説明

情報処理装置、情報処理システム、方法、およびプログラム

【課題】コンテンツの流通を維持させることができる情報処理装置、通信システム、管理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】管理装置2は、コンテンツを保持する端末装置を識別するためのコンテンツ保持端末情報を受信する端末情報受信部21と、コンテンツ保持端末情報に基づいてコンテンツを保持する端末装置の数であるコンテンツ保持端末数を算出する端末数算出部25と、コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定するための基準となる判定基準を保持する判定基準保持部26と、コンテンツ保持端末数と判定基準とに基づいて、当該コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する僅少判定部27と、コンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、コンテンツを保持する端末装置に対して、当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる消失防止命令を送信する命令送信部28とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の端末装置を含む通信システムで用いられる情報処理装置等に関し、特に、複数の端末装置のうちコンテンツを保持する端末装置を識別するためのコンテンツ保持端末情報を管理する情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータネットワークの一形態として、特定の役割を集中的に担当するサーバと、利用者の操作するクライアントとに役割を分担し、これらが相互にネットワークに接続されるクライアントサーバモデルが一般化している。このモデルでは、クライアントがサーバに対して「要求」を送信し、サーバがクライアントに対して「応答」を返す形で処理が行われる。しかし、近年、常時接続のブロードバンド回線の普及、パーソナルコンピュータの処理能力の向上、ハードディスク容量の増加に伴い、サーバのボトルネック問題を抱えるクライアントサーバモデルから、サーバを必要としないアーキテクチャであるP2P(Peer to Peer)モデルが普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。このモデルでは、ネットワークに参加する端末装置が同等または類似した役割を対等に担うことにより、特定のリソースが特定の端末装置に集中しないようにしている。
【0003】
このようなP2Pモデルを具現化したP2Pシステム(通信システム)において、ネットワークに参加する端末装置があるコンテンツを取得しようとする場合、この端末装置は、ネットワークに参加している複数の端末装置のうちいずれかの端末装置からコンテンツを取得することになる。すなわち、P2Pシステム上でコンテンツの流通を維持するためには、P2Pシステム上に、コンテンツを保持している端末装置が少なくとも1台は存在していることが必要である。しかしながら、コンテンツを保持する端末装置の数が僅少である場合に、このコンテンツを端末装置から消去すれば、P2Pシステム上で完全にコンテンツが消失されてしまうことになる。この場合、P2Pシステム上で二度とコンテンツを取得することができない。すなわち、P2Pシステム上でコンテンツの流通を維持させることができない。
【特許文献1】特開2007−65714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信システム上でコンテンツの流通を維持させることができる情報処理装置、情報処理システム、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明における情報処理装置は、複数の端末装置を含む通信システムに接続可能な情報処理装置において、前記複数の端末装置のうちコンテンツを保持する端末装置を識別するためのコンテンツ保持端末情報を受信する端末情報受信部と、受信されたコンテンツ保持端末情報に基づいて、前記コンテンツを保持する端末装置の数であるコンテンツ保持端末数を算出する端末数算出部と、前記コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定するための基準となる判定基準を保持する判定基準保持部と、前記端末数算出部により算出されたコンテンツ保持端末数と、前記判定基準保持部により保持された判定基準とに基づいて、当該コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する僅少判定部と、前記僅少判定部により前記コンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、前記コンテンツを保持する端末装置に対して、当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる消失防止命令を送信する命令送信部とを備える。
【0006】
本発明の情報処理装置によれば、僅少判定部は、端末数算出部により算出されたコンテンツ保持端末数と、判定基準保持部に保持された判定基準とに基づいて、当該コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する。ここで、コンテンツ保持端末数は、コンテンツを保持する端末装置の数である。命令送信部は、僅少判定部によりコンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、コンテンツを保持する端末装置に対して、当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる消失防止命令を送信する。これにより、コンテンツを保持する端末装置は、送信された消失防止命令に従って、当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行することができる。この結果、通信システム上でコンテンツの流通を維持させることができる。
【0007】
本発明における通信システムは、コンテンツを保持する端末装置と通信可能な情報処理システムであって、前記コンテンツを保持する端末装置を識別するためのコンテンツ保持端末情報を取得する端末情報取得部と、取得されたコンテンツ保持端末情報に基づいて、前記コンテンツを保持する端末装置の数であるコンテンツ保持端末数を算出する端末数算出部と、前記コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定するための基準となる判定基準を保持する判定基準保持部と、前記端末数算出部により算出されたコンテンツ保持端末数と、前記判定基準保持部により保持された判定基準とに基づいて、当該コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する僅少判定部と、前記僅少判定部により前記コンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、前記コンテンツを保持する端末装置に対して当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる消失防止命令を送信する命令送信部とを備える。
