説明

情報処理装置、情報処理システム及び情報処理プログラム。

【課題】第1の説明の音と次の第2の説明の音を発生する場合にあって、操作者に説明するにはふさわしくない状態であるにもかかわらず、第2の説明の音を発生させてしまうことを抑制するようにした情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置の受付手段は、操作者又は該操作者の環境に関する属性を受け付け、抽出手段は、属性と、説明と次の説明の間である待機に関する情報である待機情報とが対応付けて記憶された待機情報記憶装置から、前記受け付けられた属性に基づいて、該操作者に対して説明を行う場合における待機情報を抽出し、説明情報記憶手段は、説明情報を記憶し、発生手段は、説明情報を音として発生し、検出手段は、前記操作者の状態を検出し、補正手段は、操作者の状態に基づいて、待機情報を補正し、制御手段は、前記補正手段によって補正された待機情報に基づいて、前記発生手段による説明と次の説明の間を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、利用者に対し、状況に応じて案内情報を提示する装置であって、案内情報を提示すべき時間を表す時間条件タグと、案内情報を提示すべき場所を表す場所条件タグと、案内情報の内容を表す出力情報タグと、前記1又は複数のタグを含むスクリプトを案内情報の出力に関する動作を指示するインストラクションとして表すタグとを少なくとも有する所定の仕様に基づくマークアップ言語で記述され、前記時間条件タグと時間情報との組、前記場所条件タグと場所情報との組、前記出力情報タグと出力すべき案内情報との組を、前記インストラクションを表すタグによってインストラクションの系列としてまとめた案内用スクリプトを入力する手段と、現在時刻及び現在地点の状況を獲得、あるいは仮想的な現在時刻及び仮想的な現在地点の状況を生成する手段と、前記入力した案内用スクリプトに記述されたインストラクションを、状況獲得又は状況生成によって得られた現在時刻及び現在地点に応じて処理し、当該インストラクション中に前記時間条件タグが含まれる場合に、現在時刻がその時間条件タグ内で指定された時間情報に該当するかどうかを判別し、時間情報に該当するときには後続する出力情報タグ内で指定された案内情報を出力することを決定し、当該インストラクション中に前記場所条件タグが含まれる場合に、現在地点がその場所条件タグ内で指定された場所情報に該当するかどうかを判別し、場所情報に該当するときには後続する出力情報タグ内で指定された案内情報を出力することを決定するインストラクション処理手段と、前記インストラクション処理手段によって決定された案内情報を出力し、利用者に提示する手段とを備えることを特徴とする案内情報提示装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、運行データを管理する装置であって、案内情報を提示すべき時間を表す時間条件タグと、案内情報を提示すべき場所を表す場所条件タグと、案内情報の内容を表す出力情報タグと、前記1又は複数のタグを含むスクリプトを案内情報の出力に関する動作を指示するインストラクションとして表すタグとを少なくとも有する所定の仕様に基づくマークアップ言語で記述され、前記時間条件タグと時間情報との組、前記場所条件タグと場所情報との組、前記出力情報タグと出力すべき案内情報との組を、前記インストラクションを表すタグによってインストラクションの系列としてまとめた案内用スクリプトをネットワークで接続された端末から入力する入力手段と、少なくとも時間情報及び場所情報が記載され、時間情報で指定された時間における場所情報で指定された場所の利用の予約の状況を示す情報、又は時間情報で指定された時間における場所情報で指定された場所の状態を示す情報が記載された、経路又は地点又は施設に関するデータを管理する運行管理データベースと、前記入力手段により入力された案内用スクリプトから抽出されたインストラクション毎に、前記インストラクションに含まれる時間情報及び場所情報と、前記運行管理データベースの各データに記載された時間情報及び場所情報とを比較し、一致する場合には前記予約の状況を示す情報又は前記場所の状態を示す情報を結果として取得し、その結果に応じて前記案内用スクリプトの内容を修正する調整手段と、前記調整手段によって得られた案内用スクリプトを前記ネットワークで接続された端末に出力する出力手段とを備えることを特徴とする案内用スクリプトを用いた運行管理装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、店舗が依頼する広告情報を前記店舗毎に識別番号を付与して一括管理する広告提供者設備と、移動体を誘導するナビゲーション端末装置とからなる広告情報提供システムであって、前記広告提供者設備は、前記広告情報をユーザに提供する提供手段と、前記ナビゲーション端末装置から送出される信号を受信する受信手段と、を含み、前記ナビゲーション端末装置は、前記広告情報を入力する入力手段と、前記広告情報に基づいて前記店舗へと移動体を誘導する誘導手段と、前記店舗を含む所定範囲内に到達した際に、前記広告提供者設備に到着告知信号を送出する送出手段と、を含むことを特徴とする広告情報提供システムが開示されている。
【0005】
また、特許文献4には、位置に基づく情報を検索してユーザに提供するためのパーソナル情報システムであって、グローバル・ポジションニング・システム(GPS)データベース中のデータに含まれた情報の種類についての興味を事前に選択することをユーザに可能にする選択手段であって、前記選択手段を操作することによって、所定の興味が提供されるところの選択手段と、グローバル・ポジションニング・システム(GPS)受信機を用いて、ユーザに関連する位置データを決定するための手段と、前記GPSデータベースとして、割り当てられた位置、割り当てられた電話番号をそれぞれ備えて情報を提供するデータを含み、ユーザによる入力として興味のある事項を表す検索条件に応じて前記GPSデータベースからデータを検索するための検索手段であって、前記位置データ、移動方向又は速度の少なくとも1つを含む付加的な物理的パラメータ、及び、前記所定の興味を用いて、セットされた抽出データを提供するところの検索手段と、セットされた前記抽出データをユーザに提供するための提供手段と、そして、前記提供手段によって提供された、セットされた前記抽出データからデータを選択することをユーザに可能にする別の選択手段と、を備え、電話又は電話インターフェースが、ユーザが所定の電話番号の個々の数字をダイヤルする必要なく、セットされた前記抽出データから選択されたデータに関する前記割り当てられた電話番号に電話を自動的にかけることを可能にし、前記システムは、歩行時と運転時を含む少なくとも2つの異なる旅のモードにおいて操作可能であり、ユーザの速度に適合するようにメッセージの表示を調整して、歩行している場合は運転している場合よりも詳細な情報を提供することを特徴とする、パーソナル情報システムが開示されている。
【0006】
また、特許文献5には、道路沿いの物件や通り、地域の物件のポイントデータと該物件の案内を行う映像や音声のガイドデータを格納したガイドデータ格納手段と、道路や案内物件の地図画データを格納した地図画データ格納手段と、案内する物件の案内映像や地図画を表示出力する表示出力手段と、案内する物件の案内音声を出力する音声出力手段と、現在位置を検出、追跡する現在位置検出手段と、ガイドデータ格納手段からポイントデータに基づき現在位置から所定のエリアに含まれる物件を抽出する物件抽出手段と、物件抽出手段により抽出された物件と現在位置に基づき案内ステータス信号を出力すると共にガイドデータをガイドデータ格納手段から読み出し案内の映像信号と音声信号に変換して所定位置において出力するガイド出力手段と、現在位置に基づく地図画データを地図画データ格納手段から読み出し地図画の表示信号を出力する地図画出力手段と、ガイド出力手段による映像信号のガイド出力と地図画出力手段による地図画出力との切り換えを行う切り換え手段と、地図画出力とガイド出力との切り換えを指示する操作手段とを具備し、切り換え手段は、ガイド出力手段による案内ステータス信号が出力されたとき地図画出力からガイド出力への切り換えを行い、操作手段により切り換え指示があったとき少なくとも映像信号のガイド出力と地図画出力とを選択的に切り換えるように構成したことを特徴とするガイドシステムが開示されている。
【0007】
また、特許文献6には、ユーザ端末に対して情報を提供するシステムにおいて使用されるユーザ端末であって、端末の緯度、経度、高度、方位及び傾斜角度を有する位置情報を検出する検出部と、該検出部にて検出された該位置情報をサーバに対して送信する送信部と、該送信部が送信した該位置情報について、該サーバが送信した3次元空間に対応する物体の緯度、経度、高度及びバブル径からなる複数の3次元空間範囲情報のうち該位置情報を含む少なくとも1つの3次元空間範囲情報に対応するサービス情報を受信する受信部と、該受信部にて受信した該サービス情報を表示する表示部と、該ユーザ端末の筺体に当てられた指の本数を検出しユーザの使用している手の左右を判別し、その判別結果に応じて、該検出部で検出された傾斜角度から正反対の傾斜角度を取得するための使用手判別部を備えて構成されたことを特徴とする、ユーザ端末が開示されている。
