説明

情報処理装置、情報処理システムおよび料金管理方法

【課題】予測料金を再取得するタイミングを容易に判断できるようにすること。
【解決手段】予測値情報取得部1bは、情報処理装置2から受信したタクシーの予測料金を含む、タクシーの利用に関する予測値情報を取得して記憶部1aに格納する。計測値情報取得部1cは、タクシーの利用中に計測された計測値情報を取得する。要求部1dは、計測値情報取得部1cが取得した計測値情報と記憶部1aに記憶された予測値情報とに基づいて、予測料金の再取得を情報処理装置2に要求する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タクシー料金を管理する情報処理装置、情報処理システムおよび料金管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タクシー料金の支払を円滑に行えるよう支援する情報処理システムが考えられている。
例えば、クレジットカードによるタクシー料金の支払を容易に行えるようにする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、電子マネーでタクシー料金を支払う場合に、預金残高の範囲内で必要な金額の電子マネーをIC(Integrated Circuit)カードに適宜充填可能とする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
更に、目的地までの予測タクシー料金を算出し、利用者に提示する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、目的地が変更されると、その地点から変更後の目的地までの予測タクシー料金を算出し、現在のタクシー料金に当該予測タクシー料金を加算して、利用者に提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−23285号公報
【特許文献2】特開2002−245381号公報
【特許文献3】特開2007−334472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タクシー料金を予測したとしても、実際の料金は、その時の交通事情によって変動し得る。例えば、タクシー料金は、利用時間や走行距離に応じて課金される。このため、例えば、渋滞に巻き込まれてタクシーの利用時間が増大し、当初の予測料金よりも高額になるおそれがある。また、例えば、通行止めなどの要因で経路を迂回すると、走行距離が増大し、当初の予測料金よりも高額になるおそれもある。更に、このように降車時に支払う料金が不確定であると、タクシーの利用者に不安を与えるおそれがある。このため、システム全体として、より適正な予測料金を提示可能とするため、予測料金の再取得を行うタイミングをどのようにして容易に判断可能とするかが問題となる。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、予測料金を再取得するタイミングを容易に判断できるようにした情報処理装置、情報処理システムおよび料金管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
予測値情報取得部と計測値情報取得部と要求部とを有する情報処理装置が提供される。予測値情報取得部は、他の情報処理装置から受信したタクシーの予測料金を含む、タクシーの利用に関する予測値情報を取得して記憶部に格納する。計測値情報取得部は、タクシーの利用中に計測された計測値情報を取得する。要求部は、計測値情報取得部が取得した計測値情報と記憶部に記憶された予測値情報とに基づいて、予測料金の再取得を他の情報処理装置に要求する。
【0008】
また、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とを有する情報処理システムが提供される。第1の情報処理装置は、料金予測部を備える。料金予測部は、タクシーの予測料金を取得して送信する。第2の情報処理装置は、予測値情報取得部と計測値情報取得部と要求部とを有する。予測値情報取得部は、料金予測部が送信した予測料金を含む、タクシーの利用に関する予測値情報を取得して記憶部に格納する。計測値情報取得部は、タクシーの利用中に計測された計測値情報を取得する。要求部は、計測値情報取得部が取得した計測値情報と記憶部に記憶された予測値情報とに基づいて、予測料金の再取得を第1の情報処理装置に要求する。
【0009】
また、情報処理装置が実行する料金管理方法が提供される。この料金管理方法では、他の情報処理装置から受信したタクシーの予測料金を含む、タクシーの利用に関する予測値情報を取得して記憶部に格納する。タクシーの利用中に計測された計測値情報を取得する。取得した計測値情報と記憶部に記憶された予測値情報とに基づいて、予測料金の再取得を他の情報処理装置に要求する。
【発明の効果】
【0010】
上記情報処理装置、情報処理システムおよび料金管理方法によれば、予測料金を再取得するタイミングを容易に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態の情報処理システムを示す図である。
【図2】第2の実施の形態の情報処理システムを示す図である。
【図3】メータ装置のハードウェア例を示す図である。
【図4】決済連携装置のハードウェア例を示す図である。
【図5】メータ装置の機能を示すブロック図である。
【図6】決済連携装置の機能を示すブロック図である。
【図7】利用管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】予測データの例を示す図である。
【図9】計測データの例を示す図である。
【図10】決済テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図11】予測料金テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図12】乗車時の処理を示すフローチャートである。
【図13】料金予測処理を示すフローチャートである。
【図14】支払枠確保処理を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態の再予測要求処理を示すフローチャートである。
【図16】降車時の処理を示すフローチャートである。
【図17】乗車後から支払枠の確保までを示すシーケンス図である。
【図18】実料金の超過検知後から支払枠の確保までを示すシーケンス図である。
【図19】降車時の処理を示すシーケンス図である。
【図20】第3の実施の形態の再予測要求処理を示すフローチャートである。
【図21】第4の実施の形態の再予測要求処理を示すフローチャートである。
【図22】第5の実施の形態の再予測要求処理を示すフローチャートである。
【図23】第6の実施の形態の再予測要求処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の情報処理システムを示す図である。この情報処理システムは、情報処理装置1,2を有する。情報処理装置2は、タクシーの予測料金を算出して情報処理装置1に送信する。タクシーの予測料金は、タクシーを利用するときの目的地までの料金を予測したものである。例えば、情報処理装置1をタクシーに設置し、情報処理装置2をタクシー会社のセンターに設置できる。その場合、情報処理装置1,2は、無線のネットワークを介して接続される。
【0013】
情報処理装置1は、記憶部1a、予測値情報取得部1b、計測値情報取得部1cおよび要求部1dを有する。
記憶部1aは、タクシーの利用に関する予測値情報を記憶する。予測値情報は、情報処理装置2から受信したタクシーの予測料金を含む。
【0014】
予測値情報取得部1bは、予測値情報を取得して記憶部1aに格納する。予測値情報取得部1bは、情報処理装置2から受信した予測料金を記憶部1aに格納する。例えば、情報処理装置2は、当該タクシーの現在地および目的地を示す位置情報を取得すると、予測料金を算出し、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1が情報処理装置2に当該位置情報を送信してもよい。
【0015】
また、予測値情報には、例えば、予測走行距離、予測利用時間、予測到着時刻および予測中継地点などが含まれる。予測走行距離は、目的地までに予測されるタクシーの走行距離である。予測利用時間は、目的地までに予測されるタクシーの利用時間である。予測到着時刻は、目的地や所定の中継地に到着する予測の時刻である。予測中継地点は、目的地に到着するまでに経由することが予測される中継地(例えば、予測走行距離の中間の地点)の座標である。
【0016】
予測値情報取得部1bは、予測走行距離、予測利用時間、予測到着時刻および予測中継地点の情報を自身で予測してもよいし、他の装置が予測した値を取得してもよい。例えば、予測値情報取得部1bは、自動車の走行経路を探索するナビゲーション装置からこれらの情報を取得してもよい。
【0017】
計測値情報取得部1cは、タクシーの利用中に計測された計測値情報を取得する。計測値情報には、例えば、料金、乗車地から現在地までの走行距離、乗車時から現在までの利用時間、現在時刻および現在位置の座標などが含まれる。計測値情報取得部1cは、これらの情報を自身で計測してもよいし、他の装置が計測した値を取得してもよい。例えば、計測値情報取得部1cは、タクシーの走行距離、利用時間などを測定して実料金を算出するメータ装置から計測値情報を取得してもよい。
【0018】
