説明

情報処理装置、情報処理システム及び情報処理プログラム

【課題】Webブラウザに表示されているデータと当該データに設定されているハイパーリンクに関連付けられているリンク先のデータとを、それぞれ別の表示領域に表示させる情報処理装置を提供する。
【解決手段】Webブラウザ3は、通信経路Nを介してWebサーバ20からPDFデータを取得してデータ表示領域に表示する。分割部4は、Webブラウザ3のデータ表示領域内に表示されているPDFデータに設定されたハイパーリンクが指定された場合、データ表示領域を第1フレームと第2フレームとに分割する。制御部5は、ハイパーリンクに関連付けられた特定データを、通信経路Nを介してWebサーバ20からWebブラウザ3に取得させ、第1フレームに基づく表示領域であってWebブラウザ3の表示領域とは別の表示領域内に特定データを表示させ、PDFデータを第2フレーム内に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webブラウザを用いて情報を表示する情報処理装置、情報処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PDF(Portable Document Format)形式のデータ(以下、「PDFデータ」と称する)においては、他のドキュメントやWebページを取得するためのハイパーリンクを文書中に設定することができる。PDFデータに設定されたハイパーリンクをユーザが指定することにより、当該ハイパーリンクに関連付けられたリンク先のドキュメントやWebページを取得することができる。例えば、ハイパーリンク先を示すURL(Uniform Resource Locator)等のアドレス情報をPDFデータに記述しておき、ユーザがアドレス情報を指定すると、指定されたアドレス情報によって特定されるドキュメントやWebページを取得することができる。
【0003】
また、Webブラウザを用いてWebサーバからPDFデータを取得し、Webブラウザの表示領域内にPDFデータを表示する場合がある。
【0004】
例えば下記の特許文献1には、冷熱機器の技術資料に関するPDFデータをサーバからモバイルPCにダウンロードし、モバイルPCにてPDFデータを表示するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−64138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、Webブラウザに表示されているPDFデータと当該PDFデータに設定されているハイパーリンク先のドキュメントやWebページとを並べて表示し、PDFデータとハイパーリンク先のドキュメントやWebページとを同時に閲覧したい場合がある。
【0007】
しかしながら、従来技術においては、Webブラウザの表示領域内にPDFデータが表示されている場合、ハイパーリンク先のドキュメントやWebページは、Webブラウザにおいて元のPDFデータが表示されていた表示領域内に表示されてしまう。すなわち、元のPDFデータから遷移して、ハイパーリンク先のドキュメントやWebページが元のPDFデータの代わりにWebブラウザの表示領域内に表示される。PDFデータに設定されているハイパーリンクでは、リンク先のドキュメントやWebページの表示先を指定することができないため、PDFデータがWebブラウザの表示領域内に表示されている場合に当該PDFデータに設定されているハイパーリンクが指定されると、ハイパーリンク先のドキュメントやWebページが、元のPDFデータの代わりにWebブラウザの表示領域内に表示されてしまう。このように従来技術においては、Webブラウザの表示領域内に元々表示されていたPDFデータに代えて、ハイパーリンク先のドキュメントやWebページがWebブラウザの表示領域内に表示されてしまうため、元のPDFデータとハイパーリンク先のドキュメントやWebページとを並べて表示することは容易ではない。
【0008】
従来、Webブラウザの表示領域内に元々表示されていたPDFデータとハイパーリンク先のドキュメントやWebページとを並べて表示するためには、元のPDFデータを表示しているWebブラウザとは別のWebブラウザを起動させ、当該別のWebブラウザにハイパーリンク先のドキュメントやWebページを表示させる必要がある。そのためには、ユーザが、元のPDFデータを表示しているWebブラウザとは別のWebブラウザを起動させるための操作を行い、ハイパーリンク先のURL等のアドレス情報を当該別のWebブラウザに入力し、当該別のWebブラウザによってハイパーリンク先のドキュメントやWebページを取得するための操作を行う必要がある。このような複数の手順を含む操作をユーザが行う必要があるため、ユーザによる操作が煩雑となり、Webブラウザに表示されている元のPDFデータとハイパーリンク先のドキュメントやWebページとを並べて表示し、元のPDFデータとハイパーリンク先のドキュメントやWebページとを同時に閲覧することは容易ではない。
【0009】
上述した特許文献1に記載のシステムは、PDFデータをサーバからモバイルPCにダウンロードして表示しているに過ぎず、ハイパーリンク先のドキュメントやWebページは、元のPDFデータが表示されていた表示領域内に表示されてしまう。従って、特許文献1に記載のシステムでは、Webブラウザの表示領域内に元々表示されているPDFデータと当該PDFデータに設定されているハイパーリンク先のドキュメントやWebページとを並べて閲覧することは容易ではない。
【0010】
本発明の目的は、Webブラウザに表示されているデータと当該データに設定されているハイパーリンクに関連付けられているリンク先のデータとを、別々の表示領域に表示させることが可能な情報処理装置、情報処理システム及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、通信経路を介して情報提供装置から初期データを取得して初期表示領域内に表示するWebブラウザと、前記Webブラウザの前記初期表示領域内に表示されている前記初期データに設定されたハイパーリンクが指定された場合、前記初期表示領域を第1フレームと第2フレームとに分割する分割手段と、前記ハイパーリンクが指定された場合に前記ハイパーリンクに関連付けられた特定データを、前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記Webブラウザに取得させ、前記第1フレームに基づく表示領域であって前記Webブラウザの表示領域とは別の表示領域内に前記特定データを表示させ、前記初期表示領域内に表示されていた前記初期データを前記第2フレーム内に表示させる制御手段と、を有することを特徴とする情報処理装置である。