【0008】
また、特許文献7には、要求された目的地に対して、その目的地の場所を案内するための文を、自動的に作成する方法であって、利用者の要求から、出力する媒体、出力先、及び、目的地を抽出し、その目的地に関して、地図データベース、道路ネットワークデータベース、空間オブジェクトネットワークデータベースから該当する範囲のデータを入力する第1の手順と、前記第1の手順にて入力されたデータに関して、目的地の大まかな場所を特定するための第1のランドマークの候補を選択し、その第1のランドマークから目的地までの経路を抽出し、その第1のランドマークと目的地と経路との位置関係をもとに予め位置関係の条件に対応して定められた空間語を選択し、空間語の選択に成功した第1のランドマークの候補を第1のランドマークとして選択し、前記空間語を前記第1のランドマークと目的地の位置関係表現として記憶する第2の手順と、前記第2の手順にて選択された第1のランドマーク、及び、位置関係表現に関して、当該地域に含まれる空間オブジェクトに対して、目的地の場所を特定するための第2のランドマークの候補を選択し、その第2のランドマークから目的地までの経路を抽出し、その第2のランドマークと目的地と経路との位置関係をもとに予め位置関係の条件に対応して定められた空間語を選択し、空間語の選択に成功した第2のランドマークの候補を第2のランドマークとして選択し、前記空間語を前記第2のランドマークと目的地の位置関係表現として記憶する第3の手順と、前記第2の手順にて選択された第1のランドマークと位置関係表現、及び、前記第3の手順にて選択された第2のランドマークと位置関係表現に関して、場所案内文を作成、編集し、出力媒体毎に、その信号を変換し、設定された出力先に出力する第4の手順と、を有することを特徴とする場所案内文自動作成方法が開示されている。
【0009】
また、特許文献8には、物件案内が開始された後にも現在位置や案内物件の位置、その周辺状況が確認できることを目的とし、物件の案内を行う映像や音声のガイドデータを格納した手段と、地図画データを格納した手段と、案内する物件の案内映像や地図画を表示出力する手段と、案内する物件の案内音声を出力する手段と、現在位置を検出、追跡する手段と、ガイドデータをガイドデータ格納手段から読み出し案内の映像信号と音声信号に変換して出力する手段と、地図画データを読み出し地図画の表示信号を出力する手段と、表示出力を地図画か案内の映像に切り換えを行う手段と、案内の映像と地図画との切り換えを指示するキーを有する操作手段とを具備し、案内の映像信号と地図画の表示信号とを切り換え、現在位置近傍の案内物件の案内音声と共に案内の映像と地図画とを選択的に出力することが開示されている。
【0010】
また、特許文献9には、経路などの案内情報を提供する装置であって、推薦する観光コースやデートコースなどの様々な経路情報とその付加情報を、ネットワークや電子メディアを介して配信し、誰もがいつでもどこでも利用可能な道案内サービスを実現することを課題とし、案内のための時間情報や場所情報と案内情報とを持ち、それらを時系列で表すことのできるインストラクションの系列をマークアップ言語により記述した案内用スクリプトを、センタやメディアに用意し、スクリプト変換部は、操作入力部が選択した案内用スクリプトを案内用の構造化データに変換してインストラクション処理部へ渡し、インストラクション処理部は、この構造化データをもとに、状況獲得部から得た現在時刻又は現在地点と一致するインストラクションを実行し、案内出力部から案内を出力することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3548459号公報
【特許文献2】特許第3884418号公報
【特許文献3】特許第4174177号公報
【特許文献4】特許第4362123号公報
【特許文献5】特許第2952173号公報
【特許文献6】特許第3811071号公報
【特許文献7】特許第3963234号公報
【特許文献8】特開平07−326000号公報
【特許文献9】特開2000−215211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、第1の説明の音と次の第2の説明の音を発生する場合にあって、操作者に説明するにはふさわしくない状態であるにもかかわらず、第2の説明の音を発生させてしまうことを抑制するようにした情報処理装置、情報処理システム及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
請求項1の発明は、操作者又は該操作者の環境に関する属性を受け付ける受付手段と、属性と、説明と次の説明の間である待機に関する情報である待機情報とが対応付けて記憶された待機情報記憶装置から、前記受付手段によって受け付けられた属性に基づいて、前記操作者に対して説明を行う場合における待機情報を抽出する抽出手段と、説明情報を記憶する説明情報記憶手段と、前記説明情報記憶手段に記憶されている説明情報を音として発生する発生手段と、前記操作者の状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された操作者の状態に基づいて、前記抽出手段によって抽出された待機情報を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された待機情報に基づいて、前記発生手段によって説明情報を音として発生し終わってから次の説明情報を音として発生するまでの間の時間を制御する制御手段を具備することを特徴とする情報処理装置である。
【0014】
請求項2の発明は、前記説明情報記憶手段は、対象に対する第1の説明に関する第1の説明情報、第2の説明に関する第2の説明情報、第3の説明に関する第3の説明情報を記憶しており、前記第1の説明情報は、前記対象を説明するにあたって事前に行われる説明に関する情報であって、前記第2の説明情報は、前記第1の説明の後に行われる説明であって、前記対象を操作者に探させるための説明に関する情報であって、前記第3の説明情報は、前記第2の説明の後に行われる説明であって、前記対象の説明に関する情報であり、前記待機情報記憶装置は、第1の待機に関する情報である第1の待機情報、第2の待機に関する情報である第2の待機情報を記憶しており、前記第1の待機は、前記第1の説明と前記第2の説明の間であり、前記第2の待機は、前記第2の説明と前記第3の説明の間であり、前記抽出手段は、前記待機情報記憶装置から前記第1の待機情報、前記第2の待機情報を抽出し、前記検出手段は、前記第1の待機における前記操作者の第1の状態を検出し、前記第2の待機における該操作者の第2の状態を検出し、前記補正手段は、前記第1の待機情報を前記第1の状態に基づいて補正し、前記第2の待機情報を前記第2の状態に基づいて補正し、前記制御手段は、前記補正手段によって補正された第1の待機情報に基づいて、前記発生手段による第1の説明と第2の説明の間を制御し、前記補正手段によって補正された第2の待機情報に基づいて、前記発生手段による第2の説明と第3の説明の間を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0015】
請求項3の発明は、前記検出手段は、会話の有無又は会話している人数を検出し、前記補正手段は、前記検出手段によって会話が行われていることが検出された場合は、待機時間を長くするように補正し、又は前記検出手段によって検出された会話している人数に応じて待機時間を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置である。
【0016】
請求項4の発明は、前記検出手段は、前記操作者の歩行が止まっている時間を検出し、
前記補正手段は、前記検出手段によって検出された歩行が止まっている時間に応じて、待機時間を長くするように補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0017】
請求項5の発明は、前記制御手段は、前記待機中であって、予め定められた時点から前記次の説明までの期間内にある場合に、前記検出手段によって予め定められた動作を検出したときは、該待機を解除して、該次の説明を開始するように制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0018】
請求項6の発明は、前記情報処理装置の位置を検出する位置検出手段をさらに具備し、前記制御手段は、前記位置検出手段によって検出された位置が予め定められた位置にある場合は、前記待機の解除を行わないように制御することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置である。
【0019】
請求項7の発明は、前記制御手段は、説明と次の説明の間に、待機である旨を示す音を前記発生手段に発生させるように制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0020】
