説明

情報処理装置、情報処理システム、操作デバイス及び情報処理方法

【課題】ユーザーの操作性を向上させることができる操作デバイスに関する技術を提供する。
【解決手段】操作デバイスは、回転操作の動き情報と複数の操作領域に対する外力を検出可能な2つのセンサを有する。操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する記憶部を持ち、ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する。前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成し、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、動きセンサ等を有する操作デバイスが、ユーザーにより3次元空間内で操作される時に、その動きセンサ等から得られる情報に基づき、操作デバイスの動きに応じた操作対象物の動きを実現するための演算を実行する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、また操作デバイスに関する。
【0002】
に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1に記載の遠隔操作装置は、その筺体の姿勢及び動きをセンサにより検出し、検出された姿勢及び動き量に基づいて、TV等の操作対象機器を操作するための信号を出力する。具体的には、遠隔操作装置の筺体は立方体に形成され、遠隔操作装置は、この遠隔操作装置が有する加速度センサの出力及びジャイロセンサの出力の組み合わせに応じた操作命令(コマンド)の信号を出力する(例えば、特許文献1の明細書段落[0050]〜[0052]、図4〜6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−100366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、TV、PC(Personal Computer)、ゲーム機器等の操作対象機器の性能が向上している。操作対象機器の性能向上に伴い、遠隔操作装置による操作内容も複雑化及び多岐化し、遠隔操作装置は、多数の細かなボタンを持つに至っている。したがって、ユーザーが目的とする操作に対応するボタンを容易には見つけられない事態が生じる。また、ユーザーが、複雑な階層構造を持つアプリケーションソフトウェア上の多数のメニューを見ながら、操作項目を選択し決定する必要がある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、ユーザーの操作性を向上させることができる操作デバイスに関する情報処理装置、情報処理システム、操作デバイス及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本技術に係る情報処理装置は、取得部と、記憶部と、検知部と、生成部と、送信部とを具備する。
前記取得部は、操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、第1のセンサで検出される動き情報を取得する。前記操作デバイスは、複数の操作領域を有する表面を含む筺体と、前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、前記複数の操作領域に対する外力を検出可能な第2のセンサとを有する。
前記記憶部は、前記複数の操作領域をそれぞれ画定するための、前記操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する。
前記検知部は、前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する。
前記生成部は、前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成する。
前記送信部は、少なくとも前記生成された操作コマンドを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する。
【0008】
本技術では、ユーザーによる操作デバイスの回転操作時に検知されたユーザーが見やすい位置である上部側領域が、ユーザーにより押されることをトリガーとして、上部側領域の所定位置に位置する操作領域に対応する姿勢の情報に対応する操作コマンドが生成される。これにより、ユーザーの操作性を向上させることができる。
【0009】
「第1のセンサ」と「第2のセンサ」は、同じセンサであってもよい。ここでの「同じセンサ」とは、第1のセンサが第2のセンサの機能を兼用する意味と、それらのセンサが、構造的に同じ種類のセンサである意味の両方を含む。
【0010】
前記生成部は、前記複数の操作領域のうち、前記3次元内における鉛直軸が通る鉛直操作領域を前記所定位置に位置する操作領域として、前記鉛直操作領域を画定する前記姿勢の情報に対応する前記操作コマンドを生成してもよい。上部側領域のうち鉛直軸が通る領域が、ユーザーにとって見やすい位置にある領域である場合が多い。したがって、本技術によればユーザーの操作性を向上させることができる。この場合、鉛直操作領域に対応しない領域がユーザーにより押し込まれても、その鉛直操作領域に対応する操作コマンドが生成される。
【0011】
前記生成部は、前記鉛直操作領域が前記ユーザーにより押されたことが検出された場合、前記鉛直操作領域を画定する前記姿勢の情報に対応する前記操作コマンドを生成してもよい。
【0012】
前記生成部は、前記上部側領域のうち、前記鉛直操作領域に隣接する少なくとも1つの操作領域を画定する前記姿勢の情報に対応する前記操作コマンドを生成可能である。これにより、鉛直操作領域を含む周辺の操作領域に対応する操作も実行可能となる。
【0013】
前記操作対象機器は、前記複数の操作領域にそれぞれ関連する複数の関連画像を表示のために出力可能であってもよい。その場合、前記送信部は、前記複数の関連画像のうち、少なくとも前記所定位置に位置する前記操作領域に関連する関連画像を、前記動き情報に基づき前記操作対象機器に表示のために出力させるために、前記取得された動き情報または前記検知された姿勢の検知情報を前記操作対象機器へ送信してもよい。これにより、ユーザーはその操作対象機器により生成されて表示された操作領域に関連する画像を見ながら、複数の操作領域のうち1つの操作領域を選択することができる。これにより操作性が向上する。
【0014】
前記送信部は、前記所定位置に位置する前記操作領域に関連する関連画像を、前記操作デバイスの動きに応じて選択的に強調表示させるために、前記取得された動き情報または前記検知された姿勢の検知情報を前記操作対象機器へ送信してもよい。これにより、ユーザーにとっての視認性及び操作性が向上する。
【0015】
前記操作デバイスの前記筺体の表面のうち、少なくとも、前記操作面に接触する面が球面であってもよい。
【0016】
前記操作デバイスは、前記筺体の表面に設けられた、前記複数の操作領域にそれぞれ関連する複数の関連画像を表示するディスプレイを有してもよい。これにより、ユーザーは、このディスプレイを見ながら操作デバイスを操作することができる。
【0017】
前記情報処理装置は、停止部と、解除部とをさらに具備してもよい。前記停止部は、前記検知部による、前記操作デバイスの姿勢の検知情報の出力を停止するか、または、前記送信部による前記動き情報の前記操作対象機器への送信を停止する。前記解除部は、前記第2のセンサによる所定の外力が検出された場合、前記停止部による前記送信の停止を解除する。
【0018】
本技術に係る情報処理システムは、上述した、取得部と、記憶部と、検知部と、生成部と、送信部とを含む情報処理装置と、受信部と、出力部とを含む操作対象機器とを具備する。
前記受信部は、少なくとも前記送信された操作コマンドを受信する。
前記出力部は、前記受信された操作コマンドの情報に基づき、前記複数の操作領域にそれぞれ関連する関連画像を表示のために出力する。
【0019】
本技術に係る他の情報処理システムは、取得部と、検知部と、生成部と、送信部とを含む情報処理装置と、記憶部と、受信部と、実行部とを含む操作対象機器とを具備する。
前記取得部は、前記操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、第1のセンサで検出される動き情報を取得する。前記操作デバイスは、筺体と、前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、前記筺体に対する外力を検出可能な第2のセンサとを有する。
前記検知部は、前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する。
前記生成部は、前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、実行コマンドを生成する。
前記送信部は、前記生成された実行コマンドと、前記取得された動き情報または前記検知された姿勢の検知情報とを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する。
前記記憶部は、複数の操作領域をそれぞれ画定するための、仮想的な平面領域に表された複数の座標範囲の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する。
前記受信部は、前記情報処理装置から送信された情報を受信する。
前記実行部は、前記実行コマンドが受信部により受信された場合、前記受信された動き情報または姿勢の検知情報に応じて選択され得る、前記複数の座標範囲のうちの1つの座標範囲に対応する操作コマンドを実行する。
【0020】
本技術に係る操作デバイスは、筺体と、第1のセンサと、第2のセンサと、取得部と、記憶部と、検知部と、生成部と、送信部とを具備する。
