説明

情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法

【課題】処理に用いられるパラメータの設定を支援する。
【解決手段】サーバ装置は、通信端末から取得した、パラメータ値を設定済みのアプリ連携ルールにおいて、パラメータ値が同一のアプリ連携ルールの組があった場合、これを統計的に学習する。サーバ装置は、通信端末から、パラメータ値が未設定のアプリ連携ルールの情報を取得すると、学習内容に基づいて、取得したアプリ連携ルールと、このアプリ連携ルールとパラメータに同一の値が設定され得るアプリ連携ルールとの組を通信端末に通知する。通信端末は、通知に含まれるアプリ連携ルールの組における、パラメータ値が未設定のアプリ連携ルールに対して、他方のアプリ連携ルールと同じ内容のパラメータ値を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理に用いられるパラメータの設定を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
異なるアプリケーションプログラムどうしを連携させるときに、或るアプリケーションプログラムにおける出力を他のアプリケーションプログラムの入力とする方法が知られている。例えば特許文献1には、或るアプリケーションプログラムが出力したデータを入力として、このアプリケーションプログラムと連携する他のアプリケーションプログラムがあったときに、連携に用いられたデータの属性及び値を収集し、収集した情報を、アプリケーションプログラムの連携の履歴として表示部に表示することが記載されている。また、非特許文献1には、ユーザが利用中の或るアプリケーションプログラムから他のアプリケーションプログラムに対する出力として連携可能なデータの属性が特定されたときに、特定された内容と同一の属性のデータを入力とするアプリケーションプログラムをリスト化して、これをユーザに通知することで、ユーザが、リストから連携相手のアプリケーションプログラムを選択する仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−157676号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Android開発ガイド インターネット<URL:http://developer.android.com/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1や非特許文献1に記載の技術によれば、異なる処理どうしを連携させるために、或る処理の出力値を他の処理の入力値として用いる場合、この値が、両者の処理において共通の変数であるパラメータとして設定されることになる。通常、このような処理におけるパラメータは、一度設定を行えば、以後において、その設定された値を使用し続けることも可能であるが、少なくとも初回の設定においては、ユーザ自身が設定のための操作を行わなければならず、一定の手間を要する。従って、初回の設定も含め、処理に用いられるパラメータの設定に要する手間を削減することができれば、ユーザにとっては利便性が高い。
【0006】
本発明は上述の背景に鑑みてなされたものであり、処理に用いられるパラメータの設定を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の通信端末から、当該通信端末が行う処理を表す情報と当該処理に用いられるパラメータに設定された値とを取得する第1取得手段と、一の処理と他の処理との組について、当該一の処理に用いられるパラメータと当該他の処理に用いられるパラメータとに同一の値が設定され得る度合いを表す同一度を記憶する記憶手段と、前記第1取得手段によって取得された複数の前記情報が表す処理に含まれる一の処理と他の処理との組についての前記同一度を、当該情報とともに前記第1取得手段によって取得された前記値を用いて、当該情報の提供元である通信端末単位で算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された同一度を用いて、前記記憶手段に記憶されている同一度を更新する更新手段と、各々の通信端末から、当該通信端末が行う処理のうちパラメータに値が設定されていない処理を表す情報を取得する第2取得手段と、前記記憶手段に記憶された同一度に基づいて、前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理との同一度が閾値以上である処理を抽出する抽出手段と、前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理と前記抽出手段によって抽出された処理との組を、前記第2取得手段が取得した前記情報の提供元である前記通信端末に通知する通知手段とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0008】
好ましい態様において、前記算出手段は、前記一の処理に用いられるパラメータと前記他の処理に用いられるパラメータとについて、データタイプが一致する場合に、前記データタイプのパラメータが取り得る値の上限値に対する2つの前記パラメータの値の差分の割合に基づいて前記同一度を算出することを特徴とする。
【0009】
好ましい態様において、前記通信端末の属する地域を表す地域情報を取得する地域情報取得手段を備え、前記記憶手段は、前記地域情報によって表される地域ごとに、一の処理と他の処理との組について前記同一度を記憶し、前記算出手段は、前記地域情報取得手段によって取得された地域情報が表す地域ごとに、前記第1取得手段によって取得された複数の前記情報が表す処理に含まれる一の処理と他の処理との組についての前記同一度を算出し、前記更新手段は、前記算出手段によって前記地域ごとに算出された前記同一度を用いて、前記記憶手段に前記地域ごとに記憶されている前記同一度を更新し、前記抽出手段は、前記第2取得手段によって取得された前記情報及び前記値の提供元の通信端末の属する地域について前記記憶手段に記憶されている前記同一度に基づいて、前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理との同一度が閾値以上である処理を抽出することを特徴とする。
【0010】
また、別の好ましい態様において、前記通信端末のユーザの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得手段を備え、前記記憶手段は、前記属性情報によって表される属性ごとに、一の処理と他の処理との組について、前記同一度を記憶し、前記算出手段は、前記属性情報取得手段によって取得された属性情報が表す属性ごとに、前記第1取得手段によって取得された複数の前記情報が表す処理に含まれる一の処理と他の処理との組についての前記同一度を算出し、前記更新手段は、前記算出手段によって前記属性ごとに算出された前記同一度を用いて、前記記憶手段に前記属性ごとに記憶されている前記同一度を更新し、前記抽出手段は、前記第2取得手段によって取得された前記情報及び前記値の提供元の通信端末のユーザの属性について前記記憶手段に記憶されている前記同一度に基づいて、前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理との同一度が閾値以上である処理を抽出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、サーバ装置と複数の通信端末とを備える情報処理システムであって、前記サーバ装置は、前記複数の通信端末から、当該通信端末が行う処理を表す情報と当該処理に用いられるパラメータに設定された値とを取得する第1取得手段と、一の処理と他の処理との組について、当該一の処理に用いられるパラメータと当該他の処理に用いられるパラメータとに同一の値が設定され得る度合いを表す同一度を記憶する記憶手段と、前記第1取得手段によって取得された複数の前記情報が表す処理に含まれる一の処理と他の処理との組についての前記同一度を、当該前記情報と共に前記第1取得手段によって取得された前記値を用いて、当該情報の提供元である通信端末単位で前記同一度を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された同一度を用いて、前記記憶手段に記憶されている同一度を更新する更新手段と、各々の前記複数の通信端末から、当該通信端末が行う処理のうちパラメータに値が設定されていない処理を表す情報を取得する第2取得手段と、前記記憶手段に記憶された一の処理と他の処理との組についての同一度に基づいて、前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理との同一度が閾値以上である処理を抽出する抽出手段と、前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理と前記抽出手段によって抽出された処理との組を、前記第2取得手段が取得した前記情報の提供元である前記通信端末に通知する通知手段とを備え、前記複数の通信端末の各々は、自端末が行う処理のうちパラメータに値が設定された処理を表す情報及び当該パラメータに設定された値と、自端末が行う処理のうちパラメータに値が設定されていない処理を表す情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている内容から、前記通知手段によって通知された組に含まれる処理を検索する検索手段と、前記検索手段の検索結果に基づいて、前記通知された組に含まれる処理のうちパラメータに値が設定されていない処理の当該パラメータに、前記通知された組に含まれる処理のうちパラメータに値が設定された処理の当該値を設定する設定手段とを備えることを特徴とする情報処理システムを提供する。