請求項8の発明は、情報処理装置と待機情報記憶装置とを含み、前記待機情報記憶装置は、操作者又は該操作者の環境に関する属性と、説明と次の説明の間である待機に関する情報である待機情報とを対応付けて記憶し、前記情報処理装置は、前記属性を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた属性に基づいて、前記操作者に対して説明を行う場合における待機情報を、前記待機情報記憶装置から抽出する抽出手段と、説明情報を記憶する説明情報記憶手段と、前記説明情報記憶手段に記憶されている説明情報を音として発生する発生手段と、前記操作者の状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された操作者の状態に基づいて、前記抽出手段によって抽出された待機情報を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された待機情報に基づいて、前記発生手段によって説明情報を音として発生し終わってから次の説明情報を音として発生するまでの間の時間を制御する制御手段を含むことを特徴とする情報処理システムである。
【0021】
請求項9の発明は、コンピュータを、操作者又は該操作者の環境に関する属性を受け付ける受付手段と、属性と、説明と次の説明の間である待機に関する情報である待機情報とが対応付けて記憶された待機情報記憶装置から、前記受付手段によって受け付けられた属性に基づいて、前記操作者に対して説明を行う場合における待機情報を抽出する抽出手段と、説明情報を記憶する説明情報記憶手段と、前記説明情報記憶手段に記憶されている説明情報を音として発生する発生手段と、前記操作者の状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された操作者の状態に基づいて、前記抽出手段によって抽出された待機情報を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された待機情報に基づいて、前記発生手段によって説明情報を音として発生し終わってから次の説明情報を音として発生するまでの間の時間を制御する制御手段として機能させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の情報処理装置によれば、本構成を採用しない場合と比較して、第1の説明の音と次の第2の説明の音を発生する場合にあって、操作者に説明するにはふさわしくない状態であるにもかかわらず、第2の説明の音を発生させてしまうことを抑制することができる。
【0023】
請求項2の情報処理装置によれば、第1の待機における操作者の第1の状態によってその第1の待機を制御し、第2の待機における操作者の第2の状態によってその第2の待機を制御することができる。
【0024】
請求項3の情報処理装置によれば、会話の有無又は会話している人数に応じて、待機時間を補正することができる。
【0025】
請求項4の情報処理装置によれば、操作者の歩行に応じて、待機時間を補正することができる。
【0026】
請求項5の情報処理装置によれば、操作者の動作によって待機を解除することができる。
【0027】
請求項6の情報処理装置によれば、情報処理装置が予め定められた位置にある場合は、待機の解除を行わないようにすることができる。
【0028】
請求項7の情報処理装置によれば、操作者が待機であるか否かを判断することができるようになる。
【0029】
請求項8の情報処理システムによれば、本構成を採用しない場合と比較して、第1の説明の音と次の第2の説明の音を発生する場合にあって、操作者に説明するにはふさわしくない状態であるにもかかわらず、第2の説明の音を発生させてしまうことを抑制することができる。
【0030】
請求項9の情報処理プログラムによれば、本構成を採用しない場合と比較して、第1の説明の音と次の第2の説明の音を発生する場合にあって、操作者に説明するにはふさわしくない状態であるにもかかわらず、第2の説明の音を発生させてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】情報端末の外観を示す説明図である。
【図2】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図4】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図5】待機パラメータテーブルのデータ構成例を示す説明図である。
【図6】説明情報テーブルのデータ構成例を示す説明図である。
【図7】位置・対象テーブルのデータ構成例を示す説明図である。
【図8】利用者と対象の位置関係例を示す説明図である。
【図9】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図10】待機時間と人数の関係例を示すグラフである。
【図11】待機時間と人数の関係例を示すグラフである。
【図12】待機パラメータ決定テーブルのデータ構成例を示す説明図である。
【図13】分布テーブルのデータ構成例を示す説明図である。
【図14】操作者の属性に応じた待機時間の設定例を示す説明図である。
【図15】操作者の属性に応じた待機時間の設定例を示す説明図である。
【図16】待機制御処理例を示すフローチャートである。
【図17】具体的な処理例を示す説明図である。
【図18】操作と処理の関係例を示す説明図である。
【図19】具体的な処理例を示す説明図である。
【図20】具体的な処理例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態である情報端末100の外観を示す説明図である。
情報端末100は、再生&一時停止ボタン110、もう一度ボタン120、メモリーカード挿入口130、音量調節ボリューム140、電源ボタン150、イヤホン160、ストラップ170を有している。
情報端末100は、携帯可能な装置であって、操作者の操作又は情報端末100内の後述する制御モジュール400の制御によって、対象に関する説明を複数回に分けて音として出力するものである。したがって、ある説明(第1の説明)が終わり、次の説明(第2の説明)が始まるまでの時間間隔としての待機が発生することになる。また、情報端末100は、例えば、操作者が観光地を散策する場合に用いられる観光案内装置、美術館で美術品の説明を行うガイド装置等として用いられる。
再生&一時停止ボタン110は、操作者が操作可能なボタンであり、このボタンが押された場合は、説明音を再生していないときは説明音の再生の指示になり、説明音を再生しているときは一時停止の指示になる。
もう一度ボタン120は、操作者が操作可能なボタンであり、このボタンが押された場合は、直前に再生された説明音を再生する指示になる。なお、説明音が再生されている間に押された場合はその説明音を最初から再生する指示になる。
メモリーカード挿入口130は、本実施の形態のプログラム、後述する待機に関する情報(以下、待機情報という)、音コンテンツ等を記憶したメモリーカードが挿入され、それらの情報を読み込むこと、又は情報端末100の操作履歴等の情報をそのメモリーカードに記録することが行われる。ここで、音コンテンツとしては、音を発生させるための情報であって、例えば、説明に関する情報(以下、「説明情報」という)や、BGMとしての音楽、効果音などがある。
音量調節ボリューム140は、操作者が操作可能であり、説明音の音量を調整するためのものである。
電源ボタン150は、操作者が操作可能なボタンであり、情報端末100の電源をオン・オフにするためのボタンである。
イヤホン160は、説明音を出力する。なお、イヤホン型でなく、ヘッドホン型であってもよいし、スピーカーであってもよい。
ストラップ170は、操作者の腕にかけるための吊り紐である。
【0033】
また、情報端末は、図1に例示したように専用の情報端末100ではなく、汎用の情報端末であってもよい。例えば、タッチパネルディスプレイを有している汎用の情報端末に、2つの操作用穴を有するカバーを被せて、この2つの操作用穴を通して情報端末を操作できるようにしてもよい。つまり、図1に例示した再生&一時停止ボタン110、もう一度ボタン120と同等の機能を有する、再生&一時停止ボタン表示領域、もう一度ボタン表示領域をタッチパネルディスプレイに表示させ、その表示領域だけを操作できるようにしたカバーでタッチパネルディスプレイを覆うようにしてもよい。
【0034】
図2は、本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。図1に例示した情報端末100内は、図2に例示するコンピュータのハードウェアを有している。
【0035】
情報端末300と外部DB390は、通信回線399を介して接続されている。通信回線399としては、例えば、ブルートゥース(登録商標)、移動体通信等があり、情報端末100等は、通信機能の他に、電話機能を有していてもよい。ただし、通信機能は必須ではなく、なくてもよい。外部DB390は、本実施の形態のプログラム、待機パラメータ、音コンテンツ等を記憶しており、情報端末300内の情報記憶装置350に通信回線399、通信装置360を介して記憶させるようにしてもよい。また、外部DB390は、情報記憶装置350内に記憶されている情報端末100等の操作履歴等の情報を通信装置360、通信回線399を介して受け取り、記憶するようにしてもよい。
【0036】
情報端末300は、中央演算装置310、センサ装置320、音出力装置330、UI装置340、情報記憶装置350、通信装置360、電源370を有している。