要求部1dは、計測値情報取得部1cが取得した計測値情報と記憶部1aに記憶された予測値情報とに基づいて、予測料金の再取得を情報処理装置2に要求する。比較対象の予測値情報と計測値情報とは、同じ属性(例えば、予測料金と実料金)とすることが考えられる。
【0019】
例えば、要求部1dは、予測値情報が計測値情報を超過する可能性が高い時に予測料金の再取得を要求することが考えられる。計測値情報を超過する可能性が高い時とは、例えば、計測値情報が予測値情報の所定割合として求められる閾値に達した時である。また、例えば、予測値情報が計測値情報を超過したときに再取得を要求してもよい。更に、例えば、現在位置と中継地との比較(例えば、中継地付近を通過したか)により、再予測を要求してもよい。
【0020】
情報処理装置2は、料金予測部2aを有する。
料金予測部2aは、情報処理装置1からの要求を受信すると、タクシーの料金予測を行う。例えば、料金予測部2aは、当該要求とともに情報処理装置1から受信した当該タクシーの現在地と目的地とを示す位置情報に基づいて、料金予測を行える。
【0021】
なお、料金予測部2aは、料金予測に用いる情報を記憶した記憶部にアクセス可能である。具体的には、当該記憶部に初乗り料金や走行距離、利用時間、時間帯などに応じた課金額を記憶しておく。また、当該記憶部に地図情報や有料道路に関する情報を記憶しておく。料金予測部2aは、情報処理装置1から受信した位置情報に基づき、現在地から目的地までの経路、予測走行距離および予測利用時間などを算出し、予測料金を算出する。料金予測部2aは、算出した予測料金を情報処理装置1に送信する。
【0022】
このような情報処理システムによれば、予測値情報取得部1bにより、情報処理装置2から受信したタクシーの予測料金を含む、タクシーの利用に関する予測値情報が取得されて記憶部1aに格納される。計測値情報取得部1cにより、タクシーの利用中に計測された計測値情報が取得される。要求部1dにより、計測値情報取得部1cが取得した計測値情報と記憶部1aに記憶された予測値情報とに基づいて、予測料金の再取得が情報処理装置2に要求される。
【0023】
このように、情報処理装置1は、予測値情報を取得した後も、予測値情報と実際の走行で計測された計測値情報とを比較し、情報処理装置2による予測の正しさを確認する。そして、予測が実測と異なる、または、異なる可能性が高い場合には、予測料金の再取得を情報処理装置2に要求する。これにより、予測料金を再取得するタイミングを容易に判断可能となる。特に、タクシー料金は、その時の道路状況によって変動し得る。このようにして予測料金の再取得を促せば、その時の状況に応じた適正な予測料金を容易に取得可能となる。
【0024】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の情報処理システムを示す図である。この情報処理システムは、タクシー10、決済連携装置200、決済サーバ装置300および携帯端末装置400を含む。決済連携装置200と決済サーバ装置300は、ネットワーク20を介して接続されている。タクシー10と携帯端末装置400は、無線で基地局30に接続されている。基地局30は、ネットワーク20に接続されており、タクシー10および携帯端末装置400は、基地局30およびネットワーク20を介して決済連携装置200にアクセスできる。なお、ネットワーク20に接続された基地局は、基地局30以外にも複数存在している。タクシー10および携帯端末装置400は、移動中であっても、現在のエリアで無線通信を制御する基地局に通信先を切り替えて、通信を継続できる。
【0025】
タクシー10は、通信装置11、コントロールボックス12、ナビゲーション装置13、ETC(登録商標)(Electronic Toll Collection)装置14およびメータ装置100を有する。
【0026】
通信装置11は、アンテナ11aを介して基地局30と無線通信する。通信装置11は、基地局30から受信したデータをコントロールボックス12に出力する。通信装置11は、コントロールボックス12から取得したデータを基地局30に送信する。
【0027】
コントロールボックス12は、通信装置11およびメータ装置100に接続されている。コントロールボックス12は、通信装置11およびメータ装置100の間のデータ通信を中継する。
【0028】
ナビゲーション装置13は、GPS(Global Positioning System)機能を利用して、タクシーの位置情報や、目的地までの予測走行距離、予測到着時刻および予測利用時間(目的地までの所要時間)などの各種情報を取得する機能を有している。また、ナビゲーション装置13は、取得した位置情報を、ナビゲーション装置13が備えるモニタ上に表示する。更に、ナビゲーション装置13は、取得した情報をメータ装置100に出力する。
【0029】
ETC装置14は、電子料金収受システムに用いる端末装置である。ETC装置14は、有料道路の料金所に設けられた通信機と通信して、有料道路の利用額を取得する。ETC装置14は、取得した利用額をメータ装置100に出力する。
【0030】
メータ装置100は、タクシーの利用時間、走行距離およびタクシー料金を計測する機能を有する情報処理装置である。また、メータ装置100は、ナビゲーション装置13からタクシーの位置情報や予測情報を取得する。更に、メータ装置100は、ETC装置14から有料道路の利用額を取得する。メータ装置100は、これらの情報に基づいて、決済連携装置200に、タクシーの料金予測を要求する。
【0031】
決済連携装置200は、決済サーバ装置300におけるタクシー料金の決済処理を仲介する情報処理装置である。決済連携装置200は、タクシー会社に設置される。ここで、以下の説明では、決済にクレジットカードを利用する場合を例示する。ただし、決済方法として、銀行口座からの引き落としによる方法やデビッドカードによる方法などを用いてもよい。
【0032】
決済連携装置200は、タクシー10からの要求に応じてタクシーの料金予測を行う。決済連携装置200は、当該予測料金につき、決済サーバ装置300からクレジットカードによる支払枠を予め確保しておく。ここで、支払枠とは、タクシー料金の支払のために確保される与信枠である。決済連携装置200は、タクシー10からタクシー料金の決済指示を受けると、決済サーバ装置300に決済処理を依頼する。
【0033】
決済サーバ装置300は、タクシー料金の決済を行う情報処理装置である。決済サーバ装置300は、クレジットカード会社に設置される。
携帯端末装置400は、タクシーの利用者が所持する携帯型の情報処理装置である。携帯端末装置400としては、例えば、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)およびラップトップ型パーソナルコンピュータなどが考えられる。
【0034】
図3は、メータ装置のハードウェア例を示す図である。メータ装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、NVRAM(Non Volatile RAM)104、グラフィックインタフェース105、モニタ105a、入力インタフェース106、操作ボタン106a、料金メータ106b、出力インタフェース107、プリンタ107a、通信インタフェース108および通信ポート108a,108b,108cを有する。
【0035】
CPU101は、OS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムを実行して、メータ装置100全体を制御する。
ROM102は、メータ装置100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)プログラムなどの所定のプログラムを記憶する。ROM102は、書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。
【0036】
RAM103は、CPU101が実行するOSプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM103は、CPU101の処理に用いられるデータの少なくとも一部を一時的に記憶する。
【0037】
NVRAM104は、OSプログラムやアプリケーションプログラムを記憶する。また、NVRAM104は、CPU101の処理に用いられるデータを記憶する。
グラフィックインタフェース105は、モニタ105aに接続される。グラフィックインタフェース105は、CPU101からの命令に従って、料金や時刻などの情報をモニタ105aに表示させる。
【0038】
入力インタフェース106は、操作ボタン106aおよび料金メータ106bに接続される。入力インタフェース106は、各デバイスから送られる入力情報をCPU101に出力する。具体的には、操作ボタン106aで受け付けた操作内容を示す情報をCPU101に出力する。また、料金メータ106bが計測したタクシー10の走行距離、利用時間および利用料金をCPU101に出力する。ここで、料金メータ106bは、ETC装置14から有料道路の利用額を取得し、タクシー料金に当該利用額を加算する。
【0039】
出力インタフェース107は、プリンタ107aに接続される。出力インタフェース107は、CPU101から受信した出力情報をプリンタ107aに出力する。プリンタ107aは、出力情報に基づいて、タクシー10の利用者に渡す領収書を印刷する。
【0040】