【0012】
また、本発明は、複数の通信端末から、当該通信端末が行う処理を表す情報と当該処理に用いられるパラメータに設定された値とを取得する第1ステップと、前記第1ステップによって取得された複数の前記情報が表す処理に含まれる一の処理と他の処理との組についての前記同一度を、当該情報とともに前記第1ステップによって取得された前記値を用いて、当該情報の提供元である通信端末単位で算出する第2ステップと、一の処理と他の処理との組について、当該一の処理に用いられるパラメータと当該他の処理に用いられるパラメータとに同一の値が設定され得る度合いを表す同一度を記憶する記憶手段において、その記憶されている同一度を前記第2ステップによって算出された同一度を用いて更新する第3ステップと、各々の通信端末から、当該通信端末が行う処理のうちパラメータに値が設定されていない処理を表す情報を取得する第4ステップと、前記記憶手段に記憶された同一度に基づいて、前記第4ステップによって取得された前記情報が表す処理との同一度が閾値以上である処理を抽出する第5ステップと、前記第4ステップによって取得された前記情報が表す処理と前記第5ステップによって抽出された処理との組を、前記第4ステップによって取得された前記情報の提供元である前記通信端末に通知する第6ステップとを備えることを特徴とする情報処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、処理に用いられるパラメータの設定を支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態におけるシステムの構成を表した図
【図2】システム全体の処理イメージを表す図
【図3】通信端末のハードウェア構成を表したブロック図
【図4】アプリ連携ルール一覧の内容を表す図
【図5】サーバ装置のハードウェア構成を表したブロック図
【図6】アプリ連携ルールDBの内容を表す図
【図7】パラメータ同一度DBの内容を表す図
【図8】サーバ装置の制御部とその周辺の機能的構成を表したブロック図
【図9】アプリ連携ルール間における同一度を学習する際の処理の流れを示すフローチャート
【図10】パラメータの同一度が高いアプリ連携ルールをユーザに通知する際の処理の流れを示すフローチャート
【図11】アプリ連携ルールにおいてパラメータ値に同一の値が設定された結果を表す図
【図12】変形例1においてアプリ連携ルール間の同一度を学習する際の処理の流れを示すフローチャート
【図13】変形例1に係る変換テーブルを表す図
【図14】変形例2においてアプリ連携ルール間の同一度を学習する際の処理の流れを示すフローチャート
【図15】変形例2においてアプリ連携ルールを通知する際の処理の流れを示すフローチャート
【図16】変形例3においてアプリ連携ルール間の同一度を学習する際の処理の流れを示すフローチャート
【図17】変形例3においてアプリ連携ルールを通知する際の処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態の一例について説明する。
<構成>
図1は、本発明の実施形態におけるシステムの構成を表した図である。このシステムは、複数の通信端末100a〜100dと、サーバ装置200と、ネットワークNWとを備えている。以降において、通信端末100a〜100dの各々を区別しない場合は、通信端末100という。通信端末100は、例えば携帯電話機、無線LAN(Local Area Network)に接続可能な無線端末、無線機能を備えたノートパソコン、又はカーナビゲーションシステムのような、サーバ装置200と通信が可能な通信端末であって、図1では携帯電話機の例を挙げている。通信端末100はそれぞれ異なるユーザによって所持されており、これらのユーザが、通信端末100のそれぞれにおいて様々なアプリケーションプログラム(以下、単にアプリという)の実行を指示する。ネットワークNWは、例えば携帯電話網や無線LANなどの移動通信網やインターネットなどの固定通信網を含む通信網である。サーバ装置200は、ネットワークNWを介して通信端末100と情報のやり取りを行うとともに、通信端末100において実行されるアプリどうしの連携方法についての規則であるアプリ連携ルールに関する処理を行う情報処理装置である。
【0016】
図2は、第1実施形態におけるシステム全体の処理イメージを表す図である。まず、アプリ連携ルールとは、連携元のアプリ及び連携先のアプリの名称と、この両者が連携するときに共通に用いられるパラメータの種別及び値と、パラメータをどのように用いて連携元のアプリ及び連携先のアプリを連携させた処理を行うかということを表す連携処理内容との組み合わせからなる。ここで、連携元のアプリとは、或るアプリ連携ルールを構成するアプリのうち、先に実行されるアプリのことをいう。また、連携先のアプリとは、或るアプリ連携ルールを構成するアプリのうち、後に実行されるアプリのことをいう。パラメータは、様々な値を取り得る変数であり、例えば連携元のアプリから出力されて連携先のアプリに入力されるものである。パラメータの値(以下パラメータ値という)は、例えば「12時」や「自宅の位置」などの、パラメータの具体的な内容のことである。パラメータの種別は、例えば「時刻」や「目的地」など、パラメータが取り得る値の種別である。以下、連携元のアプリ及び連携先のアプリに共通に用いられるパラメータのことを、これらの連携元のアプリ及び連携先のアプリとを連携するパラメータという。複数のユーザが、同一の連携処理内容のアプリ連携ルールを実行している場合であっても、これらのアプリ連携ルールにおけるパラメータの値が異なることがある。なお、アプリ連携ルールは、連携される対象となるアプリの実行を伴うものであるため、以下では、アプリ連携ルールについて、「アプリ連携ルールを実行する」という言い方をすることがある。
【0017】
例えば、図2の例では、ユーザAの使用しているアプリ連携ルールの連携処理内容として、「1:23時になったら現在地から横浜駅までの終電通知」というものがある。このアプリ連携ルールは、連携元のアプリがGPS機能であり、連携先のアプリが電車の乗換えを検索する乗換え検索アプリであり、目的地を表すパラメータとして、「横浜駅」という値が設定されていることを表している。
【0018】
このシステムでは、まず、サーバ装置200が、通信端末100から、パラメータに値を設定済みのアプリ連携ルールに関する情報を取得する。そして、取得した情報に含まれるアプリ連携ルールにおいて、パラメータに同一の値が設定されたアプリ連携ルールの組があった場合、サーバ装置200は、このアプリ連携ルールの組ではパラメータに同一の値が設定され得ることを統計的に学習する。サーバ装置200は、学習内容に基づいて、ユーザの所持する通信端末100に対して、パラメータに同一の値が設定され得るアプリ連携ルールの組を通知する。そして、通信端末100は、自端末においてパラメータ値が未設定のアプリ連携ルールがあり、さらに、このアプリ連携ルールが上記通知における組に含まれる場合、この組を構成する他方のアプリ連携ルールに用いられるパラメータに設定されたのと同一の値を自端末におけるアプリ連携ルールに用いられるパラメータに設定する仕組みとなっている。
【0019】