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る情報処理装置であって、前記制御手段は、前記ハイパーリンクが指定された場合にブランクページと前記特定データとを前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記Webブラウザに取得させ、前記Webブラウザの前記初期表示領域内に、前記初期データに代えて前記ブランクページを表示させ、前記分割手段は、前記ブランクページが表示された前記初期表示領域を前記第1フレームと前記第2フレームとに分割し、前記初期表示領域が前記分割手段によって前記第1フレームと前記第2フレームとに分割された後、前記制御手段は、前記第1フレームに基づく前記別の表示領域内に前記特定データを表示させ、前記第2フレーム内に前記初期データを表示させる、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に係る情報処理装置であって、前記制御手段は、前記ハイパーリンクが指定された場合、前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記初期データを前記Webブラウザに再度取得させ、前記Webブラウザによって再度取得された前記初期データを前記第2フレーム内に表示させる、ことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る情報処理装置であって、前記Webブラウザは、前記ハイパーリンクが指定された場合、前記初期表示領域に表示されていた前記初期データのページ番号と前記初期データの取得要求とを前記通信経路を介して前記情報提供装置に送信し、前記ページ番号が指定された状態で前記初期データを前記情報提供装置から再度取得し、前記制御手段は、前記Webブラウザによって再度取得された前記初期データの指定された前記ページ番号のページを前記第2フレーム内に表示させる、ことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項3又は請求項4に係る情報処理装置であって、前記制御手段は、前記Webブラウザに前記初期データを再度取得させている間、前記取得の進捗状況を前記第1フレーム内に表示させる、ことを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る情報処理装置であって、前記制御手段は、前記Webブラウザに前記初期データを再度取得させている間、前記第1フレームを表示状態にするとともに前記第2フレームを非表示状態にし、前記取得の進捗状況を前記第1フレーム内に表示させ、前記Webブラウザによって前記初期データが再度取得された後は、前記第1フレームを非表示状態にするとともに前記第2フレームを表示状態にし、前記第1フレームに基づく前記別の表示領域内に前記特定データを表示させ、前記Webブラウザによって再度取得された前記初期データを前記第2フレーム内に表示させる、ことを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に係る情報処理装置であって、前記初期データはPDF形式のデータである、ことを特徴とする。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に係る情報処理装置であって、前記制御手段は、前記初期データを表示していた前記Webブラウザとは異なるWebブラウザであって前記第1フレームに基づく新たなWebブラウザを起動させ、前記新たなWebブラウザの表示領域を前記別の表示領域として前記特定データを前記別の表示領域内に表示させる、ことを特徴とする。
【0019】
請求項9に係る発明は、情報処理装置と情報提供装置とが通信経路によって接続された情報処理システムであって、前記情報処理装置は、前記通信経路を介して前記情報提供装置から初期データを取得して初期表示領域内に表示するWebブラウザと、前記Webブラウザの前記初期表示領域内に表示されている前記初期データに設定されたハイパーリンクが指定された場合、前記初期表示領域を第1フレームと第2フレームとに分割する分割手段と、前記ハイパーリンクが指定された場合に前記ハイパーリンクに関連付けられた特定データを、前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記Webブラウザに取得させ、前記第1フレームに基づく表示領域であって前記Webブラウザの表示領域とは別の表示領域内に前記特定データを表示させ、前記初期表示領域内に表示されていた前記初期データを前記第2フレーム内に表示させる制御手段と、を有することを特徴とする情報処理システムである。
【0020】
請求項10に係る発明は、請求項9に係る情報処理システムであって、前記制御手段は、前記ハイパーリンクが指定された場合にブランクページと前記特定データとを前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記Webブラウザに取得させ、前記Webブラウザの前記初期表示領域内に、前記初期データに代えて前記ブランクページを表示させ、前記分割手段は、前記ブランクページが表示された前記初期表示領域を前記第1フレームと前記第2フレームとに分割し、前記初期表示領域が前記分割手段によって前記第1フレームと前記第2フレームとに分割された後、前記制御手段は、前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記初期データを前記Webブラウザに再度取得させ、前記再度取得された前記初期データを前記第2フレーム内に表示させ、前記第1フレームに基づく前記別の表示領域内に前記特定データを表示させる、ことを特徴とする。
【0021】
請求項11に係る発明は、コンピュータに、Webブラウザによって通信経路を介して情報提供装置から初期データを取得して前記Webブラウザの初期表示領域内に表示するステップと、前記Webブラウザの前記初期表示領域内に表示されている前記初期データに設定されたハイパーリンクが指定された場合、前記初期表示領域を第1フレームと第2フレームとに分割するステップと、前記ハイパーリンクが指定された場合に前記ハイパーリンクに関連付けられた特定データを、前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記Webブラウザに取得させ、前記第1フレームに基づく表示領域であって前記Webブラウザの表示領域とは別の表示領域内に前記特定データを表示させ、前記初期表示領域内に表示されていた前記初期データを前記第2フレーム内に表示させるステップと、を実行させることを特徴とする情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、Webブラウザの初期表示領域を第1フレームと第2フレームとに分割し、第1フレームに基づく表示領域であってWebブラウザの表示領域とは別の表示領域内にハイパーリンク先の特定データを表示させ、初期データを第2フレーム内に表示させることで、ハイパーリンク先の特定データと初期データとを別々の表示領域内に表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報処理システムによる動作の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図3】Webブラウザの表示領域の一例を示す図である。
【図4】Webブラウザの表示領域の一例を示す図である。
【図5】Webブラウザにおいてフレーム分割された表示領域の一例を示す図である。
【図6】Webブラウザの表示領域の一例を示す図である。
【図7】ハイパーリンク先の特定データを表示する表示領域の一例を示す図である。
【図8】フレーム分割によってフレーム数が増加するWebブラウザの表示領域の一例を示す図である。