通信インタフェース108は、コントロールボックス12、ナビゲーション装置13およびETC装置14との通信を行う。通信インタフェース108は、通信ポート108a,108b,108cと接続されている。通信ポート108aは、コントロールボックス12と接続されている。通信ポート108bは、ナビゲーション装置13と接続されている。通信ポート108cは、ETC装置14と接続されている。通信インタフェース108の規格としては、例えば、RS−232c(Recommended Standard 232C)を利用できる。
【0041】
メータ装置100は、通信インタフェース108、コントロールボックス12および通信装置11を介して、決済連携装置200との通信を行う。
図4は、決済連携装置のハードウェア例を示す図である。決済連携装置200は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD(Hard Disk Drive)204、グラフィックインタフェース205、入力インタフェース206、ディスクドライブ207および通信インタフェース208を有する。
【0042】
CPU201は、OSプログラムやアプリケーションプログラムを実行して、決済連携装置200全体を制御する。
ROM202は、決済連携装置200の起動時に実行されるBIOSプログラムなどの所定のプログラムを記憶する。ROM202は、書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。
【0043】
RAM203は、CPU201が実行するOSプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM203は、CPU201の処理に用いられるデータの少なくとも一部を一時的に記憶する。
【0044】
HDD204は、OSプログラムやアプリケーションプログラムを記憶する。また、HDD204は、CPU201の処理に用いられるデータを記憶する。なお、HDD204に代えて(または、HDD204と併せて)、SSD(Solid State Drive)など他の種類の不揮発性の記憶装置を用いてもよい。
【0045】
グラフィックインタフェース205は、モニタ21に接続される。グラフィックインタフェース205は、CPU201からの命令に従って、画像をモニタ21に表示させる。
入力インタフェース206は、キーボード22やマウス23などの入力デバイスに接続される。入力インタフェース206は、入力デバイスから送られる入力信号をCPU201に出力する。
【0046】
ディスクドライブ207は、記録媒体24に格納されたデータを読み取る読取装置である。記録媒体24には、例えば、決済連携装置200に実行させるプログラムが記録されている。決済連携装置200は、例えば、記録媒体24に記録されたプログラムを実行することで、後述するような機能を実現できる。
【0047】
記録媒体24としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリを使用できる。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−R/RW/RAMなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。半導体メモリには、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのフラッシュメモリがある。
【0048】
通信インタフェース208は、ネットワーク20に接続される。通信インタフェース208は、ネットワーク20を介して決済サーバ装置300との通信を行う。通信インタフェース208は、ネットワーク20および基地局30を介して通信装置11および携帯端末装置400との通信を行う。
【0049】
なお、決済サーバ装置300および携帯端末装置400も決済連携装置200と同様のハードウェア構成により実現できる。ただし、携帯端末装置400は、基地局30と無線通信するためのデバイスを備えている。
【0050】
図5は、メータ装置の機能を示すブロック図である。メータ装置100は、制御情報記憶部110、通信制御部120、料金処理部130、データ連携部140および料金予測要求部150を有する。これらのユニットの機能は、CPU101が所定のプログラムを実行することにより、メータ装置100上に実現される。ただし、これらのユニットの機能の全部または一部を専用のハードウェアで実装してもよい。
【0051】
制御情報記憶部110は、制御情報を記憶する。制御情報には、利用管理テーブル、予測データおよび計測データが含まれる。利用管理テーブルは、タクシー利用に関する情報を管理するためのデータであり、出発地や目的地などを管理する。予測データは、決済連携装置200から取得した予測料金およびナビゲーション装置13が予測した情報を含む予測値情報である。計測データは、実測した料金、利用時間および走行距離などを含む計測値情報である。
【0052】
通信制御部120は、コントロールボックス12との通信を制御する。通信制御部120は、コントロールボックス12を介して決済連携装置200から受信した予測料金を料金処理部130に出力する。通信制御部120は、料金予測要求部150から取得した料金予測の要求を、コントロールボックス12を介して決済連携装置200に送信する。
【0053】
料金処理部130は、コントロールボックス12から取得した予測料金を制御情報記憶部110に記録する。また、料金処理部130は、タクシー10が目的地に到着した際に、決済連携装置200と連携して、タクシー料金の決済処理を行う。
【0054】
データ連携部140は、ナビゲーション装置13および料金メータ106bから予測値情報や計測値情報を取得する。データ連携部140は、予測値記録部141および計測値記録部142を有する。
【0055】
予測値記録部141は、ナビゲーション装置13が予測した情報を取得して、制御情報記憶部110に記録する。ナビゲーション装置13が予測した情報とは、予測走行距離、予測利用時間および予測中継地点などの情報である。
【0056】
計測値記録部142は、ナビゲーション装置13および料金メータ106bが計測した情報を取得して、制御情報記憶部110に格納する。ナビゲーション装置13が計測した情報とは、タクシー10の現在の位置情報である。料金メータ106bが計測した情報とは、現時点のタクシー料金、走行距離および利用時間などの情報である。
【0057】
料金予測要求部150は、決済連携装置200に料金予測を要求する。料金予測を要求するのは、次のタイミングである。第1に、利用者がタクシー10に乗車して、ナビゲーション装置13で目的地が指定されたタイミングである。第2に、制御情報記憶部110に記憶された制御情報に基づいたタイミングである。当該第2のタイミングは、予測データと計測データとの比較結果や、利用管理テーブルに設定された情報などに基づいて検出される。料金予測要求部150は、料金予測を要求するとき、タクシー10の現在位置の情報や目的地の情報を含む位置情報を当該要求に含める。
【0058】
図6は、決済連携装置の機能を示すブロック図である。決済連携装置200は、管理情報記憶部210、通信制御部220、料金予測部230および決済処理部240を有する。これらのユニットの機能は、CPU201が所定のプログラムを実行することにより、メータ装置100上に実現される。ただし、これらのユニットの機能の全部または一部を専用のハードウェアで実装してもよい。
【0059】
管理情報記憶部210は、管理情報を記憶する。管理情報は、決済テーブルおよび予測料金テーブルを含む。決済テーブルは、利用者の決済方法を管理するためのデータである。予測料金テーブルは、タクシーごとに予測料金を管理するためのデータである。
【0060】
また、管理情報記憶部210は、料金予測部230がタクシー料金の予測を行うために用いる各種データを記憶する。具体的には、タクシー10の初乗り料金、所定の利用時間および走行距離に応じた課金額、時間帯に応じた料金設定(例えば、深夜であれば3割増しなど)および地図情報などを記憶する。
【0061】
通信制御部220は、通信装置11との通信を制御する。通信制御部220は、通信装置11から受信した料金予測の要求を料金予測部230に出力する。通信制御部220は、当該要求に応じた予測料金を料金予測部230から取得し、通信装置11に送信する。
【0062】
料金予測部230は、通信制御部220から取得した料金予測の要求に応じて、管理情報記憶部210を参照し、タクシー料金を予測する。料金予測部230は、予測料金を管理情報記憶部210に記録する。
【0063】
決済処理部240は、決済サーバ装置300との間でクレジットカードによるタクシー料金の決済を行う。決済処理部240は、タクシー10が目的地に到着する前に、決済サーバ装置300から予測料金に対応する支払枠を事前に確保しておく。
【0064】
また、決済処理部240は、Webサーバ機能を有しており、携帯端末装置400が備えるブラウザ410からのWebアクセスを受け付ける。決済処理部240は、ブラウザ410に対して、利用者による決済方法の入力や、決済指示の入力を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)の情報を送信する。利用者は、当該GUIを操作して、決済処理部240に決済情報の入力を行える。
【0065】
図7は、利用管理テーブルのデータ構造例を示す図である。利用管理テーブル111は、制御情報記憶部110に記憶される。利用管理テーブル111には、ユーザID(IDentifier)、車番、出発時刻、出発地、中継地、目的地および支払枠の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、タクシーの利用に関する情報を示す。