図2では、ユーザAが、「1:23時になったら現在地から横浜駅までの終電通知」及び「2:現在地から横浜駅までの乗換え検索」という2つのアプリ連携ルールを自身の通信端末100に設定し、使用している。ここで、「1」及び「2」のアプリ連携ルールは、目的地を表すパラメータとして、「横浜駅」という同一の値が設定されている。また、図では、ユーザBが、「1:23時になったら現在地から品川駅までの終電通知」及び「2:現在地から品川駅までの乗換え検索」という2つのアプリ連携ルールを自身の通信端末100に設定し、使用している。ここで、「1」及び「2」のアプリ連携ルールは、目的地を表すパラメータとして、「品川駅」という同一の値が設定されている。サーバ装置200は、通信端末100から、パラメータを設定済みのアプリ連携ルールに関する情報を取得すると、「1」及び「2」のアプリ連携ルールは、パラメータに同一の値が設定され得ることを学習する。
【0020】
また、図2では、ユーザCが、「1:23時になったら現在地から吉祥寺駅までの終電通知」及び「2:現在地からXXまでの乗換え検索」という2つのアプリ連携ルールを自身の通信端末100に設定し、使用している。この「XX」とは、アプリ連携ルールにおいて、ユーザにより任意の値が設定可能なパラメータを表している。つまり、図2において、ユーザCは、「2:現在地からXXまでの乗換え検索」というアプリ連携ルールに対してパラメータ値を未設定であることを表している。
【0021】
サーバ装置200は、双方のアプリ連携ルールでこのXXが同じ値である場合には、これらのアプリ連携ルールにおいてパラメータに同一の値が設定され得ることを学習する。例えば「23時になったら現在地から横浜駅までの終電通知」というアプリ連携ルールと「現在地から横浜駅までの乗換え検索」というアプリ連携ルールとが使用されている場合、サーバ装置200は、これらのアプリ連携ルールにおいてパラメータに同一の値が設定され得ると判断する。一方、例えば「23時になったら現在地から横浜駅までの終電通知」というアプリ連携ルールと「現在地から吉祥寺駅までの乗換え検索」というアプリ連携ルールとが使用されている場合、サーバ装置200は、これらのアプリ連携ルールにおいてパラメータに同一の値が設定され得るとは判断しない。なお、以降における「X」や「XXX」も、上記の「XX」と同様の意味である。
【0022】
サーバ装置200は、上述したように、「1:23時になったら現在地からXXXまでの終電通知」及び「2:現在地からXXまでの乗換え検索」の2つのアプリ連携ルールが、パラメータに同一の値が設定され得ることを学習済みである。従って、サーバ装置200は、この学習内容に基づいて、ユーザCの所持する通信端末100に対して、「1」及び「2」のアプリ連携ルールは、パラメータに同一の値を設定可能であることを通知する。ユーザCの所持する通信端末100は、通知に従って、未設定な状態である「2」のアプリ連携ルールのパラメータに対して、「1」のアプリ連携ルールと同一の値を設定する。
【0023】
図3は、第1実施形態における通信端末100のハードウェア構成を表したブロック図である。通信端末100は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14及び通信部15を備えており、これらの各部がバス16を介して互いに接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を有する。CPUは、ROMや記憶部12に記憶されているプログラムを読み出しRAMにロードして実行することにより、通信端末100の各部を制御する。
【0024】
表示部13は、液晶ディスプレイなどの表示体やVRAM(Video Random Access Memory)などのメモリを備えており、制御部11の制御の下で各種の画像を表示する。操作部14は、複数のキーを有しており、ユーザによってこれらのキーが操作されるとその操作内容に応じた信号を制御部11へ供給する。制御部11は、この信号に基づいて操作内容を判断して処理を行う。通信部15は、制御部11の制御の下で、ネットワークNWに含まれる移動通信網を介して、サーバ装置200と通信を行う。
【0025】
記憶部12は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶手段であり、アプリ連携ルール一覧121、各種閾値及びプログラムを記憶する。アプリ連携ルール一覧121は、この通信端末100が所持するアプリ連携ルールの一覧を表すデータである。アプリ連携ルール一覧121には、ユーザによりパラメータ値が設定されて実行可能な状態となっているアプリ連携ルールと、パラメータ値が未設定であり実行可能な状態ではないアプリ連携ルールとの双方が含まれる。パラメータ値が未設定であり実行可能な状態ではないアプリ連携ルールが含まれる状態とは、例えば、以下のような場合である。ユーザが、操作部14を用いて操作を行うことで、通信端末100は、通信部15を用いてサーバ装置200からアプリ連携ルールを取得することが可能である。ここで、通信端末100が、自端末の所持していないアプリ連携ルールを取得した場合、このアプリ連携ルールは、パラメータ値が未設定の状態でアプリ連携ルール一覧121に登録されることなる。本実施形態では、このようなパラメータ値が未設定な状態のアプリ連携ルールを対象として、パラメータ値の設定を支援する。
【0026】
図4は、アプリ連携ルール一覧121の内容を表す図である。アプリ連携ルール一覧121は、各々のアプリ連携ルールを識別する番号と、変数としてのパラメータを用いて表現された各々のアプリ連携ルールの連携処理内容と、連携元アプリの名称と、連携先アプリの名称と、パラメータの種別と、パラメータ値とで構成されている。図4において、「バッテリーがX%以下になったら照明を暗くする」というアプリ連携ルールが示されている。ここでバッテリーとは、2次電池の電力残量のことであり、照明とは、液晶ディスプレイのバックライトの照明強度のことである。このアプリ連携ルールでは、電源管理のアプリと照明管理のアプリとを連携するパラメータとして、100%充電されているときを基準としてバッテリーがどの程度減ったかの割合で表されるバッテリー残量が、ユーザにより設定されることとなる。図4では、このパラメータに「20」の値が設定されている。また、図4の「23時になったら現在地からXXXまでの終電通知」というアプリ連携ルールでは、現在地を特定するGPS機能と終電検索などを行う乗換え検索アプリとを連携するパラメータとして、目的地がユーザにより設定されることとなる。図4では、このパラメータに「横浜駅」の値が設定されている。また、「現在地からXXまでの乗換え検索」というアプリ連携ルールでは、GPS機能と電車の乗換え案内を行う乗換え検索アプリとを連携するパラメータとして、目的地がユーザにより設定可能であるが、図4においては未設定の状態である。
【0027】
ユーザは、図4に一例として示されるようなアプリ連携ルールを、操作部14を用いて自ら作成することが可能である。例えば、まず、ユーザは、操作部14を用いて、アプリ連携ルールを作成するための画面を表示部13に表示させる。この作成画面では、連携元のアプリ、連携先のアプリ及びパラメータを設定可能となっている。ユーザは、操作部14を用いて、例えばリストボックスから連携元のアプリを選択する。すると、制御部11は、連携元のアプリの出力値を入力値として用いることができるアプリを、連携先のアプリのリストボックスに表示させる。ユーザが、連携先のアプリのリストボックスから特定のアプリを選択すると、制御部11は、連携元のアプリの出力値と連携先のアプリの入力値とから、変数としてのパラメータを特定する。そして制御部11は、特定したパラメータと連携元のアプリと連携先のアプリとに基づいて、パラメータ値を任意に入力可能である連携処理内容を作成すると、これを表示部13に表示させる。なお、どのアプリが連携元のアプリや連携先のアプリになりえるかとか、各アプリがどのような入力値及び出力値を扱い得るかといった情報は記憶部12に予めデータベース化されて記憶されている。ユーザは、表示された内容に応じて、操作部14を用いて、連携処理内容におけるパラメータ値を設定することで、アプリ連携ルールを作成する。ユーザは、アプリ連携ルールを作成すると、これをサーバ装置200に登録する。具体的には、ユーザが、アプリ連携ルールの作成後に操作部14を用いて登録ボタンを押下すると、制御部11は、作成されたアプリ連携ルールの内容を、通信部15を用いてサーバ装置200に送信する。サーバ装置200は、これを受信すると、受信したアプリ連携ルールの内容を、後述するアプリ連携ルールDB221に登録する。
【0028】
図5は、サーバ装置200のハードウェア構成を表したブロック図である。サーバ装置200は、制御部21、記憶部22及び通信部23を備えており、これらの各部がバス24を介して互いに接続されている。制御部21は、CPU、RAM及びROMを有する。CPUは、ROMや記憶部22に記憶されているプログラムを読み出しRAMにロードして実行することにより、サーバ装置200の各部を制御する。通信部23は、制御部21の制御の下で、ネットワークNWに含まれる移動通信網を介して、通信端末100と通信を行う。