前記筺体は、複数の操作領域を有する表面を含む。
前記第1のセンサは、前記筺体の動きを検出する。
前記第2のセンサは、前記複数の操作領域に対する外力を検出可能である。
前記取得部は、操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報を取得する。
前記記憶部は、前記複数の操作領域をそれぞれ画定するための、前記操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する。
前記検知部は、前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する。
前記生成部は、前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成する。
前記送信部は、少なくとも前記生成された操作コマンドを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する。
【0021】
本技術に係る情報処理方法は。複数の操作領域を有する表面を含む筺体と、前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、前記複数の操作領域に対する外力を検出可能な第2のセンサとを有する操作デバイスの情報処理装置が実行する方法である。
前記情報処理方法は、前記複数の操作領域をそれぞれ画定するための、前記操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶することを含む。
前記操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報が取得される。
前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢が検知される。
前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドが生成される。
少なくとも前記生成された操作コマンドが、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信される。
【0022】
本出願人は、「表面を有し、〜であって、」の前提部分を、従来の技術を意図して記載したのではなく、この前提部分の記載は、本技術の内容の理解を容易にするための記載である。
【発明の効果】
【0023】
以上、本技術によれば、ユーザーの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本技術の一実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【図2】図2は、操作デバイスのハードウェアの構成を示す図である。
【図3】図3は、表示デバイスのハードウェアの構成を示す図である。
【図4】図4は、操作デバイスの各センサの検出軸及びこれらの相対的な配置を説明するための図である。
【図5】図5は、ローカル座標系とグローバル座標系の関係を示す図である。
【図6】図6は、操作デバイスによる処理を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図6における演算処理の原理を説明するための図である。
【図8】図8は、図6における演算処理の原理を説明するための図である。
【図9】図9は、ユーザーによる操作デバイスの基本的な操作方法を説明するための図である。
【図10】図10A及びBは、操作デバイスによる操作例1を説明するための図である。
【図11】図11は、姿勢の情報である角度範囲の情報に、操作内容を設定する場合の設定方法の原理を説明するための図である。
【図12】図12は、操作デバイスによる操作例2を説明するための図である。
【図13】図13は、操作デバイスによる操作例3を説明するための図である。
【図14】図14は、操作デバイスによる操作例4を説明するための図である。
【図15】図15Aは、操作デバイスによる操作例5を説明するための図である。図15Bは、操作デバイスによる操作例5を説明するための図である。
【図16】図16は、操作デバイスによる操作例7を説明するための図である。
【図17】図17は、本技術の他の実施形態に係る操作デバイスを示し、操作例を説明するための図である。
【図18】図18は、図17に示した操作デバイスの操作例を説明するための図である。
【図19】図19は、図17に示した操作ステップにおける操作領域の検出原理を説明するための図である。
【図20】図20A及びBは、偏心した重心を持つ操作デバイスについての他の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
【0026】
[情報処理システムの構成]
【0027】
図1は、本技術の一実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【0028】
この情報処理システムは、ユーザーにより操作される操作デバイス10と、この操作デバイス10から送信された操作情報を受信して、その情報に基づいて表示処理を実行する表示デバイス50とを備える。操作デバイス10と表示デバイス50とは電気的に接続されており、本実施形態では、赤外線や電波等の無線により通信が行われる。
【0029】
操作デバイス10の情報処理を実現する部分が、情報処理装置として機能する。表示デバイス50は、操作対象機器として機能する。
【0030】
操作デバイス10は、人が手で握ることができる程度の大きさに形成され、例えば実質的に球形状をなしている。操作デバイス10の形状は、球形に限られず、ユーザーが操作デバイス10の向きや姿勢を認識できるような形状(球形以外の形状)であってもよい。ユーザーの操作デバイス10を用いた操作により、後述するように、表示デバイス50により表示されたメニュー画面等の各項目を選択し指定することができる。
【0031】
図2は、操作デバイス10のハードウェアの構成を示す図である。操作デバイス10は、CPUとして機能するMCU(Micro Control Unit)1、電源2、RAM3、ROM4、通信機9、加速度センサ5、角速度センサ6、磁気センサ7、圧力センサ8等を備える。加速度センサ5、角速度センサ6、磁気センサ7は、動きセンサ(第1のセンサ)として機能し、これらのセンサ5〜7のうち少なくとも1つのセンサにより検出される、加速度、角速度及び磁気強度のうち少なくとも1つの情報は、動き情報として機能する。
【0032】
また、操作デバイス10は、図示しない書き換え可能なメモリ等を備えている。MCU1の代わりとして、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のようなプログラム可能なハードウェアが用いられてもよい。
【0033】
角速度センサ6としては、例えばコリオリ力を利用して角速度そのものを検出するデバイスが用いられる。
【0034】
通信機9は、ここではMCU1で生成された情報を送信する、主に送信機として機能する。
【0035】
ROM4または図示しないメモリには、本技術を実現するために必要なソフトウェアが格納されている。
【0036】
これらのハードウェアは、球形の筐体11内に、筐体11に対して固定されるようにして配置されている。筺体11の表面は、上記のように球面形状を有している。
【0037】
圧力センサ8は、例えば筐体11の表面付近に複数取り付けられている。これらの圧力センサ8は、筺体11の表面に対する外力を検出するセンサ(第2のセンサ)として機能する。
【0038】
圧力センサ8は、例えば半球部分で等角度間隔で少なくとも4つ設けられている(全球で8つ)。しかし、圧力センサ8の数や配置は適宜設定可能であり、圧力センサ8は、ユーザーがどこの位置を押しても、その力を検出できるように配置されている。また、圧力センサ8は、ユーザーがどこの位置を押しても、その加圧位置を所定の精度で検出されるようになっている。
【0039】
圧力センサとしては、例えばひずみゲージ、圧電センサ等が用いられる。
【0040】
図3は、表示デバイス50のハードウェアの構成を示す図である。表示デバイス50は、一般的なコンピュータと同様に、CPU53、ROM54及びRAM55を備え、また、表示部52、通信部56及び記憶部57を有する。通信部56は、ここでは主に受信機として機能する。記憶部57は、典型的にはROM54やRAM55に対して補助的な(2次的な)記憶部である。
【0041】
なお、この表示デバイス50は、表示部52と、操作デバイス10から送信された情報を受信して、その表示のための画像を生成して出力する機器(操作対象機器)とが一体となった構成を有している。しかし、これらは別体で有線または無線により通信できるように互いに接続されていてもよい。
【0042】
表示デバイス50のROM54や記憶部57には、本技術を実現するためのソフトウェア等が格納されている。
【0043】
この情報処理システムでは、典型的には、操作デバイス10の各センサ5〜7で検出され(MCU1でそれが加工されて得られた)情報と、MCU1の演算により生成された操作コマンドの情報が、通信機9(図2参照)を介して表示デバイス50に送信される。この場合、MCU1及び通信機9のうち少なくとも一方は、送信部として機能する。そして、表示デバイス50がそれらの情報を、通信部56(図3参照)を介して受信し、それらの情報に基づき所定の処理を実行する。
【0044】
図4は、操作デバイス10の各センサの検出軸及びこれらの相対的な配置を説明するための図である。加速度センサ5、角速度センサ6及び磁気センサ7は、すべて、直交3軸の検出軸をそれぞれ有している。すなわち、加速度センサ5は、3つの検出軸に対応するセンサ(5a,5b,5c)を有する。角速度センサ6及び磁気センサ7も同様に、センサ(6a,6b,6c)、(7a,7b,7c)をそれぞれ有する。
【0045】