【0066】
ユーザIDの項目には、利用者の識別情報が設定される。車番の項目には、タクシー車両の識別番号が設定される。出発時刻の項目には、タクシーの利用を開始した時刻が設定される。出発地の項目には、出発地の位置情報が設定される。中継地の項目には、中継地の位置情報が設定される。目的地の項目には、目的地の位置情報が設定される。支払枠の項目には、確保済の支払枠の額が設定される。
【0067】
例えば、利用管理テーブル111には、ユーザIDが“U001”、車番が“C001”、出発時刻が“18:00:00”、出発地が“(35,132)”、中継地が“(36,134)”目的地が“(38,135)”、支払枠が“4600円”という情報が設定される。
【0068】
これは、タクシー10(車番“C001”)にユーザID“U001”で示される利用者が乗車中であること、出発時刻18時00分00秒に、北緯35度、東経132度の地点を出発したことを示す。また、通過が予測される中継地として、北緯36度、東経134度の地点が登録されていることを示す。また、目的地が北緯38度、東経135度の地点であることを示す。更に、当該利用者のクレジットカードにつき、タクシー料金の支払用に4600円の支払枠を確保済であることを示す。
【0069】
なお、位置情報は、上述の例より更に詳細に管理可能である。例えば、度分秒まで管理することもできる(以下で説明する位置情報に関しても同様)。
図8は、予測データの例を示す図である。予測データ112は、制御情報記憶部110に記憶される。予測データ112には、予測料金、予測到着時刻(中継地)、予測到着時刻(目的地)、予測利用時間(中継地)、予測利用時間(目的地)、予測走行距離(中継地)および予測走行距離(目的地)のデータが含まれる。
【0070】
予測料金は、目的地までのタクシー料金の予測である。
予測到着時刻(中継地)は、中継地に到着する予測時刻である。例えば、予測到着時刻(中継地)には、“18:15:00”(18時15分00秒)という情報が設定される。
【0071】
予測到着時刻(目的地)は、目的地に到着する予測時刻である。例えば、予測到着時刻(目的地)には、“18:30:00”(18時30分00秒)という情報が設定される。
【0072】
予測利用時間(中継地)は、中継地までのタクシー10の予測利用時間である。例えば、予測利用時間(中継地)には、“15分”という情報が設定される。
予測利用時間(目的地)は、目的地までのタクシー10の予測利用時間である。例えば、予測利用時間(目的地)には、“30分”という情報が設定される。
【0073】
予測利用時間(中継地)および予測利用時間(目的地)のデータは、利用管理テーブル111に設定された出発時刻と、予測データ112に設定された予測到着時刻(中継地)および予測到着時刻(目的地)との時間差により求めてもよい。
【0074】
予測走行距離(中継地)は、中継地までのタクシー10の予測走行距離である。例えば、予測走行距離(中継地)には、“20km”という情報が設定される。
予測走行距離(目的地)は、目的地までのタクシー10の予測走行距離である。例えば、予測走行距離(目的地)には、“40km”という情報が設定される。
【0075】
図9は、計測データの例を示す図である。計測データ113は、制御情報記憶部110に記憶される。計測データ113は、現在位置、現在時刻、料金および走行距離のデータが含まれる。
【0076】
現在位置は、タクシー10の現在位置である。例えば、現在位置には、“(37,134)”(北緯37度、東経134度)という情報が設定される。
現在時刻は、現在の時刻である。例えば、現在時刻には、“18:20:00”(18時20分00秒)という情報が設定される。
【0077】
料金は、計測されたタクシー料金である。例えば、料金には、“1200円”という情報が設定される。
走行距離は、計測されたタクシー10の走行距離である。例えば、走行距離には“15km”という情報が設定される。
【0078】
図10は、決済テーブルのデータ構造例を示す図である。決済テーブル211は、管理情報記憶部210に記憶される。決済テーブル211には、ユーザID、決済情報、支払枠およびメールアドレスの項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1ユーザの情報を示す。
【0079】
ユーザIDの項目には、利用者の識別情報が設定される。決済情報の項目には、決済処理に用いる情報が設定される。決済情報の項目には、クレジットカードで決済をするための情報として、カード番号、有効期限および名義の項目が更に設けられている。カード番号の項目には、カード番号が設定される。有効期限の項目には、当該カードの有効期限が設定される。名義の項目には、当該カードの名義人が設定される。支払枠の項目には、確保済の支払枠が設定される。メールアドレスの項目には、利用者に通知を行う時に用いる電子メールのアドレスが設定される。
【0080】
例えば、決済テーブル211には、ユーザIDが“U001”、カード番号が“012345”、有効期限が“2015/10/01”、名義が“Taro”、支払枠が“4600”、メールアドレスが“taro@xxx”という情報が設定される。
【0081】
これは、ユーザID“U001”で示される利用者のクレジットカードとして、カード番号“012345”、有効期限2015年10月1日、名義“Taro”のカードが登録済であることを示す。また、当該クレジットカードに対して、4600円の支払枠を確保済であることを示す。更に、支払枠確保や決済完了などの通知をtaro@xxx宛に電子メールで通知することを示す。
【0082】
決済テーブル211には、利用者1人に対して、複数枚のクレジットカードを登録することもできる。例えば、ユーザID“U002”の利用者に対しては、2枚のクレジットカードが登録されている。
【0083】
なお、上述したように本実施の形態では、クレジットカードで決済する場合を例示している。一方、銀行口座からの振込やデビッドカードで決済してもよい。その場合には、決済情報に銀行口座の情報(口座番号、支店名および名義など)を登録することが考えられる。更に、利用者1人に対して、クレジットカードと銀行振込を組み合わせるなど、複数種類の決済方法を登録してもよい。
【0084】
図11は、予測料金テーブルのデータ構造例を示す図である。予測料金テーブル212は、管理情報記憶部210に記憶される。予測料金テーブル212には、車番および予測料金の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1台のタクシーに関する予測料金の情報を示す。
【0085】
車番の項目には、タクシー車両の識別番号が設定される。予測料金の項目には、当該タクシーの予測料金が設定される。
例えば、予測料金テーブル212には、車番が“C001”、予測料金が“4600円”という情報が設定される。これは、タクシー10(車番“C001”)に対して、予測料金4600円が取得されていることを示す。
【0086】
次に、以上の構成の情報処理システムの処理手順を説明する。
図12は、乗車時の処理を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0087】
[ステップS11]ナビゲーション装置13は、目的地の設定を受け付ける。ここで、タクシーの運転手は、ナビゲーション装置13に設けられた操作部を操作して、目的地などの情報をナビゲーション装置13に入力できる。ナビゲーション装置13は、目的地の位置情報を取得する。
【0088】
[ステップS12]ナビゲーション装置13は、GPSによる現在地の位置情報の測定を行う。
[ステップS13]ナビゲーション装置13は、現在地から目的地までの経路を測定する。
【0089】
[ステップS14]ナビゲーション装置13は、目的地に到着する時刻および目的地までの走行距離を予測する。ナビゲーション装置13は、現在時刻と予測到着時刻から、予測利用時間を算出する。また、ナビゲーション装置13は、中継地の位置情報を取得する。例えば、ナビゲーション装置13は、現在地から目的地までの経路のうち、予測走行距離が半分になる地点を中継地として、位置情報を取得する。そして、中継地に関しても予測到着時刻や予測走行距離などを算出する。
【0090】
[ステップS15]ナビゲーション装置13は、予測した情報を予測値記録部141に出力する。予測値記録部141は、ナビゲーション装置13が予測した情報を取得して、制御情報記憶部110に記録する。具体的には、利用管理テーブル111に出発地、目的地および中継地の位置情報を設定する。また、予測データ112(予測料金を除く)を記録する。
【0091】
[ステップS16]料金予測要求部150は、通信制御部120を介して、決済連携装置200に料金予測要求を送信する。予測値記録部141は、利用管理テーブル111を参照して、ユーザID、車番、現在地と目的地との位置情報を、当該要求に含める。
【0092】
[ステップS17]料金処理部130は、通信制御部120を介して、決済連携装置200からステップS16の料金予測要求に応じた予測料金を受信する。料金処理部130は、受信した予測料金を予測データ112として記録する。
【0093】
[ステップS18]料金処理部130は、決済連携装置200から受信した予測料金をモニタ105aに表示させる。料金処理部130は、利用者に対し、携帯端末装置400で支払枠確保のための操作を行う旨の指示を、モニタ105aに表示させる。
【0094】