【0008】
本発明にかかる方法は、複数の端末装置を含む通信システムに接続可能な情報処理装置が処理を実行する方法であって、前記複数の端末装置のうちコンテンツを保持する端末装置を識別するためのコンテンツ保持端末情報を取得する端末情報取得工程と、前記情報処理装置が、前記取得されたコンテンツ保持端末情報に基づいて、前記コンテンツ保持端末数を算出する端末数算出工程と、前記情報処理装置が、前記端末数算出工程により算出されたコンテンツ保持端末数と、所定の判定基準とに基づいて、当該コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する僅少判定工程と、前記情報処理装置が、前記僅少判定工程により前記コンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、前記コンテンツを保持する端末装置に対して、当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる消失防止命令を送信する命令送信工程とを含む。
【0009】
本発明にかかるプログラムは、複数の端末装置を含む通信システムに接続可能なコンピュータに処理を実行させるプログラムにおいて、前記複数の端末装置のうちコンテンツを保持する端末装置を識別するためのコンテンツ保持端末情報を受信する端末情報受信部と、前記コンテンツを保持する端末装置の数であるコンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定するための基準となる判定基準を保持する判定基準保持部とに、前記コンピュータがアクセス可能であって、前記プログラムは、前記端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報に基づいて、前記コンテンツ保持端末数を算出する端末数算出処理と、前記端末数算出処理により算出されたコンテンツ保持端末数と、前記判定基準保持部に保持された判定基準とに基づいて、当該コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する僅少判定処理と、前記僅少判定処理により前記コンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、前記コンテンツを保持する端末装置に対して、当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる消失防止命令を送信する命令送信処理とを前記コンピュータに実行させる。
【0010】
なお、本発明における情報処理システム、方法、およびプログラムは、上記の情報処理装置と同様の効果を得る。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明の情報処理装置、情報処理システム、方法、およびプログラムは、通信システム上でコンテンツの流通を維持させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態において、前記コンテンツを保持しているか否かを問い合わせるための質問情報を、前記端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報に対応する端末装置に対して送信し、かつ、前記問い合わせに対する回答として得られる回答情報を、当該端末装置から受信する問い合わせ部と、前記問い合わせ部により受信された回答情報が前記コンテンツを保持していないことを示している場合に、当該回答情報を送信した端末装置に対応するコンテンツ保持端末情報を削除するように、前記端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報を更新する端末情報更新部とをさらに備える態様とするのが好ましい。この態様によれば、端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報を最新の状態に更新することができる。
【0013】
本発明の実施形態において、前記コンテンツが消去されたことを示す消去情報を、前記端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報に対応する端末装置から受信する消去情報受信部と、前記消去情報を送信した端末装置に対応するコンテンツ保持端末情報を削除するように、前記端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報を更新する端末情報更新部とをさらに備える態様とするのが好ましい。この態様によれば、端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報を最新の状態に更新することができる。また、情報処理装置から端末装置へコンテンツを保持しているか否かを問い合わせる態様と比較して、通信システムのトラフィックを抑えることができる。
【0014】
本発明の実施形態において、前記判定基準保持部には、複数段階設けられた複数の判定基準が保持されており、前記僅少判定部は、前記端末数算出部により算出された前記コンテンツを保持する端末装置の数と、前記判定基準保持部に保持された複数の判定基準とに基づいて、前記コンテンツを保持する端末装置の数がどのくらい僅少であるのかを示す僅少度合いを判定し、前記命令送信部は、前記コンテンツを保持する端末装置のうち前記僅少判定部により判定された僅少度合いに応じた端末装置に対して、前記消失防止命令を送信する態様とするのが好ましい。この態様によれば、命令送信部は、コンテンツを保持する端末装置のうち僅少度合いに応じた端末装置に対して消失防止命令を送信することができる。
【0015】
本発明の実施形態において、前記情報処理装置の外部から判定基準を取得し、取得した判定基準を、前記判定基準保持部へ送る判定基準取得部をさらに備える態様とするのが好ましい。この態様によれば、判定情報取得部は、情報処理装置の外部から取得した判定基準を判定基準保持部へ保持させることができる。
【0016】
以下、本発明のより具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
[実施の形態1]
図1は、本実施形態に係るP2P(Peer to Peer)システム1の概略構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態に係るP2Pシステム1は、管理装置(情報処理装置)2、および端末装置3a〜3cを備えている。本実施形態においては、管理装置2、および端末装置3a〜3cは、汎用のコンピュータであるが、これに限らず、携帯端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話、家電機器(例えば、テレビ、プリンタ、デジタルカメラ、空調機、冷蔵庫)等であってもよい。