例えば、これらセンサ5、6及び7のすべてが共通の1つのパッケージにパッケージングされている。あるいは、これらセンサ5、6及び7が別々のパッケージングでパッケージされ、共通の1つのセンサ基板20(図5、7等を参照)上に搭載されている。
【0046】
図5は、ローカル座標系とグローバル座標系の関係を示す図である。
【0047】
地面上には表示デバイス50が置かれている。ここでは、この地面あるいは表示デバイス50に固定された座標系をグローバル座標系という。そして、このグローバル座標系に対して自由に動くことが可能な座標であって、操作デバイス10のセンサ基板20に対して固定された座標系を、ローカル座標系という。センサ基板20とは、上記したように、加速度センサ5、角速度センサ6及び磁気センサ7が搭載された共通の基板である。
【0048】
説明の便宜のため、以降では、グローバル座標系を大文字(X、Y、Z)で表し、ローカル座標系を小文字(x、y、z)で表す。しかし、文章を理解しやすくするため、できるだけ「ローカル」、「グローバル」の表現を用いて説明する。グローバル座標系において地面をX-Y平面とし、ローカル座標系の基板の主面に平行な面をx-y平面とする。
【0049】
[操作デバイスによる処理]
【0050】
図6は、操作デバイス10による処理を示すフローチャートである。この処理は、操作デバイス10の記憶デバイス(ROMやRAM)に記憶されたソフトウェア資源と、MCU1等のハードウェア資源との協働により実現される。以下では、便宜的に、処理の主体をMCU1として説明する。
【0051】
操作デバイス10の外形は球形なので、MCU1は、操作デバイス10の上下左右は決められていないため、現時点での操作デバイス10の姿勢を認識する必要がある。MCU1は各センサ5〜7で検出された情報を取得し、この場合、MCU1は取得部として機能する。
【0052】
操作デバイス10による操作の開始時に、ステップ201では、加速度センサ5で検出された加速度(特にx及びy軸方向における加速度(ax,ay))の情報に基づき、操作デバイス10の、グローバルX及びY軸周りの初期姿勢角度がそれぞれ算出される。図7は、その演算処理の原理を説明するための図であり、センサ基板20の傾き(姿勢)がグローバル座標系において傾いている状態を示す図である。
【0053】
例えばグローバルY軸周りの初期姿勢角度、つまりX軸からの角度θxを算出する場合には、加速度axの情報に基づき、下の式1により演算される。式1において、図8に示すように、例えばx軸の加速度センサ5aで検出される重力1Gの値をAxGとし、センサ基板20が傾いた状態(加速度センサ5(5a)が傾いた状態)における、加速度センサ5aの値をaxとしている。
【0054】
同様に、加速度ayの情報に基づき、グローバルX軸周りの初期姿勢角度、つまりY軸からの角度θyが式2により演算される。重力1Gに対するy軸の加速度センサ5bの値をAyGとする。
【0055】
【数1】

AxG、AyG:x、y軸の加速度センサ5a、5bでそれぞれ検出される重力加速度1G
ax、ay、az:x、y、z軸の加速度センサ5a、5b、5cでそれぞれ検出されている現在の値(ローカル加速度)
θx、θy:グローバル座標系でのセンサ基板のX、Y軸からの初期姿勢角度(θxは、Y軸周りの角度(ピッチ角)、θyは、X軸周りの角度(ロール角)である。)
【0056】
なお、式1及び2では正弦が用いられたが、余弦や他の演算方法によっても初期姿勢角度を算出することができる。
【0057】
次に、ステップ202では、ステップ201で算出された情報、及び、磁気センサ7で検出されたローカル座標系における各軸方向での磁気強度の情報に基づき、操作デバイス10のグローバルZ軸周りの初期姿勢角度(方位)が算出される。
【0058】
この演算には、下の式3が用いられる。式3では、x、y、z軸の磁気センサ7a、7b、7cでそれぞれ検出された磁気強度(ローカル磁気強度)をhx、hy、hzとする。また、演算により求められるグローバルX、Y、Z軸方向の磁気強度(グローバル磁気強度)をHx、Hy、Hzとする。
【0059】
【数2】

hx、hy、hz:ローカル座標系におけるx、y、z軸方向の磁気強度(ローカル磁気強度)
Hx、Hy:グローバルX、Y軸方向の磁気強度(グローバル磁気強度)
θz:グローバルZ軸周りの初期姿勢角度(方位)(θzは、ヨー角である。)
【0060】
このように地磁気を検出する磁気センサ7を用いることにより、操作デバイス10は、グローバルZ軸周りでのセンサ基板20の方位を認識することができる。式1〜3を演算する場合において、MCU1及びこの演算内容が記述されたソフトウェアは、初期姿勢角度算出部として機能する。
【0061】
以上のようにして、ステップ201及び202の演算処理により、操作デバイス10は、グローバル座標系における、センサ基板20の初期の姿勢(X、Y、Z軸に対する傾き)を認識することができる。つまり、ユーザーが操作デバイス10の握り方及びその方向等を意識せずとも、操作デバイス10が自らの姿勢を認識することができる。その結果、ユーザーは、2次元の面内で任意の姿勢にある操作デバイス10を用いて操作を開始することができる。
【0062】
次に、ステップ203では、ステップ201及び202で算出された初期姿勢角度(θx、θy、θz)の情報に基づき、操作開始時に、つまり操作開始直後に角速度センサ6で検出された角速度が、グローバル座標系におけるグローバル角速度に変換される。すなわちこれは回転座標変換である。この演算処理には、式4が用いられる。この場合、MCU1及びこの演算内容が記述されたソフトウェアは、座標変換部として機能する。
【0063】
【数3】

wx、wy、wz:ローカルx、y、z軸周りの角速度(ローカル角速度)
Wx、Wy、Wz:グローバルX、Y、Z軸周りの角速度(グローバル角速度)
【0064】
ステップ204では、このようにして算出されたグローバル角速度を用いて、グローバルX軸周りの角度Rxが算出される。つまりグローバル角度(のX軸方向成分)が算出される。この演算処理には、式5が用いられる。この演算処理は台形積分法を用いている。グローバルY、Z軸周りの角度Ry、Rzも、Rxと同様に算出される。このステップ204の処理の意味は、初期姿勢角度(θx、θy、θz)を新たな姿勢角度(Rx、Ry、Rz)に変更する、つまり姿勢角度を更新することである。この場合、MCU1及びこの演算内容が記述されたソフトウェアは、更新部として機能する。
【0065】
【数4】

Rx:グローバル座標系におけるX軸周りの角度(グローバル角度(グローバル姿勢角度))
(tn):n番目に得られた値を意味する
Δt =tn- tn-1
【0066】
このようにグローバル角度が算出されると、この情報が通信機9により、表示デバイス50に送信される(ステップ205)。現時点では、このグローバル角度は、初期の(つまり、操作開始時の)グローバル角度である。表示デバイス50は、この情報を受信する。表示デバイス50は、その初期のグローバル角度(Rx、Ry、Rz)のうち(Ry、Rx)に定数をそれぞれかけた値を、表示部52の画面内で、ポインターやその他の画像等を含む操作対象画像を生成するための座標値(X,Y)に割り当てる。このようにして、操作デバイス10の初期姿勢と、上記操作対象画像の初期位置や初期姿勢とが対応する。この場合、MCU1は、操作デバイスの姿勢の検知部として機能する。
【0067】
そして、表示デバイス50は、2回目以降のグローバル角度の情報を受信すると、そのグローバル角度に応じた、画面内での位置あるいは姿勢を持つ操作対象画像を表示部52に表示する。この場合、ユーザーの操作デバイス10の回転角度に対応して、操作対象画像の位置が変化したり、操作対象画像自体が変化したりする。
【0068】
このように、MCU1は、操作デバイス10の動きに応じたグローバル角度の情報を生成し続け、操作デバイス10の姿勢を認識し続ける。この場合も、MCU1は、操作デバイスの姿勢の検知部として機能する。
【0069】
なお、式5のような台形積分法に限られず、中点法やシンプソン法等、各種の積分処理によっても、グローバル角度を求めることができる。
【0070】
ここで初期には、ステップ203では、座標変換部は、初期姿勢角度(θx、θy、θz)の情報に基づき、ローカル角速度(初期値)について座標変換処理を実行した。しかし、2回目以降(初期以外)のステップ203の処理では、座標変換部は、ステップ204で算出されたグローバル角度(Rx、Ry、Rz)の情報に基づき、ローカル角速度(2回目以降の値)について座標変換処理を実行する。この演算処理には、下の式6が用いられる。
【0071】
【数5】

【0072】
操作デバイス10のグローバル角度は、徐々に(刻々と)変わっていく。したがって、具体的には、式6では、下記の式に示すようにグローバル角度が逐次加算された値に基づき、回転座標変換が行われる。
【0073】
Rx' =Rx(tn)+Rx(tn+1)
Ry' =Ry(tn)+Ry(tn+1)
Rz' =Rz(tn)+Rz(tn+1)
【0074】
しかし、表示デバイス50による画像表示のためのソフトウェアの仕様によっては、式6において、(Rx'、Ry'、Rz')の代わりに、(Rx、Ry、Rz)が用いられてもよい。
【0075】
以上のように、最初に初期姿勢角度が算出されれば、2回目以降の演算ではその初期姿勢角度を用いずに、ステップ204で算出されたグローバル角度が用いられる。以下、この理由について説明する。
【0076】
ユーザーによる操作デバイス10の操作開始時には、加速度センサ5により得られた加速度を含む情報に基づき算出される初期姿勢角度の情報を用いてローカル角速度がグローバル角速度に変換される。つまり、操作が開始される瞬間には、加速度センサ5には実質的に重力加速度のみが検出され、この重力加速度を含む情報に基づき初期姿勢角度が算出され、その初期姿勢角度に基づき座標変換が行われる。
【0077】