このようにして、メータ装置100は、利用者の乗車時に、ナビゲーション装置13が計測した位置情報や目的地までの予測値情報を取得する。そして、メータ装置100は、決済連携装置200に位置情報などを送信して、料金予測を要求する。メータ装置100は、当該要求に応じて、決済連携装置200から予測料金を受信する。
【0095】
なお、ステップS14では、出発地から目的地までの経路のうち、予測走行距離が半分になる地点を中継地とする旨を例示したが、その他の地点を中継地としてもよい。
次に、決済連携装置200における料金予測処理の手順を説明する。
【0096】
図13は、料金予測処理を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]料金予測部230は、タクシー10から、通信制御部220を介して料金予測要求を受信する。
【0097】
[ステップS22]料金予測部230は、当該要求に含まれるタクシー10の現在地および目的地の位置情報から、現在地から目的地に至る経路や走行時間を算出して、料金予測を行う。料金の算出方法は、タクシー会社が用いる既定の方法を利用できる。例えば、時間距離併用運賃制などによる算出方法を利用できる。また、料金予測では、現在の時間帯や経路に含まれる有料道路などを考慮する。例えば、現在の時間帯が深夜であれば3割増で課金する。経路に有料道路が含まれれば、その有料道路の利用額を課金する。なお、料金予測部230が料金予測の際に利用する情報(料金の算出方法や地図情報など)は、上述したように管理情報記憶部210に予め格納される。更に、料金予測部230は、取得した要求に現時点までの実料金が含まれる場合には、この実料金も加算して予測料金を求める。
【0098】
[ステップS23]料金予測部230は、求めた予測料金を管理情報記憶部210に記憶された予測料金テーブル212に記録する。
[ステップS24]料金予測部230は、通信制御部220を介して、タクシー10に予測料金を送信する。
【0099】
このようにして、決済連携装置200は、メータ装置100からの要求に応じて料金予測を行い、求めた予測料金をメータ装置100に応答する。
なお、上記ステップS22において、料金予測部230は、予測により求めた料金に、所定の額を加算して予測料金としてもよい。例えば、予測により求めた料金に対し、当該料金の所定割合(例えば、20%)を更に加算して予測料金としてもよい。予め多めに予測しておくことで、料金予測が発生する頻度を調整できる。例えば、再予測の頻度が高まるのを抑制できる。
【0100】
次に、決済連携装置200による支払枠確保処理の手順を説明する。
図14は、支払枠確保処理を示すフローチャートである。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0101】
[ステップS31]決済処理部240は、携帯端末装置400からブラウザ410によるアクセスを受け付ける。決済処理部240は、ユーザ認証用のGUI情報をブラウザ410に送信する。利用者は、当該GUIを操作して、ユーザIDやパスワードによるユーザ認証を行い、システムの利用画面にログインする。当該ログインが成功すると、決済処理部240は、利用者に車番を入力させるためのGUI情報をブラウザ410に送信する。
【0102】
[ステップS32]決済処理部240は、ブラウザ410から車番を受信する。
[ステップS33]決済処理部240は、車番に基づいて、管理情報記憶部210に記憶された予測料金テーブル212を参照し、対応する予測料金を取得する。この予測料金の額が、事前に確保すべき支払枠である。決済処理部240は、当該予測料金を表示させるためのGUI情報をブラウザ410に送信する。このGUIには、決済情報を入力するためのフォームも含まれる。ユーザは、当該GUIを操作して、自身が所持するクレジットカードの番号、有効期限および名義などの情報を入力できる。
【0103】
[ステップS34]決済処理部240は、ブラウザ410から決済情報を受信する。決済処理部240は、管理情報記憶部210に記憶された決済テーブル211に当該決済情報を登録する。
【0104】
[ステップS35]決済処理部240は、当該決済情報に基づいて、決済サーバ装置300に与信限度枠を問い合わせる。
[ステップS36]決済処理部240は、未確保分の支払枠が与信限度枠内であるか否かを判定する。与信限度枠以内である場合、処理をステップS37に進める。与信限度枠を超過している場合、処理をステップS38に進める。
【0105】
[ステップS37]決済処理部240は、支払枠の確保を決済サーバ装置300に依頼する。
[ステップS38]決済処理部240は、支払枠の内、与信限度枠に収まる分(支払枠の一部)の確保を決済サーバ装置300に依頼する。
【0106】
[ステップS39]決済処理部240は、予測料金と確保済の支払枠との差分(未確保分の予測料金)につき、追加で支払枠を確保するために、他の決済情報を追加入力するためのGUI情報をブラウザ410に送信する。
【0107】
[ステップS40]決済処理部240は、他の決済情報が追加入力されたか否かを判定する。追加された場合、当該他の決済情報を決済テーブル211に登録して、処理をステップS41に進める。追加されない場合、処理をステップS42に進める。
【0108】
[ステップS41]決済処理部240は、予測料金の未確保分を算出する。そして、処理をステップS35に進める(ステップS36では予測料金の未確保分について判断する)。
【0109】
[ステップS42]決済処理部240は、確保した支払枠を通知するためのGUI情報をブラウザ410に送信する。また、決済処理部240は、決済テーブル211に設定された当該利用者のメールアドレスに、通知のための電子メールを送信してもよい。更に、決済処理部240は、確保した支払枠をタクシー10に送信する。料金処理部130は、当該支払枠を受信し、制御情報記憶部110に記憶された利用管理テーブル111に記録する。
【0110】
このようにして、決済連携装置200は、決済サーバ装置300から予測料金に相当する額について、事前に支払枠の確保を試みる。これにより、降車時にクレジットカードの与信限度枠が不足する事態を防止でき、降車時に円滑に決済を行える。
【0111】
なお、ステップS33では、予め登録した決済情報を利用者に選択させることで、当該決済情報を受け付けてもよい。
また、ステップS39では、銀行振込、デビッドカードなど、クレジットカード以外の決済方法を受け付けてもよい。複数の決済方法を適宜選択して利用可能とすることで、利用者の支払方法の自由度が向上し、利用者の利便性を向上できる。
【0112】
また、ステップS42において、未確保分の予測料金がある場合、当該未確保分の予測料金に関しては、他の方法(例えば、現金払いや電子マネーによる支払など)を要する旨を併せて通知してもよい。
【0113】
更に、以降に示す再予測要求処理によって、料金予測が再度行われることもある。その場合、図14で説明した支払枠確保処理を再度行って、支払枠を再度確保する。支払枠を再確保するとき、決済処理部240は、決済サーバ装置300に前回確保分の解除依頼を行う。当該依頼を受けると、決済サーバ装置300は、当該利用者につき、前回確保した支払枠を解除する。
【0114】
次に、メータ装置100によるタクシー料金の再予測要求処理の手順を説明する。
図15は、第2の実施の形態の再予測要求処理を示すフローチャートである。以下、図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0115】
[ステップS51]計測値記録部142は、ナビゲーション装置13および料金メータ106bから取得した計測データ113を制御情報記憶部110に記録する。計測値記録部142は、数秒〜数分の間隔で計測データ113の更新を行う。料金予測要求部150は、計測データ113が更新されると、制御情報記憶部110を参照し、予測データ112に記憶された予測料金と現在の実料金とを監視して、これらを比較する。
【0116】
[ステップS52]料金予測要求部150は、実料金が予測料金の所定割合である閾値よりも大きいか否かを判定する。実料金が閾値以下の場合、処理をステップS51に進めて実料金の監視を継続する。実料金が閾値よりも大きい場合、処理をステップS53に進める。例えば、閾値は、予測料金の80%〜90%の額とする。
【0117】
[ステップS53]料金予測要求部150は、ナビゲーション装置13に現在地の位置情報を要求する。
[ステップS54]料金予測要求部150は、ナビゲーション装置13から現在地の位置情報を取得し、計測データ113を更新する。
【0118】
[ステップS55]料金予測要求部150は、タクシー料金の再予測要求を決済連携装置200に送信する。予測値記録部141は、利用管理テーブル111を参照して、ユーザID、車番、現在地と目的地との位置情報および、現時点での実料金を、当該要求に含める。
【0119】
[ステップS56]料金処理部130は、通信制御部120を介して、決済連携装置200からステップS55の再予測要求に応じた予測料金を受信する。料金処理部130は、受信した予測料金を予測データ112として記録する。
【0120】
[ステップS57]料金処理部130は、決済連携装置200から受信した予測料金をモニタ105aに表示させる。料金処理部130は、利用者に対し、携帯端末装置400で支払枠確保のための操作を行う旨の指示を、モニタ105aに表示させる。
【0121】
このようにして、メータ装置100は、計測された実料金が予測料金の所定割合よりも大きくなった場合に、タクシー料金の再予測を決済連携装置200に要求する。ここで、ステップS52に示した所定割合を100%としてもよい。その場合には、実料金が予測料金よりも大きくなった場合に再予測処理が行われる。
