを検索した上で、前記現在地から前記目的地を経由して前記対応充電スタンドに至るまでの経路である特定経路を検索し、前記特定経路を車載バッテリーの残量不足が生じることなく走行できるか否かを判別し、走行できる場合は前記電気車両が前記目的地に走行可能であると判別する走行可否判別手段、として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−101577(P2013−101577A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246089(P2011−246089)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(399126673)株式会社モーション (5)
【Fターム(参考)】