【0029】
記憶部22は、例えばHDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶手段であり、アプリ連携ルールDB(Database)221及びパラメータ同一度DB222を備え、各種閾値及びプログラムを記憶する。アプリ連携ルールDB221は、ユーザにより通信端末100を用いて作成されたアプリ連携ルールが登録されたデータベースである。パラメータ同一度DB222は、アプリ連携ルールDB221に登録されている全てのアプリ連携ルールを対象として、或るアプリ連携ルールと他のアプリ連携ルールとにおいて、パラメータに同一の値を設定され得る度合いを表したデータベースである。異なるアプリ連携ルールどうしにおいて、両者のパラメータに同一の値が設定され得る度合いのことを、以降、同一度と呼ぶ。同一度は、或るアプリ連携ルールと他のアプリ連携ルールとにおいて、パラメータに同一の値が設定され得る可能性の高さともいえる。
【0030】
図6は、アプリ連携ルールDB221の内容を表す図である。アプリ連携ルールDB221は、各々のアプリ連携ルールを識別する番号と、連携処理内容と、連携元のアプリの名称と、連携先のアプリの名称と、パラメータ種別とで構成されている。例えば、図6において番号が「3」であるアプリ連携ルールは、連携処理内容が「現在地からXXまでの乗換え検索」という内容であって、連携元のアプリが「GPS機能」であり、連携先のアプリが「乗換え検索アプリ」であり、パラメータとして「目的地」が設定されることを表している。つまり、ユーザがこのアプリ連携ルールを実行すると、通信端末100の制御部11は、GPS機能を実現して現在位置を取得する。そして制御部11は、乗換え検索アプリを実行することで、GPS機能により取得した現在位置を出発地として、パラメータで設定された目的地までの乗換え検索を行うこととなる。上述したように、ユーザは、このようなアプリ連携ルールを、通信端末100を用いて任意に作成可能である。そして通信端末100の制御部11は、作成されたアプリ連携ルールを、通信部15を用いてサーバ装置200に送信する。サーバ装置200の制御部21は、通信部23を用いて受信したアプリ連携ルールを、アプリ連携ルールDB221に登録する。
【0031】
図7はパラメータ同一度DB222の内容を表す図である。図において、パラメータ同一度DB222は、或る連携処理内容を持つアプリ連携ルールを縦軸及び横軸とした2次元のマトリクスとして表されている。このアプリ連携ルールは、アプリ連携ルールDB221に登録されている全てのアプリ連携ルールが対象となる。異なる連携処理内容を持つアプリ連携ルールどうしが交わる欄には、上述した同一度が、0以上1以下の数値として表されている。図において「−」という記号が記されている欄は、マトリクスの表現上、重複した欄、或いは不要な欄であるため、同一度の表示が省略されていることを表す。同一度は、1に近づくにつれて、異なるアプリ連携ルールどうしにおいて、両者のパラメータに同一の値が設定され得る可能性が高いことを表す。従って、同一度が0である場合、異なるアプリ連携ルールどうしにおいて、両者のパラメータに同一の値が設定され得る可能性が全くないことを意味し、同一度が1の値を取るとき、確実に両者のパラメータに同一の値が設定され得ることを意味する。
【0032】
例えば、図7において、「バッテリーがX%以下になったら照明を暗くする」という連携処理内容のアプリ連携ルールと、「バッテリーがX%以下になったらWi−FiをOFFにする」という連携処理内容のアプリ連携ルールとの同一度は「0.6」であるため、両者のアプリ連携ルールは、パラメータに同一の値が設定され得る可能性が、ある程度高いことを表す。これは例えば、「バッテリーが20%以下になったら照明を暗くする」という連携処理内容のアプリ連携ルールと、「バッテリーが20%以下になったらWi−FiをOFFにする」という連携処理内容のアプリ連携ルールというように、双方のアプリ連携ルールにおいて同一のパラメータ値「20」が設定されるとか、或いは、「バッテリーが30%以下になったら照明を暗くする」という連携処理内容のアプリ連携ルールと、「バッテリーが30%以下になったらWi−FiをOFFにする」という連携処理内容のアプリ連携ルールというように、双方のアプリ連携ルールにおいて同一のパラメータ値「30」が設定される可能性が高いということである。なお、Wi−Fiとは無線LANを介して通信を行う機能のことである。上述の場合では、両者のアプリ連携ルールにおけるパラメータ種別は、ともに、バッテリーの残量を表す数字という内容であるため、両者のパラメータに同一の値が設定されることが多くなり、結果として、同一度が「0.6」と算出されたわけである。一方、「バッテリーがX%以下になったらWi−FiをOFFにする」という連携処理内容を持つアプリ連携ルールと、「現在地からXXまでの乗換え検索」という連携処理内容を持つアプリ連携ルールとの同一度は「0」であるため、両者のアプリ連携ルールは、パラメータに同一の値が設定され得る可能性が全くないことを意味している。これは、前者のアプリ連携ルールにおけるパラメータ種別は、バッテリーの残量を表す数字である一方、後者のアプリ連携ルールにおけるパラメータ種別は、目的地の駅名を表す文字列であって、内容が異なるため、両者のパラメータに同一の値が設定されることが全く無く、結果として同一度が「0」と算出されたわけである。上述したように連携処理内容はパラメータ値が未設定な状態のアプリ連携ルールの処理内容を表すものであるから、所定の連携処理内容を持つアプリ連携ルールどうしの同一度がマトリクスとして表されたパラメータ同一度DB222は、パラメータの値に依らないアプリ連携ルールどうしの関係を表しているといえる。
【0033】
図8は、サーバ装置200の制御部21とその周辺の機能的構成を表したブロック図である。
制御部21は、複数の通信端末100から、当該通信端末100が行う処理を表す情報と当該処理に用いられるパラメータに設定された値とを取得する第1取得手段211として機能する。記憶部22は、一の処理と他の処理との組について、当該一の処理に用いられるパラメータと当該他の処理に用いられるパラメータとに同一の値が設定され得る度合いを表す同一度を記憶する記憶手段として機能する。また、制御部21は、第1取得手段211によって取得された複数の情報が表す処理に含まれる一の処理と他の処理との組についての同一度を、この情報とともに第1取得手段211によって取得された値を用いて、この情報の提供元である通信端末100単位で同一度を算出する算出手段212として機能する。また、制御部21は、算出手段212によって算出された同一度を用いて、記憶手段に記憶されている同一度を更新する更新手段213として機能する。また、制御部21は、各々の通信端末100から、当該通信端末100が行う処理のうちパラメータに値が設定されていない処理を表す情報を取得する第2取得手段214として機能する。また、制御部21は、記憶手段に記憶された一の処理と他の処理との組についての同一度に基づいて、第2取得手段214によって取得された情報が表す処理との同一度が閾値以上である処理を抽出する抽出手段215として機能する。また、制御部21は、第2取得手段214によって取得された情報が表す処理と抽出手段215により抽出された処理との組を、第2取得手段214が取得した情報の提供元である通信端末100に通知する通知手段216として機能する。
【0034】
図9は、アプリ連携ルール間における同一度を学習する際の処理の流れを示すフローチャートである。サーバ装置200の制御部21は、通信部23を用いて、通信端末100からアプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールを取得する(ステップS10)。具体的にはステップS10において、制御部21は、例えば、通信部23を用いて複数の通信端末100にポーリングを行う。そして制御部21は、ポーリングの返信があった通信端末100に対して、通信部23を用いてデータ送信要求を送信する。通信端末100の制御部11は、通信部15を用いてデータ送信要求を受信すると、記憶部12に記憶されたアプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールをサーバ装置200に対して送信する。制御部21は、通信部23を用いてこのようなアプリ連携ルールを受信すると、これを記憶部22に記憶させる。また、記憶部22は、通信端末100からパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールを取得した回数を、取得回数として記憶している。制御部21は、通信端末100からパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールを取得するたびに、上述した取得回数に1を加算する。制御部21は、このようにして複数の通信端末100からパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールを取得する。なお、図11は、単一の通信端末100を相手とした場合の処理フローであって、実際には、図11のようなフローの処理が、通信端末100の数だけ行われることとなる。