【0018】
ここで、管理装置2、および端末装置3a〜3cは、ネットワークNに接続されている。ネットワークNは、例えば、インターネットであって、管理装置2、および端末装置3a〜3cは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、UDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)等、予め定められたプロトコルで相互に通信できる。なお、ネットワークNは、インターネットの代わりに、イーサネット(登録商標)、ホームネットワーク、無線LAN等であってもよい。
【0019】
図1では、説明の簡略化のために、管理装置2を1台、および端末装置3a〜3cを3台図示したが、P2Pシステム1を構成する管理装置2、および端末装置3a〜3cの数は任意である。また、P2Pシステム1上に、各種のサーバ(Webサーバ、メールサーバ、ホームページサーバ、プロキシサーバ、DNSサーバ、DHCPサーバ等)が存在していてもよい。
【0020】
なお、以下では、端末装置3a〜3cを説明する際、特に区別する必要のある場合にのみ、例えば、端末装置3aのように、それぞれを区別するための英小文字を付して説明し、特に区別する必要がない場合、あるいは、総称する場合には、例えば、端末装置3のように、英小文字を付さずに説明する。
【0021】
管理装置2は、端末情報受信部21、端末情報記録部22、問い合わせ部23、端末情報更新部24、端末数算出部25、判定基準保持部26、僅少判定部27、および命令送信部28を備えている。
【0022】
ここで、上記の端末情報受信部21、問い合わせ部23、端末情報更新部24、端末数算出部25、僅少判定部27、および命令送信部28の各機能は、コンピュータが備えるCPU等の演算装置が所定のプログラムを実行することによって実現される。したがって、上記の各機能をコンピュータで実現するためのプログラムまたはそれを記録した記録媒体も本発明の一実施態様である。また、端末情報記録部22、および判定基準保持部26は、コンピュータの内蔵記憶装置またはこのコンピュータからアクセス可能な記憶装置によって具現化される。
【0023】
端末情報受信部21は、端末装置3から送信されたコンテンツ保持端末情報を、ネットワークNを介して受信する。ここで、コンテンツ保持端末情報には、コンテンツを識別するためのコンテンツIDと、当該コンテンツを保持する端末装置(つまり、コンテンツ保持端末情報を送信した端末装置)を識別するための端末IDとが含まれる。また、コンテンツとは、文章、静止画像、動画像、音楽、あるいはこれらの組み合わせをいう。なお、端末装置3がコンテンツ保持端末情報を管理装置2へ送信する処理については後述する。端末情報受信部21は、受信したコンテンツ保持端末情報を、端末情報記録部22へ記録する。
【0024】
図2は、本実施形態に係る端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報の一例を示す図である。すなわち、本実施形態に係る端末情報記録部22は、コンテンツ保持端末情報をテーブル22aとして記録する。図2に示すように、テーブル22aには、コンテンツIDと、端末IDと、受信日時とが記録されている。すなわち、テーブル22aには、3つのコンテンツ保持端末情報が3つのレコードR1〜R3に記録されている。つまり、テーブル22aは、P2Pシステム1上で、コンテンツID「C001」のコンテンツを保持している端末装置が、端末ID「T010」の端末装置、端末ID「T011」の端末装置、および端末ID「T100」の端末装置の3台であることを表している。
【0025】
このように、本実施形態に係る端末情報記録部22には、コンテンツID「C001」のコンテンツ保持端末情報がテーブル22aとして記録されている。すなわち、本実施形態に係る管理装置2は、P2Pシステム1上で、コンテンツID「C001」のコンテンツを保持している端末装置の端末IDを管理する装置である。このため、コンテンツID「C001」のコンテンツの取得を所望する端末装置は、本実施形態に係る管理装置2へ問い合わせることにより、コンテンツID「C001」のコンテンツを保持している端末装置の端末IDを取得することができる。そして、コンテンツの取得を所望する端末装置は、管理装置2から取得した端末装置の端末IDに基づいて、当該端末装置に対して、コンテンツの配信要求を送信する。コンテンツの配信要求を受信した端末装置は、当該コンテンツを、コンテンツの取得を所望する端末装置へ配信する。これにより、コンテンツの取得を所望する端末装置は、当該コンテンツを取得することができる。
【0026】
問い合わせ部23は、コンテンツを保持しているか否かを問い合わせるための質問情報を、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して送信する。なお、問い合わせ部23は、端末情報記録部22に記録された全てのコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して質問情報を送信してもよいし、端末情報記録部22に記録されたランダムに選択された一部のコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して質問情報を送信してもよい。また、問い合わせ部23は、問い合わせに対する回答として得られる回答情報を、質問情報を送信した端末装置から受信する。問い合わせ部23は、受信した回答情報を、端末情報更新部24へ出力する。
【0027】
端末情報更新部24は、問い合わせ部23により受信された回答情報に基づいて、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報を更新する。具体的には、端末情報更新部24は、問い合わせ部23により受信された回答情報がコンテンツを保持していないことを示している場合、回答情報を送信した端末装置に対応するコンテンツ保持端末情報を削除するように、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報を更新する。また、端末情報更新部24は、問い合わせ部23により受信された回答情報がコンテンツを保持していることを示している場合、回答情報を送信した端末装置に対応するコンテンツ保持端末情報が含む受信日時が最新の受信日時となるように、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報を更新する。
【0028】
端末数算出部25は、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報に基づいて、コンテンツを保持する端末装置の数であるコンテンツ保持端末数を算出する。具体的には、端末数算出部25は、テーブル22aのレコードの数を算出することにより、コンテンツ保持端末数を算出する。端末数算出部25は、算出したコンテンツ保持端末数を、僅少判定部27へ出力する。
【0029】