しかし、その後のユーザーの操作中は、加速度センサ5では、重力加速度に、運動加速度(慣性加速度)が加えられた値が検出される。すなわち、ユーザーの操作中は、センサ基板20の姿勢は刻々と変わる。したがって、仮に、ユーザーの操作中に加速度センサ5で得られるこのような運動加速度を含む加速度に基づき姿勢角度を算出した場合、誤差が発生するおそれがある。
【0078】
そこで本実施形態では、初期値として取得されたローカル角速度より後に取得されたローカル角速度については、運動加速度の情報を含まない情報、つまり、少なくとも1度、ローカル角速度を用いて更新された姿勢角度の情報(ステップ203及び204を少なくとも1度経て得られる情報)に基づき、変換処理が実行される。ローカル角速度値は、運動加速度には影響されない値だからである。
【0079】
このような演算処理によれば、ユーザーによる操作デバイス10の操作中において発生する運動加速度による影響が、操作デバイス10の姿勢角度の演算に及んでその演算に誤差を発生させる、といった事態を抑制することができる。
【0080】
以上のようにして、MCU1は、操作デバイス10のグローバル座標系での姿勢を検知することができる。これによりMCU1は、後述するように、筺体の表面のうち操作面に接触しない領域であって、筺体の上部側領域(後述)の3次元内での位置を検知することができる。また、MCU1が、操作デバイス10の姿勢を検知することができることにより、上記のように表示デバイス50は、表示部52に表示させる操作対象画像の変化を実行することができる。
【0081】
本処理では、角速度センサ6による出力が実質的に0になる、すなわち、操作デバイス10の動きが実質的に停止するまでは、MCU1は、ステップ204で算出したグローバル角度を用いて、ステップ203におけるグローバル角速度を算出する。操作デバイス10の動きが実質的に停止した後の処理は、ステップ201から始まる。
【0082】
なお、ステップ205で算出されたグローバル角度(Rx、Ry、Rz)の情報は、次のような処理にも用いられる。すなわち、座標変換手段は、式6と同様にグローバル角度の情報を用いて、ローカル加速度をグローバル加速度に変換する。この演算処理は、下の式7が用いられる。ユーザーがこの操作デバイス10を操作面から離し、空中で並進操作する時に、MCU1がこの式7の演算処理を実行する。これにより、ユーザーは操作デバイス10を空間操作デバイスとしても利用することができる。
【数6】

Ax、Ay、Az:グローバルX、Y、Z軸まわりの加速度(グローバル加速度)
このように、ローカル加速度をグローバル加速度に変換する処理においても、初期以外においては、座標変換手段は、グローバル角度の情報に基づいて座標変換を実行する。
【0083】
[操作デバイスの操作方法]
【0084】
(基本的な操作方法)
図9は、ユーザーによる操作デバイス10の基本的な操作方法を説明するための図である。
【0085】
本技術では、図9の上に示すように、操作デバイス10が操作面90に置かれて、その筺体11が操作面90に接触した状態で操作デバイス10が回転するように操作される。以下、この操作を「第1の操作ステップ」と呼ぶ場合もある。
【0086】
ここで回転とは、操作デバイス10が1回転しない回転、つまり360度未満の回転(傾斜)も、もちろん含む意味である。操作面90は、床面、テーブル面、デスク面等、何でもよく、これらが平面である必要はない。
【0087】
ユーザーは、表示デバイス50の表示部52を見ながら、上記のように操作デバイス10を回転させる。これにより、後述するように、例えば表示部52に表示されるメニューの項目を選択することができる。
【0088】
そして、ユーザーは、図9の左下、下中央または右下に示すように、筺体11の、操作面90に接触しない領域であって筺体11の上部側領域の少なくとも一部を押すことにより、選択した項目を指定(あるいは実行)する。以下、この操作を、「第2の操作ステップ」と呼ぶ場合もある。
【0089】
上部側領域とは、図9に示した状態において、筺体11の表面うち上半球の領域、あるいはそれより狭くそれよりさらに上部側にある領域である。
【0090】
図9の左下に示した図では、ユーザーが筺体11の上部側領域を押さえることにより、圧力センサ8がその加圧力を検出している例を示している。
【0091】
図9の下中央に示した図では、ユーザーが筺体11の上部側領域を叩くことにより、加速度センサ5が、操作デバイス10に発生する加振力を検出する例を示している。このようにユーザーが筺体11を「叩く」行為は、力学的には「押す(力を加える)」行為と等価である。この場合、圧力センサ8に代えて、加速度センサによりその振動を検出してもよい。その場合、振動の有無を検出する振動センサとして機能する。
【0092】
図9の右下に示した図では、ユーザーが筺体11の上部側領域のうち所定の位置に位置する選択対象とする操作領域15に触れる例を示している。この「触れる」行為は、力学的には「押す」行為と等価であり、外力が加えられる行為と同等である。この場合、第2のセンサとして、圧力センサ8に代えて静電センサが用いられてもよい。
【0093】
以下、上記第1及び第2の操作ステップを用いた、各種の操作例を具体的に説明する。
【0094】
(操作例1)
図10A及びBは、操作デバイス10による操作例1を説明するための図である。
【0095】
この操作例1に係る操作デバイス10の筺体11の表面は、複数の操作領域15を有する。この筺体11は、切頂二十面体に似た、サッカーボールのような形状を有し、5角形及び6角形で区画された面がそれぞれ操作領域15に相当する。
【0096】
なお、切頂二十面体における各正5角形及び各正6角形の面はそれぞれ平面で構成されるが、この操作デバイス10の筺体11の表面は実質的に球面で形成されている。しかしながら、この操作デバイス10の筺体11は、平面でなる正5角形及び正6角形で形成される切頂二十面体であってもよい。
【0097】
各操作領域15には、TVの放送局を選択するための"CH 1"、"CH 2"、・・・、ボリューム調整のための"VOL+"、"VOL-"等、各種の操作内容を表す文字がそれぞれ印刷されている。また、操作デバイス10のROM4または図示しないメモリには、各操作領域15をそれぞれ画定するための、操作デバイス10の複数の姿勢の情報(後述する角度範囲の情報)と、それら操作領域15にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とが対応付けられて記憶されている。操作コマンドとは、上述の選局、ボリューム調整等、その操作領域15に対応する各種の処理を実行するためのコマンドである。
【0098】
各操作領域15をそれぞれ画定するための操作デバイス10の複数の姿勢の情報については後述する。
【0099】
本実施形態では、ユーザーが、操作したい操作内容(選択しようとしている操作内容)を選択する場合、その操作内容に対応する操作領域15が、上部側領域のうち筺体11の表面の所定位置に位置するように、第1の操作ステップを行う。図6で説明したように、操作デバイス10はグローバル角度の情報を表示デバイス50に送信している。
【0100】
表示デバイス50はその情報を受信しており、これに基づき、その上部側領域のうち少なくとも一部の操作領域15に関連する関連画像58を生成し、これを表示のために出力している。この場合、CPU53は、出力部として機能する。このことを実現するために、表示デバイス50は、各操作領域15(または、各操作領域15をそれぞれ画定するための、操作デバイス10の複数の姿勢の情報)に対応した複数の関連画像58の情報を記憶しておけばよい。
【0101】
本技術の典型例としては、図10Aに示されている。ユーザーは、鉛直上向きに所定のチャンネル番号の操作領域15を位置させるように、すなわち3次元内における鉛直軸Vが通る位置を所定位置として、その位置に、ユーザーが選択しようとする操作内容に対応する操作領域15を位置させるように回転操作を行う。この時、表示デバイス50は、そのユーザーの回転操作による操作デバイス10の動きに応じて、鉛直上向きに位置する操作領域15(以下、これを鉛直操作領域15Vという。)に関連する関連画像58を生成し、これを表示のために出力する。
【0102】
関連画像58としては、図10Aに示すように、筺体11に各操作領域15に印刷されている文字と実質的に同じ内容の画像であってもよいし、あるいは、それに関連する文字、記号等の画像であってもよい。関連画像58は、それが複数の操作領域15のうちユーザーが自身で選択しようとしている操作領域15を示す画像であることを、ユーザーが認識できるものであれば何でもよい。
【0103】
ここで、例えば操作デバイス10の電源2の投入直後には、上記したように図6に示したステップ201及び202において操作デバイス10の筺体11の姿勢が検知される。また、それ以降において、ユーザーにより第1の操作ステップが行われている場合、上記したように、MCU1はステップ203〜205の処理を繰り返して、操作デバイス10の筺体11の姿勢が検知される。
【0104】
このように、MCU1は、任意の操作デバイス10の姿勢を検知することができ、これにより筺体11の上部側領域を特定することができる。つまり、MCU1は、現在の姿勢にある筺体11の表面のどの位置が上部に位置しているか、さらに広く言えば、筺体11の表面のどの位置が、3次元内でどの位置に位置しているかを特定することができる。これは、例えばグローバル座標軸とセンサ基板20のローカル座標軸とが一致している状態を基準として、上述のように、センサ基板20の傾き角度、つまり、グローバル角度(または初期姿勢角度)が算出されることにより可能となる。
【0105】
具体的には、MCU1は図10Aに示すように、その上部側領域のうち所定位置となる鉛直軸Vを通る操作領域15を画定する角度範囲の情報(つまり姿勢の情報)に対応する操作内容を特定する(操作コマンドを生成する)ことができる。
【0106】