【0035】
ステップS10の次に制御部21は、取得したパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールについて、アプリ連携ルールの取得元である通信端末100ごとに次のような分析を行う。まず、制御部21は、通信端末100から取得したパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールにおいて、パラメータに同一の値が設定された、異なるアプリ連携ルールの組がある場合(ステップS20;YES)、この組についてのパラメータの同一度として、0以上の整数である所定の値を、算出する(ステップS30)。ここでは、上記所定の値を、固定で「1」とする。パラメータに同一の値が設定された、異なるアプリ連携ルールの組が複数ある場合、ステップS30において、制御部21は、これらの組の各々に対して同一度を算出する。一方、通信端末100から取得したパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールにおいて、パラメータに同一の値が設定された、異なるアプリ連携ルールの組が全くない場合(ステップS20;NO)、制御部21は、処理を終了する。
【0036】
ステップS30の次に制御部21は、算出した同一度に基づいてパラメータ同一度DB222を更新する(ステップS40)。ステップS40において、具体的には、制御部21は、以下のような処理を行う。パラメータ同一度DB222のデータ構造は、図7に示したように、異なるアプリ連携ルールどうしの組のマトリクスとなっている。記憶部22は、このマトリクスにおける上記組のそれぞれについて、それまでに算出された同一度の積算値を記憶している。制御部21は、ステップS30において算出した、異なるアプリ連携ルールどうしの組のパラメータについての同一度を、ステップS40において、それと同じ組のパラメータについての同一度の積算値に加算する。そして制御部21は、上記同一度の積算値のそれぞれを、ステップS10で更新した取得回数で除算することで、それぞれの同一度の平均値を算出する。そして制御部21は、異なるアプリ連携ルールの組のそれぞれについての同一度を、上述のようにして算出した平均値で更新する。ステップS40において制御部21は、ステップS30において同一度を算出した組の数だけ、このような同一度を更新する処理を行う。
【0037】
例えば、パラメータ同一度DB222が図7に示すようなものであった場合を考える。制御部21が、或る通信端末100から、パラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールとして、例えば「バッテリーがX%以下になったら照明を暗くする」及び「バッテリーがX%以下になったらWi−FiをOFFにする」の2つを取得したとする。このタイミングで、制御部21は、上述した取得回数に「1」を加算する。そして、この2つのアプリ連携ルールのパラメータ値が、ともに「20」であり同一であった場合、制御部21は、この2つのアプリ連携ルールの組について、同一度として「1」を算出する。そして、制御部21は、この2つのアプリ連携ルールの組について記憶部22に記憶された同一度の積算値に、上述の「1」を加算する。制御部21は、この2つのアプリ連携ルールの組について記憶部22に記憶された同一度の積算値を、上述した取得回数で除算することで、同一度の平均値を算出する。そして制御部21は、この2つのアプリ連携ルールの組についてのパラメータの同一度を、算出した平均値で更新する。
【0038】
図10は、パラメータの同一度が高いアプリ連携ルールをユーザに通知する際の処理の流れを示すフローチャートである。サーバ装置200の制御部21は、通信部23を用いて、通信端末100から、アプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が未設定のアプリ連携ルールを取得する(ステップS110)。具体的にはステップS110において、制御部21は、例えば、通信部23を用いて複数の通信端末100にポーリングを行う。そして制御部21は、ポーリングの返信があった通信端末100に対して、通信部23を用いてデータ送信要求を送信する。通信端末100の制御部11は、通信部15を用いてデータ送信要求を受信すると、記憶部12に記憶されたアプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が未設定のアプリ連携ルールをサーバ装置200に対して送信する。制御部21は、通信部23を用いてパラメータ値が未設定のアプリ連携ルールを受信すると、これを記憶部22に記憶させる。制御部21は、このようにして複数の通信端末100から、パラメータ値が未設定のアプリ連携ルールを取得する。
【0039】
次に制御部21は、取得したパラメータ値が未設定のアプリ連携ルールを、その取得元の通信端末100ごとに分析する。制御部21は、パラメータ同一度DB222において、取得したパラメータ値が未設定のアプリ連携ルールの各々と、この各々と異なるアプリ連携ルールとの組において、パラメータの同一度が閾値以上であるアプリ連携ルールの組があるか否かを判定する(ステップS120)。ここで上記閾値は、記憶部22に記憶されている。
【0040】
制御部21は、ステップS120でYESと判定すると、パラメータの同一度が閾値以上であるアプリ連携ルールの組を、通信部23を用いて通信端末100へ通知する(ステップS130)。一方、制御部21は、ステップS120でNOと判定すると、処理を終了する。ステップS130における通知を受けた通信端末100の制御部11は、通知に含まれる、同一度が高いアプリ連携ルールの組を記憶部12に記憶させる。つまり、通知に含まれる、同一度が高いアプリ連携ルールの組は、ユーザの通信端末100においてパラメータ値が未設定なアプリ連携ルールと、このアプリ連携ルールと同一度が高いとサーバ装置200によって判定されたアプリ連携ルールとにより構成されることとなる。そして、制御部11は、記憶部12に記憶されたアプリ連携ルール一覧121から、上記通知に含まれるアプリ連携ルールを検索する。そして、制御部11は、検索結果のアプリ連携ルールのうち、パラメータ値が設定済みであるアプリ連携ルールのパラメータに設定された値と同一の値を、パラメータ値が未設定であるアプリ連携ルールのパラメータに対して設定する。
【0041】
例えば、アプリ連携ルール一覧121が図4に示すようなものであり、パラメータ同一度DB222が図7に示すようなものであり、閾値が「0.7」であった場合を考える。制御部21は、アプリ連携ルール一覧121に含まれるアプリ連携ルールのうちパラメータ値が未設定である「現在地からXXまでの乗換え検索」というアプリ連携ルールと他のアプリ連携ルールとの組について、パラメータ同一度DB222において「0.7」以上の同一度を持つアプリ連携ルールの組があるか否かを判定する。その結果、制御部21は、「現在地からXXまでの乗換え検索」及び「23時になったら現在地からXXXまでの終電通知」というアプリ連携ルールの組が閾値以上の同一度を持っていると判定する。つまり、制御部21は、「現在地からXXまでの乗換え検索」及び「23時になったら現在地からXXXまでの終電通知」のアプリ連携ルールの組を、パラメータに同一の値が設定され得る可能性が高いアプリ連携ルールの組として判定する。制御部21は、通信部23を用いて、判定結果に基づくアプリ連携ルールの組を通信端末100へ通知する。
【0042】