【0122】
なお、ステップS54で料金予測要求部150は、ナビゲーション装置13に位置情報を要求するようにしたので、最新の位置情報により再予測要求を行える。
また、再度料金予測が行われた後、利用者は、携帯端末装置400で支払枠の確保のための操作を行う。決済連携装置200は、図14に示した支払枠の確保のための手順を再度行い、再度予測された料金で支払枠を再確保する。
【0123】
次に、降車時の処理手順を説明する。
図16は、降車時の処理を示すフローチャートである。以下、図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0124】
[ステップS61]計測値記録部142は、利用者が降車する旨を示す操作入力を受け付けると(例えば、操作ボタン106aの降車ボタンの押下)、料金メータ106bから現在の実料金を取得し、制御情報記憶部110に記憶された計測データ113を更新する。料金処理部130は、制御情報記憶部110に記憶された利用管理テーブル111を参照して、当該実料金が支払枠以下であるか否かを判定する。支払枠以下である場合、処理をステップS63に進める。支払枠よりも大きい場合、処理をステップS62に進める。
【0125】
[ステップS62]料金処理部130は、支払枠を超過した分について、現金払いが完了した旨の操作入力を受け付ける(例えば、操作ボタン106aの支払完了ボタンの押下)。なお、現金払いに限らず、電子マネーやタクシー券など他の方法での支払でも同様である。
【0126】
[ステップS63]料金処理部130は、プリンタ107aに領収書を印字させる。
[ステップS64]料金処理部130は、支払が完了した旨の通知を、通信制御部120を介して、決済連携装置200に送信する。これにより、決済連携装置200と決済サーバ装置300との間で支払枠での決済処理が行われる。
【0127】
[ステップS65]料金処理部130は、決済連携装置200から決済が完了した旨の通知を受信する。
このようにして、メータ装置100は、実料金が支払枠内であれば、即座に決済依頼を行える。利用者は、領収書を受け取って直ちに降車でき、タクシーの運転手にクレジットカードを渡して決済したり、貨幣をやりとりしたりする手間が省ける。よって、利用者は、スムーズに降車できる。
【0128】
また、実料金が支払枠を超過しても、不足分につき他の方法での支払が済まされたことを確認して、決済依頼を行える。利用者は、不足分についての支払を行えばよいので、例えば所持している現金が少ない場合でも、安心してタクシー10を利用できる。
【0129】
次に、各装置間の処理の流れを具体的に説明する。
図17は、乗車後から支払枠の確保までを示すシーケンス図である。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0130】
[ステップST101]ナビゲーション装置13は、目的地の入力を受け付けると、現在地、中継地、目的地の位置情報および、予測した情報(予測走行距離など)をメータ装置100に出力する。メータ装置100は、ナビゲーション装置13からこれらの情報を取得し、制御情報記憶部110に記憶された利用管理テーブル111および予測データ112に記録する。
【0131】
[ステップST102]メータ装置100は、コントロールボックス12、通信装置11を介して、決済連携装置200に料金予測要求を送信する。決済連携装置200は、料金予測要求を受信する。
【0132】
[ステップST103]決済連携装置200は、料金予測要求に基づいて料金予測を行う。決済連携装置200は、通信装置11およびコントロールボックス12を介して、予測料金をメータ装置100に送信する。メータ装置100は、予測料金をモニタ105aに表示させる。当該表示には、タクシー利用者に支払枠確保の操作を促す指示が含まれる。
【0133】
[ステップST104]携帯端末装置400は、決済連携装置200にWebアクセスする。決済連携装置200は、携帯端末装置400から受信したユーザIDやパスワードに基づいて、ユーザ認証を行う。ユーザ認証が成功すると、携帯端末装置400からシステムを利用可能となる(システムログイン)。
【0134】
[ステップST105]決済連携装置200は、決済情報を入力するためのGUI情報を携帯端末装置400に送信する。携帯端末装置400は、当該GUI情報を受信する。
[ステップST106]携帯端末装置400は、当該GUIに利用者が入力した決済情報を決済連携装置200に送信する。決済連携装置200は、決済情報を受信する。
【0135】
[ステップST107]決済連携装置200は、決済情報に基づいて、予測料金分の支払枠の確保依頼(決済情報を含む)を決済サーバ装置300に送信する。決済サーバ装置300は、当該依頼に基づいて、当該利用者のクレジットカードにつき支払枠を確保する。
【0136】
[ステップST108]決済サーバ装置300は、支払枠の確保に成功した旨を決済連携装置200に応答する。
[ステップST109]決済連携装置200は、支払枠が確保されたことを携帯端末装置400に通知する。通知方法は、携帯端末装置400のブラウザ410上でメッセージを表示させたり、決済テーブル211に設定された当該ユーザのメールアドレスにメッセージ(電子メール)を送信したりすることが考えられる。
【0137】
[ステップST110]決済連携装置200は、支払枠が確保されたことを通信装置11およびコントロールボックス12を介して、メータ装置100に通知する。メータ装置100は、当該利用者に対して確保された支払枠の額を利用管理テーブル111に記録する。
【0138】
次に、タクシー10の利用中の処理の流れを説明する。
図18は、実料金の超過検知後から支払枠の確保までを示すシーケンス図である。以下、図18に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0139】
[ステップST111]メータ装置100は、予測データ112および計測データ113を監視し、実料金が予測料金の所定割合よりも大きくなったことを検知する。
[ステップST112]メータ装置100は、ナビゲーション装置13に現在位置を計測するよう要求する。
【0140】
[ステップST113]ナビゲーション装置13は、当該要求に応じて現在位置を計測し、現在位置を示す位置情報を取得して、メータ装置100に応答する。
[ステップST114]メータ装置100は、コントロールボックス12および通信装置11を介して、タクシー料金の再予測要求を、決済連携装置200に送信する。決済連携装置200は、再予測要求を受信する。
【0141】
[ステップST115]決済連携装置200は、再予測要求に基づいて、再度料金予測を行う。決済連携装置200は、通信装置11およびコントロールボックス12を介して、予測料金をメータ装置100に送信する。メータ装置100は、予測料金をモニタ105aに表示させる。当該表示には、タクシー利用者に支払枠確保の操作を再度行うよう促す指示が含まれる。
【0142】
[ステップST116]携帯端末装置400は、決済連携装置200にWebアクセスする。携帯端末装置400は、決済連携装置200に入力されたユーザIDやパスワードに基づいて、ユーザ認証を行う。ユーザ認証が成功して、決済連携装置200は、当該システムへログインする。
【0143】
[ステップST117]決済連携装置200は、決済情報を入力するためのGUI情報を携帯端末装置400に送信する。携帯端末装置400は、当該GUI情報を受信する。
[ステップST118]携帯端末装置400は、当該GUIに利用者が入力した決済情報を決済連携装置200に送信する。決済連携装置200は、決済情報を受信する。
【0144】
[ステップST119]決済連携装置200は、決済情報に基づいて、予測料金分の支払枠の確保依頼(決済情報を含む)を決済サーバ装置300に送信する。決済サーバ装置300は、当該利用者につき確保済の支払枠がある場合には、その支払枠を解除する。決済サーバ装置300は、当該依頼に基づいて、当該利用者のクレジットカードにつき支払枠を確保する。
【0145】
[ステップST120]決済サーバ装置300は、支払枠の確保に成功した旨を決済連携装置200に応答する。
[ステップST121]決済連携装置200は、支払枠が確保されたことを携帯端末装置400に通知する。通知方法は、携帯端末装置400のブラウザ410上で通知のメッセージを表示させたり、当該ユーザのメールアドレスに通知のメッセージ(電子メール)を送信したりすることが考えられる。
【0146】
[ステップST122]決済連携装置200は、支払枠が確保されたことを通信装置11およびコントロールボックス12を介して、メータ装置100に通知する。メータ装置100は、確保された支払枠の額を利用管理テーブル111に記録する。
【0147】
図19は、降車時の処理を示すシーケンス図である。以下、図19に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップST131]メータ装置100は、制御情報記憶部110に記憶された利用管理テーブル111と計測データ113とを参照して、実料金と支払枠とを比較する。メータ装置100は、実料金が支払枠以下であると判断する。
【0148】
[ステップST132]メータ装置100は、プリンタ107aを用いて領収書を印字する。
[ステップST133]メータ装置100は、コントロールボックス12および通信装置11を介して、決済連携装置200に当該利用者の決済依頼を送信する。
【0149】