【図9】ブランクページを表示するWebブラウザの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に、本発明に実施形態に係る情報処理システム40を示す。本実施形態に係る情報処理システム40は、情報処理装置1と情報提供装置としてのWebサーバ20とを含んで構成されている。情報処理装置1とWebサーバ20とは通信経路Nを介して接続されている。通信経路Nは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークやインターネット等によって構成されている。図1に示す例では、1つの情報処理装置1と1つのWebサーバ20とが示されているが、これは例示であり、情報処理システム40は、複数の情報処理装置1を含んでいてもよいし、複数のWebサーバ20を含んでいてもよい。
【0025】
まず、情報処理装置1について説明する。情報処理装置1は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)2と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶部6と、キーボードやマウス等の入力装置で構成された操作部7と、CRTや液晶ディスプレイなどの表示装置で構成された表示部8と、ネットワークインターフェースである送受信部9とを備えている。送受信部9は、通信経路N上の他の装置との間でデータを送受信する機能を有する。
【0026】
CPU2はプログラムを実行することで、Webブラウザ3としての機能と、分割部4としての機能と、制御部5としての機能とを実行する。記憶部6にはCPU2が実行するコンピュータプログラムが記憶されている。例えば、記憶部6には、Webブラウザ3の機能を実行するためのWebブラウザプログラムと、分割部4の機能を実行するための分割プログラムと、制御部5の機能を実行するための制御プログラムとが記憶されている。CPU2が各プログラムを記憶部6から読み込んで実行することにより、各部の機能を実行する。例えば、CPU2は、Webブラウザプログラムを記憶部6から読み込んで実行することによりWebブラウザ3の機能を実行する。また、CPU2は、分割プログラムを記憶部6から読み込んで実行することにより分割部4の機能を実行する。また、CPU2は、制御プログラムを記憶部6から読み込んで実行することにより制御部5の機能を実行する。なお、Webブラウザプログラム、分割プログラム及び制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されることも可能であるし、データ通信として通信により提供されることも可能である。以下、Webブラウザ3、分割部4及び制御部5について説明する。
【0027】
Webブラウザ3は、HTML形式のデータ(以下、「HTMLデータ」と称する場合がある)をWebサーバ20から受けて、当該HTMLデータを解析して表示部8に表示させる。例えば、Webブラウザ3は、送受信部9及び通信経路Nを介して、HTTPリクエスト形式の要求をWebサーバ20に送信する。Webブラウザ3は、HTTPリクエスト形式の要求に対するHTTPレスポンス形式の応答として、Webサーバ20からHTMLデータを取得し、当該HTMLデータを解析して表示部8に表示させる。
【0028】
また、Webブラウザ3は、PDFデータ、文書データ又は画像データ等の非HTML形式のデータをWebサーバ20から受信し、表示部8にPDFデータ等の非HMTL形式のデータを表示させてもよい。例えば、Webブラウザ3はPDFデータをWebサーバ20から受信し、表示部8においてWebブラウザ3のデータ表示領域にPDFデータを表示する。なお、PDFデータ、文書データ又は画像データ等の非HTML形式のデータが、初期データの一例に相当する。初期データにはハイパーリンクが設定されており、この初期データは以下に説明する性質を有する。すなわち、初期データがWebブラウザ3のデータ表示領域内に表示されている状態でハイパーリンクが指定された場合、当該ハイパーリンクに関連付けられたリンク先の特定データが、初期データの代わりにWebブラウザ3のデータ表示領域内に表示される。以下では、初期データの一例としてPDFデータをWebブラウザ3のデータ表示領域に表示する場合の処理について説明するが、文書データ又は画像データをWebブラウザ3のデータ表示領域に表示する場合も、PDFデータをWebブラウザ3のデータ表示領域に表示する場合と同じ処理を行ってもよい。
【0029】
分割部4は、Webブラウザ3のデータ表示領域内に表示されているPDFデータに設定されているハイパーリンクが指定された場合、当該データ表示領域を複数のフレームに分割する。例えば、PDFデータに設定されているハイパーリンクをユーザがマウスを用いてクリックすると、分割部4はWebブラウザ3のデータ表示領域を複数のフレームに分割する。例えば、分割部4は、Webブラウザ3のデータ表示領域を第1フレームと第2フレームとに分割する。
【0030】
制御部5は、情報処理装置1の各部の動作を制御する。例えば、制御部5は、PDFデータに設定されているハイパーリンクが指定された場合、当該ハイパーリンクに関連付けられたリンク先の特定データをWebブラウザ3にWebサーバ20から取得させる。すなわち、Webブラウザ3は制御部5の制御の下、ハイパーリンクに関連付けられたリンク先の特定データを、送受信部9及び通信経路Nを介してWebサーバ20から取得する。なお、特定データは、HTMLデータであるWebページ、PDFデータ、文書データ、画像データ又はその他の形式のデータであってもよい。
【0031】
また、Webブラウザ3のデータ表示領域が分割部4によって第1フレームと第2フレームとに分割された後、制御部5は、第1フレームに基づく表示領域であってWebブラウザ3の表示領域とは別の表示領域(別のウィンドウ)内に、ハイパーリンクに関連付けられたリンク先の特定データを表示させる。例えば、制御部5は、第1フレームに基づく新たなWebブラウザ3を起動させ、当該新たなWebブラウザ3の表示領域を別の表示領域として当該別の表示領域内にリンク先の特定データを表示させる。HTMLのハイパーリンクは、リンク先の特定データを別の新たなWebブラウザ3に表示させることができる。そこで、Webブラウザ3の表示領域からフレーム分割された第1フレームを利用することで、HTMLを介して別の新たなWebブラウザ3を起動させ、PDFデータに設定されたハイパーリンク先の特定データを別の新たなWebブラウザ3の表示領域内に表示させることができる。また、制御部5は、Webブラウザ3のデータ表示領域内に表示されていたPDFデータを、Webブラウザ3の第2フレーム内に表示させる。
【0032】
また、制御部5は、上記のハイパーリンクが指定された場合、ブランクページ等のダミーページのHTMLデータをWebブラウザ3にWebサーバ20から取得させてもよい。ブランクページは、文字や画像等がない空白のページである。この場合、制御部5は、Webブラウザ3のデータ表示領域内に、PDFデータに代えてダミーページを表示させる。すなわち、Webブラウザ3は制御部5の制御の下、ブランクページ等のダミーページのHTMLデータを、送受信部9及び通信経路Nを介してWebサーバ20から取得し、データ表示領域内に当該ダミーページを表示する。そして、分割部4は、ダミーページが表示されているデータ表示領域を第1フレームと第2フレームとに分割し、その後、制御部5は、第1フレームに基づく別の表示領域内にリンク先の特定データを表示させ、第2フレーム内にPDFデータを表示させる。