通信端末100の制御部21は、通信部15を用いて上記通知を受けると、通知に含まれる「現在地からXXまでの乗換え検索」及び「23時になったら現在地からXXXまでの終電通知」というアプリ連携ルールの組を、同一度の高いアプリ連携ルールの組として、記憶部12に記憶させる。前述したように、アプリ連携ルール一覧121には、パラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールとパラメータ値が未設定のアプリ連携ルールとが含まれている。制御部11は、記憶部12に記憶させた上記組を構成するアプリ連携ルールの双方、すなわち「現在地からXXまでの乗換え検索」及び「23時になったら現在地からXXXまでの終電通知」というアプリ連携ルールを、アプリ連携ルール一覧121から検索する。ここで、この検索を行った結果において、「現在地からXXまでの乗換え検索」というアプリ連携ルールはパラメータ値が未設定であり、「23時になったら現在地からXXXまでの終電通知」というアプリ連携ルールはパラメータ値が設定済みである。従って、制御部21は、「現在地からXXまでの乗換え検索」というアプリ連携ルールのパラメータ値に対して、「23時になったら現在地からXXXまでの終電通知」というアプリ連携ルールのパラメータ値、すなわち「横浜駅」を設定する。この結果、図4に示すアプリ連携ルール一覧121は、図11に示す状態となる。図11は、アプリ連携ルールにおいてパラメータ値に同一の値が設定された結果を表す図である。
【0043】
このように、実施形態によれば、処理に用いられるパラメータの設定に要するユーザの手間を少なくすることが可能となる。また、上記設定の内容は、複数の通信端末100におけるパラメータの設定内容から統計的に学習された結果に基づくため、アプリ連携ルールが使用される際の一般的な傾向に応じたものとなる。従って、一般的な傾向として他のアプリ連携ルールと同じ値をパラメータに設定して使用する可能性が高いアプリ連携ルールほど、自動でパラメータが設定されやすくなるため、ユーザにとって利便性が高い。
【0044】
<変形例>
以上の実施形態は次のように変形可能である。尚、以下の変形例は適宜組み合わせて実施してもよい。
【0045】
<変形例1>
実施形態においては、制御部21が、通信端末100から取得したアプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールにおいて、パラメータ値に同一の値が設定された、異なるアプリ連携ルールの組がある場合に、この組についてのパラメータの同一度として、所定の値を固定で算出していた。これに限らず、制御部21が、通信端末100から取得したアプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールにおいて、パラメータ値に同一又は類似の値が設定された、異なるアプリ連携ルールの組がある場合に、この組についてのパラメータの同一度として、所定の値を動的に算出するようにしてもよい。
【0046】
図12は、変形例1においてアプリ連携ルール間の同一度を学習する際の処理の流れを示すフローチャートである。図12において、ステップS10及びS40は、図9と同一であるため、詳細な説明を省略する。ステップS10の次に、制御部21は、通信端末100から取得したアプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールにおいて、パラメータのデータタイプの型が同一である、異なるアプリ連携ルールどうしの組があるか否かの判定を行う(ステップS20a)。このデータタイプとは、データの型及び桁数を表す。データの型は、例えば、「横浜駅」のような“文字列”であったり、「20」のような“数字”であったり、又は「15:00:00」のような“時刻”であったり、というように、パラメータによって異なる。また、データの桁数は、例えば「2桁」や、「最長10文字」といった内容で表される。つまり、データタイプは、例えば、「2桁」の「数字」や、「最長10文字」の「文字列」といった内容で表される。なお、データの型は、例えば、「bigint」型は8バイトまで許容し、「int」型は4バイトまでを許容するというように、データの桁数をも規定し得る。ここで、通信端末100から取得したアプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールにおいて、パラメータのデータタイプが同一である、異なるアプリ連携ルールどうしの組が全くない場合(ステップS20a;NO)、制御部21は、処理を終了する。
【0047】
例えば、制御部21が、通信端末100から取得したアプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールにおいて、パラメータのデータタイプが、ともに「3桁」の「数字」である、異なるアプリ連携ルールどうしの組があると判定したとする。制御部21は、このように、通信端末100から取得したアプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールにおいて、パラメータに設定される値のデータタイプが同一である、異なるアプリ連携ルールどうしの組があった場合(ステップS20a;YES)、この組をRAMに記憶させると、ステップS30aへ処理を進める。
【0048】
ステップS30aにおいて、制御部21は、RAMに記憶された組を構成する2つのアプリ連携ルールにおける、パラメータの同一度を算出する。ステップS30aにおいて、まず、制御部21は、RAMに記憶された組を構成する2つのアプリ連携ルールにおいて、それぞれのパラメータ値の差分を算出する。そして、制御部21は、算出した差分を、このパラメータにおいて設定可能な上限の値で除算することで、パラメータにおいて取り得る上限の値に対する上記差分の割合を表す差分割合を算出する。
【0049】
例えば、「バッテリーの残量」を表すパラメータの場合、パラメータに設定可能な上限の値は「100(%)」である。ここで、2つのアプリ連携ルールにおけるパラメータ値の差分が「10」であったとする。このとき、差分割合は、「0.1」となる。差分割合は0以上1以下の値を取ることになるから、差分割合が0に近いほど、2つのアプリ連携ルールにおいてパラメータ値が類似していることを表し、差分割合が1に近いほど、2つのアプリ連携ルールにおいてパラメータ値が類似していないことを表すこととなる。また、差分割合が「0」であるとき、2つのアプリ連携ルールにおいてパラメータ値が同一であることを表す。制御部21は、算出した差分割合を、アプリ連携ルールの組と対応付けて、RAMに記憶させる。
【0050】
ステップS30aにおいて、次に、制御部21は、RAMに記憶された差分割合に基づいて、アプリ連携ルールの組のそれぞれについて同一度を算出する。変形例1において、記憶部22は、差分割合を同一度に変換するための変換テーブル223を記憶している。図13は、変形例1に係る変換テーブル223を表す図である。変換テーブル223は、「差分割合」及び「同一度」という項目を持つ。「差分割合」には、差分割合が取り得る値の所定の範囲が記述されている。図において「Z」は差分割合を表す。「同一度」には、差分割合に応じた同一度の値が記述されている。制御部21は、RAMに記憶された差分割合と変換テーブル223とから、同一度を算出する。例えば、上述した例の場合、差分割合が「0.1」なので、制御部21は、変換テーブル223に基づいて、同一度を「0.6」であると算出する。また、例えば、差分割合が「0」の場合、制御部21は、変換テーブル223に基づいて、同一度を「1」であると算出するが、これは、2つのアプリ連携ルールにおいてパラメータ値が同一であることを表す。このように、制御部21は、通信端末100から取得したアプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が設定済みのアプリ連携ルールと、このアプリ連携ルールと異なるアプリ連携ルールとの組について、パラメータ値の類似の度合いに比例した値を同一度として算出する。なお、変換テーブル223における「差分割合」及び「同一度」における区分は、より詳細なものとしてもよいし、よりおおまかなものとしてもよい。ステップS30aにおいて、制御部21は、差分割合と対応付けられてRAMに記憶されたアプリ連携ルールの組の各々に対して同一度を算出する。
【0051】
このように変形例1によれば、パラメータ値が完全に一致しない場合であっても、パラメータに設定された値が近い場合には、サーバ装置200が、これを統計的に学習する。これにより、サーバ装置200が記憶する、パラメータに同一の値が設定されやすいアプリ連携ルールの組についての情報が、より精度の高いものとなるため、処理の連携に関する設定について、ユーザが要する手間を削減する度合いがより高いものとなる。
【0052】
<変形例2>
アプリ連携ルールどうしの同一度が、所定の地域ごとに算出されるようにしてもよい。図14は、変形例2においてアプリ連携ルール間の同一度を学習する際の処理の流れを示すフローチャートである。図14において、ステップS20及びS30は、図9と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0053】