次に、ユーザーによる第2の操作ステップが行われた場合(図10B参照)、MCU1は、圧力センサ8によりその押す操作による力が閾値を超えるか否かを判定する。
【0107】
この時、ユーザーが上部側領域を押す位置は、上部側領域(例えば上半球面)のうち任意の面積及び任意の位置でよい。
【0108】
ユーザーによる押す力が閾値を超えた場合、MCU1は、現在選択されている(表示デバイス50により表示されている)操作領域15、つまり、上部側領域の所定位置にある操作領域15を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成する。この場合、MCU1は、生成部として機能する。そして、MCU1は、生成された操作コマンドの情報を表示デバイス50に送信する。
【0109】
表示デバイス50は受信した情報に基づいて、その操作コマンドに対応する、選局、ボリューム調整等の処理を実行する。
【0110】
図11は、上述した、「姿勢の情報」である角度範囲の情報に、操作内容を設定する場合の設定方法の原理を説明するための図である。
【0111】
この例では、グローバル座標系として極座標系が用いられる。図6に示したステップ201及び202で得られた初期姿勢角度(θx、θy、θz)のうちヨー角であるθzと、Z軸からの傾き角θとを用いて、極座標で操作領域15が表現される。Z軸からの傾き角θは、式1及び2と同様の手法で、以下の式で求められる。
【0112】
θ=arccos(az/AZG)・・・式(8)
【0113】
あるいはこれら初期姿勢角度のヨー角にθz限られず、これがグローバル変換された後の角度であるRzが用いられてもよい。ユーザーが第1の操作ステップにおける操作領域15の選択後、第2の操作ステップに移るまでの間、操作デバイス10の動きは実質的に一旦停止するので、MCU1は、ヨー角の初期姿勢角度θzを用いることができる。
【0114】
図11に示す例では、例えば、rを一定値とし、0°≦θ<30°、かつ、30°<θz≦60°の領域を、"ボリュームアップ"の操作領域15として設定している。上記のように、グローバル座標軸とセンサ基板20のローカル座標軸とが一致している状態を基準としたセンサ基板20の傾き角度から、このような設定が実現可能である。上記のように、これらの角度範囲の情報と、操作内容(操作コマンド)とが対応付けられて、ROM4または図示しないメモリに記憶されている。
【0115】
以上のように、本実施形態では、ユーザーによる操作デバイス10の回転操作時に検知されたユーザーが見やすい位置である上部側領域が、ユーザーにより押されることをトリガーとして、上部側領域の所定位置に位置する操作領域15に対応する姿勢の情報に対応する操作コマンドが生成される。これにより、ユーザーの操作性を向上させることができる。
【0116】
特に、選択対象となる領域の位置が、鉛直操作領域15Vの位置として予め設定されている。鉛直操作領域15Vは、ユーザーにとって見やすい位置であるため、ユーザーの操作性を向上させることができる。
【0117】
(操作例2)
図12は、操作デバイス10による操作例2を説明するための図である。これ以降の説明では、上記操作例1と同様の部分の説明を省略または簡略化する。
【0118】
上記操作例1では、ユーザーの第2の操作ステップにおける押圧位置は、上部側領域のうち任意の位置であった。しかし、本操作例2では図12に示すように、上部側領域のうち、ユーザーが選択しようとする操作領域15のみを押すことによって、その操作領域15の姿勢の情報に対応する操作コマンドが実行される。この場合、ユーザーは第1の操作ステップにおいて、選択対象の操作領域15が上部側領域のうち任意の位置(例えば鉛直軸Vが通る位置)に位置するように、操作デバイス10を回転させればよい。
【0119】
本操作例2を実現するためには、その図示は省略するが、例えば操作領域15ごとに圧力センサ8が設けられていてもよい。あるいは、圧力センサ8の配置がそうでなくても、所定のアルゴリズムでその操作領域15ごとの加圧位置を演算可能なプログラムがROM4等に記憶されていればよい。この場合、圧力センサ8に代えてひずみセンサでもよい。
【0120】
また、本操作例2を実現するために、操作例1と同様に、MCU1は操作デバイス10の姿勢を検知し、3次元内での操作領域15ごとの現在の位置を検知する。
【0121】
本操作例2では、表示デバイス50が、操作デバイス10の操作領域15に関連する関連画像58を出力してもよいし、出力しなくてもよい。
【0122】
(操作例3)
図13は、操作デバイス10による操作例3を説明するための図である。
【0123】
本操作例3では、表示デバイス50は、操作デバイス10の形態(すなわち球面を表現している)と同様の、複数の操作領域15に対応する複数の関連画像58を表示のために出力する。図13に示す例では、表示デバイス50のCPU53は、選択対象領域となる例えば鉛直操作領域15V及びそれに隣接する操作領域15を拡大して表示する。
【0124】
第1の操作ステップでは、CPU53は、操作デバイス10の動きに応じて、この関連画像58を変化させ(関連画像58の表示を更新し)、さらに、複数の操作領域15のうち1つの関連画像58を選択的に強調表示する。強調表示された関連画像58を符号58Vで示している。
【0125】
操作デバイス10は、検知した自身の姿勢の情報を表示デバイス50に送信すればよい。あるいは、操作デバイス10が自身の動き情報を表示デバイス50に送信して、表示デバイス50がそれを受信し、受信した情報に基づき、図6に示したように操作デバイス10の姿勢を検知すればよい。
【0126】
第2の操作ステップは、上記操作例1及び2と同様である。
【0127】
以上のように、本操作例3では、操作デバイス10の形態と同様の関連画像58が表示されるので、ユーザーの直感性が向上する。また、所定位置(鉛直上向き)に位置する選択対象となる操作領域15に対応する関連画像58が強調表示されるので、ユーザーの視認性及び操作性が向上する。
【0128】
本操作例3では、CPU53は、鉛直操作領域15V及びそれに隣接する操作領域15を拡大表示した。しかし、CPU53は、そのように拡大表示せずに、例えば次に説明する図14の左側の図に示すように、所定方向(典型的には斜め上)から見た操作デバイス10の全体の関連画像を表示するようにしてもよい。
【0129】
(操作例4)
図14は、操作デバイス10による操作例4を説明するための図である。
【0130】
本操作例4では、操作デバイス10の筺体11の表面には、操作内容を表す文字等が印刷されていない。この場合、表示デバイス50が操作デバイス10の形態と同様の、複数の操作領域に関連する関連画像65を表示する。また選択対象となる関連画像65Vが強調表示されている。
【0131】
操作デバイス10のMCU1の処理内容は上記操作例1と同様であり、表示デバイス50のCPU53の処理内容は操作例3と同様である。
【0132】
(操作例5)
図15Aは、操作デバイス10による操作例5を説明するための図である。
【0133】
本操作例5では、図15Aに示すように、例えば選択対象とされる操作領域15が、所定の位置(ここでは鉛直軸Vが通る位置)を通る操作領域15だけでなく、それに隣接する少なくとも1つの操作領域15も含む。これら選択候補とされる領域を、以下、選択候補領域群(斜線で記した領域25)という。
【0134】
この例では、"決定"が鉛直操作領域15Vとなり、それに隣接するように複数の方向キーが設けられる。方向キーは、例えばポインターを画面内で動かす時等に用いられる。もちろん、このような決定及び方向キー等に限られず、例えばメディア再生機能等に関連した操作領域等、何でもよい。
【0135】
本操作例5では、操作デバイス10のMCU1の処理は上記操作例1または2と同様である。MCU1は、選択候補領域群25のうち1つの操作領域15を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを実行する。表示デバイス50のCPU53の処理内容は上記各操作例のうちいずれか1つでよい。
【0136】
選択候補領域群25のうちいずれの操作領域15がユーザーに指定されたかを検知するためには、操作デバイスは次のような構成を備えればよい。例えば、筺体11の表面にタッチセンサ(静電容量センサまたはひずみゲージ等)が、それらの選択候補領域群25内の各操作領域15へのタッチを検出できるように配置されていればよい。
【0137】
(操作例6)
図15Bは、操作デバイス10による操作例6を説明するための図である。
【0138】
図15Bに示すように、これまで説明してきた操作デバイス10の1つの操作領域15を複数の操作領域15に分割してもよい。この場合、筺体11の複数の姿勢の情報のうち、1つの姿勢の情報と1つの選択候補領域群35とが対応付けられて記憶される。ユーザーは、第1の操作ステップで1つの選択候補領域群35を選択対象とし、その選択候補領域群35から、1つの操作領域15をタッチすることで(図9右下を参照)、その操作領域15に対応する操作コマンドが実行される。
【0139】
この操作例6に係る、操作デバイス10の処理内容は、上記操作例5のものと同様である。
【0140】
(操作例7)
図16は、操作デバイスによる操作例7を説明するための図である。
【0141】
操作例6に係る操作デバイス110は、その筺体111の表面に設けられた、複数の操作領域15にそれぞれ関連する複数の関連画像を表示するディスプレイを有する。ディスプレイは感圧式または静電容量式等のタッチパネル等の機能を有していてもよい。
【0142】
操作デバイス110は、コントロールモードとして、図16左に示すように、TVや録画機能あるいは録画機器等をコントロールするためのTV/VIDEOモードと、図16右に示すように、音楽機能あるいは音楽機器をコントロールするためのMUSICモードとを有する。操作デバイス110は、コントロールモードを3つ以上有していてもよい。
【0143】