判定基準保持部26は、コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定するための基準となる判定基準を記録する。本実施形態においては、判定基準保持部26には、判定基準として「5」が記録されている。
【0030】
僅少判定部27は、端末数算出部25により算出されたコンテンツ保持端末数と、判定基準保持部26に記録された判定基準とに基づいて、コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する。本実施形態においては、僅少判定部27は、端末数算出部25により算出されたコンテンツ保持端末数が判定基準「5」未満である場合に、コンテンツ保持端末数が僅少であると判定する。一方、僅少判定部27は、端末数算出部25により算出されたコンテンツ保持端末数が判定基準「5」以上である場合に、コンテンツ保持端末数が僅少でないと判定する。
【0031】
命令送信部28は、僅少判定部27によりコンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、次の処理を実行する。すなわち、命令送信部28は、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して、消失防止命令を送信する。ここで、消失防止命令は、コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる命令である。本実施形態においては、コンテンツの消失を防止するための処理として、コンテンツを複製する処理であるものとする。なお、命令送信部28は、端末情報記録部22に記録された全てのコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して消失防止命令を送信してもよいし、端末情報記録部22に記録されたランダムに選択された一部のコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して消失防止命令を送信してもよい。
【0032】
端末装置3aは、コンテンツ保持部31、端末情報送信部32、応答部33、命令受信部34、および複製部35を備えている。なお、端末装置3b,3cの構成も、端末装置3aの構成と同様である。
【0033】
ここで、上記の端末情報送信部32、応答部33、命令受信部34、および複製部35の各機能は、コンピュータが備えるCPU等の演算装置が所定のプログラムを実行することによって実現される。したがって、上記の各機能をコンピュータで実現するためのプログラムまたはそれを記録した記録媒体も本発明の一実施態様である。また、コンテンツ保持部31は、コンピュータの内蔵記憶装置またはこのコンピュータからアクセス可能な記憶装置によって具現化される。
【0034】
コンテンツ保持部31は、コンテンツを予め保持する。
【0035】
端末情報送信部32は、コンテンツ保持部31にコンテンツが新たに保持された場合に、管理装置2に対して、コンテンツ保持端末情報を送信する。このため、端末情報送信部32は、コンテンツ保持部31を監視する機能を有している。すなわち、端末装置3aが他の端末装置からコンテンツを取得し、取得したコンテンツをコンテンツ保持部31に新たに保持した場合に、端末情報送信部32は、管理装置2に対して、コンテンツ保持端末情報を送信する。
【0036】
応答部33は、管理装置2から送信された質問情報を受信した場合に、次の処理を実行する。すなわち、応答部33は、まず、コンテンツ保持部31にコンテンツが保持されているか否かを判定する。応答部33は、コンテンツ保持部31にコンテンツが保持されていると判定した場合に、コンテンツ保持部31にコンテンツが保持されていることを示す回答情報を、管理装置2へ送信する。一方、応答部33は、コンテンツ保持部31にコンテンツが保持されていないと判定した場合に、コンテンツ保持部31にコンテンツが保持されていないことを示す回答情報を、管理装置2へ送信する。
【0037】
命令受信部34は、管理装置2から送信された消失防止命令を、ネットワークNを介して受信する。命令受信部34は、受信した消失防止命令を複製部35へ出力する。
【0038】
複製部35は、命令受信部34により受信された消失防止命令に従って、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツを、端末装置3a内の図示しないメモリに複製する。これにより、端末装置3a内には、同じコンテンツが2つ保持されることになる。このため、端末装置3aのユーザによって、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツが消去された場合であっても、端末装置3a内には複製されたコンテンツが保持されることになる。
【0039】
なお、上記では、複製部35は、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツを、端末装置3a内のメモリに複製する例について説明したが、これに限定されない。例えば、複製部35は、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツを、他の端末装置内のメモリへ複製してもよい。この場合、複製部35は、コンテンツを複製してもよいか否かを、他の端末装置へ問い合わせる。コンテンツを複製してもよい旨の回答が他の端末装置から得られた場合に、複製部35は、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツを、他の端末装置内のメモリへ複製する。これにより、自端末内のメモリにコンテンツを複製するための容量がなくても、複製部35は、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツを複製することができる。
【0040】
また、上記では、コンテンツの消失を防止するための処理として、コンテンツを複製する処理である例について説明したが、これに限定されない。例えば、コンテンツの消失を防止するための処理として、コンテンツが僅少であることを端末装置の表示画面に表示させる処理であってもよい。これにより、端末装置のユーザは、自端末内に保持されているコンテンツが僅少なコンテンツであることを知ることができる。また、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツが消去できないように、当該コンテンツの消去を禁止する処理であってもよい。すなわち、コンテンツの消失を防止するための処理であれば、これらに限らず任意である。
【0041】
ところで、図1では、管理装置2と端末装置3とを区別して図示しているが、実際には、ネットワークNに接続された端末装置のうち1または複数の端末装置が、管理装置2として機能する。例えば、公知のDHT(Distributed Hash Table)法を用いることにより、ネットワークNに接続された端末装置のうち、コンテンツを管理する管理装置2となり得る1または複数の端末装置が選択される。すなわち、本実施形態のように1つの端末装置が1つのコンテンツの管理装置となってもよいし、1つの端末装置が複数のコンテンツの管理装置となってもよい。また、本実施形態において説明する管理装置2の機能を、P2Pシステム上の複数の端末装置に分散配置した態様(情報処理システム)によっても、本発明を実施することが可能である。後述する各実施形態に関しても同様である。