【0033】
また、制御部5は、上記のハイパーリンクが指定された場合、Webブラウザ3にPDFデータをWebサーバ20から再度取得させてもよい。この場合、Webブラウザ3は、データ表示領域に表示されていたPDFデータのページ番号とPDFデータの取得要求とを、送受信部9及び通信経路Nを介してWebサーバ20に送信し、ページ番号が指定された状態でPDFデータをWebサーバ20から再度取得(再ダウンロード)する。制御部5は、Webブラウザ3によって再度取得(再ダウンロード)されたPDFデータをWebブラウザ3の第2フレーム内に表示させる。このとき、制御部5は、再度取得されたPDFデータの指定されたページ番号のページを第2フレーム内に表示させる。また、制御部5は、Webブラウザ3にPDFデータを再度取得(再ダウンロード)させている間、当該取得の進捗状況を示すプログレスバーをWebブラウザ3の第1フレーム内に表示させてもよい。
【0034】
次に、Webサーバ20について説明する。Webサーバ20は、プログラムを実行するCPU21と、ROMやRAMやHDD等の記憶部24と、ネットワークインターフェースである送受信部25とを備えている。送受信部25は、通信経路N上の他の装置との間でデータを送受信する機能を有する。Webサーバ20は、HTTPリクエスト形式の要求をWebブラウザ3から受信すると、HTTPリクエスト形式の要求に対するHTTPレスポンス形式の応答として、HTMLデータをWebブラウザ3に送信する。
【0035】
CPU21はプログラムを実行することで、生成部22としての機能と設定部23としての機能とを実行する。記憶部24には、生成部22の機能を実行するための生成プログラムと、設定部23の機能を実行するための設定プログラムとが記憶されている。CPU21が各プログラムを記憶部24から読み込んで実行することにより、各部の機能を実行する。例えば、CPU21は、生成プログラムを記憶部24から読み込んで実行することにより生成部22の機能を実行する。また、CPU21は、設定プログラムを記憶部24から読み込んで実行することにより設定部23の機能を実行する。また、記憶部24には、CPU21が実行するプログラムの他、HTMLデータ、PDFデータ、文書データ又は画像データ等の特定データが記憶されている。なお、生成プログラム及び設定プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されることも可能であるし、データ通信として通信により提供されることも可能である。以下、生成部22と設定部23とについて説明する。
【0036】
生成部22は、情報処理装置1からダミーページの取得要求を受けた場合、ダミーページのHTMLデータを生成する。例えば、生成部22は、ダミーページのHTMLデータとしてブランクページのHTMLデータを生成する。なお、ダミーページのHTMLデータを予め作成して記憶部24に予め記憶させておいてもよい。この場合、Webサーバ20に生成部22を設けなくてもよい。そして、送受信部25は、生成部22によって生成されたダミーページのHTMLデータ又は記憶部24に記憶されているダミーページのHTMLデータを、通信経路Nを介して情報処理装置1に送信する。
【0037】
設定部23は、PDFデータの取得要求と当該PDFデータのページ番号とを情報処理装置1から受けた場合、当該PDFデータを記憶部24から読み込み、当該PDFデータの付帯情報であるプロパティ情報内の「開くページ」に当該ページ番号を設定(記述)する。そして、送受信部25は、設定部23によってページ番号が設定された状態のPDFデータを、通信経路Nを介して情報処理装置1に送信する。
【0038】
次に、図2に示すシーケンス図を参照して、情報処理システム40による具体的な処理の流れについて説明する。
【0039】
まず、ユーザが情報処理装置1の操作部7を用いてWebブラウザ3の起動を指示すると、情報処理装置1のCPU2はWebブラウザプログラムを記憶部6から読み込んで実行する。これによりWebブラウザ3が起動し、表示部8にはWebブラウザ3のデータ表示領域(ウィンドウ)が表示される。一例として、Webブラウザ3は、初期データとしてのPDFデータをWebサーバ20から受信し、当該PDFデータをWebブラウザ3のデータ表示領域に表示させる(ステップS01)。
【0040】
ここで、図3を参照して、Webブラウザ3の表示領域について説明する。図3は、表示部8に表示されたWebブラウザ3の表示領域の一例を示す図である。Webブラウザ3が起動すると、図3に示すように、表示部8にはWebブラウザ3の表示領域(ウィンドウ)100が表示される。Webブラウザ3の表示領域100は、一例として、Webブラウザ3の機能を表示するためのメニュー欄110と、URL等のアドレス情報を表示及び入力するためのアドレス欄120と、HTMLデータやPDFデータ等のデータを表示するためのデータ表示領域130とを含んで構成されている。
【0041】
例えば、Webブラウザ3は、PDFデータ140をWebサーバ20から受信すると、当該PDFデータ140をデータ表示領域130内に表示させる。例えば、アドビシステムズ社のAdobe Reader(登録商標)のように、PDFデータを表示するためのコンピュータプログラムを記憶部6に予め記憶させておき、CPU2がAdobe Reader等のコンピュータプログラムを実行することで、Webブラウザ3のデータ表示領域130内にPDFデータ140を表示させる。図3に示すPDFデータ140には、ハイパーリンク150が設定されている。例えば、ハイパーリンク150に関する情報には、ハイパーリンク150に関連付けられたリンク先の特定データを特定するための識別情報と、ブランクページ等のダミーページを示すダミー情報とが含まれている。リンク先の特定データを特定するための識別情報として、リンク先を示すURL等のアドレス情報、特定データが図のデータである場合は当該図の番号、特定データの名称を示すデータ名等が該当する。ハイパーリンク150に関する情報(特定データを特定するための識別情報及びダミー情報)は予め作成されてPDFデータ140に予め記述されている。なお、PDFデータ140が表示されているデータ表示領域130が初期表示領域の一例に相当する。
【0042】
そして、ユーザが操作部7を用いてハイパーリンク150を指定する(ステップS02)。例えば、ユーザは、マウスを用いてハイパーリンク150をクリックすればよい。そして、Webブラウザ3は当該指定を受けて、制御部5の制御の下、ブランクページ等のダミーページの取得要求とWebブラウザ3のデータ表示領域130に表示されているPDFデータ140のページ番号とを、送受信部9及び通信経路Nを介してWebサーバ20に送信する(ステップS03)。例えば、PDFデータの3ページ目がWebブラウザ3のデータ表示領域130に表示されている場合、Webブラウザ3は、ダミーページの取得要求とPDFデータ140のページ番号(3ページ)とをWebサーバ20に送信する。
【0043】