中央演算装置310は、センサ装置320、音出力装置330、UI装置340、情報記憶装置350、通信装置360、電源370と接続されており、これらの装置を制御する。つまり、図3に例示する制御モジュール400等のプログラムを実行する。具体的には、CPU(Central Processing Unit)等によって構成されている。
センサ装置320は、操作者の状態等を検出するためのセンサであり、例えば、加速度センサ、地磁気センサ、歩数を計数するセンサ、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)等の位置センサ等(これらのセンサのうちの1つ、又は組み合わせ)が該当する。センサ装置320は、情報端末100等の本体に具備されていてもよいし、イヤホン160内に備えられていてもよい。イヤホン160内に備えられていることによって、操作者の顔の状態(例えば、下又は上を向いている、頷いている等)を検出する。
【0037】
音出力装置330は、イヤホン160に該当するものであり、前述したように、ヘッドホンであってもよいし、スピーカーであってもよい。
UI装置340は、再生&一時停止ボタン110、もう一度ボタン120に該当するものであり、操作者による操作を検出するものである。
情報記憶装置350は、中央演算装置310が使用するプログラム、待機パラメータ、音コンテンツ等を記憶している。例えば、外部DB390からダウンロードして、それらの情報を記憶する。具体的には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、メモリーカード挿入口130に挿入されたメモリーカード等が該当する。
通信装置360は、通信回線399を介した外部DB390と通信を行う。この他に、他の情報端末300等と通信を行うようにしてもよい。
電源370は、情報端末300内の各装置に電源を供給する。
【0038】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、図2に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図2に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えばASIC等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよい。また、特に、携帯電話、携帯型デジタル音楽プレイヤーなどに組み込まれていてもよい。
【0039】
図3は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0040】
本実施の形態である情報処理装置は、音コンテンツを音として出力する装置であって、図3の例に示すように、制御モジュール400、現在位置検出モジュール440、音コンテンツ再生モジュール450、待機手動解除指示モジュール460、状態検出モジュール470、待機ログ解析モジュール480を有している。
【0041】
制御モジュール400は、待機パラメータ決定モジュール410、音コンテンツ制御モジュール420、待機制御モジュール430を有しており、説明情報などの音コンテンツの出力を制御する。1つの対象に対して複数の説明情報を出力する場合(例えば、1つの観光対象を説明するのに複数の説明がある場合等)は、その説明情報を出力し終わってから次の説明情報を出力するまでの間(以下、待機ともいう)の時間(待機時間)を制御する。なお、制御モジュール400は、待機時間ではなく、それぞれの説明情報を出力するタイミングを制御することによって、結果的に、それぞれの待機時間を制御するようにしてもよい。
【0042】
待機パラメータ決定モジュール410は、音コンテンツ制御モジュール420、待機制御モジュール430と接続されており、待機時間を設定するための待機パラメータ(変数)を決定し、その待機パラメータを音コンテンツ制御モジュール420、待機制御モジュール430に渡す。待機パラメータ決定モジュール410内のモジュール構成については、図4の例を用いて後述する。待機パラメータとしては、待機の時間、その待機の間に発生させる音(待機である旨を示す音、例えば、BGMとしての音楽等)、その音のボリューム等がある。
音コンテンツ制御モジュール420は、待機パラメータ決定モジュール410と接続されており、音コンテンツ記憶モジュール425を有している。待機パラメータ決定モジュール410によって決定された待機パラメータにしたがって、音コンテンツ記憶モジュール425に記憶されている音コンテンツを音コンテンツ再生モジュール450で出力させる。その出力する音コンテンツの決定について、音コンテンツ制御モジュール420は、現在位置検出モジュール440が検出した位置情報と対象の位置情報とから両者間の距離を算出して、その距離が予め定められた距離よりも近いと判断した場合は、その対象に対応する音コンテンツを音コンテンツ再生モジュール450で出力させる。
【0043】
音コンテンツ記憶モジュール425が記憶する音コンテンツとは、音を発生させるための情報であり、例えば、音情報、その音情報に変換するためのテキスト情報等である。より具体的には、音情報として、wavデータ、MP3データ等がある。また、テキスト情報としては、テキスト情報そのものであってもよいし、wavデータ等に変換するための情報(抑揚に関する情報等)を付加したもの等であってもよい。また、その音コンテンツの内容は、例えば、対象に関する説明であり、より具体的には、対象が近くにあることの説明、対象がどこにあるかの説明、対象についての説明等がある。
【0044】
待機制御モジュール430は、待機パラメータ決定モジュール410と接続されており、待機パラメータ決定モジュール410によって決定された待機パラメータに基づいて、待機時間を制御する。このことは、音コンテンツ制御モジュール420による説明情報を音として発生させる時期を制御することとなる。また、待機パラメータとして、待機パラメータ決定モジュール410内の待機パラメータ抽出モジュール520(図4参照)によって抽出された待機パラメータ又は待機パラメータ補正モジュール550(図4参照)によって補正された待機パラメータを含む。また、待機手動解除指示モジュール460が、操作者の操作による待機の解除を検出した場合は、待機を解除して、次の説明情報を出力させるように制御する。そして、その待機時間のログ(例えば、次に出力すべき説明情報IDと、待機の開始時刻と、待機の終了時刻(再生&一時停止ボタン110が押された時刻)を対応させた情報)を待機ログ解析モジュール480に渡す。
【0045】
また、待機制御モジュール430は、待機中であって、予め定められた時点から次の説明までの期間内にある場合に、状態検出モジュール470によって予め定められた動作を検出したときは、その待機を解除して、次の説明を開始するよう制御するようにしてもよい。ここで、「予め定められた時点から次の説明までの期間内」とは、ある時点から次の説明を始めるまでの期間をいう。例えば、待機における後半の期間が該当する。ただし、待機の期間の半分よりも後であることを必ずしも意味せず、予め定められた時点を始点として、予定されている次の説明を終点とした期間内であればよい。また、「予め定められた時点」の設定は、前の説明からの時間、次の説明までの時間、待機期間における割合等によって定めてもよい。また、「予め定められた動作」としては、操作者が対象の近くにいることを示す動作であり、つまり、その対象の説明を始めてもよい場合である。例えば、対象が上にある場合は、操作者の顔が上方向に向いたという動作である。単に上を向いたということだけでなく、さらに、予め定められた時間以上、上を向いている動作であってもよい。
この待機解除処理において、待機制御モジュール430は、現在位置検出モジュール440によって検出された位置が予め定められた位置にある場合は、待機の解除を行わないよう制御するようにしてもよい。つまり、対象の近くには未だ到達していない場合に、その動作を検出してしまった場合は、説明を始めるべきではないので、現在位置検出モジュール440が検出した位置情報を用いて、「予め定められた位置」(例えば、対象からxメートル以上離れていること等)に情報端末100等(操作者)がある場合は、待機を解除しない。つまり、説明を開始することはしないように制御する。
【0046】
また、待機制御モジュール430は、待機パラメータにしたがって、待機の間、待機である旨を示す音を音コンテンツ再生モジュール450が発生させるように音コンテンツ制御モジュール420を制御するようにしてもよい。例えば、待機であってもBGM等を発生させることになる。
【0047】
制御モジュール400は、現在位置検出モジュール440、音コンテンツ再生モジュール450、待機手動解除指示モジュール460、状態検出モジュール470、待機ログ解析モジュール480と接続されている。
【0048】
現在位置検出モジュール440は、現在の情報端末100等の位置(つまり、操作者の位置)を検出するものであり、検出した位置情報を制御モジュール400の待機パラメータ決定モジュール410に渡す。具体的にはGPSが該当する。