【0042】
次に、上記の構成に係るP2Pシステム1の動作について、図3〜図5を参照しながら説明する。
【0043】
図3は、端末装置3がコンテンツ保持端末情報を管理装置2へ送信した場合の、P2Pシステム1の動作例を示すフローチャートである。図3に示すように、端末装置3の端末情報送信部32は、コンテンツ保持部31にコンテンツが新たに保持された場合に、管理装置2に対して、コンテンツ保持端末情報を送信する(Op1)。
【0044】
そして、管理装置2の端末情報受信部21は、Op1にて送信されたコンテンツ保持端末情報を、ネットワークNを介して受信する(Op2)。端末情報受信部21は、Op2にて受信されたコンテンツ保持端末情報を、端末情報記録部22へ記録する(Op3)。
【0045】
図4は、管理装置2が質問情報を端末装置3へ送信した場合の、P2Pシステム1の動作例を示すフローチャートである。図4に示すように、管理装置2の問い合わせ部23は、コンテンツを保持しているか否かを問い合わせるための質問情報を、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して送信する(Op4)。なお、問い合わせ部23が質問情報を端末装置3へ送信するタイミングについては特に限定されない。
【0046】
そして、端末装置3の応答部33は、Op4にて送信された質問情報を、ネットワークNを介して受信する(Op5)。そして、応答部33は、コンテンツ保持部31にコンテンツが保持されているか否かを判定する(Op6)。応答部33は、コンテンツ保持部31にコンテンツが保持されていると判定すれば(Op6にてYES)、コンテンツ保持部31にコンテンツが保持されていることを示す回答情報を、管理装置2へ送信する(Op7)。一方、応答部33は、コンテンツ保持部31にコンテンツが保持されていないと判定すれば(Op6にてNO)、コンテンツ保持部31にコンテンツが保持されていないことを示す回答情報を、管理装置2へ送信する(Op8)。
【0047】
そして、問い合わせ部23は、Op7またはOp8にて送信された回答情報を、ネットワークNを介して受信する(Op9)。端末情報更新部24は、Op9にて受信された回答情報に基づいて、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報を更新する(Op10)。
【0048】
図5は、コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する場合の、P2Pシステム1の動作例を示すフローチャートである。図5に示すように、管理装置2の端末数算出部25は、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報に基づいて、コンテンツ保持端末数を算出する(Op11)。
【0049】
そして、僅少判定部27は、Op11にて算出されたコンテンツ保持端末数と、判定基準保持部26に記録された判定基準とに基づいて、コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する(Op12)。僅少判定部27は、コンテンツ保持端末数が僅少であると判定すれば(Op12にてYES)、Op13へ進む。一方、僅少判定部27は、コンテンツ保持端末数が僅少でないと判定すれば(Op12にてNO)、図5の処理を終了する。
【0050】
Op13において、命令送信部28は、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して、消失防止命令を送信する(Op13)。ここで、消失防止命令は、コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる命令である。本実施形態においては、コンテンツの消失を防止するための処理として、上述したように、コンテンツを複製するための処理であるものとする。
【0051】
そして、端末装置3の命令受信部34は、Op13にて送信された消失防止命令を、ネットワークNを介して受信する(Op14)。複製部35は、Op14にて受信された消失防止命令に従って、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツを、端末装置3内のメモリに複製する(Op15)。
【0052】
以上のように、本実施形態に係るP2Pシステム1によれば、管理装置2の僅少判定部27は、端末数算出部25により算出されたコンテンツ保持端末数と、判定基準保持部26に記録された判定基準とに基づいて、当該コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する。命令送信部28は、僅少判定部27によりコンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、コンテンツを保持する端末装置に対して、当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる消失防止命令を送信する。これにより、コンテンツを保持する端末装置は、送信された消失防止命令に従って、当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行することができる。すなわち、本実施形態においては、端末装置3の複製部35は、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツを、端末装置3内のメモリに複製する。この結果、P2Pシステム1上でコンテンツの流通を維持させることができる。
【0053】
[実施の形態2]
図6は、本実施形態に係るP2Pシステム1aの概略構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態に係るP2Pシステム1aでは、端末装置4a〜4cの有する機能が、図1に示す端末装置3a〜3cとは異なっている。また、本実施形態に係るP2Pシステム1aでは、管理装置5の有する機能が、図1に示す管理装置2とは異なっている。なお、図6において、図1と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
端末装置4aは、図1に示す応答部33の代わりに、消去情報送信部41を備えている。なお、端末装置4b,4cの構成も、端末装置4aの構成と同様である。
【0055】
消去情報送信部41は、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツが消去された場合に、当該コンテンツが消去されたことを示す消去情報を、ネットワークNを介して管理装置5へ送信する。このため、消去情報送信部41は、コンテンツ保持部31を監視する機能を有している。
【0056】