[ステップST134]決済連携装置200は、管理情報記憶部210に記憶された決済テーブル211を参照して当該利用者の決済情報を取得する。決済連携装置200は、決済情報に基づいて、決済サーバ装置300に決済処理依頼を送信する。決済サーバ装置300は、決済処理依頼を受信すると、当該利用者のクレジットカードによる決済処理を行う。
【0150】
[ステップST135]決済サーバ装置300は、決済が完了すると、決済完了応答を決済連携装置200に送信する。決済連携装置200は、決済完了応答を受信する。
[ステップST136]決済連携装置200は、通信装置11およびコントロールボックス12を介して、決済完了応答をメータ装置100に送信する。
【0151】
[ステップST137]決済連携装置200は、決済テーブル211に設定された当該利用者のメールアドレスに決済が完了した旨を示すメッセージ(電子メール)を送信する。
【0152】
なお、上記ステップST132の時点で利用者は降車してもよい。その時点で降車したとしても、ステップST137で決済完了通知を送信するようにしたので、決済が行われたことを車外で確認できる。なお、決済完了通知は、決済連携装置200が決済サーバ装置300から決済処理に失敗した旨の通知を受けた際にも、送信することができる。その場合、利用者は、クレジット会社に問い合わせ、失敗した原因を事後的に解消して、決済を完了させることができる。
【0153】
以上で説明したように、メータ装置100は、タクシー10の利用中に実料金が予測料金の所定割合を超える場合に、決済連携装置200に料金の再予測要求を送信する。このため、料金予測を行う決済連携装置200がタクシー会社に設置されていたとしても、決済連携装置200は、適正なタイミングで再予測を行える。具体的には、実料金が現在の予測料金を超過する可能性がある場合、または、超過した場合に、再予測を促す。その結果、利用者に対して、より適正な予測料金を提示可能となる。利用者は、精度の高い予測料金を事前に把握できるので、安心してタクシーを利用できるようになる。
【0154】
また、決済連携装置200は、決済サーバ装置300と連携して、予測料金に対応する支払枠を予め確保しておき、当該支払枠により降車時の決済を行えるようにした。このため、降車時にクレジットカードの操作や貨幣のやり取りを省け、利用者はスムーズに降車できる。
【0155】
以上で示した第2の実施の形態では、予測データ112および計測データ113に含まれる情報のうち、予測料金と実料金との比較を行う場合を例示した。一方、他の情報を比較して、タクシー料金の再予測要求を行ってもよい。以下に示す実施の形態では、他の情報に基づいて再予測要求を行う場合を例示する。
【0156】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を説明する。前述の第2の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項に関しては説明を省略する。
【0157】
第3の実施の形態では、予測データ112および計測データ113に記録されたデータのうち、予測到着時刻および現在時刻を比較する場合を例示する。
図20は、第3の実施の形態の再予測要求処理を示すフローチャートである。以下、図20に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、ステップS53〜S57は、図15で説明した第2の実施の形態の再予測要求処理と同一であるため、説明を省略する。
【0158】
[ステップS51a]料金予測要求部150は、予測データ112に含まれる予測到着時刻(目的地)と現在時刻とを監視して、これらを比較する。
[ステップS52a]料金予測要求部150は、現在時刻が予測到着時刻(目的地)を超過したか否かを判定する。現在時刻が予測到着時刻(目的地)以内である場合、処理をステップS51aに進めて、時刻の監視を継続する。現在時刻が予測到着時刻(目的地)を超過した場合、処理をステップS53に進める。
【0159】
このように、料金予測要求部150は、時刻を監視して、決済連携装置200に再予測要求を送信してもよい。
これにより、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0160】
なお、ステップS52aでは、予測到着時刻を超過した場合としたが、例えば、予測到着時刻の数分〜数十分前の時刻を超過した場合に再予測要求を送信してもよい。
また、目的地までの予測到着時刻に限らず、中継地までの予測到着時刻に基づいて、再予測要求を送信してもよい。その場合、上記ステップS51a,S52aの各処理において、“予測到着時刻(目的地)”を“予測到着時刻(中継地)”と読み替えればよい。
【0161】
更に、料金予測要求部150は、予測利用時間を超過したか否かによって、再予測要求を送信してもよい。その場合、ステップS51aにおいて、料金予測要求部150は、現時刻を取得する代わりに、出発時刻から現時刻までの時間(利用時間)を算出する。そして、ステップS52aにおいて、予測利用時間と計測した利用時間とを比較する。更に、利用時間が予測利用時間以下であれば、ステップS51aに進めて監視を継続し、利用時間が予測利用時間よりも大きければ、ステップS53に進める。
【0162】
なお、予測利用時間としては、予測データ112に記録された“予測利用時間(中継地)”および“予測利用時間(目的地)”の何れかを利用できる。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を説明する。前述の第2,第3の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項に関しては説明を省略する。
【0163】
第4の実施の形態では、予測データ112および計測データ113に記録されたデータのうち、予測走行距離および走行距離を比較する場合を例示する。
図21は、第4の実施の形態の再予測要求処理を示すフローチャートである。以下、図21に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、ステップS53〜S57は、図15で説明した第2の実施の形態の再予測要求処理と同一であるため、説明を省略する。
【0164】
[ステップS51b]計測値記録部142は、ナビゲーション装置13および料金メータ106bから計測値により計測データ113を更新する(数秒〜数分間隔)。料金予測要求部150は、計測データ113が更新されると、制御情報記憶部110を参照し、予測データ112に含まれる予測走行距離(目的地)と計測データ113に含まれる走行距離とを比較する。
【0165】
[ステップS52b]料金予測要求部150は、走行距離が予測走行距離(目的地)を超過したか否かを判定する。走行距離が予測走行距離(目的地)以内である場合、処理をステップS51bに進めて、走行距離の監視を継続する。走行距離が予測走行距離(目的地)を超過した場合、処理をステップS53に進める。
【0166】
このように、料金予測要求部150は、走行距離を監視して、決済連携装置200に再予測要求を送信してもよい。
これにより、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0167】
なお、ステップS52bでは、予測走行距離を超過した場合としたが、予測走行距離の所定割合を超過した場合に再予測要求を送信してもよい。
また、目的地までの予測走行距離に限らず、中継地までの予測走行距離に基づいて、再予測要求を送信してもよい。その場合、上記ステップS51b,S52bの各処理において、“予測走行距離(目的地)”を“予測走行距離(中継地)”と読み替えればよい。
【0168】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態を説明する。前述の第2〜第4の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項に関しては説明を省略する。
【0169】
第5の実施の形態では、タクシー10が中継地を通過したか否かにより、再予測要求を送信する場合を例示する。
図22は、第5の実施の形態の再予測要求処理を示すフローチャートである。以下、図22に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、ステップS53〜S57は、図15で説明した第2の実施の形態の再予測要求処理と同一であるため、説明を省略する。
【0170】
[ステップS51c]計測値記録部142は、ナビゲーション装置13および料金メータ106bから計測値により計測データ113を更新する(数秒〜数分間隔)。料金予測要求部150は、計測データ113が更新されると、制御情報記憶部110を参照し、利用管理テーブル111に含まれる中継地の位置情報と計測データ113に含まれる現在地の位置情報とを比較する。
【0171】
[ステップS52c]料金予測要求部150は、タクシー10が中継地付近を通過したか否かを判定する。中継地付近を通過していない場合、処理をステップS51cに進めて、現在位置の監視を継続する。中継地付近を通過した場合、処理をステップS53に進める。中継地付近を通過したか否かは、例えば、中継地の位置座標を中心とした所定範囲内(例えば、数百m〜数kmの範囲内)に現在地の位置座標が含まれるか否かによって判断できる。
【0172】
このように、料金予測要求部150は、現在位置を監視し、中継地を経由したことを検知した時に決済連携装置200に再予測要求を送信してもよい。
これにより、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0173】