音コンテンツ再生モジュール450は、図2に例示した音出力装置330が該当し、音コンテンツ制御モジュール420によって制御され、音コンテンツ記憶モジュール425に記憶されている音コンテンツを音として発生する。
待機手動解除指示モジュール460は、図1に例示した再生&一時停止ボタン110が押されたことを検出する。つまり、待機状態にある場合に、再生&一時停止ボタン110が押されたことを検出し、その検出したことを制御モジュール400の待機制御モジュール430に渡す。
【0049】
状態検出モジュール470は、操作者の状態を検出するためのセンサであり、検出した状態情報を制御モジュール400の待機パラメータ決定モジュール410に渡す。例えば、マイク、加速度センサ、地磁気センサ、歩数を計数するセンサ等が該当する。センサ装置320は、情報端末100等の本体に具備されていてもよいし、イヤホン160内に備えられていてもよい。
状態検出モジュール470が、イヤホン160内に備えられていることによって、操作者の顔の状態(例えば、下又は上を向いている、頷いている等)を検出するようにしてもよい。
【0050】
例えば、状態検出モジュール470は、マイクによって対話が発生しているか否かを検出するようにしてもよい。
また、状態検出モジュール470は、マイクと音声認識モジュールを用いて会話している人数を検出するようにしてもよい。また、ブルートゥースの通信機能を用いて、周囲にある情報端末100等の台数を検出するようにしてもよい。つまり、ブルートゥースによる通信可能となっている装置の個数を検出する。このことは、一人に1台の情報端末100等を所持している場合は、人数を検出することにもなる。
例えば、状態検出モジュール470は、加速度センサによって、操作者が動いている否かを検出するようにしてもよい。地磁気センサによって、操作者がどの方向に移動しているかを検出するようにしてもよい。歩数センサによって、操作者の歩数を検出するようにしてもよい。また、加速度センサ又は歩数センサによって、操作者の歩行が止まっている時間を検出してもよい。また、現在位置検出モジュール440が検出した位置情報と組み合わせることによって、GPSよりも詳細な操作者の位置情報を検出するようにしてもよい。
【0051】
待機ログ解析モジュール480は、制御モジュール400の待機制御モジュール430から渡された待機のログを受け取り、そのログを解析することによって待機パラメータを生成する。
【0052】
図4は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
待機パラメータ決定モジュール410は、プロファイル情報受付モジュール510、待機パラメータ抽出モジュール520、待機パラメータ記憶モジュール530、状態検出結果受付モジュール540、待機パラメータ補正モジュール550を有している。
【0053】
プロファイル情報受付モジュール510は、待機パラメータ抽出モジュール520と接続されており、操作者又は操作者が情報端末100等を用いる環境に関する属性(以下、プロファイルともいう)を受け付ける。例えば、予め定められたプロファイルを受け付けてもよいし、情報端末100等の設定用装置を利用して、情報端末100等を利用する前にプロファイルを設定するようにしてもよい。
操作者の属性としては、例えば、性別、年齢層(世代)、視力、健常者であるか否か等がある。
操作者が情報端末100等を用いる環境に関する属性としては、例えば、天気、道路状態(アスファルト、ぬかるんでいる等)、観光施設の開場時間、混雑状況等がある。
【0054】
待機パラメータ抽出モジュール520は、プロファイル情報受付モジュール510、待機パラメータ記憶モジュール530、状態検出結果受付モジュール540と接続されており、プロファイル情報受付モジュール510によって受け付けられた操作者等の属性に基づいて、その操作者に対して説明を行う場合における待機パラメータを、待機パラメータ記憶モジュール530から抽出する。この抽出した待機パラメータを待機制御モジュール430又は待機パラメータ補正モジュール550に渡す。
待機パラメータ記憶モジュール530は、待機パラメータ抽出モジュール520と接続されており、操作者等の属性と、説明(説明情報の出力)と次の説明の間である待機に関する情報である待機パラメータとを対応付けて記憶している。
状態検出結果受付モジュール540は、待機パラメータ抽出モジュール520、待機パラメータ補正モジュール550と接続されており、状態検出モジュール470によって検出された操作者の状態を受け付ける。
待機パラメータ補正モジュール550は、状態検出結果受付モジュール540と接続されており、状態検出結果受付モジュール540によって受け付けられた操作者の状態に基づいて、待機パラメータ抽出モジュール520によって抽出された待機パラメータを補正する。例えば、状態検出モジュール470によって会話が行われていることが検出された場合は、待機時間を長くするように補正し、又は状態検出モジュール470によって検出された会話している人数に応じて待機時間を補正する。また、例えば、状態検出モジュール470によって検出された歩行が止まっている時間に応じて、待機時間を長くするように補正する。なお、待機パラメータ記憶モジュール530は、情報端末100の外部において通信回線を介して接続された記憶装置であってもよい。すなわち、この場合、待機情報抽出モジュール520は、プロファイル情報受付モジュール510によって受け付けられた属性に基づいて、外部に接続された待機パラメータ記憶モジュール530から待機情報を抽出してもよい。
【0055】
1つの対象に関する説明が複数回に分かれていることを、前述の説明で行ったが、より具体的な例として、3つに分かれている場合を示す。
音コンテンツ記憶モジュール425は、対象に関する第1の説明情報、第2の説明情報、第3の説明情報を記憶している。ここで、第1の説明情報は、対象を説明するにあたって事前に行われる説明に関する情報であり、具体的には、例えば、対象が近くにあることの説明や、説明の始まりを知らせる合図等が該当する。説明の始まりを知らせる合図とは、例えば、「ポーン」という音等であって、このような効果音を発生させて操作者に説明の始まりを知覚させてもよい。第2の説明情報は、第1の説明情報の発生の後に行われる説明であって、その対象を操作者に探させるための説明に関する情報であり、具体的には、例えば、対象がどこにあるかの説明が該当する。第3の説明情報は、第2の説明情報の発生の後に行われる説明であって、その対象の説明に関する情報であり、具体的には、例えば、その対象そのものについての説明が該当する。
【0056】
説明が3つに分かれているので、2つの待機が発生することになる。
待機パラメータ記憶モジュール530は、第1の待機に関する情報である第1の待機パラメータ、第2の待機に関する情報である第2の待機パラメータを記憶している。ここで、「第1の待機」は、第1の説明情報の発生終了から第2の説明情報の発生開始までの間であり、「第2の待機」は、第2の説明情報の発生終了から第3の説明情報の発生開始までの間である。
待機パラメータ抽出モジュール520は、プロファイル情報受付モジュール510によって受け付けられた属性(操作者の属性、操作者が情報端末100等を用いる環境に関する属性のいずれか一方又は両方)に基づいて、待機パラメータ記憶モジュール530から第1の待機パラメータ、第2の待機パラメータを抽出する。
【0057】
状態検出モジュール470は、第1の待機における操作者の第1の状態を検出し、第2の待機における操作者の第2の状態を検出する。状態としては、例えば、操作者の他に何人の同伴者がいるか、操作者がどの方向に移動しているか、操作者の顔の向き等がある。
【0058】
待機パラメータ補正モジュール550は、第1の待機パラメータを第1の状態に基づいて補正し、第2の待機パラメータを第2の状態に基づいて補正する。
待機制御モジュール430は、待機パラメータ補正モジュール550によって補正された第1の待機パラメータに基づいて、音コンテンツ再生モジュール450による第1の説明と第2の説明の間を制御し、待機パラメータ補正モジュール550によって補正された第2の待機パラメータに基づいて、音コンテンツ再生モジュール450による第2の説明と第3の説明の間を制御する。
【0059】
図5は、待機パラメータテーブル600のデータ構成例を示す説明図である。
待機パラメータ記憶モジュール530に記憶されている待機パラメータテーブル600は、属性欄610、待機時間A欄620、待機A(BGM)欄630、待機時間B欄640、待機B(BGM)欄650を有している。これは、1つの対象に対して3つの説明情報がある場合(2回の待機が発生する場合)である。
属性欄610は、操作者の属性又は操作者が情報端末100等を用いる環境に関する属性を記憶する。例えば、前述したように、操作者の属性として、性別、年齢層、視力、健常者であるか否か等がある。操作者が情報端末100等を用いる環境に関する属性として、天気、道路状態(アスファルト、ぬかるんでいる等)、観光施設の開場時間、混雑状況等がある。また、待機時間A欄620は複数あってもよい。複数の属性に対応するためである。また、複数の属性がある場合は、その組み合わせの分だけ、待機パラメータが必要である。つまり、待機パラメータテーブル600の行数が増えることとなる。
【0060】
待機時間A欄620は、その対象、属性における第1の待機時間を記憶する。