サーバ装置200の制御部21は、通信部23を用いて、通信端末100からアプリ連携ルール一覧121及び住所情報を取得する(ステップS10b1)。ここで、取得する方法については、実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、住所情報とは、通信端末100の記憶部12に記憶された、ユーザのプロファイル情報に含まれる住所の情報である。次に制御部21は、取得した住所情報を地域情報に変換する(ステップS10b2)。地域情報とは、住所情報に基づく所定の地域の名称を表すものである。地域情報は、複数の区分により分類することが可能である。区分には、例えば、「国」、「地方」及び「町」といったものがある。上記所定の地域は、例えば区分が「国」であれば、「日本」や「アメリカ」といった国の名称で表され、区分が「地方」であれば、「関東」、「関西」、又は「九州」といった地方の名称で表され、区分が「町」であれば、「A町」、「B町」といった町名で表される。区分の種類や数は上述した内容に限らず、設計において適宜変更可能である。以降の説明においては、地域情報が、「国」、「地方」及び「町」という3つの区分によって分類されているものとする。
【0054】
区分ごとに分類された所定の地域の名称を表す情報、すなわち上述した地域情報は、住所情報と対応付けられて、予め記憶部22に記憶されている。つまり、ステップS10b2において制御部21は、記憶部22に記憶された地域情報と住所情報との対応付けに基づいて、住所情報を地域情報に変換すると、これをRAMに記憶させる。このとき制御部21は、1つの住所情報を、区分に基づいて複数の地域情報に変換する。つまり、例えば、住所情報が「東京都新宿区○○町1−2−3」という内容であった場合、制御部21は、記憶部22に記憶された対応付けに基づいて、区分が「国」である「日本」、区分が「地方」である「関東」、区分が「町」である「○○町」といった3つの地域情報に変換し、これらをRAMに記憶させる。つまり、地域情報とは、通信端末100の属する地域を表しているといえる。制御部21は、このような地域情報を取得する「地域情報取得手段」に相当する。
【0055】
変形例5において、記憶部22は、地域情報と対応付けられたパラメータ同一度DB222を、地域情報の数だけ備えている。つまり、記憶部22は、地域情報における区分の数と各区分における分類の数とを積算した数だけ、パラメータ同一度DB222を備えている。ステップS10b2の次に、制御部21は、ステップS20及びS30を行う。つまり、ステップS30において、制御部21は、RAMに記憶された地域情報が表す地域ごとに同一度を算出する。ステップS30の次に、制御部21は、ステップS30で算出した同一度に基づいて、RAMに記憶された地域情報に応じたパラメータ同一度DB222を更新する(ステップS40d)。つまり、上述した例の場合、ステップS40bにおいて、制御部21は、「日本」、「関東」及び「○○町」に応じた3つのパラメータ同一度DB222を更新する。
【0056】
図15は、変形例2においてアプリ連携ルールを通知する際の処理の流れを示すフローチャートである。図15において、ステップS130は、図10と同じであるため、詳細な説明を省略する。サーバ装置200の制御部21は、通信部23を用いて、通信端末100から、アプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が未設定のアプリ連携ルール及び住所情報を取得する(ステップS110a1)。ここで、取得する方法については、実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。次に制御部21は、取得した住所情報を地域情報に変換し、これをRAMに記憶させる(ステップS110a2)。
【0057】
ステップS110a2の次に制御部21は、RAMに記憶された地域情報に応じたパラメータ同一度DB222において、取得したパラメータ値が未設定のアプリ連携ルールの各々に対して、同一度が閾値以上であるアプリ連携ルールがあるか否かを判定する(ステップS120a)。つまり、例えばステップS110a2でRAMに記憶された地域情報が、「日本」、「関東」及び「○○町」といった内容であった場合、ステップS120aで制御部21は、これらの地域情報に応じた3つのパラメータ同一度DB222において、同一度が閾値以上であるアプリ連携ルールがあるか否かを判定する。以降、判定の結果に従って、制御部21は、ステップS130の処理を行う。
【0058】
このように、変形例2では、サーバ装置200が、所定の地域ごとに、アプリ連携ルールどうしの組み合わせについての同一度を学習する。従って、変形例2によれば、パラメータ値に同一の値を設定する可能性が高いアプリ連携ルールの組み合わせについて、地域によって差異が存在する場合でも、ユーザは、自らの所属する地域の特徴が反映された通知を受けることができるため、利便性が高いものとなる。
【0059】
<変形例3>
変形例2における地域情報を、ユーザの属性を表す属性情報に代えてもよい。図16は、変形例3においてアプリ連携ルール間の関連度を学習する際の処理の流れを示すフローチャートである。図16において、ステップS20及びS30は、図9と同じであるため、詳細な説明を省略する。サーバ装置200の制御部21は、通信部23を用いて、通信端末100からアプリ連携ルール一覧121及び属性情報を取得すると、これらをRAMに記憶させる(ステップS10c)。
【0060】
この属性情報は、通信端末100の記憶部12に記憶された、ユーザのプロファイル情報に含まれる。属性情報は、「職業」、「年齢」、「性別」、「母国語」といった複数の区分で分類可能である。例えば、属性情報は、区分が「職業」であれば、「会社員」、「自営業」といった個別の職業を表す名称で表され、区分が「年齢」であれば、「20代」、「30代」といった所定の年齢の範囲を示す名称で表され、区分が「性別」であれば、「男性」あるいは「女性」という性別を表す名称で表され、区分が「母国語」であれば、「日本語」や「英語」といった言語の名称で表される。区分の種類や数は上述した内容に限らず、設計において適宜変更可能である。制御部21は、このような属性情報を取得する「属性情報取得手段」に相当する。
【0061】
変形例3において、記憶部22は、属性情報と対応付けられたアプリ連携ルール関連DB222を、属性情報の数だけ備えている。つまり、記憶部22は、属性情報における区分の数と、各区分における分類の数とを積算した数だけ、アプリ連携ルール関連DB222を備えている。ステップS10cの次に、制御部21は、ステップS20及びS30を行う。つまり、ステップS30において、制御部21は、RAMに記憶された属性情報が表す属性ごとに関連度を算出する。ステップS30の次に、制御部21は、ステップS30で算出した関連度に基づいて、RAMに記憶された属性情報に応じたアプリ連携ルール関連DB222を更新する(ステップS40c)。
【0062】
図17は、変形例3においてアプリ連携ルールを通知する際の処理の流れを示すフローチャートである。図17において、ステップS130は、図10と同じであるため、詳細な説明を省略する。サーバ装置200の制御部21は、通信部23を用いて、通信端末100からアプリ連携ルール一覧121のうちパラメータ値が未設定のアプリ連携ルール及び属性情報を取得すると、これらをRAMに記憶させる(ステップS110b)。ここで、取得する方法については、実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0063】
次に制御部21は、RAMに記憶された属性情報に応じたアプリ連携ルール関連DB222において、取得したパラメータ値が未設定のアプリ連携ルールに対して、同一度が閾値以上であるアプリ連携ルールがあるか否かを判定する(ステップS120b)。
つまり、例えばステップS110bでRAMに記憶された属性情報が、「会社員」、「男性」、「30代」及び「日本語」といった内容であった場合、ステップS120bで制御部21は、これらの属性情報に応じた4つのアプリ連携ルール関連DB222において、同一度が閾値以上であるアプリ連携ルールがあるか否かを判定する。以降、判定の結果に従って、制御部21は、ステップS130の処理を行う。
【0064】
このように、変形例3では、サーバ装置200が、ユーザの属性ごとに、アプリ連携ルールどうしの組み合わせについての同一度を学習する。従って、変形例3によれば、パラメータ値に同一の値を設定する可能性の高いアプリ連携ルールの組み合わせについて、年齢などのユーザの属性によって差異が存在する場合でも、ユーザは、自らの属性の特徴が反映された通知を受けることができるため、利便性が高いものとなる。
【符号の説明】
【0065】