Webサーバ20の生成部22は、ダミーページの取得要求とPDFデータのページ番号とを、通信経路N及び送受信部25を介して情報処理装置1から受信する。そして、生成部22は、ダミーページのHTMLデータを生成する(ステップS04)。一例として、生成部22は、ブランクページのHTMLデータを生成する。なお、ダミーページのHTMLデータが予め作成されて記憶部24に記憶されている場合、生成部22は、このタイミングでダミーページのHTMLデータを生成しなくてもよい。
【0044】
そして、Webサーバ20の送受信部25は、ダミーページのHTMLデータとステップS03にて情報処理装置1から送信されたページ番号とを、通信経路Nを介して情報処理装置1に送信する(ステップS05)。
【0045】
情報処理装置1の制御部5は、ダミーページのHTMLデータを通信経路N及び送受信部9を介して受信すると、Webブラウザ3の初期表示領域であるデータ表示領域130内にダミーページを表示させる(ステップS06)。図4に、ダミーページの表示例を示す。図4は、表示部8に表示されたWebブラウザ3の表示領域の一例を示す図である。例えば図4に示すように、制御部5は、Webブラウザ3のデータ表示領域130(初期表示領域)内に、初期データとしてのPDFデータ140に代えてダミーページとしてのブランクページ200を表示させる。これにより、Webブラウザ3のデータ表示領域130には白色の画面が表示される。なお、Webブラウザ3の画面は、ブランクページ200がデータ表示領域130に表示されている画面から、後述する図5に示すプログレスバーが表示されている画面に直ちに切り替わるため、ブランクページ200はユーザによって認識されない可能性がある。すなわち、ブランクページ200が表示されている画面から図5に示す次の画面に直ちに切り替わるため、ユーザがブランクページ200を見る可能性は低い。
【0046】
そして、ブランクページの表示が完了した後、Webブラウザ3は制御部5の制御の下、初期データとしてのPDFデータ140の再取得要求を、初期表示領域としてのデータ表示領域130に表示されていたPDFデータ140のページ番号とともに、送受信部9及び通信経路Nを介してWebサーバ20に送信する(ステップS07)。例えば、Webブラウザ3は、再取得対象のPDFデータ140のデータ名とページ番号とを、送受信部9及び通信経路Nを介してWebサーバ20に送信する。
【0047】
Webサーバ20の設定部23は、初期データとしてのPDFデータ140の再取得要求とPDFデータ140のページ番号とを、通信経路N及び送受信部25を介して情報処理装置1から受信した場合、再取得要求対象のPDFデータ140をデータ名に基づいて記憶部24から読み込んで、当該PDFデータ140の付帯情報であるプロパティ情報内の「開くページ」に当該ページ番号を設定する(ステップS08)。なお、アドビシステムズ社のAdobe Reader(登録商標)によってPDFデータを表示する場合、PDFデータのプロパティ情報の「開くページ」に設定されたページが最初に表示される。例えばPDFデータのページ番号として「3ページ」が指定されている場合、設定部23は、PDFデータ140のプロパティ情報内の「開くページ」にページ番号として「3ページ」を設定する。
【0048】
そして、送受信部25は、設定部23によってページ番号が設定された状態のPDFデータ140を、通信経路Nを介して情報処理装置1に送信する(ステップS09)。
【0049】
情報処理装置1のWebブラウザ3は、通信経路N及び送受信部9を介して、Webサーバ20の設定部23によってページ番号が設定された状態のPDFデータ140をWebサーバ20から受信する。
【0050】
一方、情報処理装置1の分割部4は、ブランクページが表示されているデータ表示領域130を複数のフレーム(複数のデータ表示領域)に分割する(ステップS10)。なお、情報処理装置1は、ステップS07におけるPDFデータの再取得要求とステップS10におけるフレーム分割とを同時に行ってもよいし、ステップS07の処理の後にステップS10の処理を行ってもよいし、ステップS10の処理の後にステップS07の処理を行ってもよい。図5に、フレーム分割された表示領域を示す。図5は、Webブラウザにおいてフレーム分割された表示領域の一例である。例えば図5に示すように、分割部4は、データ表示領域130を、第1フレーム310と第2フレーム320とに分割する。第1フレーム310は、後述する別の表示領域(別のウィンドウ)を表示するための基礎となる画面である。また、第2フレーム320は、再度取得(再ダウンロード)されたPDFデータ140を表示するための表示領域である。
【0051】
一例として、制御部5は、第1フレーム310については表示幅を100%の状態にして表示部8に表示させる。一方、制御部5は、第2フレーム320については表示幅を0%の状態にする。すなわち、第1フレーム310については画面表示状態とし、第2フレーム320については画面非表示状態とする。例えば、制御部5は、ブランクページ200が表示されているデータ表示領域130(初期表示領域)に代えて、第1フレーム310の画面をWebブラウザ3に表示させる。また、第2フレーム320の表示幅は0%であるため、第2フレーム320の画面は表示部8に表示されない。なお、図5には所定の大きさをもった第2フレーム320が示されているが、図5に示す第2フレーム320は、データ表示領域130を複数のフレームに分割する処理を説明するために便宜的に示しているものであり、表示部8には第2フレーム320の画面は表示されない。
【0052】
また、Webブラウザ3が再取得対象のPDFデータ140をWebサーバ20から受信している間、図5に示すように、制御部5は、第1フレーム310内にプログレスバー400を表示させてもよい。このプログレスバー400は、再取得対象のPDFデータ140の受信(ダウンロード)の進捗状況を示す情報である。このように、Webブラウザ3が再取得対象のPDFデータ140をWebサーバ20からダウンロードしている間、制御部5は、第1フレーム310内にダウンロードの進捗状況を示すプログレスバー400を表示させる。例えば再取得対象のPDFデータ140のデータ容量が大きい場合、PDFデータ140のダウンロードが完了するまでに時間を要し、ダウンロードの間、Webブラウザ3の第1フレーム310の画面が白くなった状態となる。PDFデータ140のダウンロード中にプログレスバー400を表示することで、ユーザはどのような処理が行われているのかを把握することでき、また、ダウンロードの進捗状況を把握することができる。
【0053】
そして、Webブラウザ3によるPDFデータ140のダウンロードが完了すると、図6に示すように、制御部5は、第1フレーム310の表示幅を0%にし、第2フレーム320の表示幅を100%にして、再度取得(再ダウンロード)したPDFデータ140を第2フレーム320内に表示させる(ステップS11)。すなわち、制御部5は、第1フレーム310を画面非表示状態にし、第2フレーム320を画面表示状態にして、第2フレーム320内に再度取得したPDFデータ140を表示させる。例えば、制御部5は、図5に示す第1フレーム310に代えて、第2フレーム320の画面をWebブラウザ3に表示させる。すなわち、制御部5は、ブランクページ200が表示されていたデータ表示領域130(初期表示領域)に代えて、第2フレーム320の画面をWebブラウザ3に表示させる。また、第1フレーム310の表示幅は0%であるため、第1フレーム310の画面は表示部8に表示されない。図6には所定の大きさをもった第1フレーム310が示されているが、図6に示す第1フレーム310は、フレーム分割によって生成された第1フレーム310の存在を説明するために便宜的に示しているものであり、表示部8には第1フレーム310の画面は表示されない。