待機A(BGM)欄630は、第1の待機中に音コンテンツ再生モジュール450で発生させる音コンテンツ(例えば、BGM)の識別子を記憶する。
待機時間B欄640は、その対象、属性における第2の待機時間を記憶する。
待機B(BGM)欄650は、第2の待機中に音コンテンツ再生モジュール450で発生させる音コンテンツ(例えば、BGM)の識別子を記憶する。
【0061】
待機パラメータ抽出モジュール520は、待機パラメータテーブル600から、プロファイル情報受付モジュール510が受け付けた属性に対応する待機パラメータ(待機時間A欄620、待機A(BGM)欄630、待機時間B欄640、待機B(BGM)欄650に記憶されている情報)を抽出する。
【0062】
図6は、説明情報テーブル700のデータ構成例を示す説明図である。
音コンテンツ記憶モジュール425内に記憶されている説明情報テーブル700は、対象欄710、説明A欄720、説明B欄730、説明C欄740を有している。これは、1つの対象に説明として3つの説明情報が対応している場合のものである。
対象欄710は、対象識別符号を記憶する。
説明A欄720は、その対象に対応する第1の説明情報の識別符号(ファイル名称等)を記憶する。
説明B欄730は、その対象に対応する第2の説明情報の識別符号(ファイル名称等)を記憶する。
説明C欄740は、その対象に対応する第3の説明情報の識別符号(ファイル名称等)を記憶する。
音コンテンツ制御モジュール420は、説明情報テーブル700を用いて、対象識別符号に対応する説明情報の識別符号を抽出して、音コンテンツ記憶モジュール425からその説明情報を抽出し、音コンテンツ再生モジュール450によってその説明情報を音として発生させる。
【0063】
図7は、位置・対象テーブル800のデータ構成例を示す説明図である。
音コンテンツ記憶モジュール425内に記憶されている位置・対象テーブル800は、位置欄810、対象欄820を有している。
位置欄810は、対象の位置情報を記憶する。現在位置検出モジュール440が検出する位置情報であり、例えば、緯度、経度である。
対象欄820は、その位置にある対象の対象識別符号を記憶する。
音コンテンツ制御モジュール420は、現在位置検出モジュール440が検出した位置情報に対応する対象の対象識別符号を、位置・対象テーブル800から抽出する。なお、位置欄810内の位置情報と現在位置検出モジュール440が検出する位置情報との対応については、図8を用いて説明する。
【0064】
図8は、利用者900と対象990の位置関係例を示す説明図である。現在位置検出モジュール440は、利用者900が所持している情報端末100等の位置を検出する。対象990の位置情報は、位置・対象テーブル800の位置欄810に記憶されている。音コンテンツ制御モジュール420が、利用者900と対象990の位置関係から対象990に対応付けられている説明情報を音として発生させる。
例えば、利用者900から対象990までの距離930が、検索範囲A910内にある場合は、近いと判断して、利用者900に対して対象990に対応付けられている説明情報を音として発生させる。
【0065】
また、対象に接近する場合の判断と対象から離脱する場合の判断を異ならせてもよい。図8を用いて説明する。利用者900からの検索範囲A910は、利用者900からの検索範囲B920よりも短いとする。利用者900が対象に接近する場合は、検索範囲A910内にある対象を近いと判断して、その対象に対応する説明情報を発生させる。対象から離脱する場合、つまり、その対象の説明情報を発生させると判断した後に、利用者900が対象から離れたために、その説明情報の発生を中止させるのは、検索範囲B920よりも遠くなった場合とする。つまり、検索範囲B920内に対象がある場合は近いと判断して、その対象に対応する説明情報の発生を中断させない。このように、接近と離脱で、判断の距離を異ならせているのは、現在位置検出モジュール440が検出する位置情報にバラツキが発生することがあり、これに対応するためである。つまり、わずかな距離の移動で説明情報の発生、中止が切り替わってしまうことを抑制するためである。
【0066】
図9は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1002では、プロファイル情報受付モジュール510が、プロファイル情報を受け付ける。
ステップS1004では、待機パラメータ抽出モジュール520が、待機パラメータを抽出し、待機パラメータを決定する。
ステップS1006からステップS1020までの処理は、音声ガイドに関する処理である。つまり、説明情報を音として発生させる処理、待機を制御する処理を行う。
ステップS1008では、現在位置検出モジュール440が、現在の位置情報を取得する。
ステップS1010では、音コンテンツ制御モジュール420が、説明ポイント接近判断処理を行う。図8を用いて前述したような判断を行う。つまり、利用者900から対象990までの距離930が、検索範囲A910内にある場合は、近いと判断する。それ以外の場合は、遠いと判断する。
ステップS1012では、音コンテンツ制御モジュール420が、ステップS1010の判定結果を判断し、遠い場合はステップS1008へ戻り、近い場合はステップS1014へ進む。
【0067】
ステップS1014では、音コンテンツ制御モジュール420が、音声情報1の再生処理(第1の説明情報の発生)を行う。
ステップS1016では、待機制御モジュール430が、待機制御処理を行う。この処理については、図16の例を用いて後述する。
ステップS1018では、音コンテンツ制御モジュール420が、音声情報2の再生処理(第2の説明情報の発生)を行う。
ステップS1022では、待機ログ解析モジュール480が、待機ログを集計する。例えば、待機手動解除指示モジュール460によって待機が解除された場合は、その待機時間を検出し、その属性のログとして記憶する。
ステップS1024では、音コンテンツ制御モジュール420が、待機パラメータの生成処理を行う。例えば、ステップS1022で記憶されたログに基づいて、その属性における待機パラメータを新しく生成する。そして、ステップS1004の処理へ戻る。
【0068】
図9に例示したフローチャートは、待機が1つの場合である。待機が2つある場合は、ステップS1018の後に、ステップS1016とステップS1018(音声情報3再生処理)を挿入してもよい。
また、待機が3つ以上ある場合は、ステップS1016とステップS1018(音声情報N再生処理、N≧3)の組を複数挿入してもよい。
【0069】
音コンテンツ制御モジュール420が行うステップS1024の処理について、図10から図15の例を用いて説明する。
図10、図11は、待機時間と人数の関係例を示すグラフである。これは、横軸に待機時間、縦軸に人数をとり、その待機時間をとった人数をプロットしたものであり、基本的な待機分布図である。これの作成については、N人の手動解除(再生&一時停止ボタン110を再生ボタンとして押した場合)による対象別の待機解除時間をサンプリング集計し、結果を基本待機分布として算出したものである。また、図11の例は、世代別などの属性別に基本分布を作成したものである。
【0070】
図12は、待機パラメータ決定テーブル1300のデータ構成例を示す説明図である。待機パラメータ決定テーブル1300は、図11に例示した属性別の基本分布から生成する。つまり、属性毎に、対象と待機の識別符号と待機時間を対応させて記憶する。
待機パラメータ決定テーブル1300は、対象欄1310、ポーズID欄1320、T3(s)欄1330を有している。
対象欄1310は、対象の対象識別符号を記憶する。
ポーズID欄1320は、待機の識別符号を記憶する。
T3(s)欄1330は、待機時間を記憶する。
【0071】
次に、図13、図14の例を用いて、利用者の履歴(ログ)に合わせた待機パラメータの決定処理について説明する。ステップS1014の処理の例である。
ある対象における待機時間の分布を参照して、ある人の手動解除による待機時間(つまり、利用者の履歴)がその分布の何%の地点に位置するかを抽出する。例えば、Aさんの待機時間は、その対象の分布において67%の地点にいるとする。この場合、Aさんが未だ体験していない対象についての待機パラメータとして、その対象の分布における67%の地点に位置する待機時間とする。図14に例示するような分布の場合、67%に位置するのは3.2秒であるので、Aさんの待機時間を3.2秒に設定する。また、図14に例示した分布を示すテーブルとして分布テーブル1400を用いてもよい。
図13は、分布テーブル1400のデータ構成例を示す説明図である。分布テーブル1400は、分布値欄1410、Tc(s)欄1420を有している。分布値欄1410は、分布値を記憶しており、Tc(s)欄1420は、その分布値における待機時間を記憶している。分布テーブル1400を参照して、分布値欄1410内の67(%)に対応する待機時間をTc(s)欄1420から抽出する。
【0072】
また、ステップS1014の処理の例として、待機時間をその日の時間に基づいて変更してもよい。