11,21…制御部、12,22…記憶部、121…アプリ連携ルール一覧、221…アプリ連携ルールDB、222…パラメータ同一度DB、13…表示部、14…操作部、15,23…通信部、16,24…バス、100…通信端末、200…サーバ装置、NW…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信端末から、当該通信端末が行う処理を表す情報と当該処理に用いられるパラメータに設定された値とを取得する第1取得手段と、
一の処理と他の処理との組について、当該一の処理に用いられるパラメータと当該他の処理に用いられるパラメータとに同一の値が設定され得る度合いを表す同一度を記憶する記憶手段と、
前記第1取得手段によって取得された複数の前記情報が表す処理に含まれる一の処理と他の処理との組についての前記同一度を、当該情報とともに前記第1取得手段によって取得された前記値を用いて、当該情報の提供元である通信端末単位で算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された同一度を用いて、前記記憶手段に記憶されている同一度を更新する更新手段と、
各々の通信端末から、当該通信端末が行う処理のうちパラメータに値が設定されていない処理を表す情報を取得する第2取得手段と、
前記記憶手段に記憶された同一度に基づいて、前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理との同一度が閾値以上である処理を抽出する抽出手段と、
前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理と前記抽出手段によって抽出された処理との組を、前記第2取得手段が取得した前記情報の提供元である前記通信端末に通知する通知手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記算出手段は、前記一の処理に用いられるパラメータと前記他の処理に用いられるパラメータとについて、データタイプが一致する場合に、前記データタイプのパラメータが取り得る値の上限値に対する2つの前記パラメータの値の差分の割合に基づいて前記同一度を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通信端末の属する地域を表す地域情報を取得する地域情報取得手段を備え、
前記記憶手段は、
前記地域情報によって表される地域ごとに、一の処理と他の処理との組について前記同一度を記憶し、
前記算出手段は、
前記地域情報取得手段によって取得された地域情報が表す地域ごとに、前記第1取得手段によって取得された複数の前記情報が表す処理に含まれる一の処理と他の処理との組についての前記同一度を算出し、
前記更新手段は、
前記算出手段によって前記地域ごとに算出された前記同一度を用いて、前記記憶手段に前記地域ごとに記憶されている前記同一度を更新し、
前記抽出手段は、
前記第2取得手段によって取得された前記情報及び前記値の提供元の通信端末の属する地域について前記記憶手段に記憶されている前記同一度に基づいて、前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理との同一度が閾値以上である処理を抽出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通信端末のユーザの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得手段を備え、
前記記憶手段は、
前記属性情報によって表される属性ごとに、一の処理と他の処理との組について、前記同一度を記憶し、
前記算出手段は、
前記属性情報取得手段によって取得された属性情報が表す属性ごとに、前記第1取得手段によって取得された複数の前記情報が表す処理に含まれる一の処理と他の処理との組についての前記同一度を算出し、
前記更新手段は、
前記算出手段によって前記属性ごとに算出された前記同一度を用いて、前記記憶手段に前記属性ごとに記憶されている前記同一度を更新し、
前記抽出手段は、
前記第2取得手段によって取得された前記情報及び前記値の提供元の通信端末のユーザの属性について前記記憶手段に記憶されている前記同一度に基づいて、前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理との同一度が閾値以上である処理を抽出する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
サーバ装置と複数の通信端末とを備える情報処理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記複数の通信端末から、当該通信端末が行う処理を表す情報と当該処理に用いられるパラメータに設定された値とを取得する第1取得手段と、
一の処理と他の処理との組について、当該一の処理に用いられるパラメータと当該他の処理に用いられるパラメータとに同一の値が設定され得る度合いを表す同一度を記憶する記憶手段と、
前記第1取得手段によって取得された複数の前記情報が表す処理に含まれる一の処理と他の処理との組についての前記同一度を、当該前記情報と共に前記第1取得手段によって取得された前記値を用いて、当該情報の提供元である通信端末単位で前記同一度を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された同一度を用いて、前記記憶手段に記憶されている同一度を更新する更新手段と、
各々の前記複数の通信端末から、当該通信端末が行う処理のうちパラメータに値が設定されていない処理を表す情報を取得する第2取得手段と、
前記記憶手段に記憶された一の処理と他の処理との組についての同一度に基づいて、前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理との同一度が閾値以上である処理を抽出する抽出手段と、
前記第2取得手段によって取得された前記情報が表す処理と前記抽出手段によって抽出された処理との組を、前記第2取得手段が取得した前記情報の提供元である前記通信端末に通知する通知手段と
を備え、
前記複数の通信端末の各々は、
自端末が行う処理のうちパラメータに値が設定された処理を表す情報及び当該パラメータに設定された値と、自端末が行う処理のうちパラメータに値が設定されていない処理を表す情報とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている内容から、前記通知手段によって通知された組に含まれる処理を検索する検索手段と、
前記検索手段の検索結果に基づいて、前記通知された組に含まれる処理のうちパラメータに値が設定されていない処理の当該パラメータに、前記通知された組に含まれる処理のうちパラメータに値が設定された処理の当該値を設定する設定手段と
を備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
複数の通信端末から、当該通信端末が行う処理を表す情報と当該処理に用いられるパラメータに設定された値とを取得する第1ステップと、
前記第1ステップによって取得された複数の前記情報が表す処理に含まれる一の処理と他の処理との組についての前記同一度を、当該情報とともに前記第1ステップによって取得された前記値を用いて、当該情報の提供元である通信端末単位で算出する第2ステップと、
一の処理と他の処理との組について、当該一の処理に用いられるパラメータと当該他の処理に用いられるパラメータとに同一の値が設定され得る度合いを表す同一度を記憶する記憶手段において、その記憶されている同一度を前記第2ステップによって算出された同一度を用いて更新する第3ステップと、
各々の通信端末から、当該通信端末が行う処理のうちパラメータに値が設定されていない処理を表す情報を取得する第4ステップと、
前記記憶手段に記憶された同一度に基づいて、前記第4ステップによって取得された前記情報が表す処理との同一度が閾値以上である処理を抽出する第5ステップと、
前記第4ステップによって取得された前記情報が表す処理と前記第5ステップによって抽出された処理との組を、前記第4ステップによって取得された前記情報の提供元である前記通信端末に通知する第6ステップと
を備えることを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−3789(P2013−3789A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133511(P2011−133511)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)