両者モードの切り替えは、例えば操作デバイス110を用いたジェスチャー、操作デバイス110に設けられた図示しないスイッチ、または、表示デバイス50に表示可能なアプリケーションソフトウェアにより、行われればよい。
【0144】
操作デバイス110のMCU及び表示デバイスのCPUの処理内容は、上記操作例1〜4のうちいずれか1つと同様である。
【0145】
操作例7では、表示デバイスには操作領域15に関連する関連画像が表示されなくてもよい。操作デバイス110のディスプレイは、所定位置の選択対象の領域を強調表示してもよい。
【0146】
(操作例8)
操作デバイスによる操作例8を説明する。
【0147】
例えば、操作例8に係る操作デバイス10は、自身の姿勢を検知した結果の情報の演算(出力)を停止するか、または、その姿勢の演算(出力)は行っても、表示デバイス50に送信することを停止する機能を備えていてもよい。この場合、MCU1は、停止部として機能する。これにより、表示デバイス50には操作デバイス10の姿勢の検知情報が送信されないので、表示デバイス50のCPU53はその表示を変化させない。
【0148】
図10Aに示した例であれば、ユーザーが操作デバイス10を回転させるように操作しても、表示デバイス50はその選択対象の領域の関連画像58を変化させず、例えば、所定の関連画像58、または直前に指定された操作領域15に対応する関連画像58を表示している。そして、ユーザーによる操作デバイス10を用いての所定のジェスチャーがあった場合、MCU1は、それをトリガーとしたイネーブル信号を発生する。つまり、MCU1は上記の停止を解除する。この場合、MCU1は解除部として機能する。
【0149】
所定のジェスチャーとは、例えば、ユーザーが操作デバイス10の筺体11を所定の加圧力で握ったり、所定の加振力で及び所定回数振ったり、あるいは操作デバイス10に設けられた図示しないスイッチやボタンを押したり等がある。
【0150】
[他の実施形態に係る操作デバイス]
【0151】
図17及び18は、本技術の他の実施形態に係る操作デバイスを示す。これ以降の説明では、上記の実施形態に係る操作デバイス10及び情報処理システムが含むハードウェアや機能等について、同様のものは説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。
【0152】
この操作デバイス210の筺体211の重心は偏心しており、その筺体211は楕円体あるいは卵に似た形状を有する。筺体211には予め上下が設定され、操作面90に接触する領域を有する下部側領域の重量が、上部側領域に比べて重くなるように偏心を持っている。これにより、この操作デバイス210は、いわば起き上がりこぼしのように動くことが可能である。操作デバイス210の筺体211の基準姿勢は、起き上がりこぼしのように、筺体211の長手方向を重力方向に一致させて自立している。この基準姿勢の状態から、図17に示すようにユーザーが任意の方向に回転させる(傾ける)ようにして第1の操作ステップを行う。
【0153】
(偏心形状を持つ操作デバイスの操作例1)
この操作デバイス210の基準姿勢は予め設定されているので、上下方向が決められた状態でユーザーにより操作デバイス210が操作される。したがって、操作デバイス210は、動きセンサのうち、少なくとも直交3軸の加速度センサ5によってその姿勢を検知可能である。この場合、角速度センサ6及び磁気センサ7は、その姿勢の検知の精度を上げるための補助的なセンサとして用いられてもよい。
【0154】
図17に示すように、ユーザーがこの操作デバイス210を傾けた状態を保つと、MCU1はその筺体211の姿勢を検知する。具体的には、MCU1は、その姿勢の傾き角度として、上記した初期姿勢角度またはグローバル角度(図6参照)を算出して、その算出した情報を表示デバイス50に送信する。表示デバイス50は、その情報を受信し、その姿勢(つまり、傾き角度及びその方向)に応じて、関連画像58をスクロールするように表示を制御する。この場合、CPU53は、傾き角度が大きいほどスクロールの速さを速くし、傾き方向に応じた方向に関連画像58をスクロールする。
【0155】
また、この場合の、複数の操作領域に対応する関連画像58のうち、選択の対象となる領域の関連画像58Vは、強調表示されている。この強調表示されている関連画像58Vの位置は、少なくともスクロール中においては画面内で移動しない。
【0156】
図18に示すように、ユーザーが第2の操作ステップを行う場合には、操作デバイス210を基準姿勢に戻し、その操作デバイス210の筺体211の上部側領域、ここでは鉛直軸Vが通る領域に外力を加える。ユーザーによる外力は上記したような圧力センサ8、振動センサ、接触センサにより検知され得る。この第2の操作ステップにより、操作デバイス210のMCUは操作コマンドを実行し、それを表示デバイス50に送信する。これにより、表示デバイス50の画面上で強調表示で選択された領域が指定される。
【0157】
図19は、図17に示した第1の操作ステップにおける操作領域の検出原理を説明するための図である。本操作例では、CPU53は、操作デバイス210の姿勢(傾き角度及び傾き方向)に応じて、仮想的に2次元直交座標系で表された平面内を移動するように演算を行う。その平面内の各座標領域には予め複数の操作領域105が仮想的に設定されている。第1の操作ステップにより、平面上の各操作領域105のうち、移動するポインターが位置する操作領域15が、その時点で選択対象とされている(強調表示されている)領域となる。
【0158】
図19に示す例では、20≦x<40、かつ、10<y≦30の座標範囲を、"ボリュームアップ"の操作領域105として設定されている。つまり、これらの操作領域105の座標範囲ごとに操作コマンドが対応付けられるように、例えば表示デバイス50の記憶部57あるいはROM54(図3参照)に記憶されている。本操作例1の場合、操作デバイス210自身は、現在のポインターの位置が、どの座標範囲に対応する操作領域105にあるのかを検知していないので、操作デバイス210から送信される操作コマンドは、その操作内容を表示デバイス50に実行を開始させるためのトリガーのコマンド(実行コマンド)となる。
【0159】
なお、操作デバイス210が第1の操作ステップから第2の操作ステップに移るまでの間に、基準姿勢に戻る。この戻り時は、表示デバイス50は、コントロールするポインターの位置をそれに追従しないよう制御すると、操作性が良くなる。
【0160】
また、本実施形態において、座標の端(最大または最小)までポインターが移動した場合、ポインターの座標値が対極へ飛ぶ(ループする)ようにしてもよい。図19に示す例の場合、x=+60(-60)を超えた(下回った)場合に、x=-60(+60)に飛ぶようにしてもよい。これにより、CPU53は、画面上でボールが1回転以上回転しても、操作対象領域が1回転前の元の操作領域105に戻るように表示を制御することができる。
【0161】
(偏心形状を持つ操作デバイスの操作例2)
上記操作例1の説明では、偏心形状を持つ操作デバイス210は、ポインターの位置がどの座標範囲に対応する操作領域15にあるかということを検知せず、これを表示デバイス50が行う例を示した。しかし、本操作例2では、操作デバイス210は、加速度センサ5、角速度センサ6及び磁気センサ7を備える場合に、上記した球状の操作デバイス210と同様に、グローバル座標での操作領域を検出すればよい。つまり、本操作例2に係る操作デバイス210による操作領域の検出原理は、図19に示したような操作領域105の検出原理とは異なり、操作デバイス210は、これらセンサ5〜7の検出値の組み合わせの情報である姿勢の情報と、操作コマンドの情報とを対応付けて記憶している。
【0162】
例えば操作デバイス210の筺体211の表面、及び、その操作デバイス210が接触する操作面90のいずれかが柔らかい材質を有していたり、操作面90がデコボコしていたり、その操作面90がぐちゃぐちゃになった布等が敷かれていたりする場合にも、本操作例2は有効である。この場合、操作デバイス210の偏心があるにも関わらず、操作デバイス210の形状やその偏心度等によっては、操作デバイス210が基準姿勢に戻らない場合も想定される。こういった場合に、操作デバイス210が、姿勢の情報及び操作コマンドの情報を予め対応付けて記憶しておくことにより、筺体211の操作対象となる領域が、本来操作対象とされる鉛直軸Vを通る位置に位置しなくてもよい。頂点以外の領域が鉛直軸Vを通る位置に位置した場合も、MCUはその頂点以外の鉛直操作領域を検知できる。
【0163】
(その他の偏心形状を持つ操作デバイスの例)
図20A及びBは、偏心した重心を持つ操作デバイスについての他の例を示す。これらに示すように、卵形状に似た形状以外の形状を有する操作デバイス310及び410にも、本技術を適用可能である。
【0164】
[その他の実施形態]
【0165】
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
【0166】
上記各実施形態では、図6に示した処理をすべて操作デバイスが実行する形態を示した。しかし、図6に示した処理の一部を表示デバイスが実行してもよい。例えば、操作デバイスは、図6において各センサ5〜7の検出値のAD変換の処理まで実行し、AD変換されて得られた情報を、表示デバイスに送信する。そして、表示デバイスは、そのステップ201〜205を実行してもよい。あるいは、操作デバイスが、そのステップ201〜204のうちいずれかまでの処理を実行し、残りの処理を表示デバイス50が実行してもよい。操作デバイス10及び表示デバイス50がどの処理を担当するかは、例えばそれらの演算処理能力、それらのコスト、チップサイズ等の環境から適宜判断されればよい。
【0167】
上記した各操作例では、鉛直操作領域に対応する操作内容が、ユーザーによる選択の対象として設定されていた。しかし、筺体の上部側領域であって、鉛直軸を通らない操作領域に対応する操作内容が、操作対象として設定されてもよい。