【0054】
また、ステップS11にてPDFデータ140をWebブラウザ3に再表示させる場合、制御部5は、再度取得(再ダウンロード)されたPDFデータ140のプロパティ情報を参照し、当該プロパティ情報に設定されているページ番号のページをWebブラウザ3の第2フレーム320内に表示させる。例えば、PDFデータ140のプロパティ情報の「開くページ」にページ番号として「3ページ」が設定されている場合、制御部5は、PDFデータ140の3ページ目をWebブラウザ3の第2フレーム320内に表示させる。
【0055】
なお、ページを指定して表示したPDFデータのページにハイパーリンクが設定されている場合、ユーザが当該ハイパーリンクを指定することができない場合がある。このような状況が発生した場合、PDFデータ内においてページを移動させたりズームを変更させたりして該当するページを再表示させると、ユーザはハイパーリンクを指定することが可能となる。従って、PDFデータ140を表示する場合にズーム変更を自動で行うためのJava Script(登録商標)を、ハイパーリンクが設定されている全てのページに予め設定しておいてもよい。例えば、情報処理装置1の制御部5は、PDFデータ140を第2フレーム320内に表示させるときにズーム変更を行うようにする。これにより、ページを指定して表示したPDFデータ140のページにハイパーリンクが設定されている場合であっても、ユーザは当該ハイパーリンクを指定することができる。
【0056】
そして、Webブラウザ3は制御部5の制御の下、ハイパーリンク150に関連付けられたリンク先の特定データの取得要求を、送受信部9及び通信経路Nを介してWebサーバ20に送信する(ステップS12)。例えば、Webブラウザ3は、リンク先の特定データを特定するための識別情報(URL等のアドレス情報、図番号又はデータ名等)をHTTPリクエスト形式の要求に含ませて、送受信部9及び通信経路Nを介してWebサーバ20に送信する。
【0057】
Webサーバ20は、ハイパーリンク150に関連付けられたリンク先の特定データの取得要求を情報処理装置1から受信すると、取得要求対象の特定データを、送受信部25及び通信経路Nを介して情報処理装置1に送信する(ステップS13)。例えば、Webサーバ20は、リンク先を特定するための識別情報に対応する特定データを記憶部24から読み込んで、当該特定データを送受信部25及び通信経路Nを介して情報処理装置1に送信する。一例として、Webサーバ20の生成部22は、HTTPリクエスト形式の要求をWebブラウザ3から受信すると、HTTPリクエスト形式の要求に対するHTTPレスポンス形式の応答としてHTMLデータを生成し、当該HTMLデータを、送受信部25及び通信経路Nを介して情報処理装置1に送信する。なお、ハイパーリンク150に関連付けられたリンク先の特定データが、PDFデータ、文書データ又は画像データである場合、Webサーバ20は、リンク先のPDFデータ、文書データ又は画像データを情報処理装置1に送信する。
【0058】
情報処理装置1のWebブラウザ3は、通信経路N及び送受信部9を介して特定データをWebサーバ20から受信し、当該特定データを表示する。このとき、情報処理装置1の制御部5は、図7に示すように、Webブラウザ3の第1フレーム310に基づく表示領域(ウィンドウ)であってWebブラウザ3の表示領域100とは別の表示領域(別のウィンドウ)500内に、受信した特定データ510を表示させる(ステップS14)。例えば、制御部5は、第1フレーム310に基づく新たなWebブラウザ3を起動させ、当該新たなWebブラウザ3のデータ表示領域を別の表示領域500として当該別の表示領域500内に特定データ510を表示させる。上述したように、HTMLのハイパーリンクは、リンク先の特定データを別の新たなWebブラウザ3に表示させることができるので、Webブラウザ3の第1フレーム310を利用することでHTMLを介して別の新たなWebブラウザ3を起動させ、ハイパーリンク先の特定データ510を別の新たなWebブラウザ3の表示領域内に表示させることができる。制御部5は、特定データ510としてHTMLデータを受信した場合、HTMLデータであるWebページを別の表示領域500内に表示させる。また、制御部5は、特定データ510としてPDFデータ、文書データ又は画像データを受信した場合、受信したPDFデータ、文書データ又は画像データを別の表示領域500内に表示させる。図7に示すように、Webブラウザ3のデータ表示領域130(初期表示領域)に元々表示されていたPDFデータ140は、Webブラウザ3の第2フレーム320内に表示される。また、ハイパーリンクに関連付けられたリンク先の特定データ510は、Webブラウザ3とは別の表示領域500内に表示される。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置1によると、Webブラウザ3の初期表示領域であるデータ表示領域130を第1フレーム310と第2フレーム320とに分割し、第1フレーム310に基づく表示領域であってWebブラウザ3の表示領域100とは別の表示領域500内にハイパーリンク先の特定データ510を表示させ、初期データであるPDFデータ140を第2フレーム320内に表示させることで、ハイパーリンク先の特定データ510と初期データであるPDFデータ140とを別々の表示領域内に表示させることが可能となる。そのことにより、ユーザは、ハイパーリンク先の特定データ510と初期データであるPDFデータ140とを並べて同時に閲覧することが可能となる。
【0060】
従来においては、ユーザが元のPDFデータ140を表示しているWebブラウザとは別のWebブラウザを起動させるための操作を行い、ハイパーリンク先のURL等のアドレス情報を当該別のWebブラウザに入力し、当該別のWebブラウザによってハイパーリンク先のデータを取得するための操作を行う必要があった。従来においては、このような複数の手順を含む操作をユーザが行う必要があったため、ユーザによる操作が煩雑となり、Webブラウザに表示されている元のPDFデータ140とハイパーリンク先のデータとを並べて表示し、両データを同時に閲覧することは容易ではなかった。
【0061】
これに対して本実施形態に係る情報処理装置1によると、ユーザが元のPDFデータ140に設定されているハイパーリンク150をマウス等の操作部7を用いて指定するだけで、元のPDFデータ140とハイパーリンク先の特定データ510とが別々の表示領域(ウィンドウ)内に表示される。そのため、ユーザにとって従来と比べて簡単な操作で、元のPDFデータ140とハイパーリンク先の特定データ510とを同時に閲覧することが可能となる。
【0062】
また、情報処理装置1からWebサーバ20にPDFデータ140のページ番号を送信し、ステップS08にてPDFデータ140のページ番号を設定することで、情報処理装置1が再度取得(再ダウンロード)したPDFデータ140をWebブラウザ3の第2フレーム320内に表示する場合に、Webブラウザ3のデータ表示領域130(初期表示領域)に元々表示されていたページを表示することが可能となる。例えば、Webブラウザ3のデータ表示領域130(初期表示領域)にPDFデータ140の3ページ目が元々表示されていた場合、ステップS11において、Webブラウザ3の第2フレーム320に、再ダウンロードされたPDFデータ140の3ページ目を表示することが可能となる。