図15は、操作者の属性に応じた待機時間の設定例を示す説明図である。縦軸にある人の手動解除による待機時間の平均待機時間からのずれをとり、横軸にその日の旅行時間をとり、旅行時間と待機時間のずれの対応をプロットしたグラフである。一般的に、一日の旅行時間が長くなるにつれて、疲れてしまい、待機時間の平均待機時間からのずれが大きくなる傾向がみられる。このグラフから、補正量を次のような式で求めるようにしてもよい。
y=ax+b
なお、yは待機時間、xはその日の旅行時間、aは係数、bはその属性における平均待機時間である。
【0073】
図16は、待機制御処理例を示すフローチャートである。図9に例示したフローチャートのステップS1016の処理についてである。
ステップS1702では、待機制御モジュール430が、待機パラメータ(待機パラメータテーブル600の待機A(BGM)欄630又は待機B(BGM)欄650)にしたがって、待機状態音の再生処理を音コンテンツ制御モジュール420に行わせる。
ステップS1704では、待機制御モジュール430が、事前の待機補正処理を行う。例えば、前述したステップS1014の処理を、待機制御モジュール430が待機ログ解析モジュール480に行わせてもよい。
【0074】
ステップS1706では、待機制御モジュール430が、説明ポイント離脱判断処理を行う。図8を用いて前述したような判断を行う。つまり、利用者900から対象990までの距離930が、検索範囲B920内にある場合は、近いと判断する。それ以外の場合は、遠いと判断する。
ステップS1708では、待機制御モジュール430が、ステップS1706の判定結果を判断し、近い場合はステップS1710へ進み、遠い場合はステップS1716へ進む。
【0075】
ステップS1710では、待機パラメータ補正モジュール550が、待機中において待機パラメータの補正処理を行う。前述したように、状態検出モジュール470によって会話が行われていることが検出された場合は、待機時間を長くするように補正する。状態検出モジュール470によって検出された会話している人数に応じて待機時間を補正する。例えば、予め定められた人数よりも多い場合は、待機時間を長くするように補正する。又は、検出された会話している人数が多くなれば、待機時間を長くするように補正する。また、状態検出モジュール470によって検出された歩行が止まっている時間に応じて、待機時間を長くするように補正する。
【0076】
ステップS1712では、待機制御モジュール430が、待機解除処理を行う。待機手動解除指示モジュール460によって、再生&一時停止ボタン110が押されたことを検出したか否か、又は、待機時間が経過したか否かを検出する。再生&一時停止ボタン110が押されたことを検出した場合、又は、待機時間が経過したことを検出した場合は、待機解除指示があったと判断する。
また、ステップS1712では、待機制御モジュール430が、待機における後半の期間であると判断した場合であって、状態検出モジュール470によって、その対象の説明を始めてもよい動作を検出した場合は、待機解除指示があったと判断するようにしてもよい。
なお、待機制御モジュール430は、その対象の説明を始めてもよい動作を検出した場合であっても、現在位置検出モジュール440によって検出された位置と対象との距離が予め定められた距離以上である場合は、待機解除指示はなかったと判断するようにしてもよい。
【0077】
ステップS1714では、待機制御モジュール430が、ステップS1712での待機解除指示を確認し、待機解除指示があった場合はステップS1716へ進み、待機解除指示がなかった場合はステップS1706へ戻る。
ステップS1716では、待機制御モジュール430が、待機状態音の停止処理を音コンテンツ制御モジュール420に行わせる。そして、図9に例示したフローチャートのステップS1018の処理に戻る。なお、ステップS1708で遠いと判断して、このステップS1716の処理を行った場合は、図9に例示したフローチャートのステップS1022の処理に戻る。
【0078】
図17は、具体的な処理例を示す説明図である。
図17(a)は、時系列で処理の内容例を示したものであり、A−0:1802は第1の説明情報を音として発生させていること、待機−1:1804は第1の待機をしている状態であること、A−1:1806は第2の説明情報を音として発生させていること、待機−2:1808は第2の待機をしている状態であること、A−2:1810は第3の説明情報を音として発生させていることを示している。
図17(b)の例に示すように、利用者1860は、対象1870の近くに来たとする。この場合、図9の例に示すフローチャート内のステップS1012で近いと判断される。そして、第1の説明情報として「近くに石碑があります」という音声がイヤホン160から流れる(図17(a)のA−0:1802)。
そして、第1の待機(図17(a)の待機−1:1804)があった後に、第2の説明情報として「石碑は、目の前に立つ樹木の下にあります」という音声がイヤホン160から流れる(図17(a)のA−1:1806)。
利用者1860が近場を探して石碑を見つけるまでの間、つまり、第2の待機(図17(a)の待機−2:1808)があった後に、第3の説明情報として「この石碑は、1120年に・・・」という音声がイヤホン160から流れる(図17(a)のA−2:1810)。
【0079】
待機−1:1804、待機−2:1808は、利用者1860又は環境に応じた待機パラメータである待機時間であるが、その待機時間の間に、操作者の状態又は操作者が前述したような動作をした場合は、その待機時間は長くなったり、短くなったりする。
【0080】
図18は、操作と処理の関係例を示す説明図である。この処理は、利用者が対象の近くに来た場合における処理である。
ステップS1902では、音コンテンツ制御モジュール420が、第1の説明情報である「お知らせコンテンツ」を再生する。
ステップS1904では、待機制御モジュール430が、第1の待機(ポーズ)制御を行う。
第1の待機時間(待機パラメータが補正された後の第1の待機時間であってもよい)が過ぎる、待機制御モジュール430によって待機が解除される、又は、ステップS1906で、操作者によって、情報端末100の再生&一時停止ボタン110が再生ボタンとして押されることがあると、ステップS1908へ進む。
【0081】
ステップS1908では、音コンテンツ制御モジュール420が、第2の説明情報である「対象の所在説明コンテンツ」を再生する。
ステップS1910では、待機制御モジュール430が、第2の待機(ポーズ)制御を行う。
第2の待機時間(待機パラメータが補正された後の第2の待機時間であってもよい)が過ぎる、待機制御モジュール430によって待機が解除される、又は、ステップS1912で、操作者によって、情報端末100の再生&一時停止ボタン110が再生ボタンとして押されることがあると、ステップS1914へ進む。
ステップS1914では、音コンテンツ制御モジュール420が、第3の説明情報である「対象の詳細説明コンテンツ」を再生する。
なお、ステップS1916では、ステップS1902又はステップS1904の処理中に、操作者によって、情報端末100のもう一度ボタン120が押されると、「お知らせコンテンツ」を再生する。同様に、ステップS1908又はステップS1910の処理中に、操作者によって、情報端末100のもう一度ボタン120が押されると、「対象の所在説明コンテンツ」を再生する。ステップS1914の処理中に、操作者によって、情報端末100のもう一度ボタン120が押されると、「対象の詳細説明コンテンツ」を再生する。
【0082】
図19は、より、具体的な処理例を示す説明図である。
利用者2010が観光対象物である対象2020に近づく、一般的に、利用者2010は観光対象物のある場所を知らない(図19(a)参照)。
GPSによって利用者2010の緯度、経度が検出され、近くにある対象2020が検索される。利用者2010に対して、アラームとともに短いメッセージ(第1の説明情報である「近くに石碑があります」)を再生する(図19(b)参照)。利用者2010は、このとき、景色の写真を撮っているような場合がある。そのような状態にあるにもかかわらず、次々と説明が再生されては邪魔になるので、待機時間を設ける。
【0083】
その後、対象2020がどこにあるかについての説明(第2の説明情報である「石碑は、目の前に立つ樹木の下にあります」)を再生する(図19(c)参照)。利用者2010は、このとき、石碑を見つけるのに時間を要することがある。そのような状態にあるにもかかわらず、次々と説明が再生されては困惑するので、待機時間を設ける。
その後、対象2020の説明内容(第3の説明情報である「石碑には今から800年ほど前に、この場所であった、歴史的事件、鎌倉の〇〇のことが書かれており・・・。」)を再生する(図19(d)参照)。
対象2020の説明の再生が終了すると、説明が終わったことを示す終了アラームを再生する。利用者2010は、その場を離れ、観光散策を続ける(図19(e)参照)。
また、説明情報が再生されている最中に、外部のノイズで、その説明が聞きづらい場合がある。そのような場合、利用者2010は、もう一度ボタン120を押して聴き直すことを行う(図19(f)参照)。
【0084】
図20は、具体的な処理例を示す説明図である。