【0168】
操作例3及び4では、表示デバイスは、操作デバイスの形状と同様の形態の関連画像を表示したが、これに限られず、グリッド表示や一覧表示等、他の表示形態で関連画像を表示してもよい。
【0169】
上記実施形態に係る操作デバイスのユーザーによる操作時に、操作面に接触し得る、筺体の外面の形状は曲面として説明した。しかし、筺体の外面の少なくとも一部が細かな平面の集合で形成され、その平面の集合で形成される面が操作面に接触して操作される操作デバイスも、本技術の範囲に含まれる。
【0170】
図17、18及び20に示した実施形態に係る、偏心形状の操作デバイスの筺体は、その上下方向が予め定まるような形状に形成されていた。しかし、筺体が球形以外の形状である場合でも、上下方向が予め定められない形状、例えば直方体、立方体、楕円体、ラグビーボールのような形状、あるいは、これらの立体のうち少なくとも1つの形状と球体の一部との組み合わせ、といった形状を筺体が有していてもよい。
【0171】
上記実施形態における操作デバイスの表面に設けられた複数の操作領域の形状として、切頂二十面体の形状は単なる一例である。複数の操作領域は、例えば正多面体でもよいし、複数の地球儀の経度線及び/または緯度線のような線により区画されていてもよい。あるいは、各操作領域の形状が規則的でなくてもよく、不規則形状の面(あるいは不規則形状の泡)で区画されていてもよい。
【0172】
予め上下方向が定められた操作デバイスには、直交2軸の検出軸を有する加速度センサ及び角速度センサを有していてもよい。
【0173】
操作デバイスが、自身の姿勢を検知するための演算方法については、図6に示した処理に限られず、あらゆる他の公知の演算方法を用いることも可能である。
【0174】
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。
【0175】
本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)複数の操作領域を有する表面を含む筺体と、前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、前記複数の操作領域に対する外力を検出可能な第2のセンサとを有する操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報を取得する取得部と、
前記複数の操作領域をそれぞれ画定するための、前記操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する検知部と、
前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成する生成部と、
少なくとも前記生成された操作コマンドを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する送信部と
を具備する情報処理装置。
(2)(1)に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記複数の操作領域のうち、前記3次元内における鉛直軸が通る鉛直操作領域を前記所定位置に位置する操作領域として、前記鉛直操作領域を画定する前記姿勢の情報に対応する前記操作コマンドを生成する
情報処理装置。
(3)(2)に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記鉛直操作領域が前記ユーザーにより押されたことが検出された場合、前記鉛直操作領域を画定する前記姿勢の情報に対応する前記操作コマンドを生成する
情報処理装置。
(4)(2)に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記上部側領域のうち、前記鉛直操作領域に隣接する少なくとも1つの操作領域を画定する前記姿勢の情報に対応する前記操作コマンドを生成可能である
情報処理装置。
(5)(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記操作対象機器は、前記複数の操作領域にそれぞれ関連する複数の関連画像を表示のために出力可能であり、
前記送信部は、前記複数の関連画像のうち、少なくとも前記所定位置に位置する前記操作領域に関連する関連画像を、前記動き情報に基づき前記操作対象機器に表示のために出力させるために、前記取得された動き情報または前記検知された姿勢の検知情報を前記操作対象機器へ送信する
情報処理装置。
(6)(5)に記載の情報処理装置であって、
前記送信部は、前記所定位置に位置する前記操作領域に関連する関連画像を、前記操作デバイスの動きに応じて選択的に強調表示させるために、前記取得された動き情報または前記検知された姿勢の検知情報を前記操作対象機器へ送信する
情報処理装置。
(7)(1)から(6)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記操作デバイスの前記筺体の表面のうち、少なくとも、前記操作面に接触する面が球面である
情報処理装置。
(8)(1)から(7)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記操作デバイスは、前記筺体の表面に設けられた、前記複数の操作領域にそれぞれ関連する複数の関連画像を表示するディスプレイを有する
情報処理装置。
(9)(5)、(6)、または(8)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記検知部による、前記操作デバイスの姿勢の検知情報の出力を停止するか、または、前記送信部による前記動き情報の前記操作対象機器への送信を停止する停止部と、
前記第2のセンサによる所定の外力が検出された場合、前記停止部による前記送信の停止を解除する解除部と
をさらに具備する情報処理装置。
(10)複数の操作領域を有する表面を含む筺体と、前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、前記複数の操作領域に対する外力を検出可能な第2のセンサとを有する操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報を取得する取得部と、
前記複数の操作領域をそれぞれ画定するための、前記操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する検知部と、
前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成する生成部と、
少なくとも前記生成された操作コマンドを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する送信部と、を含む情報処理装置と、
少なくとも前記送信された操作コマンドを受信する受信部と、
前記受信された操作コマンドの情報に基づき、前記複数の操作領域にそれぞれ関連する関連画像を表示のために出力する出力部と、を含む操作対象機器と
を具備する情報処理システム。
(11)筺体と、前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、前記筺体に対する外力を検出可能な第2のセンサとを有する操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報を取得する取得部と、
前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する検知部と、
前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、実行コマンドを生成する生成部と、
前記生成された実行コマンドと、前記取得された動き情報または前記検知された姿勢の検知情報とを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する送信部と、を含む情報処理装置と、
複数の操作領域をそれぞれ画定するための、仮想的な平面領域に表された複数の座標範囲の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記情報処理装置から送信された情報を受信する受信部と、
前記実行コマンドが受信部により受信された場合、前記受信された動き情報または姿勢の検知情報に応じて選択され得る、前記複数の座標範囲のうちの1つの座標範囲に対応する操作コマンドを実行する実行部と、を有する操作対象機器と
を具備する情報処理システム。
(12)複数の操作領域を有する表面を含む筺体と、
前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、
前記複数の操作領域に対する外力を検出可能な第2のセンサと、
操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報を取得する取得部と、
前記複数の操作領域をそれぞれ画定するための、前記操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する検知部と、
前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成する生成部と、
少なくとも前記生成された操作コマンドを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する送信部と
を具備する操作デバイス。
(13)複数の操作領域を有する表面を含む筺体と、前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、前記複数の操作領域に対する外力を検出可能な第2のセンサとを有する操作デバイスの情報処理装置が実行する方法であって、