管理装置5は、図1に示す問い合わせ部23の代わりに、消去情報受信部51を備えている。また、管理装置5は、図1に示す端末情報更新部24の代わりに、端末情報更新部52を備えている。
【0057】
消去情報受信部51は、端末装置4から送信された消去情報を、ネットワークNを介して受信する。端末情報受信部51は、受信した消去情報を、端末情報更新部52へ出力する。
【0058】
端末情報更新部52は、消去情報を送信した端末装置に対応するコンテンツ保持端末情報を削除するように、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報を更新する。
【0059】
次に、上記の構成に係るP2Pシステム1aの動作について、図7を参照しながら説明する。
【0060】
図7は、端末装置4が消去情報を管理装置5へ送信した場合の、P2Pシステム1aの動作例を示すフローチャートである。図7に示すように、端末装置4の消去情報送信部41は、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツが消去されたか否かを判定する(Op21)。消去情報送信部41は、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツが消去されたと判定すれば(Op21にてYES)、当該コンテンツが消去されたことを示す消去情報を、ネットワークNを介して管理装置2へ送信する(Op22)。一方、消去情報送信部41は、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツが消去されていないと判定すれば(Op21にてNO)、Op21へ戻り、Op21の判定処理を繰り返す。
【0061】
そして、管理装置5の消去情報受信部51は、Op22にて送信された消去情報を、ネットワークNを介して受信する(Op23)。端末情報更新部52は、Op23にて受信された消去情報を送信した端末装置に対応するコンテンツ保持端末情報を削除するように、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報を更新する(Op24)。
【0062】
以上のように、本実施形態に係るP2Pシステム1aによれば、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報を最新の状態に更新することができる。また、管理装置5から端末装置4へコンテンツを保持しているか否かを問い合わせる態様と比較して、P2Pシステム1aのトラフィック(ネットワークNのトラフィック)を抑えることができる。
【0063】
[実施の形態3]
図8は、本実施形態に係るP2Pシステム1bの概略構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態に係るP2Pシステム1bでは、管理装置6の有する機能が、図1に示す管理装置2とは異なっている。なお、図8において、図1と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0064】
管理装置6は、図1に示す判定基準保持部26、僅少判定部27、および命令送信部28の代わりに、判定基準保持部61、僅少判定部62、および命令送信部64を備えている。また、管理装置6は、図1に示す管理装置2が備える構成要素に加えて、送信端末数記録部63を備えている。
【0065】
判定基準保持部61は、図1に示す判定基準保持部26とは異なり、複数段階設けられた複数の判定基準を記録する。図9は、本実施形態に係る判定基準保持部61に記録された判定基準の一例を示す図である。すなわち、本実施形態に係る判定基準保持部61は、判定基準をテーブル61aとして記録する。図9に示すように、テーブル61aには、僅少度合いと、判定基準とが記録されている。ここで、僅少度合いは、コンテンツ保持端末数がどのくらい僅少であるのかを示す。本実施形態においては、コンテンツ保持端末数Nが5未満である場合に、僅少度合いが最も高く「5」となる。また、コンテンツ保持端末数Nが500以上1000未満である場合に、僅少度合いが最も低く「1」となる。
【0066】
僅少判定部62は、端末数算出部25により算出されたコンテンツ保持端末数と、判定基準保持部61に記録された複数の判定基準とに基づいて、コンテンツ保持端末数の僅少度合いを判定する。例えば、本実施形態において、端末数算出部25により算出されたコンテンツ保持端末数が25であれば、僅少判定部62は、テーブル61aを参照することにより、僅少度合い「4」と判定する。
【0067】
送信端末数記録部63は、命令送信部64が消失防止命令を送信すべき端末装置の数を示す送信端末数情報を記録する。図10は、本実施形態に係る送信端末数記録部63に記録された送信端末数情報の一例を示す図である。すなわち、本実施形態に係る送信端末数記録部63は、送信端末数情報をテーブル63aとして記録する。図10に示すように、テーブル63aには、僅少度合いと、送信端末数とが記録されている。
【0068】
すなわち、テーブル63aは、僅少度合いが「5」または「4」であれば、端末情報記録部22に記録された全てのコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して、消失防止命令を送信することを表している。また、テーブル63aは、僅少度合いが「3」であれば、端末情報記録部22に記録されたランダムに選択された20のコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して、消失防止命令を送信することを表している。また、テーブル63aは、僅少度合いが「2」であれば、端末情報記録部22に記録されたランダムに選択された100のコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して、消失防止命令を送信することを表している。さらに、テーブル63aは、僅少度合いが「1」であれば、端末情報記録部22に記録されたランダムに選択された200のコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して、消失防止命令を送信することを表している。
【0069】
命令送信部64は、まず、僅少判定部62により判定された僅少度合いに対応する送信端末数を、送信端末数記録部63から読み出す。命令送信部64は、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報のうち、読み出した送信端末数分のコンテンツ保持端末情報をランダムに抽出する。命令送信部64は、抽出したコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して、消失防止命令を送信する。
【0070】
次に、上記の構成に係るP2Pシステム1bの動作について、図11を参照しながら説明する。
【0071】
図11は、コンテンツ保持端末数の僅少度合いを判定する場合の、P2Pシステム1bの動作例を示すフローチャートである。図11に示すように、管理装置6の端末数算出部25は、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報に基づいて、コンテンツ保持端末数を算出する(Op31)。