【0063】
従って、ハイパーリンク先の特定データ510を別の表示領域500内に表示した場合に、当該ハイパーリンクが設定されていたPDFデータ140のページがWebブラウザ3の第2フレーム320内に表示される。このように、ハイパーリンク先の特定データ510とハイパーリンクが設定されていたページとが同時に表示されるため、PDFデータ140を再ダウンロードした場合であっても、ユーザは、ハイパーリンク先の特定データ510とハイパーリンクが設定されていたページとを簡単に並べて閲覧することができる。すなわち、ユーザは、再ダウンロードされたPDFデータ140がWebブラウザ3に表示された場合に、ハイパーリンクが設定されたページを表示するための操作を行わずに済むため、ユーザの操作負担が軽減する。
【0064】
なお、情報処理装置1は、Webサーバ20にPDFデータ140のページ番号を送信しなくてもよい。この場合、再ダウンロードされたPDFデータ140の1ページ目がWebブラウザ3の第2フレーム320内に表示される。
【0065】
また、上述した実施形態では、ステップS03からステップS06の処理によって情報処理装置1がダミーページを取得して表示する場合について説明したが、情報処理装置1はダミーページを表示しなくてもよい。すなわち、情報処理装置1はダミーページをデータ表示領域130(初期表示領域)に表示させずに、データ表示領域130を第1フレーム310と第2フレーム320とに分割し、再度取得(再ダウンロード)したPDFデータ140を第2フレーム320に表示させ、第1フレーム310に基づく別の表示領域500内にハイパーリンク先の特定データを表示させてもよい。
【0066】
なお、情報処理装置1がダミーページをデータ表示領域130に表示させない場合、ハイパーリンクの指定を繰り返すことによりフレームが増加し続け、結果として、Webブラウザ3が動作しなくなるおそれがある。ここで、フレーム分割によってフレーム数が増加する様子を、図8を参照して説明する。なお、図8においては、フレーム分割によってフレーム数が増加する様子を説明するために、Webブラウザ3の表示領域を簡略して示している。
【0067】
図8(a)に分割前のデータ表示領域130(初期表示領域)を示す。上記のステップS10の処理によってデータ表示領域130を分割することで、図8(b)に示すように第1フレーム310と第2フレーム320とが生成される。そして、ステップS11の処理によって、再度取得(再ダウンロード)されたPDFデータ140が第2フレーム320内に表示される。また、ステップS14の処理によって、第1フレーム310に基づく別の表示領域内に、Webサーバ20から取得された特定データが表示される。この段階では、フレーム数は2つである。
【0068】
そして、第2フレーム320内に表示されているPDFデータ140に設定されたハイパーリンクが新たに指定されると、上記のステップS10の処理によって第2フレーム320を分割することで、図8(c)に示すように新たな第3フレーム330が生成される。これにより、Webブラウザ3の表示領域は、第1フレーム310と第2フレーム320と第3フレーム330とを含むことになる。そして、ステップS11の処理によって、再度取得(再ダウンロード)されたPDFデータ140が第3フレーム330内に表示される。また、ステップS14の処理によって、図8(c)に示す第2フレーム320に基づく別の表示領域内に、Webサーバ20から取得された特定データが表示される。この段階では、フレーム数は3つである。
【0069】
そして、第3フレーム330内に表示されているPDFデータ140に設定されたハイパーリンクが新たに指定されると、上記のステップS10の処理によって第3フレーム330を分割することで、図8(d)に示すように新たな第4フレーム340が生成される。これにより、Webブラウザ3の表示領域は、第1フレーム310と第2フレーム320と第3フレーム330と第4フレーム340とを含むことになる。そして、ステップS11の処理によって、再度取得(再ダウンロード)されたPDFデータ140が第4フレーム340内に表示される。また、ステップS14の処理によって、図8(d)に示す第3フレーム330に基づく別の表示領域内に、Webサーバ20から取得された特定データが表示される。この段階では、フレーム数は4つである。
【0070】
以上のようにして、ダミーページをデータ表示領域130に表示させない場合、フレーム分割を行う度にフレーム数が増加する。すなわち、PDFデータ140に設定されたハイパーリンクが指定される度にフレーム数が増加し続けるため、ある時点でWebブラウザ3の動作が停止するおそれがある。
【0071】
そこで、ダミーページをWebブラウザ3の表示領域に表示させることで、フレーム数の増加を抑制することができる。図9を参照して、ダミーページを表示する場合の効果について説明する。図9(a)に分割前のデータ表示領域130(初期表示領域)を示す。上記のステップS10の処理によってデータ表示領域130を分割することで、図9(b)に示すように第1フレーム310と第2フレーム320とが生成される。そして、ステップS11の処理によって、再度取得(再ダウンロード)されたPDFデータ140が第2フレーム320内に表示され、ステップS14の処理によって、第1フレーム310に基づく別の表示領域内にWebサーバ20から取得された特定データが表示される。そして、第2フレーム320内に表示されているPDFデータ140に設定されたハイパーリンクが新たに指定された場合、上述したステップS03からステップS06の処理によって、図9(c)に示すように、ブランクページ200がWebブラウザ3のデータ表示領域130に表示される。これにより、フレーム分割されていたデータ表示領域130がブランクページ200によって一旦リセットされる。これ以降、ブランクページ200が表示されているデータ表示領域130を第1フレームと第2フレームとに分割し、第1フレームに基づく別の表示領域内に特定データを表示し、第2フレーム内に再ダウンロードされたPDFデータを表示する。このように、ステップS06の処理によってブランクページをWebブラウザ3のデータ表示領域内に表示させることで、データ表示領域が一旦リセットされるため、PDFデータに設定されたハイパーリンクを繰り返し指定した場合であっても、フレーム数の増加を抑制し、Webブラウザ3の動作が停止することを防止することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 情報処理装置、2,21 CPU、3 Webブラウザ、4 分割部、5 制御部、6,24 記憶部、7 操作部、8 表示部、9,25 送受信部、20 Webサーバ、22 生成部、23 設定部、40 情報処理システム。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信経路を介して情報提供装置から初期データを取得して初期表示領域内に表示するWebブラウザと、
前記Webブラウザの前記初期表示領域内に表示されている前記初期データに設定されたハイパーリンクが指定された場合、前記初期表示領域を第1フレームと第2フレームとに分割する分割手段と、