前記複数の操作領域をそれぞれ画定するための、前記操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶し、
前記操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報を取得し、
前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知し、
前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成し、
少なくとも前記生成された操作コマンドを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する
情報処理方法。
【符号の説明】
【0176】
1…MCU
5…加速度センサ
6…角速度センサ
7…磁気センサ
8…圧力センサ
9…通信機
10、110、210、310、410…操作デバイス
11、111、211…筐体
15、105…操作領域
15V…鉛直操作領域
50…表示デバイス
53…CPU
56…通信部
57…記憶部
58…関連画像
65…関連画像
90…操作面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作領域を有する表面を含む筺体と、前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、前記複数の操作領域に対する外力を検出可能な第2のセンサとを有する操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報を取得する取得部と、
前記複数の操作領域をそれぞれ画定するための、前記操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する検知部と、
前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成する生成部と、
少なくとも前記生成された操作コマンドを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する送信部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記複数の操作領域のうち、前記3次元内における鉛直軸が通る鉛直操作領域を前記所定位置に位置する操作領域として、前記鉛直操作領域を画定する前記姿勢の情報に対応する前記操作コマンドを生成する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記鉛直操作領域が前記ユーザーにより押されたことが検出された場合、前記鉛直操作領域を画定する前記姿勢の情報に対応する前記操作コマンドを生成する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記上部側領域のうち、前記鉛直操作領域に隣接する少なくとも1つの操作領域を画定する前記姿勢の情報に対応する前記操作コマンドを生成可能である
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記操作対象機器は、前記複数の操作領域にそれぞれ関連する複数の関連画像を表示のために出力可能であり、
前記送信部は、前記複数の関連画像のうち、少なくとも前記所定位置に位置する前記操作領域に関連する関連画像を、前記動き情報に基づき前記操作対象機器に表示のために出力させるために、前記取得された動き情報または前記検知された姿勢の検知情報を前記操作対象機器へ送信する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記送信部は、前記所定位置に位置する前記操作領域に関連する関連画像を、前記操作デバイスの動きに応じて選択的に強調表示させるために、前記取得された動き情報または前記検知された姿勢の検知情報を前記操作対象機器へ送信する
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記操作デバイスの前記筺体の表面のうち、少なくとも、前記操作面に接触する面が球面である
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記操作デバイスは、前記筺体の表面に設けられた、前記複数の操作領域にそれぞれ関連する複数の関連画像を表示するディスプレイを有する
情報処理装置。
【請求項9】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記検知部による、前記操作デバイスの姿勢の検知情報の出力を停止するか、または、前記送信部による前記動き情報の前記操作対象機器への送信を停止する停止部と、
前記第2のセンサによる所定の外力が検出された場合、前記停止部による前記送信の停止を解除する解除部と
をさらに具備する情報処理装置。
【請求項10】
複数の操作領域を有する表面を含む筺体と、前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、前記複数の操作領域に対する外力を検出可能な第2のセンサとを有する操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報を取得する取得部と、
前記複数の操作領域をそれぞれ画定するための、前記操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する検知部と、
前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成する生成部と、
少なくとも前記生成された操作コマンドを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する送信部と、を含む情報処理装置と、
少なくとも前記送信された操作コマンドを受信する受信部と、
前記受信された操作コマンドの情報に基づき、前記複数の操作領域にそれぞれ関連する関連画像を表示のために出力する出力部と、を含む操作対象機器と
を具備する情報処理システム。
【請求項11】
筺体と、前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、前記筺体に対する外力を検出可能な第2のセンサとを有する操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報を取得する取得部と、
前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する検知部と、
前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、実行コマンドを生成する生成部と、
前記生成された実行コマンドと、前記取得された動き情報または前記検知された姿勢の検知情報とを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する送信部と、を含む情報処理装置と、
複数の操作領域をそれぞれ画定するための、仮想的な平面領域に表された複数の座標範囲の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記情報処理装置から送信された情報を受信する受信部と、
前記実行コマンドが受信部により受信された場合、前記受信された動き情報または姿勢の検知情報に応じて選択され得る、前記複数の座標範囲のうちの1つの座標範囲に対応する操作コマンドを実行する実行部と、を有する操作対象機器と
を具備する情報処理システム。
【請求項12】
複数の操作領域を有する表面を含む筺体と、
前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、
前記複数の操作領域に対する外力を検出可能な第2のセンサと、
操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報を取得する取得部と、
前記複数の操作領域をそれぞれ画定するための、前記操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知する検知部と、
前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成する生成部と、
少なくとも前記生成された操作コマンドを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する送信部と
を具備する操作デバイス。
【請求項13】
複数の操作領域を有する表面を含む筺体と、前記筺体の動きを検出する第1のセンサと、前記複数の操作領域に対する外力を検出可能な第2のセンサとを有する操作デバイスの情報処理装置が実行する方法であって、
前記複数の操作領域をそれぞれ画定するための、前記操作デバイスの複数の姿勢の情報と、前記複数の操作領域にそれぞれ対応する複数の操作コマンドの情報とを対応付けて記憶し、
前記操作デバイスが操作面に置かれた状態で、ユーザーにより前記操作デバイスが回転するように操作される場合に、前記第1のセンサで検出される動き情報を取得し、
前記取得された動き情報に基づき、前記ユーザーにより操作される前記操作デバイスの姿勢を検知し、
前記検知された前記姿勢を持つ前記筺体の表面のうち前記操作面に接触しない領域であって前記筺体の上部側領域が前記ユーザーにより押されたことが、前記第2のセンサにより検出された場合、前記複数の操作領域のうち、前記上部側領域のうち前記筺体の表面の所定位置に位置する操作領域を画定する姿勢の情報に対応する操作コマンドを生成し、
少なくとも前記生成された操作コマンドを、前記操作デバイスの操作対象機器へ送信する
情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図13】
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