図20(a)は、時系列で処理の内容例を示したものであり、B−1:2102は第1の説明情報を音として発生させていること、B−2:2106は第2の説明情報を音として発生させていること、待機−2:2108は第2の待機をしている状態であること、C−1:2110は第3の説明情報を音として発生させていることを示している。なお、この例は、第1の待機時間が0秒であることを示している。
図20(b)の例に示すように、利用者2160は、対象2170の近くに来たとする。この場合、図9の例に示すフローチャート内のステップS1012で近いと判断される。そして、第1の説明情報として「この鳥居は三の鳥居です。この鳥居は・・・」という音声がイヤホン160から流れる(図20(a)のB−1:2102)。
そして、すぐに、第2の説明情報として「この洞窟を通り抜けてください」という音声がイヤホン160から流れる(図20(a)のB−2:2106)。
利用者2160が洞窟を進み、洞窟内の対象2180を見つけるまでの間、つまり、第2の待機(図20(a)の待機−2:2108)があった後に、第3の説明情報として「目の前に見えてきたこの社は・・・」という音声がイヤホン160から流れる(図20(a)のC−1:2110)。
【0085】
待機−2:2108は、利用者2160又は環境に応じた待機パラメータである待機時間であるが、その待機時間の間に、操作者の状態又は操作者が前述したような動作をした場合は、その待機時間は長くなったり、短くなったりする。
【0086】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0087】
100…情報端末
110…再生&一時停止ボタン
120…もう一度ボタン
130…メモリーカード挿入口
140…音量調節ボリューム
150…電源ボタン
160…イヤホン
170…ストラップ
400…制御モジュール
410…待機パラメータ決定モジュール
420…音コンテンツ制御モジュール
425…音コンテンツ記憶モジュール
430…待機制御モジュール
440…現在位置検出モジュール
450…音コンテンツ再生モジュール
460…待機手動解除指示モジュール
470…状態検出モジュール
480…待機ログ解析モジュール
510…プロファイル情報受付モジュール
520…待機パラメータ抽出モジュール
530…待機パラメータ記憶モジュール
540…状態検出結果受付モジュール
550…待機パラメータ補正モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者又は該操作者の環境に関する属性を受け付ける受付手段と、
属性と、説明と次の説明の間である待機に関する情報である待機情報とが対応付けて記憶された待機情報記憶装置から、前記受付手段によって受け付けられた属性に基づいて、前記操作者に対して説明を行う場合における待機情報を抽出する抽出手段と、
説明情報を記憶する説明情報記憶手段と、
前記説明情報記憶手段に記憶されている説明情報を音として発生する発生手段と、
前記操作者の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された操作者の状態に基づいて、前記抽出手段によって抽出された待機情報を補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された待機情報に基づいて、前記発生手段によって説明情報を音として発生し終わってから次の説明情報を音として発生するまでの間の時間を制御する制御手段
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記説明情報記憶手段は、対象に対する第1の説明に関する第1の説明情報、第2の説明に関する第2の説明情報、第3の説明に関する第3の説明情報を記憶しており、
前記第1の説明情報は、前記対象を説明するにあたって事前に行われる説明に関する情報であって、
前記第2の説明情報は、前記第1の説明の後に行われる説明であって、前記対象を操作者に探させるための説明に関する情報であって、
前記第3の説明情報は、前記第2の説明の後に行われる説明であって、前記対象の説明に関する情報であり、
前記待機情報記憶装置は、第1の待機に関する情報である第1の待機情報、第2の待機に関する情報である第2の待機情報を記憶しており、
前記第1の待機は、前記第1の説明と前記第2の説明の間であり、
前記第2の待機は、前記第2の説明と前記第3の説明の間であり、
前記抽出手段は、前記待機情報記憶装置から前記第1の待機情報、前記第2の待機情報を抽出し、
前記検出手段は、前記第1の待機における前記操作者の第1の状態を検出し、前記第2の待機における該操作者の第2の状態を検出し、
前記補正手段は、前記第1の待機情報を前記第1の状態に基づいて補正し、前記第2の待機情報を前記第2の状態に基づいて補正し、
前記制御手段は、前記補正手段によって補正された第1の待機情報に基づいて、前記発生手段による第1の説明と第2の説明の間を制御し、前記補正手段によって補正された第2の待機情報に基づいて、前記発生手段による第2の説明と第3の説明の間を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検出手段は、会話の有無又は会話している人数を検出し、
前記補正手段は、前記検出手段によって会話が行われていることが検出された場合は、待機時間を長くするように補正し、又は前記検出手段によって検出された会話している人数に応じて待機時間を補正する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記操作者の歩行が止まっている時間を検出し、
前記補正手段は、前記検出手段によって検出された歩行が止まっている時間に応じて、待機時間を長くするように補正する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記待機中であって、予め定められた時点から前記次の説明までの期間内にある場合に、前記検出手段によって予め定められた動作を検出したときは、該待機を解除して、該次の説明を開始するように制御する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置の位置を検出する位置検出手段
をさらに具備し、
前記制御手段は、前記位置検出手段によって検出された位置が予め定められた位置にある場合は、前記待機の解除を行わないように制御する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、説明と次の説明の間に、待機である旨を示す音を前記発生手段に発生させるように制御する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置と待機情報記憶装置とを含み、
前記待機情報記憶装置は、操作者又は該操作者の環境に関する属性と、説明と次の説明の間である待機に関する情報である待機情報とを対応付けて記憶し、
前記情報処理装置は、
前記属性を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた属性に基づいて、前記操作者に対して説明を行う場合における待機情報を、前記待機情報記憶装置から抽出する抽出手段と、
説明情報を記憶する説明情報記憶手段と、
前記説明情報記憶手段に記憶されている説明情報を音として発生する発生手段と、
前記操作者の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された操作者の状態に基づいて、前記抽出手段によって抽出された待機情報を補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された待機情報に基づいて、前記発生手段によって説明情報を音として発生し終わってから次の説明情報を音として発生するまでの間の時間を制御する制御手段
を含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータを、
操作者又は該操作者の環境に関する属性を受け付ける受付手段と、
属性と、説明と次の説明の間である待機に関する情報である待機情報とが対応付けて記憶された待機情報記憶装置から、前記受付手段によって受け付けられた属性に基づいて、前記操作者に対して説明を行う場合における待機情報を抽出する抽出手段と、
説明情報を記憶する説明情報記憶手段と、
前記説明情報記憶手段に記憶されている説明情報を音として発生する発生手段と、
前記操作者の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された操作者の状態に基づいて、前記抽出手段によって抽出された待機情報を補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された待機情報に基づいて、前記発生手段によって説明情報を音として発生し終わってから次の説明情報を音として発生するまでの間の時間を制御する制御手段
として機能させるための情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−242688(P2011−242688A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116480(P2010−116480)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)