前記ハイパーリンクが指定された場合に前記ハイパーリンクに関連付けられた特定データを、前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記Webブラウザに取得させ、前記第1フレームに基づく表示領域であって前記Webブラウザの表示領域とは別の表示領域内に前記特定データを表示させ、前記初期表示領域内に表示されていた前記初期データを前記第2フレーム内に表示させる制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御手段は、前記ハイパーリンクが指定された場合にブランクページと前記特定データとを前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記Webブラウザに取得させ、前記Webブラウザの前記初期表示領域内に、前記初期データに代えて前記ブランクページを表示させ、
前記分割手段は、前記ブランクページが表示された前記初期表示領域を前記第1フレームと前記第2フレームとに分割し、
前記初期表示領域が前記分割手段によって前記第1フレームと前記第2フレームとに分割された後、前記制御手段は、前記第1フレームに基づく前記別の表示領域内に前記特定データを表示させ、前記第2フレーム内に前記初期データを表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記制御手段は、前記ハイパーリンクが指定された場合、前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記初期データを前記Webブラウザに再度取得させ、前記Webブラウザによって再度取得された前記初期データを前記第2フレーム内に表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記Webブラウザは、前記ハイパーリンクが指定された場合、前記初期表示領域に表示されていた前記初期データのページ番号と前記初期データの取得要求とを前記通信経路を介して前記情報提供装置に送信し、前記ページ番号が指定された状態で前記初期データを前記情報提供装置から再度取得し、
前記制御手段は、前記Webブラウザによって再度取得された前記初期データの指定された前記ページ番号のページを前記第2フレーム内に表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記制御手段は、前記Webブラウザに前記初期データを再度取得させている間、前記取得の進捗状況を前記第1フレーム内に表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記制御手段は、前記Webブラウザに前記初期データを再度取得させている間、前記第1フレームを表示状態にするとともに前記第2フレームを非表示状態にし、前記取得の進捗状況を前記第1フレーム内に表示させ、前記Webブラウザによって前記初期データが再度取得された後は、前記第1フレームを非表示状態にするとともに前記第2フレームを表示状態にし、前記第1フレームに基づく前記別の表示領域内に前記特定データを表示させ、前記Webブラウザによって再度取得された前記初期データを前記第2フレーム内に表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記初期データはPDF形式のデータである、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御手段は、前記初期データを表示していた前記Webブラウザとは異なるWebブラウザであって前記第1フレームに基づく新たなWebブラウザを起動させ、前記新たなWebブラウザの表示領域を前記別の表示領域として前記特定データを前記別の表示領域内に表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置と情報提供装置とが通信経路によって接続された情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記通信経路を介して前記情報提供装置から初期データを取得して初期表示領域内に表示するWebブラウザと、
前記Webブラウザの前記初期表示領域内に表示されている前記初期データに設定されたハイパーリンクが指定された場合、前記初期表示領域を第1フレームと第2フレームとに分割する分割手段と、
前記ハイパーリンクが指定された場合に前記ハイパーリンクに関連付けられた特定データを、前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記Webブラウザに取得させ、前記第1フレームに基づく表示領域であって前記Webブラウザの表示領域とは別の表示領域内に前記特定データを表示させ、前記初期表示領域内に表示されていた前記初期データを前記第2フレーム内に表示させる制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムであって、
前記制御手段は、前記ハイパーリンクが指定された場合にブランクページと前記特定データとを前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記Webブラウザに取得させ、前記Webブラウザの前記初期表示領域内に、前記初期データに代えて前記ブランクページを表示させ、
前記分割手段は、前記ブランクページが表示された前記初期表示領域を前記第1フレームと前記第2フレームとに分割し、
前記初期表示領域が前記分割手段によって前記第1フレームと前記第2フレームとに分割された後、前記制御手段は、前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記初期データを前記Webブラウザに再度取得させ、前記再度取得された前記初期データを前記第2フレーム内に表示させ、前記第1フレームに基づく前記別の表示領域内に前記特定データを表示させる、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータに、
Webブラウザによって通信経路を介して情報提供装置から初期データを取得して前記Webブラウザの初期表示領域内に表示するステップと、
前記Webブラウザの前記初期表示領域内に表示されている前記初期データに設定されたハイパーリンクが指定された場合、前記初期表示領域を第1フレームと第2フレームとに分割するステップと、
前記ハイパーリンクが指定された場合に前記ハイパーリンクに関連付けられた特定データを、前記通信経路を介して前記情報提供装置から前記Webブラウザに取得させ、前記第1フレームに基づく表示領域であって前記Webブラウザの表示領域とは別の表示領域内に前記特定データを表示させ、前記初期表示領域内に表示されていた前記初期データを前記第2フレーム内に表示させるステップと、
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−105251(P2013−105251A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247505(P2011−247505)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】