【0072】
そして、僅少判定部62は、Op31にて算出されたコンテンツ保持端末数と、判定基準保持部61に記録された複数の判定基準とに基づいて、コンテンツ保持端末数の僅少度合いを判定する(Op32)。
【0073】
そして、命令送信部64は、Op32にて判定された僅少度合いに対応する送信端末数を、送信端末数記録部63から読み出す(Op33)。命令送信部64は、端末情報記録部22に記録されたコンテンツ保持端末情報のうち、Op33にて読み出された送信端末数分のコンテンツ保持端末情報をランダムに抽出する(Op34)。命令送信部64は、Op34にて抽出されたコンテンツ保持端末情報が含む端末IDに対応する端末装置に対して、消失防止命令を送信する(Op35)。
【0074】
以上のように、本実施形態に係るP2Pシステム1bによれば、命令送信部64は、コンテンツを保持する端末装置のうち僅少度合いに応じた端末装置に対して消失防止命令を送信することができる。
【0075】
なお、端末装置3において実行すべきコンテンツの消失を防止するための処理を、僅少判定部62により判定された僅少度合いに応じて変更するようにしてもよい。例えば、僅少度合いが「1」または「2」であれば、端末装置3は、コンテンツが僅少であることを端末装置の表示画面に表示させる。また、例えば、僅少度合いが「3」または「4」であれば、端末装置3は、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツを、自端末内のメモリに複製する。さらに、例えば、僅少度合いが「5」であれば、端末装置3は、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツが消去できないように、当該コンテンツの消去を禁止する処理を行う。このように、僅少度合いが低ければ、コンテンツが僅少であることを端末装置の表示画面に表示するに留めておき、僅少度合いが高ければ、コンテンツ保持部31に保持されたコンテンツの消去ができないように、当該コンテンツの消去を禁止する処理を行う。これにより、端末装置3は、僅少度合いに応じて、コンテンツの消失を防止するための最も適切な処理を行うことができる。
【0076】
[実施の形態4]
図12は、本実施形態に係るP2Pシステム1cの概略構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態に係るP2Pシステム1cでは、管理装置7の有する機能が、図1に示す管理装置2とは異なっている。なお、図12において、図1と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0077】
管理装置7は、図1に示す管理装置2が備える構成要素に加えて、判定基準取得部71を備えている。また、管理装置7は、図1に示す判定基準保持部26の代わりに、判定基準保持部72を備えている。
【0078】
判定基準取得部71は、管理装置7の外部から判定基準を取得する。例えば、管理装置7の外部に入力デバイスが接続されている場合に、判定基準取得部71は、管理装置7のユーザが入力デバイスを用いて入力した判定基準を、当該入力デバイスから取得する。また、例えば、判定基準取得部71は、端末装置3から送信された判定基準を、ネットワークNを介して取得する。判定基準取得部71は、取得した判定基準を、判定基準保持部72へ記録する。これにより、ユーザの所望する判定基準を判定基準保持部72へ記録することができる。
【0079】
すなわち、本実施形態に係るP2Pシステム1cによれば、例えば、判定基準保持部72に、コンテンツ毎、あるいは同じコンテンツであっても僅少度合い毎に異なる判定基準を記録させることができる。また、これに限らず、判定基準保持部72に、コンテンツのジャンル毎、あるいはコンテンツを提供する事業者毎に異なる判定基準を記録させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のように、本発明は、コンテンツの流通を維持させることができる情報処理装置等として産業上の利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係るP2Pシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報の一例を示す図である。
【図3】図3は、端末装置がコンテンツ保持端末情報を管理装置へ送信した場合の、P2Pシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、管理装置が質問情報を端末装置へ送信した場合の、P2Pシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、管理装置がコンテンツを保持する端末装置の数が僅少であるか否かを判定する場合の、P2Pシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態に係るP2Pシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、端末装置が消去情報を管理装置へ送信した場合の、P2Pシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の第3の実施形態に係るP2Pシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、判定基準保持部に記録された判定基準の一例を示す図である。
【図10】図10は、送信端末数記録部に記録された送信端末数情報の一例を示す図である。
【図11】図11は、コンテンツ保持端末数の僅少度合いを判定する場合の、P2Pシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の第4の実施形態に係るP2Pシステムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0082】
1、1a、1b、1c P2Pシステム
2、5、6、7 管理装置(情報処理装置)
3a〜3c 端末装置
4a〜4c 端末装置
21 端末情報受信部
22 端末情報記録部
23 問い合わせ部
24、52 端末情報更新部
25 端末数算出部
26、61、72 判定基準保持部
27、62 僅少判定部
28、64 命令送信部
31 コンテンツ保持部
34 命令受信部
35 複製部(消失防止部)
51 消去情報受信部
71 判定基準取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置を含む通信システムに接続可能な情報処理装置において、
前記複数の端末装置のうちコンテンツを保持する端末装置を識別するためのコンテンツ保持端末情報を受信する端末情報受信部と、
受信されたコンテンツ保持端末情報に基づいて、前記コンテンツを保持する端末装置の数であるコンテンツ保持端末数を算出する端末数算出部と、
前記コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定するための基準となる判定基準を保持する判定基準保持部と、