なお、中継地は、複数存在していてもよい。
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態を説明する。前述の第2〜第5の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項に関しては説明を省略する。
【0174】
第2〜第5の実施の形態では、予測値と計測値との比較結果に基づいて、タクシー料金の再予測要求を送信する例を示した。これに対し、他のタイミングで再予測要求を送信してもよい。第6の実施の形態では、再予測要求を送信する他のタイミングを例示する。
【0175】
図23は、第6の実施の形態の再予測要求処理を示すフローチャートである。以下、図23に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS71]料金予測要求部150は、以下のステップS72〜S74に示すイベントの発生を監視する。
【0176】
[ステップS72]料金予測要求部150は、通信制御部120を介して、決済連携装置200から再予測要求の送信指示を受信したか否かを判定する。受信した場合、処理をステップS75に進める。受信していない場合、処理をステップS73に進める。
【0177】
[ステップS73]料金予測要求部150は、ナビゲーション装置13で経路の設定変更がされたか否かを判定する。経路変更された場合、処理をステップS75に進める。経路変更されていない場合、処理をステップS74に進める。例えば、料金予測要求部150は、ナビゲーション装置13から経路変更の設定があったことの通知を受けることで、当該イベントの発生を検知できる。
【0178】
[ステップS74]料金予測要求部150は、ナビゲーション装置13で目的地の設定変更がされたか否かを判定する。目的地が変更された場合、処理をステップS75に進める。目的地が変更されていない場合、処理をステップS71に進めて、イベント監視を継続する。
【0179】
[ステップS75]料金予測要求部150は、ナビゲーション装置13に現在地の位置情報を要求する。
[ステップS76]料金予測要求部150は、ナビゲーション装置13から現在地の位置情報を取得し、計測データ113を更新する。
【0180】
[ステップS77]料金予測要求部150は、タクシー料金の再予測要求を決済連携装置200に送信する。予測値記録部141は、利用管理テーブル111を参照して、ユーザID、車番、現在地と目的地との位置情報および、現時点での実料金を、当該要求に含める。
【0181】
[ステップS78]料金処理部130は、通信制御部120を介して、決済連携装置200からステップS77の再予測要求に応じた予測料金を受信する。料金処理部130は、受信した予測料金を予測データ112として記録する。
【0182】
[ステップS79]料金処理部130は、決済連携装置200から受信した予測料金をモニタ105aに表示させる。料金処理部130は、利用者に対し、携帯端末装置400で支払枠確保のための操作を行う旨の指示を、モニタ105aに表示させる。
【0183】
このように、料金予測要求部150は、所定のイベントを検知したときに、料金の再予測要求を送信してもよい。また、上記ステップS71で示したイベント監視は、第2〜第5の実施の形態で示した計測値の監視と並行して行うこともできる。これにより、予測料金を取得するタイミングを更に適正に判断できる。
【0184】
なお、上述した第2〜第6の実施の形態の例では、メータ装置100が予測値と計測値との比較やイベント監視を行うものとしたが、メータ装置100以外の装置がメータ装置100の処理を行ってもよい。例えば、コントロールボックス12が当該処理を行ってもよい。その場合、コントロールボックス12に、制御情報記憶部110、料金処理部130、データ連携部140および料金予測要求部150の各機能を設ける。コントロールボックス12は、ナビゲーション装置13やメータ装置100から予測データ112や計測データ113を取得して、上述したメータ装置100と同様の処理を行うことができる。
【0185】
以上、本発明の情報処理装置、情報処理システムおよび料金管理方法を図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。更に、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0186】
1,2 情報処理装置
1a 記憶部
1b 予測値情報取得部
1c 計測値情報取得部
1d 要求部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の情報処理装置から受信したタクシーの予測料金を含む、前記タクシーの利用に関する予測値情報を取得して記憶部に格納する予測値情報取得部と、
前記タクシーの利用中に計測された計測値情報を取得する計測値情報取得部と、
前記計測値情報取得部が取得した前記計測値情報と前記記憶部に記憶された前記予測値情報とに基づいて、前記予測料金の再取得を前記他の情報処理装置に要求する要求部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記要求部は、前記予測値情報に含まれる予測値より所定の割合だけ小さい閾値よりも、前記計測値情報に含まれる計測値の方が大きくなったことを検知すると、前記再取得を要求する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記要求部は、前記予測値情報に含まれる予測値よりも前記計測値情報に含まれる計測値の方が大きくなったことを検知すると、前記再取得を要求する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記計測値は、現在の前記タクシーの料金であり、
前記要求部は、当該料金と前記予測料金とを比較する、
請求項2または3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記予測値は、前記タクシーによる所定の地点までの予測走行距離であり、
前記計測値は、前記タクシーの走行距離であり、
前記要求部は、当該走行距離と前記予測走行距離とを比較する、
請求項2または3記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記予測値は、前記タクシーによる所定の地点までの予測利用時間であり、
前記計測値は、前記タクシーの利用時間であり、
前記要求部は、当該利用時間と前記予測利用時間とを比較する、
請求項2または3記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予測値情報は、前記タクシーによる所定の地点までの予測到着時刻を含み、
前記計測値情報は、現在時刻であり、
前記要求部は、当該現在時刻と前記予測到着時刻とを比較して、前記現在時刻が前記予測到着時刻を過ぎると、前記再取得を要求する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記予測値情報は、目的地に到着するまでに経由する中継地の位置を示す第1の座標を含み、
前記計測値情報は、前記タクシーの現在位置を示す第2の座標であり、
前記要求部は、前記第1の座標と前記第2の座標とに基づいて、前記タクシーが前記中継地を経由したことを検知すると、前記再取得を要求する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記要求部は、前記タクシーの利用開始時に、前記他の情報処理装置が前記予測料金の計算に用いる位置情報であって現在地および目的地を示す前記位置情報を、前記他の情報処理装置に送信し、その後、前記再取得を要求するとき、現時点における前記位置情報を前記要求とともに送信する、
請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記予測料金は、前記他の情報処理装置が前記タクシーの料金の支払のために確保した与信枠の金額である、
請求項1乃至9の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
タクシーの予測料金を取得して送信する料金予測部、
を備える第1の情報処理装置と、
前記料金予測部が送信した前記予測料金を含む、前記タクシーの利用に関する予測値情報を取得して記憶部に格納する予測値情報取得部と、
前記タクシーの利用中に計測された計測値情報を取得する計測値情報取得部と、
前記計測値情報取得部が取得した前記計測値情報と前記記憶部に記憶された前記予測値情報とに基づいて、前記予測料金の再取得を前記第1の情報処理装置に要求する要求部と、
を備える第2の情報処理装置と、
を有する情報処理システム。
【請求項12】
情報処理装置が実行する料金管理方法であって、
他の情報処理装置から受信したタクシーの予測料金を含む、前記タクシーの利用に関する予測値情報を取得して記憶部に格納し、
前記タクシーの利用中に計測された計測値情報を取得し、
取得した前記計測値情報と前記記憶部に記憶された前記予測値情報とに基づいて、前記予測料金の再取得を前記他の情報処理装置に要求する、
料金管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−12001(P2013−12001A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143679(P2011−143679)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】