前記端末数算出部により算出されたコンテンツ保持端末数と、前記判定基準保持部により保持された判定基準とに基づいて、当該コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する僅少判定部と、
前記僅少判定部により前記コンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、前記コンテンツを保持する端末装置に対して、当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる消失防止命令を送信する命令送信部とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記コンテンツを保持しているか否かを問い合わせるための質問情報を、前記端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報に対応する端末装置に対して送信し、かつ、前記問い合わせに対する回答として得られる回答情報を、当該端末装置から受信する問い合わせ部と、
前記問い合わせ部により受信された回答情報が前記コンテンツを保持していないことを示している場合に、当該回答情報を送信した端末装置に対応するコンテンツ保持端末情報を削除するように、前記端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報を更新する端末情報更新部とをさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コンテンツが消去されたことを示す消去情報を、前記端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報に対応する端末装置から受信する消去情報受信部と、
前記消去情報を送信した端末装置に対応するコンテンツ保持端末情報を削除するように、前記端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報を更新する端末情報更新部とをさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定基準保持部には、複数段階設けられた複数の判定基準が保持されており、
前記僅少判定部は、前記端末数算出部により算出された前記コンテンツを保持する端末装置の数と、前記判定基準保持部に保持された複数の判定基準とに基づいて、前記コンテンツを保持する端末装置の数がどのくらい僅少であるのかを示す僅少度合いを判定し、
前記命令送信部は、前記コンテンツを保持する端末装置のうち前記僅少判定部により判定された僅少度合いに応じた端末装置に対して、前記消失防止命令を送信する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置の外部から判定基準を取得し、取得した判定基準を、前記判定基準保持部へ送る判定基準取得部をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンテンツを保持する端末装置と通信可能な情報処理システムであって、
前記コンテンツを保持する端末装置を識別するためのコンテンツ保持端末情報を取得する端末情報取得部と、
取得されたコンテンツ保持端末情報に基づいて、前記コンテンツを保持する端末装置の数であるコンテンツ保持端末数を算出する端末数算出部と、
前記コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定するための基準となる判定基準を保持する判定基準保持部と、
前記端末数算出部により算出されたコンテンツ保持端末数と、前記判定基準保持部により保持された判定基準とに基づいて、当該コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する僅少判定部と、
前記僅少判定部により前記コンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、前記コンテンツを保持する端末装置に対して当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる消失防止命令を送信する命令送信部とを備える情報処理システム。
【請求項7】
複数の端末装置を含む通信システムに接続可能な情報処理装置が処理を実行する方法であって、
前記複数の端末装置のうちコンテンツを保持する端末装置を識別するためのコンテンツ保持端末情報を取得する、端末情報取得工程と、
前記情報処理装置が、前記取得されたコンテンツ保持端末情報に基づいて、前記コンテンツ保持端末数を算出する、端末数算出工程と、
前記情報処理装置が、前記端末数算出工程により算出されたコンテンツ保持端末数と、所定の判定基準とに基づいて、当該コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する、僅少判定工程と、
前記情報処理装置が、前記僅少判定工程により前記コンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、前記コンテンツを保持する端末装置に対して、当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる消失防止命令を送信する、命令送信工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
複数の端末装置を含む通信システムに接続可能なコンピュータに処理を実行させるプログラムにおいて、
前記複数の端末装置のうちコンテンツを保持する端末装置を識別するためのコンテンツ保持端末情報を受信する端末情報受信部と、前記コンテンツを保持する端末装置の数であるコンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定するための基準となる判定基準を保持する判定基準保持部とに、前記コンピュータがアクセス可能であって、
前記プログラムは、
前記端末情報受信部で受信されたコンテンツ保持端末情報に基づいて、前記コンテンツ保持端末数を算出する端末数算出処理と、
前記端末数算出処理により算出されたコンテンツ保持端末数と、前記判定基準保持部に保持された判定基準とに基づいて、当該コンテンツ保持端末数が僅少であるか否かを判定する僅少判定処理と、
前記僅少判定処理により前記コンテンツ保持端末数が僅少であると判定された場合に、前記コンテンツを保持する端末装置に対して、当該コンテンツの消失を防止するための処理を実行させる消失防止命令を送信する命令送信処理とを前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−86271(P2010−86271A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254391(P2008−254391)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】